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22回国会参議院1955/07/06

議院運営委員会 第35号

発言数
106
登壇者
13
会派数
4
開催日
1955/07/06

会議録

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。  常任委員の辞任及び補欠に関する件。

海保勇三参事(議事課長)

○参事(海保勇三君) 自由党から、議院運営委員の石井桂君、決算委員の横山フク君が辞任されまして、後任として議院運営委員に横山フク君、決算委員に石井桂君を指名されたいとの申し出がございます。  社会党第四控室から決算委員の荒木正三郎君が辞任されまして、後任として久保等君を指名されたいとの申し出がございます。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま報告の通り決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。   —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 議院運営小委員予備員の辞任及び補欠に関する件。

宮坂完孝参事(委員部長)

○参事(宮坂完孝君) 自由党から、議院運営小委員予備員の雨森常夫君が辞任されまして、後任として木村守江君が推薦されております。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま報告の通り決することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。   —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 天田委員から発言を求められております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 先般わが党の山下議員ほか提出にかかる恩給法の改正法案でございますが、これは六月十七日に原本が提出され、普通ならば一日ぐらいでこれが印刷を了して配付とともに議院規則の示すところにより他院、すなわち衆議院に送られるのが例でございます。しかるに今回は今申した通り、十七日に提出されたものが衆議院に予備審査として送付されましたのは、六月二十五日でございます。この間に、六月二十四日には民自両党提出の改正案が衆議院に提出されまして、そこで本来わが会派提出の、六月十七日提出のものが予備審査といえども先に議せられるべきことが普通の扱いであります。ところが衆議院におきましては、今申した経過からいたしまして、当然に民自両党の改正案が先に議せられる順序、かようなことに相なったわけでありまして、私は、かつてないこの遅延というものが、どこに原因するかはなはだ了解に苦しむのでありまして、かようなことが行われるならば、必ず今後において政治的一つの意図をもって、ことさらにある会派の提出した案件が遅延せしめられるということにもなるのでありまして、私はそうした疑いを持つのでありますが、この際、直ちに今回さような政治的意図をもって遅延せしめられたとはいまだ断定いたしません。けれども、経過をだんだん調べてみると、何かなしに、そうしたにおいもしないではないのであります。  そこで私はこの際、その経過につきまして、まず第一に事務総長なり事務次長なり、事務局の責任者から、その経過を詳細に説明を承わり、次には、この遅延した一つの理由が、一旦提出されたものを法制局で修正をいたした、こういうことを承わっておるのでありまして、この関係からして法制局の責任者から、その一応提出されたものを取り下げ、提出者の山下義信君の了解を得ずして修正をいたした経過等を詳しく一つ、この際承わりたいと存じます。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) ただいま天田委員のおっしゃいました山下議員ほか三名の発議にかかる恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の衆議院に対する予備審査の送付がおくれた経緯につきまして、事実を詳細に申し上げます。  本法律案は、ただいま天田委員の言われましたように、六月十七日、金曜日の午後三時ごろ発議されました。それで十八日、土曜日の昼ごろこの校正刷りが刷り上りまして、それで十九日は日曜でありますが、二十日の午後二時過ぎになりまして、この校了が、ゲラを校了する作業が一応できまして、これをさらにその校了したところに従って印刷に回しました。その印刷が夜になって完了して届きました。翌二十一日の朝に、法制局のほうからこの印刷について、これは刷り直したいというお話がありまして、これを刷り直すかあるいは正誤の形で扱うかというようなことで研究がなされたわけでありますが、刷り直すということになりまして、刷り直しをいたしたわけであります。翌二十二日の水曜日には刷り直すべく原稿を法制局より受け取りまして、これを印刷のほうに午前十一時ごろ回しました。この校正刷りのゲラが刷り上って来たのが午後六時過ぎであります。それから翌二十三日木曜日午後三時ごろまでに、これの刷り直したものの校了が終りました。よってさらにこれを印刷に付しまして、二十四日金曜日午後六時過ぎに印刷が全部完了いたしました。そこで二十五日土曜日にこの完了した印刷物をもちまして衆議院に予備審査のために送付いたしたわけであります。従って六月十七日に、本院に本審査として発議せられまして、これを衆議院に予備審査のため送付したのが二十五日、土曜日、こういうことになる次第であります。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) お答えいたします。  ただいまの法案につきましては、五月の十四日と思いますが、社会党の山下義信議員から法案作成の御依頼がありまして、その際における御依頼の点は、恩給法だけに関する限りにおいては大体約三点でございます。その第一点は、仮定俸給は四号俸引き上げる、但し佐官以上は現行のままとする、現行一万円ベースは文官と同じく一万二千円ベースにアップするということが一つと、それから召集軍人中の七年以上従軍し、これを通算し、かつ加算を加えれば、恩給の受給資格が生ずるものについては、これを認めるように措置するということが第二点と、第三点は、状況悪化のもとにおいて自殺をしたものも公務死として取り扱うという三点が恩給法の改正に関する点でございました。  そこで、この御依頼の要綱が非常に漠然といたしておりますので、その後私のほうの職員と山下先生その他と約一ヵ月に亘りまして、いろいろ折衝をいたしまして、たとえば軍人あるいは準軍人、軍属それから軍務に従事した一般の公務員、それから戦犯者というようなことについても、同じような問題が起るというようなことで、いろろ折衝をいたしまして、ただいま次長からお話がありましたように六月十七日に法案拠出となりました。その法案の中におきましては、軍人、準軍人のほかに軍属についても、やはりベース・アップの処置をとり、また傷病賜金の点についても、ベース・アップをとっておったのでありますが、この点は非常に申しわけないのでございますが、これは恩給法以外の別個の法律によりまして、すでに軍属がベース・アップになっておるということが、法案提出後になって判明いたしましたので、非常に驚きまして、その校正刷りが参ったときに、十八日に参ったのでありますが、そのときに、この軍属のベース・アップに関する点をその法案から落すということが、どうしてもこれは明らかなる誤謬でございますので、必要ができたわけであります。ところがその点を落すということは、体裁上相当行数が多うございますし、これをあとで正誤の形で御訂正を願うということになると、いかにも訂正個所が数行、それ以上に上りまして、非常に体裁が悪いから、ちょうどまだ配付もされてないときでありますし、ことにまた山下先生から、そういう技術的な面においては総括一的におまかせをされておると考えておるのでありまして、そういう次第でありますから、あとから正誤表等でやることは、非常に体裁がおもしろくないと考えまして、無理に事務局のほうにお願いして刷り直していただきたいということを申し入れまして、その要求をいれていただいて、ただいま事務次長のお話にあったように、二十三日の朝、全部訂正したものを事務局に出して訂正になったということに相なっておるのでありまして、その軍属のベース・アップの点があとで、もうすでになされておった、その部分が不必要な明らかな誤謬であるということは、はなはだ申しわけないわけでありますが、そういう意味で、どうしてもそれがいずれのときか正誤表等によって訂正しなければならないものでありますために、また配付前であったということから、たまたま再印刷をお願いしたということが遅れた原因の一つをなしており、その点が非常に申しわけがないと思うのでありますが、何らこの点は、政治的な意図とか何とかということは全然なく、純然たる法律の立案の技術上の問題であるのであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私は、まず事務次長に伺いますが、ただいま法制局長から説明をなされたところによりますれば、十八日に校正刷りができて、それから、その内容の一部をむしろ落したほうが、法文の体裁上よろしいということから、事務局へ印刷のし直しを申し入れて、これを事務局のほうで了承されたというお話でございます。そこでその了承に当って事務局のほうで、提出者である山下君にさようなる処置をするということを了解を得てやられたのでございましょうか、あるいは法制局のほうにおいて、そうした山下議員の御了承を受けたからということで、その求めに応じられたのでございましょうか、いずれでございましょうか、お伺いいたします。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 今のお尋ねの点につきましては事務局としては申しわけないわけでありますが、山下議員に刷り直すということについては、何ら御了解を得ておりません。連絡をとっておりません。それでこれは、議員立法の場合に発議者にならるべき議員の方と法制局との依頼関係ですが、今お尋ねにありましたように包括的に法制局が委任を受けてやっておられる形でありますので、この校正というようなことについても、議案課といたしましても機械的な校正はいたしますが、実質的な校正と申しますか、そういうこともすべて法制局の意見に沿うて処置しておったわけでありまして、法制局と発議者である山下議員との間に了解があったものと思っておったわけであります。  