農林水産委員会 第38号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/09
会議録
○綱島委員長 これより会議を開きます。 七月上旬の北海道地方の豪雨による農林漁業災害の問題について調査を進めます。 本委員会は、七月十一日より北海道災害の現地調査のため、委員を派遣することになっておりますが、その出発に先だちまして、本日は政府より被害状況について説明を求めること並びに右災害に対して政府はいかなる対策を講ぜんとするかをただすこと、以上のために審査を進めます。担当大臣の説明を求めます。大久保国務大臣。
○大久保国務大臣 今月の三日に、暴風は伴わなかったのでありますが、思いがけない降雨がありまして、多いところになりますと二百ミリ内外のところもありました。北海道におきます降雨二百ミリというのは多い方であります。比較的降雨の少いところにもかかわらず二百ミリ内外がありました。北海道全般というよりも、今回の洪水の一番多かったところは、石狩川の上流であります雨龍川を中心とした洪水であります。もう一つは日高の海岸静内、新冠川付近を中心とした被害、これが一番多いようであります。 三日に雨が降ったのがちようどその日にやみまして、四日よりは雨がやみましたために、降雨がやんだと同時に被害の調査にかかっておりますので、そのために被害の見当がついたのでありますけれども、被害の金額につきましてはなお未定のところもあります。昨日まで得ました報告の概要を御参考までに皆さんに申し上げてみたいと思います。 まず人の死傷であります。死んだ者十四、行方不明、負傷者合せて九十名であります。家屋の被害は、全部壊れましたのは十七戸、流れたのが百八戸、半壊が百四十二戸、その他浸水床上、床下合せて住宅の被害が二万四千八百五十、大体の見当であります。学校の施設として被害をこうむりましたのが、小学校十四、中学校が八、高等学校が二であります。 それから農業関係におきまして田の流失あるいは水が入りました、水没したところが一万八千五百二十三町歩、それから畑の流失もしくは水の入りました面積が三万二千二百四十二町歩、合せまして約五万町歩になっております。それから林業関係の被害であります。これは林産の被害木材及び薪炭において約二万二千石、それから林業の施設において、治山の方において百九十九カ所も被害をこうむり、林道の壊れましたものが三百四十四キロ、これが林業の被害であります。水産の被害、これは漁船の被害は案外少くて一隻であります。漁具の被害も案外少いのであります。 土木の被害、河川の被害が五百六十三ヵ所、道路の被害が四百九十カ所、橋梁の被害が六百三十二カ所。 以上申しましたのがその概要でありまして、この金額はまだはっきりしないものがありますが、昨日まで調査した結果によりましておよそ被害のわかった額が約九十億円であります。しかしこれはまたわかりました額だけであります。おそらく今後精算しましたならば、もっと額が上ることと考えております。さっき申した通り、あれから雨が上りましたので、続いて被害はございませんけれども、北海道としては近年まことにまれな降雨でありまして、相当の被害をこうむりましたことはまことに残念であると思っております。北海道の住民に対しましてはほんとうに気の毒に思って、同情にたえません。 しからば政府はどういう措置をとるかと申しますと、まずこの被害の中で町村負担のものがあると思います。まだ精細な調査はできませんが、町村の負担すべきものがある、北海道庁において負担すべきもの、北海道開発局において負担すべきもの、さらに進んで国家の補助を仰ぐべきもの、こういう段階に分かれておると存じますけれども、この計算はまだついておりません。従って必要の資金がありましたならば、大蔵省とも話して、とりあえず融資をしようじゃないか。そして補助の問題はさらに精査した上で、こちらから人も派遣しまして、よく計算した上で決定しようじゃないかという大体の方針になっておる次第でありますけれども、その決定の段階には至っていないわけであります。 以上が大要の被害状況及び政府の被害に対しまする取扱いの方針でございます。 簡単ながら申し述べておきます。
○綱島委員長 ただいまの説明に対して御質疑があればこれを許します。
○芳賀委員 ただいま大久保国務大臣から七月二日、三日、四日にわたる豪雨による水害の概況の御報告がありましたが、まず大久保国務大臣にお伺いしたいと思うのは、大臣は国務大臣であられると同時に北海道開発長官という任にも当つておられるわけでありますから、ただいまの御説明並びにこれらの質疑に対する御答弁は、これは政府を代表しての国務大臣の御発言であるというふうに承知してよろしゅうございますか。
○大久保国務大臣 これは開発庁の職責が妙な工合になっております。北海道開発に関する計画と予算は開発庁で取る。その執行は関係の各省に予算を配賦してやる。たとえば農林省に配賦する、建設省に配賦するというような工合で、この建設省なり農林省から北海道庁もしくは開発局に向つて金を回して、あそこが執行の面に当る、こういうちょっと一種変つた組織です。ですから私の方は執行の責任を持っていないのです。そこがこの北海道開発局に向つて機構の改正が始終問題にされておる点であろうと思います。私が全部の責任を持って、政府を全部代表するというのは言い過ぎると思いますが、もし必要な事柄は農林大臣なり、建設大臣なりあるいは運輸大臣なりに相談して、しかるべく措置をとり、あるいは答弁しなければならぬ問題が起つてくるかと思います。この点は組織の上からあらかじめお含みを願いたいと存じます。
○芳賀委員 北海道開発長官としての責任の範囲というのは、これは常識的にわかるわけですが、今国務大臣の御説明になつた北海道の災害の内容というものは、これは政府を代表して御説明になつたかどうかということなんです。それと同時に、緊急の措置としてはつなぎ融資等を速急に考慮しておる、こういうことは、政府を代表しての御意思の張明であったかどうかということを確かめておるわけです。
○大久保国務大臣 私の方で取りましたのは、開発局から取りました材料ですけれども、昨日までの被害の見込みはまず大体こういうものじゃないか、あるいはまたさらに多少ふえるかしれませんですけれども、大体こういうものじゃないか、こう見ております。
○芳賀委員 そこでお尋ねしたい点は、七月の五日の閣議において、北海道の水害の問題が話題になったように新聞等で承知しておるわけですが、この七月五日の閣議においては、北海道の水害に対してどのような点が議題となって、どのような発言が行われたかというような点を、御承知の範囲において御発表願いたい。
○大久保国務大臣 五日の閣議では、これは議題というよりも私から一応の報告をしただけです。そのときの報告はもっと簡単だった。それがだんだんふえてきて多くなりましたが、そのときの報告はもう少し小さい報告だったのです。報告にとどめただけです。
○芳賀委員 そういたしますと、ただいま御説明になつた被害の概況というものは、その後に大臣が承知された報告なんですね。――そういたしますと、五日の閣議において大久保北海道開発長官は、北海道の水害状態について発言を行なって、現在の被害は軽微であり、特に災害対策本部を設ける必要はないというような趣旨の報告をされておる。さらに河野農林大臣及び竹山建設大臣は、さきの東北地方の水害対策としては、なるべくすみやかにつなぎ融資等の措置を講ずべきである、北海道の災害等に対してもこれに準じた取扱いをする必要があるというような発言を行われたように新聞は伝えておるわけです。すると北海道開発長官は、現在の被害は非常に軽微である――もっとも水害といいましても、一ヵ月も二ヵ月も豪雨が続いておるわけじゃない。いつかは雨がやんで、自然に減水する時期はあるわけです。しかしその豪雨によって受けた被害というものが軽微であるか、非常に甚大であるかということは、これは相当重要な判断の基礎になるわけですが、この軽微であるという報告は何を基礎にしてやられたのですか。
○大久保国務大臣 軽微という言葉を便つたかどうか、それは私覚えておりませんが、そのときは開発局から電話で大体のことを言って参りました。今死者が何人とか、あるいは浸水家屋が幾ら、田畑が幾ら、道路がどう……、これよりずっと少かったのです。それに基いて、その取次をして報告しただけであります。
○芳賀委員 軽微とは言わぬが、軽いということは言つたのですか。
