外務委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1955/08/19
会議録
○理事(鹿島守之助君) ただいまから外務委員会を開会いたします。まず、理事補欠互選の件を議題といたします。本委員会は先に理事草葉隆同君が委員を辞任せられ、また理事苫米地義三君が委員を辞任いたしましたので、現在理事が二名欠員になっておりますので、つきましてはただいまからその補欠互選を行いたいと存じますが、慣例によりまして、成規の手続を省略して便宜その指名を委員長に御一任を願うこととして御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(鹿島守之助君) 御異議ないものと認めます。それでは私より草葉君の補欠として小滝彬君を、苫米地義三君の補欠として鶴見祐輔君をそれぞれ理事に指名いたします。暫時休憩いたします。再開は三号室でいたしますから御了承願います。 午前十時四十九分休憩 ――――・―――― 午前十一時四十四分開会
○理事(小滝彬君) 休憩前に引き続き委員会を開会いたします。国際情勢等に関する調査を議題といたします。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(小滝彬君) 速記を始めて下さい。
○梶原茂嘉君 日ソ交渉について、これは本筋ではないのでありますけれども、やや疑問を持たれておりますので、明らかにしてもらいたい。それは先般園田政務次官が政府との連絡でロンドンに行かれるやの話が伝わり、さらにそれが河野農林大臣の意向で収わやめになったといろ趣旨のことが伝わっておるのであります。このこと自体は日ソ交渉の本筋に関係のないことでありますけれども、何かしらぬ割h切れない一つの疑問を引き起しておろのでありますが、子の間のそういう事実があったのかどうか。もしそうだとすれば、その間の事情をこの際に明らかにされたいと思うのであります。
○国務大臣(重光葵君) その辺のことが、新聞記事としていろいろうがった記事が出ておりましたが、実はこういうことでございます。園田政務次官を外務省の仕事の連絡のために、ヨーロッパ各地を回らせようという案が最初あったのでございます。そしてその用意をいたしておきました。ところがその後御承知の通りに、河野農相がロンドンを経てアメリカに、北南米に視察をするということが公式にきまったのでございます。河野農相の使命は、日ソ交渉には全然関係はございません。日ソ交渉には河野農相の使命は関係は初めからないのでありますが、これはいろいろなことが新聞紙上にも出ますので、私といたしましては、農相自身及び鳩山総理の何も十分伺ったのでありますが、日ソ交渉には全然関係はないのであります。日本国内の情勢については、必要に応じて各地で説明をしてもらいたい、こういうことを総理は農相に依頼をされたことは私も承知をいたしております。そういうわけでロンドンに行かれたのでございます。しかしどうもいろんなことが取りざたされるということは、はなはだ全局のためによくないのでございますから、園田政務次官がヨーロッパの各地を回るということは延期をすることに取り計からいました。そらして、そういうことが何らこんがらがった事情にないのであるということをはっきりさせるためにも、一時延期をした方がよかろうということで延期をいたした次第でございます。河野農相は、鳩山総理及び私とは密接な連絡をとって出発をいたされたのでございます。事情はさようなことに相なっておりますことを御了承を願いたいと思います。
○梶原茂嘉君 外務大臣は今回アメリカに行かれるわけでありますが、行かれまする役割の中で、中共で、との関係の問題が私一つの大きな課題であろうと考えておるのであります。それに関連して、最近ジュネーブにおきまする中共側とわが方との抑留残留邦人帰還の問題に関連する折衝が具体的にどういうふうに展開しつつあるのか、さらにごく最近中共側によって発言されました、中共とわが方との間の問題で、日本政府に対するある程度の批判的な発言もあったようであります。これらの問題が、外相がアメリカに行かれた上での私重要な話合いの一つかと思うのであります。この機会に、外相が渡米されてのアメリカ側との話合いをされまする事項について、差しつかえない程度お話を願いたい。特に極東の問題に関連しての中共との関係について、どういうふうに具体的にアメリカと話合いをされる意向であるかという点に触れてお話を願いたいと思います。
○羽生三七君 議事進行について。今梶原さんから中共問題に触れてお話がありましたが、そめお返事の際に、特に要望したいことは、大体今度の外相の渡米の音図するところがどこにあるのか、あるいは行政協定の改訂に触れるともいい、防衛問題に触れるともいい、あるいは憲法改正の要請されている折柄ともいわれ、あるいはそういう特定の問題に関係なく、広く一段的な国際情勢について話し合いをされるともいわれ、また今梶原さんから御指摘の中共問題もあるようにいわれている。だからこの際、その一つ一つを私どもが触れる場合に、外相の渡米に関する大体の御意向を承わったあとで、一つ一つ触れていきたいと思うので、取りあえず外相の渡米に対する真意といううものが那辺にあるか、この際、お聞かせ願いたいと思います。
○理事(小滝彬君) 実は私の方から今発言しかけていたのは、まさしくその問題を提起したかったのです。おそらく外相は最初から発言を求めて決意のほどを披瀝せられるだろうということを私どもは予期して列席したわけです。それがないから、今、幸い羽生君からの提起もありましたから、委員長からも、せっかく提起されたことですから、外務大臣一つ御説明を願います。
