農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 125 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/27
会議録
○綱島委員長 昨日に引き続きまして、農林水産業の基本問題に関する質疑を続行することにいたしますが、質疑を始むるに先立って、一応皆様にお諮りをいたします。 昨日本委員会は、補助金等の整理等に関する特別委員会に連合審査を申し入れておきましたところ、特別委員長から、ただいま連絡がありまして、連合審査会はこれを開会しないことにしたが、委員外発言があれば尊重する、こういうことに理事会は決定をいたしましたからということで、返答がございました。なお向うの付言して言うことには、質問のお方は委員を差し繰り等していただければなおけっこうである、こういうことでございました。御報告をいたしておきます。 〔「報告を待つまでもない、委員長善処せよ」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 これは主査は向うなんだから、向うの理事がせぬと言えばそれまでのことで、裁判に負けた者が裁判に不服を言うようなものだ。 〔「委員長、抗議を申し込め」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○綱島委員長 速記を始めて下さい。
○川俣委員 ただいま委員長の報告によりますと、特別委員会から拒否するという報告に接しましたが、本委員会は委員会の決議をもって申し入れたのでございます。従いまして理事会等の返事を受諾するわけにいかないのであります。特別委員会において委員会の総意で拒否された場合は、あらためてこちらも考慮しなければならぬと思いますが、こちらでは正式な委員会の総意であることをさらに伝達されまして、善処方を希望する次第であります。
○綱島委員長 それは動議ですか。
○川俣委員 動議です。
○綱島委員長 今の動議をお諮りいたします。本委員会の全会一致の決議に基くものなるがゆえに、特別委員会は本委員会に対して、委員会の決議によって返答されることを求める件、これを動議といたして諸君にお諮りをいたします。ただいまの川俣君の動議に御異議ありませんか。 〔「もう一ぺん説明して下さい」と呼び、その他発言する者あり〕
○井出委員 ただいまの動議がちょっと喧騒の中でわかりかねましたので、もう一ぺん明確に委員長から御発言を願いたいと思います。
○綱島委員長 川俣委員が提出されました動議の趣旨は、本委員会は全会一致の決議をもって、補助金等の整理等に関する特別委員会に対して、連合審査の議を申し入れましたるところ、右特別委員会は理事会の決定をもって、この合同審査を拒否して参りますことは不当であるから、特別委員会の決議によれば格別、しからざる限りこれを了承しがたいから、その旨さらに右の特別委員会に申し入るるという動議であります。あらためて賛否を問います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 なければそのように議決いたし、なお委員長においてそれに沿う手続をいたします。 —————————————
○綱島委員長 これより質議を行います。川俣委員。
○川俣委員 昨日に続いてわずかな時間質問を続行いたしたいと思います。 食糧総合増産施策として積寒法を初め、湿田単作地域促進法あるいは急傾斜振興法、こういうような特殊立法がたくさんございますが、特に積寒法については政府においてさらに期間を延長し存続させるという御意思がありますかどうか。
○河野国務大臣 積寒法はわが国の農政から考えまして、特殊な地帯に対する施策でありますから、大へんけっこうなものだと考えておるわけであります。
○川俣委員 積寒法は日本の特殊事情からいたしまして、その果す役割が非常に大きいからけっこうだ、こういうことですが、私のお尋ねしておるのは、政府は積極的にこの積寒法を延長する意思があるかどうか、この点をお尋ねしておるのです。
○河野国務大臣 本法の沿革にかんがみまして、政府といたしましても議員提出でおやりいただくことは大へんけっこうじゃないか、こう思っておるわけであります。
○川俣委員 よく聞きとれなかったのですか、積寒法は議員提出法律案であるから、政府も同意するから議員提案において延長してほしい、こういう御趣旨のようでしたが、そのようですか。
○河野国務大臣 はい。
○川俣委員 そういたしますと、非常に国会の権威を重要視されて議員提出法律案などは政府がやるよりも、おせっかいするよるよりも、立法機関であるところの国会が大いにおやりなさい、こういう意味でありますから私はそれを了といたします。ところが一方において、ただいま問題になりました補助金等の整理等に関する法案というものは、議員立法がだいぶ入っておる。やめようとするときには政府がやる。存廃というものは議員の意思によっておやりになろうというお考えでありますならば、これは議員の意思によってきめられる方がほんとうではないか。農林省関係の中にも議員立法の法案が入っております。これは政府がやめる、こっちはお前の方でやれというのは、どうもちょっと片手落ちのような感じがするのです。
○河野国務大臣 そういう議員立法でできたものについては軽視する、またやめる際にはそういうものからやめていくというような考えに持っておりません。おりませんが、この積寒法については、法の沿革から申しまして今回も議員立法でしていただいたらどうかと申し上げたのでありますけれども、これはよく委員各位の御意思によりまして政府提出とすべきが妥当であるということならば提出することにやぶさかでございません。
○川俣委員 本来でありますならば、これは五年の時限立法でありまして、五年間にこの積寒法の予定いたしておりました土地改良事業を完了させるための時限立法であるわけです。こういう時限立法は、本来でありますならば永久立法的に存続すべきものでないと思う。ただし今までの執行機関でありました政府が、これらの法律に基いて誠実に法律を執行しなかった結果、存続させなければならない事態が起きたのであります、本来でありますならば五ヵ年でありますから、年々五ヵ年の間に完成ができるように予算を組み、執行の責任に当るのが本法の目的であったと思う。そこでこれは前内閣のことだといいながら、あとを引き継がれた内閣として、来年三月まで法律が有効でありますので、ことし全部これ予算をつけて、来年から廃案になってもいいように予算をお組みになる御意思はございませんか。法律のある間に一つ実行されたらどうです。もし実行できなければ、政府みずから延長の責任を負うてもいいのではないか。
○河野国務大臣 御意見でございますけれども、本年度予算では所期の目的を達する時間的になかなか困難でございますから、先ほど申し上げましたように、延長していただくことが妥当ではないか、かようにお願いしておるわけです。 —————————————
○綱島委員長 ちょっとこの際皆さんにお諮りをいたします。ただいま特別委員会の伊東さんがお見えになりまして、私が先ほど報告申し上げたことにちょっと違いがあるようですから、訂正をいたしておきたいと思います。理事会の決定でなく、こちらが申し込む前にあらかじめ委員会で、委員会の決議を経ておるそうです。こちらから申し込んでからのことは、委員会の決議じゃないが、そういういかなる委員会から申し出に対しても、これを断わるということになっておる。しいて農林委員会からの申し出があれば、今日の午後ならばできぬこともない、期日がないから明日では間に合わないが、今日の午後連合審査をやるならば、それをやってもよろしい、こういうお申し出でありますが、いかがいたしますか。こちらの日程の変更をしてやることにいたしますか、どういたしますか。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○綱島委員長 速記を始めて下さい。 それでは、午後一時より、こちらの質問を並行して連合審査をいたしてもらうことにいたしたいと存じます。いずれ昼の休みの時間に連合審査に御出席のメンバーを取りきめて、その通りに運びたいと存じます。 —————————————
○綱島委員長 引き続いて質問を進めます。
○川俣委員 今お尋ねしたように、今日までの政府の怠慢によって実行できなかった。しかしながら鳩山内閣がなお法律の有効期間中に成立されたのでありますから、本来でありますならば、最後の年度においてこれを完成させる義務があると思う。その義務を果し得ないとすれば、政府の方が積極的にこの法案の延長を提案すべきじゃないかと思うのですが、この点どうですか。
○河野国務大臣 先ほど御答弁申し上げました通りに、もしわれわれの方で延長の法案を出した方がよろしいということであれば、出すことにはやぶさかではないのでありまして、過去の経緯からいたしまして、引き続き議員立法でおやりいただいたらどうかという所見を申し上げたのであります。
○川俣委員 農林行政の中に、行政の不足を補うためにいろいろな特殊立法が出ております。これはまことに好ましいことともいえないわけではありませんが、そうじゃなくして、むしろ積極的に行政的に、また立法処置をとりまして、当然行なわければならない問題を解決しなかったために、やむなく議員立法によってこれの法律が出てきておると思うのです。現在の制度を変えないでも、法律をそのままにしておきましても、こういう特殊立法なしにも土地改良事業が行い得るのであります。それは大臣御承知の通りである。しかしながらそれでは予算的な裏づけがないというところから、予算化のために特殊立法がどんどん作られておる。土地改良法等によってこれは当然できることなんです。該当事項なんです。従って本来であればこういう特殊立法の必要はないのです。ところが幾つも出ておるのです。もうこれは整理の段階にきておると私は思う。積寒法があろうとなかろうと、予算の制約を受けておるし、またやらなければならないのです。急傾斜地にいたしましても、砂丘地にいたしましても、あるいは湿田単作地帯にいたしましても、あるいは畑地改良にいたしましても、当然農林省の大きな仕事として取り組んでいかなければならぬことです。あえてこういう法律が出たからやらなければならないという義務を負っておるのではなくて、本来の仕事なんです。従ってこれに十分な予算を裏づけるということになると、こういう特殊立法というものは要らなくなってくると私は思うのです。この点はどうです。
○河野国務大臣 御説の通りと申し上げるわけにも参らぬ点もあると思います。それは今お話の中にもありました通り、あった方がいいじゃないか。すべて相対的に考えました際に緩急がございますから、その緩急についての議員立法は議員諸君の御意見でございますから、それはやはり政府に対して十分なる示唆をする意味において適当だろうと思います。
○川俣委員 時間がありませんからなるべく簡略に申し上げますが、積寒法だけただ一本ある場合には、これは土地改良のうちでも最もこの点を優先的にやるんだいう意思表示だと見てよい。ところがこういう特殊立法というものは六つ出ておるのです。あらゆる地帯に適用するようにできておる。そうすると、緩急よろしきを得るというたって、六つのうちでどこを優先的にやるか。地域的にこういう散在したものを、積寒法だけを先にやるのだ、湿田単作地域だけを先にやるのだというように、予算を重点的にやるわけにいかなくなったんじゃないですか。それではお聞きしますが、この六つの特殊立法の中でどれを一体重点的に予算を配置されますか、こういう質問の仕方をしなければならないようなことになるのです。これは聞いたっておそらく答弁できないことなんです。
