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22回国会衆議院1955/03/24

本会議 第5号

発言数
26
登壇者
10
会派数
5
開催日
1955/03/24

会議録

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  一 日ソ並びに日韓交渉に関する緊急質問(福田篤泰君提出)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 本日の日程に掲げました緊急質問一ないし四を逐次許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって日ソ並びに日韓交渉に関する緊急質問を許可いたします。  なお、重光外務大臣はやむを得ない用務のため出席いたしかねるとのことでありますから御了承願います。(「大蔵大臣を出せ」と呼ぶ者あり)大蔵大臣は間もなく出席されるとのことであります。  福田篤泰君。     〔福田篤泰君登壇〕

福田篤泰自由党

○福田篤泰君 私は、自由党を代表いたしまして、日ソ交渉及び日韓交渉に関し、緊急にして重大なる諸点に関しまして政府の所信をたださんとするものであります。(拍手)  現在内外の注目を集めつつあるいわゆる日ソ交渉について、まず第一にお伺いいたしたいことは、政府は一体いかなる目的をもって対ソ交渉を行いつつありやという根本問題であります。政府のたび重なる言明によりますならば、日ソ間の戦争状態を終結せしめ、平和を回復するとともに、これと不可分の関係にありまするところの領土問題その他の懸案を解決せんことを日ソ交渉の目的としておるようであります。かつ、国民もそのように理解し、期待をいたしておるのであります。しかるに、相手のソ連側は、このわが政府筋の意向を伝えました共同、AP、UP等の報道に対しまして、タス並びにモスクワ放送等をもってこれを明らかに否定いたしまして、日本その他各国の新聞に日ソ関係に関する報道が載せられておるが、これらの報道はきわめて不正確であり、ゆがめられておるものであって、真のソ連側の考え方を誤解しているものである云々と申しておるのであります。また、あたかもこれを裏書きするがごとくに、日ソ交渉開始のきっかけと相なりましたいわゆるドムニツキー文書の中にも、日ソ関 係の正常化を目ざしてとり得べきもろもろの処置について意見を交換することは時宜に適する云々と述べておりまして、必ずしも国交調整自体について話し合いをしたいとは絶対に申しておらないのであります。従って、この重大なる交渉は、その開始前におきまして、すでに日ソ両国間にその目的について重大なる食い違いないし誤解ありと言わざるを得ないのであります。しかも、総選挙前におきましては相当の熱意を示しましたソ連が、今や冷静な態度に変りまして、わが方の予備交渉開始の提案に対しましてもいまだ何らの回答のないことは、本交渉に対するソ連の真の意図那辺にありやを疑わしめるものがあります。(拍手)このソ連の真の目的が、いまだきわめてばく然とした把握しがたい現状であるに対しまして、わが方だけが、あるいは交渉の場所はニューヨークであると了解するとか、または全権をだれだれにするとか、独断的に、ひとりぎめに大騒ぎをいたしまして、あたかもひとり相撲をとっておりまするかの観を呈しておりますることは、まことに奇妙千万と言わざるを得ないのであります。(拍手) 私は、現在一貫せる世界政策のもとに巧妙なる平和攻勢と日米離間の作戦に出ておりまするソ連は、つい数年前におきまして、かの太平洋戦争の末期に、日本の敗戦いよいよ確定的と見るや、突如日ソ不可侵条約を弊履のごとく破り捨てまして、わが国を攻撃して参りました国柄であるということを思いまするならば、かかる相手方と重大なる交渉に入らんとするに際しましては、十分慎重なる対策が必要なりと確信いたすものであります。(拍手)  そこで、鳩山総理及び外務大臣にお伺いしたいことは、日ソ交渉に対するわが方の目的は何であるか、すなわち、戦争状態を終結せしめまして、平和状態にもどすことだけを考えておられるのであるかどうか、または国交調整と不可分一体の関係にありまする領土権の回復、戦犯抑留者の釈放及び漁業権の問題等をあわせて解決せしめる、いわば現実的にわが国に利益をもたらす内容を持った国交回復を目的としておるものであるかどうか、さらに、ソ連側の目的、意図は果していかなるものであるか、これらの点につきまして、率直かつ明快なる御答弁をいただきたいのであります。(拍手)  また、昨年十月十二日の中ソ共同宣言は、日ソ国交調整の前提といたしまして、まずサンフランシスコ平和条約及び日米安全保障条約を日本側が清算し、アメリカと手を切ることをわが国に迫っておるのであります。ソ連は最近非公式にこの宣言の趣旨を幾分緩和してはおりまするが、これについて、政府は、ソ連側の正式、公式なる意向を確かめるつもりであるかどうか、または中ソ共同宣言と日米友好関係とは何ら矛盾なしという考えを持っておられるものであるかどうか、この点をお伺いいたしたいと存じます。  さらに、わが国の今日の外交政策の基本的立場はアメリカと最も緊密なる友好関係を保持することにあることは、政府もしばしば言明せられておる通りであります。しからば、日ソ交渉のごときアメリカにも甚大なる影響を及ぼす重大なる対外折衝を行う場合には、当然、アメリカに対しまして、まずもって緊密なる連絡を行い、相互に隔意なき意見の交換を行うことが、日米間に無用の誤解と不信とを生ぜしめずして、しかもソ連と平和関係に復帰する最も必要にして適切なることであることは、論を待たないところであります。