○国務大臣(重光葵君) 私は発表いたしました通り今回渡米をすることに決定をいたしました。私の渡米は本年の四月以来問題になっておったものでございます。今回は国会の仕事も一段落をいたしましたこの機会に、その目的を果そうと考えたのでございます。幸い米国側においても非常に好都合であるということで、八月末をワシントンでダレス長官等と話し合いをする時期に選んだ次第でございます。二十三日に出発をいたしまして、九月八日に帰って参りますことに予定をいたしております。 私の渡米の意図はどこにあるか。これは渡米問題が前にも起りまして以来、その意図は今日まで変っていないのでございます。それは日米の協力関係ということは非常な重要な問題であって、日本といたしましては、御承知の通りに、条約の点からいっても、また政策の点からいっても、そういう点は非常に重要視、少くとも現政府は重要視しているのでございますから、その政策の線に沿いまして、日米間の全般の問題について十分に意思を疎通することが適当であろう、この際、理解を深めることが諸般の対外施策上重要なことである、こういう見地に立ちまして、私は米国当路の人々と日米全般の輿係について意見を交換し、意思の疎通をほかることやるのが今回の渡米の目的でございます。 そこで、それじゃ何か特別の交渉案件があるかということになりますが、特別の交渉案件を持って参るわけではございません。また特に今私が渡米をして解決をはからなければならぬ特別の案件もございません。案件はずいぶんたくさんございます。しかし、これらの対象の案件は、あるいは東京において、あるいは華府において交渉することにこと欠けているわけではございません。そこでそういう案件は従来通り続けてこれを進行せしめることができる、せしめるつもりでございます。ただ私は、全般の問題について面接政府の当路者との意思疎通をはかるということは、具体的な問題の解決についても資するところが非常に多いと考え、まして、さような心構えをもって参るのでございます。アメリカ側に対しては、アメリカ側の対外政策等は、極東方面に対する考え方というものを十分に一つ開いてみたいと考えておりまして、またわが方といたしましては、わが方の考え方は独立完成を希望しておるのであります。それらのことについて十分日本側の意向をも向うに伝えたい、こう考えております。しかしながらその間に日米間の問題についていろて妻ことが題目になって話に上ることと思います。しかし私が今日考えておることは、それらの多くの問題について、たとえば今申されました中共の問題等につきましても、従来本委員会において説明申し上げた意図、もしくは政府の政策の線に沿って話し合いをいたすつもりでございます。少しも新しいことを今考えておるわけではございません。中共の問題がお話しがございました。また日ソ交渉については、日本はどういう意図を持っておるかというような質問が、アメリカ側では、政府筋だけじゃない、いろいろな方面から聞かれるかも知れません。これらの問題には従来の既定の方針に従って、また従来私どもの考えとして説明申しておったその範囲を出るような新しい説明は今考えておらないのでございます。しかしながら、さようなこちらの考えを私の口から説明をし、また向うの考えを向うの責任者から聞くということは、全般の日米関係の上からいってみて、非常に貢献するところがあるであろうとこう考えておる次第でございます。 大体私の渡米の意図については、右、御説明を申し上げる次第でございます。
○梶原茂嘉君 韓国との問題でありますが、一昨日ですか、新聞の報ずるところでは、日本との実際上の通産に関する行政事務をストップしたということが報ぜられておる。反面、最近また日本の漁船の拿捕されるもの、その数を増加しつつあるようであります。従ってまた乗組員の留置等の数も増加しつつあるようであります。もちろんこれは日韓交渉の基本の問題が解決されなければ本桁的の解決は困難でありましょうけれども、どうも韓国の措置は遺憾ながらわれわれの理解しがたい態度のように思われるのである。これをこのまま見通ってゆくということは許されないんじゃないか、かように思うのであります。当面これらの措置に対して何らかわが方としても適切な施策を講ずることが肝要ではないかと思う。これについての外相の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 日韓関係を何とかして正常関係にいたしたい、こういうことはもうたびたび、政府だけじゃない、日本国民の希望であると思って、いつもそういうことを私は代弁しておるような状況でございます。今日でもこれは少しもかわりはございません。しかるに私どもの公式の通報というのは、ちょっと今のところはとぎれておるようなわけでございますので、おくれるのでございましょうが、私も新聞通信によって今お話のことを実は承知をして非常に失望をしておるわけでございます。そこでもしああいうことが事実であるならば、これにまた対応して日本側としてもいろいろ対策を講じなければならぬわけであります。ただ私は今さしあたりての考え方として申し上げれば、われわれは日韓関係の正常化ということに重きを置き過ぎるという批評があるかもしれませんが、私は今回のようなことがあっても、これをもって日韓関係がすぐ悪化するというようなふうにはどうしても持っていきたくないのでございます。これは日本としては言うべきことも言わなければなりますまい。しかし日韓の関係は、まあ目前のことといってはあるいは適当でないかもしれませんけれども、大局的にはどうしても大きく収拾するという方向に常に考えていって、今回のことあたりのこれによって妨げを受けないような方法はないかと実は思っておる。これはとっさの私の考え方でございます。なお、これらの問題についていろいろ御議論、御意見もあろうかと思います。十分一つお間かせを願いたいと思います。
