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22回国会参議院1955/06/08

議院運営委員会 第22号

発言数
96
登壇者
18
会派数
6
開催日
1955/06/08

会議録

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。

榊原亨自由党

○榊原亨君 大体この議運をお開き下さいますのは、理事会が済んでからあとだと思うのでありますが、理事会におきまして、大体おきめ下さいましたものを各会派に持ち帰って、そうして了解を求めてここをお開き下さる時間というものを、あと十分で開くとか、二十分で開くとかということを最初におきめ下すって、その時間に一つ招集の放送をしていただきたい。それでございませんと、一会派のために長い間ここに数十分待たされて、私ども大へん忙しいのでありますから、どうかそういうふうにお取り計らい願いたいと思います。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) その当日の議案の状況によりまして、適宜な処置をとるようにいたしたいと思います。  常任委員の辞任及び補欠に関する件。

海保勇三参事(議事課長)

○参事(海保勇三君) 社会党第四控室から、農林水産委員の森崎降君、逓信委員の小林孝平君、議院運営委員の加瀬完君及び矢嶋三義君、決算委員の大倉精一君、同じく久保等君が辞任されまして、後任としまして農林水産委員に小林孝平君、逓信委員に森崎隆君、議院運営委員に大倉精一君、同じく久保等君、決算委員に加瀬完君、同じく矢嶋三義君を指名されたいという申し出が出ております。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま報告の通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 緊急質問の取扱いに関する件。

芥川治事務総長

○事務総長(芥川治君) 社会党第四控室の竹中勝男君から、健康保険法一部改正に関する緊急質問の御要求が出ております。所要時間は十五分、要求大臣は、総理大臣、厚生大臣、大蔵大臣であります。  なお社会党第二控室の山下義信君から、健康保険の危機並びに健康保険法の一部改正に関する緊急質問の御要求が出ております。所要時間は十五分、要求大臣は、総理大臣、厚生大臣、大蔵大臣であります。  以上であります。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま報告の緊急質問を行うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 公聴会開会承認要求の取り扱いに関する件。

宮坂完孝参事(委員部長)

○参事(宮坂完孝君) 予算委員長館哲二君から、昭和三十年度一般会計予算、昭和三十年度特別会計予算、昭和三十年度政府関係機関予算、三件につきまして来たる六月十六日、十七日両日にわたりまして、公聴会を開催いたしたいという承認要求書が提出されております。本件につきましては、費用概算は、公述人大体十二名見当といたしまして、新聞広告料、日当、旅費、概算いたしまして八万円少し上回る程度であります。  次に大蔵委員長青木一男君から、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案、地方道路税法案、関税定率法の一部を改正する法律案、以上五件につきまして来たる六月二十日公聴会を開催いたしたいという承認要求書が提出されております。本件は、二名を学識経験者といたしまして大阪から招致することに相なっておりますが、大体費用概算は八万円程度であります。  なお両件とも、国会法五十一条第二項によりまして、総予算及び重要歳入法案につきましては公聴会を開かなければならないというこの規定に該当するものであります。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま報告の要求を承認することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 次に、本会議における議案の趣旨説明並びに質疑に関する件。  理事会におきまして協議いたしました結果、農産物に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件については、本会議においてその趣旨の説明を聴取し、前例通りの要領によって質疑を行うことに異議がないと決定いたしました。  理事会決定の通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 御異議ないものと認めて、さよう決定いたします。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 日本放送協会経営委員任命につき本院の同意を求めるの件。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○政府委員(早稻田柳右エ門君) ただいま議題にしていただきました日本放送協会経営委員の御承認について御説明いたしたいと思います。  日本放送協会経営委員会委員遠藤後一君は、五月三十一日任期満了となりましたので、同君を再び同経営委員会委員に任命し、また、同日任期満了となりました同経営委員会委員則内ウラ君及び同神野金之助君の後任として佐々木長治、三輪常次郎の両君を同経営委員会委員に任命いたしたく、放送法第十六条の規定により両議院の同意を求めるため、本件を提出いたしました。  お手元の履歴書で御承知のように、遠藤君は、大正十年四月東京大学卒業後逓信省に入り、本省の貯金局、経理局、電務局の各課長を歴任、昭和十年八月満洲電信電話株式会社参事に就任のため退官しましたが、その後華北電政総局経理部長を経て華北電信電話株式会社理事となり、次いで同十四年四月再び逓信省に入り、札幌及び大阪の逓信局長を経て逓信省郵務局長となり、同十七年六月退官後、三井軽金属、東北配電、北日本防腐木材工業の各株式会社の役員を歴任しましたが、同二十七年六月一日日本放送協会経営委員会委員となり今日に至っているものでありまして、現に仙台地方公共企業体等調停委員会委員及び東北電通興業株式会社社長の職にあるものであります。  佐々木君は、大正五年東京高等商業学校を卒業後、株式会社西南銀行、同第二十九銀行、同予州銀行、八幡浜商工会議所、株式会社伊予相互貯蓄銀行、愛媛県経済商工会議所の頭取または会頭を歴任、この間衆議院議員に二回、また貴族院議員に一回当選し、現に伊予鉄道株式会社取締役、愛媛県森林組合連合会会長及び四国電力株式会社監査役の各職にあるものであります。  三輪君は、大正元年株式会社服部商店支配人となり、次いで同店取締役社長に就任、以来名古屋商工会議所会頭、愛知県共同募金委員会委員長、株式会社名古屋観光ホテル、塩水港精糖株式会社、社会福祉法人共同募金会の各役員を歴任、現に、愛知県織物染色協同組合、名古屋繊維取引所、愛知県遺族会連合会の各役員、興和紡績、軍服産業、名古屋ビルディング、名古屋観光ホテルの各株式会社の役員、中央児童福祉審議会、公務員制度調査会、社会福祉審議会、観光事業審議会の各委員及び通商産業省顧問の職にあるものであります。  以上申し述べましたように、三君はその経歴、識見から見まして、いずれも公共の福祉に関し、公正な判断をなし得る人物であるとともに、産業、経済、文化及び福祉の各分野において深い理解を有し、また、放送法附則別表に定める地区に居住しておりますので、日本放送協会経営委員会委員として最も適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意されまするようお願いいたす次第でございます。  どうぞよろしく。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 次に、米価審議会委員任命につき本院の議決を求めるの件。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○政府委員(吉川久衛君) ただいま議題となりました米価審議会委員の任命に関しましては、先般本委員会において御説明を申し上げました衆議院の委員は、今岡もそのまま、また任命をいたしたい、新たに参議院から一名お願いをするということにいたしたいと思うのでございます。せんだってお願いしたばかりで、またあらためて議決をお願いいたしまする理由は、前回は二月の総選挙のために二十九年度の委員の任期が中断をいたしておりまして、その残存期間を空席にしておくことができないので、新たに任命をいたしたのでございますが、三十年度の委員をここにあらためてお願いしなければならないことになったのでございます。  今回、衆議院議員安藤覺、同石田宥全、同小笠原八十美、同川俣清音、同松山義雄、同じく村松久義及び参議院議員片柳眞吉の七氏を昭和三十年度米価審議会委員に政府において任命いたしたく、両議院の一致の議決を求めるため国会法第三十九条の但書の規定によりまして本件を提出した次第であります。米価審議会は食糧庁の附属機関で、農林大臣の諮問に応じ米価その他主要食糧の価格の決定に関する基本事項を調査審議し、これに関し必要と認める事項を農林大臣に建議することを職務といたしております。お手元の履歴書で御承知のように、安藤、石田、小笠原、川俣、松山、村松の六氏は、昭和二十九年度米価審議会委員の職にあり、五月三十一日をもって任期満了したものであります。また片柳氏はかつて米価審議会委員の職にあったものであります。  以上七氏は、それぞれ米価その他主要食糧の価格の決定に関する基本事項について広い学識と豊富な経験を有するものでありまして、米価審議会委員として最適任者であると存じますので、今回政府において任命しようとするものであります。  三十年度の米価につきましては本月の十五日を目途として定めたいとただいま努力をいたしておるような次第でございますので、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに議決されるようお願いいたします。     —————————————

