運輸委員会 第25号
- 発言数
- 34 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/07/14
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) これより運輸委員会を開会いたします。 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、本案は衆議院において修正されましたので、修正部分の趣旨について衆議院議員木村俊夫君より御説明を願います。
○衆議院議員(木村俊夫君) 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案につきまして、修正点について御説明を申し上げます。 まず、修正の案文につきましては、お手元に配付いたしました資料によって御承知を願いたいと存じます。 次に、修正の理由並びにその概要を、きわめて簡単に御説明いたします。 政府の原案は、助成措置の強化に対応いたしまして、政府の行う監督権の強化をはかった次第でございますが、その内容を詳細に検討いたしましたところ、これら監督権は必要と認められる以上に加重されておりまして、従いまして、会社自体の創意工夫と活達なる企業意欲を十分に発揮し得ない懸念がございます。ひいては、国際競争裏における本事業の健全なる発達を阻害するおそれなしとしないのでございます。この理由によりまして、政府の行う監督権の強化を必要最小限度にとどめるため、次の諸点を修正いたしました次第でございます。 まず第一点は、会社の取締役の人数でございますが、原案によりますと十人以内に限定されておりますが、本会社の特殊性にかんがみまして、これを十五人以内に増員することに修正いたしております。 第二点は、会社の役員の選定等の決議についての認可制度でございますが、会社の自主性を適度に認めますため、代表取締役及び常任取締役の決定の決議に対してのみ認可を必要とすることに改めたのでございます。 第三点は、兼職の制限でありますが、原案によりますと、取締役はすべてその対象になっておりまするが、右と同様の趣旨によりまして、これを代表取締役及び常任取締役のみに適用することにいたしました。 第四点は、事業計画等の実施並びに収支予算の執行についての監督命令の規定でありますが、これは必要により監督上の指示を行うことによりまして、かえって円滑にその目的が達せられると考えられますので、命令規定を除き、罰則を伴わない指示の措置に修正いたしました次第であります。 以上の修正に伴いまして、関係条文の整理をいたしました。 これをもちまして御説明を終りますが、何とぞ御賛成を賜わりますようお願い申し上げます。
○委員長(加藤シヅエ君) 本案に御質疑のおありの方の質疑をお願いいたします。
○早川愼一君 ちょっと木村さんにお伺いいたしますが、十人を十五人とされたということは、何か内容的にお考えのもとに十五人にされたのですか。その点、ちょっと……。
○衆議院議員(木村俊夫君) 御承知の通り、現在日本航空株式会社の役員の数は二十四名でございます。今回、政府の原案でそれを十人以内、監査役は三名ですが、そういう原案になっております。これにつきましては、衆議院でもいろいろ意見が出ました。あるいはこれについての制限を全然撤廃しろという意見もありましたし、また政府原案よりむしろきつい意見も出たのでございますが、私どもといたしましては、非常に率直に申し上げれば、現在二十四人は少し多きに過ぎるのじゃないか。しかしながら、政府原案の十名以内というのも、これはまた少し少過ぎるかというので、いろいろ意見を調整いたしました結果、大体十五人の取締役の内訳と申しますか、会社の実態から申しまして、常勤七名、社外重役八名くらいが適当ではないかという意見が出ましたので、その結果、十五名ということに修正したわけでございます。
○早川愼一君 それにつきまして運輸大臣にお伺いしたいのでありますが、ただいま御説明があったごとく、衆議院で修正して本院に付託されましたのですが、政府はどういうふうにこれを受け取っておられますか。お考えを一つ、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 参議院においても、衆議院通りの修正を議決相なりましたならば、国会の議決を尊重いたしたいという考えでございます。
