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第22回国会参議院1955/07/29

外務委員会 第24号

発言数
29 件
登壇者
4 名
会派数
4
開催日
1955/07/29

会議録

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それではこれより外務委員会を開きたいと存じます。  日華平和条約附属議定書第二項の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  本件について御質疑のある方は順次御発言を願います。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 昨日の本委員会におきまする特に佐多委員の御質問に対する外務大臣の御答弁、非常に注意深く伺っておったのですが、要するにジュネーブ会議以後の国際情勢の動きに即応して、日本と中共との関係についても何らか情勢の動きに即応する新しい措置が研究され、またとられるべきではなかろうか、こういうような佐多委員の御質疑に対して、外務大臣は、これは日本としては遺憾ながらこの問題を決着する指導的立場にはない。しかし情勢は動いておるのであるから、まあしばらくの間はやや情勢の動きを静観する、それに即応しながら逐次考えていくべきではないか、こういうような御趣旨の御答弁であったと思うのであります。これは佐多委員も認められたやに思れるのですが、ある意味においては日本だけで先走った措置がとれない制約ももちろんあるわけです。しかし私も基本においては佐多委員のお考えに同感な点が多いのでありますが、とにもかくにもアメリカが中共と懸案について、両国間に関する限りの懸案については今までみたいな消極的態度から積極的にジュネーブにおいても大使級の話し合いを開始するいうような方向に進んでおることは事実でございます。従いまして、昨日、今日等の外国電報を見ましても、このこと自身が国民政府、台湾政府に対してはかなり大きな政治約なショックを与えつつあることも伝えられているのであります。それにもかかわらず、もとよりアメリカとしては台湾に関する問題、国民政府の運命といいますか、そういう問題については、国民政府をまじえずに中共とアメリカだけが話すことはない、こういったような点については非常にはっきりした保障を与えつつも、しかしアメリカと中共との間の問題については、これは従来みたいな態度をいわば一擲して、直接に話し合うという方向に進んでいるわけであります。情勢がかく進みつつあることが事実でありまするから、従いまして過般政府においても、たとえば中共との間の邦人の帰国、引揚げの問題については、従来のようないわゆる三団体等にまかせるのでなく、少くとも中共の正式代表者とジュネーブの総領事クラスにおいて話し合いを始めるというふうに一歩進められたわけです。それよりもさらにアメリカの方では一歩進んでいる。私はこれらの情勢から見まして、むしろアメリカよりも少くとも一歩ないし数歩進んで、日本が中共との間に日本の必要なる事項に関しては自主的な交渉を進めていくべきではないかと思いますので、以上の見地に立ってやや具体的に御質問を申し上げたいのであります。  たとえばこの政府においては、ジュネーブにおける中共との会談後、そのワクというものをただ単に邦人引揚げだけに限られるお考えであるか。それともアメリカですらすでにかなり広範な懸案問題を話し合うという方向であるからには、当然にもっと対象を広げて、たとえば貿易問題等についても、これまた従来の民間団体にまかせる態度からさらに一歩進んでこの問題を取り上げていくようなお考えがあるかどうか。  第二には、これは先般新聞で、伝わったところで、私たちまだ確認はしておりませんが、社会党の両派の代議士諸君が中共の周恩来に会ったときに、アメリカと中共と直接話し合うようになったことにかんがみて、日本もびくびくせずに鳩山総理の代理でも中共によこしたらどうだ、こういうようなことを周恩来が言ったと伝えられておるのであります。私は必ずしも目的も明確でない会談に北京に人を派遣することだけがいいというふうには考えませんが、そういうような情勢を考えて、貿易の問題、また引揚げの問題外についてももう少しハイ・レベルの会談を積極的におやりなる意向があるかないか、この点をまず伺っておきたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) ゼネバにおける中共とわが方との交渉は抑留者の帰還に関する問題であるとはお話しの通りであります。今その問題を交渉の題目にいたしておるわけであります。その交渉の成績等も見て、そのほかの問題を交渉にさらに上すかということも考えてみたいと、こういう考え方になっております。かような問題は概括的にはちょっと申し上げかねるのでございます。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 そこで抑留者の引揚げの問題について伺いますが、いわゆる戦犯以外の抑留者の問題、これはもちろん日本側の立場から確かにあるのですから、これは本人が帰国を希望しておる、おらない等についての細目の問題はありましても、日本側から見れば、まだ本人が確定的に帰国を希望しないのではなくて、希望があるけれどもまだ帰っていない人が確かにある。