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22回国会衆議院1955/07/02

農林水産委員会農業及び漁業災害補償制度に関する小委員会 第2号

発言数
29
登壇者
5
会派数
3
開催日
1955/07/02

会議録

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 それではこれから委員会を開会いたします。  先般の小委員会におきまして、行政管理庁に御要望申し上げておきました、農業共済組合の、農業共済保険事業の運用の実情に関する全国的な調査の中間報告がまとまったようでありますので、まずその報告をお願いいたします。松本監察官。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 私から御説明申し上げます。先般本委員会から御要求がございましたので、まだ全部取りまとめていないのですが、集まりましたところだけを取りまとめて中間報告を申し上げます。本とりまとめを行うに当りまして、御専門の方に差し上げるという意味で資料をまとめておりますので、相当大部なものになったのでありますが、大体その中の要点だけを御説明申したいと思います。それ以外の点につきましては、必要に応じて御質問をお願いいたしたい、こういうつもりで作ったのであります。  はしがきのところをお開きいただきまして、今回取りまとめましたのは六管区、結局北海道と名古屋を除いた管区、県にいたしますと三十七県、二百八十六組合、これだけを調査したものにつきまして、まとめたものでございます。抽出率は三・四%ということになっておりまして、調査は二十九年度について調査したものです。農業共済事業のうち農作物共済だけを調査いたしましたので、農作物共済のうち麦につきましては、データを急ぎました関係で全部落しまして、水稲のみについてここに掲げました。大体以上のような要領でまとめたものでございます。  内容に入りますけれども、県の機構並びに監督、それから連合会の機構並びに監督というものも掲げてございますが、これは省略いたしまして、五ページの共済組合の業務組織とその運営状況というものから御説明をしていきたいと思います。  まず事務所の設置場所でございますが、これは五ページの表にございますように、農協内に事務所を持っておるものが七七%、こういうことになっておりまして、これが運営にいろいろ影響を及ぼしてくるわけであります。それから次のページの組合長ですが、組合長の状況を調べてみますと、七ページの第一表をごらんいただきまして、大体常勤、非常勤に分けてみますと、常勤、非常勤の率は、そのページの下の欄にございますように、半々ということになっております。兼務関係を見ますと九一%が兼務組合長でありまして、そのうち農協組合長の兼務のものが六五%ということになっておりまして、ほとんど兼務であり、またそのうち半ばは非常勤というようなことになっておりまして、また農協の組合長の兼務が非常に多いために、農協経営の方に重点が置かれて、共済組合の経営には、あまり熱意を払っておられないというような実情になっておるようであります。あわせまして常勤の組合長の年報酬を調べたのですが、最高十六万円から最低はゼロということで、平均いたしまして二万四千五百円、こういうような状況で、報酬といたしましてもきわめて薄い状態です。  それから次のページですが、組合長が兼務関係が多く、また非常勤のものが多い関係で、組合の業務運営というものが手薄になるということで、これを補うために、業務担当理事というものを置くようになっておるのでありますが、この業務担当理事を置いているところが五三%、これは次の表ですが、大体置いていないところが半数ある。それから常勤、非常勤の別を見ますと大体半々ということになっていまして、兼務関係を見ましてもほとんどが兼務でありまするが、中には自組合長との兼務というのが五三%もあるわけです。これは兼務担当理事を置く目的とは全く沿わないのでありまして、自組合長との兼務ということは全然意味がない、これでは置かないのにひとしいということになりまして、ほとんどが置いてないと同じような結果になっている、こういうような状況でございます。  次に職員のことですが、職員につきましては十ページの表をごらんいただきます。調査組合についてみますと、大体多いところで九人、最少のところでは一人、平均いたしまして二・七人というものが職員数でございます。しかもその中には兼務者が大体一割くらいございまして、専任職員だけについてみますと、大体平均いたしまして二・四人、この二・四人で業務運営をやっておるわけでございます。先ほど申しましたように組合長、また専務理事というものでこの業務に打ち込んでいる方は少いのでありまして、ほとんど職員まかせになっております。しかもその職員数は二・四人にすぎないという状況になっております。また次に学歴について見ましても、大体旧制中学卒業以下の経歴の方が九七%を占めている、こういうような状況でありまするし、また経験年数から見ましても、三年以下の経験の薄い者が四〇%を占めている。俸給を見ましても、平均いたしまして月額九千円でございまして、役場職員または農協職員の平均が一万円に対して、大体一割安、こういうような結果が出ております。これらのことが次に出てきますような業務運営が疎漏となってきておるという一つの原因だと思うのであります。  次に今度は十二ページを開いていただきます。先ほど申し上げましたように、共済組合がその事務所を農業協同組合の中に持っている、また組合長が農業協同組合と兼務であるものが非常に多いのでありますが、これが一体的運営がなされていることが、果してこの共済組合の運営上いいのか悪いのかということが大事な問題であると思いますので、その利害得失というものを一応管区局の報告を並べて比較したわけでございます。所見についてはまだ全然考えてないのですが、御参考にここに提出した次第でございます。農協と一体的な経営をやることにつきましては利点もあるのでございまして、たとえばまず事務所が要らない。それから共済組合に人が得られない場合には、農協の援助を得られるというようなこと、それから窓口業務を農協にやってもらうために農家としても非常に便利であるというようなこと、また共済組合の職員が手薄な場合には、農業協同組合の職員の援助を受けられる。そのほかに金銭面といたしましては、掛金が未収で保険金が納められない場合には農協の借り入れが容易にできるというようないろいろな利点もあるわけでございますが、反面弊害もかなりあるわけでございます。弊害といたしましては、共済組合そのものが独立の事業体であるという認識が薄れて、農協の一事業部門というように農民に考えられるわけであります。それと経営の自主的運営というものがどうしても阻害されてくるというようなこと、それから職員が農協の事務にかなり大きく援助させられていて、少い職員が農協の手伝いに取られているという点が出てきておりますること、特に経営不振の農協におきましては、共済組合の資金を農協の運営資金に融通しているという事例がかなり多く見られておるわけであります。