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22回国会衆議院1955/06/22

予算委員会 第27号

発言数
30
登壇者
3
会派数
2
開催日
1955/06/22

会議録

三浦一雄日本民主党

○三浦委員長 これより会議を開きます。  予算の実施状況に関する件を議題といたします。この際関連質疑を行うこととし、井上良二君に発言を許します。井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 委員各位の御了解を得まして、米価問題に直接関連をする問題ではございませんが、農業問題全体には非常に重大な関係を持っております飛行場の拡張問題に関しまして、政府当局の所信をただしたいと思うのであります。  先般政府が本国会を通し、また本予算委員会を通しまして、米軍の飛行場の拡張に関して説明をされ、答弁をされたものと、最近政府がとりつつあります飛行場問題についての態度が、非常に変ってきておるのであります。このことは予算委員会の審議の上から、あるいはまた国会の権威の上からも、非常に重大な問題をはらんできておりますので、特に質問をいたしたいと思うのであります。  政府は、日米合同委員会において拡張飛行場に関する話し合いを進めておりますが、現在米軍の希望に対して、原則的に空軍基地として拡張を認めたといいますから、了解を与えた基地はどこどこでありますか、これを明確にされたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 お答えを申し上げます。日米合同委員会に先方から要請がありまして、提供するということの正式の決定はまだいたしておりませんわけであります。しかしながら原則的に六カ所は提供しようという考えで、準備を進めておるわけであります。本年度は、その六カ所のうちの五カ所の予算についての用意をいたしまして、予算案に計上しているわけでございます。五カ所と申しますのは、新潟の飛行場、東京都横田飛行場、東京都立川の飛行場、千葉県木更津の飛行場、愛知県小牧の飛行場の五カ所でありまして、原則的にいずれは提供のつもりであるという考えをまとめておりましても、本年度に予算上の用意をいたしておせんのが、大阪、兵庫県両方にまたがります伊丹の飛行場でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この予算委員会において、すなわち五月九日わが党の今澄勇議員の質問に対して、あなたは、拡張いたします予定の飛行場は、仰せの通り、小牧、新潟、木更津、立川、横田のこの五カ所を一応予定しております、それ以外にもアメリカ側には希望があるのでありますが、われわれの方ではこの五カ所しか考えていないということであります、とはっきり答弁をしており、また主管大臣であります西田国務大臣も、五カ所のことは私承知しておりますが、そのほかのことは承知いたしておりませんとはっきり答弁し、外務大臣も、なるべくこれは制限してもらいまして、これ以上ふやさないように努力したいということを考えますと、こう答弁をしております。ところがただいまあなたの御答弁では、六カ所ということになっておる。一体その六カ所のあとの一カ所、すなわち大阪、兵庫県にまたがる伊丹飛行場は、いつ了解を与えたのですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 問題となっております飛行場の全部につきまして、いまだに了解を与えたわけではありません。今日調査をいたしておりますもの、これから調査にかかりますもの、調査の結果に基きまして、正式の区域、面積その他がきまりましてから、閣議決定を経まして了解を与えるということになるわけでございます。従いましていずれにつきましても、了解を与えたものはないわけであります。ただ申し上げましたうちの五つにつきましては、御審議を願っております予算案の中に計上されておるという意味におきまして考えておる、その他のものについては考えてないというふうに申し上げた次第であります。実地の調査が済みまして、地質的、その他の資料がそろいまして、面積が決定いたしましてから、逐次正式の閣議の決定をいたしまして、提供に合意するということになるわけでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そういたしますと、日米合同委員会の席上で、米軍側からこれこれの飛行場を拡張したい、そこで日本側では、予算上その他の都合もあり、また国民全般のいろいろな事情もあって、そう向うさんの申し出るままを全部受け入れるわけにはいかない。そこでさしあたり五カ所だけを予算の必要からまず取り上げた。従ってあとは全然考えてない、こういうことではなかったんですか。それとも合同委員会ですでに六カ所なり七カ所なりというものは、日本政府側としては承認を与えておりますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 合同委員会におきまして先方から要請のあったものにつきまして、本年度の予算面においてはこの五カ所の飛行場について研究してみようということで、先方と話をしておるわけであります。これについて合意を与えるかどうかということは、予算が成立いたしましてから、また現地の調査が済みまして、その面積が確定いたしましてから、閣議決定を経まして、先方に正式に合意の回答をすることになっておるわけであります。