運輸委員会 第21号
- 発言数
- 79 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/06/28
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) これより運輸委員会を開会いたします。 まず請願に関する件を議題といたします。 速記をとめて下さい。 午後一時四十四分速記中止 —————・————— 午後三時十五分速記開始
○委員長(加藤シヅエ君) 速記を起して下さい。 運輸一般事情に関する調査を議題といたします。 造船問題に関し、質疑のある方は順次御発言を願います。
○片岡文重君 私はこの際第十一次の造船計画について、またそれに関連をして、大臣に少しお尋ねしたいのですが、十一次の造船計画は大体いつごろ発表されるお見込みですか。
○国務大臣(三木武夫君) 今、造船合理化審議会で小委員会をやっておるわけです。これも近く答申が出ると思いますので、予算の成立とも相まって、できる限りこれは早くいたしたい。今大きな計画は、大体小委員会の結論で固まりかかっているのです。しかし予算もまだ成立をいたしておらぬわけでありますから、予算の成立後、すみやかに十一次計画造船の大きな計画というものは発表したいと思っております。
○片岡文重君 今、小委員会にかかっておるとすれば、一応政府からの案というものは当然それにかけられていると思うのですが、その中で油送船は大体どういう計画でやっておられるのか。タンカーです。
○国務大臣(三木武夫君) タンカーは、大体五万四千トン程度のタンカーを作りたいと、こう考えておるわけでございますが、しかしそれも、今タンカーは傾向として大型化しているのです。大型のタンカーも建造を考慮すべきであるという意見も相当強いわけでございますが、一体大型船を何隻作るかというようなことは、ただいま小委員会で検討を加えられておりますから、その結果を見まして結論を出したい、こう考えております。
○片岡文重君 大型タンカーの建造をするということについては、きまっておりますか。それもまだ未定ですか。
○国務大臣(三木武夫君) 大体大型タンカーの建造をしたいと考えております。
○片岡文重君 そうすると、大型タンカーの建造はしたいと考えておるというので、まだきまっておらないというのですが、最近におけるタンカー界の世界的な情勢からいって、すでに在来型のタンカーでは今後のタンカー業は非常に困難になってくるという見通しが多いようでありますが、大臣はこの点、まだ大型タンカーを作ろうと考えておる程度のお考えなんですか。それとも、その情勢が必ず作らなければならないというところへきておると考えられるのですか。どちらですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは今小委員会に諮問をしておるわけですから、その結論も、これはもうこちらの方で全部きめてしまっておるならば、諮問をするということも意味が乏しいわけなんです。小委員会の結論等も拝見いたしまして、したいと考えておるわけでございます。 そして今お話しのように、大体現在の世界のタンカーは、大型とまあ普通のタンカーとは九対一くらいで、やはり大型のタンカーというものは一ぐらいですが、最近の造船所に注文をしておる状態から見ると、六対四くらいになっておるのです。だいぶ大型化しておる傾向が見られます。これはやはり世界的な傾向ですが、それならば、日本の場合は全部これから大型でなければならぬかというと、これはやはり埠頭の設備も要りますし、またどこへでも大型タンカーが寄港できるというわけでもない。日本でもごく限られた港しか大型タンカーは入りませんから、そういうふうな一つの埠頭の設備、水深、輸送の量、こういうものからして、全部日本の場合に大型化していかなければならぬという結論は出ないと思いますが、傾向としてはそういう世界的傾向が出てきておるということは認めざるを得ないと思います。
○片岡文重君 現在まで、第十次までの造船計画に従ってなされた国の財政資金、これの総額は一体どのくらいになっておるのですか。
○政府委員(粟澤一男君) ただいま全体の数字を持っておらないのですが、五次以降で一千百三十億となっております。これは当初融資額でございます。なお、五次以前は金額はだいぶ少うございますので、これにあまりたくさん加える数字はないかと思います。 なお、後ほど調べて申し上げます。
○片岡文重君 私は一千百三十億という金では足らないと思うのですが、詳しくはまた後に調べてからということで、一応この金額についてはさらに御報告を求めますが、この十次までになされた国家の財政資金の回収率といいますか、すでに回収された金額、それから回収の状況、こういう点。
○政府委員(粟澤一男君) おそれ入りますが、今資料を持ってきておりません。すぐに取り寄せますから、少しお待ちになっていただきたいと思います。