これは農協と併置する場合の最も工合の悪い点ではないか、こういうふうに思われるわけでございます。特に農協の経営不振が共済組合の信用にまで及びまして、業務運営を阻害しておるという事例も見られたわけであります。  次に今度は共済引き受けの状況ですが、これは十五ページをお開きいただきます。共済細目書の徴収状況を見てみますと、大体七九%は共済引き受け細目書を徴収しているのでありますが、そのうち内容完全なものを徴収しているものは三四%にすぎない、こういうような状態でございます。  次に共済台帳の整備状況を見てみましても、共済台帳の整備をしておるのは四二・三%にすぎない、あとは共済台帳なしで事業を運営しておる。そうしてこの共済台帳を作っていないところの多くは、共済引き受け細目書というものを共済台帳のかわりに利用しているわけでございます。その作成していない理由としては、事務が繁忙だということと、共済細目書の代用で大体用が足りるから要らない、こういう意見のようであります。  それから次に掛金の徴収状況、それから保険料の納入状況について御説明いたしますと、十八ページをお開きいただきまして、大体掛金の徴収、賦課金の徴収、これは徴収時期が非常におくれていることと、徴収率が非常に悪いということがいえるわけでございます。その成績の上らない原因といたしましては、農家がまだこの農業共済制度を正しく理解していない点がある。一部補助金だという考えをなお持っているということと、掛金率とそれから反当共済金額、これが市町村ごとに見ました場合には一率になっているわけでございますけれども、結局農家といたしましては、被害を全然受けない農家は常に掛け捨てになる。それにもかかわらず掛金はほかと一緒だというような制度的にも工合の悪い点が原因いたしまして徴収が悪いわけでございます。  それから徴収に関連いたしましての不当事例といたしまして二十ページに掲げてございますが、掛金、賦課金を全然徴収しないで共済制度を運営しているところが、この表のような格好になったところに事例が四つあげてございますが、たとえば組合員から掛金を徴収せず、各保険金をプールし共済目的のいかんにかかわらず事業勘定の残額で充当、掛金徴収簿も作成していないということでありまして、結局掛金から掛金を支払い、またもらった保険金で掛金を支払っていく、それで組合員から掛金も徴収しなければ、またもらった保険金も組合員には配付しない、こういうから回り運転をやっているものが、ここにあげましたように四つ、これは代表的な事例だけでございますが、こういう事例が間々見られるわけでございます。  それから二十二ページをお開きいただきまして、共済掛金の徴収簿面と連合会に対する引受通知書面とは、戸数、面積並びに組合員負担額というものが一致していなければならないのですが、一致していないところが非常に多い。結局二百八十六組合のうち香川、高知、大分、この三県につきましては、調査組合十七について合致しておるのですが、それ以外は全部多かれ少かれ一致していない、こういうような状況になっているわけでございます。その不一致の生ずる原因について見ますと、大体前年度の引き受け実績をそのまま本年度の引き受け戸数、面積として通知を出す、こういうような事例が広く行われているということと、中には組合員の負担を軽減するために、すなわち掛金率を安くするために故意に組合員には少い面積で引き受け通知をして、実際の引き受け面積はそれよりもはるかに多く、従って掛金を安くしている、こういうような事例がかなりあるわけでございます。  保険料の納入状況につきましても、これも大体あまり良好でありませんので、二十四ページの表についてごらんいただきますと、連合会の指示した期限内に納入したものは二九%というふうになっておりまして、非常におくれているものが多い。それから納入方法について見ますと、掛金で納入しておる組合は、二百八十六組合のうち百組合、それから予納金振替、これが三十組合、それから借入金で納入しておる組合が九組合、他の掛金を流用しておる。これは作物共済につきまして養蚕家や家畜共済の掛金を流用している組合が十一組合、上のいずれかの組み合せでやっているものが百二十五組合、こういうような状態で、なかなか掛金が集まらないために、保険料の納入にいろいろとやり繰りをやっているということがわかるわけでございます。  それから基準収穫量の決定状況ですが、これはこまかくなりますから省略いたしたいと思いますが、ごく簡単に申し上げますと、二十六ページの表ですが、基準反収の決定方法を要綱に示した通り正規の決定をしておるというものは一九%にすぎない。多くは供出関係資料の反収に基いて決定している、これが三五%でして、これが一番多くなっております。そのほかには、前年度の決定反収をそのまま採用しておる、それから県の指示反収をそのまま採用しておるとか、部落代表者から聞いた反収をそのまま採用している、こういうような例も見られるわけであります。  それで基準反収決定方法の特異の例をあげてみますと、二十八ページのイのところに掲げてありますように、基準反収を適宜水増ししている事例、これは後に述べます損害評価とも関係があるのでございまして、この基準反収を水増ししておれば、結局損害評価が本年の予定収量というものを正確につかみましても、損害評価自体としては水増しになるわけでございまして、これはひいて損害評価の水増しと関連をしているわけでございますが、その状況を一つ北海道某組合の場合について申しますと、基準収量決定に際し組合長からの申告反収の加重平均(甲)と、道指示反収(乙)との割合(甲分の乙)が一〇三・七六%になって、要綱によればこれをそのまま組合の基準反収として採用していいのでございまするにかかわらず、農家に有利になるようにわざわざこの比率を許容最低率九五%に近づけて、結局組合の基準反収というものを水増ししているという事例が多々見られるわけでございまして、非常に多くの組合がこういうふうなやり方で、後の損害評価を自己に有利に導くための操作をやっておるのでございます。  次に、損害評価のところでございますが、三十五ページを開いていただきまして、評価委員の構成状況を見てみますと、大体農家すなわち被保険者である組合員が損害評価委員になっておるのが評価委員の九二・六%を占めておる、結局評価委員のほとんどが被保険者の出身であるということがこの評価というものの適正施行を非常に困難にしておる。これはもちろんやむを得ざる事情もあるのでございますが、そういうことが言えると思うのであります。  それから損害評価の実施状況について見ますと、三十八ページの表をごらんいただきたいと思うのでございますが、損害評価は、御承知のように一筆ごとにやらなければならぬのでありますが、一筆ごとにやっている組合が六三・九%、達観評価を行なっている組合が四十六組合、一筆ごとに評価をいたしておりましても、先ほど申しました基準反収から本年の見込み反収を引きまして、それから被害率を算定するのが正当なんですが、そういうことをやらずに、いきなりこれは何割くらいという見方をしておるというものが相当あるわけでございます。