予算委員会 第13号
- 発言数
- 144 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/05/14
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 昭和三十年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。野田卯一君。
○野田(卯)委員 それではまだ要求大臣がそろっておりませんけれども、お急ぎの大臣にまず質問を始めたいと思います。 最初に経審長官からお答えを願いたいのでありますが、余剰農産物の借款の問題が、非常に日本とアメリカとの間で紛糾しているように伝えられておるのでありますが、ごく最近の交渉の実情をちょっと簡単にお話し願います。
○高碕国務大臣 お答え申し上げます。余剰農産物の問題につきましては、一億ドルの中で千五百万ドルをギフトにする、あとの八千五百万ドルの中の七割、五千九百五十万ドルを、初め私どもの予想ではこれを日本に持って参りまして、日本で処分して円貨をつくる。その円貨を、円貨で借りて円貨で返すと考えておったのでございますが、それに昨年来アメリカから条件をつけまして、円貨で返すときには、アメリカのドルのヴァリエーションによってドル・クローズをつけろ、こういう案になってきたのであります。そういたしますと、円で借りておいて円で返す場合に、その金額がきまらないということになると取扱い上はなはだ困難いたしますので、事実は円で借りるのでありますが、これをドルに換算いたしまして、現在のドルで借款したことにいたしまして、返却いたします場合にはこれをドルで返すか、あるいはこれをその当時の円をもって返すか、どっちか日本政府の都合のいいように、日本政府の考える通りに円で返すか、ドルで返すか、どっちか選定するということにしてただいま交渉中でございますが、今月内にはこれをまとめてしまいたいと思って、せっかく今折衝中でございます。
○牧野委員長 小坂委員より議事進行について発言を求められました。これをお許しいたします。
○小坂委員 この際議事進行について、委員長に御注意を願いたいと思いますが、われわれは予算審議に協力いたしまする建前から、一般質問に入りまする第一陣に野田君に定刻より始めてもらっておるわけであります。しかるに政府側においてきわめて出席が悪い。野田君の質疑は各般にわたって通告がありますることは、すでに委員長御承知の通りであります。しかもこの委員におきましても、与党側もきわめて出席が悪い。これは委員長の責任において、われわれ野党側についても委員長が出席を促されることはけっこうでありますが、少くとも委員長の所属せられる与党側については、もう少し委員の出席を督励されて、この審議を意義あらしめられんことを、一つ委員長において特に御注意を願いたいと思います。以上議事進行について発言をいたします。
○牧野委員長 重大な責任を感じております。御意思に沿うように努めます。
○小坂委員 はなはだこの状態は遺憾でありますから……。
○牧野委員長 さように存じます。ことに自由党の少いのが目立っておるように思いますから、御督励を願います。 御発言を願います。
○野田(卯)委員 ただいまのお話につきまして、この借款は円で借りて円で払うのが理想であります。それに対して、先方がドル・クローズをつけたということのために問題がもつれてきたのであります。そこでドル・クローズをつけてはいけないということを政府部内において最近言われておる。そのドル・クローズをつけていけないという一番大きな障害が何であるかということを詳しくお述べ願いたい。
○高碕国務大臣 円で借りて計算いたしますと、大体二百十四億なのです。三百十四億を買い取りまして、これを二十年先に返しますときに、そのときのドルの相場によりまして、あるいは四百億になりますか、あるいは二百億になりますかわからないという、そのドルの価値の変動を契約の中にうたうということは、ほかにいろいろ影響いたすものでありますから、それを考慮いたしまして、今のお話のごとく円で借りて円で返す場合は困る、こういうことに相なりました。
○野田(卯)委員 円で借りて円で返すことは困るのではなく、ドル・クローズをつけることが困るので、ドル・クローズをつけると他に影響するからという、その他に影響するということの内容を知りたい。
○高碕国務大臣 これは契約といたしましても、円で借りた場合には円の金額に非常な変更を生ずる、そういうふうな契約は外国においても認めていないところもあるわけであります。日本は、こういう場合は今までもまだ経験がないようでありますから、そういうふうなことを契約の中にうたうということはいろいろな弊害を来たす、こういうわけなのであります。
○野田(卯)委員 今の点、いろいろ支障を来たすということの内容の御説明にはならぬと思うが、私はそれ以上説明ができなければそれでよいと思います。さきにわが党の周東君が、ドル・クローズをつけてもよいじゃないかと言った、その主張の中にも根拠があると思います。でありますから、今高碕さんの説明は私は納得いたしません。これこれのこういう詳しい事情があるからできないというならわかりますが、ただ今の説明は、私は納得できないということを申し上げておきます。 それから次に、これは高碕長官の三月二十一日の日本経済新聞に掲載された記事でありますが、これは相当大きな影響があると思いますから申し上げますと、都留君と会談をしておられる。その中で都留君が、食糧は東南アジアから米が余ったら買ったらよいじゃないか、何もアメリカから買わねばならぬ必要はないじゃないか、こういうことを言った、それに対しまして高碕長官は、自分もスタッセンに言ったのだけれども、東南アジアより買うために、アメリカの方から買うのはやめた方がよいと思う。そうしたらスタッセンが、けちなことを言わぬで、買うものは買え、そのかわりに日本から物をたくさん買ってやるという景気のいいことを言った。前内閣において総理まで出て、アメリカと一応の話がきまったのだから、今さら変えるのは国際信義に反する。それを都留君が、御苦労なしりぬぐいですねと言ったら、それに対して高碕さんは、大体同感の意を表しておられる。この話は新聞に出ておりますが、高碕さんとしては、この話はあまりおもしろくない話だ、いやなことだけれども、前内閣のしりぬぐいだから仕方がない、こういうふうに新聞に出ておる。これは今でもそう思っていらっしゃるかどうか。これは新聞に出て、新聞記事を読んでいる人は、高碕さんはそう思っていると信じていると思います。高碕さんの今の御心境を伺います。
○高碕国務大臣 お答え申し上げます。私はこの取引は、日本のために有利だと存じております。従いまして、この間の談話につきましては、程度の問題を言っておるのでございまして、現在交渉をしております程度のものにつきましては、私は日本のために有利だと存じまして、これは前内閣にやってもらった遺産だと存じてやっております。
○野田(卯)委員 高碕長官の今の御意見の方が私は正しいと思います。新聞はむしろ誤報じゃないかと思います。それから、なおこの問題は本年だけの問題じゃなしに、今後二年、三年と継続される問題であろうと思う。それについて今後、来年もやはりこういう問題を続けていった方がいいという大体のお考えだ、かように存じてよろしゅうございますか。
○高碕国務大臣 来年、再来年の問題は、その事情に応じて考慮いたしたいと思いますが、今日のこの状態におきましては、現状に非常な変化がないとするならば、私はこういう仕事は考慮すべき余地がある、継続していくことがいいだろうと存じます。
○野田(卯)委員 その次に、やはり余剰農産物の関連の問題でありますが、この中に贈与分が一千五百万ドルございます。そのうち一千二百万ドルが小麦であり、三百万ドルが綿花ということになっております。これは学童給食用に使うという話になり、また綿花の分については、学童に給衣するという問題になっております。これは今出席しておられる松村文部大臣の話になると思いますが、これについて今どの程度まであなたの方で準備が進んでおるかということを御説明願いたいと思います。
○高碕国務大臣 千五百万ドルのギフトの中には、お話のごとく綿花が入っておりまして、この綿花につきましては、どういうふうに配給するかということにつきまして、今せっかく交渉中でございます。従いまして、話の都合によればどういうふうになるか、これは日本の都合次第に持っていきたいと存じております。
○松村国務大臣 ただいま高碕国務大臣からお話の通りでありますが、それを受け入れまして給食に使いますにつきましては、それだけでは足りませんので、内地の粉乳もしくは生乳を使いまして、あわせてやる考えを持っております。それでこの給食の問題は、単に学童だけの問題では、ございませんで、いわば食生活の改善とか、いろいろな意味がございますので、先般も文教委員会の間にも問題がありまして、ただいまこの給食を各関係省の間及び文教の理事会等でいろいろ検討をいたして、最も有効にいたしたいと思っております。
○野田(卯)委員 今の高碕長官からの御答弁ですが、学童給衣の問題、学校の子供に着物を着せるこの問題は、私は非常に重要な意味を持つのじゃないかと思っております。御説明は非常に不十分でありますが、学童給食と並んで学童給衣をするというこの問題は、取り上げようによっては一つの大きな国策だと思います。できるだけ早く、聞くところによりますと、向うからもらったものをもし仕立てて着せると十五億円の財政支出が要るからということで、政府はためらっておられるようでありますが、何とか工夫して、学童給衣が曲りなりにも実行できるように、特別の配意をされる必要があるんじゃないかと考えますが、いかがですか。
○高碕国務大臣 ただいまの御説は、ごもっともでございまして、私どもそれに沿いたいと存じておるわけでありますが、何しろ相当の金額の予算が伴うことでありますから、その点につきましてアメリカ側とも折衝して、緩和してもらうように交渉しておるわけであります。
