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22回国会参議院1955/06/06

運輸委員会 第13号

発言数
50
登壇者
7
会派数
3
開催日
1955/06/06

会議録

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○委員長(加藤シヅエ君) これより運輸委員会を開会いたします。  運輸一般事情に関する調査中、日本国有鉄道の昭和三十年度予算に関する件を議題といたします。  前回に引き続いて、御質疑のある方は御発言を願います。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 国鉄総裁にお尋ねいたしますが、三十年度の国鉄の予算計画によりますると、これは前委員会で私も尋ねましたが、財政的にも、あるいはまたは線路の腐朽の問題に対しましても、減債基金の問題にしましても、これは運輸収入面がどうしても、現下の政策の状況においてはなかなかその収入をあげる上についても将来困難性がある。これは数字的にもそういう含みが多分に残っておる。そこで、この収入の面に対しましても、あとで具体的に質問はいたしますけれども、そういう困難な収入面を控えた国鉄といたしましては、さきに、これは総裁の就任の前の問題でございますけれども、国鉄は五カ年計画という計画案を発表いたしまして、そうして計画的に鉄道の諸問題を建設的に解決をしていこうではないかという、その案が示されております。それで、もとよりこの建設計画は、私たちも委員会を通じまして国鉄に要望した問題です。たとえ財政的にも、また業務の面からいたしましても、困難性はあるとしても、一定の方向をまず作っておかなくてはいかない。しかもこれが運賃値上げをするというようなときに際しても、国民を納得さす上からいっても、この建設計画というものは、建設面を十分と納得してもらってそうして現状を打開していくという関係から、運賃値上げやむなしという問題もここに提起して国民の納得を受くべきであるということを、主張しておったのです。そのようなことから、国鉄の方はとにかく建設計画を立てられた。  ところが、今回の三十年度のこの予算の計画を見ましても、運輸収入の面からしても、すでにこの数字が相当食い違っておるのです。そこでこの数字の減退というものが一応五カ年計画とあまりに懸隔がありまするからして、この建設計画というものは、端的に申しまして、一体どういうふうな形で国鉄の方ではお考えになって、これに合せつついかれるというような腹があるか。あるいは、この建設計画というものは全く絵にかいたもちのように、もう根本からやり直さなくてはならないというようなことにお考えになっておるのかどうか。その点を総裁はどうお考えになっていらっしゃいますか、まずその問題を一つお尋ねいたします。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私、就任以来日なお浅いのですから、今お話しのような五カ年計画等についてしさいに検討する余裕はまだありません。私が従来外から見ておった感じを申し上げることは、はなはだ穏当でないかとも思いまするけれども、今の御質問は私個人の考えを言えというふうな御質問かとも拝聴いたします。私の漠然たる、外から見ておった感じを簡単に申し上げてみたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。  今お話しのように、国鉄は五カ年計画というものを立ててやっておるのでありますが、実際相当に狂っておるのじゃないかと思います。私の感じでは、この五カ年計画をもう一応一つ根本的に再検討してみたい。たとえば、この東京付近の交通状態を考えてみましても、ここに五カ年計画でたしか三百数十億、四百億近い金を国鉄がつぎ込もうとしておるのであります。しかしそのつぎ込んだ結果はどうかと申しますと、現在の交通の混雑をわずかに二割なり三割しか緩和することができないというふうな状態であります。これは国鉄だけが自分の背中に背負わされておる荷物をどうして運ぼうかということを考えた結果であるから、そういうことになるのじゃないか。もう少し広く、他の民間の交通機関とも協力する体制を、もっと緊密にやるべきじゃないか。たとえば、国鉄は十両あるいは十五両編成で東京都内へ入ってくる、民間は二両か三両編成で入ってくる、そういうような状態でありますから、東京都の人口の分布が相当偏倚しているのじゃないか。ここで三百億、四百億という金をつぎ込むならば、国民経済的に見ればもっと効率を高める方法があるのじゃないか。日本は申すまでもなく資本が非常に不足しておるのでありますから、この乏しい資本を使う際には、でき得る限り有効にこれを使うということが必要じゃないか。そういうふうに私考えておりますので、今後これだけの金を使うにしても、どういうふうにやれば国民経済的に最も効率を高めることができるか、国民の皆さんにでき得る限り御満足を与える方法は他にないものかどうかということを、私はもう一度根本的に再検討してみたい、こういうふうに考えておるものであります。まだどういうふうにやるかという具体的な案を持っておりません。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そうしますと、ただいまの総裁のお言葉では、概況を総括いたしまして、一応五カ年計画なるものはこれはやはり再検討してみようということでよろしゅうございますね。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) ええ。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そこで、私もこの点気のつきましたことは、結論といたしましては、どうしても国鉄の方でですよ、私たちはまだほかに意見はございますけれども、最終的にはこれは運賃値上げの方にどうも御執着がある、これを解決しなければ現在の状況は乗り切れないというような結論をお持ちになるだろうと、私たちは推測しておるのです。