○河野国務大臣 答弁いたします。
○川俣委員 それではどうぞ、どれを順序といたしますか。
○河野国務大臣 立法の精神を体しまして、適当に善処いたします。
○川俣委員 どれを重点に予算を組まれましたか。私はこれを聞くのは無理だと思ったのですけれども、答弁するというのですから、どれを重点に予算的措置をとられましたか。
○河野国務大臣 どれを重点と申されますけれども、立法の精神を体しまて、それぞれの法律に該当するように考えておるわけでございます。
○川俣委員 おのずから緩急があるというのですから、その緩急の差がどのように予算的についておるか、そのことを聞きたい。私はこれは無理な質問だと思うのですよ。無理な質問だと思うけれども、答弁するというのだから……。
○河野国務大臣 ただいま申し上げました通り、各立法のそれぞれの提案者並びに院の精神を体してやっておるのでございますから、どちらをどうということはないわけでございます。
○川俣委員 緩急よろしきを得てやるというのですから、緩急よろしきを得てやった措置をどのようにとられたか、私ども予算書から見ると、一体どれを重点にやられたかというのが出てきません。また出ていないのです。だからお聞きする。
○河野国務大臣 各法律がみな同じではございませんから、それぞれの法律の精神にのっとってやるわけでございます。
○川俣委員 土地改良事業の中に、積寒法ではどれだけ、あるいは砂丘地ではどれだけということを詳しく予算に説明されておりませんか、この点は時間がないからあとに譲ります。次に補助金の問題について一点。外郭団体に対する補助金が幾つも出ております。これはもっともなものも出ておりますし、一体いつ因縁情実がついてきたかと思われれるようなものも資料としては出ておる、一々これを検討することは今日時間がないので、省略いたしますが、そのうちでも出ていない中に、食糧庁の関係の中に検定協会に対する補助があります。これは農林省の役人及び退職者並びに業者との間にできております団体でありますが、これは年々増員なんです。農林省の定員は縮小するけれども、そのはみ出しますのが検定協会に参る、こういうふうに農林省の定員は減らしながら、国費を食うところの外郭団体にみな行っているんじゃないですか、定員を減らした意味をなさないじゃないですか。補助がついていかなければ別ですが、ついていけばやはり同じことじゃないですか。この点どう思いますか。
○河野国務大臣 食糧庁のみならず、一般の外郭団体につきましては、これを整理すベきは整理し、統合すべきは統合するという方針でせっかく努力をするように今いたしておるわけでございますが、御指摘の検定協会につきましては補助金ではないのでありまして、検定の手数料と申しますか、そういうことでございます。しかしそれだからよろしいということではないのでありまして、これらについては十分考えたい、こう思います。
○川俣委員 これは手数料だというようなことは間違いです。食糧庁はそう言うのかもしれないが、運輸省の検数協会というのに対しては明らかに補助金が出ておる。同じ性質のものなんです。同じ政府が同じようなことをやっておるものには、法律上ちゃんと規定がありまして補助金という名目が出ておる。食糧庁のものだけは手数料だといって出すのはおかしいではありませんか。従ってもし出されるならば、こういうあいまいな形で出さないで、前前から何とか政令とかあるいは法律に基いて出すようにしたならば、もっと明瞭ではないか、出さなければならないというならば、ちゃんと予算の承認を得てやったらどうだ、運輸省ではちゃんとそうなっておる。農林省だけできないということはないじゃないか、運輸省と同じようなことをやると、二つできたということになって予算が削られるかもしれない、削られるような予算をなぜ陰でこそこそ出すのかということになる。十分時間がありませんからこれ以上質問しませんが、相当伺う問題が多々あると思います。あるのです。私は一例を引いただけです。善処されますか。
○河野国務大臣 私もただいま申し上げました通りに、総括的に整理をし、統合をし、節約をしていきたいと考えておりまして、せっかく検討を加えるように命じてあるわけでございまして川俣委員の御指摘になる点がそのままその通りであるかどうかということについても考えなければならぬと思います。ただし総括的にはただいま申し上げた通りでありまして、ただ検定は食管事務の一部をこれに委託しておるような格好になっておりますので、これらについては十分研究いたしまして、御趣旨に沿うように、しかも早急に一つ善処いたします。
○綱島委員長 鈴木委員。
○鈴木(善)委員 農林大臣に水産政策の基本問題につきましてお尋ねいたしたい。農林大臣は冒頭の委員会におきまして、総合食糧政策の一環とされて水産業の振興、漁民生活の安定ということを重視しておられるようであります。そこでお伺いいたしたいのでありますが、水産業の振興に対する農相の今後の施策の基本的な構想を一つお伺いいたしたい。
○河野国務大臣 ご承知の通り、食糧が米食から給食に順次移行して参るその過程におきましても、ないしはまたわが国の食生活全般の改良、改善の趣旨から申しましても、動物蛋白を非常に要求いたしますことは申し上げるまでもありません。そういう見地からいたしまして、これをにわかに一般家畜に依存いたしますことは非常に困難でございますので、できるだけ水産の増産、増殖をはかっていかなければならないという考えのもとに、三十年度予算におきてましても十分に考慮をいたさなければならないと考えたのでございますが、この点はただ単に節約予算という意味とは別にいたしまして、従来のわが国の漁業政策そのものに相当基本的に検討を加える点があるとは申しません、あるというほどの確信はありませんが、ありはしないか、どうだろうかということを考えておるのでございます。私自身といたしましても、ここに一つの明確な方向を持ってこういう方向で進みたいということを実は持っていないのでございます。これは正直に申します。そこで私といたしましては、国会終了後すみやかに、水産関係において水産政策の基本的な立案を再検討願いますために委員会、調査会というようなものを作しりまして、それによって新しい視野に立った水産政策を立てていきたい。それを基礎にして明年度から十分なる施策をして参りたいということにいたしておるのでございまして、これは私から申し上げませんでも御承知の通り、各水域におきまする漁業の調整、もしくは各水域におきまする漁業の推進の方向というようなものについて、考える段階にきておるのではないかと考えておる次第でございます。
○鈴木(善)委員 それでは政府の長期六カ年計画の中には、水産業の振興計画については載っておらないのでありますか、その点について伺いたい。
○河野国務大臣 載っておらないということではございません。それは従来の方式をそのまま載せてあります。ありますけれども、今申し上げましたのは、私自身が再検討をする時代だろう、再検討して、その結果生れて参りますれば計画を変更してもらう、もしその必要なしとすれば既定方針の通りで参ります。
○鈴木(善)委員 農林大臣も御承知と思うのでありますが、戦時中から戦後にかけまして、マッカーサー・ラインの設定等によりまして、漁場も非常な制約を受け、漁船等の損害も甚大でありまして、一時七億貫程度に非常な漁穫の低減を見たのでありますが、その後業界の非常な協力によりまして、復興を遂げまして、現在十二億貫程度の増産を見ておるわけであります。しかしながら今後、ただいま農林大臣も御指摘になりましたように、米麦中心の食糧政策から、さらに脂肪、蛋白等の食糧資源の開発という面をあわせ行わなければならない段階におきましては、一層の増産確保をはかる必要があると思うのであります。そこでまずこの漁業の増産をはかりますためには、漁港がその基本施設として非常に重要性を持ってくると思うのであります。ところがこの漁港の今年度の予算を見ますと、昨年の当初予算から見まして三億円余り、実行予算から見ましても相当の減額を見ておるような状況であります。この漁港の整備につきましては、四千港余りございます漁港のうち、整備計画として最も重要なものを四百五十港取り上げまして、施工をいたしておるのでありますが、いまだに七十五港が未着工のままに放置されておるわけであります。この第一次整備計画の四百五十港のほかに、なお重要なる漁港が整備計画にも載らずに取り残されておる現況であります。これは大臣も御承知の通り、神祭川県等におきましても、平塚港等の漁港のごときは、非常に重要な漁港でありながら整備計画にも載っていない。この修築整備は、わが国の漁業の進展の上からも、非常に重要な漁港である、こういう事情に置かれておるのでありますが、予算の制約からでありますか、すでに漁港審議会におきまして整備計画の改訂、第二次の整備計画といたしまして審議会で決定を見ておるにもかかわらず、いまだ閣議の決定、国会に対する承認を政府は求めていないという現状でありますが、この漁港予算と、今後の整備計画の取り扱い方につきまして、農相の御意見を伺いたい。
○河野国務大臣 予算関係におきましては、御承知の通り整備費の方はもちろん十分ではございませんし、御満足のいく予算ではございませんけれども、少いうちにも幾らかましだという程度にはなっておると思うのであります。ただ災害復旧費の方が全体的に多少繰り延べというような関係でいたしておりますので、相当の御意見があると思いますが、この点につきましては、これはあわせて将来においては、最初に申し上げましたような線に沿いまして、十分考えたいと思います。 なお整備計画のことでございますが、これも御指導の通りでございまして、もう一ぺん再検討をして、そうしてすみやかに御審議を願うということにして参りたい、こう思っております。
○鈴木(善)委員 漁港予算の問題でありますが、ただいま災害復旧の面等で少くなっておるというお話でありますが、修築予算の面におきましても、昨年の当初予算から見ますと、昨年は二十一億でございましたから、だいぶ減額を見ております。実行予算から見ましても、本年は少い。これが実情でございまして、ただに災害復旧の面だけでなく、漁港の修築は非常におくれておる。そのためにせっかく防波堤等の修築のために、国費をもって捨て石等をいたしましたものが、工事が進みませんために、波浪のためにそれが散乱をしまして、国費の浪費になっておる。これが現況であります。どうしてもこの整備計画に載りました漁港は予算の裏づけをいたしまして、急速に整備する必要がある。この点について今後農林大臣は一層の御配慮をお願いいたしたい、こう思うのであります。なお整備計画の改訂、追加の問題でありますが、これは本国会に御提案になる御予定でありますかどうか。
○河野国務大臣 ただいまの予算の点につきましては、十分に善処いたします。なお漁港の整備計画につきましては、本国会に提案する予定でおります、事務の都合等で万一おくれることがあるかもしれませんが、大体私は提案いたしたいと考えております。
