農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1955/06/18
会議録
○綱島委員長 ただいまより会議を開きます。 昭和三十年産米の集荷制度、集荷予定数量等に関する問題について、本日御出席を願いました参考人各位より御意見を承わることといたします。当委員会におきましては先般来、本年産米の価格問題についていろいろと調査検討いたしておりますが、これは食糧の管理方式とも重要な関係において検討を要する問題であります。御承知の通り政府は、従来の食糧管理制度の運用の状況にかんがみ、本年産米より管理方式に変更を加え、事前売り渡し申し込み制度を採用しようといたしておるわけでありますが、この制度が実施の運びになった場合におきましては、御出席の御各位は集荷の実際面を担当いたされる方々であります。また集荷に対する協力の立場にあられるわけでございます。この機会に本制度に対する忌憚ない御意見を承わり、かつまたこれに対していろいろ御準備をいたされていると思いますので、それらの点についても御説明をお願いしたいと思うのであります。 この際委員長より各御出席になりました参考人のお方にちょっとごあいさつを申し上げます。公私御多端のところ、本委員会の御要請申し上げましたことに対して御快諾下さいまして、お繰り合せ御出席下さいましたことと、これから各自の御造詣を傾けられて本委員会のために御陳述を賜わることをあらかじめお礼申し上げます。 なお御報告を申し上げますが、参考人として今日御出席のお方は石井英之助君、全国販売農業協同組合の連合会会長であられます。龜井善彰君、全国食糧事業協同組合常務理事であられます。落合慶四郎君、全国主食集荷協同組合連合会専務理事であられます。緒方孝三郎君、埼玉県農務部長であられます。宮内彌君、全国知事会事務局長であられます。以上です。 それではただいま申し上げました順序で御供述を願いたいと存じます。どうぞ石井英之助君より御発言をお願い申し上げます。
○石井参考人 ただいま御紹介を受けました石井でございますが、今日の出席につきまして、どういうお話を申し上げるのであるか、またどういう御質問があるかということについては、実は十分に承知をいたしておりませんでしたので、はっきりとした用意をいたしてきたのではございません。あるいはお聞き苦しいところもあるかと思いますし、また十分順序立ってお話申し上げるということもあるいはできないかと存じますので、その点はあらかじめ御了承を願っておきたいと存じます。 ただいまの委員長のお話によりますと、今回政が府が実施の方針を決定されております集荷方式について、どういう考えを持つかということが第一点の申し上げるべき事柄であるようでありますが、私どもといたしましては、いわゆる事前売り渡し制なるものは、現在の米の需給関係から考えまして、国民生活上ある程度米の、配給制度を継続いたすということが、国民の経済上まだ必要であるという前提に立ちまして、それに応じますためにある程度の数量を政府において集荷することが必要である。またこの際国民経済の安定、さらにひいては日本の経済のために、非常に国民生活上基本物資である米価の安定ということが国民経済上きわめて必要である、こういうような諸点にかんがみますと、どうしても政府においてある程度の数量の米というものは集荷をいたさなければならぬ。その必要に応じますために、従来の割当供出制度というものが理論としてではなく、実際問題としてこれを存続するということが非常に困難になっておるという実情にかんがみまして、 〔「委員長退席、稲富委員長代理着席〕 この段階においてはいわゆる事前売り渡し制度という行き方というものがまず一つの方法として考えられるのであります。もとよりいろいろな諸条件が、いわば直接統制のくずれんとしておる情勢のもとにおいての措置でありますから、全体を通じて非常に一貫をした、また非常に完備をした制度であるということは申すわけには参らぬと存じますけれども、まずまずこの際やり得る制度としてはこういう程度のものであろう、かように考えておるのであります。それでこの制度が行われます場合においては、農協系統組織といたしましては、農協系統組織の基本の機能というものは、申し上げるまでもなく共同販売機能を完全に果す、でき得る限り大量のものを共同販売の線に乗せて、計画的に販売をいたしていくというのが農協本来の機能でございますから、その農協本来の機能に即してこの制度に応ずる販売態勢を作って参りたい。農協本来の機能を果しまするともに、一面において、と申しますか、それと同時に国民経済の要請に応ずる米の集荷を実行、完遂をいたしたい、こういう考え方でもってこの制度を考えておるわけでございます。 そこで第二点の問題といたしましては、そのためにどういう措置をしておるかというお尋ねの点でありますが、われわれとしては、この制度の建前なり、またこれが実施になりました場合において、農協系統組織としてとるべき態度等についての趣旨の普及宣伝ということに、ただいままではもっぱら尽して参ってきておるのであります。と申しますのは、価格その他の具体的な諸条件が決定を見ませんと、われわれとしては具体的な活動をいたすわけには参りませんので、時期の関係等から申しまして、いろいろ考えさせられる点はあるのでありますが、ただいまの段階では、具体的な活動に入るということはできない状態にあるのであります。価格その他の具体的な条件が決定を見ました上において、この共同販売の実の上りますような活動、地方との協議というようなものを進めて参りたいというので、内部的な検討は現在いろいろいたしておりますけれども、対外的に具体的な活動をするという段階にはまだ入っておらないのであります。従いまして第二点のお尋ねについては、まだ具体的に申し上げるようなことはない、一般的に趣旨の普及宣伝に努めておるというのが現状でございます。 はなはだ簡単でございまするが、お尋ねの点についての私どもの考え方なり心がまえ、準備というようなものについて概略の御説明を申し上げた次第であります。
○稲富委員長代理 次に龜井善彰君。
○龜井参考人 ただいま御紹介をいただきました全国食糧事業協同組合連合会の龜井であります。私どもの事業協同組合は、主食の配給を担当いたしておるのが本務でございまして、全国の総扱い量の八割一分を担当いたしておるいわゆる食糧配給公団解体後の組織の団体であります。従って集荷の関係につきましては、戦前の自由経済の当時におきましては相当大きな実績を持っておりましたけれども、その後におきましては集荷、配給の両面を分離いたしております関係から、現在におきましては、集荷の点はごく一部の量を扱っておるのみであります。 今回事前売り渡し制度が実施せられるというようなことに相なりましたことは、ただいま全販連の石井会長さんからおっしゃったように、管理制度の弱体がこういう状況になって参りました以上はやむを得ないものである、かように私ども考えております。しかし事前の売り渡し制度というようなことに相なりました以上は、従来の集荷をいたしまする機構、すなわち登録制度によりまする集荷というような点についても大幅に変えらるべきではなかろうかというのが私ども協同組合の考え方であります。具体的に申しますと、集荷の形が農家の予約という非常に民主化された制度に相なった。しかるに集め得る手足、集め得る機構というものが以前と同じように農家の登録をとって、そうしてその登録を取った関係業者があるいは農業協同組合であり、あるいは指先集荷業者である、そういうものが集荷をするだけであっては、その目的を十分に達し得るということはできないのではないか、なぜでき得ないのではないかとかように申すかというと、制度が変ったのでありますから、集める手足というものも、あるいは一つの農家に甲の指定集荷業者も乙の指定集荷業者も交互に行って、いわゆる競争をして初めて予約の目的が達成されるのではないか。従ってその量を確保することができるのではないか、かように私どもは考えておるのであります。いろいろそういう問題につきましても意見の開陳をいたしたことがあるのでございますけれども、ついに予約制度はできましたけれども、集荷をする機構については従来と何ら変るところがない、かようなことは私どもはなはだ遺憾だ、かように考えております。この点については、先生方の将来の十分なる御検討をこの機会にお願い申し上げたいと、かように考えております。しかし現在しかれるものと考えられております制度に対しましては、現在はやむを得ない。きわめて少数の関係業者ではありますけれども、もしこれが実施されるという段階になりますれば、私ども全面的に協力をしてその目的を達成したい、かように考えております。しかし何分にも、先ほど全販連の会長さんからもおっしゃったように、まだ米価も決定いたしておりません。またそれらこまかい問題についてのすべての問題が解決いたしておりませんので、趣旨の浸透につきましては、あらゆる機会に、少数ではありますけれどもいたしておりますが、具体的にどういう方法で入るというような問題には、いまだ手をつけておりません。いわゆる待機の姿勢でおる、かような状況であります。ただ私ども最初に申し上げます通り、米の配給を主としております関係から、この結果がどういうふうになるかということは、実はきょうも全国の代表者が集まっておりまするが、非常なる関心を持っております。やみ値が日に日に上昇してくるという産地の趨勢でございます。石川の金沢のごときがすでに百六十円を越しておるというようなこと等も、一つの例でありますけれども、考え合せましたときに、この予約集荷制度の将来はどうなっていくのかということにつきまして、もしも予定せられておりまする数字が集まらなかったというようなことに相なりましたとき、果して現行十五日の配給、あるいは消費地におきまする内地米の八日配給というものが確保できるかどうかということにつきましては、非常なる関心を持っておるものであります。いずれこうした問題につきましても、あらためて先生方にも御陳情申し上げる機会があろうと思います。脱線をいたしましたけれども、かようなことで非常にこの行方につきましては関心を持っておるものでございます。はなはだ簡単でございますけれども、集荷につきましては、ほんとうに少量の扱いをいたしておりまする関係から、簡単に意見を申し上げた次第であります。
○稲富委員長代理 次に落合慶四郎君にお願いいたします。落合君は全国主食集荷協同組合連合会専務理事でございます。
○落合参考人 御紹介いただきました落合でございます。私の方は商人の、集荷業者の全国団体であります。本年の集荷方式はどうかというお尋ねの件につきましては、当初は、はたしてこれでうまくいくかどうかという点に相当疑問を持っております。供出割当をして、義務としておってうまくいかないのを、農家の自由意思によって出させる、気持の上では、非常に進歩的でありますが、これで十分な成績を上ぐることができるかどうかという点に疑問を持ちまして、相当意見の開陳もしたことがありまするが、しかし今日ではすでにこれは閣議の決定になっておりするし、いろいろの準備が進められておりまするので、もはやそういう問題について論ずる段階ではなかろうと考えております。 ただその前に、この予約制度をとるにした場合にも、登録はなるべく農家の自由にまかせる、あるいはまた登録が終った後においても、農家はその意思によっていかなる業者に出してもよろしいというふうな方法をとるならば、かなり集荷成績を上ぐることができるであろうというような意見も持ったことがありまするが、これも今日ではもうすでに決定したのでありまして、あるいはこのあとの問題は、今後政府のお考えでは、まだやり得るのかもしれぬのでありまするが、一応これは決定した件でありまするから、われわれとしましては、現在におきましては、どこまでもこの決定した方式に従って、十分集荷の実績をあぐるように努めたい、かように考えておるのでございます。 この問題に関連しまして、今石井さんからもお話がありましたが、まだ米価にしましても、手数料にしましても、奨励金にしましても、あるいは減税のことにしましても、まだ具体的に決定を見ておりませんので、非常にやりにくい次第でございます。さしあたって私ども、今一番政府に要請しておりますることは、前渡金――これも金額はわかりませんが、前渡金といいますか、概算払いといいまするか、これが出ることはほとんど決定的と思いまするが、それの保証として、農家の連帯保証、あるいは銀行の信用保証といったようなことが必要でありまして、この銀行の信用保証をとる場合に、どの程度の金額についてとればよろしいか、もちろん全額がだめになって政府に返さなければならぬというようなことは想像もつかぬことでありますので、ごく一部でよろしいと思いまするが、その何パーセントぐらい銀行の保証をとってくればけっこうであるかという点もなるべく早くきめていただきたい、もちろん米価等をはやくきめてもらわなければなりませんが、そういう問題をわれわれ商人関係としては、特に急いで決定をしてもらいたいという希望を持っているわけであります。 〔稲富委員長代理退席、委員長着席〕 それからどういう措置をとっておるかという点につきましては、先刻の石井さんのお話とほとんど同じでありまして、現在はもっぱら趣旨の普及徹底ということに全力をあげておるわけであります。まことに簡単でありまするが、意見を申し上げた次第であります。
○綱島委員長 次に緒方孝三郎君。
○緒方参考人 私埼玉県の農務部長の緒方でございます。私どもといたしましては、米の問題につきましては、集荷の責任並びに県民に対する配給面を受け持っておりますので、その両面からいたしまして、毎年米の集荷問題につきましては最も重大なる関心を払い、最善の努力を払っているものでございます。本年度政府の方針が従来に変りまして、米の事前売り渡し制度に転換に相なりましたので、その当初におきましては、この制度についていろいろ研究もいたし、また不明の点も多かったので、多少危惧の念を持っておったのでございますが、その後政府の御説明もだんだん拝聴いたしまして、私どもといたしましては、政府の決定いたしました方針に従いまして、最善の努力を払うというつもりで参っているのでございます。 次に準備態勢でございますが、県といたしましては、六月三日に米穀売渡推進協議会というものを県に設置いたしまして、さらに続きまして郡並びに市町村に推進協議会を設置いたすことにいたしまして、目下その準備を進めているのでございまして、郡によりましてはすでに設置いたしたところもございますし、近く設置を見るところもあるのでございまして、大体近く郡並びに市町村に推進協議会が設置されるものと考えているのでございます。私どもといたしましては、ただいまのところ、本年の集荷方式につきまして詳細に説明をし、下部にその趣旨の徹底をはかっているのでございますが、先ほど来お話の通り、一番肝心な買上条件が決定いたしておりませんので、その点について私どもといたしましては適切なる米価をすみやかに決定いたしまして、公示していただきたいということを切に念願しているのでございます。ただいままでのところ、以上でございます。
○綱島委員長 次に宮内彌君にお願い申し上げます。
