文教委員会 第20号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/06/28
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 日本学校給食会法案、危険校舎改策促進臨時措置法の一部を改正する法律案、公立小学校不正常授業解消促進臨時措置法案、昭和二十七年九月三十日以前に給与事由の生じた旧財団法人私学恩給財団の年金の特別措置に関する法律案、博物館法の一部を改正する法律案、学校教育に関する件、及び社会教育に関する件を一括して議題といたし、前会に引き続き質疑を行います。なお文部大臣、厚生省公衆衛生局長、農林畜産局長、及び文部省給食課長が出席することになっております。質疑を許します。辻原弘市君。
○辻原委員 政務次官にお伺いいたしますが、先般来から当委員会において超党派的に取り上げられた学校給食に対する根本的な改革と推進の問題について、その後われわれから文部当局、それから農林当局、厚生当局三者の間で協議をしてもらって、具体的な成案を得て、当委員会に提示をしてもらいたい。要すればそれに必要な文部、厚生、農林の間の共通した委員会等も合せ、成案をもってわれわれに示してもらいたいということを要求しておったのでありますが、それについて成案を得られたかどうか、この点をお伺いいたします。
○寺本政府委員 学校給食に関する予算については、先般御審議いただいた通りでございます。この予算と同時に御審議いただいておりますただいまの学校給食会法の審議にちなんで、委員の皆様から、この際に学校給食の拡大充実をはかるために、農林省、厚生省、並びに当文部省と相談の上に案を作って、皆さんにお示しするようにというお話がございまして、寄り寄り協議をいたしております。しかしこの案を作りますのには、どうしても財源措置が必要なわけでございます。ただいまのところでは、アメリカから受け入れます余剰農産物の贈与分とからみ合せなければ、そうした学校給食の充実発展をはかるということが非常に困難な状況にございます。しかし余剰農産物の贈与分の細目協定について、農林省、大蔵省とまだ折衝を続けておる段階でございます。ここ一両日のうちにまとめなければならぬところに参っておりますけれども、まだ最終案を得て、皆様に申し上げる段階に参っておりません。間もなく政府部内としては一応の結論に達するだろう、かように考えております状況でございますので、御了承いただきたいと考えます。
○辻原委員 今政務次官が言われた余剰農産物の細目協定を経た後に、それによってやろうというお考えは、当初予定されておった余剰農産物から生み出される、われわれが聞いておりました二億何がしの範囲から、相当財源としては幅があって確保できる、そういう見通しの上で、根本的な給食の問題を推進されようというお考えであるのか、この点が私たちの考えとしては——実は政務次官の受け取り方がどうであったかはちょっと存じませんが、そうではなしに、一応財源の問題もいろいろ考えるが、ともかくも案が先決であるというので、いろいろ何もこういう案が政府案で、これでもって財源かくかく必要でございますといった、はっきりまとまったものではなくして、いろいろの案を参考として提示してもらって、それをわれわれが検討の上で、さらに必要な財源についてはその後検討を加えて、そうしてしかるべき時期にその成立をはかっていきたい。こういう相当幅を広げた構想であったんですが、どうもその点何か政務次官の方では、きしっと本年度中に見きわめのつく財源でもって、それに見合った案を提示しなければならぬというような受け取り方であられたように私は今お聞きしたんですが、実はそうではなかったので、その点もしそうであるとするならば、これは非常な誤謬かと思いまするから、御訂正を願っておきたいと思うんです。われわれが要求いたしましたのは、ともかく食生活の改善と国民保健の面と、同時に学校給食の教育的な意味と、この三者をかね合わした一つの新たなる国民的な意味におけるこの給食制度を創設してはというような心組みで、非常な意気込みで私たちは考えておりますものですから、今政務次官のお答えになったような範囲でありますると、これは大した期待も持てないし、私たちが汗をふきふき各委員会共通で、一つ委員会でも作ってやろうじゃないかというような問題には該当しないと思うんです。その点誤まりではないかと思うので、一度お考えをちょっとお聞きしたいと思います。
○寺本政府委員 御指摘の通り、幾らか私の方にも誤解があったかとも思います。しかしながら私は皆様の御意見でも、この機会に、ことしの予算成立と余剰農産物受け入れの機会に、今年度からは実施し得る案を作りたいというお気持が皆様の方にもおありだったんだろうと私は想像いたしております。お話の中に、食管特別会計から、学童が輸入小麦を食っておる関係から、食糧管理特別会計に寄与しておる分を相当多額に出させてもいいではないかとか、それからいろいろ皆さんから財源的なことについてのお話もかねがね伺っておりますし、そうした関係から、皆さんは、もうことしから実施し得る案を考えろ、こういう御趣旨だと考えておりました。その当時私どもは、今度の余剰農産物で浮んでくる財源で、今学校給食実施上の非常なガンになっております貧困児童、準要保護児童の問題をどうするかということを申し上げましたところ、それよりもっと範囲を広げて考えろというお話が確かにございました。私どもとしては、準要保護児童の問題と同時に、この際学校給食の対象になっておる児童数を飛躍的に伸ばしていくということも、確かに皆様のお考えの一つであろう、こう考えまして、今年度の予算と、今年度の余剰農産物受け入れから出る財源とにらみ合せて、準要保護児童の問題と合せて、給食児童の数を飛躍的に伸ばしていく、そういうことで案を作りたい、かように考えておったわけでございます。
○辻原委員 多少ギャップがあるようでありますが、しかしそれは別といたしまして、これもまた政務次官からお話がありました準要保護児童の問題も、これはきわめて重大な問題でありますので、これは大体政府の方でも解決の見通しか、具体案もお持ちなさっておるようでありましたので、その上に、それをも含めて、もう少し前進をした案ということでわれわれは話しておるのでありますが、さしあたって、しかしその問題を中心に取りまとめるようにというならば、それだけでも早急に一つ御解決をお願いしなければならぬと思います。 そこで余剰農産物の細目協定に当って、いろいろ承わっておりますと、価格の問題についてまだはっきりいたしておりませんようですが、どの程度の価格にという見通しがあるのか、それによって円積み立てがどの程度確保できるのか、それによって準要保護児童の無償実施をしようとするなら、その対象人員はどの程度に及ぼされるおつもりであるのか、これは最初に申し上げておきたいと思うのでありますが、従来聞いて参りましたのは、二十三、四万から五万くらいという、そういう文部省当局のお考えであったようであります。私たちがずっと最近の、特に都会地の状況を見て参りますと、相当数が激増しているようであります。そういたしますと、余剰農産物細目協定による価格決定等の関係で、所管の中で所要の予算が確保できない場合には、非常に事めんどうなことになると考えます。その辺のところはどの程度の数を対象とされて、また食管会計の中で、それに充当し得る財源はどの程度のものとして見通されて折衝されておるのか、これをちょっと参考までに承わておきたいと思います。
○寺本政府委員 まだ細目協定が結論に達しておりませんので、具体的なことは申し上げかねる状況でございますが、余剰農産物受け入れの機会に拡大いたします学校給食の対象児童の数は、百万以上と考えております。そのために必要な経費は食管から移しかえができるつもりでおります。なお最終的な問題は、もうしばらくお待ち下さいますようにお願い申し上げます。
○辻原委員 最初の話から非常に努力された跡はあると非常に敬意を持っておりますが、百万を確保できるということなら、これはまことにけっこうな話でございます。それだけの予算をもっておやりになるならば、少くとも給食人員に相当な増加を来たすと思うのですが、従来の給食人員は、これもお聞きいたしますと、四百五十万程度にこれは減ってきておる。そういたしますと、先ほど政務次官がお話になりました飛躍的に増加さしたいというめどは、どの辺をお考えになっておるのか、さらに小学校のみならず、中学校にも及ぼされる考えをお持ちになっていられるのか、あるいは小学校だけは完全給食という形に考えられているのか、あるいは百万に継ぎ足した程度でもって、当初給食を実施いたしました六百万程度に復元をするというふうな考えなのか、そこいらあたりの構想を一つお示し願っておきます。
○寺本政府委員 先ほどから申し上げます通り、まだ最終的な結論に達しておりません。アメリカ側にも案を示さなければならぬ事情にございますので、具体的なことは差し控えさしていただきたいと思いますが、大体辻原委員のお話の最終目標を目標として交渉いたしております。
○辻原委員 これははっきり公式な言明という意味でなくてもけっこうなんですが、私が申し上げた一番最小限度の、せめて義務教育だけに究極の目的を持たしてやれるというふうに伺っていいでしょうか。
○寺本政府委員 義務教育全部というわけには参りかねます。しかしお話がありましたかって占領時代給食しておった最高限という話もございます。そこいらまでは、何とかしてこぎつけたい、こういうふうに考えております。
○辻原委員 一応大体六百万程度に目安を置いておられるのだということがほぼわかりました。しかしその点はそれといたしまして、本論に返りますが、かねがねから申し上げているのは、そういったやり方から一方脱却した給食制度をおとりなさってはどうか、その点については、これは文部省の力だけではどうにもいろいろな所管の問題もあって実施不可能だから、この際農林当局あるいは厚生省の協力も得て、政府全体としての問題に大きく取り上げてやってもらいたいという希望であったわけでして、その場合に今アメリカの余剰農産物を中心に考えられて、また実際給食をやるについては、アメリカからの小麦、脱脂粉乳にたよっておるわけなんですが、それでは学校給食の一面だけは充足されていくけれども、しかし本質的に生徒児童の体位あるいは保健、こういう面から考えて十分とは考えられませんし、かつまたせっかく内地に相当酪農の振興もいろいろと関係者が努力しておるにかかわらず、最近の状況は、これはもう小さい酪農の企業はほとんどつぶれかけておる、こういう面を学校給食と結び合すならば、もっと進歩した学校給食制度、国民的な食生活改善という問題に結びついたものが生まれるのじゃなかろうか。具体的に言えば、アメリカの脱脂粉乳を使わないでいく方法はないか。日本産の脱脂粉乳に切りかえて、その脱脂粉乳を活用する方法はないか。なお酪農地帯等においては、そうした粉乳を使わないで生乳を使う、そういう考えは取らないものかどうか、こういう点についていろいろそれに国が援助を与えるとするならば、直ちに価格の問題が出てくると思う。一体そういった場合の価格のバランスはどうなるだろう。それに要する財源はどうだろう。また学校給食用として国内産の脱脂粉乳が充当し得る量はどのくらいなのか、あるいは生乳をほんとうに確保できるのか、こういう点についていろんな数字的な疑問もありまするし、われわれとしても可能性はある程度考えてはおるんでありますけれども、どうもはっきりしたデータもつかめないので、十分それは政府部内の意思の疎通をはかってもらって、一応取りまとめたものを一つ資料として提示してもらいたい、こういう趣旨です。従ってやり方としては、相当これは今までの行き万から一本足を抜いて前へ進むわけなんでして、思い切った案と考えてもらってもいいのでありますが、それによって多少構想を考えられておられるのかどうか。どうも承わってみますると、余剰農産物を中心に考えられている範囲から出ていないと思うのです。どうもわれわれの意見というものは、あまり文部省当局に反映していないと思うのですが、その点どうですか。あるいは教務次官のそういう点に対するお考えを伺いたい。わからなければ担当者の方がおられれば、その人から伺いたい。
