運輸委員会 第29号
- 発言数
- 84 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/07/30
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) これより運輸委員会を開会いたします。 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○早川愼一君 この法律案は議員提案で衆議院を通過して付託になりましたのですが、これに関する運輸省のお考え方を一つ伺いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 不幸、戦争に傷つかれた方、傷痍軍人の方々に対し、できる限りのことをしたいという考え方が政府の考え方でございます。しかし本法案にありまする無賃乗車券の問題は、国会の総意がそういうことでございますし、もし国鉄当局に財政的な余裕があるならば、運輸大臣としてもそういう考えの原則の上に立っておりますから、国鉄当局に対してそういう便宜をはかることを申し入れてよろしいのでございますが、ところが、最近の国鉄の財政は御承知の通り、非常に改良費にも事欠くような状態なのでありまして、こういう国鉄財政のもとに運輸大臣として国鉄にサービスをするということを申し渡すことは、財政上の見地から非常にいたしかねるものがあります。そういう点で、この問題については政府部内においても必ずしも意見の調整ができていない面もある。どういう面かといえばこれは財源の点であります。どういうふうにするかという点について調整のできていない面もあるわけであります。そういうことで、この問題につきましては、私自身としても何とかやはりこれは将来において調整をしなければならぬということで率直に申せば苦慮いたしている現実でございます。
○井野碩哉君 運輸大臣、今のお言葉でありますが、現在においては政府部内において調整ができていない。多少時日をかせば調整の余地がおありになるのでしょうか。なぜかと申しますと、筋からいくと、運輸大臣のお話の中に国鉄がサービス的に持つのが筋であります。今お話のように、財源の面から国家にある程度持たせるということになりますが、一般会計でこれを持たせることがいいかどうか私はよほど議論があると思うのです。時日をかせば政府部内において何か財源の点について話し合いがついて、目的達成に政府が積極的におやりになり得ることができるかどうか、その点をお伺いいたします。
○国務大臣(三木武夫君) これは必ず調整がつくということを断定してお答えすることもいかがかと思いますが、しかし一方において、衆議院において、全会一致でこれは通過になっているわけでございます。こういう院の御趣旨は、これは尊重しなければならぬわけであります。そういう点で、これは政府といたしましても、意見の調整をみるように努力しなければならぬので、できるだけ早く、まあこの法律案は来年の四月一日ということでございますので、多少の時間はあるわけです。財源問題が中心でございますから、これらに対して意見の調整に努力はしなければならない、こういうことで、それなら必ずそれは意見が一致するかどうかということまでは、これはやはり私の一存では参らぬ閣議の問題でございます。努力はしなければならぬという状態にあるということだけはお答えをいたすことができると思います。
○井野碩哉君 この法案が国会を通過しますれば、これは政府の法律上の義務がありまして、当然予算を組まなければならぬということになると思います。それはつまり国会が政府に対して法律上の義務を課することになります。そういう行き方でなしに、かりに継続審査にでも持っていって、そうして来年の四月からで、まだ臨時国会があるか、あるいは次の通常国会にでも間に合う問題でありますが、その間に政府として調整されて、政府の態度をきめて臨まれて、法案の通過をはかった方が妥当であると私どもは考えるのですけれども、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(三木武夫君) やはり立法府は独自の御見解でこの法案の取扱いをおきめ願うことが建前でございます。立法府の建前としてそうだと思いますが、しかし今井野さんのおっしゃるようなことも一つの方法であることは、もしそれが事実上審議がお進みにならぬということならば、そういうこともこれは調整の、政府の方として調整する時間というものもそういうことになれば自然できるわれけであります。これは私の方から、衆議院ではこれは全会一致で通っている法案でございますので、参議院のこの御自由な御判断におまかせする以外に私は方法はないと思うのでございます。
○片岡文重君 関連してお尋ねする。今井野委員からの質問は、大臣の答弁されたことは、おっしゃるまでもなく、立法府としての私たちの仕事は、独自の見解に立って独自の信念に基いて法案の処理を決し、審議を進めます。しかしながら、その法律がいかに円満にかつ有効に適用されていくか、その光めにはその法案がなるべくノーマルな状態において審議をし可決されることが望ましい。たまたまこの法案に関しては、仄聞するところによれば、政府部内において必ずしもその意見の一致をみておらないようである。そこで参議院の運輸委員会としては、その政府の内部におけるもろもろの困難を推察して、いわば非常な思いやりの上に立って、どうしても、できるならば継続審議にしてまでもその政府部内の調整を待とうというのが井野委員の御意思だと思う。しかし今の大臣のお考えのように、そういうことについては見込みはないのだ、あるいは努力はしてみるけれども、四月一日から必ず実施できるという約束は明確にはできないというようなことでもあるのならば、その点の考え方、見通し等についてはっきりした見解を聞かせてくれ、述べ、答えよというのが、私は井野委員の御質問の趣旨だと思う。そういう点で、少くとも私はそういうつもりで井野委員の御質問を解しました。そういう点に立って一つ御答弁いただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) まあ率直に申せば、こういうことであります。どういう手続をとるか別であります。手続はどういう手続をとるかは別であるが、このサービスに対しては、やはり国庫からこのサービスをすることによって相当な負担が出ることは事実でありますから、これにはいろいろ予算上の建前として大蔵省の言い分のあることは、事実これは考えられます。しかしそのどういう手続かは別として、そういうものに対して国鉄の予算の編成をしなければなりませんから、その編成をする場合に、そのサービスによって負担される国鉄の負担が、これは相当予算編成の上において考慮をされなければならぬ。そうでないと、運輸大臣として、改良費にもこと欠くような国鉄の予算の内容において、さらにこれ以上いろいろなサービスをつけ加えていくということは、財政上の見地からなかなか国として国鉄に言いがたいものがあるので、だから、この傷痍軍人の方々にできるだけよくしたいという原則に対しては異論はございませんが、こういう形で国鉄の財政に対して負担をいろいろな形でしわ寄せされるということは、なかなか運輸行政の責任を持っておる運輸大臣としては、そういうことを国鉄に要求しがたいものがある。だから、今後政府部内で調整をするという場合には、どういう形でそれを出すべきかという手続は別といたしまして、それだけのサービスに対して、やはり予算編成上において大蔵省がこの負担に対してある程度の補償を与える、財政上の支出の形式は別として、そういうことが調整の中心になるものであります。 私むろん、これが参議院で御可決になれば、これは法律としてそれに従わなければならぬので、もしその審議でいろいろな場合が考えられて、私どもの政府部内で調整の時間があるとするならば、その点について調整をしたい、こう考えておるのでございます。
