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22回国会衆議院1955/06/25

補助金等の整理等に関する特別委員会 第11号

発言数
53
登壇者
9
会派数
3
開催日
1955/06/25

会議録

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 これより会議を開きます。  補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)及び補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)の両案を一括議題といたします。質疑の通告がございますから、これを許します。井手以誠君。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 補助金等の臨時特例等に関する法律案の中で、水産庁に関係する漁船に対する補助金の問題でございます。これは、御承知の通り立法されてから一回も実施することなく、国会の意思をじゅうりんして補助金の削減を昨年行なったのであります。そのよしあし、内容については、すでに第十九国会において論議を尽しておりますので、重ねてお尋ねをいたしませんが、ただ昨年採決に当りまして全会一致行われました附帯決議を果して誠実に実行されておるかどうか、その点をお尋ねいたしたいのであります。すなわち、「二十トン以上百トンまでの漁船に対しても二十トン未満一トン以上の動力漁船と同一の取扱いを為すよう政令を改正実施すべきである。」という附帯決議についてどのように実行されたか、この点をお伺いいたしたいと思うのであります。

前谷重夫水産庁長官

○前谷政府委員 お答え申し上げます。昨年度の国会におきましてそういう御趣旨の附帯決議もございましたので、昨年度末におきまして政令を改正いたしまして、二十トン以上百トンまでの漁船につきましても漁船損害補償法の対象として政令を改正いたしたのであります。ただ、その場合におきまして、国家が保険料の一部を負担する趣旨からいたしまして、従業員が三百人以上で、使用漁船の総トン数が千トン以上を所有するものの漁船につきましては、これはその会社が一般中小企業と違いまして大会社でございますし、またそういう場合におきましては、自家保険によるとか、また一般の損害保険の場合と漁業保険の場合との加入の選択も行えるわけでございますので、これを除外いたしました。保険料の一部を国家が負担するということは、その趣旨からいたしましても中小のものに国家が負担をするという意味におきまして、大会社の所有するものについて除外例を設けたわけであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 それで大体わかりましたが、その予算措置の実績はどんなものになっておりますか。

前谷重夫水産庁長官

○前谷政府委員 これにつきましては、本年度の予算におきましては、一応、従来と異なりまして二十トン以上百トンまでを保険対象にするということで、保険収入及びその場合の保険率を見込んでおるわけでありまして、これは、御承知のように、一般に保険の実際上の加入の状況、それから事故の状況ということを、一応の推定で漁船保険の特別会計の中に計算上考えて入れておるわけであります。実質上は、それが実施されまして、加入の状態及びその損害の状態というようなことから経理面に現われて参ります。予算の特別会計におきましてはそれを織り込んで計算しております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 水産庁がわれわれの附帯決議を尊重されたことに敬意を表する次第であります。補助金整理などという冷たいやり方に対して、紅一点だと思っております。  そこで次に、小倉局長に伺います。昨年補助金等の臨時特例等に関する法律案の審議に当りまして、その採決の際に、特に農業改良助長法については、原案を修正するほか、附帯決議を付して普及事業の発展に支障のないよう注意を喚起しておったのでありますが、その実際の運営はどうなっておるか、この点を確かめておきたいと思うのであります。水産庁の方では政府に要求しておりましたが、おそらくあなたの方でも十分措置を講じてあるとは存じておりますけれども、聞くところによりますと、補助率の引き下げは復活はいたしましたけれども、実際においては金額は少くて非常に支障を来たしたということも末端では再々承わるのでありますが、農林省ではどのような措置を講ぜられたか。また、参考のために、普及事業になされた予算の実績を前年度と対照して御説明を願いたいのであります。

小倉武一農林事務官(農業改良局長)