○羽生三七君 先ほど外務大臣から渡米の大体の御意見承おったわけでありますが、日本と関係の深い国といろいろ託し合うことは決して悪いことではないと思いますので、そのことには私あえて触れません。ただ問題は今外務大臣御自身のお言葉で渡米の目的の中に特定の議題は持たないが、しかし日本の独立の完成のためにわが方の見解も相手側に伝えたいというお話しがあったわけであります。ところが独立の完成ということは抽象的な問題じゃなしに、内容を持つと思うのですが、この場合には、当然今の日本の置かれた地位から外務大臣が言われた独立の完成という言葉との関連を考えてみますと、そこには当然、行政協定の問題、その内容となる防衛計画の問題とか、米駐留軍の撤退の問題とか、あるいは防衛分担金の問題とか、そういうものが内容的に出てくると思うのです。ですから私はこの外相の言葉を信じて、あえてこまかい議題に限定されて渡米されるとは思いませんが、しかし外相が独立の完成ということを、日本の、わが方の真意としてお伝えになるならば、当然そういう内容的な問題を持たなければ、弔なる親善的な訪問になると思うのですが、特に議題を限定せずとも、そういう一般的な問題に触れると私は思うのですが、いかがでありますか。
○国務大臣(重光葵君) 私は今概括的に申し上げました。それにはむろんそれ相当な意味をもって申し上げたわけでございます。しかし渡米もこれからでございます。そうでありますから、向うでどういう話し合いをつけ、どういう問題について交渉をするということを今申し上げることは、これは一切差し控えさしていただきたいと、こう思います。そこで私はそれらの点について、本委員会の委員各位のお考え方をむしろ私は十分に伺って、それを一私の大きな輪郭の中に十分参考資料として当てはめて私はいきたいと、こういう心がまえにしておるので、こ、ざいます。その問題、私の申した言葉の中の問題について、いろいろ御批判もあり、また御意見も御考案もあるかも知れません。それは私は少しも否定はいたしません。のみならず、それについて御意見がある、今のお言葉では、おそらくそういうお話の題目についても、こういう問題もよく考えろというような御趣旨じゃないかと思う。またこれは従来ともそういう御趣旨を伺ったわけでありますからして、従いましてこの委員会で通った貴重な御意見は、十分に私は頭に置いて進むつもりにいたしておりますことだけを申し上げておるのですから、内容に、どういう、私の内容にどういう予定であるかということは、これは一つお許しを願いたいと思います。
○羽生三七君 いや、もう内容的なことをお伺いしても、どうもあまり、おそらくお答えにはならぬだろうと思いますが、今お話しの外務委員の諸君の意見を聞きたいとおっしゃるならば、これはもう今までの委員会でかなり申し上げてあるので、私はちょっと問題を変えて、先ほどの梶原委員の御質問に関連するのですが、中共問題も当然お話し合いになろうと思うのです。アメリカの考え方をお聞きになると思う。しかし私はわが方が積極的に中共に対する考え方をむしろアメリカに言われる方が今度の場合はいいのじゃないかという気もするのです。そこでジュネーブで在外公館を通じて中共との連絡をはかっておられるようであり、また中共も先般向うの見解を発表したわけでありますが、これに関連して私ぜひ政府に希望したいことは、この総領事間の話し合いをもっと高いレベルにして、大使クラスにして、それから引き揚げ問題に限定をしないように、引き揚げ問題も大事でしょうが、これに限定をしないように、さらにきょうのラジオを聞いておると、通商問題も向うで提起して来ているようですが、そういう問題にも触れて、つまりもっと高いレベルで話し合いをし、さらに引き揚げ問題から範囲を広めて、もっと広範な範囲にわたって交渉を開始する糸口に、今度のジュネーブでの話し合いを使うべきである、こう思います。だから、そういう角度からアメリカにもっと枝一極的に日本の考え方を述べるべきであると思いますが、単に渡米という問題に限定せずも広く中共一般の問題として私どもはかなり今具体的にお尋ねしたわけですから、具体的に一つお答えを願いたい。
○国務大臣(重光葵君) 私は二つの角度からお答えをいたします。 私は渡米をして意見の交換をするという場合においてまあ大きな問題、たとえば今言われる中共の問題、もしくはさらに大きい、一体世界政策の問題というようなことについても意見の交換を十分すべきであると、さらにまた日本の最も利害関係を持っておる問題については、日本から積極的に意見を言うべきじゃないかという御意見は、私も全然御同感で、その通りに考えております。 さて、その次の角度から、この中共とのセネバにおける交渉を、題目の範囲を広め、かつまたレベルを高くしたらどうかという問題は、これは中共と日本との交渉の今後のやり方をどうするかということに集中しての問題だと、こう思われます。この点は実はまだ考えをきめておりません。またきめるいとまがまだございませんことを申し上げたいのであります。というのは、中共の意向がわかったのがごく最近のことでございます。ずいぶんこの席でも御意見が出ました、未帰還者の帰還の問題については、日赤を通じてやっておる。ずいぶん日赤も努力をしてくれた。周恩来中共首相の話、断片ですが、話によるというと、日本政府筋と直接に話すならば、こういうことはわけなく解決することだというような印象を持ってのお話しもずいぶんあったように思います。私はさような手段ならば、これは全局を何も変更するわけじゃないから、そういうことはあらゆる手段をとるべきだと考えて、ゼネバで交渉を始めたということを御報告申しヒけたと思います。さて交渉を始めて、今回それに対する反響がはっきり出て来たわけでございます。その反響は最初予期したところとは大分違っておるようでございます。そうでありますから、この間の事情は十分に検討を要し、またいろいろな角度からこれば考慮をしなければならぬ問題だと思いまするので、今考慮中だとお話しするのが一番正確なお答えになると思います。この点について今の御意見は十分考慮のうちに入れて検討をいたすことにいたしますが、しかしもう 一日、二日を争う問題でない、十分に慎重に検討をすべき問題だと考えておることも申し上げておきます。