○一松政二君 関連質問……。今運輸大臣のお話を承わっておりますと、これが今は案でございますが、この委員会ときょうの参議院の本会議でもしこれがこのまま通過すれば、法律になる。法律になれば調整はできるが、法律にならなければ調整がむずかしい。法律になればいやが応でも調整せざるを得ぬ羽目に追い込められるから、調整ができる。それで、その調整が四月一日に必ず間に合うようにできるのかどうか。法律になった場合と、継続審議に持っていった場合とに対して、どういうお見通しか、運輸大臣の忌憚のない御意見を伺いたい。 というのは、私が実はもうおとといから心配して、何とか調整をして、そうして衆議院の要望にもこたえ、あるいは恩給の、今度の旧軍人に対する恩給扶助料の関係から、傷痍軍人にそれが均霑することができなかったので、こういう問題が起ってきて、衆議院ではこれを法律として参議院に送ってきたわけでありますから、ところが、聞くところによると、全然調整ができていないので、これは私語でありますから、必ずしも責任を持つ問題じゃないが、調整が困難であって、政令の作りようもないとまで言う人もままあるわけです。法律は通ったが、政令ができないので、間に合わないので、四月一日から実施もできないようなことであると、これは国会の権威にも関すると思います。そこを私は心配して、一昨日から実は奔走しておったわけでありますが、法律になれば調整ができるが、法律にならなければ調整ができぬというお見通しであるのか、あるいは法律ができても調整は非常に困難であるというのか、その辺を一つ率直に承わりたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 政府の立場として、この法案の取扱いはこれをお通し願いたい、あるいは継続審議にしていただきたいということを申し上げる性質のものではないと私は思うのであります。従って、通った方が便利か通らない方が便利かということは、私どものところから申し上げる性質のものではないと思うのであります。いずれにいたしましても、この財源というものに対しては、これは政府部内においてどういう形でとるかということについて、調整の余地が残っておるということだけを申し上げておるのでありまして、法案の取扱いについて私がとやかく希望を申し述べることは不適当であると思うのであります。
○一松政二君 その法案の取扱いのことを聞いておるのではないのです。ただ御意見を承わっておるのですが、これをどうせよとか、そうした方が便利だというようなことを聞いておるのではなくして、仮定の上に立った御議論なら返事の要はないと吉田さんの言うようなことならば、私は聡明な三木運輸大臣にそういうことを聞かない。けれども、私は率直な御意見を承わりたいといって、仮定かもしれぬけれども、差し迫った問題なのです。われわれは傷痍軍人に四月一日から、負担の点はともかくも、こういう取扱いをやってやりたいと考えておる一人なのです。そこで私はこの一番問題になるのは、端的にいえば、二条なのです。二条の一般会計からこれをしかも出す。五割引のときには負担しておったが、これでは全額負担になっておりますが、これは何でありますが、ところが、国がこういうことを、公共企業体である国鉄さえが全額負担をかりにやった場合に、各市の交通機関、それから私企業の交通機関、これにも私はあげて傷痍軍人が今度ある意味において非常な力を得て、そうして無賃乗車も、しかも回数券などは近距離でありますから、おそらく同数券でなくてパスをよこせというところまでいくだろうと思う。その場合に、公共企業体である国有鉄道さえ国が全額補償した場合に、公共企業体でない私企業であるものまでこれを負担するいわれもないということは当然の帰結になっている。その際に、これはまた津々浦々から国会議員に対してそのような陳情が出てくるから、今後必ず国会でそれもこれに均霑させなければならぬということは、私は火を見るよりも明らかだと思うのです。そこで私は、そこまでいくおそれのあるものは、なるべくその一歩手前でこれを何とか片づけるのが国としての考え方ではなかろうかと考えておる一人でありますが、これも仮定になりますが、今運輸大臣お答えにくいかもしれませんが、公共企業体にこういう例を開いたのだから、私企業は当然これ均霑するという考え方を持つだろうとはお思いになりませんか、なりますか。その辺は仮定であるかもしれないが、答えられない問題ではないと思いますので、率直な御意見を承わりたい。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはり国家の戦争犠牲者に報いたいというのが立法の趣旨でありますから、この考え方が私企業に適用があるとは私は考えません。国としてこれは一つの傷痍軍人に対しての国の考慮、私企業はこれはまた別個の立場に立つ。私企業が傷痍軍人の方々にみな報いなければならぬというふうに、この問題が直ちに拡大されるとは私は考えておりません。
○一松政二君 それであるがゆえに、私企業から国にそれを転嫁してくる。つまり国が負担すべきであるという見地に立つ。公共企業体である国鉄でさえ負担しないで国の財政に直接行った場合には、私企業であればなおさら国が取り上げなければならぬ義務をしょうと私は考えるのですが、運輸大臣の今の御答弁、ちょっと何か少し……。
○国務大臣(三木武夫君) 私は傷痍軍人の方々に対してできるだけのことを報いなければならぬと存ずるのでありますが、そのサービスを拡大して、一般私企業までもいろいろ無料サービスというように拡大されるという行き方に対しては、私は行き過ぎであると考えるのであります。それは国家の課題であると思うのであります。
○一松政二君 従って、それでは運輸大臣は、国家の負担であるから私企業が負担すべきでないから、当然国家がそれを肩がわらなければならぬという御意見でございますか、あらためてお伺いいたします。
○国務大臣(三木武夫君) 傷痍軍人に報いたい、報いなければならぬというのは、これは国家の仕事でありますから、従って、もし問題になるような場合は、今いった交通機関については国鉄というものが私は限界である。これが一般の私企業に全部ということになってきますると、私企業自体にそういうサービスを、国がやはりそういうこともできますまい。国鉄自身でさえこれだけ問題になるのでありますから、私企業全体のサービスを国家が負担するということは、これはできません。そういうことですから、どうしても傷痍軍人の方にこういう点で報いるということは、やはり国有鉄道というものが限界である。これ以上、私企業のバスとかあるいは私鉄とか全部に拡大していくことは、それは限界を越えるものであると私は考えます。
○井野碩哉君 運輸大臣は傷痍軍人を大いに優遇すべきだと、これは私も同感です。ただ、何ゆえに乗車賃をもって優遇しなければならぬか。恩給法なりあるいは援護法で、国の財政があれば、行くべきである。乗車賃で行くべきであるというから、今一松委員の言われるようなところまで行かなければならぬようなことになるのだろうと思いますが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 井野さんの御指摘のように、恩給その他いろいろな点で、やっぱりこれは総合的に考えるべきものである。必ずしも傷痍軍人の方々に対していろいろ恩給その他十分でないかもしれませんが、これはやはり全般の財政的な見地もあるわけでありますから、そういう気持があっても必ずしもそれの予算的表現については多少みなが満足いくように行かないかもしれません。ただ、私は、この無賃乗車のパスのことで、前にも国鉄ばお渡ししておった時期があったのですが、そういうときには、国有鉄道で赤字があったときには、みな一般会計でカバーしてくれたのですね。今公共企業体として、赤字を国庫で補填をするという原則は破れておる、今の国有鉄道法で。そういう点で、なるべく予算編成等についてにらみ合せて、この財源等については、国鉄がその予算上のある程度のやっぱり補償がないと、なかなか犠牲は全部国鉄で負担せよということは、今のような財政状態では非常に困難であるという点から、これを申し上げるので、昔のように赤字があれば国家が見てくれるという建前のときならば、こういうことが国会の総意であるならば何も申し上げることはないと思うのだけれども、そういう点も、この財源というものに対して運輸当局として非常にこれを重大視するというのは、今の国鉄経理の建前がそういうふうに変ってきていることも理由の中に入っているということを、一つ御了解を願いたいのであります。