○宮内参考人 全国知事会議の宮内彌でございます。本年度の産米の集荷の制度に関してでありますが、知事会といたしましては、政府がその方式を変更されるならば、これに対してできる限りの御助力は申し上げなければならないということは、いずれの知事さんも持っておられるようでございます。けれども現状におきましては、その責任の主体がどうもはっきりしていない。一応現在閣議などで決定されましたところに基きますと、集荷の主体は一応農林省の指定する集荷業者、協同組合の方と業者だと存じますが、それらの人たちが一応集荷の主体になっているのではないかと思いますけれども、知事はやはり知事としての協力者として規定されております。その知事の協力というものが具体的にどういうものであるのか、その責任がどの程度であるのかということがはっきりしていない。従ってどの程度まで知事が責任を負わなければならないのかをすみやかにはっきりしていただきたいというのが全国一様の知事の要望でございます。この点は先般知事会議を開きました際にも、農林省の係官の方にもお願いしているのでございますが、いまだその点がはっきりしておらないようでございます。 それともう一つは、全般的の全国知事の意向としまして、この制度のもとにおいての集荷について、期待量が十分集荷しないのではないかという危惧の念を持っているのであります。もっともこの点は米価その他の諸条件と非常に関係があることとは存じますが、特に消費県並びにその近郷の県の知事におかれましては、非常にその点を心配しておられるようであります。もしも万一この自由出荷が失敗に終るならば、消費者に対して非常な犠牲を与えることになって、ゆゆしき事態が起るのではないかということを心配しておられるようであります。この点は特に関東、東海、近畿、中国、九州にまでわたりまして、全般的に心配をしておられるようであります。大体東北方面はその心配が他と比較しまして薄いようでありますが、非常にその他の地方は切にその点を考えておられるようでございまして、先般も適正な米価となお集荷についての責任を明らかにして、そうして消費者に責任を転嫁せられないようにということを要望しているのでございます。 さらに第三点としまして現在非常に心配しておられますことは、この制度の徹底が非常に現在行われておらない。農民が納得せずしてこれを実施しなければならないということになると、とうてい今のような期待量を集めることができないのじゃないかということを心配いたしまして、すみやかに実施についての細目を明らかにされまして、それに基いて知事が集荷の主体者に協力して農民に納得できるように徹底できるように、早くその点を実現していただきたいというのが全般的な希望でございます。 以上簡単でございますが、一応現在までの知事会の皆様の希望の実情を申し上げた次第でございます。
○綱島委員長 参考人の皆様に、恐れ入りますが、これから委員会からの質問がございます。どうぞ御存じのことを隠さず一つお答えを願います。委員の質問通告がございますので、通告の順にこれを許して参ります。芳賀貢君。
○芳賀委員 当初に参考人各位に申し上げますが、先ほど開会当初に委員長かかもお話がありました通り、突然御出席をいただいたことに対しては非常に恐縮している次第であります。ただここで申し上げたい点は、御承知の通り今日国会におきましても、米価問題を中心にいたしまして非常に諸般の審議が停頓をしているわけであります。先ほど参考人各位からも御指摘がありました、政府が称するところの予約買付制度の実施の問題等に対しましても、いまだに国会におきましては政府の制度改正に対する明確なる態度というものは何ら示されておらないのであります。世間に対しましては、制度を変えて予約集荷制をやるということを流布しておりますが、議会に向ってはこのようにして集荷制度を変えて、これを実施するという具体的なものが何ら示されていないのであります。これは議会として非常に困惑する点でありまして、昨日も当委員会におきましては、農林大臣並びに大蔵大臣の出席を求めて、この点に対してただしたわけでありますが、何らわれわれの期待に沿うような解明が行われていなかったのであります。ところが私たちの承知している範囲においては、予想以上に、全国的にこの集荷制度の下部に対する働きかけが進行しているのではないかというふうに考えているわけでありますが、この集荷制度が行われる場合においては、直接または間接的にこの衝に当る皆さん方の率直な御意見をぜひ聞かしてもらいたいというのが今日の本旨でありますので、そういう前提の上に立って、若干御意見を伺いたいと思うわけであります。私たちは決して参考人各位に議論をするという考えはございませんので、その点をお含み願いたいと思うのでございます。 そこでまず全販連の会長の石井さんにお尋ねしますが、全販連が中心になって、この予約制度推進の本部なるものを設けられまして、そして各都道府県におきましてもこの推進本部という機構ができて、末端の集荷業者に対して徹底した啓蒙等が行われておるように私たちは承知しておるわけであります。なお府県によりましては、何か予約申し込みに対する一つの期待量というものをも示して、この具体的な数字の上に立っての動きもあるように若干聞いておるわけでありますが、それらの点に対しまして、まず今日お作りになっておるという推進本部なるものの機構とその目的等に対しまして、石井さんの御意見をお伺いしたいと思います。
○石井参考人 農協の系統の組織におきましては、ただいまお話がありましたように、予約の運動推進本部というものが設けられておりますが、これは販売系統の全販連の中に、そういうものを置いておるのではないのでありまして、共販運動という農協全体の一つの運動という意味において、農協の中央会の中にその運動推進本部というものを設けておるのであります。それでこの運動本部と申しますのは、その名前にも現われております通り、農協本来の共販運動の推進というところに重点を置いておる一つの啓蒙と申しますか、啓蒙と申しますか、そういう運動をいたす本部なのであります。米を売り渡していくというビジネスの面は、これは販売系統において担当をいたし、全販連において担当をいたすのでありますけれども、その直接のビジネスでない一つのビジネスが、うまくいくように共販を推進するというところを、その運動本部がやる、こういう分担になってやっておるのであります。 そこでこの運動本部というのは、新しい制度の趣旨の普及、徹底、それが実施になった場合の取扱方というのについての啓発をやっておるのが現在の段階でございまして、先ほどもお話を申し上げました通り、まだ価格その他の具体的条件は何ら決定をされておりません関係上、その具体的な措置を進めるということはできない状態にあるのであります。従って現在やっておりますことは、趣旨の普及、宣伝という域を出ませんのであります。従って現在は数量を前提としてある事柄を、ある仕事をやっておるというような段階ではございません。われわれ全販連の方として、県連との間に数量についてのお話し合いをするというようなことは、またできない状態にあるのであります。具体的な条件がはっきりときまりました上で、早くそういうことをしなければならぬとは考えておりますけれども、まだそういうことができない状態にあるわけでございます。従ってお尋ねの数量問題云々というようなことは、われわれの方として県連との間に何ら話し合いはしておりません。ただしかし、それぞれの地方においては、いざ実施となれば、どういうふうになるかというで、それぞれその会において内部的な検討はもちろんいたしておると思います。私どもは大よそどういうことになるかというようなことで、内部的な研究はいたしております。しかし外部的にそれに基いての働きをするというような段階になっておらない、こういう状態であります。
○芳賀委員 ただいまの御説明によりますと、今日の予約制度に対する推進本部なるものの性格は、協同組合が本来行なってきたところの、いわゆる共販体制確立の一つの運動の現われとして、あくまでも組合員であるところの生産者の利益の上に立った協同組合運動の一つの表現である。従ってこれはまだ未決定な、政府が本格的にきめていないところの、世間で流布されておる予約集荷制度なるものを、政府の意図を体して末端に押しつけるような運動とは全然違うというふうに理解して差しつかえないですね。
○石井参考人 ちょっと誤解があってはいけませんと思いますので申し上げますが、あの運動推進本部というものができましたのは、今度政府において新しい集荷制度を実施するという閣議の決定がございまして、政府の方針が確定をいたしましたので、その後においてああいうものができておるのでございます。従ってああいうものを新制度と全然無関係に本来の共販運動推進のために作ったというもの、これはそうではございません。しかしこの新制度の実施に当って、その実施を受けて共販運動の推進をやる、こういう意味において新しく設けられたものであります。どうかさように御了承を願います。
○芳賀委員 そういたしますと、これはおそらく五月七日の閣議決定をさされると思うのでありますが、この閣議決定において予約集荷制度、むずかしく言えばいわゆる事前売り渡し申し込み制度、これはただ閣議が一応その方向をきめたというだけで、御承知のように今日においても食管法というものは現存しているわけです。特に食管法の一番問題になる第三条第一項の規定も、そのまま生きたまま、これはおそらく今後政令にこれを譲って、政令において今後の集荷の方針あるいは具体的な方向というものを明示して、政府が運営されるのではないかというふうに考えておる。ですからもしその運動を展開される場合においても、やはり何か法的な根拠、基礎的根拠というものがなければ、これは閣議決定くらいで軽々にすぐ運動を展開するということになると、これは末端に非常に迷惑をかける場合があると私は考えるわけです。そういう点はまだ国会においてもいまだ政令なるものを示されておらぬ。ただきのうの委員会において一つの参考資料として、要綱案なるものを政府はようやく当委員会に参考資料とてして出した程度です。国会においてもいまだ事前売り渡し制度なるものが何ものであるかということを理解していないわけです。それはすでに全販連等においては、われわれよりも先に事前に売り渡し制度なるものを十分確認されて運動を展開されておるというようなことになると、一体集荷制度のどこを根拠にして法的な、あるいは政令のどれを根拠にして今まで運動を具体的に展開されたかということになるわけでありますか、その点はいかがです。
○石井参考人 運動推進本部の問題につきましては、具体的な細目云々のことは全販連の方としては、これは別個の形で進行をいたしておりますから、細目についてのお答えは私から申し上げることはあるいは行き違いが起るかと思いますから、運動推進本部の方は別といたしまして、私どもの考え方といたしましては、かねて懇談会の答申その他において相当具体的な内容が明らかになっておりましたし、政府のあの制度を実施するという大筋というものは、大体明瞭になっておるように考えまするし、ああいう制度を新しく実行いたしますとなれば、農村の方にその内容をよく伝えて、そこにその趣旨を普及いたしますという仕事は、これは時間のかかることでございますから、政府においていざこういうことで実行するということにきまりましたときに、時期的におくれませんように、手順よくこれを実施に移しますためには、やはり相当の趣旨の普及徹底という仕事をやらなければならないわけでありますから、そこで本来でございますならば、価格その他の具体的条件が早くきまりますことを、われわれとしては希望をいたしておったわけなんでございます。あの閣議決定がありました以上は、政府において適正な条件をきめて実行に移されるということになるであろうと予想をいたしますから、そこで早くその実施に備えての準備はいたしておかなければならない。そのためには今度の制度というものがどういう制度であり、こういう趣旨であるかということを末端に普及をいたさなければならぬということで、そういう仕事をいたしておったわけであります。まだいろいろ条件がきまりませんので、ただいまは普及宣伝の段階にとどまっておるというのが現状でありまして、またわれわれとしては、そういう考え方で今までは普及の仕事をやってきたわけであります。さように御了承を願いたいと思います。
○芳賀委員 次にお尋ねしたい点は、先ほどもお話の中にありましたが、今までの供出制度、今日までとられてきたところの食管制度というものがすでにもう危機的な段階にきておる。それで今度の予約買付制度というものがその危機を救う一つの制度の改正であるというお話もありましたが、問題は、たとえば供出制度を今度は申し込み制度に変えても、それで成功するかどうかという成否の問題はどこにあるというようにお考えになりますか。米の値段とかあるいはそれに付随したところの諸般の条件というものは全然具備されないで、ただ供出制度を予約買付制度に変えたという、こういう形式的な改廃だけによって今後の食管制度というものが改善されるというようなお考えですか。今までの運動の経緯等を見ても、全国の農民の期待というものは、やはり米の価格決定に当っては、これはあくまでも一万二千四百円にしてもらわなければいかぬ、予約制度をやる場合には、たとえば前渡金の問題であるとか、税金の免除の問題であるとか、それから予約分に対する価格差の問題であるとかいうような、そういう具体的な条件が整わなければ、幾ら政府が制度の改正をしたところで、これに協力することはできないという明確なる意思表示を、今日行なっておるわけであります。ですからそういう生産者の基礎的な一番強い要望を考慮に入れないで、ただ集荷の形だけ変ればそれで解決というような、そういうお考えでもしあられるとすれば、これはただ単に集荷業者としてのそういう一つの観念の上に立って、数量だけを自分の手元によけい集めればいいのだというような運動に堕するきらいが非常に多いと私は考えておるわけであります。こういう点に対しては、どのような認識を持たれて今まで運動を推進してきたのですか。
○石井参考人 その点は、もちろんただいまのお話がございましたように、価格その他の諸条件というものもこの制度の実施に当って最も重大でありまして、そういうことを抜きにいたしまして、制度の建前を変えるということで云々というような考え方は、全く私どもはいたしておりません。今日までこの制度の趣旨を普及させるための仕事をして参りましたのは、先ほども申し上げましたように、実施ということになってこれがうまく取り運びますためには、どうしても相当の準備期間を置いて、この制度の建前等をよく了解をしておいてもらわなければならない。そこで適切な条件が出ました上は、それによって実行することの準備として普及、徹底をいたしてきたわけであります。それは実際問題として、この衝に当る立場といたしましては、それだけの用意はやはり必要である、どうしてもそれはやって参らなければならぬ、こういう考え方でやって参ったのでありまして、この点は、地方の系統組織との間にしばしば相談をいたした上でこういう措置をとってきておるのであります。さように御承知を願いたいと思います。