○鈴木(善)委員 次に私は漁船の建造の問題について、御所見を伺いたいと思うのであります。沿岸から沖合い、沖合いから遠洋、こういうぐあいにわが国の漁業を発展させるという、この一貫した方針を農林当局は貫いて参ったのでありますが、そのためには漁港の整備と相まちまして、漁船を大型化し、近代化する必要があると思うのであります。現在六十万トン程度の十トン未満の非常に規模の小さい老朽の漁船が、沿岸に稼働いたしております。そのために沿岸の資源は年々枯渇いたしまして、漁業者の生活は日に日に窮乏を告げておるというのが現況であります。これをどういたしましても三十トンなり、あるいは五十トンなり八十トンなりの、少くとも中型の漁船に代船建造を進めるということが、漁業経済安定の面からいたしましても、また沿岸漁業の振興の面からいたしましても、非常に喫緊の急務であると考えておるわけでございます。この沿岸漁船の代船建造につきまして、農林漁業金融公庫のわくが昨年十五億でございましたが、実際に他の部面から年度末に調整をいたしまして、二十一億を融資しておるのであります。しかるになおそれでも漁船の代船建造に対する資金の需要が多くて、これでは申し込みの半ばにも達しない、そういうような現況であるのでありますが、それに対して今年度は、予定されております漁船の建造わくが公庫で二十億、こういうことに大体内定を見ておるやに承わっておるのでありますが、この漁船の整備の問題について農相は、この公庫のわくの増大、あるいは公庫わくがその程度でやむを得ないとするならば農林中金その他の面の金融の措置をいかようにおとりになりますか、その点をお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 御指摘の通り、予定いたしておりまする二十億で適当であると考えておりませんので、いろいろ金繰りの関係で予定からそういうように一応はいたしておりますが、公庫の利息とかもしくは返還金でありますとかが融通のつく限り回していく、これは先ほど申し上げましたように、漁港の問題にいたしましても、漁船の問題にいたしましても、条件がただいまお話しのように沿岸から沖へ、沖から遠洋へというような傾向と相伴いまして、将来の方針を一応しっかり定めまして、そういうものに見合いまして一つ線を打ち出して参りたい、こう考えておるような次第であります。
○鈴木(善)委員 この漁船の大型化、近代化の問題は、漁港の整備と並行し、関連をして進めていくべき水産振興策の基本的な二つの大きな問題であろうと思うのであります。現在の二トン、三トンというような小さな小型船でありますれば、いつまでもこれは企業としてのベースにも乗らない。従って金融機関の対象にもならないというようなことで、おそらくこのような形においては農業政策に乗ってこないと思うのであります。これをどうしても企業ベースに乗せまして、そうしてそれに対する振興政策を立てる。また漁場の調整等もはかる。日本の将来の漁業構造を考えて、各漁業に適正にこれを配分するというような施策も、現在のような零細規模の漁船、金融ベースにも乗らないような状態においては、とうていこれは水産政策は立たないのじゃないか、こう考えるわけでありまして、ぜひともこの漁港の整備と、漁船の近代化、大型化という問題は、強力に今後ともお進めを願いたい、こう思うわけであります。 次に水産輸出の振興策についてお伺いいたしたいのであります。御承知のように農林水産業の面におきまして、水産輸出の占める比重というものは非常に大きいのであります。昭和二十八年度におきまして七千八百万ドル程度、二十九年度は一億ドルをすでに越えておると思うのであります。すなわち総輸出額の一〇%に近いような非常に重要な輸出品に相なっておるのでありますが、最近の情勢といたしまして、あるいは対米マグロカン詰、冷凍品の輸出、そういう面も非常に価格が低落をいたし、また関税問題等もアメリカ国内でいろいろの反撃がございまして、輸出が伸び悩んでおる。そこで相当の滞貨が現在国内にございます。そのために漁業生産者の方に大きなしわ寄せがされまして、ここ数カ年の平均が貫当り三百円以上でありましたビンチョウマグロが、今年は百五十円あるいは二百円というような非常な暴落をいたしておる、こういう現況でございます。このような状態に放置いたしますと、日本の漁業の中心でありますところのマグロ漁業が壊滅するというようなことに相なると思うのでありまして、特にこの輸出振興については何らか特段の強力な施策を必要とすると思うのであります。生糸につきましては糸価安定の対策を政府はおとりになっておるのでありますが、この重要な、生糸以上の輸出額を占める水産輸出の面に対しまして、今後輸出の振興策としてどのような対策、措置をおとりになりますか、この点をお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 今せっかくガットでいろいろ話し合っておりますけれども、私といたしましては、御指摘の通り生産から消費まで、特に生産部門に力を入れなければならぬと相並行いたしまして、流通過程もしくは輸出についても特別の考慮を払わなければならぬと考えております。対米関係におきまして十分な了解、理解という段階にいっていない点もありますことははなはだ遺憾でございますが、今後は外務当局とも十分連絡をとりまして、何とか打開の道を講じなければなるまいと考えておる次第でございます。
○鈴木(善)委員 本年の北洋のサケ、マスの出漁に当りまして、農林大臣は思い切った施策を打ち出されまして、船団も昨年の倍に近い数に増強されました。従いまして今年の輸出カン詰は、昨年二十七万個程度輸出されておりますが、百万箱近い生産があるのじゃないか、このように三倍に及ぶような生産を一方においていたしております。ところが、英国等のこの輸入に対するポンド割当というものはそう楽観を許さない状況にあるのでありまして、販路の開拓なりあるいはこれら生産品を投げ売りをしないように、価格を安定し、採算のとれるような形で輸出を進めていくというためには、国内といたしましては共販会社あるいは組合等に対して融資の裏づけをするとか、そういうような手当を今から考えておく必要があるのじゃないか、マグロの面につきましても同様であります。前に国会におきまして、水産輸出が独禁法等の制約から国内の足並みが乱れる、そこを外国商社に乗ぜられるというようなこともございまして、そこで輸出水産業振興法を特に制定をいたしまして、独禁法を一部打ち破って国内の輸出態勢を整備するという施策を議員立法でやったわけであります。これは画期的な法律でありますが、この裏づけとしての安定貸金の融資の面が不十分でございますために、十分なる効果を上げておりません。真珠にいたしましてもあるいはマグロにいたしましても、サケ、マスにいたしましても、鯨にいたしましても、これら重要な輸出水産物の価格の安定また輸出の時期、数量等を適正にはかっていくためには、どうしても輸出振興法の裏づけとして融資の措置を講ずる必要があると思うのであります。そこで、この融資の対策について農林大臣は、あるいは輸出入銀行法の改正でありますとか、あるいは輸出水産業組合を農林中金の加盟団体にするとか、いろいろな施策があると思うのでありますが、具体的に今後いかような御措置をおとりになりますか、その点をお尋ねしたい。
○河野国務大臣 御指摘の通りでありまして、せっかく輸出の裏づけとなる必要な資金については、目下それぞれの関係と折衝をいたしております。 なお販路の拡張につきましても、従来英国方面を主要市場としておりましたのを、最近はフランス方面にも売るようにするという話も一部あるわけであります。諸般のことを十分推進できますように農林省の必要な協力に十分にこれをいたして参るつもりであります。また、ただいま御指摘になりました金融関係の直接の施策につきましては、十分検討いたしまして、なお御協力いただきまして、われわれとしてできる範囲のことはいたす所存でございます。
○鈴木(善)委員 私の持ち時間もございませんからこまかな点は後に譲りまして、きょうは一番基本的な漁港の問題、輸出振興の問題、この問題につきましては、特に農林大臣として従来の施策を御検討いただきまして、思い切った施策を講じていただきたいということを強く希望いたしまして、私の質問を終ります。
○松野委員 議事進行について……。政府ははなはだ不勉強か怠慢か知りませんが、法案の提出がおくれておる。たしかこの前農林大臣から当委員会に、予算に関するもの七件は二十日までに提案されるという言明もありましたが、いまだに法案の提出がほとんどない。これではせっかく予算の審議が進んでおるときに、当委員会としての審議はほとんど進まない。進まないどころかできないのです。不能なんです。この状況は政府の怠慢ですから、委員長において十分政府に警告を発するなり、督促をするなり十分善処されるように議事進行として発言をいたします。 なおもう一点、昨日の農業委員会に対する書面をもっての御回答がございません。これも一つ委員長から、議事進行上はなはだ不都合な点がございますから、適当なる督促を政府にされるように、議事進行としてこの二点を一つ委員長に強く発言していただきたいと思います。
○綱島委員長 委員長からちょっとお答えいたします。後段の方の松野委員の農業委員会の補助の一部を地方交付税交付金の中に入れたてんまつに対する文書による答弁のことは、用意をしておられるそうで、午後には大体出てくる見込みだそうであります。
○河野国務大臣 本国会に提案予定の法案はすでに申し上げてあると思いますが、大体七つの予定でおるのであります。そのうちおくれますものに、愛知用水に関する法案は御承知のような経過でございまして、なお基本になるべきものに一部未決定のものがありますから、これも、月を越すと思いますが、来月なるべく早い機会に提案するつもりでございます、それからあと一点は、家畜共済に対する法案でございますが、これは大蔵省との折衝がどうもうまく参りませんのでおくれておりますが、これは両三日中に提案をするつもりであります。あとはすでに国会に提案したものもありますが、農林省としては一切の準備を終りまして、今印刷その他の段階に入っておる、こういうことで御了承願いたいと思います。おくれたことは、まことに相済まないと思っております。
○赤路委員 関連して簡単に質問させていただきます。ただいま鈴木委員からマグロ関係漁業の非常に逼迫した状況について説明があって大臣の方の答弁を得たのですが、先般ビキニ事件の補償問題に対する対外折衝経緯の概要というのをいただきました。これを読んでみますと、どうもふに落ちない点があるので、この点少しお尋ねしてみたいと思うのであります。この第六項目によりますと、対米折衝の際政府は約二十五億円の要求を米国側にしておる。このことがここに具体的にいろいろの項目別に金額をあげてしるされておるのですが、この約二十五億円という数字は、おそらく政府の責任ある機関によって調査された数字であろうと思う。ところかアメリカ側から出されたものは二百万ドル、七億二千万円である。政府が責任をもって調査された二十五億円という損害が、七億二千万円で決定されたといういきさつがどうにもわからない。おそらくいろいろと関係がかあっただろうと思いますが、七億二千万円、二百万ドルで決定したいということに、少くとも政府の方では二十五億円との差十七億八千万円というものは、政府の責任において補償するという前提に立ってなされたものと思いますが、その点はどうでしよう。
○河野国務大臣 ただいまの御質問の点につきましては、御承知の通り前内閣より引き続いてこの内閣に持ち越した問題でございますが、この内閣といたしましては、各省にわたる問題でありますし、また交渉は外務省が当ったことでありますので、官房長官を中心にしてこの問題を取りまとめ処理をいたした関係から、私からお答え申し上げますよりも、もし必要があってお許しを願えれば、官房長官から直接お答えをした方が詳細に御了解が願えるのではないかと思っております。決して私は責任を回避する考えはありませんが、この問題には直接衝に当っておりませんので御了承いただきたいと思います。