○片岡文重君 それでは資料を取り寄せる際に、タンカーの関係でどのくらい融資されており、またどの程度に利子補給がなされており、どの程度に回収されておるかということも御調査いただきたいと思います。 ここで大臣に単刀直入にお伺いするのですが、新聞等によりますると、丸善石油が自己資金によってこの際、スーパー・タンカーの建造の許可を運輸省に申請すべく計画をしておられる。そしてさらに、それに大臣としては許可の内諾をされておるということが伝えられておりますけれども、その通りに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) これは何も内諾を与えておりません。この事情は、御承知のように、丸善石油がバンク・オフ・アメリカから三百ドルの外資を導入して、タンカーを作りたい。そのタンカーはタンカー業者にオペレートさして、従来外国船でやっておる、運んでおるタンカーをその船にかえたい、こういうことで、外資委員会において三百ドルの外資を導入して差しつかえないという、外資委員会をパスはしておりますが、建造の許可を申請しておるということはまだございません。
○片岡文重君 内諾も与えておらない、申請もしておらないということでありますと、一応この問題についての海運界に与える影響はなくなってきたかのように考えられますけれども、しかし聞くところによると、すでに丸善石油においては、この外資を入れて船の建造に、工事には着手しないかもしれませんが、すでに建造計画に着手しておる、しかも建造する船会社もきまっておるということですが、これは御存じありませんか。
○国務大臣(三木武夫君) これは外資委員会に書類を出しますときに、どこで作るかというようなことは全部出さなければなりませんから、着手というのは、やはりこれは建造許可を得なければできない。書類を出すのに、どこで作るか、幾らで作るかということは、外資委員会に出す書類の中にきめなければならぬことになっておるからであると思います。
○片岡文重君 そうすると、外資委員会でもすでに許可をされておる。それで、従って外資もすでに入っておると考えられますが、当然そうなれば、丸善によって自家用タンカーが作られるということはもう明らかになっておりますが、その点はそう理解してよろしいですか。
○国務大臣(三木武夫君) こういうことになっております。外資委員会をパスしまして、これは運輸大臣の認可が要ります。それから今度は、臨時船舶建造法によって建造の許可が要る。そういうことでございますから、今すぐ外資が入ってきておる、外資を持っているわけじゃないのであります。建造の許可があって初めてやはり建造資金が要るわけであります。今は何も金が入ってきておるわけじゃないのであります。
○片岡文重君 それは結局、何といいますか、手続の上ではおっしゃられるようなことにはなりますが、実際問題としては、すでに外資委員会で許可されて、そうして建造の計画も進められておるということであれば、当然その工事は進むものと考えざるを得ない。その進んでいく場合に、これだけの大きな仕事をするのですから、全然不許可になるという見通しで、少くとも不許可になるかもしれない、許可されないかもしれないというような見通しでは、こういう仕事には着手できないと思うのであります。当然許可されるという見通しがついたからこの仕事に丸善は乗りかかったと思うのですが、その点については大臣は全然関知しませんか。
○国務大臣(三木武夫君) これは御承知のように、先般、去年大協石油が同じような条件で外貨を入れて、タンカーを作ったのであります。その前にも、出光興産がやはりこういうケースがあるわけであります。従来なかったケースではないのでございます。しかし、これは当然にやはり運輸省の認可が必要でありますから、今片岡さんの御指摘のように、もう工事が始められるというような性質のものではない。認可を受けましてから、そうしてから建造に取りかかるべきものであります。そういう意味において、そういう先例等があってこれは許可せられるという見通しを持ったかどうか知りませんが、運輸省に関する限りは、一切の書類の手続は今後に残されておるわけでございます。
○片岡文重君 くどいようですが、申請の書類も出ておらない、従って許可するかしないかは今後の問題であるということでありますけれども、この臨時船舶建造促進法ですか、何かそういう法律がありました。この法律に基いて申請がなされた場合に、その法律に違背をすれば別ですけれども、そうでなければ、大臣としては許可することになると思うが、その場合に、この法律の解釈をいかに解釈するかというところに問題がかかってくると思う。現在の……。
○一松政二君 ちょっと一つだけ、関連質問させて下さいませんか。今の外資委員会にかかっている問題、長くかかりません。 外資委員会の問題に関連して、ちょっと質問申し上げたいのですが、外資委員会に正式に書類を出して、外資委員会は認可しておるということでございますが、認可しておるのでございますか。
○国務大臣(三木武夫君) 外資委員会はパスしまして、そうしてあれの書類というものは今度は、外資委員会をパスしましたものを運輸大臣が、運輸大臣と大蔵大臣との共管になっていますね、それを判をつきまして、そうしてその外資委員会から答申案が出るわけです。それを、認可の手続には運輸大臣、大蔵大臣が判をついて、それが日銀に行くという、そういう手続になっておるのでございます。まだ運輸大臣、大蔵大臣のそういう決裁は済んでいない、こういう状態であります。