○寺本政府委員 農林省からたくさん局長もお見えになっておりますし、私の方の学校給食課長も見えておりますので、詳細はその方から申し上げます。ただ皆様の御意見を私たちが十分承わって、具体案を考えなかったのかというお話でありますが、その点は何とか学校給食に生乳採用の道はないかということでいろいろ検討いたしました。ただ初めに申し上げました通り、本年度から実施可能な案をと、こういうふうに考えましたものですから、財源的にどうしても生乳を取り入れる場合の予算措置についての自信がなかったものですから、一応資料を整え検討してみた程度でとどまっております。ただ輸入の贈与分の脱脂粉乳を受け入れます際に、それと輸入分の脱脂粉乳、それから国内産の脱脂粉乳、この三本建てでプール計算して学童に給食する、こういうことになっておりますので、前年度よりも、国内産の脱脂粉乳についても、多く学校給食用として取り入れ得ることになると考えます。その点は御了承いただきたいと思います。かように考えております。
○辻原委員 これは政務次官にお伺をする筋ではないのでありますが、先般本会議におきましても、大臣からはっきりと、これに関する委員会を一つ作って、そして国会の協力を求めたいという趣旨の言明があったわけなんでして、私たちは承わって非常に喜んだのであります。しかし一体大臣が言われる委員会なるものは、どういう構想をもって考えられているか、いわゆる文部省の諮問機関でやるのか、各省を通じたような何らかの政府の諮問機関として考えられておるのか、ないしはわれわれの方で適当な委員会——それぞれの常任委員会を通じて構成してもらいたいという趣旨のものであるのか、まず私たちとしてはいろいろなケースで研究してみる必要から、何かそれぞれの関係者の意思の疏通をはかり得るそういう一つの研究機関、あるいはこれは平たくいえば一つの促進期成会のようなものになっていくと思いますが、そうしたものがぜひなければ、てんでばらばらの格好では、これだけの大きな問題はとうてい解決できないと思うので、ぜひとも早急にそうした形のものを発足せしめたいと考えておるのですが、政務次官の方に大臣から何かそういうお話があったのか。実はきょうは各大臣が御出席になられるという話であったものですから、一応各大臣から相当はっきりとした言明を本日承わって、その上で私たちはそれぞれの案を持ち寄り、政府からも案を出してもらって、そこで真剣に取っ組んで研究してみたい。こういう構想であったわけです。大臣の出席がありません、しかし差し迫った問題でもありまするから、一つ委員会の構想についてどういうようなお考えをお持ちになって進められようとしておるのか、これを聞いておきたいと思います。
○寺本政府委員 ただいまのお尋ねに対しては、大臣からお答えになるのがよかろうかと思いますが、私が想像いたしますところでは、学校給食は皆さん反対のないところで、党をこえて御支持をいただいておる問題であります。また一方、今の生乳対策その他取り入れるとすれば、相当財源を要する問題でもありますので、超党派的に皆さんが御支持下さるような案を作り上げたい。それには文部委員会が中心になられて、農林委員会、厚生委員会、皆さんの連絡の上で、超党派的に御支持いただけるような案をそういう委員会で作っていただけたら、将来の方針としては学校給食を大さく打ち出していくのに都合がよかろう、こういう御構想だったと考えます。本年度の予算につきましては、先ほど申し上げましたような事情で間に合いませんでしたが、もはや来年度の予算を事務的にはととのえなければならぬ段階に参っておるのでございますから、そういう委員会でもできましたら、やはりこの学校給食問題を明年度予算以降大きく推進していくのに非常に都合がよかろう、かように考えまして、私は大臣の構想をさようなふうに想像をいたしておるところでございます。
○佐藤委員長 ただいま出席中の政府委員は、農林省畜産局長原田傳君です。経済局長の大坪君は間もなく見えます。それから総合食糧消費政策室長佐藤清美君、食糧庁業務第二部長桑原信雄君、厚生省公衆衛生局長山口正義君。
○辻原委員 今のお話でありますと、筋道は立っていくのでありますが、われわれは実施不可能な意見を申し上げても、この際はむだでありまするから、本年度補正予算等でもありますれば、あるいはまたそれもかけられますが、今から本格的にやるとしたならば、どうしてもこれは来年度予算になってくる。そういたしますると、予算編成期にある程度の具体案がまとまらないでは、政府の力が入らぬと思うのです。できるだけこの委員会の発足を早急に一つ政府の方でも構想をおまとめ願いたいということが一点。 それともう一つは、政府食管会計等における財源の確保も努めてこれをやっていただかなければならぬと思いますけれども、それは昨今の事情からみますると、なかなかそう望んでも、多くのものを期待できないと考えまするので、何としてもこれは政府の一般会計において、相当文部省も腹をきめて、来年度は当ってもらう必要があると思います。従ってただ一応この案を作って、延び延びにして、いつの日に日の目を見るのかわからないというような弱い意気込みであっては、これはとうていできませんので、どうしても来年度予算には何らかの形で、この抜本的なものをやり上げるんだという心組みで、一つこれにお取り組みを願いたいということを政務次官に申し上げておきたいと思います。 そこで農林当局にお伺いしたいのでありますが、私たち今お話を申し上げて参りましたので、当委員会がどういう角度においてこの問題を取り上げているかということは、ほぼおわかりいただいたと思いますが、文部省の方からはしばしばの言明で、まことにその構想はけっこうである。そこで政府部内としてよく相談の上で、先ほど政務次官からお話のありましたように構想をまとめて、そうして超党派的な委員会をつくって、練り上げようじゃないかという非常な心組みなんでありますけれども、一体農林当局としては、これは従来部分的には衆議院でも述べられたこともありますし、参議院でも給食法の改正ということにおいて、いろいろ論議せられたことがありますが、こういう形で各党が大きく手をつないで一つやっていこうという形に生まれてきましたのは、これは今回が私は初めてだと思います。従ってそういう点についての私たちの真意というものを、文部当局からすでに十分承わってもらっておると思いますが、やはりわれわれが意図する食生活改善、あるいは食糧問題の将来の解決、こういう意味から、この学校給食に対して熱意をもって当っていただける心組みがあるかどうか。一つこの機会に所管の局長から承わっておきたいと思います。
○原田政府委員 お答え申し上げます。私の所管の事項につきましてお答えを申し上げたいと思いますが、農林省全体の考え方ということにつきましては、もう間もなく政務次官がこちらへお見えになることと思いますので、総括的な点は政務次官からお答え願いたいというふうに考えております。学校給食の関係につきましては、私ども畜産関係の立場といたしまして、先ほど来お話に出ておりますように、児童の体位向上の点からもきわめてこれが重要なことでありますし、また私どもの立場の産業の見地から申しましても、酪農というものを健全な姿で発達させます場合に、やはりそこにしっかりした需要があるという意味におきまして、これは酪農振興上有益な問題であるというふうに考えておりまして、文部省側とも平素緊密な連絡をとりまして、国内におきまする乳製品なり牛乳の需給事情というものと、学校給食の計画というものを密接に結びつけて参りたいし、また今後におきまする酪農の振興の計画を考えます場合におきましても、やはり大きな需要といたしまして、学校給食というものを常に考えて参りたい、かように考えておる次第でございます。先ほど来お話のございました国産の脱脂粉乳というものも、現在よりもさらに数量をふやして、学校給食に回したいということを考えておる次第でございます。また生乳の問題につきましては、この生乳の取り扱いの点につきまして、いろいろ研究を要する点がございますことと、また生乳の価格の点におきまして、これは脱脂粉乳の場合よりも相当高くつく点がございますので、こういう点につきましては、何とかして文部省とも緊密な連絡をとりまして、国の財政的な援助を織り込むことによりまして、学校給食と結びつけるように考えなければならぬというふうに思っておる次第でございます。またその取り扱いの点につきまして、脱脂粉乳のような場合と違いまして、的確に学校給食に回りました実態というもをつかまえますことによりまして、まだ若干技術的に研究の余地がある、こういうふうに考えておりますので、目下文部省とも意見の交換をいたしながら、私どもは私どもなりに、この問題につきまして積極的に解決をいたしたいという考えで研究をいたしておる次第でございます。
○辻原委員 若干こまかくなりますが、実は私どもがいろいろ研究を続けていく間に、一つの問題点として出てきておりますのは、脱脂粉乳、全脂粉乳、それから生乳を加えて、現在日本の酪農状況から、国内の需要に充つるいわゆる生産量が、非常に酪農状況が悪いとはいいつつも、どうも時期的なアンバランスがあり、しかもその量は、全部国内の需要に充つるには若干まだ足らないというような話も聞くわけでありまして、従ってかりに学童給食と結び合わせても、それに供出し得る額はせいぜい二千トン程度だというふうな話を聞くわけであります。そういう面から、完全に結びつけて、いわゆる国内産奨励、酪農振興という面を強調した場合に、全部輸入脱脂粉乳をはずしてしまうということが、そういう生産量の面から不可能なんだというような御意見もちらちらお聞きするわけでありますが、はたして数字的にそういうことになっておるのかどうか。私たちの常識的な判断によると、そういう形で結びつければ相当生産量を上げることもできるし、市場における現在生乳の販路が少い、あるいは全脂粉乳で全然売れないでストックさせておるもの、こういったものが効率的に市販に出て参りますので、量としては確保できるのではないかという判断を下しておるが、その辺のところは一体どうなんでしょうか。それと、ついでにかりにアメリカ産を入れてもけっこうでありますが、現在学童給食で大体人員は六百万程度と推定してよろしいと思いますが、それに充当し得る、また必要とされる牛乳というものは、トンにしてどのくらいのものか、それを一ぺんお聞かせを願っておきたいと思います。