○赤路委員 大臣が直接この衝に当っていないということですが、その点は私も認めたいと思います。おそらくこの質問は外務大臣にするのがほんとうの筋合いだと思うのです。しかしながら今官房長官からお話を聞けということですか、それはただそこまでに至ったいきさつの説明にしかすぎない思う。とにかく現実に、十五億という損害を政府に調査して出しておる。業者がか計算をして出しておるものは、生産者だけでも二十七億円です。これに流通業者を加えますと、おそらく五十億円ほどの損害になっている。そのことは当然わかっている問題です。しかも政府の代表機関が二十五億と出しているのに、それを七億二千万円で決定しているというのだから、その差額は当然何らかの形で政府が責任を持つという意思がなければならないのじゃないか。であればこそ二百万ドルでこれが妥協を見たのだ、私はこう思うから、政府としてはその差額を何らかの形で補償する意思があるかどうかということを大臣にお聞きしたい。いきさつでなしに、現実にある差額をどうしていただけるか、こういうことです。
○河野国務大臣 ただいまお答え申し上げました通りに、七億二千万円の分配に当りました際に、それぞれの関係業者と官房長官との間に話し合いをしたと私は思うのであります。その間のいきさつを私実は了承いたしておりません。従って今お話の通りに、二十五億ということに政府が一応損害をとりまとめて、それを政府が七億で一方的にやめてしまった。そしてなお一方にこれらの関係者と政府との関係未解決であるということであるならば、これに対して私からもお尋ねのような点についてお答えを申し上げなければならぬと思うのでございますけれども、今申し上げますように二十五億に取りまとめをして、これを前内閣以来外交当局がどういうふうにしてアメリカと交渉して参ったのか、交渉の結果七億二千万円にきめたことはこれは既定の事実でございます。きめるに至ります経緯、これも私は了承いたしておりません。また七億二千万円を分配いたしますに当りまして、これを取り扱いました官房長官とそれぞれの業界の人たちは、しばしばお会いになっているようでございます、またお会いになってその結果所定の七億二千万円の分配によって一応問題が妥結しているやに私は官房長官から結果だけを承わりました。しかしその間の経緯は存じておりません。従いましてもし必要があれば、その経緯も官房長官から承わって参りまして、当業者との交渉のいきさつ、てんまつ等についても承わって参りまして、またそれに対する私の考えもその機会に申し述べるということに御了承いただきたいと思います。
○赤路委員 この問題はここで何ぼ押し問答をしても、少し大臣のお考えと私のとは食い違いがあるようです。これは現実にわかった問題なのですから、いきさつがどうだとかこうだとか、前内閣時代からの引き継ぎの事項であるとかいうのではなしに、今の内閣において七億二千万円で妥結をしたということはこれは事実なのです。しかも前内閣から引き継いでいるから責任がないということじゃないと思う。二十五億という数字にこれにその当時における政府機関が責任をもって調査した、これもまた事実なのです。そこに差ができている。現に鈴木君が言ったように業者は非常に困っている。今このことで政府に訴訟を起されている。この訴訟を起されているという事実は、ほんとうに業者か納得しているのだということではない。だからこれに対して政府はどういうふうに処置しようとされるか。私はおそらくこの差額というものは政府が責任を持つという意思かあればこそ二百万ドルで妥結したのだ、こういうふうに思うから、その点についての大臣の御意見なり御所見なりを承わりたい。
○河野国務大臣 一応私のお答えした点は御了承いただいていると思います。しかしただいまお尋ねのよう、二十五億であったものを七億で政府がよろしいと言った、その気持はどういうことか、どういうわけで七億で政府は折れてしまったのか、折れるについてはあとの差額について自分で払う気持があったから、アメリカの方についてはそれで承知しただろう、それとも払う気持もなしに、ただ漫然とアメリカの関係をやめたのか、それはどうなんだというお尋ねだと思います。これは当時のいきさつを率直に明確に申し上げます。おそらくこれも私は責任をもって申し上げることは実は困難でございます。なぜかと申しますと、これを外務大臣が七億二千万円でアメリカとの関係を妥結したという当時は、御承知の通りに前内閣の当時は非常に少い金額で、それがアメリカ側の意思であり、こちら側も少い金額で交渉しておった。決してこちらが二十五億の線で突っぱつておって、アメリカ側の方が少いものじゃなかったように私は当時聞いておりました。これに御承知の通りと思います。従いまして今のような前の内閣の交渉の経過からいたしまして、おそらく現在外務大臣とされましてはこの程度で妥結するならば満足ではないか、これ以上していては、いつまでたってもきまりがつかぬのじゃないかいうようなことで、便宜的に妥結されたものではなかろうかと私は想像するのであります。諸般の政治的解決をせられたのであって、今御指摘になりますような計数の上に立って解決したものじゃないというように私は考えるのであります。従ってこの程度の差額については、差額は出すということがその当時きまっておれば、根本官房長官が扱います際に決してあんなに長引かずにこれはさしあたり向うからもらった金でこれに政府がつけ加えて出すのだから、それに政府が予算措置をするということならあれだけ時間はかからなかったと思う。しかしあれだけ時間をかけていろいろ折衝された経緯から見ると、外務当局の扱いました気持、また内閣を代表いたしまして根本官房長官がこれを取り扱いまして経緯は、このアメリカから来たもので一応処理をしていきたというようなことで扱ったのだと、私は想像するのであります。そこで問題は別になりまして、それでは絶対にマグロ業者の立場から非常に困る、ないしはまた内地の各種の販売業者の立場から困る、これが救済を言うと言葉が違うかもしれませんが、対策が農林大臣それでよろしいかという問題は、別個の問題として取り扱うべきか、ないしはまたどうしても訴訟によってでもあれは取るという問題になるか。訴訟の問題は訴訟の問題といたしまして、国内のマグロ漁業の振興の立場に立って、あれによって受けた打撃を農林行政として、どういうふうにこれを補足改善していくかという立場に立って私の意見を述べろというならば、私は意見を申し上げることにございますけれども、今の差額をどうするかということになりますと、私一存でここで意見を申し述べることは過当でないということで答弁申し上げたのでございます。
○赤路委員 大体今の大臣の答弁の要約は、自分一人の意見としてここでそれに対しては答弁ができない、こういうことだと思います。それでこれは現在の段階では非常に重要な問題である。よく一つ閣議でもお諮り願って、書面でもけっこうですから何分のお答えが願いたい。 それからもう一点。鈴木君が質問いたしました基本的な水産行政のあり方について、水産の増殖をはからなければならないということをおっしゃっているわけでありますが、また従来の水産行政の再検討をしよう、これは私はごもっともなことだと思う。ただこれは御参考までに申し上げておきますが、今度の三十年度予算を見てみますと、大臣のおっしゃっている水産増殖をはかるのとにはおよそ逆な方向に予算措置がなされている。このことを一例を取って申し上げますが、小型漁船底びきの整理は五カ年計画でもってなされ、本年か最終でございます。整理の当初目標隻数は大体完了になっております。ところが整理をするということは、これはもちろん目的でございましょう。しかし整理を受ける該当船はこの説明書にもあります通り、第四年日の二十九年度は一億六千万円の中で一億三千万円、それから第三年度の分二十八年度は一億七千万円の中で一億五千万円、これだけのものが魚礁として沈船されておる。このことは沿岸の魚族が非常に枯渇しておるので、沿岸魚族の維持保存という面から非常に喜ばれている。そうすると昨年度の予算から比べますると、本年度に約一億五千万円。この線が減っておる、このことに沿岸魚族の維持保存のための魚礁設置というものが大幅になくなったということを意味する。減船整理というその表通りの面では一応五カ年計画は達成されております。しかし副次的ではありますが、むしろ今日の段階になればこの減船整理をすることによって沈船をし、それによって魚族の維持保存増殖をはかっていくということがむしろ主目的になっておる、これが一億五千万円予算面でなくなっておる、私は当然これは水産増殖の方に向けられなければならぬものであると思う。ところが水産増殖の面でも一千四百万円全体として減っておる、どこもここも減ってきておる。これでは沿岸における魚族の維持保存増殖ということはおよそ不可能じゃないかと思う。こういうような経過をたどっていきますと、今治事件というものが起るわけです。御承知の通り今治事件は三日間にわたって二百人の人間がお互いになぐり込みをかけて、血を見ております。これは単なる今治における漁業のエゴイステイツクな行為だけとは私は律し切れないと思う。こういうような面がございますので、後ほど御検討あるということでございますから、一つの検討の資料として十分御参考にしていただきたい。今後再びこういうことのないように、いずれ水産小委員会で今治事件につきましてはしさいに御説明願いたいと思います。 非常に長くなって他の方には失礼でございますが、もう一点関連してお尋ねいたします。農林大臣は農業の多角経営によって農家経済安定をはかっていきたいということをたしかおっしゃっておられる。そうして今度の予算面でも、畜産であるとか養蚕であるとかいうことに予算のウエートをある程度置かれて、多角経営を大いに推進されようといたしておる。この点まことにけっこうだと思う。しかしながら養蚕の方にいたしましても、ナイロン系統、化繊が非常に発展いたしました今日、なかなか輸出も大きく伸びていかない。あるいは畜産にいたしましても、今日畜産の方々はむしろ乳価が下落したために、酪農をやっておる諸君は非常に困っておる。こういうような状況にあろうと思う。これはやはり農家経済の安定のためには、当然今後といえども推進していかなければならないものだと思うが、いま一点私は大臣に今後研究の課題としてぜひ一つ考えていただきたい点、それは何かと申しますと、マスの養殖であります。御承知と思いますが、今までマス養殖につきましては、水温は十度を適温とし、しかも清澄なる涌水でなければならないということが一つの常識になり、各書物を見ましても、そういうふうになされておる。ところが最近日本のマス養殖の技術は非常に進みまして、おそらく私はアメリカのマス養殖を上回るのではないかと思う。それで私の言いたいことは、一毛作田の裏作として、水温二十度が最も適温であることが明確になったということ、しかも一毛作田の裏作として稲田に放流して成長をしておるという事実、これらの点を十分一つ勘案願って、特に東北地方で娘を売らなければならないというような、こういう零細な農家には、裏作として遊ばしておく田をこれでもって補っていくということは非常に重大な問題だと思います。しかもこれは外貨獲得の一つの大きなケースでございますので、十分この点もあわせ御研究おき願いたい。これだけ希望しておきます。
○綱島委員長 午前中はこれにて休憩いたしまして、午後は一時二十分より再開いたします。 午前十一時五十八分休憩 ————◇————— 午後一時五十七分開議
○綱島委員長 午前に引き続き会議を開きます。 質問の通告がございますから、これを許します足鹿覺君。
