予算委員会 第24号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/06/06
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りいたします。委員の異動によりまして理事が二名欠員になりましたので、その補欠選任は先例によりまして委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧野委員長 御異議なしと認めます。よって理事に中曽根康弘君、小坂善太郎君を御指名いたします。 ―――――――――――――
○牧野委員長 昭和三十年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。 この際御報告をいたします。農林水産委員会から当委員会に対し、昭和三十年度農林水産関係予算に関する件について申し入れがありましたが、その内容は次の通りでございます。 昭和三十年度農林水産関係予算に 関する件 わが国自立経済確立のためには、その基盤をなす農林水産業は益々拡充振興を期すべきであるにも拘らず、現在提出中の予算を見るに、農林水産関係予算は昨年度のそれに比し、大幅減額となっており、これが今後の農林水産業に及ぼす影響はまことに黙視し得ざるところである。 よって本委員会は、慎重検討の結果、政府提出予算中農林水産関係につき、別紙の如く増額すべきものと認める。 別紙は委員会の速記録によって御承知を願いたいと存じます。 以上の通り御報告を申します。
○牧野委員長 この際各分科会主査よりそれぞれ分科会の審査の結果について報告がありますので、順次各主査より審査に関する報告を求めることにいたします。まず第一分科会主査赤城宗徳君より報告を求めます。赤城宗徳君。
○赤城委員 第一分科会の審査の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会の審査事項は昭和三十年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、経済審議庁を除く総理府、法務省及び大蔵省所管並びに他の分科会の所管事項以外の予算でありまして、六月三、四の両日慎重に審査をいたしました。 まず各省、各庁の当局者よりそれぞれ所管予算の説明を聴取し、次いで質疑を行いました。分科会における予算の審査中たまたま民自両党の予算修正に対する協議が進められていましたので、これに対する批判と、分科会のあり方等についての論議もかわされたのでありますが、このことや質疑応答の詳しいことは会議録に譲り、ここでは質疑のうち二点だけを取り上げて御報告いたします。 その一は、駐留軍労務費の負担区分の問題であります。質疑の要旨は、労務者の給与費は、二十八年六月まで全額米国側の負担であったが、同年七月以降は日本側の負担に切りかえられている。これは明らかに行政協定違反ではないか、というのであります。これに対しては、日本側の分担金は行政協定第二十五条により、米軍が輸送その他の必要な役務及び需品を調達するためのものと規定されており、駐留軍労務者の雇用は当然にこの役務の中に含まれる。従って協定以外にどのような約束があったかは別として、労務費の日本側負担は決して行政協定違反とはならない、という答弁でありました。 その二は、損害保険会社の貸出金利の問題であります。質疑の要旨は、損害保険会社の住宅公団への融資額は五億円を予定され、金利は九分五厘見当とされている。この金利は保険会社の経理状態から見て高過ぎる。というのは、各社の支払い保険金総額は保険料収入の二割程度にすぎないのに反し、経費の総額は収入の五割近くにも相当している。これは浪費が多いことを意味する。しかも経費は保険料率算定の際に織り込み済みのはずである。従って余裕金に対してさらに一般並みの金利をつけてやることは、会社に二重にもうけさせることになるではないかというのであります。これに対して、保険会社の資金については、銀行のように厳密なコスト計算は行なっていない、貸出金利は自然に市中金利の水準に従ってきめられるよりほかないという答弁がありました。 これらの質疑応答の後、分科会の討論採決は本委員会に譲ることと決定いたしました。 以上御報告いたします。 ―――――――――――――
○牧野委員長 ありがとう。 次に、第二分科会主査藤本捨助君より報告を求めます。藤本捨助君。
○藤本委員 第二分科会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。 本分科会は、昭和三十年度一般会計予算中、文部省、厚生省及び労働省所管並びに昭和三十年度特別会計予算中、厚生省及び労働省所管を審査いたしたのであります。 まず、政府側よりそれぞれ所管の説明を聴取して、質疑に入りましたが、各委員と政府側との間において、終始熱心に重要なる質疑応答がかわされたのであります。その詳細につきましては、時間の関係もございますので、これを会議録に譲ることといたし、ここでは、そのおもなるものについて簡単に御報告申し上げます。 まず、厚生省所管について。健康保険の赤字原因に対して政府はどう思うか、また、これを解消する対策いかん、保険医制度の欠陥について、これを検討する考えがあるか、今年度予算における結核対策費の減少は、医療施策の後退を示すものではないか等の質疑がございました。これに対して、政府側から、健康保険の赤字原因については、世上、乱診、乱療等の不正行為、その他いろいろ言われておるが、これももちろん赤字原因の一部ではある、しかし、これがおもなる原因ではない、政府の見るところでは、医療機関の普及発達により、その利用度が高められたこと、また、医学の進歩に伴い、医療内容の改善による医療費の増高等があげられるとともに、デフレ施策の浸透により、保険料収入が鈍化の傾向にあること等がおもなる原因と思われる、しかして、当面の赤字金額は、前年度において約四十億円、本年度において赤字見込額約三十億円、合計約七十億円であるが、これについては、財政的に、さしあたり本年度において一般会計から十億円を負担することとし、残り六十億円は長期借入金をもってまかなうこととした、この借入金六十億円及びその利子の償還方法としては、明年度以降において、毎年度十億円ずつ、借入金償還の財源補てんとして一般会計から厚生保険特別会計に繰り入れることとし、さらに、保険料率を現行の千分の六十を千分の六十五に引き上げるとともに、標準報酬の等級改訂を行う等の措置によって解決をはかって参りたい、また行政的措置として、保険医に対する監査制度を強化するとともに、その正しい指導に努め、乱診その他不正行為のないよう、自粛と反省を促して参りたい所存である、結核対策費については、本年度予算は、金額として、前年度に比べて約二億円の減少となっているが、これはもっぱら新規事業等の抑制によったものであって、その他については従来と同様であり、内容的には何ら減少しておらない、十分ではないが、むしろ結核予防費等は前年度に比べて増額を見たのである、従って、医療施策の後退を示したものではないとの答弁がありました。 次に、文部省所管について。今日、地方財政に占める教育費のウエートはかなり高く、これが地方財政圧迫の原因をなしていると思われるので、政府は、義務教育費の国庫負担率を引き上げる等の措置を講じて、地方財政の改善に資する考えはないかとの質疑がありました。これに対して、政府側から、義務教育費の地方財政に占める割合は大体三〇%程度であるが、この数字から見て、教育費の地方側負担の重い実情は承知している、しかしながら、今直ちに国庫負担を増大するがごとき負担率の引き上げは、今日の国家財政の実情から見て困難なことと思う、六・三制の制度がわが国の国力にふさわしいものとは考えられないか、それかといって、これを後退させることも断じてできないので、漸進的に国庫負担の増加を考慮しながら、義務教育の充実をはかりつつ、地方財政の健全なる発展を期するよう善処して参りたいとの答弁がありました。 次に、労働省所管について。デフレ政策による深刻なる不景気のために、増大する失業者の救済はどうするのか等の質疑がございました。これに対して、政府側から、失業対策事業の強化拡大をはかり、一日の平均吸収人員を、昭和二十九年度の十七万人から、五万人を増加して、二十二万人とし、さらに、このうち三万人を特別失業対策事業の対象とするとともに、保険制度を改善し、その適用範囲の拡大、給付内容の適正化の措置を講ずる等の答弁がありました。 以上をもちまして第二分科会の審査を終了し、討論、採決は、先例により、異議なく予算委員会に譲ることといたしまして、第二分科会を散会した次第であります。 右簡単でありますが御報告申し上げます。 ―――――――――――――
○牧野委員長 ありがとう。 次に、第三分科会主査市政誠之君より報告を求めます。市政誠之君。
○重政委員 第三分科会における審議の経過並びにその結果を御報告いたします。 本分科会の所管は、経済審議庁、外務省、通商産業省及び農林省の三十年度予算案の審議でありまして、六月三日、四日の両日にわたり慎重慎議いたしました。 まず、政府側より、それぞれの予算案の説明を聴取し、質疑に入りました。詳細は速記録をごらんを願うこととし、ここでは、その質疑のうち、二、三の事項につき御報告をいたします。 まず、経済審議庁の予算でありますが、わずか三億余円の予算で権威ある仕事ができるか、また、本年度は何に重点を置いての仕事をするかとの質問に対し、緊縮予算の関係上不十分ではあるが、重点を経済六カ年計画の基礎的仕事に置きたいとの答弁がありました。 次に、わが国の特徴の一つである家内工業に対し予算的考慮が払われておらぬがとただしたに対し、家内工業は、輸出振興の上からも、また、家族制度に連関し、社会政策からも、真剣に指導育成したいとの答弁がありました。 次に、外務省の機密費はわずか二億余円しかないが、これでやっていけるかとの質問に対し、財政窮乏の際のことでもあり、この予算で有効適切に最善を尽す旨の答弁がありました。 次に揮発油税の問題であるが、一方においては税率を下げ、他方においては地方道路税を新設し新たに課税しているが、増税とはならぬかとの質問に対し、実質的に消費者の負担は変らぬと答弁がありました。 次に食管の赤字と減収加算の支出との財源をどうするかとの質問に対し、食管特別会計は年間七千余億円以上取り扱っているからその運営により捻出するとの答弁がありました。その他人口問題、石油問題等有益な質疑がありました。 かくして討論、採決は予算委員会に譲ることとし、全部の審議を終了いたしました。詳細は速記録をごらん願うこととし、第三分科会の報告々終ります。 ―――――――――――――
