予算委員会 第11号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/05/12
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 昭和三十年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。 相川勝六君。相川君に申し上げます。本日より御持ち時間が一時、そのおつもりで質疑をお願いいたします。
○相川委員 外交問題について鳩山総理大臣並びに重光外務大臣に質問いたしまするが、まず鳩山総理の方に申し上げます。お疲れでございましょうから御着席のまま、しかしながら声はなるべく大きく、明瞭に願います。 私は前国会におきましても申し上げましたが、どうも現内閣の施政の上で一番外交問題が心配にたえない。率直にきょうは申し上げますが、鳩山総理の外交に御熱心な態度はよくわかりますけれども、何だかアメリカのルーズヴェルト大統領のようなしくじりをなさるのではないかという感じがいたします。ルーズヴェルト大統領も、心身ともにお疲れのところを、しかも部下には相談せずして独断でヤルタ協定なんかをやった。当時スターリンの非常な権謀術数に参ってしまって、アメリカの外交としても、世界の外交としてもまことに取り返しのつかぬような失敗をやった。そこで、そのときには総理はおいでにならなかったので外務大臣に注文いたしましたが、どうか総理と一体となって大事な日本の外交にしくじりのないようにしてもらいたいということを申し上げたつもりでおります。外務大臣は、外交の運用については御忠言は拝聴いたしましたという答弁があったのであります。ところが、やはり心配した通り、自来外交上につきまして、現内閣は重大なる失態を演じたのであります。そのために、四月六日衆議院の外務委員会におきましては、現内閣に対して戒告決議をいたしたのであります。その戒告の内容は、閣内の意見が不一致である、その取扱いが軽率である、かくのごとくあっては国際的信用を失墜せしむるものであるから深く反省して、再びかくのごとき失態を繰り返さぬようにという厳粛なる戒告をやっておるのであります。こういう戒告はめったございません。この戒告につきまして、鳩山総理はいかなる御反省をなさいましたか。外務委員会は内閣の反省を促しております。御反省の程度を承わりたい。
○鳩山国務大臣 外務委員会において、かくのごとき決議があったことは、よく了承しております。外務委員会における決議は尊重いたします。
○相川委員 それを尊重なさるならば、御反省があったと考えてもいいですね。
○鳩山国務大臣 将来そういうような非難をこうむらないように注意をいたします。
○相川委員 重光外務大臣に今の問題について承わります。これは外交上の問題について反省を促しております。
○重光国務大臣 私は外務委員会の決議の趣旨を尊重し、その御趣旨に沿うように努力をしておる次第でございます。
○相川委員 次に、先般この予算委員会におきまして、わが党の橋本委員は、外交の基本方針に関しまして、現内閣の外交の基本方針はいずれにあるか、すなわち米国初め自由主義諸国家との協調をはかっていくことと、ソ連や中共等の共産国家と親書を進めていくことと、この二つの問題についてどうお考えであるかということを聞かれたのであります。そうすると鳩山総理大臣は、両方のことをやっていくことは矛盾はいたしませんということだけであって、その両方の外交で一体どっちを基調としていくかということについて、はっきりした御答弁がなかったのであります。この点についてはっきり御答弁願いたい。
○鳩山国務大臣 二つの方面における二つの方策でありまして、あえて矛盾はしないのでありますから、いずれを尊重するか、いずれを尊重しないかというような程度はつけておりません。
○相川委員 総理大臣のお考えはわかりました。それではこの問題について外務大臣の御所見を伺います。
○重光国務大臣 ただいま総理大臣の説明せられた通りであります。
○相川委員 それでは外務大臣の従来繰り返し言っておられる方針と違うではありませんか。外務大臣は、米国初め自由主義諸国との協調を基調として、そうして中共やソ連との親善をはかりたい、こう言っておる。自由諸国との外交を基調として、そうして兼ねてやるというのでしょう。今のあなたの答弁では、どっちが基調であるかわからない。両方ともやると言うが、どちらが基調でございますか。
○鳩山国務大臣 私がお答えいたします。ただいまあなたがおっしゃった通りに、自由主義国家群、特に米国とは親善関係、協力関係を緊密にすることを外交の基調として、と私も申しました。
○相川委員 それでは自由諸国との協調を基調として、そうして一方ソ連や中共との親善をはかる、こういう御方針でありますね。そうでありますね。
○鳩山国務大臣 そうです。
○相川委員 もとよりそうあるべきであると思う。この点がどうかするとはっきりしないから混迷いたします。そういうふうに自由主義語詞との協調を基調として、日ソ外交でも、現在問題になっている日中貿易でもお進めになるとすれば、何ゆえに、日ソ交渉等につきまして、あらかじめ自由諸国との事前連絡をなさらなかったのでございますか。基調がそこにあるならば、そういう方面とはまず事前連絡をして、十分打ち合せをする必要があろうかと考えております。これができていない。これを総理大臣にお伺いいたします。
○鳩山国務大臣 私は事前連絡の必要はなしと考えました。
○相川委員 なしとお考えになった。そうすると、総理大臣がいつも言っておられる自主外交というものは、やはりそういう方面には連絡しないことが自主外交でございますか。イギリスのような国でも、やはりアメリカとは協調外交をとっておるのであります。いかなる問題についても、出発するときには十分話し合いをしてかかっておる。どうも鳩山総理の従来の態度は、一々他国の許可を受ける必要はないなどときわめていさぎよいようなことを言っておられるが、まことに幼稚な外交だと思います。自主外交というのは打ち合せをするものですよ。話し合い外交ですよ。その話し合いをせずに、よかったとお考えになるのですね。
○鳩山国務大臣 私はその必要なしとは考えますが、アメリカとの間において誤解の生じないようにする努力は必要であるとは思っております。