今日の状態におきましては、いずれにつきましても先方の提案だけという状態でございまして、正式の合意の回答を出しているものはないのでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 正式な合意の回答は、いずれ閣議を経なければできないということは、手続上明確でございますが、その閣議にかける最終案をまとめますまでに、すでに五カ所に対しては予算化をして、これを実施に移そうとしている。その予算化をいたします前に、一応日本政府側といたしましては、これが五カ所の予算化問題でありましても、事、国民の生命財産とわが国の防衛上重大な問題であります。この問題を閣議の了解もあるいは承認も得ずに、勝手に一責任者が予算化をして、それで事が済むとお思いになっておりますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この五つの飛行場を本会計年度内において提供するような準備にかかろうという点につきましては、閣議の了解を得て、予算に計上していただいたわけであります。  なお今日実施をしておるという御指摘がございましたけれども、今日実施をいたしており、またいたそうとしております面は、提供する飛行場になれるかどうかという調査をしたいということでございます。調査をしておるにすぎませんので、拡張の実施をしている飛行場は一つもないのでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうしますと、あなたはさいぜん、一応予算化するために、五カ所を大体日本政府側としてはまとめて、そこでこれが最終的に予算が通過すれば、実地調査の上、土地買収、補償等が終りました後に、初めて閣議にかけて相手方に受諾の返事をする、こういう答弁をさいぜんされた。ところが今の御答弁によると、予算化については当然閣議の了解を得ておる、こういうことですね。そうすると、前段の最終決定による閣議決定というものと、ただいまお話の閣議の了解を得ておるというのは——閣議決定を経ておりますか、これを伺いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 閣議の了解を得ておりますと申し上げましたのは、閣議了解という御決定を願っておるということでございます。五つの飛行場について将来予算が成立し、また調査の結果地質その他が不的確でない限り、用地買収その他について当然発生して参りますところの諸問題を解決することができる、用地買収に取りかかることができるということになれば、将来正式の閣議決定に持ってくることがあるという意味の閣議了解をいただいて仕事にかかったわけであります。  なお、先ほど用地の買収その他が済んだあとで閣議決定をして、先方に提供というふうな御指摘がございましたが、私の申し上げましたのは、地質調査その他の結果、土地が不的確でないということがわかり——もちろん予算の成立したあとでございますが、不的確でないということがわかり、また地元の諸問題も解決できるという見通しがつきました場合に、面積が確定いたすわけでありますが、これを閣議決定をしていただきまして、その上で用地の買収にかかるわけでございますので、御承知おきを願います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうしますと、五つの飛行場については予算化の都合上、一応閣議の了解を得るという手続をとった。ところがさらに、あなたが参議院の内閣委員会において説明をされ、ただいま御説明になりましたように、新しく伊丹飛行場を加えるということは、いつ閣議の了解を得ましたか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 閣議の了解をきめていただきましたときには、将来アメリカに提供する飛行場として六つの飛行場をきめていただいたわけでありまして、そのときには伊丹の飛行場が入っておるわけであります。そしてこれを予算化する際に、五つ分の予算を計上することだけをお許し願ったわけでありまして、従いまして伊丹の飛行場につきましては、いずれ提供するという御了解は得ておるわけでありますので、将来機会がございました場合に、通常考えられます機会といたしましては、来年度の予算において実行できるように計上していただこうと考えているわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この前の本予算委員会における政府側の答弁は、さいぜん私が速記録を読み上げてお話し申し上げた通りであります。そうしますと、あなたの今の御説明と、五月九日の本予算委員会における政府の答弁と全然違うのですが、一体その責任はだれがおとりになりますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 先般お答え申しましたのと違っておるとは考えておりません。