果して、政府は、この対米工作ないし打診に関しまして、本交渉に入る前に、いかなる対策を講じ、万全を期したのであるか、さらにまた、万一かりにも事前の連絡打診を怠っておったとしたならば、政府の責任はきわめて重大であり、今後いかなる処置をもってこの二また外交のそしりを免れんとするのであるか、この点を明確に御説明いただきたいと思うのであります。  また、政府は戦争状態終結宣言の場合も考慮せられておるようでありますが、かつてドイツに対しまして行なった宣言の例、すなわち、単なる戦争終結の宣言のみであって、何ら実際的効果をあげ得なかった前例を考えてみまするときに、果してわが国は何ら実益を伴わない一方的な宣言でも政府は満足するつもりであるかどうか、はたまた日ソ両国の諸懸案の解決を前提としての宣言を期待しておられるのであるかどうか、さらに、もし幸いソ連側が領土問題の話し合いに応ずる態度に出て来た場合におきましては、鳩山総理は、すでに言明せられておりまする通りに、当然南樺太及び千島列島の返還を要求されるものであると確信いたしますが、総理の所信をこの際さらに明確にしていただきたいと存ずるのであります(拍手)また、総理が記者会見におきまして同じく言明されたことでありまするが、アメリカに対しましても小笠原諸島及び沖縄の完全なる統治権の回復を要求し、もって米ソ両国に対しまして、失われたるわが領土に対するわが民族の領土回復の悲願と要望とを強く主張される信念と決意とを果して今日でもお持ちであるかどうか、ここにその所信を率直に表明していただきたいと存ずるのであります。  次に、再開を予想せられる日韓交渉に関してでございます。本月九日、鳩山総理は、記者団との会見におきまして、李ラインの問題さえ片づけば請求権その他は譲歩してもかまわない、本交渉は一晩でもできることである云々と述べられております。一国の総理として、重大なる外交交渉に入らんとする前におきまして、かかる軽率なる言明をせられますることは、健全なる外交常識をもっていたしましては、とうてい理解することのできない暴言でございます。(拍手)果せるかな、アメリカ政府からは仲介のあっせんを拒絶せられ、在日韓国代表部も今日においてすでに漁業権に関しては妥協の余地全くなしと言明しておる状態であります。一体、政府は、わが国の水産界にきわめて重大なる関係を持っておりまする李ラインの問題解決につきまして、いかなる自信と対策とを有せられるものであるか、御答弁をいただきたいと存じます。  さらに、竹島は依然として今なお韓国軍隊の占領下にありまするが、かくのごときは、独立国として忍び得ざる侮辱であり、かつまたわが国平和に対する現実にして重大なる挑戦でありますが、自主独立外交を強く主張せらるる現内閣はいかにしてこれを解決せんとせられるか、その具体策を承わりたいと存ずるのであります。  以上鳩山現内閣の外交方針を検討して参りまするならば、そこに一貫した一つの特徴を見出し得ると思うのであります。すなわち、一国の運命を決定するほど重大なる外交問題に対しまして、総理並びに外務大臣、さらに与党間におきましては、常に意見の対立を来たして、その不統一を暴露するとともに、基本的な方策をあらかじめ何ら協議することなく、みずから勝手に外交交渉に入った後において初めて超党派外交を提唱するがごとき本末転倒の愚論をあえてし、常に外交を選挙用の宣伝のためにもてあそび、または内閣の人気取りの道具に利用いたしまして、(拍手)このため、外、友邦の疑惑を招いて、祖国の経済再建にも甚大なる悪影響を与え、内においては、国民の世論をまどわして、平和攻勢に利用される結果を招来しつつあるということが、現内閣の外交政策の特徴でございます。(拍手)かくのごときは、一歩を誤まらんか、一民主党、一鳩山内閣の失敗、失政にとどまらずして、実に国家百年の大計に累を及ぼすものであります。(拍手)この意味におきまして、以上申し述べました諸点について、総理大臣及び関係者大臣の明確にして具体的なる御答弁を強く要求いたしまして、私の質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 福田君の御質問にお答えをいたします。  日ソの交渉はいかなる目的をもってしておるのかということでありますが、たびたび申しますがごとく、両国の国際関係の正常化を目的としてやっておるのであります。(拍手)ソ連の意図がどこにあるのかわからないというので、何もソ連と交渉をしても得るところがないのであろうというようなお話でありましたけれども、現に今日の新聞をごらんになっても、戦犯がすでに帰って来るじゃありませんか。ああいうような事柄は、日ソの交渉を正常化せんとすることをやり出してからできたのだと私は思うのであります。(拍手)中ソの戦争終結の宣言あるいは中ソとの共同声明に対しての考えは、外務大臣から答弁をしていただきます。  沖縄、小笠原の統治権は、できるだけすみやかに返還してもらいたいと思っております。  それから、李ラインあるいは財産の放棄を——私が放棄してもいいということを申したように何か新聞に出ておりましたかしらぬが、私はそういうことを言った覚えはありません。  それから、竹島の問題についてもお話がありましたが、これらの問題は韓国との問題を解決する一環として解決すべきものと考えております。  以上をもって答弁といたします。(拍手)     〔国務大臣重光葵君登〕

