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22回国会衆議院1955/06/21

貿易振興に関する調査特別委員会 第11号

発言数
64
登壇者
9
会派数
4
開催日
1955/06/21

会議録

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員長代理 これより会議を開きます。  貿易振興に関して調査を進めます。本日はまず硫安の需給計画について政府の所見を求めます。化学肥料部長長尾正君。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 昨日肥料審議会が開催されまして、昭和二十九肥料年度の改訂計画、それから明三十肥料年度の需給計画につきまして審議会に諮問いたしまたので、その数量を御説明申し上げます。  御承知のように、昭和二十九肥料年度におきましては、当初計画としまして、前年度からの繰り越しを九万四千トン、それから生産見込み数量を二百四十万トン、国内消費見込みを百七十八万トン、それから需給調整用としての保有数量を十七万五千トン見込みまして、残り四十七万トンを輸出数量と見込んでおったのでありまして、それに翌肥料年度への繰り越しが六万九千トン、こういう計画で進んだわけであります。ところが、昨年幸い豊水に恵まれまして、非常に生産が増強いたしまして、現在六、七月を一応計画を見込みまして、五月までを実績にとりますと、先ほど申し上げました生産見込み数量二百四十万トンというものが二百五十一万四千トンに相なるわけであります。一方、国内の方の内需も本年は非常に旺盛でありまして、当初見込みました百七十八万トンというものが、大体百九十六万四千トン見当に落ちつく見込みであります。従いまして、翌期へ繰り越しいたします数量を当初より約五日分たくさん持ちましても、四十七万トンという輸出ワクに対しまして七万トンの輸出余力ができて参ったわけであります。それを計画変更しまして、昨日審議会にお諮り申し上げたわけであります。そういう本年度の計画変更をやりました。  さらに、来肥料年度の需給計画が引き続いてこれに関連してできてくるわけでありますが、それについて概略申し上げますと、先ほど申し上げましたように、本肥料年度から来肥料年度に繰り越します硫安系肥料として十一万六千トン、それに来肥料年度の生産計画を一応二百七十一万五千トン、大体本肥料年産の計画二百四十万トンに対して約三十万トン、それから実績二百五十一万四千トンに対して二十万トンの増産を計画しておるわけであります。これにつきましては、本年相当設備の増強もできます。それから、今年の実績から見まして、一部には渇水あるいは事故、ストライキというようなこともありましたけれども、内需の旺盛並びに輸出の引き合いの旺盛というようなことを考えまして、われわれといたしましては、非常に電力方面につきましても相当の増になるわけでありますけれども、ぜひこれだけの数量を確保いたしたいというので、大幅な増産計画をいたしたわけであります。その供給量に対しまして、一方国内の消費見込み数量が、先ほども申し上げましたように、本肥料年度が約百九十六万トン余に相なりますので、来肥料年度におきましても、過去三カ年の内需の実績、それに増反あるいは肥料の需要増というものを見込みまして、百九十四万トン見込んだわけであります。それからそれに見合います調整保有数量としまして十六万トシ見込みまして、差引しますと、やはり十五日分の繰り越し在庫をよけい持つということにしましても、六十二万一千トンの輸出余力に相なるわけであります。これを昨日の肥料審議会に諮問いたしまして、御審議をお願いいたしたわけでありまして、まだ昨日一回で結論が出ませんで、また二十四日に引き続いてやることになっております。  一応本肥料年度の改訂計画並びに来肥料年度の需給の計画をわれわれとしましてはこういうように考えました。先日の本委員会にもいろいろ見通し等を聞かれましたので、ここにはっきりいたしましたから、一応御説明申し上げておく次第であります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 硫安のことに直接詳しくありませんので、もう少しお尋ねしたいのですが、最初には、これは二十九年度の肥料年度ですから八月から七月までですか。それから先にお尋ねしたいのですが、いただいておる生産実績のこの表、これの二十九年度の総計が二百四十七万トンになっておるのですが、これとことしの実績との開きはどういう数字になっておるのですか。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 お手元に差し上げてありますのは、これは会計年度の数字でございます。そこで若干の食い違いがあります。硫安その他ア系肥料も含めております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 いただいております表の二十九年度の輸出ですが、これは肥料年度と書いてありますが、合計が三十三万トンになっておるのです。これはどういうことでしょうか。今年の五月末でも六月末でもけっこうですから、実際の肥料の実績を一つこれによって数字をお示し願いたいのです。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 帆足先生が御指摘になりました表の下の「注」に書いておりますが、これは船積み実績になっております。大体四十七万トンということを先ほど申し上げましたが、本肥料年度の四十七万トンのうち、硫安は四十三万トンちょっとになっております。残りがその他のア系肥料でございます。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 それではお尋ねいたしますが、その四月末までの三十三万トンのあとの大体の実績と、それから今肥料年度、すなわち七月末までの大体の見通し、あと二十万トンばかりの国別の輸出の大体の見当をお聞かせ願いたい。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 それは、先ほど申し上げました硫安が、正確に申し上げますと四十七万トンのうち四十三万九千トンになるわけです。それを国別に申し上げますと、台湾が二十七万トンでございます。韓国が九万一千七百トン、中共が七万一千六百五十トン、沖繩が二千七百六トンです。仏印が百四十四トン、タイが千四百トン、フィリピンが六百三十五トン、アルゼンチンが八百二十四トン、ブラジルが三百七十五トン、合計が四十三万九千四百三十四トンに相なります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 そういたしますと、差額の約四万トンはこれは硫安以外のものとして、さらにこの増産分の七万トン、それは大体どういう今後の計画になっておりますか。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 七万トンのものにつきましては、前回にも御説明があったと思いますが、硫安会社の方で最も有利になるような配分をいたしたいということもあります。それで、商談を行いますのに、あらかじめ地域別をきめておくことは非常に不利でありますので、われわれの方で今どこに幾らということは決定いたしておりません。ただし、前回の例もありますが、御希望の点は十分参酌してきめたいと思いますが、今ここではっきり内訳を幾らというようなことはきめておりません。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 そういたしますと、七万トンの分は、観念的に言えばことしの肥料年度の輸出計画のワクとして残されておる。その輸出先につきましては、前回にも伺いましたが、硫安の輸出先はどういうことできめるかということに対して、コマーシャル・ベースできめるということも伺いましたし、それから政治情勢も考慮に入るかのごとくでありましたし、また、それかと思うと、輸出会社が自分できめるというふうにも伺いましたが、私どもよくての事情がわからないのです。これは今善悪を申しているわけでございませんで、実は一体どういう手続できまるのか、それと、七万トンについても同じ原則で、実情としてはどういう手順できまるのか、たとえば、早く手続をして、そして値段のよいものから順々にきまっていくのか、それとも見返り物資などを考慮してきめるのか、それとも台湾その他年間の条約または協定に基く取りきめがあって、そのワクまでは優先的にそういうことはきまるのか、それらのところを一つわかりやすく御説明願いたいと思います。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 初めにお断わりしておきますが、七万トンはまだ御審議を願っておりますので、審議会の決定ではございません。だから、きまったと御了承願いますと困ります。一応御審議を願っておる数量と御了承願います。  ただいま先生のおっしゃった実情はどうかということでございますが、実は、先生がおっしゃったようなコマーシャル・ベースのこと、それから外国からの見返りのこと、そういうようなことをいろいろ取捨選択いたしまして、輸出会社の方で従来決定いたしておるわけであります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私どもがそう申しますのは、政治問題が入っておるとしますと、たとえば台湾との貿易と中国との貿易、いずれも重要ですけれども、今日の実情と将来の展望というようなことを考えて、そしてその拡大均衡になるようにほどよいところにバランスをとれ、こういうことになりますと、これは一商社、輸出商社がきめるべきものでなくて、政府なり国会なりがこれについて論議を重ねて、その公正な意見を反映させねばならぬような要素があるのじゃないかと私思うのです。従いまして、それがきまりますのは、たとえば、硫安輸出会社という一商社が、中国向けの貿易はあまり好かない、本質印にたとえば思想傾向などで中国はきらいだなどと言う人もおりますし、また中国が好きだと言う人もおりましょう。そういう好ききらいなんというのはくだらぬことでありますけれども、また、新しい中国に対して勉強を全然しないために、事情を知らずに、貿易の問題とイデオロギーの問題とを混同して、風声鶴唳のような心境の実業家もおると思うのです。そういう事情のもとで、たとえば、中国から非常によい発注が来ても、ことさらそれに冷淡にして、台湾その他の貿易を固執するというような傾向も、実業界にはなくはないと私は思うのです。硫安輸出会社が海外からの発注についてどういうふうに引き受けるかということは、自分の自由意思で、または自分の気持によってきめるように今なっておるのでしょうか。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 中共を非常にきらって、硫安の輸出をよその国より何らか不平等に扱っておるというようなことは実際ありませんので、数字をもって御説明申し上げますと、二十八年度におきましては台湾に二十六万四千トン出しまして、韓国に十六万五千、中共には三万トンであった。それが、二十九年になりますと、五月末までに契約は二十七万トン——先ほど申し上げたような数字です。韓国はずっと減りまして九万二千、中共は七万二千と大幅に増加しておるわけです。必ずしもそういうことではありません。硫安会社としましては、コマーシャル・ベースということを非常に重んじてやっておるわけであります。特に差引というようなことは、やっておるわけではございません。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 その辺のいきさつがよくわからぬのですが、それでは、輸出のワクが五十万トンなり六十万トンありまして、そして硫安会社がこれだけ出したいと思えば、硫安会社の意思で中共向けをふやすことも減らすこともできるのですか。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 あくまでそれはコマーシャル・ベースの上に立って、有利であればいいわけであります。非常に不利であるというものを世話するということは、われわれもなかなか言い切れません。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 輸出承認が行われておりますから、それに対して政府がやはり指導するような、また認可を与えるようなふうになっておるのでしょうか。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 個々のものについては——今度ワクがきまりますと、個々のものについて輸出承認はやっておりません。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 台湾との取引につきましては最初に協定ができてワクがきまっているように伺っておりますが、毎年何月ごろ協定ができて、そして値段その他のワクがきまって、そのワクだけは大体優先的になるというふうになっておるのでしょうか、その事情を伺いたい。