農林水産委員会 第11号
- 発言数
- 17 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1955/05/12
会議録
○綱島委員長 これより会議を開きます。 食糧庁予算の説明を求めます。食糧庁長官。
○清井政府委員 食糧管理特別会計の昭和三十年度予算編成の基本的な問題、並びに需給計画上の数字について御説明申し上げます。 昭和三十年度の食糧管理特別会計予算は、昭和三十年度産米につきましては、従来の供出割当制度に変えて、事前売り渡し申し込み制度を採用するということで、配給量は現行配給量を確保するという建前で予算を編成してございます。米については以上の通りでございますが、麦につきましては、昭和三十年度の方式をそのまま現行制度において実施をいたすということにいたしてございます。米麦の生産者価格につきましては、予算上の米価は、三十年産米の米価につきましては、二十九年産米の米価を決定いたしました米価審議会において決定した直後に、生産者の平均手取り価格というものを想定いたしたものがございますが、その価格によって編成をいたし、麦の価格は二十九年産の決定いたしました麦価そのままを据え置きにいたしておるのでございます。それから米麦の消費者価格は、現行の価格を据え置くという建前で予算を編成いたしてございます。 なお米麦のほかに、食糧管理特別会計におきましては、御承知の通り農産物価格安定法による農産物の買い上げ、売り渡しと、飼料の買い上げ、売り渡しを実行いたしておるのでございますが、農産物価格安定法によりますものにつきましては、カンショ澱粉、バレイショ澱粉、カンショなま切りぼし、菜種及びテンサイ等につきましては、従来通りの管理方式を行うという建前にいたしております。輸入飼料につきましても同様でございますが、特に飼料対策につきましては、ふすまの輸入量の増加をはかり、その結果生ずる損失につきましては、食管特別会計においてあわせ処理するという建前になっておるのであります。 以上のような米、麦の管理制度並びに価格、及び農産物価格安定法及び飼料需給安定法による措置によりまして、昭和三十年度の予算の編成をいたしました結果、歳出歳入ともに七千二百四十五億九千七百四十九万円になっておるのでございまして、食管特別会計の以上のような予算編成に基くところの損益計算をいたしてみますと、昭和三十年度末の損失は、約百億となるのでございます。もっともこれは二十九年度末の損失が約三十億ございますので、三十年度だけの特別会計の損失といたしましては約七十億でございます。二十九年度末の損失三十億と、三十年度末の損失七十億とを加えて約百億ということになるのでございますが、一応表面上は赤字が出ておりますけれども、これは昭和二十六年度において法律により食糧管理特別会計にインベントリー・ファイナンスといたしまして、百億の現金を一般会計から繰り入れをいたしておりまして、そうしてそれが食管特別会計におきまして負債の形になっておりますので、その数字とただいまの赤字とが見合う形になりまして、その百億を取りくずすことを前提といたして予算が編成されておるのでございます。以上のような形で編成されてございますが、いま少しく数字的に申し上げてみたいと思います。 米麦の需給計画のうち、まず米でございますが、予算上の米の買い入れ数量につきましては、従来はまず生産量を推定いたしまして、生産量から自家保有米等を計算いたしました結果、集荷可能数量というものを推算して予算に計上しておったのでございますが、昭和三十年産米につきましては、先ほど申しました通り、事前売り渡し申し込み制度をとりましたので、集荷目標数量は、現行配給量を維持するという建前から、二十九年産米の集荷予定数量と同量の二千三百五十万石を内地米は買い入れるということでこの予算を編成いたしてあるのでございます。そうしてその価格につきましては、先ほど申し上げました通り、二十九年産米の米価審議会におきまして米価を決定いたしましたときに予想いたしました農家の平均手取り見込み、すなわち包装込み九千七百三十九円というものを前提といたしているのでございます。 それから麦でございますが、国内産の麦の買い入れ数量は、二十九年産麦の作付面積に、過去三カ年間の平均反収をかけまして生産量を推定いたし、さらに農家が保有する率、それから一般に出回る数量中政府がどれくらい買い入れるかという比率につきましては、いずれも昨年産の麦の実績を推定いたしましてその比率をとりました結果、政府買い入れ数量を小麦は五十万トン、大麦は二十七万トン、裸麦は五十一万トンを予定いたしておりますし、その価格につきましては、先ほど申し上げました通り、二十九年産の麦の価格をそのまま使って予算を編成いたしてあるのでございます。 それから輸入の数量でございますが、輸入米につきましては、内地の必要数量と内地米の供給数最を勘案いたしまして、その不足分を輸入するという建前を取っているのでございます。