○早川愼一君 それにつきまして、大臣になお二、三点お伺いしたいのですが、本来この会社が創立されたときには、民間出資が十億、政府出資十億程度でスタートしたわけですが、それがたまたま今日のような財界関係、またこの会社自体にも創業の当初でありまして非常に資本が多額に要るというような状況で、その後に政府出資が十億加えられ、民間にも十億の株式を割り当てたのですが、それが聞くところによると、結局三億になって、結局今度の予算によって認められたものが投資されますと、政府が三十億、民間が十三億、こういうような状態になって、本来会社創立のときの立法の趣旨といいますか、特に民間出資に対しましては優先配当をするというようなことにもなっておったのでありますが、事実はそういうことになっておらない。政府の出資がますます加わるから、どうしても監督権を強化するというような逆の方向に向いておる。この点について政府は、今はやむを得ないとしても、将来において何とかして民間の投資を導入する工夫について、何かお考えがございますか、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 早川委員の御指摘のように、航空事業は非常に激烈な国際競争の中にあるわけでございまして、やはり政府といたしましても、民間の企業形態、あるいは国営とか公社よりかは民営の形態をとりたいということでございますが、そのためには、今申したように、御指摘にもなりましたように、国の出資が非常に比重が重くなっておる。こういう事態においては、ある程度国民の側からも、政府の行政の関与はやむを得ないものがあると思いますが、将来においてできる限り民営の形態を生かすためには、その前提となるものはこの航空事業がペイをするということであります。そうでないと、非常に犠牲的に民間の資本を導入するということは、これは企業経済の原則にも反しますから、これは早く一つのペイをするような状態に持っていきたい。大体三年後にはとの航空事業がバランスが合うという見通しでございます。そうなって参りますれば、次第に民間資本の比重を重くいたしまして、資本の構成においても、いわゆる民間企業体として一貫したものに持っていきたい、こういう考えでございます。
○早川愼一君 さらに大臣にお伺いしたいのは、そうしますと、御趣旨はわかりましたが、将来たとえば民間の状態がよくなって、出資者ができるという場合には、必ずしも現在の比率通りに出資される意思はなく、民間を優先して導入するという御意思である、こう受け取ってよろしいのでありますか。それからさらに、将来もし場合によっては、現在の政府出資を民間に回付される御意思があるかどうか、その点をあわせてお伺いしたい。
○国務大臣(三木武夫君) 将来航空事業が軌道に乗りまして、民間の投資の対象になれば、政府出資金も民間に切りかえてよろしい、こういう考えでございます。また、そういう状態に早く航空事業というものを持っていくことが好ましい、こう考えております。
○早川愼一君 これは航空局長にお伺いしたいと思いますが、最近聞くところによると、航空会社に、四月以降ですか、今期に入ってからでございますから……とにかく航空会社の経理状態が非常によくなったと聞いておりますが、どういう状態でありますか。
○政府委員(荒木茂久二君) 御存じのように、航空事業のお客、荷物は非常に波動がございまして、年間を通じまして四、五、六、前半が非常によろしいのでございますが、十二、一、二というところは冬枯れで、非常に悪いのであります。ちょうど上半期は一番いいシーズンで、現在、今営業期の四、五、六、今までのところは非常に成績がよろしいのでございまして、もっともそれは非常に黒字というわけではありませんが、トントンかちょっと出るというのが実情でございます。
○早川愼一君 さらに、もう一点お伺いしたいと思いますが、将来はだんだん民間資本も導入して、民間形態で運用したいという御趣旨のように大臣の御説明を受け取ったわけですが、しからば、そういうふうなことになりましたならば、現在の重役の選任でありますとか、あるいはその他の監督的な重い規定を、民営の形態にだんだん移すように、改正すべきだという御意見と受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(三木武夫君) この航空事業が非常に重要な、人命の上にも影響しておりますから、そういう面の、違った角度からのある程度の行政の監督というものは続いて行われますが、経理の面にわたる監督というものは、民営の形態で軌道に乗れば、次第にそういうふうな行政権の関与は、これはなくしていくことがほんとうに望ましいものだと考えます。
