文教委員会 第4号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/04/27
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 文教行政に関する件を議題といたします。議事に先だち文部当局の人事異動に伴い、各局課長よりごあいさつをいたしたいとのことでありますので、これを許可いたします。内藤調査部長。
○内藤政府委員 私このたび調査部長を拝命いたしました内藤でございます。非常にふなれでございますが、よろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げます。
○佐藤委員長 北岡会計課長。
○北岡説明員 会計課長になりました北岡でございます。たいへん力も足りませんので、よろしく御鞭撻をお願い申し上げます。
○佐藤委員長 まず文部当局より、昭和三十年度文教予算について、その大要について説明を聴取いたします。寺本政務次官。
○寺本政府委員 昭和三十年度文教予算の総額は千二百三十一億になっております。これを前年度予算の千百九十一億円と比較いたしますと、四十億円の増加でございますが、前年度の千百九十一億円の中には、災害復旧費が十三億円入っておりました。今度の予算には災害復旧費は七億しか見てありません。従いましてその差額六億円は予算が実質的に増加しておるわけであります。さらに前年度予算の中には、義務教育費の国庫負担の過年度分、二十八年分の支払い残りを二十九年で払ったものが八億三千万ありますので、こういう点を勘案いたしますと、本年度の予算額は前年度に比較いたしまして、実質的には五十四億三千万円の増加となっておるわけでございます。このほか松方コレクション建設費の予算外契約一億円が認められておりますので、それを入れますと約五十五億三千万円という金額が増加しておることになります。もう一つだけ申し上げておきたいことは、未決事項になっております学校給食の予算が、余剰農産物との関係で処理するということになっておりますので、その分も将来増加することになります。 新規事業のおもなものを申し上げますと、義務教育費の国庫負担金の増加が三十七億円でございます。これは児童生徒の増加七十七万に見合う教員の増加一万二千五百人の人件費でございます。次に科学振興に要する経費として約七億円、これは科学研究費の増と、国立大学に設置してあります研究機関の経費の増、双方含めての金額でございます。なお老朽校舎の改築に要する経費としては、公立学校分が一億円、国立の分が四億円、合計四億円計上してありますが、公立高等学校の分が頭を出しております。次に育英事業に関する費用は約二億五千万円増加をいたしております。主として単価の引き上げによる増加でございます。次に社会教育の振興に要する経費として一億七千万円増加いたしてあります。この中には新生活運動の経費として五千万円の予算が含まれております。なお私学振興に要する経費としては前年度に比べまして約五割増、三億六千万円が増加をいたしております。特殊教育に要する経費としては盲ろう児童就学奨励の金が二千五百万円、特殊教育施設整備の増加として二千万円、合計四千五百万円が前年度より増加しております。なお僻地教育に要する経費としても五千万円、教員住宅の増加や、学校施設の整備の費用、教員手当の増加などで合計約五千万円が増加いたしております。国立大学に要する経費としては学年進行によるもの、学部の設置によるもの、県立大学の国立移管に伴うもの、短期大学の設置によるもの、各学科の新設、研究所の整備充実などを含めまして約五億七千万円増加いたしております。その他学校給食の拡充に伴う日本学校給食会の特別法人になるための予算であるとかこまごましたものが入りまして、合計前年度に比べまして今申し上げました重点事項だけでは六十二億円純増になっております。しかしながら一方文部省所管の重点事項以外の各種費目で節約をしたものが約六億七千万円ございますので、差引実質的に前年度に比べて五十五億増加しておるというような次第でございます。 ごくかいつまんだ御説明でございますが詳細は前の会計課長内藤君から御説明申し上げるようにいたします。
