予算委員会 第29号
- 発言数
- 53 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/06/27
会議録
○三浦委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。委員の異動によりまして理事二名欠員になりましたが、その補欠選任は先例によって委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三浦委員長 御異議なしと認めます。よって理事に小坂善太郎君、赤松勇君を御指名いたします。 —————————————
○三浦委員長 予算の実施状況に関する件を議題といたします。 この際委員長より申し上げます。去る二十三日の当委員会における柳田秀一君の発言中休憩を宣したことは遺憾でありましたから、ここに釈明いたしておきます。 なお柳田秀一君の発言につきましては、同君から発言を取りやめるとの申し出がありましたから、さよう取り計らいます。 この際農林大臣より発言を求められております。河野農林大臣。
○河野国務大臣 この機会に一音申し上げたいと思います。米価の決定が非常に遅延いたしましたため、各位の御心配をわずらわしましたことは、まことに恐縮に存じておる次第でございます。御承知の通り、政府といたしましては、新しい制度による米価並びに集荷のための諸条件を取りきめなければなりませんので、いろいろ閣内、閣外の意見調整をはかる必要上、これまでお答え申し上げるに当りまして、十分なる御了解を得ることができませんのみならず、かえって誤解を招く結果となりましたことは、はなはだ不本意とするところでございこす。政府は昨夜経済閣僚の間において一応米価の決定をいたし、明二十八日米価審議会に提示いたしまして、すみやかに最終決定の運びにいたしたいと考えておりますから、御了解のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○三浦委員長 暫時休憩いたします。 午後三時十八分休憩 ————◇————— 午後三時十九分開議
○三浦委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、先刻の農林大臣の発言に対し、稲富稜人君より質疑の通告を受けております。これを許します。稲富君。
○稲富委員 ただいま農林大臣の御説明によりますと、三十年度の米価に対する買上価格の政府の案を御決定なさったということでございますが、その御決定になりました価格を一応承わりたいと思います。
○河野国務大臣 一万六十円と決定いたした次第であります。
○稲富委員 ただいま政府案としてお示しになりました一万六十円の買上価格は、従来われわれが期待いたしておりました政府の案との間にも、非常に期待はずれの点があるのでございますが、かようになりました経過を承わりたいと思うのであります。
○河野国務大臣 御承知の通り、米価の決定に当りましては、食管法の規定によりましてパリティ計算とさらに生産費の諸条件を勘案いたしましてきめることになっております。つきましては政府は一応昭和二十八年、三十九年の——もちろん減収加算分を加えません価格を勘案いたしまして、これにパリティをかけ合せまして出ました金に、生産費のいろいろの調べを勘案いたしましたところが、大体この程度の価格が妥当であろうということにいたした次第であります。
○稲富委員 そういたしますと、その一万六十円の内容はその中に包装代あるいは早場格差も入っておりますか。その点を一応承わりたいと思います。
○河野国務大臣 入っております。
○稲富委員 そうしますと、この一万六十円の中には包装代の他早場格差等が入っておるということになりますと、従来生産者方面から非常に要求いたしておりました意味とは非常に違うようでございまして、昨年度及び前年度の米価の手取金から申し上げましても、非常に予期に反するような結果に相なると思うのでございます。これに対して農林大臣はどういうようなお考えを持っておられるのでございますか。この点も一応承わっておきたいと思うのであります。
○河野国務大臣 米価は御承知の通り、今御指摘の早場奨励金でございますとか包装費でございますとか、その他いろいろの従来の昭和二十八年、二十九年産米について考えますれば、奨励金等もいろいろあったわけでございます。ところが今後はなるべくそういうことでなしに、奨励金制度をなるべく採用しないで価格をきめるようにということもありましたので、これらを勘案いたしまして価格を簡単にきめていきたい。ところがこれも御承知の通り二十九年産米につきましても包装費でありますとか、奨励費等を全部くるめて、いわゆる米価というものが御承知の通り九千八百五十円ということになるのでございます。ただ私は先ほども申し上げました通りに減収加算を加えますれば、九千九百九十九円になるということでございますが、この減収加算をはずしたものに対して、ことしは二万六十円ということにいたした、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