そうしてみますと、運賃値上げをもってくるにいたしましても、すでに五ヵ年計画の中で、私がはっきり食い違いを認めたのは、現在の運輸収入または支出関係を見ましても、大体二十八年度程度にその数字があっておるような形ですね。二十九年度では、計画ではもうすでに二千九百億の運輸収入を見ていらっしゃるのですけれども、そうすると、三十年度では三千億の運輸収入を見ていらっしゃる。そうすると、もうすでに二十八年度の際の運輸収入、約二千四百億ですか、こういうような数字が出ておりますからして、現在の三十年度の数字が二十八年度の数字のところにきておるようです。そこでこれは二年間だけはずれてしまっておるのだが、こういうことで、それでは実際諸計画というものは後退しておるからして、この後退は一応可検討してみて、ここに一つ着実なる計画を樹立して、そうして結論的に運賃値上げを主張されるにしましても、そういうような御検討が必要ではなかろうかと、こういうふうに気がつきましたから、この点ただいま質問したわけです。  そこで、さらに私が考えて検討いたしました点は、これは三十年度の予算に盛っておりまするたとえば旅客収入、あるいはまた貨物収入の面にいたしましても、一応これは大蔵省に御交渉なさっておった際の状況と、本ぎまりになりました数字とが、これまた幾らか食い違っておりはしないか。そうして私が聞こうといたしますことは、たとえば貨物収入のごとき問題も、あるいは旅客の問題も、ただいま説明書に載っておりまする減収計画よりもなお減収見込みというものは相当数字がありゃしないか。この点を心配しておりますが、これはどうでございましょうか。総裁でなく、ほかの方でけっこうです。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 三十年度の予算の営業収入でございますが、これはただいまお話がございましたように、私どもの方で当初大蔵省に要求いたしておりました数字と比較いたしますと、若干狂いがありまして、決定いたしました本予算案におきましては三十億ばかりふえております。しかしこれは、私どもが予算を要求いたしましたときの積算の基礎が若干下降状態のひどいときを基礎にいたしておりましたものですから、その後本予算案は選挙その他の関係で決定が延びまして、その間に時間的なズレがありました。その辺の経過を見て大蔵省は御査定になったので、これに対して、私どもは確実にそれだけ上げる見通しがあるかということを言われますと、これは何とも申し上げかねるのでございます。しからば確実にそれだけ上がらないかということを言われましても、これも何ともお答えのしようがないという程度のものでございまして、従いまして、今後下半期におきまするところの経済情勢の推移等に待つところがきわめて多いのでございまするが、ただいまのところ、四、五月の現状から見て参りますと、若干収入の面には不安の影がおおい隠せないような状態にあります。しかし、減収が非常に多いとされておりますところの貨物収入の方は、予定された収入に対しまして、わずかではございまするが、上向きになっておりまするので、その点を考えますと、今後下半期の経済情勢の推移によっては到達し得ない不可能な数字ではないというふうにも考えられないこともないわけでございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 現実、これは前年度との比較増減として、貨物が十六億減収見込みがあるわけですが、先ほどの局長の答弁のように、行き先の問題ですから、私どももそれでは四十億の減収が見込まれるのが当然じゃないかというふうな断定したことも言われませんけれども、大体数学的にどうですか、石井さん、十六億という減収見込みというものは、もう少し額の面においては多いような感じがしやしませんか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 貨物収入の減少は私どもが予定したほどにはならないのではないか、むしろ旅客の方が若干希望を強く出しておりゃせぬか。実は四、五月は天候のかげんが相当影響したかと思っております。期待したほどの収入が上っていないので、はなはだ残念に思っておる次第であります。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 私どもがそう申しますことは、最近の小口扱いが相当問題点がありゃしないか、こう思っておるのですか、この点はどうでございましょうか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 御指摘のように、小口扱い貨物の取扱い数量は、昨年度におきまして非常な激減をいたしております。これは、一つには経済界の不況ということもあるかと思いまするが、一つにはいわゆるトラックに対する転化という影響だと思うのであります。しかしながら、その影響が昨年度の下半期におきましては、これはある程度セットル・ダウンした、落ち着くところに落ち着いたと、まあそこまではっきりは申し上げられませんが、というような格好になっておるのではないかと思うのであります。その数字を基礎にいたしまして、今年度の貨物収入をはじいておりますので、小口扱いはなるほど前年度から比較いたしますと数軍的には減りまするが、しかし予定されております内容と比較いたしますると、ある程度実績は上げ得るのではないか、こういうふうに考えます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そうすると、ただいま駅頭滞貨の問題はどういうことになっておりますか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) ちょっと正確な数字——私営業方面の直接数字を見ておりませんので、正確なお答えはしにくいのでございますが、前年度に比較いたしましてあまり大差ないのじゃないか。いずれ調べまして御返答いたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 その点は、数字であとで知らせていただきます。  先ほどの旅客の収入の問題は、一応十八億の増収を見込まれておるようです。これは二十九年度に対しましてですね。