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) お答えをいたします。  ソ連との交渉は、御承知の通り、日ソの関係が法律上いまだに戦争関係が続いておるということを正常化せんとする趣旨に出ておるものでありまして、これは、日本の外交政策はこれまでとも引き続いて平和外交である。平和を強化したい外交である。このソ連との関係において、法律的ではあるといっても、いまだに戦争状態が続いておるということは、これはやめなければいかぬ。すなわち正常化しなければいかぬ。これは平和を強化する政策に根本的に合致しておるもしのでありますから、これを遂行しようというのでございます。そのソ連の意図がどこにあるかということにつきまして、ソ連の東京における旧代表部から意思表示がありまして、その意思表示は御承知の通り日ソの国交を正常化したいということであります。その正常化したいということが果してソ連政府の意向、真意であるかどうかということを確かめなければいかぬ。それを正常な外交機関によって確かめた上で、ソ連の意向であるということでありますから、それについて意向でないというふうに考える必要はないのであります。(拍手)そこで日ソの交渉を始めることに相なったのであります。  まず第一にどこで交渉をするかということが問題になりまして、日本側は、国際連合、すなわち平和の殿堂ともいわれる国際連合の所在地であるニューヨークが最も適当であるということを向うに通じまして、そこで、先方すなわちソ連政府はそれに異存はないということでありますから、これからニューヨークで交渉を始める段取りになっておるわけであります。(拍手)これが現状でございます。  それから、日ソの関係を正常化するということが米国との関係に響きはせぬか。むろん御心配の点はわれわれも十分注意深く取り扱っておる問題であります。しかし、この決定は、日本すなわち日本政府が決定をするのであります。独立自主の外交を標榜しておる以上は、むろん日本政府がこれを決定するのであります。しかし、アメリカとの関係を十分考慮して、これらの点についてアメリカ側と十分接触をして、さような国交の正常化をはかるということについて少しも異論のないことを確かめておるわけであります。そこで、これからその談判が始まることと考えます。  それから、日韓交渉の点は、日韓関係は従来非常に悪くなっておりましたが、日韓関係をこれまた良好にしたいという双方の気持が鳩山内閣以来十分に了解をせられて、朝鮮においても交渉を始めたいということでありました。そこで、日韓の交渉は現に予備交渉を始めております。その予備交渉において、日本側の立場及び要求は十分にこれをいたさなければなりません。そうして、その交渉が開かれる段取りになりますれば、むろん従来の関係から漁業問題及び竹島の問題も考慮に上るわけでございます。さような点について目下できるだけ急速に妥結をいたしたい、こう思っております。  以上をもってお答えといたします。(拍手)      ————◇—————  二 原水爆貯蔵についての鳩山言明に関する緊急質問(細迫兼光君提出)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 原水爆貯蔵についての鳩山言明に関する緊急質問を許可いたします。細迫兼光君。     〔細迫兼光君登壇〕

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫兼光君 鳩山総理大臣、あなたは、去る三月十四日、外人記者団に対しまして、原水爆を日本に貯蔵することを認めなければならないだろうと発言をなさいました。この問題につきまして、私は、日本社会党を代表いたしまして、鳩山総理大臣並びに重光外務大臣に対しまして、以下若干の質問をいたそうとするものであります。(拍手)まず第一に、総理大臣はあの発言をはっきり取り消して、ここにあらためて、いかなる条件のもとにおいても、またいかなる仮定の上におきましても、アメリカ軍の日本における原水爆貯蔵には絶対的に反対する旨を明確にせられたいと、私はここに強く要求するものでありまするが、総理大臣にその意思ありやなしやをお尋ねいたします。(拍手)あなたは、その後、内閣記者団に対しまして何かと弁解をなさつておるようでありまするが、そんなことでこの重大な発言をもみ消すことはできません。それはすでに電波に乗って全世界に報道せられておりまして、国民の不安を解消することはできません。今日は、あなたに対しまして取り消しの絶好のチャンスを与えられたことをむしろ喜ばれて、(拍手)ここに明確にお取り消しなさいませ。  私どもは、あなたの再軍備論とあわせ考えまして、あの発言は不用意の間に法衣の下のよろいをむき出しにしたものと解釈しておる。あなたは、まことに危険な人物である。日本民族をみな殺しにすることを考えておる危険人物である。(拍手)今日もし原水爆を所有する国の間に戦争が起りますると、おそらく開戦三十分の間に敵の原水爆貯蔵基地に対しまして原水爆の攻撃が加えられるでありましょう。すなわち、今日原水爆の貯蔵を日本に許すことは、それは原水爆の攻撃を許すと同じであります。(拍手)原水爆の破壊力がどんなに強いものであるかは、あなたも知らないはずはありません。おそらく四、五発の原水爆によって日本民族は絶滅であります。朝鮮の休戦、インドシナの休戦で世界の緊張は緩和せられたかに見えましたが、今や台湾海峡の風雲はまさに急を告げております。一触即発であります。アメリカと蒋介石との間の相互防衛保障条約を知らないはずはありますまい。中国ソ連の防衛条約を知らないはずはありません。いわんや、アメリカは蒋介石の援助につきまして原子兵器を使用すべきことを公言しておるのであります。まことに事態は急迫かつ危険であります。よろしく、総理大臣は、この際心を入れかえて、あの発言をお取り消しなさいませ。取り消すか取り消さないか、明確なる御答弁を求めます。(拍手)なお、外務大臣に、この総理発言に対する御所感を一つ聞きたい。  次に、これに関連いたしまして、最近岩国の飛行場、小牧の飛行場などが拡張せられておるという評判を聞く。これは原水爆貯蔵の用意だという評判である。沖縄にはすでに原水爆が貯蔵せられておるというもっぱらな評判であります。そこで、現在日本におけるアメリカの軍事基地に原水爆の貯蔵があるのかないのか、また沖縄のアメリカの基地には原水爆の貯蔵があるのかないのか、政府はこれを調査したことがあるかないか、総理大臣と外務大臣の責任におきまして明確なる御答弁をお願いいたします。(拍手)次に、あなたは、原爆貯蔵の要求はまだアメリカからないなどと、しごくのんきにかまえておられまするが、将来一体日本政府並びに国民が知らない間に日本のアメリカの軍事基地に原水爆の貯蔵が行われるがごときことが絶対にないということを保証できますかどうか、総理大臣並びに外務大臣の責任ある答弁を求めるものであります。(拍手) 最後に、前々国会でありましたが、衆議院及び参議院は原水爆実験反対の決議をいたしました。これは全国民の熱望の結集であります。その趣旨は、原水爆を実際に使用することに絶対反対であるというこの考えに基いておることは言うまでもありません。あなたは、これを尊重し、これを遵守しなければなりません。しかるに、原水爆を日本に貯蔵を許すということは、これを日本の週辺において使用する準備を許すということであります。あなたの発言はこの国会の決議の精神に反すること明らかであります。(拍手)われわれは国会の決議に反する言動をあえてしました総理大臣の責任を追及してやまないものであります。(拍手)総理は果していかなる形においてこの責任をとろうとするか、その所信をお尋ねいたします。(拍手)   [国務大臣鳩山一郎君登壇]

