運輸委員会 第3号
- 発言数
- 43 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/03/31
会議録
○委員長(加藤シヅエ君) それでは、これより運輸委員会を開会いたします。 運輸一般事情に関する調査を議題といたします。内村委員より国有鉄道の運営に関し質疑の通告がございますので、これを許可いたします。
○内村清次君 運輸大臣は一昨日の委員会で、衆議院のほうにおいでになったため、大臣が新運輸大臣としての就任の各般の職務関係に対する方針をまだ十分お伺いすることができなかったことを、私は非常に遺憾に存じます。 ところで、海運の問題はまた次回に譲ることにいたしますが、国鉄の企業及び財政の問題についてお伺いしたい。 国鉄が、すでに大臣も御承知の通りに、昭和二十四年に公共企業体に移行せられましてから今日まで、いろいろその組織面においても、あるいはまた経営面におきましても、相当苦心な状態で、しかも現実の状態は大臣は御承知であろうと思いますが、こういう財政白書というような問題を出さなくてはならない状態になっております。これは一日も早く、国民のために、公共性のあるこの輸送を回復せなくてはならない。あるいはまた経営内におけるところの職員の問題も、あるいは労働条件においても、あるいはまた給与の面におきましても、やはりその特異性にかんがみたこの向上をはからなくてはならないと私たちは考えておる。それに対しまして大臣のお話を、断片的ではございましたが、聞いておりますと、まだ不十分な点があるわけです。この公共企業体の問題につきまして大臣は、国鉄のあり方はこの状態でいいかどうか、この点に対しましてまず御質問申し上げます。
○国務大臣(三木武夫君) 公共企業体という一つの制度が、まだ日本ではこなし切っていない面があることは事実でございます。ことに国鉄の場合で、公共企業体による独立採算制というものが大きな柱になっておる、しかし運賃はやはり国会できめる、こういう点についても、運賃問題というものが純然たる採算ということよりか、影響するところが多い関係から、そのときのいろいろな経済的な大局的な見地からきめられがちであります。こういう点にも事実、国鉄の内容が苦しくなって、独立採算というものを貫き得ないものがあることは事実でございます。それで吉田内閣のときから、臨時公共企業体に対しての合理化審議会というのですか、そういうものを作って、いろいろ答申案も出ておるのですが、まあ私もそれを一読しましたが、なるほどとひざを打つような答申でもないのですね。それで私自身としても、今しかし制度を変えて、しょっちゅう、公共企業体にしたわ、またそれを国有鉄道に直したわ、そういう制度ばかりをいじるというのでなくして、何とか公共企業体の形において国鉄の再建を考えていきたいということを中心にして考えておるわけであります。今この公共企業体を昔のような状態に返すという見地に立って、国鉄の再建は考えていない。今の公共企業体で何とか工夫を加えていきたい、こう考えておるのでございます。
○内村清次君 大臣は公共企業体をよりよいものとしていきたいという御意見のようでございますが、ただこの中に、運賃の問題はこれは国会できめる——確かにその通りです。がしかし、独立採算と言われますけれども、これはもう限られたすなわち独立採算のようでございまして、この認識の点につきましては、大臣も御承知の通りに、特別会計の予算が国会できめられてしまう。その中のワク内における独立採算を強要されておる。ここに根本的な、企業体としての経営が非常に困難な部面があるのです。もちろんこれは国有鉄道という、しかもまたわが国におきましては交通の基幹産業でもございまするからして、予算をすべて国鉄にまかせ切るというようなことは、これは一応は考えなくてはならぬ点であろうと思いますけれども、しかし限られた予算の中に、しかもまたその予算の過程においては、これと密接な関係にあるものよりも、むしろ大蔵省によってその予算というものが非常に融通性を削減されておる。ここにまた一つの障壁があるということを、これは大臣もよくお認めであろうと思いますが、こういう点を何とか一つ、監督権を持っておられる運輸大臣として、関係立法を変えていくという御努力の意思があるかどうか、この点を一つ。
○国務大臣(三木武夫君) 先般の審議会の答申も、そういう点にも触れておったと思います。たとえば、運賃なんかは国会でなしに、政府限りでやれるようにしたらどうか——それはまあ国鉄予算に弾力性を持たすべきだということでしょう。 〔委員長退席、理事仁田竹一君委員長席に着く〕 しかしこれもいろいろな弊害面も起ってくるでしょうし、たとえば運賃の問題にしましても、これは企業体というものが、こんなに大きな国鉄のような企業体はないと思います、いろいろな資産あるいは経営の規模からいって。そのために、私が考えているのは、一つ国鉄の財政というものを根本的に立て直そう。そのためには、これは国鉄財政の立て直しに関して、そういういろいろな経験を持たれている人たちの意見を徴して、まあ名前は何と申しますか、そういう委員会を早急に作って、この国鉄というものの再建を一つこの機会にはかってみる。何分にも、この鉄道というものが老朽化していく姿が、ちょっと眼に見えないのですね。そこにやはり無理をしいられるわけなんです。何とかやはり無理してもいけるのですね、当分の間は。しかしそれがもう無理がきかなくなってきたときには、これは大変なことになるのだけれども、無理がきくものですから、まあ人間のからだでいえば胸部疾患のようなものですから、そういう点で、すぐにどうということでないために、非常に無理をしてきた。実際私は運輸大臣として、いろいろこの内容を聞くにつけて、非常な無理のしわ寄せというものが別にきている。今までのいろいろなそのときの財政状態の無理というものがきている。このままでは、いつかは大変なことになる。この機会に一つ国鉄の財政の立て直しをやらなければならない、運賃問題もひっくるめてですね。これは早急に結論を出して立て直しを一つやっていきたいと、こう考えます。こういうものは何分にも企業体自身が大きいものですから、今すぐ手っとり早く右から左というわけにもいかない。いろいろな方面の意見も聴取し、検討を加えて——しかしこれはそう長くは待てない問題でございますので、それだけの時間を一つおかしを願いたい。何か一つ根本的な対策を考えていきたい、こう思っております。
