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22回国会衆議院1955/06/03

農林水産委員会 第21号

発言数
104
登壇者
10
会派数
3
開催日
1955/06/03

会議録

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより会議を開きます。  委員長より委員会にお諮りいたします。四月、五月の冷害、ひょう害、霜害に関し、被害地なる青森県、岩手県、秋田県、福島県、茨城県、千葉県、静岡県、山梨県、長野県、群馬県、埼玉県、岡山県、愛媛県、北海道等に対して、現地について委員を派遣して、それぞれ調査をいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なければ、派遣することに決定いたします。これについてそれぞれ所要の手続をいたすこと等は委員長に御一任願われますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 しからばさように決定をいたします。  なおまた北海道の風倒木調査について、通産委員会から調査におもむくとのことでございますので、所管が本委員会に属するのでございますから、これにも必要な調査委員を派遣することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なければ、そのように取り計らうことにいたしたいと存じます。この件についても、それぞれ所要の手続をいたすことについて、委員長に御一任願われましょうか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 しからばさように決定をいたします。     —————————————

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより駐留軍及び自衛隊による農林水産業施設の使用または収用の問題並びにこれに伴う補償等の問題について調査を進めます。質疑を許します。淡谷委員。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 最近アメリカから飛行場の滑走路拡張の申入れがあったようでございます。これについて調達庁がその申し入れを受けておられますならば御説明を願いたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 飛行場の拡張の問題につきましては、すでによほど前からアメリカ側から希望が申し入れてありましたけれども、いろいろ問題多いのでありまして、検討やらあるいは折衝やら非常に時間がかかりまして、ようやく最近に至りまして一応きまりましたのは、五ヵ所の飛行場につきまして滑走路の延長のため必要な土地の提供についての要望がございました。それにつきまして日本政府としても、やむを得ないものとして原則的に決定いたしたのであります。具体的な問題については、目下調査はようやく一ヵ所大体終りましたが、あとはこれから調査しなければならぬような状態であります。具体的な点はまだはっきりいたしません。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 以前にもございましたが、演習地使用に関しましては手続がはっきりしなかったために大へんなトラブルを起したことがしばしばありました。今度の飛行場の拡張につきまして日本政府がとる事務的な手続は、以前に演習場使用等に関してとりました手続と違いがないのでありますかどうか、この点を明確に御説明を願いたいと思います。たとえば以前にはアメリカから申し入れがありましたのを、閣議決定をしまして、それから日米合同委員会でやって調達庁へ行くという順序がございましたが、現在はどういうような事務上の手続をとっておられるか、その点を伺いたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 施設区域の要求がありましてから、提供するまでには非常ないろいろの手続を要するわけでございまして、飛行場の拡張に要する土地の提供につきましても、もちろん従来やっております施設区域の提供と同じような、非常に複雑な手続を経なければ、最後的な決定にはならぬわけでございます。ただこの飛行場拡張の問題は非常に大きな問題でありますために、軍が調査に入るにしましても、今までのように事務的に進行するべきものじゃない。どうしてもこれは大きな問題として、大体原則的な問題でありましても、あるいは手続のうちの最初の第一歩を踏み出すにしましても、政府の決定を待たなければ手をつけるべきじゃない、かように考えまして、ほかの問題と違いまして、特に慎重を期する意味で、事前に大体了承するということについて閣議の決定を得たわけであります。なお今後一般の施設区域の提供と同じような複雑な手続を経まして、具体化をしてから、また閣議決定を個々にいたすわけでございます。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 現在アメリカから申し入れをされておりますのは、小牧と立川、横田、新潟、もう一ヵ所に木更津、こういう五カ所と伺っておりますが、そのうちどこが一体どの程度にきまっておるのか、あるいはまたきまらないところも、どういうふうな事情できまらないのか、一つ御説明願いたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 今の五ヵ所が原則的に決定をいたしたところでございます。その進行状態をお尋ねのようでありますが、目下のところ小牧につきましては、円満に立ち入りの御了解が済みまして、初め四十五日もかかるというのでありましたけれども、なるべく早く調査してもらわなければ困るというような事情もありまして、すでに調査を完了して、目下その調査に基いて、軍の方では具体的の設計なり、あるいはいろいろの飛行場施設全部についての具体的計画の取りまとめを急いでおるような状態であります。しかしまだ日本側の方にはその調査の結果についての計画の方向は示されておりません。それから新潟につきましては、これも小牧に次いで取り急ぐ必要がありますので、立ち入りの問題につきましていろいろ御了解を得るために、お願いを続けて参ったわけでありますが、遺憾ながらまだ全部の御了解を得るに至りません。相当な範囲において反対がありますので、なお今折衝を続けておるような次第でございます。他の三ヵ所につきましては、これはまたいずれ近く立ち入りをいたしたいというので、折衝にようやく最近入ったような程度でございまして、これまたやはり地元のいろいろ反対が当然予想もされますし、また現に反対も起っておりますので、立ち入りだけでも円満に進めるためには、また相当な手数がかかるのではないか、かように考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 もう少し確かめておきたいのですが、調査を要求されてきた場合に、日本側がこの調査要求をいろいろ取り上げて、現地と折衝をして、そして調整ができた場合、調査に携わるのはもっぱら米軍の方でございますか。次のお話でございますと、日本側にまだ小牧の調査の内容は示されていないというお話でございましたが、米軍が独自に調査をして、日本側はこれにタッチしない、こういうふうに考えてよろしいか、この点も御説明願いたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 米軍の調査は、飛行場の滑走路をどれくらい延長すべきか、これはもちろん向うで大体の考えがあってのことでありますが、その場所との関係をなお考え合せて、果してどれくらいの距離の延長が可能かどうか、それからまた延長するにしても、どういう方向に延長するか、一方に延長するか、あるいは両方に延長するか、距離の割合をどうするか、あるいは滑走路以外にオーバー・ランをどの程度置くか、あるいはその先にさらにまた安全地帯を置く必要があるかどうか、置くとして、どれくらいの面積をおかなければならぬか、それからなお滑走路延長の工事をやるについて、地層がどうとか、あるいは土質がどうとか、そういうような問題、要は滑走路延長についてのいろいろ面積あるいは工事についての状況をよく調べて、そうして具体的な計画を立てるための調査でありまして、今度は当然具体的のプランが出て日本側に提示されて、そのまま認めるか、あるいは思い切って縮小するような要求をして折衝するか、あるいは今度はさらに日本側としては、提供するにしても、公共は別として、補償の問題をどうするかとか、あるいは何か施設の移転を要するものがあるか、あれば移転をどうするかとかいうような日本側の調査は、当然その次に重要になってくるわけでありますけれども、今も調査というのは、ただアメリカの計画をつくるために必要な調査の範囲に限られておるわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 アメリカの調査には日本のどういう機関が参加するかということが一点、それからこの飛行場の拡張によりまして、水面の使用あるいは農地の使用がある場合、これに対して農林省が参画するかどうか、主としてこういう調査の責任をとる日本側の官庁はどこの主管になっておるか、その点をお伺いしたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 この滑走路延長のための飛行場の区域の拡張は、その土地の性質なり用途、種目によりまして、いろいろの方面に関係があります。もういかなる場合でも滑走路の拡張等になりますと、田畑を必ず必要といたしますので、農林省は日本側としての調査なりあるいは意見を徴する上において、重要な立場を持つわけであります。農林省は農林省自体の調査もいたすはずでありますが、調達庁との共同調査、あるいはその調査の結果の協議等は十分いたしております。それからこれに関する日本側の窓口といいますか、主務庁としては調達庁ということになっておりますけれども、ただいま申し上げるように、非常に関係するところが多いのであります。関係各官庁十分中央としても相談いたしますが、それぞれもまた末端における機関がありますので、末端でも調達局を中心に相談したりあるいはそれぞれ別個にまた地元の関係市町村とかあるいは農業関係者と相談するとか、いろいろの連絡調整のための相談をいたしまして、最後にその全部の調査が調達庁に集まつて、さらにそれを関係各省と十分相談の上最後的の事務的の案をきめるような運びになるようなわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 耕地や水面などがつぶれます場合に、地元の漁業者、あるいは農業者がそれを理由にして強く反対いたしました場合、その比重を一体どの程度にとられておるか。昔の軍隊の使用地みたいに、何をおいてもこういう滑走路とかあるいは軍事施設の拡張を第一に考え、あとの産業的な反対要因というものは二番、三番の比重に落されるかどうか、これを一つあわせて農林省の方にもお伺いをいたしたい。つまり基地拡張に関する地元農民、漁民の反対ということを、軍の至上命令として退けるか、それともそういう反対の要因を重大な要因とし、お取り上げになるかどうか、その点を明らかにしていただきたいと思うのであります。これは調達庁及び農林省の方からお答えを願いたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 淡谷委員から特に農林省の御指名でございましたが、いずれ農林省からもお答えがあると思いますけれども、私の方も非常な責任を持っておりますので、私の方の立場から見た今の点に対するお答えをいたしたいと思います。いろいろ、飛行場に限ったことはない、広い意味の基地関係で、新しい要求とか、あるいはその変更の要求とかあるいは面積の拡充じゃなしに使用条件の変更とか、いろいろの問題が基地の問題については絶えず起っておりまして、それらの調査、検討あるいは意見を立てるについては、この大小のいかんにかかわらず非常ないろいろの段階の手続を経まして、きわめて慎重に決定をするわけでありますが、その場合に今の一つの問題として、地元の意見によってどういうふうに変化されるか、あるいは作用するかという意味のお尋ねでございますが、地元の反対が非常に強い場合に、その反対のみのためにこれを全部拒否するというようなことは、これはきわめてまれに思っておりますが、しかしそういうこともありますが、多くの場合は、地元の反対がある場合に、その軍の要求にかかる施設の内容といいますか、目的といいますか、そういうことがわれわれから見てそれほど重大ではないじゃないか、その要求をせずにもやっていけるじゃないか、こういうふうに思います場合には、あわせて地元の反対でも強い場合には、当然そういうものは拒否するような意見を立てまして、日本側として相談をしてそういう意見を立てて、施設特別委員会では、拒否するような案を出すわけであります。そういうことによりまして、どうもやむを得ないということで拒否する件数も非常に大きく、数がたくさんになっております。それからまた反対はあるけれども、軍の要求にかかるその仕事の種類といいますか、目的、重要性等から見まして、これはどうしても拒否することは不適当である、ある程度軍の要望を入れなければならぬけれども、その要求の内容をそのまま入れる必要はないじゃないか、もう少し思い切って圧縮する必要がある、そういう場合には地元の意見が非常に重要な参考になりまして、面積を狭める、あるいは同じ面積にいたしましても、場所を変えるといいますか、面積のとり方をちょっと変えるような形で、地元との話し合いの上話をつけまして、軍にこちらから修正意見を出す、そういうようなことによってきめる場合も非常に多いのであります。それからもう一つの場合は、こまごました要求でありまして、たとえばよく電線を引く、水道を引く、ガスを引く、あるいは排水とか、そういうような地役権の要求とかいうものは、これはたくさんの件数になっております。そして、だれが見ても、そこで兵隊が住まっておるからにはそういうことは絶対必要であるというようなことで、自然そのための地役権ということになりますと、軍みずから経費を出してやるわけですし、それから上の方は農耕地の利用にも差しつかえない、工事中は別ですけれども、あとは差しつかえないというようなことが非常に多いので、そういう場合には軍の要求通りに認める。地元も、そういうことにつきましては、よく説朗しますとほとんど了解が得られる場合が多いのであります。非常に複雑な問題がからみますけれども、大ざっぱに言ってそんなところであります。従って、地元の意見あるいは希望、こういうことは、単に補償問題ということではなしに、提供そのものについての意見、希望ということも十分聞いて考慮に入れられるということは、私どもとしてはそういう気持で仕事をやっておる次第でございます。