先般お答え申し上げたのは、御審議を願っております予算の面におきまして考えておりますものは、五つの飛行場しかないということを申し上げたわけでございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この場合、ここにはっきり申し上げますが、あなたみずからが拡張いたします予定の飛行場は、仰せの通りこれこれの五カ所でありますと、はっきり答弁しているではありませんか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 予算の御審議を願っておりまして、その予算の中に盛られておる拡張予定の飛行場ということでございますので、その予算に考えられております拡張飛行場は五つであるというふうに申し上げたつもりでございます。なおその際の言葉づかいですが、五つしかできないという実情であるということ、そういう言葉づかいをいたしたことも覚えておりますので、予算の制約上、アメリカの要望は多々あるにしても、本年度に関する限り、われわれとしては五つしかできないということになるということを申し上げたわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これは非常に重大な問題でございまして、あなた一人がさようなことを答弁しただけではございません。あなたの所管大臣たる西田国務大臣も、五カ所のことは私は承知しておりますが、そのほかのことば承知しておりませんと、はっきり言っており、さらに、さきにも申します通り、外務大臣自身が、これ以上自分としてはふやすことはしてもらいたくない、今後ふやさないように努力をする、こういう答弁をはっきりしておるじゃありませんか。そうすると、そのときとこのときと違うじゃないですか。これは非常な問題ですよ。そういういいかげんなことを言って国会を侮辱してはいけませんよ。三大臣の中で一つぐらい何とか広義の解釈で了解ができる答弁があるならば、あなたの今の答弁は了解しますよ。ところが三人とも全部、総理もこれに合せて同じようなことを言うておるじゃありませんか。そうすると一カ所ふやしたというのは、いっそんなことができたのか、一体いつの合同委員会でふやし、いつの閣議の了解を経たのですか。少くともこの問題に関係のある、たとえば外務省の欧米局長あるいは政務次官、あるいは外務大臣その他の関係の政府当局に聞いても、五カ所以上はきめておりませんという答弁をしてきておる。あいさつをしてきておる。それに、何ゆえに今日になって六カ所だというようなことを具体的に発表されるに至ったのですか。いつの閣議でそういうことをきめたのですか。予算化されないものを閣議がそんなことをきめるはずがないじゃないですか。予算化することによって初めて五カ所が予算の対象になるのです。予算の対象にならないものを、人心をいたずらに激高せしめて不安動揺に追い込んで、それであなたはよいと考えておるのですか。予算の場合閣議の了解を経たということならば五カ所が対象なんです。六カ所という話は出ないはずですよ。六カ所あるいはそれ以上の拡張をいつの閣議で了解を経たのですか。少くとも了解を得ておるならば、外務大臣にしても、労働大臣にしても、あるいは経済審議庁長官にしても全部知っておらなければならぬ。全然知らぬじゃないですか。一体いつの閣議でやられたのですか。答弁願います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 アメリカ側から要望のありました事項も多々あります中に、これを一ぺんにやるやらないは別といたしまして、将来の問題として六カ所の飛行場の必要性というものを閣議において了解していただきましたのは、本年の一月中だったと思いますが、その後その範囲内において予算にどこまで計上できるかということになりまして、五カ所までならば予算的な措置ができるであろうということで五カ所の飛行場につきまして、予算に計上せられる措置がとられたわけでありますが、しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、そのいずれにつきましても、閣議決定としてきめるという処置はまだとられておらないわけでありまして、伊丹の飛行場につきまして、そういうようにおくれております一つの理由は、将来国際飛行場にしたいという日本側の希望とアメリカ側の計画とをどう配合するかという問題がありますので、将来の問題にしたいということになっておる事情もあるわけなのでありますが、本年度の計画といたしましては五つの飛行場であるということに間違いはございませず、従いまして予算に制約されます以上は、五つの飛行場を当面において計画しておるという申し上げ方で今日まで御説明申し上げたわけであります。伊丹につきまして将来とも絶対に拡張をするのかしないのかという点の御質疑がほかの委員会でございましたので、本年度の計画にはないけれども、伊丹については来年予算化が可能になれば、また日本の側の計画しておる国際飛行場の設置という問題との調整ができるようなことになれば、将来取り上げられる可能性があるという意味で申し上げたわけであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 それは非常に長官としては私は出過ぎた答弁であろうと思います。米軍側としましては、共同防衛の立場からいろいろ日本に対して所要の要求をされることは当然でございます。ところが日本の国内の諸情勢から考え、かつ地理的諸条件を勘案をした上で、一体妥当な地域であるかどうか。また将来これがどうわが国の財政や経済や国民の生命財産や生活に影響するか、諸般の検討をした上で、そして許す可能の最大限度において了解を与えていくべきであります。