○羽生三七君 もう一点だけ。きょうは時間がないから日比賠償問題あるいは日ソ交渉問題等にいろいろお尋ねしたい点がありますが、他の同僚議員等の時間の関係がございますので、先ほどの質問に関連してもう一点だけお尋ねいたします。 それは今の中共問題は結局政府の見解としては国際情勢持ちだと思います。台湾問題に関連することで、結局国際情勢を待たなければ、どうにもならぬということがあるために、なかなかはかばかしい運び方はできないと思います。しかも私はこの前の予算委員で、日本、中共等を含むアジア関係国のへ、八議を開かれたらどうか、そういう提案々したことがありますが、中共の周恩来首相もやはり太平洋平和条約――しかもアメリカを含む太平洋平和条約の締結を提唱してきておる。ですから今度外相がアメリカへ行かれたら、そういう問題にも触れられて、もし外相、が国際情勢待ちで、中共問題を解決なさるとすれば、そうであればあるほど、何らかのそういう国際的な会議を持つようなチャンスをつかまないと、なかなかこれは日本単独ではどうにもならぬということで、事の運びようがないので、私はそういう意思を外相が持っておるかどうか、これをお尋ねしたい。しかしこの場合台湾国民政府との関係があるということをよく言われますが、私どもば日華条約を作るときの記憶を考えてみますと、あれは中国の正当主権として台湾政府を認めるということで条約の審議をしたのじゃないかと私は記憶している。あれは必ずしもああいう点は明確になっておらない。だから一方において中国といろいろな話し合いをするのは、私は必ずしも妨げにならぬと思うし、しかも魁際情勢待ちであるならば、ただいま私が申し上げたように、アメリカなんかによく話をして、むしろ中国、中共問題では日本の方がアメリカよりも歴史的にも地理的にも関係が深いのですから、渡米のチャンスにむしろアメリカを説かれて、日本中共等を含む、まだそのほかの問題が山積しておりますから、アジア関係各国の会議を持つように積極的にお話しなさったらどうか、そうして会談の糸口を作られたらどうかと思いますが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(重光葵君) お話の件は、すべて私はワシントンに行って、どういうふうにやるかという、何というか、いわば作戦的のことのように考えます。非常に私は十分にお話しの点は検討いたしていきたいと思います。しかし外郭的にはこれは私はこういうことを申し上げたい。それは先ほど申した通りに、かような大きな問題について十分意見の交換をすることがいい。それによって次の有力な平和外交推進の方向が見つかり得るなら非常にけっこうだと、実は思っておるのであります。そこで一つできるだけやってきましょう。
○曾祢益君 今度アメリカに行かれる意図といいまして、いろいろお話しがあったのですが、日本の完全独立あるいは独立の完成の問題について、日本の側の意向を伝えたい、こういう御意向があるように承知したわけですが、そこでわれわれの国民の立場から日本の独立完成の前途にいろいろな問題がありまするが、何といっても一つは安全保障条約、行政協定等にからむ問題だ、第二は日本の領土の問題で、アメリカ関係の沖繩、小笠原の問題だと思います。そこで私は、外務大臣から委員に対する質問の形になったようですが、私は国民の希望の一つとして私たちの希望を申し上げ、そうして外務大臣のお考えを伺いたい。 先般の特別国会の末期における外務委員会におきまして、これば鳩山総理に対する質問の中に、やはり日米安全保障条約あるいは中ソ友好同盟条約、こういう二つの陣営のいわゆる防衛同盟の対立からジュネーブ会議以後の空気というものは、両陣営を含む新しい集団的な不可侵安全保障の体制、簡単にいえば、新ロカルノ構想というものに進む傾向を示しておる、これは非常にいいことだと思うが、総理のお考えはいかがか、こういう質問に対して、それはけっこうなことだと鳩山総理は言っておられます。さらにその後、今度は日本に直接関連する問題として、最近周恩来首相も、ただいま羽生委員が指摘されたようなアメリカを含めた簡単にいえば、新ロカルノ構想を打ち出してきた。そこで私たちは今度の外相の渡米の機会に、ただ安保条約、行政協定から起っておる、やれ防衛分担金だとか、あるいは日本の国防予算に対する干渉だとか、あるいは軍事基地問題等々の現象的な問題をとら、えてお話しするのが目的ではないと私は思う。外相みずからも、そういう懸案の問題を特に話すのではない、全局的な大局的な意見交換をされるのが目的だと思う。従ってそういう意味で、安全保障条約の、歴史的なバック・グラウンドについては、事のよしあしにかかわらず、一つのバック・グラウンドに立った歴史的所産で、このまま将来いくということについては、これは国民の納得しないいわゆる独立に対する制約だという見方もあるわけです。ある一面においては安全保障の役割もあったわけです。そういう点からわれわれの見るところでは、これを新ロカルノ構想に置きかえていくことにアメリカを大きく考えさせるというようなことを一つ述べていただきたい。かように考えるのですが、その点についてまず外務大臣のお考えを伺いたい。
