運輸委員会 第16号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/06/10
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) では、ただいまから運輸委員会を開会いたします。 最初に、運輸一般事情に関する調査を議題といたします。そのうちの日本国有鉄道の昭和三十年度の予算に関する件を議題といたします。 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○内村清次君 それでは、運輸大臣がまだ御出席がございませんから、先般の運輸委員会での委員長に対しまする要求に対しましての予算の問題に対してはあと回しにいたしまして、国鉄総裁に国鉄予算関係について御質問を申し上げます。 総裁は就任と同時に国鉄予算を総体的に御検討なさって、その新しい方針を打ち立てておられると私は思いますが、そのうちできょう総裁に御質問申し上げたいことは、この企業の実体になっておりまする職員の給与の問題、同時に、また労務の管理の問題、この点を総裁にお尋ねしたいのです。これは端的に申し上げますと、これは新総裁にも私一度委員会を通じまして申し上げたことがございますが、公社に移行いたしましてから公共企業体の労働関係の諸法律が決定をいたしまして、この労働関係の諸法律の目的とするところは、平和的に公共の企業体における労使の紛争を最大の努力を傾倒して当事者はこれに対しては解決をしていく、これがその目的になっておるのです。そこで、現在その国鉄の職員関係におきまする給与の問題に対しましても、あるいは定員の問題というような労働条件、これを通じまして残された問題が私はたくさんあると思うのです。この点に対しましては総裁といたしまして、まずその新総裁の方針の中の重要な問題として、どういうふうなウェイトで取り上げられておるか、この点を私はまずお尋ねしたいのです。
○説明員(十河信二君) 前回でしたか、前々回でしたか、私から申し上げたと思いますが、私は、今日の国鉄は施設は老朽化し、職員はへとへとに疲れ切っておる、こういう状態で事故をなくするということは非常に困難なことであります。そこで、でき得る限りすみやかにこの老朽化した施設を改善し、また職員に対しても十分な給与その他勤務のできるようにいたしたい。これが何よりも事故をなくする前提条件ではないか、そう考えまして、自分自身どうしたらいいかということに今苦慮いたしておるような次第であります。今お話しの通り、私はこの点に最も重きを置いて今後研究し、計画を立てて参りたいと考えております。
○内村清次君 そのお気持は私たちも了といたします。その気持で、具体的な問題に対しまして、新総裁は一つ善処していただきたい。同時に、具体的な問題を申しますると、今回の予算内容におきましても、決定いたしておりまするところの役職員の給与数字というものが、これが九百六十八億と、こういうような数字が出ております。この給与の中におきまして、すでに公共企業体の中央調停委員会からも九月には一つのあっせん案が出ておりまするし、それから十二月には調停案というものが示されておるのです。この中を見てみますると、確かにまあ国鉄の職員の職別におけるところのいわゆる職分の給与の調整をしなければならない、あるいはこれを是正してそうして各職間におけるところの給与の適正な配分をやっていかなければならぬということは重要な問題です。これが、先ほど総裁が言われましたように、能率の増進にもなりましょうし、事故の防止にもなってくるわけでございまして、私がいわゆる国鉄総裁の大家族主義の問題を聞きました際におきましても、やはり職責に対するところの心がまえ、また家庭も通じました心がまえというもの、そういう問題も、給与の問題からも私は影響してくるということを申し上げたのは、そうでございます。これに対しまして、国鉄の方では早急にこれを解決せなくてはならないところの一つの義務条項であろうと私たちは考えておるのです。これをこの予算計画の中におきましてどういうふうに解決をしていかれるというお見通しであるか、この点を少し具体的に一つお話しを願いたい。
○説明員(十河信二君) 私はまだ具体的にお答えいたすだけの知識を持っておりませんで、はなはだ相済みませんが、私といたしましては、ただ自分の気持だけを申し上げて、具体的のお答えは経理局長からいたさせることにいたしたいと存じます。 今お話のように、国鉄の職員は、他の公共企業体に比較しても、非常に重い責任をしょわされておるのです。貴重な生命財産を預かっておるのですから、従って、同じ時間勤務しても、その肉体、その精神を消耗すること、他の職員よりか一段と私は多いことと思うのです。ところが、どうも世の中が民主主義になった結果ですか、いわゆる水平運動というようなものがだんだん盛んになって参りまして、一面においては、給与の総額を押えられて、国鉄総裁は手も足も出ないという状態になっております。他面においては、水平運動が旺盛で、差別待遇をするということを許されないというふうな状態になっておって、この点で私は非常に困るのじゃないか。従来の総裁も、いろいろやりたいと思っておることもできないで、困っていたのじやないか。そこで、私は何かここに幾分でもゆとりをつけていただいて、総裁として何かそういうあんばいをすることのできるようなゆとりがなくちゃ、どうも、自分としてはどうすることもできないじゃないかということを私は心配いたしております。そういうふうな若干ゆとりを与えて下さって、手足を幾分か緩めて下さることを、実は当初からお願いしておるような次第でございます。さよう御了承をいただきたいと思います。
○説明員(井上正忠君) 昨年の秋に調停委員会から、国鉄の職員の職種のアンバランスを是正せよといういわゆる職分調整の給与の改善案が出たのであります。それで、いろいろこちらで相談いたしまして、調停委員会のおっしゃる点、ごもっともな点が多々ございますので、さっそくお受けしたような次第であります。ただ、内村先生御承知のように、国鉄の職員の職種というものが非常にたくさんございます。大ざっぱにいいましても、二百種類ぐらいございます、もっとも、分析いたしますと、何千種類という職種になります。それからもう一つ、組合が国労に機労と二つに分れております。その点で、一律のベース・アップであればこれは事務上簡単なんでありますが、この問題がペース・アップでなくって職種間のアンバランスを調整するということに主眼点がございますので、職種間につきましてどういう職種を引上げようか、どういう職種に重点をおいて引上げようかというような問題につきまして、再三組合と当局と案を持ち寄りまして、もう数十回にわたる委員会を現在まで行なっておるんでございます。ところが、一対一の関係で申しますと、割合にその間に話合いがつきますのですが、二つの組合と当局案と三つの案で、なかなかここに話合いがつかない。一方において、すでに昨年度の調停案でありまするので、われわれとしては非常に義務を感じております。そういうことで、二十九年度の分といたしましては、三月に一応概算払いをいたしたようなわけであります。で、本年度分について今後の問題が残っておるわけでありますが、目下その職種間の両組合と当局との調整、いわゆるどの職種に重点を置いて上げるかという点について案を固めつつある最中でありまして、もうつい最近の間に、三者の間の大体の、一応の具体的な姿が出てくるのじゃないか、こういうふうに存じております。
○内村清次君 まあ、前段におきます総裁の御答弁は、確かに国鉄の職員の特異性と申しますか、この点はやはり強調してもらいませんと、あのような危険職にありますし、事故が直ちに国民の生活と生命に関係します重要な職責を持っておりまするからして、この点は十分新総裁も特異性を強調してもらいたいと思うんです。現実の状況といたしましては、これは給与ベースの問題に対しましても、はっきりと公務員関係や他公社関係の点に対しましても、決して国鉄の公社の職員の給与は、まあ特異性が十分認められておるということは言われません。確かに言われませんが、この点を一つ新総裁もお考え願いたいと思います。と同時に、先ほど言われましたような、余裕を持ったところの給与の総額を、総裁権限におきまして、時々の労務管理の面に対して御使用ができるような方法に対しましても、やはりこれはぜひとも国鉄総裁として御努力をすべきではないかと私たちは考えております。 ところがですね、ただいま井上職員局長が申されましたこの職分の調整の問題で、大体の推移はわかりましたが、しかし簡単に労組の中において——まあ当局の苦心も私は考えます。そういうような二つの組合がありましょうし、たくさんの職種別がございますからして、それは御苦心は十分認めますけれども、そう簡単に妥結ができるだろうかということに対しまして、非常に心配しておるんです。近い将来に妥結するとおっしゃるんですけれども、私たちが聞いた範囲内におきましては、その職分調整の基礎になりまする金額の面においてはですね、相当の開きがまだあるように考えておるんですね。 で、私が今日お尋ねしたいことはですね、一体当局は、もちろんこれは組合との間におきましての折衝もありましょうからして、十分その間における微妙な、御答弁しにくい点もあろうかとは思うんですけれども、一体先ほど言われましたような、他公務員あるいは他公社というような給与の問題を考えつつも、どういうようなこの基礎的な財源を振り向けられておるかどうか、この点だけは私ははっきりここにしていただかないと、これは委員会といたしましては、従来国鉄の紛争問題に対しましても、やはり委員会の責務といたしましても、委員の一人といたしましても、相当心配しておる関係もございまするからして、この点だけは一つでき得るだけの答弁範囲内において答弁をしていただきたいと思います。
○説明員(井上正忠君) ただいまの御質問ごもっともであります。で、実はこの点につきまして、私の至らない点もありまして、実はまだ総裁にも詳細を御報告いたしておらないし、私としましてはやはり両組合があって、幾らの金が出るかということも大事な問題だと思いますが、お互いの組合に金の取りっこが起ってはいかぬというような少し心配もあるわけであります。そういう意味から申しまして、できるだけ両組合とわれわれ当局側を入れまして、ここで十分な話し合いをいたしまして、どの職種、あるいは年齢層、あるいは経験年数の層のところで、今の国鉄の職員の給与がどの辺が一番ほかに比べて劣っているか、どの辺に力のウェイトをつけていこうか。せめて、二百種の職種の一つ一つとまで行きませんでも、どの辺の年齢層あるいはどの辺の経験年数のところ、そういうところにウエイトをおこうというような線だけは見つけたいと思うわけでございます。そういう事務的な一応折衝をやりました上で、金額の、幾ばくが出せるか、これは目下の国鉄財政のワクの中に閉じ込められている問題もありますので、この金額のワクにつきましては、いずれ総裁初めわれわれの幹部の会議で決定していただきたいと思っているわけでございます。