○内村清次君 ただいままでの質疑応答を伺いまして、問題点は、確かに立案者関係の第二条に問題点があるんですが、端的に申しますと、運輸大臣は第二条の第二項によって、「前項の規定による負担の方法その他必要な事項は、運輸大臣が定める。」、運輸大臣が責任大臣になってくるんですね。そうすると、第二条全体においては国が運賃負担というものは受けなくてはならない、こうなっておりまするから、運輸大臣のただいままでの御答弁では、立法府がこの法律をここに可決をして、もう運輸大臣の責任にまかしてしまうんだ、こういうことにたとえばなったとしたならば、運輸大臣としてはそういうことを法律面においてはされるけれども、実際においてこの国の負担というものが大蔵大臣と折衝をして、大蔵大臣がほんとうに負担を全額——ここに三億という概算負担が書いてありますが、それだけを引き受けるかどうかという点に御懸念があるような御答弁ですね。そこで私たちといたしましても、せっかく法律をここで、衆議院は通ってきておりますからして、通すとすれば、これはやはり大蔵大臣もこの法案の精神を十分のみ込んで、その負担を大蔵大臣と折衝され、またこれは負担ばかりでなく、いろいろの方法ですからして、責任大臣の方法をスムーズに解決ができて、そうして四月一日からはこの精神が実行されるというようなことに到達することを、私たちが心配をして、やっておるわけですね。そうすると、今までの運輸大臣のお言葉では、どうしても見通しが御困難なような感じがするんですよ、これはやはりどうしても大蔵大臣に来てもらって、大蔵大臣にも明確にしていただきたいことが第一点ですが、立案者の方にお尋ねしますが、これは大蔵省とは十分連絡とれた上の問題でしょうか。これは原委員長にお尋ねしたいんですがね。
○衆議院議員(原健三郎君) むろん事前にわれわれは、率直に申し上げると、事前に大蔵当局ともう少し十分懇談すればよかったと思いますが、私どもとしては主として国鉄、さらに運輸省と折衝して、あるいはパスにするとか、あるいは今いうような回数制にするとか、いろいろ国鉄当局と折衝の結果、こういう案ならば、国鉄は国から出してもらうならばいいんじゃないか、こういうようなところで結局各党各派に諮りまして、慎重審議いたしましてやって参りました。むろん大蔵省当局とは、こまかには打ち合せはいたしませんでしたが、衆議院各党各派全員一致をもってこれを法律に可決するのであるから、当然大蔵省当局がそれに従うことは当り前である。われわれはそれを深く確信しておる。立法府にけちをつけて、やるとかやらぬとかいうことは間違いである。われわれは優先して、これは正しいものであれば当然——ほんとうに要る費用は、三億といっても、私は一億ぐらいだろうと思う。国鉄でないときもあるし、一年に一回か二回ぐらいしか乗らぬ人もあるし、一億円くらいで——また大蔵省、大蔵大臣の財政規模をこわすようなことは断じてない。そのようなことにいろいろ言ってけちをつけて、いろいろ大蔵省の役人が運動するがごときととは、とんでもないことだと思います。どうぞよろしく御可決あらんことをお願いいたします。
○内村清次君 大蔵大臣も、委員長は、大体来て御答弁をするということにもなっておりますから、やはりそういった手続をやってもらいたいと思いますですね。
○一松政二君 大蔵大臣はむろん要求してあるんですから、一刻も早く御出席願いたいのは今内村さんの言われる通りですが、私は先ほどまだ三木運輸大臣の答弁についてさらに実は質問しなければ、どうも私のみ込めないので、その機会を待っておったわけですが、運輸大臣の答弁を聞いていると、いわゆる国鉄に関する限りぐらいなところは、それはサービスで何とか、あるいはサービスか国の負担かなにかという御意思のようですが、私の精神において、つまり私は端的にいえば、国鉄で、内村さんと同じに、国鉄のサービスの中で当然負担しておくべきじゃないかという議論は、私国鉄当局にも端的に申し上げているわけですが、この法律からいえば、これは国が、端的に一般会計からこれが出る建前になっているわけです。だから、これは国有鉄道に対して国が負担するということであれば、私は私企業が当然国に対して要求するときに、これを拒絶する理由はどこからも生まれてこないと思います。そこで私は大臣がおっしゃる通り、国有鉄道限りの程度においてそれを、負担をどっちがするかは別問題として、運輸大臣は国有鉄道限りにおいてとおっしゃるから、それならこの法律で国が負担すると、しかも今の法律によれば、今まで半額は負担しておったものが、その半額までも一般会計に当然持っていける権利を有するような格好になっているのですね。そこにいろいろ、今までは半額負担しておったのが、今度全額一般会計に持っていく理由もわからないというふうな問題が出てきて、そうしてここでこの問題をきっかけにして、国策としてはいわゆる独立採算制の筋金を通したいという考え方があるかもしれない。それですね、今まで五割は負担しているのを、今度は当然これは国庫が全額負担すべきものであるとお考えになって、そういう考えを持ち込まれたのかもしれませんが、この法難の建前からいえば、この法律が通ったあげくには運輸大臣の御答弁のようにはならない。断じてならない。だから、今百尺竿頭一歩を進めて、厚生省の予算、社会保障でやってしまう場台は、これは問題は全然起らない。私企業やそれから国有鉄道の問題も起らないけれども、公共企業体の国鉄のサービスの範囲内においてやるという問題は、これは別途考慮できるけれども、そうした今国鉄が赤字だから、運輸大臣として命令としてはできないと、こうおっしゃる。だから、私はできれば、国有鉄道が自発的に一役買って出たらどうかという考えを持っているわけなんです。 そうして、いずれにしたって国鉄が赤字をこのまま押していける道理はないのです。どこから考えても、何とか処置しなければならぬ。それは今年を来年に延ばしてあるだけの話なんだ。そこへこの法律案によれば、全額でこれは三億円の大体予定なんです。今まで半額とすれば一億五千万円、それもただ総計の人間を考えてやっているだけなんで、先ほど原さんも言われたように、一億円かあるいは一億円下るかもしれないというものが、私はここでそれほど国鉄が問題にしなければならぬかということに対して、いささか納得いかないので、一昨日から実は自分の議員としての領分を越てまでも、この一日も調整の早からんことを私は心配して、そうして奔走しているわけなんです。だから、この国有鉄道限りという運輸大臣のお考え方と、この法律は少し違うにおいがしてるんですが、そうお感じになりませんか。
○国務大臣(三木武夫君) どうも一松委員は、これが全部私鉄の方に……。
○一松政二君 法律にはそうなっていないのですよ。けれども、必ずこれは私鉄が要求してくる。
○国務大臣(三木武夫君) 私はこれはやはり国有鉄道限りのものだと考えているのです。それはいろいろそういうふうなことも実際問題には起るかもしれませんが、しかしそうなって参りますと、なかなかそれは、私鉄自身でそういうサービスをされている所もあると思いますよ、今までに。だから、それは私鉄自身の立場からいろいろ社の方針があるでしょう。それを、これが通ったから私鉄が全部そういうことが義務づけられるものだとは、私は思っていない。それは一つの私鉄自身の経営方針から、そういうことを現に過去においてもされている所もあると思います。しかし、それは全部一律に義務としてというふうに拡大になるとは私は考えていない。
○一松政二君 いや、そこは、その私鉄自身が自発的にそういうことをやるということは考えられないのだけれども、国鉄でこういう例が開けてくるから、当然傷痍軍人の方々は私鉄もやるべきだとお考えになることは、私は当然だと思う。それからまた私鉄も、国鉄で例を開いている限りは、私鉄がまたそれを拒絶できません。拒絶できませんのみならず、そうしてその負担を国庫がやるという先例をここで明らかに開くのですから、私鉄がそれを負担できないことはほ——公共企業体であって特別な関係にある国有鉄道さえも負担せぬで、これを一般会計にゆだねる場合には、私企業であれば当然これは国がめんどうをみなければならぬということに追い込まれることは、火を見るより明らかだ。私はそのことを伺っているのであって、私企業がこれを負担しろということを言っているわけじゃないことは、国有鉄道である限りにおいては、公共企業体であるがゆえに、私は国有鉄道で負担せよと、こういう論者なんであって、この場合に私企業がここに行けという考え方を持っているのではございませんけれども、国がこれを全額国庫、一般会計から補填することになれば、私企業に対しても当然そういう問題が私は起ってくるということを心配しているのであって、それに対する御意見を伺っておきたいのだけれども、何だか私企業が負担するというふうにおとりになっているから、私は私企業が負担しないから国庫にすぐそれがはね返ってくるということを心配しているもので、その限りにおいては運輸大臣と意見は一致しているわけなんです。つまり国有鉄道の範囲において、それを何とかそれだけでやりたいというお気持なんであって、私の気持もそうでありますが、この法律案のままだと、その限界を当然、私は当然過ぎるほど当然に拡大されていくと思う。