○原田政府委員 ただいまお話の、脱脂粉乳をいかなる程度に学校給食に向け得るかという点でございますが、これはすでに御承知のことを申し上げるようなことになりまして恐縮でございますが、脱脂粉乳の生産というものは、要するにバターと結びついた生産になりますので、バターの生産の際の分離されました脱脂粉乳というものを、加工処理いたしまして脱脂粉乳にいたすわけでございますが、脱脂粉乳の生産そのものを切り離して非常に急ピッチに増産するということは、あわせて生産されまする、バターの需給関係というものと関連して考えなければならぬという面におきまして制約を受ける次第でございます。でございますが、私どもの今考えておりますところでは、現在本年さしあたり二千トンというものを学校給食に充当いたすように、文部省と御相談をまとめておるわけでございますが、この数量は、もうこれで精一ぱいというようなふうには考えておらないのでございまして、やはり申し上げましたような、バターの需給関係とも関連はありますけれども、現在バターを作りました場合に分離されました脱脂粉乳が、全部脱脂粉乳になっておるかと申しますと、そうではございませんで、やはり相当部分が他の用途に向けらておる事情もございますので、こういうものを、確実なる需要があるという前提で指導いたしますことによりまして、製品化するという道もあるわけでございます。また他面バターの需要というものにつきましても、漸次価格が安定することによりまして、今後伸びる可能性もあるというふうに考えておりますので、そういうような角度から問題を解いて参りますれば、今後まだ供給力の増加ということは考えられるのではないかというふうに思っておる次第でございます。それから最後のお尋ねの六百万人分のトン当りの価格という点でありますが……。
○辻原委員 価格ではなく数量です。それはおわかりにならなければ文部省の方からお聞きしてもけっこうです。今の最後の点ですが、大体先ほど政務次官が言われた百万人対象人員が増加したならば、六百万と私は推定するのですが、そうした場合に必要とする脱脂粉乳、生乳を使われるならば、それを使われてもいいと思いますが、現在アメリカ産の脱脂粉乳、それから今お話の二千トン、これを入れてどの程度のものを確保しなければ、現在実施している、いわゆるミルク給食にも差しつかえが起るかどうか、その数量の目安を一ぺんお聞かせ願いたいと思うのです。農林当局のお答えによると、現在供出している二千トンというものは絶対的なものではない、必要において市販のものをそっちに向ける可能性があるということで、われわれも若干光明を見出したわけなんで、その点どの程度のものを必要とするか、一応文部省の方からお聞かせ願いたいと思います。もし六百万人がわからなければ、現在の対象人員でもけっこうです。
○岩倉説明員 本年の学校給食におきまして、大体完全給食は約六百万を想定いたしております。なお厚生省関係の保育所の給食を合せておりますので、ミルクの需要人員は約七百万人になると予定しております。そこで基準量をきめまして、所定の日数を全部給食すれば相当の量になりますが、実際の問題としては、現地で国内産のミルクを多少流用いたしましたり、また他のものを用いたり、基準量を多少下回る場合があったりいたしますので、大体一万九千トンあれば間に合うというふうに計画をいたしております。従いまして国内産二千トンのほかに、アメリカから買いますものを一万トン、それから贈与分七千トン、合計一万九千トンを予定しております。
○辻原委員 そこでちょっと課長にお伺いしたいのですが、今言われた現地で調達しているという形のものは、それは生乳であるのか、脱脂粉乳であるのか、おそらく全脂粉乳は使っていないと思うのですが、どういうものか。また数量はどのくらいのものか、今の数量からいいますと、二千トン国内産のものを使っても、約二割にしか過ぎないわけなんです。そこらあたりに問題があると思いますが、一体現地で調達できる可能性のあるものはどういう種類か、その数量はどれだけか、また地帯としてはどういう地帯か、いわゆる純酪農地帯と称せられておるところが、それとも非常に地域的に不便であって、酪農協同組合等の協力を仰いでやっておる形のものか、その辺をお聞かせ願いたい。
○岩倉説明員 最近非常に事情が変ってきておりますので、正確に現状を申し上げるわけには参りませんが、昨年の調査によると、現地で国内産のものを利用しておるもの約十万人、その多くは脱脂生乳であります。粉乳にしないものであります。なお、なま牛乳、全乳を用いているところも、ある程度でございますが、その数はわずかでございます。
○辻原委員 そこで数量の点についてはわかりましたが、しかし必要数量が約二万トンということでありますと、これは国内産の総量から比べても、相当これにはまだ日本国内の酪農振興という問題はその面でも力を入れていかなければならぬと思うのでありますが、今国内産の二千トンを供給するについて、農林省で指導されておるのは、やはり明治とか、森永とか、雪印といった、そういう大手のものか、それとも地域においてある程度供出し得る範囲のものは、それを現地調達の形において、これはどういうふうに取り扱われておるかわかりませんけれども、例の給食協会ですか、そこらあたりに現地で納入するような方法を指導されておるのか、その辺の事情を一ぺんお聞きしたいと思います。というのは、できるだけこれは輸送費その他もかさんで参ることでありますから、現地調達の方法が可能ならば、それが一番いいと思うし、また栄養価の高いものをなるべく早くという意味においても、そういう方式に指導された方が適切じゃなかろうか、かように考えますので、二千トンの納入方法、これはどういう形になるのか、これを一ぺんお伺いしたい。
○原田政府委員 計画的にまとまった数量を、脱脂粉乳を学校給食に向けます経験につきましては、実は今まで数多くございませんで、先般輸入品の入荷状況が非常に悪かったために、学校給食会と乳製品協会との話し合いで、五百トンばかり学校給食用に向けた事例はあるわけでございますが、今回の二千トンの分につきましても、やはり同様のいき方で行われることが適当ではないかというふうに考えておるわけでございます。この脱脂粉乳でございますが、これの製造につきましては、やはりある程度の設備が要ります関係上、どの業者と申しますか、乳製品の加工施設のうちでも、特にそういう設備のあるものでありませんと、この製造ができないという関係になりますので、自然に、生産されます場所が限定されるというような事情が若干あるわけでございます。しかしただいまお話のように、さような状態と需要との結びつきをできるだけ円滑にやる必要があると考えておりますので、私どもといたしましては、乳製品協会とか、学校給食会とかで具体的な荷動きの計画、時期等をあらかじめ立てまして、円滑に品物が運ばれ、鮮度もなるべく高いうちに消費に向けられるように指導して参りたい、かように考えております。
○辻原委員 先ほどからだんだんと申し上げているような構想が国の方で確立いたしますと、私は状況は非常に異なってくると思います。今お話のように、たしかに相当大きな施設でないと、量も少いし、また脱脂粉乳もなかなかやれないという事情にはありますけれども、しかし販路が明確になるとするならば、あながちそういう大きな企業でなくとも、いわゆる地域の、主として農民を中心にした酪農協同組合組織をもって充当し得る道がはっきり確立されると思うのです。これは私の経験において明言できると思うのです。そういう点から、指導さえ適切にやって、販路さえ確保していくような道をつけてやれば、あるいは全脂粉乳をやっておるような老朽施設、あるいは細々市乳でやっているようなところ、こういうものではなくして、脱脂粉乳を中心にして、地域のいわゆる学童給食に関連を持たした協同組合の育成というものが完全に行い得ると思いますので、一つそれをお見捨てなく、現在こういうような施設を持っていないからということでなくして、将来そういうふうな方向にいく道としては、そういった、できるだけ地域において調達し得る道を、私は、このような構想が生れたならば、直ちに現在やっているいわゆる給食会の組織あるいは運営、こういうようなものも改めていかなければならぬと思うのですが、そういう方向にこれが結びついていって、初めて成功を見るものと考えます。従ってこれはまだ研究の余地もありますし、それ以上のことは申しませんが、そういう点において、農林省としても積極的に一つおやり願いたいということを希望申し上げておきます。 厚生省にちょっとお伺いいたしますが、そこで私たちが心配いたしますのは、栄養価の問題からいうと、何といってもなま牛乳にしくはないのでありますが、先ほどもちょっと、文部省からの話もありましたように、生乳の取扱いというものはなかなか機微なものでありますから、われわれとしても、栄養価の面からいうといいに違いないし、また今日の農村状態から見まして、酪農地帯の状況から見まして、直ちに近いところで生乳がはけるということは、これは日本の酪農振興に最も効果的な方法だと考えるのでありますから、それを学児給食に採用するについて、あなた方が公衆衛生の面で特別な支障がおありになるか、またそういう支障の面について何か除去される方法があるか、この辺のことを、少し専門的な立場からお聞かせを願いたい。
○山口(正)政府委員 ただいま御指摘のように、牛乳の問題を取り扱います場合におきましては、一方におきましては、栄養価の問題を考えなければなりませんし、また一方におきましては、食品衛生の問題を考えなければならぬと存ずるのでございます。私ども厚生省におきまして、両面の仕事を担当しております際に、この牛乳の問題を取り扱います場合には、常にその間に支障のないように、できるだけの手を打っていかなければならないと考えておるのでございます。御承知のように、現在牛乳というものを、食品衛生の立場から、栄養の面も顧慮いたしまして、殺菌方法に二種類あるということは御承知の通りでありますが、問題はその殺菌方法で、低温殺菌いたしますれば、栄養成分の破壊度が少く、高温殺菌にいたしますと破壊されやすいということでございますが、問題はそのあとの保存方法でございます。牛乳を小分けいたしまして、相当遠隔の地に持って参ります場合には、あと一時間以内に摂氏十度以下に保存できるような方法でいろいろな処理をしてほしいということをきめておるわけでございます。ただいま御指摘の学童に牛乳を用います場合に、一番いいのは、やはりなま牛乳をそのまま飲ませるということが一番いいと思うのでございます。その際に保存の関係で、相当遠隔の地に運ばなければならないというようなときには、やはり冷却のできるような殺菌方法を用いるのが一番いいと考えておるのでございます。ごく近くのところで生乳が短時間に学童の口に入り得る、その間に食品衛生上の注意が十分できて、食品衛生の見地から見ましても心配のないというようなときには、従来の方針を援和と申しますか、取扱いを変えまして、先般三月三十一日付で、都道府県知事に通牒を出しまして、短時間に牛乳が飲めるというようなときには、今までのように小分けして、低い温度で保存するというようなことでなくても差しつかえない。そうして学童の栄養改善に寄与できるようにというような措置をとっておるのでごいます。その際に私どもの立場といたしまして一番心配いたしますことは、そういう取扱いをいたします場合に、取扱いにおいて左右されるようなことがないようにということと、それからもう一つ、これは私ども直接の関係ではございませんが、価格の問題が入って参りますので、その点考慮しなければならぬのでございますが、私どもとしましては、いろいろな観点から、なま牛乳の飲めるような地区においては、そういう方法がとれるように、できるだけのことをやっていかなければならぬと考えております。