○内村清次君 で、これは私も含みのある言葉で質問いたしているのですけれども、ただいまの御答弁ではさっぱり先の見通しというものはわからないのです。これはどうせやはり懸案の問題でありましょうし、公共企業体の調停委員会からの調停主文あたりの両者のこれを了解されました見地からいたしましても、私は機関に対しましてもこういう状態では相済まないような状態ではなかろうか。もちろんこれはやはり予算の決定もございましょうから、三十年度の予算の決定もございましょうからして、その時期は一応わかるのです。わかるのですけれども、すでにこの調停の主文が決定をいたしましたときから半年以上もこした問題です。しかも数十回にわたるところの交渉がなされておりますけれども、両者におきましても、今のような状態では、雲をつかむような状態です。私はこういう状態を長く続けていることこそが大きな事故の原因になりはせぬかと思っているんです、心理的には。だから、そういうことは端的に、その財源はどれくらい考えていらっしゃるか。こちらから具体的に申し上げますと、大体何号俸ぐらいの調整をアップしてそうしてお考えになっているかどうか、そういうことあたりはもう言われるだろうと思うんです。で、あなたの方でわずかに二百円程度だとか、三百円程度だとかというような数字でなくして、大体どれくらいのお話し合いをやっていらっしゃるかどうかということだけは、もうはっきりしてるんだろうと思うんですがね。
○説明員(井上正忠君) もちろん、この問題は全従業員に関係する問題でもありますので、あまり時間を長くおくべき性質のものではないと私たちも考えております。ただ、この問題はある程度まで技術的の内容を相当含んでおります。また事務的の内容を相当含んでおります。少くとも両組合の私たちは御協力を得たい。もちろん、多々ますます弁ずという性質のものではあるかもわかりませんが、職種のアンバランスを調整するというふうにわれわれ観念いたしておりますので、できるだけ両組合の御了解を得て、ここで穏やかな方向に持っていきたいという気持が非常に強いのであります。しかし、これも時間的の問題もございますと思いますので、大体私はここしばらくの間——今まで組合の方も忙しかったようでありますが、ここしばらくの間で、私は大体事務的、技術的な方向はきまるんじゃないか、こういうふうに考えております。 それからもう一つ、金額を早く出したらいいじゃないか、こういうお話でございますが、それもその通りであろうかとは思いますが、大体今のところ、金額の問題では、組合とわれわれの方とで非常に差がある。組合は一人一月千円ないし千三百円という線が、両組合とも出ている。しかしこの問題は、一応国鉄の現在の財政のワクの中でという一つ大きな前提がついてございます。そういうことで、あの当時ちょうど電電と専売と国鉄と三つ大体同趣旨の調停が出たように記憶いたしておりますが、すでに電電と専売ではあの調停案の趣旨を実行された。その経過から見ますと、大体われわれとしては千円、千三百円というあれは、国鉄自体の立場から申しますと、なかなかむずかしい問題でもありますし、また職種間のアンバランス調整という意味からいいましても、電電、専売あたりの様子を聞きますと、大体二、三百円一人使っておられるようでありますが、大体私たちもその程度のところじゃないかという見当をつけておりますが、しかしこの点はもう少し事務的技術的な問題の観念を——もう少し、先ほど述べましたような三者の統一的な一つの方向だけは先に見つけなければならぬ問題だと、こう存じております。
○内村清次君 そこで、私はこれはもう端的に申し上げますが、調停の主文の中の第一項に対しましては、これは職員給与の——労働の質、量等を是正していかなければならぬ。これに対しましては、大体どれくらいの調整分というものを考えられておるか。第二項のいわゆる昇給率の圧縮により生じたところの不合理の是正という問題に対しましては、これはどれくらいに考えられておるか。私ここを聞きたいのです。この点の答弁、できますか。
○説明員(井上正忠君) 国鉄の給与が全体的に決してよくないという姿は、ただいま総裁も申し上げました通りでありますが、しかしこの問題は歴史のあることでございまして、一気になかなかできにくい。われわれとしましては、まず第一に、やはり国鉄の財政が強くなるということが、一番大事な基本の問題でもありますし、それからまた鉄道職員の勤務内容とかというものも、もう少しわれわれとして分析していかなければならぬ問題も残されているわけであります。しかしまあよくいたそうという気持は、決して他に劣っているわけではないと信ずるわけであります。 ただいまの、昇給に幾らさいているか、それから今度の給与改訂に幾らさいているか、これは結局総裁に最後に御相談申し上げなければならぬ問題だと思うのでありますが、はかりの量ばかりのようなものでありまして、使える金というものは国鉄の一つの財政のワクの中に縛られていると先ほど申し上げましたが、どちらかに重きを置きますと片方が軽くなるというような性質のものでありまして、そういう点で、今ここで昇給に幾らさいているか、給与改善に幾らさいているということを、具体的に申し上げられません。まだ総裁にも実は御相談申し上げていないものですから、申し上げられないことをはなはだ残念に存じます。
○内村清次君 総裁、一つ聞いておっていただきたいと思いますね。これは早く決定すべきです。ただ、ここで私は申し上げたいことは、その当事者でありますところの職員局長が、これは給与局長との関連性もありましょうし、同時に、総裁の御方針——総裁の御方針は先ほど、具体的ではないのですけれども、大体の方針は聞いた。問題は、ただ今回三十年度の予算の給与の面におけるところの予算計画の中でこれを解決していこうとすれば、だれでもできることです。しかし私はこの問題はやはり、総裁が言われたような考え方をそこに含ませないと、この禍根というものは決して芟除できない、こう私は言いたい。だからして、この予算計画の中をずっと項目別に見ましても、一体これは給与局長でも、この予算定員とそれから現給与ベースの問題を勘案しつつ、しかも職群の給与の是正をやっていく、それに対するところの予算の額、これを決定なさる上については、先ほど言いました通り、ただ給与総額だけでは私たちはどうしてもいかない。具体的に言いましたならば、やはり物品関係の予算の節約の問題も加味しつつ、また諸慣行を検討しつつ、ここに英断を持ったお考え方で解決をなさらないと、私は解決の曙光というものは非常に困難ではないか、こう思っておるのです。これに対しまして、なかなか具体的な数字をあげてと言っても、御答弁がないようですが、この点は総裁といたしましてはただいまどう考えておりますか。
○説明員(十河信二君) 先刻も申し上げました通り、今職員局長からお聞き下すった通り、私まだ具体的の話は聞いておりませんので、ちょっと今ここで具体的にこうしたらよかろうとか、こうするつもりだとかということの答弁はいたしかねますので、その点はどうぞあしからず御了承を願いたいと思います。御質問の趣旨は私も十分了承いたしておりますので、でき得る限り御趣旨に沿うように早く解決をいたしたいと存じております。
○委員長(加藤シヅエ君) 内村委員に申し上げますが、三木運輸大臣は衆議院の方にも呼ばれていらっしゃいますので、もしできましたら、運輸大臣の質問を先に回していただければ大へん都合がいいのですが。
○内村清次君 それでは関連的にやります。総裁にお尋ねいたしますが、これは運輸大臣とも関連があるのですが、今回すでに国鉄の労組の方では、もちろんその当面の問題といたしましては、夏季におけるところのいわゆる手当問題から、実力的な行使がなされつつあるのです。で、この問題の中に含まっております問題は、ただ夏季手当だけではないはずです。私の申しておりますところの新賃金の要求の問題も、関連的に入っているつもりです。そこで私は早く一つ関係者からお聞きになって、そうしてもう処断をすべき時期ではなかろうか、こういう点を、新賃金の問題に対しまする調整の問題、それは私が今日総裁に申していることです。 と同時に、それでは、この実力行使に入っておりますところの組合との紛争の調整を解決して、夏季手当の問題のみを取り上げてもけっこうでございますが、どういうふうな措置をもって御解決なさろうとしておられますか。
○国務大臣(三木武夫君) 私がお答えした方が適当だと思いますが、それは政府の方といたしましても、こういう問題で無用な紛争を長く続けていくことは本意でない。そこで政府の態度を早急にきめたいということで、きょうの閣議にも問題になったのですけれども、まだきょうは結論に達しなかった。夏季手当としては、これはもう予算にも計上しておりませんし、夏季手当をふやすというわけにはいかない。しかし、何か方法があるかということについて検討を加えておるわけでございますが、早急に解決をいたしまして、それがためにどういうふうになるか、解決をしないために起る無用の紛争を避けていく、早く解決したいということで、鋭意努力をいたしておる次第であります。
○内村清次君 そうしますと、大臣は、もちろんそれは夏季手当の率というものは予算計画の中に一応入っております。入っておりますが、要求いたしておるのは大体一カ月分のようです。そこで〇・二五の補足をどうやってやっていくかというのが、これが閣議の新方針を決定する一番の要素であろうと思うのですが、これは承わりますれば、まあ年末の繰り上げ支給でやるような口ぶりもあろうし、その他超過勤務手当の増額で何かやりくりをしていこうという御方針もありましょうが、この点はどういう御方針を大体おとりになるのですか。まだ御決定なさらないと言われても、これは新聞ではその方向というものは一応察しておりまするが。
○国務大臣(三木武夫君) 今御指摘のような、いろいろ方法論につきましても、まだ原則論についても問題があり、いろいろこれは実際問題として予算がないのでありますから、夏季手当ということでふやすことにはいかない。年末からといったところで、まだ予算も通っていないから、非常にめんどうな問題があるためにいろいろな方法論をひっくるめて、あるいは夏季手当そのものについてこれをどういうふうに処理していくか、またどういう方法論があるかということを検討いたしておるのであります。なかなかこれは方法としてむずかしいと思います。そのためにこういう方法で今検討しておるのだということを、ちょっとこの席上で申し上げることは、これははばかるのです。検討を加えておる、早急にこの問題を解決したいというのが政府の意図であるというふうに、御了承を願いたいと思います。