○稲富委員 予約格差はまた別個に考慮するということに相なっておるようにも聞くのでございますが、事実そうでありますか。そうであるならば予約格差というものはどの程度出す腹案があるかということを承わりたい。
○河野国務大臣 予約格差につきましては目下検討中でございますが、しかしそれはこの二万六十円の中においていろいろ——もし考えることになれば考える。しかし大体は全部いわゆるそれらのすべてを入れた平均をした米価が一万六十円でいきたい、こういうことで御了解願いたいと思います。
○稲富委員 そうしますと、予約格差というものは一万六十冊の範囲に入っているということになりますと、予約をしなかったというものは結局一万六十円から逆に今度は減らされる、こういう懲罰的な意味があるような結果になると思いますが、そういうことにお考えにならないのでございますか。
○河野国務大臣 予約の奨励は前渡金と減税というようなことに重点を置いて考えていきたい。これだけは今きまっております。
○稲富委員 さらに次の問題をお尋ねしたいと思いますが、新聞の報道しておるところによりますと、この一万六十円を大蔵大臣が認められるに当りましては、明年度以後米の統制撤廃を考慮するということが条件になっておるということを報道いたしておるのでありますが、事実そういう事実があるのであるか、その点承わっておきたいと思うのでございます。
○河野国務大臣 これは条件として私は考えておりません。
○稲富委員 さらに本年度の減収加算の問題、三十年度の減収加算でございますが、これに対しましては、当然予期されるかどうかわかりませんけれども、すでにある地方におきましては、相当な減額を予想されるような地方も生じておるのでございますが、本年度の減収加算金に対しては、いかなる考えを持っておられるのでありますか、この点を承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 三十年産米につきましても、減収加算をいたさなければならぬ状態になりますれば、当然考えなければならぬと思っておりますが、御承知の通り現在の減収加算方式がこのままでよいか悪いかということにつきましては、なおよく各方面の御意見も拝聴いたしまして研究してみたいと考えておりますが、結論が出なければむろん今日のままでやるということにしていかなければなるまいと私は考えております。
○稲富委員 本年度の減収加算金に対しては、それでは凶作を生じた場合には減収加算金を出さなければいけないようなことになるであろうことは予期される、ただその算定方式については検討中だ、こういう意味だというふうに解釈してよいのでありますか。
○河野国務大臣 その通りでございますが、今申し上げました通りに、二十九年産米において行いました減収加算の方式につきましては、御承知の通りいろいろ各方面に御意見があるようでございますので、もしこれを変えなければならぬとすれば、もう少し合理性のある妥当性のある案が出ますれば、その案に変更する。それがなければ従来の案でいくということに御了解願いまして、いずれにしても減収は、九五%以下の減収が起った場合には、現在の案をむろん基礎にして改革、改良を考えていかなければならぬことは当然だと私は考えております。
○稲富委員 本年度の米価を、先刻御発表になりましたように一万六十円で政府案では御決定なさって、これはどこまでも食管特別会計内において操作し得る範囲だと、こういうようなことを説明されておるのでございますが、実はさきに二十九年の減収加算金を御決定になりましたときに、農林大臣も大蔵大臣も、この二十九年度の減収加算金を出すことが、三十年度の米価決定には影響しないのだということを、はっきり御答弁なさっておったとわれわれ記憶しておるのであります。ところが今日この食管特別会計内の範囲における米価決定だということになりますと、その当時の減収加算金というものは、食管特別会計から三十三億出ておるのでございますから、結果から見ますと、やはり本年度米価に影響したということになってくるわけです。これは明らかに先般減収加算金を御決定になるときの政府の言明とは非常に違っておる、こうわれわれは考えるのでございますが、その衝に当られる農林大臣としてはお考えはないのであるか、この点も私は承わっておきたい。