○辻原委員 だんだんとお伺いしてみますと、制度の上においても、関係の各省の間では、決して異論も出ておらないようでありますし、非常に積極的に話を承わったのであります。また心配しておりました数量の点についても、これはさしたる難点がないようであります。ただ残る問題は、結局やりっぱなしではこれは進行はいたしませんので、完全給食とはいかなくても、それに近い線でもって、やはり国の援助を与えていくということが問題になっていくと思うのですが、そうするとアメリカ産の脱脂粉乳、国内産の脱脂粉乳あるいはなま牛乳におきまして、私の聞く範囲では、アメリカ産が一合当り一円、国内産が約二円、それから最近の乳価の状況から見ますと、農家の売り渡し価格が、ほぼ四円くらいが大体平均じゃないかと思います。そういたしますと、やはり価格の点では、どうも国内産のものについては若干これは問題がある。ところが栄養価値においては、てんで問題にならぬという逆の格好になっておる。そこで国としてこういう制度を実施する以上、どこにウェートを置くかということで、やはりこれは価格よりも、問題は、それによって国民の食生活が改善され、子供たちの体位が向上し得るという面からこういう制度を実施するのでございまして、従ってこれは何としても多少価格の問題のズレはあっても、制度として、どうしてもこれは実施しなければならぬという結論をわれわれは持つのでありますが、その点政府部内においても十分研究の上、一つ腹をくくって、できるだけ今申しましたような趣旨でもって、国内産のものに援助を与えていくという方法をとっていただきたい。従って来年度予算の問題に直ちに引かかってくるわけでありますが、政務次官、その点はどうですか。金の問題でそういうことは考えられぬとおっしゃるかどうか、一つ思い切ってそれに党をあげて、各党の協力を求めてやっていこうとおっしゃるか、一つ腹のほどを見せてもらいたいと思います。
○寺本政府委員 大臣の御方針もございます。ただいま承わりましたことは、大臣にも詳細また御報告を申し上げます。本年度は、予算的にも時期おくれになりましたし、諸般の事情で実現に至りませんでしたが、まだ私どもは、学校給食と酪農対策を結びつけた学校給食の前進については、あきらめておるわけではございません。皆様の御援助を得て、これから実現に向って努力したいと考えております。
○佐藤委員長 三宅正一君。
○三宅委員 ただいまどうも聞き捨てならぬことをおっしゃったのですが、私どもが来年度の予算におきまして、なま乳を飲ませる学校給食の方式をとるということは、これは当然のことでありますが、内閣が変ったりいろいろいたしますと、また政情の関係等において、みんな賛成しておりながらできぬことがある。われわれがこの委員会で大臣等の賛同を得ましたのは、今年一つやれ、現実になま乳が非常な危機に迫られておって、都会等に送れないところは二円五十銭なんていう地帯がたくさんある。二円五十銭では、農林省といってみたところが国の政府でありますが、政府が酪農振興で、百姓に牛を飼わせて、現実に飼料は高い、乳は安いということで、これを投げ売りさせるというようなやり方をすれば、せっかくここまで来ました日本の酪農を、また萎縮させてしまう。たまたまこれとの関連において、一つなま乳を学校給食に飲ませようじゃないか、それを初めわれわれが予定しておったのは、食糧管理特別会計における含み等を出させるつもりで予定しておりましたのが、いわゆる減収加算で三十三億出してしまった。米価の問題で非常にやりくりが苦しくなったということで、なかなかむずかしい点はありますけれども、先ほど話がありましたように、内地産の脱脂粉乳、それから外国から買った脱脂粉乳及びグラントの脱脂粉乳等をプールして、学童にやるんだから、その間の価格操作におきまして、私は少くとも今五百万石なま乳ができて、二百五十万石がバターやいろいろなものになる。あと二百五十万石をなま乳で飲ませる。それが二円五十銭に下っております地域だけについて、とにかく一つ学校給食をやったらどうか、それくらいの予算はできるのではないか、こういう点が大臣その他の賛成を得たつもりで私どもはおるのであります。来年度やろうというような話でありまするならば、当面の酪農危機に対して対処できない。当面の酪農危機と申しまするけれども、夏になりますから、また乳はちょっと需要の向上期に入る。従って私は実際にやりまするのは九月ないし十月からでけっこうだと思いますけれども、どうしてもやらなければいけない。これには農林省自体の立場からいっても、酪農を奨励しておいて、集約酪農地区なんていうものを作っておいて、飼ったら百姓をひどい目にあわせて放っておくということは、政治的な罪悪であります。私どもは、政治的な責任においてもこれはやらなければいかぬと思うのであります。そうして私自体の感覚から申しましても、これは農林大臣も、案ができればぜひやりたいという立場でおられる。文部大臣もその立場でおられた。そして大蔵大臣なども、予算委員会等における質問において、これは確かにやらなければならぬことであるから、これについては、案さえできれば考慮するという意味の言明をしておられるのであります。文部委員会のお互い同僚のわれわれは、来年作ってもらうための案を作るために、これほど熱心に話をしておるのじゃありません。この点は何としても、もうあと会期は、延びましても幾日あるかわかりませんけれども、その間に一つ具体案を作りまして、われわれも協力いたしますから、とにかく一つやるようにしてもらわなければならぬと思いますので、きょうは大臣はおられませんが、その点について大臣代理として、次官にもう一度だめを押しておきます。
○寺本政府委員 ただいまのお話しのありました通り、三宅委員から、予算委員会でも大臣に御質問がありましたし、大臣も十分御意見を拝聴して具体策を立てたいという答弁をしておられます。しかし本年度、私どもとして当てにし得る財源は、やはり余剰農産物の受入れに伴う食管からの移しかえしか財源がないわけでございます。その関係で、どうしてもこのなま乳対策をこの際取り入れるという財源が見出し得なかったわけでございます。ただいま二日五十銭という話もございましたが、なま乳対策として学童給食に取り入れていきます場合に、その価格ではどうしてもやはり政府の施策を立てるということが非常に困難ではなかろうかと考えます。やはり計算をいたします場合には、四円なり四円五十銭なりを基礎にして、この対策を立てなければならぬと考えますが、そういたします場合に、どうしてもまとまった数量を学童に給食させるということには、相当の財源を食管から繰り入れていただかなければならぬわけでございますが、ただいまのところ、学童の増と、要保護児童に対する学校給食の負担の軽減、この両方で精一ぱいでございまして、食管からそれより以上に移しかえていただく財源がないようでございますので、本年度の措置としては、ただいまのところ実施が非常に困難な状況でございます。
○三宅委員 寺本次官は非常に思い違いをしておられるので、二円五十銭なんという値段になっておったならば、酪農がつぶれてしまう。だから最低価格は、指示価格の関係において四円が適当であるか、四円五十銭が適当であるかは、農林省その他とも相談をしなければならぬが、ほんとうのことをいえば、米価審議会と同じように、乳価審議会というようなものを作りまして、パリティその他の計算も入れまして、そうして四円がいいか、四円五十銭がいいか、五円がいいかということをきめなければならぬが、腰だめでいって、少くとも生産農家の手取り四円をやらなければ、酪農はつぶれてしまう。つぶれてしまうことを防ぐということは、これは非常に大きなことであるから今年やりなさい。やるについても、一年五百万石の今の集乳の中におきまして、二百五十万石はバターやいろいろなものに使うのですから、あとの二百五十万石で、しかも現実に八月、九月、十月からでも実施することになれば、これは非常に少いものです。それも山村地帯におけるバターの工場が大きくないとか、輸送が苦しいとかいうところをやればいいのですから、私は、やり方によれば一億円でもできるし、二億円でもできる。その範囲においてもとにかく手をつけまして、なま乳を処理するにはどういう問題点があるかということを、ほんとうに大きくやられるときには考えておかなければならぬと思うのです。そういう御答弁をいただくのは、私は実に意外ですな。そんなことでなしに、本年度に何かやりましょうじゃないですか。せっかくあれだけ賛成しておいて、そんな無責任な話はないと思う。そういう約束じゃありませんよ。 そこで私はさらに、今日は大臣はおられませんけれども、厚生省、農林省も来ておられますので、この際特に寺本氏を中心にして聞きますけれども、経済再建六カ年計画というものは、私は、立場はどうにいたしましても、ああいう計画を立てることはけっこうだと思うのであります。そこで、その中の大きな柱として、食糧自給六カ年計画というものを当然立てておると思うのであります。その食糧自給六カ年計画は、私は二つの面があると思う。増産の面と、食生活の合理化によって米などの食い過ぎがなくなって、実質的に供出がふえてくるという面です。すなわち健康をよくしながら、大食いをやめて栄養をとるという面があると思うのです。従いまして食糧自給六ヵ年計画は、土地改良、耕種改善等における増産の面と、食生活改善における供出増加の面と、同じ比例で考えなければいかぬと思うのです。きょうは農林省からも来ておられますが、農林省が大臣官房の中に総合食糧消費政策室というものをお作りになりまして、この面に増産運動の一翼としての大きな面があるということを考えてこられましたことは、非常に大きな進歩だと私は思うのであります。こういう感覚に立ちまして、私が文部省の当局にお願いをしたいことは、文部省は文部省だからといって孤立しておる必要はないのであります。一つ学校給食六カ年計画というものをお立てになりまして、それは文部省の立場からいえば学童のしつけだとか、学童の貧富にかかわりない平等な食糧の給与だとか、いろいろな教育的効果がありましょう、それとともに国の面から見れば、これによる食糧自給度の増高という面がありますから、食糧増産六カ年計画の中で、わが国の国民が澱粉質食糧を食い過ぎておるのを、脂肪、蛋白を入れることにより、食い過ぎを減らすことによって、準増産量が六カ年にはどれだけ出るか、一般国民の食生活の転換によって、米の食い過ぎがどれだけ減るか、それから学童に、たとえば厚生省の所管の保育所から義務教育としての中学までは全部やらねばいかぬが、さらに腹の減る定時制高等学校等の給食まで加えたならば、どれだけの乳が要って、どれだけのパンが要る、それによって米麦の転換がどれだけできる、食生活の改善によって農村面における供出がどれだけふえるかという裏づけの上に予算を要求されなければ、ただ教育上よろしゅうございますからということでそんな大きな予算が出るわけはないと思うのであります。その証拠には、学校給食がここまで広がってきた沿革を調べてみれば、アメリカがエロア、ガリオアによる食糧をくれたからやり得たのでありまして、それが結果において非常にいいということがわかったから、予算も出そうじゃないか、そうして日本の酪農の振興の上からも必要ではないかという線が出て参りまして、それで一つやろうということになったわけであります。私はこの際そういう観点に立って、第一は畜産局の関係がありますから、畜産局長なり、あるいは総合食糧消費政策室長なりから承わりたいのは、食糧自給六カ年計画の中に、消費の合理化、食生活の転換による増産分をどのくらい見ておるのであるか、それから土地改良や開墾による増産分、そういう積極面と、主して米に関する消費減による実質上の増産、消極面による増産分をどのくらい見ておるか、その上において学校給食というものをどういうふうに評価しておるか、これは農林省と文部省が本気にそのつもりにならなければ、物を出すのは農林省でありますから、できやしません。その一点と、それから文部省の方としては、現在は六百万という程度のものでありますが、その学校給食六カ年計画というようなものを作っておられるのかどうか、私どもが資料としても要求したいのは、ここまでやればこれだけの金が要るが、こういう効果が出てくるということで、最高度の理想案を一応持っておって、それが予算の都合できなければ必要な限度だけやるより仕方がありませんけれども、それを持たなければいけない、その六カ年計画というものをお持ちになっておるかどうかということが一点であります。その点は文部省から、それから先ほどの食糧自給対策の点は農林省から一つ承わりたいと思います。