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 ただいまのお尋ねの点でございますが、日台協定は四月から三月になっておりまして、本年度も三月に交渉いたしまして、四月から改訂になっておるわけであります。硫安の輸出量につきましては協定上数量をきめておるわけでございますが、金額につきましてはネゴシエーションが現在も行われておるわけでございます。  先ほど来の御質問とあわせてお答え申し上げたいと思いますが、私どもの輸出の政策から見ましても、どの国との政治関係あるいは思想の問題、そういうことは考慮いたしませんで、私どもといたしては純経済的見地から問題を処理いたしておるわけでございますが、その場合に、もちろん硫安会社の採算ということも非常に重要な要素でございます。従いまして、採算を無視してどこへやれということは、政府としてはそこまで無理なことも申し上げられないわけでありますけれども、やはり、通商関係から見まして、輸出の伸びる工合、あるいは代金の受け取りの条件、今後の取引の見通し、あるいは過去における取引の関係、そういったものを考慮いたしまして、どこへ出すかということにつきましては、原則はコマーシャル・ベースでございますけれども、やはり政府といたしましてもある程度はそういった考慮を加えましてお話し合いをしておるわけであります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私はそれが悪いというわけではないのですが、硫安のような国民経済上非常に重要な商品の輸出につきましては、輸出の総ワクを審議するだけでなしに、個々別の輸出の承認についても政府が多少は内面指導しておるものと今まで考えておって、それはまた実はおる程度必要なことだろうと思っておったわけです。従いまして、硫安輸出会社の考えるところのコマーシャル・ベースなるものと、政府が大局的観点、貿易振興策から湾えるところのものとの間は、内面指導は今どういうふうになっておりますのでしょうか、両方話し合いできめるというふうになっているのでしょうか、その辺のところを伺います。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 先ほど申し上げましたように、原則はやはりコマーシャル・ベースに立ちまして商社の取引にまかしておるわけでございますが、やはり通商関係その他からぜひこれを売ってもらいたいということもありますし、あるいは非常に有利な条件で問題が進展する場合もあるわけでございますから、その場合には、個々に話し合いをいたしまして、両者話し合いの上で実行するということもあるわけであります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私は当然そうあるべきだけじゃなくて、見返りの輸入をもらうのに非常に大量であるし金額の高い物資ですから、当然業者だけの目先のコマーシャル・ベースにまかしておくべきでなくて、業者の目前のコマーシャル・ベースのほかに、また商習慣のほかに、政府としては貿易振興策という大きなコマーシャル・ベースに立ってこれを内面指導するのが、私はほんとうだと思うのです。それゆえにこそ、包括的な通商協定を結ぶというようなことについて政府が重要な役割を演じておるものと思い出す。そうだとしますと、今年七万トンのさらに増産のための追加があり、明年度に十万トンからのさらに輸出の増加がある。十数万トンも増加するということは国際収支の改善上まことに価値のあることと思いますが、台湾との硫安の取引を三十肥料年度におきましては大体どのくらいの程度にお考えになっておるのでしょう。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 先方からは相当買付量をふやしたい、三十三万トン程度も買いたいという希望が来てはおるのですが、私どもとしましては、先ほどから申し上げました各国との関係もございますものですから、この点につきましては、量をふやすということにつきましてはなお慎重に検討中でございまして、今後の各国との関係を考えながら措置して参りたいと考えております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 先般も申し上げましたが、日本は、単に一国だけではなくて、非常に多くの国々に貿易を依存しておりますから、拡大均衡ということを考えれば、総合的に貿易政策を考えねばなりませんし、それから見返りの輸入ということがきわめて重要です。市場の将来の展望ということが私は重要だと思うのです。やがて輸出百万トンにもなるという計画を伺いましたが、そのことを思うに、また周期的には深刻な不景気の来ることもあることを思えば、何も中国一辺倒などということをわれわれ主張するわけでも何でもなくて、北アジアとの貿易についても打つべき手は打っておきなさいという、きわめて卑俗、平凡なことを私どもは主張しているのにすぎないのです。中国の農地の広さ、そこにできる農作物と日本との関係、六億という人口の比重などから考えますと、その国で硫安を今年二十万トンほしい、やがては五十万トンほしいという要求は、まず現在非常に困難な問題であるイデオロギーの問題を考えましても、それと別個に経済行為として許容し得る問題の一つであると私は思います。そうであるとするならば、ことしの二月、しかも、与党の民主党の幹事長の池田正之輔君あたりがああいうふうに努力して、そうしてそのときの貿易の協定のただ一つの甲類物資は硫安——硫安は今乙類に私どもことさらにしましたけれども、中国は甲類物資にこれを入れてもいいと言って非常な熱意を示したのです。せめて三カ年か五カ年二十万トンくらいをベースにして最高三十万トンとか五十万トンにして仮協定を結んでもいい、こういう態度に出ましたのに、日本側の態度はすこぶる冷淡であったことは事実です。私はこれは非常な国益阻害になっておると思います。硫安の輸出は一硫安業者だけの私すべきものでなくて、その見返り物資の意義を考え、硫安に使われる電力などの国民経済上の意義を考えると、政府の国策の線に沿うて硫安輸出計画というものは影響を受けるのが至当だと私は思うのです。従いまして、ただいま二十七万トンの台湾向けの実績がある。中国向けは七万トンです。中国の要求するようにかりに二十万トンことし出すとしましても、台湾向けも一万トンや二万トンはなおふやすことができるわけですから、今明日の肥料審議会が済みまして輸出のワクがきまりましたならば、今のうちならば問に合うわけでありまして、中国が西ヨーロッパに需要を切りかえたり、または豆かすその他に肥料計画を切りかえたりしないうちに早く折衝して、二十万トンという数字が直ちに出得ませんでしたら、とりあえずは十五万トンでも確定的に一つ交渉しておいて、あと五、六万トンはまた一カ月くらい後に諸情勢と勘案して交渉の見込みがあるというような意思表示でもしておけば、礼儀にかなったことですし、きわめて有利であるし、この委員会としても東西貿易の打開を一つの契機としてできた委員会ですから、委員会の目的にも沿うものであると思います。ただ何分にも今日の硫安輸出会社はきわめて不勉強で、東西貿易のことについて資料もお持ちでないようですし、勉強もなされていないようなんです。目前のことに幻惑されて遠い展望を失うということは日本の実業界の通弊で、私は非常に遺憾なことであると思っております。従いまして、台湾政府が三十三万トン希望しておりましても、これを三十万トン以下に査定していただいて、増加したものの相当額を中国に振り向ける意志がおありかどうか。それとも、中国以外にも中南米等にも需要がございますから、多少は考慮せねばならぬと思いますが、大体どのくらい中国に回すことができますか。確定的な御返答は諸情勢で困難と思いますが、政府の気持のほどだけでも示していただきますと、見通し上非常に有利であると思いますが、いかがでしょうか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 私どもは、お話のように、中共の市場も、将来の問題を考えました場合には、これはきわめて重要な市場であるというふうに考えておおります。同時に台湾の市場、また韓国の市場、これは現状といたしましては非常に重要であります。また、余力がございましたら、東南アジアあるいは中南米等にもこの際輸出を伸ばしていくということも、私たちといたしましては考慮に入れておるわけであります。ただいまのところ輸出のワク自身がまだ未決定な状態でございますので、当面あるいは来年度の輸出の考え方につきましては、まだ具体的に申し上げる段階に至っておらないのでございますが、私の方としましては、ただいま申し上げましたように、全体の問題、将来の問題を考慮いたしまして、御趣旨ごもっともな点がございますので、十分慎重に検討いたしたいと考えております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ただいま硫安は国際的に品不足になっておりますので、日本は腕をこまぬいておっても注文が来るという状況でございますけれども、必ずしもいつまでもそういう状況が続くものではないと思います。従いまして、このような有利のときにサービスに努めておくということが、私は商売の常道であると思いますし、輸出というものは競争相手のあることですから、ゆるゆるお考えにならずに、見通しがつけば適当な機関に内示するとか商社に説明するとかしまして、そして肥料というものは時期、時間のある問題であって、時を失すれば役に立ちませんので、なるべく早目に年間の見通しを相手市場に知らせることができるようにお取り計らいのほどをお願いしたいと思います。  それから、硫安の輸出につきましては、きょうも新聞に出ておりましたが、台湾政府は中国と貿易をする商社との取引をやめるということを申しております。しかし、台湾としては硫安がほしいわけですから、あまりきついことも言えないでありましょうし、そうあるべきであるにかかわらず、現在の中国向けの輸出商社はわずかに三社であります。三社の今年の輸出の余力というものは、総計して大体来肥料年度でどのくらいのものでしょうか。かりに十五万トン、二十万トンを中国向けに輸出できるような情勢が来ましても、三社以外の硫安生産会社がこれを踏み切りができないとするならば、注文があるにかかわらず、硫安を出すことができないというような難問にもぶつかるわけですから、その辺の事情はどういうように理解したものでしょうか、御説明を願いたいと思います。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 ただいま中共に出しております三社の輸出余力は幾らぐらい見込まれるかという御質問だと思います。これは内需との関係もありまして、地域的の調整をやっていかなければなりませんので、その点今いかほどということをちょっと申し上げかねる状態であります。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私はこの問題はおそらく三十年度において輸出のワクが大きくなると壁にぶつかると思います。どうしても都合の悪いときは内部のやり繰りをいたしまして、そうして硫安三社の方の内需の一部を、立地条件のよいところに輸出を振り向けまして、その分を他社からそちらに譲るような操作でもして、政府の方で方法は幾つもあろうと思いますので、内面指導をなされば台湾の干渉は石橋さんの政治力で解決つくと思いますけれど、相手も今なかなか窮境に追い込まれている国ですから、しつこいことをいろいろ言われることもあり得ると思いますので、それが合理的であるとお考えになり、輸出が必要だとお考えになるならば、政府の方で少し内面指導をなさって、三社の輸出をふやして、内需を他社から振りかえるような方法でもおとりになれば、それも突破できると思いますから、メーカーとしましては、こういう困難な政治情勢のもとですから、いつも国際情勢を顧慮して、右顧在眄して踏み切りがつかないという現状、これは攻撃してみたって、いくじなしと言ってみても、これはいけないことだと思います。従来の取引関係もあり、株主総会への顧慮もあり、諸般の事情に対する遠慮もありますから、従いまして、民主党内閣は、ココムの許しておる貿易、しかも硫安のような平和貿易は、多少の摩擦があろうとも、必要にして国益に合致することであるというはっきりした信念をお持ちでありますならば、行政当局の内面指導によって、比較的摩擦なしに私は解決することもできると思うのです。自由党内閣のときを攻撃するわけではありません。自由党の中にも有識の方がたくさんおられるわけですから、別にかれこれ申し上げるわけではございませんけれども、吉田内閣や岡崎外務大臣のもとでは、そういうような便宜をはかる内面指導ということは困難であったと思いますけれども、鳩山内閣のもとでは、それをむしろすることが必要であることは通産次官もお認めになることと思いますから、そのような何か適当な便宜をはかって、そういうつまらぬ問題のために、せっかく輸出のワクが大きくなったのに、北大陸への輸出ができないということになりませんように、特に次官に格段のお骨折りを願いたいと思います。この際通産次官から責任あるお答えを伺っておきたいと思います。