○内藤政府委員 お手元に配付いたしました昭和三十年度概算要求額事項別表に従いまして御説明申し上げます。総額につきましてはただいま政務次官から御説明がございましたので、各項目について御説明いたしたいと思います。 まず義務教育費国庫負担制度の実施でございますが、これは増加額が二十八億七千百万円になっておりまして、本年度の予算額は七百三十七億ということでございます。前年は七百八億二千八百万円でございますが、この中八億二千八百万円は補正で入れた分でありまして、ただいま政務次官の御説明の通り、二十八年度の過年度の負担金でございますから、七百億が当初予算のワクであります。それが七百三十七億となったわけであります。そのおもなものは負担金の増でありまして、御承知の通り義務教育の負担金は教材費、給与費で、給与費の負担金の方がふえたわけであります。教材費の方は節約でむしろ減っているかっこうになっているのであります。負担金の方につきましては、本年度児童生徒が七十七万ふえますので、これに対して教員の増を約一万二千五百人見込んでいるのであります。そのほかに昨日政令で公布されました例の制限が、今義務教育の給与費は実績の二分の一を出す建前になっておりますが、政令で最高限度を定めることができる、こうなっております。現在比較的富裕団体及び富裕団体につきましては頭打ちになっております。これが十七県ございますが、今回の予算に伴いましてそれを東京、大阪、神奈川という、平衡交付金、地方財政交付金をもらわない、いわゆる不交付団体のみに絞って、爾余の十四県につきましては、全部、実績の二分の一という義務教育負担制度を完全実施するという点につきまして、一歩前進したわけであります。それ伴う経費の増加でございます。 それから(2)の特殊教育の振興、これは特にふえましたのは、盲ろう児童の就学奨励で、現在盲ろう児童につきましては、教科書と学校の給食と、それから雑費等を国が比較的貧乏な子供にみておるのですが、約六割程度に無償で交付しておるわけです。ところが今回の予算に伴いまして、生活費を一応全部みるというような建前で、昼間の給食のみならず朝晩の生活費までみようというので、約二千数百万の増をいたしたわけであります。 それから特にそのところで申し上げますのは、備考(4)の特殊教育施設の整備費、千七百五十万ほど入っておりますが、この経費は新しい経費であります。これは肢体不自由、あるいは精神薄弱の児童たちの学校をつくるために、東京、大阪に二校ほどつくる経費の助補金でございます。建物の補助金です。 それから(3)の僻地教育の振興も、前年度皆さんの御努力によりまして相当ふえたわけでございますが、本年はさらに前年度に引続きまして増額いたしましたのは、僻地小、中学校教職員の住宅費の補助、これが前年節約して九百五十万、九百万程度のを二千四百五十万、千五百万程度ふえたわけであります。 それから僻地の小、中学校の施設整備、これは補正の節約で九千万になったのが一億近くになった、これも約一千万程度増加いたしたわけであります。 それから僻地手当の増額ですが、これは単級、複式学校の先生の手当を考えておりまして、予算面では大体現行の三倍程度になっておるつもりであります。 学校給食の助成、これは前年度予算にふえましたのは、特に学校給食会の補助として、前年四百万程度のものを一千九十五万三千円、七百万以上の増額になっております。これは大幅な増額でございますが、これは先ほど政務次官の御説明の通り、日本学校給食会を特殊法人にいたしまして、学校給食を大幅に推進するための経費でございます。(1)の給食施設整備の五千万は、前年同額に据え置いておりますが、先ほどもお話がありましたように、余剰農産物との関連におきまして、農林省の食管特別会計の方との関連において、学校給食につきましては今後折衝をする余地が残されておりまして、特に要保護児童――カード階級よりちょっと上の要保護児童に対して無償にしてやる。学校給食を推進するための施設の整備につきましては、余剰農産物との関連におきまして考慮されるということになっておりますので、この点が未決になっております。予算総則の十八条によりまして、文部省所管に移しかえができるように規定はしてあります。 それから二番目の教育内容の改善充実でございますが、この中で特に教育内容の学習指導要領の改訂とか、あるいはそれに伴う教師用の手引き書とか、あるいはこの趣旨の徹底の講習会等の関係で約二百万程度の増額になっております。これはほんの事務費でございます。 それから産業教育の振興につきましては、補助金整理で非常に大幅の節減を受けたのですが、大体回復いたしまして、前年度よりは節約で減額されましたが、大きな柱については大体最小限実施できる程度の措置は講じてあるのであります。 それから次の理科教育の振興と学校図書館の振興、これはともに節約で落ちたわけでございますが、節約は各省原則として一五%の節約でございましたが、この理科と学校図書館、それからあとで申しますが、定時制、通信教育だけは一〇%の節約でとどめたわけであります。そのほかは全部一五%。 それから三番目の文教施設の整備ですが、これは先ほど政務次官の御説明がありましたように、公立文教施設災害復旧で、前年十二億七千五百万が、本年は六億七千万で、約六億の減になっております。これで災害が終っておりますので、本年度は当然の減でございます。その関係を差し引きますと、前年度よりは総額においてふえておるということになるわけであります。一億五千万程度の増でございます。そのうち大きなものは、国立文教施設の整備で二億九千二百万の増であります。