○河野国務大臣 ただいまお答え申し上げました通りに、今年度の三十年産米の米価の決定に当りましては、財源からはじき出してこの価格にしたのではないのでございまして、先ほど申し上げましたような計数から一万六十円が妥当であろうということにいたしましたので、従って一万六十円の財源はこれを食管会計の中で計算をしていくということにしたいわけでございますから、決して減収加算を三十三億出すことの影響を受けて、食管特別会計の中に金がないから、これ以上出せないのだということできめたのではないのでございます。
○稲富委員 この点農林大臣の御答弁というものは、私はわざわざそういうような御答弁をなさるのであろうと思うのでございます。今日一万六十円に御決定なさったということについては、おそらく農林大臣は、今日の大蔵省との折衝に対しては、一万六十円を妥当だというお考えはなかったと思うのであります。ことにこの問題に対しましては、与党の民主党といたしましても、米価決定に対しては、生産費を基礎としてやっていくということをしばしば主張されておった。その金額というものは一万六十円ではなかったということをわれわれは記憶しておる。今日大蔵省との折衝の結果一万六十円に決定されたということは、やはり国家財政の都合上において食管特別会計においてまかない得る、こういうような範囲において決定されたものであるとわれわれは考えておる。農林大臣はそうでないとおっしゃるけれども、私はそういう御答弁をなさってもそれは詭弁であり、事実上は私はそうでないと思う。この点から申し上げまして、しからば一万六十円の米価というものは、従来の農林省の考え方と非常に違っており、おそらくこれに決定されたということは、農林大臣は御不満であるだろうと思う。もしもこの価格に対して農林大臣が唯々諾々としてこれを承認されたとするならば、これは私は、農林大臣として実に遺憾千万であると思うのであります。かような点から考えまして、これは財政との関係に制約された結果、こういう御発表になったのであろうと思うのでありますが、私は農林大臣の御説明というものはどうも納得いきません。ことに今日まで、与党の民主党でさえも言われておりました生産費を基礎とする米価決定に持っていくのだというこういう主張が、この一万六十円においてはやすやすと破棄されているようにわれわれは考えておるのでありますが、農林大臣はどういうお考えでおるのであるか、この点も重ねて一つ承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 先ほどお答えいたしました通りに、生産費の調査につきましては、目下米価審議会においていろいろ検討されております。しかし政府は、この中間の報告を受けておりますので、それらについても十分勘案はいたしたのでございます。従いまして今御指摘でございますけれども、米価の決定はまずこの辺でよかろうということに政府としてはなったのでございます。
○稲富委員 そうしますと、この米価決定というものが、予算の制約を受けなくして、財源の制約を受けなくして決定されたものであるということになりますと、この生産米価の算定によって、当然もっと出さなければならないというような理論的根拠が生じた場合は、政府は、一万六十円というこの金額をさらにまた上げてもいいというお考えであるか、この点も一念のため承わっておきたい。
○河野国務大臣 お答えいたしますが、米価の決定に当りましては、パリティ方式と生産費と加味して、経済事情を勘案してきめるということになっております。主として一般経済事情とにらみ合せて、どの辺がいいかということも相当考慮の中に入っておるということを御了承いただきたいと思います。
○稲富委員 それであるならば、さらにお尋ねしたいと思いますが、政府は、米価決定に対しましては、米価審議会に諮問なさるだろうと思うのであります。米価審議会は明日開かれるということに承わっておるのでありますが、この米価審議会の答申が、今農林大臣のおっしゃるような、生産費方式でありましょうか、そういう点から決定をなされた場合に、政府のお示しになりましたこの政府案と米価審議会の答申案との価格の間に開きが生じた場合は、いかなる処置をおとりになるという考えであるか、この点を承わりたい。
○河野国務大臣 御承知の通り、政府が米価審議会にいつもなら諮問いたすのでございますが、今年はすでに諮問いたしてありますので、それに対して審議会から、早く政府はみずから考えておるところを内示しなさいということになっておりますから、ことしは内示の形式をとるつもりでございます。これはいずれにしても同じでございますが、私たち政府として一万六十円を米価審議会に内示いたしました際に、これに対してただい玄お示しのように、米価審議会からもっと高い価格の答申があったという場合に、どう考えるかということでございますが、それにつきましては、政府は、もちろん重要な資料として考慮いたさなければならぬと考えております。