○国務大臣(三木武夫君) これは私、こういうふうに、一松さん、思うのですがね。お話を取り違えてはいけないのです。私鉄もそういうことで、みながこの傷痍軍人の方に無償の乗車券を発行して、それが国庫にはね返ってくるのじゃないかという御心配なんです。しかし、それが一つの非常に、私鉄に対してその逆を強要することにと申しますか、どういう強い——必ず無賃パスを私鉄が発行しなければならぬということになってくると、これは立法措置も要るのじゃないかと思う。私鉄自身が今の社の方針としてそういうことをおやりになる場合は別として、これを全部私鉄がそういう無賃乗車券を発行しなければならぬというふうなことになれば、これはそういうふうな形になれば、お説の通り国庫にはね返ってきます。これはそういうことになってくる。しかし、そういうことは単なる行政措置だけではできぬではないかと私は思う。そういうことで、これは非常に別の問題が観点になってきて、そうしてただもうこれを、こういう問題が起ったから、私鉄ももう必ずこれは右へならえとなると、それはいろいろな場合でも予算の問題も伴います。あるいはまた立法措置もいるかもしれぬ。いろいろチェックする場合が幾つもありまして、これがもう当然の帰結として、私鉄が無料パスを発行し、発行することを義務づけられて、そのしりぬぐいは全部国庫の負担になってくるという、一つの当然の帰結として、そこまでは私は行かないとしても、いろいろの場合に段階があって、それをチェックできるような段階を持っておるのではないか、こう考えるので、これが直ちにそこへ、その問題が、それを同じベースにおいて論ずることは、少し観点が違っておるのではないか、こう思います。
○一松政二君 同じ問題を繰り返しませんが、これは多少意見の相違ということもありますし、むろん私鉄の場合に国が負托するということであれば、立法を必要とすることは、御意見の通りであります。ただ、私が考えておることは、こういうふうに国が負担するということは、これは立法措置が要るし、国鉄が負担するならば立法措置は要らぬのじゃないかということが、きのうからの私の意見なんです。それで国が国有鉄道に対してこういう先例を、しかも衆議院が全会一致で通して、私鉄にそれが波及した場合に、チェックを私はできないと考えておるのですが、運輸大臣は、まあチェックの機会はあるのじゃないかとおっしゃるから、そこは意見の相違になります。意見の相違のものを、いつまでも私は繰り返そうとは思いませんけれども、私はどうしてもそれはチェックはできないという観点に立っておることだけ申し上げまして、運輸大臣に対するこの点の質問だけは終っておきます。
○小酒井義男君 今その質問に関連して、運輸大臣にはお尋ねしたいのですが、私は先ほどから大臣の答弁を聞いていますと、大臣としても傷痍軍人の諸君にできるだけのことはするということについては御異議がないようなんです。問題は、それを政府が責任をもって予算的な裏づけをするかせぬかというところに、問題があるのじゃないかというふうに聞きとれるのです。大臣がもしこれに、法案の趣旨に御賛成であれば、私は政府部内でこれの予算の裏づけができないというはずはないのじゃないかと思う。同じ政府の部内で、社会政策的な意味も含まれたこういう法律を、鳩山内閣という一つの内閣の政策として、そんなに食い違いがあるはずはないので、予算の当然私は裏づけができるのじゃないかというふうな気がするのです。そういう点について大臣はもっとすっきりと、どうも賛成だが、それができないのだというようなふうの答弁でなしに、この趣旨に賛成だから、法律が通ればそれは責任をもってやりましようという答弁をしていただくと、一番ごてごてやることはないと思うのですが、その答弁はできませんか。
○国務大臣(三木武夫君) むろん法律が通りますれば、これは何と申しましても、国の最高機関の意思決定でありますから、やはりこれに対してそれの実施の責任は政府にあるわけなんであります。ただ、これが議員提出法案であったわけですね。だから、実際の場合、私自身もこの法案の提案に参画したわけではございません。私自身は何もこれに参画しないし、知らなかったわけであります。そういう点で、政府部内に、衆議院も非常に短期間の間にこの法案の通過の必要が感じられたのでしょう、通過の速度が非常に速かったわけですから、そういう点で政府部内でいろいろ打ち合せる時間もなかったので、そういう点で、要するに大蔵省としては、いろいろ国庫の金を出す場合の建前という問題も、金額だけでなしに、建前という問題にも異論があるようでありまして、そういう点で、まだ完全に政府部内の意見の調整ができて、完全なものとゆかないのですね。そういう点で、この趣旨自体に対して政府が異存があるということはないわけですし、そういう点でどういう形でこの金を出すかということについて、必ずしも調整が完全ではないということがございますために、まあお聞きになれば、どうも私の答弁もすっきりしない点があると思うのは、そういう点があるわけでありますから、むしろ、これは国会の御意思がこういうところにあるということは、衆議院でも全会一致で通ったことでありますから、よくわかるのでありますから、これは率直に、そういう点で完全な調整をすることが政府の責任だと、こう考えております。
○小酒井義男君 それから、大蔵大臣がいらっしゃったようで、ほかの方のまだ質問が留保されていると思いますから、運輸大臣に対して一つお尋ねしておきたいのです。 一松委員の先ほどの質問を聞いておって、私の受けた印象ですが、もし国がこれの財政的な裏づけをするということになると、一般の私企業の場合もそれをやらなければならぬのじゃないか、こういうような質問だったと思うのです。で、その質問の過程で、たとえ国鉄が現在赤字で困っておっても、赤字が出れば、来年度でもそれに対するところの財政的な措置は講じられるのだから、まあむずかしく言わぬでもいいんじゃないかというような意見があるけれども、さて、かりにこれを出すとしても、その裏づけは政府でいっかの時期にはやられる性質のものだと。ところが、私企業の方は国鉄と違って、税金を出して私企業をやっているのです。それを国鉄がもし出すとしても、私企業と同じような扱いをするということには、若干無理があるのじゃないか。私企業には、やはり国鉄で負担した場合でも、私企業の分は、政府がそれを何とか裏づけするような義務ができてくるのじゃないかというふうに、私は質疑応答を聞いておって、そういう感じがしたのですが、そういう点については、どうお感じになっていますか。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはり傷痍軍人に対してのいろいろの年金制度、あるいは無賃乗車にしても、これに報いるのは国家の仕事で、私企業に強要すべき性質のものではない。私企業自体が社の方針として、現に無賃のパスを出している私企業も私はあると思います。調べて見ませんが……。それは社の方針としてそういうものをお出しになるということは、それは国民の側としても感謝すべきことなんでありますが、しかし少くともそういう傷痍軍人の方々に対する処遇は、やはり国家の責任である。私企業に、これを私企業の人の自発的な意思によって、いろいろ優遇して下さることに対しては、われわれも感謝はいたしますが、これを義務づける性質のものではないと、私はそう思います。
○委員長(加藤シヅエ君) お諮り申し上げますが、大蔵大臣はほかの委員会にも行かれなくちゃなりませんので、なるべく大蔵大臣の質問を先に回していただきたいと思います。
○小酒井義男君 もう一ペんだけ発議者の方にお尋ねしたいのですが、きょうはどなたが……。
○委員長(加藤シヅエ君) 発議者は、衆議院議員、自由党で、運輸委員長が見えております。