○内村清次君 問題は少しそれで枝に分れますが、その枝の一枝でありまする問題から質問してみたいと思います。 まず国鉄が今回強い意図をもちまして、当面の経営の赤字の問題、同時にまた内容的には設備の復旧の問題、あるいは当面の負債の返還問題、こういうような一連の財政的な赤字を、これを漸進的にと申しますか、あるいは急速にと申しますか、まだ数字は明白になっておりませんが、とにかく運賃値上げの大臣も強い意思を持っておったということは、これはもう事実であろうと思う、先日の委員会でも連日、運賃はこれは値上げはしないが、将来においては考えるべきだ、こういうお話ですが、そうしますと、先ほど言われました大臣の国鉄立て直しの御方針の中からして、まず第一には運賃はこの国会には値上げ法案というものは出さないという御方針であるかどうかということが第一点。と同時に、それはどういう理由によって出さないということであるか、この点一つ。
○国務大臣(三木武夫君) この国会では運賃の改訂をいたさないということは事実でございます。その理由は、今鉄鋼その他多少物価も上向きになって、政府はなるべく物価を、輸出の振興の見地からしても、これはやはり物価というものを低い程度で押えていきたい、こういう考え方からして、この際は運賃の値上げをしないことが適当である。まあいろいろな経済的な諸条件を勘案いたしまして、この際上げぬことが適当であろうという判断に立ったわけであります。その基礎になるものが、やはり将来の日本の貿易の振興とも考えて、物価というものを押えていく。もう少し経済の見通しがつくまでは、運賃は押えていったほうが適当ではないか、こういう判断でございます。
○内村清次君 そうしますと、国鉄の再建の問題に対して、当面国鉄が困っている問題をどういうふうにして片づけていくか。これは重点的にお考えでございましょうが、その重点的な問題を一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) それは国鉄の予算等に現われておる赤字が三百四十二億程度になっておる。その中の重要な部分は、国鉄はまだ第一次資産再評価のベースによってやっておるわけであります。これはどうしたって、近代の産業がみなそうであるように、第三次再評価のベースによって減価償却をすべきだ——それは理想的にはそうでありますが、そういういろいろな経済的条件で、運賃を押えたわけであります。今ただちに第三次再評価のベースに乗せるだけの余裕はないわけであります。やはりこれは国鉄の将来の再建のときには取り上げられなければならぬが、この場合は繰り延べていく。それからいろいろやはり将来において国鉄の借入金の返済が年度によって非常に固まってくる場合もありますから、減債基金のようなものを置いて、そうしてそれが平均して負担の過重にならぬような処置をしなければならぬ。——これも理想的でありますが、これも押えなければならぬ。そういうふうに、理想的ではあるが、今日の国鉄の経理状態からして、まあ繰り延べられるものは繰り延べて、それでも幾らになりますか、国鉄の予算からそろばんをとれば、百五十億円くらいの赤字になるでしょう。これはやはり国鉄自身にもいろいろな経費の節約あるいは増収をはかって、あるいは国鉄の購入物資についてもできるだけ単価を切り下げてほしいということを国鉄にも注文をしておるわけであります。何とかして国鉄の経営の合理化によって、国鉄自身も国鉄の努力によってある程度補ってもらいたい、そうしてその残りの部分はこれはやはり政府が面倒を見なければならぬ、こう思っておるのでございますが、今国鉄も百億の利子負担になっておるわけでございます。そういう利子について特別な処置を考えるというようなことが国鉄の財政の上からいったら好ましいでしょうが、そうはなかなかむずかしい。 そこで、とにかく一方においては国鉄の財政の根本的立て直しということを検討しながら、国鉄側の努力によってもどうしてもカバーのできない、そうして建設費においてもこの工事は今繰り延べることのできないという点については、これは政府が面倒を見ていきたい、こう考えております。一体その数字は幾らかという問題でございますが、これはまだ運輸省自身としても、国鉄自身としても、それに対していろいろの建設勘定の中でどうしてはこれはやらなければならぬというものはどういうものになるかということで検討を加えておるわけであります。今後その数字によって財政当局と折衝をしたい。それから数字の的確なことは申上げられませんが、どうしても出る赤字は政府が面倒をみていきたい、こう考えております。
○内村清次君 大体大筋はわかりました。これは運賃値上げをしないとすれば、やっぱり内部的に相当な努力が必要であろうと思うのですが、これに対しては何としても政府の方でその努力をしていただかないと、国鉄自体の再建というものはこれは早急に立ち直りはできないと存じます。そこで実は日本国有鉄道法の五十二条から五十三条に対しまして、運輸大臣の権限問題があるのですね。この運輸大臣の権限については、これは吉田政府のときでございましたか、あるいはまた鳩山内閣としてこの権限の強化という問題が出ておるようですが、これは鳩山内閣の閣員の一人であるところの運輸大臣として、その強化の問題をお考えであるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、運輸大臣と国鉄との関係、これは実際国民でもそういう錯覚があると思うのですが、運輸大臣といったら全部責任を持っておるとこう思っておる。いろいろ五十二条というものを読みますと、三カ条くらい書いてある程度で、国民が国鉄というものについて考えておるものと実際の国有鉄道法に現われておる条文なんぞは、よほどズレがあると思います。 今私が事務当局に検討してもらいたいといっておるのは、ポリシーに関係するものは運輸大臣がやはり何か関与できるようなことが必要じゃないか。それは、たとえばどこを電化するか、電化はどこをやっていくか、どういう線路を複線にしていくか、こういうことはなかなか事務当局はむずかしいというのですが、駅の構内なんかに大きな建物が運輸大臣の知らぬ間に建つということについては適当であろうか、永久建造物などが何にも知らぬ間に建ってしまったりするということは、これはやはり国民の側から見ても、駅の構内に大きなビルのできたのを運輸大臣が知らぬということは、これは何か運輸大臣の認可を必要とするとか、そういうことはできないだろうかということの注文をつけて、事務当局で検討してもらいたいということを言って、今事務当局で検討中であります。大体の考え方としては、交通政策に関するものはやっぱり運輸大臣が、どういう形によりますか、何か関与することが必要なんじやないかと、まあ漠然と私は考えておるのであります。