○内村清次君 その解決をしたいという気持は、それはよくわかりますが、〇・七五ではどうしてもいかないということだけははっきりいたしておりますが、この点も政府の方ではプラスをするというような方法で解決をするということに了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(三木武夫君) まだそこまで——ここで〇・七五は、それ以上にプラス・アルファするのだということを、ちょっとここで言い切りますことは、閣議で……。これは御存知のように、関連をいたしますから、国鉄なら国鉄、運輸省なら運輸省ということならば、いろいろ申し上げるのももう少し申し方があろうと思いますが、これは各省、あるいは公共企業体、あるいは各行政官庁、それぞれ関連性がございますから、まだ閣議でそういうことの決定のない先に、運輸大臣がこれをもう〇・七五以上に出すということで考えておるのだということを申し上げることは、少し運輸大臣の答弁としては行き過ぎになりますので、いろいろ検討しておるのだと、今御指摘のこともひっくるめて検討しておるのだということで、一つ御了承を願いたいと思うのであります。
○内村清次君 せっかく御解決なさるならば、やはり争議が拡大しない前にこれはもうやっていただかないと、吉田内閣の轍を蹈まないように、ぜひ一つ考えていただきたいと思うのです。 そこで、実はこの前の委員会のときに、大臣は御出席がなかった関係で、問題が残っておったわけです。というのは、今回の自民の政策協定によりまして、予算の妥結がなされた。こういうような二百十五億の予算増になった。その中に、国鉄関係にあるところの四十五億の問題が出てきたわけです。そこで総裁に聞いてみますると、総裁はいわゆる鉄道公債の問題に対しましても、この肩がわりしたところの四十五億の消化、もちろんこれは五億は建設費の問題でしょうが、こういう消化が非常に困難があるんだというような考え方です。で、運輸大臣は当然閣僚の一人としてそれをお引き受けになった形にこれはなるはずですから、現在では政府の方では、政府が責任を負うて、そうしてその経緯についても答弁をするというようなこともはっきり言っておりますから、その間の経緯を運輸大臣としてここにお示し願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) いきさつは、御承知のように、自民で共同修正をして、それで閣議に諮られたわけであります。私とすれば、内村さん御承知のように、去年も百二十億の目標で九十二億ぐらいしか消化していなかったと思うのであります。そのために、なかなかそういうことを財源にするということに私自身は不安を持ったわけであります。そこで、閣議においてもこの消化に対して政府の保証を求めたわけであります、政府に。大蔵大臣は、責任を持って消化に協力をする。そうでないと、これが消化できぬということになれば、鉄道のまあいろいろ、事故も頻発しておるし、施設の老朽化、いろいろ問題があるときに、この資金計画に何十億円もの狂いが来るということは、私自身としても非常な責任になるわけであります。念を押したのでありますが、その消化に責任を負うという何ですから、いろいろ方法論については、今こうするのだということは申し上げられないけれども、責任を負うという大蔵大臣の言明がございましたので、私はあの修正に同意をいたしたのでございます。
○内村清次君 で、この責任を負うということが、これは私も衆議院の予算委員会を見まして、そういう発言をして、まず優先的にこれを消化するという発言は聞いておりますけれども、しかし、これは関係監督大臣といたしましては、大蔵大臣の、閣内全体の気持からいえばよくわかりますけれども、どういう責任をお負いになるか。あるいはほんとうに、これは国鉄の総裁関係において御心配がなされないように、政府の方において消化の見通し、あるいはまた消化し切れなかったときには、どういう方法でこれを責任をお負いになるかということを、もう少し聞かせていただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 大蔵大臣の見通しとしては、消化が可能である、この公社債に対して消化が可能であるという見通しを持っておるようです。むろん、それが消化の状態が悪い場合には、資金的に別にそれが手違いを起さないようにやろうということが、全責任を負うという言葉の内容だと思うのであります。これで政府自体が国鉄に対して、手違いを、資金的に不消化によって混乱を起さないという責任を別に与えておるというのでありますから、この点については、私はいろいろ内村委員の御心配はごもっともでございますけれども、政府が責任を負うというわけでございますから、これはいろんな場合を考えて、適宜の処置をとるということに一つ御安心を願いたいと思うのであります。
○内村清次君 そうすると、これは運輸大臣も同じ考え方だと、こう認めてよろしゅうございますね。——そうすると、河野政務次官が、最後は日銀が引き受けますと、こういう発言もやっておりますが、これも同様なことでございますね。
○国務大臣(三木武夫君) 政務次官がどういうふうに答弁をしたか存じませんが、これは少し、私も政務次官に閣議の模様をそのまま話してございませんでしたから、話さない前にそういう答弁になったと思うのですが、それは日銀が引き受けますというようなことを、閣議でそういう話があったわけではないのであります。方法論についてはこれは別として、責任を持つということで、日銀でこれが消化できない場合には引き受けるというような話が取りかわされておるのではないので、あるいはその点は事実にちょっと違う点もございます。そういう話が取りかわされていないのであります。とにかく、そういう場合にはあらゆる方法論は考究して、国鉄の資金計画にそごを来たさないということが閣議の了解になっておるわけでございます。具体的に、日銀が引き受けるというようなことはなかったのでございます。
○内村清次君 この点は、衆議院の運輸委員会で、はっきりと速記録につけて、取りかわされておる問題です。問題は、衆議院の問題が直に解決するだろうと思うのですけれども、やはり同じ衆参の国会の、しかもまた運輸委員会で、そこまで政務次官が言明をいたしておりますることが、運輸大臣のただいまのお言葉とは幾らか食い違っておると。しかしながら、運輸大臣は総括的な責任は政府で引き受けますと、こういうようなお話ですけれども、具体的な問題で少し違っておるようでございますからして、私たち少し心配になっておりますけれども、この点は、われわれが心配のないようにはっきりとした責任を持っていただきたいと思います。 ただ、ちょっと一点、ここに、これは石井国鉄の経理局長も委員会で言明しておるようですが、二億三千七百万円の経費が増加するのだと。これは相当なものですね、今回の肩がわりの問題で。この経費の増加というものは、これはどうやって消化いたしますか。国鉄の負債関係、いわゆる経費の増関係になってくる問題ですが、これはうかつではないでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) これは今の数字が二億という、それは経理局長から……。
○説明員(石井昭正君) お答え申し上げます。借入金を四十五億公社債に振りかえまして、別に新線建設の経費を増額するために五億円だけ、預金部資金から借入金を五億つけていただいた。その結果といたしまして、五億に対しますところの利子がこれは当然増加いたします。それから振りかわりました四十五億に対しますところの利子の差が若干ございます。それから公債になりますと額面発行ではございませんので、公募債は九十八円で、百円につき二円ずつ発行の差損がございます。これはやはり経費で一応補填しなければなりません。それと、公募債につきましては、証券会社等に手数料を支払わなければなりません。で、こういう費用が全部で差引二億三千七百万円になるわけでございます。これだけは経費が増加いたしまして、その増加分は結局、損益勘定から資本勘定へ繰り入れる分を減らしましたので、従いまして、当初の政府の提出の予算案に比較いたしますと、事業の経営に必要な経営費についてはこれは一銭の変更もございません。利子が二億三千七百万円——利子及び債務の取扱いの諸費として二億三千七百万円、これが原案よりふえることになりました。逆に、資本勘定への繰り入れが同額だけ減ったことになります。で、その分だけ減りまして、結局、損益勘定では収支の合計は狂っていないわけでございます。 そういたしますると、どうなりますかと申しますと、結局、資本勘定の収入の方で、損益から回って参ります自己資金つまり自己資金が二億三千七百万円減ったわけであります。それでその額に見合うだけ資本充当の見積りをふやしたわけであります。これはいわゆる不用施設の売却収入、これをふやしまして、資本勘定の総額といたしましては、いわゆる新線建設の分として増加されました五億円が予算原案よりふえた、こういう格好になっておるわけでございます。
○内村清次君 結局、この点は資産勘定の上からふえたと、こういっておりますけれども、やはりこれは窮屈な、やはり負債関係が増加したと——負債になるかどうか知りませんけれども、そういうような形になったことは事実ですね。 これでは運輸大臣、この妥結が何のための妥結かということに、その効果に私は非常に疑いを感ずるのです。この政治的な妥結はですね。これはそうお考えじゃないですか、運輸大臣は。ここまで影響するということはお考えでなかったはずだと思いますが、どうですか。これは算入に入れてありますか。
○国務大臣(三木武夫君) いや、御承知のように、まあ予算通過ということで、御承知のような少数与党でございますために、必ずしも原案で何もかも通るという国会の勢力でない。ある程度のこれは妥協はやむを得ない与党勢力であります。そういう点で、でき得べくんば運輸大臣としては国鉄に、こういう形で国鉄がいずれにしても金利の負担になることは、二億数千万の負担増になるという事実でありますが、必ずしも好ましいものではございませんけれども、全体として与党が少数で、予算を通過さすために妥協をこういう形でしたという大局の上からは、私も国務大臣として承認せざるを得なかったということでございます。
○小酒井義男君 大臣、そうすると、国鉄関係の予算が修正されたことは、少くとも国鉄関係に関する限りはこれは改悪されたのだ、前の方がよかったのだというふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、五億円ほど新線建設でふえておりますから、私として、この予算が修正をされ、しかもそれを閣議で了承しておる私として、前がよかったのだというような批評はちょっと(笑声)ここで御質問にお答えするのはいかがかと思います。事情はいろいろお察しを願いまして、(笑声)現在は閣議で修正案を了承をいたした私として、これはよい悪いというより、やむを得ざるもの、こう解釈いたしております。
○小酒井義男君 そういう御答弁よりないと思うのです。しかし五億ふえたからといって、片方国鉄の負担の方は二億だ。これは比較にならぬですね。金額として比較すべきウェイトじゃないと思うのです。そういう点で、私どもはこの予算修正によりて、国鉄が非常に不利益な条件が与えられて、少くとも国鉄関係の予算は前よりもへんなものになってしまったというふうに、私どもは思っておるのです。非常に国鉄はいろいろな面でこれから苦労されると思うのですが、大臣は公債の消化等については責任を持つという御答弁ですから、私どもはその消化が簡単にできると思っておりませんが、まあしばらく眺めることにしたいと思います。