○寺本政府委員 初めに本年度予算に間に合わなかったことでおしかりをいただきましたが、非常に困難な状況にはありますが、なお最後的な努力は続けていきたいと考えております。 なお食糧自給六カ年計画というものがあるかどうか、その一部として学校給食対策にやはりそういう長期の計画を立てておるかということでございますが、政府が作りました経済六カ年計画には、学校給食の六カ年計画はかみ合しておりません。将来の問題として、やはり学校の危険校舎、老朽校舎などの復旧計画と合して、経済六カ年計画の一部として織り込んでいく必要があるという大臣の御方針で、目下研究中でございます。その中に学校給食の問題をどう織り込むかということについては、まだ具体的に構想をまとめておりませんが、ただいまのお話もございますので、文部省としては十分取り入れて研究して参りたい、こう考えております。
○佐藤説明員 ただいまお尋ねのありました食糧自給六カ年計画の問題でありますが、現在経審を中心にいたしまして、経済六カ年計画の一部として食糧増産及びこれが需給の問題について検討中であります。その内容につきましては関係各省でまだ最後的な決定を見ておりませんけれども、先ほどお話がありましたように、澱粉質の消費というものはある程度整理いたしまして、脂肪、蛋白を急速に増加し、これによって栄養改善をして参りたいという方向を持っており、これの最も大きな柱として、学校給食を通じまして食生活改善運動を進めて参りたいということを考えておるわけであります。 なお先ほど来お話がありましたように、食生活改善の推進の最も大きな柱になる学校給食につきましても、もう少し長期的な計画でやったらどうかというようなお話も先般来聞いておりまして、着々計画を作り、関係省と連絡すべく準備を進めておる段階でありますから、御了承をいただきたいと思います。
○三宅委員 そこで私は畜産局長にお伺いいたします。これは文部委員会で聞く質問かどうか知りませんが、畜産局長はおかわりになったばかりでありますけれども、実際は畜産を非常に奨励しましたが、飼料は八百円以上に上っておる、乳の値段はひどいところは手取り二円五十銭に下っておる。この状態を打破するために集団酪農地区などに対しても、非常な指定の運動をやりまして、せっかく指定してもらったが、補助金は出ないとかいろいろで、酪農民から今非常な不平が出ておるという状態であります。私はいつも政府に言うのでありますが、戦前は二十五万トン平均、今は四十万トン平均になっておるか五十万トン平均になっておるか知りませんけれども、そのレベルまで来ますと必ずたたかれて、乳の値段が下り、飼料が上って、酪農が衰微する。衰微するとまた政府が迎え水を出して上げたり下げたりして、もうけるのは業者だけという非常にべらぼうなやり方を今日までやってきておりますのが酪農政策の実態なんです。私はこの際畜産局としては一体どうやって二円五十銭に下っておるなま乳の値段を、ともかく四円なら四円という最低の線まで維持してやるかという点が、もうすぐ施策されなければならぬ点だと思うのです。また飼料にいたしましても、八百円以上になっておりますのが、やはり庭先六百円くらいで渡るという方策を確立される必要がある。それをやっておきながら、農家としては自給飼料八割以上の線まで持っていくとか、少くとも都会の近傍においても七割の線までは持っていくとかいう指導の上に、飼料はここで押える、そしてなま乳はここまで保証するという線が出なければ、酪農の恒常的な発展はあり得ないし、政治に対する失望というものは大きなものだと考は思うのであります。これを憂慮いたしまして、もちろん学校給食だけで解決する問題ではないけれども、学校給食という非常にいい仕事とこれとを結びつけまして、土地改良に百億入れる場合に、土地改良は必要だからやらなければならないけれども、かりにそれと同じウェートで百億学校給食にぶち込むというような思い切ったことをやりますれば、私はわが国における農業の形態はすっかり変ってしまって、デンマークなどと同じ形態に変ると思うのであります。それくらいの施策をやらなければ国民の体躯は変らない。大飯を食っておって、そして胃拡張になっておる連中が、精密工業なんというものに入れるわけはない。ほんとうに高度な精密工業に持っていきますためには、やはり食生活から変えていかなければならぬということは、これは専門家もみな知っておることであります。そこで今日学校給食の問題が非常な脚光を浴びてきて、文部大臣は一石六鳥とか七鳥とか言っておられますが、確かに私はそうだと思う。それをこれだけ議員が熱心にやっておるのに、来年度にしかできないという。そんなばかな話をされたんでは政務次官に不信任案を出したいくらいです。委員会で政務次官に不信任案を出したという例は私は知りませんから、きょうは遠慮しておきますが、そんなばかなことをやられるなら出さなければならない。畜産局長もそういう点で文部省とも能動的に御相談になり、それから厚生省とも御相談になりまして、ほんとうにやりましょうや。この状態のときに一つや二ついいことをやらぬで一体どうしますか。やりましょうや。大臣こられましたが、一つまずこれを畜産局長に伺いたい。
○原田政府委員 ただいま三宅先生から御指摘の点につきましては、私全く御指摘の通りであると思います。今までにおきましても御指摘のように、乳価の対策、飼料の対策ということにいろいろ施策をいたして参っておったのでありますが、やはりこの乳価の維持という問題につきましては、学校給食のような固定しました、しっかりした需要というものと結びつくということが最も有効的な施策であるというふうに考えまして、実は私どもだけの立場といたしましては、省内におきましても御指摘のような問題につきまして、何とか早く結論を出していただきたいということで、省内あちこちあばれ回っておったというような状況でございまして、今後におきましてもそれらの点につきましては最善の努力をいたしたいというふうに考えております。
○三宅委員 大臣がおいでになりましたから、大臣にもう一ぺん一つお伺いいたします。時間もおそくなっておりますので、ほんとうに簡単に、大臣くろうとでございますからよくおわかりになると思いますが、私どもといたしましては今現実に酪農危機が眼前に迫っておる。単にこれは文部省の問題だとか農林省の問題とかいうことでなくて、国全体の問題でありますので、二円五十銭などに下っておりまする生産地の生乳を、生産地における生乳給食によってせめて四円なり四円五十銭なり、その最低価格だけは保障する方策は立てたいということでもって、私どもこの委員会全部が非常に熱心に大臣等にお話しを申し上げておることは御承知の通りであります。予算委員会における私の質問に対しましても、大蔵大臣も一つ考慮しようということを言っておったのであります。いわんや文部大臣、農林大臣、厚生大臣は、もとより所管の大臣としてきわめて熱心に言っておられたわけであります。私が今聞きました点は、経済再建六カ年計画というものがあって、その一つの大きな柱に食糧自給六カ年計画というものがある。その食糧自給六カ年計画は土地改良や耕種改善による増産政策が一つの大きなたてであるが、同時に一つ澱粉質の食い過ぎと脂肪、蛋白の不足のこの現状を、食生活改善によって米の食い過ぎを減らすという大きな増産方策として、これを食糧自給の中の食生活改善のウエイトは増産政策と同じように考えてもらいたいのであるから、従って農林省が主として作っております消費生活総合企画室というようなものにおいても、その点をどの程度にウエイトを置いておるか、その一環として学校給食の問題も考えなければいけない。学校給食それ自体は、文部省の立場とすれば、子供に一緒に食事をさせることによっての社会的な訓練であるとか、いろいの教育的の面がありましょう。それとともに国とすれば食生活改善という大きな面があり、消費生活転換による自給度の向上という大きな面があるから、経済再建六ヵ年計画の裏づけとして、学校給食六ヵ年計画というものができておるかどうか。これを案を持たずにおったのでは仕事にならない。アメリカから給与が打ち切られたらやめるというようなことであっては大へんなことでありますので、この点も承わったのでありますが、それより何より大臣に特にこの席上で御質問を申し上げておきたいことは、来年度の予算に大きく企画化されますことは、当然私どももお手伝いしてやってもらいたいと思います。しかし今年度においても、外国食糧等の入ってきましたもののプールによりまして——河野農林大臣なども何億円かの金が出ないわけはないと言っておりますが、私もやり方で出ると思うのであります。そのほかに財源を考えてもよろしい、ともかくもう七月、八月になりますればアイスクリーム屋の時期になりますから、乳はちょっと払底しますので、従いまして始めるのは十月でもよろしいのでありますから、少くとも次の予算ということでなしに、本年度においてかりに三億円の程度でありましても、道を開いておくことは、生乳という道を将来大きく広げていきます上において、いろいろの経験を経る上においても、来年度の仕事の上に非常に都合がいいと思いますので、われわれの方も積極的に出ますから、政府の方も新しいやり方をされるについて考えてもらいたい。これが今まで質問しておった要点でありますので、大臣からあらためて御答弁をいただきたい。
○松村国務大臣 三宅さんの御趣旨はかねがねも承わっておりますし、私も了承いたしておるのでございますが、ただ根本のことを申しますと、学校の児童の給食によって、それで有畜農業の奨励をはかることが目的だ、こういう考えは文部省の給食といたしましては主でなくて従であるということは、これは御了承を願わなくてはならぬのでございます。われわれは児童の給食の結果として有畜農業の奨励、あるいは食生活の改善、これをぜひやりたいと思うことがございますけれども、文部省の建前としてはそういうわけだと思うのでございます。従いまして酪農の振興ということにつきましては、私のところばかりではなく、申すまでもなく農林省等との緊密な連絡によって、この目的が達せられなくてはならないと思うのでありまして、そういう趣旨において、両者相待って完全な効果を上げたいと考えておるわけでございます。そこで先般から理事の方々にも政務次官からお願い申したわけでありますが、一つ委員会を設けて、給食全体についての御検討を願いたいと思うて、その用意を急いでいたそうと思っているのでありまして、これは一つすぐさま御相談をして委員の組織もいたし、直ちに御協議を願ってその決定をいたしたいと思うのでございます。 それから来年から始めるのはおそいから今年度からやれということでございますが、これの財源等につきましては、これはなかなか困難な事情もありまするが、単に道を開くということなら何かのやり繰りができるかもしれませず、できるとは申しかねますけれども、委員会でよく御相談下さいまして、そうして案を立てて、やり繰りをしてやることでございますから、今となれば予算措置を新たに加えるわけにはいきませんが、速急にその委員会を作りたいと考えておるわけでございます。