これは片づけてもらわなければいけません。同時に問題は、いわゆる戦犯の引揚げの問題なんです。これについて外務大臣も御承知のように、先方の言い分にはこれは私はまあ無理からぬ点もあるのではないかと思うのは、いやしくも戦犯を肯定する立場に立つならば、戦犯を日本に帰すのはこれはいい。しかし、かりに中共が連合国であるという仮定に立つならば、日本が平和条約によって連合国との約束によれば、これらの戦犯を日本がかってに釈放したりあるいは減刑することはできない。平和条約の厳然たる条項によって、一々日本側のイニシアチブに基いて先方に釈放なり減刑なりの措置を申し出でて、先方がそれに同意したとき初めて釈放、減刑等ができることになっておるのでありまするから、中共が平和条約を援用してそういう権利を主張し得るかいなかという法律論は別として、中共の立場からいうならば、それは物理的に何も中国に置いておくことはない、日本にお帰しすることはいい、しかしそれについてはあらかじめ民間団体でなくて、政府と政府との確たる約束によって、日本側が中国側と相談の上に今後の処置をきめていくというような約束をしてほしいと言うのは、これは私は中共の立場に立ってみれば当然じゃないか。現に佐多委員なんかと私は四月バンドンで周恩来に会ったときでも、彼はその点を言っておりました。これは見方によっては、そういうことを通じて中共が日本と正式関係を持ち、そのことによって台湾側に一つ政治的にくさびを打ち込もうという政治的意図だという見方もないことはないでしょう。しかし事の性質上、抑留者、戦犯を早く帰すということ自身の目的から考えるならば、中共の言うことにもこれは、筋道がある。  また、話は横道になって恐縮ですが、かりに日ソ間の問題で考えても、戦犯まで何か条約なりあるいは取りきめなしに日本に早く帰せと言っても、これはやはりソ連が同様な権利を主張するであろうことは、これは事の性質上、またサンフランシスコ条約によって連合国に日本が与えた一つの約束から見るならば、私はこれはやむを得ない点もあろうと思う。そういう意味におきまして、これらの点についてほんとうに戦犯を早く帰そうというつもりならば、政府としては何かそこに腹がまえがなければ、ただ帰せ、こちらは早く帰せ、向うは帰すのはいいけれども、あとの問題についての約束してくれということで、これはデッド・ロックになる危険がある。そういう点に関連いたしまして、やはり抑留書引揚げ促進の問題を話すにしても、大きな意味において、きのうも問題になりました、まあ二つの中国という言い方は、これは多少合理的でないかもしれないが、現実に二つの政権が一つの中国にある。事中国本土における事実上の政権に関連する事項については、日本はやはりその中国本土の政権と話し合いもし、場合によっては政治的の取りきめをすることも、これは情勢の進展に応じて当りまえなんだ、そういうような実は腹がまえなくしてこの問題を進めていくことはあまり私は建設的でない。今日この機会に明白に政府のあれはどうだということを求めるのは、あるいは無理な点があるかと思います。デリケートな点があるかと思います。これらの点は十分にお考えだと思うので、まず外務大臣の御意見を伺いたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 未帰還者を帰してもらいたい、その未帰還者のうちにはいわゆる戦犯の問題も含んでおる、こういうことになっておるのでありますから、そうである以上は、一体戦犯を帰すときにはいろいろどういうことになるか、またどういう問題を考えなければならぬかということは、当然これは起ってくることであります、だからそういう今お話しのようなことは、いろいろ場合によって考究しなければならぬということは当然のことであります。  ただそれならば、今そういう問題に対して政府がどういう考えを持っているかということを申し上げるのは差し控えたいと思いますが、それはなぜかというと、ゼネバにおける交渉がもし進んでくるならば、必ず日本はそういうことについて態度を明らかにしなければならぬということになりますから、そのときまで待つがいいと私は考えますから、そう御了承願います。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 同様の趣旨において、まあジュネーブの引揚げ問題に関する交渉の発展いかんによっては、まだ他の問題も話し合いの爼上に乗るだろうということが予測できるような御答弁であったわけです。  そこでいま一つの問題が貿易問題だと思うわけです。これまた外務大臣が十分に御承知のように、中共側の主張は、この点は非常に明確だと私は考えます。つまりいわゆる貿易代表部交換の問題です。これに関連する——私、これまたバンドンにおける周恩来との梶原委員やあるいは佐多委員と共同の会見のときの話ですが、何も周恩来の話だけを重視するわけではございません。そのときの周恩来氏の説明によれば、とにかくきのうもお話しがありましたように、中共としては、二つの中国なんだということは当然認めない、こういう立場に立ちながら、現実には日本に国民政府の大使館があることは、これは事実は事実として承知しておるのだ。