それからいま一つは、その評価の厳正を期するために、甲乙のないように必ず口ぞろいをやって、坪刈りをやってから評価するということになっておりますが、坪刈りを実施した組合数は二六%にすぎない、中には損害評価を全然実施していない組合も四組合見られたわけでございます。  その次のページで、損害評価のずさんな代表的な事例をあげてみますと、損害評価の水増し顕著な事例として福岡県ほか幾つかここに掲げてございますが、組合の原評価は——これは福岡県のA組合の例ですが、組合の原評価面では九十七反、三割以上の被害面積があった、その共済金額は二十万四千円ということであったのでありますが、連合会提出の評価書面から見ますと三割以上の被害面積は八百十三反、共済金額は八十万六千円ということで、面積にして八倍の水増し、金額にして四倍の水増し、こういうような事例が見られるわけでして、これらは水増しのはなはだしい例でございます。なおその水増しの中には、組合自体が意識的に水増ししたものもございますが、そのほかに支部から指示、査定といいますか、これが組合の原評価よりも高かったという場合には、その支部からの指示に合せるために水増ししているという事例がきわめて多いのでありまして、そのあとの場合は至るところに見られるということでございます。結局連合会が支部に損害評価のワクといいますか、査定の標準を示す、それを支部はさらに組合に、はなはだしいのはワクを示している、またはワクを示さないまでも、査定の場合にヒントを与えるというようなことで水増しが行われておる事例が見られるわけでございます。  その次にロ、ハからへと不当事例がずっとあげてあるのでございますが、時間の関係で一応これは省略いたします。  次に四十三ページ、共済金の支払い状況でございます。共済金の支払いが適正に行われるかどうかということは、この制度の運営にきわめて重要なることでありますが、今回の調査結果によりますと、遺憾ながら不適正な事例がきわめて多いのでございます。と申しますのは、先ほど申し述べましたように、基準反収の決定そのものにおいてすでに水増しが行われている。またその損害評価のやり方につきましてもいろいろな工合の悪い点がございますし、また共済金の支払い自体に問題を限定いたしましても、支払額の算出が要綱に示された方法とは全然違った算出方法に基いて算出されている、また配分を部落に一括して行なっている。それから共済金の中から掛金、賦課金その他のものを差し引いて支払いしているというような事例が多く見られるわけでございます。まず組合の共済金支払額算出基礎について四十四ページの表を見ていただきまして、これによって御説明いたしますと、これは二十八年度と二十九年度に分けまして、二十八年度の支払いにつきましても調査組合数百九十六のうち要綱通りの支払いが行われているのは百十九組合で六〇%ということで、大体残りの四割というものは算出基礎そのものが要綱に違反しているということになっているわけでございます。その不適正の内容を見てみますと、単に引き受け反別割によって配分しているというもの、それから次に被害反別割によって配分しているもの、それから今の1と2の両者を併用しているもの、その他の算出基礎によっているものというようにいろいろあるわけでございますが、これを通観してみました場合には、結局共済掛金を払っておりながら保険金をもらえないというものができるだけないように、平等に支払うということで、保険に対する農家の不満を是正するための苦肉の策としてこういうような方法をとっているというものが多く見られるわけでございます。  それから次に二十九年産分について見ますと、これは要綱通り算出されたものが九五・五%、これは著しくよくなっているやに見えるのであります。しかしこれは二十九年産の支払い時期にちょうど私の方の監察が行われたわけでありまして、組合としては自粛せざるを得なかったというためにこういう結果が出たわけでございまして、必ずしも年を経るに従って改善されたということは言えないと思うのであります。  次に算出基礎に関する不当事例の一例をあげて見ますと、これは四十五ページの(1)の(イ)ですか、「山形県某組合では、支払共済金五七六、六四三円を、表面は支出原簿通り支払ったことにしているが、実際は農家の不満緩和と掛金の完全徴収を容易にするため、被害の有無にかかわらず、全員に引き受け反別割で総花的配分をしている。」こういうのが一番多い事例でありまして、この要素はほかの方法をとる場合にも多かれ少かれ加味されているわけであります。それから今のページの一番終りのところにございますが、これはその他にもあるわけですが、福岡県の例について見ますと、二十八年産水稲分までは、組合の生評価を共済金配分の根拠とし、決定額の生評価に対する減額比率を各人の生評価額に乗じて決定支払額とするように指導していた。ということでありまして、結局連合会なり県なり農林省の査定というものを組合では信用していないといいますか、これには全然よってないなまの評価を基準にして配分をしておるという事例が多々見られるわけでありまして、福岡県ではただこれを方針として、そういう方針をとっていたということでございます。  次に共済金の支払いの方法でございますが、これは四十七ページの表を見ていただきます。この共済金支払いの適正に行われるように指導するためには、ぜひ支払い保険金の公示制度というものを徹底的に励行する必要があると思うのですが、その公示の励行状況を見たのがこの表でございます。調査組合のうち公示を行なったものは百五十六組合で六四%、この残りのものは公示をするのをはばかるところがあるために、公示をやっていないということでございます。仙台管区内の方は割合に公示が行われ、また実際においてもよく支払われておるわけでございますが、そのほかに福岡、大阪、東京というようなところは公示も行なわれてないし、従って配分そのものも工合の悪いものが多いということになっているわけでございます。  それからその次の四十八ページの共済金の支払い方法です。これは当然農家に直接支払われなければならないのでありますが、部落に一括して支払っているものがかなりあるのであります。ここで部落一括払いと申しておりますのは、各個人別の支払い明細を付して部落に支払いを委託しているものは含めてないのであります。単に部落単位に、君の部落はこれだけの共済金だということで、これを適当に配分してもらいたい、こういうやり方をやっておるところをさしておるわけでございます。これを二十八年産分について見ますと、部落一括払いをやっておるところが六・八%、二十九年産分について見ますと、五・八%ということで、二十八年については大阪は非常に多くて二二・二%、二十九年度については広島が一〇・五%、こういうような状態になっております。  次に共済金支払いの時期ですが、この共済金の支払いの時期がおくれておるということは大体共通的なんですが、四十九ページの表の東京管区の事例で見ますと、保険金を受領してから共済金が支払われるまでに要した日数は一カ月以内に大体支払われているのでありますが、中には非常におくれているものがありまして、百日近くかかって初めて支払われておるものが一三・二%もある、こういうような状況であります。  次の五十ページの表の十一表をごらん願います。