○相川委員 これは、交渉を進めていくについては、最初から十分打ち合せておかなければならぬ話です。あとになってから誤解を防ぐということは、おそまきです。物事は出発が大事でございます。出発をあやまてば先の千里の違いになって参ります。あとになってから誤解のないようにすると言うから思うようにいかない。何ゆえに最初から打ち合せをしないのか。当りまえのことじゃありませんか。再び承わります。
○鳩山国務大臣 私は必要なしと考えて、事前の交渉はいたしませんでした。
○相川委員 きわめて拙劣なる外交であると考えます。おそらくこれは、選挙前、はなばなしい日ソ交渉とか日中親善とかいうような題目を立てたのは、慎重に日本の外交をするならば、当然あらかじめ打ち合せをすべきであるにかかわらず打ち合せをしなかったのは、単に選挙に走ったからであります。それからまた、いたずらに自主外交とかひとりよがりのことを考えておるからそういうことになる。その結果うまくいくかいかないか、これから十分あなた方の外交を監視をいたします。 それで、まず日ソ交渉について伺いたいのでありますが、これは現在交渉の段階でありますから、こまかいことは微妙であり、私は聞きません。ただ大きな筋の根本的な問題だけちょっと承わりたい。だんだん議会の各種の論議を通じて政府のお考えがわかって参りますが、根本問題として、日ソ交渉について懸案解決を十分やった後に日ソ国交の正常化を実現いたしますか、あるいはある程度の話をしてそうしてロンドンの会議が済んだ後にまた懸案の問題は別途に一つの交渉をすみやかに進めようというぐらいのところでごまかすのでございますか、どちらでございますか。これは総理大臣に承わります。
○鳩山国務大臣 戦争が終れば交戦国間に講和条約を結ぶのは常例だと思っております。それですから、戦争が終った後十年間そのままになっておるソ連とは講和条約を結ぶことは当然だと思います。講和条約を結ぶとなれば、ソ連が占領をしておるところの領土についても、当然に相談をする問題になると私は考えております。
○相川委員 相談をなさるということは当りまえです。私が聞かんとするところは、その懸案が解決した後に正常化の宣言というか、戦争終結の宣言ということをなさるかどうか、戦争終結宣言を先にやって懸案解決はあとにするのかどうかという問題です。話はするでしょう。
○鳩山国務大臣 その問題については外務大臣から答弁をいたします。
○相川委員 これは外交の大方針であります。外務大臣は技術をいたします。一国の大方針について総理大臣にはっきりした考えがあるべきだと思う。総理大臣から承わります。
○鳩山国務大臣 私はそういうような外交上の手段については、外務大臣の方がたんのうでありますから、外務大臣が処置すべきものだと思います。
○相川委員 たんのうやいなやは技術の問題である。この大問題をいかなる点に持っていくかということは、総理大臣が方針を決定することであります。総理大臣はその決定ができないのですか。どこに持っていくか。懸案解決はあとにするか、あるいは正常化だけを先にやってしまうか、これは総理大臣の腹である。再び総理大臣に承わります。
○鳩山国務大臣 先刻答弁した通りであります。
○相川委員 それでは今度は外務大臣に承わりますが、外務大臣は今まで数次、議会において、あるいはその他新聞面でもあったかと思うが、懸案解決をして、そして日ソ正常化をする、こういうことを言っておる。懸案の話し合いではなく、解決していくということを言っておる。外務大臣の御所見と総理大臣と違うじゃありませんか。
○重光国務大臣 この点については、たびたび私の見解を御説明したと思います。また総理の見解も総理から御説明があったと思います。戦争状態をやめて平和関係に入ろうとする、すなわち平和条約を結ぶわけでありますから、双方の国の間における根本的な問題は、これは解決しなければ平和関係に入りません。従いまして重要な問題は当然これは話し合いがつかなければ結末はつかぬ性質のものでございます。これはどこの平和条約も従来そういうことに——これはもう大体そういうことについてはそれより以外にないと私は思います。但しそれならば懸案というものは一体どうであるか。懸案はずいぶんございましょう。大小とも入れれば非常にたくさんなものがありましょう。それを全部解決しなければ平和条約ができないということもないと私は考えております。しかし両国の間に横たわっておる根本問題はこれは合点が成立しなければ平和関係は、条約はできないものだ、こう考えております。
○相川委員 それでは重要な問題の一つでありまする漁業の問題とか、通商の問題とか、どうも政府の今の考え方、これは私は非常におそれるからはっきり聞いておくわけであるけれども、果してそういう懸案解決について、最後までの努力をされるかどうかということが疑わしい。ほんとうにこういうことをやるなら、この全権団の中に、漁業や通商の専門家も入れるべきだと思う。これがまだきまっていない。なぜこれを入れぬのですか。
○重光国務大臣 むろんさような問題が起って参りましたときには、必要な専門家はすぐ派遣する意向でございます。今日はそんなに時日を要しません。これについては手落ちなくやるつもりでおります。
○相川委員 そういうことが起きたらといって、当然懸案の中にこれは入るんです。入ることはわかっているんですよ。こういう問題については、それでは触れぬつもりですか。
○重光国務大臣 むろん触れるつもりでございます。しかしいろいろ交渉には順序がありますから、その順序にきたときに必ずこれに手当をするつもりでおります。
○相川委員 この間新聞か何かに書いてあったが、大体交渉はひとまず七月までと予定しておるということを聞くが、そういうお考えでございますか。
○重光国務大臣 これは交渉がどういう経過をたどるかということは今予想がつきません。むろん期限を切るような交渉は、従来の経験から見て最も悪いやり方であると私は思っております。できるだけ交渉を進捗せしめるように努力はいたしますが、期限はつけることを考えておりません。
○相川委員 ぜひそうしてもらいたい。どうも総理のお考えと外務大臣の考えとに多少の開きがあるような気がして心配であります。しかしながら外務大臣の言うことを打ち消しになりませんから、私は懸案のすべてではなくしても、重要な問題は解決しなければ戦争終結宣言はしないというお考えと了承してよろしゅうございますか。鳩山総理大臣に承わります。