○三宅委員 今大臣は、学校給食は酪農振興ということが主ではないのだと言われましたが、それはその通りであります。私も本来の目的が別にあることは知っておりますが、大臣自体が学校給食は一石六鳥と言われておるのは、酪農振興にもなるし、いろいろになるという意味で、有力な閣僚として、今酪農危機がここまで来ておりますときに、何らかの手を打たなければならないことはきまっております。政府が奨励してやりまして、二円五十銭に乳の値段を下げて、飼料を八百円に上げちゃって、そのままで百姓に損させていいという理屈はありませんから、たとえば農業が非常な危機に陥ったときに、米の問題でこれだけのことが起きましたら、もっと大きな政治問題になりまして、必ず何らかの手を打たなければならない。酪農農民はまだ数が少く政治力が弱いので、いつもいじめられているということに対して、私どもは非常に義憤を感じている。大臣だって農村畑の出身者でありますから、義憤を感じておられるだろうと思う。そういう意味でこれだけ意義のある仕事で、ほんとうにやる気であれば、やりくりでもってできぬということは絶対ありません。寺本次官がさっきできないようなことを言われましたので、非常に憤慨したのですが、今大臣のお言葉で、どういう形の委員会か知りませんが、厚生の関係も重大でありますが、何といったって農林の関係を、本来の酪農振興という意味で、私は大きく取り上げてもらわなければならないと存じます。あと会期もきわめて短いのでありますから、私どもとしても研究いたしますけれども、やはり政府部内で何とか御苦心を願いますれば、ある程度のことをやる財源のひねり出しくらいのことは、不可能ではないと存じます。ここまでの切迫した状況になっておりますので、大きな観点からある程度なま乳を入れるという線を実行していただくことを特にお願いいたしまして、私の質問を終ります。
○佐藤委員長 永山忠則君。
○永山委員 今のに関連をした点から質問を申し上げたいのでありますが、大臣は、六月十七日の外務委員会で給食の面から有畜農業、酪農といったような関係とあわせて妥当なる案を考えたいと言われておりますが、結局、脱脂粉乳の贈与関係は、結論的には現在不況に悩んでおります酪農関係に、さらに打撃を与える結果に向いつつあるのでございますので、酪農関係といいますか、農民の犠牲においてアメリカ側の贈与を受け入れるというような結果に陥らないように、これに対する方途を考えるんだという御答弁がございますが、そうすればその後余剰農産物協定はすでに決定済みでございますので、これに対する方途が打ち出されておらねばならぬと思うのですが、その点を承わりたいのであります。
○松村国務大臣 あの粉乳は、決して酪農の業者を圧迫しないという見透えのもとにやっているわけでございます。それはどういうのかと申しますと、年々粉乳を有価で入れているのでございますが、今度無償で入れますのは、たしか二千トンくらいのものだと思うのでございます。そうしますと、それを有価の輸入量で調整をいたしますので、従来とそう変ったことはないつもりでおりますから、それが一般の酪農家に及ぼす影響は、まず心配はないと考えております。それから今向うから参ります余剰農産物の処理につきましては、関係省の間においていろいろ折衝を要することもございましたが、ほぼ見込みがつきまして、もうしばらくたちますと、具体的に決定することができると考えております。大体の構想といたしましては、ほかの麦粉とまぜてやりますから、一般にはパンについて、たとえば二円とか二円二、三十銭とかいうようなものが以前よりか安くなり、またさらに要保護の方面へは、運賃だけになりますので、四円か五円くらい値段が安くなる。さらに貧困なところへは考慮いたしますけれども、大体そういうようなことで案が立ち得ると考えます。そうしておいて、それから利益が出ます。多少安くしましても利益は出ますから、それの金をまだ給食の設備のないところへ回す、大体こういう目標を持っているわけでございます。さよう御了承を願います。
○永山委員 この贈与輸入という関係が乳価を圧迫せないだろうという考え方については、根本的に意見を異にいたしているのでございますが、これは大臣も真剣にお考えを願わなければならぬのでございまして、先刻農林省の方でも、国内産の脱脂粉乳二千トン以上のものを供給し得る見通しがある。なお将来国内産バターの増産と相伴って準増をするということを言われているのでございます。しかるときにおいては、去年二千トンの国内産を使ったとするならば、本年は少くともそれより漸増をして、三千トンという工合に国内産を漸次に増していくことが好ましいことでありまして、無償輸入がなければおそらく本年は二千トンとかあるいはそれ以上漸増いたしたであろうと考えられるのでありますが、無償輸入に眩惑をされて国内産の需要を押えておるのではないかというように考えるのでございます。この点に対しては、農林当局と一つ十分御懇談を願いたい。先刻大臣の言われました輸入の関係は——無償輸入は七千トン余であるというように聞いておるのでございますが……。大体給食法という法律案は、そういう機構を確立するものでございますが、この機構を確立するということは、今回完全給食へ持っていきたいという給食の内容充実ということから関連をしてくるものでございますので、従ってわれわれはこの給食内容の確立という具体的方途を見なくては、この法案の審議を促進することは困難であるという考え方をいたしておるのでございます。従って、すでにアメリカ側から受け入れておりますので、余剰農産物における千五百万ドルの学童用無償贈与の各品目の輸入量、すなわち小麦並びに脱脂粉乳、綿花等の輸入割当数量並びにその輸入を得ることによって、旧来の学童配給とあわせてどういう構想でこれを学童配給に持っていくかという計画を承わりたい。それから、それによって予算措置がまた違ってくるであろうと考えます。すなわち食管特別会計にある給食関係の十六億九千万円は、これは毎年の予算でありまして、本年度小麦が贈与分として八万トン余入るとすれば、それによってその予算の措置も変ってくるのではないかと考えますので、これらの配給計画、予算的措置、またただいまお言葉がございましたように、それによって多少費用が出れば、給食の設備に回したいというその金額、並びにその設備はどういうような設備内容で、どういう範囲にこれを回していくかという問題、さらにこれに関連をいたしまして、アメリカ側の方では八千五百万ドルの三〇%を留保いたして、その金額の一部をもって農産物市場の開拓といったような名目のもとに、あるいは製パン方面に対する設備の補助をするとかいったようなことも考えられておると聞き及んでおるのでございます。この場合において、生乳をあわせて給食へ用いるという方途を打ち出されたい。さらに国内産の脱脂粉乳を漸増するという方途とあわせてこの贈与分を受け入れるという計画がなくして、ただくれるからこれをもらってやろうという考え方であつてはならぬと思うのであります。大なる国策の見地に立つ給食でなくてはならぬのでありまして、単なる学童給食という小さい目でなしに、余剰農産物という大きなる国策の大問題を控えての中に見出す無償輸入であり、その関連性を持つ給食であるということを考えましたときに、これらの具体的政策及び予算的措置、それの計画、こういうものがなければならぬので、それをはっきり承わりたい。さらにこの余剰農産物は本年限りではないのでございまして、来年のことはまた来年考えるといっておるのでありますが、アメリカ側も三ヵ年を目途として計画いたしておるようでございますから、これに対してわが方はどういう計画でおるか、来年度これを打ち切られた場合はどうか、また打ち切られぬ場合は果して本年と同じような受け入れをやるかどうか。すなわち、輸入量は漸減しなければならぬと思うのであります。われわれをもって言わしめれば、脱脂粉乳の輸入はすみやかにこれを押えて、そうして国産の脱脂粉乳及び生乳の取扱いをあわせてやるということで完全給食へ持っていくというこの具体的な三カ年計画といいますか、六カ年計画ともあわせて計画をお出し願いたいと思うのであります。さらに生乳関係の配給において、金額的な余裕ができたならば給食の設備をするということをあわせまして、集約酪農指定地帯を中心とし、あるいは乳価のきわめて圧迫されているところに対する高温殺菌設備補助といったようなことも計画の中に入れて、ここに具体的計画をお示しされんことを期待いたしておるものでございます。大臣のお考えを承わりたい。
○松村国務大臣 お話の通りでありますが、先刻お答え申した数字にちょっと間違いがございましたので……。児童用ミルク二千トンと申しましたのは七千トンの間違いでございます。そこで、お話のその数字は、贈与ミルクが七千トン、金を出してアメリカから買いますのは約一万トン、内地のミルクは二千トンくらいの割合に今年はするつもりでいるのでございます。内地の粉乳を保護してそいつを使えとおっしゃいましたが、これはわれわれもぜひそういたしたいと思いますが、しかしアメリカから来るのと値段を比較いたしますと、四倍から五倍につくわけでございます。それですから、経費の点から申して直ちに日本のものと置きかえるわけには参りませんが、しかし二十九年度には内地のを五百トンしか使いませんでした。今年は御承知の通り二十トン使う。だんだんこれは置きかえて参るものでございますが……。そこで、理想としては粉乳でなくして生乳をできるだけ学童給食と結びつけることが一とうよいわけでございまして、一面に粉乳の価格を安くつけることと、それと品質をよくしてくれなくちゃ困るのですけれども、内地のミルクの何は今後もある程度品質の向上に注意をし、価格を安くしてもらうということになればだんだん置きかえられていくことと思っております。
○永山委員 ただいま申し上げました贈与受け入れに関しまして、旧来の配給計画とはおおむね趣きを異にした状態になりますので、これに対する配給計画並びに処置、さらにそれに付随する諸設備の調整等の具体案はお持ちでございますか、お伺いいたします。
○松村国務大臣 お答えいたしますが、先刻申しましたように、アメリカの余剰農産物の贈与を売った金等でその設備をいたそうといたしておりますが、それらの設備につきましては、今計画中でございまして、まだここに明確な数字を申し上げることはできませんけれども、先刻来お尋ねの通り、計画がきまりましたならば、こちらでそれを詳しく御報告申し上げたいと思っております。先刻来お話の中に製パンの設備のお話もございましたが、これは大体農林省でやるということのようでありまして、今こちらの方の計画には乗っていないのでありますけれども、農林省とも連絡をとって、相待ってやっていきたいと思っております。