○足鹿委員 私は、大臣に予約売り渡し制並びにその中心である三十年産米価問題について、主としてお尋ねをいたします。 その前に資料を要求いたします。先日の大臣に対する私の質疑に対して、食管特別会計については十分検討するのに必要な資料は遠慮なく申し出てもらいたい、幾らでも出す、こういう御言明がありましたので、とりあえず以下申し上げるものを即急に御提示願いたい。朗読いたします。 食管特別会計等に関する資料要求 一、時期別、産地別、銘柄別価格差の内容。 二、集荷業者の集荷登録制度の内容。 三、三十年産米に対する米価専門委員会の価格算定方式の案、またそれに基いて試算される三十年産米の試算米価。 四、昭和二十年以降における食管特別会計の損益額及び三十年度食管会計編成の基本データ。 五、昭和二十九年産米に対する米価審議会答申。 六、消費者価格十キロ当り七百六十五円の据え置きの場合の算定内容及び消費者価格据え置きを前提とし、買い入れ数量二千三百五十万石の買い入れ代金を石一万円とした場合の特別会計の損失の試算。 七、基本米価構成の過去五カ年間の推移。 八、政府支払い供出平均価格の過去五ヵ年間の推移。 九、過去一カ年間のパリティ指数の推移。 十、三十米穀年度の米穀需給推算。 十一、三十年度の米の集荷制度に関する政令案。 この第十一項目については、あとでさらにお尋ねをいたします。 十二、二十年産米の県別作況指数と県別供出数量及び県別加算願支払額の予定表。 これは先日予算委員会において私が要求をいたしましたが、あの作況指数と供出数量によってはじき出された減収加算額の府県別表払いの一覧表であります。それをもあわせて御提示願いたい。 十三、昭和三十年度外米、外麦輸出国別輸入数量、価額、単価等の予定表。 十四、最近時における都道府県別、内地米、準内地米、外米別米価の配給日数。 十五、米の配給(消費世帯に対する配給)に要する一日当り都道府県別所要量。 十六、六大都市における消費世帯やみ購入量価格及び配給量並びに配給日数。 以上、十六項目ありますが、これを上げますから、これで一つ正確に準備をしていただきたい。 そこで、最初に大臣に伺いたいのでありますが、政府は去る五月七日付をもって閣議決定をいたし、昭和三十年産米の集荷に関する件という、簡単な、五項目からなる決定をいたしておるのでありますが、この決定の線に沿って本年度の予約売り渡し制を実施するのであるか。今後新たなる事態が起きた場合は、この閣議決定を修正する用意があるのかどうか、この基本的な問題について、お尋ねをいたしたい。
○河野国務大臣 新たなる事態というのはどういうことかわかりませんが、この閣議決定の線に沿って実行して参るということにきめておる次第であります。
○足鹿委員 この三十年産米の集荷方式の問題でありますが、この閣議決定によりますと、生産者の自主的売り渡しを集荷業者の活動によって促進することを基調とし、地方行政庁、関係農業機関がこれに協力する体制であるといわれるが、この新制度の根本的方針と、食管法第三条の生産者の政府への売り渡し義務規定との関係はどういうふうになるのでありますか、それを伺いたい。
○河野国務大臣 かわってお答えいたさせます。
○清井政府委員 ただいまの御質問の点でございますが、これにこの閣議決定にもあるのでございますが、政府があらかじめ集荷予定量を全国集荷団体にお示しいたしまして、全国集荷団体は県の団体へ、県の団体はまた市町村の団体へというふうに、逐次集荷予定量のその担当の割合をお示し願うように、行政指導でやって参りたいというふうに考えておるわけであります。そこで生産者に対しましては、その生産者が売り渡しの見込み量というものを申し出るわけであります。そこで団体におきましては、政府の全国的な集荷予定量のうちの当該割合と申しますか、その部分についての数量と、その生産者が自主的に申された数量とを勘案いたしまして、できるだけ生産者の予定量が政府の予定量に合うように努力をしていただくわけであります。そこは自主的にやっていただくわけでありますが、終局的には法律上の強制力はないわけであります。終局のところ、生産者が、この制度によりまして、政府に対してこれこれの数量を売るということを決定をいたしまして、それを集荷団体を通じまして、政府に売り渡しの申し込みをいたすわけであります。申し込みをいたしまして、所要手続によりまして政府がこれを受領いたしまして、そうして契約が発生するということでもって、政府と生産者との関係が法律的に契約として成立するわけであります。そこで生産者が、そういうような手続によって、政府に対して一定数量の売り渡しの申し込みをいたしまして、政府がそれを受領をいたしまして、契約が締結せられますと、それを食糧管理法第三条第一項の、命令をもって定めるという別の政令でもって規定いたしまして、公法上の義務といたすというふうになっております。これは法律問題と実際上の契約問題と両方に分けて考えております。自由な意思表示によって、政府に対して申し込みをさせ、それによって契約が成立したものを、この法律の第三条第一項、公法上の政府に対する売り渡し義務といたすというふうに、制度的にはさようにやる、こういうふうになっておるわけであります。
○足鹿委員 いろいろ解釈がありますが、現行食管法はそのままであります。現在農民は、この制度によって集荷が進められたにいたしましても、政府以外に食糧を売ってはならない、この規定によって縛られておる。ところがこの閣議に見るところによりますと、従来の供出割当制にかえて、生産者の自主的売り渡しと、生産者から委託を受けた集荷業者の活動促進を基調とした集荷方式をとるということを言っておる。生産者の自主的売り渡しということは、今長官が説明したこととは、この閣議決定とは矛盾をいたしませんか。生産者は、この集荷制度が気に入れば価格の問題、あるいは奨励措置の問題、報償措置の問題、いろいろな問題が気に入れば、政府に対して売り渡しの契約をするでありましょう。しかし気に入らない場合は、政府に対してこれを売り渡さないでありましょう。しかし従来は、政府が法によって売り渡すべしという割当をするのであって、今度の場合は、閣議決定によって生産者の自主的売り渡しを基調としていくのでありますから、同じ食管法第三条であっても、その運用と適用は、今度の場合はよほど異なってきておる。法律論はどうであろうとも、この閣議決定によってやられれる場合は、食管法による強制供出の建前をくずして、生産者の自主的売り渡しということに法の運用がなされておる。それに基いて農民は政府に売り渡しをやっていくわけであります。そうした場合に、政府は予定集荷量をどれくらいに押えておるか知りませんが、予定集荷量に達しなかった場合に、この食管法第三条の運用は、一体従前通り有効であるかどうか、これは大きな問題になろうと思います。大臣の御所見はいかがですか。
○河野国務大臣 ただいま長官からお答えを申し上げました通り、あくまでも自主的に農民諸君の意図によって運用して参りたい。また一面において、足鹿委員の御説の通り、そういうふうに考えて、そういう場合にどうするかということになりますると、そこに一つの問題が考えられないことはないと私は思います。しかしわれわれは、ことに私といたしましては、この制度を採用するに至りました経緯については、御承知の通り、農業協同組合の精神をなるべく十二分に発揮いたしまして、そうして農家の経済の確立に資したい。どこまでも農業協同組合精神の万全を期してこれを政府の行政と相合致して所期の目的を達するようにして参りたいということに基本の考え方があるわけであります。従いましてこの制度を採用いたしました出発の経緯等からお考えいただきましても、お話の通り、農業団体の諸君の非常に強いこの制度についての御意見もあったのであります。そこでわれわれといたしましては、当然全国農民諸君の御意思がそういう方向にいくことなら、一つ採用してみたらどうだということがありましたので、この運用によってその所期の目的が達成できるというような考えからこの制度でいきたい、こういうわけでございます。
○足鹿委員 ただいま農業協同組合の問題に言及されましたから、それに関連してさらにお尋ねいたします。この集荷方式によりますと、全国の集荷については政府が責任を負っておるように思われますが、そうでありますか。
○清井政府委員 集荷をいたすという責任は政府が負って、いるわけであります。
○足鹿委員 全国の集荷責任は大体政府が持っておるように私も思っておりましたが、ただいまの言明はそうでありますか。ところがこの要綱によりますと、それ以下の都道府県段階においては指定集荷団体の責任であるようにも受け取れます。この要綱をずっと見てみますると、国が全国の集荷団体に指示をいたす。それを受けた全国の集荷団体は、都道府県の推進協議会にはかって指定集荷業者に対して要請をする、こういう形になっておるようであります。そういたしますと、国の段階までは政府が責任を持っておりますが、都道府県以下におきますとどこが責任を持っておるのか、この要綱によりますとはっきりわからぬ。農協が推進協議会やその他関係機関の協力を得てその集荷の全責任を負っておるように大体見受けられます。間違いであればその点を明らかにしていただきたいが、もしそうであるといたしますならば、農協というものは純然たる経済行為を行う団体である。今のように政府から都道府県、都道府県から農業委員会を通じて別途に指示割当をされた米を現在農協が集荷するのと、そういう場合でなしに、政府が全国集荷団体に指示をしたものをその線でずっと農協へ割り当てていきますと、今の県や市町村や農業委員会の役目と、一方集荷団体としての、純粋な集荷業者としての農協、両方の職責を果すようにこの要綱では見受けられますが、農協にそういう政府の行政責任の一端を負わせ、一面においてはまた経済行為を負わしめるというようなことが果して妥当なものでしょうか。農協にそういう行政上の責任を分担せしめるような、政府のいわば大きな政治的責任を農協に負わせている。しかも現在の農協は御存じのように設立、加入、脱退は組合員の自由意思である。そういう純然たる経済団体に政府の行政責任を分担せしめることが妥当であるかどうか、その点が分明でありませんが、政府はどういうようにこれを考えておりますか。
○河野国務大臣 行政責任を分担してもらうというような建前ではないと考えます。
○足鹿委員 ない理由はどういう理由でありますか、それを少しはっきりしていただきたい。あなた方が全販連に出し、あるいは都道府県知事に出した閣議決定及び集荷要領等を見ますると、そうでないというゆえんはどこにもはっきりしておりません。大臣が無理なら食糧庁長官が大臣の御意見を代行されてもけっこうです。
○河野国務大臣 ちょっと私から申し上げて、あとから事務当局から補足説明をさせたいと思います。考え方といたしまして、従前の割当制度の時代には、御指摘のように地方長官ないしはそれぞれの機関に行政の事務の一端を負わしたということでございますけれども、今回は申し上げます通りに、自由意思によって売り渡しを受けるということを基調にいたしております。従いましてこの目標、あり方等についてのものさしは、これはお互いに相談して、こちらの希望は申し入れいたしますけれども、その責任を負ってこうあらねばならぬ、あああらねばならぬというところの責任を義務づけるというような考え方でいっておるのではないと私は思うのであります。なお私の申し上げましたことで足りない点は、事務当局から補足説明をいたさせます。