○鳩山国務大臣 外務大臣がただいま申しましたように、その話の順序でどういうようになるかは予測がつきません。
○相川委員 非常に鳩山総理には不安であります。おそらく鳩山総理の腹は、日ソ交渉という一枚看板を出したが、なかなか懸案はすぐには解決しない、だから、自分がおる間に正常化ということだけでも、戦争終結宣言だけでもできればけっこうだ、そうしていろいろ懸案解決に当ってみたけれどもうまくいかなかったよ、もうこの辺で打ち切るより仕方がない、こういうような、鳩山総理の御性格からいって言い出したことがいつもぐるぐるかわる。そういうことがあっては絶対ならないと思っておる。私は懸案解決をした後にやるとしなければ、わが自由党としては断じて承服できません。 次に急ぎますから、鳩山総理がよく言っておられる日ソ交渉を早く正常化しないと、もし米ソ戦争でもあるとソ連が日本を襲撃してくる。そこで早くやらなければいかぬ、こういうことを言っておられるが、これについてはっきり一つ総理の御所見を伺いたい。
○鳩山国務大臣 私は米ソ戦争がそんなに間近く起るとは思っておりません。けれども、ソ連との国際関係を正常化することは必要だと考えております。
○相川委員 それではあなたは正常化はもちろん必要でございますが、この戦争を終結しないと米ソ戦争があった場合に日本を襲撃してくるおそれがあるから、そのためにも早くやらなければならぬと幾たびも言っておられる。この問題について、あなたは人の質問をほかにそらすからいけない。私の言うことにまともに御返事願いたい。
○鳩山国務大臣 世の中にはおもんばからざることも起る場合がありますから、直ちに起るとは思いませんけれども、しかしながら用意をしておく必要があると思うから、ただいまあなたのおっしゃった通りに、戦争状態は終結したことを確認する必要があると思うのであります。
○相川委員 もっとはっきり私の言うことに答えて下さい。この正常化をやっておかなければ、米ソ戦争のときにはそのことのためにソ連が日本を襲撃するから早くやっておかなければならぬ。この問題についてそうあなたはおっしゃったのです。この問題をはっきり言ってもらいたい。その通り思うか、思わぬか、はっきり言いなさい。
○鳩山国務大臣 米ソ戦争が万一始まった場合は、ソ連と戦争状態終結の状態ができ上っていなければ、ソ連は日本に侵略するおそれがあると思うのは当然だろうと思います。
○相川委員 大体あなたはそういうことをずっとおっしゃって、そうして私から見れば、日ソ交渉を単に正常化だけでも済ませばいいということを急ぐような材料に使っておるように考えられる。大体国交を調整すればソ連は決して侵略せぬとお考えになりますか。時間がないからもうあまりあなたの御答弁を聞いたって仕方がないのでありますが、ソ連というものは国交の正常化いかんにかかわらず、大事なときには別にやってきますよ。これをあなたはお考えになりませんか。
○鳩山国務大臣 ただいまのところ考えません。ソ連は侵略をする意思はないと思っております。
○相川委員 ただいまのところを言うのじゃございません。ソ連の本体について開くのです。どう思うのですか。
○鳩山国務大臣 私は何度繰り返しても私が言った通りのことを申します。それでいいと思っております。
○相川委員 もう一ぺん聞きます。あなたの共産党国家に対する認識を聞くために私は開くのです。国交が正常化にさえなっておれば決してソ連は襲撃しない。将来永劫に来ない。現在襲撃するかどうかというのじゃない。ソ連の本質を聞くのです。それについて御答弁下さい。
○鳩山国務大臣 先刻申した通りであります。理由なくソ連は日本を侵略いたしません。
○相川委員 理由なくしてですか。それでは質問します。ソ連は理由なくしては侵略しないと仰せられます。われわれはこれについて非常に深刻なる記憶を持っております。日ソ不可侵条約を結んで、日本は決してソ連を侵略する態勢をとっていなかった。日本の防衛が貧弱になって、大束亜戦争のあとに、世界戦争の後に、これは理由なくして日本に対して侵略しているのです。これはソ連の侵略が正しいとお考えになるのですか。
○鳩山国務大臣 台湾海峡においては中共と国民政府との間においてずいぶん危ない状態があったのであります。その際にソ連は中共と台湾との間に戦争が起らないように、ずいぶん努力をいたしました。そういうような努力をするソ連、戦いのないことを欲しているソ連が、日本に対して理由なく侵略してくるおそれはない、これは世界の常識のある者はみなそういうことはわかっています。
○相川委員 どうかあなたは質問者の質問に対してまともにお答え下さい。日ソ不可侵条約があったにもかかわらず、世界戦争の終末にソ連が日本を襲撃してきた、満州に入ってきた、これはソ連は理由あって来たのでございますか。これを聞きたい。今は台湾海峡の問題じゃない。
○鳩山国務大臣 私は現在の状態において話をしているのでありまして、現在の状態においては、ソ連は理由なく日本を侵略しはしまい。その証拠には、台湾海峡の問題が起きたときにもソ連は中共と台湾との間に戦争の起らないように努力をしておりましたから、ソ連は戦争の勃発を非常に避けていると思うのです。ソ連は何がゆえに今日これを避けているかどうかということについては、観測がありましよう。それはわかりませんけれども、現在のソ連はそういう気持を持つような状態にはなっていないということは、あるアメリカ人が言いましたが、ニューヨークにおける最後の一人までそれを信じていると言っています。
○相川委員 苦しくなればほかのことを言ってしまう。まことに不誠意な総理であります。こちらの質問にまともに答弁しない。 最後に領土問題について一言言いますが、この領土問題の決定は、日ソ両国の間だけで解決できる問題と考えられますか。これを一つ総理大臣に伺います。
○鳩山国務大臣 法律問題の性質上、そういうわけには参らないだろうと考えております。
○相川委員 それじゃ法律上そういかなければ、日ソ以外のどの国と相談しなければならぬことになりますか。
○鳩山国務大臣 それは外務大臣に答弁いたさせます。
○相川委員 いや、総理大臣に伺います。