○芳賀委員 そこでお伺いしたい点は、たとえば全販連の立場におかれては、もちろん末端の協同組合がその組合員の生産した農産物を販売ルートに乗せて、できるだけ有利にこれを処分してやるということが本来の使命なんです。今度の集荷をやる場合においても、登録がえのないということがおそらく前提になっておると考えられる。しかも食管法は改正しないということになりますと、これは予約売り渡し制度で、生産農民は政府以外に米をどこにも売れないんですよ。そしてそのルートは集荷業者を通じてやるということになれば、これは協同組合を通ずる一つのルートと、それ以外の業者の系統と二つしかいかないのです。しかも登録がえもしないということになると、おのずからだれの米はどこへ行くということが今から縛られておるわけなんです。それにもかかわらず、今日全販連がこの予約制度に非常に力こぶを入れて、別に政府から頼まれもせぬのに趣旨の徹底とか普及に狂奔されておる、その点が十分わからないわけです。また農協運動の趣旨徹底のためにやるのではないということを付言されるのは、なおさら理解に苦しむ。 ここで私が申し上げたい点は、私たちはきのう、参考資料として昭和三十年の米の集荷制度要綱案なるものを政府から受けたわけです。おそらくあなた方もこの要綱案なるものは見ておるし思う。この中には、今までと違って、全国の集荷団体であるところの協同組合は、むしろ政府の行政的な業務の代行を押しつけられる面が非常に強いのです。これを甘んじて受けるということになると、むしろこれは純理的にいうと、今日の農業協同組合法の上に基礎を置いた農業協同組合の性格にさえも影響を与える節が出てくるのではないかというように、われわれはその点を危惧しておるわけであります。かつての農業会時代の農業団体であれば、生まれるときからの性格が違うのですから、それは差しつかえないとしても、今日の協同組合の組織形態というものは、いやしくも政府の代行機関的な性格というものは生まれる前から払拭されておるわけです。こういう点は、要綱等をお読みになっていささかも疑問を持たれませんでしたか、どうですか。
○石井参考人 その点は先ほど最初に御説明申し上げたときに申し上げたのでありますが、今度の新しい制度というものは、国の立場としての集荷のあれからきておる制度でありますが、それによっての米の集荷ということは、これは作る方のそれを受けて仕事をいたします農協側としては、農協本来の共販の筋に乗せて仕事に移していきます。こういうのか農協の系統組織の考え方でありまして、政府として、国としてああいう制度をとらなければならないという理由については、これはいろいろと論ぜられておるところでありますが、政府がああいう制度をとってこの際の米の問題の解決に当るという場合に、受ける方の農協の側というのは、これは本来の農協の共販組織としての機能を一〇〇%に発揮するということによってこの仕事を受けていこう、こういう考え方に立っておるわけであります。従って農協本来の性格から申しまして、そういう考え方を私どもとしてはとっておるわけであります。今要綱の書き方について、要綱についてのお話がございましたが、その要綱の用語その他につきましては、われわれとしても実は不満の点があるのでありまして、農協というものを単に一つの集荷機関として取り扱われておるようなところはわれわれとしては非常に不満に思っておるところなんであります。従いましてその要綱を受けて農協内部の仕事として移していきます場合には、農協の本来の性格に合うようないき方としてこれを運動に移しておるのであります。でありますから私どもとしては、農協の機能として本来の姿においてこの仕事を受けていきたいということで考えておるのであります。
○芳賀委員 それで私が指摘した点は、もうすでに石井さんも御承知と思いますが、政府はこの集荷制度要綱なるものを他日政令に置きかえようという考え方を持っておるわけです。そうなるとこの要綱というものは、将来は政令としてこれが非常な猛威をたくましゅうすることになるわけです。しかもこの要綱の冒頭には、政府は、配給の所要量、政府の手持ち所要量、生産見込み数量等の総合的な勘案の上に立って全国の集荷予定数量をきめて、これに基いて全国集荷団体別に要請をするということになっておる。要請というのは非常に抽象的な言葉で、これは法律上の語句としては用うべきではないと考えるのですが、これは端的にいえば政府が指示を行う、全国の集荷団体に対して一つの期待量を示して指示を与えるということになる。そうすると全国の集荷団体は、そのそれぞれの系統の末端の集荷業者に対してこの要請量を満たすだけの、また要請をさらに行うということになるわけです。それで一応上からの流れは切れておる。もう一つは、これは当然のことでありますが、今度の予約制度の上に立って、生産農民と政府との間において事前に売り渡し契約を締結するということになる。これは予約制度をやる場合においては当然の一つの約束なんです。ですから法律の根拠というものは、あくまでも政府に米を売り渡すべき生産者とそれを買い受けなければならない政府との両当事者の間において、この売り渡しの契約というものは締結されることになるわけです。ですから政府に売り渡しの契約が行われた面を、登録の上に乗って集荷業者というものはそれを政府に売り渡す、一つ生産者から政府への間の取次をやるというのが従来とられた集荷業者の任務であるというふうに考えられる。今度は上から政府の指示に従って全国の集荷団体というものが末端の集荷業者に集荷の指示をしなければならないという、この面というものはやはり政府の行政上の代行機関的な性格がここに生まれてくると私は考えておるわけでありますが、この点に対しては、あくまでも今日の協同組合の性格がこれによって影響を受けないというような自信がもしおありでありしましたならば、この際所信を御発表を願いたいと思います。
○石井参考人 数量を政府においてその要綱によって示されるということ、これは政府としての、これだけの集荷をしたいのだという目標を示されるものと私どもは了解しておるのでありまして、それが法律的な何らかの意味を持ったものというふうには私どもは了解をいたしておらないのであります。私どもの方は、もちろん共販のあれとしてやるのでありますから、できるだけ大量のものを集めるということは共販運動として当然努力をするところであり、また国民経済全体の関係から申しまして、必要とするものの集荷をいたすということには最善の努力をいたすのでありますけれども、しかしながら政府から示されるその数量というものが、義務づけるような性格を持ったものであるとは考えておらないのであります。政府もまたさようであろうと私は考えております。従いまして御懸念のような動きにはならぬという考えを私どもはいたしております。
○芳賀委員 これは失礼にわたる点があるかもしれませんが、重大なことなんです。これは甘く考えるべきものでないと思うのです。今までこの条章は、今までの政令の中では、政府の集荷予定数量というものを都道府県知事に与え、知事はさらにその数量を県下の市町村長に指示して、そうして政府の期待量というものが必ず満度になるような責任を負わしておったわけです。先ほど埼玉県の農務部長さんが言われたように、今度はその知事に対する、そうした政府からの責任の示達という点に対しては、何らそういう任務というものは示されていないのです。知事は単なる集荷上の協力機関というところに置きかえられておる。そうなると、その政府の国民経済等の上からも考えた一つの集荷期待量というものを、どの機関を通じて下に流すかという場合においては、これは当然全国の集荷団体なるものに対して、今まで知事に与えた任務を置きかえるというふうにしかならないわけなんです。しかも食管法を改正しないでやるというのですから……。こんを甘く解釈して、農業協同組合の組織形態に対して、今度のこの要綱は将来政令になるそうでありますが、これによってもいささかも影響を受けないということは、非常に軽卒な判断でないかというふうに私は考えておるわけでありますが、賢明な石井さんが絶対そういう心配はないと言われるので、かかる疑念というものは生じないかもしれませんが、これはあなた個人の問題でなくて、全国における農業協同組合の性格上に与える影響が重大になるということだけは、私は申し上げておきたいと思うのであります。しかももう一つ申し上げたい点は、今度の予約制度というものは、ただ単に生産者と政府との間における合意の契約によって、その契約分だけが、いわゆる食管法の三条一項によるところの義務供出量として、それで義務が終るということではないのです。これは政府途生産者の間において締結された数量というものを、今度は農林大臣が市町村長に対してその内容を示すわけなんです。市町村長はそれを検討して、実収高が明らかになった場合においては、生産者が政府と締結した契約というものは、実収量の上からこれが妥当であるかどうかということを検討して、その契約が適正でないという場合においては、この契約を改訂させるという一つの指示権を町村長に与えておるわけなんです。これでは何も予約買付制にならぬと思うのです。むしろ今までよりも制度の改悪だと思うのです。名前だけは予約にして、それを今度は町村長にあとで調べさせて、契約が足らぬという場合においてはそれをまた改訂させるというような権限を町村長に与えておる、こういうことになると、やはり今まで以上に農民をがんじがらめにして、予約買付というただ甘い――予約すれば基本価格よりも予約分の値段が高いとか、税金を負けるとか、前渡金を渡すととか、そういう安易な考えで、農民を眩惑して、そうして、一定量の米を集めるということになるので、あくまでも生産者の自主性を尊重するということには、政府の考えておる要綱から見ると、いささかもなっておらないのであります。協同組合はあくまでも農民の自主性の上に立って、生産農民の利益を守るとともに、その行為というものは、国民経済あるいは社会的に寄与するというところに使命があるわけなんですが、農民を犠牲にしても集荷団体であるところの協同組合自身が経営の安定を得ればそれでいいということにはならぬと思うわけです。ですから、今までの運動の経過を見ると、どうしてもそういうきらいがあると思う。まだ基本米価も決定しておらない、税金をだれだけまけるということもきまっておらない、前渡金を幾ら出すということもきまっておらない。予約分に対してどれだけの格差をつけるということも、政府は何ら態度をきめておらないわけです。しかもこういう重大な任務を協同組合等の集荷団体に負荷させようという場合において、これは集荷制度が危なくなるなんということではなくて、むしろ協同組合そのものの危機であると私は考えておるわけです。この点はいかがですか。しかも協同組合の経営上心配になる点は、むしろ統制撤廃をされた場合においては、今までのような安易な行為の上に立って協同組合が集荷の一元化をやることはできないという心配があるということはわれわれもわかるわけです。しかしそれだけに、ただ安易に政府と妥協して、この制度がどういうふうに変っても、とにかく統制撤廃にさえならなければ、協同組合が大体九五%米を集めておるわけでありますが、そういうことが温存されればそれでいいというようなお考えはないとは思いますけれども、まだ生産者を納得させるだけの、制度の改正上における具体的な条件が何ら具備されないこの段階において、政府の御用機関的な行動をされるということは、これは非常に遺憾なことであるというふうにわれわれは考えておるわけであります。この点は今日においても十分御反省になる必要があると思いますが、いかがですか。
○石井参考人 ただいまお尋ねのありましたような考え方は、私どもには全然ございません。それで今までの普及宣伝の措置をやって参りましたということは、これはたびたび繰り返して恐縮でありますが、これだけの制度の転換ということになりますれば、この趣旨を普及徹底をさせるために、また制度の実施を円滑にいたしまするためには、相当の準備期間がなくてはならない。それで関係者がすべてその制度の建前についての理解を持つということが必要でありまするので、そこに遺憾がありましては相ならぬ、こういう考え方で今日までの仕事をしてきたわけであります。この制度の実施に当って、価格その他の具体的条件が基体的に重要な事項であることは、お話の通り、私ども非常に痛切に考えておるのでありまして、そういうものを抜きにして云々というような考え方は、私どもには全くございません。それで具体的な諸条件は、私どもの当初考えたところから申しますれば、もっと早い時期に決定を見るものと予想をいたし、希望をしておったわけでありますが、今日のようなこういう時間的な隔たりが生ずるということは、実は予想をしていなかった事情もございますので、やって参ったわけでありまして、そういう御懸念を受けますことは、私どもとしてまことに遺憾に存じますけれども、私どもが考えておりますることはさようなことではございませんから、その点はどうか誤解のないように御了承を願いたいと思うのであります。
○足鹿委員 関連。ただいま芳賀委員が大事な点について質疑をしておられますか、私が昨日質問をいたしました重要な点と関連をいたしますので、一点だけお伺いをいたしたいと思うのであります。 予約売り渡し制度と米価は表裏一体のものであって、別個に切り離すことは不可能と思うが、農林大臣はこの方針を堅持して今後も進むかどうかという私の質問から、だんだんと進んで今日の事態になってきておるのであります。ところが現在は、予約制度の実施面のみが先に進んでおるのありまして、政府は大体予算米価を強行する意図で、現在まで反省しておらないのであります。もしこのままにして推移せんか、予約制度のみが先行し、米価は予算米価にくぎづけになり、減税措置はそのまま具体的に講じられず、概算金の問題も数字的にきまらず、予約奨励金についても何らの措置もきまらないままに、このままに進んだといたしました場合には、これは農民への大へんな不信行為になりはしないか、われわれはこういう点を案じまして、全力をあげて、この米価問題に対して政府を追及いたしておる最中なのであります。こういう段階にあって、たまたま地方においては、政府は各府県に買付期待量なるものを内示あるいは指示いたしておりはしないかという私の政府に対する質問に対して、政府は全然そういうことはしておらない、こういう御答弁が農林大臣並びに食糧庁長官からあったのであります。そこで芳賀委員から、この問題については会議を中止して、いわゆる指先集荷業者の全国団体の人々や、あるいは府県の人々の、現在実際にタッチしておる状況を聴取しようという提案があって、今日の参考人招致という事態になってきておるのであります。 そこで、政府が供出期待量というものは全然内示もしておらないといたしますならば、地方に具体的な数字の出ておるのは、一体どこから出ておるかということです。これは私の県の新聞でありますが、念のために申し上げますと、こういうことなんです。「鳥取県に二十六万石を希望」県経済部長帰庁談、こういう談話でもって、「農林省では本年産米の契約数量を二十六万石希望してきた。これは昨年産米の割当量二十三万八千石よりはるかに多いが、十七年度から二十九年度まで三ヵ年間の平均供出実績二十六万一千石に対し統計調査事務所の見積りを九五%に落して計算した供出可能量二十五万六千石などをもとにして算出されたもので、この程度の売り渡し契約は可能だと思う。」と県の経済部長が帰来談を発表した。続いて今月の十四日には、米穀売り渡し制度の県推進協議会の会長が主宰されて、関係市長、県の地方事務所長、食糧事務所長、あるいは県の経済部長等関係者が会議を開いて、その期待量を受けるかどうかということを協議をしておるのです。一体これはどこから出ておるか。国は全然県に内示したことはないと言っておる。ところが経済部長は、国から内示を受けて、事実において具体的な数字を会議に諮っておる。農林大臣もそうしたことはないと言う、食糧庁長官もないと言う。しからば集荷団体の方において何らかこの一面にタッチしておられるのではないかという疑いが出てくる。われわれ国会が農民の焦眉の問題であるこういう問題に対して、昼夜兼行、ほとんど党派を越えてこの問題に勢力を集中しておるときに、一方においてはこの問題と何ら関連なしに、すでに具体的な各府県への買付期待量か下へおろされている、そのことは昔の事前割当制度の復活であって何ものでもない、新しい制度でも何でもない。米価はきめない、奨励方法もきめない、ただ末端に期待数字を出していくということ、そうして郡、市にその期待量をおろしていくということは、事前割当とどこが変りますか、全然変らないじゃないですか。ここ新制度と銘打っておきながら、農民を欺瞞する一つの大きな事態を招来しはしないか、従ってこのことは、これを支持する人々は新しい制度であると言っておるが、事実においては農民欺瞞の手先に、協同組合やその他のものがその走狗となって使われはしないか、こういう疑念も多分に出てくる。従ってこの買付期待量というものが一体どこから出ておるか、この点について全販その他全国の集荷団体に対しまして、政府との間に一括売買契約ないしは売り渡し促進契約なるものが結ばれたとわれわれは聞いておりますが、その内容はいかようなものであるか、私の質問について皆さん方から全部お答えを願いたい。