○小倉政府委員 農業改良事業につきましての補助の問題につきまして、昨年いろいろ御審議を願いましたときに問題になっておった点に関連いたしまして、本年度どういうふうになっているかという点でございますが、人件費の補助率は従来通り三分の二でございます。ただ、昨年の補助金の整理の法律におきましては二分の一という規定がございましたが、国会で御修正いただきまして三分の二ということになりましたので、本年度もその通り三分の二ということでいたしております。ただ、名目が三分の二であっても、実質が三分の二ではないではないかということが他方またございましたので、そういう点については、補助単価の引き上げに私ども努力いたしまして、相当程度補助単価の引き上げが認められまして、大体現実の普及員の単価に近くなっているのであります。まだ十分ではございませんけれども、これまでと比べますれば相当の増額になっております。  それから、事務所の関係でございますが、普及員の活動費につきましては、従来、人に伴う旅費あるいは出張費ということのほか、特別の普及に要する、特に普及員の駐在のために要する経費が計上されていなかったのでございますけれども、三十年度新しく四千万円の補助、やはり三分の二の補助で計上いたしております。要点はそのようになっております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 大体わかりましたが、済みませんが、二十八年度都道府県に交付された普及事業に関する総額と、二十九年度の総額並びに三十年度の金額をお示し願いたいと思います。

小倉武一農林事務官(農業改良局長)

○小倉政府委員 二十九年度予算でございますが、これは十五億九千百五十万円でございます。これに対しまして三十年度は十七億四千九百十万円、二十八年度はちょっとここに数字がございませんが……。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 なければけっこうですが、減っているか、ふえているか、同額であるか、その点だけ……。

小倉武一農林事務官(農業改良局長)