○内村清次君 それでは、私が前の質問を継続することにいたします。ただ五億の予算の問題は、建設審議会で十分論議いたしますから、この点は一つお含みを願いたいと思います。 ただ、ここで一つ運輸大臣にも聞いていただかなければならない問題は、国鉄の予算定員問題ですが、これは昭和二十三年度六十一万の予算人員があって、これを指数一〇〇といたしますと、二十九年度で四十四万七千、これは七三%になっておるわけです。そこで三十年度の予算計画でも大体四十四万七千ということが数字に上っておりますが、私たちはこの定員のみでなくして、これを労働の量の問題と考えて、いわゆる業務量の増加の問題と考えてみますると、実際この一人当りの労働強化というものは、負担された業務量の増加というものは、これはもう驚くべきです、国鉄は。こういうパーセンテージは私は外国の労務管理の面にもないように考えます。そこで質問の中心点は、今国鉄も相当長期の欠勤者を抱いていらっしゃると思うのです。しかもまた、その欠勤者または休職者の、この鉄道の特殊病といいますか、結核病、これは過労から来た結核病が大半でございましょうが、全体と申してもよいと存じますが、こういう数字は一体どういうふうになっておるか、これをまず御答弁願いたいと思います。
○説明員(井上正忠君) 今はっきりした数字をここに持ち合せいたしておりませんが、大体休職者のほとんど大部分が、御指摘の通り結核患者でありますが、昨年あたりを頂点といたしまして漸減いたしております。一時一万五千くらいの休職者を持っておったと思いますが、それが最近一万三千くらいに減ってきております。しかしこれは地域的には全体が減っているという形でもございませんので、地域的にはまだやはりふえている所があるということで、そういうものに対する結核の対策、あるいは特に予防対策につきましては、大きな重点をかけてやっておるつもりでありますが、、大体の趨勢といたしましては、休職者の数は漸次減少しつつある、こういう数字になっております。
○内村清次君 まあ一万三千人を下らないところの休職者がおる。そこで今回休職者の給与の数字も大体二十三億八千六百万円を組んであるようですが、私が申したいことは、休職期間の延長、いわゆる日本国有鉄道法第三十条にありますところの休職の期間の問題です。これは他公社、いわゆる電電公社、それから会社、読売新聞社とか、三井化学、日本銀行、三井銀行、住友銀行、東海銀行、こういうような会社や他の公社の身分保障の期間、それから生活保障の問題、これを比較いたしてみますると、国鉄公社の方では身分保障の期間としては、これは病欠期間が三カ月、休職期間が三年、三年三カ月間です。一例をあげますると、電電公社の方では、身分保障期間としては、病欠期間が一年、それから休職期間が三年、そうして合計四年間の身分保障期間というものがあるのです。これを一般民間会社としては、住友銀行あたりは七年間、それから神戸銀行は八年間の身分保障期間を持っておるのです。こういった特異性のある業務に従事しておるところの職員が、しかも業務量の多い、個人負担の増加が世界的にもまれな職員が、病欠をいたし、しかもその病欠というのは結核です。こういうような者に対しましての身分保障期間というものが一番少い。こういう問題は、私たちはこれは人道の上からも、しかも進歩しつつあるところの労務管理の上からも、最悪な条件下にあるものであると考えるのです。これを総裁はどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。この点の御検討は済んでおるかどうか、またこれに対する御方針はどうお考えになっておるか、この点を一つ十分お聞かせを願いたいと思うのです。
○説明員(十河信二君) まだ私として検討は済んでおりません。しかしながら、今お話しのような事実は就職前にも私も伺っておりまして、いろいろ心配をいたしておりました。ただ私の聞いておりまする範囲では、結核の病棟もベッドがだんだんふえておる。それから予防等についてもいろいろと手当が漸次行き渡りつつあるというふうに聞いております。なお、今後も一そうそういう点に十分注意をし、さらに今御指摘のようなことも、でき得る限り、従業員の安心して執務できるようにしてやりたいと、こう念願いたしております。
○内村清次君 まあお気持はよくわかりますけれども、問題は、病気になって、その病気の回復をしますいわゆるその手当の問題ですね、また病院施設の問題、こういう問題はこれは十分総裁としては考えていただきたいのですけれども、問題は、法律と関連性のあるところのこの身分保障の問題、これを一体どうお考えになっておるか。これは特に危険職にある、あるいはまたは労働職にあるところの国鉄は、いやしくも他公社とは比較のできるような期間の法律改正はやはりこれは考えてもらわなくてはいかぬのではないかと思うのですが、その点はどうお考えでございますか。
○説明員(井上正忠君) お説の点、ごもっともでございます。ただ、今のお話の三年の休職というもの、これは組合とずいぶん話し合いをいたしまして、三年というきめをいたしたわけであります。これについては労働協約をいたしたわけでございます。それから後にまあ電電のような長いことも出てきましたが、今、内村先生長い方をおっしゃいましたが、全体的にはまあ国鉄がちょうどその中庸なところに来ているのじゃないか。公務員は若干国鉄よりも短いと記憶いたしております。 それからもう一つ、いろいろこの問題はなかなかデリケートな問題がございまして、三年の休職期間中にだんだん月給が減って参りますので、特に肺結核のような長い病気になりますと、精神療養をしたい、ここで一ぺん家事を整理したいというような具体的な事例もたくさん出て参ります。で、まあこれは三年で一応、そこでもう一ぺん振り返って家事整理をした方がいいのか、あるいは四年で家事整理をした方がいいのか、その辺は問題がたくさんございますと思いますが、一応だんだん休職期間の末期になりますと、月給は少くなってくる、手当は少くなってくる。全体の月給を渡しておりませんものですから、だんだん期限があとになりますと月給が減ってくる建前になっております。そういうようなことで、三年がいいか四年がいいかということにつきましては、労働組合ともその都度いろいろ相談して、あるいは若干延ばした方がいい場合には延ばした例もございます。例もございますが、大体のところ、組合の方と相談いたしまして、目下のところは一応原則として三年、その前に半年大体休んでから、それから三年ということで、通算いたしますと大体三年半休みきりというような状態になっておるのが現状でございます。
○内村清次君 この点は、これは井上職員局長も一つよく検討していただきたいと思うのですがね。と申しますのは、先ほど言われましたように、公務員の方、あるいはまた専売公社、あるいはまたはその他電電公社の、中庸くらいだという今お話ですけれども、公務員の方では病欠期間は一年、休職期間が三年でしょう。合計四年です。そして生活保障は、一年間に一〇〇%の給与をやって、その後二年間が八〇%だ。専売公社の方は、やはり病欠期間が一年、それから休職期間が三年、合計が四年です。そうすると、国鉄公社の方は病欠期間が三カ月と、これは職員局長は半年とおっしゃっていらっしゃるのですが、三カ月です。これはまあ公然としたものです。そして休職期間が三年でしょう。合計三年三カ月。そうして一年三カ月間が一〇〇%の給与、その後は八〇%と、こういうふうになっておりまして、電電公社は先ほど言いましたように、やはり公務員と一緒に、合計四年間の身分保障期間というものがあるのです。こういうふうで、国鉄の公社が一番悪いのですよ、条件は。この点は御検討になって、そうしてやはり関係運輸大臣や総裁を通じまして、法律の改正をするというような御努力をしていただかないと、それ以上に、業務の内容から比較いたしますると、これは公平な目から見ましても、国鉄の先ほど言いましたような一人当りの業務量というものは、非常に増加しておりますからして、こういう病気にかかりやすい。過労からくるかかりやすい業務量の内容であります以上は、法律面から保護してやるというお考え方をここに出していただきたい。私は希望すると同時に、この点を一つ御検討願いたいという、これは真剣なる訴えを申し上げておきます。
○委員長(加藤シヅエ君) 運輸大臣への質問はもうよろしゅうございますか。——ほかにございませんね。
○岡田信次君 私は経理局長に伺いたいのですが、国鉄がですね、この三十年度の予算を編成されるときに、一時運賃の値上げを考慮しておられた。そうすると、もし運賃の値上げができた場合には、この資金はどこに、現在提出されておる予算と比べまして、どこに充てられるか、その関係を伺いたい。
○説明員(石井昭正君) 大体、現在三十年度予算の編成に当りまして、国鉄としては資金の不足は約三百四十億ほどあるということで、これは何らかの財政措置、もちろん合理的な解決策としては、これは国鉄企業の立場から申し上げますれば、運賃の改正をお願いいたしたいということで、予算の要求の当初にはそういう数字を出しました。結局、これは何に充てられるかと申しますと、第一番目には減価償却費でございます。で、これは現在お手元にございます予算書には、資本勘定への繰り入れという格好で表示されておりますが、御覧を願えばわかりますように、昭和二十九年度の補正予算では、これは、三百二十億になっております。これは当初予算では、三百三十五億でございます。これはその後昨年中に起りました収入不足並びに災害の経費に充てるために、結局当初予定いたしました三百三十五億の資本勘定への繰り入れができなかったわけであります。で、これは減価償却を第一次再評価ベースでやっておりますが、これを第三次再評価ベースまで高めていただきたいということが一つでございます。そういたしますと、大体四百八十億ぐらいになります。第一次再評価ベースで三十年度を計算いたしますと、三百四十五億程度になります。かれこれ百四十億ほど不足をいたすかと思います。 このほかに減債基金として約六十億を見込んでいただきたいということを申し上げておったわけであります。で、これは毎年、過去におきましても約二百億ぐらいの債券並びに預金部からそういう資金の借り入れがございます。で、これが御承知のように、預金部の方は三年間据え置きまして、残り十二年間で均等償還いたすことになっております。それから債券の方はこれは約一年たってから若干ずつ抽せん償還をいたしますから、最終的には七年間で償還いたすことになります。そういうのを計算いたしますと、償還の額がここ二、三年は大したこともございません。四年、五年ごろあたりから非常な巨額に上って参るわけでございます。そういうものに対しまして、やはり減債基金制度を設けて経費の平準化をはかって参らなければ、企業会計として続けていくことができない。ある年には非常に巨額の借入金の返還を行わなければならないということになって参りますので、減債基金の設定をお願いしたわけでございます。それが大体六十億程度という予定でございます。 そのほか、経営費の方におきましては、毎年いろいろ年末に議論が起りますところの年末手当、これが予算面上、公務員は二カ月分でございますが、国鉄並びに公社は、ほかの公社も同様でございまするが、〇・二五カ月分減っております。これが非常にいろいろの問題を惹起いたしますし、で、これを増額する。あるいは災害が非常に最近多いのでございまして、その災害に対しまして非常に少い予備費を増額していただきたい。いろいろの要求があるわけでございます。 結局、そういうものが、運賃を改正するということができないために、これは解決を見送られたということに相なりまして、ただ資本勘定への繰り入れ、すなわち減価償却費の中で第一次評価ベース、今までの程度の額との差額は、これは一応預金部からの借入金を増加することによって埋め合せをしていただいたというような格好になっておる状況でございます。