渡部伍良農林事務官(農地局長)

○渡部政府委員 駐留軍等の使用農地に対する農林省の考え方でありますが、結局農林省の担当の農業の安定確保、これも十分に達成しなければいかぬ、一方土地を必要とするという要求もあるのでありまして、その間の調整について各方面からの意見を聞いてやる。農林省といたしましては、勢い農家の生活安定ということを強く主張せざるを得ぬということでございますが、結局ただいま調達庁の方からお話がありましたように、そのほかの意見との調和をはかっていくということになるわけで、あります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 調達庁になお伺いますが、この飛行場の拡張の要求は、期日を限つての要求でございましょうか。あるいは話し合いがつくまではいつまででも待っているというような要求でございますか、その点を明らかにしておきたいのが一点。  それから、飛行場拡張以外に、最近アメリカから要求されております土地その他の施設がございますかどうか、あわせてお教え願いたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 軍の方からの要求はかなり前からありましたけれども、先ほど申しましたように、どうしても軍としてこの範囲における土地は絶対必要だからというので、強く交渉に入ったのは比較的最近でございます。そこでその五つの飛行場につきましては、原則的には提供することに方針はきまっておりますが、いつ提供するかということまではまた政府としての約束はないようでございます。しかしできるだけ早く提供しなければならぬという情勢は了解がされておるわけで断ります。  それから今の立ち入り問題にしましても、現に反対もありますので、極力円満に話し合いをつけて立ち入りしたい、それを念願して根気よく交渉を続けておるわけであります。従って私ども内部的の一つの進行計画、これは全く事務的の進行計画とし、持っておるわけでございますけれども若干そういうものがおくれましても、できるだけ円満に話し合いをつけて立ち入りをしたい、こういうふうに考えております。しかしながらどんなに説得しても全部賛成を求めることは困難である。しかもそのために非常に時期がおくれて、予算の執行の点からいっても非常なまずいことになる。軍との間の提供についての大体の話し合い等からいっても、これ以上延びると困るというようなことになりますれば、あるいは立ち入りだけについては無理にも立ち入りを認めてもらわなければならぬというようなことがないとも限りませんが、今のところ幸い小牧につきましては初め非常に反対がありましたけれども、提供そのものについて今御相談するわけではなくて、軍が日本政府に要求するほんとうの具体的の案を出すための調査に必要な立ち入りであるというのだから、とにかくそれだけに御了解願って、あとでいよいよその具体的の計画を立て、日本政府もこういう案ならばということになったときに、今後は地元とほんとうに真剣に話し合いをする機会があるわけだから、むろんそれまで自由な意見に保留してかまわぬじゃないか。だからせめて立ち入りだけでも何とか御了解願いたいというような意味で、今せっかく努力いたしておるようなわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 一つお答えか落ちましたが、この飛行場拡張以外の要求がございましたかどうか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 どうも忘れまして申しわけありません。飛行場拡張以外の要求も件数としては非常にたくさんございます。これは件数を申し上げてもちょっと御信用にならないくらい件数はたくさんございます。ですがこの件数をだんだんと調査したり取捨選択をいたしますと、先ほど申し上げたように、かなりの部分はごめんこうむるということで進めるものも相当あるのじゃないかと思っておりますし、それからむろん提供しなければならぬ性質のものも相当あると思います。ですがいずれにしても十分な調査をしてでなければ、ではどことどこはもうこれはやむを得ないというようなことを今からきめておるものはありませんので、何としても調達庁は相当仕事も複雑でありますし、多忙をきわめておりますので、要求は非常にあって前からありましても、てきぱきと早くきめられませんので、その点は遺憾に思っておりますが、極力能率をあげまして、早くきめたいとかように考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 今のアメリカの要求件数並びに内容を、要求期日等も入れまして、資料として御提出願いたいと思います。あとでいただきたいと思います。  それから今立ち入りなどについて現地の反対が非常に強硬な場合には、暗に強硬措置をとるようなお話でございましたが、これにやはり特別措置法に基くものと解釈されます。調査の場合にそれが早いかもしれませんが、実際に川地を強制的に民間側から引き上げようとする場合、この特別措置法を使つてどれくらいの時日がかかるとお思いになりますか。その点も伺っておきたいと思うのであります。この特別措置法によりましても、現地がなお承諾しないで抵抗を続けた場合、特別措置法によって最も早く取り上げた場合でどれくらいの時日を要するか、大体のお見込みを承わりたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 委員長、今の御質問の要旨がちょっとよくわからなかったのですが……。