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 細迫君の御質問にお答えをいたします。  原爆、水爆の使用問題は現実の問題でないということをまず明らかにしておきたいと思います。国民は非常に心配をしているでありましょうから、この点は仮定の上に発言したことであるということをまず理解してもらわないと気の毒ですから、現実の問題でないということをまず明らかにしておきたいと思います。(拍手)とにかく、戦争の防止、平和の維持ということを目標としてこの問題は考えなくてはなりません。もしも平和の維持、戦争の防止に必要があるならば考えてもいい問題ではありませんか。  (発言する者あり)もしということだけで戦争を誘発するというのならば、持たない方がいいにきまっております。いかなる条件でも絶対に持たないということを言明するということは時期が尚早であろうと思いますから、私にはその言明はできません。  沖縄に貯蔵しているかどうか。これは調査の道もないと思いますが、私はとにかく知りません。  国会の原爆実験反対の決議はもとより尊重いたしまして、実験には今日でも反対すべきものだと思っております。  以上をもって御答弁といたします。(拍手)     〔国務大臣重光葵君登壇〕

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。  原子力を平和の目的のために使用しなければならぬ、こういう点については、私は今総理の述べられたことと全然同感でございます。(発言する者あり)原子爆弾の貯蔵が今あるということは、どこからも報告に接しておりません。さような評判を私は聞いておりません。もしこのことが現実の問題になりました場合においては、これについて十分そのときに処理して差しつかえないと考えております。原水爆の実験は日本の利益を害しないようにしてもらいたいという考え方をもってこの問題に対処いたしております。(拍手)     〔発言する者多し〕

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 再質問を許可いたします。細迫君。     〔細迫兼光君登壇〕

細迫兼光日本社会党(左)

○細迫兼光君 総理大臣は、原水爆の使用は現実の問題ではない、仮定の問題だと申されましたが、しかし、あなたが仮定と思っておられるその姿、それが実は現実の姿である。北大西洋条約機構においては原水爆を使用するということを言うておる。また、台湾に出動しましたアメリカの航空母艦は原子兵器を搭載しておるとアメリカの電報は伝えておる。すでに、この今日の切迫しました国際情勢におきまして、原水爆の使用が最大の脅威として揚げられ、全人類を脅かしておるのが実相であります。これが現実である。この現実の情勢におきまして、原水爆を日本に貯蔵せしめることが、どんな条件のもとであろうと、どんな仮定のもとであろうと、そういうことは絶対に許してはならない。(拍手)岡崎元外務大臣は原水爆の実験に協力すると申しましたが、鳩山総理大臣はそれに一歩を進めておる。これは、もしそれが平和のために必要であるならばというような口実のもと——日本のアメリカの軍事基地、これは何のためであるか。すなわち戦争準備のためである。それに対する水爆の貯蔵を許すということは、これは原水爆戦争に協力するものである。実験のための協力どころではない。あなたの方が一歩進んでおる。現実の危険の中におけるあなたの発言は、だから非常に重大であります。明確にこれを取り消すがよろしい。はっきりその機会を今与えておる。  それからなお、重光外務大臣、あなたははなはだ怠慢である。今日、岩国の飛行場あるいは小牧の飛行場が拡張せられておる。その内容、何の必要によって拡張せられておるかというようなことは、これは合同委員会などによって、誠意があれば、おそらくはっきり調べられる問題である。これに何ら関与せずして、言いなりほうだいになっておる。これは、日本の国民の安全の責任を持つあなた方としては、はなはだ怠慢である。ただちにこれの調査に着手するがよろしい。着手する意思があるかないか、はっきり御答弁をお願いいたしたい。(拍手)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 総理大臣から発言がないそうであります。     〔「答弁々々」と呼び、その他発言する者多し〕