○大久保国務大臣 軽いという言葉を使ったかどうか、私は覚えておりませんが、その言葉は忘れましたが、とにかく電話で来た写しを見て話しました。
○芳賀委員 同じ閣議において、農林大臣並びに建設大臣は、東北並びに北海道等の災害に対してつなぎ融資等の措置が必要であるという発言をされておるということは、これは被害が相当甚大である場合に限つて緊急の融資等の措置が行われるのがいわゆるつなぎ融資ということなんです。こういう発言から見ると、農林並びに建設大臣は、被害が相当甚大であるということを認識されて発言をされておる。北海道開発長官の場合には、全然逆な認識において、これは軽い、ですから従来置かれておったような災害対策本部等を設ける必要はないということを断定されておるわけです。これはただいま長官が言われた通り、関係各省がありますので、ただに一つの省だけで片づけるということはできないのです。それでこの被害の甚大の場合においては、それを政府において統一的に処理するために、従来においては災害対策本部等を設けて、そうしてこの本部長等には国務大臣の何人かが当つて、これを処理しておったということが、今までの通例であります。そういう前例を知りながら、今度の災害の場合においては、災害対策本部を設ける必要はないということをあなたはあえて言っておるわけです。それはどこに根拠があったかということを明らかにしてもらいたい。
○大久保国務大臣 あなたの頭で、前提をよく考えてもらいたいのです。私はこの間、どういうわけかわからなかったのですが――衆議院の本会議にあなたおいでになったかどうかわかりませんが、そういう質問が出ました。私は露骨に答えておったのです。ほんとうに私はそんなことを言った覚えはない、対策本部云々については一言も言いません。どうしてああいうことがあったか不思議でなりません。あれは何の間違いか、どうしたのかいまだにわかりませんが、決して私はそんなことを言った覚えはありません。
○芳賀委員 これは中央の新聞並びに地方の新聞等においても、大久保長官の談話として載つておるわけなんです。しかも記者団に対して大久保長官は語つたということが発表されておる。ですから、もう記憶は喪失されたかもしれませんけれども、とにかく閣議の直後においてはこういうようなことを言われたということがほぼ推測されるわけでありますが、特に北海道の被害地等におきましては、北海道の地方新聞等にもこれが出ておりますので、――北海道における北海道開発長官に対する一つの期待というものは、必要以上に大きいのであります。そういう関係から開発長官が、北海道の災害は軽微であるし、災害対策本部等を設ける必要はないということをあえて表明したということに対しては、非常に不安と動揺があるということは推測できると思うわけなんでありますが、これらの発表等に対して、これが事実無根であるというような場合においては、当然長官の責任においてこれを是正する必要があるのではないかと私は考えるわけでありますが、今日長官はどういうように考えておりますか。
○大久保国務大臣 その問題はさっき申しました通り、衆議院の分けの席上において私ははっきり申し上げておきました。私は新聞記者に向つてそういうことを言つた覚えはありません。そういう新聞記者に私から発表いたしません。そういう点も私はすべて何らかの誤解であろう、間違いが起つておるのじゃないかと思います。
○芳賀委員 そういたしますと、そのときの新聞の発表の真偽はとにかくといたしまして、今日の長官の認識においては、ただいま言われたように、被害の実態を相当把握されておりますので、この程度の被害というものは甚大であるというように考えておりますか。
○大久保国務大臣 ただいま申しました通りの被害でありますからして、相当な被害であると思っておりますけれども、本部の問題は、私が勝手にすることもできません。現地の希望も聞き、相談もしなければならぬ、関係の閣僚とも相談しなければならぬ点でありますから、まだそれをはっきりきめておりません。けれどもそれを作らないということもきめていないのです。必要があれば作らなくてはならぬという考えを持っております。
○芳賀委員 天災等による災害の処置というものは、非常に緊急性があるわけなんです。予見されない事態が起きたわけなんですね。ですからそういうような災害に対処するためには、緊急の措置というものは当然必要なことになるのです。これは当然政府の責任において緊急なる措置を講ずる必要があるわけですが、今日においてもいまだに政府部内の意見を統一してこれらの東北の災害あるいは北海道の水害等に対して――従来は、自由党内閣のときにおいてすら災害対策本部を設けておる。そうして副総理がこれに当つておられるのが前例であります。自由党の時代にもそういうことが行われて措置されてきたのですが、今の政府の場合においては、こういうような九州、東北、北海道と相次いで起きておるところの災害等に対しても、何ら事態を明らかにしてこれに対する責任のある対策を講ずるような趣が少しもないのであります。これはどこに基因しておるわけでありますか。
○大久保国務大臣 被害の実態調査につきましては、現地の役所はもちろんのこと、私どもの方から次長が行っております。それから建設省の方からも行っております。これが営々研究しておりますから、この結論を待って適当な措置をとらなくちやならぬと思っております。
○芳賀委員 ただいま長官が御報告になったこの程度の内容の場合においても、これは北海道等においても昭和二十八年の八月水害に劣らないような被害の程度なのですからそういうような一つの事例を比較して考えられても、死者行方不明が四十四人も出ておるというような事態とか、あるいは農業関係においても田畑合せて約五万町歩が被害を受けておるとか、あるいはまた公共土木関係等の被害一切を入れると、今長官の御発表によりましても九十億程度の被害額であるということが言われておるわけなのです。その程度の情勢を把握しておりながら、今日においてもこれに対してどういうような対策を立てていかれるのかわからぬというようなお話では、非常に心もとないと思うわけです。特にあなたは北海道の開発長官の任にあるのじゃありませんか。北海道の災害に対しては一番関係が深いということが言えるわけです。もちろん農林大臣にしても建設大直にしてもそうでないというわけではありませんけれども、特に大久保国務大臣の場合においては北海道の開発長官としての任にあるわけです。その長官が災害に対する認識も一番薄いし、熱意も乏しいということはどうも了承することができないわけです。まじめにこの事態を考えた場合においては、開発長官が率先して閣議等においても発言して、災害対策本部が必要であるとか、あるいは緊急対策をどうしなければならぬというような積極的な発言をする必要があると思うのですが、今朝の閣議では何か発言をしましたか。
○大久保国務大臣 さっき申しました通り、私どもの方の次長あるいは建設省、それから現地の局員、みんな営々調査中でありますので、総合した結果を待って措置をきめたいと存じます。決して熱意がないわけではない。十分な熱意を持っております。またあなたも一つ十分督励して下さい。
○川俣委員 大久保さんは調査中だと言われるが、何を調査しているのですか。今あなたの調査報告が来ているのですよ。
○大久保国務大臣 これは概数の調査です。たとえば道路にしても何個所こわれた、橋が何個所こわれた。ところが橋にしても修繕費が幾らかかるかということはなかなかすぐできません。そういう調査にかかっておるわけです。
○川俣委員 災害が起きた場合に、予算化する場合においては精密なる調査をしてやるのが当りまえです。これが今までの慣例です。しかし災害が起きた場合に災害の大よそのものを見出し、大よその予算を組み、それを実施する面においては詳細なものをやる、これは常識ですよ。どうもあなたは少し災害に対する常識が足りないのじゃないですか。
○大久保国務大臣 いやできるだけ急いでおります。
○芳賀委員 そういたしますと長官は、ゆっくり調査して、帰ってみなければどうなるかわからぬと言うのですか。
○大久保国務大臣 それは帰ってきてからするか、電話でするか、電報でするか、形はわかりませんが、歩いております。