○鳩山国務大臣 法律問題はなかなかコンプリケートしておりますから、そういうようなことはやっぱり外務大臣の方が適当な答弁ができると思います。
○相川委員 総理大臣に伺います。——総理大臣の答弁を願います。
○牧野委員長 総理大臣より御答弁がございません。
○相川委員 そういう大きな問題は日ソ両国だけではできない。ほかの第三国も必要だとおっしゃって、どの国が必要であるか、それを言い切らぬ。外交の問題をいつもあなたどんどん自分でやっておられるのだから、そんなことわかっておるはずじゃないか。はっきり言って下さい。
○鳩山国務大臣 法律問題の性質上、アメリカが当事者になっているのもあるし、ソビエトが当時者になっているのもありますから、法律問題は二面関係でないものもある、三面関係のもありますから、それらは当然に交渉するものと考えております。
○相川委員 今あなたのお考えで二面関係でなく三面関係だとおっしゃった、その通りです。だから私は最初に質問したのです。この日ソ交渉の最後の話は単に日ソ両国の間ではできない。やはり三角関係の一角であるアメリカや、その他自由主義諸国とも十分事前連絡をしなければいけませんぞと、これを言ったのです。そこから出発しなければ、領土問題はうまくいきませんよ。ここに重大な欠陥がある。あなたは、そんなわけで相談をする必要はないと言っておるけれども、法律上あるかないかは別として、外交の上から当然相談すべきである。ここに大きな失態があります。夜郎自大の外交だ。 その次に問題を変えます。一昨日田中委員の予算委員会における質問に答えられまして、日中貿易協定に対しまして、総理は協力と支持をするという御答弁があった。これはどういうわけで御協力ないますか。やはり日中貿易協定は、そのくらいの民間の貿易協定は差しつかえない、あるいはけっこうだ、こういうふうにお認めになったから、そういう御発言でありますか。
○鳩山国務大臣 日本と中共との貿易を伸張させたい、増進させたいということは、私は国民の希望だと思っております。そういう国民の希望するところの貿易の伸張のために、政府が協力するのは当然だと思っております。
○相川委員 当然だとお考えになったら、この協定も当然だ、これを差しかつかえないとお認めになったわけですな。
○鳩山国務大臣 そうです。
○相川委員 それでは、一国の総理大臣たる鳩山さんがこの協定をお認めになった以上は、この協定の実施については、政府は十分なる責任をお持ちにならなければならぬと思うが、これはどうですか。
○鳩山国務大臣 協定が効力を出すように、その協力をいたすということを申したのであります。
○相川委員 この協定には、通商代表部の設置をして、それに外交官の特権を与えるというようなこと、あるいは支払いは直接支払いにして、日銀と向うの中国人民銀行との間に直接決済をするということを書いてある。それが本体です。それを本体として、それができるまでは当分ポンド決済でやるとか、あるいは事実上のあれでやるとかいっておる。だから、あなたは協力して、協定通り通商代表部に外交上の特権を与えることに御協力なさいますな。それから直接支払いについても御協力なさいますな。
○鳩山国務大臣 その協定に書いてある目的が達成せられるように協力をします、こう申したのであります。
○相川委員 おそらく雷団長もこの問題につきましては、日本政府の協力と支持があるということを喜んで帰って行っておる。中国政府も、そういうふうに鳩山総理のあれに期待をしております。それで政府としては、総理大臣がこれをお認めになっておる以上、この実現に対する政治上の責任が出てきておると思っております。この責任の実行をすみやかにしなければならない。そうすれば、まずやることとしては、事実上の通商代表部を置いて、これに特権を与えることに努力なさいますか。これはどうです。
○鳩山国務大臣 通商代表部を外交官として取り扱うことに努力するかどうか、それはできることかできいことかも私は存じません。ただ協定が目的とするころのものを達成するためには、でるだけの努力をしたい、こう思っておるのであります。
○相川委員 この協定では、単に通商代表部を置くというだけではないのです。それに外交官の特権を与えてもらいたいということが趣旨です。この協定にも、外交官の特権を与えること、そうして両方はそれの実現に努力すると書いてある。これを読んでみましょう。第十条でございますが、「互いに相手国に常駐の通商代表部を置くこと。」「双方の通商代表部および部員は外交官待遇としての特権が与えられること。」そうして、「双方はまた上記のことを速かに実現するように努力することに同意する。」と書いてある。つまり、外交官の特権を与えた通商代表部を置くことを考える、それにお互い外交官の特権を与えるように努力するといっている。これを言った以上は、あなたも努力しなければいかぬです。ただ通商代表部を置くだけではいけない。あなたは、協定をいいと認めて、これに努力すると言った以上は、外交官の特権を与えることに努力しなければいかぬです。
○鳩山国務大臣 外交官の資格を得ることが日中間の貿易を増進することに必要欠くべからざるものだったならば、あなたの論が立ちます。けれども、外交官の資格を取らなくても日中貿易に支障はない、外交官の資格を取らなくても日本に安全に滞在し、通信の自由を持ち、とにかく商売をするのに差しつかえないような境遇に置かれておれば、外交官の資格がなくても日中の貿易の伸張には影響ないじゃありまんか。それだから私は、日中貿易が伸張するような目的のために日中協定に協力をするというのですから、外交官の資格を取らせなかったからというので、協力しなかったというそしりは受けないだろうと思うのです。
○相川委員 総理大臣は非常に明敏な頭の持ち主でありますけれども、こういう解釈ではまことにわれわれは不安にたえない。あなたはこの協定に努力すると言っているじゃないですか。何もそういう一般論じゃありませんよ。この協定そのものには、「外交官待遇としての権利が与えられること。」と書いてある。それを向うは言っている。そんな抽象論じゃございません。
○鳩山国務大臣 ただいままでの答弁によって御了解をしていただきたいと思います。
○相川委員 総理大臣は非常に頭が明敏であられると思うけれども、今の答えは、どうもどこか横っちょの方に行っておって、こういうことではきわめて不安な感じを持ちます。そこで、外務大臣に今の問題について伺いたいが、あなたは、外交官待遇としての権利が与えられる通商代表部を置くことに努力なさいますか。