その内容につきましては、準内地米の輸入比率を少し増加いたすことにいたしまして、総数量百三十二万二千トンを本会計年度に輸入いたすことにいたしてあるのであります。また麦につきましても同様に、国内の需要と国内の供給見込みあるいは持ち越しというものを勘案いたしまして小麦につきまして二百二十四万四千トン、大麦につきまして六十七万三千トンを輸入することにいたしておるのであります。その価格につきましては、輸入米麦の価格は産地の価格あるいは運賃等の変動要因が多いのでありまして、これを一年間にわたって予測することは非常に困難が伴うのでございますけれども、とりあえず買付済みで未到着のものについてはその実際の買付価格をとります。今後買い付けるものにつきましては、その後の市価あるいは運賃の値下り傾向等を加味いたしまして算定いたしてあるのでございます。 それから米の配給数量の方は、昭和三十、三十一米穀年度ともに内地米の配給量は生産地が十五日分、消費地が約八日分といたしまして、外米の配給量は消費地のみにいたすことといたし、昭和三十米穀年度は準内地米が約二日、普通外米約五日、合計約八日ということでございましたが、昭和三十一米穀年度は準内地米が約二・五日、普通外米四・五日、〇・五日分だけ普通外米を減らし、準内地米をふやすことにいたしたいというふうに考えております。 なお米麦の売り渡し買格は現行価格そのままにいたしてあるわけでございます。米麦は以上でございます。 なお農産物あるいはテンサイ糖、飼料等につきましては、まず農産物の買い入れ数量は二十九年度予算と同様な趣旨によりまして買い入れ限度数量を算定いたし、その半分を買い入れるということに一応計算上いたしまして、その価格は二十九年産の価格を大体においてそのまま維持いたし、売り渡し価格は買い入れ価格に政府経費を加えて算定いたしてあります。それからテンサイ糖は、その買い入れ数量はテンサイ糖の振興計画による三十年度生産計画数量の全量といたしまして、買い入れ価格はテンサイ糖の前年産価格に加工賃を加えて算定いたしてあります。 輸入飼料につきましては、買い入れ飼料のふすまが若干増加してあるのでございまして、買い入れ価格は最近の買い入れ価格の平均実績によりまして、売り渡し価格は畜産物及び一般物価との関連から算出されるところの安定目標価格による売り渡し価格をきめる、以上のような価格によって飼料等の売買の予算を編成してあるのでございます。 さらに本会計におきましては、一般会計から本会計に繰り入れをいたしておるのがございます。それは学校給食用の小麦粉の売り渡しの補助によるところの十六億九千三百七十二万八千円と、被害農家の主食の特別売り渡し価格損失補てん金の一億二千万円、合計十八億一千三百七十二万八千円というものが、本会計に一般会計から繰り入れがなされておるのでございます。 なおその他の専務費、事業費等は御承知の通りただいま申し上げました米、麦の農産物、飼料等を買い入れ、売り渡しいたしますに必要な人件費、事務費あるいはそれの運営に必要な運搬費あるいは管理費、経理費その他所要の事業費に相当するものが特別会計に計上いたしてあるのでございます。特に農産物あるいは食糧等の管理費についてこの際御説明を申し上げることといたしまして、これらの三十年度産米につきまして事前売り渡し申込制をとることにいたしましたので、特に集荷の促進をはかる必要があるということから、集荷団体に支払う集荷の諸経費を前年より増額をいたしておるのでございます。すなわち集荷手数料につきましては、昨年は米一俵当り四十円の集荷手数料を集荷団体に支払っておったのでございますが、本年度はその四十円の手数料を四十八円に増額をいたしたのでございます。 それから集荷奨励金、これは二十九年度は三億七千六百万円の予算を計上いたしまして、主として超過供出があった場合に、超過供出があった当該集荷団体等に累進的な交付の方法によって集荷奨励金を交付いたしておったのでございますが、この二十九年度の予算の三億七千六百万円をことしは八億六百七十万円に増額をいたしておるのであります。約四億三千万円増額をいたしてあります。 それから集荷委託費と申しまして、関係の機関等に集荷を委託する費用を二十九年度は三億計上いたしておりましたが、本年度は三億七千四十万円を計上いたしました。もって新制度によりますところの集荷の円滑に資するために集荷団体等に交付をいたす、こういうことにいたしてあるのであります。 そのほかは特に申し上げることもございません。ただ運搬費が、ことしは御承知の通り輸入食糧をいわゆる着地検査方式に改めまして、従来は輸入をして参りましたときの船側でもって買っておりましたものを、船側からさらに倉庫に運びまして、その倉庫において着地で検査した上これを買い入れるというふうに改めることにいたしましたから、船側から倉庫までの運搬費用が買い入れ費の方に入りましたので、運搬費の表向きの数字は昨年の百五十七億からことしは八十四億に減額になっておりますけれども、そういうふうな次第によって減っておるわけであります。そのほか特段に申し上げることもなく、保管料等は全部所定の計画に基きまして計算をいたした結果、昨年の単価等によりまして全部計上いたしてあるというようなことになっておるのであります。 以上のようなことで集計をいたしました結果が、先ほど申し上げました通り三十年度歳入、歳出ともに七千二百四十五億九千七百四十九万円の予算総額になっておるような次第でございます。きわめて簡単でございましたが、御質問によりましてまたお答え申し上げたいと存ずるのであります。