○牧野委員長 ありがとう。 次に第四分科会主査稻葉修君より報告を求めます。
○稻葉委員 去る三日及び四日の両日に行われました第四分科会における審議の内容及び結果につきまして、ここに簡単に御報告申し上げます。 第四分科会は運輸省、郵政省及び建設省所管の関係でございますが、政府側の説明、及び質疑応答の詳細は速記録に譲ることといたしまして、質疑応答に現われた若干の問題について申し上げることといたします。 まず三省を通じて年次計画を立て、あるいは従来の計画に従って予算化したものは総合経済六カ年計画による外航船舶建造に対する融資利子補給、十カ年計画による住宅難の解消、電電公社の拡充五カ年計画、道路整備五カ年計画、あるいは郵便局舎の建設等、初年度あるいは第二、第三年度予算として積極的な建設計画に基く発展がはかられているのでありますが、反面、日本国有鉄道及び災害復旧の事業量の縮小、町村合併地区に対する建設工事の圧縮、国際放送に対する熱意の欠如、簡保の地方債の引き受け減額の問題等についての本年度予算の消極面については委員より活発な論議が行われたのであります。 まず国鉄公社における経理難の現況から、新線工事の停滞、新丹那トンネルの工事放棄に対しまして強い批判と総合計画推進の要望がありましたが、政府は近く開かれる経営調査会において徹底的な経理の検討と再建方策を打ち出したいとの答弁がありました。 次に災害復旧費は前年度に比較し減額され、かつ二十八年大災害に対する復旧進捗率もはかばかしくなく、また仕越し工事のため本年度は他の事業が行えなくなるおそれがあり、国民の期待に沿わないのであるが、抜本的な今後の施策はあるかという問いに対して、政府は実額の減少は認めるが、復旧進捗率は前年度を上回っている、仕越し工事に対しては予算通過後適切な措置をとる、災害に対する抜本的施策としては、継続費制度を立法化して国情に合わぬ占領政治の欠陥を是正したいと考えるというきわめて注目すべき答弁がありました。なお災害激甚地、累年災害地に対する全額補助等の措置が必要であり、これらを内容とする災害国庫負担法を今国会中に提案するため目下検討中である、ただし本年度予算と切り離したのは法の内容に拙速を避けるためであるとの答弁がありました。 また外交、文化の貢献に重大な影響を持つ国際放送が現在の五十キロ放送ではきわめて限られた地区しか行えず、世界各国に比較し国家経費も僅少である。現在のNHKの百キロ実験放送を本放送に切りかえるには三千万円程度の交付金増加で足りるとの意見に対しては、本年度北米東部に一方向ふやすこととなっており、また交付金増額に対しては今後機会を得て要望にこたえたい旨の答弁がありました。 次に国際観光事業振興費につきましては、前年度と同額の計上を見ておりますが、今回は従来の各種団体を統合し、財団法人国際観光協会を設立して補助金を支給することとなりましたが、委員より観光振興にはもとより反対ではないが、国鉄一家という悪名もあるので、この際世間の疑惑を解くためにも、外郭団体設立については反省を求めたいとの発言がありました。 以上の質疑応答のほか、本年度郵便貯金の増加見込額、公社債消化の見通し、揮発油税に関するガソリン消費量の算出根拠、住宅公団の住宅政策、国際航空事業振興のための新規補助金の設定等、その他各般にわたる質疑応答がありました。以上を質疑の大要といたします。 本分科会におきましては、討論、採決は総会に譲ることといたしました。 以上をもちまして第四分科会における主査報告を終ります。 ―――――――――――――
○牧野委員長 ありがとう。 以上をもって各分科会の主査の御報告は終りました。 ただいまお聞き及びの通り、総予算三案に対する討論、採決はいずれも総会に譲るとの報告であります。よってこれより予算三案に対する質疑を継続いたします。小坂善太郎君。
○小坂委員 私はこの機会に自由党を代表いたしまして、この予算案に関しまして締めくくり的な質問を行わんといたすものであります。 〔委員長退席、重政委員長代理着 席〕 すでにいわゆる一兆円予算の実体が何であるか、またこれについて私どもにすれば五つの点において矛盾を持っておるということについては、同僚の各位から指摘されたことでもありますし、また修正もなされておるのでありますから、これにはこの際は触れないことといたしまして、私は左の三点からこの問題に触れていきたいと思うのであります。 その第一は、基本国策としての対ソ外交方針について、また共産党及び共産主義についての考え方であります。 その二は、予算が憲法上あるいは財政法上重大なる誤まりを犯さんとし、あるいは犯しているという点についてであります。予算の修正につきまして、自民両党合意の上に修正案の内容も出てくることでありますけれども、国庫債務負担行為についての違法性がありとすれば、この疑義について十分たださなければならないと思います。この点については、国会運営上将来の悪例にならぬようにしておくということが、私ども国会議員としての立場上の責任でもある、かように考えるからであります。 第二の点は、日比の賠償問題につきまして、新聞に伝えられるところによりますと、総理、外務大臣、大蔵大臣三者の意見がまちまちに伝えられている。いわゆる閣内不統一ではないかという印象を与えておりますから、これは私はむしろこの点について強く非難するというよりも、事外交の問題でありますから、そうした誤解をいやしくも与えないようにすべきであるという点からただしたいと考えておるのであります。 まず第一に、基本国策としての対ソ外交方針でありますが、これは私は六つの点から質問をしてみたいと思います。 まず第一は、鳩山総理の言動に徴すれば、保守合同よりも日ソ交渉が先決であるということを言明せられておりますし、全体に非常に甘い考え方があるように見られる、この点についてであります。 第二点は、ソ連、中共の平和的な意図というものは信頼すべきものである、かように言っておられる点であります。 第三の点は、日本は何となくこのままでいって赤化をしないのだという信念に基いておられるようでありますから、それについてただしたいと思います。 第四には、外交的には対米関係と対ソ関係を同一、同格視しておられるように見えますが、この点についてお伺いいたしたいと思います。 第五点は、鳩山首相の国際政局観は目下流行の中立主義でありまして、自由党よりもむしろ社会党に寄っている、そういうような観点を随所に見られますので、この点が自由主義の国家群から多くの危惧をもって見られている、この点についてであります。 第六点は、この鳩山総理の対ソ観に基きまして日ソ関係が独走しておる、大体その出発点から何か自由党とは違うのだ、私は吉田のやったことと違うことをやってみせる、こういうような考え方があなたの根本に動いているように思われるのでありまして、そういうことでこの外交を選挙のスローガンに掲げられた、そのためにあなたがずっと言っておられたところの超党派外交というものは、むしろ自分が種をまいてあとをついてこい、こういう考え方になっているように思われる、この点についてであります。 まず日ソ交渉につきまして、非常に甘い考えを持っておられるのではないかと思われる点でありますが、ことに領土の問題につきまして五月二十六日の新聞紙によりますと、ソ連は千島を返還するであろうということを、わが党の緒方総裁との会談で述べたということが伝えられております。これは私は直接確かめたわけではないのでありますが、こういう新聞報道がありますし、なお外務省の見解といたしまして、千島返還は希望的観測であるということを言っているのが同じ新聞に書いてあるのであります。このよって来たるところのものは何でありましょうかと申しますと、五月三十日付の新聞紙によりますと、フランス外務省の見解といたしまして、ソ連の中立地帯拡大の構想といたしまして、スカンジナビアからバルカンに及び、さらにアフガニスタンを経てインド、ビルマ、ヴェトナム、台湾、日本に至るところの巨大な弧状の緩衝地帯を設けんとしている、そのために、日ソ交渉が始まると、日本の中立化のために喜んでその代価を支払う旨をソ連は明らかにするであろう、これは主として千島、南樺太に対する日本の領土的要求に満足を与えることになるかもしれない、として、まず歯舞、色丹諸島を日本に返還する、として、大いに寛容な態度を示すかもしれない、さらに日本が中立化に同意するならば千島は軍事基地にならないから、千島を放棄するかもしれない、すなわち千島を返還することで日本の大衆の目を、日本が回復を望んでいる沖繩に向けさせ得るからである、日本の中立化はそれだけ沖繩の戦略的価値を減少させ、西太平洋における米軍の軍事基地網の分解をもたらし、自動的に台湾中立化へ導くであろう、としているのであります。さらに五月十四日のニューヨーク・タイムスによりますと、日ソ交渉は妥結までに長期を要するであろう、その間に日本国民に対する対ソ親善感を植えつけようとソ連は努めるだろうといっているのであります。こうしたソ連を相手にして日ソ交渉を今行われようとしております。五月二十六日の衆議院本会議におきまして、大橋君の質問に対して総理は初めて、この交渉はサンフランシスコ平和条約の線で行こうということを言われたのでありますが、それまではこの点に関してきわめてあいまいであったのであります。日本がこのサンフランシスコ平和条約の線で日ソ交渉を行うということについて、もし疑念を与えるとすれば、これは自由主義陣営に非常に大きな動揺を来たすものでありまして、非常に重要な問題を含んでいると私は思うのであります。この点について鳩山総理のお考えは、この点を明確に日ソ交渉に当りまして堅持されているのかどうか、この点をまず第一にお伺いいたしたいのであります。
○鳩山国務大臣 お許しを得まして、すわって答弁さしていただきます。 自由主義国家群との協力関係は堅持して参りたいと思っております。決して自由主義国家群との協力関係をこわしてまでもソ連との友好関係を作りたいとは思っておりません。
○小坂委員 その点は後ほどまたお伺いいたしますけれども、それではサンフランシスコ講和条約の体制というものはくずさない、これを堅持する、さように了解してよろしゅうございますか。
○鳩山国務大臣 さようでございます。