○野田(卯)委員 次に、やはり高碕長官にお尋ねしたいのでありますが、経済計画につきまして、ごく簡単なことでありますが、最近経済年次別三カ年計画というものがございます。この中の財政規模の問題につきまして、三十年度は九千九百九十六億円である、三十一年度は一兆二百億円である、三十二年度は一兆三百五十億円であるということが書いてございます。これは政府のお出しになった、間違いないものであるかどうか。
○高碕国務大臣 お答え申し上げます。現在三十一、三十二年度につきましては、せっかく手分けをして検討中でございまして、まだそこまでの数字は出ていないのでございます。
○野田(卯)委員 これは五月四日の閣議、決定の上国会に提出発表すると書いてありますが、まだ閣議決定はされておらないのでありますか。
○高碕国務大臣 お答えいたします。それは新聞の誤報でございまして、まだ閣議決定いたしておりません。
○野田(卯)委員 なぜかと申しますと、これは事きわめて、重大でありまして、来年の予算は一兆二百億だということになりますと、この間から各大臣が、ことしはできないけれども、来年やるということをだいぶ手形を振り出しておられる。これは私の計算だけで数百億になる。そうすると、一兆二百億じゃおさまらない。これは大蔵大臣はよく知っておられることだろうと思いますが、来年度の予算が一兆二百億になるかどうかということば非常に大きな問題であります。そこで私がお願いしておきたいのは、経済年次別計画とか、あるいは経済計画を発表される場合には、必ず予算の規模を樽いていただきたい。ただ人口がこれだけふえるとか、これはこうなるということだけでなくして、予算の全体の金額が幾らになるという金額がないと——少くともこれから計画を発表される場合は、予算の規模が幾らになるかということを書いていただかぬと、その計画はナンセンスになる。これを特に私は希望しておきます。これは私ばかりでなく、おそらく国会議員すべての希望だと思います。 それから、その次にお尋ねしたいのは、やはり高碕長官でありますが、高碕長官はしばしば経済審議庁の機構拡充の話をしておられます。そこで一つ、どういうふうに機構を拡充されるか、あるいは強化されるか、その内容を伺いたいと思います。
○高碕国務大臣 先ほどの長期の計画に予算の金額をあげろ、こういうお話でございますが、これは私は非常にむずかしかろうと存じまして、明年度をやるということはできると思いますが、これは御希望もあることですから、できるだけ検討いたしますが、非常に困難だと存じております。 それから経済審議庁を今度経済企画庁というものに名前を変更いたしたいと存じまして、これらはすでに閣議で決定いたしたのでありますが、その大体は、長期計画を実行いたしますときには、企画庁といたしまして推進の力を持たせる。これを内訳いたしますると、各省から数字を出してもらう。現在これをスムーズに参っております。けれども、これは法律の上において何ら力がないことになっておりますから、材料を出してもらう。それからもう一つは、各省が計画を立てます上において、六年計画に順応するような計画に勧告することができるという程度にいたしたいと思います。これはもっと強化して、予算の勧告権まで持て、こういうような意見もありますけれども、そこまでやるということになりますとなかなか大へんなめんどうが起りますから、計画というものについては勧告いたしまして、そうして閣議決定によって予算ができるわけであります。予算を一々こちらで勧告するというような考えはただいまいたしておりません。
○野田(卯)委員 これに関連して高碕長官は、これも新聞に報道されておる御意見でありますが、大蔵省の主計局を経済企画庁か経済審議庁に移すべきである、こういうことを言っておられるということが報道されておりますが、こういう御発言をしておられるかどうか、その点をちょっとお伺いしたい。
○高碕国務大臣 お答えいたします。ただいま申しました通りに、そういった意見もあったのでありますが、これは実行上困難だと存じまして、私は計画に対する勧告だけをいたしたい、こう存じております。
○野田(卯)委員 経済企画庁に対する考え方でありますが、これは前内閣のときでも非常に問題になった点でありまして、御承知のように、戦争中に企画院ができました。あるいは終戦後におきましては経済安定本部ができました。これは御承知のように、企画院は軍部が日本の全行政機構をコントロールする手段としてやったのであります。また経済安定本部も、やはりGHQが日本の全行政をコントロールする機関に使ったわけであります。そこで今度の経済企画庁は、昔のような企画院なり経済安定本部のようなことをこいねがわれるのでありますが、われわれはその背景がないと思うのです。経済審議庁長官が各省大臣の上に立つような考え方では、私は日本の行政機構は動かないと思う。むしろ現在の日本の行政機構におきましては、一大特色として、総理大臣の絶対的な地位がある。新しい制度におきましては、総理大臣が各省大臣を勝手に任命も罷免もできる。 〔私語する者多し〕
○牧野委員長 静粛に願います。
○野田(卯)委員 現在の行政機構におきましては、総理大臣が必ずワンマンになるようにできておる。前の吉田総理がワンマンと言われましたが、鳩山さんでも、もう少し総理大臣をやられるときっとワンマンになられると私は思う。それは現在の機構がそうなっておる。絶対的な権限が総理大臣に与えられているのでありますから、絶対的な権限を持っておる総理大臣を背景として、そのいわゆる目となり耳となって働かれるのが経済審議庁の長官ではないか、こう思います。従ってあくまで総理大臣の目と耳になるという役目が経済審議庁長官の役目であって、経済審議庁長官そのものが各省大臣に勧告するとか、命令するとか、指揮するとかいう建前でいきますと、必ず摩擦が起って、私は目的を達せぬと思います。この点は何年間ももみ抜いた問題でございます。私は今回の機構改革並びに今後の運営についてはそう考えますが、この点に対して御意見を承わりたい。
○高碕国務大臣 お答え申し上げます。ただいまの野田さんの御質問に対しましては、御識見のある御意見といたしまして、私は尊重して拝聴いたします。なるべくよく検討いたしたいと思いますから、さよう御了承を願います。
○野田(卯)委員 次には貿易の問題について、主として通産大臣にお尋ねしたいと思います。経済六カ年計画におきましての本年度の貿易の計画でありますが、私の記憶では、輸出が十六億五千万ドル、輸入が約十九億ドルとなっている。私はこの見積りに対しまして、これは少し低過ぎるのではないか、かような考えを持っておるのであります。 そこでまずお尋ねいたしたいのは、この間日本と中共との間に日中の民間貿易の協定ができました。私はあれが両国間の貿易の促進には相当役立つと思います。そこで通産大臣は、昭和三十年度における日本と中共との貿易はどの程度まで発展するというお見込みであるか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○石橋国務大臣 お答えします。具体的な見込みはなかなかむずかしいのですが、あの表からいっても、四、五千万ドルまではお互いにできるのではないか、かような考えを持っております。
○野田(卯)委員 一昨年が四百五十万ドル、昨年が一千九百万ドルを越えておる。そういうふうに数倍になったわけでありますが、そういう過去の実績から申しましても、私は四、五千万ドルになるのが当然ではないかと思う。これは御承知のように、リストが楽になった。いろいろなことで、また非常に力を入れておられる、民間も力を入れておられる。官民ともに力を入れておられるということから、四、五千万ドルにふえることは当然なことです。そうしますと、それだけとりましても、中共と日本との関係だけで三千万ドルくらいふえる。昨年と今年とでわずか五千万ドルしかふえないということになりますと——また現在の内閣は、日本とソビエトとの間の通商を大いに増進しようとしておられる。そうすると、共産圏との貿易の増大だけで五千万ドル起るのではないか。また起らなければ現在の内閣の面子にかかわると思う。そうすると、よその地域はちっともふえない、こういう大体の推算が立つのでありますが、どうでありますか。
○石橋国務大臣 輸出の見込みを、十六億五千万ドルというのは非常にかたい数字だと思います。それは、ことに東南アジア方面の輸出が、現在よほど力を入れないと伸びる見込みが乏しいというような事務的な観察から、ああいう数字が出て参ったのであります。これは輸入との関係ですからもっと東南アジア、中近東からもできるだけ輸入をふやして輸出を出したい、こう考えておりますから、実際はお話のように、おそらく十六億五千万ドルよりも相当伸びる見込みがあるだろう、私はこう思っております。