○小酒井義男君 それじゃ……。これも実は同じようなことを昨日も言ったのですが、建設委員会の方でも付託されている縦貫道路の法律案で、運輸大臣と大蔵大臣に、あるいは建設大臣に、出席な要求しておったが出られなかった。これはやはりこの法案の成立の過程をめぐって、提出者の方と政府の方との連絡が十分いっておらない、そういうようなことがあるのではないかという印象を受けたのです。もし与党の提案者でしたら、もう少し私はこうした法律を成立させるまでに、与党と政府間の連絡と、意思統一というものをやはりされなければならぬのだと、実は思っておりますが、まあ与党じゃないようでありますが、しかし運輸委員長という責任のある立場としてこれを実際行おうとしたら、私はもう少し政府の方との財政的な面でも連絡をとって、そうして可決した上で、参議院へ送り込まれるのが、責任のある立法措置じゃないかと思うのです。そういう点で非常に参議院としては迷惑するわけなんです。あなたはどういうふうにお考えになっておるか、一つ従来の経過等をお聞かせ願いたい。
○衆議院議員(原健三郎君) 実はこの法律を、参議院の委員会の方では短兵急にやられたような印象のようでございますが、われわれとしましては、本国会始まった当初からしばしば陳情も受けるし、また各理事も何回も寄ったし、傷痍軍人の人とも相談したし、国鉄とも相談したし、運輸当局とも相談しました。そうして最後には、結局これは政府に初めやってもらおうかという意向もありましたが、議員提案でいこうという各党の理事の間に相談がまとまりまして、それであるから、各党は党へ持っていって党の正式の機関に諮って、十分相談して党議をまとめてきてもらいたい。まとめてから、またいろいろ多少の意見の相違、あるいはもう少しよけいやれという、あるいはある党のごときは非常に身体が自由のきかないような特項症のような人は二等に乗せたらどうかというような意見があったが、結局三等というようなところに落ちつかれたというような調整がありまして、結局衆議院におきましては一人の反対者もなく、全員こぞって賛成だというようになりまして、今お尋ねのように、政府、ことに大蔵省、運輸省と連絡をとれば非常によかったのですが、もうわれわれの間では各党ともそう——今ここへ来ていろいろお説を拝聴しますと、もっと慎重にやればよかったと思いましたが、その当時におきましては、もうこのように反対がなく、みな賛成だったから、よろしい、費用もそう、さっきも申しましたように、大蔵省が現在非常に反対されておるように、日本の財政規模を破壊するものでもなければ、何も大蔵省に一々伺いをたててこれを通さなければならないほど、われわれ立法府としても、こんなことこそ私は権威がないと思う。いろいろして、この程度でよろしいというところで、いわゆるそれが満場一致の結論を見た理由であります。どうぞ一つその点、御了承願いたいと思います。
○内村清次君 大蔵大臣に質問いたしますが、ただいまの経緯の問題もよく御存じのようでございますし、しかも参議院といたしましては会期もきょうまでですから、この法案だけがこの委員会の最終の取扱い法案になっておるのです。いろいろ委員会といたしましても、この問題に対しては慎重な審議がなされておるのです。ただ、衆議院の方で全会一致で通ってきた法律である。だからして、この趣意に対しましても参議院はやはり十分な尊重をせなくてはなりませんが、もちろん四月一日からの適用である以上は、その間の、この法律に規定してありまする条項に従ってスムーズな実行がなされなくてはならないという見地に立って、問題を、大蔵大臣の御責任のある第二条の、国はいわゆる連絡船やその他国有鉄道の乗車運賃の相当額の負担をしなくてはならないというその国の責任が、大蔵大臣の所管になるところのこの財政負担が可能であるかどうかという点を、これを一つ明確に御答弁をお聞きしたいのです。
○国務大臣(一萬田尚登君) これは第一に、大体こういうふうな形で私はゆくべき筋のものでないと思う。むろん傷痍軍人の方について何らかの措置を、特に優遇的な措置をとるということはよろしいと思います。がしかし、それは私の考えは、やはり今日進んでおる社会保障の一環として取り上ぐべきものでありまして、決して車に乗せる場合にそれを無賃でする、こういう形でゆくべきでは私はないと思う。もしもそういうふうに乗車についてやれというなら、これはやはりその企業体自体がそういうことをするという意思がなくてはならない、私はそういうような考えを持っております。 それから、ごく特定の人だけに財政負担でその運賃を国家が持つということは、私はほとんど異例に属することだと思われます。なおかつ、先ほどからいろいろありましたが、こういう措置はほかの、ひとり国鉄ばかりじゃないと思います。いろいろな、私鉄等において実際上乗車を要請された場合に、なかなか国鉄だけこれをするというわけにもいかない。こういう点についても今後問題が生ずることも多いと思います。 私は軍人の傷痍された方に国家としてそれぞれ道を尽すことは異存がありませんが、それにはやはりその道をもっていたしたい、かように考えるわけであります。
○小酒井義男君 大蔵大臣の今の御答弁は、特定の人にだけこういう措置を講ずるのは不適当だというお考えのようですが、傷痍軍人というのは、間違った指導者のために、戦争によって直接一番被害を受けた犠牲者なんです。戦争のために不自由になった人なんです。そういう人を扱うということは、特定であっても別に差しつかえないのじゃないか、そういう条件というものを大蔵大臣はどう思っていますか、お尋ねしたい。 それともう一つは、こういう国としてやるべきことは当然だと思うといいながら、現在独立採算で赤字で苦しんでいる国鉄が当然それを負担すべきだというような考え方は、どうもわれわれは理解できぬです。そういう経済的というか、財政的政策的論理というものはどういうところから出てくるのですか、一つ御説明願いたい。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私は、特定の者に国庫の負担においてあることをするということに、異存があるのじゃない。それは私はやはり社会保障の一環として考えるべき事柄である、こう思うのでありまして、個々の人が車に乗る。乗る人もある、乗らぬ人もある。乗る人には考慮する、そういうことだけでは、私は国庫負担としては筋が通りにくい、こう思うのであります。 それから次の点は、従来からの例において、やはり企業体が、サービスというと悪いかもしれないが、企業体が、特に国家にいろいろ貢献もあり不自由なところもあるから、これをしてやろう、こういうわけです。その企業体なるものが赤字ではないか、赤字の国鉄にそういうことをさせるのはおかしいじゃないか。これはまた、しかし、赤字であるがゆえに、また黒字であるがゆえにというのじゃない。事の本来がやはり企業体にある。国鉄が赤字であること自体はこのことに関係なく悪いので、これは黒字になるようにやらなければならない。今後も黒字になるようにするでありましょうが、黒字になってそういうサービスをする。それとこれとは別である。国鉄が赤字であるがゆえに国庫が負担しようということにはならない、かように考えます。
○小酒井義男君 それはどうも、われわれ納得できぬです、大臣の説明は。幾ら赤字が出ても、それはその赤字に対するところの補填はするのだから、赤字が出てもやればいいじゃないかということなら、いいのです。ところが、努力をしておって、そうして現在でも輸送上に必要な施設あるいはすべてにまだ不完全な点がたくさん残されていて、そういうものが現在残っているところに、さらに赤字を作らせてゆく、これが輸送の安全性というものにもいろいろな面で影響してくると思う。そういうことはかまわぬから、当然国鉄がやるべきだというようなそういうお考え方というものは、公共企業体という立場になった現在の国鉄に対する大蔵大臣の認識といいますか、考え方というものが、どうもはっきりしないと思うのです。
○国務大臣(一萬田尚登君) それは私非常に、事柄の筋と実際の扱いということを御一緒になさっているお考えだろうと思うのであります。私は筋として一応そう申しておる。国鉄を黒にすることは、これはもう政府としても考えなくてはならぬので、今後国鉄の財政が黒になることについて、政府としても、大蔵省としても協力することに異存はないのです。これはどうしても運輸大臣に相談して、今後国鉄をどうするか、取り上げていくとともに、それはそれとし只今筋というと、具体的に実際の赤なり黒なりやってよろしい、赤が悪いというのではない。実際問題に筋としては、今私の言うたような赤と黒とは別個に考えております。