ただし、法制局が包括的に受けておると申しましても、議案の提出される前までは、まさにそうでありましょうが、提出後においては、そこを今となって考えますれば、若干角度を変えて考えなければならなかったと思いますので、事務局といたしましても提出後の法案の扱いにつきましては、法案の中に重要な欠陥があるにいたしましても、さらに発議者等とよく連絡して後に処置するのが正しかったであろう。その点は現在は、さように存じております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そこでこのことは、法制局にもあとで伺いますが、事務局にもう一点伺いたいことは、従来、先に私が指摘したように、提出されたならば、大ていその翌日の夕刻ごろまでには、印刷になって会議に送られて審査が受けられる、こういうことが例でございます。ところが今回の場合に、十七日に出されたものが十八日に校正ができて、その中で一部落したほうがよろしいというものを発見して、そこから事務局へ申し入れた、こういう順序であります。そうすれば内容が、新たにつけ加える事柄を発見したが故に印刷し直すということだったら、相当また時間を要する、常識的にもあるいは判断されるかもしれませんが、むしろあったものを落すということでありますから、普通の作業より、私ども常識的に考えれば、少い時間で済む、こう考えられるわけであります。ところがそれが、むしろその後のほうが時間が余計かかった、こういうことは、政治的な意図がないにいたしましても、ありという疑いを受けるに私は十分だと思うのでありますが、この点について、なぜかように長い時間がかかっておるのに不審に思われなかったか。その点についてお伺いいたします。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 原稿を印刷に回しましてから、それが刷り上るまでには、その印刷工場、通常こういう議案は、本院の地下にあります大蔵省の印刷局の派出工場で刷っておりますが、そこに他の案件がどのくらいすでにかかっておるか、機械がどのくらいあいておるかということに関連して参りますが、通常は一日、二日、大てい三日内には全部できておるのが普通と思います。それで今、天田さんの御指摘になりました訂正した後の原稿は、二十二日にこれを法制局で受領いたしまして印刷に回したのが十一時ごろでありまして、校正刷りは、その当日の午後六時にできておるのであります。ところが、そのゲラは午後六時にできましてその校正を、ずっと二十三日の午前からかかりまして、その校了いたしましたのが午後三時、二十四日に本印刷が完了した、それが午後六時過ぎでございます。  そういうふうに印刷が、校了も済んで本印刷か完了したのが、二十二日からいえば、翌々日の二十四日になっておりますが、当時、その後調べましたらば、その際、印刷工場には五、六件の法案の印刷がかかっておりまして、その関係で二日間ここに要しているようであります。  それで午後六時過ぎにできましたので、二十五日に配付したわけでありますが、その間にでき上りが遅いということに不審を感じなかったかという御質問でございましたが、はなはだ不注意で恐縮でありますが当時におきまして、この印刷のでき上りが非常に遅いということで不審を抱いたというところまで注意が行き届かなかったことを申し上げます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 先に申し上げましたように、このことは法制局にも伺いますが、法制局は御説明によれば、その訂正すべき点については、十八日の校正が済んだあとにおいてすでに発見された、こういうことであります。そうだとすると翌日は休みでありますけれどもその期間でも出て……、みずから認めておられますように、自分たちの誤りであるということなんでありますから、早速翌二十日には、休みでもございませんので印刷に回すという手順をとられて、私としてはしかるべきだと思っておりますけれども、これは、なるほど休みに休むのは当然であります。当然でありますが、しかし、みずからの誤りの場合には、私は責任上適宜な措置をとるのがしかるべきと思いますけれども、この際、さらに休んでおられる。そうして今も言うように事務的には、まことに普通の場合よりも遅い。むしろ法案を削除する方が整理上も楽なはずなんです。それを特に、少くとも普通の場合より倍もかかったというのは、一体何としたことかと言わざるを得ませんが、この点について弁明が法制局の方でございますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) この誤謬があるのを発見したのが、二十一日の朝でございます。直ちに再印刷の申し入れをしたわけでございます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 おかしいな、さっきはそういう説明じゃなかったよ、速記を見ればわかるが……。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) さっきのは少し時日が違っておりました。二十一日の午前中に、朝そのことを発見したのであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 それでは今度は観点を変えてお聞きしますが、一体法律には、よく調べれば他の法律と重複した文字、言葉、また意味等がたくさんあるんですよ。それはわれわれが本院規則を審議する場合でも、何回か経験したんです。なくもがなと思うことがたくさんあります。憲法の規定を受けて国会法ができて、それからまたそれを受けて本院規則ができるというこの一連の法律はなおさらでありますが、何もあえてなくてもいいではないかという議論で削除する場合もあるけれども、しかし置いておってもいいじゃないかということから、そのまま置いておく場合も、国会法、参議院規則の審議に参加された方は、しばしば経験されておるところだと思う。  この軍属のベース・アップという問題は、もちろん山下議員が指示された中にあって、これも同様に扱わなければならぬということで、かりにその法律にもしその文句があっても、法文上の体裁上の問題であって、実害は一つもない、あってもいい、ただ他の法律にも、これが一つある、しかし、この一つの恩給法の中にもそれが織り込まれ、実害がさらにないものをあえて私は引き下げておるこの恩給法の関係は、他の法案との関連で非常にややこしくなると思う。だからむしろこの際に、恩給法の方にそういうものを全部盛り込んで、他の法案の方を落したというならば話がわかります。かりにまた両方にあってみたからとて、一向差しつかえないこの種のものを落すために、かような時間を費やし、その結果がさきに申し上げたような事態が到来した、こういうことであります。  私は、くどいようでありますが、法制局には、仮にこれがあったからといって、それの事前なら差しつかえないし、他の法案と重複してもいいと思うが、どうしてそう判断されなかったのですか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 軍属べース・アップにつきましては、恩給法ではなく、別途に先ほどもちょっと申しましたように、「昭和二十七年十月三十一日以前に給与事由の生じた恩給等の年額の改正に関する法律」というのがございまして、それが昭和二十八年十月一日から施行になって、その第三項に軍属に対するベース・アップがすでにありましたことを発見をいたしましたので、同じようなことを書かないかといわれますことは、ごもっともと思いますが、法制局としては、非常にそういう不体裁と申しますか、あるものをまたほかに規定するというようなことは、もう絶対に避けなければならないと思って、そういう方針でおりますので、その点をどうしてもきれいにするのが法制局の職務というふうに考えまして、技術的な意図の下にそういう整理をしなければならぬと考えたようなわけであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 これは議論になりますが、法制局の職務として法文の体裁を十分整えて、他の法律と重複しないようにいたすということは、法案提出前の作業でなければならないし、それ以前において尽すべき職責でなければならない。拠出されてすでに原本が印刷に回ったあとにおいて、提案者の意思を聞かずして勝手に書きかえるなどということは、一体これは許さるべきものではないと思う。  そこでお聞きいたしますが、要するに総括的に御依頼を受けたものと思う。たしか当初そうであったと思う。しかしそれは私の見解は、原本を提出するまでのことだと思う。そこで山下議員は、それでは法制局に御依頼になったものは、この趣旨を盛りさえすれば、かくかくの趣旨を盛れば、それで法案は作成し、それをあといつ出そうと、一向かまわない。こういうようなところまで、それを出すも引くも法制局まかせということで一体総括的におまかせになったのですか、お伺いいたします。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 出すも引くも、そういうことではもちろんございませんので、初め案ができまして十七日に出すということで、その点をむしろ私の方の職員が代理のような形で事務局へ提出しているようなわけでございまして、もし、軍属のベース・アップのことまで規定したままでは、山下議員の御依頼の趣旨にかえって沿わないのだ、それはどうしても不必要なところを削除するということが、本当の提案者の意思に沿うゆえんであって、それでその後直ちにその点について御了承を願ったわけでありまして、そういう意味で包括的な御依頼があったということを考えております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 これは通常の法案配付、もしくは法案送付の通常の運びを一応法制局でストップをかけたのです。そのストップをかけるに当って、山下議員の了解を得ておやりになったかどうかということなんです。  今のお話では何かそのときに了解を得たような、またあとのようなあいまいな御答弁、私は問題は、その一たん提出されたものに普通の事務の運行を停止する措置をとられた際に、そのとるに当って、提出者である山下議員の了解を得て、そういう措置をとられたか。これを聞いている。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) あらかじめ山下議員の御意向を伺ったわけではございませんが、その後……。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 それでいいのです。あとの方は弁解になるから、それでいい。  そこで、あとで了解を得たということは、私は別の機会にも聞きました。