○小倉政府委員 詳しい数字は持っておらないのでございますが、若干ふえていると思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 大体以上の答弁で了解いたしました。いろいろただしたいことはございますが、二番せんじでもありますし、私はこの程度で質問を打ち切ります。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 滝井義高君。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 補助金等の臨時特例等に関する法律の中にあります新たに入学する児童に対する教科書の給与に関する点でありますが、文部大臣は、本年度からこの給与の費用というものはぜひ獲得をして児童に配付したいと考えておった、しかし、自分の力が足らなかったために、あるいは財政上の事由のために、本年も不本意ながら補助金の削減の対象とせざるを得なかったという御答弁が昨日ありました。しかし、来年度は必ずこれを新学期からやるようにいたしたいという答弁があったのでございます。それに対して、大蔵省は、全般的に他の予算との関係もあるので検討いたしたい、こういうことなのでございます。しかし、この法律は、御存じのように限時立法で、来年の三月三十一日になれば、松村文部大臣の意向にかかわらず、当然復活すべきものなんでございます。しかし、復活すべきものではあるが、昨年も、国会の意思はこれらの補助金の削減というものは一年限りであるという意見で、あの法案は通ったのでございます。ところが、再び地固め予算という名目のもとにまた一年延びることに相なりました。もし、松村文部大臣の意向にもかかわらず、補助金を整理しなければならないという、そういう基本的な精神がこの立法に流れている限りにおいては、再び、来年になってから、補助金の中でも一番柱ともなるべき削減額の四分の一を占めるこの新たに入学する児童に対する教科書の無償給与というものが、一番先に対象になる可能性があるわけです。そこで、文部大臣の意向と同じように、大蔵当局も文部省の意向に協力して、たとい来年補助金の削減が行われたとしても、教科書に関する限りはそういうことはいたしません。こういう御言明が当然——これは法律の建前からはもうやらなくてもけっこうなんです。しかし、昨年われわれは一年限りだと思っておったのが、また今年一年やられたので、あつものにこりてなますを吹くわけではないが、とにかくそういう言明が必要だ、こういうことなんでございます。そこでこれは大臣の答弁を要求いたしたいのでございますが、大臣は参議院の予算委員会等の関係もあるとのことでございますから、大臣にかわって一つ責任ある答弁を政務次官からお願いをいたしたいと思います。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 教科書の無償配付の問題につきまして非常に御熱心な御論議があり御要望がありましたことは、承知をいたしております。第一に、臨時特例に関する法律を私どもが出しました趣旨は、すでに申し上げましたように、補助金全般にわたって根本的な検討を加えたい、しかし、十分な検討はいたしましたが、なお最後的な結論に至っていないので、とりあえず、昨年実施をいたしました補助金の一時停止につきまして、本年度も一つこれをお認めいただきたいという意味で提出いたしましたことは御承知の通りでありますので、今後も、補助金の全般にわたりまして、整理すべきものは整理し、復活すべきものは復活すべきものだという研究を続けて参りたいというように、原則的な考え方をまず申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、具体的な教科書の無償配付につきまして、文部大臣からも非常に強い意見があったので、大蔵省はそれに協力するか、あるいは復活すると申しますか、来年はやるということをここで言明しろという仰せでありますが、実は、財政を預かっております者といたしましては、今後の財政の推移あるいは来年度における一般的な経済の状態、そうしたものを十分見きわめをいたしまして、予算を編成いたさなければならぬ立場にあります関係上、どのような費目につきましても、ただいま必ずこれは予算編成上計上いたしますと言明申し上げることのできないことは、御了察をいただきたいと思うのでありまして、ただ国会の御論議あるいは文部省の意向等も十分に尊重をいたしまして、御趣旨に沿うように検討を加えたいというのが、私どもの考え方でありますことを申し上げたいと思うのであります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 そういう答弁なら実は昨日聞いておるのです。御趣旨に沿うように検討するということでなくて、もうすでに来年度の予算の編成期はやってきている。七月、八月になると各省からどんどん資料も出てきます。少くともわずか五億くらいの金で日本経済を危機に追い込むこともないはずです。しかも、これは来年の新学期からはぜひやりたい、やるのだというくらいに言明を文部大臣はされた。そうしますと、大蔵省の方で、これを整理すべきもの、復活すべきものを考えて、そうしてまた来年は新たなる立場から検討を加えるのだ、こういうことになると、私らとしては、昨年だまされたのですから、今年まただまされる可能性があるわけです。