○岡田信次君 そうすると、今ちょっと最後にお話があったのだけれども、もし運賃の改定をした場合に、資金運用部からの繰り入れ、鉄道債券が今のところ二百七十五億になっていますが、これが相当減るわけですか。
○説明員(石井昭正君) 相当減るというわけではございません。この中で、私どもは結局そういう数字のアンバランスから見て、政府の方でもし工事のスケールを、改良工事のスケールをもし現在組まれておる予算のままでおくとしたならば、結局そのために、減価償却費の不足に対して借入金をふやしたと言い得る分は三十億程度ではなかろうかと考えております。
○岡田信次君 次に修繕費が減っていますね、相当。減った修繕費の概略の内訳を、わかりましたら……。
○説明員(石井昭正君) これは補正予算との比較でございまして、実は昨年度の当初予算と比較いたしますと、修繕費はほとんど同額でございます。これはこういうふうに修繕費が補正予算に比較して減っておりますのは、補正予算では、昨年の災害のための経費を修繕費で支出した分をこの補正予算に盛ってあります、その差が出ております。スケールといたしましては、昨年度の当初予算に比較いたしますと、若干ふえているのではなかろうかと思っております。大体同額でございます。
○岡田信次君 そうすると、車両の修繕費とかあるいは枕木とかレールとかいうのは、昨年度とあまり大差はないのではないですか。むしろふえているということですか。
○説明員(石井昭正君) 大体昨年とほとんど大差ない。むしろものによりましては、価格の値下り等によって修繕の量をふやせるもの、一方鋼材等は若干上って参っておりますが、まあそういう点もございまするが、大体スケールとしては同じ程度の工事のスケールがやっていけるものと考えております。
○岡田信次君 今度は、この間の紫雲丸の事件ですね、あれの全体の損害といいますか、国鉄の負担はどのくらいになるのですか。
○説明員(石井昭正君) ただいまのところ、概算では約四億三千万円程度になるかと思っております。このうち、船の修理関係がやはり一億二、三千万円になるのではなかろうかと思っております。賠償関係が、これはまだきまっておりませんが、大体一億程度一応見込んでおる、そういうふうになっております。
○岡田信次君 そうすると、今の紫雲丸の賠償関係がだいぶ、国鉄の出している数字と相手方の要望している数字と、大きな差があるようですが、今の数字は国鉄の出された数字に基いた数字ですか。
○説明員(石井昭正君) 一応四億三千万円の積算の基礎は、私どもの方で予定いたしました、考えておりました数字でございます。
○委員長(加藤シヅエ君) ほかに御質疑はございませんか。
○高木正夫君 ちょっと、総裁にお伺い申し上げたいと思うのであります。総裁は御着任以来、着々具体的の構想を練っておられるようで、私ども大いに意を強ういたしておるわけでありますが、けさほどでしたか、きのうでしたか、新聞に出ておりましたような構想は、あれは本当でございましょうか。いろいろ新聞に、一等車を廃止するとか、三等の寝台を何するとか、いろいろ合理化と申しますか、そういうことが新聞に載っておったようですが、ある程度までそういうふうにお運びになつておるのでしょうか。どうか。
○説明員(十河信二君) 一等車寝台の利用率が非常に悪いものですから、これを改造して二等寝台車にしようということになっておるように思うのですが、新聞には何か少しそれ以上のことを書いてあったかと思いますが……。
○政府委員(植田純一君) その件につきましては、大体そういう方針になっております。つきましては後刻——今すぐでもいいわけですが、打ち合しておりますけれども、詳細につきまして御報告申し上げたいと思っております。衆議院の関係もありますので、今ちょっと打ち合しておりますから。
○高木正夫君 私どもあの新聞のことを見まして、大体まああれでいいのじゃないかというように賛意を表しておるわけですが、今監督局長のお話のように、一応お差しつかえがなければ、ある時期において御発表をいただいたらけっこうだと思うのです。 それからもう一つお伺いしておきたいと思いますのは、これは方針の問題であるわけですが、サービスの向上ということにつきまして、いろいろのこまかい点もありましょう。そのいうような点もありましょうが、大局から考えまして、ローカル線のサービス、これが今までのようなことでいいのかどうか。つまり私の申し上げるのは、実際の列車のユニットが大きくて、しかも運転士や何か非常に少い。それで地方の方では非常に不便を感じておるのみならず、国有鉄道の収支の上からいいましても、あまり芳ばしくないのじゃないかというように考えるわけです。これはまあたびたび、私従来からもお話をしてきたわけでありますが、今度の計画の重点に、つまりガソリン・カーとかこれに類するような、電化がもとより望ましいのでありますが、それまでに、単位が小さくて乗車回数が非常に多いようなそういうサービスを、ローカル線においてやっていたたきたい。それは相当強化してやっていただくことが必要じゃないかと、私見でありますが、そういうことを考えておるのですが、これについて総裁の御意見を一ぺん承わっておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 今高木さんのお話しの通りに、私も心得ております。私の伺っておるところでも、だんだんローカル線は、大きな列車よりか小さなディーゼル自動車とかあるいは気動車とかいうようなもので、むしろ回数を増して、経費はかけないで、国民にできるだけ御便宜をはかるようにという方針で進んでおるように伺っております。私自身ここでも申し上げましたが、国鉄を国民の国鉄にしたいということは、国鉄のサービスをできるだけ国民の皆様の御満足の行くように努力するということを、職員にも強調いたしておりますが、いろいろな制約がありますが、漸次サービスの改善をはかりたいと努力をいたして参りましたが、さよう御了承願います。
○高木正夫君 監督局長にお願いしますが、総裁の御方針がそういうことであれば、やがては実行も可能であると思うわけです。ついては今度いろいろ御発表いただく場合にも、これに関する具体的な数字なり計画なりをお示し願いたいと思う。 それからついでに、資料としてお願い申し上げておきます。それは今回の建設線で、この間大臣がお見えになったときに皆様からも御意見がありましたが、どの程度にどうなっておるかということをいつも頂戴するのですが、あまりラフなものなんでわからないのですが、二十一号の線について、最初の予定はどういう予定で、たとえば五カ年計画でやったのがこれだけ延びたとか、そういうようなことがわかるようなことでやっていただきたい。そういう情報を一つ、情報というか資料を頂戴したいと思う。
○政府委員(植田純一君) 承知いたしましたが、御要求の資料は、建設線が大体どの程度の工事の進捗状況になっておるかという資料を提出したいと、かように考えております。当初まあいつできる予定だったかという点につきましては、まあ考え方の問題でございますけれども、予算のきまるたびに大体計画を毎年改訂しているものでございます。まあ最近の工事がどの程度の進捗状況を示しておるかということでごらん願ったらいいのではないか。残りはどの程度のまだ資金が要るのであるか、従来どの程度の工事費を投入しまして、どの程度できて、今後まだどの程度の工事費が要るかというような資料を提出したい、かように考えております。
○高木正夫君 まあ大体それでもけっこうですが、当初の五カ年なら五カ年ということがわからなければいたし方がないと思うのです。なお今の取り上げておる二十三号、そのほかに請願というようなもので問題になっておる線ですね、それなんかも参考のために載せていただけば都合がいいと思います。
○政府委員(植田純一君) この二十三線以外に問題になっておるというお話の線は、いわゆる国会に請願のあった線であるとか、陳情のあった線であるとか、そういうふうな資料はございまするが、二十三号線のほかに非常に有力なというような御趣旨でありますと、なかなかピックアップも非常こ困難な状況であります。その点ちょっと資料としては出しにくいかと思います。
○高木正夫君 それはつまり、建設審議会ですか、そこに出されるような資料ぐらいはほしいと、こういう話なんですがね。二言で言えば、いつも頂戴するやつはちょっとほんの紙一枚くらいのはし切れで、わからないのですよ。もう少しわれわれはその方面の研究をさしていただきたいというのがお願いですが、もっと詳しい少くとも建設審議会ぐらいのものを、差しつかえない部分でけっこうですから……。そうでないと、私は一つも審議ができないとこう考えるわけです、それをどうぞ。
○政府委員(植田純一君) かしこまりました。
○一松政二君 監督局長からでも総裁からでもけっこうでございますが、この「図表が描く国鉄財政の現状」の中に、五十五頁ですか、ナンバー二十七になっておる「定期旅客の原価と運賃」で、定期旅客が原価が非常に高いにもかかわらず運賃が非常に安い、こうなっておる。この原価はどういう基礎に立って御計算になっておりますか。
○説明員(石井昭正君) 原価計算は、これは私の方まで原価計算のこまかな規則をきめておりますので、それに基いて実施しておるのでございますが、大体運送種別、旅客で申しますれば定期と定期外と分けまして、その一人キロ当りの原価を計算しております。定期旅客については、普通の旅客と違いまして、発着の関係の費用というものは普通の旅客よりも安いわけであります。そういう点は緩和いたしておりますし、定期旅客は定期の券面の、これは個人的に見ますと、実際には一往復以上される方もあります。しかし平均いたしますと、一日一往復というよりは実績が低いのであります。そういう修正も加えまして、人キロ当りの輸送費、それに一人当りの発着経費とを加えまして、計算しておるわけでございます。