○野田(卯)委員 そこで私は、これについてむしろ一つの要望をするのでありますが、最近に輸出最高会談の幹事会で、本年度の輸出の目標を十八億二千万ドルにしようということが出ておるわけであります。これは通産大臣御存じでございますね——おそらく御存じだと思うのです。私は輸出最高会議の十八億二千万ドル出そうというのが、非常に意味があると思う。私もこの目標をむしろ取り上げて、それを必ずなし遂げるように、通産当局並びに経審その他各省当局が尽力なさいませんと、昨年と同じような目標を掲げてやっておって、それでいいかどうか、私はどうもおかしいと思う。どう考えても、幾らかたく見ても昨年と今年と一緒であるということになれば、現在の内閣の面目がないだろうと思います。貿易振興とかなんとか盛んに言っておられるけれども、何にも貿易振興にならぬじゃないか。とかく目標が小さくなりますと、努力もそれに伴わないのであります。あなたも今年は大蔵省と交渉して、貿易振興費を三倍にふやしておられる。私の数字は間違いないだろうと思いますが、貿易振興の金を三倍にふやしておきながら、貿易はちっともふえない、共産圏以外はふえないという数字では、石橋さんの面子にかかわるだろうと思います。そういう点からいっても、十六億という数字はいかにも人をばかにした数字であると私は思います。どうしても十八億くらいはおれの顔にかけてもやるのだ。それだけの熱意を持って、内閣としてはあなたが中心でありますから、引きずってやらなければならぬ。それをやるとすれば、十八億二千万ドルを速成するためにはこういうことをしなければならぬ、ああいうことをしなければならぬ、いろいろなことが出てくるのであります。そこでその目標を十八億二千万ドルに履いて、いろいろな手段を講ずることにしておいていただきたい。通商白書を読みましても、大体世界の各国の情勢を説いて、割合に有望だということを言っております。最近来ております御承知のアメリカのファースト・ナショナル・シティの月報を見ると、アメリカの景気は完全に立ち直ったということを言っておる。割合に海外の情勢は悲観を要しない。それにあなたが非常に力を入れてやろうという。ですから今後あらゆる施策を講じて、貿易を少くとも十八億に持っていくということを内閣の方針として決定して馬力をかけられんことを、特にお願いするのです。 それから特にそれについて考えていただきたいことは、日本の貿易につきましては、これを戦前と比較いたしますと、金額は言いませんが、量において昨年は輸出が戦前の四六%、輸入が戦前に対しまして七六%であります。ところが世界全体の貿易はどうなっておるかと申しますと、世界全体の貿易は実に一五〇%上回っておると思う。戦前の五割増しになっておる。にもかかわらず、日本は輸出がわずかに四六%輸入が七六%ということは、どう見たって日本の輸出入が低過ぎる、これでは絶対にいけないという確信をわれわれば持つのです。でありますから、昨年と比べてどうだこうだという消極的な見方もありますけれども、世界全体の動きという点から見まして、日本としてはよほどなまけていた、うんと勉強しなければならぬのだという根本の考え方を持つ必要があるのじゃないか、さように考えられるのであります。国内におけるいろいろな鉱工業の生産だとか、農林水産の生産等は全部戦前を上回っておる。にもかかわらず貿易だけが非常におくれておる。しかも世界の大勢からも半分、三分の一というようなみじめな成績になっておるということを念頭に置いて、やはり輸出に対しては格段の力を注いでいただかなければならぬ、さように考えるのであります。 それに関連いたしまして、貿易の振興策の一つとして為替の問題にちょっと移りたいと思うのであります。為林の問題については、今まで外貨資金のメーカー割当ということをやっておりますが、これは戦前においてはなかった事態です。戦前はみな商社割当だった。それが統制時代、戦後の状態でああいうことになったのでありますが、私は、やはり為替というのは商社割当が原則であるべきだと思う。この方向に動いておりますが、ここにも何かひっかかっておるところがあります。急速に商社割当を進められる意向があるかどうか、その点を一つ通産大臣に伺いたい。
○石橋国務大臣 前段の貿易目標については、御説ごもっともであります。そのつもりではおりますが、数字もあまり大きなものを出すのもいかがかと思うわけであります。努力はいたします。 それから為林の問題は、大体府社割当が至当であるというので、その方向で今年度から始めております。ただ一部のたとえば繊維業者などは特別の関係がありまして、ことに名古屋付近の繊維業者が今まで長くメーカー割当になっておって、それに非常に生産金融にまでそれがひっかかっておりまして、急にこれを切りかえることがむずかしいのでありますから、この上半期は、繊維業者に限っては今まで通り、そのほかは大体商社割当ということを原則に改めましたので、どうぞ御了承願います。
○野田(卯)委員 その次に為替銀行の問題であります。日本の貿易を振興するためには、日本の貿易商社が海外におきまして活発に働いてくれることが一つ。もう一つは、その中心になるのは何といっても為替銀行だと思うのです。戦争前におきましては、正金銀行等が中心になりまして海外で活発な活動を展開したものでありますが、今は外国に行ってみますと、日本の為替銀行の海外における地位並びに働きというものは非常に微弱です。まことに戦前の状態を知っておるものから言いますと、情ないほどの状態でございます。そこで政府といたしましては、どうしても海外における経済活動の中心をなす為替銀行の育成ということに対して、思い切った力強い措置をとらなければならぬ、かように考えるのであります。その方法にはいろいろございましょうが、その一番大きな方法は、何といいましても日本の為替銀行の海外の店に外貨資金を多く持たせることだと思うのです。ところが今までの制度では、東銀にはあまり金を持たせない。もちろん今制度上は、政府の外国為林特別会計が外貨資金を握っておりますが、それを預託する場合に、主として外国銀行に預けてしまって、日本の銀行に預けない。そこで一つ大蔵大臣にお尋ねしたいと思いますが、最近現在において、日本の銀行に預けた金、ドルのアマウントでよろしゅうございますが、それと、外銀に預けた金がどんなふうになっているか、数字をお話し願いたい。
○一萬田国務大臣 御承知のように外国銀行に、終戦直後の関係もありまして、大部分が預託されて、徐々に最近これを日本の為林銀行を中心として、日本側の銀行に移しかえをやっておるのが現状であります。今どの銀行にどうという数字は覚えておりませんが、おそらく七、八割くらいになると思っております。
○野田(卯)委員 東条局長が来ておられますが、数字をちょっと言っていただきます。
○一萬田国務大臣 日本側の銀行に今四割あるようであります。個々の銀行にどうということはもう少し考えてみたいと思います。
○野田(卯)委員 もし外国銀行に六割、日本側の銀行に四割というなら非常に進歩だと思います。前には、たしか日本の銀行に一割ちょっと、外銀には八割なんぼ、ことにずっと外国為替管理委員会で木内君がやっておりましたとき、外国為替委員会当時からあった意見というものは、外銀偏重主義、これを改めて、日本の銀行中心にしてもらいたいということでわれわれは一貫して戦ってきた。最近四割までふえてきたということはけっこうでありますけれども、もっと大部分の金を日本の銀行に預けていただきたい。こっちで踏み切っていただきたい。先ほど申しましたように、輸出振興は大切なことだし、また政府としてなすべき約束は多いのでありますから、外銀の思惑というものもあるでしょうけれども、大丈夫こちらで踏み切って真剣にやれば、やり抜けられるものと確信しております。ですから、どうか大蔵大臣としてもできるだけ早く外銀から日本側銀行に移して、日本の銀行に外貨資金の力をふやして、思い切って活動のできるようにしていただきたい。これは特に要果しておく次第であります。 なお、私は為替のいろいろな取引の実情について全体をながめてみますと、終戦後のいわゆるGHQのコントロール下にあったときの非常に強度な管理的な色彩が濃厚であります。またいろいろのやり方が、ノーマルな、普通のやり方ではない、非常に人工的なところが多いのであります。でありますから、為替取引を順便にし、貿易振興をするために、なるべく為替取引の正常化ということが必要であると思います。最近だいぶその方向に進んでおられて、たとえばドル・ユーザンスというようなものをだいぶ拡張せられております。しかしながら拡張するということ自体私はおかしいと思うのでありまして、ドル・ユーザンスなどは全部使わせたらよいじゃないか。無制限に使わせてもよいけれども、輸入を増長するからいけないというようないろいろな心配もございますけれども、とにかくドル・ユーザンスは普通使われておる方法なのであります。世界の国際間に行われておる普通の為替決済の方法は、できるだけ早くこれを取り上げて、日本の貿易に適用する、この方法に強く踏み切っていただきたい。これが貿易伸張に非常に役立つものと考えるのでありまして、これに対する大蔵大臣の御見解をただしたいと思います。
○一萬田国務大臣 お答え申し上げます。野田君の御意見とは全く同じ考えであります。御承知のように徐々にやっております。 なおつけ加えて申しますが、先ほどの御要望の中で、外銀に預けてあるのを思い切って、踏み切って日本側のものにするということは、全くごもっともなことに思います。ただ今日、やはり外銀筋へある程度預けておることによって、日本の貿易業者に非常なファシリティをちょうだいしておるといいますか、なかなか日本の為替銀行が今日力が弱いものでありますから、外銀のファシリティが非常に多い。そういう点を考慮いたしまして、日本の貿易に支障を来さない、なるべく日本の貿易の伸張が有利になるようにということと見合いつつ、ともかくやっておるということだけは御了承を願いたい。
○野田(卯)委員 今の大蔵大臣のお話はもっともな点もありますが、外銀がファシリティをくれるから置いていくのだということは、逆にも言えるわけです。日本側の銀行にそれだけの外貨資金を与えれば、また日本側の銀行がファシリティを与え得るのでありますから、これはぐるぐる回りじゃないか。だから、日本側の銀行に金を与えて、日本側の銀行がファシリテイを出せるようにしたらよい。こういうことは、私は前に調べたことがあるのですが、そろばん勘定でファシリティの比較をとってみたら、そう得にならぬのです。でありますから、一応外銀はそう言いますけれども、その点をさらに再検討されて、踏み切っていただきたい。重ねて要望いたしておきます。 次に、最近新聞にちょいちょい出るのでありますが、現在外国為替資金特別会計が保有しております外貨、これは御承知のように大蔵大臣が管理しておられますが、その外貨を日本銀行に移すということが言われておる。日本銀行に移すというのは、一萬田大蔵大臣の御意図なのかどうか、それをまず聞きたい。