島村一郎自由民主党通商産業政務次官

○島村政府委員 ただいまの御意見はごもっともであろうと思います。私どももできるだけ御趣旨に沿うようにやって参りたいと思います。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 ちょっと申し上げますが、先ほど内需を他社に切りかえて何かスムーズに行かないかというお話かありましたが、肥料の輸出は、もう御承知と思いますが、あくまで内需が優先であります。その余力が輸出ということになります。やはり内需と申しますと時期的、地域的に相当変動がある。これをうまく切りかえるということはなかなかできない。実際内需優先という大前提を置きますと、実質的には非常にむずかしいことになりますので、ただ、先生のおっしゃったような御趣意に沿いまして、われわれとしても、輸出余力が来年は相当審議会で御決定願えればふえるわけであります。その範囲内において、極力コマーシャル・ベースに立って、各国にうまく輸出ができるように、これは業界等ともはかりまして努力いたしたいと思っております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ただいまの内需と申しましたのは、内需を切るという意味ではなく、個々の会社の計算の場合に、たとえば日産化学の内需を減らして、日産化学なら日産化学が犠牲になって、輸出に多くの割合を振り向ける、日産化学に穴のできた部分を他の商社で内部計算で補ってもらう、そういうことはできるのじゃないか。これは農民に対する影響は何もないことですから、そういう意味で申したのですが……。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 例を日産にとってお話がありました。やはり日産も内需をやっておるわけです。いろいろ得意先もあるし、配給先もあるのです。またそう切りかえますことによって、国内に交錯輸送その他の問題も起きますので、一ぺんにすぐそういうことがスムーズにはなかなかできません。これは農林省の方との需給関係をよくにらみ合せまして考えていかなければならぬ問題だと思ます。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 ただいまのような事務的に困難な事情があることもよくわかりましたので、とにかく私どもそういうこまかなことについてはしろうとでありますから、計画に従って輸出ができますように一つ御尽力を願いたいと思います。  それから最後に、尿素のことを一つ伺いたいと思いますが、尿素という新しいア系の肥料ができまして、中国あたりでは非常に評判がいいと聞いておりますが、きょうこの生産統計をいただきますと、非常に生産がふえてきているように思いますが、これはどうなんですか。国内で硫安にかわって日本の農民に大量に使われるような傾向になりますか。それとも輸出の方に向うような動向ですか。もし輸出に振り向けるということが大きな意味があるとするならば、この方面の市場の開拓、宣伝、啓蒙指導などについても格段の措置をしながら進まねばならぬと思いますが、その辺の事情をお聞かせ願いたいと思います。