綱島正興自由党

○綱島委員長 質問の要旨がよくのみ込めないということですが……。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 端的に申しますと、行政協定による特別措置法をお使いになる、そうして強硬手段を用いて演習地を引き上げようとした場合、地元が訴訟などの手続によって対抗して参りました場合、これと争って最後の決定を見るまでにどのくらいの時日を要するとお考えになるか、つまり最後まで法的手段をとって地元が対抗した場合に、土地収用法その他を使いまして、どれくらいでこれを無理やり取り上げるお見込みがあるかという問題です。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 御同意を得ることができませんで、土地収用法等を適用する場合に、どれくらいの期間を要するかというお尋ねでございますが、これはなかなか一概に申し上げかねまして、土地収用委員会の審議が、きわめて皆さんに御都合よく順調にいきますれば、かなり早くいきます。ところが土地収用委員会の委員さん各位の御都合その他の関係で、なかなか長くかかることがありますので、実はそういう時間的の関係からいっても、私どもとしては土地収用法を適用することは努めて避けたい、必ずしも強制だからというだけじゃなくて、非常に時間がかかる。そうすると今の軍の要求のものによりましては、非常にわずかのものであって、どうしてもそれが早くなければ困るというように時間的に急ぎますものですから、そんな場合には土地収用法等でいきますと間に合わぬというようなことで、実につらい場合がありますが、今まで私どもにあまりよくは知っておりませんけれども、ごく調子よくいきますれば二ヵ月ならばできる、こんなふうに聞いております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 二ヵ月ぐらいでできるといったようなお見込みを聞かしてもらいましたが、今までこの土地収用法を適用して取り上げた実例があるかどうかが一点、それからこの手段を用いないで地元を納得させるには、やはり金を出しておられるのであります。その最もはなはだしい例は、先般取りやめになりました妙義の山岳学校の問題でございます。一体妙義の山岳学校でお払いになった坪千二百円という金、あれは一体どういう基準に基いてお払いになったのか。ああいう高額の金を出された例がほかにもあるかどうか。またお取りやめになった場合に、あの用地はどういうふうに処置されるのか。この点をお聞かせ願いたい。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 御意見のように、きわどいことになりますと、結局価格問題に落ちることが大部分と思っております。そうして感情問題とかその他の、経済を抜きにしてどこまでもがんばっておるというようなものは非常にまれな場合だと思います。多くはこの補償額の問題が最後のかぎだと思います。これは御承知のように、国家としましては、非常な限られた予算と厳重な御監督を受けておりまして、臨機応変にやるというわけに参りませんので、そんな点でややともするとこれが土地収用法にかけざるを得ない。実例は今はっきり覚えておりませんが、相当の件数でございます。  それから妙義山の例をお出しになりましたが、妙義山のあの単価が果して適当であるかどうかということについては、私もしろうとでありまして、どうも的確な批評を申し上げるわけには参りませんが、一般の世間の話では買収額が非常に高かったということを聞いております。そういう非常に高い場合というものは、ほかにはそうないと思うのですが、いろいろ事情があって非常に急ぐ、それから土地収用法をかけるということになると、さっき申しましたようなわけで目的に沿わない、時期が間に合わぬというような急ぐ状態の場合には、何とか地元と円満に話し合うために、多少高くなるということがなきにしもあらずと思いますけれども、ああいう極端な場合はほかにないと考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 土地収用法等によって取り上げた実例があるようなお話でありますが、これも資料として要求いたします。  それから妙義のあの土地の買収額は、お話の通り全国の例がないほど高い。ああいうふうな賠償を払う基礎というのは一体どこにあるのか、何か基準があるかという問題、これはお答えがありませんでしたけれども、なお取りやめになりましたので、非常に高価に買い取った山岳学校の土地が残つているわけですが、これは取りやめになった事後の措置をどうおとりになったか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 妙義の取りやめになったあとの処置は、これはいろいろ内容によりまして違うわけでありますが、買収した土地につきましては、これは買収してしまっておりますから、そのまま向うに返すわけにもいきませんし、断るいは必ずしも返すことがいいかどうかということも問題があります。当然これは大蔵省の管財局が引き継ぎまして、今大蔵省の管財局が管理をいたしております。管財局がどうなさるかということに先方の考えでありますけれども、おそらくまた前の地主が買いたいということになれば、一種の縁故販売というようなことで、前の地主に売り渡すということが想像されるわけでありますが、依然として値段の問題が残つております。  それから賃貸契約をしてある土地もたくさんありましたので、賃貸契約をしてあるのは、解除になりましてからできるだけ早くという意味で、たしか十五日ぐらいの、半月ぐらいの間で賃貸契約の解除を地主の方も同意されて解決がついたわけでございます。  それから建設工事をやっております道路が、国道とか県道とか町村道とか、いろいろの種類の道路がありましたが、これに数字的の計算の仕方はちょっと別になりますけれども、気持においては解除の日をもって一応この進行程度を明らかにして、そしてすでに済んだものについては従来の約束の通り、あと残ったものについて打ち切ることのできるものは、理論上打ち切るべきでありますから、できるだけ打ち切る。しかし道路の性質上打ち切り困難のものにつきましては進行することは認める、しかし補助率は変える。補助率は一般の公共事業の補助率にするという観念で計算をいたしたわけであります。  それから簡易水道を作ることになって、これは大部分済んでおりましたので、済んだものはそのままに、そうして残ったものについては、そのまま打ち切りにするというようなことで、群馬県も同意されまして、これは円満に解決がついたわけであります。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 これ一問で私の質問を一時やめまするけれども、あれだけの高い補償金を払うような基準が、法的に一体どこに求められておるかという点をまだお答えになっておられません。  それからあの土地が国のものとして取得されたわけですが。ただ山岳学校の用地をほしいために非常に不当な、といっていいくらいの値段で買われた土地は、国の財産として一体損失を招いていないのかどうか、こういう点についてはっきり御答弁願いたい。なお関連していろいろございますけれども、第一の質問は田口委員になっておりますので、私は一時これで打ち切ります。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 ただいまの淡谷委員の御質疑でございますが、次長の御説明に補足して私から御説明申し上げます。  土地の買収価格の算定根拠がどこにあるかという御質問でございますが、ただいま次長か申しましたように、確かに客観的に見まして、非常に高い印象を受けておることは争えないと思うのであります。ただあの当時のいきさつといたしまして、あの辺の農耕地の希少性、それからあの高原地帯の将来の利用度というようなものがいろいろ彼此勘案されまして、損失補償要綱の基準に基きましてそういうものを算出したわけであります。  なおその買収しました土地のあとの処分はどうするのかという問題でございますが、御指摘のように相当の国費約千二百万円と私記憶しておりますが、これを出したもので、ありまして、これは一応普通国有財産として大蔵省の方に所管がえをしておりまするが、ただいまの次長のお話のように、当該農耕地の希少性その他からいきまして、もとの所有者から買い戻し要求がありますれば、当時の値段と勘案いたしまして、これをもとの所有者に買ってもらう、あるいはまた将来その土地の軽井沢その他の方面からの一貫性から見て、相当な価格が出る場合には、一般に払い下げることになるかとも考えております。

淡谷悠藏日本社会党(左)

○淡谷委員 やめるつもりでございましたが、お答えがございませんのでもう一点だけ言わせていただきます。そうしますと、私も現地を見て知っておりますが、あの程度の石がらの土地、妙義山のような荒れた山岳地帯の土地でも、将来の利用度さえあれば、損失補償要綱に基いて一反歩三十六万円までは出せるということを確認してよろしいですか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 一般にすべてが最低三十六万円という確認をされることは非常に因るのでございます。ただいまも私山形の方で若干この問題に関係しておるのであります。しかし現在農耕地が一般の宅地に比べまして資本主義的な土地価格の形成がなくて、一種の希少性から土地価格が上っておるということによって、その単価調整に非常に苦慮しておるケースがあるわけであります。時と所によりますし、その土地のいろいろな希少価値と申しますか、そういうようにあらゆる画から勘案して出てきた合理的な値段はわれわれとしても支払わなければならない、こういうふうに考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員長 田口君。

