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22回国会衆議院1955/07/30

貿易振興に関する調査特別委員会 第15号

発言数
32
登壇者
7
会派数
4
開催日
1955/07/30

会議録

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 これより会議を開きます。  貿易振興に関し調査を進めます。  この際山本勝市君より発言を求められておりますので、これを許します。山本勝市君。

山本勝市日本民主党

○山本(勝)委員 この際決議案を提出いたしたいと存じます。  まず、決議の案文を朗読いたします。    対共産圏輸出制限緩和に関する決議(案)  貿易の伸長を絶対の必要とする日本経済の現状にかんがみ、ソ連・中国等共産圏に対し、直接兵器にあらざる一般平和物資については、大幅に輸出制限を緩和せられるよう、政府の速かなる措置を要望する。   右決議する。  以上の決議案に対しまして、何とぞ委員各位の御賛成あらんことを希望いたします。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 ただいま山本勝市君より提案されました対共産圏輸出制限緩和に関する決議案に関し、何か御発言ありませんか。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ただいま山本委員から御発議の決議案は、時節柄まことに妥当適切なものとして、賛意を表する次第でございます。  特に、四巨頭会談のあとを受けまして、英国のイーデン首相は東西貿易の拡大のために一段の努力を重ねねばならぬという旨を強調し、フランスの首相もまたこれに賛成し、アメリカ上下外交両委員長も同じ趣旨のことを強調しておるような次第でございまして、最近の国際平和に対するアイゼンハワー大統領の演説は、あたかも社会党党首の演説を読むかのごとき観があるぐらい、平和の機運は世界にほうはいとしてみなぎって参っておるのでございます。さらに、先般政府当局の説明によりますと、いわゆる自由諸国から共産圏への輸出の総額は、すでに昨年度の実績において十七億二千万ドルをこえておる。そのうちで日本の占める輸出の額はわずかに二千四、五百万ドル、これではあまりにも日本の立ちおくれははなはだしいと思います。特に日本は、貿易に依存する国ですから、全世界と貿易を拡大せねばならず、ひとり中国といわず、アメリカ、中南米、豪州または東南アジア、中央アジア、アフリカ等の諸国と協調し、貿易を拡大せねばなりませんが、特に北アジアなかんずく中国との貿易は旧来の歴史的関係から見てきわめて重要でありますので、欧州諸国が今や東西貿易の拡大に対して一段の努力を重ねようとするときに、これと相呼応して日本としては特に中国向けの輸出の制限の緩和を強調することが必要だと思います。  本決議においては、昨今の国際情勢と日本における貿易の伸張を絶対に必要とする痛切な現実の必要から見まして、ソ連、中国等の共産圏に対する平和物資の輸出一般を適当に緩和せよという趣旨でありますが、具体的手順としては、それと並行いたしまして、少くとも即時中国向けの輸出をソ連並みにする、そしてソ連向けの輸出もまた西欧諸国と同様に緩和されていく、その輸出の制限が直ちに中国にも同様に取り扱われるように、こういうふうに進むことが、私は日本の実際の必要から見て適切なことであると思います。  このような趣旨におきまして、本日の提案に対して私どもは全面的に賛成いたし、決議を決議として終らしめず、政府は直ちに必要なる調査を行い、必要なる人をパリに派遣し、必要なる外交的手段をおとりになることを要望する次第でありましで、この決議を委員長並びに理事各位から、通産大臣のみならず外務大臣並びに総理大臣に提出して、十分に納得し了解していただくことを切に要望する次第でございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 社会党を代表いたしまして、ただいま提出されました決議案に賛成の意見を申し上げたいと存じます。  本決議案にわれわれは賛成をいたしまして、今後共産圏との貿易の伸張を希望するものでありますけれども、しかし、これは、従来行われております対米貿易、台湾貿易、東南アジア諸国の貿易等に関しましては従来以上の発展を希望するものでありまして、この決議案が上程せられますことによって、何らわれわれは片寄った貿易を希望をいたすものではないのであります。むしろ共産圏に対して閉ざされたものを開いて各国並みの自由な立場ですみやかに貿易のでき得るようなことこそ、私たちの念願であります。従って、そういう意味におきまして、この提出せられました決議案に対しましては、われわれも大いに賛成をいたしまして、今後政府においても、この決議案の趣旨にのっとられまして、すみやかに適当な措置をお願いいたしたいと思うのでございます。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 別に御発言はありませんか。−御発言がなければ、ただいまの対共産圏輸出制限緩和に関する決議案に対し賛成の諸君の御起立を願います。   〔総員起立〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 起立総員。よって本決議案は全会一致をもって可決されました。  この際ただいまの決議に対しまして政府の所見を求めます。政務次官島村一郎君。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○島村政府委員 ただいまの御決議に対しましては、先般石橋通産大臣からもはっきりお答えを申し上げたと存じますが、繰り返して申しますと、この御決議の御趣旨の方向に沿いますよう、私どもは努力して参りたいと存じます。さよう御了承願います。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 この際お諮りいたします。ただいま決定しました決議を議長に提出するとともに、関係当局に参考まで送付いたしたいと存じます。その手続に関しましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 御異議なければ、さように取り計らいます。     —————————————