もし昨年一年限りとしたものを今年やらなければ、こういうことを言う必要は何もないのです。しかし、一年限りであったものが、財政の都合だといってまた今年やられれば、来年もまた財政の都合だといってやられるおそれがある。そうなれば処置ないです。  しかも、私がこれにこだわる理由は、この新たに入学する児童に対する教科書の無償給付というものは、昨年は、新たに入学するのだから、少くとももう入学するときにはみな教科書を無償でやられていなければならないのです。ところが、この法律は五月二十八日に施行されておって、みな入学しておるのです。だから当然これは入学したときには持っていなければならぬものを、わざわざ法律的に遡及して四月一日からこういうことをやったのです。だから、そういうことを昨年やっておれば、議論は少し違った方向に向きますが、文部省の意向からいえば、今年でも遡及して四月からやるようにしたらいいのですよ。ところが、そういうことは非常識だろうから、私の方は、本年はもうやむを得ないだろう、しかし来年からは確実にやる、こういう言明をしてくれ、こういうことなんだ。これは無理ではないのです。昨年は私らは無理された。私は予算委員会で小笠原大蔵大臣をついたのです。ところが、これは滝井さん、こらえて下さい、今年は予算の都合でどうにもなりませんから、今年だけは一つ何とか——なるほど法律的に厳密に言われると、もう入学する児童なんだからやっておらなければならぬ。  ところがこれはどうも財政の都合もあってそうも行きませんからということで、われわれは引き下っておるのです。そういう例があったから、私たちはこだわるわけなんです。そうでなければ、これはもう一年限りだからこだわらない。ところが、大蔵省のこの補助金整理の法律案を出した意向というものは、おそらく今年限りでやめる意思はないことは、今のあなたの御言明でも明らかなんです。整理すべきものは整理し、復活すべきものは復活するということになれば、この中から相当なものがまた来年整理の対象になって出てくることは、火を見るよりも明らかなんです。その場合にこの教科書がまた対象になったら大へんです。これが何十億の金なら言明できないかもしれない。しかしわずかに五億なんです。減収加算あたりは三十二億九千万円というものはやりくりするということを河野農林大臣はやったのですから、今度米価は一万百十円ですか、そういうことになれば、おそらくまた七、八十億くらいはやりくりしなければならないことになるでしょう。政府は、危機を乗り切るためには、それくらいの金額でも何とかやっておるのです。かわいいわれわれの子供に対する教科書に五億くらいをやるということを言明したために、大蔵省の予算編成方針が根本からくずれるということはないはずです。松村文部大臣は昨日はっきりと言われておるのですから、あなたの方が今日はっきりしません限り、私たちはこれを通されぬということなんです。問題はこれ一つにかかっておる。だから、もしあなたが御言明ができなければ、私は大蔵大臣の出席を要求いたします。御言明ができるまで今日はやりますから……。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 私が言明できなければ大蔵大臣と申されますが、大蔵大臣が参りましても同様であろうということは、はっきり申し上げておきたいと思うのであります。御趣旨の点は非常によくわかるのであります。それから、これだけを取り上げまして、金額は五億数千万円でありますることも、それは大きな予算の中であるいは小さい数字だと言えば言えると思います。ただ、私ども財政を預かります者といたしましては、単に教科書の無償配付に要する費用ばかりではありません。どういう費用につきましても、どういう金額につきましても、ただいま来年度の予算には必ずこれを計上いたしますという言明のできませんことは、一つ滝井さんも御了承をいただきたいと思うのであります。ただ、御趣旨に沿い、また文部大臣の強い御意見もございますので、それを十分尊重いたしまして、われわれは予算編成をいたしたいということで、一つ御了解をいただきたいと思うのであります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 あなたはそう言われますが、たとえば健康保険の赤字の対策として、来年度も必ずやるのだということは、予算委員会等で大蔵大臣はどんどん言明されておる。ことしは十億だけれども、来年は一つ十億以上のものをやるということを再三言明されておるのです。この問題だけができないということはない。たとえば米価の問題にしても、予算米価と違ったものが必ず出なければ、河野農林大臣の不信任案は通っておるのです。しかし、おそらく、今度は自民なりあるいは四派の国会対策委員長の会談で、河野農林大臣は言明しなければならないでしょう。そういう場合、米価は言明できるが、わずかに五億の教科書は言明ができないということはあり得ない。これは同じなのです。危機に追い込まれた問題については言明できるけれども、教科書の問題は言明できないと逃げることはできない。健康保険なんかでも十億以上を出しますということは、われわれの質問を通じて何回も言っておるのです。だからこれは少くとも出します、善処いたしますということが言えぬはずはない。