田口長治郎自由党

○田口委員 調達庁にお伺いいたしたいと思います。五月の十六、十七日に佐世保湾の縫切網漁業者と大村湾の漁業者との間に紛争があった内容につきまして、御調査の分がありますれば御報告を願いたいと思います。調達庁にはあまり資料が来ていないように想像いたしますから、私が聞いております範囲内において申し上げますと、佐世保湾の縫切網漁業が漁場制限によりまして非常に困った状態に立ち至りましたために、大村湾の漁業者は共存共栄の意味もありまして、相当むずかしい問題であったのでございますが、両湾内における漁業者が契約をいたしまして、毎年九月の十日から一月の三十一日までは入漁を許す、こういう入漁契約をしておるのでございます。  今年五月の十六日及び十七日の日にこの契約をじゅうりんいたしまして、佐世保の漁業者が大村湾に入漁した。これで紛争が起ったのでございますが、入りました七組の縫切網は直ちに海上保安庁に拘束されまして、そうして問題は係属中である。こういうような事情になっております。同時に私は、これは直接に知った事実ではないのでございますが、地元の人から聞きますと、この佐世保の漁業者が非常に生活が困るために、最近四人の婦女子の売買問題というか、あるいは多少誘拐というような、さような性質まで加わっておると思いますが、そういうような問題も起りまして、幸いにして駅でみなを発見したために最後のところまではいかなかったのでございますが、かような実情で、非常な好意をもって入漁を許しておるその入漁海面に、期日外に無理やりに侵入する、こういうような問題が起りつつあるのでありますが、かようなことが起る原因につきまして、私は結局これは補償の問題だ、こういうふうに考えるのでありますが、調達庁では一体こういうような問題に対しまして、その原因がどこにあるとお考えでありますか、その点を一つお伺いしたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 実は今田口委員からお伺いすることは、私としては初めてでございますし、係の方も今お話の件はよく承知いたしておりませんようなわけで、どういう原因でそうなるか。今お話のように補償問題等に関係があるのかないのか、どうも今直ちにはっきりと私どもの見方を申し上げかねるのであります。さっそく調べまして、いずれ後刻お答えいたしたいと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員 かような問題が起ることは、結局におきてまして漁業者の生活問題に関係するのでありまして、漁場すなわち農民にいたしますと、農地と同じ漁場を、使用を禁止され、制限されて、そうして生活がほんとうに困窮してしまった。今までは多少ずつ自分らの持っておるもので食っておったのでありますが、いよいよ最後の段階にきて生活ができなくなって、それがもとになってかような紛争だとかあるいは子女の売買だとか、そういう問題が起ってきておるということは、これは常識的に考えてだれも疑う余地はないと思うのですが、それすらも調達庁ではこの生活を脅かしておるものは補償金の関係だ、そういうようにお考えになりませんか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 漁業者の生活問題が今非常に困っておるということは、私ども想像はつくのでございます。そういう問題になりますれば、申すまでもなく、いろいろ制限を受けて思うように漁業ができない、漁獲高も非常に滅っておるということになりますと、私どもとしてはそれに相当する補償金をお払いするようにいたしておりますけれども、あるいは業者から見ますと、私どものお払いする補償金が少いというようなふうにお考えになることもあり得ることであります。そんなことから考えますと、生活問題と今の漁業の制限、それに伴う補償金支払いということは、大いに関係があるものだろう、かように考えます。

田口長治郎自由党

○田口委員 国の施策のために犠牲を受ける国民があって、その犠牲をその者だけに負担さして、国は知らない、こういうようなことは許されないことと思いますが、その点について私らと同じ考えでおられますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 ただいまの御意見につきましては、私どももごもっともと考えます。

田口長治郎自由党

○田口委員 国は二十七年の七月四日の閣議の了解事項によりまして、さような損失補償につきましては、第二十条によりまして、損失の八〇%だけを補償する、こういうことにして今日までやってこられたと思うのでありますが、この佐世湾あるいは大村湾附近において、あなた方が今日まで補償された金額は、実際の損失の八〇%に当つておる金額を交付された、こういうふうにお考えになっておられますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 漁業補償につきましては、たびたびいろいろ議論がありまして、その当時調達庁としましては、漁業補償はどこまでも実績補償である、こういうことはこの委員会の席上でもたびたびお答え申し上げておると思います。今日におきましても実損補償であるという原則は変っておりません。ただ問題は、何を実損とするかという点が問題になるであろうと思います。八〇%というのは実損ではないじゃないか、二〇%内輪に切っておるではないか、こういうような御意見も立つかと思いますが、調達庁の見ております八〇%というのは、損失が幾ら起った、その八〇%を補償するという考え方ではなくて、その年どれくらい漁獲があるか、それをはかって言いかえれば利益がどれくらいあるか、それが制限のためになくなった、その利益の八〇を%実際の損失の実額と見る、こういう考え方で八〇%というものができ上っておるわけであります。問題は、そういう見方をしたときに、一体二〇%はどうして利益から差し引くか、こういう点が一つの問題になると思います。調達庁の見方では、今まで通りに操業し、漁業を経営しておりますならば、起るべきいろいろの危険というものが、今度は仕事ができぬだけなくなること、あるいは仕事ができなくなれば、その余暇を利用して何らかの生産なり、あるいは労力を活用して収入があるだろう、それらを大体二〇%と見て、そうしてその利益から二〇%を引いて八〇%というものが実際の損害である、こういう見方をしておるのであります。その見方がいいか悪いかということは、これはいろいろ御批評があろうと思います。それに対して私どもの見方では、いろいろ国の他の制度におきてましても、調達庁がやつておる陸上のいろいろな補償におきましても、やはり同じ観念を使って実は八〇%でやっております。それから他の法令でも、あるいは失業保険にしても、あるいは他の災害保険等におきましても、六〇%というような数字も使っておりますので、これをどうしたら一番正しいかということについては、むろんいろいろ御批評があろうと思います。あるいは八五%が正しいのじゃないかという、意見もあろうと思いますが、目下のところ調達庁は八〇%で、これがやはり損害の実額である、こういうふうに考えておるわけであります。     〔委員長退席、白浜委員長代理着席〕

田口長治郎自由党

○田口委員 損害の実額の八〇%補償ということにつきましては、いろいろ議論がありますけれども、私は主としてその問題でなしに、漁業者が県の指導のもとに、また調達庁の局の指導のもとに作って損失補償申請額として出したその申請額に対しまして、あなた方が今日まで交付しておられますところの損失補償というものは一八%にしか当つていない。私に八〇%補償されればそれでその点は文句を言わないのでございますが、実際に業者が申請する額に対して、わずかに平均して一八%しか交付をしておられない。しかもこの業者の損失補償申請は、業者が勝手に作ったのではなしに、あなたの方の福岡の調達庁が指導をし、そうして長崎県が指導をして作ったこの金額に対してわずかに一八%である。そこで入ってはいけない漁場に無理やりに行かなければならぬ。あるいは子女の売買問題もやらざるを得ぬ。あるいは一年、二年はこらえておったかもしれませんが、ますます生活が窮迫して参りまして、もう法律も約束も何もない、あるいは道徳も何もすたってしまう、こういうようなことが、ここに八〇%を出さなければならぬ金を一八%しか出さぬというところに原因があるのだ、こういうふうに私は考えるのでございますが、この申請額に対する一八%しか出していないというこの事実を、あなた方はお認めになりますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 お答えいたします。今の一八%にしか当っていないということにつきまして、実は率直に申し上げて、私そういうような出したものについての一八%しか見ていないかどうかということは、今初めて伺ったわけですが、従ってそれ自身について私あえてそれが違うということを申し上げるつもりはありません。問題は八〇%ということのそのもとの一体利益といいますか、漁獲高の予想、これをどう見るかということが一番根本の問題だろうと思います。実はその問題は漁獲高に限らず、ほかの農耕地を接収した場合でも、一体農地収入はどれくらいあるのか、国についてはどうだとかあるいは畑についてはどうだとか、山林原野についてはどうだとか、こういう問題になりますと、実は調達庁としてはこれらの適正な算出に非常な苦慮をいたしておるわけであります。たとえば、たんぼについて一段歩どれだけの収獲があるかというようなことは、たんぼはそれぞれの等級によりましてもう長い間やつておりますから、おおよそだれが見てもこのたんぼは平年作なら何俵あるいは何石何斗上るのだというようなことは、ほとんどだれもわかり切ったようなことでありますけれども、その米の収穫高が、いよいよ供出問題だとかいうようなこなりますと、なかなか的確な数量というものは把握しにくい。これで非常に困っておる。いろいろな問題が派生するわけであります。それから畑になりますというと、なおまたむずかしくなりまして、畑は御承知のように場所によってほんとうのただ一毛作しかやらぬところもあるでしょうが、場所によりましては何毛作もやる。それらの利益計算をするということはむずかしいのみならず、果して出ておる資料というものが正しいかどうかということも非常に疑いがあるわけであります。ましてや魚になりますと非常にむずかしくなりまして、一体ある湾内における魚の漁獲高というものはどれだけかということになりますというと、町村あたりの調べというものは最も確実視されなければならぬわけのものですけれども、その町村から出るものでもどうも疑わしい点が——また出す時期によって同じ期間の漁獲高も違う、さらにその湾内について県の水産統計でどうなっているか、この県の統計自体もやはり調査をとりますというと、ときによって出てくるのが違っておるというようなこともございます。さらにまた農林省の水産庁からのいろいろの資料をいただく、この資料が最も私ども信頼できる資料と一応考えられますけれども、この資料だけによって進めるということがなかなか事実また困難である。そんなような関係で非常にむずかしいものでありまして、その点どうしたら一番適正な漁穫高の算定ができるかと、今までいろいろ苦慮しておりますが、今後においてもこの点について一つ検討して、適正な漁獲高というものを出したい。そうしてそれによってほんとうに適正な損失補償をいたすようにだんだんと是正していきたい、かように考えております。