○石井参考人 ただいまお尋ねの政府との間の契約等は全然ございません。さような話し合いをしたすような段階にはなっておりません。私どもは価格その他の具体的条件がきまらなければ、具体的な事柄には何ら入れないというのが現在の状態であります。従いましてその数量が示されたとかいうような事実は、私どもとしては全然ございません。どういうことでありますか私どもとしては全然了解のできないような段階でありますから、それだけをここではっきり申し上げておきたいと思います。
○龜井参考人 私の方もそういう数字的の問題は一切触れたことはございません。同時にきわめて少量の扱いでありますので、まだ関係集荷業者の会合すらいたしておりません。文書で一部こういうふうなことになるのであろうというようなことだけは流しておりますが、それ以外のことについては触れておりません。
○落合参考人 政府が全国団体を通して順次集荷業者の方へ期待量を流すという方針を持っておるとは承知しております。そういう方針であろうということは承知しておりますが、具体的にどのくらいのというような話はまだ全然受けておりません。従って下へも流しておりません。
○足鹿委員 埼玉県農務部長さん、私が今事例に取り上げておりますのは、私の直接聞かぬことであります。地方から送ってきた新聞の記事を見て驚いておるのでありますが、埼玉県等においては、何か政府から説明会を受けられて、そうして説明会に関連して買付期待量的なものの内示を受けられたことはありますか。あるいはそれに類する、名前は別ですけれども、予約期待量だとか内示だとか指示だとか、協力的要請だとか、いろいろなことを言っておりますが、いずれにしても何らかの目標を示されたことがございますかどうか、それらの経緯を県の部長並びに知事会の事務局長から御説明願いたい。
○緒方参考人 私お答えいたします。今回の集荷の会議につきましては、私ども数次呼ばれまして農林省の会議に出席いたしております。その際に、当初に、今度の集荷事前売り渡し制度の説明のありましたときに政府といたしましては、配給量は従来通り維持したいということの説明がありました。それにつきましては、これはただ今の考えであるが、集荷の予定数量といたしますと二千三百五十万程度を政府は考えておると当初に説明がありました。それ以後具体的に、県に対してどうこうということは今まで全然ございません。県といたしましても、条件がきまらない前に数量の相談に応ずるはずもありませんし、私どもといたしましては、具体的に埼玉県にどれくらい期待をするというような相談を受けたことは全然ございません。その点ははっきり申し上げられます。ただ考え方といたしまして、ことしの米の割当の考え方でございますが、それは今までは義務供出が先にあって、あとに超過供出があった。超過供出した者の方が義務供出よりも従来は条件がいい。だからあとに出るほど条件がよかった。ことしは初めに申し込んだ者にいろいろ条件を考えておる。であるから申し込みのワクをある程度多く考えておく方が農民のためになるのではないかと思う。申し込みをした者に恩典があるのであって、申し込まないであとに米を売ろうとしても、政府の考えておる条件が適用されない。だから農民に対する指導の腹構えとしては、初めに申し込むワクを多少大きく見ておく方が親切ではないかという程度の暗示があったことはございます。それだけでございまして、それ以上数量については全然ございません。その程度でございます。それ以上具体的数字についての交渉はございません。以上でございます。
○宮内参考人 ただいまの期待数量を県の部長などに政府または予約買付制関係機関から指示があったかどうかということにつきましては、今までのところ具体的事例は聞いておりません。聞いておりませんが、先般会議をやりました際に、米価の問題について知事が非常に心配をしておりました。そうして、ともすれば県の部長を集めて政府から指示があるような場合があるのではないか。もしそれがあるとすると大へん困る。今度の主体性は知事に置いていないので、単に協力機関にしただけであって、しかもその協力内容の責任内容というものがわからない。そういうような考え方がありながら、もし県の部長を集めてそういう相談をするなら、まず最初に知事に対して説明並びに要求をしてもらいたいという意見になりまして、農林省の方には、まず知事に対してそういうように相談をしてもらいたいということを申し入れてございます。以上であります。
○足鹿委員 大へん恐縮ですが、もう一つ埼玉の農務部長に伺います。あなたの方では、米穀売渡推進協議会の機構は、現在どういうふうに組織されておりますか。またそれらの会合をお開きになった事実がありますかどうか、開かれたならば、どういう具体的な問題について現在御協議をなされておりますか、その点をもう少し詳細に、私の質問以外のことでも参考となるべき米穀売渡推進協議会の埼玉県における機構、構成団体、現在までの経過また現在行われつつあるいろいろな催し、それらの点についてもう少しお話が聞けたら伺いたいのです。
○緒方参考人 お答えいたします。埼玉県におきましては、政府の指示によりまして埼玉県米穀売渡推進協議会というものを設置いたしたのでありますが、期日は六月三日に第一回の会合をいたしました。構成メンバーといたしましては、県の実情に応じまして、県側からは知事、副知事、農務部長、それから集荷業者といたしまして埼玉県販売購買農業協同組合連合会会長並びに埼玉県食糧商業協同組合理事長、次に埼玉県農業協同組合中央会会長、埼玉県信用農業協同組合連合会会長、埼玉県農業会議議員全員、これは県の農業会議員が二十名おりますが、これが全員入っております。それから埼玉県市長会会長、埼玉県町村会会長、埼玉県議会農務常任委員会委員長、以上をもって構成いたしております。会長は、互選によりまして知事ということに相なっております。それだけのことをいたしまして、今まで政府から示されました本年の集荷の方法を説明いたしまして、今度の集荷の方法はこういうことになる、だから一つこれについては御協力を願いたいという程度の説明会を一回やった程度でございます。あとは郡にそれにならった協議会を設置するようにということを、地方の機関に流しておる程度であります。
○芳賀委員 他の委員の御質問もありますので、あと二、三点お伺いしておきます。今足鹿委員からお話があった点でございますが、これは緒方さんにお伺いしますが、何か政府の方から、府県においてはこのような形で推進運動をやれというような指示があって、全国的にやられておるかどうかという点と、もう一点は、足鹿委員の言われた点はあれで尽きるわけですが、六月十四日の読売新聞に記載されておるのですが、政府が二千四百万石程度の集荷目標を定めて、食糧庁では十三日三十年産米の集荷目標を二千四百万石以上と内定して全販連、全集連など集荷団体を通じて各府県に内示した、こういうことが新聞に載っております。この新聞だけの判断によると、全販連あるいは全集連の全国集荷団体なるものに政府から何らかの意思表示があったのではないかということが一応うかがわれると思う。われわれはこの点をお伺いしておるわけです。それから足鹿委員が言われたのは、日本海新聞の六月九日の内容で、鳥取県に対しては二十六万石を政府当局は一応予定しておる。それから京都新聞の大月十四日にも、京都府に対する割当目標を二十二万石程度期待しておるということが載っているのです。おそらくこの新聞に掲載される以前に、全国の経済部長会議なるものが招集されておるのではないかというようにこの新聞の記事を通して考えておるのですが、六月上旬あたりに全国の経済部長会議等が招集されたかどうか、この二点について緒方さんにお話を願いたいと思います。
○緒方参考人 お答えいたします。第一点の政府の指示があって推進協議会を進めたというその根拠いかんということでございますが、それにつきましては、五月十六日付食糧庁長官名をもちまして、府県知事に対しまして通牒が出ておるのでございまして、昭和三十年産米の集荷についてという通牒が参っておるのでございます。この中で米穀売渡推進協議会の設置方につきましてこれを進められたいということを申しておりますので、その準備といたしまして、米価はきまりませんが、推進協議会の設置を進めて参ったのでございます。 それから農務部長会議でございますが、私の記憶するところでは四月二十六日にブロック別に会議がありまして、そのときはまだ具体的にきまったこともないのでありますが、今年の方針は大体こういうふうになるという説明と、それに対する部長の意見はどうかという意見がありまして、これはずいぶんいろいろな議論が出まして論議があったのでございますが、それが一番初めの会議でございます。その後五月二十七日にやはり会議がありまして、このときは関係課長も連れてくるようにということで、それと関係団体が一緒になって全部呼ばれまして会議がありました。それが二十七日でありまして、二十八日に関係課長がなお農林省と打ち合せをしたという程度でございまして、私が出ましたのは四月二十六日と五月二十七日の二回でございます。
○芳賀委員 最後に石井さんにもう一度お尋ねしますが、先ほどのお言葉によると、もし今政府が示しておる集荷制度の要綱案なるものが政令として出された場合において、その内容等が、協同組合の今日の自主性を著しく圧迫するような、そういう影響がある場合においては、そういうことはあくまでも排除するというような御趣旨の御表明があったわけでありまして、これがもしも現実の姿となって現われた場合においては、全販連等においても、この政府の間違った考え方等に対しては、あくまでも協同組合の立場を守り、農民の利益を守るという立場に立って、断固とした態度を表明されることを私は期待しておるわけでありますが、その点はいかがであるかという点と、もう一つは、御承知と思いますが、五月三十日に米価要求全国農民大会なるものが開催されておるわけでございます。この主催団体の中には全国販売農業協同組合連合会も主催団体にその名前を連ねておるわけでありますが、この決議の内容によりますと、今年の米価はあくまでも一万二千四百円にすべきであるという点と、予約買付制を行う場合においては、期限内に予約数量を売り渡した生産者に買入価格の一割程度の予約奨励金を交付すべきであるという点、売り渡した予約数量の価額は課税所得に算入しないという点、それから前渡し金額は政府の買入価格の三割程度にすべきである、この三点を一万二千四百円米価の要求に付随して、予約制度を実施する場合においてはこのような条件が具備しなければ協力できないという意思決定が行われておるわけです。私はこれこそ協同組合の側に立った場合農民の利益を守る態度であるというふうに見ておるわけであります。ですから先ほどるる申された通り、一つはこの米価の決定に当って、生産農民の納得できる、しかもそのことが政府の期待数量を確保できる一番の要因になるという前提の上に立った考え方を貫くという点と、それから不当に協同組合の今日の精神あるいは任務を圧迫するような、政府の代行機関的なそういう要請があった場合においては、あくまでも協同組合の自主性を守るためにこれを排除する、この二点に対する石井販連会長の御決意のほどを、この際お示し願いたいのでございます。
○石井参考人 この制度の実施に当りまして、農業協同組合の系統組織の本来の性格に反するような結果の生じないようにいたすということは、もとより私どもの努力いたすべきところと考えておりますので、その点については遺憾のないように最善の努力をいたしたいと考えております。 なお米価その他の具体的な条件につきましては、農民団体側の共通した要望としては、すでに各方面にその要望のあるところを通達いたしまして、その実現に努力をいたしておるわけであります。われわれとしては、でき得る限りその要望に沿うような結果の生まれますように努力をいたしたいと思っております。
○芳賀委員 簡単に申し上げますと、私の言ったのは、今政府の考えておる集荷制度というものは、現在の法的な基礎の上に立った場合においては、集荷団体特に販売協同組合等に対して、法律の強制をもってこれを行わすという根拠は何ら持っておらないのであります。このことは御承知と思うのです。ですから、今後もこういうように全国の集荷団体に対して不当の任務を与えるような政令等が出た場合においても、やはり協合組合法の根拠の上に立って、そういう不当な影響を受けるということは排除できると私は自信を持って考えておるのです。ですからこの予約制度なるものは、実に全国集荷団体の決意の上に立ってこの制度が行われるかどうかということがきまるとも言えるのです。そのことが今日国をあげて問題になっておる米価問題に対して、今の政府の欺瞞的な集荷制度というものを甘んじて全販連が受け入れるかどうかということは、全販連自身の常識の上に立ってきまるものであることを私は特に指摘しておきたいのでありますが、そういう点を認識に入れての御意思を聞かせていただいて、私の質問を終らせてもらいたいと思います。
○石井参考人 お話の通り、農協に対してある義務づけをするような根拠が現在の制度にあるということはないのであります。そういう結果は私は生じないものと考えております。政府の方においてもそういうふうには考えておられないだろう、かように確信をいたしておりますが、なおその点について 農協の性格からいって遺憾なことのないように、十分注意をいたして参りたい、かように考えておる次第であります。その点については、私ども十分考えて誤りのないようにする覚悟でおりまするし、また政府もその点については十分な考慮を払われるであろう、こう私は確信をいたしております。