○清井政府委員 ただいま大臣が御説明申し上げた通りでございまして、これはあくまでも随意契約と申しますか、厳密に言いますれば。法律上の責任者は個人の生産者でございますが、この間今までのような割当ということでなしに、ただいま申しましたような方法によって全国の予定集荷量というものをお示しする。と申しますのは、政府と生産者と契約を結ぶ技術的な方法としての問題でございまして、あくまでこれは事実行為でありまして、実際面の指導においてこれを実施いたすということでございまして、契約の基調はこれは生産者と政府との契約ということになっております。その契約を先ほどお話しいたしました通り、三条一項では公法上の義務と結びつけるということがあとに残つておるのでありまして、その前はあくまで生産者と政府との契約、団体を通じての委託契約をするという形でやって参りまして、その契約をやる前の前提としての行為でありますので、あくまで事実上の行為ということで実際問題としてやって参る、こういうふうになろうかと思います。
○足鹿委員 あまり事務的なことをこまかくお尋ねするのはどうかと思いますから、先に進みますが、そうした場合にあくまで自主供出である、結局そうした場合に、政府は大体予算案を通じて見ますと、二千三百五十万石をこの制度によって確保することを想定し、立案しておるようでありますが、その通りでありますか。
○河野国務大臣 大体昨日も問題になりましたが、平年作を目途といたしましてそういう数字でいきたい。こう考えておるわけであります。
○足鹿委員 そういたしますと、もし政府の予約期待数量に実際の予約申し込み数量が達しない場合、あるいは予約数量がいろいろの事情によって減ずる場合、いろいろな場合が出てくると思いますが、その集荷目標に達しないときには食管法第三条第一項の義務割当数量の割当方法はどういう基準に基いておやりになりますか、どういう方法でやりますか。
○清井政府委員 ただいまの点でございますが、先ほどちょっと申し上げました通り、初めこれは契約と申しますか、事前申し込みによって申込みをしていただいて、申し込みをして政府と契約ができてましたものを三条一項の義務数量にいたします。その後実際上の作況を見まして、ただいまお話のありました通り、予定より非常に少かったということ、あるいは申し込み数が少かったというようなことで、三条一項の問題とは関連はございますが、全体に集まらなかったという場合には、これは全体の制度の問題でありますから、制度の問題として別途検討しなければならぬかと思います。ただ予定よりも非常に作況が悪くて、あるいは初め申し込んだ数量よりも出せないということがございますれば、今まで補正という制度がございますから、この制度を活用するわけでありますが、政府全体の予定数量が集まらなかったという場合の措置は、別途そのときにいかがするかということは、制度全般として考えなければならぬということになりますので、三条一項とは直接の関係はないということになると思います。
○足鹿委員 それはおかしいじゃないですか。制度全体の問題としてほかに検討するということはどういうことですか。そういたしますと政府が予定されることに、大体手が打てないという場合には内地米の配給日数を少くするか、外米や準内地米をそれにかえるか、あるいは今いろいろな方面でこれが統制撤廃の一ステップじゃないか、こういうふうに世間では言っておる、そういう事態をあらかじめ招来ておることを——今長官の言っておる別な制度を全体的に考えるということは、そういう意味をさしておるのでありますか。とにかく法的には第三条によって割当をしたものとみなすと言いながら、今予定数量に達しない場合は他に別途に考えるということは、前の御答弁の趣旨とよほど違ってきたようでありますが、この点はどうですか。
○河野国務大臣 誤解があるといけませんから、ここで私から一つお答え申し上げておきますが、所期の目的を達し得なかった場合には、たとえば自由販売に移行することを考えているのじゃないか——そういうことに現在の段階においては考えておりません。今全体として考えるということは、このわれわれか今考えて実施いたそうとしております制度のどこに欠陥があるか、ないしは今足鹿さんが御指摘のように、減収で集まらないという場合には、これは収穫が悪いのでありますから、その場合には外米、外麦によって操作する場合もあるでございましょう。ないしはまた、実際はとれておるけれども売り渡しに応ずる人がないというような場合には、どういう方法でやるか。現在までは先ほども申し上げましたように、協同組合の精神によって、農業団体の各諸君がぜひこれでいこう、これでいくようにみなお互いに協力しようという、いわゆる協同組合精神の発露によって所期の目的が達せられ得ると考えて、この方法を採用したのでございますから、これを実行いたしまして今お示しのような段階になりますれば、その場合に別途考えなければならぬ、研究しなければならぬし、いろいろな点について勘案しなければならぬ点も起ってくるだろう、こう申し上げたいのであります。
○足鹿委員 そうしますと、具体的な事例を一つ伺いますが、もし予約売、渡し数量に大きく達しない場合、というのは凶作の場合あるいは災害の場合等がほとんどであろうと思いますが、そうした場合には減額の補正はどうしてやりますか。本人の自主申告に基いて政府がそれに応じていく場合もありましよう、あるいは食管法第三条に基いていわゆる義務割当を、政府の行政的な見地においてしていく場合もありましょう。どういう方法で凶作、災害の場合における減額補正をとつていきますか。とにかく今まで聞いておるところによりますと、あなた方の頭も整理されておらない、あるときには自主供出でやるのだ、あるときには法の適用したものとみなすのだ、こういう解釈が出て参ります。そうしますと一体どの線で自主供出を中心としていくならば、凶作あるいは災害の場合には、その凶作を受けた都道府県、あるいはその町村、その部落、その個人を中心として、本人の自主申告によって当然減額補正さるべきものだと思います。そうした場合はまば勢い奨励措置あるいは優遇措置等は、不可抗力として当然優先的に、その災害による減額があってもなくても、当初の優遇措置は何ら支障ないものだと私どもは考えざるを得ません。一体そうした場合にはどうして問題を解決しますか。
○河野国務大臣 御指摘の場合でございますが、今回のは御説明申し上げましたように、生産者と政府と契約いたしておるのでありますから、その減収か明確になりました際には、従来でありますれば、これを補正によって割当にこの程度に直す、こういうふうに一方的にきめたのであります。今回はその契約を変更いたします前提が減収によるものであれば、その減収による契約変更の条件を、従来で申せば、補正の程度に契約の変更をするということを双方合点の上でやって参る、こういうことになると思うのであります。従ってたとえば前渡し金のごときものは、当然それだけの供出がなければ前渡しは払い戻してもらうということになろうと思うのであります。
○足鹿委員 そういたしますと、豊作の場合は増額補正のこともありますか。それはあなた方が割り当てるのではなしに、本人から出てくる場合もありましょう。一体その増減の補正をする決定権を持っておる機関は、政府が直接生産者の申告に基いてやるのでありますか、農民が下から盛り上るのを待って——今の大臣の御答弁を聞くと、それによって話をつけるのだ、こういうふうに聞き取れますが、そういうことは個々の農家と政府とではできますまい。そうすると減額あるいは豊作の場合の増額補正、そういう場合にだれがその中間に立ってこれを決定するのでありますか。だれがやりますか。
○清井政府委員 手続といたしましては、政府が直接個々の生産者の申し出に対して、一々査定することはできないのであります。今までは末端割当は御承知の通り市町村長がやっておりました。今回も、政令案の内容といたしましては、やはり個々の生産者の申し出につきまして市町村長をしてこの間よく調整せしめて、市町村長をしてその事務をさしたらどうか、こういうふうに実は考えておるのであります。
○足鹿委員 それでは予約買付制の精神とにまつたく違つてきはしませんか。当初においては個々の農民が申し入れたのに対して、部落か供出の末端の責任者というか、これが供出の中心機関になる、これと町村の指定集荷業者とが大体連絡をとる、そうしてこの指定集荷業者は県の指定集荷団体とさらに契約を結び、この府県の段階から中央指定集荷団体、全国集荷団体との間に契約を結んで初めてこの予約売り渡し制度というものが体をなすのではありませんか。おかしいじゃないか。
○清井政府委員 私の御説明か悪いかと思うのでありますけれども、実際上の売り渡しの契約関係と、三条一項の義務関係と別にして実は考えておるわけであります。実際上の売り渡しは先ほど申し上げました通り、全国的の集荷予定数量というものは、全国団体から県団体におりまして、県団体から市町村団体におりる。生産者はそれを基礎にして申し込みをするということで、申し込みはただいまと同じ手続で指定集荷業者を通じて全国まで上りまして、政府と契約を結ぶということで、法律上は政府と個々の生産者との間に契約が結ばれるわけであります。結ばれたものはこの法律の三条一項の義務数量にしよう、こういう考え方になっておるわけであります。ところか御指摘の点は、その後の状況が変つたらどうなるかということでございますが、これはあくまでも申し込みの変更と、それから補正なら補正といいますが、三条一項の関係とはこれまた別にあるわけであります。もし本人がAならAという数量を申し込みます。その後災害があったからAの数量か出せない、あるいはそれ以下の数量しか出せない、そういう場合には食糧事務所を通じて単協等に申し込みの変更をしてもらいます。そこで相談しまして申し込み数量の変更ができましたならば、それによってまた補正をいたすなりするということでございまして、契約は契約、補正は補正と並行して参るのでございます。あくまでも契約に基いたものは三条一項で表わす、きまらない場合は補正で表わす、そのとききまっておらなければ三条一項の義務なるということになりまして、あくまでも契約をずっと一本に流す流れ方と、それから補正というものは——これは三条一項の義務補正でありますから、ずっと平行して参る、基礎はあくまでも契約が基礎になる、あとで法律によって規制する、あるいはその三条一項によって命令する、こういうふうに考えておりまして、あくまでも個人の契約を主体とする。それと三条一項で法的に義務の裏打ちをする、こういうことで末端までずっとやるのであります。ところがただいま御指摘の食糧事務所長だけでもって全部の生産の申し出ということもなかなか見れないと思いますが、法律上の義務の手続は従来におきましても、市町村にやらしている部分もありますから、末端の事務の一部は市町村長にやらせるということは、これはあくまでも法律上の三条一項の場合にそういうことを考えるのでありまして、契約はあくまでも単協を通じて食糧庁長官と相談をする、こういうふうに考えまして、事務とそれから法律上の問題とは分けて取り扱つて参りたい、こういうふうに考えております。
○足鹿委員 そうしますと、最初の議論に戻つてきます。
○綱島委員長 足鹿君に申し上げます。三十分が参りました。
○足鹿委員 そうしますと、大体予約の補正の場合も結局生産者の意思が尊重されていく、生産者の申告がもとになる、こういうことでありますが、それはけっこうであります。けっこうですが、そうした場合には農民の自主予約売り渡し数量をもって食管法第三条第一項の義務数量とみなすという場合であります。そうしますと、それ以外の数量というものは食管法の対象には今のお立場上はなりませんな。
○清井政府委員 御質問の御趣旨がわかりませんが、法律上は申し込んだものを三条一項の義務にするということであります。ただ生産者は、食糧管理法にございますから、政府以外に売れないという規制かございますけれども、さしあたり当初に申し込みをしたものが三条一項の義務ということになるわけです。