○片岡文重君 大蔵大臣はひとり合点されておられるようだが、小酒井君の質問は別に赤字だから国で負担をせい、こう言っておるのではないのです。筋として国で負担をするのが当然である、まして国鉄が赤字の折であるから、なおさら国で負担すべきではないかということであって、筋からいえば、当然これは国が負担すべきなんですよ。社会保障でめんどうをみたらよかろうとおっしゃるけれども、しかし社会保障の面において、あなた方政府が完全に、そういう国鉄の乗車にまで傷痍軍人の諸君が困窮を来たさない程度に、あなた方がめんどうをみられるならば、こういうややこしいことは傷痍軍人諸君は決して望んでおらないのです。衆議院における各議員においても、それを望んでおるわけではない。しかるに、あえてこういう論議を重ねなければならないということは、要するに、鳩山内閣が社会保障制度において十分なる措置をとっておらないからということになるのです。これは明らかに選挙公約をあなた方が踏みにじっている結果にほかならない。筋としてはそれは当然、あなたがおっしゃる通りに、国がやるべきだ。私たちとしてもまたそう思っている。 さらに、特定の者を対象としてはなどと、きのうも主計官ですか、主計局次長ですか、おっしゃられたけれども、現に未曽有の汚職と言われた造船汚職のごときを考えてみても、あれは全く一部の企業者に対して政府が造船利子の補給をやっておる。あれは一体特定の人にやったのじゃないのですか。やはりあれは特定の人にやったのです。ことに傷痍軍人の家族などから比較すれば、比較にならないほど少数の人にやっておる。そのほかにも、こういう例をあげてくれば、幾らでもある。だから、そういうことによってこれを拒否しようということは、やはりお考え直しを私はいただきたいと思うのです。 それから、そのほかにもいろいろ申し上げたいこともたくさんあります。特にきのうの主計局次長の言われた答弁などというものは、とうていわれわれの納得するものでもないし、ああいう考えをもって国の財政の根本をなすところの予算操作をされておるのかと思うと、私どもはむしろ寒心をすら覚える。しかし、まああえてそれに対する反駁もせず、むしろ笑殺してきたのですけれども、今日は大蔵大臣の御出席の上ですから、その点についてもし同じような御意見であるとするならば、私はこれからも意見を申し上げたい。しかし今の問題は筋としてという御意見のようですから、筋としては私は国が持つべきである。たまたま国鉄は赤字の折からでもあるから、一そう国としてこの点を考慮すべきである。しかもその金額たるや、先ほど原衆議院議員が言われたように、きわめて微々たるものなんです。あえてこれを政府の調整がとれないなどという問題でもないし、また先ほど大蔵大臣は、政府の意思ではない、衆議院の議員の立法であるから、こういうことを言われたが、逆なんです、それは。衆議院が全員一致をもって決定をされたことであるから、なおさら政府は責任をもって積極的にこの総意にこたえるような措置を講ずべきであって、その間において調整がとれるとかとれないということを本席において言うがごときは、もってのほかだと私は思う。当然この問題については、ほかに議論があるなら別として、政府部内における調整がつかぬというのなら、それはよろしくもうすぐにも下っていって、この本日中に一つ調整をとられて、その意見をここに報告してもらいたいと思う。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はやはりどうも、あるいは私の言いようが悪いかもしれぬが、おとりになった点に少し食い違いがあるように思います。私は一部の、国庫負担で一部の人に何らかのことをするということは否定しているわけではないので、その筋というのは、乗車賃を無賃にするというような方法でやることは筋が通らない。これは同じ傷痍軍人であっても、乗る人も乗らぬ人もこれはやはりあるのですから、ただ汽車に乗った人だけがいいというわけでは、傷痍軍人に対する目的を達するものじゃないのでありまして、私は傷痍軍人に対する関係においては、やはり特に軍人恩給というものもありましょう、傷害年金、こういうような、その他また社会保障、もう少し考えていけば、一般として、汽車に乗ろうが乗るまいが、それを私はすべきだと思うのです。そういう立場で、しかも車に乗ることによって、こういう措置をとることによって、一般私鉄にも及ぶおそれがある。さらにまた何々大会、汽車に乗ることが非常に多い機会もある。そういうときに、別に乗るものは拒否すればいいと申されるでありましょうが、なかなかそういうことをすることは、トラブルを起すことは私は適当でない。どうしても社会保障の一環として、不足するところは傷痍軍人に対して一様に均霑するように考えるのが筋であろうと、かように私考えて申しておるわけでありますので、御了承を得たいと思います。
○平林太一君 これはこの根本の問題ですが、技術的にこの予算上の措置をどうするかということが、私は参議院としてはきわめて常識的に処理すべきことが非常に大切だと思うのですが、まあ今国が直接の予算で出すべきである。それから無賃乗車券でありますから、当然いわゆる国鉄が常識的な態度をもってそうしてこれを処理する、こういうことが考えられるわけですが、国鉄の赤字ということは、無賃乗車券に対してはつまりいわゆる赤字に対してさらに出血する。出血が何か予算上の直接の措置による出血とは違いまして、間接のこれは出血になるわけです。先刻一松君が自由党からお話しになりました中にも、私は非常に同感の意を表した点があるのですが、こういう点からみて、運輸大臣は当然国鉄を管理し指導しておる立場上、非常に苦痛があると思われる。ですから、この際国有鉄道副総裁も来ておられるようでありまするが、国有鉄道の副総裁としての、この傷痍軍人に対する無賃乗車に対する常識あるいは良識というものがおのずからこれはあり得ることと思いますが、それを一つ承わっておきたい。
○説明員(天坊裕彦君) この問題につきまして、私どもはこういう立法ができます前に、国鉄としてこういう措置をとることができないかというお話があったのでございますが、私どもといたしまして、公共企業体になりまして以来、いろいろと先ほどから申し上げましたように、車両取替その他についても不十分な財政状態でございますし、また筋から申しまして、これは先ほどからもお話がございましたように、国が傷痍軍人の方々に対してできるだけの措置をしようというのが根本でございまして、そういたしますれば、当然国民の全体の税金といいますか、そういうもので負担していくのが本旨であって、国有鉄道のような特定の旅客や施設にその費用をかぶせていくものが、これは筋でないのではないか。特に公共企業体となりまして以来、むしろ政府の、これは政府そのままであったような時代にいろいろにかぶさっておるものがたくさんあるものでありますから、本来ならばこういうものについても、こういう財政状態になれば、配慮を願わなければならぬというような気持もある際でありまして、これは十分本旨から申しますれば、大蔵大臣も申しましたように、赤字上の問題ではないと思いますが、特に赤字のときには、そういうことについて国鉄だけで処理をすることができる段階ではないという意味で、もしそういうことを国会でおきめになるならば、特別の補償の措置をお講じ願いたいということをお願いしたいと思います。
○平林太一君 今、副総裁の意見は一応聴取いたしたわけでありますが、何か副総裁は公共企業体、それから国でやるというようなことを、非常にむずかしくお取り扱いになっておるようであります。いわゆる国有鉄道、つまり国の予算でやる国有鉄道がやるということは、大同小異の事柄であって、ことさらに何か理由をつけて二つに分けることが、いわゆる先刻申し上げた通り、乗車券というものは、これはあれば使うというような場合も若干多くなるのでしょうが、ない場合にはそれが非常に減少しておるので、果してこの無賃乗車券を国有鉄道が発行いたしましても、それによって生じてくるところの、何か国有鉄道の経営経理に非常に損害を及ぼす、赤字だ、赤字だというようなことに対する理由には、実質上としてはなり得ないのじゃないか。それからまた措置の問題といたしても傷痍軍人に対して私は国がこれはいたすべきだというのであれば、ことさら国有鉄道は、いわゆる運輸交通を国の機関としてつかさどっている上において、これが国有鉄道自体が無賃乗車券を出すということが、かえって国が傷痍軍人に対する、かつての人々に対する意思を尊重するゆえんじゃないか。これは大蔵省から私は出させるというようなことになると、非常にそれもけっこうなことであると思うが、しかしかえってそれは何かことを歪曲して、そうしてその優遇の道を設けたものに背馳しておるものだ、こういうふうに考えるのですが、そういうことに対して運輸大臣は、非常に御職務上国鉄の赤字というものに対しては御苦労を払っておられる。従ってそういう見地から、非常にこの問題に対して御苦心があるようですが、それはもう少し、そんなにこだわりにならなくてもいいと思うのですが、国有鉄道として、もう少し国務大臣は何か気を軽くしてお考えになられてお取り運びをされる。そうでないと、この法律に一応出ておりますが、こういうようなことでなくて、スムーズにこういう問題が取り扱われて、そうしてその傷痍軍人に対する気持というものが、国が処置する気持というものが、なごやかにいくような御処置ができないかどうか、そういうことを一つ……。