○綱島委員長 川俣委員。
○川俣委員 本日突然参考人の皆様にお集まりを願いまして、本委員会が取り組んでおりまする米価に関する諸問題につきまして、いろいろ参考となるべき御意見を伺いたいと思う次第でございます。 そこで石井販連会長に第一に御意見を承わりたいのですが、先ほど食糧管理制度が行き詰まった、そこでこういう事前売り渡し制度というものが考えられたのだ。現在の食糧管理制度においては集荷が非常に困難になったから、それを打開するために何らかの措置をとらなければならない、こういうふうにお考えになっておるようですが、どういう点が一体行き詰まったと見ておられるのでありますか、一つお聞かせ願いたい。
○石井参考人 これは私どもから申し上げまするよりも、むしろ川俣委員は十分御承知ではないかと思うのでありますので、私からそういうことを申し上げるのもいかがかと思います。しかししいて申し上げるということになりますれば、結局は供出というものが事実上御承知のようなことになって参って、とうてい続けることができないというふうに、関係者がほとんど全部考えるようになり、また社会的にももうあの制度はなかなか続けてはいけまい、こういう気持になったというこの事実が、理論を越えてこの制度の継続を非常に困難にしたのではないか、それが最も大きな原因ではなかろうかと思います。いろいろほかの条件もございましょうが、とにかくああいう供出割当制度というものはやっていけないようになってきたということが一番根本であろうと思います。
○川俣委員 もちろん私には私なりの意見がありまして、決して反駁する意意じゃない、御意見をお聞かせ願いたい。石井さんが行き詰まったと見られるのはどこであるか、私と違った意見を持っておられるかもしれませんが、おのおの違った見解もあると思います。そういたしますと、行き詰まったというのは、集荷制度、いわゆる今の食管法に基いて割当することが行き詰まった、こういうことなんですか。割当が行き詰まった、こうごろんになっておるのですか。その点がちょっと理解しにくかったのですが……。
○石井参考人 割当によって政府が米を集めるということが、今までのやり方では行き詰まった、こういうふうに考えております。
○川俣委員 それでは今の制度の根本をなしておるのは法的集荷、いわゆる政府の独占購買ということが根幹にたっておる、または公定価格を強制するということが根幹になっておるわけです。また政府が集荷する責任を持っておるために、集荷奨励金を出して、とにかくあらゆる方法を購じて集荷するということが根本になっておるのです。このうちのどこが一体悪いでしょうか。その点をお聞かせ願いたいのです。
○石井参考人 その原因にはいろいろよって来たるところがあろうと思いますけれども、要するに強制的な一つの割当ということによって、一定の数量を供出させるという、その機構において、もう存続できないような状態に立ち行ったというところに問題があるだろうと考えております。
○川俣委員 この際、集荷上県協を実施されて集荷に大へん御苦労をされました埼玉県の緒方さんにお伺いいたしたいと思います。石井さんの御意見によりますと、もう強制割当ということが行き詰まった、強制割当では出ない、こういうことですが、実際に当って価格が安かったとかなんとかいうことで、結局強制割当してもできなかった、こういうことにお考えになっておられますでしょうかどうでしょう。
○緒方参考人 お答えいたします。私の考えでございますが、今までの供出がだんだん困難になってきておることは事実でございます。それは一面からいうと米価の問題でもありますが、一般的に世の中のものが全部自由になったのに、農民に対してだけ法律で米を供出させる、強制をするということはおかしいじゃないかというような空気がそれとなくあるのでございます。従って県といたしましても、あまり無理な数量を押しつけるということでは、非常に農民の協力が困難でありますので、知事といたしましては、適正なる割当をするということに全力をあげておりまして、従いまして政府との折衝につきましても非常に時間をかけまして、知事といたしましては農民も納得し、政府といたしましてもある程度の配給量を確保する上から、やむを得ない数字を両者で検討することに全力をあげておるのでございます。従いまして供出量も、年々義務の供出量といたしますると、割合からいいますと減っておるかと思います。従いまして埼玉県に関する限り、幸いここ数年政府と折衝いたしましてきまりました義務並びに確保量は、農民も非常に協力していただきまして、百パーセント完遂を見ております。以上でございます。
○川俣委員 そういたしますと、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。大体納得するような契約を結ばせなければ集荷が困難になった、そこが行き詰まった基本だ、こう理解してよろしゅうございますか。
○緒方参考人 私の考えは御質問の通りでございまして、やはり農民等の十分納得の上で行政を進めることが一番よろしいと考えております。
○川俣委員 はなはだ失礼でございますが、そういたしますと、今の食糧管理制度、食管法そのままではいけないという結論になるようですが、そのような御見解ですか。この点は石井さんと緒方さんにお伺いしたい。
○石井参考人 ちょっと御質問の真意を取りかねたのでございますが、恐縮でございますが……。
○川俣委員 今までのあれですと、食糧管理法に基きますと、法的な集荷であり、政府の独占購買、これが食管法の根幹ですね。いわゆる任意供出ということを許さないのが、法の根幹です。ですから納得づくでということになると、条件が合わなければ出しがたいということを認めますと、食糧管理法とは根本的に考えが変った案なんです。そこで食糧管理法の改廃等が必要だとお考えになりませんか、こういうことです。
○石井参考人 現在の食糧管理法は、いかなる方法によって米を集めるか、どれだけのものを政府に売り渡すことを義務づけるかという細目の点は、これは川俣委員の御承知の通りに、政令その他に全部譲られておりまして、食糧管理法という法律の規定は、非常に大きな大ワクだけをきめておるわけであります。管理法の大ワクというものは、ある一定の数量は政府に売り渡さなければならぬ。そうしてそれ以外のものといえども政府に売らなければならぬ。川俣さんの言葉でいえば、独占買い入れですか、そういうのが大ワクとして法律できまっておる。それをいかにして実行するかという技術的な問題は、すべて政令等に譲られておるというのが、現在の法律の建前でございますから、管理法そのものをすぐどうにかしなければならないということにはならないかと思うのであります。もちろん最も徹底した考え方から申しますれば、法律を改正して端的に規定をするということが立法上の問題としてはよろしいのでございましょうけれども、必ずそうしなければならぬというものとも、私どもは現在の段階においては考えておらないのであります。政令その他において処理し得る分はそれでやり得るのだ、かように考えておるのでありますが、その法制上の取扱いの点はこれは政府その他議会等においてどういうふうにお考えになるか、私どもはもっぱらきわめて実際的な見地からさように考えるわけであります。
○緒方参考人 私の意見を申し上げます。先ほど農民の納得が非常に必要だということを申し上げましたのは、その通りでございます。どんな法律がありましても、われわれ行政を行うものといたしましては、法律を振りかざして事をやるということは非常に拙劣だと考えまして、あくまでも納得を主として進めておるのでございます。しかしながら、食管法があるということは、実際はその背後にある大きな力になっておるということは認めております。今日ただちに食管法を廃止できるかどうかということにつきましては、私は政府のお考えもあろうと思いますが、食糧問題は非常に重要な問題でございますから、それだけの準備を整えた上でないと、ただちに食管理を廃止するということは危険ではないかという意見を持っております。今度の事前売り渡し制度は、あくまで農民の自主的申し込みを主といたしまして進めておりますが、食管法はそのままにするという建前で進んでおるようでございますが、私はやはり現下の事情からいたしますと、その程度はやむを得ない、こう考えております。あくまで食管法というものは、われわれの考え方といたしましては、それは法律を振りかざすべきでなくて、なるべくならば法律の力によらないでいきたい、これはあくまで伝家の宝刀としておくべきものであろうというふうに考えておるのでございます。
○川俣委員 そういたしますと、石井さんにもう一度お尋ねしておきたいのですが、この事前売り渡し制度の趣旨を徹底させるために、いろいろ会合を開いておるそうですが、私どもは実はこの趣旨がよく理解できないで、苦しんでおるのです。趣旨を徹定させておるというその趣旨はどこにあるのでしょうか。一つお聞かせ願いたいのです。この事前売り渡しの制度の趣旨はどこにあるものとお考えでございましょうか。
○石井参考人 私どもの趣旨徹底をいたしておりまする要点は、今度の新制度を受けてやりまする農協側は、これは共販運動の筋に乗せてこの集荷制度を担当するのだ、そういうところに農協側の努力をすべき要点があるのだ、こういうことを私どもの方としては根本にして話をしておるのであります。制度全体のことは政府の方からいろいろお話があろうと思います。
○川俣委員 そういたしますと、共販運動としておやりになっておるのでありますから、この推進協議会の経費などはどういう支払いになっておりましょうか、どういう負担になっておりましょうか。何か私ども聞くところによると、この費用はあとで政府からもらえるのだから、一時立てかえておこうということで、銀行等から、あるいは信連等から借り入れを行なっておるようですが、最後の負担はどこになるか。共販運動ですから、これは自分たちの運動ですから、経費をまかなってもいいはずですが、なぜ借りておかなければならないか、この点をお尋ねいたします。
○石井参考人 どうも協議会が経費を借り入れておるというような事柄は、私は実は承知をしておらないのでありますが、この協議会を開くというようなことは、先ほど来から申し上げました通り、中央に大勢集まってどうこうするというようなことは、実はまだそこまではいっておらないのでありまして、地方々々でブロック別に会議を開いて、そこへそれぞれの人間が出向いて話をする、こういうことでありますから、従ってそれにはそう大した経費がかかるわけでもございませんので、その経費をどうするとかこうするとかいうようなことは、ただいまの段階においては、少しも問題になってはおらないはずだというふうに私は承知をいたしております。
○川俣委員 少しもかかっていないというのは問題ありませんが、共販運動としてやるのならば、みずからの負担でやる、こういうお考えですか。
○石井参考人 それはもちろん本来農協としては、いかなる場合においても努力を継続すべき事柄ではございますけれども、この制度が実施される暁において担当するという任務を考えますれば、平素のようなことではこれはいかないのでありまして、ここで非常に努力をしなければならぬということは考えておりますが、平素の場合とは非常に程度の違った運動なり協議なりをしばしばやらなければならぬということになろうと考えております。これは具体的条件がきまれば急速にそういうことを考えなければならぬ、かように考えております。平素のこととは全然違ってくるだろうと考えております。
○川俣委員 今まで私どもの知っておる範囲におきましては、これは緒方さんにもお聞きしたいのですが、いわゆる行政命令で、府県に農政事務として集荷体制を強要されておりますために、いろいろ県費の支出あるいは町村費の支出について専決処分ができたのでありますけれども、今度は協力機関であるために、県費及び町村費の支出に非常に困難を来たすということを聞きます。またもう一つは、今まで政府から受けておりました集荷奨励金では、各府県あるいは各町村ともまかない切れないほど多くの金を負担して国家の要請に応じてきた。これは行政機関として当然な任務だということで今まで、やってこられたようであります。これを今度は一共販体制としてみずからこれを引き受けるということでおやりになるわけでありますが、行政機関としては、この命令がない眠りにおきましては、支出の負担が不可能だということで府県が悩んでおられるようですが、この点はどうですか。これは宮内さんとともにお聞きしたい。どうも責任はあまりなくなったのだからして――最後の食管法からいえば責任を負わされる危険性はあるけれども、通常その他においてはあまり責任がないような形になっておる。私ども聞くところによると、国が出しておった集荷奨励金の倍額以上に大体県及び町村費がかかっておるようなんです。これを軽々しく農業団体が、これはうまいものにありついたということで引き受けられることは危険性を感ずるので、どのくらい経費がかかっておったか、この点を明らかにしてもらいたい。
○緒方参考人 経費の点についてお答えいたします。お話の通り、従来県といたしましては、政府から参ります集荷奨励費のほかに、県費を相当支出いたしまして供米を推進しております。金額につきましてはただいま記憶ございません。本年につきましては、やはり政府からある程度の奨励費は県に交付されるものと予測しております。県といたしましてはそれを見た上で経費の支出を考えたいということになっておりますので、ただいまのところ推進協議会に要する費用も県では計上していないのでございます。ただし県が本年度の制度を採用する場合に、県が経費を支出すべきかどうかということは、これは政府からどう言われたからどうという問題ではなくて、知事自体の判断におきまして、また県の財政ともにらみ合せて、県知事が考慮すべき問題であろう、こう考えておりますので、その点につきましては、もう少し政府の方針が具体化いたしました上で検討しまして考えたい、こう考えておるのであります、
○宮内参考人 大体緒方君の御答弁で尽きておると思いますが、知事会議といたしましては、従来奨励金の不足で非常に県費負担がかさんでおるという趣旨で、その増額は要求してきておる。今後農協の方で主体として動かれる場合に、その費用を負担されるとすれば相当の金額になるのじゃないかと思いますが、その具体的数字はちょっと今持ち合せございませんので、またあらためましてお知らせいたしたい。
○川俣委員 今芳賀委員から申されたように、先般農業団体が集まりまして、こういう条件が満たされなければ、今度の事前売り渡し制度の趣旨が徹底しないから、この体制に応じないという決定を、全販連の人々も入って決議されておりますが、石井さんはこれをお認めでございますか、別個なお考え方をしておられますか、この点をお伺いいたします。
○石井参考人 応じないというその意味合いでありますが、あれの条件は農業団体に共通の一つの要望でありまし て、あの要望をできるだけ実現させたい、こういうことにあの決議の本旨があるのでありまして、あれが一つの線として、そうならなければ応じないとか応ずるとか、そういうところに決議の要点があるというのではないのでありますから、あの要望事項というものはわれわれも同感でありますけれども、なるべくあれが実現せられることを要望しておるのでありまして、それが今後どういう事態になってどう措置するかということは、またわれわれとしてはいろいろな事情を十分に考えまして、慎重に措置しなければならぬ。かように考えておるのであります。