○芳賀委員 災害ということによって死者も出ておるし、住居が流失して住む家のないような人も出ておるわけであります。そういう罹災者の立場の面からこれをながめた場合においては、ゆっくりと調査をして、万般の調査が完了して、それからおもむろに対策を立てるというようなことでは、これは間に合わない。ですからそういう今後の、恒久的の対策はもちろんでありますが、緊急対策という言葉もあるわけであります。長官はこれを知っておりますか。緊急を要する場合には緊急対策というものがある。そういう一日も放置しておけないような事態に対しては緊急の対策を講ずる。そういう場合においては、今同僚川俣委員が言われたように、これを予算化するようないとまがないという場合においては、初めて政府の方針としてつなぎ融資等の暫定措置を講じて、そうして復旧等に対しても迅速に手を打って地方に安心を与えてやる。あるいは直轄分等に対しては、政府が緊急にこれの復旧に対して乗り出すというのが、緊急対策なのであります。私が聞いておるのは、今後の復旧等に対する恒久対策も必要ではありますけれども、緊急事態に対してはどういうような方策を立てる必要があるか、これに対して政府はどう考えておるかということをまず明らかにしていただきたい。本日はすでに建設委員会においては北海道の災害調査に出発しておる。当委員会においても委員長が言われた通り、十一日には出発することになっておる。現地に行く場合においては、大よそ政府の考えておるアウト・ラインくらいは私は承知して行かなければ、ただ災害のお見舞、そういう抽象的調査というわけには参らぬのであります。今までの前例も、大体政府の所信を大よそ明らかにされて、それから調査に行っておるというのが一つの例であります。ですからこの際大久保国務大臣は、もう少し政府としての責任のある発言をしてもらいたい。
○大久保国務大臣 緊急を要しますものの爾後の片づけの仕事は一番緊急を要する。こういうことは私の方からも北海道庁及び開発局に連絡して督励しておりますから、そういう片づけは道庁及び開発局において協力してやっております。そのほかのおもだった復興の計画についてはただいま申しました通り、まだ資料が十分そろっておりませんし、資料がそろった上で計画しなければなりませんし、自分の下心としては、まず第一に融資、これは大蔵大臣も心得ております。融資が第一、それで融資がうまくいかなかったら予備金の支出まで入らなければならないかと思うのでありまして、まだその調査の材料が入っておりませんから、その段階まではっきり進めることができないでおるのであります。大体の下心はそういうつもりであります。
○芳賀委員 とりあえずは融資によってやりたいというお話でありますが、これはただいま長官の言われた被害の概況によっても、非常に各省にまたがつておる問題が多いわけです。農林省、建設省、あるいは学校問題は文部省、あるいは厚生省とか労働省、通産省とか、いろいろ各省にまたがつておるわけであります。従いまして、各省別に被害を調査したり、方針を立てるというようなことになると、これは統一ができないわけです。ですから今までは災害対策本部等を設けて、そうして統一した対策を立って、しかもそれを緊急に実行に移すという措置がとられておつたわけであります。今の段階においては大久保長官は、やはり災害対策本部を設ける必要がないというお考えなんでしょうか、今になってみれば設けた方がいいというお考えですか。
○大久保国務大臣 私は現地の人とも連絡をとつて、その意向によって決定しようと思って考えておったのであります。だから決定するともしないとも今まだ現地からは、その要求がございません。ですからまだ決定しかねておる状況であります。 それから復旧の予算の問題であります。復旧予算は私どもの方の開発庁ではやらないのです。従来の慣例として復旧の予算は所管の各省がやっております。つまり学校なら文部省、道路なら建設省、農地の問題ならば農林省と、各省別に復旧予算は計上することになっております。私の方は開発の新しい事業だけの予算であります。予算として現われる場合には各省ごとに配賦すると思いますけれども、その連絡は道庁と北海道の開発局とが相談してやれば統一してできると思っております。
○芳賀委員 地方から連絡がないからまだわからぬというが、その地方の連絡というのはだれをさすのですか。北海道の知事をあなたはさしておるのですか、それとも今調査に行っておられる開発庁の次長を言っておるのですか。だれから連絡が来ないからわからぬというのですか。
○大久保国務大臣 それは道庁もあります。開発局もあるのです。
○芳賀委員 私の聞いておるのは道庁の要請があるかないかということでなくて、こういうような大きな災害が出た場合において、政府においては総合的な対策を立てて緊急事態に対処するために災害対策本部などを設けて――これは今までの内閣が全部やってきておるのです。今あなたにやれというのじゃないのです。ですからやはり本部を設けてやる方がいいというようなお考えを大久保長官は今持っておるかどうかということなんです、その点はいかがなんですか、今日の判断において明らかにしていただきたい。
○大久保国務大臣 それはさっき申しました通り、昨日までの災害の報告を申し上げたのですが、まだ調査中のものがあるのですから、それを決定した後に地元と相談して何とか決定いたします。
○芳賀委員 どうも押し問答をやっておるようでわからない。今言つた被害だけでも九十億なんですから、この程度ではまだ災害対策本部を建てるのに物足らぬ。もうちょっとこれが百億とか百五十になれば災害対策本部の必要があるけれども、この程度ならば要らないというのですか。特に私が指摘したい点は、長官は、開発庁というものは予算面等においても何ら具体的な実権がない。そういうことはわれわれはわかっておる、承知しておるから、この際災害対策本部等を設くべきであるということを国務大臣の立場から発言して、政府の方針をそこへ向けて、一日も早く北海道等の災害に対する緊急事態を解決するための策を立てる必要があるのではないかということを、私は善意を持って質問しておるわけでありますが、その点に対しては少しも長官の具体的な答弁はないのです。もう少し国務大臣として責任のある、信念的な発言というものはできないものですか。
○大久保国務大臣 私は十分誠意を持っておる、あなたも誠意を持って聞かれているように、私も誠意を持って言っている、ほんとうのことを言っているのです。全く準備が整つたならば、地元とも相談し、閣僚とも相談してきめたいと思います。
○芳賀委員 委員長に申し上げますが、ただいまの大久保国務大臣の御答弁を聞いておると、どうもわれわれの意に沿わぬようなのです。これは冒頭に私がお尋ねした通り、政府の意思を代表して大久保長官が発言されておるのですか、あるいは大久保国務大臣個人のお考えをここで述べておられるのか、その点が明確でない、われわれとしては、政府を代表して国務大臣の立場において、北海道の災害の現況の報告であるとかあるいは政府の方針を明らかにしてもらいたいということを希望しておるわけなんですが、どうも公私混淆というような節があるので、その点はあらためて委員長から注意をなさって、政府の立場において見解を明らかにしていただきたいと思う、大久保国務大臣で間にあわなければ、総理大臣の出席を願わなければならぬ。
○綱島委員長 わかりました。委員長から発言いたしますが、ただいま芳賀委員の質問の要旨はお聞き取りの通り、個人の御意見であるか政府を代表しての御意見であるかが不明瞭であるかというお話でありますが、委員長から考うれば、その職を持っておられる方の、長官としての御発言だから、政府の発言と見て伺つていいことだと思いますが、長官はどういうお考えでございますか。
○大久保国務大臣 私は決して個人の発言はいたしておりません。もしその問題についてはっきりしたお答えをというならば、私一人では今申した通り無理であります。これは現地の機関及び関係の閣僚、これと相談しなければいかないことじゃなかろうかと思います。その点を一つお含みおきを願いたいと思います。
○芳賀委員 それでは大久保大臣は、今後政府並びに関係閣僚とも相談して、あるいは総理大臣にもその意思を伝えて――六月、七月にわたる九州、東北、北海道の水害があるわけです。これらを合せて災害の対策本部等を設けて、政府の責任において緊急に対処する、そういうような機運を醸成しこれを促進するための御努力をなさるという熱意はあるわけなんですね。
○大久保国務大臣 その点はよく相談してみます。関係の閣僚と相談いたします。
○芳賀委員 大久保大臣自身にその熱意があるかどうかということを聞いておるのですよ。本人にその気がなければ相談してもだめじゃないですか。また軽いとか軽微だというようなことを言い出すくらいが……。
○大久保国務大臣 私は初めから熱意を持っております。ただ口が下手だからうまくいかぬだけで、熱意は十分持っております。