共済金支払いの時期調べでありますが、二十八年度について見ますと、農林省が指示しました一月末までに支払いを完了したものは三〇%にすぎない。四月以降に支払われておるものが二一%もあるという状況でございます。そのうちわれわれが見ましたのは二月から四月でして、そのわれわれの調査した当時に支払いがほとんど完了していない組合が、備考欄にあげてありますように十三組合もあったということであります。従って二十八年産ですから、一年以上経過して支払いがほとんど終了していないわけです。この支払いがおくれます原因と申しますのは、結局資金繰りの関係であり、すなわち掛金、賦課金の未徴収が非常に多いということが共済金の支払いの遅延に関係があるわけでございます。  次に組合の共済金の支払い状況につきまして、五十二ページの十二表についてごらんいただきますと、支払い共済金額がそのまままるまる支払われておるものは、二十八年産について見ます場合には九十九組合の四三・八%、金額で見ますと四九・一%ということで、支払い共済金が全額支払われておりますものは、半分に満たないという状態であります。共済金額から掛金、賦課金、その他が差引流用または保留されておるものは、ここにありますように組合数でいきまして二十八年度は五六・二%、金額で見ますと差引流用されておる金額が一二・三%という状況であります。なおこの差引の中には翌年度の共済掛金を支払うために前年度の支払い共済金からさっ引くというものはこの中には含めてないわけでありまして、結局二十九年度の共済金を支払いを受けてから支払う、こういうものだけをこの中に含めたのです。現在の掛金が非常に悪い状況にございますので、翌年度の掛金を支払い保険金の中から積み立てて置くということはやむを得ないのではないかという考え方で、一応これは適正な事例としてわれわれは見たわけであります。それにいたしましても、支払い共済金の差引流用が行われておるということはおわかりと思うのであります。二十九年度につきましても、そう大した変った状況は見られません。それで組合の共済金支払いの不当事例について申し上げてみますと、五十二ページの五の(1)の(イ)というところをごらんいただきますと、徳島県某組合では、二十九年産水稲共済金支払いが全戸にわたり、かつかなりの高額になったので、同掛金未収金百十八万六千円、同年防災費八十一万四千円、その他合計二百六十万円を差引過去の貸借関係を相殺いたしまして、その上に三十年度の水稲の掛金の予納を二百八十万さっ引いておるわけであります。その差引総計は支払い総額の三三%に当っている、こういうような事例が、程度の差こそあれあちらこちらにあるわけでございます。  次にもう一つ事例をあげますと、五十三ページの(2)の(ロ)ですが、滋賀県某組合では、共済金から三十七万三千円を天引いて簿外経理の上、飲食費、職員手当、旅費等に充当している、こういう事例もございますし、次に奈良県某組合では、共済金から家畜及び建物共済の掛金、基金拠出金等に充当するため総額の二二%を天引しているが、うち百万八千円を事務所買収資金に充当している。事例はたくさんございますのでそれくらい掲げまして、あとは省略いたしたいと思います。  それから次にはなはだしい事例を一つ申し上げますと、五十四ページの、組合員には共済金を一切支払わぬで、掛金の徴収も行わず、組合内部でから運転をやっている事例、ちょうどまん中にありますところの山梨県の某組合は、役職員すべて農協役職員が兼ね、事務一切を農協で代行し、二十七年度まで掛金の徴収、共済金の支払い等を全然行なっていない。二十七年度まで三年間の収支は各年度とも受け取り超過となり、その額は六十万円に達している。二十八年度は異常冷害で多額の、多額と申しますのは農作物、蚕繭合計で四百五十四万五千円の共済金、保険金が参りましたので、この年に限っては組合員の強い要求によって、そのうち八十五万二千円を反当二百円の割で組合員に支払った。残額のうち三十九万七千円は、組合の不足金及び建物共済掛金に充当して、三百二十九万五千円は農協の欠損金補てん、出資金に繰り入れている、こういうような非常にひどい事例もあるわけでございます。  次に部落一括払いをしている場合の配分状況について見たのでありますが、その五十五ページのまん中の表を見ていただきますと、これは部落一括払いをしている組合につきまして、適当な部落を抽出して調査したわけでございますが、抽出調査部落数が二十八でございます。それで部落独自の方法で配分した組合は十六組合で五七・二%ということになっているのですが、その内訳を見ますと、やはり組合の配分の場合と同じでありまして、引受反別割によったもの、それから被害反別割によったもの、上の二者を併用したもの、その他の方法によったものということで、先ほど組合の配分のときに申し上げたと同じような事情が部落まで波及しておるのでございまして、結局制度そのものの、同一の市町村内においては掛金が一率であるということに対する一つの是正策と申しますか、そういう考え方からこういう配分のやり方をやっているわけでございます。  今のは組合が部落に支払いを一括した場合について見たのでありますが、今度は組合員自体といたしましては、農家に、個人別の明細をつけまして部落に支払いを委託しておる。これは支払い方法としては適正な部類にわれわれは入れて考えておるのでありますが、その場合におきましても、その個人別明細にかかわらぬで部落で適当に配分を行なっておるというのがこの五十六ページに掲げてありますまん中の表でございます。これについて見ますと、調査組合数四十二組合でして、その中から部落を八十選んで調べたわけでございまするが、部落独自のやり方で配分しておるものが五十一部落、六三・七%、こういうことになっておりまして、その内訳を見ますと、結局先ほどと同じように、引き受け反別とか、これの併用といったような方法で配分しておるわけでございます。その他の算出基礎によって配分しておるというものは、この註のところに書いておきましたけれども、まず支払い共済金の中から掛金だけを払いもどしてやって、その残りを自部落評価で配分しておるもの、それから掛金だけはもどしてやって、その残りを被害程度割と農業経営に対する熱意といったような基準を設けて配分しておるというような事例が見られるのであります。これは補助金的な考えが残っている一つの現われだと思われるわけでございます。  以上申し上げましたように、一応組合としては正当に支払われておりましても、今度は部落段階でさらにこれがゆがめられておるということになりますと、組合の支払い方法自体にもかなり——半数以上になるわけですが、半数以上不適正な支払いの事例が見られるわけであります。それに組合では正しく支払いましても、部落段階でまたかくのごとくゆがめられておるということになりますると、農家の手に渡る場合におきましては、まともに支払われるものはきわめて少いのじゃないかというふうに感じられるわけでございます。はなはだ長くなりましたが、一応御説明といたしましては以上にとどめまして、あと御質問によりましてお答え申したいと思います。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 御苦労様でした。何か御質疑があったら……。足立君。