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。本委員会は、去る五月十七日、貿易振興に関する調査をなすため、院議をもって設置されましたので、自来鋭意貿易振興に則する各般の調査を進めて参った次第でありますが、いまだ調査を終了いたしておりませんので、閉会中も継続して調査を進めたいと存じます。それがために、国会法第四十七条第二項の規定によりまして議院の議決による付託を要しますので、本委員会といたしましては、貿易振興に関する件を閉会中の審査案件としてあらかじめ議長に申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 御異議ないものと認めます。さように決定いたします。     —————————————

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 なお、閉会中審査案件が院議により本委員会に付託になりましたならば、その調査の方法として、委員を派遣して現地の実情を調査する必要も起るかと存じますので、委員派遣及びその手続等につきましては、委員長及び理事に御一任願い、議長にその承認申請をいたすに御異議ありませんか。     —————————————   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 それではさように決定いたしました。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 次に、請願の審査に入ります。  本委員会に付託されました請願は、本日の日程に掲げてあります通り一件であります。まず紹介議員の説明を聴取いたし、次に政府当局の所見を求めます。  それでは、対中共輸出制限解除に関する請願を議題にいたし、紹介議員より説明を聴取いたします。山本勝市君。

山本勝市日本民主党

○山本(勝)委員 紹介議員の池田正之輔君が出席されておりませんので、私がかわって請願の趣旨を説明いたします。  本請願の要旨は、産業界は政府の諸施策により着々復興しつつあることは喜びにたえないが、いまだ多くの生産余力を持ちながら市場狭隘のために縮小生産を続けている現状である、特に先般来日した中国貿易代表団が、わが国産諸機械の購入を希望したが、これら品目の輸出入は制限されているため、貿易が成立できなかったことはまことに遺憾である、ついては、日本産業発展のために、これらの輸出制限品目を解除し、すみやかに対中共貿易が実現されるよう、特段の措置を講ぜられたいというのであります。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 それでは、ただいまの請願に対し政府当局の所見を求めます。島村政務次官。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○島村政府委員 ただいまの請願の要旨を拝聴いたしておりますと、先ほど御決議になりましたあの御趣旨と大同小異であろうかと思います。先ほども申し上げましたが、重ねて申し上げます。御趣旨に沿うように努力いたすつもりでございます。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 以上、本請願に関する政府の所見は終りました。  これより採決いたします。本請願の趣旨はすべて妥当と認められますので、採択の上内閣に送付すべきものと決定いたすに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 御異議ないものと認めまして、さように決定いたしました。  なお、右請願に関する委員会報告書の作成並びに拠出手続などにつきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。     —————————————