○片岡文重君 今の大臣のお考えは、私はあるいは聞き違いがあったかもしれませんけれども、もし私が了解するような意味で大臣が発言されたとするならば、公共企業体というものの本質について、私たちと重大な意見の相違があるじゃないかと思うのですがね。というのは、大臣が今考えておられる機構強化の面というのは、結論的に言えば、要するに運輸大臣の国鉄に容喙する権限を強化するという意味であって、国鉄企業体の機構を強化するという意味ではないと思うのです。そういうことは私たちにとってはやはり重大な問題だと思うのです。この点一つ、念のため、もう一ぺん御説明いただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 公共企業体自体も非常に、やはりここには改革を要する点があると思います。実際公共企業体というものを、これを貫いて考えていけば、運輸大臣の監督権などはなるべく減らしていくことが本当でしょう。しかし今言った、今の御質問の中にもいろいろありましたように、予算も縛られ、運賃も縛られて、日本のこの公共企業体というものは、非常に今後やっぱり検討を要する課題が私はあると思う。こういう過渡期の処置として、公共企業体のあり方というものが、これはもう非常に検討されて、こういうふうにすることが公共企業体として国鉄を運営していくのには一番いいということに固ってきましたら、おのずから違ってくると思います。こういう過渡期の処置として、今言ったような一つの政策に関するようなことは、権限の強化というよりかは、国民に対して責任を持っているのは政府ですから、いろいろ交通政策上重要なる影響のある問題については、それが監督権の強化というような見地よりかは、やはり政府の意向が反映するようにすることが、政党政治としての建前としては正しいのじゃなかろうか。だから、それをどういうふうな形でこれを法文化していくかということは、これはよほど検討していかなければならぬが、何らかの形で政府のやっぱり交通政策に対しての考え方が入ってくるような仕組みが必要なのではないか。私は運輸大臣としてしろうとで入って、そういう感じを持っておる それで一つ、事務当局に検討してもらいたいということを言いましたので、これは専門的ないろいろな立場から、また両共企業体のあり方等からも、慎重に事務当局は検討するものと、御意見のようなことも当然に検討の中には参酌するものと、考えておるのであります。
○片岡文重君 交通政策の面でいろいろと関与されるということは、むしろ監督官庁たる立場において当然でもありましょうし、今までのあり方自体、むしろ見方によっては総合的な交通政策、陸海空を通しての総合政策というものが、ほとんど政府としては何ら見るべきものがなかったのじゃないかとさえ私たちには考えられるので、そういう意味における運輸大臣としての何と言いますか、協力の仕方を考えるということであるなら、わかりますが、先ほどのお言葉の中には、別にあげ足をとるという意味ではありませんけれども、たとえば駅の建物が全然知らないうちにできておるとか、あるいは構内の状況がどうであるとか、こういうような言葉があったようですから、そういう問題になってくると、もうあるいは見解の相違というかもしれませんが、そういう問題になってくれば、これはもう純然たる国鉄企業の運営の方法に私は入ると思う。別に経済政策の面から、あるいは停車場ビルを作るとか、停車場会社を作るとか、あるいはそういう類似するようなものを作って、それを政府の意のままに動かすというようなことであるなら別として、国鉄の関与する陸運、海運に関する限り、それに必要な建物、施設、そういうものにまで運輸大臣が容喙するということは、すでに国鉄企業について立ち入り過ぎる、こういうように私は考えるのですが、その点について今の大臣の話で、政策の面に限られるということなのか、それとも先ほどのお話のように、そういうこまかいところまで、具体的なところまで入っていかれるのかどうか。これは将来の問題だと思いますので、重ねてお聞きしましょう。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、事務当局にも言ってあるのは、もう法三章的なものでなければいけない。こまかいいろいろなことで監督権というものが入っていけば、それは泥沼に入った形になって、また公共企業体の本質にも反してくるので、まあ一つの政府の大きなポリシーに関係するようなことは、これは運輸大臣が関与すべきは当然なんです。それは法三章的なものにしてもらいたい。 建物などは、私はこういう陳情を受けるんですよ、デパートが方々でできるので、駅の構内で建物が建ちまして、それが停車場と一緒になってデパートになる。それが地方の中小企業者から、私の地域にはデパートが二つも三つもあるんだ。それでまたデパートを建てられたんでは、商売がやっていけないというような陳情があるんです。だから、そういう大きなビルになってきますと、必ずしも国鉄のいろいろな採算というばかりからも考えられないので、やはり中小企業対策という面からも検討しなければならぬ問題が起ってくる。こういう点で、今この駅の構内における永久建造物ということに対しても、そういう非常な弊害のある場合には、やはり考えなければならぬ面も出てくるということを、私は感じておったまま申し上げたまででございまして、こまかい監督権を強化しようという意思は持っておりません。
○片岡文重君 もう一つ、関連するようなことですが、そうしますと、むしろ今の大臣の考え方は、大体において国鉄の企業の具体的な面にまでは入らないということで、もっぱらいわゆる運輸省としての立場からというお考えのように承知しました。そこで、今の国鉄の合理化に努力してほしいというようなさっきの問題について、それがすぐ考えられるんですけれども、今の国鉄の与えられた権限の範囲内においては、すでに合理化といっても、経済の面からほとんど限界に近いものにきているんじゃなかろうか。で、この上に合理化を望むならば、むしろ国鉄の総裁の権限とか、あるいは大蔵省に対する予算の面における柔軟性といいますか、そういう点でもっと総裁並びに国鉄経営の当事者が自由に手腕をふるい得る、企業的な意欲を十分に発揮し得る、もちろんそれは公企体に立っての問題には違いありませんが、そういう点でもっと自由に手腕を発揮し得るような方面に、まず合理化をすべきである。その上に立って経営の合理化に努力すきだ、工夫をせよということであるなら、私たちにも一応ごもっともに受け取れるんですが、大臣は、今日の国鉄の機構の中でなおかつ合理化の余地が多分にあると——多分という言葉は別ですが、とにかく合理化の余地は十分あるというふうにお考えになられますか。