○綱島委員長 ちょっとこの際委員長からお尋ねしておきますが、麦の買い入れ価格——小麦、大麦、裸麦の外麦でなくて内地麦、これは昨年同様という御説明のようでしたが、そういたしますとパリティの小麦対比差加算はしないということになりますか。
○清井政府委員 さようではございませんのでありまして、昨年の価格をそのまま予算に計上いたしてありますために、昨年の価格には加算額が入っておりますので、その入ったままの価格を計上いたした、こういうことでございます。これは予算の計上額でございますので、麦価はまた六月に至って正式にきめるのでございます。予算麦価は昨年きまりました麦の価格そのままをとっております。従って大麦、裸麦につきましては若干加算があるわけであります。それをそのままとっておるわけであります。
○川俣委員 この際資料の請求をいたしておきたいと思います。昭和三十年度農林省所管食糖管理特別会計の参照書として政府が提出いたしておりましたものでもなお不十分なので、さらに詳しいものを必要とするためにあえて説明を求めたのであります。ところが食糖管理特別会計として出されたのは、二十九、三十年との対比だけであります。それでは農水委員会へ出される資料としては非常に不十分でございます。なぜかというと、これは数量、単価というものを入れて初めて特別会計の内容が明らかになる。今部分的に説明されましたけれども、それでは資料が十分でありませんから、あらためて今週中にすみやかに数量、単価、種別ごとに、もう少し詳細な予算書を出されるよう希望しておきます。詳しく審議するばかりでなくて、あなた方はこの賛否を求めておる。こんなもので意見を求められても賛成はとてもできません。こんな紙きれ一枚ばかりじゃわかりません。もう少ししっかりしたものを出さなければならぬ。委員長から厳重な催促をしてもらいたい。
○綱島委員長 承知しました。何か今の説明についてお尋ねになることはございませんか。
○足立委員 私も勉強が足りないのでどうもはっきり御質問できないのですが、今度の予約買付制度を実施されるについて、長官より現在の法律との関係、基本的な問題についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、この点だけ伺いたいのです。つまり第三条との関係、予約で十分目的を達しない場合の処置などについてもお考えになっているのではないかと思います。また根本的には現在の食管法の建前からして、こういう制度が果して法律改正なしに許されるのかどうかという点について、御検討になったと思いますから、その結論だけお伺いしておきたいと思います。
○清井政府委員 ただいまの御質問でございますが、これは本来の制度は、御承知の遮り米穀懇談会において答申がありまして、その米穀懇談会の答申に基きまして新しい制度を生み出したわけでございます。その答申の中にもすでにはっきり書いてございますが、申し込みは今までのような割当制度によらずに、そのほかの自主的申し込みという形にいたしまするけれども、生産者が政府に売り渡しを申し込みした数量は、食糧管理法第三条第一項の規定による売り渡し数量とするという答申があるのでございます。これは法律的に私どもは組み立てていかなければならないのでありますが、私どもの考え方といたしましては、現在の食糧管理法は法律体系はそのままであるという考え方をとっております。御承知の通り今まで供出割当をいたしております。政府が府県知事に割当をいたし、府県知事が市町村長に割当をいたし、市町村長が個人々々の生産者に割当をいたしましたところのものは、これは命令の定むるところによりということでございまして、売り渡し政令で書いてあるのでございます。従って今回はその売り渡し政令を改正いたすということでありまして法律は改正しない、売り渡し政令の部分を改正いたす、こういうことでございます。売り渡し政令は御承知の通り、食糧管理法第三条の命令の定むるところによりという、命令に定むるものを政府に売り渡すべしということになっております。実際の売り渡しといたしましては、農家が政府に対して正式に売り渡しの申し込みをした場合、政府がそれを受理いたしましたならば、それを食糧管理法第三条第二項の命令の定むるところによる売り渡し数量とする、こういう規定にいたすわけであります。従って今回の改正は売り渡し政令の部分だけを改正いたしまして、今度は農家の自主的供出ということを中心にして考える、こういうことでやるわけであります。