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 運輸審議会委員任命につき本院の同意を求めるの件。

河野金昇日本民主党運輸政務次官

○政府委員(河野金昇君) 運輸省設置法第九条に基き任命されている運輸審議会委員のうち木村隆規及び三村令二郎は、本年六月十二日をもって任期が満了し、太田三郎は昨年十二月十六日辞任し、欠員が補充されていないのであわせて任命する必要があります。従って内閣総理大臣において運輸審議会委員三者を任命することが必要であるので、同法第九条第一項の規定に基き両議院の同意を求めようとするものであります。  その三名の候補者は、お手元にありまするように青盛忠雄、有沢滋、三村令二郎の三名であります。略歴等はお手元のもので御理解願いまして、御同意あらんことをお願い申し上げます。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 以上三件の取り扱いはいかがいたしましょうか。

松岡平市自由党

○松岡平市君 一応これは各会派に持ち帰りまして、それぞれこの政府の提案が妥当であるかどうかということを慎重に各会派で検討いたしまして、次回以後の委員会において適当に取り計らわれたいと思います。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 松岡委員の発言の通り取り扱うことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) そのように決定いたします。  暫時、休憩いたします。    午前十時四十四分休憩      —————・—————    午後三時五十七分開会

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 議院運営委員会を再開いたします。  今朝来理事会におきまして、理事の一部の方から、本年度総予算が衆議院において修正の上本院に送付されたが、先に国会に提出されたものと比較してその内容が異なっているので、先の財政演説等と関連して、この際、予算提出の責任者たる政府の所信等を質したいという御希望がありました。よって本席に内閣総理大臣及び大蔵大臣の御出席を要求いたしたわけであります。御質疑等おありの方は順次お述べを願います。なお、理事会におきまして、内閣総理大臣の答弁は、着席のまま答弁させたい旨申し合せをいたしました。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 総理大臣並びに大蔵大臣にお尋ねいたしますが、参議院におきまして、過般施政方針演説及び財政演説の当時におきまして提出されておりました予算案と、昨日、衆議院から本院に回付されて参りました予算案を見ます場合に、大幅に修正をされております。で、この修正されました予算案につきましては、これは衆議院の責任において修正をしたものか、また衆議院が修正したのを、政府もこれを了解して、のんで、そうしてこちらに回ったものであるか。その点を政府側から、鳩山総理大臣からお答えを願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) お答え申し上げます。  政府は、衆議院の予算修正に応じたものでございます。従いまして、政府は、衆議院の予算修正に応じた政治上の責任を負います。修正された原案が本院において予算として成立した場合には、政府はこれが施行の責任に任ずることはもとより、本院においての審議に当りましても、政府といたしまして、なし得る限りの御説明をいたしたいと存じております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 ただいま大蔵大臣からお答えがありました通り、政府は衆議院の修正に応じたということでありまして、政府の責任において、執行はもちろん、当院の審議に当っても説明に当る、こういうことを答弁されましたが、そうしますると、実際的には内閣が予算案を修正したということと何ら変らないと思うのでありますが、この点について、そうすると国会法の五十九条によりまして、すでに提出してあるものを内閣が修正した場合には、その院の承認を求めなければならぬ、こういうことになっているわけなのですが、今のお答えからすると、実質的にはこれはもう内閣が修正をしたものと何ら変りはないのでありますから、参議院の承認を求めるという手続をとるのがこの国会法の五十九条の正しい解釈であるとわれわれは考えるのでありますが、これに対しまして政府側の御所見を伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) お答え申し上げます。  ただいまの五十九条には当らないと存じますが、これは法律上の点がありますので、政府といたしましては法制局長からお答え申し上げた方がよろしいかと思います。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 国会法の解釈でございますので、私の方から申し上げるのはいかがかと存じますけれども、御承知のように、衆議院で御修正になったわけでございまして、それについての政治上の責任は、もちろん政府側としてもそれを了承したという意味においては負うわけでございますが、形式から申せば、衆議院が御修正になりまして参議院に御送付になったということでございます。  この国会法五十九条は、内閣が提出しておる議案につきまして、みずから修正する、あるいは撤回するということについての手続をきめたものでございます。この手続には当らないものじゃないかと存ずるわけでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 これは自由党と民主党との予算折衝と申しますか、折衝をされました結果、これでいこうということになって、そうして政府もやはりそれをのんだという以上は、予算の提案に対して、あくまでもこれは修正権はもちろん国会にありますが、こういう大幅な修正をされましたような場合には、これはもう従来から政治責任の所在というものを明らかにしなければならぬと思うのでありますが、こんな無理を言われた場合には、まあ一萬田さんも、この修正については応じないと言って、ずいぶんがんばっておられたようであります。まあ煮え湯を飲まされたようなこんな修正をされました以上は、これに応ずるというようなことよりも、私は政治責任の所在を明らかにして、解散あるいは総辞職、どちらかの態度をとって、国民の世論に聞くというのがほんとうの責任政治のあり方ではなかろうかと、こういうふうに考えるのですが、この点について、一つ総理大臣の御所見を伺いたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 自由党と民主党との共同修正は、私どもの考え方では、政府提出の予算の原案の精神というか、目的というものを、これをくつがえすだけのものではないと考えております。同時に、政局の大局の上からこの自由党と民主党との共同修正をのむことが適切であると考えたのであります。それですから、この修正の予算案が国会を通過することについて、また通過後の施策につきましては、政府としては全責任を負うのでありますけれども、政府が責任をとるという問題でもないと考えておりますし、同時に責任という意味は、原案を変更したことについての責任をとって総辞職をするという問題でもないと思いますし、解散をするよりは、解散をして二、三カ月の政治の空白を来たすより、政局の大局からのむことが適切であると考えたのであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 予算については、およそこれはまあ予算委員会で詳しいことはやられると思いますが、われわれ今度の予算折衝について、国民の側から見るならば、自由党が四百五十億と言ってきた、最後に聞くところによりますと、三木さんとそれから大野さんが、これは四百五十億を半分に割って、そうして中で妥協しようじゃないかというようなことは、およそ予算の編成方針を私は根本からくつがえすような、まあバナナのたたき売りと俗に批評されているのでありますが、そういうようなことをしてきた以上は、最初に財政演説、あるいは施政方針演説をやられたことと相当私は変ってきていると思うのであります。