この程度は私は数字的にもまだ少し疑問がございますが、ただ問題は、これは総裁にお尋ねしたいのですが、総裁も就任の際に一応、現在の国鉄の旅客輸送の関係からして、前総裁は一等車を廃止をする。それから国鉄全線においては非常に収益が上らない線路をたくさん抱いております。パーセンテージも相当なパーセンテージがあると思いますが、しかしながら、やはりそういうローカル線にいたしましても、まだ、公衆が要望しておるところの時間帯とそれから国鉄の組んでいらっしゃるところのダイヤの時間帯との問題を解決をし、そうして幹線関係同時に、最も重要なローカル線に対しましても輸送力の強化をはかっていけば、相当な収入面が得られるだろう。しかしながら何としても、現在の国有の客車の数あるいはまたディーゼル車の数というような車両関係では、思うような計画も十分できないと。だからして、総裁は民有車を一つ国鉄で使おうではないかというような御意見があったようですが、この構想というものは、これはどういうふうな観点から総裁はお考えになり、またしかもこれをどういうふうに御実行になる見通しがあるか、この点を一つお伺いしておきたい。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私は、これも外から見ておっての考えを申し上げたのでありますが、国鉄はやらなければならぬ仕事がたくさんある。ところが、金が足らないのだと。そこで、社会経済的に見てやってもらいたいという国民の要望にこたえるためには、できる限り民間の御協力をも得ることが適当ではなかろうかと。従って、外国にも例のありまするように、民有の車両を認めていく必要があるが、国鉄は予算がない、金がないというときには、民間の車を借りて、運営は国鉄がやるということが適当じゃなかろうかと、こういう考えを持っております。これも、しさいに検討いたしまして、いずれまた皆さんにも御協議を願い、御承認を得るようにしていきたいと思っております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そのお考え方も、これは見方によりますると、まあ何と申しまするか、新しい構想で、いい面もあるだろうと思うのですが、ただ私は、これは確固たる、相当経済界の事情、それから資本の蓄積の問題と同時に、そういう車両を作るところの能力の問題、こういう点も検討なさっての御発言であったろうと、こう私は見ておったのです。だからして、そういうような果して民間資本がそれだけ蓄積されておるかどうか、あるいはまた車両の増強というものが直ちにそういう工場関係にできるかどうか、能力があるかどうかというような問題は、十分御検討なさっておるのですか、どうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 十分検討いたしておりません。いたしておりませんが、民間の製造能力は私は十分あるだろうと思います。ただ、国内の民間の資本は果してそれだけの余力があるかどうかは、現在の国鉄の八十億の債券ですら非常に困難をいたしておるような状態でありますから、それは相当問題がありはしないかと思います。ただ、外国では民間鉄道でも他の会社の車両を運営して営業いたしておりますから、だから、外国の資本を日本に導入するというような場合には、これが問題になり得るんじゃないかということを考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 この点は将来御研究されていい一つの構想ではあると思います。と申しますのは、実はこれは総裁も御存じだと思いますが、電化が国鉄予算のワク内におきましては、なかなか国民の希望通りに進捗しない。電化をやれば確かに、輸送の増強と、それからまた経費の節約も、国民のサービスの点においても、十分完成されていくということはわかりながら、現在の国鉄予算ではどうにもならないというのは、総裁もお考えのことだろうと思う。これにかわって、先ほど私が申しましたような公衆の希望というものは、やはりディーゼル車、これを二つよけいにローカル線にも運転してもらいたいという希望があるし、相当殺到しておるだろうと思うのです。これを解決するには、やはり国鉄のこれもまた予算関係では、なかなか現在の増備というものは困難であるようです。製造の能力は工場関係にはありながらも、予算で抑えておるというようなことですからして、これをやはり、沿線民有債券と申しますか、そういう国鉄の債券を出して、ディーゼル車債券みたいなものを出して、そうして増備してもらったならどうかというようなことも部内にはあるという話を聞いておりましたから、こういうような国民の要請と、同時に、国鉄の財政的な見地をお考えになって、一つ早急にそういう問題は解決していただきたい。この点は、私は希望を付して申し上げておきます。  同時に、一番私たちがここで財政的に心配いたしておりますのは、減価償却の問題ですが、これも第一次ベースの評価によりますると三百四十五億であるが、今回の査定が二百七十九億になっておる。そうして今後こういう状態でいったならば、国鉄の資産というものは食いつぶしの状態でいくような状態になりゃしないかという点が心配されておりまするが、第二次ベースや第三次ベースというような問題点に対しまして、一つお話を願いたいと思う。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 御承知のように、国鉄の施設は老朽化の一途をたどっておりまするので、これは減価償却費の不足に基くものでございまして、従来、第一次再評価ベースによる減価償却費が認められなかったのであるけれども、ぜひこれを第三次評価——これはまあ一般企業においては認められておりまするし、また半ば強制されておるといっても差しつかえないと思うのでございます。と同時に、同じ公社でございます電電公社におきましては、つとに第三次評価による減価償却を計上いたしております。私どもの方でも、ぜひそれまで高めていただきたいというのが、過去両三年にわたって、毎回予算折衝におきますところの強い要望でございました。ところが、御承知のように、その問題を解決することは結局、運賃の改正に結論はなって参りまするので、いつもこの点は未解決のまま、第一次再評価ベースの線を、過去においては一応その線だけは維持していただいたという格好になっております。  