○国務大臣(重光葵君) 曽祢委員の新口カルノ構想につきましては、かつて伺いまして、その御趣旨に、鳩山総理だけでなく、私もこれは御賛成を申し上げております。しかしそれと同時に、私はこういうことをその当時申し上げたことを記憶しております。ヨーロッパにおいてもゼネバで最近行われた四大国会議の議題のうちで、ドイツの統一問題、これに関連してヨーロッパの安全保障の問題、すなわちロカルノ構想の問題、それから東西の陣営の交流の問題等々がございました。ヨーロッパにおいてもこのロカルノ構想をチャーチルが言い出して以来、もうやがて二年近くになるかと思います。これは結局両陣営の融和、緊張緩和はむろんのこと、さらに融和をしていくというふうにしていくためには、どうしてもロカルノ構想ということは、これは穏当なしかして最も筋道の立った構想であると私は思うのであります。しかしながらなかなか実際政治として国際関係を扱う上において、いい構想もすぐは実現できぬということにあることは、これは言うを待たないのであります。それでチャーチルが言い出して以来、すでにさような長い時間を経ておる。そうして今日ヨーロッパについても、四大国会議でその問題が具体化したところまではまだいっておりません。おそらくその問題は来たる十月にゼネバで開かれる外相会議において取り上げられて、いろいろとこれは検討されることと思います。ヨーロッパのような従来、第一次世界戦争以来その点に関してはいろいろな経験を持っておる地域においても、いろいろなまあこれは困難もあり、実現までには相当な手かずがかかるのである。今その手かずを踏んでおる階段であると思います。四大国会議が十月の外相会議となり、またさらにいろいろな国際会議も開かれ、また国家間の交渉もあって、だんだん進むことじゃないかと思います。アデナウアーのモスコー訪問というようなこともその中に入ってきます。 その考え方、これは共通な考え方でありますが、われわれいかにアジア、東洋方面が国際関係において何と申しますか、ある意味においてはおくれておるとはいいながら、いいことの方向は私はやっぱりこれはいいことだと思う。しかしながら、ヨーロッパの状況と比較してこれを見ますというと、相当これば時間のかかる問題でありまして、これを東洋に適用していく、その考え方を東洋に適用していくのには相当時間もかかり、また手数を要する。私どもがたとえば日ソの間に戦争状態を終結さしたいという考え方も、これはやっぱり共通の考え方でございます。さらにまたバンドン会議において、一切の紛争は平和的に解決するのだといって、台湾の状況が急迫しておるその時期に、日本がこれを言い出すのも同じ考えに基いておるのであります。私は今まではそういうようなことを必要の、もしくは情勢の許す限り、実情に即して実際的に進めていって積み上げ、いわば積み上げ方式によって今はいって、他日の機会を待つのがいいと、まあこう従来は考えておりました。今日も大体その考えでおるわけであります。またそういう私の考え方を御議論したと、こう記憶しておるのであります。しかしお話しの通りに、今中共の問題を中心にしても、米国と中共は、ゼネバにおいて大使級のレベルで交渉しておるのでありまして、またその場合の議題の拡張ということも現実に強く言い出されておるものである。それから東ア方面の問題としては、朝鮮の問題もありましょうし、仏印の問題もこれは大きな問題としてあるのでございます。 さような問題にはどういうふうに処理されべきであるか。これは何と申しますか、極東会議というような大きな会議を開いて、関係国とみんな集まってこの話し合いをするということが実際的であるかどうか。台湾における国民政府もありましょうし、中共の政府もありましょう。韓国においては韓国政府もあるし、北鮮の政府もあるというような状況であります。さようなことについて、一般問題として、私が渡米に際してアメリカ側との間に意見の交換をしたり、情報の交換をするということは、私としては有益なことだろうと考えます。そういうことによって何かわが平和外交にいい一つの有力な道を発見するということができれば私は好都合と思っております。今、それならばすぐに日本がいい考えを、ロカルノ方式を生かしてこれが成立をする、日本のために非常にやるべきことであるかということについては、少しく私は検討を、今申し述べたような意味で検討をしたいと、こう考えております。
○曾祢益君 外相が必ずしも単にいわゆる情勢待ちでなくて、いろいろ情勢に応じて積み上げて努力をされるという方針であられるようで、それは私も一応了とするのですが、どうかその結果がいわゆる日本の進んだ考えの出しおくれにはならぬように、フリー・ディスカッションのときには具体的な提案、たとえばアジア関係国会議というような具体的な提案にはこれはまだいろいろ情勢は整ってないでしょうが、大きな日本の独立と見合って、より正しい日本付近の安全保障の新しい方向はどうだというような話のきっかけはもうやってゆくのは時期が来ておるのではないかと、かように思うわけであります。 そこでそれに関連しても、特にこういうような構想が実現するためにはいろいろな条件が要ります。なかんずく現在のアメリカと中共との関係ではこれは問題にならぬ。