足立篤郎自由党

○足立小委員 ただいまの御説明の最初にございました農協と兼ねて経営しておる場合、その利害得失についてはいろいろあるというお話で、事例をあげておられました。私ども今までこの問題についてはいろいろ研究をいたしましたが、利害得失につきましてなかなかその判定がむずかしいのです。今度は行政管理庁がお調べになりまして、いろいろなケースにぶっつかられて、この点についてはどんなふうに現在お感じになっていらっしゃるか。この数字で見ますと、六五%何がしか農協と共済組合とが兼ねられておるということでありますが、県によりましては実は九割も兼ねておるところがあるわけでございます。またこの発生の沿革からいいましても、そうあるべき姿であるということで、今まで経営されてきたわけでありますが、その間いろいろお調べになりまして、単独でやっておったところの方が果して成績がいいのかどうか、兼てやっておる場合が成績が概して悪いのかいいのかというような点につきまして、現在お感じになっておる点をまず御説明願いたいのでございます。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今の農協との一体経営が、どっちがいいのかということですが、これは実にむずかしい問題でありまして、私らもまだ判定しかねているわけであります。なお町村に設置した場合、独立の事務所を持った場合、どの場合がいいのかという具体的な数字を検討し得る材料を少し集めてから判定したいと思いますので、これはとても困難で、まだ判定がつきかねているというのが実情でございます。

足立篤郎自由党

○足立小委員 現在では、実は私どもあなた方と同じような感じを持っているわけです。しかし今度町村合併が進んで参りまして、これに伴って、共済組合の方は財産関係がないから合併しやすいからというので、農林省の指導によりまして、今全国的に強力に組合の合併を促進しております。そうなりますと、これは勢い単位農協とは範囲が違って参ります関係上、従来のように農協の役員がそのまま共済組合の役員を兼ねる形は、この町村合併が促進されて共済組合の合併が進んだところにおきましては自然に違ってくるわけです。その場合にどういう弊害が起るかということを、私ども実はおそれているわけなのです。ですから今までの御調査によって、それをさらに突っ込んでお調べ願えますれば、その辺の一つの判定の材料も出てくるのじゃないか。また農協と別に独立して経営をしなくてはならなくなることが今後多くなってくるわけなのですが、その場合に、今後どういう点を注意しなければならないのかという点も判然としてくると思いますから、この点はぜひお調べ願いたい。それからこれに関連いたしまして、長野県の極端な農協の請負事業をやっている例がありまして、あぜんとせざるを得ないわけでありますが、こういうふうな事例を伺いますと、感じますことは、共済組合といいましても農協が兼ねているところにつきましては、いわばひさしを借りて経営しているようなものでありまして、全く農協の農業保険部、共済部というような形で仕事をしているのが実に多いのではないかと思うのであります。そういう場合には、一応表面的に共済組合ということで呼ばれておりますが、内容は農協の一部門だということになりますと、共済組合としての業務の運営が悪い組合は、実は農協としても業務の運営が悪いところじゃないか、これが並行しているのじゃないか、こういうおそれが多分にあるのではないかという感じがいたすのでありますが、その点はどうでございましょうか。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 後の問題につきましては、確かに農協の経営不振なところは組合の経営も非常に悪いということ、これだけははっきりいえると思います。前の点のつきましては、今度結論を出します場合に、御趣旨に沿うような検討も加えまして、現在集まっているデータでそこまで検討ができるかどうか、やや疑念もあるのですけれども、できるだけ御趣旨に沿うように検討いたしてみたい、こういうふうに思っております。