○一松政二君 その際に、外資委員会に、そういう船に関する外資のことでございますから、運輸省から委員に加わっているかいないか。いないとすれば、運輸省に対して外資委員会から何かの諮問をされやしないか。その二点について伺いたい。
○国務大臣(三木武夫君) これは、運輸省からは外資委員会の審議の委員にはなっていない。幹事会というのがあって、幹事会には出ている。幹事会では、運輸省としてこれを拒否すべき理由もございませんでしたから、一切差しつかえないという答弁をしておるわけでございます。 それから、なぜ今私がまだ認可していないのかというと、いろいろこの問題が御意見等もございまして、いろいろタンカー業界に与える影響等も非常に考慮しなければならぬということで、私が決裁をしていないのでございます。手続としては今申し上げた通りでございます。
○一松政二君 わかりましたから、私はもうそれ以上は片岡さんにまかせて、手続上の運輸省のとっておる態度はわかりましたから、その点は、あとはまた他日にいたします。
○片岡文重君 申請はまだなされておらないという話ですが、もし申請がなされたときには、しからば大臣はこれに許可を与えるおつもりですか。
○国務大臣(三木武夫君) 今検討しておるのですが、こういう点なんです、日本のタンカーが、六十万トンぐらい今あるでしょう。しかし今後やはり十八万トンぐらいのタンカーというものは、戦時標準型で、もう四年もすればなくなってくる。三十万トンくらい六カ年計画で作りたい。ところが、三十万トンを作りましても、油の輸入の七割ぐらいは日本船によれるという計画が六ヵ年計画であります。現在はどれくらいになっておりますか、五、六割の程度見込んでおるわけであります。従って、タンカーを急速に日本船によって拡充したい、そうして外貨の節約をはかりたいという経済自立上の要請はあるわけであります。しかも、外資の導入も普通の融資条件で、格別悪い条件でなしに普通の条件で外資が入ってきて、それで外貨が節約をされるということは、経済の目立の上からいったら、これは歓迎されるべきことなんです。ところが、私が慎重を期したいということは、これが一つの日本のタンカー業界に、まあ一そうぐらいの問題で非常な影響とも思いますまいが、次々にこういう形になってきて、どういう影響がタンカー業界に起ってくるか。いろいろな点で今後の海運政策ともにらみ合せて、慎重にこの問題を検討したいということで、ただいま検討を加えておるわけであります。そういういろいろな点から、二つの、いわゆる経済自立の上からいったらこれは願わしいことだ。しかし、タンカー業界の育成という点からいったらこれは多少の影響があると、こういう点で、よくこの点を勘案をいたしまして、これは慎重に処理しなければならぬというので今検討を加えている。タンカー業者とも、この間代表者に来てもらって、いろいろ意見を徴しておる。こういう今検討を加えておる最中でございます。
○片岡文重君 慎重に検討を加えておられるという態度、まことにけっこうですが、すでに申請がされてからならともかくとして、いまだ申請もなされないうちに、すでにそれだけの検討を加えておられるということであれば、その検討を加えなければならないという事態にすでに立ち至っておると私は考えるのですが、そういう慎重に検討をしなければならないという状態は、どういうところから判断されておるわけですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは外資委員会が先例がないわけではないので、先般も先例があって、そういうことで、行政の公平という面からすれば、これはやはり運輸省が無下に拒否すべき性質のものではない、性質としては。外貨の節約ということを目標にしておるのでありますから、外国船で運んでおるものだけをこの船によって運ぶのだということを一つの計画として、これは日本の国際収支の改善に役立つ、そういう見地からも外資委員会はパスしたわけであります。そこで、これは一つの具体的な問題になってきた。しかしこれは運輸省として、海運政策全般の問題から、ただ外資の導入という問題ばかりでなく、海運政策全般の問題としてこれは慎重に検討しなければならぬ。いろいろな意見も起ってきておりますから、そういう点でこれは慎重に検討すべき題目に上ってきたわけでございます。