桧垣徳太郎農林事務官(農林経済局肥料課長)

○檜垣説明員 尿素が新しいアンモニア系肥料として現われてきたのは近年のことでございますが、御承知のように、これは硫安と異なりまして硫酸根を伴っておりませんので、いわば土性の酸化していくという悪化を防ぐという意味においては非常に好ましい肥料であるという点で、農林省といたしましても尿素の普及の努力をいたしておるわけであります。尿素が実際の農業用の肥料として使われるようになりましたのはごく近々のことでございますが、本年度におきましても大体硫安に換算いたしまして二十六万トンないし二十七、八万トンという数字が内需として消化されるものと考えております。明年度はさらにその尿素の使用量はふえるだろうというふうに考えておりますが、尿素の生産能力はただいま明年度に二十五万トンというふうに推算して、現在肥料審議会にアンモニア系窒素肥料の生産計画が出ております。生産能力は、これは通産省から御説明があることと思いますが、さらに大きいものでありまして、現在の状態では内需の上伸の傾向よりは生産能力の伸びの方が上回っておるというふうに考えておきます。  海外市場におきます尿素の問題につきましては、通産省から御説明いただければけっこうだと思います。

長尾正通商産業事務官(軽工業司化学肥料部長)

○長尾説明員 ただいま農林省の方から内需のお話がありました。われわれの方は、先ほどもお話がありましたように、来肥料年度におきましては、尿素の生産計画を一応硫安に換算いたしまして三十五万トンと押えております。   〔中村(高)委員長代理退席、委員長着席〕 内需の伸び方がどうなりますか、これに見合って余力を輸出ということになりますので、先生のおっしゃるように中共その他で非常に評判がいいというようなことでありますならば、余力はございますので、それは当然海外に輸出して参りたい。能力は先ほど檜垣課長から言われました通り相当ございますが、全体の二百七十万トンというものでやはり硫安中心の生産計画を立てておりますので、生産計画は先ほど申し上げましたように三十五万トンで押えております。

帆足計日本社会党(左)

○帆足委員 私は中国への硫安輸出についてきわめて平凡なことを申し上げるのですが、これまでの経験から申しまして、中国との貿易が非常に重要であると、みな、一種の選挙のスローガンのためでしょうが、そう言いながら、実際はどういう見通しを持つかということの科学的調査を各政党も政府もなさっていない。過大な期待を抱くことが間違っておることはもちろんですけれども、同時に、国土の広さと人口と建設の過程において、西ヨーロッパから買うよりも近くの日本から買わなくてはならぬ商品のバラエティが漸次増大してくる、その量も相当なものになるであろうということは、健全な常識を持っておる者ならば当然達観せねばならぬ問題であると思うのです。何分にもアメリカは大きな比重を持った国ですけれども、経済的に言ったならば完成した国家です。東南アジアと申しましても、非常に貧しい国々で、建設は遅々として進まず、しかも英米独仏語列強の角逐戦場ですから、島国日本にとって貿易の展望はイバラの道であって、決して楽なことではないと私は思うのです。そのために、イデオロギーの上において理解しがたいものがあろうとも、やはり北アジアの問題をまじめに考え、精到に調査し、災いは防ぎますけれども貿易はふやしていくという政策は、保守革新の別なく、日本国民のために当然とっておかねばならぬ措置だと思います。しかるに、硫安のごときでも、また硫安会社の態度など見ますと、まことにそっけない。大体正式に中国の市場の状況などを知ろうという努力すら私は怠っているように思います。また、台湾への顧慮があるにしましても、せっかく経済使節団が参りましたようなときは、どこか日本料理でもごちそうして、そうしてよく話し合ってよい感じを与えておく。また、今度予想外に輸出が多いので、硫安審議会の大へん御苦労のほど満足しておるわけですが、こういう大きな輸出産業に硫安工業が成長して参ったとするなら、硫安輸出会社は、台湾政府に最小限の刺激で済むような方法において、やはり中国に対して間接にでも適切な連繋をつける手を打つべきではないか。私はそういう点に対する従来の努力と正当な認識が多少欠除しておるように思うのです。もちろん半年前までは、岡崎外務大臣の圧力のもとにすべてが行われていたわけですから、大へんな状況でした。第一回目に日産化学が五千トン輸出しました前後などは、事務の方には非常な御苦労をかけて、非常な摩擦があったことも私よく存じておりますが、今では、民主党内閣は中国との貿易を自由諸国に協力するワク内において円滑に増進し、そのワクもさらに拡大しようということは不動の国策になっている。自由党の同僚議員諸君にも別に積極的に異存はこれにないと私ども承知しているわけです。そういう状況のもとで、中国に対する輸出の振興ということの努力がまだ足らないし、まだ多少間違った雰囲気があるように思います。従いまして、数日後に鳩山総理に貿易振興委員会に来ていただいて、貿易振興ということがいかに重要なことであり、同僚議員たちがいかに努力しているかという実情を聞いてもらい、同時に、中国との貿易も、すでに輸出入合計が七千万ドルをこえ、その中で一番有望な、そうして一番平和的なのが硫安であるということを総理に説明して、そうしてでき得べくんば、今年二十万トンまでは行かなくても、それに近い数字くらいの輸出をすることをわれわれ希望しているということを、私は、総理ならわかりますから、わかってもらいたいと思います。そのときに事務当局の方が立ちおくれして総理からしかられることのないように、一つ従来よりももっと円滑な方法でこの問題の推進に御協力願いたいと思います。これは、党派を離れて貿易推進のためできております議員連盟でも、先般の理事会で、硫安の輸出はもっとふやそうではないかということは全員一致の希望でありまして、私が発言いたしましたのも、せっかく貿易振興委員会でこの問題が取り上げられるならば、硫安の問題は農民の利益との均衡を必要とする以上、農民代表の方が慎重であり過ぎるようなことにもなりがちである、輸出振興の立場から貿易委員としても大いに強調してもらいたいというような同僚議員諸君の注文も含めまして、御質問をいたし、要望もいたした次第でございます。そういう次第でありますから、きょう明日の硫安審議会で輸出のワクがきまりましたら、一つ時期を失しないように、北大陸への輸出につきまして具体的な御準備をしていただくように要望いたしまして、質問を終りたいと思います。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 ほかに硫安に対し御質疑はありませんか。     —————————————