○小坂委員 五月三十一日のUP電の伝うるところによりますと、ロンドンのソ連大使館のスポークスマンは、オーストリアの主権回復条約は、およそあらゆる平和条約の手本となるべきものであろう、日本やドイツにも適用できる、と言っておる。さらに、鳩山首相は昨年十二月二十八日、日ソ両国と国交を結ばないことは不自然であると述べられたのであるが、ソ連も正常な国交回復を望んでおる、米国はこれ以上日本を孤立させることはできないであろう、こういうことを述べておるのであります。私は、このオーストリアというものと日本の立場というものは非常に違うのであって、このソ連の見解は著しく当らないのみならず、この発言によってオーストリアと同様日本の中立化をねらったものと思われるのであります。これに関しまして、私はまず外交の専門家である重光さんから、このオーストリア主権回復条約というものが日本との国交回復の手本になるだろう、こう言っておるソ連の考え方に対し、あなたはどのようにお考えになるかということを承わりたい。
○重光国務大臣 今御質問の点は、たびたび本会議でも繰り返された問題だと私は記憶いたしております。外務委員会ではもちろんのことであります。そのときに私は答弁をいたしました、その答弁を繰り返すよりほかに私の答弁はございません。すなわち日本の今日置かれておる立場は、オーストリアが国家条約締結前に置かれておった立場とは全然異なっておる、こう私は申し上げておるのであります。すなわちオーストリアはソ連との交渉によって独立をかち得たのであるけれども、日本はすでに独立国となっている、その独立国の立場によって日ソ交渉をやるのである、こう申し上げたので、基本的の相違がはっきりするだろう、こう考えておる次第でございます。
○小坂委員 非常に明確な答弁であると思います。ことに最近のソ連の中立化政策の進展はユーゴとの交渉にも見られるのであります。ソ連の専政に反抗いたしましたユーゴのチトー主義というものは、七年前にコミンフォルムから追放せられ、その後最大級の悪罵を浴びてきたのは御承知の通りであります。ところが不倶載天のチトー大統領に対しまして押しかけ親善によって歓心を買おうとするソ連の態度、この媚態外交というものはまことに驚くべき変転であると思わねばなりません。必要とあるならば手段や行きがかりを選ばないで、何としてもその目的を達しよう、目的は手段を正当化するのだ、こういうソ連の考え方、この中立化政策のためには日本に対してもあるいは一時的には相当に大きな譲歩をするかのごとく見せてくるという場合も考えられる、私はこういうふうに思うのでありますが、これについて総理はどのようにお考えになりますか、御見解を承りたいと思います。
○鳩山国務大臣 私はソ連がどういう態度に出るかは見きわめがつきませんが、わが国としてはソ連と友好関係を結ぶ方がいいと考えまして、その目的の達成のために努力したいと思っております。
○小坂委員 ソ連との友好関係を結ぶ方がいい、これは原則的には私もその通りであろうと思います。しかしそのうしろにいろいろなものが付随するのがソ連外交の常であるということを申し上げて、そういう問題に鳩山さんが友愛精神によってあまり深入りなさらないようにということを私ども心配して伺っておるのであります。私はこういう際に特にソ連の出方に対する根本認識を総理において深められることを要望いたしまして次の質問にお答え願いたいと思うのであります。 これは本会議において大橋君に対して明確な御答弁がなかったのでありますが、ソ連においてわが同胞を今日に至るまで抑留しているということはポツダム宣言にも違背しておりますし、また人道しから見ましても非常に大きな問題であると思うのであります。これは国交回復以前の問題で、従って同胞の帰還問題に対しましては、松本全権は日ソ交渉をする以前に同胞の帰還問題を解決する、その誠意がソ連にあるかどうかということを十分に確かめて、その誠意がソ連にないということであるならば、会談に入らぬということを強便に主張すべきであろうと私は思うのであります。これについて重光さんからお伺いいたしておきたい。
○重光国務大臣 抑留同胞の帰還問題は、お話の通りに従来とも強く要望し、交渉してきた問題でございます。従いまして、同胞の帰還問題はあくまで解決しなければならぬ問題だと考えております。ただこの問題も戦争によって起ってきた問題であることは論をまちません。従いまして、戦中状態をやめて平和、正常の状態を回復しようという交渉に当りましては、戦争によって生じた問題をまっ先に取り上げてこれを解決することに最善を尽さなければならぬ、そういう方針で進んでいるわけでございます。
○小坂委員 どうもよくわかりません。こういう問題は戦争によって起きた問題であるということは私は否定しません。しかし戦争によって起きた問題、ことに抑留同胞の問題については、ポツダム宣言は戦争終結の条件としてなされたのでありますが、それに抑留者を帰すのだということが書いてある、そういう義務に違反している問題をそのままにして、他の一般的な戦争によって生じた諸条件と同一のレベルにおいて交渉しようとするのかということを伺っておるのでありますが、これに対して明確にお答えを願いたいと思います。
○重光国務大臣 今お話の通りのような問題でありますから、これをまっ先に解決したい、こういうことでございます。まっ先に解決した上で、どうしようかということで、一々の細目については私は今はっきり申し上げませんが、これはまっ先に解決したいと思っている次第であります。
○小坂委員 交渉前のことでありますし、大体その程度で真意はわかりました。一つその点は強硬に御主張あらんことを希望いたします。 次に千島の返還問題につきましては、先ほどソ連の態度についての予想記事を申し上げたのであります。そういうことも予想される部分があるのでありますが、千島、樺太、歯舞、色丹の問題は、千島、樺太につきましては、ヤルタ協定というものは国際法上認められたものではない、また歯舞、色丹についてはたまたま日本の兵舎があったために、終戦時にソ連に占領されたままになっているという状態でありまして、これは北海道の一部であるわけであります。このように非合理によってソ連に領土であると僭称されている領土を返還せしめるための交渉というものは、私は無条件でなければならぬと思うのであります。領土問題に対する総理の御答弁は、今まで伺っておりますと、非常にはっきりしていない。あなたは赤松君の本委員会での質問に答えまして、南樺太、千島列島をソ連が日本に返すに当りまして、米軍の基地にすぐに使われるような情勢であれば返すはずがないという赤松君の意見に同感の意を表せられて、さらに行政協定、安保条約改訂の意図を表明されたのであります。繰り返して申し上げますが、これらの領土の返還というものは、そういうような条件付の問題ではなくて、先方の領土であるということは確定されていない問題である、それを取ることは非合理な問題であるから、これを返すということは当然に無条件でなければならぬと思うのであります。これに対する総理並びに外務大臣の御見解を承わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 私はたびたび領土の返還問題について申し上げましたが、歯舞、色丹に関しての関係と、南樺太並びに千島列高に対する関係とは違うとは思っているのであります。それですから、あなたのおっしゃいました通りに、歯舞、色丹は北海道の一部であるからして、これは当然にソ連は返すべきものと考えておりますが、樺太及び千島列島はとにかく一応日本で放棄をしているものですし、三角関係みたいな関係にありますから、この問題に対しては、ソ連がどういうように出てくるかまだ私は想像がつかないのであります。しかしながら、とにかく歴史的に見て、日本としては請求権はあるものと思いますから、請求はすべきものとは考えております。
○小坂委員 外務大臣には別の関係でお聞きいたしましょう。千島あるいは南樺太というものが日本に返還された場合に、日本に日米行政協定があるから、これは当然に日本の領土の一部になるとしていわゆる基地として提供される、こういうふうに考えるのは誤まりであって、行政協定というものは領土を自動的に基地にするということではなくて、両国の同意がなければできないわけであります。そこでそういう領土の返還というものが日本中立化政策のソ連の取引の道具となってはいけない、かように考えまして、今総理からもお答えをいただいたわけでありますが、この点についてあなたのお考えを承わりたい。
○重光国務大臣 領土問題に対しましては、今総理大臣の御説明の通りでございます。北海道所属の島々と、歴史的にすでにきまっておる千島列島、南樺太につきましては、サンフランシスコ条約の関係から、やや日本の立場が異なっておるということは、今お話の通りでございます。しかしながら、サンフランシスコ条約はソ連が拒絶しておるのでございますから空白でございます。そこですべての領土問題については、ソ連と日本との関係は空白状態でございますから、これは戦争から平和に進むに至っては、この空白状態を埋めなければならぬと私は考えます。それでありますから、これらの問題については、これらがはっきりした態度をもって交渉に入り、わが方の主張は十分認めてもらうように最善を尽さなければならぬという立場に今相なっております。それが、どの辺まで向うが承諾するだろうか、またどの辺までこっちが、主張すべきかというようなことは、私の口から今日かような席で申し上げるわけには参らないことを御了承願いたいのでございます。 ただアメリカとの関係に相なりますが、アメリカとの関係において、それでは日本の領土が返ってくれば、当然行政協定がそこに適用をされて、アメリカの基地が、アメリカの権利としてどこでも設け得るというふうには解釈すべきものではない、そういうふうにはなっていないのだという今の条約の解釈論についての御意見は、私もその通りだと思います。条約というものは、むろん国内の法律問題とは違います。その当時の状況に応じてできたものでありますから、それはそう解釈されてよい。少くとも日本としてはそう解釈すべきものだ、こう考えます。従いまして、さような場合においては、また別の交渉が起るかもしれぬ、また別の合意に達するかもしれません。さような問題は、日ソ関係の領土問題には直接の関係がないものだ、こう言って今日は差しつかえないのじゃないか、こう考えております。これで大体御答弁が済んだものと思います。