○片岡文重君 先ほど大臣のお話では、丸善で一隻ぐらい作っても、その一隻ぐらいのことによってそう大した影響を与えないであろうと考えるかもしれないというお話でしたが、これはそうではありません。私どもはむしろ、この丸善のスーパー・タンカー一隻が与える影響をきわめて重視しておりまするので、御質問申し上げておるわけですが、すでに国から投資されておる財政資金の回収率が、今お尋ねしたところでは、多くはないけれども、しかし、その回収率がきわめて悪いということは、もうどの程度かという数字の問題だけであって、回収率の悪いということについては、これはどなたも周知しておられるところであります。この財政資金の回収率が悪いということは、とりもなおさず、その船主がそれだけの利益をあげておらない。少くとも責任を果し得るほどに利益をあげておらないというところに問題があると思うんですが、そこで、この丸善によってさらに外資を入れて、このワク外で船を作った場合に現在財政資金を返すこともできないような状態にあるタンカー業者が、一そうその打撃を受けるということについては、お考えになりませんか。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはり外資委員会等にも、丸善自身の計画の中に、今まで日本船で運んでおる油、日本船をチャーターしておる油はこれによっては運ばない、外国船をチャーターしている部分にこれを回すということで、日本のタンカー業者に対してこういうことによって甚大な影響を与えることはしないというような書類が出ております。まあこれはしかし多少の影響はあるでしょう。そういうことで影響はあるんですが、もし日本の経済というものがよその国のような経済であれば、外国から金を借りてきて自分で船を作りたいというんですから、これは拒否すべき理由はないんですが、底の浅い日本経済ですから、それは片岡さん御指摘のように、いろいろ心配は起ってくるわけです。こういう点で、今申したように、影響というものをどの程度に見るかということにも検討を加えておるわけです。しかし、いまだにやはりタンカーが足りなくて、外国の船をチャーターしてドルを払っておるのでありますから、現在もまだ日本のタンカーの船腹量というものが必要なだけ確保されていないという状態も、影響力を考える場合に考えなければならぬ材料の一つである、こう思うのでございます。
○片岡文重君 外国船によって運ばれておる分だけに割り込んでいくということであり、かつ外国から借り受けた資本によってやっていくのだから、日本の在来のタンカー業者に影響を与えることはないというような御意見のようですけれども……。
○国務大臣(三木武夫君) ないというよりも、やはり影響力というものが全然ないわけでもないでしょう。どの程度に一体この場合あるものであるかということを、検討を加えておるわけです。
○片岡文重君 少くとも、全然ないとは言わぬまでも、大臣としては心配するほどの影響はないとお考えになっておることは、今の御答弁から察せられます。しかし結局、御承知のように、在来型のタンカーだけでほとんど日本の業者はやっておる。そこでスーパー・タンカーというようなものを建造してやるということになれば、当然輸送コストの割安から、丸善石油の利益というものは、少くともその石油の販売価格を下げない限り、現状でいく限りはさらに高利潤になってくる。そういうことになれば、ほかの石油業者もやはり同じような方法をとってやっていくということになって、必然的に国で財政融資をしておるところの日本のタンカー業者に甚大な影響を与えると思う。少くとも、壊滅的な影響を与えるような結果にならないとは、断言し切れないと思います。そういうことについて、もしそうなった場合に、現在ですら財政資金に対する回収率が悪いというのに、これ以上そのタンカー業者の営業成績を痛めつけていって、この回収率を悪くしていった場合に、一体国に与える損害に対して大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 今までも、出光興産が船を作ったんです。三、四件例がある。その場合にも、片岡委員がおっしゃるような、そんな打撃というものを与えたという例はない。しかし問題は、こういうことで次ぎ次ぎこういうことが起ってきたらどうするか。まだこれから財政資金でも投資して、六カ年計画で三十万トン作らなければならぬ。それでもまだ石油の七割しか運べない。しかもその中には十八万トンというものは三、四年の間に作らなければ使えぬようになっておるということで、タンカーの船腹量からいうと不足しているのですから、これは余っておればそういうような御議論は成り立ちますが、不足しておるのですから、壊滅的な打撃を与えるということはないわけです。どの程度の影響を与えるかということについては、検討を加えたいと思います。しかし、これがタンカー業者に非常な不利益を与えて財政資金が支払えぬようになる、そういうふうな打撃を与えるとは私たちは考にておらない。この影響がどこにあるかということについても調査をいたしております。
○片岡文重君 在来作られておった例はあったとしても、今回のようなこととは事情が私は少し違うと思うのですが、それはそれとして、現在タンカー業者が苦しい営業状態におかれておるということは、御承知のように、一つには、やはり石油業者の不当な、という言葉を使っていいかどうかわかりませんけれども、非営に安い料金をもって輸送さしておるというところにも原因はあるわけです。ですから、現在でもすでに低利潤にあえいでおるわけです。そこでさらに、こういう資本力を持つ会社が次ぎ次ぎと大型のタンカーを作って、そうしてタンカー界に割り込んで来るということになれば、これは影響を受けるのは当りまえじゃないでしょうか。軽くお考えになるような事態じゃ私なかろうと思う。それについて、大臣は今後どうしても、現在外資委員会で許可されておる程度のものについては、一応外資委員会ですでに許可もしておるのだから、この分だけでも許可していくというようなことになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) その方針はきめておりません。外資委員会の意見を尊重したいと思っておりますから、それは今申したように、これは慎重に私は取り扱いたいということで、慎重な検討を加えておるのであります。今御指摘のようなにとに決定をいたしておるわけではございません。