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 なければ、次に、外貨割当について現状及び割当方式について政府の説明を求めます。大堀政府委員。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 本日大へん急な話でございましたので、ちょっと資料を整備いたしておりませんが、私から、現在の輸入外貨資金の割当の状況につきまして、概略の御説明を申し上げたいと思います。  現在の輸入方式につきましては、御承知のように、大きく分けますと二つの方式がございまして、一つはいわゆる自動承認制というやり方、AA制と言っておりますが、自動承認方式、それからもう一つの方式は外貨資金割当方式、この二つの方法があるわけでございます。  自動承認制と申しますのは、現在は全体の外貨予算のうちで一割ないし一割五分程度、金額的には大した大きな量ではございませんが、この品目につきましては、申請がありますれば自由に入れられる。これは過当な投機の対象にならないような物資でございまして、国産品との競合というような問題もないという場合に、これは貿易が自由化されました場合の本来の姿でございまして、最近の国際情勢から見ますると、このAA制というものはできるだけ今後広げて参りたいという考え方を私どもはしておりますが、現在のところは大した大きな量ではございません。  このように一部自動承認制というものがありますが、大部分のものが第二の外貨資金割当方式によっておるわけでございます。このやり方の中にはいろいろ方式がございまして、後ほど申し上げますが、一般方式、普通の場合は、これは需要家ないしインポーターに対して輸入のために必要な外貨資金の割当をやっている。これが一般の外貨資金割当方式であります。  それ以外にその他三つの方式がございまして、第二の方式は求償バーター取引方式、これは御承知のように相手国との関係でいろいろの方法はございますが、輸入先行あるいは輸出先行あるいはバック・ツー・バックといいまして相対でやります場合、いろいろございますが、要するに物を相手に出した場合に入れる、こういう個別バーター方式による一つの方式がございます。これは昨年の中ごろまでは相当広範にやっておったわけでございますが、どうも、こういった特殊の方式といいますのは、場合によりましては、一種のコンペンセーションといいますか、価格補給的な機能を営みますため、正常なオープン・アカウント協定を締結いたしておりますところとか、そういったところにつきましては、ややともしますると弊害を生じますおそれもありますので、この方式はだんだんとしぼって参りまして、最近は、特定な地域、たとえば中共の地域あるいは東欧の地域、そういった特殊なところに対しましてこのバーター方式を現在運用しておるわけであります。最近の運用の方針といたしましては、これはだんだん縮小して参っております。  第三の方式は、加工貿易方式、これは要するに原料を入れまして、これを加工して再輸出する。これは外貨の獲得にもなりますし、国内の生産量も上げますし、労働量もふえるわけであります。加工貿易方式は昨年来やって参っておりますが、逐次拡大されて参っております。しかし、絶対量といたしましては、まだ微々たるものでございまして、大して大きなものではございません。  第四の方式は、特別外貨割当方式というのがございます。これは、昨年まで、輸出業者が輸出いたしました場合に、獲得しました外貨の一割につきましては優先外貨といっておりましたが、一割の外貨をその人の自由処分にゆだねるといいますか、そういう一割分だけは入れたいものを入れてよろしい、こういう方式でございますが、もちろん無制限にやっておるわけではございませんで、特別外貨によって買い得る品物というものをやはり外貨予算において当初から計画をいたしておりまして、特定の品目につきまして特別外貨を持っておる人が自由に買い得る、こういう方式によっておるわけでございます。この方式も現在各国でやはりやっておるところがあるのでございますが、一種の為替差益というような観念になりかねない。若干プレミアムがつきまして売買されておりますので、そういった面の弊害もございますから、これはやはり逐次縮小していく方向に行っておるわけでありまして、本年の三月以来、昨年まで一割でありましたのを五%に制限したわけでございます。しかしながら、これは、やはり商社が対外活動をいたしますのに、あるいは渡航の場合、あるいは支店のそういった経費についても使い得るわけでございまして、そういった意味におきまして、ある程度はこれは必要ではないかと考えておりますが、逆にこれが非常なプレミアムがつきまして一手に売買されるというケースになりますと、やはり二重為替その他の批判の対象ともなる問題でございますので、これもそう拡大するところの考え方はございません。やはり逐次整理をしてすっきりした形に持っていかなければならぬ、かように考えておるわけであります。現在のところは五%で運用しておるわけでございます。  大体外貨資金割当方式につきましては、ただいま申し上げましたような四つの方式がございます。主たる部分はこれから申し上げます一般方式でございますが、一般の外貨割当方式につきましては、現在のところ、大ざっぱに分けますと、需要者割当と輸入業者割当と二色ございます。その中間のいろいろな形態があるわけでありますが、需要者割当と申しますのは、当該原料を需要いたします生産業者に対して、生産計画なり、あるいは生産設備なり、あるいは生産実績なり、それぞれ各業態の実情に応じました基準によりまして外貨の割当をいたして参っておるわけでございますが、その人が外貨の割当を受けましたら、それによって輸入業者に発注をいたします、輸入業者が為替を取り組んで物を入れてくる、そうしてその需要者に渡す、こういうふうに需要家に対してイニシアチブを与える割当の方式と、もう一つは、輸入業者に割り当てまして、輸入業者が外貨をもらいまして必要な物を買って参ります。これを国内へ売る。その場合にも、ある場合には特定の者に売らなければならぬという条件をつけております場合と、自由に売ってよろしいということでやっております場合と、両様あるわけでございます。また、ただいま申しました需要家割当と輸入業者割当につきましても、ものによりまして半々で、半分は輸入業者割当、半分は実需家割当、こういった組み合せもございます。あるいは七割、三割でやっておる場合もございます。これは、それぞれの業態の実情に応じまして、品目ごとに異なっておるわけでございます。  大体そういった割当でございまして、その割当の基礎になります面につきましては、私どもといたしましては、全体の公平を期しますために、輸入の場合はおおむね輸入実績によっておりますし、需要家割当の場合は、設備能力なり一定期間の生産計画あるいは生産実績、消費実績、そういったベースを基礎にいたしまして割当の公正を期したい、かように考えまして、現在輸入いたしておるわけでございます。  ごくあらましでございますが、大体外貨資金の割当の方式についてお尋ねかと存じますので、概略申し上げますと以上の通りでございます。なお、御質問がございましたらお答え申し上げます。