○国務大臣(三木武夫君) なかなか最近は鉄道も合理化をやっておると思いますけれども、しかしあれだけの大きな世帯ですから、それは合理化の余地は私はないとは考えていない。それは私はいろいろな購入、一つの石炭の購入にしましても、それはよほど炭価について検討を要する面がある。そういうことで、そういう面でも相当やっぱり考えていける余地があるんではないか。あるいはまた国鉄が持っておるこういう財政状態で、何ですか、必要としないような不要物などを処分したらいいと思います。これは相当な金額になるわけですから、こういう点。まあそのほかにもいろいろ、専門的に入れば、経費の節約、増収をはかる余地というものは、これはあると思うんです、あれだけの大きな世帯ですから。それは合理化をだいぶやっておるけれども、余地がないとは思いませんね。もしこれが私企業を経営しておる人のような眼で入って見れば、やはり相当なものが私はあると思う。 これはきのうもある専門家が私に言うのには、住宅などでも、そんな駅の住宅などは、一番いい場所に駅長の住宅があるのだから、ああいうような所は地価も高いから、住宅などは少しへんぴな所でもいいのじゃないか。少しへんぴな所でも……。そういうような所なんかは、場合によれば処分してもいいのじゃないか。それは金額はどれくらいになるかしれませんが、そういう眼で検討して、私企業的な一つの眼で検討をすれば、合理化の余地というものは、これはあるのじゃないか。まあこう考えておるのでございます。
○片岡文重君 ちょっと一つだけ……。私も別に、今の国鉄の経営に合理化の余地がないなどとは申しません。もちろんそれは十分、あれだけの企業ですから、あるのはもちろんでしょうが、しかし今国鉄で行なっているいわゆる経営の合理化というものを見ておりますと、たとえば最近は鉄道会館がきっかけになったそうですけれども、わずかの地域の、駅前の婦人会あたりから、月々わずかな金をとってようよう維持しておるような児童遊園地あたりまで、多額の、つまり駅前の地価をかけて、年間数万円という借地料を取り上げるというようなことで、もうまさに重箱のすみをようじでつつくような経営の合理化をやっておる。これはほんの一例にすぎないでしょうけれども、そういうところまで合理化が進んでおるということも、また言いようによっては言えると思う。従って、この曲における総裁以下の諸君の苦心というものは、まあなみなみならぬものがあると思います。 しかしそういう合理化の努力が、外部からしいられておる反面において、しからば国鉄の企業的な自由がどの程度に改善されておるかということになると、これはもうほとんどされておらないと言っても過言ではなかろうと思う。そういう手足を縛っておいて、動かせるだけ体を動かしてみたいというやり方では、結局内向するところは内部における弱いところ、弱いところ、抵抗の少いところにその合理化が向けられてくる。そして大綱が流されていくということになって、まさに本末を誤まるような合理化がなされてくる。しかも、その段階にあるのではなかろうかと考えられる。そういうことよりも、むしろもっと総合的に、国鉄をして自由に国家機関としての使命を果させる。そして遺憾なくその公共性を発揮させるためには、一つ自由に経営者陣に経営を行わせる。今大臣が使われた私企業的な見地に立って、経営の合理化を詰められるだけ詰める。そしてその権限を十二分にふるわせる。そして財政面における、収支の面についても、そういう面から改造さしていく。それから先ほど大臣おっしゃられた一億の年間利子を支払う。しかも借りてくる金と払う利子とではほとんどトントンだ。イコールだ。こういうこともつき詰めていけば、結局そういう融資の面についても自由な処置がとれないというところにこれは基因しておるのです。だから、そういう点から言っても、もっと自由にやらせることが必要だと考えます。そういう点について、もっと国鉄の経営者陣に広範な権限を与えるお考えはないかどうか。
○国務大臣(三木武夫君) これは国鉄総裁を非常に縛っておるようなお話ですけれども、私はそうは思っていないですよ。今お話しのこの運賃、予算等では押えられておるけれども、内部においていろいろ合理化をやるということで、それをはばむような縛り方はしていない。それはいろいろ労働基準法とか、一般的な制約はありますよ。しかし特に国鉄総裁が経営の合理化をするために、自由に自分の手腕が発揮できないように国有鉄道がなっておるとは思いませんね。それは縛っていない、余地はある。 しかしこの合理化というものが、ただお話のように弱いところへしわ寄せをするような形になっても、それはどこかに弊害が起ってくるわけです。結局は根本的な合理化というものは資金が要るのですね。それは電化でも促進ていけば、たちまち石炭に比べて一二分の一くらい燃料費が節約する。どうしても根本的な合理化というものには資金が伴ってくる。そういう点で私は国鉄の再建をはかりたいということを、今はこういう状態でありますから、資金難で困っておる状態でありますから、新しく莫大な資金を持ってきて合理化をするということは、当座の急には間に合わない。今日はそれだから、いわゆる経費のできるだけの縮小、あるいは雑収入その他のことで、合理化への重点をはかっていくのですが、将来の方向としては、やはり電化であるとか、機械化であるとか、こういうことで相当資金をかけて合理化を考えることが、合理化の本筋であるという考え方は、あなたと同様なんでございます。
○片岡文重君 総裁の権限をそういう縛っておらないとおっしゃられると、これはもう見解の相違ですから、何をか言わんやですが、いまあなたのおっしゃる資金の面が必要だ。根本はそこにあるとおっしゃるが、その資金を自由にさせないのが今の公共体の規則なんです。法律です。そういう点において、もっと自由に融資できるように、資金が手に入るように、そこを総裁にやらしてあげたらどうか。そういうことを考えられませんかと、こういうことなんです。釈迦に説法かもしれませんが、TVAあたりでやっておられるような広範な権限を総裁に与えたらどうですか、こういうことです。
○国務大臣(三木武夫君) それは、なかなか資金を自由にさせて、総裁に与えるということは、自由といっても、資金の原資というものは、一応やはり国の資金計画などによらないと、これはどこかほかの、民間でというのでなしに、やはり国家資金にたよろうとすれば、それは無計画に、国鉄の資金は国鉄総裁の要求によって潤沢にというわけにいかない。それは敗戦日本の持っている運命だと思います。そういう点で一応この国鉄総裁としては、やはり運賃などもいろいろな事情、国鉄自身の採算によって、もう少し自由に上げられるというようなことになれば、それはいろいろ財政的に余裕もできるでしょう。それがやはり押えられているし、やはり運賃というものも、国鉄の採算ばかりからは考えられない。全般のやはり経済政策に結びついているものですから、一応やはり運賃というものは、国鉄総裁の自由意思によって動かせるというわけにはいかないわけですから、まあせんじ詰めてみれば、日本経済の持っている矛盾である。これをどういうふうにして克服していくかということに落ちついていくと思います。