○片岡文重君 許可に決定をされてしまってからでは事態がおそいので、されないうちに一つお尋ねしておくわけですけれども、今この臨時船舶建造調整法ですか、これについては、おそらく許可をされることになるか、あるいは不許可を決定されるということになるでありましょう。そのほかには別にないと思うのでありますけれども、この法律の許可の基準になるところということになれば、この当該船舶の建造によってわが国の国際海運の健全な発達に支障を及ぼすおそれのないこと、これが基準の一つになっております。今までの大臣の御意見を伺っておると、この丸善石油によるスーパー・タンカーの建造は、格別日本の海運に影響を与えない、少くとも不利な影響を与えないのだというようにお考えになっておられるようですけれども、この場合に対してだけでも許可をすべきであるというふうに考えますか。
○国務大臣(三木武夫君) これは今言いよったような、どういう影響を次ぎ次ぎに——こういうことから起ってくる事態がどの程度にあるのかということも検討しなければなりませんし、そういうことでただいま検討を加えておるのでございます。今申し上げたように、これは結論を今持っておるわけではない。慎重にこれは検討を加えておる最中でございます。
○片岡文重君 どうも慎重に検討中の一点張りで、具体的に、私どもには少し納得のいく具体的なお考えが伺い得ないのは非常に残念ですけれども、少くとも丸善にだけ許可された場合に、他の会社から続々として申請が出るであろうというようなことについては、お考えになりませんか。
○国務大臣(三木武夫君) それを今、そういううわさもございますから、調査しております。どれだけの、これはとにかくただで作れるものではないのでありますから、自己資金でありますから、そうむやみにこれは計画ができるものではない。そういうことが具体化するようなどういうふうなやはりことになってきておるか、そういう計画が、具体的な計画があるか、またあるとしたらどのくらいあるのか、ということもこれはただいま調査をしておるわけであります。こういうことも勘案して考えなければならぬ一つの材料でございます。
○片岡文重君 現在投融資されておる財政資金の回収率を好転させていくために、少くとも今日の状況を改善していくために、大臣は何か手を打たなければならぬというようなことはお考えになりませんか。
○国務大臣(三木武夫君) 今御承知のように、タンカーが不足しているのですね、日本の状態からいうと。私はやはり今日タンカーを、船腹をある程度確保しなければならない。前から払っているのですからね、今運んできておるその石油の四、五割のものは外貨を払っているのですから、これを私はできる限り日本船で運べるように船腹を確保する。また一面において、タンカー業界の健全なる発展を考えていかなければならぬということでございますが、何と申しましても、これはある程度の船腹を確保しなければならぬことと、また石油業者とタンカー業者との関係ということもどうあるべきか。世界ではまあ石油業者がタンカーの三割ぐらいの船は持っているようでございますが、こういうこともこれは検討を加えなければならぬ問題の一つである、こう考えております。
○片岡文重君 どうも、私の提起する問題をことごとく検討の条件に加えなければならぬというお話で、私のお伺いしているのは、検討を加えなければならない点だと思うからお伺いしておるのであって、その検討を加えられる条件について、大臣としてはいかにお考えになっておられるか、どういう対策を考えておられるかということを私お伺いしたわけです。今の財政資金の回収について、少くとも今日非常に、何といいますか、まずい状態に置かれておる。これをやはり計画通り回収していくということは必要だと思う。そのためにはやはり、その投融資を受けておる業者が他の圧迫を受けないで、現在よりも不利な状態に置かれないような援護を講じてやることも、国家の立場として当然ではなかろうかと考えます。しかるに、今ここでそのワク外の船を作らせて、そして格安のコストをもってこの輸送業界に割り込ませるということになれば、在来の業者は大きな影響を受けるということは当然であります。影響を受ければ、現在の回収率はさらに悪化するということも当然です。従って、国家に対する一そうの損害を与えてゆくということもこれは必至になってくる。