足立篤郎自由党

○足立小委員 ただいま伺いますと、農協の経営が不振であるがために、そのひさしを借りている共済組合の仕事も悪いのだ、しかもそれが会計検査院や行政管理庁でお調べになってやり玉にあがってくると、共済が悪いのだということになってしまうわけです。これは表面的には確かに共済組合という看板を掲げて、法制上もそういう組織でやっておりますから当然ではございますが、実は内容をつきつめていけば、やはり農協の経営が悪いのだということになって、表裏一体の関係にあるという点は非常に重要な問題だと私は思う。そこで農協の再建整備その他いろいろ今までやって参っているのでありますが、なおかつこういう例は全国的にたくさんある。たまたまお調べになるところは、いずれもある程度目星をつけられたところをお調べになったと思いますが、そういう不正な事故あるいは不当な取扱いに対する率が非常に高くなってきている。しかもその原因は、農協自体の経営不振にあるのだということになりますと、これは将来のためによほど考えなければならないデータを与えられるものだと私どもは考えます。そこで今までお調べになりました数字を整理をされて、農協が共済を兼ねております場合には、この不正や不当の事故が起っている率がその他のものよりも果して多いのか、こういうような見当がつきますかどうか。これもさっきお願いした問題とあわせて、ぜひ数字的に出していただきたいと私は思うのでありますが、できますかどうかお伺いしたい。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今の農協との一体化の場合と、それから町村に合併した場合、共済組合独立の事務所を持った場合、この三つに分けて私たちも調査したわけであります。大体のねらいといたしましてはその制定をしない、こういうつもりでデータを集めたのですが、それから結論が出るかどうかはわかりませんが、御趣旨に従ってまとめるつもりでいるわけであります。

足立篤郎自由党

○足立小委員 共済金の支払いの問題につきましてちょっと私の考えを申し上げて御意見を伺いたいと思いますが、この要綱通り行なっているものが六〇%あるという数字になっております。実は率直に申し上げると、私も共済の仕事に携ってきた者で組合長も長くやったことがありますが、お調べになった中で六〇・七%要綱通り、これが二十八年度。二十九年度では九五%ですか、実はこれは驚いているのです。というのは要綱通り実は普通の場合やろうとしても実際できないのですね。これはだれが悪いのでもない、実際できない場合がもう大部分といってもいい。というのは、町村で評価いたしました評価がそのまま認められ、農林省まで来て大蔵省の承認を得てきまった場合には、これは要綱通りきちんとできると思いますが、もしもそれが削減された場合には、実は要綱通りにやろうといたしましても事実問題として非常に大きな問題にぶつかって、私はおそらくまっ正直にやろうとしてもできないのがあたりまえじゃないかと考えております。というのは、まず部落で農民が集まって評価をいたします、これはほんとう言うと一番正しい数字なんです。というのは職員が介入しておりません、第三者が介入しておりませんから、部落ではお互いに利害相反する連中が集まって一筆ごとに評価をいたしますから、幾ら甘く見ても十割以上の被害というものは見られない。そうすると、自分のたんぼが八割と査定されたのに、隣が九割ではがまんができぬという牽制が起ってくるのです。ですから私ども今まで長い経験で、少くとも均衡については部落の評価ほど正しいものはないと思っております。その部落の評価を集めて、町村で部落の頭をそろえて、町村評価を決定するわけでありますが、これが郡に出てきまして、郡の評価委員で町村の頭をそろえるために、甘いところを切っていくという作業が行われる。そうして県に出て、県でまた甘い分は切っていくということで、県下の頭をそろえる、均衡をはかるという処置が行われる。農林省においてまた府県の頭をそろえるという処置が行われて、初めて評価が確定するわけでありますが、これが最も早くて、最近の例では水稲についていえば十二月の年末ぎりぎりです。一番早いところで。そうして大部分は年を越してしまう。そうなりますとその数字がずっとまた県から郡、町村に下ってきまして町村で再評価をしようとしても、もう稲は立っておりませんから、現実に再評価できない。そうすると過去に調べた数字に基いて査定をやり直さなければならぬ。これが実は大へんな問題なんです。神ならぬ身の職員の力でできるものでないと思う。なぜかなれば、反別と金額とからみ合っているわけです。しかもたとえば三割の被害面積というもので、どこを被害程度の低いものとして切るのかということになりますと、実際問題としてこれは切りようがないと思います。そうなると、金額で落す以外にないということになってきますと、今度支払われた金額というものは、個人別に見て被害反別と率と金額と合わないのが原則になってくるのです。ですから削減された場合には、要綱通り絶対できません。そこでこの不正な事項として事例がありますように、水増しをした場合、これは最初の部落評価に対してそれを尊重した場合には、その通り一応支払いができましょう。余った分について最も良心的にやるのは、被害反別別に払う。もっとずさんなやつはただ反別で払ってしまってやる。もっと悪いのは、その金を一部はねて、事務費と称して部落で飲んだり、あるいは動力噴霧機を買ったり、螢光灯をつけたりする金になるという事例が今まで多かったわけです。ですから水増しした場合は、初めから不当な評価ですから問題はありませんが、まっ正直に削減をしていった場合、そうして町村で削減をし、郡で削減をし、県で削減をし、農林省で削減をして、この四段階で削減した数字が、今度は数字だけ、金額だけすうっと町村に返ってくる。そして削減をしようといった場合に、これが要綱通りできたら私は実に不思議だと思う。要綱を作った数字は、あなた方があとからごらんになって、この六〇%が出たというふうにごらんになっているじゃないか。そこにこの共済制度の根本的なガンがあるということを私は前々から言うておるのですが、この点についてどういうふうにお考えになりますか。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今のお話で、六〇%というふうに適正支払いがあるのは意外だというお話なんですが、今お話のございましたような事情のあることは、私らも感づいておるのですけれども、私らの調査でどうしても裏帳簿まではなかなか見つからないという点に、調査の不十分な点があると思います。と申しますのは、われわれの調査権と申しますのは、協力を得て調査することができるということでございまして、帳簿を全然提出されなかった場合には、これは私らとしては実は手のつけようがないのであります。その点表面的な観察に終っておるという点がありますことは、御指摘の通りであろうと思います。