○綱島委員長 別に御質問はございませんか。――松野君。
○松野委員 大久保さんも大臣就任以来北海道長官をやっておられまして、あえてどうこうということはありませんが、ただいまの質疑を聞いておると、確かに自由党時代よりも不熱心だということは、全委員のおそらく一致した意見です。大久保さん自身は非常に熱心だということを言われるが、熱心の度合いが非常に薄い、一、二の例を申し上げますが、あなたが北海道長官に御就任になつた当時、第一に記者会見があった、これはいつですか、三月二十五日です、いいですか。そのときにあなたは、北海道長官として、何ら北海道のことに関して発言がない、あなたの発言は二つなんだ、第一は中ソとの戦争終結宣言だけでも早く端緒をつけたいというのが第一、第二番目は自由党から誘拐を防ぎたい、こういうことをおっしゃっておる、この二つがあなたの就任以来第一の記者会見のときの発言だ。これで北海道開発庁長官が、北海道開発に熱心か、ことにわが党に対して自由党からの誘拐を防ぎたいという、何ですか、わが党が誘拐か、そういうことが、熱心、不熱心の証拠がちゃんとあがっておる。記者会見で、どこに長官として北海道開発をやるのか、あなたはいつ北海道に行かれましたか、これもあわせてお聞きしたい。
○大久保国務大臣 お答えいたします。それはとんでもないことで、私はそういう覚えは全然ありません。私はいつどの記者に言いましたか、覚えはありませんが、誘拐なんて夢想だにしない言葉です。どうか御安心下さい。北海道へ行ったのは、ことしの四月です。
○松野委員 そうおっしゃるだろうと思うから、私はちゃんとここへ持ってきた、三月二十五日の朝日新聞です。もしあれならば、朝日新聞に虚偽の記事として、さつそく記事取り消しの訴訟をなさいい。それでなければこの記事は取り消すことができない。みな全国にたくさん持っている。自由党からの誘拐を防ぎなさいということを鳩山さんにあなたは誠心誠意進言している。この二点なんです。ほかに何にもない二点なんです。その二点のうち一点は自由党からの誘拐を防ぎなさいということです。これが北海道開発庁長官の記者会見です。これは北海道開発庁長官と註釈が入っている。うそなら記事取り消しの訴訟をなさい。そのくらいの信念がなくて、ただこの委員会だけで口頭で言ったのでは、それは通らない。前自由党内閣当時の北海道開発長官は大野伴睦さんだったと私記憶しておる。そのときの書類をごらんになれば、さっそく災害の状況に応じて対策本部をお作りになって、書類があったはずだ。ごらんになったことがありましょう。ありますか。
○大久保国務大臣 誘拐云々は幾ら考えてもそれはもう事実うそです。これだけははっきり……。
○松野委員 それではこれを名前を言いましょう。清水崑です。絵と文は清水崑とちゃんと書いてある。あなたと清水崑という人と別にここで対決する必要はないが、あなたは清水崑に対して虚偽の記事の取り消しについて訴訟をしなければ、これだけはあなたが幾ら言つたつて直りっこない。ちゃんと書いてある。たつた二点です。古風なさむらいとしての根性、この辺はまあ少しほめてあるが、どうですか。多分そうおっしゃるだろうと思ったから証拠物件を持ってきた。私はこの記事を読んだ記憶がある。ひどいことを言う大臣だと思った。北海道長官が北海道開発について一言も触れていない、おっしゃったことはたった二点、外交のことと総理に進言する誠心誠意の鳩山派だ、こう書いてある。北海道開開発庁長官としてこの席に来られたので、私は国務大臣に対してはなかなか質問がでないから、たまたまいい機会だから聞いておきたい。同一時に北海道開発に対するご熱心さはこの一事だけでもわかる。もう少し私は突っ込んで聞きましょう。北海道開発法にちゃんと規定されているが、災害や北海道のことはあなたの所管事項なんです。予算があるなしにかかわらずあなたの所管事項なんだから、予算を持っている大蔵大臣とそれから農林大臣、建設大臣、厚生大臣等を呼んで、あなたが主になって、この北海道対策をやらなければ、だれが一体まとめるのです。ちゃんと北海道開発法に、総合的に土地、河川、水利、みな書いてある。みなあなたの所管事項だ。災害を防がずにまさか開発だけするという論拠はありますまい。あなたの所管事項をあなたが等閑に付されているから、私が見るに見かねて早く作りなさいと言っている。あなたの所管事項だ、だれに相談する必要があるか、あなたの所管事項にちゃんと書いてある。総合というのは、各省を総合するのはだれか、あなただ。あなたが総理大臣から任命を受けて、総合的な北海道の開発及び諸政策をやると書いてある。あなたは総理大臣に相談する必要もない。あなたが任命されたときに総理大臣からその権限を与えられている。国家行政組織法の第七条第三項にちゃんと書いてある。あなたが任命されたときにその権限が与えられている。今ごろだれに相談する必要があるか、あなた個人としての考えでいい。ただいまの芳賀委員に対する言葉はあまりにも三百代言的だ、これに対する答弁もひど過ぎますよ。いいですか、清水崑という方が、あなたお会いになったことがあるでしょう。ありますかどうですか。
○大久保国務大臣 誘拐云々の話幾ら考えても私は頭に浮かびません。その清水君が来ましたのは北海道の道政についての意見を聞いてきたのではなく、全く別の会見です。私の人間としてのスケッチしたいというので来たのです。それは政権の話とは全然関係のない話一です。この点をお含みおき願います。
○松野委員 そうはいかないですよ。あなたのところへ来たのは新閣僚ということで来たのに間違いない、一代議士大久保留次郎ということで来たのではない。それはどうですか。当選したから一大久保留次郎代議士に面会に来たのではない、大臣として来た。そういうことを言ってはいけない。まさかわが党を誘拐政党と目することはできませんよ。取り消しなさい。これはわが党に対する最大の侮辱ですよ。自由党から誘拐を防げ、この二つが誠心誠意鳩山内閣に対する一念だ、これを誠心誠意あなたが鳩山さんに進言するということで、北海道開発庁長官として会見している。代議士大久保留次部としての会見ではないはずだ。そういうことをあなたが言ってこの場をのがれようとしても、そうはいかない。大臣というものはもっと権威を持つべきだ。われわれも敬意を払つているからこういうことを聞くのです。払ってなければ、一々あなたの言の端を取り上げる必要はない。あなたにとつても大事なことだが、私どもとしても大事なことです。誘拐というのは何です。うそなら清水崑を呼んで取り消しなさい。しからずんば、はっきり朝日新聞の記事取り下げの申請をなさい。それはやらずに、おれは知らぬでは、その責任は内閣全体に及びますよ。それからもう一つ大事なことは、北海道開発行政機構はあなたに権限がある。なぜあなたはやらないのか。他に相談するというが、総理大臣はあなたに対して北海道開発の総合的な権限を全部与えている。それをあなたが相談するなんて、そういうことは私は大臣として承服できない。今後おそらく北海道以外に全国に災害がある。私は北海道ばかりを言っているのではない。ことにあなたは所管大臣としてこの一点をもし見のがすならば、将来においてあなたの北海道開発長官としての誠恵も熱意も責任も、だれが何と言っても何もない。これは無視することができないから、この二点をはっきり、あなたがどうするかということを今後とも十分注目しますから、御意見があったらお伺いしたい。
○大久保国務大臣 さきに申しました通りに、北海道開発庁長官としての面会でなくて、人間大久保留次郎というものを閣僚となった機会にとりにきたのだ、それは政見云々までとりにきたのではない、私そう考えておったのです。そこで政見があるとかないとか言われても、これはちょっと困るのです。
○芳賀委員 最後にこれは具体的な点ですが、昭和三十年度の開発予算の執行上の問題です。今度の災害によっても、これは明らかにあなたの方の所管なのですが、北海道の開発局関係の河川、道路、橋梁だけでも概算十一億三千万円くらいの被害が報告されているのです。それと三十年度の開発予算の関係ですが、こういうような災害によって開発予算の工事個所づけ等を一部変更するようなことになるか、それとも既定方針通りやるか、この点はいかがですか。予算の増額とか、予備費から出すということになれば別ですが、既定予算の範囲内でやるということになれば、当然災害復旧の問題がからんでくる。
○大久保国務大臣 これはやはり予寡の編成は予算の編成で進んで、災害復旧は災害復旧で別に考えたいと思っております。