従って羽生委員の言われたことに蛇足を加えることになるのですが、特に中国問題については今度の機会に十分に、外相は特にその方面に造詣の深い方であるのですから、日本から台湾問題についてはこう、中共についてはやはり中国本土の実権者としての、中国の地位に即した新らしいものの見方に立って、そこに極東の平和、また日本の自主独立の立場を進めるような積極的な話し合いをしていただきたいと考えるわけです。 時間がありませんので、最後に一つ伺いたいのは、私は独立の完成の点からいっても、先ほどちょっと申しましたように、小笠原、沖繩の問題はぜひこの際取り上げていただきたい。さらにこのことは、日ソ国交調整の領土問題とも至大な関係のあることば今さら言うまでもないことだ。私たちはどうしてもこの小笠原、沖繩問題に関してはアメリカが、この日ソ交渉に関係するソ連関係の日本の領土の返還に、大いに日本の立場を強める意味において、この際特に小笠原、沖繩の返還についてはっきりした踏み切り方をしていただきたい、こう期待するわけです。一その点について外務大臣のお考えを伺うと同時に、日ソ交渉それ自身に即して、先ほど外務大臣から梶、原委員の質問に対するお答えがございましたがどうも私たちが考えておると、このアメリカ関係からも一つの条件づけられておる意もありましょうが、日ソ交渉それ自身から見て、歯舞、色丹だけでやむを得ないというようなもし考え方が政府部内にある、千島、南樺太はこれはやむを得ない、返還されなくともやむを得ない、あるいはこれは未解決のままに平和条約が作られるというようなことは、これは容易ならないことだと思う。そういう意味からいっても、沖繩、小笠原の問題をこの際ぜひ推進をしていかなければならない。ただし私は平和条約上からいえば、この領土問題の解決のない平和条約ということは考えられないが、だからといって、もしこの日ソ交渉が、平和条約の問題が、領土問題で非常に渋滞を来たした場合には、日ソ交渉そのものを打ち切れなんということを毛頭言っているのではございません。この点ははっきりしておかなければならない。別の方法による、他の方法による、平和条約にあらざる国交調整をやっていかなければならない。しかし領土問題が非常に重要でありますので、この小笠原、沖繩と、またソ連関係の領土問題についてのお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉は、先ほども申しました通り、これはもう既定の方針で進みたいと思います。今、今日の段階において既定の方針を再検討する段階にはまだ達しておらんと、こう考えております。 それから小笠原及び琉球に対する日本の希望及び主張は、これはもう従来ともはっきりいたしておる通りであります。これによって進んでゆきたいと考えております。ただし、これは従来日本のもう公然たる立場でございます。その公然たる立場を少しでも有利になるように努力をする、これは私は当然と考えます。
○須藤五郎君 外務大臣が八月十七日に高碕長官と会談をなすったあと、こういう談話を発表していらっしゃる。「賠償を含めてわが国の対外債務処理の腹をきめておく必要があるので、私の渡米前に、できれば閣議前後(十九日の予定)に関係閣僚間で方針をきめたい」、こういうように発表していらっしゃいます。さだめし今朝の閣議においていろいろなことが論議されたものと思うのでありますが、吉田前首相は、この、ガリオア、イロアの問題ですが、この問題をこれを債務と認めて、それから鳩山内閣もこれを継承して支払い交渉を進めようという意見を持っていらっしゃるようですが、今度重光さんがアメリカへいらっしゃり、アメリカとの話し合いの中に、おそらくこのガリオア、イロアの債務の返還問題が出てくるというふうに私たちは考えておるわけでありますが、その具体的な方針を御説明願いたい。
○国務大臣(重光葵君) いろいろな問題について、私が渡米前にその準備のために閣僚との問に意見の交換をいたしたいということは、私は前からそういう考えでおりました。しかしこれに対して何も私は特に発表はいたした覚えはございません。がしかし、そういうような断片を記事にしたのでございましょう。今日も閣議がございました。閣議がございましたので、その機会にいろいろ意見の交換をいたしたことは事実でございますけれども、閣議の内容はこれはもう申し上げることはお許しを願います。 そこで、ガリオア、イロアの問題、アメリカの債務としてこれを処理する。これば吉田内閣がそういう考え方をきめたので、ございますが、しかしこれは対外的なことでございますから、これは日本国としてそういう態度をとって対外的に処理をするのでありますから、それは当然のこととしてそれを継続していかなければならんと、私はこう思うのであります。それではどういうような交渉の方針をもってやるかということは、まだはっきりときめてもおりませんし、これは申し上げることは差し控えなければならんと思います。いずれさようなことがはっきりと方針がきまり、さらにまた交渉の段階において申し上げるべき交渉の段階になれば、私は喜んでその際に御説明をすることにいたします。