○早川愼一君 現在株主総会というものがありますが、政府は今度三十億の株主になられるわけですが、一方において、監督権が非常に強化されていろいろ各種の制限があるわけでありますが、そういたしますと、もし、かりに政府が株主権を行使される場合には、監督権の発動によって十分効果をあげることができる点があると思いますが、それでもなお株主権というものを政府は行使される意思があるかどうか。あるいはまた、株主総会は株主総会としての意思発表、つまり政府を交えない民間の株主総会の意思をある程度尊重される御意思があるのですか、それとも、株主権はあくまで法律に従って行使されるという御意思なのですか、その点を一つ……。
○国務大臣(三木武夫君) 株主権を放棄はいたしませんけれども、いわゆる政府の比重が圧倒的に重いのでありますから、やろうと思えば、政府の意図通りになるのでありますから、そういうことはいたさないで、株主総会の意見を尊重する。議決権は放棄しない。しかしそれを行使して政府の意のままにするということは、実際の運用面においていたさない方針であります。
○早川愼一君 大体わかりました。
○小酒井義男君 ちょっと大臣に一、二点お尋ねしたいのですが、今の御答弁の中に、大体三年くらいすればペイするだろう、逐次民営に重点を置いて経営されてゆく方向がいいだろうというのですが、もし、これは仮定なんですが、三年たっても相変らず赤字で、国が金を貸さなければならぬというような状態が続いた場合、そういう場合には、民間の資金を国が買い上げて、これを国営にでもしてゆくというようなお考えが、そういう場合もあり得るかどうか、その点と、もう一点は従来日航の経営が果して十分国が出資をしあるいは補助金を出してやっておるにふさわしいところの責任のある経営がなされておったというように、運輸省はお受け取りになっておるのかどうか、その二点について。
○国務大臣(三木武夫君) 政府としては、航空事業を一つの民営の形態で育ててゆきたいという方針でございます。従って、今のととろ、これを将来において国営形態に持ってゆこうという考えはないのであります。大体三年くらいしますると、今の状態から軌道に乗ってくるのではないか。これが非常に赤字で、全然民営の形態は考えられない、国営にでもするよりほかないという状態は、ただいまのところ想像していないのでございます。そこで、なかなかこういうサービスの事業というものは、国営の形態としてあまりうまくゆかぬのじゃないかと私は思うのです。できれば、こういう事業は民営の企業として育ててゆくのがいいのではないかということで、ただ問題は、資本構成の面において今御指摘のような問題があるので、これが軌道に乗ってゆけば、イデオロギーの問題ではないですから、やはりその事業体としては民営の形態がいい、こういう考えでこの事業を育成してゆきたいという方針でございます。 また、今日までの日航の経理については、大蔵省、運輸省等で経理の監査をいたしておるわけでございます。必ずしもこれがもう非常に満足なものであるとは申しませんけれども、いろいろ世間で言っておるほどのような乱脈な状態は、経理監査の結果、見出されなかったのであります。しかし、この点については、航空局長から補足をいたすことにいたします。
○政府委員(荒木茂久二君) 監査をいたしましたのでございますけれども、それについては、いろいろ指摘すべき点もあったかと思います。大筋といたしましては、初期の段階でございまして、御存じのように経験が非常にございませんので、左を向いているやつを、工合が悪いから右に切りかえる等、ロスがあったことはございますけれども、割合努力しておる方ではないかという一応の結論は得たわけでございます。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御質疑はございませんか。 速記をとめて下さい。 午前十一時十九分速記中止 —————・————— 午後零時十七分速記開始
○委員長(加藤シヅエ君) 速記を起して下さい。 ほかに御質疑はございませんか。ーーほかに御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。
○仁田竹一君 私は、衆議院から送付されました修正案につきまして、付帯決議を付しまして賛成いたします。 最初、原案を私ども拝見いたしましたときに、平取締役の兼職だとか、監督命令、罰則等について、実は大臣は不愉快だったと思われるような言葉を使いまして御迷惑だったと思いますけれども、幸いにいたしまして、衆議院の方の修正で、一応は私ども納得のいく修正案ができたと思っております。 しかしながら、それはどこまでも表面でございまして、何らか裏面には暗いものが流れておるような感じを私は受けるのでございます。政府が監督権を強化するという目的のために、何か日航の運営を公社方式といいますか、公社式に改めんとするような感じがするのであります。