田口長治郎自由党

○田口委員 次長が今さら算定基礎の問題についてさような答弁をされることは心外だと思うわけなんですが、この算定は次長も御承知の通り、平年漁獲高から当該年度の漁獲を差し引いて、それを損失として今までずっとやってきておるわけであります。それを今さら数字がどうだとかこうだとかやってみたところであるいは算定の方法がどうもはっきりしないとか何だとかいうようなそういう議論は調達庁でやられる前の話で、今現にニ、三年ずっとそれでやってきておられるのですから、そっちについて今さら次長からどうも疑問を説明されましたところで、私ら納得するわけにはいかないわけなんですが、調達庁で今まで計算しておられるその方法でずっと平年量と当該年度の量、これを差し引きまして、しかもこの数字は漁業者が勝手にいいかげんに作った数字でなしに、そのやり方その他については福岡の調達局指導のもとに、県庁指導のもとに作って出した。この数字に対してあなた方は、今まで閣議了解事項によって八〇%補償しなければならぬのに一八%しか補償をしておられない。この問題について私は話しておるわけなんですが、こういう直接に被害をこうむっているこの連中にだけ犠牲を着せて、国が知らぬふりしているということは絶対できないと思います。予算があるとかないとかの問題ではないと思うのです。その点を一体どう考えておられるか、重ねてお伺いいたしたいと思います。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 漁業についての損失の計算は、今お話の通り、その点は私どもも承知いたしておることなんでありますが、その今お話の過去三年のいわゆる平年漁獲高というものが果してどうかという点に非常に問題があるわけであります。これがもうほとんどだれも皆疑うものもなく、そしてすべての統計等がはっきりいたしておりますれば、問題は非常に少いと思いますが、その今の大事な各地区々々における平年漁獲高がどうか、全国の平年漁獲高がどうかということは、これは水産庁の方の統計を信頼するほかないと思いますが、その内訳の、ずっと最後になってからの末端の局部的な平年漁獲高がどうかというときに非常に問題があるわけで、私どもとしてもその的確な資料をとるに苦慮いたしておるようなわけでございます。

田口長治郎自由党

○田口委員 次長が比較的に正確であるという全国的の漁獲高につきましても、日本の統計というものが税金その他の関係で非常に違った数字になっておる。むしろ統計によるよりも実際に調べた方が実情に合うと思うわけなんでございますが、その全国の統計は信用できるが、実際に調査したものは信用できないという理由がどこにありますか。そこが結局関係漁業者をほんとうに困窮に追い込んでしまう原因だと思うのですが、その日本で今まである統計は比較的正確であるというが、私らこれは不正確である、そう考えております。だから、実際の数字は実際に調査しなければ出ないと考えておるのに、実際に調査したものは不正確である、私らが不正確であると思う統計が割合に正確であるといわれる。そこに問題のポイントがあるのでないでしょうか。その点はどうお考えになりますか。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 今問題になっている点は私ども最も苦慮しているところでありまして、先ほどから申し上げる通り、漁獲高をどう見るかということは非常にむずかしい問題でありますので、今まで現にやってきておりますけれども、過去の判断あるいはきめ方が必ずしも完全なものであると思っているわけではございません。従いまして、今後なお研究をして是正すべき点があればどんどん是正したい、かように考えておるわけであります。

田口長治郎自由党

○田口委員 多少の数字は狂うことはあるかもしれませんが、しかし八〇%が一八%になる、これは狂い方があまりひどいと思うのです。これにはとうも何か——間違った査定によりましてこういう数字が出ておるために、その影響をこうむった漁業者というものがほんとうに困窮してしまう、こういうような結果に私はなってしまうのだと思うのですか、この問題はどうも漁民の生活に直結しておる問題でございますから、これが正確だとか、これが不正確だとかいう問題でなしに、ほんとうの数字を出してもらって、そうして国民全体でその犠牲を分担する、こういうような建前を貫いてもらわなければ、漁場制限をされたり、あるいはいろいろな損失補償に該当する漁民というものは、ほとんど生活ができなくなってしまう、こういう結果に漸次追い込まれてしまうと思うのであります。私は今佐世保の一例を取ってお尋ねしておるような次第でありますが、このような補償の率では何としても承知できないのでございますから、もう一度よく一つ御研究を願つて、実情に合った補償をどうしてもしてもらわなければ困る、こういうふうに考えるのでございます。どうかその点に留意されて、実際に調べて、役所が指導してやった数字というものもある程度御信用になりまして、そうしてあなた方が実際に八〇%やらんとしておる数字に接近した交付の方法を考えてもらわなければ非常に困ると思いますが、その点さようなあらためての調査ができますかどうかお伺いいたします。

山内隆一総理府事務官(調達庁次長)

○山内(隆)政府委員 今までやってきておりますやり方は、統計だけを基礎にして、統計そのものについても、先ほどから申しますように、いろいろ立場々々によって現われてくる数字というものが違っておりますが、しかしまた違った数字のあるものをそのままとるというような機械的なことはいたしておりませんので、この地方の実情なりあるいは資料とか組合の帳簿とかいろいろな調べをいたしまして、そうしてこれならばという額をきめて、しかもそのやり方については、地方の局におきまして十分その方の組合長とかあるいは代表者に説朗をして了解を得てやっておると私思っております。  なお大村湾の漁業制限とか防潜網による被害とかいうようなことについての補償の今までのやった実績を見まして、これを似たような東京湾のものに比べてみるとかいうようなこともいたしてみたわけけでございますが、必ずしもその間に——これはまあ多少いろいろ事情は違いますか、完全に数字が同じなのか公平というわけにも参りませんと思います。多少の数字はもちろん違いますけれども、まず公平にいっているのじゃないか、こんなふうに思っておりますが、先ほども申し上げましたように、非常にむずかしい問題で今まで漸次改善をしてきておると思っておりますけれども、なお決して満足しておるわけではございませんので、十分調べまして、是正すべき点は是正いたしたい、かように思っております。