○芳賀委員 そこでお尋ねしたい点は現在開発局は工事の個所づけの問題についてはどういうふうに処理しているか、純事務的にこれをやっているか、あるいは党派的の根性の上に立って、党勢拡張とこれを関連させてやっているか、この点は地方においても非常に重大なる問題になっているので、その方針を承りたい。
○大久保国務大臣 これは予算を編成するときにあらかじめ場所を指定して大蔵省に要求します。大蔵省はこまかい査定をいたしまして、大体ひもがついているのです。そう勝手に私の方で直すことはできないのです。
○芳賀委員 そういたしますと、これは農林省あるい建設省の具体的な基礎的な案の上に立って、それを開発庁が総合的に予算化して実施に移す、そいうことですか。そうでなくて、今日においては、これは一つ党利党略的に、開発庁があるということを北海道の住民等に浸透させるために、工事個所づけの変更とか、その具体的な権限は開発局にあるのだからということか非常に地方に宣伝されている。そういうことになると、関発機構の所存というものは根本的に検対しなければならぬということになる。これは最近における一つの事例なのです。今まで実際にあったかどうか知らぬけれども、民主党内閣になってからそういう傾向が非常に顕著になってきているというこは、これは長官といえども否定することができないと思う。この際この個所づけの問題とか、工事に対する計画の樹立の問題等を、どういうような段階て最終的にはおやりになるのか、それに対して開発庁はいかなる権限を持っておるという、この事務的な経緯というものを明確にされておく必要があると思うのであります。これは長官の人格とか民主党の党の政策にも関係のあることと思いますから、この点は正直にお話を願いたい。
○大久保国務大臣 個所づけの問題はさきに申しました通り、予算を組むときに原案としてぼくの方作りまして、それを大蔵省に要求する、大蔵省はまた個所別にこれを査定します。その集計したものが予算となって現われて参ります。予算は削減したり、あるいはふえることもありますから、多少個所づけの変化はありますけれども、大体においてひもつきです。だから宣伝ということをやつても、ほとんどできないと思います。
○芳賀委員 その点は大久保さんの人間性に信頼を置きたいと思います。あなた以外の者がそういうことをやる場合もある。たとえば女房役とか、いろいろおりますから、そういう点も長官は注意しなければならぬ。そうお思いになりませんか。特に北海道の開発等に対して、たとえば愛知用水の公団法というものが当委委員会にも付託になっておる。今度は北海道関係でも、篠津あるいは根釧の開発関係の法案をあるいは今国会中に御提出になるかもしらぬと思います。特に北海道開発局の行う仕事は公共的な性格を持っておるわけです。ですからその点を明確に区分してやらぬと――それはもちろん時の天下がいろいろなことを宣伝するのは一応了としても、限界があるのです。ただ私が言っておきたい点は、その開発機構が生まれたそもそもの発端というのは――あなたが知っておるかどうか知りませんが、北海道の知事選挙等に最初からからんでおる。今日においては北海道における知事並びに道議会の勢力分野いうものは、あなた方から見れば、遺憾ながら社会党が、主流をなしておる。そういうことがからんで、せめて北海道の開発機構を通じて、こういう点からこれを民主党の勢力を温存する一つの接点にしようというような打算的な考えがないとも限らぬ。こういう点は現政府においても厳に反省をされて、そういうような誤解とか批判が生まれないようにするための努力いうもの長官の責任であると思う。これには予算は要らないのです。身辺を明らかにする、そういう点に対してはどういうお考えを持っておりますか。そういう批判とかいろいろな問題があるような場合には、これを払拭するために最大の努力をする決意はありますか。
○大久保国務大臣 私はさきに申しました通り、まつすぐにやっていくつもりです。もし疑問の点が生じ、あるいは疑問の事柄でも起きました際は、私の方へごめんどうでも言ってきていただきたい。私は是正いたします。
○川俣委員 この際二、三点お尋ねしておきたいのですが、今までの答弁を聞いておりますと、開発庁がどうも実施官庁であるいう考え方が薄いのではないか。そうなりますと、各省はおのおの専門家を持っておりますから、また実施官庁として自治体であります北海道庁もある。大久保さんの説明をずっと聞いておりますと、北海道開発庁なんというものはあえて必要がないような御説明のようにどうも受け取れるのです。もうあんなものはおやめになるつもりであなたは御就任になっておられるのですか。この点をお伺いいたします。
○大久保国務大臣 さきに申しました通り、開発庁は実施機関ではない、計画して予算を取る。その実施は、農林省あるいは建設省等に予算を移して農林省、建設省から北海道庁もしくは開発局に送つて仕事を執行しているわけであります。形式上は実施機関になっておりません。そこがこの機構上のしばしば問題の起る点です。
○川俣委員 そのことは私ども知っているのです。知らないで言うのじゃないです。ところが、いつでも予算を取るときに、開発庁自身で取られたことがありますか。最近はみんな農林省の予算の中から北海道に幾らかよこせということで、われわれが取つた中からあなた方が持っていくだけじゃないですか。今度はどれだけ努力されたか。われわれ農林委員会の予算増額について努力したと言うが、あなた方は何を努力されたか。取れてからようやく北海道へこれだけよこせということで無理やりに持っていっただけじゃないですか。一つも努力などされないじゃないですか。委員会に一ぺんも顔を出さない。農林委員会は予算のぶんどりばかりしているという非難すら受けた。あなた方が計画するんだったら、進んで本委員会にも計画を示されたらいい。あなた方は一ぺんだつてわれわれの方に計画を説明されない。今日だつてようやく安藤委員が無理やり引つぱつてこられた。これで一体何を計画したなんて言われますか。この委員会が真剣に予算増額のために奮闘したことをあなた御存じないでしよう。計画官庁であったならば、さらに明瞭にわれわれに対して協力し、われわれの努力に対して敬意を表されてしかるべきである。あとになってから北海道へ幾らかよこせなんて、そんな計画官庁がありますか。私の言うのは、法律的には実施官庁でないけれども、人のものを取っていくというのは実施官庁のようなものだ、そういう意味なのです。一回でもあなたが北海道の計画について説明されたことがあるか。もう国会は終りになりますが、内容についてもどういうふうに実施するんだというようなことを表現されたことがありますか。私は今まで一日も農林委員を休まないが、あなたから一度もそういう話を聞いたことがない。その点いかがですか。
○大久保国務大臣 私の方の直接の議案は、おそらくまだ農林委員会にかかっていなかったと思います。そういう関係でまだ皆さんにお目にかかる機会がなかったと思いますが、これから愛知用水、あるいは北海道の機械開墾の問題、これはようやく案ができましたようでありますから、これからは皆さんのお世話にならなくちやならぬと思います。
○川俣委員 ふざけてますよ。政府の出さない法案が来るわけはない。私の言うのはそうじゃない。予算を取るためにどれだけあなた方が苦労されたか。世間では、農林委員会が横車を押して予算を取っていると非難攻撃されるほどに努力したのです。北海道開発の方からこういうような予算が必要だということを、一度だって説明に来られたことがありますか。愛知用水なんかはあなたの所管ではありませんよ。
○大久保国務大臣 余剰物資の問題にひっかかってきている問題で、関連しているのです。
○川俣委員 私の言っているのはそんなことじゃないのです。愛知用水は今ここに法案がかかってきておりますから、必要な場合にはあなたをお呼びしますけれども、いつだって北海道の計画なんかを説明されないじゃないですか。計画官庁だったら、なぜ進んで説明されないのか
○大久保国務大臣 私自身ここからの御要求があればいつでも参ります。けれども、要求がなかったものですから……。 〔「あなたが要求すべきものじゃないか」と呼び、その他発言する者あり〕