従いましてあの施政方針演説、財政演説を自発的にもう一ぺん政府側はやり直しをここの参議院において当然やられるのが正しいんではないか、こういうふうに考えるのでありますが、総理は、それをおやりになる御意向はございませんか。  そういうような批判もあるのでありますからして、これらについては誤解を避ける意味におきまして、参議院の本会議を通じて国民の前に明らかにする、それから予算審議に入るというのが最もあなたの言われる民主主義のルールと申しますか、これに乗った行き方ではないかと、かように考えるのでありますが、いかがですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は、その必要はないと考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それでは角度を変えて、この予算の政府原案を提案される前におきまして、大体において何とかこれは自由党の方からも修正案が出てくるんではなかろうか、どうせ来よったら、多少のことは一つ、くることを覚悟してお出しになった。だから及び腰で、率直に申しましてこの予算案を提案されたものであるか、それともあくまでもこれを正しいと信じて貫いていく、こういうつもりでお出しになったものであるか、あの本会議においてあなたは施政方針をお述べになった当時の心境から考えて、どちらであったか。どうせ多少はこれはもう過半数でないんだからやむを得ぬ、多少はこれは削られたり、あるいはふやされたりすることを覚悟の上で施政方針演説をおやりになったか、その点をお伺いいたしたい。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 原案の提出のときには、そのまま通過を希望しておりました。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それがこのように修正になりました以上は、政府といたしましても相当これはのむには苦しかったと思うのでありますが、まあとにかくのまれたのでありますが、そこで変った毎度から申し上げたいんですが、この修正を、一萬田大蔵大臣があとで新聞談話でも発表しておられまするように、まあ保守連繋のいしずえとなれば仕合せだと思って、そうしてのんだ、のみにくいものだけれども、保守連繋のいしずえとなるならば仕合せだと思ってのんだ。従ってほんとうに大蔵大臣の責任において、日本の財政計画全般から考えてのんだんではなくて、保守連繋の具に供されたというきらいがなきにしもあらずと思うのでありますが、この点について大蔵大臣からお伺いしたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) そういう、今のお話のようなことはございません。私は予算の成立ということと、この予算の国民経済あるいは国民生活全般に及ぼす関係等から考えまして、同意したわけであります。政局全般の上から考えてやったわけであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それでは予算を執行されるときに、もしも不測の事態というようなものが起きた場合におきましては、修正したものが責任を負うか、それとも政府はのんだのであるから、政府の全責任においてこれは参議院の通過の方、それからまた通過後の成立後の執行の方もすべてはこれは政府の責任にあると、こういうものであるか、鳩山総理大臣からお伺いしたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 菊川さんのおっしゃった通りに、通過、また通過後の施策につきましても、政府の責任においてやるのであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうしますると、この通過のための責任も負う、それから成立後の責任も負うということになると、実際には政府が面したのと何ら変りがないのであります。ただ手続上の問題において衆議院の修正だ、こういうことになるのでありますが、実際には、これはもう内閣が修正をしたのと何ら変りはないのであります。しかも参議院におきましては、もう予備審査も何回かやられているわけであります。それが途中で変るのでありますから、これは政府が修正をしたのと何ら変りがないのであるから、五十九条によってやはり承認を求めるという手続をおとりになるのが正しい行き方じゃないかと思うのでありますが、その点について総理大臣はいかがお考えですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) その点につきましては、先刻法制局長官が答弁したのが正しい見方であると考えております。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 詳しい予算の内容については、もちろん予算委員会でやるのでありますが、手続上の問題として将来にもこれは一つの前例となる問題だと思いますので、この際、はっきりしておかなければならぬと思うのでありますが、衆議院において審議されているとき、衆議院自体としてはそのような御解釈でいいと思うのでありますが、一たん衆議院を通過してこちらに参りました以上は、これはどう考えても、政府がすべて通過の責任に任ずる、執行の責任に任ずるという以上は、ただ衆議院を通過するために、ああいう修正をしたのでありますが、これはもう政府が自発的にやったのと何ら変りがないのでありますから、それでは、もう一ぺん伺っておくが、これは政局の今後の見通しであるとか、あるいは政治空白ができては困るというところからおのみになったのであるから、自発的な意思に基いてのんだのである、ほうっておいたら解散か総辞職かしなければならならないということになるので、自発的にのんだものであるというふうに解釈していいと思うのでありますが、それとももうやむを得ず、いやいやながらおのみになった修正案であるかどうか、この点を伺っておきたい。それで五十九条の解釈も大分変って来ると思う。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は政局の大局から、自由党と民主党との共同修正に応ずることが適切であると考えたのであります。自分から修正をしたのではなくて、共同修正案に応ずることが政局の大局の上から見て適当であると考えたのであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると、あれだけの修正によっては財政演説や施政方針演説で述べられました基本的な方針には何ら変更がない、こういうお考えのもとに今でもおられるのであるかどうか、その点を伺いたい。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 政府提出の予算の原案の精神は、あの修正においてはくつがえされてはいないと考えます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それでは大蔵大臣に、あの修正によって最初にあなたがお考えになっておった三十年度の財政経済政策に何ら影響は来たさないものであるかどうか伺いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私の方の最初提案いたしました予算の根本に変更を加えるということはないのであります。ただ、若干分量的に相違がくる、かように考えているのであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると、あなたも財政演説をもう一ぺんやり直して、そうして国民の前に、この修正されたことについて何ら変更はないものであるということを明らかにしておく必要は認めない、こういうふうに考えられるのですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私はその必要はないと考えておりまして、予算審議の過程において、その辺のところは明らかにしたいと考えております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 これは法制局長官の解釈が、前の佐藤法制局長官の解釈と少し違う点があるのですが、当初はやはり佐藤法制局長官も、そういう解釈を一時したのでありますが、予算委員会における論議の過程において、政治上の責任を持つと同時に、法律上の責任を負う、すなわち予算案に対しての政治上の責任というものは、近代的な責任内閣制確立における一番骨格をなすものであります。