○重光国務大臣 今の総理大臣の御説明以上につけ加えるものはございませんが、なおこれをほかの言葉で私から御説明を申し上げましょう。私の考え方を申し上げます。中共との関係は。……。(相川委員「私の言うことに簡潔に答えて下さい、時間が惜しいから」と呼ぶ)簡潔に申し上げます。中共との関係は、これはたびたび申し上げております通りで、いまだこれを政治的に承認する時期には達しておらぬということを申し上げております。しかし通商関係は、承認とは離れて実益の問題としてこれは増進したという方針を持っておることも申し上げております。そこで、今問題になっておる通商代表部の問題でありますが、通商代表部を民間の代表部として貿易増進のために置くということは、私は承認の問題とは関係なくでき得ることだということも御説明を申し上げておきました。しかしこの通商代表部に外交官の特権を与えて、外交官、すなわち大公使館と同様な意味にこれを取り扱うということは、これはもう承認の問題にすぐ関係をいたすことでありますから、行き過ぎである。そうしなくても、目的としておる通商の増進ということは達成し得るのであるから、そこまで行く必要はないということを申し上げて御説明をした、こう記憶いたしております。
○相川委員 それでは何もこの協定に協力するということにはなりませんよ。そこで私は、ここは政府が非常にお困りの立場に立っておると思います。お困りになっておると思っております。私が何がゆえにかくのごときしつこい質問をするかと言えば、鳩山総理が重要な問題において軽率なる言動をなさらぬために言うことであります。結論はわかっております。そのために言うのです。自邸に来ればどういうものでもすぐ——このたびの問題につきましても、重光外務大臣との御相談はなかったろうと思う。あの代表者に対して、それでよかろうということは言うわけはないと思う。いやしくも一国の総理大臣が、こういう重大な問題について軽々に認めるようなことを言うことは、直ちにそれは大きな問題になりますよ。そういうことを総理大臣が言われないように、私は言っているのだ。総理大臣のその言動があったために、政府部内は大へんびっくりしております。四日の繰り上げ次官会議におきましてもこれは問題となって、ああいう協定に協力するとか支持するとかいうことになったら、政府の責任問題になって大へんだ、ゆえにこれを何とかせねばいかぬということで、根本官房長官は池田理事を呼ばれて、政府の見解を統一しておられる。これは隠れもない事実であります。そのときの見解の統一はどうなっておるかと申しますると、要するに、この貿易協定そのことに協力するということではなくして、協定を結ぶことに協力するというふうに話そうじゃないか、こういうことが要点のようです。そうして長官もその間すぐ鳩山さんのところに行って、それでよかろうとなっている。その際に、根本長官が鳩山さんの談話を発表しようかということになったけれども、議会において必ず質問があるだろうから、そのとき答弁を通じて所信を明らかにしよう、こうなっている。そこで、最初は、今までのこの委員会における質問に対しまして、この協定に協力するというようなことは決して言われなかったのです。協定に協力すると言わぬよう逃げておられた。ところが一昨日の田中委員の質問に対して、協定に協力するということを言われた。だから私は言っている。政府部内の苦しいことはわかっている。鳩山総理がこういう重大な問題について外務省と相談をされない。日ソ交渉についても、ドムニッキーの文書については、外務省は逃げ回って、この文書を受け取りたくなかった。そいつを、自邸に来ればすぐ受け取ってしまった。そうしてああいう問題を起している。今度も、鳩山総理はそういう甘い人であるから、外務省が聞かぬことはすぐ総理のところへ持っていけと、総理のところへ行ったら総理はよかろうと言った。そうしてすぐ鬼の首をとったように中外にそれを声明してしまう。かくのごとく鳩山総理という人はきわめて軽率な人であります。私は、最初に言ったように、鳩山総理が外交の問題についてぼかぼか言動されることが、日本の外交をどこに持っていかれるか、心配にたえない。これを言わんがために私はしつこく言っておるのです。反省を促しておるのであります。外務省の見解として出ておりますが、これを読み上げましょうか。協定に協力するということになってくれば大へんだ。そこで、もし協定そのものを承認するような形をとる場合になるとすれば——今認めると言われたが、認めることと承認とは同じです。協力ということは認めることです。認めて協力するとおっしゃったが、認めることと承認とは実質上同じですよ。そうなれば、外務省当局の解釈として、通商代表部を設置する場合は、国家承認を行なっていない中共に対しても一般国同様に外交特権を与えざるを得ないことになる。このため国民政府代表部との間に新たな問題が発生する。第二は、それのみでなく、外交特権を与えた場合はさらに、現在第三国を通じて行なっておる決済方式について、日中間直接方式に改めざるを得ないことにもなり、いまだ自由諸国家群中心の貿易をとっておる状態から、不測の事態を生ぜざるを得ない、こういうことを言っておるのであって、これは当りまえです。だから、私はそう外交問題で日本が困るような情報は受けていないけれども、いかにも鳩山総理が軽率な言動をやり過ぎて、いつも問題を起しておることを警告するために言っておる。ほんとうに総理の態度では心配でございますよ。私が最初、ルーズヴェルトのような失敗をなさるなということを言ったのは当りまえであります。(「大丈夫だよ」と呼ぶ者あり)大丈夫じゃない。(笑声)もう時間がありませんが、外国でも、今の鳩山内閣になってから外交についてへまばかりやっておるというとこを言っておる。ノイエ・チューリッヒャー・ツァイツングにも、鳩山総理という人は、交渉をやるときにカードを全部さらけ出してしまっておる、自分の腹の中を示すようなことをやっておるが、拙劣しごくな外交をやっておる、あまりしゃべり過ぎる政治家だと書いております。われわれ全く同感である。 ただこの際にもう一言聞きたいことは、先般この委員会において、あなたがうんとおっしゃった陳情団の要望書はこういうものだと言ったのと、一昨日田中委員の読み上げた要望書とは違っておりますが、どちらがほんとうでございましょうか。違っておりますよ。鳩山さん、どうです。よもやそんな違ったものはお出しなさらぬだろうと思うが……。