○一萬田国務大臣 お答え申します。これも先ほどからお話が出ておりますように、やはり為替の正常化という意味から為替の集配、ことにビジネスに属するもの、これが発券銀行の金融政策と一元的に行き、しかもそれがなるべく自動的に行くというような制度は、私は望ましいことだという考えを持っておるのでありますが、ただ日本には、やはり戦後の特殊性もありますので、実際運用の実をあげないとおもしろくありません。そういう客観情勢の成熟を見つつ、結局中央銀行に為替の集配をやらせるということは適当である、かように考えております。
○野田(卯)委員 私が特にこの質問をいたしましたのは、現在の為替会計の持っておる金、大蔵大臣が監督しておる金を日本銀行に移すということにつきまして、為林の正常化、あるいは為替資金の正常化という点からそういうことを考えられる、それは一つの理屈であると思います。しかしながら今後のずっと先を見越した——少くとも終戦後日本の置かれておる地位並びに日本のこれからおやりになろうとする六カ年計画、そういうものからよく洞察して、この外貨資金を日本銀行に簡単に移すということがいいかどうか、こういうことは、新しい日本の置かれておる地位、あるいは目的という点からよほど慎重に考慮される必要があるのじゃないかというように考えております。ただこういったやり方が普通だ、こういった単純な考え方ではいかぬのであります。これは、おそらく金融に通じておられる大蔵大臣にわからぬはずがないと思いますが、この問題については、時間がありませんからきょうは申し上げませんけれども、慎重に考えてもらいたい。また他日御意見を交換する機会があるだろうと思いますから、慎重にやっていただきたいということを申し上げておきます。 なおもう一つの問題といたしましては、為替銀行に対して、戦前におきましては低利な円資金を供給するという問題がありまして、日本銀行が正金銀行に対して為替資金を貸し付けるというわけで、低利な円資金を供給するということが行われておったのでありますが、これは、現在の段階においては考慮の段階かもしれませんが、将来は、外国の金利が安い、外国銀行が扱う金の金利が安いというような点から申しまして、やはり為替銀行に対して安い円資金を供給するということも当然考えられなければならぬと思いますが、この点に対して大蔵大臣の御意見をお聞きしたい。
○牧野委員長 野田君にお尋ねいたしますが、石橋通産大臣と高碕国務大臣並びに官房長官は、ここで暫時退席してよろしゅうございますか。
○野田(卯)委員 ちょっと持って下さい。
○牧野委員長 ではちょっとお待ち下さい。
○一萬田国務大臣 私まったく同意見でありまして、そう考えております。今日すでに輸出手形については、相手国の金利をとりまして、これで為替銀行は資金の融通を受けておる、こういうことになっておるのであります。
○野田(卯)委員 ただいま委員長からのお言葉がございましたので、それでは官房長官にお尋ね申し上げますが、一つは、官房長官が旅行先において四月の二十一日に、この国会において予算の一兆円がくずれたら解散になるということを言われたということが新聞に出ておりましたが、この真相を一つお話し願いたいと思います。
○根本政府委員 お答えいたします。私が郷里に参るときに、新聞記者二名が同行いたしまして、そのときに、今国会は相当難航を予想される、それで政府は一兆円予算を堅持するか。それは当然政府として堅持する方針である。その話のときに、政府が大幅の修正を受けて、重大なる政治責任を問われるようになった場合には、政府はどういう責任を負うのか、こういうようなお話がありました。そのときには、御承知のように二者択一である、総辞職か解散かいずれかというところに追い込まれる可能性はある。そのときに、現在与党の内部においてはどちらの方の空気が強いか、こういう質問がありましたので、これはなかなか重大な問題で、そのときにならなければわからないことでありますが、現在与党内における空気は、後者の方が意見が強いようである、こういうふうに申したのでありまして、従って当時の新聞にも、全然取り上げないものもありますれば、これを大きく取り上げたものもあるようでございます。それが真相でございまして、一兆円のワクがくずれたらすぐに解散するというような、さような重大な問題を私は言明したことはないのでございます。そういう理由でございますので、御了承を願います。
○野田(卯)委員 官房長官も、こういう重大なる政治発言を簡単にされるはずはないだろうと思いますが、一兆円ということを言われたので、あなたは一兆円ということをどう考えておられるかということを私は聞きたかったのでありますが、そこまでは考えておられないようでありますから聞きません。 もう一つの問題として、これも新聞に伝わっておる問題でありますが、五月四日の閣議でもって——この間もここで相川君が質問されたことでありますが、各省で、どうも今の内閣に非協力な者がおるとか、あるいは沈滞しておるとか、あるいは自由党時代の人が多いとかいうことで、人事の異動をやらなければいかぬというような意味のことを言っておられる。また政務次官に対しましても、各省の課長や課長補佐に対やる異動についても、発言権を持っていなければいかぬというようなことを閣議の席上で言っておられるようでありますが、その真相を向いたい。
○根本政府委員 お答え申し上げます。政務次官会議において申し上げたことは、こういうことでございます。御承知のように、年々の会計検査院の報告によりますと、不当並びに不正の支出が累積しておる。しかも末端の方面にそれが多い。しかもその実務をやっておるのが、課長補佐あるいは係長級のところでこれが行われておる。しかるに人事については、これは吉田内閣時代もそうでありましたが、今日も大臣閣僚が全然御承知ないようなところでやられているのは、責任政治の意味においてこれはおもしろくない。でありますから、政務次官が、下僚統制というようなことではなくして、政務次官はそうしたところの政治の末端についても綱紀を粛正するようによく注意してほしい、こういうようなことを申し上げたのでございます。それがどういうふうに新聞に出たかは、これはいろいろの書き方があったようでございますが、本旨はそうでございます。なお閣議におきましても、同様なる問題が政務次官の中からも意見がありましたし、私からもこういう意見を申し述べておきましたということを報告し、各閣僚とも、この問題は大事な問題であるから、十分に綱紀の粛正をはかるという意味において、そのように取り計らうことが必要であろう、こういうふうなお話でありまして、新聞がいろいろ伝えたようでありますけれども、これは他の委員会でも私は申し上げたわけでありますが、ただいま申し上げたのが真相であります。
○野田(卯)委員 これはジャーナリズムがそう取り扱ったのかもしれませんが、何か役人の世界を政争に巻き込むような印象を与えると思います。昔内閣がかわるたびごとに役人が大異動をさせられた経験を持っておりますから、とかく人はそういうふうにとりやすい。これにつきましては、私は、役人というものは政治となるべく切り離すように持っていくがいい。なるべく役人は事務に専念し、政治は政務次官なり大臣がなさる、役人を政治の争いに巻き込んで、内閣がかわったらすぐに役人をかえなければならないというようなことのないように、特別にわれわれも配意しておりましたが、今の内閣においても特に配意していただきたい。特に政務次官が——政務次官の個個の人を言うのではありませんが、課長や課長補佐の人事に容喙するということになりますと、これはとりようによっては現在の国家行政組織法にも違反するのではないか、国家行政組織法には「政務次官は、その機関の長たる大臣を助け、政策及び企画に参画し、政務を処理する。」となっておるのですが、個々の一属官の人事に——信賞必罰なら別ですが、一がいに参画するということは、条文の上からいっても問題ではないか。そういうきらいがある。私はそういうことから言いましても、なるべく政治の争いを事務官僚の中に持ち込まぬように、これは内閣として総理に申し上げることがほんとうでございますけれども、総理にもお伝え願いたいと思います。どうかそういうようにしていただきたい。結局政党政治の墓穴を掘るようになりますので、特にそういうことを希望申し上げておきたいと思います。
○根本政府委員 お答え申し上げます。野田さんから言われた通り、われわれは何も事務官僚にまで政争を持ち込むということは毛頭ないのでございまして、先ほど冒頭に申し上げたのが本旨でございます。ただややもすれば、最近は行政の実務に当るところについて、国民と最も密接な関係のある部面において、大臣並びにその補佐役としての政務次官がほとんど目を通していない、そのためにいろいろの不当不正の支出も多くなっておる、こういう支出について十分に監督の目を通すように、これが趣旨でございまして、一々政務次官が各省の係長の人事をどうする、こうするといって指令することは考えていない次第でございますから、その点は御安心のほどをお願いいたします。
○野田(卯)委員 先ほどの一兆円の予算の問題について、これが通らなかったら解散するのだと言ったけれども、今の御答弁の中に、大幅修正というときにはやらなければならないという、その大幅修正と言われたその言葉じりをつかまえる意味ではございませんが、一体大幅修正ということはどのくらいを意図されておるのか、頭に描いておられるか、それを一つ承わりたい。
○根本政府委員 お答え申し上げます。ただいま私がお答え申し上げたように、これは何ぼ割ればどうかというような問題ではなく、当時新聞記者との正式会見でもなく、一緒についてきた人がいろいろ話のときに、政府が重大な責任を負わなければならぬような大幅の修正というようなお話が出たので、そういう場合においては、二者択一の方法よりなくなるでしょう、とこう申したのでありまして、聞く方も言う方も、大幅という場合には何ぼとかどうということではなく、政治論として、政府が重大なる責任を問われるという場合においてはということでございまして、その点の御了承をお願いしたいと思います。