しかしすでに二十五日までおくれてしまって、あとでかくかくしましたと、それはいかぬと言ってみたところで、他院にも予備審査で回ってしまって、あとの祭りとはこのことなんです。だからやむなく一方的通告だから、フムと聞いた。そういうことを了解のように……、通常の常識のあるものから判断すれば、了解ではございません。了解は事柄の性質上、それについては事前の了解が了解であって、あと勝手に運んでしまって、他院にまで正式の文書としてやってしまったものが、それを今さらどう言っても仕方がないということになる。これは議論ですが、そこでさらにお伺いいたしたいことは、この作業を十七日に、これは提出以前の問題でございますが、十七日、提出以前において、通常この種の法案を作成するには関係の政府の部局と大かた連絡をとりながら、その資料を聴取したりしながら行われるのが普通であります。その際に私の聞くところによれば、一たんできたこの原本の原本とも言うべきものでありますが、それが一たんできたところが、恩給局の方から来て、それを持って行ってしまって一向返さないというようなことがあったために、さらに当初の提出がおくれたということも聞き及んでいるのでありますが、その点の経緯はどういうことですか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) そういうことはございません。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 それでは、また、元に戻ってお聞きしますが、この山下議員が要求をせられた要綱を十分充たすために、書き直した方がよろしいという判断をされたということなんでありますけれども、当初の原本といえども、山下議員の指示した事柄は全部盛られているということなんです。盛られておらないから、それを充たすために何らかそれを、こういう処置でいたしたにいたしましても、とにかく何らかの処置をとらなければならないという事態が起きたというならば、まだ話がわかる。ところがそうでなく、初めの原本といえども、山下議員の指示された事柄を全部充たしている。ただその充たしている事柄の中に他の法案と重複するということから書き直したのであって、しからば、ただ法制局の体面というか、むしろそれを充たすためにこういうことをやられて、かような事態に立ち至ったと判断せざるを得ないのでありますけれども、そういうことが一体、自分たちの体裁を保つために勝手に行われて、それであなたたちの責任はよろしいと考えられるのですか。はっきり伺いたい。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 法制局といたしましては、法律全体の重複というようなものなく、全体として法難の調和をとっていくのが職務と考えておりますので、そういう重複をしたような法案を作るということは、法制局の任務としてはそれはどうしても直していかなければならない。むしろまあ体面というよりも、法律制度について、そういう職務を持っておるものの当然の任務だというふうに考えております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そのことは、今仰せになったことは当初に依頼した議員が要綱を口頭もしくは文書で示し、その要綱の中に今回は、たまたま軍属のべース・アップという問題も入っておった。そういたしまするならば、それと他の法案と重複するかいなかの判断研究というものは、原本提出以前にいたさなければならないのが当然でございましょう。それを完全にして、この議員の要求にこたえるということが本来的に法制局の私は任務であろうと思う。当然依頼を受けたのが、初めからあなた方なんです。そうすればその初めの原本というものを書いたのもあなたたちなんです。そこを不勉強にしておいて、あとを出して、自分たちがそいつを法文の体裁上、さらに修正するのが、この法制に携わる者の任務だというのは、時期的にまるでさか立ちなんだ、私から言わせれば。  そこで最後にお伺いすることは、一体そういうことは、原本提出の以前に行われるのがその職責に充つるのか、とにかく初めは粗雑であっても出しておいて、あとでそれを修正していく、こういうことが一体任務なのか。これを私ははっきり承わっておきたい。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 仰せの通り、原本作成提出前にやることは、もちろん本来の任務であります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 もう一点。そこでとにかく、そうしたかりに訂正を行うという場合、自分たちも、私から言わせれば体面というか、そういうものを充たすと充たさないとにかかわらず、とにかく一たん原本ができた以上は、いかに総括的にまかされているとはいいながら、当人の提出者の承認を受けずして、勝手に直すということが、一体越権だとお思いにならないのか、それを遺憾な行為だとお思いにならないのか。この点をはっきり承わっておきたい。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 包括的に御委任を受けておるので、そういう点については、当然御了解を得られるという考えで、そういたしたのでありますが、仰せの通り、一々御提案者の指示を受けながらやるべきがほんとうであったであろうと、そういう点は遺憾と考えております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 今度は事務総長に伺いますが、今法制局長が答えた通り、遺憾であった、遺憾には違いない。それで私は、さっき事務次長が適切な説明をされておりましたが、いずれにしても、提出以前のことならとにかく、提出されてからかような処置をとるということについては、注意をいたさなければならなかったが、しかし従来法制局の自主制を尊重して、信頼してきた、こういうことは並立機関でありますから、私は普通の扱いの場合は無理がないと思う。そうでありますけれども、このように一たん提出されたものを、よかろうとあしかろうと、それを法制局の一方的な処置、すなわち発議者の承認を得たか得ないか不明瞭の場合に、これを発議者たる議員の了解を得ずして、勝手に法制局の方へ下げると、一体かような処置は、私はまことに越権行為だと思っておりますけれども、その行為をどうお考えになっておりますか、はっきり承っておきます。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 先ほど事務次長から逐一御報告いたしましたように、法制局からお申し出があった場合に、法制局が包括的に委任を受けておるということをそんたくして、法制局に議案をお渡ししたということでありますが、ただいま天田委員からお話のあります通り、事務局といたしましても、この場合に法制局から申し出があったときに発議者である山下議員の御意向を確実に確めた上でやるべきであったと思うのでありまして、その点は遺憾の点を表する次第であります。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 今の包括的委任の限界に対する認識が一つは明瞭でないという点、それから削除したことによって非常に時日をとったことになりますが、その時日をとったのは、不必要な条文を書いたのを削ったわけであって、それは現在の恩給法を十分熟読すれば、さようなものは書き連ねなくてもよいということははっきりわかるので、これは法文化する上における法律技術上の間違いなんです。そういう点は一にこの法制局の方の失態によるものだと思いますが、これに対する御答弁を願います。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 全くその点は、申しわけないと思っております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 それでいろいろ繰り返されておりまするから、しいて追及する必要はありませんが、その包折的委任という形で先ほどから弁明されておりますが、少くとも原案ができたときに、それを依頼者に見せるという当然の私は義務があると思いますが、このことを果さなかったことも、従って法制局の責任であると思います。この点いかがですか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) それは、そのときに依頼者にお見せして、依頼者に十分渡してやるべきだと思います。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 この恩給法は、いわゆる難解の法律といわれており、特にこの恩給局で、この難解な法律を一般にあまり知らせないような傾きもあるというくらい非難もあるのですが、この法律を今度作る上において、法制局では恩給局の協力というものをどのようにして得られましたか。そのことを率直に話して下さい。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) まあいろいろ疑点がありますので、疑点について、恩給局にいろいろ質問等をいたしたのでありましたが、恩給局の方でも非常に忙しかったとみえて、まあその点が十分連絡を得られなかった点は、これは事実あります。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 恩給局の方で忙しかったとみえてという答弁は、非常にあいまいで、誤解を招く点だと思います。その点をもっと明瞭にしていただきたいと思うのですが、聞くところによると、他常の方から頼まれているので、その方にまでは手が回らぬというような形において協力を拒んだという話ですが、そのことは事実でありますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) その点は何とも、私の方としてはわからないのであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そのことは、こうした速記のついた公式の席ではございませんが、当該第二課長が理事会において、まだ課長の言うたことだけでも、私から言わせればあいまいでありますが、恩給局が、自、民両党の恩給法改正の一つの案を作るために、そちらに行かなければならないために、こちらに来れないということをおっしゃったことをちゃんと耳にとめておりますけれども、法制局長は、それを御承知ないですか。もし、御承知がなければ、当該課長からはっきり速記にとどめるために、この際、弁明を求めます。