○川俣委員 これは計画官庁であればこそ積極的に来る。実施官庁でありますならば、予算を立てられたものを実施面についておやりになればいいのです。そこで言うのですが、あなたがみずから計画官庁だという自身を持っておられるならば、積極的に来て御説明あるべきがしかるべきではないか。実施官庁なら国が予算を取つた、国会が予算をつけたものを実施するのが責任であるから、これはおいでになる必要はない。計画官庁だとみずからおっしゃるから、それならば進んでこういう計画を持っておる、こういう説明がなければならぬはずではなかったか。あなたが来れなかったら、あなたの部下でもいいのです。それすらないのじゃないですか。どうですか。
○大久保国務大臣 私がときどき来て、それは皆さんにお話すればよかったかもしれませんが、お呼び出しがなかったから来なかったのです。私どもも(「あなたが責任があるんじゃないですか。僕らが責任があるのじゃない」と呼ぶ者あり)ですからそうすればよかったと思います。一つ皆さんの意向を尊重して進みますから、悪しからずどうか……。
○足鹿委員 ただいまの問題に関連しまして、長官に一つ伺いたいのです。北海道開発機構について、今議論がたまたま発展しておるのですが、この開発機構について現在の機構を妥当とお考えになりますか。たとえばこういう災害が、しかも大きな災害が頻発をいたしますたびごとに、あなた方は企画官庁で実施面は建設、農林その他関係省をしてやらしめる面と、北海道地方公共団体をしてやらしめる面と出てくる。ある一定の開発計画というものは、国の企画によって進んでいく場合もありましょうが、臨時突発の災害というような場合には、やはり出先において日常のいろいろな仕事を担当しておる北海道なら北海道庁というものが、やはり災害復旧というものに対して、あるいは恒久、臨時対策についてはやることがきわめて敏速にでき得る感じを持つ。そういう点において、何か機構上に判り切れないものを、こういう機会がくると感じるのです。従来から見ておりますと……。それでどういうふうにお考えになっておりますか。御所見があればお聞かせを願いたいと思います。
○大久保国務大臣 さきに申しました通り、開発庁の組織は数年前できたばかりです。従って各省との関係、もう一つは北海道庁との関係がなかなかむずかしいのです。複雑になっている。私から見れば、仕事がなかなかやりにくい。従ってこの際ほんとうに北海道の開発をやるのならば、実施機関にしたらどうか、各省より独立して実施機関にすべきであるという議論が起っております。現在はそういう関係にありますので、立案だけは私の方でして、予算を取ってそれを各省に配賦する。各省が北海道庁あるいは開発局に予算を送つて執行させる、こういうことになっております。北海道庁と開発局の関係でありますけれども、北海道庁においては――私の方の予算が年に百五十億ありますが、このうち五十億というものはほとんど北海道庁に回っております。大体大きな仕事は開発局でやる、小さい仕事といっては語弊があるかもしれぬが、地方的の仕事は北海道庁にやってもらう、こういう建前をとって進んでおるのであります。これはどうも今日の制度の上においてはやむを得ないです。理想からいったならば、やはり責任を持って予算を取り、責任を持って執行する、仕事が済んだならば、これを農林省なり建設省に返すというのが本筋じゃないだろうか、こういう考えを持っておりますけれども、まだその実施に至っていないです。今日は作つた当時の制度そのままを踏襲してやっておるのです。
○足鹿委員 私ども外部から見ておりますと、百五十憾の予算を取っておると言われるが、あなた方が御努力になってお取りになるよりも、建設とかあるいは農林とかが実際上必要な実施計画を立てて、必要な予算を持ち寄つたものがたまたま百五十億になる、こういうことじゃないですか。従ってそういうふうな実情の上に立ってみた場合に、何ら北海道開発庁なるものの存在理由はない。現地において農林省なり建設省の出先が、それぞれ国土開発計画に従って、地方公共団体と連絡を密にして開発に当れば、何ら大きな支障はないように私どもは思う。ただいまも対策本部を持つ必要はないというような御意見を御開陳になりましたが、むしろそういうお考えがあるならば、進んで対策本部というようなものをこういう災害時においてはおとりになって、平素の所信をただちに実践化していかれなければならぬが、それは計画庁であるからできないのだ、こうおっしゃる。そういたしますと、事実上今おっしゃっておることとたまたま災害が起きてあなたが御意見を御開陳になったこととは、私は北海道の者でない第三者ですから、きわめて冷静に聞いておりますと、よほど何か食い違いがあるように思う。ことさらに計画庁としての北海道開発庁なるものを作り、長官を作られても、これは災害のときには計画実施権を持っておらない。結局地方庁に依頼するか、あるいは自分たちの行政府の一環である農林省か建設省を通じてやらしめなければならぬという悩みを持っておる。だからといって、今長官がおっしゃるように、これを実施庁にしていくだけの根拠と理由は、私どもは今までの質疑応答を通じては何ら発見することはできない。何かそこには伏在した事情があるというようにわれわれは受けるのです。そういう点で災害対策についても実際上やっていけないような実情が現存しておる限りは、この機構についてはもっともっと私は現地の出先の、北海道の開発にみずからその地方住民の責任においてやっておる者の創意工夫を国家が支援していく、それを中心にやっていくという形で何ら差しつかえないではないか、こういう感じを非常に持つのです。だから百五十億お持ちになっておるが、それは事実上建設省という名において、あるいは農林省という名において、あるいは北海道庁に出す補助金という内訳において、名前だけを持っておいでになる、こういうふうに解釈せざるを得ないですな。そういうことになるのじゃないですか。
○大久保国務大臣 それは計画したばかりではないです。やはり予算を取るのに努力力しています。それはもちろん農林省と共同してやることもありますが、独立して要求してあるのがあるのです。農林省の関係は農林省と共同戦線でやることがあります。たとえば今度の余剰物資の例をとりますれば、愛知用水の方は主として農林省の関係ですから、農林省が主としてやります。篠津の方の関係あるいは根訓地帯の関係は私の方の所管で、これは十分努力しました。アメリカの銀行の関係者にも会つて話しています。現在アメリカから二人技師が来ています。そうして愛知用水を検査して、済んだならば、北海道に行くことになっていますけれども、これも私の方と連結をとつて、人も連れていきます。ですから予算を取らぬのじゃない。計画して予算は取ります。関係したものはもちろん共同戦線を張ります。しかし予算を取つた後の配分は、今言いました通り農林省関係は農林省に一ぺん移します。建設省関係は建設省に一ぺん移します。そうして建設省から北海道にやるのです。そういう建前になっております。予算を取る場合には私の方でやる。総理府の予算の中に、北海道開発費というのがちゃんと載っています。
○足鹿委員 そうしますと、今度の北海道災害対策に対して、その処理の基本方針はどういうふうにお立てになっておりますか。融資をおやりになる以外に、他に何か施策を講ずる場合は、どういう措置を講ぜられますか。
○大久保国務大臣 さきに話しましたように、まっ先にまず融資、これはほんとうの問に合せの手段であります。その次に考えるのが、政府の持っています予備金の支出であります。それでも足りない場合は、さらに考えなければならないと思います。第一段、第二段としてその点を考えております。
○松野委員 今の余剰農産物のお話で、北海道に機械を借りるというお話は、私も初耳なんですが、それは余剰農産物の資金の中から北海道にやるとか、何かそういう開発の計画があればお示し願いたいと思います。ただいまちようど法案が出ておりますし、これはわれわれの方にまだそういう明細なものがありませんから、関連して御参考までにお伺いしておきたいと思います。
○大久保国務大臣 概略を申し上げておきますが、余剰農産物の金二百余億のうち、農林省関係の食糧増産の費用に約三十億取っております。その、三十億のうち五億五千万だけ、北海道及び青森県上北の開墾に回そう、私の方に五億。篠津に四億五千万、それから根釧地帯の開発のために五千万、こういう割当になってきております。これはまだ内定のものです。
○芳賀委員 ただいま足鹿委員の質問に答えられて、さしあたりは融資を考えていると長官は言われたのですが、これはつなぎ融資の意味ですか、何の融資ですか。
○大久保国務大臣 それは銀行あるいは農林関係の金庫、そういう金融機関です。
○芳賀委員 何の融資ですか、つなぎですか。つなぎで一応出して、あと予備金で埋める、そういう意味ですか。