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 総理大臣は答弁するそうであります。     〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鳩山一郎君) 答弁をしないことによって紛争を来たすということは議会の権威に関しますから、それで出て来たのです。(拍手)先刻の答弁によって御理解を得たいと思います。(拍手)     〔国務大臣重光葵君登壇〕

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。私に関する御質問は、飛行場の拡張の問題をどう処理しておるかというお話でありました。飛行場の拡張の問題が現に懸案になっておることは事実でございます。これは行政協定の義務履行の意味において懸案になっておるのでございます。しかし、この飛行場の問題については、何らこれは原子爆弾の問題とは関係はございません。そのほかの、飛行機の関係で飛行場の拡張をしてもらいたい、こういうことで今交渉をいたしておるわけでございます。      ————◇—————  三 農業課税に関する緊急質問   (日野吉夫君提出)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 農業課税に関する緊急質問を許可いたします。日野吉夫君。     〔日野吉夫君登壇〕

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 私は、日本社会党を代表し、農業課税に関し緊急を要する部分に対してのみ質問をいたし、政府の所信をたださんとするものであります。  今次の選挙において、鳩山内閣は平年五百億の減税を、自由党は一千億の減税をそれぞれ掲げて選挙をやったのでありますが、人心を集めるのに減税の旗じるしを掲げるのは、いかに税金が重いかを示すものでありまして、それだけにまた国民が減税の公約に対して敏感であるとも言えるのであります。選挙終了後一カ月足らず、組閣後わずか五日、政局は日ごとに険悪化し、公約の不履行に対する国民の危惧と怒わがようやく高まりつつあることは、何人も否定できない現実と言わなければなりません。それは、あまりにも早く公約不履行の事実が去る三月十五日所得税確定申告に当って農村面に露呈したからであります。(拍手)しかも、鳩山内閣に対して支持を惜しまなかった農民、特に米作地帯の中農の間に起った問題だけに、問題の重要性があるのであります。減税の公約に大きな期待を持っておる農民に対して与えられたのは、前年に三倍、四倍もする大幅なる増税であったとしたら、農民の憤激も当然と言わなければなりません。(拍手)このことは、民主党に対しましても、大蔵省、農林省に対しましても陳情と抗議が来ておるはずだからよく御承知のことと思うが、減税公約の選挙の直後に起った事態として、われわれは全く了解に苦しむところであります。  政府は、かねての予想から、二十八年の所得税農家負担四十八億に対し、二十九年度は八十一億と推定しており、基礎控除や扶養控除を引き上げたにもかかわらず、凶作の二十八年より二十九年の農家所得が大いにふえるだろうとの仮定に立ったものである。しかるに、米作地帯においては想像以上に増税となって農家を驚かしているというのは、第一に、税務当局の二十八年度所得税見積りが、凶作のために実際以上に甘かったという考え方から、二十九年度は相当きつい査定が行われたということ、第二には、二十九年産米価は、基本価格の引き上げと奨励金の大幅縮小によって、特に供出完遂奨励金が基本米価に繰り入れられたことによる免税対象部分の減少の結果、全体として課税の見積り額が急にふえたこと等によるものであるが、その結果は、米作地帯において、所得税の決定額が前年に比し三倍となり四倍となってざらに出てきては、ゆゆしき大問題として農民の憤激を買うのが当然と言わなければならないのであります。(拍手)税務署の課税標準はいかに合理的に計算が行われているにせよ、一般平均農家の課税が三倍も五倍もはね上るということは、その取扱いに重大なる過誤があるものと考えられる。いやしくも減税を看板にして国民に信任を得た政府のやることとして、われわれの断じて納得し得ざるところであり、(拍手)一刻もゆるがせにできざる問題であることを、ここにあらためて指摘しなければならないのであります。政府は、かかる事態が米作地帯に広汎に起りつつある現実の事態に対し、所得査定の適正化をはかり、おびえる農民の不安を一掃するために何らかの措置を講ずる必要があると思うが、その用意があるかどうか、大蔵大臣、農林大臣より明確にこの点を伺っておきたいのであります。(拍手)さらに農業所得税、この控除制度に対しての詳細は予算委員会等に譲ることにいたしまするが、まず一つ、勤労控除の設定、専従者控除の適用、供米所得の非課税、山林所得の減税措置等の要望に対し、政府はいかなる考慮を払われるつもりか、供米制度に関連し重大なる関係を持つものとして、この際伺っておきたいのであります。  さらに、予定される予約買い上げ制採用の場合においても、集荷対策上、農業所得に対して特別の措置を講じなければ目標量の集荷が困難になると思うが、その具体的措置をいかに考慮しておられるのか、この点を伺っておきたい。  次に、所得税の増額は、これは直ちに地方税の増徴になることは既定の事実であります。農民負担の累年の状況を見まするに、国税の軽減に反比例いたして、地方税が年々増加の一途をたどっており、農民負担の軽減は地方住民税まで触れなければ全く無意味であると考えるが、政府は、この所得税の水増しによる三十年度の住民税の増徴に対し、いかなる所見といかなる対策を持つのか、この際伺っておきたいのであります。(拍手)さらに、緊急なる問題として、固定資産税について自治庁の長官に伺いたいのでありますが、税率を千分の十六から千分の十五に引き下げ、土地の評価を三%から四%に引き上げて、三百億の増税を見込んでおられるというが、土地評価の引き上げを必要とし、妥当なりと認定する根拠は一体どこにあるのか、この点をまず明確にしていただきたい。政府は、減税とともにデフレ政策の堅持をも約束し、物価の引き下げを主張しながら、収益の伴わざる農家所有の土地家屋の評価引き上げの水増し増税を敢行することは、全く不可解なことである。百姓とゴマの油はしぼればしぼる程出るという徳川財政の観念をもって、一切のしわを農村に寄せようとしているとしか考えられないのであります。イソップ物語にある、池のはたで石を投げる子供のごとく、諸君はおもしろいかも知れないが、石の当るカエルの身になれば死か致命傷である。少しは現実に税を負担する者の立場にも立って考えてみてもらいたいというのが、農民の悲痛な叫びであるということを銘記すべきであると思うのであります。(拍手)自治庁が府県並びに大都市に指示を与えていることは、全く公約を裏切るものと言わなければならない。ことに、この指示は、町村に下げられる場合、幾多の問題を引き起しており、今地方選挙とからんで重大化せんとしておるが、この緊急事態に対しいかなる施策をもって臨まんとするか、この点を一つ明快に伺っておきたいと思うのであります。さらに、その不合理の是正と特別減税への考慮をいかにされるか。  要するに、政府の五百億減税、今年度三百五十億というのは、その正体は、預金利子、配当所得、所得税、法人税等であり、酒の造石のために玄米二十万石をもって、二級酒の酒税百六十八億、砂糖消費税百億、いずれも大衆課税として勤労大衆に転嫁される。ことに重大なる考慮を要する問題は、吉田内閣でさえしばしぱ免税してきた農民の供出完遂奨励金に課税して、結局減税とは名のみ。さらに、地方税において住民税、固定資産税等四百二十億をもくろんでおると見られるから、減税どころか、はなはだしき負担増の結果となるのであります。(拍手)配当所得と預金利子の税を減じて資本の蓄積をはかるが、それは財政投融資として独占資本に奉仕し、一方、酒、砂糖等の消費税を増徴し、大衆に転嫁し、農民に所得税、地方税、固定資産税等の重課をする。これが民主党の減税公約の内容だとするならば、独占資本擁護の本質と、悪質なる選挙目当てのから宣伝にすぎなかった正体を暴露したものと断せざるを得ないのであります。(拍手) 選挙後いまだ一カ月もたたざるに、国民に対する公約違反が露呈し、鳩山ブームは今や四面楚歌の声に変らんとしているのであるが、この事態収拾をいかにするのか。果して続出する公約違反の収拾策ありや。もしありとするならば、この点を伺いたいのであります。  かくて、選挙後旬日ならずして国民に対する公約にそむき、農民の切なる要望を無視するがごときことあらば、当面の供米集荷も、来年度実施せらるる予定の予約買い上げ制も、農民の反撃と非協力の前にくずれ去るであろうことを警告せねばならないのである。さなきだに疑獄、汚職により国民の納税観念に大きく動揺を起しつつあるとき、事態収拾の特段の配慮を怠り、かかる納税不安を放置するならば、重大なる国家的危機と言わなければならないのであります。アメリカの農民が、一九五三年十一月、ウィスコンシン州において、アイゼンハワーの農民保護政策の公約違反を鳴らして、あの有名な緑の反乱という農民一揆を企てたことにより支持価格買い上げ制を獲得したことは、人のよく知るところであるが、わが国の農民もまた、この公約無視に対して、緑の反乱を起さないとだれが保証できるであろうか。われわれは、政府に対し反省を求めるとともに、重大なる是正のための警告を発しておくものであります。  かかる意味において、政府は以上の諸点に関し大英断減税公約実施のための誠意ある答弁をいたされんことを望むものであります。(拍手)     〔国務大臣一萬田尚登君登壇〕