本年の予算に当りましても、私どもは約四百八十億の減価償却費の計上ということをお願いしたわけでございますが、今度の三十年度予算におきましても、これが結局、運賃改正の問題と関連いたしましてお認め願えなかったということで、第一次再評価ベースでやっておったんでは、そのままでも取りかえできない施設がどんどん累積していくという、まことに何と申しますか、不安な状態になるということを申し上げておるわけであります。  もちろん、減価償却のことでございまするから、企業の経理内容のいかんによりましては、一時そういうものが少くなって、また他のときにおいてこれを充足する、取り返すということも可能でございます。従って、一年ぽっきりの問題として議論するときはしんぼうのできないことはないということはいえるのでございますが、そういう状態がここ数年も続いておりまして、なおこれを解決する将来の見通しも立たないということは、私どもとして大へん残念なことに思っておりました。その実情を皆様方に常に訴え続けて参ったわけでございます。ところが、本年度におきましては、収入の方は毎年、過去のインフレ時代と違って、収入の方が伸びていくということが期待されないで、むしろ貨物収入のごときは落ちてくるというような状態でございますが、その他避くべからざる経費の増加、あるいは利子の増高ということ、利子がふえるというようなことを考えますときには、今までのような第一次再評価ベースで計算いたしますと、大体、先ほどお話がございましたように、三百四十五億、かりに今までのような第一次再評価ベースでしんぼうするといたしましても、三百四十五億は必要なんでございます。ところが、結局、収支の均衡を見ますと、それだけの減価償却費が計上できなかったわけでございまして、従って、減価償却費として資本勘定に組み入れる額がお話のような二百七十数億ということになっております。ただ、工事勘定の方におきましては、従って、その第一次再評価ベースに相当するだけの取替工事を実行できるだけの支出予算は組んでいただいたわけでございまして、これは取替諸改良、工事予算の支出の取替諸改良の項をごらん願えばわかりますように、大体昨年に比較いたしまして、若干増額をいたしておるわけでございます。従って、極端に、簡単に申しますれば、借金をもって自己資金の不足を補ったということになるかと思うのであります。このようなやり方が決して経営上正道なやり方ではないのでございまするので、なるべく早い機会にこういう状況を解決していただくと同時に、少くとも第三次評価までの減価償却費を計算できるような収支の均衡をとれる方途をお講じ願いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 今日、大蔵省の方から来ておりますか。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○委員長(加藤シヅエ君) まだ来ておりませんですけれど……。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 そうですか。それじゃ一つ、早急に出席要求をお願いいたします。  石井局長、ただいまのお話で、大体その内容はわかりましたが、この点は大蔵省関係には十分通じてありますか。また対策がありましたならば、国鉄としてこの対策の基本線を一つ知らせていただきたい。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 大蔵省としては、第三次減価償却まで国鉄に認むべきであるかどうかについては、必ずしも全面的に賛成をいたしておるわけではございません。しかしながら、第一次再評価では非常に少い、第一次再評価はまあ最低の線であるという考え方はとっておるようであります。従いまして、先ほども申し上げました今回の場合でも、三百四十五億に対して二百七十数億というものは明らかに、通常の経営をもってするならば赤字と考えなければならない性質のものであると、最小限度そういう考え方に立つことは大蔵当局も十分了承していると考えております。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 国鉄総裁に御方針をちょっとお伺いしたいのですが、で、これは国鉄が年々借り入れておりますところの長期負債が、昭和二十九年度で総額一千四百六十六億、ほとんど運輸収入のまあ半分くらいになろうとしておるのですね。一年間かせぎましても、なかなかこの負債というものはだめだと。そうしてこの内容を見ましても、まあ一般会計が五百八十五億、資金運用部が七百七億、鉄道債券が百七十四億円。まあこうやって、この長期負債に対しての利子を三十年度においては百億円追加しておる、こういうような状態ですね。なまやさしいことじゃないと思う。そこで、これは一面国鉄もこうやった負債を生ずるような戦後から引き続いての困難な情勢があるわけですね。これをまず抜本的に解決しなくわやいけない。この点はだんだん、国鉄の内部でも、あるいはまた一般国鉄を知る者のうちにも、利子を補給するような、国庫負担の措置をとるような法律を作ったならばどうかと、こういうようなことも言われておるのですが、しかしこれがどの点まで政治問題化し、どの点まで国会を動かすような力になるかは、これは未定数の問題ですが、しかし国鉄総裁として基本的なお考え方の中に、これはまた国鉄の力で一つ負債を逐次返していくのだというような別途のお考え方があるか、あるいはそのような利子補給法というような法案をお考えになっておるか、このお考え方はどうでございますか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私、無力で、とうていそういうえらい仕事をなし上げるような名案は何ら持っておりません。私も今御指摘になりましたように、このままでいったならば国鉄はまさに破滅に瀕する、これは何とかしなけりゃならぬと。それはどうすればいいか、自分も一つ命がけでこれを研究し、打開策を講じてみたいという考えだけは持っておりますけれども、これをいかにすればそういう危機を脱出することができるかという名案は、今のところまだ何も持っておりません。まことに申しわけありませんが……。