○野田(卯)委員 この点については、あまり根本君を追及することもいかぬと思いますから、この程度にしておきますが、こういう問題について発言をするということは注意していただきたいということを、一つ希望を申し上げておきます。 それからその次に石橋通産大臣にお尋ねしたいのであります。投融資の問題でありますが、投融資の関係で開発銀行の昨年の実績を見ますと、開発銀行の昨年の予算では予定が六百三十五億、資金計画の実績が五百九十五億になっておる。こういうふうに予定と実績が非常に食い違ってきた根本原因はどこにあるか、それを一つお尋ねしたいと思います。
○石橋国務大臣 お策えします。それは私知りませんから、政府委員に答えさせます。
○野田(卯)委員 それではそれは別の機会にしていただいて、石橋通産大臣にお尋ねしたいのでありますが、いろいろな重要企業の合理化をするということを非常に熱心に主張しておられます。重要産業の合理化に関連いたしまして、特に石炭が問題になると思いますが、石炭を合理化する際に、これが労働問題にすぐに響いてくる。今石炭産業の合理化をはばんでいる最大の点は、資金の点でもなければ技術の点でもない、労働問題だと思う。そこで合理化をするということになりますと、一応の推算でも六万人くらいの人間が余ってしまう。これではどうにもならぬから、石炭産業はあまり合理化を喜ばない。お金を使って合理化をしても首切ることができない、これでは会社が二重負担になる、これでは進まないという深刻な問題に直面しておりますが、これに関して通産大臣はいかにお考えになっておられるか。
○石橋国務大臣 お話のように、確かに労働問題が一番大へんなんです。しかしながら今私どもの調べておるところによりますと、昨年、今年でもってだいぶ整理が進みまして、これから合理化して失業するという人数は思いのほか少いのであります。しかしそれでも相当出ますから、これを十分吸収するような公益事業その他を起して、それに吸収させるように手を打つことにいたしまして、合理化法案の実行をいたしたい、かように考えております。
○野田(卯)委員 それでは、その次に予算の問題に移りたいと思いますが、三十年度の予算を見まして、私が特に奇異に感ずる点を申し上げたいと思うのであります。予算の立て方におきまして、第一に専売公社から三十億円を交付税及び譲与税配付金特別会計に入れておる、これは私は非常に異例だと思いますが、どういうわけでこういう処置をとられたのでありますか。それをまず大蔵大臣から御説明願いたい。
○一萬田国務大臣 お答えします。たばこ消費税としてすべきと思うのでありますが、今回はちょうど途中でもありますので、こういう方法を、繰り入れをしたわけであります。目的はむろん地方の財源をふやしてやるということであります。
○野田(卯)委員 そういう趣旨であれば、おそらく来年度の予算編成においては、これをたばこ消費税の増率に持っていく前提かと思いますが、その点はいかがですか。
○一萬田国務大臣 ただいまのところ、地方財政の全体については、来年度はほんとうに考えなくてはならぬと私は思いますので、そういうふうなことを考えるかもしれない。全体として地方の税制というか、財源について考えてみたい、かように思っております。
○野田(卯)委員 もし来年度のことがそういうあやふやな考え方をしておるなら、私はこのやり方はあくまでイレギュラーだと思う。来年度からたばこ消費税をふやすのだ、しかし本年度は間に合わぬから、こういう処置をとるのだというならば、一つの問題だと思いますが、そういうことを考えないで、つかみ取り式に金を渡すというふうに三十億ほんとやられるなら、これはあくまで一般会計を通じてやるべきだ、私はそう思うのです。これは答弁を求めても求めなくてもよろしゅうございますが、私はそう思う。ですから、これはいかにもつかみ取り式の感じを与え、公明なる会計の経理として私は決して常道でないと思います。でありますから、私はその点を特に申し上げておきます。
○一萬田国務大臣 常道でないといえば、全くその通りであります。従いまして明年度において、こういうふうな専売からそれに繰り入れるということはやりません。たばこ消費税にする、こういうことに申し上げてもよかろうと思います。
○野田(卯)委員 常道でないということをお認め下さいましたので、これははっきりしたと思います。 それから第二番目の点といたしましては、揮発油譲与税というのが二十九年度にありましたが、それをやめまして、今度地方道路税というものが設けられた。これは税務署でとりますが、税務署でとりました地方道路税を直接配付金の特別会計へ繰り入れさせる、こういう方法をとられた、これは私はむだなことじゃないかと思う。現在もうすでに揮発油譲与税という制度がある、それが三分の一と三分の二になっておる、これをただ率を変えまして、三分の二というものを十五分の十一、それから三分の一というのを十五分の四と変えればそれで大体済むものである、それをぶっこわして、新しく地方道路税というものをとって、別の組織を作らなければならぬという積極的な理由がどこにあるか、私はこれは完全にむだなことを、やらなくてもいいことをやっておられる、こう思うのですが、いかがですか。 〔委員長退席、上林山委員長代理着席〕
○一萬田国務大臣 お答え申し上げます。お説も全く一つのお考えであると思います。ただ従来のは二十九年度限りになっております。今回は地方にそういう財源を与えるという意味において、そういうふうにしたわけであります。
○野田(卯)委員 地方に財源を与える意味だったら、揮発油譲与税というものは地方に財源を与えておる。これは私は全くナンセンスだと思います。いたずらにこういうことをして——これはあとで申し上げますが、ただ一兆円というワクの中におさめるということ以外には何も理由がない。行政官というものは、なるべく今までの制度で、簡単に済むものなら簡単に済まして行くことが、行政の原則だと思います。それをわざわざひねくり回して、国会の審議にかけるということはむだなことだと思う。なるべく簡潔にやる、そういう点からいいましても、これは全くイレギュラーだ。全く要らぬことをなさったのじゃないかという感を非常に強くするのです。これははっきりしたことですから、それ以上私は申し上げません。 その次に私がお尋ねしたいのは、特殊物資納付金処理特別会計をお設けになりました。これはどういう理由でございますか。
○一萬田国務大臣 お答えします。これは今日砂糖その他の輸入に際しまして、今日の要請から、特殊な超過利潤というものが生じますから、これを国庫に納付させるのが適当である、こういう考え方であります。
○野田(卯)委員 大蔵大臣はこの予算書をごらんになりましたか。それで歳入の項目は御存じなのですか。何が載っておるか、こらんになったなら御存じだと思う。
○一萬田国務大臣 まず歳入の項目で、納付金収入として七十億九千九百六十三万三千円、こういうふうになっております。
○野田(卯)委員 項目は一つですか、二つですか。
○一萬田国務大臣 雑収入で一万円。
○野田(卯)委員 私が申し上げたいのは、歳入の項目が二つある。一つは、この砂糖だとか、あるいはパイナップル、バナナ、そういうものの処分を受けた利益を入れるという項目、それから雑収入という項目が一つある。これが一万円となっている。これはないということです。ただそういう項目を置くだけに作ってあるので、これは当然やるべきことなんです。そうすると歳入項目が一つです。出る方も非常に簡単です。でありますから、非常に簡単な手間ひまかけないことです。これをなぜ一般会計に入れなかったか。こんなに簡単な、子供でもできる会計を、なぜ特別会計にしたか、その点一つお伺いしたい。
○一萬田国務大臣 お答えします。これは臨時的なものでありますとともに、特別の事柄になっておりますから、こういうふうにいたしたのであります。
○野田(卯)委員 そこで御承知のように予算というものは、前は一般会計におきましては、経常部と臨時部の両方に分かれてやっておったのです。それでそういうときには、臨時のことは臨時でやる。今は一つになりまして、現在の歳入予算、歳出予算、臨時も経常も一緒になっている。臨時のものなら一般会計に入れない。そういう原則になっておるのですか。
○一萬田国務大臣 お答えします。これは臨時的であるとともに、特別の用途、この場合には財政投融資の特別の用途に使う、こういうことであります。
○野田(卯)委員 それでは一般会計から産業投資特別会計に繰り入れをしてはいかぬという理由が、何かありますか。
○一萬田国務大臣 これは今申し上げましたように、特殊の事情から特別会計にするということなのでありまして……。
○野田(卯)委員 私は特殊な事情というものは何もないと思う。ただ一兆円というワクの中に入れると出てしまう。それを避ける以外に何も理由がないと思う。特別会計を作るということは、会計法上相当な問題なんです。でありますから、一般会計へ簡単におさめられるものを、わざわざ特別会計を作って議会の協賛を経たり、むずかしいことをされる必要はないと思う。なるべくそれを簡単にやるというのが、行政府の当然の責任だと思う。もし一兆円というワクがなかったら、これは一般会計へ入れておけということになったと思う。それを一兆円のワクに入れると一兆円をこえるだろうというので、わざわざ一項目を、ほとんど内容のない通り抜けの特別会計を作っている。これはけさの新聞に出ておりますけれども、一般会計に入れた方がやりやすい。それを特別会計を作ってまごまごしておられる。これは害あって益なき制度だと思う。今の御説明では、特別特別とおっしゃいますけれども、われわれを満足させるような特別な理由は絶対発見できぬ、かように考えます。 その次に、もう一つ問題があります。あへん特別会計であります。これは何のためでありますか。
○一萬田国務大臣 お答えします。これはアヘンという特殊なもでありますから、従ってこれは歳入歳出を特別会計にして明確にしたい、こういう考え方であります。