これは特に国立の方は今まで老朽校舎をみておりませんので、今回は特に老朽校舎に重点を置きまして、これをふやしてあるのであります。それから公立文教施設の方は、特にふえておりますのは、戦災復旧が千五百万、危険校舎の八千四百九十二万九千円、不正常授業の千五百万、僻地の小中学校の施設整備で約八百六十九万、特殊教育の千七百万、こういうものが増でございます。あと減になっておりますのは、節約率をかけた分でございますが、節約は、文教施設については七%、公共事業は一五%ですが、特に文教施設は七%に減額してまとめたわけであります。 それから四番目の学術振興でございますが、そのうち大きなのは科学研究費の拡充でございまして、前年八億五千万が十億で一億九千四百万の増でございます。特にふやしましたのは、科学研究費の交付金、これが一番大きな点でございます。備考(7)の化学研究促進補助金一億五千万、この項目を新しく起しまして、化学による科学の振興を一段と促進したいという意味で一億五千万新しく入ったわけであります。 それから在外研究員の派遣、これは節約の増額をいたしたいところですが、これだけは唯一の例外で節約解除になったのであります。 あとの(3)、(4)、これは大体前年と同額程度であります。(5)の「国際文化の交流」でふえておりますのは、外国人学生の招致、これが若干ふえたわけであります。これは東南アジアと諸外国から呼んでおる分ですが、学年進行に伴いましてふえた分です。 それから備考(3)の「在外教育、学術文化担当官設置」、これがいわゆる文化アタッシェと称せられるものでありまして、これを文部省は一人認められたのであります。これが減になっておりますのは、文部省の経費と違って、外務省関係で組んでおるからであります。 それから五番目の勤労青少年教育の振興、定時制と通信教育の減は、これは先ほど申しましたように、特に一五%の節約を一〇%にとどめた分量でございます。青年学級も同様でございます。特に一割でとどめたのです。あとは大体一五%でございます。 それから育英事業は約前年三十八億七千九百万が四十一億二千七百万、二億四千八百万の増であります。これによって、従来二千円の者がございまして、二千円のうち特に優秀な者は一割を限って二千五百円としておりましたのを、二千円の方は変えませんが、二千円もらっておる者のうち特に優秀な者を三割に増しまして、しかも単価を三千円に引き上げております。なおあとは博士課程ができましたので、博士課程は修士課程に次いで一万円の口と六千円の口を五百人増ぐらいにしております。それから定時制の高等学校を、従来一%でございましたのを二%に引き上げた関係がございまして、こういう関係で約二億五千万円の増になっておるわけでございます。 それからその次の七番目の「私立学校の助成」でございますが、共済組合の事業費補助、これは前年同額でございますが、事務費の方が約千二百万程度ふえたのであります。私学共済は公立共済とは違いまして特に複雑な構成になっておりまして、事務費が相当かかりますので、事務費の増を、この補助金で千二百万円程度みたわけですが、特にこの前からいろいろと御心配願っております既年金恩給者、昔の私学恩給財団の分は、これの増額に伴う分は私学振興会の剰余金をもってまかなうことに大蔵省との話し合いがついております。この関係で千六百万、そのほか掛金の引き上げの分、国庫から事業費として、ただいま事業費の十分の一を補助してもらっておるのですが、百分の十五に引き上げる分につきましては、これも私学振興会の剰余金でみるということに原則的に大蔵省と了解がついたのであります。それから出資金の方は前年五億を七億五千万、二億五千万の増にいたしたわけであります。 教育委員会の運営指導につきましては、これは事務局職員研修が減ったわけであります。 社会教育の助成の方では、特に社会教育特別助成金というものが新しく一億二千万円入ったわけです。この中には先ほど政務次官の御説明の通り五千万円の新生活運動に要する経費というものが含まれておるのであります。それからあとは大体前年同額程度でございまして、松方コレクションにつきましては、前年五千万円が認められておりましたが、今回は予算外契約として一億円を認められております。 ユネスコ、文化財の減は、これは節約に伴う分量であります。大体両方でもって六千五百万、大体一〇%ぐらいの節約になっております。 そこまでで、あとは雑件でございまして、最後に国立学校の計で見ていただきますと、十三の小計が二百九十八億が三百九億、十億六千九百万の増になっております。このうち大きいものは原子核研究所等の関係、その他ロケットとかあるいは理工研の航空部門だとかあるいは応用微生物研究所の部門増、その他科学振興に要する経費、それから学部の創設、県立大学の移管等の経費を含めてあります。 以上で文部省予算の総額は千二百三十一億、こういうことでございます。
○佐藤委員長 本日はこれにて散会いたします。 次会は公報をもって御通知いたします。 午前十一時十六分散会