古川丈吉自由党

○古川委員 輸入業者に割り当てられる標準は実績だというお話がございましたが、その実績とは前年度の実績ですか、どういう標準でありますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 必ずしも前年度ということはございませんで、実は、戦争前でございますと、輸入業者の活動実績というものがはっきりしておりましたが、終戦後は政府貿易から民間貿易に移って参りましたし、貿易が非常に小さなところから、現在では二十億ドル程度の輸入、十六億ドルの輸出というところで、ややノーマルな状態になって参っております。従いまして、どこの実績をとるかということはかなりむずかしい問題ではございますが、やはり、品目の情勢によりまして、ごく最近の実績をベースにする場合もございますし、相当長期にとっておる場合もございます。これは、そのときのその品物の実績によりまして、個々にきめているわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私はこの際外貨の割当について二、三お尋ねしてみたいと存じます。御承知の通り、この為替のレートがこういう状況にございますと、今日、メーカーにしても商社にしても、外貨をもらうことが自分の商売をうまく経営していく上において最も大切な要件と相なってくるわけでございます。先ほどの御説明の中にもありましたが、アロケーションの売買が行われ、あるいはそれがプレミアム付で行われる等々のことは当然の成り行きです。そこで、今年度の割当方式でございますが、出血補償のリンク制が取りやめになるやに承わっておりますけれども、これは今後の輸出につきまして大きな影響を及ぼすことと存じます。なぜかならば、去年は、通関統計をながめてみますに、輸出が十七億一千八百万ドルであって、輸入は二十二億五千四百万ドル、貿易外収支とか特需を計算に入れてみると、黒字が三億四千四百万ドルばかり出たわけでございます。黒字が出たということはまことにけっこうなことでございますけれども、その原因を調べ、これを大まかに集約してみると、一つには国内的にデフレ政策が行われた。国内市場が狭小になったため、輸出にそのはけ口を求めた。そのはけ口を求めるに当っては、当然に出血が行われた。しかし、出血をした場合には、報奨用のリンク制度なるものがあって、ある程度ここで補いがついた。そこで勇を鼓してメーカーも商社も一生懸命に輸出に努力を傾けた。そのおかげで、十二億程度であったものが十七億と、五億もはね上った。これは去年三億何がしを黒字にするに当って、大きな功績があったことだと存じます。もちろん国外の原因もあったでしょう。貿易の振興がはかられるには、国内事情だけでなくて、米国の景気の後退とか、西欧のブームとか、いろいろな国外事情もあったでしょうが、いずれにしても、外貨割当のうちに出血補償があったことは、だれしも見のがすことはできないことと存じます。それが今度行われないということに相なるやに承わっておりますが、その原因と、これが行われなくなった後に出血輸出はなお行われなければなりませんか、これに対する手当と申しましょうか、奨励策と申しましょうか、そういうことを果して考えられているか、おらないか、そこらあたりを一つお尋ねしたいのでございます。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 ただいま御質問のように、リンク方式というものは一部廃止いたしておるわけでございますが、そのリンク方式の中に実は二色ございまして、一つはいわゆる補償リンクといいますか、昨年度やりましたのは、砂糖を輸入します場合に、砂糖の輸入権を、一部のプラント輸出、般舶輸出あるいは鯨油、生糸、そういった特殊な、輸出の困難な物に対しまして、輸出した場合に砂糖の輸入権を与えるということで輸入をいたしましたリンク制度があるわけでございますが、これはお話のようにまさに出血補償という性格を持っておりまして、ある意味ではこれは国際的には輸出補助金であるという批判を受けたわけでございますし、また一つ、われわれの立場から見ましても、実施いたしました結果、なるほど昨年度はプラントの輸出が緒についた、このために輸出の足がかりができたということにおきましては、結果的に見ますと、一つの成果があったわけでございますが、やはり一つの大きな弊害は、砂糖によりまして相当な利益が出ます場合に、その利益で輸出価格を下げてしまう、極端に必要以上に下げてしまうという弊害と、その輸入の利益によりまして、その輸入利益が出たのが結局企業なり商社なりの血となり肉となって参りますれば、若干は国際競争においてプラスになるわけでございますが、現状におきましては、利益が出れば利益をはき出して、それがどこに現われるかといいますと、利益がある限りはほかの面で過当競争をする、これが今日の輸出の非常な弊害になっておるわけであります。そういった面の弊害もございますので、補償リンク制は昨年度限りで打ち切るということになりまして、すでに全廃いたしておるわけでございます。  ただし、もう一つの原料リンクといいますか、一種の加工貿易に見ましたような、輸出に必要な原料はリンクして輸入を認める、こういう原料のリンク制度につきましては現在も継続いたしておるわけでございます。たとえば綿でありますとか毛でありますとか、そういうものは現在継続しておるわけであります。この制度につきましては、これが若干行き過ぎますと、いわゆる補償リンクに近くなって参ります。そこで相当批判は受けるわけでありますが、これが合理的に行われる限りにおきましては、輸入貿易管理をいたしておりますもとでは、ある程度はやむを得ないというふうに考えられておりますし、私どもも、この制度は合理的な運用さえすればある程度必要ではないか、このように考えて、これは継続して参るつもりであります。昨年度は非常に輸出が伸びたわけでございます。これはお話のように国内のデフレ政策が反映したということもございましょう。一部はこういった補償制度があったということもあるかと思いますけれども、大勢はやはり国際市況の活況ということが昨年の輸出増進の一番大きな原因になっております。この点は、現在のところ、本年度もある程度は横ばいの状態で継続して参るというふうに観測いたしておるものでございます。  なお、補償リンクの廃止に伴って今後こういったものの輸出対策をどういうふうに考えておるかというお尋ねでございます。これはある種のものにつきましては非常な困難を伴うわけでございますが、私どもといたしましては、プラントの輸出、船舶の輸出につきましては、やはり輸出入銀行の資金ワクを増大いたしまして、各国の競争に応じて相当長期の輸出契約、延べ払いを認める、そのためには、輸出入銀行の資金を本年度は相当十分に確保して参りますとともに、できるだけ金利負担を軽くして参りまして、さらに、保険料等につきましても、この四月以来プラントに対しましては保険料を半額に減額いたしました。また、外国に売り込みますための電機室の運用を拡大いたしまして、いわゆるコンサルティング・エンジニア制の運用等によりまして、さらに積極的に売り込みに努力するように政府の助成措置を考えておるわけでございますが、お話のように輸出はなかなか困難な面があると思います。私どもとしましては、アブノーマルな方式による助成というのは長続きいたしませんし、また逆に対外的、対内的にも弊害がありますので、やはり正常な方式によって輸出を促進していくという方向に、できるだけ助成措置を講じて参りたいと考えておるわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 原料リンクの制度だけは継続なさる、補償リンクだけが三月から中止、こういうことでございますね。  それではお尋ねを申し上げますが、商工委員会に上程されております特殊輸入物資、これから大体七十億の吸い上げを予定していらっしゃるようです。これがちょうどこの補償リンクと称せられていたものに匹敵するもの、砂糖とかバナナとかパイカンとかいうようになっているようでございますが、取り上げることは今までのように取り上げる、その率が少々変るかもしれませんが、それの出ました七十億何がしの使い道はいかようにお考えになっておりますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 特定物資の対象になっておりますのは、これは法案が二つに分れておりますが、一つは砂糖、もう一つはバナナ、パイカンでございます。お話の通り大体七十億程度の差益が出て参るわけでございまして、これが昨年度は、金額的にはわかりませんが、大体この程度のものが補償の資金に回っておりたと考えられるわけでございます。今回は、そういう特殊措置は打ち切りまして、問題は、これらの物資をストレートで入れますことは一部の業者に過当な利潤を与えるということになりますので、これを特別会計によりまして吸い上げまして、その吸い上げました資金は産業投資特別会計にそのまま繰り入れるという原案になっておるわけでございます。産業投資特別会計からはおそらく輸出入銀行資金が相当多数出ることになっております。その資金に充当せられるものと考えておるわけでございます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 大臣は拡大均衡を唱えていらっしゃるようでございますけれども、去年の黒字三億何がしのように、ことしの手の打ちようによっては必ずしもまた黒字が出るとは、だれしも保証できないと存じます。そこで、大臣の言うところの拡大均衡をどう具体化するかということに当って、この外貨の割当は大きい役割を示すことと存じますが、今後の輸出がどう変化するか、何が来年の輸出の動向を決定するかとながめてみました場合に、補償リンクの廃止ということは輸出の減退の原因になっておると思います。これが増進の原因になるというものは、よりより新しい輸出振興方策というものを承わっておりますけれども、具体的にほんとうにかゆいところに手の届くような方式はまだまだ見当らないと思います。国際経済の景気の上昇がある程度言われますけれども、これも、よく考えてみれば、米国は一カ年に五十億以上のドルをかせいでおる。日本はこの国との貿易によって五億余の買い超になっておる。英国はとながめてみますと、ポンドの自由交換が一時唱えられたけれども、これは今下火になってしまった。なぜならば、この国の状態を調べてみると、ドル地域からは買い過ぎてポンドへ売っているのだけれども、その売り先のオーストラリア、パキスタンは景気が悪化している関係で、ポンドの流通性が非常に自由にあらざる方向に向っている。英国と日本との海外における競争市場というものがほとんど一致している。特に、繊維に至りましては、英国は日本を目のかたきにしておりますし、海外市場もほとんど競争を免れない、こういうやさきに、外貨割当及びひもつきで買わされなければならない、原料高のおかげで当然に出血輸出をする。その出血輸出の原因はソーシャル・ダンピングであると世界じゅうの人が言うておる。このダンピングであるという抗議の方がむしろ出血補償のリンク制に対する抗議よりも大きいじゃないか、今後は一そうこれが大きく圧迫されてくるのじゃないか、こう思われますやさき、ソーシャル・ダンピングの方はそのままにしておいて、出血補償のリンク制度を廃止するということは片手落ちではないか。高い材料を買い過ぎて、そしてある程度の援助だとか特需だとかいう形でその一部分を返してもろうておっても、それは高い材料を買った業者並びにこれを扱う商社には返ってこないのです。特需なりあるいは援助は、国家には来るかもしれぬけれども、別な面へ行ってしまう。そこで、せめてこの七十億くらいは出血輸出に全額向けられるということが当を得た行き方ではないかと私は考えておりますが、これは次の特殊物資輸入の法律審議のときに申し上げることといたします。  次に承わりたいことは、一般割当の方の割当方式が変るということでございます。今まで需要者割当になっておりました。つまり生産業者の設備割当になっていたところの一般外貨を、このたびは輸入業者に割り当てようという計画が着々進められているということでございますが、これがもし行われるとするならば、いつごろから実施に移されようとなさいますか。これが実行に移されることは、やがて綿業界あるいは毛製品の業界に大きな影響をもたらすことと、業界はこの点に刮目をしている次第でございますが、一体やられるのか、やられないのか。やられるとすれば、いつごろこれを実施に移されようとなさいますか、その点を承わりたいのでございます。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 前段の問題については非常に基本的な問題がたくさん含まれておりますが、お尋ねの点は、出血補償をやめたということについては、先ほど申し上げましたように、出血補償は一種の補助金であるということで、国際的には最もきつい批判を受ける問題でございます。同時に国内的な弊害も伴いますので、打ち切ったわけでございます。それと並んで、ダンピングの問題が、お話のように日本の輸出貿易としては相当むずかしい問題でございますが、過当競争の原因については、非常にたくさんの企業がありますが、市場の幅が狭いために、新しいところへ伸びていかないで、お互いが食い合いをしてはダンピングの非難を受けるような過当競争を行う、こういう問題があるわけでございます。この問題については、本国会に、輸出入取引法の改正によって輸出業者の協調を行なっていただき、その道を容易にできるようにしたいという考え方に立ちました輸出入取引法の改正法案を提案して、御審議をいただくことになっておるわけでございます。この点も、日本の輸出貿易からいいますと、最も重要な問題でございますので、これは御了承をいただいて、すみやかに協調ができやすくする態勢に持って参りたい、かように考えておるわけでございます。  第二の外貨割当の問題については、外貨の実質的な割当は、先ほど申し上げたような方式によっているわけでございますが、だんだん国際貿易が正常化されて参りますとともに、日本の態勢もやはりこれに応じて正常化して参らなければならぬ。一般的な考え方に立ちまして、輸入契約をして為替を取り組む人に対して外国為替の割当をする、これが一番正常な形であるわけでございます。従来需要家に対して為替を割り当てるというのは便宜の措置でございまして、結局輸入業者に割り当てて入りました原料がどこへ流れていくかということについて、現在までのように輸入が非常に押えられております場合には、政府の計画に沿わないところに流れていくということを防ぐ意味におきまして、需要家に対して外貨を割り当てておりますが、本来は、外国為替には外国為替を使う人、つまり輸入契約をして外貨を取り組む人に対して為替割当をする。