○片岡文重君 ちょっと、もう一つ簡単に言いますが、どうでしょう、おっしゃられることはごもっともですが、そういうことは、総裁は国会でも認めている総裁なんですから、そういう面については、やはり総裁としての良識に十分まかせられるべき問題である。いかに私企業的な性格といっても、国鉄だけよければというような考えは、毛頭持たんのですから、そういう点は当事者の良識にまかせて十分運営していける。しかも国家的な見地に立ってやっていける。こういうことを考えますが、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはり何ですね、われわれも国鉄総裁を信頼し、国鉄総裁がいろいろ予算上組んで参りますことについては、できるだけ協力をしたいという考えでおります。しかしながら、資金ということになって参りますと、これはやはりみな、ほかからも、国鉄総裁に劣らない信頼のできる人たちが、みな各方面要求してくるわけでございますから、そこはやはり国全体の資金計画というものの制約を受けることはやむを得ないんですから、資金源が豊かでないんですから、そこでそれは国鉄総裁を信頼するとかしないとかいうことからくるのではなくて、日本の、やはりこの敗戦後の資本が枯渇している日本の状態からくる制約、国鉄総裁を信頼しないから縛るとかどうとかという問題とは別個の課題として、それは制約を受ける、こう考えている。
○片岡文重君 関連ですが、今の自然的に制約を受けてくるということが、結局、私は良識だと思うのですよ。国鉄総裁も、他の面における当事者も、当然その国家経済の中から、この日本の限られた貧弱な経済の中から割り出されてくるのですから、それをあえて企業体法等で縛っておかなくとも、自然的に良識のあるところに落ちついてくる。そうして各機関、各関連する総合機関で妥当な線に落ちついてくる。ところが、それが今のように法律で人為的に縛っておくということは、不自然な結果が一カ所に集約されて、他の面からのしわ寄せを受けてくる危険があって、それが妥当な線にまでいくには多分に不自然さがある、こういうように私は考えまするので、その限られた範囲内における自然的な結論に導くために、今のような人為的な法律規制というものは取ったらどうか。もっと自由にしてやったらどうか、こういうことなんです。
○国務大臣(三木武夫君) これはなかなか、やはり取れないと思います。それはあなたのおっしゃるのは、取るといっても、たとえば資金でも、国鉄の要求するだけの資金を日本の資金計画として満たし得るかということが一つ。もう一つは、運賃というものが自由にきめられれば、これはやはり鉄道財政上に余裕ができてくると思います。ところが、それが自由にきめられるかというと、これはやはりちょっと今日なかなかそうはいかない。そういう点で、私は国鉄の再建を一つ根本的に考えてみたいというのは、何としてももう少しこの上においては……。国有鉄道法で何にも縛っていませんよ。私は運輸大臣になってびっくりするくらい、運輸大臣の権限というものは少い。これはそういうことで縛ってはいないのですけれども、金がないのですよ。財政的なやはり余裕がない。だから、国鉄というものの財政が立て直って少し余裕ができて、そして自分の財政で新線の建設もできると、こういうふうになってくると、今御指摘のように、国鉄の総裁の手腕が発揮できると思います。そういう点で、国鉄の財政の根本的立て直しをはかって、もう少しやはり国鉄が財政的に余裕の持てるような状態にしたい、こう考えておるのでございまして、最後の行きつくところは御意見の通りかもしらぬが、ここですぐにおっしゃられるような資金的な自由を国鉄総裁に与えるということは、とてもできないことだと考えておるのでございます。
○内村清次君 運輸大臣の権限問題につきましては、大臣のほうでは、今事務当局で検討中だ、こういうお話でございますから、具体案がもしもできました際においては、また意見を述べたいと思います。 ただ申し上げておきたいことは、先ほどの大臣の方針では、公共企業体はそのまま存続させていきたい。しかもまた、これをよりよきものにしたいという御方針のようでございます。この点に対しましては、私の立場から申しますると、まだ幾らか意見の違った点がございます。ただ問題は、吉田内閣の際に権限強化の問題が出ましたときの動機については、確かにこれは国鉄自体にも反省すべき事件もできておったようです。と同時に、また毎年繰り返されておりまするところのこの労働問題、そういう問題とも関連したすなわち予算の拘束、こういう点からも権限強化の問題が出ておったようでございますが、そのほかに重要な問題は、私は基幹産業でありまするところの国鉄自体が、いやしくもこれは昔日のごとき、先ほど大臣は時の内閣が政策的にその責任の一半を負わなくてはならない、こういうお言葉もありましたけれども、次々かわる内閣の政策の下にこの国鉄が翻弄されてしまうと同時に、またたとえば具体的に申しますると、これは権限強化の中でなくして、現五十三条にもありますが、新線の建設の問題におきましても、時の政党線であるというがごとき状態によって建設をされた昔日の状態もありまするからして、そういうようなことが、政争の具に国鉄がなるようなことがあっては、私は相ならないと思います。どこまでもこれは、公共福祉の国民的立場に立って国鉄の経営というものが、時の内閣とその関係においては密接な関係にはあるといえども、いやしくも国鉄が政争の具になるというようなことはこれは避けてもらいたい。そういうような御方針で、いま少し密着すべき点があればあるような具体案を一つお示しになって、検討させていただきたいということを、私は今希望いたしておきます。 ただ先ほども一言触れましたが、国鉄の職員関係、すなわち労働関係の問題につきましては、もうすでに大臣も第一次内閣のときにおいて、昨年の年末においては関係されたし、かっては芦田内閣のときには逓信大臣で、その労働問題に対しても相当関係をされたようですが、毎年とこの労働問題が提起されてくるというようなことについては、これは大臣としては何とかしようではないかというようなお考えがあるかどうか。そのお考えは一体どういう点にあるのだということを、昨年の年末の状態からお考えになっているか、これを一つお聞かせ願いたい。