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○国務大臣(一萬田尚登君) ただいまの御質問にお答えを申し上げます。  二十九年度の農業所得に対します所得税が二十八年度に比べて増加いたしておることは間違いないのであります。それは、二十八年度におきまして、御承知のような大へんな風水害がありまして、農業所得が非常に滅っております。これが二十九年度ではそうではないのであります。それからまた、二十九年度の産米につきましては価格を引き上げております。そういう関係からいたしまして農業所得がふえております。従いまして所得税がふえてきておる、こういうふうになっておるのであります。しかし、そういうふうにふえましても、急にふえると、税を納める方からしますと、いろいろと困難があるのであります。ですからそういうふうな点をも緩和いたしますために、徴収猶予制度を活用いたしまして、特に多い向きに対しましては五月三十一日まで納めるのを延ばしていく、かような扱いもしております。また、肥料代金等につきましては、時にこれは経費といたしまして、税を査定する上に考慮を加える、こういうふうにいたしまして、今お話がありましたように、むろん税は納めていただかなくてはなりませんが、同時にまた、税を納める方のお立場もできるだけ考えまして公平にとる、こういうふうにいたしておるわけであります。  それから、消費税を一方で増収するから減税はおかしいじゃないか。  これは、消費税も安くする、直接税も安くする、それができれば、ほんとうはこれに越したことはないのであります。しかし、今日われわれ同胞のうちに大へん苦しい人があるということを常に念頭に入れておかなくてはならぬ。そして、まずそういう苦しい人に手を差し伸べる。これは私は今どうしてもとらなければならぬ政策と思うのであります。それをやりますために……(発言する者あり)それをやりますために、ここにおいて、酒につきましては、密造なんかありまして、陰でたくさん酒ができておる点もありますので、相当これをふやしてもそれほど悪くない、そういう社会悪的なものもなくなる、同時に税の増収もできる、そしてそれをいわゆる社会保障の金に回していくということになれば、まあ日本の現状ではがまんをしていただかなくてはならぬのではなかろうか、かように考えておるわけであります。  大体私の答弁はこれで終ります。(拍手)     〔国務大臣河野一郎君登壇〕