○国務大臣(三木武夫君) これは国鉄の予算というものが、一々予算は国鉄自身でなくて政府予算によって国鉄の経理をやっておりますので、こまかいいろいろな項目が出ておるのですね。そういう点で、やはりこれがまあ大蔵当局としては、いろいろ予算の編成上、国庫支出の建前というものもあろうと思いますが、これはある程度の金額は、ある程度の負担が国鉄に伴うことは事実であります。従って、予算の編成の場合に、それだけのやはり何らかの犠牲に対してカバーしてるということの補償を与えなければ、なかなか何も負担が伴わなければよろしいのですけれども、負担が伴うものですから、そうでないと、いや、負担が伴ってもやれといったところで、なかなかそういう点でむずかしい点があるものですから、やはりいろいろ方法論は、これは私最初に申したようにあろうと思います。いろいろな、どういう形で出すかという方法はあろうと思いますが、とにかく国鉄にある程度犠牲を補償するということを考えなければ、今の国鉄に対して運輸大臣として、国鉄だけの負担でやれということがなかなか申しづらい立場にあることは、一つ国鉄財政の現状から御理解を賜わりたいと思うのです。
○委員長(加藤シヅエ君) 大蔵大臣に対する御質問をお願いいたします。
○内村清次君 大蔵大臣、先ほどからの質疑のやり取りの間でですね、大蔵大臣は社会保障制度でこれを満たしていかなくてはならない。これは本筋であると申されましたが、やはり結局は国の責任においてということだけは、これはもう大前提として御肯定なさっておるわけですね。
○国務大臣(一萬田尚登君) それは私、今度やるとすれば、そうすべきだと考えております。
○内村清次君 そこで軍人恩給その他援護措置、身体障害者に対するところの福祉法案その他もございますが、それと少し異なったこういった旧軍人の方々が、戦争犠牲者の方々が、こういう方々に対するところの現在の国の施策というものは、これは大蔵大臣もまだまだやりたいと、これは鳩山内閣の一つの方針でもございましょう。大蔵大臣の所管でもございましょう。私どももそういう点はあらゆる機会に聞いております、やりたいと。しかし国の一般会計の予算の計画の中においては、まあいろいろな経費もあるために、十分ではないというようなことでもございましょう。その点一つどうでしょう。
○国務大臣(一萬田尚登君) むろん私どもは、これを財政の許す限りにおいて考えておるわけであります。
○内村清次君 そこでですね、実は不十分なこの軍人恩給その他社会保障制度の現在の国の予算の給付を受けていらっしゃるところの方々の中でも、もちろんこれは特定といえば特定ですが、やはり傷痍軍人の方々でありますので、そういう傷痍軍人のお方々が、あるいは義足の取りかえもやらなければならない、あるいは療養のために遠隔の土地や、あるいはまたは遠隔でなくても鉄道を使用するというような関係で、やはりもう一つ国の責任においてやってもらいたいという気持は、これは大蔵大臣も決して否定はされないだろうと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(一萬田尚登君) 大蔵大臣としては、やはり税金を預ってこの税金を使う、つまり支出に立てる立場でありますから、これを出す場合には、やはり筋が立ちまして、国民全体が納得することができるように、そういうふうな私考えを持っております。従いまして、今回の場合にこの汽車に乗る人々だけについて特に国庫負担するということについては、よほど私は考えなければならない点がある。そしてまたこういう傷痍軍人の方を優遇するとすれば、何も国鉄ばかりでなく、私鉄に乗った人を優遇しなくて、いいという理由はどこに出るでしょう。国鉄が国の交通機関という、今公共企業体という方の立場から、別な考えでやる。そうすると、それと同じことで、やはり私鉄に乗っても、国に功労のあった方なんですから、国家としては見てやらなくてはいけない。これはよほどいろいろと考えてみなければならない。 ですから、繰り返して申し上げますが、傷痍軍人の方に対して、特に国家に功労があるにかかわらず、御不幸な事態があればそれを取り上げ、そうして国の財政の許す範囲においてみなが均霑を受ける。車に乗るとかなんとか、税金の使い方としてはどうも慎重を欠くような感じが——まあそういうようなこともやってやれというような程度で税金を使うということは、私はよほど考えなければならないと思っております。
○内村清次君 これは大蔵大臣がそういうようなお考え方で通していいかどうかということは、これはすでに衆議院の全会一致できめておりまする問題でございまするから、大蔵大臣もやはり党に所属をしていらっしゃるし、政府の責任者ではございましょうけれども、やはり党人としてもそれは同感な点があるだろう。これだけ全会一致の法案ですからして、特に私たちは、傷痍軍人の方々のやはり乗車の機会というものに何とか国の恩典を与えていかなくてはならぬではないか、それくらいの特典は与えてやらなくてはならぬではないかというようなことは、大蔵大臣も心の中じゃ思っていらっしゃるだろうと僕は思うのです。が、しかし問題は、この費用というものは大蔵大臣がそう御懸念されるような多額の費用ではないんですね。私たちはやはりその傷痍軍人の方々が、大蔵大臣の言葉では、乗る人もあり乗らぬ人もあるんじゃないかと。そしてなお国の負担としても多額ではない。あるいは乗らない傷痍軍人の方々でも、そういう特典をうらやむというようなことはないだろうと思う。これはもう傷痍軍人としては、これはみんな同じその自分たちの境遇からいたしまして、その点は早く体をりっぱにしてもらいたい、療養を完全にしてもらいたい、そういうようなことを望みこそすれ、そういうような卑屈になるような私たちは気持というものは起さないだろうと思うのです。それだから、国の費用は実際においては少い。少いものを、大前提として肯定されておるところの大蔵大臣が、これを御承認にならないということはどうも私たち理解しにくいのですが、どうですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) いや、金額が少いとか多いとか、必ずしもいうのじゃない。これはちょうどアリの穴から土手がこわれて大洪水になるというのと同じものなんで、そのこと自体の性質からやはり考えてみて、これは財政当局としてはそういうふうに十分検討を加え、慎重を加えた上で、なるほどというてやるんでないなら、これは将来に問題を生ずるのが一つ。金額の多寡でない。 それからもう一つは、今お話が……。まあ今の答弁はそのくらいにしておきますが、そういうふうな考え方であります。
○内村清次君 そうしますと、大蔵大臣は、とにかく国としてはこの傷痍軍人の乗車に対する費用というものはどうも納得がいかないから、出されない、こういう結論ですか、どうですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私はやはり個々の方がこういう乗車をする、その乗車賃を個々の人に対しまして国家が補償するというようなことは、こういうような考え方を財政の今後の運用の上に置きますと、これは私はどうも考えなければならぬというふうに考える。 もう一つちょっと申し残しましたが、なに、こういうことをやっても、乗らぬ人がうらやむことはないからいいじゃないか。これは私そうであろうと思いますが、問題はそうでなくて、受ける方じゃなくして、国としてどうかという問題である。国としてやはりこういうことをやれば、傷痍軍人の国家に対する功労についても報いるとなれば、皆さんが均霑をするという、いやしくも国家の金を使う以上は、みんなが均霑する、些少であれ、みんなに行き渡るという方法をとるべきだ、こういうふうに考えております。