で、しかもそのことは非常に不幸なことであり、必ずしも日本政府の責任のないことではないのだけれども、そんなことを今責任呼ばわりしておったって話はつきはしないのだから、自分らとしてもその点については一つ便法を、早くいえばモーダス・ヴァイヴェンディを考えているのだ、だから日本における国民政府の大使館のあることを公認はできないが、直ちにそれを追っ払えなんというむちゃなことを言っているわけではない、公認はしないが、自分の方は少くとも貿易代表を置いてもらえばいい、いいと言っては語弊があるかもしれないけれども、まずそれからやっていくのだ、こういうことを言っておりまして、これまたただいまの戦犯問題に関する両政府間の取りきめというか、了解以上に事微妙な両政権に対する日本の承認問題といいますか、これに関連する大きな問題であることは相違ございません。また中共側としては、先ほど言ったように、この問題は特に中共の立場から国民政府を引き落すといいますか、という政略もおのずとそれは背後にあろうことは、これは否定できないと思い一ます。しかしと同時に、私が先ほど言うような、二つの政権が現実に存在する、これに対処する日本の立場という見地からいえば、周恩来が言っている一つのモーダス・ヴァイ、ヴェンディということは、これはある意味の意味がある。日本としてもこれは十分に考慮に値するきわめて現実的な提案ではないかと思うのです。従ってこの点についてもただいまの御答弁によれば、いま直ちに政府のはっきりした態度の表明は困難であるにしても、これまたどうしても考えていかなければならぬ。またそういうことなくしては民間団体まかせの貿易協定は、これは私は必ずしも成功する道ではない。かように考えますので、この貿易代表問題に関する中共側の提案について、外務大臣がこの際何らか意思表示ができるならば伺っておきたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) この問題については従来の御説明を繰り返すことにいたしたいと思います。今お話しの点は御意見ですから、お気持も相当含めたお話のようでありまして、そういうことについては私はやはり十分に私どもの考え方、気持、もしくは御共鳴の点も申し上げておるわけでありますが、しばらく情勢の推移を待たなければ、そういう個々の問題について、たとえいい方向にしても、先走ってやるということは、いろいろな不都合を伴ったり、いろいろな故障が起ったりするものですから、そういうことは大局をやや見きわめた上でやると、こういうように私は進めた方が私は日本だけでなくして両方にとって工合がいいように思うのであります。こう思いますから、その個々の問題、貿易代表部の問題については、政府としてはこれまでの説明を繰り返す、これは承認問題とか何とかということにからみ合わない性質のものは、これは異存はない、こういう標準をそこに置いて処理したい、こういうことにいたしたいと思います。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 もう一点だけ、日ソ交渉のことなのですが、これはこの委員会でなくても、ジュネーヴ会議後の第何回ですか、会議後に、最近のマリク・松本会談がありましたので、おおむね日ソ交渉の何といいますか、ファースト・ラウンドにおける大体の情勢というものがわかったように考えるのであります。これについて私も非常に具体的なお話を願うことも、時間の関係もあり差し控えたいと思いますし、また抽象的に今までの大勢でこれを絶対に悲観視するとかあるいは絶対に楽観視する——これは大ざっぱな意見ですが、それはいずれも誤まりではなかろうかと思います。外務大臣も大体そういう趣旨の意見を述べておられるように考えるのでありますが、ただ私は大体従来の会談とジュネーヴ会議後の第一回会談でおおむねの一つの目安というものができたように考えるわけであります。それは一体どういうことか、そのきわめて大ざっぱであるけれども、重大な段階としての大まかな一つの見通しというものが伺いたいわけです。それを私なりにさらに具体的に申し上げるならば、たとえばソ連の安全保障上の要求、日本中立化ということについては、これはジュネーヴ会議のソ連の姿から見ても、基本的に捨てるものではないが、同時にそれを絶対の条件にするほどかたくななものでもなかろう、こういう少くとも暫定的には既成事実を認めたという立場で話し合いを続けていく余裕があるように思う。  第二の点は、もう一つの難件である領土問題については、これは申し上げるまでもなく、この処理に関するやり方はもちろん、安全保障についても、東における日本との場合と西の話との相互関連性があるわけですが、領土問題についてもまさしくその観点に当然にその要素が加わって参って、特にジュネーヴ会談等で明らかになったように、ソ連がかなり強い力の立場に立ちながら、しかも国際緊張緩和の方向をとるというのが基本線であるとするならば、西ドイツの領土問題等に関連の深いような、影響があるような日本との領土交渉について、基本的なソ連の立場というものは相当強硬なものであると判断するのが正しくはないか。私はこの二点だけを、今後どうなるとか、あるいはどうすればいいとかということを離れて、一応の概括的情勢判断のポイントとして伺っておきたい。