○稲富委員 重要な資料として考慮されるということでは、実にわれわれは不安でございます。先刻農林大臣の御答弁では、米価決定に当りましては、国家の財政的な事情ばかりではないのだということを述べられている。少くとも米価審議会は、小委員会で今日まで答申案に対する御検討があっていると思いますが、その米価審議会として当然支出すべき金額が決定されたならば、単にそれを参考とするのではなくて、相当重要なる要求として政府は再考をされなければならぬような事態に立ち至らなくてはならぬと思うのでございます。この場合に単に善処しようというような消極的な考えではなくて、少くとも担当の農林大臣といたしましては、米価審議会のその意思を十分尊重して、その目的に沿うように御努力をなさることが当然であり、政府もまた米価審議会の意思を尊重することが当然だと考えるわけです。この点に対して単に消極的な善処をするというのではなくて、政府としてもっとこれに対するはっきりした態度を承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 私のお答えが悪かったならばお直しをいただきたいと思いますが、私の稲富さんのお話の通り、農林大臣といたしまして、米価審議会の答申を十分体しまして、この答申に沿うように十分努力するということは、ここではっきり申し上げることができると思います。
○稲富委員 米価の問題は、米価審議会の答申があれば、ただいま政府で御発表なさいました買上価格よりも、また上回るようなことになるであろうということは一応予期されますけれども、一応政府がお示しになっておりますこの一万六十円という買上価格によって、本年度の集荷が予定通り集荷できるであろうというようなお考えが農林大臣におありであるか、この点を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 私は諸般の情勢を考慮いたしまして、なかなか農民諸君の御同点は困難かと思いますけれども、この点については、十分御理解を願って御協力を願うように努めていきたいと考えております。
○稲富委員 農林大臣は、この米の隻荷に対しましては、農民の御理解のもとにその目的を達成したいとおっしゃっておるのでありますが、農民に理解を与えるためには、政府もまた農民の立場を理解しなければ、その集荷は困難であると思う。政府は、農民の米価に対する希望をじゅうりんして、しかも一方的に米価を御決定になっておって、集荷に対してのみ農民に協力を求めようとするがごときことは、私は非常に無理な話であると思う。ほんとうに農民に協力を求めようとするならば、農民の納得し得るような米価を御決定になることが、その目的を達するゆえんであると私は考えるわけです。しかるに今申しましたように、ただ農民の要求に非常に満たない価格を決定して、これでも農民の協力を求め得るのだという、こういう甘い考えがあるかどうか。この米価でそんなにやすやすと集荷ができるものか、農民の立場から農林大臣としてお考えを願いたいと思います。
○河野国務大臣 ただいまお答えいたしました通りに、やすやすと満足して御協力を願えるとは考えませんけれども、その点は、十分御理解を願って御協力を願うように一段の努力をいたさなければなるまいと考えております。
○稲富委員 こういう状態では、この集荷は非常に困難であろうと思うのでありますが、もしもこの集荷が十分にいかなかった場合、政府は、この政令の中に強制出荷命令でも出すという、こういうようなお考えがあるのではなかろうか、この点に対する政府の考え方を承わりたい。
○河野国務大臣 私はただいまもお答えいたした通りに、満足して協力を願うということは、困難と思いますけれども、十分なるわれわれ並びに団体方面の御協力によりまして、御納得な得て、そういうふうなことを考えずに、所期の目的を速成できるように努力していかなければならないと考えておる次第でございます。
○稲富委員 米価決定に当って、ただいま政府で御発表なさったような米価を決定なさいまして、農業団体その他の御協力によってやすやすとその目的を達する、こういうふうな河野農林大臣のお考え方というものは、私は非常におめでたい考え方だと思うのでございます。また別な言葉で言うならば、これは非常にずるい考え方だと思う。なぜならば今日のこの予約集荷制度に対しまして農民の期待しているものは、われわれの予期するような米価が決定されるであろうというようなことを前提条件として、今日この集荷制度に対しましてもやむを得ないという考え方を持っていると思う。ところが現在の政府のおやりになっているところのものは、政府は自分でやっていないとおっしゃいますけれども、地方末端におきましては、ほとんど集荷制度が実施されるものだとして各般の準備が進められておる。あるいは供出量という名前じゃありませんけれども、これに対しましても、いかにも期待量という名前でもって、各県におきましては、出荷すべき数量までも協議されておるというような事実がある。