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 先ほど申しましたように、恩給局の方へいろいろ質問しても、答えが得られなかったということは聞いておりますが、詳しいことは聞き及んでおりません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 当該課長は聞いておりますか。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) この立案をやります際に、いろいろと技術関係その他についてわからない点がいろいろありましたので、そのつど御連絡をして問答を求めたり、国会に来ていただいて話を聞いたんですけれども、向うの方でも、やはり、民、自党からいろいろ依頼があったらしいので、とにかく部屋にいらっしゃらないもんですから、よくわかったんで、答えが得られなくて非常に困ったということはございます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 このことはきわめて重大なことでありまして、われわれが国会において提案権をもつ場合において、法律を作る場合において、法制局にお頼みするような場合があっても、それは当然各専門行政を担当しているところの機関の協力を求めるということは当然なことでありますが、行政機関というものがそういうふうに野党からの頼みに対しては協力を拒むということでは、これは非常に問題になりますので、この点は、もっと掘り下げて将来いかなければなりませんが、恩給局長を呼んでも、その問題はただしたいと思いますけれども、その実相というものをもっと法制局長は明快に答弁する責任があると思いますけれども、今、答弁できなければ、今後でもまたそういうふうな答弁をすると、あとで江戸のかたきを長崎で討たれるような意地悪をされては困るという形で、あいまいにしておいてはいけない。ともすれば行政機関の専横というか、横暴によって、この国会で尽さなければならない仕事の上においてまで、そういう障害が起きるということでは困ると思うのですが、法制局長、どういうふうに……。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 大体、各部門の立案をいたします場合に、厚生省所管のものであれば厚生省、農林省所管のものであれば農林省の方にいろいろ来ていただいたり、こっちから行ったりして、非常に協力してやってくれておることは事実でございます。  たまたま恩給法の問題については、先ほど申し上げましたように、こちらからの質問に対しては、それはよく知っている人がいなかったり、質問についてのお答えを得られなかったりしたことは事実でありますが、その、何がゆえにそういうことになったかということについては、私としては知らないのでございます。他省の関係においては、大体においてよく協力をしてもらっておると考えております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 このことは重大な問題ですから、あとに回すことにして、成案ができてから恩給局で案を借りたいといって、法制局から借りて行ったということでありますが、そのことは事実でありますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) そういう事実はございません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 事実はありませんというけれども、局長は調べてないので、そのことはまだはっきり判明しないという程度のことではないかと思いますが、それでは、その成案ができてから、よそにその成案が持っていかれたという事実はないのですか。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) 立案のある段階で、どういう案ができているのか見せてくれというようなことで、すでにある程度固まったもので印刷したものがありますから、そういうものを渡したということはございますが、提案したそのものを持っていかれて困ったというようなことはございません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 渡したことがあると思うがじゃなくて、渡したことがあるのが事実だと思いますが、しからば、その渡した日は幾日ですか。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) そのこまかい、これは私の方から渡しましたのは、提案、おそらく前だったと思います。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 その時日の問題が大切なんで、小さなことではないのです。   〔委員長退席、理事加賀山之雄君着席〕  このできた成案の原本でないにしろ、何にしろ、それを渡したというのが事実である以上は、いつ何日に渡したということぐらいは記憶をよみがえらせて答弁しなければ困ると思います。局長と課長とよく相談して答弁して下さい。そんなあいまいもことした答弁じゃ承認できません。ついでに、いつ帰ってきたかも……。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) 六月の十四日かあるいは十五日ですか、第一次案ができましたので、これについて恩給局の方の意見を承わりたいといって、三部ほど差し上げたという事実はございます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 何月ですか。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) 六月の十四、あるいは十五日です。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 それはやったまま、それはもちろん返ってきませんか。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) それはたくさん、百部ほど印刷した中の三部ほどを渡して、意見を聞いたわけでございます。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 返ってきたか、返ってこないか……。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) それは返ってきませんし、それについての意見も承わっておりません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 しからばその文書は、向うの参考にとったということを意味するだけであって、そこに問題が、今度の問題の禍根があるのです。少くとも、そういうルーズな形で法律案の原案作成を頼まれて、その頼んだ人にはでき上ったものも十分見せない。片方は恩給局の方へは、それをすぐに流してやる。恩給局の方においては、前に言ったように、民自画党から頼まれて、その民自両党の法律案の作成に協力している。こういう事実が明確になってきているのですが、これに対して法制局長は何らの疑念を持ちませんか。あなたの常識的判断で答えて下さい。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) この最初の案ができましたときは、内閣の方の意見を聞くと同時に、提案者には、この案を差し上げまして、こういうふうに案ができておりますということは御説明申し上げてございます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 そういうふうに案がいつでも、ほかからちょっと見せてくれないかとか、あるいは案に対して検討したいからという場合において、いつでもそういうふうに印刷物をよそへ出す習慣になっておりますか。法制局はその点を……。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) それは、結局恩給について、実施をするのが恩給局でございますから、大体案ができて、提案者とお打ち合せをした結果、そういう実施行政官庁の意見も聞かなければ、いい法案は得られないのでありますから、大体においてそういう段階に、各省の、関係省の意見を聴取することになっております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 案を作るのに協力してくれというときには、忙しいからといって恩給局が協力を拒み、案ができたなら、それを見せてくれといってその案を持っていく。こんななめられたことをやっていて、国会の法制局としての仕事はできますか。法制局長は今後においてもあることですが、それで満足しておりますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 案をくれといって、あれしたのではなくて、これに対する意見はどうだということで……。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 でき上った案に対しては、これに対する意見がどうというが、でき上るまでに対する協力を拒んでおいて、でき上ってからこれに対して意見を云々するような恩給局の態度というものは、全く不届しごくだと思うのです。この問題はあとで問題になりますが、先ほどの問題に戻ります。  この恩給局の協力の問題に対しては、非常に、法制局長は向う側を刺激しないように、臆病な発言をやっておりまするが、この行政機関の思い上った、こういう横暴な態度、しかもこの国会内における仕事を政府、与党、野党を区別してやるようなやり方、こういうことは、少くとも国会における立法府としての国会の提案権というものに対して障害を招くおそれがあるので、このことは十分私たちは追及したいと思うのですが、恩給局長もやはり出て来てもらって、この問題は恩給局の立場を明らかにしないでは、将来に禍根を残すと思いますから、恩給局長を一つ呼んでもらいたいと思います。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 この際、一身上の弁明をしたいと思いますが、よろしゅうございますか。(「一身上の弁明というのはどういうことですか」と呼ぶ者あり)一身上の弁明というのは、普通の用語でありまして、私が悪いことをしておるから弁解するということじゃない。私の関連しておることについて申し上げた方がよかろうと思いますことを、一身上の弁明と、こう言い表わしております。国会用語であります。その意味で申し上げたいと思いますが、発言をお許し願えますか。必要がなければ私は発言いたしません。私がこの際申し上げた方が、必要であろうと思いますので、もしよろしければ、御発言をお許しを願いたいと思うのです。よろしゅうございますか。