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私も今曽祢委員の御意見もしくはお見通しは非常に正確であるように考えます。ただ経過としてお話をいたしますれば、今一段落を経てどうするとかいう批判は当らぬように私は思う。私はまだ両方の意見が出そろっていないと思います。また小口は出そろっていても、一体その意味はどういう意味であるかということは今聞きただしておる階段でありまして、少くとも日本側としてはソ連の意向を各項目について十分に聞きただしつつある階段であります。私はまだ数回はそれが必要であると思います。これは必要な階段であり、ごく重要な階段であります。互いに、どういうことを言っておるか、どういう意向であるかということを正確に知り合うということが基礎になりますから、これは非常な重要な基礎事業だと思います。その基礎事業がまだ完了しておらぬ、こう私は申し上げて差しつかえない、私はそういうふうに感ずるので、またその意向を突きとめておるわけであります。少くともまだこちらとしては今お話しする通り、向うもそういうことが必要があるだろうと思われます。そこで数回の会合はなお少くとも一段落をするために今必要であると考えます。その上ではっきりと向うの意向がこちらで判断できる時期に初めて達するのだと思います。その前にはいろいろやっぱり何はあります。いわゆる見通して、その何というか、主観的な判断はこれはあり得ますけれども、それはしばらく差しひかえて、その時期を待って、わが方の態度、考え方をきめるということが一番適当であるように考えます。そういう状況であるということを申し上げます。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 議会も特別なことがない限りあすで終るので、外務委員会としてはきょうがおそらく最後だと思うのでありますが、先般来重光外相の渡米問題が話題になっておりますが、今度は確定的であるように思われますので、それに関連して、私一つだけお伺いをしたいのであります。それはアメリカヘおいでになって、おそらく日ソ交渉にも関連したこともお話になるでしょうし、あるいは行政協定の問題にも触れられるでしょうし、農産物の協定のこともあるでしょう、いろいろお話し合いの問題はあろうかと思いますが、しかしその基本的態度について考えると、昨日佐多委員またただいま曽祢委員から、それぞれ中共あるいはソ連との問題等を中心に基本的な外交方針についての質疑がなされたわけでありますが、しかし私率直に申し上げて、日本はきょうまで、特に前内閣は顕著な例を持っておるわけですが、アメリカを頼っての外交をやってきたことは、これは事実だと思うのです。しかしそういうアメリカだけを頼りにしてきた日本の外交というものが、現在の瞬間においてこれを見るというと、今曽祢委員も指摘されたように、中共とアメリカとが大使クラスで話し合いをするというような問題も出てきたわけです。そこで事と次第によって私は世界の情勢の変化によっては、アメリカが日本なんかの問題を顧慮せずに、逆にソ連や中共とどんどん直接取引をする、そのことの方がアメリカの貿易上にも経済上にも非常に有利だというような情勢すら、私は起らないとも限らないと思うのです。これはジュネーヴにおける四ヵ国の巨頭会談の成果は内容的には明らかでありませんが、今後おそらくいろいろな具体的な折衝が行われると思いますけれども、そういうことを累積して、積み重ねていって、やがて私は東西共存という問題が具体的に出てくると思うのです。ところが日本が前自由党内閣以来、ただアメリカだけを頼りにして、そうして米ソ間の緊張なりあるいは紛争なんというものを利用して、そうして日本が何らかの利益を得よう、これはちょっと表現はえげつないかもしれませんが、率直に言えば、日本の今までの態度というものはそういうことを継続してきた、そういうものはある一定の限界に近づきつつあるのじゃないか、だからここらで日本はしゃんとして、もちろん今の民主党鳩山内閣というものが自由陣営に属する立場をとり、そうして政治的には保守の立場である、そういうものの上に立っての外交であることは、私もよく承知しております。しかしそれはそれなりに、やはり日本としての立場をもっと強力に主張して、アメリカについて言うべきことな言い、あるいは譲歩を求めるべきものは求める、そういうものが先ほど申し上げたように、佐多委員なり曽祢委員の昨日からきょうにかけてのいろいろな質疑応答の中に含まれた私はわれわれの外交に対する内容であると思いますが、それを背景にして、そういう背景があって、そうして今の内閣が保守の立場に立ち、自由陣営という立場に立ちながらも、なおかつ日本の自主性と言いますか、独立性を強く主張しなければならない段階や、限界へきておると思うのです。そういう意味で私は日本外交の一つの転機であると思う。だから今度外相がアメリカへ行かれて、日ソ問題なり、あるいは中共問題なり、あるいは行政協定の問題なり、いろいろお話し合いはあるでしょうが、しかし向うへ行かれる外交の主、要な私は基調というものが、すでにその転機に対する一歩を重光外相が印するということでなければならぬと思うのですが、こまかい内容的なことはもちろん差しつかえがあるでしょうが、一つ向うへお渡りになる場合の基本的なお考えについて承わりたいと思います。