白浜仁吉日本民主党

○白浜委員長代理 綱島君。

綱島正興自由党

○綱島委員 実はなるべく委員会などでそう問題にしたくないと思って、たびたび調達庁にも僕自身行って事情を具申したりしたのですが、あまりにあなた方のやり方がひどすぎるので、相当これからなお追及してみたいと思っておりますから、そのおつもりで御答弁を願います。  実は佐世保のやつは東京なんどとお比べになることは無理で、御承知の通り夜間漁業は禁止になっておる。たとい昼であっても。向うが不定時に船を持ってくれば、それに近づくと全部処罰される。こういうような条件で漁業は事実上できないのです。全然できない。しかもその八〇%に出しました最初の漁獲高は漁業統制中の数字でありまして、しかもこれはやみ価格でなく、公定価格で、安い値段で書き上げたのが基礎になっておる。よその、ただいま幾らとれるとか、かくらとれるとかというのと、佐世保の基本数字になったものは数字が違います。今の自由価格になりましてからはほとんど数字の基礎がございませんので、実は統制時代の統制価格による数字によって算出したものが出されておる。その数字をあなた方は年々減していっておられるのだから、そういうことは一体どういう事情から生まれてくるか、統計と言われるが、佐世保と同じような類似統計というものが日本にありますかどうか。この点を二つ伺いたい。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 ただいま綱島委員の御質問の点でございますが、もちろん全国的な統計というものは総括的に判断する資料にすぎません。従来の個々の補償につきましては、それぞれの地区にありますところの水揚げの台帳その他のできる限りの資料によりましてやつております。過去三ヵ年以上という平均につきましては、そういう資料がありますれば、もちろんそれを取りまするが、相当以前のものになりますと、なかなか資料が整備しかねる場合がありますので、比較的身近な、身近と申しますか、その当該地区に近いところの資料をできるだけ収集いたしまして、さらに全国的な資料も勘案して、その基礎を作るわけであります。ただいまお話のように、確かに佐世保湾は終戦直後から全面的に漁業制限になっております。これらの問題につきまして、それ以前の資料をとるということは、油の非常にないとき、労務の非常に少いとき、漁業の漁獲に対する活動力が相当鈍ったときでございますので、この点につきましても、先年も問題になりました九十九里についてもそうでありまするが、断る程度他の近傍類似で、この程度のものがとれるというところまで前三ヵ年の平均を修正しておる場合が多々あるわけであります。価格の問題につきましては、やはり前の価格をとらずに、その制限して補償する当該時点のそれぞれの地元の価格をとりましてやつておるわけであります。そういうふうにいたしまして、ただいまも次長がるる申しましたように、いろいろ算定の途中における困難はありまするが、なるべくこれをその補償の個所々々の実態に応じたやり方でやりたいというのがわれわれの当初からの念願でありまして、そういう点におけ……。

綱島正興自由党

○綱島委員 原則のことにいらぬから、具体的事実だけ言って下さい。別なことは言う必要はない。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 やっております。佐世保の問題につきましても、ただいまもお話がありましたが、われわれといたしましても、もちろん全面的に禁止されておるところにつきましては、そこに依拠しておる漁業者に対しては損害率を一〇〇%出しております。それから佐世保につきましても、その他の縫切網これらは大体制限被害を四二%、と申しますのは、ほかに漁業活動の範囲がありますので、全体から見まして大体四二%の制限の被害率と、こういうふうにとっております。それから地びきはもちろんそこの地区だけでございますので、一〇〇%とる。一本釣につきましては、大体制限による被害を三〇%とる、あるいは延べなわにつきましては三五%とる、そういうふうにしていろいろ勘案してやっておるわけであります。年々補償額が減るというただいまの御質問もありますが、われわれとしましては、その時点が傾向として減る場合もあり、ふえている場合もあると存じております。

綱島正興自由党

○綱島委員 この佐世保の補償について私非常にけげんにたえざることは、総数からいえば減る場合もあれば、ふえた場合もあるというお話だが、非常な格段に減っておるのです。そうして、あなたは現在の価格でと言っておられるが、この価格と漁数とつり合わしてごらんなさい、佐世保はどうなっているか。そういう数字をあげておられるが、実際からいうと、価格については年々上っておるのに、数字はちっともふえないのみならず、かえって減っている。しかも佐世保で一番初め用いた数字は、御承知の通り水産統制の時代の価格です。これを非常に減らしてきて、佐世保は現在どんなことになっておるか。あの多くはほとんど配給米もとれない。あなた方はそういうところに追い込んでおる。先ほどはどう言った。三十五万円にも反当りを予定して、将来の利益まで見てしておるという地域もあるかと思えば、こういうように毎年身売りをしなければほとんど行かぬようなところに追い込んでおる黙っておればどういうことでもするというあなた方の態度じゃないか。これはむしろあなた方が請求された額を大蔵省で切られて泣き寝入りしておるのと違いますか、どうですか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 大蔵省で切られた金額について泣き寝入りしているのではないかというただいまの御質問の点についてお答えいたしたいと思うのでありますが、はっきり申しまして、われわれはそういうことは絶対ないと存じております。もちろん大蔵省にもそれぞれの資料がございますが、われわれと十分——その間若干期間が長引く場合もありますが、あらゆるデータをそれぞれに出し合いまして検討したところでやつておると思います。現に今までずっとそういうふうにやってきたのであります。また例を申してはなはだ恐縮でありますが、この金額が生活保障として完全な金額であるかどうかは、いろいろ問題がありますが、われわれが損失補償として出しているものをただいまの被害のパーセンテージで申しましたならば、縫切網におきまして当該制限地区の補償額は——損失額じゃなくて純補償額は、一統当り大体年百万円ぐらいになっておりまして、一本釣にいたしましても、制限地区を大体全体の三〇%に該当するとただいま申し上げましたが、これにつきましても年間の補償が約二万三千円ぐらいになっております。そういうふうにしていろいろ出すのでありますが、これは純粋の損失に対する補償という形になっております。それから年々縮小しておるということにつきましては、そのイワシならイワシの魚価の低下がある場合もございますし、あるいは縫切網にしましても廃業した統数かあるとか、いろいろな原因で高低がある場合もございます。  現地の端的な例から申しますと、大体そういうような状態になっておりますが、こういう制限はいろいろと社会問題、生活問題にも関連してきますので、われわれといたしても地先その他における漁業についての制限の全廃あるいは縮小ということに——これは若干補償金とは別の問題でありますが、全努力を傾けて相手方の米駐留軍と交渉している状況でございます。佐世保につきましても、近くこれらの問題がいい方に解決できるのではないか、こういうふうに期待しておるわけであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 今あなたに一本釣については二万三千円、これが三〇%というのでありますが、そうすると、年収が七万円余りになるのです。人は一本釣だつて二人や三人おる。こういうことでは一体一ヵ月の補償料は幾らになると思われますか。二千円かそこらです。それで税金も納めて飯も食つている。三〇%として、一年分を換算すると、そうなるのです。それがあなた、問うに落ちずして語るに落つ、不当なる計算である証拠とは思いませんか。これは谷川主計官もよくお聞きなさい。こういうことを不当とも何とも、あなた方思わぬのですか。これに駐留軍がおつてどうにもならない地域なんだから、ただのこととは違いますよ。いつか来たとかなんとかいうことじゃない。毎日のことです。また百万円と言われたが、これだって人間一人に割ってごらんなさい。縫い切網は幾ら乗っておるのですか。何人の従業員として百万円補償されたか、その人員を伺いたい。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 百万円というのは補償金額の全額でありまして、大体われわれれがあの辺の締切網の粗収入としてつかんでおりまする統計によりますと、粗収入に約四百万円ないし四百二、三十万円という額になっております。その乗り組みの人員が平均して大体五十名くらい、こういうふうに聞いております。

綱島正興自由党

○綱島委員 五十人おって、百万円というと、これは三五%に当るというのでありますから、収入としては、利益金が三百万円以下にしかなりません。五十人でそれをわくると、一体幾らになるか、そういうことで生活が立っていくとお考えになりますか。網というものは、たくさんやるのではないのです。縫切網従業員は縫切網だけやるのですよ。机上で計算するお方はそれでいいかもしれぬが、それで暮していく者は一体どうするのです。法制で禁止しておる。これは単なる東京湾の防潜関係とは違います。佐世保湾において禁止事項に属しておって、出漁もできぬし、夜間などは航行も禁止であります。こういう地域を一体どういうふうに考えて、こういう計算をしておられるか。実情に合うと考えるか。  私は前から各地域、各種別の補償料の資料を求めておるが、まだ提出がない。私はこれによっていかに不公平かを明らかにしようと思う。この資料を急いで出してくださいと言ってから、一週間も過ぎたかもしれない。調達庁において補償しておる種別、各地別、県別、事件別の資料を求めておりますが、今初めて聞かれるようだか、それをあなた方はやっておりませんか。一週間で提出しますということを調達庁からぼくの方へ電話をかけてきたが、あなた方は初めて聞かれたのですか。一方ではやかましく言うところは、将来の利益ということで、山間地でも反当り三十五万円も補償をするかと思えば、こういう人は配給もとれない。いいですか、身売りをしなければ暮しが立たないというようなことをあえて黙って見ておられるということで、一体あなた方は良心的ですか。これで計算が合ったとかなんとか、計算の基礎を考えてみなさい。これで自分が暮す気になって暮していけるとあなた方考えておられるか。人を見殺しにしてもいいと思っておられるのかどうか、この点を考えていただきたい。妥当な数字でないということにあなた方はお気づきになりませんか。もう一ぺんこの点についてお答えを願います。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 ただいま申し上げましたように、その金額が生活できるに足る十分な金額であるかどうかという問題は多々議論があると思いますが、制限による被害額の率というものにつきましては、今までのわれわれの考え方によりますと、大体この程度が正当なものじゃないか、こういうふうに考えております。