○川俣委員 これは重大なのですよ。私どもはこれが満たされなければ応ぜられないから、国会においてはこれこれをやってほしいという陳情を受けておるのです。それをあなたは、満たされなくたって全販連はそれに応じ得られる、こういうふうになりますと大へんに違います。われわれの態度が違って参りますよ。だから石井個人でなくて、全販の会長としてはっきりしていただきたい。あなたの見解じゃないのです。
○石井参考人 そういう組織の意見ということになりますれば、また私がここではお答えをし得る段階ではございませんから、その点はさらにわれわれとしては十分に考慮をいたさなければならぬ問題と考えるのであります。この際のお答えを差し控えるのが適当であろう、こう考えます。
○川俣委員 そういたしますれば、先般おいでになった陳情というものは、全販連あるいは団体のきまった意見じゃない、こう理解してよろしゅうございますか。これは重大なことですよ。
○石井参考人 あれは大会としての決議でございますから大会の決議としての要望というふうに御了承を願って、その実現に努力をお願いをする、こういうのがあの大会の立場であると御了承願いたいと思います。
○平野委員 関連して……。大へんお忙しいところを恐縮でございますが、ごく簡単に石井さんに二点だけお尋ねを申し上げたいのでありますが、かりに政府が今の予算米価を値上げをするといたしましても、二百円とか三百円という程度のごく小幅に値上げした米価でもってこの集荷制度を強行する、そういうふうに決定した場合は、どういうことになりますか、その点あなたのお見通しをちょっと伺いたいと思います。
○石井参考人 そういう具体的な問題になりますれば、問題が非常にむずかしいデリケートな問題でございまして、ただいまそういう仮定の数字をもとにしていろいろ意見を申し上げるということは、私どもの立場としては適当でない時期であり、段階であると考えますから、その御答弁は御容赦を願いたいと思うのであります。
○平野委員 あなたはまるで政府のようなことをおっしゃいますけれども、今回はあなたは予約集荷制度の重大な責任の立場にあるわけなんです。すでに全販連としては一万二千四百円ということを要望もしておられるわけであります。だから、この段階でデリケートだとおっしゃいますけれども、責任者たるあなたとしては、万一全販連の要望しないような価格で責任を負わされた場合はこうであるということを、はっきりおっしゃることは、これはちっとも適当でないことはない。むしろそこで明らかにされることが適当じゃないか、こう思いますが、一つはっきりおっしゃっていただきたい。
○石井参考人 どうも重ねてのお尋ねでございますが、その点については私どもも、この価格の決定がどういう推移をたどりまするかまことに関心の深いところであり、その決定のいかんということが、私どもの仕事の上においてまたこれをどう措置するかという関係において非常に重大な問題でありますから、私どももとしては、その数字に応じまして適切な考えをいたさなければならぬというので非常に苦慮いたしております。しかしながら、それについてこうだということを申し上げるまだ時期ではないように考えまするので、その点はせっかくのお尋ねではなはだ恐縮でございますけれども、ここでは具体的なお答えを申すということは御容赦を願いたい、かように考えますから、どうかさように御了解を願います。
○平野委員 実はあなたの御意見というものはもうよく承知しておるわけです。これはこういう席では言えないかもしれませんが、わかっておるわけなんです。それが言えないということは非常におかしいですけれども、あなたのお立場上その点は了承いたします。ただ、その点に自信があるかないか、その点だけでけっこうですが、かりにそういう場合においては、今までたびたびあなたから御陳情も受けておりますが、自信がないと言われたことも私はわかっておりますが、自信があるかないかという点だけ一つ御明答をいただきたい。
○石井参考人 それはただいまの二度お答えを申し上げたことと同じことをお答えをするということでございますから、前二回申し上げたところによって一つ御了承を願いたいと存じます。
○平野委員 その点は了承いたしました。 もう一つお尋ねしたいことは、政府がどういうことをおやりになるのかまだ私どもは何も聞かされておりませんが、伝えられるところによりますと、この予約集荷に対するところの一つの米価というものを決定をする。それから予約以外の米についてはそれに下回る価格でやる、こういうことらしいのです。そうすると、同じ米に対して値段が二つできるということになる。非常にこれは私はおかしいことでないかというふうに思います。かりに本年非常な大豊作になったというような場合においては、予約以外の米が莫大にできる。これも政府以外に売ることはできないわけですから、その場合にまた割当が行われるであろうと思いますが、その場合の米価というものが低い価格になるというようなことがかりにあった場合、これはまだ政府が明らかにしておられませんからわかりませんが、そういう場合はそれをどう思われますか。
○石井参考人 その点は、売り渡しの予約をして、その予約に基いて売り渡すものに対しては奨励金の措置をとってもらいたいというのがわれわれの方の農業団体側の一致したる要望でございますから、でき得るならばそういう措置をとられたいということを私ども の方としては希望いたすわけであります。
○稲富委員 ただいまの問題について関連して一点だけお伺いいたしたい。全販連としましては予約集荷制度に対しましてはどこまでも政府に対して受けて立つ、こういうような立場であるだろうと私は思っておった。ところが、どちらかというとあなたの方に積極性があるようにわれわれは考える。先刻芳賀委員のこれに対する質問を聞いておりますと、それは共販運動としておやりになる、こういうことを御答弁なさっているようでございますが、おそらく私は農民の気持というものは、米価というものが非常な必要条件でなくちゃいけないと思う。米価に先回りして、あなた方が集荷制度に対してその運動を推進していかれるということは、あなた方の末端までいける団体としての意向であるか、それとも中央におけるあなた個人の意向であるか、この点私たちどうもふに落ちない。私たちが地方で聞きますところは、やはり集荷制度というものはどこまでも米価と相対的のものであって、米価が農民の要求しておる価格にならなければこれはできないのだというのが大体の農民の気持のように、われわれは聞いておりますけれども、それを置き去りにして、中央は非常に推進しようとされておるが、その点が私たちふに落ちないところなんです。この点を率直に一つ、わかりますならば聞かしていただきたいと思います。
○石井参考人 お尋ねの点は、私どものむしろ進んでよく申し上げたいと思っておったところでございますから、大へんいい機会でございますので申し上げさしていただきたいと思います。この制度の実施について価格問題というものは非常に重要なかぎであるということは、これはみな関係者のよく了得をいたしておるところでありまして、適正なる米価の決定を持ってこの制度の実施をするということ、これはもう一点の問題もないところと私どもも考えておるのであります。それで米の問題について現在の制度がどうも存続が困難になったという場合に、どういう制度をとって、これがどう運用されるかということは、農協側としてはこれは非常に大きな問題であり、農村団体としても大きな問題であることは申すまでもないところです。そこで従来農民組合その他各種の農民団体というものは、この米の制度についてどういうことがいいかということについてはいろいろな意見がございましたことは御承知の通りであります。あくまでも国においての直接統制というものは、これは現在の状態において存続をすることが必要であろうというのは、これまた多くの農業団体の一致したるところであったわけでありますが、その直接統制をやっていく場合に、あくまでも農民の自主性というものが生きるように、上からの権力的な集荷ということでない方式による米の集荷というものをやっていく方法はないかということが、関心の中心であったわけであります。それに対して今度の制度というものは、現在のわくの中ではありますけれども、できるだけ農村側の自主性を生かしていこうということは確かにあると思うのであります。そこでいろいろ申せば不満のところもあり、不完全なところもありますけれども、現在の状態においては、まあまあ制度としてはこの辺のところであろうというのがわれわれの考えの落ちつきになったわけであります。そこでこの制度でもって農協側としてはどういうふうにこれを受けていくかということについては、農協の系統組織、私どもの全販の系統においては米穀対策委員会というものがございまして、これには各県連の会長その他の人も入っております。これで昨年の一月ごろからずっと検討を加えておるのであります。そうしてその間に適時ブロック会議を開きましてこの問題についてはどういう方法がいいかということの協議をずっと進めておるのであります。その協議を進め、検討をいたしたものを積み重ねて参ったものが、大体今度の制度のようなことでいけばよかろうということになったのでありまして、この制度をかついでいくというあれは、決して中央における一、二の者の考え方によってどうこうというものでは絶対にございませんので、そういう点について誤解がございましてはわれわれ農協系統組織の一員として働いておる者としては、実は非常に残念に思っておるところなんであります。決してそういうことではない。私どもはこの農協というものは一つの系統組織活動として町村、県、中央というものがごく近接した形においていくべきものと思っておりますので、私ども微力でありますけれども、そういう考え方で今日までこの仕事をやってきておるのであります。この農協にとって重大な米問題の転換に当っても、そういう形においてやって参ることに努力をしてきたのでありまして、それに当っていろいろな諸条件をどうするかということについては、これは考え方がいろいろ系統内部においてもございます。もちろん大きな問題ででございますからいろいろな点についての意見の相違というものもございますけれども、これはだんだんと検討を重ね、考究を重ねていくうちに意見の帰一を見る問題でありますから、経過的にはいろいろな現象もあり、あるいはわれわれの活動において手ぬるいと感ぜしめたようなところもあるいはあるかもしれません。これはわれわれの至らざるところであるのでありまして、決してわれわれの考え方がそういうことであったということではないのでありますから、われわれの努力の至らざる点についてこれはわれわれは十分反省をいたすべきだと思っておりますけれども、根本の心がまえなり、態度なりというものにおいては、決してただいま御懸念のあったようなことではございませんから、その点は一つ十分に、御信頼と申し上げてははなはだ恐縮でありますが、御信用を願いたい。われわれはそういうつもりで言動をいたしたいと考えております。
○稲富委員 そういたしますと、今日全販連、全購連がこれに対する推進に非常に協力されようとしておるということは、どこまでも、買上米価に対しましては、あなた方の団体が主張いたしております一万二千四百円ということを目途として御協力なさっていただくと、そういうことを第一条件としてこれが推進に当っていただく、こういう意味になるわけなんでございますね。この点を一つはっきりと伺っておきたい。
○石井参考人 あの希望しております価格を参酌をして適正なる米価を決定してもらいたいというのがわれわれの要望であります。あれは私どもの農協系統組織としては一万二千五百円をしんしゃくをして決定をするということになっておるのであります。そういうことで、あれを目標として適正な米価の決定を望んでおる、こういうことであります。
○稲富委員 そうしますと、あなた方の二万二千四百円というのは掛値であって、しんしゃくをしてというとそれは絶対の要求じゃないわけなんですか。私たちは、現在の生産費方式から割り出して、これは当然農民が次期の生産を確保するための主張すべき価格である、かように解釈をいたしておる。ところが、あなたがこれをしんしゃくしてというところに非常にあいまいな点があると思う。私たちは、どこまでもこれを確保することが第一条件であらなければいけない、かように考えておるわけなんです。おそらく全国のあなたの系統組織の方々もその点を期待されていると私は思うのでございますが、これは私としては農民の期待とあなたの考え方に非常に違いがあると思う。しかも政府が買上米価を安くしようというような考えを持っておるというようなことさえあるときに、ただこれに対して一般的な予約制度に対してのみ協力するというようなことをやられることは、この価格の問題に対して非常に誤解を招くおそれがあると思う。あなたは代表者として、この問題に対して、はっきりした米価に対する態度をおとりになることが、全国のあなた方の組織の代表の立場でなくちゃいけない、かように考えるわけであります。この点あなたの米価に対するはっきりした考え方、そういうしんしゃくとかあるいは掛値であったとかいうような感じをいささかも抱かせないような、はっきりした立場を明快にお述べを願いたいと思うのです。
○石井参考人 再々申し上げたところでありまして、また繰り返すようなことになって恐縮でありますが、われわれの方で趣旨の普及の運動をして参ったということが、何か価格は別にしてこの仕事はやるのだというような形になっておるというその点を非常に御指摘をいただくわけでありますが、これは先ほど来も申し上げた通り、こういう新しい制度に変っていきます場合には、農村関係においては相当の準備期間を持って、そしてどういう趣旨でどういうことで動いていくべきであるかということの準備をいたすことが必要だと私どもは思ったのであります。そのためにやって参ってきておることであって、価格の問題を軽く考えておるというようなことは毛頭ないのでありますから、その点は一つ誤解のないように御理解を願っておきたいと思うのです。 それから、この価格の点については、われわれ農業団体はかねて決議をしております通り、これがわれわれの農協系統組織としては、政府の買い入れ価格は再生産を補償する生産費方式を採用し、従来要求せる石当り一万二千五百円をしんしゃくし五月中に決定発表することということを要望として私どもの方は出しておるのでありますから、その線に沿うてわれわれとしては努力もし御要請も申す、こういう立場でおるわけであります。
○稲富委員 そうしますと、皆様の御期待なさるような買上米値、一万二千五百円という価格が決定をしなかった場合は、この予約集荷の目的も十分達することができないような結果になると思いますが、これに対してあなたは責任者としてどうお考えになるか、この点をお伺いしたいと思います。
○石井参考人 それは決定を見ます価格とこちらの価格を照応しましてわれわれの考えを練り、考えを固めて参りたい、かように考えております。