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) 私は羽生委員の今の政府の内外に対する立場としてはこういかなければならぬのではないかといって示唆された御意見は、私はほとんど全面的に御賛成申し上げます。それは私は平素からそう考えておったことがあなたの言葉で現わされたから、私はそう申し上げるわけなんでございます。御趣旨はその通りに考えております。今向うに行って話す以上は、昨日もお話ししておる通りに、今、個々の準備はまだ着手するいとまがないということをお話ししておるわけであります。従いまして個々の問題については、いろいろな問題が出てくるかもしれません。その問題はいちいち処理しなければなりませんが、その処理する大体の気持、方針は今推測されて、こうしたらばいいじゃないかといって言われたその言葉通りに、私は考えております。以上申し上げます。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 大体御質疑が尽きたかと思いますが、なお、他に御発言がございますか。——御発言がないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 ただいま議題となっておる日華平和条約附属議定書に関する件は、内容的にはきてわめて簡単なもので、特別の異議はないと思いますが、しかし翻って問題の意味するところを考えれば、なかなか問題の性質は重要であろうと思います。特に台湾の帰属をめぐって中共との間のいろいろな問題があり、しかも台湾海峡の紛争というものがアジアにおける危機の中心となっておるような意を考えた場合に、そのアジアの中の紛争の拠点である台湾との、私たちもから見れば、好ましからざる条約の締結の内容に関する議定書の問題でありますので、私どもとしては、やはりこの条約が最初締結されたときに反対したと同様の立場で、本協定についての承認に同意することができないのであります。  以上簡単に理由を申し上げて反対の意を表する次第であります。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) その他御意見ございませんか。