○鳩山国務大臣 議員連盟の諸君が提出せられた要望書はここにあります。それと日中の協定とはいささか違っているところがあります。だけれども大体において趣旨は同じだ、そういう答弁をここでいたしました。
○相川委員 これはあとの問題にいたします。今時間がなくて調べるひまがありません。田中委員が一昨日読み上げたのは速記録にちゃんとありますが、この要望書と、鳩山総理が、その要望書はこういうものだったからおれはうんと言われたというものとは明らかに違っておりますが、どちらがほんとうであるか。これはさらに当委員会において、どっちが正しいかということを調べて、新たに質問を展開します。もし田中委員の言った要望書というものが正しくして、政府の出された要望書が違ったものとすれば、われわれの質問をおそれてへんてこな態度をとったものと言わざるを得ない、これだけを申し上げておきます。 次に私が聞きたいことは、大体鳩山さんは施政方針の演説で共産党については自分は万全の対策を講ずる、決して怠るのではないと言っておられる。施政方針で共産主義国家と国交を行うことと、共産主義を受け入れるということは全然別個のことである、われわれはあくまで反共の態度を堅持いたし、民主主義擁護のために万全の対策を講ずる覚悟であると言っている。この反共の態度についての万全なる対策とはいかなるものをお持ちになっておりますか、これを総理に承わりたい。
○鳩山国務大臣 共産党がはびこらないようにする対策というものは非常に多種にわたると思います。けれども、それをただいま申し上げるのにはちょっと問題が大き過ぎると思います。
○相川委員 これは私があらかじめ警告しておきます。通商代表部を置きますると、ソ連の各種の委員がたくさん何百人と入って参ります。そうして通商のこと以外に、日本の秩序を紊乱するような行為、特定団体に巨額なる資金を投ずるような行為、国の防衛の機密を探知するような行為が必ずあり得ることが予見できます。そうしてこちらからそれに対して抗議を申し込めば、あれは政府機関ではない国際共産党の連中がやっているからこっちではできないと言うにきまっておる。政府はこの中ソとの友好をやられる、これはけっこうです。われわれもでかしたいと思う。しかしその貿易や親善をするとともに、共産党の日本の秩序紊乱行為だけははっきりと取り締らなければならぬ。鳩山総理は実に共産党を甘くお考えになって従って共産党関係の人は、鳩山総理のところに行けば何でもできると思って、政府筋に行かぬで鳩山さんの私邸に行くと何でもイエス、イエスと言うといって、それを使っている、おそるべき状態でございます。しかも鳩山さんの胸中にはこの対策が何も考えられていない、その熱意もない、これが非常に鳩山総理の施政について不安にたえないのであります。 その次に一言申し上げておきたいことは旧軍人関係の恩給の問題でございます。これは軍人関係者の要望と政府の財政とを考えて、今なかなか大きな問題になってきました。そこでこれについて、鳩山総理大臣はこの軍人の恩給問題をどういうふうにやったらいいか——これは大きな国家の問題でございます。これについて鳩山総理の御方針というか、そういうものを伺いたいのであります。
○鳩山国務大臣 軍人の恩給が文官の恩給と差異があるということはいい制度とは思いません。けれども、軍人の恩給を文官同様にするということは財政が許しません。それですから問題について解決を与えることは非常に難問であります。経済上の問題でありますから、大蔵大臣から答弁をしてもらいます。
○相川委員 経済上の問題だから大蔵大臣の方にという。これは大きな根本問題でございますがね。要するにこの問題がつい最近問題になっておりますことは、今のような恩給の精神で行くか、社会保障的な方法で行かなければ、これは財政上やっていけない、こういう一つの意見もある。総理自身はこれを従来のような線をたどって国家財政の許す範囲においてやっていくということにするか、あるいは思い切って社会保障的な制度の一環としてやるか、この御方針を一つ承わりたい。
○鳩山国務大臣 この問題はどういうような方法をとる方がいいかということはわかっていると思うのですが、どちらをとるかということは、やはりこれは経済問題だと思いますので、大蔵大臣が答弁するのが適当であろうと考えます。
○相川委員 これは軍人、遺族に対する総理の深い同情というか、理解がないお考えと私は拝察する。恩給の問題は経済の問題もありますが経済の問題だけではございません。先般川崎厚生大臣があるクラブにおいて、これは国家の負担が多くなるからして社会保障の一環としてでもやらねばならぬかというようなことを言ったということで、大きな問題になっておる。これは根本問題です。経済の問題ではございませんよ。これは社会保障の一環としてやるということはどういう社会保障か知らぬけれども、社会保障制度はたくさんありますから、おそらく生活保護法あたりと似たようなものじゃないかと思うのだ。ところが生活保護法というのは国民の最低生活を維持するために食えない人間に国がめんどうを見るという趣旨でございます。これは一般国民についての問題です。恩給の問題は一般国民に対する問題ではございません。国の命令によって、国を救うために戦場に行って自分の手足を失い、命を失い、遺族が今なお苦しい生活をしておる。国民全般に対する関係じゃなくて、国が使用者として被使用者を使ってそのために起きた損害でございますよ。従ってこれは方針の問題なんです。経済の問題じゃない。ここに現内閣が恩給問題について根本的に間違っておる点がある。全国の傷痍軍人、遺家族の方々は、鳩山総理大臣が単に経済問題とか、あるいは川崎厚生大臣が先般言ったような考えで、この軍人恩給関係について対処することは、まことに失望すると思います。これは根本問題なんだ。われわれは国家のために命を捨てた、手足を失った人に対してどうやるか。ただ一般の人があるいは道楽をしたとか、あるいは事業にしくじったとかして、生活困難になったのとは違います。今度民主党はこの恩給問題について公約に非常に遠い、まるで羊頭狗肉の策のようなきわめてわずかな増額をやっておられる。