○永山委員 この給食法を審議いたします上におきまして、その内容を具体的に審議していくことにおいて、われわれはこの受け入れの機関というものの態勢を確立したいと考えております。前回質問いたしましたときにおいては、まだ審議中でございますので、具体的なことをあまり迫ることもどうかというので遠慮いたしておりましたが、これらはすでにアメリカも協定を受けたのでございますから、ここまで参りましたならば、農林省側とも御研究の上において、われわれが特に強調いたしておりますところの生乳関係をもあわせて給食の中に取り入れるという方途も考究されまして、ことに高温殺菌の補助等は、製パンの補助と並んで研究をしていただきたい。ことに農林省の方では、十六億九千万円という金は、旧来二分の一の補助をするという考え方でできております予算でございまして、本年八万トンの無償の小麦が入ってくるということになりますれば、旧来の価格そのままでいくならば、そこに相当の金額が浮いてくるのではないかということを考えるのでございます。また先刻申しましたように、八千五百万ドルのうち三十万ドルをアメリカが国内で使うという中に、製パン方面においても、将来アメリカ側としましては小麦をできるだけ日本に多く売りつけたいというような考えからいえば、日本の食生活の改善というものとあわせて、製パン関係に対して補助するということは、アメリカ農産物の市場を維持するという見地においても必要だという観点を持っておるようであります。そのことはまた日本から申しましても必ずしも不利になることではないのでございますから、これらの使途に対して一つ強力にお申し入れをして、具体案をお出し願いたい。またわれわれも指示によりまして、委員会を作りたいとあれば協力をいたしますが、何にしても、ただ向うがこれを無償で贈与するということだから受けるというような権威のない行き方であってはならないのでありまして、日本経済の立場、日本の地位から見まして、必要がなかったならば無償であっても要らないのだというような権威をもってこれが将来に対処しなければならぬのでございます。来年度は脱脂粉乳は受け入れずに行く、旧来有償で輸入しておりました一万トン、これは来年度は無視していくというくらいの案を立てていかなければいけないのでありまして、アメリカがほんとうの好意があるならば、一万トンの有償を無償にするのだという考え方をすべきでありますが、アメリカが旧来の有償分の輸入だけは絶対確保して、その上にオーバーする分だけを無償輸入しようという虫のよい考え方を持っている場合におきましては、われわれは至急態勢を拡立して、不必要ならば受け入れないという覚悟があってしかるべきであると考えるのであります。これに関連をいたしまして、文部大臣の外務委員会における答弁などによりますと、アメリカからこれを無償で輸入を受けることによって、いかにも日本がアメリカの庇護によって属国的に存在しているのだというような観念を学童に持たせないようにするように、厳に注意すべきであるという点についての質問に対して、同じ考えを持っておられるようでございますが、これに対しても、さらに具体的方途はどういようにお考えになっているかであります。すなわち、この生活保護の教育扶助というような関係は、アメリカ側の贈与においてカバーしていく必要はないのでございます。アメリカ側贈与分から出るプールしたる金額は、これを生乳方面の設備に回すとか、あるいはパン製造方面の設備に回すとかいうような工合に、受け入れによって得る利益は完全給食の方へこれを伸張さしていくという考え方で進むべきでありまして、この受け入れを得たがために、貧困者に対しては無償で配付するのだというようなことと関連をさせるということは、全く日本の現在の立場がとかくの誤解を受けようという、また受けしめるべき逆宣伝をいたしておる政治情勢下においては、特に憂慮すべきものだと考えるのであります。この点に対する大臣の御所見を承わりたい。
○松村国務大臣 お話よく承わりました。実は今のお話につきましてのお願いでございますが、私の方から提案しておる議案が、会期が迫っておりますけれども、まだ通らないものも多うございます。今この給食法につきましてはいろいろの資料を出さないとおくれるというようなお話でございまして、できるだけ急いで出しますが、会期も迫ることでございますので、本案の成立につきまして切にお願いを申し上げておきます。それで資料も早く出すべきものは急いで出しますが、アメリカとの折衝等の関係もありまして、間に合わないものもありますから、そのかわりに、先刻三宅君に申し上げました通りに、早急に給食に対する委員会も設けるということでございますから、給食の方法等についてはそこで御検討下さいまして適当な方途を講じていただきますならば、御趣旨に沿うことと思うのでございます。大体の考えやらお願いを申し上げます。
○三宅委員 関連して。大臣、これは私の計算が違っておるかもしれませんが、申し上げます。かりになま乳を学校給食に入れるといたしまして、私の見当では七、八月というのは非常に乳の払底期ですから必要ない。かりに十月からやりますと、今年の年度中十、十一、十二、一、二、三と六カ月、それで山村地帯でかりに一週二回ずつなま乳をやりまして、あとは脱脂粉乳というやり方をいたしますと、一人の学童について今年の年度で四十八回、支持価格を幾らでしますか、四円でとりますか四円五十銭でとりますか、その点は別としまして、それに熱処理の費用などを加えまして、学童から取ります金は脱脂粉乳と同じで一円十銭という計算でいきまして、かりに一合について五円国が助成するといたしまして、十月から週二回という計算でいきますと、百万人やりましても私の計算では大体二億四千万円程度で済むのではないかと思います。これは計算のけたが違っておればもう一ぺん専門家から調べてもらわなければなりません。そういうわけでありますから、かりに山村地帯百万人に週二回給食するということで、四円五十銭の支持価格は落さないという線が一つ出ますれば、私は日本の酪農というものはぴんと固まりまして、それだけの価格は保持ができるということになりますし、財政的にも二、三億出される決心をいたしますれば、今年は今年で私はある程度のことはできると思うのであります。それでどういうところになま乳を飲ませれば問題があるかということについても一つの経験を持ちまして、来年は一つ総合国策の見地から大きく予算化をやろうということをお考え下さいますならば、非常におもしろいと思いますので、とにかく今年やって下さい。これは約束ですからどうしてもやっていただくようにお願いいたします。
○松村国務大臣 それは今お話しのようなことでできるだけ努力はいたします。委員会等でも一つ御相談を願いますが、これは先刻も申した通りに農林省も一つ奮発してくれませんと、すべてを文部省というわけには参りませんから、両省の間でよく話をいたしまして、ことに三宅君なんかは農林省との御関係が多いのですから、一つ御配慮をお願いしたい。
○永山委員 大臣、一つ答弁を、どうしても精神的に及ぼすところのないように願いたいのです。無償の脱脂粉乳を入れて、それによってあるいは教科書を無償配布するとかあるいは貧困なる者にはアメリカのおかげで配給できるんだという観念を持つようなことがあっては、これは一大事であると考えるのでありますが、これに対して大臣のしっかりした所見を承わりたいのであります。
○松村国務大臣 その点につきましては十分の考慮をいたしているつもりでございます。もっともアメリカ側の最初の考え方は、無料でよこすんだから無料で学童に何をせいという考え方であったようですが、私が向うの責任者と高碕長官の宅でゆっくり会いました際に、国会におけるいろいろの意見を率直に高碕君と私からして話をいたし、かえってそういうことは御趣旨に沿わぬ結果になるから、そういうことは文部省へまかしてくれろという話をいたし、それはそうだということで向うもその事情を了解しているはずでございます。但し文部省でできたプランは、一応自分らの方にもワシントンの議会があることだから見せてくれろ、それはもちろん見せるし、あなたの方の意見もあれば一つ取り入れることにはやぶさかではない、こういうような話し合いができておるわけでありまして、今お話しのような注意は十分考えてやっているわけでございますから、さよう御了承を願います。
○辻原委員 関連して。実は先ほどから私は政務次官にもだんだんと承わったのでありかすが、大臣のお話しなさっておる委員会というものの性格がどうもわからないのです。さっきちらっと話を聞きますと、何か常任委員会の関係でわれわれの側に作るというふうな話であれば、大臣から承わる必要がないのですが、政府の方でお作りになるということであればそれはまたそれとして、われわれもそれに見合う形でわれわれの活動も常任委員会の間で話し合わなければらぬ。一体どういうふうな形でお考えなさっていらっしゃるのか、会期はあともう四、五日の間に迫っております。常任委員会の間で作らなければならぬということになりますと、これはただ場当りでお話しなさっているように思われて、われわれとしてはあまりそれを重視しないでもいいじゃないかという気分が起るのです。そうじゃなしにほんとうに発足したいと思うのなら、もう少しはっきりしたものを伺いたい。われわれがこの委員会でけさほど来から申し上げておることは一つの案でありますから、そこで十分論議を尽してまとめ上げたいという考えを持っておる以上、差し迫った問題は委員会はどういった形でお作りになるか、この問題を確かめておかないとはっきりした活動ができませんので、大臣のお考えをもう少し具体的に申していただきたい。
○佐藤委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○佐藤委員長 速記を始めて下さい。 永山君、もう時間がないから最後にして下さい。
○永山委員 特に精神的に及ぼす影響は重大でございますから、これに対してははっきり指導方針を確立をして、アメリカの恵みによって貧困児童に給食をする、アメリカの恵みによって書物の無償配給するというような考え方に陥らないように留意をお願いしなければならないと思うのであります。これは結局アメリカの余剰農産物をこちらは好意的に受け入れておるのでございます。それに対しまして、向うは余剰農産物を売るためにここに贈与分というものが景品的についてきておるのでございまして、厳密な日本の立場から言いますれば、アメリカから日本が入れるものだけはたくさんありますけれども、日本の輸出するものは非常に少いのでありますから、むしろ東南アジアの線から多くを入れまして、そうして東南アジアの線に日本の品物を輸出するという正常貿易の方途で行くべきことが日本経済のあり方でございますが、現段階の日本経済といたしまして、そこに至る貿易伸長が困難なる情勢でございますので、やむを得ずこの協定にアメリカの利益をも考え、日本の利益をも考えて受けた性質のものであります。そういう考え方をはっきりと指導の面に強く現わしていただきまして、しかも実際問題として、この金をもって貧困者に給与する、生活保護の金をこれによってかせごうという大蔵官僚の金融資本的な行き方に対しては、きぜんとして文部当局は反撃をされ、またアメリカ当局のそういう考え方は了解を得ておるものだということをお考えになっておるようでございますが、ただ長官はそうは信じておるという言葉で、まだ絶対の言葉をこの委員会の速記録では承わっていないのでございますが、この点を強く押し出されまして、精神的に及ぼす影響に対して一段と構想を練られることを申し上げたいのでございます。