そういう場合に、運輸大臣としては慎重に検討を加えてゆくということだけで、これをいかにして改善してゆくかという具体的な策をお持ちにならぬということは、許されないでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 今出てきているケースに対しては、いろいろ今御指摘のようなことが検討すべき材料になるわけであります。またタンカー業界の将来については、これはやはり海運政策の上から申しましても、これはいろいろな問題があると思います。これはやはり普通の定期船の問題以上に独得な問題があるのです、タンカーには。こういう点で、われわれはタンカー業を育成していきたいという考えで、こういう点については今申したように、何と申してもある程度の船腹量を確保しなければなりませんので、船腹量の確保と健全なタンカー業の育成ということについて今まで努力をしてきているわけでございます。こういう問題とも関連してこの問題も処理していきたい、こう考えている次第でございます。
○片岡文重君 どうも具体的なお考えが聞かれないので、私は結論的に何か得たいと考えているのですけれども、このままの状態で、大臣は慎重に検討を加えるの一点張りで、この丸善から出されるであろうところの許可申請に対して全然、方策と申しますか、対策も持たずに臨まれるお考えですか。
○国務大臣(三木武夫君) 対策を持たずに臨むならば結論は早いのであります。しかし、いろいろな角度からこの問題を検討を加えて、そしてこれが納得のいくようなやはりいろいろの検討を加えたり、いろいろな意見も徴したりいたしまして、納得のゆく条件のもとでなければ私はこの問題に対して結論はならないそういう慎重な態度をとりたいとこう考えているのであります。今、先ほども申し上げましたように、いろいろな点でこの問題についての影響力というものの検討を加え、業界の人も私自身呼んでいろいろ意見も徴しているのでありますから、片岡さん、結論をずばりと言えと、こういう御希望かもしれませんが、実際問題として、今申しましたようなそういうことをいろいろ検討を加えるためのいろいろな手続をやっているわけでございますから、御希望のようにずばりとここで結論が出ておらないので、今日ずばりと申し上げられない。という事情は、御了察を願いたいと思っております。
○片岡文重君 慎重に検討を加えられてその結論を出したいというお考えは、ごもっともです。しかし、すでに外資委員会に対して申請がされている以上は、当然運輸省に対して許可申請があるべきはずだと思う。従って、これに対していつの日にかイエスかノーかの裁断を下さなければなりません。しかも、今まで私がお尋ねしている数々の疑問に対しては、いずれも、これは慎重に検討中であると。しかし、すでにあなたの、今目の前であなたの、何といいますか、スタッフである局長は、肝心の財政資金の回収率の現状をすらここでは答弁し得ない。それでどの程度にこれが総額財政資金として出されているのかということも、明確にはなっておらない。たまたま、これはその資料をここに持ち合せになっておらないということでしょうけれども、少くとも大臣としてはこの問題に対しては、慎重に検討をせられておられるというのならば、その程度のことはやはりアウト・ラインでも持っていなければならないはずだということになれば、これはほんの一事だと思うけれども、少くとも現に慎重に検討を加えておるその過程にあるとは、私考えられない。やはり一定の時をかせいでいるというふうに考えられるのです。けれども、一体しからば、この申請が出たら、どのくらいの期間をもって許可されるつもりか。
○国務大臣(三木武夫君) 今申したように、これは時をかせいでいるわけではありません。現にいろいろな、手続と申しますか、検討を加える具体的なことを調査をしたり、意見を聞いたりしておるのでありまして、そういうことで、いつまでに結論が出るかという時間は限っておりませんけれども、これは決して時間をかせぐためにそうするのではなくて、これはやはり大きな日本の将来の一つの問題ということで、この問題を慎重にいろいろ調査検討を加えでいるのだということを、額面通りお取り願いたいのでございます。
○片岡文重君 同じことを繰り返し言うのですけれども、慎重に検討を加えておるという、その具体的な検討内容というものは、一つも今あなたからは今日提示されておらない。しかも、私の提起した疑問については、これまた具体的な案をお持ちになっておらない。それで許可の申請がなされて大体どのくらいの期間をもってこたえるかということは、むしろお答えできないのは私は当然だろうと思うけれども、しかし事態は現に進行しておるものと考えられるわけです。その進行しておる事態に対して、大臣はなおこのまま慎重に検討ということだけでいくということは、当然その時をかせいでいる、しかも申請が出れば一気にこれを片づけていくということになるのじゃないですか。