私はこれについてあなたが言明するまで質問を続けますし、あなたができなければ、委員長、大蔵大臣をぜひ呼んでもらいたい。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 健康保険の問題を例にお引きになりましたが、これは、今年度の予算編成の際におきまして、そういう将来の負担を十分考慮いたしまして、そのような赤字を埋めて参りますということを申し上げておるような次第であります。また米価についてのいろいろなお話もありましたが、それは、一方において確定的な財源等がはっきりいたしました上において、実はいろいろと国会にもお答えを申し上げておるのであります。私は、繰り返すようでありますが、そういう意味において国会の御意見あるいは文部大臣の御意見は十分くみまして、この問題に処して参りたいというふうに考えておりますが、ただいま必ずこれを組みますとここで言明しろという御意見につきましては、その通りにいたしますということのできないことは、財政を預かっておりまして予算を今後組まなければならない立場にあります者の立場を御了承いただきたいということを、ひたすらお願いする次第であります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 あなたはそう言われますけれども、米価の問題にしても予算米価は九千七百三十九円ではありませんか。もしここであなたが大蔵省は断じてそれ以上はやりませんと言明できれば、私はあなたの今の答弁で了承しましょう。しかし、米価をもし予算を組んだときの基礎と違ったものにしていくということになりますれば、教科書の方も言明ができないはずはない。しかもそれはわずかに五億そこそこではありませんか。米価は何十億ですよ。ところが、河野農林大臣の首が取られそうな段階になると、それじゃ頭を下げて何とかしてやっていこう。しかし、これはそういうものじゃないらしいからということでがんばっておられる。何もこれはあなたが今善処いたしますと言ったって、政治的な影響はちっともない。この法案はそれで通ってしまうわけですから、補助金に関する限りは影響ないはずなんです。だから、これはもう答弁できぬらしいから、ぜひ一つ大蔵大臣の出席を要求いたします。それまで私は質問を待ちます。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 滝井さんから重ね重ねの御意見でございまして、私も御質問の点は十分承知をいたすのでございます。また、米価を御引用になりましたが、米価につきましても、どういう形に決定いたしますか、決定して国会に御報告をするときには、それは、一面において、あらゆる財政面の処置をとった上でなければ、これは言明できない。いいかげんなことで、これくらいの米価にいたしますというような言明ができないことは、これは御了承いただけることと思うのであります。それと同じようなことでございまして、予算を編成する上におきまして、国会の御意思は十分尊重をいたしまして検討したいというふうにわれわれは申し上げるのでありまして、これは、大蔵大臣を御要求でございますが、大蔵大臣とも十分打ち合せをした上で、私大臣にかわりまして申し上げていることを、御了承いただきたいと思うのでございます。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 最後にもう一回念を押してお尋ねしますが、昭和三十一年度に新たに入学する児童に対しては教科書を無償給与する、こういう方針であるということを文部大臣は言われた。従って、来年補助金の整理等に関する法律というものが出ても、この新たに入学する学童に関する限りは——その内容である配付の仕方等については、いろいろ検討の仕方はあるでしょう。しかし、いずれにしても、当然無償配付するという基準原則の確認に立って、大蔵省はその予算の編成には必ず善処する、こういうことを了承いただければ、私の方はこの法案を通すことについてはやぶさかなものではないということなんです。その点を一つ明白に御言明を願いたい。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 私の言葉の足りなかったために、いろいろ御質問を重ねていただきましたことを大へん恐縮に存じます。私、最初申し上げましたように、この教科書の無償配付につきまして、国会の強い御要望並びに文部大臣の御意見等もありますので、それは、来年度の問題につきましては十分にその点を研究いたしまして、善処いたしたいというふうな意味で、先ほどから申し上げたのでありまして、言葉が足りず、また表現が悪くて御厄介をかけましたことは非常に恐縮でございますが、私の気持を御了承いただきたいと存ずる次第でございます。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 善処いたしたいということでなくして、善処する、こう言明をもらいたいということなんです。それができないなら、私もう言う必要はないので、大蔵大臣に来てもらわなければいかぬのですよ。(「善処するんだよ」と呼ぶ者あり)いやいや、これは昨年だまされたのだから、私それでは納得行かぬ。だから、必ず善処します、それでけっこうですから、そこまで来たら、男なんだから踏み切らなければいかぬですよ。(笑声)