○一松政二君 それだけで原価計算はできないだろうと思いますが、あの殺人的なラッシュ・アワーのあの輸送で、電車は五両か六両引っぱっているわけでしょう。あるいはもう少しつないでいるのもあるかもしれませんが、それに乗っている人は、定員の倍か定員の三倍以上も乗っていやしないかと思われるほどの混み方ですよ。それでいて、運転士も駅員も、一つも人数は変っていません。レールも普通のレールが敷かれているだけです。これを何によってそういう計算が出てくるか、そいつを一つ説明願いたい。
○説明員(石井昭正君) ただ、ここで抽象的にお答えいたしましても御納得を得にくいかと思いますので、お許しがございますれば、別に資料をもって御説明する機会を与えていただきたいと思うのであります。こまかに申しまして、結局、線路の上を旅客列車も走る、貨物列車も走っております。そういう場合につきましては、その上を走っておりますところの列車の数、車両の数によりまして、線路の保守の費用なり減価償却の費用なりを按分するわけであります。又その乗務員は、これは旅客列車を運転いたしております乗務員は旅客の経費になります。駅員のように、旅客関係ばかりでなくて、どちらともつかないというものにつきましては、またそれぞれの割賦の標準をきめて割賦をいたしております。そうして旅客の運送原価と貨物の運送原価を分けるのでございます。これは大体諸外国においても同様の方法で割賦する以外に原価計算の方法はないと思います。 結局、ただいまお話しのように非常に混雑をいたしておりますところの電車等は、たくさん乗っておられることは間違いないのでございまするが、しかしそのためにやはり車両を、通勤輸送のためには、定期輸送のためにはたくさん増備いたさなければなりません。その車輌の建設費用も、これを改修いたします減価償却費にいたしましても、またその車を収容いたしております車庫の経費というものも、すべて原価の中に入って参るわけでございます。非常に混雑しておりますときだけをごらんになれば、そういうようなお感じを持たれることもごもっともだとは思いまするが、しかし目に見えないところに非常に多くの費用がかさんでおりまして、これはどこの国でもそうでございまするが、通勤輸送、コミューターの輸送については原価を回収できない。普通の定期以外の旅客というものについては、持っている施設を循環的に流していけばそれで輸送ができるのでございます。コミューター輸送については、新しい設備を作り、車両も増備してやっていくというような状態でございますので、原価的にいうと、これははなはだバランスがとれないという結果になっておるのであります。もちろん、一人キロ当りの経費を比較いたしますと、定期外の方が定期旅客よりもはるかに高いことは事実でございます。収入率が全然違っておりますのでそういう結果になるわけでございます。
○一松政二君 もし定期旅客がこれほど、この表で示すごとく経費を償わないものであるならば、大都会の周辺は非常な赤字でなければならぬように考えるのですが、東京の近郊はほとんど黒字になっているのは、これは定期旅客でこれほどの損をしながら、人キロ当りにおいてこれほどの損をしながら、ほかのものによってカバーされるわけですか。
○説明員(石井昭正君) 今お尋ねがございました原価計算の問題でございますが、線区別の原価計算をやっておりますのには、実はこれはいろいろまた解明しなければならないという点もございます。と申しますのは、非常に古い施設を持っておりますところは結局、償却済みと申しますか、非常に価格の低い設備でもってやっている、まあこういうような結果になりますので、従って、ただいま申し上げました運送種別の原価計算と線区別の原価計算とお考え合せ願うと、非常に違っておるというようなお感じを持たれるのもごもっともかと思うのであります。まあしかし、そういう概括的にいえば、結局、大都市付近が収入をあげておりますのは、経費が償っておりますのは、定期外の旅客の原価とそうして収入とが非常に差がございまして、定期外の旅客について、率直にいえば、もうかっておるということが一番大きな原因ではなかろうかと思っております。
○一松政二君 私は今経理局長よりすぐお答え願わぬでもいいのです。願わぬでもいいが、それならば、東京の周辺における主な駅の定期旅客とそれから定期旅客外の人数の割合を一つ示していただきたい。ということは、私は国鉄のこういういろいろな表を見ると、運賃値上げをせざるべからず、これは概括的にいえばそういう議論は立ち得ると思うのですけれども、職員数と業務量なんというのを、これを貨物についてはある程度言えるかと思うのだけれども、人間について、職員数とそれから輸送量によって業務量を、すぐこれを、職員の賃金値上げの場合にもこういう問題が起る。それから運賃値上げの場合にもこういう表をとかく示しがちでございますけれども、それがサービスがそれだけ伴い、改善なり何なりがそれに比例して伴っておれば、この表はまさにその通りだけれども、人間が増したからといって駅員の数が変るわけでもない。汽車の数が変るわけでもない。ただ混むだけです。それは乗っている人の犠牲によってそれだけのことができておるのであって、それが駅員の負担になっている部分というものは、あるにしたって、それは皆無とは申しませんけれども、たとえば駅の改札口に立っている者が、千人そこを通るときと、百人通るときと、それほどの私は、多少の注意はするけれども、定期旅客である場合にはほとんどたまにひっかかるやつがあれば別問題で、大部分スムーズにやっておると思うのです。ところが、業務量を出すときには、人の数と職員の数をすぐ比較してしまう、私はこういう統計は非常に、ほかに出し方がないからこうやったというならば、これはこれでようございますけれど、運賃値上げとかなんとかいう、あるいは国鉄の財政を物語るときにこういう表が一番先に出てくる。で、私はこういう業務量と職員数なんというものは、非常に割引をしてものを見ないというと正当な判断ができないと思う。 それから今の国鉄の損益の各線を表示してありますけれども、これもほかに出し方がないからこうやったといえば別ですけれども、ほかのところは全部赤字線だといって、赤字線がなければ黒字線はできないわけです。これはみんなそれの培養線になるんだから、ものの考え方ももっと総合的に考えないと、たとえば九州においては黒字の線は一本もない。こういうべらぼうな話はない。北九州のごときはどうにもこうにも動きのとれぬほど人間と貨物が輻湊していながら、それからずっと先を延ばして、どっか鹿児島の奥かあるいは長崎の先の方へ行って、それを平均してしまってこれを赤字というなら別問題だけれども、九州には黒字の線は一本もないというような統計がこれには出ている。私はこれは少し分け方としてはあまりに粗雑な分け方じゃないかと考えるのです。北九州ではもう複線か複々線にする以外に救済方法がないというような所で、私は赤字であるはずがないと思うのです。ただ問題は、今の分類別でありますけれども、もしおやりになるならばもう少し、せっかくこれだけの図面を出すならば、ここまでは黒字だけどもこれから先は赤字になって困っているのだというふうに、一つ今後お出しになるようにお考えを願いたい。 それから一つ、さっきの職員数と業務量というやつに対して、別なお考えがあれば承わりたい。
○説明員(石井昭正君) お言葉のように、旅客輸送については、人トンキロが増したからそれに正比例して職員がふえなきゃならぬということはないと存じます。私どもも決してそういう数字ばかりを申し上げているんじゃなくして、この十五表をごらんになればわかりますように、私どもにそういう有利と申しましてはおかしいのですが、そういう高い指数が出るような指数ばかり並べているわけではございません。人トンキロはこれはいわば販売指数とでも申すべきものでございまして、そのほかに列車において客車なり貨車なりがどれだけ動いたか。これはまあ普通学説的に見れば、あるいは生産指数ということができる。これをいろいろ車両の大きさの違いがございますので、一定の大きさに換算いたしまして計算いたしましたものは、換算車両キロに対する人間の働き工合を、大体私どもが修正生産性の荒筋かというふうに考えております。ただし、お言葉にもございましたが、乗車人員のごときはこれが三倍になれば少くとも切符の発売数は三倍になっているのでございますから、必ずしも客車なり貨車なりが走ったキロよりは、営業関係のものなどにつきましては、人トンキロの数字に比例して業務量がふえて参ったということも言える部分もあるかと思っております。逆に、しかしながら列車キロはこれは指数のうちで一番少いわけでございまして、列車がどれだけ走ったかというのは一番増加計数が少くなっております。これは乗務員その他はこの数字に比例して増加する必要があるということが言えると思うのであります。決して高い数字ばかりを羅列して申し上げているわけでないことを御了承を願いたいと思うのでございます。 なお、御指摘の黒字線区、赤字線区の点につきましては、これはまことにごもっともな御意見でございまして、区間々々を区切りまして計算すれば相当違ったものも出て参ると思います。ただ、私どもの方では一応計算の便宜のために、九州で申しますれば、鹿児島本線なら鹿児島本線を一本として計算いたしております。五十一ページの二十五表にもございますように、九州においては鹿児島本線のみが黒字になっておる、その他の線は赤字になっておるというようなことになっておりまするが、なおこれは区間単位に区切っていえば、鹿児島本線で熊本までは黒字で、それから先は赤字になる。日豊本線にいたしましても、別府あたりまでは黒字となり、さらにそれから先は赤字になるというような結果が出ると思います。そういうこまかな点まで区間々々に区切っての計算は、まだ十分にやっておりません。今後勉強して御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