株式会社の形態を保っておりながら、実は実質的には民営から公営に移さんとするというふうな感じを受けるのでございますが、それは修正いたされましたといたしましても、何だかそういうふうな感じがいたしますので、そうなっていきますと、民営の妙味は喪失されてしまいます。そういうようなことになると、将来のわが国の航空事業の発達にもゆゆしい悪影響を起すことになってきますので、この場合、左記のごとき付帯決議をいたしまして、修正案に賛成いたします。 付帯決議を朗読いたします。 付帯決議案 政府は、今回日本航空株式会社法 の一部を改正し、わが国航空事業の 助成を図るとともに、その監督を強 化せんとするが、競争激甚なる国際 航空業界に伍し、わが国航空事業の 確立発展を期するためには、本法制 定の基本原則たる民営企業形態に則 るべきことを妥当とするが故に、経 営面に於ける干渉が過重される傾向 をたどることはさくべきである。殊 にわが国国際航空の将来は発展の余 地大であり、従って資本額の増加も 期待せらるる際、政府の監督如何に よっては民営企業意慾と出資を阻害 する事態を生ずる惧がある。よって、 政府は本法施行に当っては民営企業 形態の本旨を尊重するよう特段の配 慮をなすべきである。 右決議する。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御発言ございませんか。
○小酒井義男君 私は衆議院から修正送付されましたものに賛成をいたしますが、ただ、一言政府に対して希望を述べておきます。 日本航空株式会社は、設立以来、年年政府の出資も増加をいたしておるのが現状であります。とかく、日航の会社の経営については、世上批判のあるところでもありますので、この機会に日本航空株式会社の経営の責任制を一つ確立すること、そうして一日も早く独立採算のとれるところの経理の自立をはかるということに対して、政府の特段の指導育成をされるよう、要望をいたしておきます。 なお、ただいま仁田委員より提出されました決議案について、意見を述べて賛成をいたします。この決議の趣旨に対しては賛成でございますが、ただ、この決議された内容が曲解されてはいけないと思いますので、一言触れておきたいと思いますが、政府がこの民営企業体に対して不当な干渉をするということは、これは避けなければならぬと思います。しかし、出資をし補助金を出しておるという建前上、当然適正なところの監視を続けてゆくことは、政府としての責任があると思うのです。そういう意味に理解して、そうして私はこの決議に賛成をいたします。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御発言ございませんか。ーーほかに御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案すなわち、衆議院修正通り、可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤シヅエ君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、討論中に述べられました仁田委員提出の付帯決議案を議題といたします。仁田委員提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(加藤シヅエ君) 全会一致と認めます。よって仁田委員提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、同第七十二条による報告書の作成、その他自後の手続は、慣例により、これを委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(加藤シヅエ君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 それから本案を可とされた方は、順次御署名を願います。 多数意見者署名 仁田 竹一 早川 愼一 木島 虎藏 岡田 信次 川村 松助 黒川 武雄 一松 政二 井野 碩哉 三木與吉郎 内村 清次 大倉 精一 小酒井義男 三浦 義男 平林 太一
○国務大臣(三木武夫君) 酷暑の折から、連日御審議を賜わり、日本航空株式会社法の一部を改正する法律案が修正可決を見ました御努力に、敬意を表します。 なお、付帯決議案あるいは討論の機会に述べられました御趣旨に沿うて、今後日本航空株式会社の監督の任に当ってゆきたいと考えております。
○委員長(加藤シヅエ君) 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十五分散会 —————・—————