従ってイギリス憲法においては増額修正というものは認められておりませんから、美濃部的な憲法の解釈は間違っているにしても、このイギリス憲法においてすら、この修正がなされたときに政府がこれを受諾したときにおける政府責任というものの所在が非常に重視されているのです。日本の憲法の解釈においても、増額修正が可能であるとの解釈が今なされておりますが、増額修正が可能でありた場合においても、国会の意思によって修正が加えられたとしても、閣議を開いて政府がそれを受諾したというところに責任の所在が明らかなのでありまして、それが、自動的であろうが、他動的であろうが、問題は責任の所在を明確にすることであって、修正を政府がのんだというからには、この五十九条の原則というものを守って、少くとも衆議院においてそういう修正予算案が通った終局における政府の受諾、その上に立ったところの大幅修正がなされて参議院に送りこまれてきた以上は、やはり参議院において政府みずから進んで積極的にこの予算修正のなされたいきさつを述べて、それを政府がのんだことを述べて、本会議においてそれを明らかにするというのが原則でなければならない。その前においては、その問題がすでに予算委員会にかけられてしまったので、予算委員会の中で、その論議が加えられたので、非常に制約が加えられたので、それがこの前の場合、第十六国会の場合におけるものは、いわゆる前例にならないので、その場合におけるわれわれは、その轍を再び踏みたくない。参議院の権威からしても、どうしてもそういう筋を踏んでもらいたいと思うのですが、法制局長官の解釈を承りたい。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 今、戸叶先生のおっしゃいました点でございますが、責任の所存のことでございますが、政治上の責任、これにつきましては、今おっしゃいました通りに、衆議院で修正されましたものについて、政府としてはそれを了承したということでございます。従いましてそういうことに基きました政治上の責任はもちろん負うわけでございます。ただその範囲において、先ほど大蔵大臣が御説明いたしました通りに、参議院におきましても、予算審議の過程において、できるだけこの修正の内容の御説明はいたしたいと、かようにお答えいたしているわけでございます。  法律上の責任のお話でございましたけれども、これは多少お言葉を返すようになりますけれども、これはやはり一般の法律案なり予算については、この国会法の建前から申しますと、衆議院において修正が議決されたというものにつきましては、これはそのまま実は参議院の方に送付になる。参議院において直ちに御審議をいただくということになるのではないかと思うわけです。その予算の増額修正云々の点でございますが、これはもちろんおっしゃいましたように、いろいろ学説がございます。いろいろ学説がございますが、予算が旧憲法時代と同じように、全然増額修正ができないという説をとっておられる学者は、美濃部博士外きわめて少数でございまして、大部分の学者の方は、増額修正も、内閣の予算提案権を害しない範囲においてはできるのではないかという学説でございます。国会法の規定も当然そういうことに基いてできておるものと私ども考えております。今度の予算の修正は、政府の予算の提案権を害するような修正ではないと考えまして、私どももこういう修正は、もちろん可能なものと考えておるわけであります。  それから先ほどまた大蔵大臣から御説明いたしました通りに、この予算の衆議院における修正は、つまり予算の根本原則をくつがえすほどのものではない。つまりその範囲に達せざる修正である。従いまして内閣側としても、それを了承した、そういう意味におきまして、今ここで、さらに本会議において財政演説なり、施政方針演説なりをもう一ぺんやり変えるという必要はないということにお答えをしたのでございます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 鳩山さんが、民主党と自由党の共同修正は、政府提出の目的から見て、原案をくつがえすものではない。政局の大局の上からこの修正をのんだんだと言われておりますが、また大蔵大臣並びに林さんも自主的修正とは異なるという、非常に何か特殊な立場があるような点を述べておりますが、私たちが考えるには、自主的であろうが、他動的であろうが、この予算案が修正されたのは事実なのでありまして、それを受けて立ったところの政府というものが、その修正に対して、少くとも予算案審議というものは、国会における審議権を持ち、国会にとっては、きわめて重要な意義を持っているのです。いわゆる重要法案といわれるものであっても、この種の事件が起きたときには、中間報告が当然なされるくらいで、普通の重要法案というものと違う。一番重要な問題であると思うのです。従って政府は、当然参議院において予算案を慎重審議するという建前から見るならば、やはり自発的に本会議においてこの五十九条によって私は説明するのが本当だと思いますが、鳩山さん、この点はどうお考えですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 私は先刻法制局長官が話した通りに、自分で修正したものと、自分でなく自由党並びに民主党の共同修正と違うと思うのであります。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 それでは大蔵大臣にお聞きします。  自動的であるということと、他から、国会に修正が要請されて、それに応じたということに対しては、政府の責任の所在が違うということを意味するのでしょうか。これは予算案の発案権、編成権、提案権は、内閣の持っているアブソリュートなものであると今まで解釈されたくらいのものであって、特に予算案編成権、提出権は、大蔵大臣がきわめて重要な役割を持っておるので、これを明確にしておかなければ、今後の責任内閣制というものはあいまいにされると思います。大蔵大臣はどういう御見解です。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 今回の修正は、私はこの大蔵大臣の予算編成権並びに提出権を害する範囲ではないと考えております。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 もう一度、鳩山総理大臣にお尋ねします。  それでは民自の共同修正というような形で、国会勢力によって修正されたときには、政府は自動的に修正した場合と違って、責任の所在というものが政府は薄いということを意味するのでしょうか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) そういう意味ではございません。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 どういう意味ですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 責任をとるという意味ではない。責任をとることについて両者の間に違いがあるとは思いません。けれども、法文なら、みずから修正したときにはかくかくの手続をとると書いてあるから、その通りにしなくてはならないが、そうでない場合は、特に規定した手続には従わなくてもいいと、その違いがあると思うのです。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 衆議院と参議院とはおのずから機能を異にしております。衆議院において国会の意思において修正されたからといって参議院においては、おのずからこれは新ただと思います。それが自動的であろうが他動的であろうが、修正された事実には変りはないのです。