○稲富委員 その考えというのが非常に不明確で、どうにでもなる考えでございますから、要するに私たちの解釈では、先刻もお話のありましたように、絶対条件としての買上価格というものがきまらなければできないと思う。これができなかった場合にまた考え直すとか、その事情によってまた方法をとるということは、集荷制度そのものを非常にまたあいまいにするものだと私たちは思うのです。私の言っているのは何もむずかしいことではない。あなた方は、買上価格は農民の生産費をまかなう一万二千五百円が相当である、またそういう価格にきめてもらうことを条件として、この予約制度に対しての推進をなされておるということは先刻も話されている通りです。でありますがゆえに、その価格に対する期待が持てなかった場合には、おのずからこの予約制度に対する期待も薄らいでくるのも当然のことなんです。私はその点をお聞きしているのであって、あなたは政府の代弁者ではないのですし、その団体の代表でありますから、何も政府が束縛することはないので、あなたのお考えになり、しかもあなたのなさる立場から、率直にその気持をお伝え願えれば、私たちは参考になるわけですから、その点を率直に一つお伝え願いたい。
○石井参考人 決定を見ます価格がわれわれの要望の通りになれば、仕事をやる上において非常に効果があるということは申すまでもないことであります。そしてその価格ができ得る限りわれわれの要望に沿うものであることが、この仕事を運営する上において最も適当であることはもちろん申すまでもないところであります。
○稲富委員 沿うたときは、あなた方の希望だからその目的を達せられるが、沿わなかった場合は、あなた方の期待しているような結果にならないのではないかということを聞いているのであるから、その点を一つはっきりしていただきたいわけなんです。
○石井参考人 これがそういかなかった場合にどういうことになるかということですが、これはその具体的な結果に基いて見通しを立てなければならぬもの、さように考えております。
○松山委員 関連して。先ほど緒方部長からもお話がありましたが、供出は納得ずくでないと非常にむずかしいということでございます。そこでいろいろ御質問がございましたか、私は率直に伺いたいのです。あなた方の希望されるような米価が決定できなかった場合に、ほんとうに集荷の自信がおありになるかどうか、その自信のほどを集荷団体の石井さんに伺いたい。
○石井参考人 松中さんの今の御質問は、先ほど平野さんからお尋ねのあったことと同じ内容のことではないかと思いますが、さようでございますれ ば、先ほど平野さんにお答え申し上げたことによって御了承を願いたいのであります。
○松山委員 それではこれは食管法に基いて強制的でなく、任意的にやるのでございますが、もし皆さんの出しておられるような満足すべき米価じゃない場合、皆様方は、集荷団体としては拒否されるような御意思でもお持ちですか。
○石井参考人 それは先ほど来申し上げておりまする通り、具体的な条件に即してわれわれとしての系統の考えをまとめたいと考えております。
○中村(時)委員 関連して。非常に重要な点ですから、基本的な問題を一、二お聞きしておきたいのですが、石井さんは少くとも農家の耕作農民を代表して物事を考えておられると思います。ところが先ほどからいろいろお話を聞いておりますと、政府の代行者というようなつもりになっているのではないかという錯覚を抱くのであります。そこで一、二点お尋ねしておきたいのですが、第一にまず食管法に対しまして、あなたは元農林省にいらっしゃいましたし、その方は詳しいわけですが、食管法第三条第一項に、「米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ生産シタル米穀ニシテ命令ヲ以テ定ムルモノヲ政府ニ売渡スヘシ」となっている。ところが今度は命令というのが中止になりまして、政令なり、付則なり、それに基いて価格なり制度というものが移行されて、その本質というものは守ってきているわけです。ところがその結果においてはどうなったかというと、供出数量というものは任意になって、その対象となるものは政府に納めるということになります。すなわちそこで権利義務というものが根本的に変ってくる。そこでこの問題が二つにわかれまして、一つは食糧庁長官がおっしゃるには、任意に供出されたそのものが命令によって定むるところの数量であるという意見を持っている。また農林大臣は、この食糧管理法というものは一応捨ててしまっているんだとおっしゃる。ところが実際にはちゃんとそのまま置いてあるという状態になってきているのですが、私たちはこれに対しまして、そのように権利義務が変ってくる以上は、あくまでも食管法を変えるなり、別の法律を出すべきだという意見を特っているのです。そこに二つの対立があるわけです。今この法的根拠に基いたものとしては、私たちの方は法務委員会の委員によって十分検討されておりますが、そういう根本的な問題は解決されていない。そこでこの問題に関しまして、現在の食管法を生かしたままで依然としてあなたは農林省の今言われることが正しいという見方をとっていらっしゃるか、あるいはまた任意の供出という建前に立って食管法を改正すべきか、あるいは別の法律を出すべきだと考えていらっしゃるか、教えていただきたいと思うのであります。
○石井参考人 ただいまの法制上の解釈問題ということになりますれば、私どもがお答えいたすのはかえっていかがと思いますので、政府の御当局から御説明をいただいた方がいいのじゃないかと思います。
○中村(時)委員 米価審議会の委員をしていらっしゃるあなたが、そういう重要な事柄を逃げられるということはどうも解せない。実にりっぱな先輩をいただいておると私ども思っておったが、どうも考え直さねばならぬと思う。そういう結果がまだわからないにかかわらず、たとえば――そうなってきますと、数量の問題は勝手なのです。任意なのです。かりに百歩を譲って別にいたしましても、数量は任意として出されておる。あなた方の要求した価格は一万二千四百円である。われわれがあなた方の要求を見て、かえって刺激させられるほど強いものを持っておる。特に両派社会党においてはこれを推進しようという考え方を持っておる。そこであなた方は、たとえば数量の上においても、数量と任意の供出というものとは関連がある。任意の供出をさすためにはあなた方は一万二千四百円が必要だとおっしゃっておる。そこで一万二千四百円が通らなかったなれば、先ほど松山委員も言ったように、あなた方はあくまでもそれを貫徹するための手段として、たとえば供出を実際にやらないとか、あるいはまた実際においてその価格がきまらない以上はその作業に応じないとか、そういう具体的な問題をしっかり持った上で、あなた方は行動されておると私たちは敬意を表しておった。ところが今お聞きするとあいまいなのですが、非常に時間が切迫しておりますので、この点だけは全農民にあなたが発表するという意思に基いて、一つ確固たる信念を持った発表の仕方をお願いしたい。これは非常に大きな問題です。あなた方のようなあいまいな発表をしておりますと、一体どっちがどっちかわからなくなってしまう。だからそれをはっきりしなければならぬ。すなわち自分たちがあくまでこれをやるのだという意思があれば、今度の二十一日の米価審議会におきましても必ずやその線が出てくる。また政府の鞭撻にもなります。またそういうふうな方向から米価の発表も早期になってくる。あなたは会長としての大きな援助を請ういい機会が与えられておるのですから、その与えられた機会を最高度に取り上げて、はっきりここで発表をしていただきたい。
○石井参考人 その点についてはきわめて重要な問題でございますので、今後の推移に即して十分に妥当なる行き方をきめたいと考えております。
○綱島委員長 参考人に対する応答でございますから、参考人の意見を明らかにする限度の質問でなければならないと存じます。その範囲での御発言を願います。
○中村(時)委員 この農林委員会は、ほんとうに生産者の擁護という立場から真剣に考えまして、一生懸命にやっておる。おそらく会長もその考えであろうと思います。しかも幸いこういう好機会を得たわけです、あなたのおっしゃるように、推移に基いてということは、積極性がないということです。農林委員会においては、ほかの法案に優先して、この米価の問題を取り上げておるのです。そういうときにこそあなた方は、米価をこういうようにして下さいと要求すべきである。推移に基いて、というのではなくて、みずからがそれを作っていく立場に変らなければならないと思う。そういう意味においても、あなたの積極性ということに非常に疑義が持たれる。従って今あなたが言ったように、推移に基いてというようなことでなく、米価の決定の裏づけのためにこの委員会の決定と歩調を合わす。もしもその決定がなかったならば、あなた方の組織を総動員してその方向に切り込むだけの意思、すなわち具体的にいえば、今言ったように供出はしないというくらいのかたい決意を持ってこれに当られんことを望んでおるのです。だからいい機会ですから、何も遠慮することはないのです。堂々とあなたの所信を正しくここで表明すればいいと私は思うのです。私は先輩に対し最大の敬意を表して言っておるわけです。だからどうぞそういうつもりで御答弁を願いたい。
○石井参考人 私どもはあくまでも心からわれわれの要望が実現をするように希望いたしております。そしてその実現について皆さん方の御努力を切にお願いをいたす次第であります。
○日野委員 ちょっとお伺いいたします。石井さんの御意見には、きわめてあいまいな点があるのです。五月八日から協議しておりますが、あなた方の方は第一回の推進委員会の会をやる場合に、ぼくの方で参加いたしております。米価もきめず、税金の問題も奨励金の問題もきめずに制度を推進するということはおかしいという質問がだいぶ出て、その席で昨年の実績を尊重するという政府の約束だからこれをやるのだということで、これは了承できなくなっ大騒ぎになった。結局あの会は五日ももんで、今の生産者米価とそれに対してもしそれを政府が決定しない場合は、この予約買付制度を断わることがあるという決議をしたと承知しておるのです。その後さらに大会を開いて確認したはずです。その後この決議は変更しない。しかし今聞いておると、だいぶこの推進の仕事の方が進んでしまって、納得いく米価がきまらなくても、なかなかやめることができない段階までいっておるのではないかと思うのですが、あなたは責任者として、今の話のように一万二千四百円を参酌して、というようなことで農民の納得できない米価がきまった場合、これはあなたが率いる推進会を納得させて、この制度を引き受けてやるところの自信がおありなのか。あなたはここまできて、今さらどうにもならないという非常に困る事態が起ってきやせぬかと思うのですが、その点に対してあなたのお考えをちょっと伺っておきたいと思います。
○石井参考人 ただいまのお話の推進委員会を開いて、そこでどういうことになったというお話でございましたが、中央においてはまだ推進委員会というものは開いてやっておりません。あるいは何かほかの会議のお間違いでもあろうかと思うのであります。そういうことが何となく皆さんの方に思い違いの誤解を生ぜしめておると思いますので、特に申し上げるのでありますが、推進委員会というものは、私どもの方ではまだやっておらないのであります。中央において第一回の推進委員会というようなものはまだやっておりません。あるいは何らかほかの会合のお間違いではなかろうかと思いますから、それだけまず念のために申し上げておきたいと思います。 それから価格その他の条件の問題については、先ほど来も繰り返して申し上げております通りでありまして、私どもとしてはこれは非常に重大な問題でございますから、われわれの要望の達せられることを希望をいたしておりますが、今後の推移に応じてわれわれとしての考え方を十分固めて参りたい、かように思っておるのであります。
○日野委員 これは多分東北、北海道の事前売り渡し推進の会議だとぼくは記憶いたしておる。そこにはここにおられる大野君もおりましたし、石田君等もおりまして、いろいろこの事前売り渡し制度の推進についての相談があり、条件が成就しない場合もなおかつこれを契約して推進させるかということで、だいぶ議論があったはずであります。そのときはすでに何か推進委員会本部という看板をかけていた、こういうことでそれをはずせという議論が出たことを記憶し、その後はずしたはずでありますが、またその看板がかけられたということもわれわれは聞いておるのであります。その後になってこのことを確認するために全国的な会議を第二会館で開いたことを石井さんも御承知のことと思っておる。ここで一万二千四百円の米価の決定、もちろん参酌という言葉がついておりまして、これはだいぶ議論にはなりましたが、そのあとに、依然としてこれを実行できなければ断わる、こういう意味のことが付記してあったはずであります。その後は変更になっていないはずだと私は記憶している。そういう事情のものであります。今中村君からも言われたように、あなたがお困りになるだろうということは――食管法の第三条には、政府に売り渡さなければならぬと同時に、政府は生産費を償う米価で買わなければならぬという義務規定があるのでありますから。当然農民はまだ権利を主張することができるのでありまして、あなた方がそういう米価を持っていっても今日の農民がそれを従来のようにやすやすとのむかどうか、非常に疑問がある。そういう事態において、あなたの態度というものは非常に重大である。もし農民諸君の了承できない米価で押しつけようとすれば、事前売り渡し制度というものはとうてい進行しない。農民の納得なしにはこの運動は推進できないのでありまして、今聞いておると、だいぶ行き過ぎがあるのではないか。もはや抜き差しのならない段階までこの運動を進めてしまって、国会ではこの問題はどうなるかわからぬ、米価審議会も開かれてどうきまるかわからぬ……。
○綱島委員長 日野さん、なるべく簡単にお願いします。
○日野委員 そういう場合に対処するあなたの決意を一つ伺っておきたいと思うのであります。
○石井参考人 先ほど来繰り返して申し上げたところでありますが、しばしば同じことばかり申し上げて、はなはだ恐縮のようでありますけれども、これは事はきわめて重大でございますので、私どもとしてはでき得る限り事がうまく運びますように、お話の点等も考えまして慎重な考慮をいたしましてわれわれの態度を固めて参りたいと存じておりますから、どうかわれわれの意の存するところをおくみ取りをいただいて、御了承を願いたいと思うのであります。
○川俣委員 この際……。
○綱島委員長 川俣委員、簡単にお願いいたします。
○川俣委員 私どもが石井販連会長をお呼びしましたのは、石井個人を参考人として呼んだ意思は毛頭ございません。生産者の意向はどこにあるかということを聞きたいためでありまして、従ってその意味においてお聞きしておることを念頭に置いていただきたい。 なお共販運動としてこの事前売り渡し制度を考えて推進運動をしておられるとすれば、これは農民の経済的な利益を守るということが共販運動であるのでありますから、あなたの言葉の中には、詭弁を弄して、ときには共販運動なる言葉を使い、ときには事前運動を擁護するような、即位を擁護するような答弁をされますことは、農林委員会としてはなはだ遺憾であります。全農民のために十分反省を促しておきたい。