○小坂委員 次に第二の問題に入りますが、ソ連も中共も、本来平和的な意図を持っているのであって、これは信頼すべきだという総理のこの委員会あるいは本会議等を通しての御言明というものは、私は著しく国際共産党の持つところの世界革命に対する意図に対して認識不足である、かような感じを持つのであります。今さら申し上げるまでもありませんが、レーニンは、二つの勢力が均衡を得ているようなときにはできるだけ慎重な態度で臨んで、むしろ相手の間でもって仲間割れを起してお互いに反噬させる方がいいのだ。一たんソ連側が圧倒的に強いという確信を得たときに、相手のえり髪をつかめばいいのだということを言っておるのでありまして、革命に役立つものであるならば、謀略というものはすべて行われる。目的は手段を神聖化するのだ、こういう徹底した観念を持っておることはよく御承知であろうと思うのであります。だから共産主義者の行動を規定しているところの根本の要素というものは、これは力関係であります。この方針で、政治的な混乱あるいは経済的な疲弊あるいは心理的な虚脱状態という一種の真空状態を利用いたしまして、東西に勢力を拡大したことは御承知の通り。その結果、欧ア両大陸にまたがりまして、共産勢力というものは世界中の六分の一から三分の一になったのであります。しかしソ連の勢力も一応頭打ちとなりまして、尋常一様の手段ではそれ以上の進出をはかることはできなくなった。この分水嶺を越えて勢力を伸張することには大きな危険を伴うようになったのが現状であります。朝鮮動乱はその一つの例でありますが、朝鮮動乱でソ連が自分の勢力を直接用いるというようなことは、第三次世界大戦を誘発する可能性があるわけであります。こういう状態になると、終戦直後の革命の高揚期にある戦術を改めなければならないというスターリンの末期においての一種の戦略的転換が行われたのであります。それがすなわち平和攻勢であるのであります。すなわち間接的にプラスをかせいだと同じような効果をもたらさんとする、自分の勢力を固めて、質的に勢力圏の力を向上させる、それには経済力も軍事力も、あるいは衛星圏の把握力も含まれる、こういうことであります。同時に相手方の陣営にマイナスを与える、これが一つの指導原理でありましょう。スターリン末期の平和攻勢は、自分自身でプラスをかせぐよりも、相手にマイナスをつける方針をとったのでありまして、マレンコフからブルガーニンに至って、さらにこの考え方を中立政策によって強化しようとしております。ベルリン会議におけるドイツ問題の討議、あるいはジュネーヴ会議における朝鮮、インドシナ問題に見られることでありますが、実質的な譲歩を伴ってまでも冷戦を解消しようとするような共産側の意図は、全く見られていないことは御承知の通りであります。ジュネーヴ会議では相手方の陣営の分裂をねらい、一面において部分的な、軍事的な優位を確保しながら、相手方の心理的な弱点をついていく。ソ連の外交政策の目標はもとより米国であります。できるだけ多くの国を米国から引き離し中立化し、そうしてアメリカを孤立させる、こういう方針であることはこれまた申し上げるまでもないと思います。アジアに対しましては、アジアの問題はアジアで解決するように、というふうに持っていくのでありまして、アジアを西欧諸国からできるだけ引き離していくソ連の世界攻略の全般の姿をはっきり認識されて、その中における日本の立場というものを明確に把握する必要があると思います。総理はこの委員会でも、平和的な意図を共産主義国が持っておることは疑いないと思います、それは実態的には台湾問題の場合でも見られるではありませんか、とおっしゃいましたが、こういう私のような見解を御否定になりますか。またこの台湾問題に見られる中共、ソ連の平和的意図というものは、どういう具体的の根拠によってそう仰せられたのでありますか。
○鳩山国務大臣 私は、ソ連の考え方は幾らか違ってきたと思っております。世界制覇、世界攻略というような考え方は薄らいできたものと思います。全然なくなったかどうか、そういうようなことは保証ができませんけれども、幾分かはその変遷があると思っております。台湾海峡の問題でそういう主義の方に変遷してきたと申しましたのは、中共が国民政府といくさをしたがるやつを抑制した事実によってそういうふうに考えたのであります。
○小坂委員 そういう考え方は私は非常に甘いと思います。中立政策の根本というものは、今仰せられたようなそういう態度をとりつつ、相手方の陣営にできるだけ多くのマイナスを与えよう、相手方に内部撹乱を与えよう、こういうことにある。今かつての反共の闘士として自由党を結成せられた鳩山さんが、この共産主義の考え方について私と意見の食い違いがあるということも、これまたそういう中立政策の具にあなたが供されているということであります。そういうふうに国内の個々の保守党間の共産主義に対する考え方の分裂をねらっておるのが共産主義者の考え方である。あなたが総理大臣として、一人しかない総理大臣として、いみじくもその考え方に落ちていかれるということであれば、平和政策的に日ソ交渉を前にしてあなたがそういうことを言っておるということであれば、まあ不問に付しておきますが、そういうことでないと、あなたはいつかこの場所で、鳩山容共政権というようなとんでもないことを言われたが、実際そういうことになってしまう。そういう点は、あなたにおかれましても、この共産主義国の情勢認識について、公安調査庁なりその他から十分よくお聞きになって、御勉強なさるように希望いたしておきます。この点についてはもっと質問もしたいのですが、時間を制限されておりますので、次に移らざるを得ません。 総理は、中国について二つの中国があるいとうことは事実じゃないか、これがわからないのかというようなことで、先般も頭がいいとか悪いとかいうことを問題にされたのでありますが、この総理の御言明というものは、中国におきましては、台湾においても北京においても不満であるわけです。総理の友愛精神は、この両国には通用していない。中共は大いに怒って北京放送で語っておることは、あるいはお聞きと思いますが、この主張は、台湾からすれば総理は北京の味方だし、北京からすればあなたは台湾の味方だということになって、両方から工合が悪い。そこでそう考え方を一つ、韓国、朝鮮について見ましょう。総理は日韓交渉を行うと言っておられますが、朝鮮について南と北のどちらをお認めになり、どちらと交渉されようというのでありますか。
○鳩山国務大臣 ただいままだ、二つの朝鮮という考え方は持っておりません。そのうちどうにかなるだろうと考えております。
○小坂委員 今のお話では、李承晩にしても金日成にしても、著しく不満であろうと思います。両方ともそこの主権者であるつもりでいるのですから。あなたが交渉されるのは、どちらと交渉なさるおつもりなのでございますか。
○鳩山国務大臣 今はまだ争っている最中ですから、それがどういうようにか事実ができれば、国民政府と中共政府のように客観的な事実ができれば、これを一国として認めざるを得ない状態になるだろうと思います。北鮮にしても南鮮にいたしましても、時の経過によって、これを二つと認めなければならないような事態が発生してくれば、やはり二つと認めるのが当然だろう、このように思っております。
○小坂委員 どうも行政権を行使される主体としての総理大臣の御答弁としては、はなはだいただきかねるのでありますが、これも時間の制約があるからこの程度にしておきましょう。 そうすれば、日韓交渉を行うという総理のお話は、実は新聞記者に話しただけで、そういうことを考えていないということになりますね。
○鳩山国務大臣 日韓交渉についてどういう話をしたというのでしょうか。
○小坂委員 日韓交渉もできるだけすみやかに行いたい、場合によれば自分が行ってもいいというようなことを……。
○鳩山国務大臣 そのときに申しましたのは、南鮮のことです。
○小坂委員 外務大臣いかがですか。今の韓国についての認識の問題について、あなたは外交交渉を常になさる立場におられるが、総理と同じ御見解ですか。
○重光国務大臣 私は、朝鮮の伝統的の政府として一般に国際連合等にも認められておる――正式には別といたしまして、国際連合も相手にしている韓国、これは日本に最も近い国でありますし、これと正常の関係を樹立することが日本の国の利益だ、こう考えて、それに全力を尽してきたわけでございますが、この交渉も今日まで思う通りに参らないことを申し上げておきます。
○小坂委員 実は文化交流の問題あるいは漁業の問題等について、今の重光さんの御言明と別に、いろいろと話が行われておることを私どもは承知しておる。それが著しく韓国の気にさわっておるという話もあるのでありますが、そういう事実はございませんか。
○重光国務大臣 それは北鮮の方とやられておる、こういうことですか。今そういう手順になっておりません。そういう考えを持っておりません。
○小坂委員 河野農林大臣が野党におられたときに、朝鮮の問題に関連いたしまして、対米債権――四千七百万ドルですか――というものはどうしておるのだ、これは税金どろぼうじゃないかというお話があった。もう政府ができましてから百日になるのでありますが、この問題については、その後どういうふうに解決になっておりますか。
○重光国務大臣 その御質問は全然新たな問題でございます。今までのものとは関係ないものであります。その問題につきましては、米国側と打ち合せをいたしておりまして、米国側はその日本の債権を認めておるわけでございます。そして米国側とはいろいろな債権債務の問題を今協議を進めておるわけでありますが、その一つの項目となっておるわけでございます。
○小坂委員 その話はあなたになってからでなくて、前からの話であるわけですね。ああいうことを言って非常に世間を騒がしたけれども、すでにこのことに対する準備ができておったのだから、あれほど問題にすることではなかったのだということを、河野さんがおられればよく聞いておいていただきたいのですが、これはこの程度にいたしましょう。 第三項目としまして、日本は何となく赤化しないと信じておられる鳩山総理が、新聞記者団と話しておられるのを聞いたのでありますが、日ソ間に交流が行われても、これは非常に好ましいことだ、そこで赤のばい菌が入ってくるかもしれぬが、このばい菌は消毒すればいいじゃないか、こういうふうに言っておられるのでありますが、これはどういう方法で消毒を考えておられますか、これを伺いたい。
○鳩山国務大臣 赤の伝播しないようにする方法は幾つもあるでしょうが、どうもそれを――とにかく国民生活を安定にすれば、赤は減るような気がしておるのであります。