それを政府は受けてのんだからには、やはりこの参議院において、それを本会議において説明するのが妥当だと思いますけれども、その政府みずから修正した場合ならばそういうふうになるが、政府みずからでなく他からの修正ならば、そういうことはできぬという御見解をあくまでも総理大臣はお持ちでございますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) その点につきましては、法制局長官から答弁をしてもらいます。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) ただいまのお尋ねでございますが、この形式から申せば、衆議院が御修正になったということに基いて参議院にそれが送付された場合と、それから衆議院において、たとえば組みかえの動議が成立して、それに基いて政府が自発的に組みかえ手続をやったと、それによって一たんたとえば原案を修正したという場合とが違うことは、法律的には明らかであろうと存ずるわけでございます。  で、前者の場合、今度のような場合に、それが参議院に参りました場合に、それを政府がさらに本会議において御説明することが適当であるかどうかということは、これは一つの国会運営のルールの問題だろうと実は思います。思いますが、これは先ほどから総理大臣及び大蔵大臣からお答えいたしました通りに、この修正は初めの政府の原案の精神をくつがえすものではない。従いまして政府のほうから自発的にそういうような手続をとる意思はないと、そういうお答えをしたものだと、そう思うわけでございます。  で、この五十九条は御承知のように、これは蛇足になるかもしれませんが、五十九条は、各議院の会議、委員会において議題となった議案を修正する、または撤回するのは、その院の承諾を要するということになっておりまして、これはしかもただし書きがついておりまして、一の議院において修正したあとは、修正しまたは撤回することはできないと書いてあります。  予算は御承知の通り衆議院に先に出しております。衆議院において議決があるまでは、政府は修正しまたは撤回することはできます。これに基いてその場合はもちろんその院の承諾を得てやることはできます。衆議院の議決を経て参議院に送付された場合には、このただし書きの規定が働くものと、かように考えておる次第でございます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 林法制局長官の今の答弁は、非常に気になるものになったと思います。それは、やはりこの議会の運営というものの政治的含みからするならば、政府の自発的意思ならば、私はこれを本会議においてやはり説明できるし、説明するのが本当だと思います。吉田内閣におけるあの独善的な行き過ぎというものが、前における三党修正というような形においても造船疑獄のような不祥事を生んだのです。あれは結局国会外の舞台裏において取引きがなされまして、あの発端は造船疑獄でありますが、造船利子補給の問題は、御承知のように政府原案は十三億円である。それが一夜にしてその十三倍の百六十七億円に修正された。そういうその取引きがなされたことは、あとから暴露されて唖然としたのでありますが、予算委員会において、これは木村禧八郎君を初めとして幾多真剣な論議がなされたにかかわらず、それが軽視されたということが、あの不祥事件を、衆議院におけるあやまちを、参議院で食いとめることのできなかった一つの大きな原因であったと思うのです。吉田内閣の犯したような誤謬、吉田内閣の場合においては、参議院がその機能を十分発揮できなかったその失敗というものを、われわれは二度繰り返したくない。特にこの二百十五億の大幅修正をめぐっては、世上ふんぷんとして問題が起きている。この問題は、やはり造船疑獄と同じものを連想させないとも言い切れないような、いろいろな取り沙汰がされて、各委員会において当然この修正をめぐって論議がなされるのでありますが、その各委員会において論議がなされる前に、やはり本会議において基本的な政府の心構え、この修正をのんだ態度、そういうことを明確にするということが、吉田内閣と鳩山内閣は大ぶん違う、独善的じゃなくて、謙虚で明るい民主主義ルールの上に立てようとするのだという気構えを示すことも大切だと思いますが、そういうことに対して、鳩山さんは御配慮を持っておられないのでしょうか。鳩山総理大臣にお尋ねします。これは御自身から答弁を願います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 国会の運営が民主的にならねばならない。できるだけ明るい政治をやりたいというような熱望を持っておりますし、戸叶さんと同じような気持を持っておりますが、このたびの修正案を、修正されたものを参議院に送付になったということについては、やはり私どものとっておる態度が、法の命ずるところである、そういうふうに確信をしております。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 かなり論議がされましたので、私はたった一つだけお尋ねいたしたいと思います。  法律論についてはすでに菊川、戸叶両君から質問され、これは実体論から質問されておったのでありますが、結局この問題を繰り返しましても、ただ議論が長引くばかりだと思いますので、私は法律論はやめまして、他の面から質問申し上げるのでありますが、それは十六国会の折に本委員会におきましても、この予算修正ののちにおける扱いについて、かなり多くの議論がなされ、また予算委員会においても多くの論議が費されたわけであります。そこで予算委員会におきましては、まず修正された衆議院議員の方による説明がなされるという場合に紛糾になりまして、結局その政治責任は政府が負うべきではないかということになり、結果においては政府がその責任をとるということからいたして、その修正に至った経過内容等まで含めまして、政府側で説明をされた、こういう経過があるわけであります。そういたしますると、やはり責任は政府がとるのが当然であり、その扱いを、ただし委員会で行うか、本会議で行うか、ここに私は一つの分岐点があろうと思うわけであります。  そういたしますと、ひるがえって重要法案の扱い等を考える場合に、これに対しても、政府が必ずしも本会議において説明しなければならないという義務的な法律はどこにもございません。ただ審議上それが好ましいという形から、重要法案と目されたものは各派でもって持ち寄って、それを政府が本会議で説明し、そこから委員会付託の前に質疑等が行われる、こういう手順を踏んできたわけです。それで、予算の修正ということは、一、二の法律案と違い、さらに重大なる案件であるということから、ここに議論がなされておるわけでありまして、それだけ重要な案件である限りにおいては、この五十九条の問題がいかがであろうとも、委員会では当然政府が責任をとって、その説明、答弁に当るわけでありますから、これは本会議においてむしろなさるならば、さらに望ましいと、私どもはかように考えるわけであります。その点に関しまして、政府は法律論からすれば、先ほど来、もはや本会議で説明する必要なしと、こういう答弁でございますが、政治的な責任を果すという意味と、院の審議の上からいうて望ましいという、この観点に立った場合に、政府側はどう考えられましょうか。これは総理でも大蔵大臣でもよろしうございますので、お答え願いたいと存じます。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 私どもの、政府としての考えは、今回の修正につきましては、予算委員会で十分御説明を申し上げることで御了解を願う、かように考えるわけであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 だから、そこまでは私は、従来自由党内閣がとったのも同じだと思います。だから委員会において十分説明をするということは、そこに一つの責任を果すということであろうと思うわけですが、それならば、さらに望ましい形は、本会議で説明されるということが私はさらに適当ではないかと、こう申し上げておるのであって、その点についてはその必要がないという論拠は、それならどこにございましょうか、逆にお聞きしておきます。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) これは考え方の相違もあるかもしれませんが、政府といたしましては、本会議においてこれを説明申し上げるというようにするほうがいいと考えていないわけであります。