木島虎藏日本民主党

○木島虎藏君 経理局長にちょっとお伺いしますが、今年度の支出のうちで、将来これだけ金をかけて収益増——今の借金と関連するのですが、収益増になり得べき支出というものはおよそどれくらいあるのですか、そういうふうに見込まれるものは。非常にむずかしい問題ですけれども、およその見当、あるいは全然ないでもいいし、普通の企業でしたら、借金がたくさんあれば、増資をして企業の合理化なり収入増加の方途を講じて、これをぬぐうことになる。国鉄としてそういう考慮が今年度の予算に払われておるかどうかと、こういうことです。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 大へんむずかしいお尋ねでございますが、現在の運賃率を基礎として考える場合と、これはまあ一時的な現象であって、運賃というものが正常な、われわれから考えてみますと輸送原価を償うだけのレベルに上げられた場合、いわゆる通常の経営状態に至った場合というような考え方をとる場合においては、多少違ってくるかと思うのでございまするが、一応そういう点を離れて考えますと、輸送量が増加いたしますのに対応するための設備、あるいは輸送量を増加させるだけの設備に投ぜられました資金は、私は抽象的な意味では収益性が十分あると考えます。また取りかえ及び諸改良、取りかえの工事にいたしましても、これも純然と元通りのものを作るというわけではなくして、その後の技術の進歩等によりましてより能率的な設備に取りかえるということによって、経費の節減あるいは輸送量の増加ということに充て得るものと存じております。従って、工事経費全般の支出が、全部が全部、収益性があるというふうにはお答えできないかと思いまするが、その大半はやはりこれによって増収なりあるいは経費の節減に役立っていくことができるのではないかと考えます。