そういうことを全然やらずに、ただアメリカ側がこれこれ要求しておるから、そこで飛行場は全部拡張せなければなるまい。あるいは全部とは申さないが、そのうちの主要の十幾つは拡張せねばなるまいというようなことを、まるっきり心やすくあなたは引き受けて、いかにも自分がそれをきめたような顔をして、十分閣議の了解も得ずに、ただ予算を取りますための一つの手段としてあなたが使ったそれは言葉のあやですよ。しかもまだ来年の予算になるかならぬかわからぬような問題を、今ごろからこれは拡張されるであろう、来年度は予算化されるであろうというようなことをあなたが軽率にどういうことで一体言えます。あなたは閣僚でも何でもありませんよ。事国民の生命財産と経済活動に重大な関係を持っておる飛行場拡張です。その問題を一長官が軽率に拡張するなんということが一体どうして言えます。いかなる根拠に立ってそんなことが言えるのです。予算の裏づけもなければ、閣議の十分の了解もなしに——閣議が来年度の予算にこれこれの飛行場の拡張を認めようじゃないかというような申し合せでもあれば、これはあなたは政府の役人として閣議決定通り主張されることは当然であります。ところが閣議ではさようなことは決定しておりません。来年度の予算に計上することも明確になっていないのです。それはあなたの調達庁長官としてのみずからの領域における責任感から言われた一つのことであって、政府自身の意向ではないのです。それをいかにも政府自身の意向でもあるかのごとく言うことは、あなたは僣越だと考えませんか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 伊丹の飛行場につきましては、このままの事態で推移すれば来年度の予算においてわれわれとしては予算に計上方をお願いすることになるであろうという意味で申し上げたのでありまして、将来拡張がきまっておるという意味で申し上げたのではございませんので、御了解を得たいと存じます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 しからばあなたはさっきから申しておる拡張云々は取り消しますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 拡張云々が伊丹についてきまっておると申し上げた覚えはないのでございます。これは幾ら私どもがきめましても、予算がついて参りませんと拡張することは絶対できないのでございます。その意味で拡張するとかしないとか申しましても、予算のないものは全然手をつけるわけに参りません。従いまして私どもの範囲で申しておりますことは、アメリカとの交渉、あるいは日本の各省庁との間の協議その他で、あるいは国際飛行場というような関連におきまして工事をいたした方がよろしいということに事務的の見解ができれば、これについて予算上の措置をお願いすることができるかということを内閣の方に持って参る。そこまでのことを申し上げておるわけでございまして、それから先の問題は申し上げておるつもりはないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 念のために聞いておきますが、あなたは長官としてはもし予算が許されれば来年伊丹飛行場の拡張を計画したい、こういう下心があるようです。一体伊丹飛行場というのはどういう地域にあるか御存じですか。少くとも、豊中、伊丹、池田の三市二十五万の市街地のまん中に飛行場がありますよ。全国の各飛行場で、市街地のまん中に飛行場があるところがありますか。大阪の北方における二十五万の住宅地を囲むこの市街地のまん中に軍用飛行場があり、これをジェット戦闘機の着陸場として拡張しようというのです。そこにこの付近全体の市民の生命と財産と経済上の非常な圧迫があることから、猛烈な反対運動が起っておることは御存じの通りであります。それをあえて押し切って、来年度これを優先的に計上せねばならぬ理論的な根拠はどこにあるのですか。それを伺いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 考えられております伊丹の飛行場の拡張、または現在の伊丹飛行場の位置につきまして、豊中、伊丹、池田、この三市の中間に所在しており、三市の行政区域内であるということは、私も実は豊中市に住んでおりましたことがありますので、よく承知しております。三市のちょうど中間にございまして、主として田畑にかかっておるわけでありますが、これが市の行政区域内であり、将来市街地になるところであるということも言えるかと思いますが、その辺のことはよく承知をいたしております。ただ関西方面におきましては、国際飛行場を羽田以外にもう一つ設置したいという考えのある向きもございまして、将来国際飛行場ということにすれば、どうせ拡張せねばならない。米軍の拡張という問題とかね合わせてやることができるかどうか、そういう意味で検討せられておるわけでありまして、伊丹の飛行場が市街地に最も近い飛行場であって、現在でも他の飛行場よりも騒音その他の関係で位置としてはむずかしい位置であるということ、相当によく承知しておるつもりであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 長官みずから豊中に住まっておったことがあって、飛行場の位置をよく知っておるということでありますから、地理的諸条件を説明する必要はありません。