○野田(卯)委員 それではお尋ねしますが、厚生省の一般会計予算においてアヘンを買い、アヘンを売ることをいつから始めておりますか。
○一萬田国務大臣 昨年度からであります。
○野田(卯)委員 昨年度以前はやらなかったのですか。
○森永政府委員 アヘン特別会計の設定の理由でございますが、昨年、昭和二十九年法律第七十一号の規定に基きまして、政府がアヘンの取引には独占的な権能を持ちまして、アヘンの輸入、ケシ栽培業者からの収納並びに麻薬業者からの売り渡しの事業を行なっておるわけでございます。これは、昨年度は一般会計で実施いたしたのでございますが、事業の性質から考えまして、特別の事業を営んでおる場合として、その経理を一般会計と特に区分しておくことが適当であると認められますので、特別会計にした次第でございます。その法律に基く独占的買い入れは昨年度からでございます。
○野田(卯)委員 これはこまかい問題でありますから言いませんが、これも私は全く無用なことだと思う。金額にいたしましても歳入歳出が一億五千四百万円の特別会計で、こんな小さな会計は一つもない。これは最小の会計だと思います。もっとも木船再保険もございますが、これは金額は小さいけれども、そのうしろに膨大な債務を負っておる。金額は一億に達しないと思いますが、そのあとに何十億という大きな債務を負っておりますから、特別会計の意味がある。これはすべてを入れましても一億五千四百万円というわけで、おそらくいまだかつてない小さな会計じゃないか。そんなものをこの忙しいときにお作りになる必要がどこにあるか。私は小さいからあまりくどく申しませんが、これは全く無意味なことだと思う。これは一般会計でけっこうなことだ。これは金額が小さいから、一兆円に関係があるとは言いませんが、こういうむだなことはなるべく避けられた方がいいということを申し上げておきます。 その次に申し上げたいことは、もうすでにここで問題になりました例の防衛庁関係の国庫債務負担行為であります。これは百五十四億円一般会計の予算外の契約、すなわち国庫債務負担行為でこんな大きな債務を負担したことは、今まであまりないと思います。そういうわけで、これは全く異例であります。特に最近は、御承知のように予算におきまして、ある年度の予算が翌年度に繰り越されて使われる場合が非常に多い。昭和二十八年度から二十九年度には二千億以上の金が繰り越されておる。二十九年度から三十年度に向っては千四百八十二億という巨額な繰り起しが行われておる。そういうときに、この国庫債務負担行為百五十四億、これは私は予算の膨張を防ぐ一つの方法と考えられると思う。これは純財政的な見地から申し上げておる。あえて政策的に言っているのではなしに、技術的に申しましても、百五十四億という厖大な国庫債務負担行為をやられておる。これは、要するに私は昭和三十年度予算というものを少くしたくない、こういう意味合いも多分にあり、また将来そういう風習を作る、かように考えておる。 その次にもう一つ申し上げたいのは、食管会計でありますが、食糧管理特別会計におきまして、本年度は赤字を百億出しております。百億出しておる赤字は、普通の健全なる財政運営としてha当然一般会計から補てんさるべきものだと思う。ところが今年は、赤字を出しぱなしにしてほってある。百億の赤字を埋めようとすれば、一般会計からそれだけ蔵出がふえる。これは、私はやはり一兆円にからんでくるのではないか、かように考えるのであります。大蔵省も認めておられる赤字をほっぱなしておるこのやり方は、健全なるやり方だと考えておられるかどうか、大臣から伺いたい。
○一萬田国務大臣 これは米価がきまりまして、そして具体的に食管会計に赤字が出た場合に処理する、その処理の細部についての一応の見通しを立てておるわけであります。
○上林山委員長代理 野田君、時間の関係がありますから、できるだけ結論をお願いいたします。
○野田(卯)委員 私は今の答弁では承服できないのでありまして、やはり健全なやり方ではないということに帰する。 そこで、以上私は五つか六つの点をあげたのでありますが、財政運営の本来の建前からいうとイレギュラーに属すること、あるいは説明のできにくいことが非常に多い。それがやはり三百億から四百億くらいに上っている。これは、一兆円というものを形式上維持するためにいかに政府が無理をされたかということの明らかな証明であると思う。もし一兆円というものを維持するためにこういう財政テクニックを弄することが許されるとするならば、この予算を何も一兆円にしなくても、九千五百億でも、あるいは九千三百億でも立ちどころにできるのであります。でありますから、一兆円々々々ということを言うならば、正常なるところの予算運営、正常なるところの財政運営のやり方をして一兆円におさめなければ無意味だと思う。いろいろなからくりをしたり、いろいろなイレギュラーなことをして、形式だけは一兆円を保つということでは、本来の日本の財政の健全をはかることはできないという確信を持っておるわけであります。これはおそらく大蔵大臣も御同感だと思いますが、いろいろな立場上そうされたと思うのであります。こういうことは今後の財政に非常な悪例を残すものである。一般会計だけをとったら何だかわからなくなってしまって、今の財政法の精神でも、一般会計をよく見ておれば、日本の財政全体がよくわかるというのが建前だ。ところがこうしてどんどんこわしていきますと、一般会計だけを見ておってもさっぱりわからないということになる。昔から、日本の予算はわかりにくいといわれておる。そこでわれわれとしては、わかりにくは予算をなるべくわかりやすくするために、何年も何年も努力して積み上げてきた。そしてようやく終戦後になりまして、わかりやすい予算を作るということになってやっておりましたが、最近になってまた予算がこういうことになると、やはり予算がわからなくなってくる。よっぽど専門家でもわからない。これは私は予算の民主化、財政の民主化と逆行していると思う。でありますから、大蔵大臣としてはやはりなるべく簡明な、だれでもわかるような一般会計を作って、そして財政の民主化をはかるのが必要でありますが、この点からいきましても、私は非常に遺憾なことだと思う。先ほど私は根本君にも言ったのでありますが、一兆円というものが、かくのごとき作意によって作られたる一兆円であって、自主的な一兆円でないということをはっきり申し上げておきたいのであります。 次に私が質問いたしたいことは、健康保険の問題であります。健康保険につきましては、御承知のように、昭和二十九年度におきましては四十億の赤字を出しておる。それから昭和三十年度におきましては三十億の赤字が出る。そこで、昭和三十年度の赤字のうち十億だけは一般会計から繰り入れる。二十億については、昨年度の四十億と合せて六十億、これを資金運用部の資金から借り入れるということになっております。さようになっておるかどうか、これをちょっと伺いたい。
○川崎国務大臣 その通りであります。
○野田(卯)委員 そこで私は政府の方にお尋ねしたいのでありますが、資金運用部の資金運用計画をちょっと説明してもらいたい。
○一萬田国務大臣 三十年度の資金運用部資金計画を申し上げます。運用の方の合計は千七百八十五億でありまして、これを読み上げますと、特別会計に対する貸代が三十五億、政府関係機関に対する貸付が八百七十三億、内訳を申し上げましょうか。
○野田(卯)委員 特別会計に対する内訳を言って下さい。
○一萬田国務大臣 郵政事業特別会計に五億、特定道路整備事業特別会計二十億、開拓者資金融通特別会計十億、これが特別会計に対する貸付になっておる。政府関係機関に対する貸付は、ただいま申しました八百七十三億、これは日本国有鉄道で百五十五億、住宅金融公庫百八億、国民金融公庫八十五億、中小企業金融公庫九十五億、農林漁業公庫が百五億、日本開発銀行二百四十五億、輸出入銀行八十億、日本住宅公団が十八億になっております。それから地方公共団体に対する貸付が四百六十六億、それから勤労者厚生四十五億、金融債応募または借り入れ百五十億、帝都高速度交通営団十億、電源開発株式会社が八十六億、次年度繰り越しが百工億、合計千七百八十五億、こういう運用になっております。
○野田(卯)委員 そこで今の健康保険特別会計の六十億はどこに……。
○上林山委員長代理 時間が経過いたしました。
○一萬田国務大臣 今ここに計上いたしておりませんが、今後年度末までにこれを出すことになっております。
○野田(卯)委員 私はこれは説明にならぬと思います。予算にはちゃんと書いてある、予算に書いて六十億と出してある。そしてここでも説明しておられる。それを今、そのときに同時に説明されたものの中にそれを抜かしていくということは、僕は全く国会を無視した話だと思う。これは重大問題です。
○一萬田国務大臣 これは差しあたり国庫余裕金でつなぎまして、年度末に長期債化する、こういうふうな考えをいたしておる次第であります。
○野田(卯)委員 御承知のように、あの資金は年度内の資金じゃないと思うのです。では川崎厚生大臣に聞きますが、六十億の返済計画について……。
○川崎国務大臣 返済計画については、本年度は十億を国庫負担として行い、来年度から十億ずつ計上して、六十億六年間で返済することになっております。
○野田(卯)委員 そうすると、今のお話を聞きますと、六十億借りて、毎年十億ずつ返すという計画になっておる。それはちゃんと説明書にも書いてある。そうすると年度内のものじゃないのです。六十億借りて、それをやはり毎年十億ずつ返す。これはあくまで一年、三年、三年、四年の契約なんです。年度内の金じゃないのです。それは私は脱漏だと思うのです。そうしてほかの会計に対しましてはちゃんと書いている。私は、あとでどさくさにきまったので落ちているのだと思う。これは僕は弁解の余地はないと思う。こんな六十億という、わずか一億や二億の金でなくて六十億、たとえばここに書いてございます特別会計の郵政事業五億、特定道路整備事業に二十億、開拓者資金に十億、それは明示してある。合計三十五億になっておる。それ全体よりももっと大きい六十億を書かないで国会に書類を提出するということは、どうしても私は理解ができない。