木島虎藏日本民主党

○木島虎藏君 今のお話の片りんでは、普通の会社では、これが普通の生産会社とすると、商品が生産費を割ったような商品になっておる、あるいは運賃が非常に安い、というふうに聞えますが、大体そういう御見解ですか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) ちょっとお尋ねの趣旨が聞きとれなかったのでございますが、おそれ入りますが、もう一ぺんお願いします。

木島虎藏日本民主党

○木島虎藏君 今の運賃ではとても正常な経営ができない、まあそれは程度がございますけれども、というふうな御見解ですかということです。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 経営的に全般的に申しますと、お尋ねの通りだと思いますが、しかし個々的に申しますと、まあ必ずもそうではない点もございまして、あるいは電化設備、あるいは車両増備、この車両を先ほどもお話のございましたディーゼル自動車というようなもので増備いたします場合には、経営の面においても相当の節減ができますし、また同時に、これによって相当な増収も期待し得るという面も多々ございます。まあ総括的に申しますると、今の運賃率では何をやっても赤字になるということにはなるのでありますが、個々的に申しますと、必ずしもそうではなくして、相当、現在の運賃率を基礎にいたしましても、収益性の考えられるというものもございます。

木島虎藏日本民主党

○木島虎藏君 そういたしますと、ここに出ておりますこの予算案の数字の上から見て、ここら辺が困ったところの表現だ、ここら辺がそうだというようなところがございましょうか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 正確な計算に基いたお答えではないので、あるいは非常に抽象的な考え方で腰だめ的なことをお答えするので、その点は御了承願います。  新線建設に対しましては、これは現在の状態ではむしろ経営的にはマイナスになるということが言えると思います。それから通勤輸送の緩和、これは輸送の実情から見ますれば、もっと多額の資金を投じなければ解決はできない問題でございまするが、しかしこれは現在の混雑を緩和する、正常なサービスになるべく引き戻していくという面には非常に効果がございまするが、ただいまの状態においての収益的な観点から見ますると、現在の収入率の状態では、必ずしも私はこれは経営的にこの点から収支のバランスがよくなるということは言い切れないかと思っております。それから次に幹線輸送強化でございまするが、これはある賞味では輸送力の強化になって、輸送力の増加を来たしまするが、国民の経済上からはもちろんプラスになることは十分ございまするが、しかしこれはおおむね東北、北海道方面の遠距離輸送の貨物に充当されておりますので、輸送の緩和ということになるかと思うのでありまして、ただいまの貨物運賃率の状態から見ますると、果してそろばんをはじいてみますればどうなるかということは、多少疑問があるかと思うのであります。あとの電化と車両の増備、これもやりようがございますが、ただ車両を増備いたしましても、ほんとうの混雑を救済するというところに回ったのでは、先ほどの通勤輸送と同じことになるかと思いまするが、これはしかしながら運用の仕方で、この費用をもってディーゼル自動車を作りまして、そうして支線区にありますところの客車を浮かしまして、そうしてその浮いた客車で混雑緩和に充てるというようなやり方をいたしますれば、必ずしも経済的にも効果のないことはない。むしろプラスになる点も相当あると思うのであります。電化につきましては、これは電力と石炭との値段の差額によりまして、ただいまのところでは、経常的に大きなプラスになると思っております。それからディーゼル自動車も、これも一応動かす線区にもよりまするが、ただいまのところでは、大体みな収益性のある線区に動かすことができると思っております。取替諸改良は、本質的には現在の設備を維持していくということでございます。まあ経常的にプラスになるということは軍質的にはあり得ることと思います。ただ、使命は現在の施設の取りかえを重点としておりまするので、収益のいかんを論ずる必要もないわけであります。ただ、やっていく上にはできるだけそういうふうな考え方でやって参りたいと、こういうことでございます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 ちょっと関連してお尋ねしたいのですが、新聞記事によりますと、自由党と民主党の間で予算の修正の話し合いが進められておって、ほぼこれが修正されるのではないかというふうに伝えられておるのですが、その内容を調べておりますと、その中にやはり国鉄予算に関係する問題があるのでして、資金運用部よりの借り入れの百五十五億を四十五億削って、そうしてこれを公募債に振り向けるという案のようですが、こういうことになった場合に、この今出されて質疑されておるような事業が実際行える自信があるのかどうか、お尋ねしたいのです。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) お尋ねの点は、四十五億資金運用部資金からの借り入れが公募債券に切りかえられる、従って、資金調達の見込みがあるかどうか、こういうことかと存じます。ただいまの公募債の現状は、御承知のように、本予算の最初の原案は、国鉄が八十億、電電七十五億、百五十五億となっております。これに対して、一般の金融界の意向は非常に、まあ俗に申せばしぶっておりまして、昨年発行いたしましたのが両公社合せて百三十五億発行いたしておりますが、昨年程度くらいは何とかおつき合いをしようが、百五十五億はなかなか骨が折れる、しかし何とか努力してみようというような程度の雲行きでございます。現に第一四半期におきましては、四、五月は十二億五千万円でございまするが、六月は十億しかどうしても引き受けられないと、こういう状態でございますので、こういう推移をもって参りますれば、公募債の当初の本予算の原案である両公社合せて百五十五億というものも、非常に不安な見通しでございます。まして、ここに四十五億というものが運用部資金からの振りかえで加わるということになりますると、その消化は現状のままでは私は到底困難だと、従って、大きな資金不足が起るというふうに考えなければならぬと思っております。  しかし、この予算の修正をなさって、政府もお認めになったには、何らかの対策をお持ちと、これだけのものを責任をもって資金の調達をはかっていただけると、かように考えておる次第でございます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 今経理局長から御答弁があったのですが、それだけの分を何らか政府が見てくれるだろうという期待をされておるのですが、それがなかった場合にはどうなりますか。