○小坂委員 まあ、だんだん伺って参りましょう。日本共産党はこの一月一日のアカハタでもって、今までの方針は変えるということを言っておる。行動的な独・平・民・生というスローガンをやめて、平和と独立を要望するあらゆる国民の声を取り上げていこうということを言っておる。極左的な冒険主義とは手を切る、こういうふうに言っておるのであります。また前衛という雑誌は、あるいは総理は御存じないかもしれませんけれども、それで、政策転換要求の方向において国民の行動の統一を拡大する、新綱領の示す民族的階級的矛盾を自覚させて、将来の全面的な労働階級と国民の勝利の方向をもたらすといっておるのでありまして、この戦いは非常に長期かつ困難なる戦いであるということをいっておるのであります。総理は同僚相川君の質問に対しまして、共産主義は暴力革命を考えていないなどと言っておりますが、いわゆる平和共存政府を作って、そしてそれがさらに軍事的な段階にいき、そして粛清にいくということは、これは総理も御存じであろうと思うのであります。総理の御言明でいうと、そんなら共産主義も危険なものでないということになって、公安調査庁など全部行政整理の対象にしてよろしい、こういうことにもなると思いますが、まさかそこまでは考えておられぬだろうと思います。そこで共産党に言わせますと、鳩山という男は日ソ国交回復などと言って新しがっておるけれども、本質は少しも吉田と変らぬ、しかし三反運動なんというものはやめて、平和と独立のための政策を鳩山にやらせようということと、そして公約の実現を迫ろうではないかということを言っておるのでおります。試みにアカハタから二、三拾ってみますと、一月十五日のアカハタに、総理が戦争状態の終結を確定する方法を講じなければならないが、それには日本側がイニシアチブをとるべきだと考えている、場合によると、選挙前に何らかの手を打つ機会があるかもしれないということを話しておられる、これを取り上げまして、今度の発言は日本側がイニシアチブをとるべきだとし、また選挙前に何らかの手を打つ機会もあり得るとしている点で、従来の発言を一歩進めたものであるということを指摘し、鳩山内閣が組閣以来表明してきた外交上の考えは一定の変化を示している、そしてこの意味でこの変化を歓迎すると、賛意を表しておるのであります。なお一月三十一日にも同様なことがあるのであります。ここではソ同盟の対独戦争状態終結宣言を歓迎すると言っておりますが、これと関連いたしまして一月二十五日のあなたとドムニツキーの会談というものをからみ合せて、鳩山内閣に対し、ただちにこの呼びかけにこたえて話し合いを開始することこそ、日本国民の利益に合致した平和共存への道であることをわれわれは確信する、こういって大いにあなたを支持しております。さらに二月四日付に、ソ同盟政府の提議を受け入れ、政府はただちに話し合いに応ぜよ、ということがありまして、全国民の先頭に立って、鳩山内閣が直ちに話し合いを開始するよう世論を高め、団結して要求しなければならない、と強調いたしております。二月十九日、同じくアカハタの、対ソ交渉をすぐ開始せよ、という項目におきまして、鳩山内閣が対ソ交渉のための正式代表を直ちに送るよう要求しよう。総選挙の中で、日ソ、日中の正常な国交回復を実現させる国民の統一と団結をかちとるために奮闘しようといってあなたの方針をバック・アップいたしております。さらに三月三十日付にAA会議のことに触れておりますが、鳩山内閣が会議出席についてアメリカの了解を得られたのも、この侵略政策を支持する有力な国としての役割をになわれた上でのことであるといって、あなたにけちをつけておりますが、われわれは、この重大なアジア・アフリカ会議に日本政府の代表がアジアの諸国民の政府と並んで出席することを歓迎する、といっております。そして、しかしそれには、といって条件をつけておりますが、鳩山内閣の代表がアメリカの手先となって、アジアにおける原子力戦争準備のため国際紛争をたきつけることではない、という条件を付しておるのであります。今私が読み上げましたことでもおわかりのように、とにかく共産党は、あなたのこういう考え方について、これをバック・アップしておるのであります。そして、もちろんただ単純にバック・アップしているのではなくて、あなたのその方針によって、あなたがある程度まで進んで、これが挫折することを望んでいることはもとよりであります。昨年の十月の中ソ共同宣言でも、アメリカと手を切れというような条件付の話はやめて、日本国民の自発的な意図によってアメリカがきらいになるようにしむけていくのだ、労組に対しても、一般的なレベルで戦うということ、そしてその場限り、その戦いの場で勝つという限りにおいて引き揚げる、こういう方針をとっております。また一般の大衆に食い込む方針として、御承知のことと思いますが、例のうたごえ運動、非常に大衆的な一般的な歌を歌わせて、これに浸潤していく、文化活動におきましても、特にきわだった共産党式のものは最初は避けて、本来の姿で伸ばしていこう。日ソ国交調整も、鳩山がやればできないし、共産党はやればできるというようなことはやらない、そういうことは思い上りで、反省しよう。中核自衛隊や独立遊撃隊のような形式的なものもやめて、オルグ集団にする。議会活動においては大いに力を入れて、国会というものは、結局日米合同委員会の下請機関のようなものだ、こういうことをなるたけ論議いたしまして、国民に議会無用論を起させる。こういうことでやっておるので、こういう一連の方式を通じてみると、鳩山さん自身が言うバチルスの消毒どころじゃない、むしろバチルス菌に踊らされているのじゃないかというような感じがするのでありますが、御見解を承わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 共産主義は自由主義の対照的なものでありまして、共産主義が勢力をふるえば民主主義は滅びるわけなんです。共産主義というものは、結局は専制政治を目的とするものでありまして、専制政治が生み出されれば国民の安定というものは保持できないはずでありますから、共産主義には絶対民主主義国民は反対すべきものと思うのです。それですから、バチルスをなくなすには民主主義、すなわち自由主義の精神を宣伝していくことが一番いいと思うのであります。しかしどういう方法があるかといいましたところで、多面にわたって共産主義を征服するには方法がなければならないと思いますから、ここで簡単にどれということは申し上げられません。バチルスを消滅させるにはどれだけの薬が必要かと言われましても、それは簡単に申し上げられない。ただ私は、共産党のやり方が、前には露骨に暴力革命ということを言い、暴力革命を具体化せんとして骨折っていたのでありますが、今日における共産主義者は、暴力革命を看板にせず、また暴力革命を具体的に起すという方法について努力はしていないという意味のことを申したのであります。
○小坂委員 私は今まで相当言葉を費して、共産主義は戦術転換をしておるということをあなたに具体的に申し上げたのでありますが、それをあなたは、共産主義はだいぶ本質的に変ってきたのだ、柔和な平和的な方向に変ってきた、それは本質的なものだ、こう認識されておるように思いますから、これを口をきわめてあなたに御忠告をしておるわけなんです。 なお具体的にいろいろとお聞きをいたしたいと思いますが、相当時間の制約もありますので、かいつまんで二、三伺ってみますが、共産主義国のメーデーというものは、きわめて政治的なプロパガンダであります。いわゆる労働者の祭典ということよりも、共産主義をその機会にいかにして発展させ、いかにして宣伝させるかということが大きな目標であることは、御議論がないだろうと思います。そこで先般高野実君外約六十名がモスクワ、北京のメーデーに行ったのでありますが、これは広く眼を海外に転ずるということもよいでありましょうが、私は、これが全部先方の費用でまるがかえで行っておることについて、少し政府の当局者としてお考えを願いたいと思う。北京メーデーに行った人たちに大体どのくらいの費用がかかっているかというと、一人当り約四十万円、人数をかけてみますと、二千二百万円で、この二千二百万円というものが全部中華全国総工会というものによって支出されておる。これによって、日本の労働界の代表である高野実君以下五十六名がまるがかえで先方の好意を得てきておる。また全ソ労働組合中央評議会の招待でソビエトへ十名が行っております。モスクワを訪問して、帰途北京メーデーに参加をいたしております。このほか中共へ十五名、ルーマニアに三名、東ドイツに七名、ウインからソ連から中共というコースを四名、フランスからソ連圏へ三名、合計九十八名の多数が本年の一月以降ソ連圏に渡航いたしておるのであります。私は、この共産主義国のまるがかえの費用でわれわれの労働者諸君、ことにそのリーダーたちが行くということに非常に問題があると思う。そういうものが特に必要であれば、政府で十分にめんどうを見てやる、こういうことはできぬものですか。そういうことをお考えになる気持はないかどうか。聞けば、これは外務省のごあっせんで行かれた。ことに高野君の話は、外務政務次官が非常に熱心にあっせんされたそうでございますが、悪い言葉で言えばこじき根性――相手のまるがかえで行って、そして大いに批判してこようといったって、批判すること自体が無理になってしまう。こういうことに対して、政府としてはもう少しきりっとした考え方をお持ちにならぬかということ伺いたい。
○重光国務大臣 メーデーに労働組合の代表者が行った、その旅券は私の方で出しました。その旅行の費用の出所その他について十分の注意を払って、これを考慮することはむろん必要だと思います。そういうことも実は考慮いたしました。そして旅行する人について、一々その目的等を聞きただしまして、かつまた統制をもって帰る、政治的に行動はしない、政治運動はやらぬということを十分確かめた上で、それでも、まだ旅券をこの際発給しないで、いろいろそれに伴う幾多の困難と申しますか、ごたごたができるよりもその方がむしろ一般の政治問題に弊害を残さない結果になると思って、私は旅券を出すことに賛成をいたしました。これは、さような制約が十分に守られるかどうかということも見なければなりません。これはもうお話の通りに十分に考慮をしなければなりません。しかしそのときの情勢では、まずそういうようなことを――これはお考えによりましては少し手ぬるい、こういう御批評はありましょう。しかし私は、一つこの際は旅券は出して、十分制約通りの旅行をしてもらって、そうして向うの状況をも十分に見て、ある場合においてはみずからいろいろ自省するという結果もできぬこともなかろうかと考えまして、さような手段をとったわけでございます。