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 次に、帆足計君より発言を求められております。これを許します。帆足君。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 本日は委員会も最後でございますので、一、二の問題をお尋ねし、かつ要望しておきたいと思います。  第一は、外務省当局に対してですが、本日対ソ連圏の輸出入統計の数字をいただきました。これによって見ますと、共産圏全体に対しては自由諸国から十七億二千万ドルも輸出をしております。実に大きな金額と言わねばなりません。  ただし、この書き方が全ソ連圏と書いてありますが、私はこういう書き方はどうかと思うのです。外務省としては、共産圏と書くのはいいのですが、中国をソ連圏という言い方は多少勉強不足じゃないかと思うのです。こういうことは小さいことですけれども、こういうところに外務省当局の勉強不足というのが現われております。語学の勉強にお忙しかったためや汁を得ないでしょうけれども、語学というものは、単なる技術にすぎませんから、勉強の中に入れないで、そうして学問というものは、現象を正確に把握し、材料を緻密に至るまで穿入し、これを正しく分析し、現実の認識に徹することが必要ですが、これは、書くならば、共産圏と書くべきものだと思うのです。東欧諸国をソ連圏というのは、俗論でありましょうけれども、これは私は一つの常識論として多少まだ通用すると思います。中国に対しまして中共という呼称は、中国共産党ということの省略か、中葉人民共和国の共をとったのか。これもやがては外務省として言葉を統一しておいた方がいいじゃないかと思うのです。  それから、中国向けに三億七千二百万ドルの輸出が行われておる。日本の昨年度の中国向けの輸出は二千万ドル程度だったと思いますが、一割にも満たないという状況ですから、輸出振興のためもう少し努力せねばならぬじゃないかということが、この数字をもってたなごころをさすがごとくわかると思います。どう、同僚議員諸君の意見を総合して考えましても、外務省のこの問題についての認識が足らず御努力が足らないというのが一般の定評のようですから、もう少し国際情勢の流れを洞察されて、そうして戦争というものがだんだん人類から遠ざかっていくとすれば、かわりに貿易をもって国を立てていかねばならぬわけですから、どこの領域に対しても貿易について一段と御努力願いたいと思います。また北アジアとの貿易はきわめて重要ですけれども、日本の立地条件からしますと、東南アジアの貿易もこれに劣らず重要でありまして、こちらの面に対しましても経済友好使節を送るとか、それから御承知のように東南アジア諸国は長い間植民地として苦労した国々ですから、今日の平均の政治的動向から見ましても、あるいは保守党と社会党の中間くらいのところにあるわけですから、これは与党、野党協力しまして、東南アジア諸民族との間に相互の理解を深め、友好平和の空気を一そう濃厚にすることが、貿易振興のための必要であると思いますので、一段と外務省当局並びに通産省当局においては御努力願いたいと思います。  それから、時間もございませんので一緒にお尋ねいたしますが、今般中国から五万トンの大豆を輸入いたすことになりました。各般の折衝に適切なお骨折りを願ったと聞いておりますが、将来引き続いて大豆を輸入するということになりますと、これは純粋の経済競争の見地から行われてしかるべきものだと思います。もちろん見返りの輸出の問題等を貿易振興の観点から多少考慮に入れること等は必要でありましょうけれども、原則としては品質と価格、すなわち純粋の経済的考慮からなされなくてはならぬと思います。それにつきまして大豆の規格の問題ですが、国際的に産地による規格の著しい格づけがかりにないといたしましても、実際問題としましては、日本の現状において、使用価値の面から中共大豆とその他の大豆との間に使用価値の相違が客観的にありまして、特に食糧用のものにつきましては七、八%くらい有利であると購買者の側から言われており、油に使いますものも豆の大きさがそろっておるとか、ごみが入っていないとか等のために、二、三%は少くとも有利であるというようなことも聞いております。この問題につきまして、私は、経済専門家並びに技術専門家の意見を徴しまして、全然両方の大豆の格づけが同じであるとするのは私は無理であろうと存じますので、至急専門家の意見を御聴取になって原則をおきめになったらいかがかと思います。そうでありませんと、大豆の値段を相手方がきめますのにも常に規格の差を考慮に入れてきめるということになれば、そのメリット換算率をどのようにするかによって値段に違いができるわけですから、今後純粋の経済考慮に基いて大豆の輸入政策を確立するとしますならば、もう少しこの問題を御研究願って、一定の基準を明らかにしておいたらどうかと思うのですが、お考えのほどを承わっておきたいと思います。なお、私もこの問題に対しては別に専門家というわけではございません。ただ、常識で考えて、そうしたら明朗になりはしないか、また今後の貿易振興に役に立ちはしないかと思うだけのことでございますから、一応御意見を伺いたいと思いますし、政府当局においても御研究願いたいと思います。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 先ほど、字句の問題で、中共をソ連圏と言うのは、共産圏あるいはまた中共というように、別な字を使ったらどうかというお話がございました。別にお言葉を返すわけではございませんが、これは例のFOAの報告をばお出しするということで、FOAの報告にソビエト・ブロック・コミニスト・チャイナというふうに書いてございますので、しいてそれを変えないでそのまま出したわけでございます。御了承願います。  それから、先ほど、中国の輸入が昨年度三億七千万ドルもあって、日本のが二千二、三百万ドルで非常に少いというお話は、これは確かに非常に少いのでございます。  もう一つの大豆の点については通産省からお答えがあると思います。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 先ほど御指摘の大豆の規格の問題でございますが、御指摘の通り、アメリカ大豆と中共大豆の間には品質、これは、水分なりあるいは夾雑物なり、内容の分析によりまして格差がございまして、御指摘のように中共大豆の方は一般によろしいということになっております。お話のようにあるいは七、八%程度はよろしいのじゃないか、また需要家の方面から見ましても、蛋白質などの関係で、需要の工合によりましてはこちらの方がよろしいということも事実でございます。それで、今後の問題といたしましては、今回は私ども四十ポンドでやむを得ないということで承認、割当をいたしたのであります。私どもとしましては、大豆は国際価格が非常に下っておりまして、一割以上値段が下っておりますので、秋以後の問題につきましては、中共大豆も相当値段を下げませんと、そういう規格の面を考慮いたしませんでも、一般論ですが、コンペティティヴではないと考えております。なお、その他規格につきましては今後十分に研究して参りたいと思います。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 山本勝市君。