○松村国務大臣 それはお話通りで、十分そういうようなことに注意をいたしますが、また一面こういう観点も広く考えなくちゃなりませんことは、今日児童の福祉ということは、国際関係を越えて非常に親しくすべてのことが運ばれておることは御承知の通りでございます。児童の福祉についてはほとんど国境を越えて考えておるようでございます。従いましてこれがそれに該当する線というのは別といたしましても、そういう時代の流れのしんしゃくをいたしまして考うべきだというふうに思っておるわけでございます。そこにわれわれはあっさりした考えも持たなくちゃならぬ。そうしてまた一面児童に及ぼす悪影響は絶対に排除せにやならぬという、そういう両面のことを考えてこの問題を措置すべきものと存じておるわけでございます。
○野原委員 すでに時間は午後一時十五分であります。私は、幸いに大臣も御出席でございますから、教科書の問題なり給食の問題等について実は本日は相当突っ込んでお尋ねしたかったのでございますけれども、一時十五分という時間では、同僚の議員諸氏に対しても御迷惑をかける点もございますから、思い切って本日はこれらの問題については私は質問をいたしません。従って委員長に要望いたしますが、いつも午後一時になってからというのじゃなしに、次の金曜日には、ぜひとも教科書の問題、給食の問題等について重ねてお取り上げいただきたいのであります。 そこで私が緊急にお尋ねしたいことは、大阪市立大学の校舎返還問題について調達庁当局に二、三お伺いいたしたい点があるのであります。それは御承知のように、この委員会においても再三再四私ども質問をいたしました結果、調達庁当局としては市大の校舎返還は六月末あるいは七月初めにはこれが返還できるであろう、こういう見通しについての御説明もあったわけでごごいますが、六月末ということになりますれば、あと二日しかないのであります。従って六月末になればこの問題ははっきりする、こういう言明をした調達庁としては、あと二日しかございませんが、一体事態はどういう方向になっておるのか、校舎の返還は六月末に明確にアメリカ側から日本側に対して正式にその返還が約束できるかどうか、この点についてお尋ねいたします。
○山内政府委員 お答えいたします。大阪の市立大学の解除の問題につきまして、当委員会でたびたび御鞭撻を受けまして、私どもも全力を尽して交渉に当っておるわけであります。従いまして今までたびたび当委員会でこの見通しは非常に明るくなった、まず今度は大丈夫でありましょうというようなお答えを申し上げたわけでありますが、その状態は今でも変っておりません。のみならず、ますますその確信を深めて参っておるような状態であります。なぜかと申しますと、先週の火曜日の施設特別委員会で、特に軍の代表者の方から調達庁長官に対して、そういう意味の言葉がありましたので、私どもは、すでに六月末に近くなっておりますけれども、依然として大阪市立大学の解除の問題については、今までの私どもの期待が実現するものと信じております。
○野原委員 正式に返還をいたします、こういう回答はいつになればアメリカ側からいただくつもりでございますか。その点お尋ねをいたします。
○山内政府委員 正式にいつかに解除するということはまだ申しておりません。これは最初の当委員会であったかと思いますが、解除の問題が相当切迫した状態になっておりますので、六月末とかあるいは七月のごく初めということを非常にかたく信じられますと、あるいはその期待通りにならぬ場合もありますので、実はその点についてあらかじめ御了解を得たことがあったはずであります。これは解除するといわれましても、日銀の問題というものは案外そのとき微妙な状態あるいは機械的の手続というものがありますが、そういうようなところから、日が案外ずれることがありますので、そこで確実にいつかということを先方から申してこないうちは申し上げかねるわけであります。またある程度予告がありましても、その日がずれることも御了承願ったわけであります。そこで今日のところ、いっかということを申して参っておりませんが、いずれにしても月末には配備計画といいますか、あるいは移動がきまりまして、そうしてキャンプ堺に入っております部隊は大体ほかの方に行くことになっておるので、その点は聞いております。従ってその前後には何らかの話があるものと期待しております。そうすると、ある予告のようなものがありましてからすぐ解除になる場合と、予告があってから相当日時がたつ場合とありますので、その辺は予告があってみないとはっきり申し上げかねますけれども、いずれにしても解除されるという問題は決して悪くなっておりません。むしろ私どもはだんだんとはっきりして参っておる、かように考えております。
○野原委員 解除される事態については悪くなっていない。返還されることは確実であろうと何回となく御答弁なさっていらっしゃるのでございますけれども、去る六月十二日の日曜日に相当の部隊がトラックに乗ってあの校舎に進駐をいたしておる。同じく去る二十一日の火曜日には、日米合同委員会の施設特別委員会においてこの問題が議題に予定されておったにもかかわらず、アメリカ側の要求によってこれが議題に上らされていない。こういうようなことのために実は大阪市立大学の教授学生が非常な不安を覚えておるのであります。私昨日電話が大阪の方からございまして聞いたのでございますが、市立大学の学生は数千名、この校舎返還のことについて蹶起大会を開いて、次長も御承知のように、かつて病院施設であった、病院施設が終ったならば返還されると思ったやさきにマリーンが突如として入ってきた、それがまた何年か継続しておる、こういう事態が必ず繰り返されるのではないかという不安の念にかられております。従って六月末になれば返すか返さぬかはっきりしますということを言明して参りました日本の政府としては、六月三十日に幸いに合同委員会があるわけでございますから、合同委員会の正式議題として、イエスかノーカという最後の回答を明確にしてあげない限り、大阪の事態はますます混乱に陥るということを私は申し上げたいのであります。従って調達庁としては六月三十日の合同委員会には、この問題を日本側から積極的に持ち出して、アメリカ側に対してはっきり返すのか返さぬのか、一体いつになれば返すのか、八月に返すのか九月に返すのか、このことを要求される御意思があるかどうか、この点について伺いたい。
○山内政府委員 今のお言葉に対して、結論としては三十日にお話のように強く要請して、必ず実現を期するように努力いたしたいと思いますが、今のお話で別の部隊が入っておるということを伺ったわけですが、実は調達庁の方では、最近も会合をやっておりますけれども、そのことには何ら触れておりませんし、書面はもちろん電話等でも、別の部隊があそこに入ったということは何ら通知を受けておりません。ただわきから聞いてそういうことは知っております。しからばなぜそういう事実がありながら、依然として解除を確信しているというようなことを申し上げるかと申しますと、実は今までも当委員会あるいはいろいろな話で、正式の場合キャンプ堺という言葉を多く使っておりますところがキャンプ堺という言葉の中には、必ずしも大阪市立大学のみではないのでありまして、他の民有の土地がありまして、実は話をするときにいつでも厳格な区別をして話をしたわけではないのでありまして、キャンプ堺一括して全面解除というような言葉を絶えず使って参ったようなわけであります、ところが軍の方としましては、キャンプ堺の全面解除といいますと、大阪市立大学のほかにもまだあるということは軍自体がよくわかっておりまして、そこにかなりの疑問を持っておったようでございます。そこまで全部解除ができるかどうかということについて、軍としては非常に心配をしておったようでございます。そこで日は忘れましたが、その問題が出たときに、調達庁としてはもちろん全面解除を希望いたしておりますし、今までも全面解除でいろいろな書面その他を要求しておりますけれども、一番ここでどんなことをしても解除してもらいたいのは大阪市立商科大学の土地建物であるということを強く申しましたところが、それでは問題は簡単だというような言葉もありました。そこでごく最近、先週の火曜日の施設特別委員会で、そういう経過をたどっておりました上に、今度ははっきり向うの軍の担当者から長官に向って、もう大阪市立大学だけのことならば、どちらにしても間違いないというような意味の言葉があったと聞いております。そういう関係で、今入っておる部隊というのがあるいはどういうふうになることか、それは私どもわかりませんけれども、あるいはキャンプ堺の全面解除ということはちょっとこの際困難であるかもしれませんが、少くとも大阪市立商科大学の施設、土地建物は返還になるものと私どもは考えております。
○野原委員 実はもう何回となく返還されるものという回答は承わっておるわけです。六月三十日だということも、実は昨年の秋以来、六月三十日になれば事態がはっきりする、こういうように放送もされてきておるわけでございますが、三十日の合同委員会には日本側としてはこの問題を議題としてアメリカに話しかける意思があるのかどうか、この点を一つ明確に承わっておきたいと思います。
○山内政府委員 私は三十日の合同委員会には必ずその問題がはっきりすると思っております。かりに軍の方から出さなくとも、こちらからは出して、はっきりするようにいたしたいと思います。それはその前の合同委員会のときに、この次には日本側にとって非常にうれしい何かニュースがあるというようなことも、これは公式の言い分ではないかもしれませんけれども、そんなようなことを言われたようにも聞いておりますし、三十日には必ずこの問題についてはっきりしたことがわかるものと考えております。
○野原委員 非公式にも大阪市大の校舎だけならば返還をしたい、それは返還するものにさほど難事ではない、これは長官にかどなたにか知りまんが、こういうよう事柄を申されておるということはただいまも御答弁があったし、私もかねて承わっておるのでございますけれども、もしそれが事実ならば、六月三十日にはアメリカ側に対して、すみやかに返還の意思を正式なる文書としてお示しいただくようにすることが、大阪市大の混乱を防ぐのに最もよいのではないか、このように思うわけであります。せっかく調達庁の長官、次長が異常な努力をなすっておられることでもございますから、来る三十日には最後の御努力を一つおかけ下さって、的確に市大の校舎はアメリカが正式に返還を表明したというニュースが出ますように、最善の御尽力のほどを要請いたしまして、この問題について質問を終ります。
○佐藤委員長 なお修学旅行問題について緒方政府委員より御報告いたしたいと存じますが、実は時間がないのであとで文書で出すことにしたいと思いますが、いかがですか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松村国務大臣 先般来修学旅行に関する委員会を設けまして、これで四回くらい——明日くらいもまた開きまして、大体全体の話の仕上げをいたすようになっておりますので、その要領を御報告申し上げたいと思うて用意をいたしたのでございますが、それは書類をもってお届けすることにいたします。
○佐藤委員長 本日はこれにて散会し、次会は公報をもってお知らせします。 午後一時二十九分散会