○小坂委員 お考えもわからぬではないのでありますけれども、やはりそういう場合には、日本政府も少し費用を心配して、少くとも日本の労働者の誇りを持って、日本国民の誇りをもって共産主義国を冷静に視察するというような態度、立場を与えてやるように政府としては御心配になるように、特にこの点は賛成されることを要望しておく次第であります。 次に、原爆貯蔵についての総理の言明というものは、共産陣営に相当よい資料を与えておるのであります。あなたは、場合によってはそういう必要が起きるかもしらぬということを言われたのでありますが、そのために、現在飛行場の拡張問題がある。滑走路を六千フィートから九千フィートにする、こういう問題は、結局原爆を積んだジェットが飛ぶために滑走路の拡張が必要なんだという宣伝が行われているんだ。そのために、日本がすぐ戦場になるんだから反対せねばならぬというので非常に反対が盛り上る。またそれに対して、共産党がアジテートしやすい好個の材料になっているんです。そこでこの際総理大臣から、この点については終止符を打たれる意味で、わが国に原爆を貯蔵するということは、現在の国際情勢にかんがみてその必要を認めないということを、あなたからはっきりおっしゃった方がよいと思うのでありますが、これについて御言明を願えますか。
○鳩山国務大臣 私は、原爆を日本にアメリカが貯蔵するということは、アメリカが日本に要求しない、そういうように確信をしているんです。それですから、アメリカがもし要求してきた場合においては、日本では、そういうことをすると日本の国民が非常に危険になるからやめてもらいたいというような主張で、アメリカに、貯蔵することを拒むつもりでおるということをたびたび申しておりますが、その通りであります。
○小坂委員 どうもその真意はわかるんでございますが、その態度が受け身である。要求があったら――それは要求はおそらくないだろうし、またあっても拒むんだ、こういう受け身の立場で言っておられる。われわれとしては、その必要を要めないんだという積極性のある答弁をしておかれると、この問題は著しく緩和されるんではなかろうかと思うのでありますが、これについて重光さんは、専門的の立場からどうお考えになりますか。
○重光国務大臣 この問題は、私は非常に日本国民としては重大な問題だと思っております。そこで少しく今のお話に関連して申し上げたいと思います。飛行場の拡張は、原爆の問題には全然関係はございません。それから今日私が確かめておる――この確かめておるのは、米軍側にも確かめておるのでありますが、原爆は日本に存在しないということを確かめております。そうして飛行場の拡張ということは、飛行機の性能が進んできたから滑走路の延長が必要であるということで、これは原爆の問題とは関係のないことをまず第一に明らかにしたいと思います。 それから、その次に原爆は今日存在しない。さてその原爆を持ち込むことはできるかどうか、私は、これは行政協定の解釈の点についてすでに御答弁申し上げた通りに、それは、行政協定としては新たな問題として取り上ぐべき問題だという解釈をとっております。 それから、その次に米国側の意図であります。原爆を持ち込む意図があるかどうか、日本側の承諾なくして持ち込む意図があるかどうか。これは、意図のないことを確かめております。意図のないことを確かめておりますが、これは、アメリカ側の意図のないことでございます。しかしその次に、日本側がさような意図があるかどうか、こういうことでございますが、それは、むろん国民の今日のかような心配、私は、これはそういう場合があったら、日本はすぐ報復を受けて、日本が壊滅をされるような事態が起らぬとも限らぬ。死活の問題であるということを申し述べましたが、さような問題については、日本は、政府はむろんのこと、さようなことの起らないように万全の措置を講ずる、こういうことは申し上げられると思います。
○小坂委員 これも政府全般の問題ですが、いわゆる広報活動というものが非常に不足しているように思います。今の説明で非常にはっきり言われたのですが、私どもとすれば、なぜそれを最初に言わない。今からでもよいですから、やはりそういう考え方というものがはっきりと広報活動として、政府全般として民衆に浸透させるようにする必要があると思うのです。ことに富士山ろくの実弾演習について反対論が起る、一体どこに問題の所在があるかわからない。霊峰富士を汚すなというようなことは非常に耳に入りよいのですが、何となくそういうことで、反対反対という考え方が一般に湿潤しておる。そういうことに対して、一方側からする紙の爆弾は飛んでおるけれども、政府がこういう考えでやっているんだという積極的な意図というものは少しも流れていない。こういうことじゃ、せっかく鳩山さんがばい菌は消毒すればよいじゃないかと言われても、ばい菌ははびこるばかりであると私は確信する。経済状態がよくなるといったって、なかなかこの予算でも見られる通り、苦しい予算なんです。苦しい経済界の実体なんです。そこでどういうことだということを、政府全般としてこの際もっとしゃんとして流さないと、やはり少数政府で何もできぬということを言っておられるのだが、そんなことなら初めから政府を作らぬ方がよいということになってしまうのです。そういう点は十分御反省ありたいと思うのです。 次に、共産党は最近ブルジョア民主主義者、ブル民対策というものをやってきておるわけです。下手をすると、政府の官僚までこのブルジョア民主主義者としてこの対策の中に入れられておるかもしれぬ。そこで最近は、国民の新聞というものがあります。これには、あなた方の党の幹部が入っているんですよ。それからなお日ソ国交回復国民会議、これらについても相当の興味と関心を持っておる。たとえば五月二十三日に議員会館で決議があった。日ソ国交回復の問題は、まず国交回復が前提で、領土問題などというものはあまり一生懸命言わぬ方がよいという考え方が出ると、翌日の北京放送が、これは非常によい考え方だといって賞揚しておる。この会議には、あなたの党の幹部が御出席になっております。名前ははばかりますが、そういう点を、あなたはまず国民全体のばい菌よりも、自分の党内の幹部に向けられているばい菌を消毒されるようにされることが非常に大切ではなかろうかと思うのであります。先般ラストボロフ事件というものがあったのでありますが、これは最近になって「ライフ」というような雑誌に出て来ておりますが、このライフによりますと、ラストボロフという男は、諜報訓練を受けて日本に派遣された人物で、身分を偽わって、二等書記官としてソ連元代表部に勤務しておった。東京駐在中に約五十名の日本人の手下からなるスパイ網によって情報を収集しておった。この件が問題となって、庄司宏、高毛礼茂、日暮信則の三人が検挙されたのでありますが、罪名は国家公務員法、外国為替管理法違反となっております。この事件に関連せる民間の者は、別に犯罪を構成していない。民間で、その日暮とか高毛と同じことをやった人があっても、片方は国家公務員法というれっきとしたものがあるから、これによって処罰されるが、民間の者は何もない。そこで外務省は、この事件について、外務省の情報収集の方法とか内容等に非常に力を入れているということがライフに書いてある。ラストボロフ自身は、日本共産党と直接連絡に当っていないが、その補助者から、日共の幹部に対して相当多額の金員が贈与されたことになっております。これに本人の自供であるということになっております。本人の自供によれば、一九五一年の夏に三十万米ドル、これは邦貨に換算いたしますと一億八百万円であります。さらに一九五二年に十五万米ドル、五千四百万円、合計すると一億六千二百万円というものを、ある者を通じて日共の幹部に贈ったということを本人が自供しておるということでありますが、これにつきまして、担当の大臣から、大麻さんからでもけっこうです。あるいは、場合によっては国警長官でもよろしいですが、事情のわかっている人から、どういうふうになっておるのかお聞かせ願いたい。
○大麻国務大臣 お答え申し上げます。御指摘の通りのことが実はあるようでございます。 なお詳しいことを申し上げる必要があれば、ちょうど係も参っておりますから、申し上げさせましょうか。
○小坂委員 あなたの方から……。
○大麻国務大臣 私はあまり詳しくないから……。(笑声)あなたの方が詳しいから……。
○斎藤(昇)政府委員 ラストボロフ事件につきましては、大体ただいまおっしゃいました通りの事実をわれわれも承わっております。六十数名、名前をラストボロフはあげておりますが、そのうち外務省関係の三名を国家公務員法違反で検挙いたしました。他はただいま検挙いたす法令がないのでございます。 なお、相当の金員を日本共産党の幹部に贈ったということも聞いておりますが、この日本人の名前、また事実等につきましては調整中でございますが、ただいまのところ、まだ確認はいたしておらない、さような段階でございます。
○小坂委員 一億六千万円といえば、これは非常な大金でありますが、こういうものがどういうふうに使われ、だれに渡されたということもわかりながら、これについて何もすることができない、こういう実情と了解してよろしゅうございますか。
○斎藤(昇)政府委員 この問題は、ただいま国内法規に触れるものといたしましては、外国為替管理法違反以外にないのでございます。その大部分は、すでに時効にかかっておるように見えるのであります。しかし事実をもっとはっきりいたしまして、果して時効にかかっておるかどうかということをきわめなければなりませんが、ただいまこれらの事実についていろいろと調査中でございます。
○小坂委員 そういうものは法規がないから、どうともできない、日本の合法政党が外国の資金によって運営されている。こういう事実があるとしても、これはわかっておってどうにもできない。こういう状態は、それじゃ鳩山さん、ばい菌消毒どころではない、何も手をつけなければ、何もしていないということになる。このラストボロフによりますと、一九五四年一月、日本にスケート団が来たとき、スケート団の選手監督としてスミーノフという人が来ておりますが、これは内務省の課長である。ラストボロフはこの話を聞いて、これはいかぬというのでアメリカへ亡命したということになっている。そういうように、片方は相当な国なんです。友愛精神だけじゃこれはなかなかむずかしいのです。まさかと思いますが、この全権川の中に――高毛、日暮のような例もあるから、こういう外務省の人が――そういうような色のついた人が全権団に加わるというようなことはありませんでしょうと思いますが、この点重光外務大臣にはっきり伺っておきます。
○重光国務大臣 さようなことのないことをはっきり申し上げます。そういう点は、むろん根本の問題でありますから、最も注意をしなければならぬので、私も及ばずながらその点は非常に注意をいたしまして、最善を尽しておるつもりでございます。その他外務省関係についても、いわばさようなことについては、特に注意をしなければならぬ立場にもおりますので、最善を尽すことを申し上げておきます。