私これを見ますと、軍曹なんかの階級に対しては年額二百十円の増額でございますよ。二百十円というのは一日に六十銭。六十銭という金は現在どれだけの価値を持っておるか、ピース一本でも四円五十銭いたしますよ。八日か十日かからなければピース一本がのめない増額分でございます。これで現内閣は軍人、遺家族に対する公約を果したということは絶対にできない。遺家族に対しては代表者に七十億くらいの金を出すということを民主党で公約をしておる。今度出したのはわずかに四億です。それでこういうようなことは、結局今総理大臣や川崎厚生大臣のお考えのように、単に経済問題というふうな考えで、遺家族についての深いおもんばかり、同情がないからくることであります。私はけさの新聞を見まして実は非常に驚いたのです。鳩山内閣の友愛精神というものはこういうものかと思って私は驚きました。きのう鳩山総理大臣の自邸に全国の遺家族の代表者三十九人が総理にお目にかかりたいというわけで行ったのです。ところが総理はなかなかお帰りにならない。そこで何とかして総理にお目にかかりたい、それではお帰りになるまでといって天幕を張ってお待ちしておったのです。ところが総理大臣はそれがうるさいと思われたかどうか、今晩は帰らぬ、それじゃ徹宵ここにおろう、そうしたら九時半ごろひそかに裏門から入ってきた、こういうことが毎日新聞に載っております。多少の違いはありましょうが大体こういうことだろうと思う。そこで私は総理大臣に申し上げます。ほんとうに軍人の遺家族に対してあなたが深い思いやりがあるならば、なぜお会いなさいませんか。あなたが自邸においては一切公用の者と会わぬという原則をお立てになるならお会いにならないのもけっこうですが、しかし共産党のドムニッキーとお会いになっている。それから日中貿易の問題で、中共とかソ連とか、そういう赤がかった関係の者とはみなお会いになってよく話しておられる。ところがこういう痛ましい犠牲者に対してなぜお会いなさいませんか。ほんとうにそこにやさしい言葉でも出されれば、同じ日本人だからできないことを無理言うはずはない。できるだけそこを考えてくれたらいい。あなたに友愛精神がない。またきのうなんかも私見ていて実に憤慨しましたよ。思わず自席から発言しましたが、紫雲丸の遭難事件で大勢の子供とか婦人とかが犠牲になってあの痛ましい椿事を出した。洞爺丸でも大きなしくじりをした。これは何といっても政府の大きな失態でございます。これに対する政府の所信をわれわれが聞いたときの総理の御答弁はどうでございますか。まことに残念でございます。━━━━━━━━━━何ですか。━━━━━━━━のじゃない、政府が考えなければならぬ。こんなことはあなたが国定に要喫することじゃございませんよ。われわれは国民にかわって政府に要望しておるのです。それに対して政府がどうするかということだ。政府は実に相済まなかったということをなぜ一言言わないか。残念だじゃない、相済まぬと言わなければならない。鳩山総理のいわゆる友愛精神というものはいかにもお坊ちゃん式の友愛精神であって、そして人が来れば笑ってあいそよくすることが友愛精神じゃございませんよ。どうも鳩山さんのお気持を私は納得できない。 その次にもう一つ聞きたいことがある。
○牧野委員長 時間が参りました。
○相川委員 五十分まである。
○牧野委員長 五十分まではできません。もう自粛して下さい。 〔「やらせろ」「友愛精神だ」と呼ぶ者あり、(笑声)〕
○相川委員 最近政府は非協力の官吏を……。 〔鳩山国務大臣「委員長」と呼ぶ〕
○牧野委員長 答弁なさいますか。——鳩山国務大臣。
○鳩山国務大臣 遺家族の人に私は会わないとは言わないのです。一昨日はここで代表者の諸君に会ったのです。代表者の諸君が、私が話したことでは満足しないからまた会ってくれということでありました。その当時は、昨日はまだここにいたのです。ここに来れば会いますと返事をして当分ここで符っておったのです。ところがここでは会わぬというので延びたのです。そうしますと、私に会って、私が承諾をしなければ私のうちで絶食をしてすわり込むということを言われたものですから、それじゃ、うちじゃ迷惑だから、どうしてもあしたかあさっていつでも時間を作るからここかあるいは官邸で会いたいと言ったのです。官邸やここでは会わない、どうしても音羽で会うということでありますから、やむを得ませんから、きょうは時間の約束があって困るから、あしたは宅において八時半から会いましょう、そういうことになっております。私は断じて会わぬということは申しません。ただ先方も、イエスと言わなければ私のうちにすわり込んで断食するというようなことは言わないように、あなたもお知り合いがあるようですからお伝え願います。(笑声、拍手)
○相川委員 いかにも、私も大臣もやりましたし、それから知事もやりました。いろいろなことをなかなかみなの要望するようになせませんよ。しかし遺家族とかこういうものに対しては、あなたの真剣な気持の触れ合いがありますれば、何とかそこにいけるはずだ。あなたの今言ったような答弁でいけるものじゃない。あなたの真剣なる気持がない。そういうような折に加勢しろというべきじゃない。総理大臣がやるべきじゃないか。みな人に頼むとは何です。総理大臣が一人でやりなさい。(「質問しろ」と呼ぶ者あり)いや、質問してもこの総理大臣は的をはずすから、こちらの方は……。
○牧野委員長 それじゃ、ほかの大臣に……。
○相川委員 もう一つ質問します。きのう西村委員からもちょっと触れましたけれども、政府部内に政務次官を中心として政府に非協力なる役人は整理する方針であるということが新聞に出ておりました。しかもその起りが民主党の総務会においてこれを決定して、そして政府に申し入れた。民主党の政調から出たように考えられる。この事情はどうなっておりますか。鳩山総理は御存じでございますか。
○鳩山国務大臣 私は存じません。
○相川委員 だれかこれを……。 〔「官房長官が知っておる」と呼ぶ 者あり〕
○牧野委員長 官房長官は農林委員会に行っておるそうですから……。
○相川委員 ちょっと呼んでもらいましよう。
○牧野委員長 質問を継続して下さい。今官房長官は呼んでおりますから……。
○相川委員 私は来るまでは、持ち時間は……。