加賀山之雄緑風会

○理事(加賀山之雄君) 委員の意見として発言せられるのだから、どうぞ。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私は議院運営委員でありますので、私のことが問題になっているのではないのでありまして、私自身のことが問題になっておるのでありますれば、私はここに連なることはできません。しかし、関係のあることが議題になりまして、御論議があるのでありまして、私はそれを承わっておりまして、私に関係がございますので、一身上の弁明の発言を求めまして、この際、私が何らか発言するのがよろしいのではないかと思って、発言のお許しを求めておるのであります。  お許し下されば議院運営委員でありますが、委員の立場で論議に参加するではなくして、問題の関係者の一員として発言を求めたいと思いました。いかがでございますか。

加賀山之雄緑風会

○理事(加賀山之雄君) よろしゅうございます。

山下義信日本社会党(第二控室・右)

○山下義信君 私が法制局に委嘱いたしました恩給法の改正案の手続その他の問題につきまして、衆参両院で、これがいろいろと問題になりましたということを承わったのであります。  私はこの際、申し上げておきたいと思いますことは、この私の委嘱いたしました法案につきましては、法制局におきましては、非常に努力をしてもらいまして、私自身が非常に感謝いたしております。私の党も感謝いたしております。それでいわば、非常にお世話になりました法制局に向いまして、何かいろいろと、何と申しますか非難を申し上げるようなことになったのでありまして、関係者の私といたしましてはまことに、じくじたるものがあるのです。  それで、私がお世話になりましたということの感謝の思いと、それから、今後立法府として、こういう場合にはどうあるべきかという御研究、追求をなさることは、これは別としておやりになっていいと思いますが、そこで私が申し上げておきたいと思いますることは、従来もそうでありましたが、この恩給法の改正につきましての提出その他につきましては、先ほどからお話のありましたように法制局に、何と申しますか、総括的な委任と申しますか、おまかせしてあるということは事実であります。これは本員のみではないと思う。すべて議員が立法いたしますときには、それぞれ個人が立法能力がありますれば、これはむろんのことでありますが、もしそうでありますならば、法制局は必要ない。でありまするから、大体の立法意思を示し、大綱を示して、そうしてその作業を委嘱して、細部の立法技術の問題に関することは、法制局に私は、いわゆる総括的に委任をするのが、従来の慣例であると思います。また個人的見解としますれば、それでよろしいのではないかと思う。  このたびの作業につきましては、恩給法という難解な法律でございまして、この種の議員立法は稀有でございますが、非常にこの難作業をやっていただきまして、私自身といたしましては、法制局に督促をいたしました。急ピッチで一つ、作業の進捗を非常に求めて、それは申すまでもなく、予算に関係があり、予算の修正に関係がある。従いまして、政府提出案並びに民主党と自由党の共同提出案、いろいろな動きのありますことは予想せられておりますが、われわれといたしましても、恩給法の改正に関しまする党の態度を鮮明にする必要がありまするので、作業が非常に遅れましたのでは意味をなしませんので、この難解な作業につきましては、その作業の急速な進捗を懇請いたしましたのであります。つきましてはそれに対しまして、何回か原案を作り直し、幾たびかいわゆる草稿ができまして、この作業が進められて参ったのでございますが、いよいよこれが提出されますというときには、もとよりその原本は、私も一覧いたしまするし、所定の手続をいたしたのであります。  その手続は、元来提案者たる私が、すべてみずから持って事務局に行き、あるいは議案課に参りまして、手続をいたすのが、四角四面なことを明しますれば当り前であろうかと思います。しかしながら従来の慣例といたしましては、提案者がこれでよろしいということになりますれば、署名、捺印その他機械的な手続は、あるいは政党の事務局でいたし、あるいは委嘱いたしました法制局が、これに当りますことが事実であろうかと思います。従いまして事務的な、機械的な手続を込めまして、私は法刷局に委嘱いたしました。しかも、まだ提出されませんか、まだ手続はできませんかといって、非常に督促をいたしましたのが、当時の実情でございます。そこで署名、捺印その他の手続ができまして、そして法刷局をわずらわしまして、その提出の手続すべてが終りました次第であります。持って参りましたものが私どもの政党所属の事務員でありましたか、法制局の方で持って行って下さったか、そこのところはわかりませんけれども、ともかくも提出の手続一切を取り運んでいただきましたことは事実でございます。そこでそういう手続の仕方がよろしいかどうかは別として、私はこれで一向差しつかえないと思います。  それから提案をいたしましたのちに、誤謬と申しますか、不必要と申しますか、そういう個所があったので、適当に処置をするということは、連絡があったと思います。  それはいつあったかということは、明確に記憶がございませんが、その種のことでなくても、しばしば連絡がございましたので、ときには夜相当遅いときに連絡があったこともございまして、幾たびかの連絡でありましたが、今申し上げましたように不必要な個所があって、適当な処置をするという旨の連絡はありましたことは事実であります。それに対しまして私も異議がない旨を申しまして、よろしくお願いをするということを申しておきましたのであります。  本日実は衆議院の内閣委員会に予備審査に付託されておりまする本案の審議がございました。民自共同提案と、私の提案と、それから左派社会党の御提出になりました、御修正案と三案に対しまして議題に供せられまして、御審議があったのであります。余分なことを申し上げて恐縮でありますが、われわれの提出いたしました議案につきましては、衆議院の内閣委員会の数名の議員の各位から、非常にすぐれた案であるということの御批判もありまして、非常に面目を施しました。これも当院の法制局の御協力のたまものであります。  それで、以上、私の関係いたしておりまする点を率直に申し上げまして、もしその間に不行き届の点があるといたしますると、提案者たる私自身が処理すべきものでありまして、表面を走って申しまするならば、私が誤謬を発見し、私が訂正加除を要求し、私が手続をいたしまするのが、本来ならば至当であると思いますが、しかしながら最も困難なる立法技術に関しますることは、ややもすれば、その能力が私どものごとき不足いたしておりまするものには、これはその専門の機関でありまする法制局に全面的に信頼をいたしまして、ただいま申し上げまするような取扱い方をするほかはないと思います。  実は先ほどから、同僚各位から種々この問題につきまして、今後の取扱い方の事例もある関係で御追求になっておられると思いますのでありまするが、私の関連いたしましたる一部分を申し上げておきたいと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私は重複するかもしれませんが、念のために承わっておきます。  まず法制局長に伺いたい点は、提案者を擁しておる会派から、一応疑惑をもって質問なされましたが、政治的意図とかあるいは他の会派からの圧力とか、働きかけとか、そういうものは本件に関しては全くなかった、かように確認してよろしゅうございますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 全然ございません。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 その点はまあ説明を承わって、私もそうだろうと思います。  そうすれば結局、この案件を取り扱った当該課長は、私は議員としてよく案件を依頼し、再三再四、手助けしていただいたことはありますが、非常に熱心に良心的に、私が関与した範囲内においては、過去において働いてくれたことを私は記憶いたしております。で、本件に関する限りは、先ほどから御説明がありましたように、行政機関である恩給局方面との間に、現在の恩給法の実際的運用面等が十分に把握できなかったという行き違いで、こういう遺憾なことが生じたと、かように了承してよろしいわけですか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) もちろん連絡がうまくいったならば、そういう誤謬を犯すことはなかったと思いますが、それは結局、やはり今までの努力が足りなかったことかと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 法案提案者が、法案を提出し、委員会に付託されたのは六月の十七日、そして本件を耳にしたのは七月の五日でありますが、この期間は二十日になんなんとしております。  そこで私は、法制局並びに参議院の事務当局に伺いますが、この六月十七日から印刷の完了するまでの二十四日の夕刻までに、法制局と提案者との連絡はどの程度であって、その提案者の希望に沿ってどの程度の努力をしたのか、さらに事務当局は、印刷が完了して、件本が表面に問題化する七月五日までの約十日間の間、事務当局と提出者の間には、どういう話し合いがなされ、いかように努力されたのか。法制局並びに事務当局から念のために伺いたい。