○小坂委員 そういう状態を何かするということ、たとえば保護規定を作るというようなこと、世界各国を見ても、秘密保護の規定のない国は日本以外はない。私は寡聞にして日本のような例は知らないのであります。日本以外は、みんな秘密保護法というものを持っているじゃないかと思いますが、これについて、政府が何か考えていることがあれば、この際承わっておきたいと思います。
○大麻国務大臣 申し上げます。わが国の国内法が日本の機密を保護する上において十分でないということは、小坂さん御指摘の通りだと思います。しかしながら、これはうっかりやりますと、国民の言論の自由を制限するということになりますので、よほど慎重に考えてやらなければならぬと思うのでございます。さようなわけでございますから、よく各方面と連絡をとりまして、慎重に考究して対策を講じたいと考えている次第でございます。
○小坂委員 まことに賛成であって、やはり善意の第三者が、知らずして法を犯して、そのために厳罰を食うというようなことがありませんように、これについては十分に目的も制限し、しかもその範囲というものについて十分に検討されることを要望しておきますが、しかしその必要は十分にあると私は考えております。 なお毛沢東の世界革命計画ですかを見ましても、一九六〇年までに中国の原子力、経済力、工業力は非常に発展するから、中ソ両国が単に力を入れただけで日本の支配階級は屈従し、平和革命が起るであろう、われわれが米国の孤立化に成功し、われわれの平和攻勢が、どの経度効果を発揮するかにかかっているということで、革命の目標を一九六〇年に置いている。こういう事実もありますから、あまりこっちが人がよくて、耳ざわりのよいことを言っておればよかろう。こういうことでは済まされぬ段階に来ている。かように思っているわけでありまして、政府は、予算さえ通せば、もうあとは何もすることがないとあっさり安逸偸安の夢をむさぼらぬよう、十分戒告するよう要望しておきます。 次に第四点でありますが……。
○重政委員長代理 小坂君に申し上げますが、総理は十二時から、官邸で公務のため人を呼んでおられるそうですから、適当に一つお願いします。
○小坂委員 それでは一つだけ伺って御退席願いましょうか。あなたにおいでいただけばいただくほどよいのですが、重要なあなたに関連するところだけ伺って、あとは他の閣僚にお伺いいたしましょう。 五月十二日に、相川君の質問に対しまして、対米対ソ関係は、いずれを尊重し、いずれを尊重しないというような程度はつけていないという答弁をあなたはしていらっしゃる。これはあるいはお忘れかもしれませんが、非常に重要な答弁です。それから四月十一日に参議院の外務委員会で、米国との協力関係を基本とするということは「日本としてはいたし方がない」であろうという表現をしている、「いたし方がない」と言っている。なお共産圏を仲間はずれにすることは問題であろうと思う。ソ連が最近、アジア欧州でやっておることを見ると、ソ連が世界の平和を維持する希望を持っておることは疑いない、対ソ交渉を急いだというのは、向うにそういう希望のある間に国交を調整すべきであると思ったからだ、こう言っていらっしゃいます。これは最近流行の自由主義国と共産主義国との間を結ぶかのように見受けられる。ソ連との交渉に際しまして、英米その他の民主主義諸国と事前に了解をつけないでやっていくということは、むしろ鳩山外交の特徴のようにいわれる。私どもの同僚の田中君の質問に対して、何かアメリカの許可を得てやる必要はないというような答弁をされておる、そういう頭は問題だろうと思います。決してあなたの頭が悪いとは申しません。いいのでございましょうけれども、そういう考え方が間違っておると言うのです。たとえばベルリン会議に臨むに当りましても、米英仏三カ国がバーミューダに寄りましてよく協議をしておる。ジュネーヴ会議にも米英がよく協議を行なっていることは御承知の通り、自主外交というものは決して単独外交の意味ではないはずであります。あなたは非常な読書家でおられますから、おそらくチャーチルのメモワールも読んでいらっしゃるでしょう。チャーチルのメモワールも、私はあまりできないのですが、とにかく人から借りていろいろ繰ってみると、相当にチャーチルはアメリカの大統領と話をして、この大戦を遂行しておる。たとえば欧州侵略作戦の総司令官に、イギリスのブルック大将を任命することにチャーチル・ルーズヴェルト間に最初に了解されておった。しかしチャーチルはアメリカ大統領の気持を察して、この際は米人を司令官にする方がよいだろうと言って、自分で一度きめたブルックに因果を含めてやめさせている。さらにマウントバッテンをビルマ方面の司令官に任命しようということに対して、米国大統領はこれを寛容するであろうということをチャーチルが内報しているということもあります。さらに海軍大臣のパウンドが病気で辞意をアメリカのホワイト・ハウスでチャーチルに伝えたところが、チャーチルは即座にその辞意を認めまして、後任にジフレット中将を任命することをロンドンに対して、アメリカのワシントンから電報を打っております。さらにイギリスはドゴールの承認を強くアメリカを勧告したけれどもルーズヴェルトは聞き入れない。遂にチャーチルは折れて、この際アメリカの声明を歓迎し、自己の主張にこだわるな、国務省を怒らせることのないように、マクミランに訓令しておるのであります。さらにチャーチルは、エーゲ海のロードス島占領のために九隻の上陸用舟艇をさくことを再三懇請したが、ルーズヴェルトが聞き入れない。そこで遂にやむを得ないとして大統領のプレッシングのないアフリカ行は取り消す、なお大統領の回答ですべての希望は消え去ったけれども、せめて米英参謀会議は大統領の命令または意見によって動かない、両国参謀長間で自由に理解と論議することを認めてくれということを懇請いたしております。こういうチャーチルのやり方を見て、あなたはやはりこれは対米追随外交をチャーチルは大戦中にやった、かようにお考えになりますか。
○鳩山国務大臣 同盟国同士でありますから、協議をしてやっていくのは当然だと思います。
○小坂委員 そういうふうにお答えになるよりしようがないでしょうが、そこで私どもは、あなたが何か吉田にできなかったことをおれがやるんだというような考え方がまだ頭にこびりついていて、そして対ソ外父というものを選挙の際に言い出して、それに非常にこだわっておるという考え方が、いかにも残念であるわけであります。こういう国の非常に重大な問題に際会いたしまして、私はどうもきょうのいろいろな質疑応答から、あなたが、完全に中立主義というものは廃棄すべきものだ、どんなことがあってもソ連の中立主義には巻き込まれないという決意を強固に持っていらっしゃるという印象を受け取れない。場合によってはその中間をぶらぶらと動いておる。これが新しい流線型の保守党の姿じゃないかと考えておるのではないかという気がしてしょうがない。これでは困る。総理は自由主義国と緊密なる連繋を保つというのは具体的にどういうことを言っておられるのか。自由主義国との基調は崩しません、こういうことを言っておられますが、これを具体的に言うと総理はどういうことを考えておられますか。
○鳩山国務大臣 ちょっと伺いますが、最後の質問を……。
○小坂委員 自由主義国と具体的に緊密な連絡をとっていく方途です。
○鳩山国務大臣 あなたもおっしゃったように、吉田君と違った方向をいきたいというようなつもりで、この問題を取り上げたのではありません。私、一九五二年、五三年ころは、世界大戦の最も危険な年であるとアメリカではやっておった時代があった。一九五二、五三年ころにもしも第三次世界大戦が起って、そして日本とソ連との関係を、戦争状態終結未確定の事態においたならば、日本は当然に戦争の中に吸い込まれる。これは非常に危険であるということを思いまして、一九五二、三年のことを申したのでありますが、今から三年前だと思うのでありますが、その三年前に、日比谷公会堂で、戦争状態終結未確定の事態を、戦争状態終結確定の事態に持っていくことが非常に急務だといって、ソ連との国交調整を唱えたのに始まっておりまして、決して吉田君のやらなかったことを自分がやるというような気分は、毛頭心の中に持っておるわけじゃないのです。 それから米国と日本との間に、よく話し合いをしていったらいいだろうというようなお話、これは私も、米国と日本との間に誤解が生じてはいけない、日本の考えておる主義、主張をよく理解をしてもらわなくてはいけないと思いまして、米国との間はよく緊密なる提携をとって外交をやっております。それは私よりも重光君がよく御存じでありますから、どういうような関係をとっておるというようなことについて御質問があれば、許される範囲においてはお話があると思います。
○小坂委員 総理御退席のようですから、あとは重光さんによく伺うことにいたします。どうぞそう願います。どうも外交があなたによって独走されておる、あなたが一人で走られて、あとみんなについて来いという形になっておるのでありますが、しかもそれがアメリカとの間に――あとで重光さんに伺いますが、十分な打ち合せをしていない。そういう段階で独走してしまいますと、あとから何かアメリカと打ち合せをすることの必要なことになりますと、これはアメリカが干渉しておるんだ、アメリカの干渉によってこの交渉がうまくいかないんだ、こういうことを言われる。現にアカハタの五月三十日号によりますと、「国会での発言をみると、鳩山首相は真意のほどはわからないにせよ、だいたい国民のこの要望にこたえようとしているようにみえる。この点ではわれわれは、国民とともに、鳩山首相を激励するものである。」そして、「だが、アメリカの態度はどうか。かれらは「独立させた」といっている日本と、ソヴエト同盟とのあいだの、いわば他国の問題にたいし、なぜつべこべと口をだすのか、もしアメリカが、ほんとうに日本国民の利益をかんがえ、アジアの平和をかんがえているというなら、このような態度はとらないはずである。」こういうふうにいっておるのであります。これは出発点における準備というものが非常に大切であるということを私は言いたい。何も無準備の間に、すらすらとドムニツキー書簡から入っていった日ソ交渉が、どうせこの交渉もなかなか簡単にいきませんでしょうが、そのつどアメリカによって、自由主義国によってじゃまをされたのだという国民の反感を買わせるために、ソ連はあらゆる力を尽すでありましょうと思われるので、その点は私どもは深憂にたえない。しかしこれはこの程度にして、あとは関係閣僚に伺いますが、総理はどうぞ御退席を願います。
○重政委員長代理 小坂君に申し上げますが、まだよほどありますか。
○小坂委員 もうじきです。
○重政委員長代理 どうぞ。