○足立委員 御趣旨はただいまの御説明でわかりましたが、それはこういうことなんですか。政府が配給責任を持っておりますので、予約買付制度でやりまして、農業団体その他各機関における協力を得て、二千三百五十万石の確保をはかるためにあらゆる努力をなさっても、もしもその数量に達しない場合には、配給の責任が全うできないので、そういう場合をおもんぱかって、この法律改正には今度は手をつけずに伝家の宝刀だけは温存していこうというおつもりであるのか、あるいは今度お考えになった予約買付制度は、全く試験的であって、海のものとも山のものともわからないから、ともかくもう少し法律改正はせずにとりあえず政令だけでいこうということであるのか、あるいは政府の腹としては、もっと突っ込んで法律改正をして自由販売に近い方向に持っていくべきだと考えておるが、とりあえず事がめんどうだから、少し論理的には筋がおかしいが政令改正だけでいこうとしていらっしゃるのであるか、どんなお考えでございますか、その点を伺っておきたいと思います。
○綱島委員長 ちょっとこの際御注意いたします。足立委員、説明の不明なところを聞く程度の質問は今週やり、その他の基本的なものは来週やるということにいたします。
○足立委員 わかりました。その点だけを一つ伺います。
○清井政府委員 ただいまの御質問の点は、私率直に申し上げますと、いなめないのではないかと思います。と申しますのは、従来供出割当制度が非常に非難を受けておったということは、実際いなめない事実であったと思います。特に割当という感覚が農家に対して非常な圧力を感じさせるということによって、むしろ自発的な気持でもって政府に売り渡されるようにした方がよいのではないかという気持が相当あった。それが統制撤廃論ともつながる点だったと思いますが、そういうことがあったのは事実だと思います。前内閣におきましても同じような趣旨のものがあったのでありますが、実行しないでそのまま終始したのでありますが、新内閣になりましてから、従来そういうような機運や世論があったということから、米穀懇談会にかけて御答申を得たのがこの案であります。これは将来についてどうということではなくて、さしあたり昭和三十年産米についてやるということで、将来の問題についてはまた別途検討するということで、昭和三十年産米についての制度と考えております。そこでこの法律はどうかと申しますが、これは何も将来不十分なことを予期して法律をそのままにしておくということではないのでありまして、新制度をずっと検討しました結果、これは法律的に考えますれば、現行法はそのまま維持するということで足りるのであります。その売り渡しのところだけ変える、政令の改正だけで事足りるという考え方になりましたので、法律の改正を行わないで政令でやる、こういうことになりましたので、これはあくまでも法律によるか政令によるかということは結果論でありまして、制度を立てまして、その制度を法律的に見ました結果、法律によらず政令に基いてやり得る、こういうことにいたしたわけでございます。御了承を願いたいと思います。
○足立委員 委員長の御注意がありましたから私は質問を留保いたしますが、ただいまの御答弁では私は不満足なのであります。というのは、法律というものは国民の自由を束縛するもので、必要にして十分な規定をすべきなので、非常に強い規定を持った第三条第一項、これをそのままにしておいても別に差しつかえないのだという、これはなるほど差しつかえないかもしれませんが、これは、私は政府としてさような安易な便宜的な考え方で行くべきではなしに、予約買付制度という場合に、農民の気持を考えてゆるめていこうということである以上は、私はそこに必要な改正をすべきであると考えております。なるほど法律違反ではないかもしれませんが、少くとも論理的にはつじつまの合わないことをおやりになろうとしておる。これは政府としてもお感じになっておられると思います。この点は、私は質問を留保しておきます。
○綱島委員長 食糧庁長官はこれで終ります。 —————————————
○綱島委員長 去る五月九日予備審査のため付託になりました……。 〔「そんなことはきめていない」と呼び、その他発言する者あり〕
○綱島委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○綱島委員長 ただいま緊急理事会を開きまして、明日午前十時より理事会を開くことにいたしておりましたのをこの委員会散会の直後理事会を開くことにいたしまして、今日は委員会はこれにて散会をいたします。 午前十一時三十分散会