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 それじゃ、私、端的に聞きます。本院のこの委員会もしくは理事会等において、さっき私が例示しましたように、これは重要法案だという形で、各派から持ち寄って政府の説明を求める、こういうことがあるわけです。その場合にも法律的な根拠を探すならば、あえて本会議で説明する必要なしと、こういうことになるわけなのです。でありますから、私は念を押しておきたいのは、もし本院においても各会派で持ち寄って、これが重要法案であるというて政府に通告した場合にも、法律的な義務は別にないのであるから、それを拒否することもあり得ると、こういうことになりましょうか、その点だけただしておきたいと思います。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) これは今、天田先生がおっしゃる通りに、法律上からいえば、確かに国会法の方ではないかもわかりませんが、これはしかし国会の方の御意思がそうであれば、もちろん今まで政府はこれに御協力申し上げてやっておるわけであります。先ほど来から申し上げたのは、政府の方としては、そういうことをする必要はないだろうと、こういうことを申し上げたわけでございます。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 それじゃ法制局長官に伺っておくが、五十九条というのは、大体これは空文だと、内閣は、修正するなんというようなことになったら、これは承認を得なければならないのでめんどうくさいというので、これはもう政党内閣制ですからね。そこで議員修正ということにみんなやらしてしまえば、この五十九条なんというのは、これは空文になると、こういうんですな、大体において。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) それは、決してそういうわけではないと存じます。この五十九条は議案と書いてございまして、これは法律案も予算もどちらもいろいろなものは全部入ります。そこでおのずから政府が修正すべき場合と国会で御修正になる場合とおのずからこれは分れてくるだろうと思います。政府の方でかつて出した法律案なり予算案について、あとから理由が生じまして、これはどうも修正した方がよいということを政府できめました場合には、もちろん政府の方で修正の手続をとるべきものだ。しかし国会の審議におきまして、国会の方の御意思によって、これを修正した方がいいという御意思であれば、これはもちろん国会で御修正になる手続をとるべきである。これに対して政府はもちろん法律的にはイエス・ノーは言えないわけでございます。国会がまことに立法機関として御修正になりますことは、政府の方としてはイエスもノーも申せません、法律的には。ただこれを了承するとかしないとかいう問題はございます、政治的には。そういうわけでございまして、おのずからこれは場合が違ってくるだろうと思います。  政府がみずからの意思に基いて修正をしたいという場合には、五十九条に基いてやるわけであります。