○小坂委員 自主外交ということはけっこうですが、強がりを言うという態度は、一種のインフェリオリティ・コンプレックスだと思う。選挙の際に防衛分担金を削減するということを公約して歩いて、これによって社会保障を飛躍的に伸ばすということを演説して回った結果、国民の一部で喝采を得たのでありますが、それについてアメリカと何ら事前に折衝して一つの確信、見通しの上に立って言っておることでないことは、この予算編成に際して十分明瞭となったわけであります。私はもう予算そのものについては、先ほども言ったように、すでに話し合いをしておることでもあるし、何も申しませんが、一萬田蔵相も自分がついておるから大丈夫というような大口をたたいておって、新聞にそういうことを言っておられたように見たのでありますが、どうもあげくの果ては共同声明というものを出して自分自身を縛らねばならなくなっておる。こういう共同声明を出したことは前代未聞のことである。これによって次年度のみならず、三十二年度の防衛費を増加するということを予算外国庫負担契約としてやっておる。これは国力に応じてとは書いてない。三十二年度にこれこれの防衛費を増額する、予算外国庫負担契約をやるのだということを書いておる。こういうことでありますと、私は、国会議員として国会に一つの先例を作っていくわれわれの立場から、これを問題とせざるを得ないのであります。これは財政法上疑義があります。憲法並びに財政法上の疑義があるからであります。財政法十五条によりますと、御承知のように国庫債務負担行為の規定があるのであります。これによりまして、国策遂行についてちょうど予算に計上されたと同様に、やはり広く私法上、公法上の責任、各種の債務を負うわけでありますが、財政法二十六条に、国庫債務負担行為は、事項ごとに、その必要の理由を明らかにしなければならないという規定があります。その対象となるものはいろいろありますが、この必要の理由は、国際的な取りきめは憲法第七十三条によって事前または事後に国会の承認を要することになっておりますから、それに伴って債務の負担ということも生ずるわけであります。ところがこの日米共同声明というものは、日米両国政府間の合議の表明でございますから、これを国会が承認いたしますれば、その経費の負担について当然予算外国庫負担契約というものは承認せられるということになるのであります。しかし、あなた方のやり方は、日米共同声明というものは国会に付議しない。そうして予算外国庫契約というものをのんでくれ、こう言う。しかも先般の説明によると、この声明はこの政府限りのものであるということを言っておられる。しかし財政上の支出は三十二年度の政府まで拘束する、こういうことになっておるのです。そこで国庫債務負担行為には理由を示してということがありますから、あなた方がそういう態度をとられるなら、この理由を明確に示さなければならない、かように思うのであります。まず防衛六カ年計画の内容をいろいろ聞いてみましたが、同僚議員の質問に対しましても説明がない。資料の提出に対しても、これだけはかんべんしてくれ、こう言う。できないという話である。この経済六カ年計画というものも結局ゲルハルト・コルムの焼き直しであるということもこの際明瞭になっておる。それと唇歯輔車の関係にある防衛六カ年計画もできないと言う。私どもはできないものまでも要求しようとは思わない。そこで三十二年度まで防衛計画というものは出ませんというかということをこの際杉原さんに御質問いたします。
○杉原国務大臣 お答え申し上げます。国庫債務負担行為に計上しておりますもので三十二年度にわたりますものは、飛行機の購入関係分だけでございます。そのほかの施設整備費、装備品費、船舶建造費は三十二年度に及びません。三十二年度までの防衛計画、一般的な、全般にわたる防衛計画というものはまだ研究中でございまして、できておりません。ただ三十二年度にわたります分は、航空機の調達に関する分のみで、つまりアメリカ側からいわゆるMSA援助によりまして大よそF86七十機、練習機T33約九十七機分につきまして、これらの部品等の供与を受けまして、日本で組み立てていく、こういうことでございます。その分は三十二年度に及ぶ計画として今国会で御審議を願っておる次第でございます。
○小坂委員 三十二年度の航空部隊増強計画というものは不明であるのだけれども、とにかく飛行機だけはF86とT33を百機ばかりほしいのだ、こう言われる。しかし私ども国会議員といたしまして、そういうずさんな予算外国庫契約、いわゆる国庫債務負担行為というものはあまり先例を作りたくない。これはやはり詳細に、どこに発注して、どういう内容のものであるかということを示されませんと、私どもはこの理由を明示してということにならぬと思う。理由を明示してということが、そういう簡単なものであるならば、予算をどこまででも国庫債務負担行為の名でもって膨張させるという結果になる。これができなければ私どもはこの予算のこの項目についてはどうしても納得することができない。
○杉原国務大臣 今申し上げました三十二年度に及びます国庫債務負担行為になっております飛行機の調達の件でございますが、これはただいま申し上げますように、アメリカ側からMSA援助の供与として部品、治工具等の供与を受けまして、そうしてそれはまず担当会社にその部品を官給いたしまして、治工具等はこれを貸与いたしまして、そうして完成機を納入する、こういう契約になるわけでございますが、その相手会社は、F86の方はアメリカのそれの生産の会社ノース・アメリカンとすでに技術提携の関係にあります新三菱重工業、それからT33の方は、アメリカの方がロッキード、このロッキードとすでに技術提携の契約があります川崎航空、こういうことを予定いたしております。
○小坂委員 やや明瞭になってきたのですが、何ゆえに航空機を二年後に発注しなければならぬのか。艦艇を作るというような際ですと、一つの艦艇を作るのに一つ置いた年度のものも考えられますが、航空機の場合はどうも納得がいかぬ。
○杉原国務大臣 これは先ほど申し上げましたように、F86の方は約七十、T33の方は約九十七ということになっておりますが、これだけのものを日本で組み立て生産しますのには、御承知の通りまだこういう方面の日本の技術的準備というようなものが十分整っておりませんので、自然そこに準備の時間がかかるわけであります。そういうふうな点からこういうふうになっておる次第であります。
○小坂委員 そういうお話ですと、これはやはり国会の問題ですから、そういう御説明をもう少し系統的にして、資料を御提出になる方がよろしいのじゃないですか。これは非常に悪例になると思うのです。そうでなければ、やはり共同声明を国会にかけて、これを多数で可決すれば、その声明に基く債務負担行為でありますから、これは必然承認される。どうもこの点私はまだ資料を御提出になったように聞いておりません。
○杉原国務大臣 実はさきにこの資料をこの委員会にもお出ししておるはずでございますから、どうか一つごらんいただきたいと思います。
○重政委員長代理 小坂君、まだありますか。
○小坂委員 まだいろいろ東西貿易その他について伺おうと思いましたが、協定の時間が過ぎましたから、これは後日適当な機会に伺うことにいたしまして、最後に日比賠償の問題を一つ伺っておきましょう。 日比賠償につきまして新聞の報ずるところによりますと、八億ドルの賠償というものがネリ大使によって内容が発表せられた。鳩山総理はこれに同意を示したというより、むしろ積極的に首相が提案したということを報じておる新聞もある。これについて、総理の言明については重光さんは関知されないといい、あるいはまた大蔵省は非常に財政的に難色を示している。年間二千万ドル、七十二億円というようなものはとても出せない。しかもビルマあるいはインドネシアに対する権衡上からいってもこれは非常に問題になる、こういうことを言っておられるということを新聞に報じておりますが、この際正確なことをお聞かせ願いたいと思います。
○重光国務大臣 日比両国間の賠償問題が今交渉の途上にあるということは事実でございます。そのことについては他の委員会で相当詳しく申し上げておきました。御承知の通り、賠償問題についてフィリピンから専門委員団が東京に派遣されまして、賠償の品物、サービス等について日本側の専門委員と検討が続けられておりました。その専門委員会の仕事の結末をつけるために、賠償の主任でありましたネリ大使がみずから東京に来られて一般問題についても話し合いを進めておることは事実でございます。そうしてネリ大使の案としていろいろな案が提出されたことも全く事実でございます。そうしてフィリピン側の希望としましては、これは新聞でも御承知の通りに、初めは十億の賠償がぜひ必要であるというような提案がございましたが、むしろさような提案については話が進みません。そこでいろいろな案が提出いたされました。それについて日本側の意向もいろいろ表示したわけでございますが、しかしまだその結末はついておりません。これから交渉を継続いたしまして、そうして東京におけるネリ大使の得た材料、専門委員会の討議の結果、その他の材料を今持ち返っておるところでございます。将来通常の外交機関によって交渉を継続いたしまして、そしてできるだけ早くこの賠償の問題も妥結を見るように今極力努力をいたしておる状態でございます。
○小坂委員 では他にいろいろ伺いたいと思いますが、約束の時間が来ましたからこの程度にいたして、東西貿易その他の問題につきましては他の機会に聞きたいと思います。 なお、最後に特に一言いたしておきたいと思いますが、先ほど私が述べたように、この日ソ国交回復の問題は、ソ連の中立化政策推進の意味から利用せられる懸念が非常に多大であるので、ことに保守であるべき鳩山内閣が世界の両陣営の勢力均衡の上に立って二面外交をやっていこうというような印象を国の内外に与えておる。しかも閣内の発言もいろいろとまちまちであるのでありまして、こういう考え方で、ドムニツキー書簡を出発点といたしましてずるずると引きずり込まれていくということは、私は国の根本を非常に危うくする懸念があると思うのであります。鳩山式外交というものは日本を共産主義、中立化政策に巻き込まれる危険が非常に多いということ、極左的勢力はそのゆえに鳩山内閣というものを、この外交方針に関する限り現在のところ非常な支援を与えておるということ、そういう点を十分に認識され、また反省されまして、国民に対しても誤まれる点は十分きぜんたる態度を示し、反省の実を示して、国策遂行にあやまちなからんことを要望いたしまして、私の質疑を終ります。
○重政委員長代理 それでは午後一時五十分より再開することといたし、暫時休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は開会に至らなかった〕