山本勝市日本民主党

○山本(勝)委員 ちょっとこの際一、二伺っておきたいのです。これは外務省の方の意見と通産省の方の意見と両方承わってみたいのです。御承知の通り、鳩山さんが各委員会でたびたび説明しておるところを聞いておりますと、中共あるいはソ連との貿易の振興ということは、ただに日本の経済の見地からだけこれを伸張したいと考えているのではないようであります。確かに予算委員会の鳩山さんの言葉にはあったと思いますが、結局、一番のねらいは、経済的見地というよりも、米ソの間に戦争が起ることを避けたい。これは、原子爆弾を持っておる今日の時代にわいて、世界の人心不安の焦点は米ソ戦が起りはしないかという点にある。この世界の人心の不安に対して各国とも何らかの不安を解消する努力をするということは、いずれの国の責任でもある。従って、独立国となった日本の政府の責任も、できるだけ世界の人心の不安を解消するために努力することは当然の責任だ。何ほどの力にはならなくても、やれるだけのことは努力しなければならぬ。そこで、鳩山さんの考えでは、米ソ戦を避けるためには、自由主義国家との間にいよいよ提携をかたくして力をたくわえていくことが、一方において必要である、同時に、共産圏との間に貿易その他の交通をしていかないと、共産圏とは今後物を言わない、売り買いもしないというような態度は、これはいよいよ誤解を深め、戦争を誘発するに力をかすようなものだ、だから逆に、できるだけそこに気を抜かなければならぬという考え方のようです。それですから、もちろん共産圏との貿易は日本の経済にとって必要であるということを重視はしておるのでありましょうけれども、それ以上に説明を聞いておると、米ソ戦を回避するために必要だ、こういう考えであることば、外務当局も通産当局も御承知だと思うのであります。  そこで、私が考えることは、鳩山内閣ができる前に、外務省や通産省の事務当局において、いろいろ相談をして、中共あるいはソ連との貿易はどうするかということをいろいろ議して、一定の基準ができておったと思うのです。しかし、内閣がかわって、そうして根本の点でそういう前の時代にはなかった一つの考え方が入ってきた場合に、事務当局の方で前の内閣時代にいろいろ相談をしておった結論というものは、やはり多少動いてくるのでなければ意味はないのではないか。どういうふうに動くかということは、これは慎重を要しますけれども、いずれにしても、政府の根本方針に違いができた場合には、実際の行政当局、事務当局の取扱いの面においてもこういうふうに違ってきたというところがないと、実は去年の十月にいろいろ研究してこういうことになっていますということをよく聞くのでありますけれども、その十月というのは前の内閣の時代であって、その後、新内閣のもとに、あらためて中共あるいはソ連との間の貿易を、政府の鳩山さんの言う根本的な考え方に沿うて、実際の取扱い方針について協議をしたことがあるのだろうか、ないのだろうか、こういうことを一つ承わりたいのであります。やはり前の内閣時代にいろいろ研究したときの基準に従って扱っておるのか、いや、そうではない、その後の内閣になったらまたあらためて検討し直して、大いにこういう点は変ったというふうになっておるのかどうか、これはどうですか。——あまりめんどうだったら答えなくてもいいです。与党ですから、あまりめんどうなことを聞くつもりはないのです。——質問の意味がおわかりにならなければ重ねて申しますが、大体去年の十月か九月ごろに、対共産圏との貿易はどういうふうに扱うということについて、各関係当局が相談した結論があるのだと思うのです。そういうものはないのですか。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 ないです。