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 どうも言葉の使い方が下手でございまして御厄介をかけますが、善処いたしますという意味で申し上げたのであります。

滝井義高日本社会党(左)

○滝井委員 了承しました。  それからもう一つ、これはこだわる問題ではありませんが、実は食品衛生法の二十六条に、食料や玩具の検査、それから食品衛生監視員の設置に要する費用、死体の解剖に要する費用その他のものは二分の一の国庫負担ということになっておるのです。これが今までずっとどうも厚生省の予算の要求書の中に出ていないのです。先般の委員会で同僚の長谷川委員から質問をいたしましたところ、厚生省の楠本政府委員は調査をすると言って、その後答えていないじゃないかと思うのです。この点どうなっておるのか、今すぐでなくてもけっこうでございますが、おわかりになれば、あとで一つ明白にしておいていただきたい。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 井手以誠君。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 幸い文部大臣がお見えになっておりますから、一言だけお尋ねかたがたお願いしておきたいと思います。教科書の問題については松野委員と同じ意見を持っておりますが、私は佐賀の中小炭鉱の地帯で有名な岩屋炭鉱を地元に持っております。学童は、雨がさもくつもなく、二十円、三十円の金にも困って、ほとんど学校にはげたもくつもはいて来ません。ずいぶん身売りもあって、悲惨な状況でございます。そういう炭鉱地帯ではほとんどといっていいくらい教科書を買っていないのであります。現にまだ持ちません。やがて一学期も終ろうという今日になっても、ほとんど炭鉱地帯の子供は持たないのであります。そういう者に対して、全面的な問題は、これは根本的になりますけれども、そういう特殊の炭鉱地帯その他の教科書をほとんど持たない者に対して特別の措置が願えないものか、そういう方法が文部省でできるものかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 実は炭鉱地帯の学童の問題については非常に心配いたし、その措置を考えておるのでございます。給食の問題等のことにつきましても、できるだけのことをいたしたいと存じ、すでにやっておるわけでございます。これは厚生関係と相待ってのことでございますが、そういう意味におきまして、教科書を直ちに文部省から渡しますか、厚生関係の方でなにしますかは、これは今ここにまだ申し上げるわけに参りませんけれども、最善の措置をとるつもりであります。さよう御了承をお願い申し上げます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 重ねてお尋ねいたしますが、せっかくそういう御配慮がありますならば、私は給食その他についてもお願いしたがったのでありますが、この本委員会の性格から教科書問題に限定いたしたわけであります。今でも、帰るたびごとに、父兄の方から、特に母親から泣きつかれる。教科書を何とかしてもらいたいという切実なる願いなのであります。何とかしたいとおっしゃいますが、新学期になりましてからも相当日にちが経過しております。せっかくそういう御好意がございますならば、いつごろまでには実現できるものか。具体的なことは後日おきめいただいてもよろしゅうございますけれども、そういう地帯に対しては教科書がそういう人たちの手に渡るような特別措置をするという御言明がもしいただけますならば、関係者は非常に喜ぶだろうと考えるわけであります。炭鉱地帯では、もう何よりも自分のかわいい子供に教科書がないことは一番大きな問題であります。親は食事をしなくとも教科書は買ってやりたいという気持でありますから、せっかくでございますから、善政を施される意味で、もう少しあたたかいすっきりした御言明が願いたいと思うのであります。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 数日前にもあなたの県の教育長が見えまして、私はまだお目にかかっておりませんけれども、詳しいお話も事務的に承わっておるのでございます。事情もよくわかりましたし、その善後方策も講じたいと思っていろいろ協議をいたしておるところでございますから、具体的なことは、重ねて申し上げますが、できるだけの措置はいたします。

井手以誠日本社会党(左)

○井手委員 どうぞ一つすみやかに具体的な措置を講じていただきますことをお願いいたします。それとともに、せっかく大蔵省の方もお見えになっておりますから、ただいま文部大臣にお願いいたしましたことでございますが、教科書あるいはその他の問題について主管省と十分連絡をとられまして、ただきんちゃくのひもを締めるばかりが能ではないのであります。そういう者を救うところに今日の政治の焦点があると思いますので、積極的に主管省の要望に対しましては取り上げていただきますようお願いいたします。