石井昭正日本国有鉄道経理局長

○説明員(石井昭正君) 資金がそれだけ調達されなかった場合には、二つの方法がございます。一つは、工事をそれに見合うだけ到り落さなければならぬという方法であります。しかしまあ御承知のように、国鉄のごとく予算を中心に運営しております事業でございまするから、資金を現実に入手してから仕事を始めたのでは非常に時期を失しますから、予算でお認め願った支出の範囲内は、これは今までといたしましては、それだけは確保していただけると思いまして、年度初めから工事の契約をいたして参るわけであります。従って、若干の額ならその間の運用によって資金不足に対処し得ることはできまするが、とても四十五億というような大きな額に対して、そういう方法は困難だと存じます。  次に考えられます方法は、結局短期資金でもって一応切り抜けて、そうして次の年度等におきましてしかるべき処置をしていただくということが、最後のせっぱ詰まればそういうふうな手段しか考えられないのでございますが、しかしこれは短期資金でもって長期の設備投資をするということは、あくまで合理的でもございませんし、非常に経営上普通の会社ならば危険なことになるわけでございます。これも私の方としては、もちろんそういうハメにならないようにということを期待いたすより方法はないのであります。  結局、どうなるかといえば、そういうことにならざるを得ないわけであります。同時に、そういうような資金が非常に窮迫いたしますると、いろいろな支払い関係でもって、相当各方面に御無理を願わなければならぬというような状態も、どうしても出てくるような点があるかと考えます。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 総裁にお尋ねしたいのですが、今経理局長からお答えがあったのですが、総裁として、実際に資金の見通しがつかないというような段階にいったときに、何か政府のそうしたやり方のもとで国鉄総裁という仕事が切り抜けていかれるという自信をお持ちになっておるかどうか、お尋ねしておきたいと思います。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 先刻も申し上げましたように、ただいまの八十億ですら非常に危惧の念を持っておるので、この上さらに四十億、五十億という金が増されるということになると、はなはだもって心もとないのであります。まだその点について政府とも何ら打ち合せをする機会も持っておりませんので、どうするかというところを、政府がどうして下さるかということもよく伺っておりませんから、ここで何とも申し上げられないのでありますが、今のような状態でありますると、私としては何ともする方法がないと思っております。それだけのことを一つお含みおきを願いたいと思います。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 これは私が申し上げるまでもないのでありますが、とにかく鉄道というような事業は、人命、財産を預かって公共の福祉に奉仕する仕事なんですね。こういう貴重な人命、財産の輸送をしていくのに、予算的に非常に不足を来たして、輸送上の安全が脅かされるというよりな状態になるまで、責任者として、政府がしてくれなければやむを得ぬのだというようなことでは、やはり国鉄の使命というものを達成するということにはならないと私は思うのです。そういう点について、今のような御答弁では、私は国民はなかなか納得しないのじゃないかと思うのですが、どうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) 私としては、もちろん、でき得る限りの努力をするつもりであります。これは申すまでもないのでありますが、さて努力して、しからば今できる見通しを持っておるかと申しますると、今のところそういう見通しは持っておりませんし、先刻申し上げましたように、政府ともまだ何ら話し合いをする機会を持っておりません。ただいまのところでは、懸命の努力をするという以上に、具体的に申し上げかねると思うのであります。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 御努力をされた結果、どうしてもその努力が効を奏せない場合には、総裁という責任のある仕事を引き受けることを、あなたは引き続いて総裁の仕事をおやりになる気持ですか、どうですか。