○石井参考人 私は毎々申し上げておりまする通り、この事前売り渡し制度というのは、農協側としては共販運動の推進として、これを受けて立つ、こういう考え方で進んでおるのだということを申しておるのであります。農協側としては共販運動としてこれを進めていく、国は事前売り渡し制度というものをとっておるというのは、一定の数量を確保するという必要からいろいろな事情に基いて、こういう制度をとられるのである、国がそういう制度をとられるに当って、農協側は、共販運動の推進としてこれを受けて立つ、こういう意味においてわれわれはこの仕事を担当していこうという考え方でありますので、そのことを申し上げておるのでありますから、決してお話のように詭弁を弄するというようなことではございませんから、誤解のないように御了解を願っておきたいと思うのであります。
○久保田(豊)委員 基本問題については、同僚諸君からいろいろ皆さんにお聞きしたことと思いますので、私は実際の問題について二、三お聞きしたいと思います。今の政府の動きから見ても、米価決定のいろいろな事情から見ましても、おそらく農民の満足のできるような米価や売り渡し条件のできることはちょっと困難だと思います。それを私どもは是認するわけではないが、政府といたしましても農協の共販運動といたしましても、大きな農民の抵抗の中で仕事を進められるほかなかろうと思う。今同僚諸君から、そういう場合においては、集荷に協力をしないという態度を打ち出せるといわれたが、おそらくそんなことは農協にあなたが席を置いておる限りできますまい。そんなことをすれば農協はつぶれてしまいます。あなた方は農協で飯を食い、そうしてそういっては失礼だが、農林省の庇護のもとに立っておる限り、農林省にあごで使われるのは当然です。この点はあまりここ責めても無理だと思います。 そこで実際末端にいくと、一番末端の農協が困り抜いております。それは何かというと、米価その他の条件があいまいであって、満足ができない。従って農民の満足はとうてい得られないということは、下の連中も農協の連中も大がい知っております。その中でもなおかつ仕事をしなければならぬときに、これを技術的にどうこなしていくという点も、今の政府の考え方ではとうていうまくいかないと思います。どこの単協に行きましても、具体的にどうやるのかわからない。どういうふうにしてやるのかわかりません、末端では。おそらくこのままの態勢で政府が今までのように条件をとうてい満足のできないようないいかげんなことをやり、農協が今のようにふらふらして、どうやるかわからないということでは、とうていこの問題は解決がつかないと思います。そこで私は具体的な問題について二、三お伺いしたい。第一に上から期待量なり何なりきまって来ますために、きめていく場合にその基礎は何に求めるのですか。政府から来ますが、それをあなたはそのまま受けますか。各県別がきまりましょう。その県別の期待量なり何なりをきめる場合の基礎を何にとられているのか。その用意をされているのか。末端ではできておりません。これはなるほど建前では一応任意契約になっております。しかしながら期待量はずっとおりて来る。期待量がおりていかない限り、今度政府が出すであろうと思われる条件において、農民がよろしゅうございますと言って、自分が農協に行って、これだけのものを出しますからと予約するようなばかな人はありません。結局実態においては割当になってくる。その場合に割当の基礎などのような資料によってどういうふうに作られるのか。こういう点についてどういう用意をされているかということを第一点にお伺いしたい。 それから上の方では、今度は何か協力会議というようなものをやっておりますが、これは今までとは違って、政府の言うことにへえそうでございますかという連中ばかりが、要するにおえら方ばかりが集まった会議でありまして、末端の農業団体は集まらない。おそらく政府の役人がこれだけ出せといえば、みんなよろしゅうございます。結局村に行く段階において初めてこの期待量が問題になる。その期待量は農協を中心にしてやられるのか。具体的にどうやられるのか。部落ごとに一応期待量をきめていく。部落に行くと、その期待量はその下ではどうやるのか、こういう点が全然末端ではわかっておりません。だれが主体になってやるのか。特に一般に見られるのは、最末端の農協に行くと、とても農協ではむずかしいから役場へ頼もうじゃないか、こういう空気が非常に多い。農協では事実理事長さんでもわかりません。組合理事がわかるかというと、これもわからない。職員でもこれを扱える人間はおりません。まして一人々々の期待量予約量を一人々々の部落に行って納得させるという態勢がどこにもできていない。こういう点については、今まであなたの方はどういう準備をされているのか。今後どうやるつもりか。だれを主体にして個人々々の了解をとつて、ほんとうにいわゆる自主的にやるのか。こういう点についての具体的な用意がおありかどうか。これをまず第一にお開きしたい。
○石井参考人 末端においてまだ十分徹底しておらぬという御指摘でありましたが、その点は私どもも実は非常に動きにくいので困っているのが現状であります。と申しますのには価格その他の具体的な条件がきまりません間は、数量その他の具体的な問題を地方と協議することができないのでございますので、従ってただいままでのところでは、どうしても抽象的なこの制度の理解を求めるという以上には出られない。数量をどれくらいにしてどういう手続でどうするかといったようなところまで入ることができないのが現状でありまして、これは決して望ましいことでもなし、むしろはなはだ困ったことでありますけれども、ただいまはそういう状態になっている。従って御指摘のような現象もあるかと思いますけれども、これは具体的な条件の決定を待って、すみやかにそうでないようにいたさなければならぬ、こう考えているのであります。それから数量の問題はこれはまだ政府の方からも何らお話がないのでありますから、見当をつけるわけには参りませんけれども、これは御承知のように、従来われわれの販売系統においては、各品目別に出荷計画というものを立てているのであります。それで各県連との間には、各品目についての出荷計画というものを話し合いをしてきめております。そういうふうにしておよそ各品目についての共同販売の目標数量がございますから、そういう手続によってわれわれの方は具体的に見当をつけてきめていく、それを一つのよりどころにいたしたい、かように考えているのであります。県連は県連でまたそれぞれの管内においてそういうことをやっておりますからそれについてやろうと思います。
○綱島委員長 久保田委員、参考人の意見を聞くだけであなたの御意見の対立をただすということはこの委員会の権限外でございますから、どうぞそのおつもりでごく簡単にお願いいたします。
○久保田(豊)委員 今石井さんからのお話でしたが、私はどうもそれでは非 常に心配するわけです。農協も下手やるとがらがらになりますよ。なるほど今共同販売を名品目別に出荷計画を立てていらっしゃるが、米についてありますか。米についてはそんなものはありませんよ。米については、大体今まで割当が上から来て、それをどう処理するかということがあったのでありまして、問題は今度は期待量というものを村の場合においてはどうきめるか、非常にむずかしいのです。私は長年農業をやっておりまして、苦労して来ましたからわかるのですが、それをさらに今度は郡に割り、村に割り、村から今度は部落に割り、個人々々にやっていかなければうまくいかないのです。今まで農協のやってきたことは、割当は農業会、役場がやってしまって、その出荷を時期別にこう調整しようとやったんです。今度は違うのです。そこを言うんです。今度は農協が割り当てなければいかぬでしょう。期待量を勝手に皆がやるというのでない。そうやってごらんなさい、だれもやる人はありません。米どころについてはどうか知りませんけれども、少くともやみ価格の高いところではだれが喜んで予約に応じますか。しかも最低の要求のある一万二千円百円がとうてい満されないというのが今の政治の現状でしよう。そういう中でやる場合に、共同の出荷計画だなんていったってそういうことはできませんよ。そこで実際にはこれをどう部落の中でもって公平に皆に期待量をしょってもらうか、そうしてそれをどうして納得してもらうか。どういうふうにしてこれを一人々々にやってもらうかというところに非常にむずかしい問題がある。農協なり何なりに行って、役員の組合長なりあるいは理事なり職員を集めてごろんなさい。一人もそういうことについての準備もなければ自信のある人はありません。そういうことはとうていむずかしいから、これはやはり役場の村長に頼まなければならぬ。村長に頼むということになれば従来と同じ役割です。こういうような末端の農協の心がまえでは、今度の制度というものは条件が悪いだけでなくして、責任を持つべき主体がそういう格好では、私はとうていだめだと思う。そのことは農民にとって非常に大きな不利になります。同時に私は、これによって受けます打撃で末端の農協はここでがたがたになると思う、そこでそういう点についてはどのような御準備をされているか。共販運動というような程度で、出荷計画が立っておりますからというような程度では、私は満足できないのですが、どんなふうにするかということを伺いたい。
○石井参考人 今御質問の点はこの制度の実行上最もむずかしい点でございまして、われわれとしても最も苦心しているところでありますが、そこで何分にも新しいことでありますからこれに応ずる心がまえを単協の方にまでずっと早く徹底をさせなければいかぬというので、ただいはま先ほど来おしかりを受けているように、少し早目にその普及運動をやっているわけであります。そこで末端における共販の量をとりまとめるという場合に、これは農協ということだけでなしに、町村長それから農業委員会、その辺と一緒になって、抱き合いの態勢でいくことに努めておるのでありまして、今後もこの普及徹徹底、そういうことによりましてその問題を解決していきたい。それにしても具体的の条件がきまりませんと、なかなかその呼びかけをいたすわけに参りませんので、われわれとしては非常に苦心をいたしておるのであります。お話の点は十分われわれとしても考えてやって参りたいと思っております。御心配の点は、私どもとしてもまた憂えておるところであります。今後十分検討をいたしたいと思っております。なおはなはだ恐縮でございますが、私は実はきょうは三時半に他の会合に参ります約束をいたしておりましたので、もう五時近くなりますので、委員長いかがでありましょうか、この辺で一つ御了承を願いたいと思います。
○綱島委員長 石井参考人は先ほどから三時半までというお申し出があったので、もはやすでに一時間と二十分を過ぎておりますから、どうかこれは御同意を願いたいのです。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 どうも恐縮でございました。(拍手)それからなお有馬委員。
○有馬(輝)委員 私緒方参考人に簡単に一言だけお伺いいたしたいと存じます。先ほどお話の中に、強制割当が農民の間で、気持の上で相当の圧迫になっておる、これが取り除かれるならばというような形で、いわゆる納得し得る条件ということと関連してのお話がございました。この点について、価格の問題を除きまして、今でもある程度の価格が保証されても、今おっしゃったような意味合いの空気が残るかどうか、こういった点についてお伺いしたいと思います。いわゆる価格がある程度保証されても、やはり現在の上からの割当というものについて農民はそういった気持を抱くものかどうか、この点についてお伺いいたしたいと存じます。
○緒方参考人 お答えいたします、私の考えでございますが、ただいまのところ農民の方といたしましては、取れた米につきましてはいずれどちらかへは売らなければならぬということは考えておるのでございますし、食管法もただいま生きておる以上、ある程度政府に納めなければならぬということは考えておるのでございます。ただしかし、それにつきましては条件が非常に重大なる関心事に相なっておりますので、私どもも買上条件が農民の納得のいくようになるべく適切にきまることを期待いたしておるのでございまして、ただいまのところその程度以上お答えすることはできないのでございます。
○有馬(輝)委員 そういたしますと、納得し得る条件というものが考えられるならば、いわゆる集荷制度云々ということを抜きにいたしましても、農民の方々の御理解を得るという空気があるのでございますね。質問の趣旨おわかりになりませんでしょうか。いわゆる価格なり何なりというものによって左右されておるのであって、その強制割当云々ということは、この条件によって左右されるものであるというふうに、今の緒方参考人の御意見を受け取ってよろしゅうございましょうか。
○緒方参考人 価格が重大なる関心事であるということは私申し上げます。それから全然価格だけで農民が考えておるかということを言い切るのには、私まだ不十分でございます。農民は、現在におきましてはやはり統制がはずれていない、食管法も生きておる。だからある程度政府には出さなければならぬのだということは考えております、それを直ちに撤廃した方がいいかどうかということにつきましては、農民団体の空気も、果して統制を全然撤廃してしまうことが農村のためであるか、あるいは不利益になるかということにつきましてもいろいろ論議がありまして、まだ私はいずれだという農民のきまった世論というものはないように思います。でありますから、現在におきましては農民の一番関心を払っておりますのは買上条件の件でございます。
○有馬(輝)委員 よろしゅうございます。
○綱島委員長 それでは参考人に対する質疑はこれにて終りたいと存じます。 参考人にちょっとごあいさつを申し上げます。大へん長時間にわたりまして熱心に御陳述いただきましてありがとうございました。御礼を申し上げます。(拍手) 一時休憩いたしまして、理事会を開きます。暫時休憩いたします。 午後四時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後九時十五分開議
○綱島委員長 これより会議を再開いたします。 ただいま農林大臣より発言を求められておりますから、これを許します。河野国務大臣。
○河野国務大臣 昨日午前の委員会におきまして、中馬委員の御質問に対する私の答弁中、私は酒はあまり飲みませんし、酒のことはあまり詳しくありませんから、御了承願いますと申しました言葉は、穏当を欠いておりますので、ここにあらためてこれを取り消しいたします。また中村委員の御質問に対する答弁におきまして、粗雑簡略にすぎておりました点がございましたが、この二点につきしましてはここに遺憾の意を表しまして今後慎重を期する次第であります。大へんいろいろ御迷惑をかけまして相済みません、今後十分注意をいたしますから、よろしく御了承いただきたいと思います。
○綱島委員長 本日はこれにて散会をいたします。次会は公報にて御通知申し上げます。 午後五時十六分散会