菊川孝夫日本社会党(第四控室・左)

○菊川孝夫君 そうすると、政党内閣制であって、それはもう多数派が内閣をとっておることはわかっている。どちらかに多数がなければ内閣はできっこはないのでありますから、従って政府としては自分の意思に基いて修正しようと思う場合でも、これは政党内閣だから、この前衆議院でもやった通り、率直に言って、与党にやらしてしまえば、何も五十九条みたいなものがなくても、そういう手続で抜け道をやろうとすれば、幾らでもできるものである、こういうふうに解釈していいか。  それからもう一つは角度を変えて政府の方で、もしも修正案を、今度は鳩山さんがのんだ、率直に言って。まあ言葉は悪いかもしれないが、応じたということになるのだが、応じない、こういう場合。応じないし、これは総辞職したら空白ができるから、もう総辞職もしない。お前ら勝手にやれ、こういうふうにした場合は、執行は政府でありますが、説明も応じないということになると、誰が説明をやるのか。衆議院から来て説明をやって通してしまう。参議院を通すだけは、衆議院の方の修正案を提出した者が責任を負うのか。これはどっちなんですか。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 前段のお尋ねでございますが、これはいわゆる脱法的なことをやれば、そうなるんじゃないかとおっしゃるわけでございます。脱法的なことをやれば、あるいはそういう場面も起るかもしれません。しかし先ほど申しました通りに、おのずから政府が修正すべき場合と、国会において委員会における審議の過程で御修正になる場合とは、おのずからこれは分れてくるものだろうと思います。それもすべて政府が修正するのがめんどうくさいから、全部与党にやらせるというようなことを、それはやれば、形式的にはやれないことはないかもしれません。しかしおのずからそこにある程度のルールはあるべきものだと思います。  それからあとの問題でございますが、これは先ほど申しましたように、政府がかりに、これに同意するしないは、議案の成立には関係ございません。従いまして衆議院で御修正になった。政府が同意しなくても、もちろん衆議院の議決は成立いたします。それが参議院に参りまして、参議院の御審議の経過において、参議院がそれの議決に同じ議決をなさるとすれば、これは予算は当然成立いたします。その場合において、もちろん政府はそれを執行する責任が法律的にはあるわけであります。ただしかし、そういう予算が執行できない政府は、これは総辞職をするか、解散をするしかございません。  それから説明の問題でございますが、これは国会法の建前からいえば、やはり政府はもちろん一応の、衆議院でこういう御修正がありましたと、従ってそれを、政府に対して御質問があれば、知っている範囲のことは、これは答えるべきであろうと思います。同時に、これは提案をされた衆議院の方々が参考人としてお出になる。そこでお述べになる、こういうことになるべきものであろうと思います。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 関連質問です。  今の林さんの説明は、非常に空転していると思うのです。その点は、政府の意思いかんによらず、予算案が国会で成立するということは可能であります。しかし予算案が参議院に送り込まれたときには、その国会の意思によって送り込まれるのじゃなくて、その過程において政府がこれを閣議を開いて受諾するか、あるいは受諾しがたきものならば、解散権を行使して解散するか、この二つの中に一つの途しかないので、そんな空転した形によって政府の意思を無視して、予算家が参議院に送り込まれるなどということはないと思うのです。そういうふうな解釈をされると、全く内閣のあり方、国会のあり方というものに対するけじめが私はつかなくなると思うのですが、今言われた説明の中には、そういう誤解を招くふしがあると思いますから……。