○足鹿委員 それ以外のものに対しては、政府は旧来のごとき観念をもって食管法第三条一項を適用することは、今の予約売り渡し制度の進行中はできませんね。はっきりしておいて下さい、そんな両刀は認めませんよ。
○清井政府委員 御質問の趣旨も私はっきりのみ込めないので、あるいは違った答弁をいたすかもしれませんが、売ろうと思っても政府以外には売れないという規制にあります、三条一項は当初申し込みをした数量を三条一項の義務数量にするということでございまして、どういうことでございましょうか、政府が当初申し込みをしたものが三条一項の義務数量になる、これ以外のものに売ろうとすれば政府以外に売れぬ、建前はこうなっておりますから、両方が併立しているわけであります。
○足鹿委員 そうではないのです。現在の制度では、全収穫高から保有高を差し引いた全量が供出数量になっておるでしよう、建前はそうですよ、ところが今あなた方が説明しておるところは、自主申告に基いて積み上げたものをいわゆる義務数量とみなす、法の対象になるものとみなすというのでありますから、農民自由意思で十あるものを七申し入れる者もありましよう、金額が気に入らず、報奨措置か気に入らなければそうですよ。それでなければこの制度は何も新味はありませんよ。そうした場合には、従来はかりに十のものから三の保有数量を差し引いて、七が大体全量の供出対象となっておったものを、保有にはかわりないものとして、あとの七を、農民が気に入らないからといって、五を出して二を保有しておったからといって、政府が直接これを罰するあるいはこれに強権供出をさせていくといういわゆる法の適用はできない立場になると私は思いますがその点を明確にしてもらいたい。
○河野国務大臣 重要なことでありますから、私からお答えいたします。この法の実施によりましてあくまでも期待いたしますところのものは、農家の諸君の自発的なる協力を求めるということでございまして、自発的に協力いたさぬということになりますれば、法の精神は根本からくずれます。しかしそれは自発的に協力をしていく方が今の割当よりもよろしいということでこの手段でいこうということにきめたのでございます。今足鹿委員の御指摘のように、出そうと出すまいと農家の勝手じゃないか、とろうととるまいと政府の勝手じゃないかということになりますれば、これは根本からくずれます。そこにわれわれといたしましては、農民諸君の各方面の意見を十分に尊重いたしまして、そこで私最初にも申し上げました通りに、農家の諸君には自発的に十分なる御協力を願うようにお願いをする。また政府の方といたしましても、農家の諸君が十二分の満足のいくようにすべての処置をとる——これはなかなか困難かもしれませんが、われわれはわれわれの立場におきてまして、最善を尽して農家の諸君の満足を得るように努力する。双方か努力をすることによってこの制度を推進して参りたいというふうに考えておるのでございまして、その考えは甘いとか、その考えはだめだということになれば、これは別でございますが、あくまでもそういう建前でいきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
○足鹿委員 それはもちろんそうでしよう。だから農民が納得するところの必要な条件、措置、そういうことが必然的に問題になってくるわけなのです。そこで先ほど私が資料としてお願いをいたしました、現に政府の中にできております米価算定の専門委員会は、一応の結論に達したと言われておりますが、伝え聞くところによると、米価審議会も近く懇談会をお開きになるそうですありますが、その試算されたものはどういうものが出ておりますか。今までの農林大臣の御答弁からいたしまするならば、三十年産米は九千七百三十九円、この予算米価が一応の算定価格として大体いきそうに、今までの同志諸君との質疑応答を見ますと、そういうふうに受け取れる。それでは去年の予算米価を下回る、いわんや実質手取り米価はさらに下回るようなことで、予約制度の十分な条件が整備されたとは考えられません。だから大臣の意思とは別に、あなた方が言われるところの裏づけを具体的にされない限りは、今私が指摘したような事態が起きる、こういうことなのであります。そこであまり私のみ時間を超過して恐縮でありますから、簡単に打ち切りますが、その試算はどういうものが現在出ておりますか。これはあなた方が予算に修正を加えるとか、あるいは予算米価にどのような手を加えるとか、米価審議会がどういう答申をしてどういうふうになるかということは、一切白紙にして、政府が長い間委員を選んで検討をされた米価算定方式、馬場啓之助君以下専門委員会が作り上げた算定方式に基く試算は、一体どの程度のものが出ておるか、農民の知らんとしておるところだろうと思います。私は米価審議会の中心問題になる問題だろうと思う、どういうものが出ておりますか。 それからこの閣議決定ないしは集荷要領によりますると、予約分と非予約分との価格差が大体二百円くらいだと世間は言っておりますが、事実その程度を見込んでおられますか。また減税措置を講ずると言っておりまして、この要綱によりますと、別途措置するということは言っておりますが、何ら具体的に言っておりません、どういうことを意味しておりますか。たとえば大蔵省との間に、税務署をして減税措置を確実に履行せしめるための措置がはっきりと講ぜられておるかどうか、特別通牒の準備が行われておるかどうか、あるいは一部概算前渡金の農業手形との関係はどうなるか。一部概算前渡金は一説によると、大蔵省と農林省との話し合いによりますと、まずこれは農中の出した農業手形の相殺対象になるという評判もある。また農業共済掛金に優先的に充当せしめられるという評判もある。そういうことで、一体前渡金の精神が達成できますかどうか、あなた方に予約制予約制と言っておりますが、当初農業団体や農民団体、また食糧政策に心ある考えを持って要求したものとは、現在あなた方がおやりになろうとしておる内容はおよそて違っております。だから私はしつこいようでありますが、追及をいたしておるのであります。まず今の点をお伺いいたしたい。前渡金をそういう相殺の対象に使つていくかどうか、予約農家と非予約農家との間には石当り価格差はどの程度してあるのか、減税措置の内容は現在どういうものを考え大蔵省との間に了解をし、具体的に準備を進めておるか、この三点を明確にしていただきたい。
○河野国務大臣 今予算米価を、私のこれまでの議会答弁等から推測して予算米価を考えているのじゃないかというようなことでございまするけれども、これは私は全然そうではございませんということを御了解を願いたいと思います。 第二の前渡金に対する問題ないしは予約と非予約との価格差の問題ないしは税の問題、これらにつきましては、おおむね足鹿委員の今お話しになりますることは一部方面に、一部方面ということで御了解を願いますが、一部方面にそういう意見のありますることはございます。ございますけれども、それだからといってわれわれといたしましては、先ほど私がお答え申し上げました通りに、あくまでも農民諸君の御協力を得るために政府としても最善の努力をいたさなければならぬという立場に立って、そこに所期の目的の成否がかかっておるということを十分深く了解しておりますから、そのために努力するつもりでございます。しかも今ここで具体的に申せということでございますが、これも御指摘の通り、数日中に米価審議会の懇談会も開くことになっておりますし、それまでにはある程度、少くとも今日の段階以上に具体的に大蔵省との間の事務折衝も完了いたして、その上でお答え申し上げたい、こう考えておりますから、もうしばらく御猶予を願いたいと思います。
○足鹿委員 最後にお尋ねいたしますが、今の御答弁で私は満足いたしません。大体もうここまでくれば、大臣の当初の御答弁によれば五月中には米価もきめ、一切の予約に必要な条件を整備するのだと言っておられた。このごろは風向きが変つて、また七、八月ころになるようになった、こういうふうに言っておられる。米価は、これはなるほど政府の死命を制するような大きな問題でありますから、いい悪いに別としてそう簡単にはいきますまい。ただ今私が後半に述べました予約分と非予約分との差額をどれくらい考えておるか、減税措置の内容はどういうことを大蔵省と農林省としては折衝しておるか、あるいは概算払いの取扱いはどうか、予約報奨金は全く見込みがないのか、こういうことは米価そのものではなくして、一連の報奨措置でしよう。奨励措置です。従来の慣例もありますし、農林省がこの集荷方式の大変革を企てんとするときに、この程度のことすらもいまだ発表の段階に至らないというようなことで、結論だけを先に出して農民に協力を求めること自体が、それは少し虫がいいとお考えになりはしませんか。私はそういうふうに思う。こういう大きな制度の変革とは言いませんが、その運営を根本的に変えようというような場合であるならば、当然それだけの親切さがあってしかるべきものだと思う。ただ、私はその点を指摘しておるのでありますが、御発表にならなければこれは農民の協力がそれだけおくれる。この問題については食糧対策協議会が当初において答申をした、また民主党内閣になって食糧懇談会が答申をしたということは事実であるが、農民、農業団体がこの問題について積極的に政府に要請した事実はない。食対協と食糧懇談会の答申に基いて政府の責任においてこれをおやりになっており、その政府がきめたものを、その方針を示されていくならば、農民も協力する場合もあろうし、協力しない場合もありましょう。私はどうなってもいいというような、そういうやけなことは申し上げておりません。農民が納得をする、十二分とまではいかなくても、少くとも農民もこれならば一応はやれそうだということで、初めてこういう制度の変革は成果を上げるものではないでしょうか。そういう意味から私は申し上げておるのであります。御答弁がなければいたし方がありませんが、最後に……。
○河野国務大臣 答弁いたします。足鹿さんによくおわかりいただけると思いますることは、米価の決定、この予約の効果の達成のためには、最終的に農家の手取り価格が幾らになるか、農家の収入がどうなるかということが問題なのでございまして、それは、せっかく入れても税金でとられてしまうというようなことも考えなければなりません。そこで税の問題、すなわち米価自身の基本になるべきものの決定をして、税の方とも勘案していかなければなりませんし、すべてのものを勘案してここに決定いたさなければなりませんから、今お話のように、米価はともかくとしてとおっしゃいますけれども、そのしまいの一万円のところで、これが一割の千円のところで問題になるのじゃないのでございまして、非常にこまかな点にまでわたって十分論議を尽さなければならない関係から、すべて御指摘になりました三つのものを一つの問題にしてきめなければなりません。それじゃ米価がきまるまではそういうものはきまらぬのかと申しますと、それはそういうわけじゃありません、最終米価すなわち豊凶等を加算したものはともかくといたしまして、平年を想定した米価の決定はむろんある程度しなければならないだろうと考えるのでございます。そういうことからこれを総体的に考えていたさなければならと考えますので、そういう意味から多少おくれているということに御了解を願いたいと思うのであります。この予約制度を推進いたしますに必要な時期に、これを遅滞なくやらなければならぬということにつきましては、十分了解いたしておりますから、できるだけ急いで万全を尽してやるつもりでありますから、御了解願いたいと思うのであります。