松野頼三自由党

○松野委員 文部大臣も一日ゆっくりきのうの質疑もお考えになって、あなたの方のお考えもずいぶん間違いがあっただろうし、私の言うこともだいぶおわかりになっただろうと思いますが、やはりあなたとしては、やりたいという気持があるのに、やれなかったということは残念だ、これはわかる。政治の一つの不成功は文部大臣として残念でしょう。しかし、その被害を受けた方に対してはどうなるのですか。かりに言うならば、国鉄総裁が、先般、遺族の方々に対して、非常に申しわけないと心からおわびを言って涙を流された。あなたも、少くとも愛情のある文部大臣なら、自分の行政の失敗や成功は別として、それによって、一番大事な学童に対して、少くとも希望しておる全国の無償配布が昨年の公約に反して本年も実はできなかったということは、これは学童に申しわけないという気持はあなたにもありそうなものだ。それから、きのうの約二時間半の質疑、論争の焦点だった財政の問題は一応抜きにしても、文教のほんとうの精神から言うならば、あたたかい思いやりがあってしかるべきだ。これはあなたの失敗や成功を議会で追及するという意味じゃない。そういう政治論に持っていこうというのじゃなしに、少くとも文教政策というものはあなたから出て、大なり小なり全国に松村文相があたたかい措置を持っておるのか、おられないのかという一つの証左として、これは道徳的に、政治的にお願いしているのです。昨日は、暑かったおかげで、だいぶ言葉も歯に衣を着せられましたが、そういう深い意味じゃない。いかがですか。一日たちましたから、多少進歩があってしかるべきだと思います。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 お答えを申し上げます。昨日も申し上げました通りに、自分といたしましてはできるだけの努力はいたしましたが、それが、力が足りませんで、ようできませんでした。その点については、繰り返して申し上げました通り、遺憾に存ずるのでございます。ただ、予算が取れる、取れぬということは、これはそのときのあらゆる情勢から参りますので、自分といたしてはできるだけのことはいたした結果だと思います。従いまして、ほんとうに、きのうも繰り返し申し上げましたが、遺憾千万に存じておるわけでございます。もちろん、学童の福祉については十分の努力をいたし、次の通常国会にはぜひ最善の案を具してこれを実現いたしたいと考えておるのでございますから、どうかこれらの点についてはよろしく御了承をお願いいたす次第でございます。

松野頼三自由党

○松野委員 私はそう無理なことを言っておるのじゃないのです。それでは、心から教科書の無償配布を待っておった学童に対して、あなたはどういうお言葉でこの問題を説明されますか。今のお言葉は、私に対してまた何かやられはせぬかという感じがいたしました。そういう意味じゃなくて、私が学童だと思って、どうして文部大臣は無償配布を本年打ち切りましたか、昨年やる、やるとおっしゃって選挙では盛んに得票をお取りになったのに、ことしはどうして配布されないのでありますか、こう来たときにあなたはどうしますか。小学校一年生ですから、むずかしい言葉では困ります。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 もちろん児童に対しても遺憾に存ずるわけでございまして、遺憾という言葉の中には相当広範囲の意味を含みますことは、従来の慣用からも御了解下さることと思います。

松野頼三自由党

○松野委員 一年生の子供に遺憾という言葉がむずかし過ぎはせぬか。遺憾という言葉は一年生の教科書にありますか。私はむずかし過ぎると思う。別に無理を言っているのじゃない。これはあまりこだわり過ぎはせぬか。遺憾という言葉が一年生にわかるかどうか。だからそれをもう少しやさしい言葉で言えば話が進みやすい。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 さように仰せられますけれども、文部大臣が学童に陳謝をせねばならぬようなことは私いたしていないと考えております。

松野頼三自由党

○松野委員 けっこうです。その話のほかに、それではもう一つお聞きしますが……。(発言する者あり)人の質疑をじゃまするな。発言は自由だ。質疑をじゃまするような与党に注意なさい。発言の自由を制限するような与党に委員長注意なさい。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 それでは、静粛にお願いいたします。

松野頼三自由党

○松野委員 それでは、あなたがそうおっしゃるならば、この問題はいつまでやったって——私はそんなに時間を浪費いたしますまい。  それでは、もう一つお伺いいたしまするが、これは文部大臣、でなければ政務次官でもいい。盛んに来年のことはわからないとおっしゃる。しかしあなたの方は来年、再来年まで予算外契約をされた例もある。少くとも私はここで契約しろという意味じゃない。来年のことはわからないからと言うけれども、三十一年、三十二年まで予算外契約をされておる。だからそういうようにあまりこだわり過ぎはせぬか。はっきり来年おやりになるならおやりになると言明されても——文部大臣は来年やるということを先ほど御言明になったんだから……。これは文部大臣でもどっちでもいい。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 ただいまのお話でございますが、すでに先ほど大蔵省の政務次官からもお答えがございましたが、来年度のその具現につきましては、私責任者といたしまして最善の努力をいたし、児童に教科書を給付し得るように大蔵省ともよく話し合いをいたしまして、その実現を期しておる次第でございますから、さよう御了承をお願いいたします。