杉山恵一郎参事(第一部第二課長)

○法制局参事(杉山恵一郎君) 二十一日に訂正しなければいけないことがわかりまして、直ちに議案課と連絡して、それと同時にうちの方で、この法案についての審査をやりまして、その手はずを整えたあとで、提案者の方に御連絡をして御了承を得たと、こういうことでございます。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 事務局といたしましては、先ほど申し上げましたように、二十一日に刷り直すことにきまりました際は、法制局と発議者の間の御相談の結果によって、事務局としては発議者に御連絡をいたさなかったことは、先ほど申し上げた通りであります。  それで二十四日に印刷が完了いたしまして、二十五日に送付いたしたわけでありますが、それからずっと昨日まで、提出者と何らかの関係はなかったかというお話でございますが、実ははなはだうかつでございまして、一昨朝まで、こういう問題があるということを承知しませんでございましたので、従ってその間において発議者と私どもと何らかの交渉というようなことはなかったわけであります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 次長に伺いますが、しかし、正誤表ではだめだということで印刷をし直して配付し、衆議院に予備審査で付託された。しかしながら原本は、正誤表で間に合わないようなものが本院には委員会に付託になった。従って私は、法制局から印刷をし直すことの訂正があったらば、少くとも本院に付託されておる原本についても、発議者が当然それぞれ新しく署名をして訂正をしてあるべきものだと思うのでありますが、そういう取扱いはしてないということになりますれば、両院に違った法案が出ておるということになりますが、この辺のことはどういうことになりますか。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 条理上から申しますれば、十七日に本院に対して発議されておりまして、それを即日委員会に付託しておりますから、その後、中において実際上に変ったものが刷り上って印刷されて参りますれば、ききに、十七日に発議され付託されましたものを修正するという手続が必要だということは、おっしゃる通りだろうと思います。しかし、それにつきましては、実は従来も議員立法の場合にそういうことがございまして、刷り直したこともございます。それから刷り直さぬまでも、さきに、こういう形で出したけれども、ここはこうだという、部分的な正誤というようなことはしばしばございます。そういう場合に印刷物が完全な形でできました場合には、あとの形でできたものが先の日にさかのぼって提出されたというふうに扱っておりますので、それが事実上、慣行的にそういうふうに扱っておるわけでありまして、その間に、さきにこういうふうに出たものは、こういうものの誤まりだとか、そういうことは特段いたしておりません。ただ印刷物でもって正誤表というものを作ります場合には、何々とあったのは何々の誤まりだというような正誤表をしょっちゅうあれしますことは御承知の通りでありますが、刷り直した場合等におきましては、その刷り直ったものができました場合に、さきに成規の手続をもって提出されたものの内容は、この刷り上ったものであるというふうに扱ってきておるのが、これは別ですけれども、従来の慣行であります。  それで今回も、法制局として正しい案が二十四日に刷り上たっというときにおきまして、現在は、二十四日に刷り上った案が委員会にかかっておる。そういうふうに私どもとしては慣行に従って理解しておるわけであります。

松岡平市自由党

○松岡平市君 そうすると、どうですか、本院に発議された原本というものは、事務的なことですが、あるわけですね。そうして、その原本の記載は非常に印刷されたものと違ったものが原本として保存されるのか。一つの公文書だろうと思うのだが、それとも、今、今度の場合におきましては、発議の原本というものは、印刷されたものとすりかえるのですか。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) すりかえると申しますか、あとでできて参りましたものを直ちに現在ある案として扱うわけでありまして、その間において、松岡さん御疑念の通り、ほんとうに筋道を立てるならば、修正とか、一ぺん撤回して出し直すとか、そういう成規の手続があるべきでございましょうけれども、従来も、慣行として扱っておる例も間々ありましたので、現在はそれに従って、あとでこれが正しいと考えられる案が出た場合には、前の拠出した日にさかのぼってそういう案が出たかのように扱っておるのが実際でございます。