これが一般の正常な形であるわけであります。従って、国内の需要家の生産業者なら生産業者のだれに原料を渡すかということと、外貨の割当をだれにするかという問題と、二段階あるわけです。四月以降実施いたしました制度は、外貨の割当を正常化いたしますために、今申しましたように、輸入為替を取り組む人に対して外貨の割当をするのを原則とする。ただし、例を綿紡にとってみますと、紡績業者に対しては発注のワクを与えるわけであります。発注ワクをもらった人が輸入業者に対して発注をする、その発注を受けた人に外国為替の割当をする、こういうことでありまして、実質的には従来やって参りましたことと何ら変りはないのでございます。結局、発注を受けなければ外貨の割当はもらえないわけでありますから、同じことでありますが、形式的には一歩正常化の方向に進むという意味におきまして、本年四月からそういう方式に切りかえるということでいろいろ相談して参ったのであります。一部切りかえの問題として問題がございましたので、綿紡関係その他数品目については実施を延期いたしまして、下期以降についてさらに十分慎重に検討した上でこの制度を適用するかどうかということをきめて参りたい、かように考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうすると、その方法に持っていきたいということはきまっているんだが、その時期はまだ未決定である、こういうことでございますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 その通りであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 その時期は未決定ではあるけれども、大体下期とかあるいは来年の上期とかいう工合に予定が立っているだろうと思いますが、その目途は一体いつごろでございますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 私どもとしては、正常化の方向でございますので、できるだけすみやかにやりたいと考えているわけでございます。実は、この問題については、今までの普通の輸入業者割当に誤解がございまして、非常に輸入業者の立場が強くなり、生産業者が原料を破るのに非常に不利な立場になるんだという見地から、反対が強いのが現状でございますが、実質的には需要家に対して発注のワクを与えまして、それが決定的な強さを持っているわけでございまして、外貨の割当そのものは、形式的に、その人から発注を受けた人が輸入為替を取り組む際にその人に対して外貨割当をするということでありまして、実体的にはさほど重大な意味を持っておらないわけでありますが、従来輸入業者、生産業者割当はそれぞれの立場で異論がございましたために、そういった意味の問題であるというふうに誤解された向きもございます。なお、その場合といえども、金融その他につきましては、業者によって若干自主性の変化が出る場合が考えられるわけでありますが、私どもは、その面も研究いたしまして、できるだけ正常化の方向にすみやかに持って参りたいと考えております。この実行の問題は、やはり影響の点も十分慎重に検討しなければならぬと考えておりますので、私どもは、下期以降の実施の際にも、さらに十分に検討いたした上で、できるものからやって参りたい、かように考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうすると、下期からは実行に移そう、こういう御予定でございますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 これは、品目別にいろいろな事情がございますので、品目別に慎重に検討いたしました上、実行できるものから逐次やって参りたい、かように考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 発注のワクを事業者に割り当てる、その事業者が政府からもらったワクを輸入業者へ依頼をして為替を取り組む、なるほど、こういうふうに聞いて参りますると、まことにこれはスムーズに行くように聞える。称して正常化、まあこの言葉だけ聞いていると大へんけっこうでございまするが、それじゃその際の品質、コストあるいは輸入するがための手数料、こういうものは一体どこがきめるのでございますか。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 この場合には、もちろん発注者と注文を受けて輸入するインポーターのネゴシエーションでございます。これは現在の方式によりましても同じでございますが、あくまでもやはり発注を受けなければ外貨はもらえない、こういうわけでございますから、この場合はどうしても生産業者の立場は強くなります。この点は従来と変らないと思います。現状で申しますと、どちらかといえば生産業者の立場はあまりに強過ぎる。インポーターは、普通の取引によるコミッションも吐き出して競争をしておるというのが現状でございます。このこと自身が果して妥当なものかどうかということについては、私どもは相当議論の余地があると思うのでありますが、今度の制度については、そういった実態的な問題については解決はいたしておりませんので、発注者が一番強い立場になる。従って、取引の条件についてはネゴシェーションによってきまるということで、従来とほとんど変りないのではないか、かように考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 従来と変りがなければやる必要はないんです。今のメーカー、いわゆる生産設備を持っているものの力があまりにも大き過ぎる。従って貿易業者の口銭が薄い。貿易業者の権限が少い。輸出振興には商社の信用の増大が必要だからというその意味はわかる。従って、商社の信用の増大をはかる意味においても、当然それをしなければならない。しかし、商社信用の増大ということは、国内に対する問題でなくて、国外のインポーター、対相手国ということに対して初めて甘えることでございます。事繊維に関しましては、私は、今のようにメーカーの設備割当、つまりメーカーにある程度権限を持たせておいても決して持たせ過ぎではないう思う。なぜかならば、メーカーが権限を持っているからと言ったって、そのメーカー自身は、御承知の通り、AA制度のような調子に、勝手に自分の好きな国から好きな時期に値ごろのものを買い付けるという自由は全然ございません。今度アメリカから買い入れまする余剰農産物、称して余剰とは申しておりまするが、これすらも時価相場で買わなければならないということなんです。従って、去年の総体を調べてみましてもそうでございまするが、高いものを買っている。輸入物価は一・三%の騰貴を示しておる。ところが、高いものを買って安いものを売っている輸出物価は七%以上の下落を示しておる。こういうことは、ほんとうにメーカーが実権を握っておればあり得ないはずなんだ。が、問題は、実権を握っているのは国家、実権を握っているのは通産省。だからこそ通商局へ業者のお参りは自然に多くなる、こういうことになるのです。実権を握っているのは通産省。そこで、今の姿をもしかりに輸入業者に割り当てたとするならば、輸入業者にいかにひもつきに行ったとしても、外貨の割当の権限はわが方にあるんが、こういうことになりますと、その商社とメーカーとの間における取りきめにおきまして、メーカーが非常に大きな実権を握っている場合は、さまで大きな悪影響はないでございましょうが、原毛なり原綿なりを受ける側のメーカーの力が商社と比較して弱かった場合には、必ず紡績なりメーカーなりがいかれるということは理の当然でごいます。こんなことは、あなたに申し上げなくても、あなたがよく御存じのことでございます。従いまして、この制度は、俗に新紡、新々紡を一そう細らせるための一つの手段であるとさえ悪口を言うものがありますが、必ずしもこれはためにせんがための悪口とも言えない節があるのでございます。従いまして、あなたのおっしゃいました、やって差しつかえないものからやるというその精神でもって、慎重にこの業界の状態を研究の上、もしそれ、輸出振興に阻害があると、一そうメーカー側は高い材料を買わされて安く売らなければならないという傾向に追い込まれますようなことがございましたならば、それこそまたソーシャル・ダンピングだというて諸外国から抗議を申し込まれなければならない原因ともなりますので、ぜひ一つここは慎重に研究をしていただきまして、実行に移すことを急がれないようにしていただきたいものだと存じます。  次に、もし商社に割当をするとするならば、一体その商社割当の基準はどこに置かれますか、その基準を承わりたいのであります。まずその基準は、商社の腕によるのか、あるいは資本の大小によるのか。もし資本の大小によるとすれば、それは公称資本金であるのか、授権資本であるのか。あるいは実績割当ということもございましょうが、もしそれ実績とするならば、戦前の実績であるのか、戦後の実積であるのか。戦後の実績でありとすれど、大体昭和何年の実績をとろうとしていらっしゃるのか。ただ実績割当と申しましても、一体昭和何年の上期か下期かによっても、同じような力を持った商社がその割当の量において大きな差等を生じてくるわけでございます。これが、すでに、商社の内部では、何とかして自分のところにたくさんもらいたいとこうことで運動が起きつつあるということも和知っておりまするけれども、政府当局がほんとうに割り当てるというならば、こちらに移行していくというならば、一体何も基準として新しい方面に割当をなさいますのか、その点を承わってたおきい。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 商社割当の基準の問題の前に、先ほど御指摘の点は慎重に研究いたしたいと思っておりますが、いわゆる従来の外貨割当は、国内で原料を入れました場合に、一種のプレミアムがつく、その利益のシェアの問題については、この際私どもとしましては立ち入りたくないと考えておるわけであります。要するに、インポーターに対して為替の割当が行くということのメリットはどこにあるかと申しますと、対外活動にあるわけであります。従来までの欠点は、輸入業者に割当が行っていませんために、外国の商社と取引いたします場合に、要するに発注方の名前が表面に出てくる。外貨の割当をもらうのはメーカーである。メーカーの名前で表面に出て輸入業者の名前が出ないということが、対外活動に対して非常なマイナスをかせいでおる。外貨を輸入業者に与えるということは、商社の信用を対外的にプラスすることができるということでありまして、その意味におきまして、国家全体としてそこにプラスをかせぎたいということが、私どもの今度の制度の切りかえの趣旨でございます。  国内的の問題につきましては、需要家の発注によりまして輸入が行われ、国内の実勢については変りはないと考えておりますが、若干の影響はあると存じますので、その点は十分に研究いたしまして、特に、綿花の場合につきましては、中小の紡績が金融の面で——つまり銀行の問題になるのでありますが、外国為替を取り扱わせる銀行の問題、それが国内金融にからんで若干の問題があるわけであります。その点につきましては十分に検討いたしまして処置いたしたい、かように考えております。  それから、商社の割当の基準というお尋ねでございますが、ただいまの方式によりました場合には、当然需要家の発注を受けた者が借りるということでございますから、その意味におきましては、実績でもありませんし、資本金でもないわけでありますが、一般的には、純粋の商社割当をやっております場合には、おおむね従来の例もさようでございますけれども、今後も輸入実績が基準になるのではないか。これもどの程度をとるのが適当であるか、先ほどもお尋ねがございましたが、やはり各商品の実勢を勘案いたしまして率をとるかということは、その商品の実態において個々にきめていかなければならぬと存じます。資本金は、もちろん私どもは考えておりません。商社の育成ということは、もちろん重要な問題ではございますけれども、資本金は小さくても専門商社というものがございまから、専門商社はやはり専門の分野で十分に活動してもらう、総合商社は総合商社としての立場で活動してもらう、これは両方尊重して参らなければならぬのであります。資本金によって直ちに差等をつけるというような考え方は現在のところ持っておりません。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 割当基準をどこに求めるか、商社の実績を正確にどう把握するかの問題につきましては、目下のところでは非常に困難性が多いと存じます。おそらくだれしも適当な答えは出ないのじゃないか。なぜならば、先般この委員会に商社の代表である第一物産の水上さんや三菱の藤野さん、あるいは経団連の堀越さん等々に来ていただいて、そしてこの問題を私がお尋ねしたのです。水上さんはそのときに何と言ったか。三人いらっしゃった人全部を代表していわく、登録制にする、登録制にして実績を調べてみれば自然にわかることである、こういうお話であった。そうなりますと、割当は急にはできないわけです。登録をして実績を調べるというのですから、少くとも登録制度が行われてから半年なり一年なり経過した後でないと、ほんとうにあなたのおっしゃるところの外貨の割当の正常化、外貨のすべてはこれをこの為替を組む人に与えるということは行えないことになってくる。なぜならば、受け入れ態勢ができていない。商社側それ自体がまだどうしていいかわからない。登録制にしましてからという話だったら、半年でも甲乙ができるでしょう。一年でもなお甲乙が行われると思います。少くとも一年、正当なことをいえば三、四年間の平均を求めてみなければ、この正確を期するということはできないわけなんですが、それまで待つ気持がありますか。つまり、受け入れ態勢がはっきり整うまで待つ気がありますか、そうでなくして、それ以前にすっかり実行に移してしまおうという御予定でございますか。この点を一点。  それから——時間がないとおっしゃいまするが、この問題はだいぶあるのですが、一時までしかいけませんか。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 参議院の方で約束があるそうですから……。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そうですか。それではこの続きをぜひやらせてもらうということにして、話は半分でございますけれども、委員長の仰せに従って時間を守りましょう。