○川崎国務大臣 予算編成の過程におきまして、私は一応国庫負担を主張いたしまして、実際上その効果が上らなかったことははなはだ残念の至りに思っております。しかしながら大蔵大臣の措置に対しては、今日のところこれをもってするよりほかにないということの結論に到達して出したわけでありまして、効果が十分に、すなわち赤字財政の処理ができますれば、それをもって満足いたしたいと思っております。
○上林山委員長代理 事務的に説明いたさせます。
○森永政府委員 ただいまの赤字でございますが、前年度の四十億と本年度の補てんされない赤字二十億、これは年度末までは国庫余裕金で泳いで参りまして——その方が利子負担等も伴わないわけでございますから、健保会計としてもそれだけ有利になるわけでございますが、年度末までの間に資金運用部におきまして資金を捻出いたしまして、これを長期債にする。それは年度末までに資金運用部の計画を、時期を見て改訂する。さような考え方をしておるわけでございます。
○上林山委員長代理 野田君、すでに二十分経過いたしましたので、簡単に願います。
○野田(卯)委員 ただいまの御答弁に対しては私は承服いたしません。これはまた他日この問題を取り上げて、もう少し質問しなければいかぬと思っております。それから……。
○上林山委員長代理 まだ長くかかりますか。もうすでに二十分協定時間を経過しておるが……。
○野田(卯)委員 私は昼前いいという話を聞いていたのだが……。それから方面を変えまして大蔵大臣にお尋ねいたしますが、通貨の問題で、最近一万円札を発行するという話があるようでありますが、この一万円札を発行するということを今具体的に考えておられますかどうか。
○一萬田国務大臣 ただいまのところ私考えておりません。
○野田(卯)委員 私は最近の実情から見まして、御承知のようなデフレといいますか、インフレのおそれがないという際に、銀行におきまして、一千円の札の取り扱いにつきましては非常に難渋をいたしておりまして、やはり貨幣価値の点からいいましても、一万円札を出すには適当な時期に来ているのじゃないか、かように考えますので、やはり一万円札を出すことに踏み切られた方がいいんじゃないか、さように考えております。 それからなお一萬田氏は、いろいろな点におきましていわゆる平常化、正常化ということを考えておられるようでありますが、今一番混迷しているのは貨幣制度だと思います。日本の貨幣制度が、今でも純金七百五十ミリグラムが一円だというような、非常に古いものが生きているのです。これは非常に現在の実情に沿いません。もう貨幣価値も相当安定してきております。こういう状態でありますから、貨幣制度の改革という点にもう着手されていいじゃないか、この研究を始められていいんじゃないかと思うのでありますが、この点につきましてどういうように考えておられますか。
○一萬田国務大臣 貸幣制度につきましては、むろんこれは考えておらなくてはなりません。研究を怠っておるわけではありませんが、なお私の考えでは、今後における日本の国際収支の見通しというものがもう少し確立をどうしてもしなければならぬ。さらにまた財政の健全ということについて、これがもう少し中央、地方を通じて確立をしていくというような、まだいろいろと考慮を要する点が残っておるように思っております。しかし御説のように、研究に常に考慮をしておるということは、その通りであります。
○上林山委員長代理 野田君にちょっと申し上げます。もう協定時間はすでに二十五分経過いたしております。今回限りお願い申し上げます。
○野田(卯)委員 ちょっと待って下さい。これは建設大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、住宅問題は、私きょう質問しようと思っておりましたが、また別な委員が詳しく質問いたしますので、省略いたしますが、あの中で、例の住宅公団の金を調達するために、十二億の金を金融機関から借りることになっておるのです。その内訳と条件等をちょっと……。
○竹山国務大臣 五十二億の中で、五十億は生命保険の資金を借りることに大蔵省で心配をしていただいております。金利は大体九分五厘くらいに考えております。
○野田(卯)委員 金利九分五厘で、年限、期限は……。
○竹山国務大臣 大体五年くらいを予想しております。
○野田(卯)委員 今五年で九分五厘だということでございます。私は、この住宅公団の性質は普通の公社とほとんど変りないと考えております。そこで私は——これは担当大臣がおられないようですが、電電公社が公社債を発行いたしております。電電公社債及び国有鉄道がやはり公社債を発行しておりますが、一つその条件を話していただきたい。わかりませんか、大蔵大臣。わからなければ、私の大体知っておることを申し上げますと、この金利はたしか七分だと思います。七分で七カ年で九十八円か何かでありまして、利回りがたしか七分四厘何毛になる。そういたしますと、公団と公社とはまた性格は同じだと思うのです。同じ性格であるところの公団と公社が出す公社債みたいなものです。それに対しまして、今度の住宅の方だけに大体五年で九分五厘ですかであって、公社の方のやつは七年で七分、鉄道も大体同様だと思う。一体こういうアンバランスがあっていいかどうか。この点を大蔵大臣に……。
○竹山国務大臣 全く同じ公社とは考えておりませんが、初めての住宅金融のことであるし、保険会社が出しておりますのは、大体一割一分くらいの資金を出しておりますのを九分五厘にしたということは、大蔵省の御努力だと私は考えておりますが、初めてのことでありますから、ここで出発して、今後でさるだけ全体の金利の低下に応じて安くなることは、もちろんわれわれも希望するところであります。
○野田(卯)委員 私は公社とか公団という同じ性質のもので、政府機関が市中金融機関から金を借りる場合に、片っ方が五年、片っ方が七年だ。五年の方が九分五厘、七年の方が七分だ。こういうアンバランスで一体政府としていいかどうか。いろいろの事情はあるかもしれませんし、私は事情もわかりますが、これはいかにもアンバランスだと思う。私は、この間から大蔵大臣が金利の引き下げで努力しておられます。金利の引き下げに努力せられて、私もそれは賛成なんです。ぜひともやっていただきたいと思うのです。しかし同時に、金利間のアンバランスというものを直すというふうにやっていただかなければならぬのは当然のことだと思う。金利体系を整えるということば、大蔵大臣として、当然関心を持たるべきことだと思う。でありますから、こういう同じ公社債、同じ性質のものです。そういうものをやるときに、みずからこういうような二割も違うようなアンバランスな金利を作られるということは、私は金利体系を整えるという点から全く逆行だと思う。現に国有鉄道、電電公社は、昨年におきましても、初めの予定が国有鉄道は百二十億の公募債、これは金融機関引き受けです。百二十億の予定のものがどうしてもできなくて、それが九十二億五千万円になっている。また電電公社は初めの予定が七十億だった。ところがどうしてもできなくて四十二億五千万円、非常に難儀しておられる。これは担当大臣がおられれば聞くのですが、たいへん難儀しておられます。難儀をして実行が予定通りいかない。そこへ持ってきて、また今度は住宅公団ができて、九分九厘なんというものを出されますと、公社が今後起債に非常に難儀をすのじゃないか。ことしもまた国有鉄道は八十億、電電公社は七十五億を予定されておる。しかもこれはおそらく七分だろうと思う。七分からこれを上げられる気持があるかどうか、それを聞いておきたい。
○一萬田国務大臣 お答えします。今日金利についていろいろとでこぼこがある、均斉がとれていないということは、それは私は率直に認めなくてはならぬと思います。今後こういう金利を一般の金利の低下をはかるのに応じて調整を加えていく。今公定歩合を中心とする市中金利にいたしましても、非常な何と申しますか、過渡期の頂上にあるようなところでありますので、そういう面から、そういうふうな不均斉が特に目立ってきておるというふうにも考えております。また今住宅公団に対する金利で、そういうふうな電電公社や国鉄との比較においてまた一つ出たじゃないかという御意見、これは私もそれについて、特に弁明するわけではないのですけれども、ただこの場合は、むろんそこで調整がまたくずれるというような御心配、私は非常にありがたく拝聴いたしますが、これは住宅公団と電電公社や国鉄とやはり今の過程ではいろいろな点で違いますので、電電公社、それから国鉄、これは全く政府の機関というか、公団には、そうまでにいかぬ、特に新しい、しかもこれにやはり資金を集めていかなければならない、こういうふうな関係がありますから、そういう点を御了解いただきたいと思う。
○上林山委員長代理 野田君、発言を許しません。野田君、協定時間はもうすでに経過したし、理事の御相談も得ましたから、やめていただきたいと思います。 〔野田(卯)委員「それで今の……。」と呼ぶ〕
○上林山委員長代理 発言を許しておりません。