松岡平市自由党

○松岡平市君 原本というものは、これは間違ったままで原本とするのですか。それとも筆を入れて直すのですか。あるいは正誤表を付加して原本とするのか。とにかく議員の発議という重大な法律行為、法律行為の内容が、それと違ったものだということになるのだが、手続的に原本には、たとえば訂正して書き直す、あるいは印刷したもので正誤表を付加して、こういうふうに訂正されたというふうにするのか。とにかく法律行為の非常に重大な文書だと思うのです、原本というものは。それは実際には、今までの慣例においても何においても、どういうふうに扱われておるかということをお聞きしたい。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 内閣が法律を提出します場合にも、本院議員が本院に対して法律案を発議いたします場合にも、その上に一つの文書が入っておりまして、その文書の表現を今、的確に覚えておりませんが、何何を改正する法律案、右の議案を発議するというのが、この上に加わりまして、その下にガリ版で刷ったものとか、ペンで書いたものとか、印刷したものとか、そういう格好で印刷物がついてくるわけであります。それが、上にそういう発議文が加わったものが、いわば本院における原本でございます。  それで印刷をいたしますと、きれいな印刷ができて参りますが、結局発議文の下に、印刷としてできてきたものをくっつけまして、それを保存しまして、それを原本として扱う、これが六月十七日に提出されたもののようにして扱う。こういうことにいたしておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私はただいまの、従来の取扱い方の慣例というものは、必ずしも満点のものではないけれども、ある程度私は容認されることだと思う。  これから質問に入りますが、そういうことが容認されたということと、それからもう一つ一般論として申し上げますが、議員が法案を発議する場合ですね、議院の原則としては、その提出者の了解を得なければ、立法作業をしておるところは、これは私は秘密にされるのが建前だと思うのです。ところが実際問題として、恩給法の改正もその部類に入ると思うのですが、いろいろの案件で、あるいは衆院と参院の立場において競争的な先陣争いのような形で法案の提出をはかろうとする場合があるだろうし、また一つの院においても、会派の違うところで競争して同じ案件についての発議を企てる場合があると思う。それは過去においてもあったわけですが、そういう点とあわせ考えるときに、ある提出者が考えておるところの発議内容を秘密にするというならば、たとえば具体的に起っておる恩給法をやる場合に、Aなる会派から来たものはAグループの者がやり、B会派から来たものはBグループの者がやる、これだけのスタッフをもっていなければ、なかなかその秘密というものも守られることが不能であるであろうし、また先ほど事務次長が申されたような慣例に基くところの取扱いというものもなしがたいものだと思う。  それで私は法制局長に伺いたい点は、立法府で予算の修正をやろうとなると、やはり行政府に太刀打ちできるだけのスタッフをもっていなければ、予算の修正案というものは作れないと思う。現在私はこの恩給法の改正法律案の立法作業に当っても、これは追及していけばあなた方の落度もあるが、私はあるいは法制局の該当部門の手薄ということも一つの原因になっていないかと思うのです。それで秘密を守るとか、慣例をもう少し筋の通るようにしようということになれば、そういうところに私はやはり原因を求めていかなくちゃならぬと思うのですが、法制局長の見解を承わります。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) お説の通りでありまして、結局法制局が各省全部が各専門に取り扱っておることを、何でも議員の御依頼に基いて立案をいたしますから、その各専門の人が一人ずつ、ほんとうはいてもらわなければ、ほんとうに実情がわかった立案ということはむずかしいのでありまして、でありますから、特にこれはもうどうしても秘密でやってもらいたいということのお示しのある場合は、もちろん絶対秘密で取り扱っておりますが、実際の運用ができるような法律を作るためには、やはりその議員の了解を得て、この法案でどうだろう、実施ができるかどうか、実施する上においてどういう意見があるだろうか、ということを、まあ聞くわけでありますが、これは結局十分スタッフがあれば、そういうことの憂いなく自分の独自の力でやって参りますのでありますが、先ほどお示しのように全部そういう専門家を網羅してスタッフをもつということは、今の状態ではできないので、その点は手薄ということはあろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 ところが局長、今のこのスタッフの現状で、私は可能な面があると思う。  それは、私もこの立法作業を依頼して、こういう経験があります。こういう方面からその法律案の内容を教えてもらいたいという要望が来ているが、先生漏らしてよろしゅうございますかという問い合せを私は受けた経験があります。これは私は守れると思うのですよ、それは。で、たとえば私が立法作業者でAなる人とBなる人から二つの案を依頼されて、その場合にAが来てBはどういう案を頼んでいるか、Bが来てAはどういう案を頼んでいるかといって、次々追い詰められて来た場合に、何も知らないというと一切ノー・コメントで済むだろうが両方の作業をやっていると、まあ突っ込まれて聞かれるというと、少しずつ漏れていくことはあるでしょう、ある程度は。しかし法案なるものをそのまま発議者の了解がなくて流すということは、私は間違っておると思うのです。それは今後気をつけてもらいたいと思う。  私は今まで依頼した場合、流してよろしゅうございますかと了解を求められた経験がございますが、これは立派な態度だと思っていたのですが、それは必ずそういうふうにしてもらいたいと思うのですが、いかがでございますか。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) その通りやろうと思います。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私の質問はこれで終りますから、もう一点。  もう一点伺いたい点は、質疑を伺って感じたことは、恩給法が非常に複雑なので、今の恩給法の運用の実態が十分法制局の当該者にのみ込めなかったというのが原因になっておるようですが、そこで恩給局に問い合したが、適時的確に十分御協力を得られなかった、それが恩給局の悪意であるかないかは別問題として、適時的確に御協力を得られなかったということは述べているわけですが、時あたかも自由党、民主党の方で発議を企図して、おそらく恩給局に説明その他協力を求めた、またこの法律案の提出者もやられておった、あるいは左派社会党もやられておったでしょう。そこで私は邪推するわけじゃないですが、まず行政当局において、たとえば自、民という両者が、立法を企図して問い合せその他協力を求めた、また大政党、これは成立の可能性もある、それからこの場合には右派だけ、この少いというようなところで、行政当局が態度を変えるようなことがあるかないか、また今度あなたの問題について、法制局においても、大会派が多数の議員をもって依頼してくる場合と、それから小会派、あるいは少数議員をもって事務作業を依頼してくる場合に、その取扱いの緊急度を無意識的でも手加減をされるようなことがあるのかないのか。あったら大ごとだと思うのですが、だから念のためにこの席であなたに伺っておきます。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 法制局として、絶対にさようなことはございません。行政庁のことはちょっとわかりかねます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 衆議院の方で、この法案をめぐる問題が問題になっているようで、法制局関係の人がここにサインしなければならないのだと思うのですが、簡単に最後に質問をいたしますが、この問題をめぐっては、法制局をいろいろいじめるという言葉は行き過ぎですが、いろいろ追及してみてもこれは始まらないので、非常に法制局は行政機関に対抗するだけのいろいろな内容を備えなければならぬといっても、これはできないことなので、事実上行政機関の協力を得られなければ何もできないと思うので、そういうときに当って確かに日本の行政官僚というものは、ドイツのデモクラシーの悪いところを受け継いで、イギリスの役人のように国家のための奉仕の観念がなくて、権力に対して隷属的に横着に、少くともこの恩給局の態度というものは国会に対して不満な態度がある。これはあくまでも私たち追及しなければならない。きょうのところを、あらためて恩給局長を呼んで、これは私たちはいろいろな点を、ただすべき点を十分ただして、このけじめをつけないと、今後にもこういうふうに官僚になめられて、国会の機関というものが無視されるということでは何もできないから、この際、しっかりした私たちは結論を求めたいと思う。  このことは各会派の人とも御相談して、そういうふうにはかりたいと思います。委員長よろしくお願いいたします。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 最後に、私は二点申し上げます。  先ほど矢嶋委員から質問があって、この法制局の機構拡充をいたさなければ万全が期せられないと、とりようによっては、まことに助け舟のような質問であり、答弁であった。私どもは、さようなことによって、今邪推も何もしているのではございません。私が指摘していることは、今の人員であっても、今まで取り扱われたよりか、むしろ遅いということなんです。問題は、拡充も何もありません。そんなことは現実には、普通、きょう提出をするならば、翌日の夕方までにはちゃんと刷り上って、他院にも送付されているのが普通であります。これは今の人員にしてできているのであります。それがさっきから指摘しておりますように、つけ加えるべきものを落しておった、それに気づいたから、あらためてこれにつけ加えなければならないというならば、時間はとるであろう。しかるにそれがつけ加えられておっても、決してじゃまにならない。そのじゃまにならない部分を落すというだけだから、普通よりはるかに作業が早く済まなければならない。しかるに普通の運び方よりもはるかに遅いというところに、どうしたって政治的な意図がなかったと言ったって、これは邪推せざるを得ないのが私は当りまえだと思う。これに対するところの明確な答弁はございません。これはちゃんと整理して次の機会までにははっきり何としてもこのつじつまの合わないところを明らかにしてもらわなければならぬ。これが一つであります。  それから第二点は、さっき戸叶君からの質問によって明らかになった点は、原本を提出する場合には、発議者にも見せ、その承認を受けて出した。これはあたりまえです。さっき山下君も言いましたように、本来自分がやることです。けれども、事務当局といい、法制局といい、各部の事務局員といい、皆すべてこれは各議員の立法活動等の補助機関である。そのいずれが直接に出そうと、これは議員の命を受けて、そのお使いとして提出したのであって、それは議員が出したと同じことなんです、理屈は……。  そこでその場合には、当人にちゃんと承認を受けたものが原本として提出をいたされた。ところが今度は刷り直して、提出してしまってから、やがて、幾日たったかはしりませんけれども、とにかく時たって当人の了承を得た。そうするとそのある期間においては、発議者である山下君は、現にここへ提出されておらないものを自分が提出したものなりと思っていたはずなんです。このつじつまの合わないことについて遺憾の意をだけ表されたのですが、その責任は一体だれが負うのですか。これは僕は、事務当局並びに法制局にはっきり伺っておきます。もしその答弁がはっきりできないならば、次の機会にちゃんと相談して、答弁を求めます。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) 事後すぐに、提出者に連絡して了承をいただいて……、でありますから、その間ギャップがあるのじゃないかと、言われますけれども、その了承をいただいたときに、全部それでよろしいということで……。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 そうじゃない。事後すぐとあなたおっしゃるけれども、じゃ、いつ承諾を得たのですか。それだって記憶もないようなありさまなんです。そんなことはだめですよ。それじゃありませんよ。いずれにしたって当人は原本を提出して、提出されたものなりと、あなたがたの連絡がつくまでは、自分が初めに見せられて、これでよろしいと了承したものを自分が提出したものと信じております。それを別のところで、別に書かれて、そして出されてからあとでそれを連絡をされたのです。そうすると、たとえその直後であろうと、一日であろうと二日であろうと、直後が……、その自分が提出してから、了解を得るまでの一定の期間というものは、何としたって当院に提出されたいわゆる今の原本と言われるものと、自分が提出したものとは、違いがあるでしょうがね。たとえ時間的に何時間であろうと、これは明らかです。そういう責任は一体だれがとるかということです。