○国務大臣(三木武夫君) これはまだ外資委員会の認可が、これは私のところに答申が回ってきて、それを認可するのでありますが、その認可に当って、認可が出て、それからまた臨時船舶建造法によって建造の許可が出るのでありまして、段階として幾つもの段階があるわけでございます。そういうことで、何も進行しておると、進行すべき状態ではない。 検討を加えている材料についてはどういうことかというのですが、一つにはタンカー業界の将来の影響ということで、つい四、五日前もタンカー業界の役員の諸君にも来てもらって、そして腹蔵ない意見を承わりました。あるいはまた、ほかの石油業界にこういう計画が具体的に一つあるものかどうか。あるとすれば、どの程度の計画があるかということについて、海運当局で調査を命じておるわけであります。ただ抽象的に言っているわけでございませんで、そういうことを申し上げているわけであります。内閣としても、これは経済閣僚としても、いろいろこれを、議題を提供しておるわけであります。そういうことで、いろいろ具体的に慎重にやっておるという内容の点にも、今までの答弁の中に多少触れて申し上げたつもりでおったわけであります。
○片岡文重君 外資委員会でまだ認可をしておらないとおっしゃるけれども、二十七日にこれはもうすでに許可されているでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) これは外資委員会を通りまして、答申が運輸大臣と大蔵大臣に来るのですよ。その答申を運輸大臣と大蔵大臣が認可しまして、これで手続が完了ということになるわけです。
○片岡文重君 それはあなたのおっしゃるのは結局、法的な形式上の手続なんですけれども、こういう問題がその形式上の手続が済まないからといって、安心して——安心という言葉は何だが、とにかくどちらのものになるかわからないという性質のものでは少くともないわけです。やはり外資委員会にそもそもそれが提出される以前に、当然渡るべきところには渡って、その内諾を得るなり、あるいは意向を打診するなりしてあるはずです。しかし、それをあなたはさっきされておらないと言われたけれども、これはどう考えてみても、そういうことは要するに実業界の常識なんですね。これはかりに私が事業を興すにしても、当然そういう手続はとる。従って、その将来の見通しが立ったからこの手続は進められておるわけです。ですから、ここでもって、まだ外資委員会から答申が来ないから何とかということでこれを遷延させておくとか、あるいは来ないことになるかもしれぬというようなことではない。当然これは来るものと考えて、そのときのイエスかノーかの態度はきまっておるはずである。特に世上ではすでに内諾は与えられておるということが流布されておるのですから、これに対してもし内諾をされておらないというのなら、この際許可はできないというようなことをはっきりと私は言うべきだと思う、あなたへの疑惑を解くためにも。しかし、それが慎重に検討中という一点張りで、何ら具体的な策が考えられていないで時をかせいでおるというところに、私としては納得のいかないところがあるのです。
○国務大臣(三木武夫君) これは時をかせいでおるわけではないのでして、外資委員会には幹事会がありまして、これがやはり今までの前例もございますし、特別そのこと自体は事務的に考えて不都合なことではないのでありますから、これは運輸省として拒否すべき理由はないという意見を述べておるのであります。しかし、それは外資委員会の正式のメンバーではないのですよ。幹事会です。しかし、運輸大臣はいつもの過程を通じて海運政策上これを検討する事由は持っておるわけでありますから、これは十分に慎重な検討を加えていきたい。 慎重なということは一つにはこういうことかというと、一体このタンカーは日本船を圧迫しないのだ、チャーターしておる外国の船だけを、これをこれに置きかえて外貨を節約するのだということが、一つの条件のようにされておるわけであります。これもこの点はよく調べて、そういうことの調査もしなければならぬ。それからあるいはこれを運営さすのは、自分がやらないでタンカー業者にやらすのだ、そういう形態というものが、実際問題としては、これは具体化した場合にそういうことが事実上どういう影響を与えるであろうかということですね。それからまた、ほかの石油業者が次々こうやれば、これも今までに何そうもそういう形で許可しておるところに、行政の公平上からいって、一がいにもうだめだと言えないものがある。そうなってくると、今後こういう石油業者が自分のタンカーを持ちたいという希望、そして具体的の計画というものは一体どのくらいあるのかということも、これはタンカー業界の将来の影響のために、非常に調べなければならぬ問題であります。そういうこととか、あるいはタンカー業界自身のいろいろな問題、この間もタンカー業界の役員の諸君が来まして、そうしてこれはプロテストをしに来たのじゃないので、いろいろわれわれの方でも検討する時間をもらいたいというようなお話でありました、業界の人の。これならば、多少の時間もかさなければならぬ。そういうことで、片岡さんに申し上げたいのは、これは何も時間をかせぐとかかせがぬという問題じゃなしに、日本の海運業のためにこれはいろいろ問題があるわけですから、そういう点で検討を加えておるわけです。これは単に運輸大臣のみならず、やはり通産大臣、大蔵大臣、経審長官とも、この問題を私は議題にしておるわけでありまして、こういうことでございますので、これは慎重な態度で臨んでいきたい、こう考えておることを御了承願いたいのであります。