河野一郎日本民主党農林大臣

○国務大臣(河野一郎君) 大体は、ただいま大蔵大臣の御答弁になりましたことで御了承いただけると思いますが、ただ一点つけ加えておきますことは、御承知の通り、農村の個々の事情におきましては、だいま日野さんのお示しになりました通りであります。しかし、これは何といたしましても、全国的にどうであるとか、ないしは税率を動かしたのでないことは御承知の通りであります。要は、昨年の農産物の収穫が一昨年と違いがあったということが部分的に起っておりますることからして出ておるのでございますから、この点は、決して私たちの選挙の公約云々の問題ではないことは御了承いただきたいと思います。どうか、そういう意味におきまして、御希望の点につきましては十分善処いたしたいと考えておりますから、御了承いただきたいと思います。(拍手)     〔国務大臣川島正次郎君登壇〕

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○国務大臣(川島正次郎君) 固定資産税の課税標準とすべき価額は、毎年一月一日現在の時価によるということがはっきり法律に定められているのであります。土地の価格は他の物価に比しまして最近著しく上昇をいたしております。しかし、一挙に課税標準類を引き上げることは納税者の負担に激変を与えますので、順次これを引き上げながら時価に近づけていくことが適当だ、かように考えるのであります。本年の時価は、昨年に比べまして、田において五七%、畑において六一%上昇いたしております。これに対しまして、昨年十月、吉田内閣時代におきまして、自治庁から府県に指示いたしまして、大体二八%の上昇でとめる、こういうことに相なっているのであります。なお、土地の評価につきましてはかように増加いたしておりますけれども、一方におきまして、税制の改正によりまして千分の一五もしくは一四、かように下げて参りましたので、若干負担はふえますけれども、全体の固定資産税の総額といたしましては異動がないということを御了承願いたいのであります。(拍手)      ————◇—————  四 最近の対米折衝に関する緊急質問(石野久男君提出)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 最近の対米折衝に関する緊急質問を許可いたします。石野久男君。     〔石野久男君登壇〕