問題は長官みずからが市街地に飛行場があって、これを軍用基地として拡張することが、実際上非常に困難であるということを考えておりながら、あえてこれを拡張せなければならぬ理由というものを私は非常に疑うのです。御存じの通りここを重爆機のあるいはジェット戦闘機の基地として持とうというのには、少くとも仮想敵国を予想しておって、仮想敵国の飛行機が日本にやってくるという場合を想定しての問題であろうと思う。それ以外にここを戦闘飛行場にする必要はない。そういう諸情勢を考えてみても、小牧飛行場の拡張をあなたは認めたが、小牧飛行場と大阪との関係は何ぼも距離はありません。もしこれが小牧から大阪に飛んでくるよりも近いところに敵側の飛行基地があるというのなら別ですよ。そうでなければ何も名古屋と大阪の近接区域に二つも、多くの市民の反対の世論を受けて、無理やりここを拡張する必要は、われわれ政治的に考えて——軍事的には別ですが、何ら理由はないのです。そういう点からこの点についてはさらに長官の反省と考慮を求めるわけであります。同時に私は具体的に伺っておきたいのですが、長官はこの飛行場の拡張をかりにやらなければならぬということになっても、来年度の予算でやるのですか。この年度予算でやりくりがついてもやりますか。それはどうです。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 御承知のように飛行場の拡張に要します経費は、防衛支出金の中に一括計上せられておるわけであります。それがかれこれ八十億になります。そのうち十二億が五つの飛行場に割り当てられておる。残り六十八億になりますか、これらが調達庁従来の仕事でございますところの各種の補償事案、あるいは漁業の補償あるいは建物、土地等の借料、その他になっております。六十数億と申しましても、そのうちの四十数億は借料になっておりまして、これらは融通性のない費目になります。また既定計画も相当にあるわけでございます。また漁業の補償その他も年々状況が急激に変化するということも考えられないわけであります。従いまして、理論的には防衛支出金一本でございますので、この金が余ってくれば飛行場に使うということは処置ができないことはございません。しかし実際的には、防衛支出金の内部におきまして操作をすると申しますことは、五つの飛行場についての十二億ということそれ自体、余裕があるわけではございませんので、これも地元の県との話し合いの後になりますけれども、補償の条件その他によりましては、五つの飛行場だけに十分あるかということにつきましては、必ずしも絶対の自信はないので、ぎりぎり一ぱいと考えております。残りの六十八億につきましては借料、漁業補償その他の関係で、これから浮いてくるということはちょっと想像がつかない次第でありますので、理論的に申しますならば、予算的な措置ができるのであれば伊丹の飛行場にそれが使えないということはないのでありますが、実際的には容易なことではないというふうにお答え申し上げざるを得ないのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 最後にはっきりしておきたいのは、防衛支出金等からやりくりすれば使えぬことはない、やろうとすればやれぬことはない、こういうことにあいまいな御答弁のようです。少くともこれは、本予算委員会においても、大体十二億という金は五つの飛行場に使う金だ、こういうことで承認しているわけです。それ以外に飛行場を新しく拡張する場合、当然これは予算化をして、国会の承認を得るなり、所要の方策を講ぜられることが当然の処置じゃないか。これが国民全般に大きな影響を及ぼす重大な問題であり、当該地域の者には、真に生命と財産に関する問題ですから、この問題の取扱いは慎重に一つお考えを願わないといかぬし、それをあなた方がおやりになります場合は、必ず国会の承認を得られた上でおやり願いたいと考えますが、長官のお考えはいかがですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 先ほどお答え申し上げました通りに、理論的には防衛支出金というものの使い方はあり得るわけでございますけれども、十二億を除きました以外の費目というものは、補償関係で詰まっておりますので、しかも私どもの観念いたしますところでは、調達庁の補償費というものは、ほかの省の助成的な予算とかあるいは補助金とか、そういう予算と違いまして、国の債務と心得ているわけでございまして、これを年度の途中において打ち切るとか、そういうことの非常にできにくい、あるいはそういうことをしてはならない性質の予算でございます。実際的には六十八億の中でしぼって参りまして、飛行場の方に浮かせる金を出すということは不可能でございます。これが不可能でございます以上は、建前の問題といたしまして、余ったら使えるということを否定するわけには参りませんけれども、六十八億の方から出てこないということになりますと、国会にお願い申し上げる以外には、資金と申しますか、予算が出てくる道はないのじゃないかと考えております。

三浦一雄日本民主党

○三浦委員長 暫時休憩いたします。    午後三時二十七分休憩     —————————————   〔休憩後は開会に至らなかった〕

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