足立篤郎自由党

○足立小委員 私の今の質問は、別に不正があるとか、不当があるとかいうのじゃないのですよ。不正も不当もやらずに、まっ正直に要綱通りやろうとしても、実はできない仕組みになっておるんだということを申し上げておるのです。これは制度上の無理なんですね。これを解決しようとして、実は今まで国会で小委員会もやり、協議会も政府で開かれていろいろ議論はしましたけれども、これはなかなか解決がむずかしいのです。せっかくここまで突っ込んで大々的にお調べになったので、その点についてあなた方はむしろ第三者の立場でどういうふうにお感じになったか、制度自体についても改正を要するというようにお感じになったんじゃないかということをお伺いしておるのです。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今のお話で、制度そのものについての問題なんですが、これは私といたしましては、今この席でこうだということはなかなか申し上げられぬのであります。と申しますのは、今取りまとめている過程でございまして、データが集まり、ある程度の自信の持てる程度のデータを整えまして、農林省とも協議いたしまして、農林省の御意見も十分承わって、その後で判定したい、こう思っておりますのと、それから内部的な御了解も得ておりませんので、今のところ考えを申し述べるわけにいきませんですけれども、今の制度そのものについても十分検討して、今度の報告書をまとめたい、こういうふうに思っておりますので、その点で御了承を願いたいと思います。

足立篤郎自由党

○足立小委員 ではそれを待ちます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 日野君。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 四十四ページの組合の共済金支払額算出基礎という表の中に、二十八年分は非常に悪く六〇・七、二十九年産分の調査の結果は九五・五と非常によくなっておる。これはちょうどこの時期に監査が行われたのでよかった、こういう話でありますが、あなた方が今までずっと監査してきて、適切に監査が行われればよくなるとお考えになられますか、監査だけ厳重にやってもなかなか今の大きな法制的欠陥、そうしたもののもとでは監査と指導だけではなかなかよくならない、こうお考えになられますか。一つその点お聞きしたいと思います。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 この表から見ますと、二十九年度はよくなっているように見えるのですが、これはあとからどうなっておるかということは疑問だと思います。われわれの調査当時にはこういうふうになっておったんです。あとからまた別のやり方でやられておるのではないかということも考えられると思いますし、単にわれわれが監査を一生懸命にやったところで、これはなかなか解決のつく問題ではなかろう、こういうふうに感じております。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 大体この間からいろいろ監査結果を会計検査院と両方から聞いておるのですが、共済の趣旨はまことによい。しかし実際の運営は、結論からいうと大体においてまずい、こういうことで、この大きな原因は法制的な欠陥のあることは指摘されておる通り。今までそのためにこの法の改正を目ざしていろいろ小委員会が持たれて研究されておる。この点は明らかであります。過般農林省の指導のことについても質問してありますが、やはり指導の面にも大きな欠陥がある、こういうことが明らかになるのでありまして、今の説明から自主性がない、農協の一部のみのような考えをもってやっておることは、大体の調査で明らかなんでありますし、共済金というものは、補助的な考え方は今なお払拭されてないのでありますが、こういうことで両面から、共済の趣旨が非常にりっぱであり、将来日本の共済というものは、どうしても地理的条件で避けられない国であり、今日の農村の窮乏の大きな原因をなしておるのであるから、これを何とか解決しなければならぬということになると、今後法的な改正、指導の適正に行われることが問題になるのでありますが、この報告は中間の報告で、今資料を取りまとめ中だというけれども、あなた方は、調査結果に顧みていずれの点を改正すべきであるか、指導はいかにすべきであるかという具体的な方針を出しますか。これに対して、監査の結果こういう事例がこうだ、これをまとめられて参考資料に出されますか。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 われわれの今回の調査の目的は、この農業共済制度をいかに改正したらいいかということに対しまして基礎的なデータをまとめるということを念頭に置いて集めたわけでございます。従ってこの根本的な欠陥はどこにあるかということについては、これはぜひ出したい、こう思っておりますが、ただそれをどういうふうに改善されるのかという点になりますと、今はっきり申し上げられませんと申し上げるよりほかにないと思います。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 あなた方が監査に行った場合に、よく銀行やほかの会社等が監査をやったあとは、講評とかそうしたことでいろいろの意見を述べて注意を与えてきますが、そういうことをやっておられますか。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今回の調査につきましては、不正不当の摘発ということよりも、制度の根本的な改善のデータを集めるということに眼目を置いたわけであります。従って軽々しく意見は表示はしないということにしておりますので、この点につきましてはやっておりません。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 これはあまり大きい問題で、そう簡単に解決が出ませんから、一つあなた方の気づかれた、この点を改正すべきであるという一つの点を明確にして、この資料をもっと具体的に整備されたものを一つお出し願いたい、こう注文を申し上げておくのでありますが、農林省の方からちょっと伺いたいのです。これは従来明確なる指導が出てない。従って県から町村に査定の方針を示すにしても、きわめてあいまいなものを示しているのじゃないか。水増しの問題がずいぶん問題になりますけれども、水増しなんというものは、もう少し目を光らせて適切な指導をすれば、できないようになっているのではないかと僕らは考えているのである。今までの農林省の指導に対してこういう結果が出ているのです。指導の当面の責任者として、今までの指導に対してどう考えられて、今後これをどうしていくか、一つ御意見を承わりたい。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪政府委員 農業災害補償制度の問題につきまして、過般会計検査院からいろいろ不当事項あるいは不正事項につきまして御指摘を受け、また今回行政管理庁からも相当広範にわたりまして不当事項の御指摘があったのであります。農業共済災害補償制度は、ただいまも先生からお話がありました通り、わが国の農業の特殊事情からきわめて重要な制度であるのでありまして、これを今後どういうふうに運営していくかということにつきましては、御承知の通り制度協議会で慎重に御審議中であるのであります。ただいままでの災害補償制度につきましても、監督の点につきましては、御指摘のありました通りややそこに遺憾な点があった、かように存ずるのであります。御承知の通りこの監督の第一線の衝に当ります府県の職員につきましても、ただいま行政管理庁からもお話がありました通り、平均いたしまして十名足らずの人間であるのであります。私どもといたしましては、この人員、機構の整備並びに監督に要します旅費等の検査費の増額という点につきましては、かねがね財政当局の方に要求いたしておるのでありますが、ただいま御承知のような事情で十分にいきかねておるのであります。制度の問題といたしましてそれはいろいろと欠陥があるのはもうすでに御承知の通りでありますが、私どもといたしまして、まずその中心の問題は何であるか、どうしてもここまでいかなければ問題が解決しないという点につきましては、いわゆる共済の引き受け段階と政府が行う損害評価の段階というものを一致させる。具体的に申し上げますれば、いわゆる町村の被害というものを、県を通じました、私どもの統計調査事務所を通じました機構によって、まずその一番下の段階から確定していく、こういう損害評価の段階につきましてもう少し掘り下げた点まで進めなければ、本問題の解決は容易でないというように考えておるのであります。今までは府県段階におきましての損害評価を基準といたしまして、政府の再保険金支払いの根拠としておったのでありますが、昭和三十年度からは、これをまず郡別段階にまで統計調査部のいわゆる損害の評価を下していく。来年からはぜひ町村段階までの被害に統計調査部の機構を拡充いたしまして下していく。かようなことはぜひやっていかなければならぬ、かように考えておるのであります。その他制度の問題並びに運用の問題、いろいろ問題があるのでありますが、御指摘になりましたように、一つの大きな問題は、共済組合がいわゆる農業協同組合と一体的な運営と申しますか、そういうような格好になっておりまして、共済組合は御承知のように本来の性格といたしましては、協同組合とはその組成というか根本的理念の上からも、いわゆる成立の事情からいたしましても全く独立をいたしておるのでありますが、組合の規模が非常に小さくて、組合を独立して維持していくような事情にないということが、農業協同組合と一体的に経営あるいは町村との一体的経営というようなことになっております根本的な原因でありますので、これをできるだけ組合自体として一本的な経営ができますように、組合の区域をできるだけ大きくいたしまして、陣容を整備して参る。そのために目下共済組合のいわゆる合併後の町村を目途として合併を奨励いたしておるのであります。組合内部の充実をはかりますと同時に、最も問題になる損害評価という点につきまして充実をはかって参りたい。その他制度の詳細にわたる点につきましては、制度協議会の御意見も十分尊重いたしまして、できるだけ共済組合が本来の農業災害補償制度の趣旨に合致しますように運用して参りたい、かように存じておるわけであります。