奥野健一参議院法制局長

○法制局長(奥野健一君) その点につきましては、先ほど申し上げましたように、事前に御了解を得るべきでありまして、事後御了解を得て、それの今までの処置はそれでよろしいという趣旨に御了解を願ったことは事実ですけれども、それはやり方としては事前にやるべきがほんとうであって、その点は遺憾に思っております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 全く私の質問をのみ込んでおらない。  さっきの質問の、その事前の了解というのは、一応議員が原本として提出したものを、その欠陥を法制局は発見して、そうして修正する場合に了解を得たかどうかと言って聞いておる。その自分で筆を加えること自体の了解も、事前に受けなければならぬものだ。それが了解であると私は言っておる。それをやらないで、さらにそのあとに書き加えて自分で、これで提出してよろしいかも何も聞かずに提出しちゃった。そうすると、そのあとに提出したものが、すぐにそれを受け取って委員会が審議したら、それはどうなりますか。御当人である山下君は、先に自分が出したものを自分が提出したものなりと信じている。だから法制局なりどこなり、とにかく当人の意思なりとして提出して、そうして発議者の了解を得るまでの期間というものは、はっきりと当人はもと出したものを自分の案なりと思っているのに、別の案が委員会に出ておると、こういう事態になっておるでしょうが、幾日であろうと……。

河野義克参事(事務次長)

○参事(河野義克君) 先に発議された案を印刷するに当りまして、その印刷を刷り直した経緯等は先ほど申し上げました。  その際に当りまして、事務局といたしましては、法制局において発議者の了承を得ておられると思いまして、それの刷り直しに応じたわけでありますが、いずれにいたしましても、今御指摘の通り、結果において発議者自身においては知らない、発議者が出した案ではない案が、参議院として扱われておったというある時間が結果的に存したということにつきましては、経緯のいかんにかかわりなく、法案を処理し、法案を付託し、その後の手続を進めるのは事務局の責任でありますから、私といたしまして、その責任を痛感いたすものであります。

加賀山之雄緑風会

○理事(加賀山之雄君) ちょっとお諮りいたしますが、大体御意見……。

矢嶋三義日本社会党(第四控室・左)

○矢嶋三義君 私はさっき法制局のスタッフのことに触れたことは、私が聞いた範囲では、当該課ではこれでいいと思って法律案をこしらえた。そしてそれらについて現行法の実情というものは十分把握しなくちゃならぬと思って、恩給局に交渉、照会をしてみたが、その当時十分の連絡はとれなかった。それが恩給局の協力が不当であったのか、どうであったのか、これは対恩給局の関係で別ですが、従って現行法の実情に明るくなかったために、そういうのができて、あとでそれが気づいて、改めねばならぬということになって改めたというわけですからね。その点は該当課としては、それの件に関する知識が薄かったと、それからまた一応他の面から見れば、これは恩給法ばかりやるわけじゃないし、恩給法というものはずいぶん複雑なもので、二、三べん聞いてもわかるものでなければ、ある程度そういう専門の人がいなければ、いろいろの会派から要望があった場合には、各会派を満足させるように適時的確に立法作業ができないじゃないか。こういう立場から私は申し上げた。  そこで、これはまあ人によって、この問題の焦点のとり方が違うかと思いますが、いずれこの問題については、本日でもよろしいです。あるいは他日に延ばすならば他日でもよろしいのですが、本委員会としては問題の焦点を捉えて、そして結論を出すなら結論を出していただきたい。私はこの問題の焦点は、何らかの意図をもって法制局がこういうようにずらしたかどうかということと、それから従来の慣例によって法制局で書きかえて、事後に発議者に了承を求める、こういう慣例を今後認めるか認めないか、私はこの二点が一番この問題の焦点としてお互いが議せなければならない問題だと思っております。  それから、それとちょっと離れますが、法制局の局員で解決のできない面について、行政府に協力を求めるのがならわしになっているのでありましょうが、その行政府の協力のあり方について、さらに突っ込んでやるかやらぬかという点が、私は問題の焦点じゃないかと考えておりますので、本日各会派でそれらの意見を述べて、しぼって何らかの結論を出すということは、私も同意してよろしゅうございます。また他日ということであれば、あらためて議運の理事会で、いろいろな質疑応答を中心に討議されて、次の段階に入るということになれば、それでもけっこうと思いますが、いずれにしても、本日のこの委員会の今後の運営について、委員長から各委員にお諮り願いたい。

加賀山之雄緑風会

○理事(加賀山之雄君) ちょっと速記を止めて。    午後二時五十三分速記中止    ————・————    午後三時十分速記開始

加賀山之雄緑風会

○理事(加賀山之雄君) 速記を始めて。  それでは、他に御意見もないと思いまするので、きょうは、これで散会いたします。    午後三時十一分散会

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