○大久保国務大臣 とりあえず融資をして、それで間に合せておいて……。
○芳賀委員 つなぎというわけですね。
○大久保国務大臣 その通りです。
○芳賀委員 大よそとりあえずどのくらいのつなぎ融資を考えているのですか。
○大久保国務大臣 それは各地方々々によって一括して表ができておりません。各地方においてやることなんです。もし中央で一括してというならば、なるべく努力しますけれども、各地方でやっています。
○芳賀委員 これは何か長官のお考え違いなんですね。つなぎ融資のワクをきめて、たとえば北海道に何億とか、東北に何億とか、政府は方針をおきめになるべきである。地方の銀行や何かから借りるのは、これは別なんです。政府としてつなぎ融資をどれだけ出すかという方針は、お立てになる必要があるのです。
○大久保国務大臣 お答えしますが、その額はさっき言いましたように、まだきめていないのです。ですからただそういう方針を話し合っておるだけです。額がきまりましたならば、あなたの言われますところのワクも自然ときまってくると思いますが、そこまでいっていないのです。
○芳賀委員 これは災害救助法で、二市二十二カ町村出しておる。ですからつなぎ融資というのは、一ぺんにどれだけ出すというのではなくて、第一次、第二次というふうに、緊急の度合いによって政府がおきめになるのが、今までの政府のつきぎ融資の出し方なんです。たとえばさしあたり五億なら五億出すとすれば、第二次は何億、そういうことでいいのです。ですからとりあえず、政府は第一次のつなぎ融資をどのくらいきめたということの発表は、すでにあっていいと思うのです。
○大久保国務大臣 それは先ほど申しました通り、計画がきまり、被害の額がきまり、査定の額がきまれば発表いたします。
○芳賀委員 これは全部今のところこの程度の災害では、とりあえずつなぎを何ぼ出すといっても、最終的に出すのはつなぎにならないのです。最終的にはつなぎがとれてしまうのです。それまでの間をつなぎ融資と通常言っておられるのです。
○綱島委員長 委員長からちょっとお尋ねしておきますが、先ほど余剰農産物に対する北海道開発の件がありましたが、北海道はすでに計画に入っておりますか、余剰農産物利用の計画にもう入っておられますか、それはあらましの話だけでございますか。
○大久保国務大臣 入っております。篠津と根釧地帯二カ所です。
○綱島委員長 伝えられるところによると、計画がある分は全部アメリカの技師の計画に委託する、そうして計画量の七%ないし六%の料金を支払うことに内定しておると聞いておりますが、北海道にはそのことはございませんか。
○大久保国務大臣 それはまだきまつておりません。
○松野委員 先ほどのお話の続きですが、余剰農産物は御承知のように大蔵大臣の所管事項なんです。それはあなたは詳しく御存じだと思う。あなたの大事な北海道長官としては、どつちかというとむとんちゃくである。そこに答弁の矛盾がある。だからあなたは不熱心だと私は思う。あなたは能力はあるのです。余剰農産物は大蔵大臣の所管でありながら、四億五千万とか、四千五百万とか、ちゃんと数字は御存じなんです。そのくせ北海道の災害のことになると、おれの所管事項じゃない、そこにこの災害問題に対する締めくくりが出てくる。あなたが不熱心だという結論になる。 先ほどの自由党は誘拐政党ではないとお思いになるならば、自由党はどういう政党だとお考えになるか、どうですか、誘拐政党だと言った覚えはないとあなたはおっしゃるのですね。
○大久保国務大臣 私は言った覚えはないと思っております。
○松野委員 そうすると清水崑という人はあなたの言わないことを書いておる、あの人はうそのことを書いた、こういうことですか。
○大久保国務大臣 それは適当に一つ……。
○松野委員 適当ではない、問題はそこなんです。われわれは悔辱を受けたと思っている。あなたと清水崑さんとは適当でいいかもしれない。われわれはどちらが犯人か突きとめなければならない。あなたが清水崑さんはうそを書いたと、それだけ聞けばいい、どつちだ、今の答弁ではわからない。これ以上は追及しませんが、あなたの方は適当でいいでしょう。
○大久保国務大臣 私は言いません。
○松野委員 そうすると清水崑はあなたの言わないことを書いたということですか、どうですか。
○大久保国務大臣 それはわからぬけれども、私は申しません。
○松野委員 清水崑という人はあなたの言葉をかりて、あなたが言わないことを書いた、こういう結果だ。今日はこれで一応了承しておきます。しかし北海道災害対策本部というのはあなたの所管なんです。あなたがこれをやらないといえばあなたの所管事項はなくなってしまう。あなたは国務大臣だけでいい、北海道長官をやらない方がいい。自由党の全盛時代に、あの北海道災害対策特別委員会ができておる。大野前長官の善政を引き継いで一つやってもらいたい。本日はあなたの御答弁がなければ、いずれあなたがお作りになるかお作りにならないか、その結果を見て、あらためて一つ当委員会においでいただくことをこの際お約束して、本日は私はこれ以上聞きません。
○川俣委員 東北の豪雨による災害によって、河川がいたんだばかりでなく、頭首工が非常にいたんでおります。今の災害は冠水とか流失あるいは埋没等をもって被害といたしておりますが、御承知の通りあそこは穀倉地帯で、広範な面積に用水の必要のあることは、すでに御存じの通りであります。このためにため池等を作つて灌漑用水の設備を増強いたしておる。ところが川のはんらんによって別な方面に、低いところに川が流れている結果、灌漑用用水が非常に困難に陥っておる。そこで単なる被害ばかりではなくして、今後の作況に非常な影響をするような旱害が起るのではないか。すみやかにこれは対策を講じないと、さらに旱害の被害として大きく現われてくる危険性が出ているわけですが、これに対してどのような処置をとられるか。
○渡部政府委員 御承知のように田植直後に水害が起りまして、東北としてはこんな早いときに出たのは珍しいのであります。数回県当局の関係の代表者が見えまして、お話のようなことをいろいろ聞いております。また私の方も調査いたしております。そこでとにもかくにも先ほどからお話がありましたように、地元の準備が早くできないと処置ないわけですから、応急対策としてどれだけのつなぎが要るのだ――それから簡単にポンプであげられるものであれば、私の方には二十八年災以来の政府所有のポンプがありますから、いつでも手持ちを出します。今ならほかの地域がありませんから、間に合えば出します。それからさらに査定についても、できるだけ早く県の方で計画を立ててやる、これは今月の二十日ぐらいまで査定事務のための計画がかかるそうです。その後私の方から出向いて、実地検証しまして八号中旬ごろまでには金が出せる態勢にしたいと思っております。しかしいずれにしてもお話のように一歩大事な時期でありますから、少しでも水が切れるということのないような手段を考えたいと思います。これは要するに、頭首工のこわれたものを応急のポンプで間に合うかどうか。頭首工は相当大規様にやらなければならぬならば、地元で早く準備してもらいたい、こういうことです。
○川俣委員 これは小面積の灌漑用水ならポンプでも間に合う。ところがもしも大量な場合には、ポンプでやるということになりますと、かえって多くの水を今までの用水でないところへ流さなければならぬということになり、寒冷地帯におきましてはむしろ危険を生ずるような場合も出てくる。こういうことも勘案しなければなりませんので、なるべくすみやかに対策を立てていただきたい。 それから秋田でいいますと、あの膨大な経費を使ってやった田沢の開墾計画、この幹川がいたんでおりますために、下流でことしあたりから田にしようとして計画しておるところが、全然田植ができないというような状態です。これは今まで畑地であったのを田にしたために、非常な漏水をするわけです。大体非常に大きな水を要する地帯です。そこで幹川を直していかないと、せつかくの田が亀裂を生じて、少しぐらいの雨では漏水してしまつてだめです。こういうことが起きておりますので、どうか一つすみやかな対策を講じていただきたい。これは予算を流用するということになりますか。予算を持っておりますから、修理費としてすみやかな処置ができぬことはないと思うのですが、おやりになることができませんか。
○渡部政府委員 ただいまの田沢の関係のものは、設計書がこちらに来ておるそうで、応急通水するような用意を至急やります。金の方はお話のように一時流用してやります。