○一松政二君 なぜ私が今経理局長にそういうことを伺うかというと、サービスが、結局、黒字線も赤字線になれば、いずれにしてもそれは経営面上、だれが考えても、一つのサービスの問題が起ってくる。だから、損しているところへまたこんなものをつぎ込むのはかなわぬという考え方と、それから黒字が出ておるということはそれだけ旅客なり貨物なりの多い所であるし、そこにいろいろな要求も出ておるから、それはかなえてやらなければならぬというようなことも起り得るので、私は今ごめんどうかもしれぬが、そこまで一つ努めてそういうものを出してやるようにしてやった方が、営業のサービスの面からも、あるいは新線の面からも、適切じゃないかと思うので、そういうことを申し上げた。 これは私の意見ですからようございますが、さらに私は今度は経理局長に特に伺いたいことは、鉄道の中の物の購買について、まあ会計検査院なりあるいは国会の決算委員会なり、いろいろな監査する方がたくさんあって、非常に俗にいえばうるさいしゅうとめが多い、小じゅうとが多い。従って事なかれ主義に堕する。これは人情の常であります。私はもとり国鉄がそうなっておるからけしからぬということを申し上げようというのじゃなくして、国鉄は一つのこれは公社であるけれども、この公社制度が決していいものじゃないことは周知の事実で、これをせめて満鉄程度までくらいにすべきじゃないかという意見は、私は大部分の人が持っておると思う。けれども、会計検査院がやかましいから、会計検査院の規定通りやらなければ一々あげ足を取られ、またそれに多少でもそむけば、また国会の決算委員会でも問題になるというので、物の損益ということに頭を使うよりも、手続の方に苦労しておる。そうして入札制度によれないものは入札に類似したようなことをおやりになって、われ人ともに無責任な経営になっておるのが私は今日の実情だと思う。これについて私は、総裁は過去においてずいぶん経験がおありになるのだし、昔の国鉄時代、昔の国有鉄道のいわゆる鉄道省時代にはそんなものじゃなかった。もっと皆に責任を持たしてそうしていいものを安く買う、そうして場合によったらものを頼む、そうしてともに研究するというようなことがあったけれども、今日じゃ、何かすればすぐ疑われる。何か便宜をはかってやっておるのじゃなかろうかというので、もうさわらぬ神にたたりなしというのが、私は今日の国鉄全体を流れるものの考え方であろうと思うのです。すべてに委員会制度を作って、そうしてだれもが責任を負わないというようなふうにして、そして経営されておる。これでは、私はこの企業体の成績の上らない理由もまたそこに一つの原因が起ってくる。これも人情として無理からぬことですが、それをどうやるかということは、総裁も今度はお考えになっておるであろうと思いますが、昔とは全然違う。非常に無責任になっておる。はなはだしきに至っては、会計検査院の国鉄を監査するのは第四局でありましょうが、それの第一課のものが収賄か何かでもって引っぱられておる。そうして別宅を持っておったとかなんとかということがあります。監督の人間がそこまで、日本の今日のある部分にはそこまで腐っておる。監督する者がある意味においては業者と結託してそうして物をもつって不当な生活をあえてやっておったというのは、昨年そういう事実が発覚しておるわけです。監督する者が、ミイラ取りがミイラになっておる。自分は気のきいたことを言っていながら、自分のしておることはろくなことじャなかったということなんですが、ところが、それが一つの監督権を持っておるために、それが文句を言えば困るから、なるべくそういうものにさわらぬようにしておくということが、私は企業体としてはそれはマイナスであると思う。多少、中には不心得な人間があるかもしれませんけれども、不心得な人間はそいつはまた別な方法で制裁をして、そうしてやっぱりいいものを安くするには、きょうはこれから買うわ、あしたはこれから買うんだ、あさってはこれから買うんだというような私はやり方では、一流のいい製品が、それから良心のある品物は買えない。これは物にもよりますけれども、概括していえば、そういうことになると思うんです。けれども今日のようにしゅうと、小じゅうとが多ければ、手も足も出ないから、損する、得するということは別間度なんです。今の物の購買方針は私はそうだと思う。そういうことで、企業なんというものは、経営できるはずがないんです。一流のいい品物は高いかもしれませんけれども、信用があり長持ちするわけです。いいものは鉄道に売らないということを——あんなばかばかしいところに売っていられるかということをある者から聞いて知っている。そうしてまたいろいろ鉄道に入るものによっては、そういうやり方を、やっていながら、従来の業者とはいろいろな因縁があって、新しく入っていくのは大へんだという一つの見方もあるんです。私は総裁が今度新しく、就任されて、ずいぶん御苦労なさっていると思いますけれども、御出身が御出身であるだけに、私はそういうものの経理方面のみならず、購買方面——私はこの間衆議院の決算委員会をちょっとのぞいてみただけで、実は驚ろいた。ああいう問題が内部の者の通謀にあらずして起るはずはない。私は経理局の出納、現金出し入れのところで、千五百円か千五百何十円かが、それが千何百万円か、千五百万円かに化けて出た。それで責任者は一人も出ないといって、この間衆議ではやっておりました。しかも一方においては、そういう無責任な、さわらぬ神にたたりなしで無責任な経営をしておりながら、私どもの知っている国鉄の経理出納において、現金の出納の方から支払いに出てくるときにそういうことがばれたわけなんですが、それが知らぬときているから、私は済まされないのは当りまえの話で、そういうことはあり得べからざることなんです。だれかが共謀しているに違いないのです。だから、私はすべてが問題は無責任になっているということを申し上げたいわけです。よし全責任は自分が引き受けるという覚悟がなかったらできません、それは実際において。総裁はそういう責任を持っておいでになっていると思いますが、けれども、もう長年にわたる積弊で、これは総裁といえども、副総裁といえども、同じ感じなんですけれども、どうもしゅうとが多かったり小じゅうとが多かったり、そうして何かすると、俗に言うと、食わぬ腹をさぐられるということで、そうてさわらぬ神にたたりなし。これでは無責任にならざるを得ないのですよ、実際問題として。これをどう改めていくかということは、非常に勇気を要する問題だと思う。 それから現業の係員、それから経理部、あるいは資材部、これらが相錯綜している問題もありましょうけれども、ただ一つの規格を作って、そうして私はときどきどうかすると知っていることがあるが、そういうやり方をすれば、それは君、こじきでもどろぼうでも入札手続をして下請けをすれば、いつでもだれでもいいじゃないか、そういうことでいい物が入るわけはないじゃないかということを私は議論しているが、今日はやむを得ぬからそうやっている。全部がそうとは申し上げません。そういう場面がかなり私はあると思いますから、そういうことも一つ総裁はこの際、そういうただ自分の保身の術からして全局を考えない風潮が、これは国鉄だけじゃないと思いますけれども、まず国鉄から——国鉄においては特に企業体ですから、そういう方面に御配慮をお願いしたいと思うのでございます。 御意見があったら承わりたい。
○説明員(十河信二君) ただいま一松さんから伺いました御意見は、私どもまことにごもっともで、その通りだと思うのでございます。先だって私職員に話をしたのですが、今お話しのような形、形式ばかり整えてやるということではいけないのだ。だから、これを改正してもらいたい。もらいたいのだが、今日国鉄の信用が地に落ちていて、自分はこれを改正してもらいたいとか、こういうふうにしていただきたいということを申し上げても、国民の皆さんも国民の代表の国会でもお許しがないだろうから、この際一つ諸君は国鉄の信用をまず上げてくれ。しかる後に、自分はそういういろいろな、今御指摘になったようなことをやりたい。だから、そういことを皆さんにお願いをしても、そのときに通らなくちゃいかぬから、通るように心がけてもらいたいということをこの間も職員に言ったのでして、国鉄の経営合理化の一つのポイントは、私は今お話しのあった点が確かに大きな一つのポイントだと思う。国鉄で毎年一千億円の買物をしているのですが、この一千億円の買物をどういうふうにするか、その買い方、その注文の仕方、その受け取り方、これが日本の産業に直接非常に大きな影響を与えるものだと思う。先だっても新聞にも出ておりましたが、今日日本の鉄道車両が外国に多数輸出されておる、五十億も輸出されておるということがありましたが、こういうふうに、国鉄の買い方が今お話しのように理想的になれば、この外国のへ輸出される品物は、車両でも機械でももっともっと多くなるのじゃないか。外国の信用を博して、多くなるのじゃないか。従って、国鉄がこの買い方を悪くやるかやらないかということは、ひとり国鉄の経済に影響するのみならず、これが日本全体の経済に非常に大きな影響を及ぼすものだと思うのです。それゆえに、国鉄職員たるものはその点に最も留意して、非常に重きを置いて、今お話しのような点を注意してやらなければいかぬということを職員に教えておりまして、何分今御指摘になったように、こういうことは急速に実績の上るものではないと思いますので、今しばらく時をかしていただけば、漸次御希望、御指摘のような方向に向けていくように今後の努力をお誓い申し上げて、私の答えにかえたいと存じます。
○一松政二君 まことにけっこうな御覚悟であるし、またそうぜひやってもらいたいと思います。 それではなお、私は一応申し上げておきたいことは、監査というやつは、とかく形式——実質はわからないものですから、ただ形式のみに走ります。それでまた中には、業者が——その業置の全体が私はいいとは申しません。ことに中には悪らつな人があって、そうして暮夜ひそかに買収したり、あるいは検査するところへ手心を加えてもらうようなことを、これはまたやりかねないのだ、日本人のことで。だから、そういう問題はむろん厳重な内部検査なりあるいは職員の緊張によって、私はできるだけそういうことを防ぎながら、なるべく責任をとる。しかし中にはずいぶん、造船疑獄のときに問題になったような人も、まだその一端に触れているような個所も、私はひそかに聞いておるのですが、やはりそういう人もまだなきにしもあらずですから、一つ総裁には大へん御苦労な話でございますけれども、責任をとらせると同時に、それからできるだけそういう外部からの魔手の及ぶことを防止するように、一つこれは会計検査院とか、あるいはほかの人じゃなくして、国鉄の内部におけるいわゆる経営陣の中から常にそういう魔手の伸びてくるのを防がれるように、一つ御配慮を願っておきたいと思うのです。私はまだなおあるかと思いますけれども、今日はこの程度にしておきます。
○委員長(加藤シヅエ君) 国鉄総裁は四時に退席をなさりたいという御希望でございますから、残余の総裁に対する質疑は次回に譲りたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 —————————————
○委員長(加藤シヅエ君) この際、一等寝台車に関しまして政府委員から発言を求められておりますので、これを許します。