○須藤五郎君 今のお話で、具体的な問題は説明することができないが、ガリオア、イロアはやはり債務として認めて返済すべきものだということだけは重光さんも認めていらっしゃる。ところが、私たも国民の立場からいうならば、この、ガリオア、イロア、これは援助とはいうけれども、昔日本が非常に困っている困難なときにつけ込んで押しつけた援助だと私たちは言うことができる。そうして最初援助といっているのですから、これは債務とば別個のものである、債務というように考えることはできないのじゃないかと私どもは思っております。これはアメリカも援助といっているので、日本もその当時やはり援助だ、そういうふうに受け取った。決して債務というふうにわれわれは考えていなかったのです。しかも日本の国民はもうすでに代金は支払い済みのはずなんです。われわれ国民のふところの中から申しますならば。政府はアメリカに払っていないかもしらんが、われわれ国民はすでにもう代金を払っている。これを今度また債務だというふうに解釈して、アメリカに対して二十億の債務を返済するということになると、国民の立場からいうと二重負担をさせられるという結果になると思うのですが、重光さんはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(重光葵君) 私は実は今日ガリオア、イロアが債務であるかないかというその問題についての十分の議論の用意は、私自身は持っておりませんが、それじゃいかんという御批評もございましょう。そこで国民がどうとか言われるけれども、国民は、われわれも国民であります。あなたも国民、われわれも国民、そこで国民全体の意向がどうであるかということは、これはよほど別に検討を要する問題だと私は思う。が、しかしながら、私は一たんやはり債務として心得て――債務にはまだなっておらんわけであります。債務としては十分これは審議をした上で、議会の承認を得ればほんとうにこれは債務の形式になりますけれども、しかしその前は、アメリカとの間に債務となり得べきものとして交渉している、こういうことに前内閣時代から交渉を進めているのでありますから、その継続をして、なるべく有利にこれをやりたいと考えているのであります。さようなことをしてはいかんと国民全体が考えるかどうかということば、これは一つ十分に検討をしなければならんと思います。
○須藤五郎君 外務大臣は、このガリオア、イロアは対外的な問題で債務だと、吉田さんも認めて、自分たちもそれを継承しているという意味の答弁を前の答弁でしておる。ところがやはり今の、債務であるかどうかという結論も何も持っていないというお答えですが、しかし今度アメリカへ行ってもしもこの問題が出た場合、外務大臣はそれをどういうふうに解釈して交渉に当られるのか、それとも交渉を拒否して帰られるのかどうかという点。 それからあなたばもちろん国民の一員であり、われわれも国民の一員、これは変りないのでありますが、私たちばあのガリオア、イロアの援助の代金というものは、実は私たちのふところからもうすでに払っておる。ただもらって食べたものじゃない。だから私たちの代金は払い済みなんです。今度これを債務として払うとなった場合は、どこの金を、だれの金で払うつもりですか。あなたの金じゃないでしょう。われわれのやはり金からそれを払わなければならなくなる。そうするとわれわれは二重の払いをさせられるということになるのだがどうか。だからこういうものはわれわれは債務と認めることはできぬということを私は申し述べておる。それに対してあなたの御意見を伺っておるわけなんです。
○国務大臣(重光葵君) 私はもう先ほどお答えしたことで尽きておると思いますが、御質問も同じ御質問のようですから……。
○須藤五郎君 いや、答弁になっていないから御質問しておる。
○理事(小滝彬君) それでは緑風会のお許しを得て岡田君の質問差しつかえございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(小滝彬君) 今度は一巡したので、ほんとうは緑風会の番ですけれども、ぜひ岡田君の方で質問したいということでございますから……。
○岡田宗司君 短い時間でございますから、ごく簡単に御質問いたしますが、第一点は、フィリピンの賠償の問題、それから第二点は国防計画についてアメリカと話をされるかどうか、この二点です。 第一点のフィリピンの賠償の問題につきましては、すでにフィリピン側から正式にこちらに賠償の申し入れがあったようでございます。いわゆる八億ドル賠償、案なるものはすでに鳩山首相が内諾を与えられておるというようなことも伝えられており、今日それが正式に申し込まれて参りますまでのいろいろないきさつというものが、いろいろ私どもに解しかねる点が多かったようであります。まあとにかく案が持ち込まれて参りますれば、こちら側としては正式に今度あれを検討して御返事になるばずだと思うのでありますが、大体において外務大臣には、このフィリピンの八億ドル賠償案を妥当と認めてこれを解決されるつもりであるかどうか。私どもはこれは前の案よりかも相当大きくもなっておるし、あるいはインドネシアとの賠償の問題、あるいはビルマとの今後の問題の起ることも予想されるし、さらにまた全体として日本の支払い能力との関連から見て、私どもはこの賠償についてはどうも賛成しかねるのでありますが、外務大臣はアメリカに行く前に大体この問題について解決をされるお考えであるかどうか、この点をお伺いしたい。 それから第二点は、いわゆる国防計画の問題でございまして、これは杉原前防衛庁、長官がおやめになって、砂田さんが新しく防衛庁、長官に一おなりになった。そういたしますと、直ちにどうも国防省の設置であるとか、あるいはまた国防六カ年計画であるとか、あるいはまた今の自衛隊を国防軍に切りかえるとか、いろいろとらっぱを吹いておられるのです。どうも私どもにははなはだ不愉快に問えるのです。国防計画のごときも国防会議存通過しなければ本ぎまりにならない、こういうものがないのであります。国防会議はないのであります。それだのに国防計画を内定されて、しかもそれをアメリカへ行って御交渉になるというような話も伝わっておるのでありますが、ここで一つはっきりお聞きいたしたいことは、一体そういう国防六ヵ年計画なるものができたかどうか、そうしてそれが閣議でもって大体承認されたかどうか、そうしてそれを今度お持ちになって向う側にお示しになるつもりであるかどうか、この点だけをお伺いいたします。