○片岡文重君 それでは大臣としては、これは申請を出されたならば、一体許可するか不許可にするかという結論を出すまでに、大体どのくらいの期間を必要としますか。
○国務大臣(三木武夫君) これは申し上げた方が希望に沿うのでしょうけれども、これは期限を切って、なかなかこういうことは、今言ったように、いろいろ検討する材料というものが幾つもあるわけですから、ちょっとここで期限を切れ、お前の結論が出るのはいつであるという期限を切ることは、かえってやはりそれが期限通りにいかなかった場合には、私もあなたに責任を感じますし、期限を切って何日間に結論が出るのだということをここで申し上げることは適当でないのじゃないか、こう思うのでございます。できるだげ早く結論を出したいと思っております。しかし、何日間というような一つの期限を切って申し上げることは、このことの性質上適当でないのじゃないか、こう思っております。
○片岡文重君 では、大臣は現在の心境としては、一体許可をする方に重点をおいておるのか、不許可の方に重点をおいておるのか、その点はどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは今言ったように、業界自身の意見は尊重したいと思っておりますよ。しかし一面におきまして、運輸大臣としては日本の海運業のいろいろな影響力ということは、大きな運輸行政の立場でありますから、白か黒かとこう言われますと、今はその結論を出すことについていろいろ調査検討しておるのだというお答えをするよりほかにない。白か黒か、こう言ってみろ。結論が出ておれば、調査はもちろんその必要もないのでありまして、そういう状態であることを御了承願いたいと思います。
○片岡文重君 なかなか大臣はやはり答弁がお上手で、少しも結論をつかませないので、はなはだ私としても不満にたえないのですけれども、とにかくこのタンカー一そうが建造されることによって業界に与える影響も甚大でありましょう。つまりこの一そうがもたらす直接の利益よりも、むしろそれによって引き起される影響が非常に大きなものになると私は考えます。その結果、私のおそれるのは、せっかく政府が造船計画を立てて、そうして将来六ヵ年計画も作られて、それによって今日財政資金も投資してやってきておられる。それが今日非常に回収の率が悪い。今後この回収率の悪い状態がさらに悪化していく見通しが、このスーパー・タンカー一そうを許可することによって、さらに拍車をかけられることは、いろいろの点から検討してみて、大臣がその立場においていろいろ検討されると同じように、私どもは国会議員としての立場からいろいろな資料をもって検討してみた結果、今申し上げたような結果になって参りました。そこで今この質問となったわけですが、日本の海運の将来に与える影響はきわめて甚大だと思いまするので、この問題を許可するかいなかは、そうしてまた将来いろいろな例を残します。少くとも悪例になると私は考える。そこで、一そうこの問題は慎重にしていかなければならない、そう考えまするので、この問題を申請されて許可を与える前には、その許可をするかしないかの結論を出される前に、少くともこの委員会に、経過報告といいますか、というようなことをなされるようなお考えはありませんか。
○国務大臣(三木武夫君) できるだけ御希望に沿いたい、できる限り御希望に沿いたいと思っております。
○片岡文重君 少し何といいますか、念を入れ過ぎるかもしれませんが、できるかぎり報告したいということは、どういう意味でしようか。
○国務大臣(三木武夫君) 片岡さんがいろいろ経過の報告をせよということでありますから、でき得る限り御希望に沿うように計らいたいと思っておりますということであります。
○片岡文重君 今日の大臣の答弁は、私はきわめて不満です。しかし、結局はこれは慎重に検討するということを続けるだけですから、一応打ち切って、後の機会にまたあらためて質問することがあるかもしれません。留保しておきます。
○政府委員(粟澤一男君) 先ほど御質問のありました計画造船の融資額が、貸付元高で千百三十億と申し上げましたが、千三十七億でございます。
○片岡文重君 それは五次以降ですか。
○政府委員(粟澤一男君) 全部。
○片岡文重君 全部で、十次までですね。
○政府委員(粟澤一男君) ええ。
○片岡文重君 十次までに千三十七億……。
○政府委員(粟澤一男君) 現在の残高が千十四億。
○片岡文重君 そうすると、十四億しか回収できないということですか。
○政府委員(粟澤一男君) 千三十七億ですから、二十三億回収でございます。
○片岡文重君 二十三億しか回収できない。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御質疑ございませんか。 ちょっと速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○委員長(加藤シヅエ君) 速記を始めて下さい。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————