山本勝市日本民主党

○山本(勝)委員 ないとすると、国交を闘いでいない国と貿易を伸張していくということは、なかなかいろいろなむずかしい問題があるものですから、外務省、通産省、各関係当局は連絡しておらないはずはない。大体どういう方針で行く、たとえばココムについてはできるだけ緩和してもらうような方針で行くというようなことも、みな相談の結果きまったものに相違ない。ですから、前内閣の末期にきまったものがあったとすれば、新内閣になってあらためて事務当局の相談のし直しをしないといけないのではないかというふうに考える。そこで、前のときにも相談なしにやっておったということならば——私は実際にはそう了解していないのです。実は、僕が通産次官をやっておるときに、そのことを言って、事務当局でどういうふうに新内閣に応じた扱い方をするかということを書いて持ってこいと言って、各関係局長にみな私が要求したのですが、実はその後答案が出る前にやめてしまったので、あるいは相談をしたのかどうか。しかしこの質問は撤回しましょう。今あまり言っても何ですから、またあらためて私は質問します。しかし質問の趣旨だけはよくのみ込んでおいてもらいたいのです。内閣が変って根本方針に変動があった場合に、事務当局の取扱い方針についても再検討しなければいけない。結論がどうなる、こうなるということは別にしまして、少くとも前の内閣当時の事務当局の取扱い方針をそのまま続けていくということはいけないということを言っているわけです。  それはそれとしまして、最近のゼネバにおける四頭会談の結果、ココムの緩和について、あの会談以前と以後において緩和の見通しに多少違いがあるかどうかということ、これについての外務当局のお考えを承わりたい。漠然たる考えでもけっこうです。多少変るのか、どういう見通しがつくのか、一向変りそうにもないのか、これを承わっておきます。

湯川盛夫外務事務官(経済局長)