○牧野委員長 そういうことを言ってはいけません。昨日も何したように、きょうはできるだけ便宜を与えておるのですから。あとの要求があるから協調してください。
○相川委員 しかし答弁ができなければ困りますな。
○牧野委員長 そのくらいの質問はあとに回してもよろしゅうございます。
○相川委員 しかし鳩山総理は大方針だけはおわかりなんでしょうか。簡単なことだから……。
○牧野委員長 簡単なことですから、来たら答弁させます。他の大臣に御質問を継続していただきたい。大蔵大臣、建設大臣が出席いたしております。
○相川委員 それでは、これは私も時間が惜しいですから、私の希望を一つ申し上げたい。これは、こういう政治をするというようなことを大げさに宣伝をして、そうしてやるべきものではない。やるならひそかにやればいい。それから、これは政務次官なんかが中心になってやるべきではない。総理、そういうことを、あなたは日本の官界をどうしていくか、政党と官界の関係をどうするか、これについてどういうお考えか、まず聞きましょう。あなたは、日本の官界と政党とはどういう関係を持つべきと思いますか。これは抽象論でいい。
○鳩山国務大臣 官界と政党とはどういう関係を持つかというのですか。
○相川委員 さらに詳しく申し上げます。たとえば、はっきり申し上げましょう。昔、政党政治で、あなた方が議会を追放で離れる前、政党がかわりますればすっかり役人がかわってしまった。たとえば一番激しいのは、熊本県なんか、政友会内閣になれば、今度は全部民政党系の連中がかわる。民政党の内閣になれば、政衣会系がかわる。中央においてもそれに似たような現象が起っていたのです。そういうように、政党がかわれば役人も当然かわるべきものでございましょうか。これです。そうした方が政党内閣の政府に協力する態勢が徹底するとお考えになりますか。従って、それは必要と考えますか。
○鳩山国務大臣 そういう制度は望ましくはないと考えております。
○相川委員 それをお聞きすればこの問題は大体決定すると思うのです。ぜひ一つ、そういう昔の政党政治の悪弊に堕せぬようにしてもらいたい。これです、結論は。今のようなやり方をすれば、今度はあなたの方でどんどん非協力としてやる、今度は自由党が内閣をとれば、これは民主党的な者であるからと、これを非協力とする、社会党がとればまたやる、こういうような因をこの鳩山内閣がつくるのではないか、これを心配する。当然の問題ですが、私は国を憂えるから言うのです。そういうことはせないように、総理に一つしっかりやってもらいたい。これだけです。
○鳩山国務大臣 あなたのおっしゃる通りと思います。 〔「官房長官はどうした」と呼ぶ者あり〕
○鳩山国務大臣 官房長官はただいままだ参りませんが、官房長官が政務次官のところで話をしたという話はここに参っておりますが、官房長官の言った話は、政府の職員の人心刷新と能率増進のために政務次官も十分関心を持つように要望した、こういうことでありました。
○牧野委員長 相川君、ただいまので御満足になれますか。
○相川委員 満足しておきましょう。ただ徹底しているかどうかわかりませんがね。しかし鳩山総理の言明を信頼しまして、ぜひそうしてもらいたい。 そこで私、最後に、これは答弁は要りません。私は鳩山総理が、こういう病躯をひっさげて、痛々しい態度で政務をやっておられることは、まことに何だか痛わしく、あまりあなたに突っかかりたくない。しかしながら、あなたの態度はどうしてもこれは……(発言する者あり)黙っていなさい。今言ったような外交方針なんかでも、どこに持って行かれるか非常に心配でございます。むずかしいことは鳩山さんのところへ行けば解決するということで、おそらくこれから共産党の連中は、あなたの自邸に必ず参りますよ。そうして、外務省で聞かぬことはあなたのところに持って行けばよいといって持って行きます。おそらく共産党や極左の連中は、鳩山内閣がどうかおってくれ、そうして鳩山内閣を支持して行って、あくまで自分の勢力を伸ばそうという考えだと思っております。わかっております。大体あなたの共産党に対する認識は、私まことに心配にたえない。この間あなたは、共産党は今暴力革命なんかやろうと言っていないからこれは大丈夫だ、こういうようにおっしゃった。これはどういうふうにお考えになりますか。(「答弁は要らないと言ったじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、聞く。(笑声)
○鳩山国務大臣 かってより共産党は、暴力革命のことを考えていないと思っております。今共産党は、一歩後退の方針をとっていると思います。
○相川委員 それでこの、今は暴力革命を表面で言っておりませんが、共産党は永久に衆力革命をやらぬと思いますか。
○鳩山国務大臣 そういう先のことはちょっと言明を避けます。私にはわかりません。
○相川委員 共産労が暴力革命をやるかやらぬかわからぬというところに、鳩山総理の共産党に対する認識の甘さがある。共産党は、最後は暴力革命でございますよ。これは、世界赤化ということをやらなければ共産党は立って行かないのです。そのためには平和攻勢……(笑声)笑い事ではございませんよ。平和攻勢かなんかやっておりますけれども、それはそのときの情勢でやっておる。あなたは平和攻勢で暴力革命なんかやらぬというからこれでいいと思っている。これは大きな間違いですよ。おそらく共産党系の連中は、あなたをできるだけ利用して、自分の地歩を、日本にできるだけ強固なものをつくろうと考えているのですよ。そうして一朝客観情勢がいいときは、日本もソ連の本部の指揮を受けて暴力革命に入ってくる。そうした場合に、あなたなんか第一に血祭りにあげられる。(笑声)決してあなたに対する恩義も何も考えていない。まことに甘く考えていられる。私はこの鳩山内閣のやり方がいかにも心配にたえないのです。一昨日田中委員の質問は、非常にあなたを賞賛しておりました。あなたは賞賛されればすぐそうだといって力んで来て、一昨日なんかでも現に、あれは一年半くらいは絶対にやめないというようなことを言うておる。あなたの態度というものはしょっちゅうぐらぐら、ぐらぐらかわり、どうも心配にたえない。答弁は要らないです。
○牧野委員長 それでは午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