曾禰益日本社会党(第二控室・右)

○曾祢益君 私は社会党第三控室を代表いたしまして、ただいま議題になりました協定に対して一承認を与える件に対して反対の意を表明するものであります。  私たちの立場はただいま羽生委員から述べられた立場とほとんど軌を一にするものでございまして、根本的には基本的な政策の問題に関連いたしますので、原則的な立場で反対したいと思うわけであります。それは申し上げるまでもなく、台湾国民政府と日本とのこの平和条約そのものに対して、私たちは台湾の国民政、府と友好関係を結ぶこと自体には反対はなかったのでありまするが、この平和条約そのものの内容において、日本が国策の重要な一環である長い意味での中国対策という点からこの条約が不適当である。将来必ずこれは累を及ぼすであろう、こういう点からこの平和条約そのものに反対をしたのであります。以上の立場に立って、一貫した立場に立って最近国際情勢を見ますると、ますますわれわれの信念と見通、しが正しかったことを感ずるのであります。もとよりこの協定その、ものは内容的に全く事務的なものであり、私たちはただいま台湾政権と日本との間の貿易その他の問題についてこの議定書のきめております最恵国持遇等がなくなるのがいいという立場でこの延長に反対するのではございません。しかしこの際いかにきわめて事務的なことといえども、この条約の存在そのものがわれわれとして賛成できない。しかもその条約そのものをある意味で確認するようなこのような協定そのものはますます時代に錯誤する方向ではないか。かような点において、原則的な立場において遺憾ながらこの協定に承認を与えるという点に刻しては賛成いたしかねる。  以上をもちまして簡単でございまするが、わが党の本協定に対する基本的な反対の立場を表明するものであります。

石黒忠篤緑風会

○委最長(石黒忠篤君) 他に御意見ございませんか。御意見ないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。日華平和条約附属議定書第二項の有効期間の延二長に関する議定書の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 多数でございます。よって本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における口頭報告の内容及び議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本件を承認された方は順次御署名を願います。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) なお、本件はできれば本日の本会議に緊急上程をすることといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それではさように取り計らうことにいたします。   —————————————

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 次に、継続調査要求に関する件をお諮りいたしたいと存じます。  本委員会は今期国会中国際情勢等に関する調査を行って参りましたが、会期も切迫いたし、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出したいと存じます。なお、本要求書の提出の時期及び内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。   —————————————

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それでは残りました請願二件について御審議を願いたいと思います。残りました請願は第七百五十三号のソ連貿易代表の滞日期限延長に関する請願でございますが、昨日これを審議いたしまして、なお、一応念のために紹介議員木下源吾君に相談をいたした上で、これを留保にするということにおよそ意見が一政しておったのでありますが、その通り紹介議員の木下源吾君に話をいたしましたところが、この件は留保することに異議がないということの意見でございます。よって委員会といたしましては、これを留保いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) さよう決定いたします。  それからもう一つの残っておりますのは第千三百二十九号の東京都代々木地区駐留軍将兵宿舎に米軍将兵の入舎反対に関する請願、これが残っておりまして、調達庁長官に質疑をいたすということになっておったのであります。御質疑ある方の御発言を願います。

羽生三七日本社会党(第四控室・左)

○羽生三七君 これは質問というよりどうでしょうか、昨日の問題の経過を簡単に述べて、それから調達庁側の意見を聞くという形をとったらどうかと思うのです。

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それでは速記を止めて。     午前十一時十七分速記中止    ————・————     午前十一時三十九分速記開始

石黒忠篤緑風会

○委員長(石黒忠篤君) それでは速記  を始めて下さい。   本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十分散会

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