○湯川政府委員 お答えいたしますが、まだ形勢がこんとんとしておりますので、あまりはっきりした見通しというものを今ここで断言し得る段階ではないと思いますが、四巨頭会談で、数個の議題のうちの一つに東西交流問題というのがございます。それは、貿易だけでなく、人、通信、文化並びに物資、そういったものの交流を盛んにしよう、お互いにカーテンを開いて、よそのものが入ってこない、行かない、そういうことはやめるようにしようじゃないか、結局こういう議論だと思います。そこで、そういう一般的な議題が出まして、それを今度十月の外相会議でさらにまた問題にして論ずる、こういうことになっております。その外相会議でさらに今の問題を論じて、そうしてほかの問題ともからむのでしょうが、これはもっと緩和すべきであるという結論が出ますと、現在のココムの方にまたそういう方針が移行することになりまして、緩和という方向に向うかと思います。今度の巨頭会談では、はっきりしたそういう結論は今のところまだ出ておりませんが、外相会議でどういうふうにその議論が発展するか、それによってどの程度進むかということになると思います。なお、それについては東西交流問題となっておりますので、一応今の議題になっておりますのはヨーロッパにおける東西交流という問題で、必ずしもこれは中共の問題まで含んでいるというのではないというふうに考えられますが、しかし、ヨーロッパの方を緩和するということになれば、これはかねてからの日本の主張でもありますけれども、中共の問題もそれに伴って緩和を再検討してもらいたいということを、日本側の方ではいつも言っているのであります。東西貿易の交流というものは、そういうふうに発展すれば見通しがもっとはっきりするわけであります。

山本勝市日本民主党

○山本(勝)委員 あまり時間をとって恐縮ですけれども、アイゼンハワーが、ソ連に、アメリカとソ連とが軍事施設の青真写をとることをお互いに認めようじゃないかということを言っておりますが、私は、これは単なる外交上のはったりではないと思うのです。アメリカの考え方は、ほんとうにこちらも見せるからお前の方も見せろ、お互いに対等にやった場合には実際は負けないという自信があって言っておるのじゃないかと思うのです。だから、日本などでも、向うに自由に見せてやろう、そのかわりこっちにも自由に見せろということでお互いに見せ合って、お互いに自由に交通して、それで負けるのならばこっちの文化が低いのだ。しかし、お互いに交わって必ず勝てるというだけに文化が高いのだという自信を持っている考えから、ああいう発言になるのじゃないかと私は思うのです。今申されたところでは、直ちに貿易方面など関係ない、ことに中共方面などには関係がないようだということでありますが、それはそれといたしまして、最近の新聞記事を見てみますと、通産省の方で貿易の方式についていろいろ中共側と交渉して、これまでの方式を変えるのだとか、いや変えないのだとかいうようなことがたびたび載っておりますが、あのことについて、ごく簡単でけっこうですが、いきさつを聞いておきたいと思います。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 中共との貿易の方式につきまして、この前向うの使節団が来て日本側の民間団体との間に協定を作ったわけでございますが、その際の決済条項につきまして、協定の条文上ポンドの直接決済という条文があるのです。それが、従来やっておりました逆トーマス方式なり、トーマス方式なり、あるいはバック・ツー・バックというような個々のバーター方式と違った、新しい協定をしたかのような印象を与える文章があるのであります。その文章につきまして、日本側の代表団の方々も、文章はこうなっておるけれども、これは必ずしもそういう意味ではなくて、決済方式については新しい決済方式ができるまでは従来通りやるつもりなんだ、こういうふうに発言をしておられまして、向うも了承したということであったはずなんでありますが、協定が終りまして貿易を始めましたところ、先方は、取引については従来のバーター取引で、決済上は直接のポンド決済を要求して参った。この点につきましては、根本の考え方としましてはいろいろあると存じますが、当面の問題といたしましてはやはり輸出と輸入、こっちから買っただけでなくやはり見返り物資を出したいというのが日本側の希望でありますので、こういった国交関係もない状況のもとにおきましては、従来通りの方式でやる以外にないのじゃないかということで、日本側の民間団体の方から、先方に対しまして、従来通りの決済方式によってもらいたいということを再三再四要求しておるわけであります。その交渉が約二カ月半以上かかりまして、ごく最近になりまして、先方は、日本側に非常に困った事情があるならやむを得ない、新しい決済方式ができるまでは従来通りのバーター方式によってよろしいという返事が参りました。それによってすでに数日前から個々の商品については取引が始まっておりまして、大体従来通りの方式によって行なっております。その間においていろいろ意見のやりとりがございましたが、結論はそうでございます。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 ほかに御質疑はございませんか。  なければ、本日はこの程度といたし、これにて散会いたします。    午後二時四十三分散会      ————◇—————

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