○国務大臣(重光葵君) それじゃ私も簡潔にお答えいたします。 今の第二の点からお答えいたします。第二の点は、お話しの通りに、国防計画というものはまだ今日まで成立をいたしておりません。私がアメリカに行って話し得ることは、日本の自衛軍備は日本において十分これは自益的に考えると、やる意向は政府にはある、こういうことは私は言わなければならんし、また言い得ると考えます。またそれはおそらく一般の承認し得ることだと私どもは考えております。しかしそれじゃそういうことが何年計画でどうであるかということは、これはまた計画を十分立てて、人員の点だとか、装備の点であるとか、また予算の点であるとかいうことは検討しなければなりません。案をこしらえるについても相当これは手数が要るし、慎重に考えなければなりません。それは政府としてはそういう作業をやろうと、こう思っておるのでございますけれども、まだそれは成案を得て……、政府として成案を得ておるわけではございません。 それから第一点の賠償問題、これは従来御説明を申し上げた通りに、日本側としてはフィリピン側の提案を待っておる、こういうことまでを申し上げておいたと思いますが、その提案が日本に到達したのでございます。その提案を今関係閣僚において審議をいたしておるわけでございます。そこでその審議の結果政府の方針はきまるわけでございますが、これはむろん私の渡米の問題とば直接には関係ございません。渡米の前に審議が終了をみるという今確たる予想もございません。これはもう私がいなくても審議を十分に進めていき得る問題でありますから、普通の手続によって進行すると、こう考えております。
○羽生三七君 今のことで関連してちょっとお伺いいたしますが、外務大臣に……。今の日比賠償はそうすると外務大臣がおらなくとも、渡米されて留守中でも関係閣僚でやっていくという、そうするといつものようにやっぱりこれは協定ができて、次の国会におかけになるのか、それまではもう何も国会はもう全然ノー・タッチで、出されたものについてただわれわれは知るというだけで、もう機会はないのでありますか、日比賠償問題について触れる機会は、どうですか、それは。 それからもう一つ。これもやはりこの委員会で私がお尋ねして、外務大臣が対外債務支払いの総合対策を申し述べられたわけですが、それとも関連してこの問題を審議されますか、いかがですか、その点をお尋ねいたします。
○国務大臣(重光葵君) その関係の閣僚会議、これは何と……、名前がついておりますが、その会議は今朝も開いたわけでございます。その関係ですべての問題が網羅し得るかは別として、大体全体的にこれを考えて、対外債務の問題はそこで全面的に考慮して進んでいこう、こういう会議でございます。それに賠償問題もむろん審議してもらわなければならぬ、第一次的に。その手続を今とっているわけでございます。この会議は進行いたします。進行いたしますけれども、つまり交渉とか外交方面に関することは、やはりこれは係の者が説明し得るわけでございますから、これは進行さしておいて差しつかえないと思います。
○羽生三七君 第二の点は。
○国務大臣(重光葵君) それは私は留守中だとか何とかいうようなことはちょっと申し上げかねます。留守中といったってちゃんと責任者があるのです。それは申し上げかねますが、私といたしましては、かような問題については機会あるごとに十分お耳に入れて、そうして御審議の対象にしていただきたいと、こういう考え方を持っております。
○理事(小滝彬君) 私からも一言、自由党は今まで遠癒していな、わけでありますが……。(笑声) 本委員会の冒頭における大臣のお話によりますと、大臣としては非常な抱負をもって渡米せられまして、日米の理解を増進し、相互の協力関係をますます緊密化する御意向のようでありますので、私どもはぜひとも外務大臣が渡米の目的を達成することを念願してや、まないものであります。しかしながら、今般の渡米におきましては、岸幹事長及びやり手の河野農林大飯も同行せられるようでありますが、外務大臣は外交に関しての最高の責任者であり、しかも副総理であられるのでありますからして、この御両方が外務大臣と一緒になって、一本建でいろいろお話しをせらるように、国民の一人として心からお願いしてやまないものであります。 実はきわめて最近におきましても鳩山総理の軽井沢におけるお話を聞いてみますと、たとえば日ソ交渉については、重光者は暗いような見方ばかりしているけれども、自分の感じでは、河野君の楽観説が正しいように思うということを言っておられる。これは一つの新聞のみならず、相当数の新聞に出ておりますから、これは火のない所には煙は立たないので、総理は実際にそういうことを言われたと思います。このような放送を、外相がアメリカに行かれた際において、副総理はどこにいるのか、外交の責任者はどこにいるのかわからず、一方河野農林大臣は、おれの方が鳩山の意向をよけい体しているということを言って歩かれたのでは、せっかく外相が渡米して、それについてはせっかくいろいろ準備を遊ばされていることも陰ながら拝聴しておりますが、どうぞそういうことのないように私、心からお願いするものでございます。これにつきまして簡単にその御決意のほどを承わりまして、もう一時でございますから、この委員会を閉じたいと思います。
○国務大臣(重光葵君) ありがとうございました。せいぜい御趣旨に沿うように努力をいたします。
○理事(小滝彬君) それでは一時を過ぎましたから、これで委員会は散会いたします。 午後一時四分散会 ――――・――――