○足鹿委員 非常に抽象的な御答弁で、私はそういうことを聞いておるのではない、具体的に聞いておるのでありますが、それ以上は御答弁がないようでありますから、最後の点を一点申し上げて質疑を打ち切ります。すなわち、先刻十六項目の資料要求をいたしました際に、第十一項に申し上げました三十年度の米の集荷制度に関する政令案は、どのようなものを準備しておるか、この要領によりますと、食管法はそのままにしておいて、政令でもってすべてを進めるという方針のように聞きました。といたしますならば、その政令は事実上においてどういうものを準備しておりますか。大体政令そのものは、法律の精神を援用して具体化するための政令であるべきはずでありますが、法律の精神と異なったような方向へ政令を用いるということは邪道でないかと思う。そういう点から、食管法自体の善悪は別として、今一つの議論として申し上げておるのでありますが、どういう政令でこれをやろうとしておりますか、今日になってその政令の発表さえないというようなことでは、われわれは了承いたしません。具体的な報奨措置もわからぬ、米価もきめない、またその根拠となるべき政令案も発表できぬというようなことで、一体何が承諾できますか。国民を愚弄するものである。もう少しこういう点については誠意をもって、これこれの資料によって出すと、これははっきりしてしかるべき、ものでありますか、どういう政令によってやりますか、その政令を御発表願いたい。
○河野国務大臣 どういう政令を出すかということでございますが、そのことにあとから事務当局から答弁させますけれども、決して私は委員会を愚弄するとか国会を愚弄するとかいう考えは持っておりません。これも国会が終了になってもまたぐずぐずしておるということならばそういうことだと私は思うのであります。しかし、少くとも国会開会中にこの問題がたとえば予約の段階に入っていかなければならないことは御指摘の通りであります。でありますから、予約の段階に入る前に十分皆様にも具体的な数字を申し上げて御協議を願い、御意見を伺わなければならぬ段階には当然あるのであります。ですから、先ほど来申し上げております通りに、三十日には足鹿さんにも御出席願います審議会を開いて、その御意見も十分拝聴いたしまして、各方面の御意見を拝聴する際には、むろんわれわれの方といたしましても、政府部内の意見をある程度まとめまして、御意見を拝聴することになるだろうと思うのであります。いつまでもなおざりにして、政令も出さなければ、条件も全然考えないで、ただむやみに予約をやるのだ、やるのだと言うことは無責任ではないか。そういうことであれば小言をちょうだいする通りでありますけれども、そういうふうにできるだけなおざりにする、もしくは議会の済むまできめずに置いて、議会が済んだらすぱっときめてやろう、こういうことでは決してありませんから、どうか御了解願いたいと思います。
○足鹿委員 そうすると、政令案は議会中に示して、国会の意見も十分尊重する、こういうことですか。
○河野国務大臣 政令案につきましては、今必要と考えておるものにつきまして目下研究中でございますから、これもなるべく督励いたしまして御期待に沿うようにいたしたいと思います。
○足鹿委員 これは一つ悪例とならぬようにしていただきたい。食管法はそのままでやっていく、閣議で決定したものが法律の上を行く。しかも要綱が施行令から施行細則、政令とすべて政府の専制によって行われるということであればわれわれは了承できない。こういう重大な変革を行う場合は、少くとも法案を修正するのが元来からいえば当りまえなんです。米価の問題にしてみましても、従来長い間検討に検討を続けまして、今日ほとんど結論に達しておる。従って減収加算の問題にしてみましても、その是非は別として、当然麦と同じように、麦にやるならば米に対しても同様に米価の算定方式というものを新しく実情に即応するように出すべきである。そういう諸条件を法律の上に明らかにして、具体的に民主的な予約制度をやっていこうとするのならある程度わかります。わかりますが、すべてを閣議と政府の考えだけで作った集荷要領と今度の政令で片づけよう、そういう独善的なことで大きな変革がスムーズにいくとお考えになりますか。そういうことは私は常識的にいっても困難だと思う。そういうこは一つの独裁でありませんか。議会があってもその政令の内容も知らしてもらえない。そういうことではほんとうに協力しようという者かあっても、協力できない気持になります。その政令案は議会の審議が私は必ず必要だと思う。これだけのことをやるには議会で当然審議をすべきものだと思う。法律に準ずるものとして当然われわれは審議する必要がある。第一、こういう大きな問題についても、関係機関にはそれぞれ要領に従って通達が出ておるが、国会に対しては何ら関する閣議決定の内容も、また集荷に関するところの要領も、具体的には一片の報告すらもない。新聞の切り抜きやいろいろの資料を集めて、ようやくにしてその全貌を知るような程度で、一体これで協力かできますか。政令案はどうしますか。農林委員会にこれを報告して農林委員会の意見を求め、慎重を期するというお覚悟がありますかどうか、その点をはっきりしていただきたい。
○河野国務大臣 足鹿さんのお話でございますけれども、あとに速記銀が残りますのに、独善的に、独裁的に政治を運用しようということは決して私は考えておりません。たとえば今回の予約制度にいたしましても、決して政府が一方的に勝手にきめて、現行法を勝手に自分で運用をやろうというような考えを持っていたのではないのであります。この点につきましては御承知の通りであります。これは農業団体の代表者でありますとか、たとえて申しますならば、前内閣当時のそれぞれの有力な方々の御審議によりまして答申されましたものを、さらに現内閣になりまして再び懇談会の議に移しまして、これにはしかるべき方面の方々の御意見も十分尊重いたしまして、ここにこの行き方をきめたのであります。しかもその行き方たるや、あえて私は強権とは申しません。強権とは申しませんけれども、従来のように農家の意思の有無にかかわらず割り当てをして供出せしめておるものを、今時は民主的に自主的にいこうということでありますので、この精神だけはおくみ取りを願いたいと思うのであります。それを実行するに当って、今御指摘のように、その運用には十分皆様方の御指示は拝聴して、できるだけ目的達成のために十分なる御協力をちょだいしたい。これはあらゆる方面の御協力をちょうだいすることが絶対必要である。われわれもまた先ほど申し上げます通り、最善を尽して所期の目的を達するために努力をいたすと言うておるのであります。しかしそれはいつまでもなおざりにしておるのじゃございません。(「長いぞ」と呼ぶ者あり)これはずいぶん——長いぞとおっしゃいますけれども、その通りでございます、けれども慎重の上に慎重を期してやらなければならないので、その目的を達成するのが、おくれればできなくなることは私は十分承知しております。時期をはずしたならば目的の達成が困難になることも承知いたしております。でございますから、諸般の準備を一整えまして、所期の目的を達成するのに最善の努力をいたしておるのでありますから、その点は一つ御了解願いたいと思うのであります。なお政令、その他については委員会に提示して、委員会の意見を十分尊重していけということは、ごもっとものことと私は考えます。ただ先ほども申しました通りに、政令につきまして今検討中でございます。今、案、要綱等につきまして、もしあらかじめここで皆さんの御意見を拝聴せよということでありますならば、米に対する小委員会がありますようでありますから、それらと十分御協力を願いまして、われわれやることに決して一方的に、勝手なことをしていこうということは考えておりませんから、どうぞそういう意味で御協力あらんことを特にお願い申し上げる次第であります。
○足鹿委員 もうこれ以上申し上げません。抽象的に弁明されるばかりであって、一つも議論が進展しない。あなたはお忙しいから聞いておらないかもしれないが、事務当局にいろんなことを準備しておるかわからない。どうです、清井さん、政令案はどういうふうな段階ですか。大臣は国会で十分意見を求め、食糧小委員会にも付議していろいろと検討することは拒まない、こういうことであります、この問題がいかに重要であるか、これを一歩誤まれば、日本の食管制度は大きな危機に直面をいたします。従ってこの問題に対してわれわれが真摯な検討を加えることは当然の責任だろうと思う。幸いにして食糧小委員会もできておりますし、この問題は先ほど要求いたしました資料、あるいは今私が指摘しましたいろいろな問題等を食糧小委員会にさらに提示を求めて、十分本委員会としては審議を尽すべきものと私は思います。そういう点について、十分委員長において御善処あらんことを希望いたしまして、私の質疑を終ります。
○綱島委員長 ちょうどただいままで一時間の時間か費えました。実は参議院から非常な催促がありまして、これ以上は進めにくいようですから、関連だけを石田委員から……。
○石田(宥)委員 三十年度の麦価の問題でありますが、すでに麦の収穫も始まっております今日、麦価の決定の時期並びに買い上げ開始の時期の見通しについて、明確な答弁を承わりたいと思うのであります。すでに関係農民の間におきましては、いろいろな価格の変更その他の政治情勢から見まして、非常な不安にかられておって、一面金詰まりの関係もあって不安にかられておるわけでありますから、これについても明快な御答弁をお願いいたします。
○河野国務大臣 麦価の決定は大体六月中にやることになっておるようでありますが、別に無理におくらさなければならない理由もございませんから、なるべく早目にいたしたいと思っております。買い上げの時期等につきましては、いつでもこれは応ずるということになっております。決しておくらせるようなことは考えておりません。
○石田(宥)委員 ただいまの大臣の答弁の通りですと、六月中には麦価を決定するというようなことでありますが、これは本年は特に早場は早いのです。商人等に買いたたかれるというような心配もございますので、もっと早く決定するわけには参りませんか。
○河野国務大臣 麦価の決定はパリティによって大体やるのでございますから、むろん審議会の議も経ますけれども、今政府が考えておりますことも、別にこれについてむずかしい問題があろうとは考えておりません。従ってなるべく事務を進めまして、早目に御希望に沿うように決定いたすことにいたします。
○綱島委員長 ちょっとそのことについて、委員長から委員長の資格ではありませんが申し入れをいたしておきますが、大麦、裸麦については小麦対比係数というものがありますが、これはぜひ尊重していただきたい。昨年度これを無視しておりまして、私は非常に遺憾なことと存じております。実はちょうど私も審議委員をしておりましたけれども、八丈島に島流しにあって、帰って来ない留守中にやられまして、裸麦、大麦の耕作者に非常に迷惑をかけたと存じておりますから、この点御留意を願います。
○河野国務大臣 ただいま委員長の御発言のようなことを私も各方面で承わりました。問題になる点はその点だと思うのであります。それにつきましては、十分米価審議会等におきまして御意見を拝聴いたしまして善処することにいたします。
○綱島委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○綱島委員長 速記を始めて。それでは今日はこれにて終了いたしまして、火曜日午前十時より一般質疑を継続することにいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五分散会