綱島正興自由党

○綱島委員 これはあなたに幾ら言ってもカエルの顔に水をかけるようなもので、正当だと思っておる、人種の違うような言葉のように私は思うが、それであなた方暮してごらんなさい、暮せるかどうか。月にして幾らになる、計算してごらんなさい。五十人で三百万円、全部あなたの計算によると三百万円にしかならぬのだが、それを五十で割ってみると幾らになりますか、計算はじけばわかるだろう、それで一体一家が立っていくかどうか。  今度は主計官に聞いてみますが、これはあなたにはちょっと荷が重いかもしれぬけれども、このたび日米共同防衛費というものか減額になりましたね。これは政務次官に聞くことかもしれないが、それによって補償に対する減額が来ますか来ませんか。特に漁業とかあるいは農地とかその他のものに対して、今まで足らぬところをもっと足す工面はどこからするか、日米防衛費は確かに減っておる、アメリカ人が電気を使うのをやめもしない、水道を使うのもやめなければ、汽車に乗るのもやめないだろう、かえって支払いの基準がふえたようです。その残った足らぬ分にどこから出すか。あなたは基本のことにに関係はないかもしれないけれども、相当しておられるから、あなたの担当しておられるものは、その金はどこから取ってくるようになっておるか、それを伺っておきます。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 お答え申し上げます。今回の防衛支出金の削減の問題でございますが、防衛支出金という予算の科目の中で、一つは行政協定の第二十五条の(b)項に関しまして、米軍に交付する金、これは条約上の義務の金でございます。これが削減されたのでありまして、もう一つの分類といたします行政協定二十五条の(a)項の関係の経費、すなわち補償関係の経費につきましては削減の対象となっておらないのであります。この経費は予算編成のときに、三十年度において補償すべき金額を大体見通しまして計上してあるわけであります。その金額が大体八十億程度であります。

綱島正興自由党

○綱島委員 この(a)頃の部分については削減がないというお話であったが、それなら非常に安心をするのです。それは間違いございませんか(b)項だけの削減であって、(a)項じゃ一切削減しておりませんか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 防衛支出金の削減は防衛庁費の増額と関連するわけでありまして、防衛支出金全体として削減しておりますが、内訳としてはただいまおっしゃったように(b)項だけの削減でございまして、(a)項は直接の削減になっていないわけであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 この点は大臣に来てもらって少し調べなければならぬと思っているのだが、これは農民、漁民には非常に至大な関係で、この委員会でも等閑に付せられぬ問題でございますが、特に伺っておくが、それでは(b)頃の必要量はアメリカが拡大して出すことになっておりますか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 この問題は相当大きい問題でありますが、二十九年度の日本の負担と米国の負担と合せた金額が三十年度においてどうなるかという問題とも関連しておるのであります。それは米軍の方の関係がございますので、私この際今申し上げるわけに参りませんが、かりに同じだとした場合においては、米軍の方の負担がそれだけふえるという結果になることだと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員 もう一つお尋ねいたします。(a)頃の削減はなかったというお話でありますが、基地や何かは非常に拡大されてきている。それの需要量との関係はどうなりますか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 飛行場の拡張に関する補償の経費は申すまでもなく二十五条の第二項の(a)項に属するわけでございます。この経費を含めまして従来の家賃とかあるいは業務補償、従来の系統の補償費と合せまして処理することになっております。その金額に前年度の予算計上額の五十二億に対しまして約三十億足らずふえておるわけであります。

綱島正興自由党

○綱島委員 そうすると今度の補償というものは、えらいべらぼうなものができてくるように思うのだが、漁業補償だ、何だと言うけれども、結局はあなた方が値切らなければならぬということに落ちてくるのと違いますか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 漁業補償等の補償につきましては実際の損害願の補償でありますから、実情に合うような金額、実情に合うような調査方法をもちまして実際の損害額を査定して補償するので、ありますから、めちゃくちゃに不合理に査定するということはないはずだと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員 先ほどから私の問答をお聞きになっておったはずだが、そうするとあなたは、妥当に補償しておるつもりでおられるのですね、それなら私どもはちょっと考えがあるのです。あなたがそういうことを言うと、一例をお話するが、おととし二十八年度の北九州を襲うた風水害は前古にないと言われておる。そういう大風水害のとき災害担当の——名前を秘しておくが、あなたにはわかるはずです。相当の主計官が僕に耳打ちして、実は毎年あのくらいの風水害はあります、こう言うのです。それは群馬の凍霜害を見に行ったとき一緒の車に乗っておって、私は知っておって黙つて、白ばくれてああそうかと言った。この災害は、これはひどうございます、こう言う。ところがその主計官が翌日転任になっておる。それを知っておるからそういうことを言う。あなた方の頭はどんなうそでも何でも——あなたがうそ言うとは言わぬが、かまわぬようなつもりで北九州生れの綱島に、二十八年度の災害を毎年ある災害なんていうとんでもないことを言う。私はそのことは災害委員会でも一口も言わなかったが、きょう初めて公けに言うのだが、そういう頭でごまかしさえすればいいという考えをしておられるかもしれぬけれども、大蔵省のつじつまだけであって、国政というものの影響をよく知っておかねばならぬ。特にただいま共産党問題等も非常にはげしいことだから、あなた方が机の上でものを済ませば、それで国家の利益になるなんて考えられたら非常な問題が起きてくると思う。そういうことは決して看過できないのです。一体公務員というものは。もっと基本的な考えによってものを考えてもらわなければいかぬ。いいかげんに、合理的にやりましたとなりますと、立会検査をしなければなりません。相当の機関を通じて立会検査をするよりほかはない。やかましくものを言うところには大へんな補償をする、やかましく言わぬと——私は賠償庁には五、六ぺんも行っておる、ほどほどに何とかしてもらいたい。しかし一ぺんも荒げたことを言ったことはない。黙っておれば何もしない。仕方がないからむしろ旗を立てる。立てれば翌日監獄に行かなければならぬ地域だから、あなたはそれを奇貨としておる。良心というものを持ってもらわなければ、役所の言い分でやれば首がつながってよかろうという考えではいかぬ。また、支出を少くすればそれでいいというような考え方では困る。妥当なことを言っていれば、あなた方にはそれがおかしいように聞えるらしい。さっきも僕が言っておると、主計官はそれを薄笑いをして聞いておったようだが、これはただごとでお話をしておるのではありませんよ。私が委員長席から下ってここで聞いておるのは、ただごとであなた方にお話をしておるのじゃない。そのつもりで聞いてもらいたい。一体地方のものは、監獄に行くようなことはあえてしない。それを、行くことはわかり切っているのに水杯をして出漁したり、娘をやみに売ってみたりするようなことが、実際にやられておるのだから、この補償の道が立てば、あるいはいつまでにこうなるという見通しがちゃんとつけば、その間別のことをするということもあるけれども、それもできない。一例を申し上げると、漁業の営業許可権に対する補償というものはどのくらいあるか知っておられますか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 ただいま綱島委員の御質問の許可営業だけの分については、資料が手元にございませんので、後刻資料で提出することにいたしたいと思います。

綱島正興自由党

○綱島委員 大よその記憶はありませんか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 許可営業だけについての記憶は今ございません。

綱島正興自由党

○綱島委員 営業許可権に対する補償は幾らしておるのですか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 ただいまの許可営業に対する補償は、ここに資料がございませんので、後刻資料で提出することにいたします。