○政府委員(植田純一君) 国鉄の一等寝台車を二等寝台車に格下げします措置につきまして、御報告を申し上げて御了承を得たいと思います。 一等寝台車の利用客は非常に少いのでありまして、二十九年度の上半期におきましては、一車一日当り五・六人にすぎない状況でございます。まあ理由といたしましては、通行税が外ワクとなって一等運賃が非常に高くなったこと、その他いろいろ考えられまするが、そこでこの際一等寝台車を二等寝台車に格下げいたしまして、これによりまして、二等の寝台車の需要は非常に多いのでありますので、この需要に応ずる。またこれによりまして今まで非常に利用効率の少なかった寝台車の利用が増加するということも考えられますので、国鉄の経営上から申しましても得策である、かように考えられるのであります。こういうような観点から、国鉄におきましていろいろ研究もされまして、今回こういう変更処置に伴いますところの認可申請があったわけであります。運輸省といたしましても、いろいろ検討いたしまして、こういう措置が適当であろう、また国鉄の経営上からも得策であろう、かような観点からこれを認めるという方針に立っておるわけであります。 この案の内容につきましては、ただいま申しましたように、一等寝台車を二等寝台車に格下げいたしますとともに、従来の二等寝台車に比べますると、定員も少くて、幾分ゆったりしておる。また設備の点等も考えまして、従来の二等寝台車料金よりも一段高い、まあ新しい寝台料金を設定する考えであります。お手許にお配り申し上げておりますところの資料の一枚目の裏二ページ目に、大体新しい寝台料金が出ておりますが、この現行の一等寝台のうちの特別室を新しくAといたしまして、現行の一等寝台の普通室をBといたしまして、それから現行の二等寝台をCというふうに種別をいたしまして、それぞれ上下がございますので、合計六本建の料金を設定するという考えでございます。なお、従来の二等寝台の料金には普通室と特別室とございましたですが、これを一本にいたしまして、二等寝台料金のCとし、上段と下段のみの区別にいたすという考えでございます。なお、従来の一等運賃をもって旅行される場合と今度格下げの二等によりまして旅行される場合との運賃料金の比較は、一番最後のページの表に出ております。東京大阪間で見ますると、従来の一等よりも格下げ二等で旅行された場合、普通急行を利用されて寝台を利用された場合には、大体二千五百円から三千二百円程度の値下げということに相なる勘定でございます。 なお、この際つけ加えて申し上げておきたいと思いまするが、この一等寝台車の格下げの場合に、むしろ一等車を全廃してはどうか、一等の展望車をわずかばかり残しておくということもどうかと、むしろ一等を全廃して二等級制に簡素化した方がいいのではないかというふうな議論もございましたが、いろいろ考慮いたしまして、この際はこの寝台車の格下げの措置にとどめまして、この一等展望車あるいは青函航路の一等というものは存続するという考え方をいたしております。 以上簡単でございまするが、寝台車の格下げにつきまして御説明申し上げました。なおこれは七月一日から実施いたしたいと、かように考えております。何とぞ御了承をお願い申し上げる次第であります。
○岡田信次君 ちょっと監督局長にお伺いしたいのですが、今回の格下げに当って、なぜこれを普通の二等寝台に改造せずこんな複雑な三本建の料金になすったのか。なぜ普通の二等寝台に変えなかったか。 それからもう一つ、先ほどお話しがあったけれども、展望車をどうして思い切っておやめにならないのか。これをおやめになると、あれがあるために今の「つばめ」なり「はと」の一編成の運行が非常に不能率で、一日八時間走ってあとの十六時間寝ておる、要するに展望車があるためにほかの列車は使えないということですが、そういう点をなぜお考えにならないのか。その二点をお伺いいたします。
○政府委員(植田純一君) 従来の一等寝台車は、一両の寝台が大体二十人でございます。従来の二等寝台車は平均しまして二十七、八人という定員になっております。これを同じように改造するということも、まあできぬことはないと思いまするが、必ずしもその必要もなし、また実質的にこの程度の料金をもらいましても従来の一等に比べましてまた相当需要もあるのではないかということで。おそらくこういう申請になったものと承知いたしております。 なおこの際一等車を全廃してはどうかと。確かにそういう御意見もごもっともな点が多いのでありまするが、この点につきましてはもう少し慎重に検討する必要があるのではないか。実はこの一等、二等、三等という制度は相当沿革もございますし、また現在の法律上も一等、二等、三等とするというふうに規定されている面もございますので、これを根本的に二階級にするということにつきましては、いろいろの御意見も拝聴いたしまして、もっと慎重に検討する必要があるのではないか。また観光上から申しましても、その点は、必ずしも現在の一等展望車が非常に満足すべきものであるというものかどうかということは一応別問題といたしましても、展望車を廃止してあとどうするかというふうな点につきましても考えなければなりませんし、かたがた、この一等寝台の方は、先に申しましたような事情で、できるだけ早急にこれを実施するということが、国鉄経営の上からいっても得策ではないか、かような観点から、早急に実施いたします事柄といたしましては、とりあえずこの寝台車の格下げということを実施いたしまして、全面的に一等車を廃止するということにつきましては、もう少し各方面の御意見等も伺いまして、慎重を期してはどうかと、まあかような考えになっておるわけであります。
○岡田信次君 監督局長の御答弁ははなはだ不満足ですが、経理局長に伺いたいのですが、現在の一等寝台を今までの二等寝台に改造するということになると、ある程度改造費というものがかかりますが、しかし定員が多少ふえる。かつまた、こういう一等寝台格下げ二等というような複雑なことなんですが、一等寝台を二等寝台に格下げすることになると、その手数その他によって収入がどうなるかというようなことは、御研究になっておるかどうかということと、もう一つは展望車の問題ですが、大体「はと」にしても「つばめ」にしても、おそらく一億数千万円の価値があるのですが、これがわずか三分の一くらいしか活用されていないというのも一に展望車がついておるからで、この展望車をはずせば少くとも一日の半分、十二時間は動くということになると思うので、この点をどう考えるか。この二点を伺います。
○説明員(石井昭正君) 実はこの一等寝台を二等に格下げいたしますということは、現在の設備をそのまま利用いたしまして需要に応ずるという点がねらいでございまして、必ずしも現在の二等寝台というものをふやすというつもりでこう考えたわけではないのでございます。ただ、実際の問題といたしまして、お尋ねのように、これを全部改造いたしますと、おそらく現在の設備では、このA、Bの寝台には冷房装置がついておりますので、冷房装置だけでも五百万円、従いまして、改造をいたしましてもそれだけの設備がロスになります上に、かつ相当多額の経費を投じなければならぬという点を考えまして、初めからそういう点についての収支計算まではいたしておりませんが、実際にこれをやることが妥当であるといたしましても、とりあえずはこういう姿で出発いたしまして、その後において逐次改造を行なっていくというやり方しかないのではないか。一斉にある一定の期日から全部一等寝台が二等寝台になりかわるというわけにもいきかねるかと考えます。今度考えましたような制度は、車室の設備に応じて料金を多少変えるということは、これは必ずしも他にも例のないことではございませんし、かつまた冷房装置は現在世界的な水準になっておりますもので、国際観光その他の点を考えますと、やはり冷房をつけました寝台車を残置しておきたいという希望もあるわけでございます。 それから展望車があるために編成の効率的な運用ができないというお話でありますが、これは私の考えではそうでないので、ただ寝台特急列車というものに対しまして特別の編成をやっております。その結果といたしまして、これをそのまま他の列車に転用することができないというために起っておる問題でございまして、なるほどおつしゃるように、一日のうち三分の一しか走っておらないと、その点は確かに非能率でありまして、これは何とか工夫をいたしますれば、つまり「はと」と「つばめ」と併合して運用いたしますれば、これは必ずしも現在のままでも編成の利用能率を上げることは不可能ではないのでございまするが、それにはやはり宮原操車場あるいは品川操車場におきまする収容力の問題等もからまっておりまするので、設備の方へ金を投ずるか、車両の方に金を投ずるか、どちらをとるかということになりますが、将来こういう高級な編成がふえて参りますれば、当然運用をよくして、一日にもっと走るように工夫をいたさなければならないと考えております。
○岡田信次君 少し最後のあれは変な話で、列車というものは動いておれば収容線は要らないので、とめておくから操車場というものが要るので、動いておれば操車場は要らない、ただ、多少編成がえをするときに要ることはたしかです。しかしとめておくことが要らなくなるということになれば、相殺するというふうにも考えられるので、全然今の「つばめ」「はと」等は銀河なり彗星と編成が違うというのですが、これらもある程度旅客の車両の編成効率をよくするという見地にやはりお考えになって、そっちの方を直される方がいいので、もう編成がきまっておるからあれだというようなことは、ちょっと本末顛倒だと思いますがね。
○説明員(石井昭正君) 私もお説には同感の点が多々ございますが、しかし事実問題といたしまして、はやはり受け持ち検車区というものの制度がございまして、車両をやはり責任のある一つの検車区で受け持ちませんと整理の万全を期せられませんので、今日はここの検車区、明日はここの検車区というわけにも参らないかと思います。そういう点から考えましても、収容設備の問題もありますし、また受け持ち検車区の問題もありまして、現在のようなやり方をいたしておりますが、なおこれは将来十分検討しなければならぬ問題であると考えておりますので、御了承願います。
○岡田信次君 これは質問じゃないのですけれども、一つ意見として……。どうも国鉄は貨車の方の運用効率ということには非常に力を入れておられるので、ある程度成績も上っておる。しかし客車の方の運用効率というのはあまり、旅客列車というものの本質的からくるものもありますけれども、どうもあまり力を入れておらぬようであります。とにかく旅客列車というものは相当の価格のものですから、将来これは運用効率を高めるという方面にでも十分力を注いでいただきたい。これを私は意見として、国鉄の代表として申し上げておきます。
○説明員(石井昭正君) まことにごもっともな御注意をいただきまして、ありがとうございます。ただ、今御指摘になりましたように、特別編成の事につきましては多々御指摘のような点もあると思うのでございまするが、一般の客車につきましては、これはもう客車の新造はここ数年非常に窮屈になっておりますので、極力運用を上げて列車増発をいたしておりまして、決して貨車に劣らず、むしろそれ以上の努力を払って運用の向上に努めて、無形の客車を生み出しておりますことは、毎年四、五十両以上になっておるのでございますので、なおこれ以上努力いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
○委員長(加藤シヅエ君) では、本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十二分散会 —————・—————