日野吉夫日本社会党(右)

○日野吉夫君 時間の制約を受けておりますから、簡単にこの点をお願いしておきますが、この膨大な資料、これをずっと拝見していると、共済を全部調べておりませんが、大体の傾向は示唆するものと見てよいのではないか。これは一表にまとまりやしないのか。資料を一つ工夫されると一つのものにまとまると思うのです。もしできれば御研究下すって、もっとわかりやすく簡単な表に一つまとめてお出し願いたい。大体これで共済の一つの傾向ははっきりわかったと思うのでありますが、ここらで一つ農林省に注文しておくけれども、法制的な欠陥をどう改めるかという一つの案、それから今説明された指導に要する人員がもし足らなければ、予算がどのくらい要るか。——要するにこのりっぱな趣旨を持った災害補償制度、この趣旨が十分徹底してないし、何年かあとになって今ごろ周知徹底もおかしな話ですが、これをやるためにはもっと農民の理解を伸ばさなければならぬ。掛金にしろあるいは共済金の配分にしろ、もっと趣旨がわかっておれば、こんなばかなことはないはずです。こういうことに対する趣旨を徹底させて、これをいいものに育てていく、こういう趣旨の案を一つ明確に立てて、この委員会に御提出願う、それによってあと審議を進めるということにしたいと思うので、きょうは時間がありませんから、この資料の提出だけをお願いして質問を終ります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 ちょっと私から行政管理庁にお尋ねをいたしますが、行政管理庁設置法第二条第十一号に基いて勧告を発せられると思うのです。この前の小委員会においても、大森さんはそういう趣旨を言っておられますし、今松本さんのお話を聞いても、そういうことをおやりになるお気持のようでありますが、御存じのようにこの問題は、衆議院が本格的に取り上げてから数年を経ておるのです。あなた方がようやくお気づきになって本年の二月からこれを取り上げたことは、私は非常にけっこうなことだと思うのですが、これはもう遷延を許さない。政府にも制度改正協議会ができて、その中間答申は三十年度に実施可能と認められる点等についても答申を終っておるのです。次会からおそらく制度の根本改正問題を取り上げて、本格的にやらなければならぬと思うのですが、無制限にあなた方の勧告を待っておればよろしいわけであるが、それも許されない。少くとも昭和三十一年度には制度の根本改正が行われ、具体的にこの切りかえができるように役立たなければならない。そういたしますと、勧告の時期ということは、非常に重要であろうと思うのですが、そういった点もよく御勘案になられて、でき得る限りすみやかに勧告案ができ上ることをわれわれは期待しておりますが、現在のお見込みはどういう程度でしょうか、その点をもあわせてお伺いいたしたいと思います。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 今度調査いたしましたのは、大体今度の通常国会において法律案を審議していただいて、改正が来年度から行われるのに間に合うように、こういうような趣旨で調査をいたしたわけでございます。初めからの計画が、八月中に全部まとめて、八月中に農林省の方に当方から所見を申し入れたい、こういう計画であったのであります。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 そうすると、八月中に勧告が出るわけですね。

松本操一総理府事務官(行政管理庁監察官)

○松本説明員 そういうつもりでやっております。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿小委員長 ほかに御質疑はありませんか。——今日は大体十二時ごろまでということでありますので、まだいろいろ私も聞きたいこともありますが、次会に譲りまして、これで散会いたします。     午後零時五分散会

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