綱島正興自由党

○綱島委員 この前求めている資料ですか。

山中一朗総理府事務官(調達庁不動産部長)

○山中政府委員 前の資料にもうすでに提出してあるそうでございます。お手元に届いているかいないかは確認できませんが……。

田口長治郎自由党

○田口委員 谷川主計官にお尋ねいたしますが、なるほど予算面から申しますと、例の施設提供等諸費および軍事顧問団交付金の欄で二十九年度五十二億円が七十九億六千四百万円になっておりますから、二十八億程度ふえておるようでございますが、先般来の予算委員会の状態を見てみますと、先般の日米共同声明の第二項によりまして、前記の防衛分担金のほか日本政府は飛行場を拡張し、また在日米軍の使用する施設の所有者並びに提供者に対し補償するため約八十億の予算を計上すること、これが予算委員会における質疑応答によりますと、ほとんど八十億が飛行場の拡張に使われるような印象を強く受けるのでございますが、この予算で七十九億六千四百万円の内訳はどうなっておりますか、御発表願いたいと思います。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 お答え申し上げます。予算委員会に対しまして調達庁から五月七日に出されました資料に基いてお答えしますと、七十九億の中で軍事顧問団の経費五億を差し引きますと七十四億になりますが、その内訳としまして十二億が飛行場関係の経費でありまして、その残り六十二億が従来の借料、補償金等に充てられる予定になっております。

田口長治郎自由党

○田口委員 二十九年度はまだまとまらぬと思いますが、二十七年と二十八年のこの六十二億に相当する実際の支出額は幾らになっておりますか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 ただいま資料の手持ちがございませんので、後刻資料として御提出いたしたいと思います。

田口長治郎自由党

○田口委員 それではこの六十二億は減じない、こう解釈してよろしゅうございますか。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 さようでございます。

田口長治郎自由党

○田口委員 それでは二十七年と二十八年の交付金額を各府県別、補償種類別で御提出願いたいと思います。

谷川宏大蔵事務官(主計官)

○谷川説明員 大蔵省からということでございましたら、これからこしらえまして提出いたしたいと思います。ただ調達庁の方にも御要求になっておられますので重複するきらいがありはしないかと思いますが……。

田口長治郎自由党

○田口委員 それでは話を変えまして、先般佐世保湾におきまして、米軍は漁業者の立場を考えまして制限区域の緩和をいたしました。旧日本海軍のときに使っておりました湾の一部分だけを残して大部分は撤去してしまった。漁業者は非常に喜んでおった次第でありますが、今度は防衛庁から、作戦の都合という言葉を使っておりますが、この言葉はどうか知りませんが、作戦の都合でまた広範な海域を制限するような打ち合せをしておられるような情報があるのでございますが、さようなことがありますかどうか。御承知の通り佐世保湾では、旧海軍時代におきましても、今米軍がわずかに確保しておりますところのドックだとかあるいは埠頭だとか、そういう付近の海域外は、自由に開放をしておった。そうしてその区域といえども特別の許可によって操業をされておった、こういうような状態であったのでございますが、今度防衛庁がさらに広範なる海域を、旧海軍時代にもやらなかった海面をさらに使用する、こういうような打ち合せをしておられるというお話を聞きますが、この点についてどうなっておりますか。

林一夫防衛庁参事官(防衛局長)

○林(一)政府委員 ただいまのお話の、防衛庁がさらにその制限を拡大するというようなことがあるかというような御質問でございますが、そういうような計画は全然ございません。     〔白浜委員長代理退席、委員長着席〕

田口長治郎自由党

○田口委員 現池ではそういうようなことを決定いたしまして、そうして中央にその話を持ってきつつある、こういうような状態でございますが、中央では何もそれについて今まで指示されたこともありませんし、現地からの報告を聞かれたこともない、そうしてさような意思もない、こういうようなお考えでございますか。

林一夫防衛庁参事官(防衛局長)

○林(一)政府委員 その点は従来以上に拡張するというようなことは、防衛庁といたしましても考えておりませんし、現地からそういうようなことを聞いたこともございません。

田口長治郎自由党

○田口委員 従来の区域以上に拡張する意思はない、この従来のという言葉は、一体米軍が今までやっておったあの区域の意味なんですか、それとも防衛庁独自におきまして考えておられた海面であるか、その点をはっきりしてもらいたい。

林一夫防衛庁参事官(防衛局長)

○林(一)政府委員 防衛庁といたしまして、制限を加えるというようなことは全然考えておりません。

田口長治郎自由党

○田口委員 それでは時間の関係上 午後に続行願いまして、私の質問はそれまで保留いたします。

綱島正興自由党

○綱島委員長 午前中はこれにて休憩いたしまして、午後は二時より委員会を開きます。     午後一時四分休憩      ————◇—————     午後二時二十五分開議

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより午前に引き続いて会議を開きます。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 議事進行について……。昨日当委員会において、農林省所管の三十度予算に対して修正すべきものと認めて、予算委員長あてに申し入れをいたしたのでありますが、その後の経過はどういうふうになっておりますか。聞くところによりますと、予算委員会はすでに分科会に入り、農林水産委員長の申し入れ等についてもほとんどこれを取り上げて検討しておるというふうにも思えません。また一方自由党並びに民主党の予算修正をめぐる折衝はもはや最終段階に入り、二百十五億の修正数字も大体意見の一致を両党間には見たと伝えられておるが、大蔵当局が非常に難色を示しておるためにその間に両党首会談等が計画されておるとか、いろいろな風評があります。本委員会としては、数日来にわたって真摯なる検討を続け、これを満場一致の形において予算委員長に申し入れたものが、いかように取り扱われておるかということは、重大関心事であります。地方税の大きな問題もさることながら、当委員会としては面目にもかかわる問題だろうと思います。ついては委員長はこの際当委員会を一時休憩して、その後の経過等を十分承知せられて当委員会に報告し、その結果に対して今後のわれわれ当委員会としてとるべき措置について、理事会等を開いてもっと検討せられたい。とるべき措置があるならばさらに講じていかなければならないと思う。ただ単に自民折衝の道具にこの委員会の決議を使うがごとき印象を受けることは、はなはだ遺憾であります、もちろん委員長の責任であるとは申しませんが、ある程度の妥結点に到達しておるならば、われわれ農林委員会の意向をどの程度織り込んでおるのか、その具体的の点について、非公式でもよろしい、われわれ委員会に報告すべき道義的責任があろうと思います。今のようなままで、このままでずるずるとこの会議を進め、当委員会終了後において、われわれとは別個に妥結を見るというようなことではわれわれはおさまりません。今後の当委員会の運営にも重大な支障を生ずることを警告いたします。そういう点においてとくと委員長においても御考慮せられ、ただいま私が述べたような措置を早急に講ぜられんことを希望いたします。

綱島正興自由党

○綱島委員長 足鹿委員より重要な発言がございましたが、休憩をしてその処置について問いただしをする等のことよりは——もしそのことが必要でもございましょうから、するといたせば、委員長席を一時理事の人にかわってもらいまして、私が中座する方が妥当であろうかと存じます。  なお今日まで処置いたしたことを簡単に御報告を申し上げますと、大体事の成り行きをわが党に対して御報告を特にいたしまして、そうして農林委員会の容易ならざる決意に基くものだから、その旨をもって交渉される場合は交渉に当られたいということだけは申し伝えております。なお手続といたしましては、本委員会の決議事項を予算委員会に送付いたしました。本日また別紙をつけた決議文を農林水産を含む予算の第三分科会の方へ送付いたしておりますので、これについても一応の討議はあるはずのものと心得ております。なお各党においても、各党から予算の理事等も出ておられるのでありますから、御協力を願いまして、それぞれ本委員会の決議が実現されるように御努力を賜わればまことにけっこうだと存ずるわけでございます。従ってもしも皆さんの御意向が、大体私が委員長席をはずして一応の結論のために努力する方が好ましいという御意見でございますれば、それをすることには少しもやぶさかでございません。御意見いかがでございましょうか。

足鹿覺日本社会党(左)

○足鹿委員 休憩を望みます。

綱島正興自由党

○綱島委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 では速記を始めて。  この程度で本日は一応休憩しておきます。     午後二時四十六分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかった〕

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