林修三法制局長官

○政府委員(林修三君) 今おしかりを受けましたのですが、確かにおっしゃる通りでございます。衆議院におきまして予算が修正議決になったその修正が、政府としてはとても執行責任を持てないということであれば、当然そこで総辞職、あるいは解散があるべきだという御説はまことにごもっともでございます。その通りだと思います。ただし先ほどの菊川先生のお尋ねは、そういうものがあって、かりに参議院に来た場合にはどうするかというお尋ねでございましたので、一応形式的にお答えしたわけでございます。その点御了承願いたいと思います。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 現実から遊離した仮設の論議というものは、国会において慎しんでもらいたい。特に法制局長官ともあろうものが、世上に誤解を招くような論議をこの席でするということは深く慎しんでもらいたい。  そこで法律上の解釈よりも先ほどの法制局長官の、問題は、これを国会に説明する説明しないは政府の態度いかんにあるという回答は、私はこれは法制局長官らしい妥当な解釈だろうと思う。その通りです。しかもこの前における三党修正の場合において、吉田内閣は、当初この修正は政府の責任でなくて修正者の責任であるから修正者を代表して改進党の三浦政調会長に説明させるということを予算委員会でもって通告してきたのですが、予算委員会においてはこれを反撃して、そんなばかなことがあるかという形において、それを認めて、吉田内閣ですら謙虚なる形において、今度は大蔵大臣が予算委員会において説明することに改めたのです。傲慢と言われた吉田内閣においても、この国会の権威を認めるということにやぶさかでなかったのです。これから見ると、はなはだ鳩山内閣は傲慢無礼である。一つの理屈はわかるけれども、政府の考え方は、そうはできないというような態度で今出ておりますが、言葉は丁寧であるけれども、とにかく腹のうちはずいぶん横着な考え方になっていると思うのです。私はこの際、鳩山さんのお人柄を生かすためには、吉田さんですらも国会の権威を保つために、あれだけ謙虚な態度に出たのですから、参議院のこれだけの要望というものを尊重して、政府はこう解釈するなどと言ってまかり通ることをよして、先ほど天田君が言われたような形において予算委員会で大蔵大臣に説明させるということよりも、この影響するところ大なのでありますから、本会議において説明させるという、ちょっとした考え方を私は変えてもらうことが必要だと思いますが、鳩山さんの御見解はいかがですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 予算案に対する自由党並びに民主党の共同修正案が、政府提出の予算の原案と非常な差異でもありますならば、あなたのおっしゃることに従う方が常識上当然だと思うのです。ただ修正の限度がそれまでに達してはいない。大体において政府原案の精神とし、目的とするところのものはくつがえされずにあるのであるから、予算委員会の説明で十分足りるものと思っておるのであります。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 大蔵大臣にお尋ねします。  鳩山さんが今、差異があるならば私の意見に応ずるというお話ですが、少くともこの予算案の発案権、編成権、提出権における一番かなめになって、これを遂行するのは大蔵大臣です。大蔵大臣の責任において、今までずいぶんがんばったと思われるのでありまして、差異がなければ大蔵大臣はがんばる必要はなかったと思いますが、今までどういう御心境においてがんばられたか。その見解を明らかにしてもらいたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) 大蔵大臣といたしましては、予算の原案を提出して、その原案を最後まで主張する、これは大蔵大臣として当然の職務であると、かように考えます。

戸叶武日本社会党(第二控室・右)

○戸叶武君 それでは、それほどの差異がないということがわかっていたのにかかわらず、大蔵大臣は原案に固執してまでがんばったと認めてよろしいですか。大蔵大臣の御答弁を願います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) それは、程度の問題であるのであります。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) いかがでございましょうか、ちょっと懇談をいたしたいと思いますから、速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 速記を始めて。  政府に対する質疑は、以上をもって本件に関しては終りましたが、他に御発言がありましたら、お述べ願います。

阿具根登日本社会党(第四控室・左)

○阿具根登君 私は国会法第五十六条の二により、本委員会は、本日送付された修正予算案が、総理の施政方針及び大蔵大臣の財政演説と異なることを認め、本会議において修正予算案の説明を聴取することの動議を提案いたします。(「賛成」と呼ぶ者あり)

天田勝正日本社会党(第二控室・右)

○天田勝正君 私は阿具根君の動議に賛成いたします。  その理由は、先ほどの私の質問によって明らかにいたしておきましたが、政府の先ほどの答弁を聞いておりますと、法律的に明定されないものはその責めをのがるるという態度に私は終始しておるように見ておったのでございます。かようなことでありますると、重要法案等の扱いにつきましても、法律的に明らかに定めてないから、その答弁、説明に、本会議においては当らないということにもなって参りまするし、ひいては今度のこの修正案についても、予算委員会において、何ら政府がその責めに任じて答弁に当らなくてもいいという解釈にも発展して参り、結局修正案を提出した者によって、その説明、答弁に当らせるという弱点にもなる危険もあるのであって、われわれといたしましては、やはり重要案件を本会議で一応説明を求むるという慣例は、よき慣例と考えておるので、特にその重要なるものの中でも予算案ほど重要なものはない。こういう観点に立っておるわけでありまして、従ってわれわれとしては、かりに慣例がまだ打ち立てられないで、ただ一つの前例としては、この前、本会議で取り上げなかった。むしろその取り上げなかったということの方が、われわれから見れば悪例であって、この際、新しいよき慣例を作る意味からしても、本修正予算案は、本会議で政府の説明を求めることがしかるべきものと考えますので、賛成いたすものでございます。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) ただいま阿具根君から動議が提出され、賛成者がありまするので、これを議題といたします。  ただいま天田委員から御意見が述べられましたけれども、他に御意見のおありの方は、お述べを願います。

小林武治緑風会

○小林武治君 私は、今回の予算の修正につきましては、内容も相当重大である。従って政府はむしろ自発的にこれを本会議で説明した方が、政治道義の上から言うて好ましいと思います。(「異議なし」「その通り」と呼ぶ者あり)これらの点につきましては、私は、政府の良識に待つべきものといたしまして、私どもがあえて要求をして、これを求めるということには反対をするのであります。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか。

鈴木一無所属クラブ

○鈴木一君 阿具根君の動議に賛成します。理由は天田氏から申されておりますので、繰り返さないことにいたします。

松岡平市自由党

○松岡平市君 自由党を代表して、私としては阿具根君の動議に同意いたしかねます。  理由については多くを述べません。すでに十六国会におきまして、二十八年の七月十八日、この問題につきましては、ほとんど同様のケースについて相当論議をいたしておりまして、わが会派といたしましては、当時といささかも所論を異にいたしておりません。従って多くを申し上げませんが、道議には賛成いたしかねるということだけは申し上げます。

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 他に御発言はございませんか。  御発言がなければ、阿具根君の動議について採決いたします。本動議に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

郡祐一自由党

○委員長(郡祐一君) 少数と認めます。よって阿具根君の動議は否決せられました。  本日の委員会は、これをもって散会いたします。    午後四時五十六分散会

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