○野田(卯)委員 ちょっと待って下さい。今の件はもう少しまた別の機会にお話ししたいと思います。私はまだ質問の事項がたくさんありますが、いろいろな関係でおくれて参りました。それで一つ私はお聞きしておきたいのは、今度の減税の問題で、預貯金に対する利子が免税になっておりますが、——大蔵大臣ですが、その預貯金に対する免税が行われて、それがために銀行、金融機関に金がたくさん集まってくるだろう、こういうことを言われた。おそらく集まってくるだろうと思います。その際に主税局というか、税担当の立場からいいますと、預貯金の利子に課税をしないということは、これは非常に課税の公平原則からいうと異例だと思います。課税の公平原則を打ち破るものだと思う。主税局からいえば、非常につらい立場だと思う。しかしそれをしも忍ぶのは、やはり資本蓄積ということが重大なる事項だと思う。国として大切だ、こういう点から言っておるわけです。そこでそういう犠性を冒して銀行に葉まった金が、これが国家目的に使われれば、まだわれわれは瞑すべきでありますが、その金の使用が金融機関の任意に放置されるという。それでもって金融機関は料理屋に貸してもいい、あるいはキャバレーに貸してもいいということになりますと、どうしても国民として納得できない面ができてくると思う。ほかの国民との権衡におきまして、非常な犠性をして集まった金なんです。でありますから、その金の逆用につきましては、私はこれは国家的な意味合いに使われるようにわれわれとして持っていかなければ、何としてもこれはつじつまが合わないのじゃないか、国民として納得がいかないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、この点はいかがですか。
○一萬田国務大臣 お答えします。全く御説の通りであります。ただそういうふうに国家目的に資金を流す場合に、どういう方法でやるのが最も適切かということに帰すると思うのです。私の考えでは、今は何をおいても資本の蓄積が具体的にできるということが一番大事なので、それができたあとで、この分配については適切な措置がとられる、そして、金融というような観点からすれば、私の案としても、今回経審の方にも融資についての——どういう名前か今記憶しませんが、そういう融資に対する協議会的なものができて、国家目的からいかに資金を流すべきかという重点的な計画ができましてから、それと見合いまして、そしてこの行政措置でなるべく、できれば金融機関の今日の自主的な融資体制をくずさずに、金融機関がほんとうに国家目的に目ざめて、その線に沿って復興融資をしてもらう。もしそれが所期の目的を逃せないような情勢であれば、私はむろん遅滞なく適切な措置をとる。これは私財政演説にもその旨は明らかにいたしてあるわけであります。
○野田(卯)委員 大体の趣旨は、ある程度の統制的措置をやはり考えているのだ、大体その趣旨を達成するために、ある程度の統制的なことも考えているのだ、経審もその準備をしておる、こういうふうに受け取れるのでありますが、その点は私はそれ以上論じませんけれども、十分に一つ配慮していただきたい、さように考えております。 もう一つ、私は税金の点でお尋ねしておきたいのは、今度の減税におきまして、利子に対しましては免税されました。ところが、問題になっております配当に対しましては実質的な減税がないわけです。ただ、源泉徴収の部分が一五%から一〇%に引き下げられた、しかしこれは結局総合課税になるわけです。税法上実質的な軽減がない。これにつきまして、もう世上でもずいぶん非難があるわけです。いわゆる金融偏重だ、産業を無視する、こういう議論があるのですが、それは別といたしまして、現在ここに石橋通産大臣がおられますけれども、企業のオーバー・ボローイングを解消しろということは、これは世論でありまして、内閣もおそらくそれに努力しておられるはずです。その際に、銀行に金を預ければそれは無税だ、株の方はちっとも考慮されない、こういうならば、同じ金を持っておるなら株よりも預金にしようか、そっちの方に流すという間接的効果を持つわけです。そうすると、私企業が株によって自己資本を集めるという方法に対してブレーキをかける。ですから、オーバー・ボローイングを解消する企業の努力を非常にここで押えることになります。これは日ごろから私企業の資本蓄積をふやすとか、自己資金を増大しろということを声をからして叫んでおられる、おそらく一萬田氏もその一人だろうと思うのですが、そういう点からいって非常に矛盾があると思う。これは私がつくまでもなく、各方面でそういう声が上っておるわけです。ことに戦争前におきましては、株式の払い込み金と預金との比率がとんとんだった。しかし今は株式の払い込み金一に対して預金が三、一対三になっておる。それにオーバー・ボローイングの理由がある。でありますから、私は株式によって資本をたくさん集め得るような体制を築くことが喫緊の要務であると思う。それに対しまして、今回の税制改正が水をかけるようになっておる。これに対しまして、私は大蔵大臣の意見を聞く前に、通産大臣の意見をお聞きしたいと思います。
○石橋国務大臣 預金と株式の払い込みの問題も、前からなかなかむずかしい問題ですが、これは御説のように、私も株式払い込みを大いに奨励する方策をとりたいというのが、私の考えであります。
○一萬田国務大臣 お答えします。株式の配当と預金金利を引き上げて、形の上にまでほんとうに均等であるということ、これはなかなかむずかしい問題であります。これは株式の本質と預金の本質が違うところから根本は出発をするのであります。しかし私の考えでは、今日株式配当について、あるいはまた会社が株式を新しく募集をするような場合については、すでにもう相当いろいろな税法上の特別措置を講じておるわけであります。今回の措置によって特に株式に不利な影響があるとも思っておりません。 なお一言ちょっと弁明といいますかお許し願いたいのは、いろいろと先ほどから何か私どもが今度の予算の編成で一兆円という、いかにも形にとらわれて、何もかもそれが一兆を越えるようになったらみんな特別会計の方に持っていったのではないか、あるいはそのほかの措置をしたのではないかというようなお考えのように受け取れるのでありますが、そういうことは一向考えておりません。この一兆の予算というのは実は私はそういう形よりもほんとうに一兆の予算ということでいくのが今日の日本経済全体からいって必要だ、これはほんとうに心からそう思っておるわけで、決して何かいろいろ細工までして一兆を固持しておるわけではないということだけは御了承を得たいということをお願いするわけであります。
○野田(卯)委員 それではもう一点お聞きしたいのですが、ガソリン税の問題であります。ガソリン税の税収の見積りが非常に低いということを各方面で申しております。そして現に昭和二十九年度のガソリン税の収入は予定よりも二割以上上回っている実績が出ておるわけです。それについて、これは念のためにお尋ねするのでありますが、あのガソリン税というものは、道路整備費の財源等に関する臨時措置法によりまして道路に使うことになっておる。そこで巷間の者は、その見積りを低くして——そして予算で分けますから、実績でたくさんふえて入ってきたら、その分だけ取ってしまってよそに使うのではないかという心配をしておる。これは私も心配だと思うので、この席上におきまして大蔵大臣から、いやそういうつもりはないのだ、もし予算より実績が多く入ってきたら、それはその年度かあるいはその次の年度において道路に使うのだということを明言していただきたい。
○竹山国務大臣 お話の通り前年度予算におきましては三十億余の差がありましたが、ことしは各省よく相談をいたしまして、二百六十億と見積りましたのは、これはそう差がないつもりであります。同時に昨年の差額は三十一年度において道路費に使うことにはっきりきめておりますし、今後はそういう場合同様必ず道路費に繰り入れることを法律で明確にいたすつもりであります。
○野田(卯)委員 それに関連いたしましてガソリン関係の税収の見積りが低いということから、今度新しく地方道路税を作りまして、ガソリンが今までは一キロリットル一万三千円であったのを、地方道路税とガソリン税を入れて一万五千円に引き上げるという計画をしております。それに対して民間では猛烈な反対があるのです。これはおそらく大蔵大臣あるいは建設大臣も御承知かと思うが、その反対の理由は、もちろん負担が過重になるということと同時に、最近のガソリンの消費の実情に照らしまして、そういうふうに引き上げなくても、一万三千円でけっこう今予定されているところの両方の三百十一億ですか、三百三十一億でしたか、そういう地方道路税とガソリン税を加えた両方のものはまかなえる。厳格に消費量を押えつけて見積らないでも、通産省であるとかあるいは運輸省というところで見積っておられる数量を基礎にするならば、大体税収は上るのだ、そういう見解から一万三千円でいいのではないか、増税の必要はないではないかという猛烈な反対運動があるのです。これに対しまして税務当局の考え方としては、やはりいつでもかたく見るのです、かたく見るのでありますが、しかし実績もありますから、その点もしできるなら、そんな無理をして増税しなくても、一万三千円でもって予定の財源が得られればけっこうなんですが、その点についてはもう一ぺん検討をされるお気持があるかどうか大蔵大臣にお尋ねいたしたい。
○一萬田国務大臣 お答えいたします。その点はもう十分検討した上の措置であります。
○上林山委員長代理 野田君にお願いをいたしますが、もう時間は約四十分経過しておりますが、協定を守って下さい。
○野田(卯)委員 私が第一に質問を要求した外務大臣が来ない。それで私の質問の順序もみんな狂ってしまうのであります。
○上林山委員長代理 外務大臣はあとでけっこうだという話でしたが、御了解を願っておったはずです。
○野田(卯)委員 そうじゃありません。冒頭じゃないということです。私の持ち時間の間には来て下さる約束になっております。 それではこの点、外務大臣その他関係大臣を要求してありますが、また別な機会にお尋ねするということで留保して、私はこれで質問を打ち切ります。
○上林山委員長代理 志村茂治君。 〔「大臣がいないじゃないか」と呼び、その他発言する者多し〕
○上林山委員長代理 これは志村君にあらかじめ御了解を願っているはずであります。関係大臣は多数来ておりますし、それまでに外務大臣は参ります。志村茂治君に発言を願います。 〔「関係大臣がいないと答弁できないじゃないか」、「理事会を開こう」と呼び、その他発言する者多し〕
○上林山委員長代理 それではほかの委員会と閣僚の出席の調整の関係もありますので、本日はこの程度にして次会は明後十六日午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十五分散会