松野頼三自由党

○松野委員 理事会でお諮りいただきたいことがありますから、暫時私は質疑を保留いたします。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 それでは速記をとめて。     〔速記中止〕

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 速記を始めて下さい。  暫時休憩いたします。     午後零時一分休憩      ————◇—————     午後零時四十六分開議

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。質疑の通告がございますので、これを許します。大橋武夫君。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 議題となっております法案の各項目の中で、特に学童教科書の購入費に対する国庫補助が同様打ち切られておるのでございます。この学童教科書の購入費に対する国庫補助というものは、先般の選挙におきまする民主党の選挙公約として、学童教科書の無料配布ということが言われておったのでありまするにもかかわらず、この法案によって国庫補助すら打ち切られておるということは、まことに選挙公約を無視したものと言わなければならぬと思うのでございます。  もちろん、鳩山内閣の選挙公約の無視というものは、ひとりこの問題ばかりではなくして、数々あるのでございまして、これらの公約違反について一々大臣が謝罪をしたり、陳謝をしたりしておりましたならば、特にこのために専任の陳謝大臣を置かなければならぬという実情であろうと思います。(笑声)従って、私はこれらの問題について一々申し上げるつもりはないのでございますが、事いやしくも純真なる学童に対する教科書の問題につきまする公約違反というものは、純真な学童も結果において欺いたということになるのでございまして、これは民主党員全体が学童に対して謝罪するのは当然であろうと思うのであります。少くとも当面の責任者たる文部大臣が代表して全国の学童に謝罪せらるることは、至当のことと存ずるのであります。先般来の質問に対する応答におきまして、松村文部大臣は、しばしば、学童に対して遺憾に考えておる旨を言明せられておるのでございます。おそらく、大臣のこの御言明の中には、学童に対してまことに申しわけなく思っておるという気持の一端をも含められたお言葉と拝聴いたしておるのでございますが、この点を確かめさせていただきたいと存じます。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 お答えを申し上げます。学童に教科書を無料で配布するということが選挙の際の題目であったか、なかったかというようなことは、今ここで私申し上げることは、本日のこの場合では適当でないと思いますから、それは申し上げませんが、昨日来申し上げましたいろいろの事情によりまして、学童一年生に無料で教科書を配給することを一年間またとめざるを得なくなりましたことは、まことに私の微力のしからしむるところでございまして、昨日からしばしば申しますように、遺憾に存ずる次第でございます。この上は、何とかして明年度の予算におきましてぜひこれをすみやかに復活をいたしたいと考えておるわけでございます。その方法等につきましては現に検討中でございまして、一年生の全部に無料配布をいたしますか、あるいは困窮者だけ全学年に対して配給をいたしますか、それらのことは慎重に研究をいたしまして、そして次の通常議会には成案を得て御賛同を得、それを明年度において実施をいたしたい、こういう考えで最善の努力をいたす考えでございます。

大橋武夫自由党

○大橋(武)委員 先ほどの私の質問に対しまして、将来の御計画をただいま承わりまして、ぜひ大臣のお力によりまして実現されることを期待いたす次第でございます。先ほど申し上げましたごとく、文部大臣の当委員会におけるしばしばの御言明のうちには、私の質問いたすような意味が当然含まれておるものと了解いたしておるのでありますが、いかがでございますか。

松村謙三日本民主党文部大臣

○松村国務大臣 それは、御解釈通り、広く遺憾の意を表明したわけであります。

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 ほかに御質疑はございませんか。——他に質疑がなければ、質疑はこれにて終了いたしました。これより討論に入るのでありますが、討論の通告もありませんので、討論はこれを省略いたし、これより採決に入りたいと存じます。  補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)、補助金等の臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九一号)の両案に賛成の方の御起立をお願いいたします。     〔賛成者起立〕

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 起立多数。よって両案は原案通り可決すべきものと決しました。  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいと存じまするが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊東岩男日本民主党

○伊東委員長 御異議なければさように決します。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十四分散会

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