○国務大臣(三木武夫君) まあいろいろなああいう労働問題というものが、労働条件というものを中心として起っているわけです。一般に、こういう入口過剰の国ですから、労働条件がほかの国に比べてみて非常に悪いことは事実であります。しかしまた、この労働組合運動も、終戦後やはり私は健全なものと思っていない。日本の労働組合運動は、こんなに政治的に偏向した労働運動というものは、例がないと思います。こういう点で、一方いろいろ労働条件にも言い分がありましよう。これはやはり日本全体の経済の貧困、条件の悪さからくるのですが、労働組合自体も、終戦後十年たってきて、やはりいろいろな面で労働組合運動も健全にはなりつつありますけれども、まだまだやはり、こんな政治的に偏向した労働組合は私は世界に例がないと思っておりますが、こういうものは、だから労働組合運動のあり方というものも、非常に問題だと思っています。そこで私はこの間も国鉄の労働組合の人たちが来たから、僕はなにも資本家でもなんでもない。私企業の代表じやない。主権を代表して運輸大臣をやっている。主権を代表してやっているのだから、何も立場は君らと変っていない。このままではいかぬから、国鉄をこれから再建していきたい。君らも委員会でもできたら大いに入ってきて、五年くらいは国鉄に関してはそんな労働問題のトラブルは起さないということで、一つ再建をやろうじゃないか。そうなってくれば、結局、公共企業体で行こうとすれば、国鉄というものが立ち直ってくれば、労働条件というものもよくなってくる。立ち直らないでこういう状態でずっと参りますと、それはやはり労働条件に影響してくるわけですから、そういうことを申したのです。数日前のことでありますが……。こういう点で、私はやはり、今後なるべく国鉄の再建ということについては、労働組合自身も、単にもういつも労働条件の改善ばかりをする団体であるということではなくて、お互いの職場であり、一生の運命を託しているところだから、国鉄の再建に対しても労働組合が責任を感ずる、こういうふうに労働組合が進んでもらいたいということが、私今頭に考えておる点でございます。
○内村清次君 はからずも、民主党の進歩的な方だと、私たちはまあこの点については敬服しておったのです。あなたの労働対策の根本思想というものは、どうしても納得できない。それは全く資本家的な考え方であって、この点は、どうしてあなたがそういうふうにお考えがなっておられるかということを私は疑うのです。私は年末に際しましても、私は非公式的ではございましたが、三木運輸大臣とは会った。確かに、一致する点はありました。それはやはり年末はもちろんこれは限りのある日にちではございますが、もちろん二十五日から先のだれでも越年をするところの瞬間、あるいはまた越年してからの新年、これだけは何とかして一つ、この国鉄の内部においては紛争がないようにというその一点に対して、私はもう全く一致した。そのために私たちは徹夜であっせんの微力をしたわけでございますけれども、あなたもそういうお考えであったようである。しかしながら、根本的に国鉄が立ち直るまでは、労働運動という、すなわちあり方という問題が、これはその旗をおさめなくてはうそではないかということの御意見の考え方には、どうしても納得できない。 で、今日、これは運輸大臣も御承知と存じますが、終戦以来から今日まで、国鉄が何とか復興して、国民サービスの面におきましても格段の相違が出たのじゃないか。というのは、これは大臣ばかりの力でないはずです。やはり当時六十一万おった職員が、現在四十万足らずの職員に定員が減ってきて、そうして動かすところの列車というものは、これは本数においては相当増加したはずです。あるいは設備におきましても、もちろんその間若干的には改善された面もあるけれども、今日のごとくこれはもう今日国鉄が、経営者自体が出しておるような設備の不安定な状況において、そうして労働条件といえども、基準法は設けられましたけれども、必ずしもその基準法によって工場あたりで働くところの労働者の方々と一緒な条件ではないような基準法の制定で、やはり終夜、これは一瞬もとめないでおるのですね。列車の運行に、輸送の本数に、職員は携っておるのです。この間をあなたは見のがして、それはただ健全な労働運動ではない、と同時に、また政治偏向であると、こうおっしゃったのですが、そのお考えが出るということが、どうもおかしい。先ほど言われたように、独立採算制の問題からいたしましても、予算総則できめられたところの職員の給与の問題からいたしましても、あなた方自体がこれを改善していかなくてはならない大きな努力があるはずです。閣内でも、先ほどはある程度肯定されておるのですけれども、こういう問題をまず御努力によって、そうして公共企業体の労働関係法の中にある平和的な努力というものがここに、目的であります第一条第二条の目的というものが達せられて、初めてああいう紛争の状態というものはこれは解消されていく問題であると思うのです。その努力がなされておらない。 そうしてまたその法律的な問題がないのに、賃金一つをきめるにしましても、みな政府の意図でしょう。これは決して対国鉄との、労働組合との交渉では落ちつかない問題ばかりです。そうしてくれば、やはり時の内閣が反動性にあれば、反動者に対しまして給与の問題でぶつかっていくことは当然なことですよ。そうなさせてしまっておるのでしょう。この点をあなたがお気づきなくして、ただそれだけを要求されるということの認識は、進歩的な大臣としての私は、残念ながら、これはまあ落第点ですな。
○国務大臣(三木武夫君) 私はやはり、この国有鉄道が戦後の荒廃からやった努力は、決して低く評価するものではないのですよ。敬意を表しておるのですが、一般的に、日本の労働組合運動というものは政治偏向であるという考えは、私は捨てていない。 これはやはり、私も最近は世界の労働運動界を見てみたのですが、やはりこれは労働組合運動というものは、経済条件の改善ということに一つの中心がおかれておるし、企業自体に対して単に賃金闘争をするための組合というよりかは、次第にやっぱり経営に対しての責任の片棒を担ごうというところに、労働組合運動の成長の姿があると私は思っておるのです。そういう点が足りない日本の労働組合は、企業自身がそういう余地が賃上闘争にしてもあるかないかということにおかまいなしにやるような賃金のストも、やっぱり現に行われております。こういう点で、労働組合運動が常に、内閣をぶっ倒せというようなことが労働組合運動の中心になるというよりかは、やはりその経済条件を改善とていくそのためにその自体の企業経済についても、これを盛り立てていくということに責任を感じ合つていく労働組合が、やっぱり健全な方向ではないかという考え方は、内村さんどういうふうにお考えになっておるか、私は今もいろいろ御注意を受けましたけれども、この日本の労働組合に対する印象は、どうも私はそういうふうに感じておるのでございます。