こういうように政府は早く米価を決定しなければならないにもかかわらず、米価に対しては相当農民の期待するような米価に決定するかのごときにおいをにおわせて、そして地方の末端の集荷制度の問題はどんどん話を進ませていって、そしてここまで追い詰めて、もう地方においては当然集荷制度の線に乗らなければならないというような状態において、今度米価は農民の期待に反するような安い価格で決定されるということは、これは私はおそらくあなたが悪意でやられたのではないだろうと思いますけれども、農民から考えますと、一ぱい食わされたという結果に相なってくるのではないかと思う。こういう結果は、おそらく私は集荷に対しましても、満足な集荷ができないだろうということも考えなければいけないと思う。こういうような場合に、これは明らかにそういう結果を生み出すということになりますならば、これの責任は政府にあるということになってくる。農民の責任よりも私は政府の責任だと思う。これに対して、政府は十分この責任を賃わなければいけないと思うのであります。しかもこういう集荷ができなかった場合、ただいま強制出荷命令を出すようなことに対しましては、そういうことはないとおっしゃいますけれども、それは当然でなければならない。これは政府の責任において出荷ができないのであるから、それをもって農民に出荷命令を出してこれを罰するというがごときは、もちろん慎しまなければいけないことでございますが、真にあなたが農民の協力を得ようと思われるならば、縛るような方法を考えなければいけない。その点から私は河野農林大臣はこの集荷に対する結果に対しましては、非常に易々たる考えを持っていらっしゃると思いますが、もしもそれで満足な結果を得なかった場合、これは明らかに政府の責任として、その処理をされるか、その点を承わっておきたいと思います。
○河野国務大臣 お答えいたしますが、私は決して甘く考えておる気持はございません。この集荷に当っては最善の努力をしなければならないと思っております。ただいま稲富さんの御指摘になりましたような点を十分考えまして最善の努力を尽したいと考えます。しかも決して集荷の困難は農民に責任があるのではないのであって、そういうふうな場合には全部私に責任があるということは十分自覚いたしておりまして、最善を尽してやるつもりでございます。
○稲富委員 集荷ができなかった場合にはあなたに責任があるという非常な責任感を持っていらしゃるのでございますが、それでは私はこの点聞くのでございますが、まさか集荷がおもしろくいかなかったからということによって、米の統制撤廃をやって自由販売に持っていくというような考えはおありにならないだろうと思うのでございますが、この点念のためにはっきりあなたから一つ承わっておきたい。
○河野国務大臣 集荷が所期の目的を達成しなかったことによって、自由販売をするというようなことは絶対に考えておりません。そういうことはいたしません。
○稲富委員 それでは次に、ただいまお話がありました予約制度の問題でございますが、この予約制度を具体化するのに政令はいつごろお出しになるおつもりであるか、またその案が今日できておるのであるか、その点を承わっておきたいと思うのでございます。
○河野国務大臣 米価の決定を、諸般の手続を終了いたしましたらばすぐやるつもりでおります。
○稲富委員 私は実は大蔵大臣にもいろいろお聞きしたかったのでございますけれども、大蔵大臣はお見えでありませんので、河野農林大臣を通して大蔵大臣及び政府全体に一つ私の意のあるところを伝えてもらいたい、こういう考えを持っておるのでございます。ただ最後にお聞きしたいことは、現在農村の経済状態というものはだんだん悪化をたどっておるのでありますが、こういうときにさらに米価を低米価にくぎづけされるということは、農村経済をますます困難にならしめるような結果に相なってくると思う。どうも先般来大蔵省等の考えを聞いておりますと、農村経済はだんだんよくなってきておるのだ、こういうような無責任なお話をなさっておるのでございます。現に私たちが今日の農業の経営値をとりましても、昭和九年から十一年ごろにおきます農家の農業収入は七九%でございまして、農業外収入というものが二一%であった。ところが二十八年度における農業収入というのは六二%でございまして、農業外収入は三八%になっておる。すなわちこれは農民生活というものがもう擬装だけではやっていけないのだ、約四割というものは農業外にそれを求めなくちゃいけないというような結果になっているのでありまして、これは明らかに私は農業経済の恐慌を示しているものだと思うのであります。こういう点から申し上げましても、米価というものは当然にこれは生産費を玄かない得るような米価にしなければ、ますます農村の経済はよくなってこないということをわれわれは考える。