十河信二日本国有鉄道総裁

○説明員(十河信二君) そういうことにつきましては、今ちょっと何とも申し上げかねると思うのです。私は就任以来、事故をなくすることを第一の任務といたしております。これはこの席上でも幾たびか申し上げたと思うのであります。事故をなくするにはどうすればよいか。事故をなくするには、なるべく人的にも物的にもあまり無理をしないことだ。無理をすると、どうも事故が起りがちじゃないか、なるべく無理を避けていかなければならないということを、私は第一にいたしたいと考えております。  しかし、今の問題は、たびたび申し上げまするように、まだ政府とも何らの話し合いをしておりませんので、それができたときにはどう、できなかったときにはどうということは、ちょっとここで申し上げかねると思います。

小酒井義男日本社会党(第四控室・左)

○小酒井義男君 これは、まだ予算が国会を通過したわけでもないのですから、その後にあらためてまたお尋ねをすることにいたします。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 ただいま小酒井君の言われました点も、実は私たちも、政策的な妥協がなされておりまする情報からいたしまして、心配しておる問題です。そこでこの点は、今総裁にどうこうと言うても仕方がないでしょうが、やはり運輸大臣としては相当これはお考えにならなくちゃならぬ問題だろうと思うのですが、これはどうですか。政府の方では幾らか話し合いができて、政府の方の事務当局としても、どういうふうにするというくらいのことだけは御答弁がなされるだろうと思うのですが、どうですか、政府の方は。

植田純一運輸省鉄道監督局長

○政府委員(植田純一君) 只今のことにつきましてお答え申し上げます。あらかじめ党と政府との間に、この問題につきまして話があったかどうかは存じません。ただ、この予算の修正が大体両党間でできたということに際しまして、ただいま御指摘の点、私どもも非常に心配いたしておるわけであります。それで、運輸大臣といたしましてもその点は非常に心配しておられまして、政府部内におきましても相当の話し合いもあったのじゃないか。特にこの債券の消化につきましては、大蔵省当局に対しましても、ぜひ責任をもってこの消化に当ってくれ、考えてくれということを、幹部、大臣間におきましても話があったようであります。大蔵大臣もこれにつきましては、責任を持って消化に当るという言明もあったように承わっております。ただ、事務的にそれじゃ、どういうふうな対策と申しまするか、手段をもって一そう消化に可能な手を打つかという事務的な方法につきましては、まだ打ち合せいたしておりません。打ち合せておりませんので、今後そういう面につきましても、さらに事務的に打ち合せしたいと思っておりまするが、一応大臣間におきましては、この消化につきまして、責任を持ってこの消化に当るというふうな話があったように承わっております。それ以上の詳細な点につきましては、私まだ何とも存じておりません。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○委員長(加藤シヅエ君) ちょっとお諮りいたします。速記をとめて下さい。   〔速記中止〕

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○委員長(加藤シヅエ君) 速記を起して下さい。

内村清次日本社会党(第四控室・左)

○内村清次君 ただいまの監督局長の御答弁によりまして、大体政府の方でも、今回の自由党及び民主党の妥結による予算の編成が之に対しましては、国鉄の関係問題に対しまして相当運輸大臣も動いていらっしゃるということでもございましたが、私たちといたしましては、先ほど総裁も言われましたように、現実の国鉄の財政の問題からいたしましても、資金運用部資金、あるいはまた国鉄債券というような問題が、直ちに肩がわりされてそれが解決するということは困難性が伴うものであるという見地に立ちまして、運輸大臣は善処をしていくように、この点は十分私は希望いたしますが、委員長にはぜひこの点を運輸大臣にも一つ申達をお願いすると同時に、できれば、私はこの休憩後の委員会に運輸大臣が出席しますように、ぜひ一つ希望いたしておきます。

加藤シヅエ日本社会党(第二控室・右)

○委員長(加藤シヅエ君) それでは、暫時休憩いたします。    午後三時九分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————

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