○内村清次君 経営に対する責任を分担していく、——私はこの点は同感です。ならば、大臣に伺いますが 日本国有鉄道の中でも経営参加させておりますか。あなた方自体が、これは労働者を経営に参加させる、しかもドイツやイギリスのごとく経営参加をさせるという御方針でございますか、その点またはっきり伺いたい。
○国務大臣(三木武夫君) 私は将来そう行くべきだと考えております。今の段階では、まだいろいろと間があると思いますが、今の労働組合が経営に参加していくだけの……。参加していくためには、労働組合自身も成長しなければならない。成長して、将来はやっぱり労働組合というものが経営に参加していく方向が正しい方向だと私は思っております。
○内村清次君 いや、成長という言葉は、それはあなたのほうから言われる言葉であって、(笑声)それはそうお考えになっておることも、私は否定はいたしません。が、しかし私たちから言えば、成長しておるのだ。やらせてみるといい。たとえば、これはまあ各人の考え方でしょうから、成長しておらないと見ておられる方は、成長しておらないでいい。私たちは成長しておるのだ。やらせてみれば、やり切れないことはない、実際。しかもそうやってこそ、私たちは企業の内容もよくわかり、しかもまたそれに直接携わっておるところの職員の苦労も反映されて、あるいは職場の安定と申しますか、通じて家庭の安定という面から、その業に対するところの終身的な執着心が起ってくると、こういう私は解釈がされると思うのです。これはやらせないからできないのであって、あなた方の見方ももっと進歩的なお考えになってそうしていけば、やはり四十万の組合員の中であれば、民主的に、今は本当に運営も民主的にいっておりますからして、その運営の中からやはり経営参加するところの人材というものは私は出てくるのじゃないか。その証拠には、やはり地方議会の議員におきましても、あるいはまた国会の議員におきましても、やはり必ず、私ではございませんけれども、まだほかに優秀な人たちがたくさん出てきておるはずですよ。専門家もやっぱりあるのですからして、やはりよらしむべからずというお考え方がそうなしておりはしないか。 だからして、私が望むところは、進歩的な大臣としては一つ、閣内においてその方針をごく近いときに法律的に認めるというような御確信があるかどうか、その点を私は一つ、もう一度お伺いしたい。
○国務大臣(三木武夫君) これはまあ成長ということが、もうすでに成長しているという内村さんのお話ですが、これはなかなか証拠を見せろと言ってもむずかしいんですが、今の社会の常識では、やはりそうはいってはいないのじゃないか。だから、多数の国民が労働組合の成長を感じ、労働組合はもう経営に参加しても大丈夫だというような状態に、一日も早く労働組合が行ってもらいたい。まだ今日では、私自際は率直に言つて、時期が早いと、日本の労働組合が経営に参加するのには時期が早い。それはできるだけそういう形において日本の産業の平和を維持していくことが、日本の近き将来そういうことが達成できれば、再建の基礎になる。労働問題というのは、日本の一番ガンですよ。だから、そういう意味で、早く労働組合も、社会の人が安心して労働組合が経営に参加してもやはり安心感を持つような組合に成長してもらいたい。これを念願しているわけでございます。
○内村清次君 ただいまのお言葉は私は労働者に対する侮辱だということを、発言に残しておきまして、あっと言わせるようなことで労働組合が、また労働者の人たちが、経営に参加をして、立派な企業形態を労使ともに成り立たさせていく、近き将来においてなすことを、私はここではっきり言っておきます。まあその間においては、願わくは一つ、民主党の内閣のときにおいて、法律的な経営参加を大幅に打ち出すと、完全雇用の点はお打ち出しになったのですからして、まあ今後は経営参加ということを打ち出すということを希望いたします。 と同時に、申し上げたいことは、もう一つ見忘れていらっしゃることがあると思う。それはどういうことかと申しますると、公共企業体の関係労働法の、すでにこれは大臣も御承知でございましょうが、十六条というような問題ですね、資金上不可能な場合のときにおいては国会の決議によってその資金を承認をする、あるいはまたは、それまでには一切労働組合に対しては出すことはできないということ、給与の問題を解決することはできないという規定がここにあるわけです。それでこれを掘り下げますると、何で縛られているかというと、これは予算総則で縛られてしまっている。予算総則で縛られているということは、結局国家のいわゆる会計年度が三月三十一日を終期といたしまして、四月から出発をする。国会は内閣の財政、一般予算を決定をしていくと、そのときには予算総則はもうきまってしまっているのだ。同時に、そのときにはすでに、そのときの人員に対して給与のベースをかけ合わせた総額というものが出てくるんだ。あと一年間というものは、資金上の運用ということも大蔵大臣の制限があるし、あるいはまた運輸大臣の協議の問題も出てきているんだ。だからして、いつも年末に、それから約十カ月もたち、あるいはまたは半年以上もたったところの期間において、物価の変動、あるいはまたは定期昇給その他もございましょうが、そういう問題で必ず経済問題とぶつかってくるわけですね。こういうような不合理な事態というものがここに介在しているのです。これを何とか解消しなくちゃならぬ。一つのやはりこれは予算でございまするからして、基準をきめることは悪くはないとは存じますが、今言ったように、これはもう実は私たちは撤廃をしてもらいたいという意見でございますけれども、これは直ちに撤廃ということができるかどうかは、これは大臣の努力次第ですけれども、私たちは撤廃をしてもらいたい。しかし撤廃できないとすれば、そこに弾力性のある規定というものを設けなくては、労働問題の解消ということはできないはずです、当局者といえども。 結局、やはりこれは、問題は政府の考え方になっていく。政府部内でも関係者の、関係者と申しますと、大蔵大臣か運輸大臣のこの権限問題の協議によって成立をしていく。特に集約すると、大蔵大臣の考え方によってこの問題が、労働問題というのがやはり解決を促していくというような状態になるのですよ。これを大臣はやはりこのままでおいて、先ほどあなたがおっしゃったように、政治偏向であるとか、政治闘争だとかいうことでは、どうしてもこれは解消はできない。これは何とか自由なる公共企業体としての労働関係を正常にするところの御意思があるとしたならば、この点を御研究になられる、あるいはまた解決をするという意思があるかどうか、この点をはっきりして頂きたい。