○川俣委員 これは二、三日前かに入札をやったのですが、道路などに力を入れるよりも、すみやかに幹川の流通をはからなければならぬ。どうもこういう点が役所式です。せっかくある予算を道路に使うということになりますと、これは開田されたところの道路です。水の行かないようにして、道路を作ったってしょうがない。早く灌水するような処置を講じないで、一年あとに使われるような道路だけ工事をやらしてもしょうがない。これは机上論になりますから、その点でやはり農地局としては少し抜けてますよ。きょうは時間がないから、この程度にしておきます。
○渡部政府委員 御注意の点はよく検討いたします。
○芳賀委員 農林省関係で、官房長病気だそうですので、農地局長にお尋ねいたします。昭和二十八年の大水害による農業関係の災害、農地災害と施設災害の復旧がようやく終つた程度です。ところが災害復旧に対する国の補助金がまだ全部終つてない。ことしで三年ですから、終らないのも無理ないのですが、全然行っておらぬところもある。報告によると、前の二十八年の水害でやられた個所とまた同じところが被害を受けておるような事態も中にあるらしい。そういうことになると、前の災害復旧の補助金が全部終っておらぬのに、また同一個所が災害を受けたというような事態が出てくるのですから、そういうような場合には、農地局として、指導とかあるいは補助の面等はどういうような処置をとられますか。
○渡部政府委員 お話のように、二十八年災の金が非常におくれておるのであります。これは先般来問題になっておりますように、二十八年災の実施の面で非常に不正、不当の行為があったので、全部の再査定をやっておる関係で、三十年度の予算でやっと半分ちょっとくらいつくことになります。しかし今のように二十八年災が手がついてないというところは、おそらくいろいろなむずかしい問題があるのではないかと思います。そこを復旧したらいいのかどうかというような問題等があつて、してないのではないかと思います。あとは私の方の調べでは、むしろほとんど工事をやってしまって、借金をしておって、その借金が村税収入の大部分を占めるので困る、こういうような話で弱つておるのであります。今のように二十八年度災のあとができなかったのはそれが原因ではないかと思います。しかしいずれにしましてもそういうことはないように気をつけなければいかぬと思っておりますが、具体的にあとでお知らせ願いますればよく調べてみます。
○足鹿委員 私の言っているのは、二十八年度の復旧は大体終っておる、ところがその個所がまた今次の水害によってやられておるという場所もあるのです。大体同じようなケースです。前回の復旧にはまだ補助が全部終っていない、同じ個所がまたやられたというようなこういうケースはどういうような処理をしておりますか。
○渡部政府委員 これは前のものができ上っておるのだったら前の金は払います。それで新しくつけます。ただここで御注意願っておきたいのは、私の方は災害復旧費のこまかいものを一々ここへ何ぼということはやりません、道府県に渡しますから。この間聞いてみると、町村によってもらい方が非常に違います。それには府県でそれ相当の理由をつけておるのだろうと思いますが、今のような個所は、今度の災害でつける場合によっぽど注意して、二度の災害によって負担が増高しないようなやり方をやれということをしばしば言っておるのであります。これは地元の方からも、都道府県当局とよく連絡していただきたいと思います。
○芳賀委員 渡部局長も御承知の通り北海道関係はいろいろ開発庁の関係があって、場合によるとこれが農林省から見ると、何か緩衝地帯みたいなことになって、災害復旧等が少し緩慢になるようなおそれがないとも限らぬ、そういうことはあくまでないように注意を願いたい。もう一つは、これは今の問題ではありませんが、たとえば東北、北海道等に対しての公共土木とか農業施設の災害復旧の補助問題等もまた出てくると思いますが、建設関係においては、公共土木の国庫負担法の一部改正の法律が今出て、災害の激甚な地帯に対しては国の負担率を高めるというような法案が審議されております。ところが農林関係の方は政府の提案が全然ないわけです。農林当局としては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律案の改正をやる意思があるのかないのか、その点もこの際明らかにしておいてもらいたいと思います。
○渡部政府委員 建設関係と農林業施設の関係は、一方は地方公共団体の税収に対する被害額の比率でやっておるので割に計算が楽なのであります。ところが私の方では被害区域の農家一戸当りの被害金額が八万円以上ということでランクをきめるわけです。そこで一つは建設省の方と計算の仕方が違うので、どうやつたらいいかということで非常に困っているわけです。ことに累年災害の場合とは必ずしも区域が常に一致しないわけです。建設省の方でありますれば、市町村ということであればその中のこの橋とこの橋が違つても、市町村の負担は一本になりますけれども、農林省の方は個人々々の施設での区域でありますから、去年はA部落で今年はB部落ということになりますと、負担する人が違うわけです。そこでその計算の仕方がむずかしいので、今弱っておりますが、いずれにいたしましても現在一戸当り八万円以上の分について累増の補助率を適用することになっておりますが、二十万円以上になれば全額を補助してもらうような案を検討しまして、できればこの国会で成立をさせていただきたいと思って今いろいろお願いしておるような次第であります。
○芳賀委員 この問題は実は議員立法で、常襲災害地の災害復旧措置等の関係の法律案が提案されて、これは今局長の言われた問題と類似の点も非常に多いと思います。それで当局の見解を明らかにしておいてもらいたいと思って今発言したのです。そのほかにも農林関係の各部面についてお尋ねしたい点がありますが、他の局長等がお見えになっておりませんので、もし私どもが十一日に出発するに先だつて何か参考になるような農林省の方策等があれば、官房の総務課長が見えておるので、御発言があれば委員長よりお尋ねを願つて、それで質問を終ります。
○渡部政府委員 今農業災害の被害の程度の高い部分の補助率を上げるものは農林水産業施設災害復旧事業費、国庫補助の暫定措置に関する法律の一部改正でやっております。もう一つの災害の分ではその問題が解決できないのではないかと思います。もう一つの方の法律案も同時にお願いしなければいかぬのじゃないかと思います。なおお話がありました点ですが、私どもの方は二十八年度災害で災害立法を作ってうまくやろうと思ったのですが、一番困つたのは、二十九年の春になって会計検査院、それから財務局が事前調査に行ったわけです。私の方では二十八年度の災害は、地方災害を合せますと十数万件あったわけです。そのうち実地査定ができたのは二割程度ではなかったかと思います。あとは書面審査でやりまして、会計検査院等でひどく指摘されて、二重申告があったりセメントの使い方が悪かったり、いろいろなものが出てきており、それが事前調査でわかったものですから、私どももびっくりして全部査定をやり直しておりまして、二十八年度災害だけでも今年一ぱいかかるだけの分になります。そういう関係がありますので、結局地元府県の方でなるべく十分綿密な調査をしていただくと同時に、地元の市町村なら市町村に工事の施行についていろいろな監督を願わないと、せっかくこちらで一生懸命やっておっても、そういう不正不当の出たおかげで、正直にやっておるところが巻き添えを食うというのが現在の実情ではないかと思いますので、そういう点については格別の御配慮を願っておいた方がいいのではないかと思います。
○綱島委員長 委員長から申しますが、災害復旧課長の方で、皆さんが北海道に行かれるのだから、何か計数でわかっておることとか、いろいろ御参考になりそうなものだとかいうことでお気づきのことがあったら発言してもらうといいのですが。
○大塚説明員 ただいままででわかりました北海道の暫定法の対象になる被害は、農地が一億九千五百二十三万円、農業用施設が一億五千百十六万四千円、それから開墾関係の災害が八千四百六十二万五千円、それから国営事業関係の災害が三千四百二十万円、この四つを合計いたしまして四億六千五百余万円が現在わかつておる被害であります。
○綱島委員長 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十九分散会