石野久男小会派クラブ

○石野久男君 対米折衝を明らかにすることなくして、日本の政治経済を何一つ明らかにすることができない。これが現代日本の悲劇であります。さきの選挙において、自主外交を言い、完全独立を唱え、また明朗なる政治をうたった鳩山内閣にして、真にそう考えるならば、以下の諸点について率直明快にお答え願えると思うのであります。国民とともにそう期待して、私は質問に入りたいのであります。  第一の質問は、いわゆる防衛関係のことであります。防衛分担金並びに防衛費は今日国家予算の最重要費目となっており、毎年日本の政府はこれについてアメリカと相談し、その承認を得て初めて予算を編成しているのであります。三十年度予算について鳩山政府は現在その折衝をやっているのであるが、明朗なる政治を口にする現政府に、私は今日までの折衝経過を明らかにしてもらいたいと考えるのであります。伝えられるところによると、三十年度防衛費に関し、アメリカはベーシック・フィギュアとして九百億円を主張しており、また防衛庁当局は九百五十二億円を要求していると聞いております。本年度防衛費は節約後で約七百四十億円であるから、前者の場合約百六十億円、後者の場合約二百十億円ふえることになります。さきに、政府は、選挙公約として、防衛関係費は本年度の額以内にとどめると言ってきたのであるから、防衛費の増加分だけ、どうしても防衛分担金から削減しなければならない勘定になります。しかるに、去る五日羽田を飛び立ったアメリカの国防次官補ヘンゼル氏は、日本の防衛努力は不十分きわまると、きわめてふきげんに語り、日本の場合は国民所得の四ないし五%ぐらいは防衛関係費に充てるべきだと言っております。これは三月六日の日本経済新聞の伝えるところであります。もしこの記事にしてうそでないならば、防衛分担金の減額は非常に困難であると見なければならない。政府は果して減額の成算を持っておるかどうか、どれくらい減額を要求しておるかどうか、また、どのような根拠、理由をもって、また条件をもってアメリカに対してそれを要求しているか、ここで明示していただきたいのであります。同時に、現在までのところ、アメリカはどのようにこの政府の要求に対して回答し、またどのような態度をとっているかも明らかにされたいのであります。  さらに、政府は、しばしば防衛分担金を削減して住宅建設に充てるとか、社会保障に充てるとか言ってきたのである。これは選挙公約にもなっている。ところが、最近において、それは防衛費に回すように言っております。これはいずれが政府の方針であるか、明らかにしていただきたいのである。減額が実現しないとすれば、また、もし若干の減額が実現するとして、それを防衛費に回すとすれば、一体住宅などの選挙公約はどうなるのか、この点もあわせて明らかにしてもらいたいのである。  さらに、この際原水爆に関する対米折衝に関してお聞きしたい。昨年末、北大西洋条約機構の理事会が、そのいわゆる戦略態勢を原爆の重点使用に切りかえる決定をしてから、原子・水素兵器を正当化するような宣伝や呼びかけが、アメリカを先頭に系統的に行われております。アジアにおいても、さきのSEATO会議が原子力協力機構について協議したことや、台湾問題に関してダレス氏が、いわゆる新型精密兵器の使用も辞せずと言い放ったことやにそれが現われております。さきに第一次鳩山内閣の大村防衛庁長官が原爆を保有して原爆には原爆で応戦する云々と言明を行い、また最近鳩山総理はみずから原爆の貯蔵に賛意を表したことは、先ほどの細迫議員の質問にもあった通りである。政府は、防衛関係費をめぐる対米折衝において、何らかの重大なこのようなことに関する取引を行なっておるのではないかどうか、率直に答弁をしてもらいたいのである。  第二の質問点は、中国通商使節団の来日に際して、アメリカは政府と業界に圧力を加えてきております。すなわち、三月六日の各紙は、中国との取引商社に対しその在米資産を凍結し、または中国原産物資の再輸出を禁止する旨日本政府に通告したと伝えております。また、先般来日したFOA長官スタッセン氏は、東京で、中国貿易は好ましくない旨を公然と語っておる。この辺の真相について政府の答弁を承わりたいのである。政府の答弁のいかんにかかわらず、有形無形のアメリカの言動は、現実にわが業界に影響を与えております。中国使節団を歓迎するに当っての業界の動きに見てもこれは明らかであります。しかも、政府は、全くこれを放置しておる。国民はそう見ておるのである。政府は、一体、中国使節団の来日をアメリカと同様好ましくないと見ておるのかどうか、日中貿易協定の締結を歓迎しておるのか、迷惑と考えておるのか、日本業界と国民の要求を守るために現実にどのような援助を与えておるか、特に日中貿易の拡大は政府、与党の選挙公約でもあるから、はっきりと答弁を願いたいのである。  第三の質問点は、ソ同盟との国交回復問題に関するアメリカの圧力について、政府の態度を聞きたい。ソ同盟政府は日ソの二国間で話し合えば交渉は成功するに違いない旨言明しておると伝えられておるが、この点、政府はどう考えておるか。話し合い場所として、東京もしくはモスクワを選ばないで、なぜニューヨークを選んだかについても、はっきりしてもらいたい、鳩山首相は、先般、日ソ話し合いには広範な領有権を主張する旨を記者団に語っておる。この鳩山談はアメリカ政府筋によって歓迎され、千島の日本領有が実現すれば、べーリング諸島からフィリピンに至るアメリカの防衛線に新たに千島が加わることになる旨を漏らしたと、最近の外電は伝えております。もしそうなれば——そうなることは、実は、今日の日本国民、いな、世界の常識のようになっておる。こういうような態度で、果して日ソの話し合いが円満に進むと考えているかどうか、一体、政府は、ほんとうに日ソ国交の回復を希望しておるのか、それとも、単なる選挙のから公約としてこの問題を打ち出したのかどうか、明らかにしてもらいたいのであります。  最後に、政府は最近アメリカに特使を送るやに聞いておるが、人選と時期並びにその任務、使命について、何をしに、どのような成算に基いておいでになるのか、お伺いいたしたいのであります。たとえば、中国貿易について、国際貿易促進協会が要求しておる品目の制限解除くらいは持ち帰って来る成算と覚悟があるのかどうか。  常に秘密と独善を排除することを口にしておる鳩山首相以下の各閣僚に、以上の諸点について誠意ある御答弁をお願いして、私の質問を終ります。(拍手)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 大蔵大臣一萬田尚登君。——大蔵大臣からは発言がないそうでございますから、外務大臣重光葵君。   [国務大臣重光葵君登壇〕

重光葵日本民主党内閣総理大臣臨時代理・外務大臣

○国務大臣(重光葵君) まず対米交渉の点から御答弁申し上げます。防衛関係は、日米共同防衛の責任から来る米国との交渉でございます。これにつきましては、防衛総予算、総経費を今年度のわく内にとどめんとするその目標をもって目下交渉していることは事実でございます。その交渉は遠からず妥結を見る見込みでございます。今御質問の、その減額分をいかに使用するかについては、今後の交渉にも属することでありますから、これは今はっきりと言明することはできないのでございます。  次に、中国貿易使節団の来日については、中共地区との貿易を国際義務に反しない限りにおいてこれを増加したいということは既定の方針でございますから、その方向に向って進んでおります。  今お話の貿易使節の問題でありますが、貿易使節の来日は、これは貿易関係を増進するためにけっこうなことであると思っております。そこで、旅券のことも、もう解決をいたしております。しかし、この使節団はわが民間団体との交渉を目的とするものである、いうことも明らかになっておる次第でございます。  それから、日ソ交渉について御質問がございました。日ソ交渉の正常化を進めるということについて、交渉がまさに始まらんとしておるのでありますが、これは、私は、誠実にやって行けば、必ず好結果を得ることと、こう考えております。  対米特使の問題については、まだ成案を見ておりません。いまだそういうことは考えに上っておりません。  これをもってお答えといたします。(拍手)

益谷秀次自由党議長

○議長(益谷秀次君) 他の国務大臣からは発言がないそうであります。  明二十五日は定刻より本会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時二十二分散会

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