○国務大臣(三木武夫君) これはなかなかやはりむずかしい問題だと思います。今給与の基準を取り放つということはなかなか困難でありまして、他の公共企業体とのいろいろの関連性もあり、また労働組合としては全般の関連性を持っているわけですから、まあ業績手当とかいうことに多少の弾力性を持たしているでしょうが、国鉄の場合はその点は気の毒だと思っております。ああいう災害を受けるし、いろいろ運賃は押えられて、国鉄は他の公共企業体の労働組合に比較して、気の毒だと思う。その感じは私は持っている。何かその点で、限られた範囲内で、給与条件改善のためには努力しているのですが、今言うように、それには制約がある。これはやはり根本の対策は国鉄の立て直しだと思う。公共企業体がひとり立ちができるようになりましたならば、やはり給与条件等に弾力性を持たすべきだ。今からこれは根本的に立て直さないと、今の状態において弾力性ということは非常に無理がある。そういう点で、要は国鉄を再建することであると考えております。
○内村清次君 この点は一番重要な点でございますから、一つ大臣はよく研究して努力して頂きたいと思います。 それからいま一つ、これは先日の委員会で国鉄総裁にもお伺いしたのですが、その点総裁もこの点に対しましては御意見をはっきり出されたのですが、大臣も関係された問題ですけれども、昨年の年末に鉄道公安官が労働運動に介入してきた。これは御承知でございましょうが、あるいはまた写真も見られたと思います。これは正しいことであったかどうかということに対する、まず御認識から伺いたい。
○国務大臣(三木武夫君) その話は聞いておりますが、公安官が不法介入をしたという報告は受けておりません。
○内村清次君 そこで、大臣の権限の中にも、その報告をとる権限だけは持っていらっしゃる。緊急な問題に対しては……。また重要な問題に対しては……。これはほんとうに重要な問題です。これを、ただ不法に介入したというようなことでないというような報告では、済まされない問題です。これは残念ながら、あなたの測近におる人たちの報告が通り一遍です。そういうような報告に対しては、もう少し現実の写真等を見て、ほんとうに認識してもらいたい。これは小さい問題のようにお考えでございますけれども、非常に大きな問題です。私たちもかって、一昨日も言いましたけれども、三十年来の就職期間内、今日議員生活をやっておりますけれども、こういうことは国鉄にはなかった。これは本質的に公安官の使用を誤ったのです。しかも私は、聞くところによりますると、もちろんその後によりますと、確かにこれはいわゆる検察当局あたりでも話し合っておる。ゆゆしき問題です。もちろん、時の内閣の方針がそうであったかもしれませんけれども、いやしくも私は、そのときには鳩山内閣もなりたてで、大臣もなりたてでございましたからして、またどちらかというと、吉田内閣の方の政策の方が強かったように感じております。 しかしこういうようなことは、まあ大臣がよく御存じでないようでございますが、第一条にこういうことが書いてあるのです。大臣もこれは非常に注意してもらわなくちゃならんことは、「日本国有鉄道総裁の推せんに基き運輸大臣が指名した者は、これを鉄道公安職員と称し、日本国有鉄道の列車、停車場その他輸送に直接必要な鉄道施設内における犯罪並びに日本国有鉄道の運輸業務に対する犯罪について捜査することができる。」こういうことです。だから、運輸大臣というものは、やはり介入しておるのです。しかも指名しなくてはならない権限があるわけです。そうしてみますと、自分が指名したところの公安官というものが、こういうような労働運動に介入して、しかも互いに毎日顔をあわしておるところの職場の人、同僚です。同僚の人たちに手錠をかける——、労働運動ですよ。物をとったんでもなんでもない。労働運動に介入して手錠をかけるというようなことまでもしなければならないか。しかも命令系統は、一庶務関係あるいは総務関係の人たちがきて命令する。こういうような状態で、くくられて警察に渡され、あるいはまた検事の方に拘留されるというような事態をやっておること自体は、これは大臣としてどうお考えになるか。こういう公安官の設置法の、法律の目的で出されたのであるかどうか。法律というものは、これは大臣として、そのときには大臣になっていらっしゃったかどうか知りませんけれども、党内の幹部とされまして、相当法務省あたりからの意見があったのです。あったのですけれども、終戦後の混乱したところの、列車内の犯罪捜査あるいはまた貨物集積所におけるところの窃盗事件その他に対しましては、これは治安を確保する意味からですね、あるいは旅客の、あるいはまた荷主の、この大事な財産を完全に輸送する責任上から、これはできた問題です。それが今日こういう手段に使われているということ自体について、大臣はどう御認識なされますか、もう一遍一つ。
○国務大臣(三木武夫君) 公安官の直接の任務はそういうものであるのではないと。列車内の秩序の維持に従うものである。しかしやはり秩序の維持の中にはですね、本来の目的でない、そういうこの国鉄のいろいろな紛争の場合に、秩序を維持するために介入する場合がある。しかしそれは本来の目的ではない。本来の目的はやはりその、今お読み上げになった中に規定されておることが本来の目的だ。それが現に、不当な介入はすべきものではない。しかしそれば職場の同じなものであっても、職務上秩序を維持するためには、それはやはり与えられた権限を行使することは、これをやむを得ない場合もある。しかしそれば自分の権限を逸脱するものであってはならぬと考えております。
○内村清次君 これは先委員会のときには、漸次減少という総裁の言明がございました。私は減少はどの程度かということはまだ突っ込んでお話を伺いませんでした。もう現在の国内治安の情勢、同時にまた警察力の強化の問題等から考えまして、鉄道公安官の存置の問題については大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) これは検討をしたいと思っております。
○内村清次君 大体この程度で私の質問は終ります。 ただ委員長、ちょっと申し上げておきたいことは、空の問題もございましたが、大臣から先ほど私どもに、秘書官を通じての通告には、時間を短縮してくれという問題ですが、これは一応理事会で決定いたしました所管事項のときにですね、御質問をするということにいたしまして、本日はこれで質疑を保留して終ります。
○理事(仁田竹一君) 大臣に対しましては、ほかに御質問はございませんか。 別に御質疑もないようでありますから、本日の運輸委員会はこれをもって散会いたします。 午後三時三十七分散会