しかるにもかかわらず、わが国の米価決定に対しましては、先刻もお話のあったごとく、それは生産費方式からやるのだとおっしゃいますけれども、その実は政府のこの財源にくぎづけされたような形で米価を決定されるということは、私たちの最も遺憾とするところなのであります。ことに先刻から食管法のお話もございましたが、御承知のごとくこれは農林大臣ははっきりおわかりになっておると思うのでありますが、食管法第三条には、すなわち米価を決定するに当りましては、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産を確保することを旨としてこれを決定するということを、はっきり指示されておるのであります。ところが農民の再生産を確保しないような価格が、国家財政の財源によってきめられるということは、これは食管法の立法の精神から申しましても、反したようなことがやられておるということは、これは最も遺憾なのであります。しかも米価を農民が高く要求いたしますと、いかにも農民が生産費から割り出した米価を要求することは、農民がむちゃを言っているような感じを持たせるということは、これは私は実に遺憾に存ずるのでございまして、この点は、政府全体が日本の全人口の四六%を占める農民の生活に対しましては、もっと積極的に考えなければいけないと思う。御承知の通りアメリカのごときは、国民の約一八%を占める農民に農業恐慌が来たりいたしますと、政府はしばしば大統領みずから教計を発表して農民に対する保護政策をやっておる。ところが日本においては、農民に対しては政府は冷淡である。しかも米価のごときに対しましても、ややともすると米価を高く主張することを、無謀なる要求をしておるがごとき処理をすることは、私は最も遺憾であると思う。これに対しまして私は最も責任の地位にある農林大臣としてのお考えを承わりたい。
○河野国務大臣 御趣旨のほどは十分承わりまして、大蔵大臣その他にもよく伝えて、お考えにつきまして、われわれといたしましても十分考慮することにいたしたいと思います。
○稲富委員 なお農林大臣は、この米価決定に対しましても、常に米価に対する生産費を安くする必要があるということを主張されておりますが、ほんとうにこの生産費を安くするとするならば、農村に対する補助、農村に対する保護というものは、政府が積極的に加えなければいけないと思う。ところが本年度の予算を見ますと、農林関係の予算というものは、御承知の通り削減されている。たとえばその中のはなはだしい例を見ましても、すでに農林大臣御承知の通り、病虫害防除費のごときは、これは明らかに生産費に非常に影響するものである。一昨年でございましたか、大蔵省はこの病虫害防除費を支出しないという場合でも、これは米価に換算されているのだということを大蔵省みずから言われておったということをわれわれは聞いている。ところが、こういうような補助というものは片っ端から削減いたして、そうして米価だけは低米価でくぎづけしよう、こういうような状態で、果して農村経済が保たれるかどうか、これに対しましては私は、十分農林大臣として考えていかなければいけないと思う。こういう点から考えましても、ただいま政府から発表されました一万六十円の米価というものは、生産費に満たざる最も農民の不満米価でもるといわなくてはいけないと思うのであります。どうか政府はこの集荷を十分目的を連成し、しかも農村経済をよくするという立場から、今日政府が決定されたと申しまするこの米価をもっと変更されて、そうして納得し得るような米価にぜひ変更されんことを私は希望いたしまして私の質問を終るわけでございますが、これに対する最後の農林大臣の決意を承わりたいと思います。
○河野国務大臣 御趣旨十分拝聴いたしました。先ほど来申し上げましたような趣旨でございますので、今後とも生産費の引き下げに向ってあらゆる角度から最善を尽して参りたいと思っております。
○稲富委員 将来生産費の引き下げにはあらゆる努力をなさるというが、本年度の米価に対しましては生産費の引き下げは行われていないのでありますけれども、今年度の米価においては農民の生産に引き合うような米価を御決定になることが当然であると思う。その生産費を下げるような予算措置ができていませんので、そういう意味から、本年度米価は、予算措置ができるまでは、農民の要求するような米価に引き上げなさることが当然であると思うのでございますが、その点をさらに農林大臣に強く要望いたしまして、農林大臣のこれに対するお考えを承わって、私の質問を終ります。
○河野国務大臣 御趣旨十分拝聴いたしました。できるだけ努力いたします。
○三浦委員長 これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十四分散会