大堀弘通商産業事務官(通商局次長)

○大堀政府委員 お言葉を返すようでありますが、輸入実績をいかにして取るかということは、現在では、通関の実績、つまり輸入免状及びLCの写し、送り状の写し等証拠書類を提出させまして、それで十分に個人々々の輸入実績ということが確認できるわけでございます。その点につきましては、登録制を実施いたしませんでも、十分信用できる輸入実績ということはチェックできるわけでございます。その意味におきましては、そのために実施を延ばすという必要はないじゃないか、むしろ本制度を実施することによって生ずる影響の点を十分慎重に検討いたしまして実行するのが適当じゃないか、かように私どもは考ております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 それは仰せの通りですが、言葉を返しては悪いですけれども、三千四百も商社がありまして、その中にはほんの小さな商社もあります。今度はもらった紡績の方が発注のワクをどこへ持っていってもよろしいということになりますると、そのほんの少さい商社へでもこれを持っていくということはあり得るわけです。そうすると、ちょうどアロケーションが売買されると同じように、薄い口銭で、そんなものはとてもどうにもなりませんということで、また商社間で売買が行われるということになり得る。そういうおそれはあり得る。今日アロケーションがあちらこちらに売られる。それがIMFの方からいろいろ抗議を申し入れられて困るということが、同じようにまた繰り返えられるという種をここにまく、こういう結果になりまするので、それは、あなたのおっしゃる通り、通関実績なるものは信用してしかるべきで、何も登録制にしないでも十分今日でもわかっているはずであります。問題は、だから話は半分だと言うのでありますが、あまたの諸条件を考察してみた場合に、商社といえどもなお完全な受け入れ態勢はできていない、従って登録制にしたらどうかと言う。その登録制の前には、おそらく商社の整理統合ということも前提条件として、あわせてのこの前の御説明でございました。従いまして、結論的に言えば、受け取りたい、もらいたいという商社側もなおかつ今日では十分な準備態勢が整っていない、こういうことなんですね。従いまして、私は、慎重に御調査、御研究の上、過去の弊風を一掃して、ほんとうにメーカーも商社も、拡大均衡のために、輸出振興のために十分喜んで働き得て、しかも実績の上るような方途をぜひ御研究願いたいのでございます。  私の質問は、従ってきょう終るんじゃございませんが、ここで留保いたします。

前田榮之助日本社会党(右)

○前田委員長 本日はこの程度にいたし、次会は明二十二日午後一時より商工委員会との連合審査会を開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会

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