○内村清次君 大蔵大臣、その議論になりますと、それは私たちも国会議員といたしまして、まだ大蔵当局の、たとえば一兆円の予算の配分に対しましても十分意見はありますよ。それはお互いの政党的に申しますと、政党の性格からもそういうような問題もありましょうが、問題は、これは国家の犠牲者である、こういうような観点におきましては、何とかこの人たちを救ってやらなくてはならないではないかということには一致しておるのでしょう。この大前提がある以上は、それは大蔵大臣が——まあさらに質問いたしまするが、それでは国有鉄道の方で、いわゆる公共企業体の方でこれを引き受けたならば、それでよろしいというお考えですか、どうですか。
○国務大臣(一萬田尚登君) 私の申し上げたのは、かりにこういうふうなことを御主張なされておるやり方について、すぐに国の負担に一時的に持ってこられるというような形は、これは私、国の財政——これはやはり私はそれぞれの私企業にあれ、あるいは私企業といいますか、あるいはまた国鉄にあれ、これは自分のやはり営業として乗せるんでありますから、乗車賃を取るか取らぬか、やはり国鉄の運営に当っておるその関係において考えていかなければならない。 また今回の場合は、国鉄に限定されておるようでありますが、そうすると、国鉄は赤だからやれない。しかしこういうことがなくても、国鉄の赤が放置されるということは、国として許されることではないのでありますから、これは近いうちに黒になるような措置をとらなくてはならないのでありますから、そうすると私は、そういうような行き方が適当である、こういうふうに思います。何でもすぐに、何かあれば国の費用でやれやれ、こういうような考え方は、今日の日本の財政の上から、これは慎重に考えていかなければならないと思います。
○一松政二君 議事進行。ちょうどもう一時十三分前だし、だいぶ議論もありますが、この委員会は本日は、ともかく四月一日からこの衆議院の案では実施するということになっておるのであって、われわれも四月一日からこれは完全に実施されることを望んでおるのです。そこで、きょう両大臣と国鉄の副総裁においで願って、そうしてそれをはっきり言明してもらいたい、そうしてその上で、この法律をさらに継続審議なり何なりに持っていきたいと考えて、一応昨日は御承知の通りなんでありますから、きょうは関係大臣及び国鉄の副総裁がお見えになっておりますけれども、はなはだ遺憾でありますが、意見の調整ができていない。そこでこういう機会は私はめったにないと思う。この問題はわずか一億円、これには三億円となっておりますが、現実は一億五千万円程度らしいのでありまして、私は先ほど来言っておるように、国鉄が一役買うべきであろうと私は考えておるのであります。ただそこで、その意見をちょうど運輸大臣と大蔵大臣と、国鉄の副総裁が総裁の代理をされるでしょうが、どうかここで直ちに一つ調整の労をとっていただいて、これは何時間議論しても、議論になれば半日議論しても同じだし、堂々めぐりしておるだけで、どこかで調整しなければならぬ時期には調整すべきであると考える。四月一日から実施ということは、これは衆議院が一致しておるし、皆さん参議院でも同意見であろうと思う。でありますから、どうか二時、あるいは二時を多少過ぎても、本委員会を再開してもらって、その間に私は、調整されて、そうしてお臨みを願いたいと考えるのでありますが、皆さん、いかがですか。
○委員長(加藤シヅエ君) 一松委員に申し上げますが、動議をお出しになったのですか。
○一松政二君 動議といえば動議ですが、そういう意見です。
○委員長(加藤シヅエ君) ちょっと速記をとめて下さいませ。 〔速記中止〕
○委員長(加藤シヅエ君) それでは速記を始めて。 なおこの際継続調査要求の件に関しお諮りいたしますが、運輸一般事情に関する調査を従来より調査して参りましたが、会期も切迫し、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして、継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の内容及びその手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。 それでは、これにて暫時休憩いたします。 午後零時五十七分休憩 —————・————— 午後四時二十二分開会
○委員長(加藤シヅエ君) これより再開いたします。 戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案を議題といたします。 先ほどの政府部内においての調整につきまして、何か御発言がございましたら、運輸大臣より御発言を願いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 大蔵大臣と運輸大臣とが調整した一つの妥結点でございますが、いろいろ御質問があったら困るのですが、二人が作成をした、妥協した文書で、この文書なりにお聞き取りを願いたいと思います。 本法案に盛られた傷痍軍人の国鉄無賃乗車については、昭和三十一年四月一日よりこれを執行することに異存はありませんが、これに伴う財源関係については、今後政府部内において十分検討いたしたいと思います。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御質疑はありませんか。——別に御質疑もなければ、これより討論に入ることに御異議ございませんか。
○重盛壽治君 本法案は衆議院において審議せられ、参議院におきましてもかなり検討せられた結果を、今運輸大臣から表明せられましたので、四月一日から実施するということが明確になりました以上は、時間等の関係を考慮いたしまして、討論を省略して、私は採決を要望するものであります。
○委員長(加藤シヅエ君) ただいまの重盛委員の討論省略の動議に御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。 それでは、本案の採決に入ります。戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤シヅエ君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議の委員長の口頭報告の内容、第七十二条による報告書の作成等、自後の手続は、慣例により、委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 次に、本案を可とされた方の順次御署名を願います。 多数意見者署名 仁田 竹一 早川 愼一 重盛 壽治 入交 太藏 岡田 信次 川村 松助 黒川 武雄 一松 政二 井野 碩哉 高木 正夫 三木與吉郎 内村 清次 大倉 精一 小酒井義男 片岡 文重 平林 太一 小柳 牧衞
○委員長(加藤シヅエ君) 運輸大臣からもう御発言ございませんか。それでは、提案者衆議院運輸委員長より御発言がございますので、これを許します。
○衆議院議員(原健三郎君) 大へん炎暑の折、連日真剣に本法案を御審議いただきまして、本日めでたく可決していただきましたことは、われわれ提案者といたしましてまことに感謝にたえない次第でございます。つつしんで提案者を代表して御礼を申し上げる次第であります。
○委員長(加藤シヅエ君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(加藤シヅエ君) 速記をつけて。 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。閉会中運輸一般事情の調査のため委員派遣をいたしたいと存じますので、本院規則第百八十条の二によりまして、委員派遣承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。 なお、日時、人選等、要求書の内容及びその手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ぎざいませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたします。 それでは、これにて散会いたします。 午後四時二十七分散会