農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 27 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/04/30
会議録
○綱島委員長 これより会議を開きます。 この際お諮りをいたします。四月十五日の午後五時から翌十六日の午前五時までの間に、三百ミリないし四百ミリの降雨が山口県及び北九州にありまして、約六十億円以上に上る災害が起ったのであります。そのうちには河川その他農業施設、特には農作物のうち麦、菜種、ソラマメ等の被害が非常に多いのであります。目下農林当局におきましても調査中でありますが、いまだ正確なる数字も出ておりませんので、早急に被害状況の調査及び対策樹立に資するため委員派遣を行いたいと存じますが、御異議はありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 御異議なければ、派遣することに決定いたします。派遣地は山口、福岡、佐賀、長崎の各県といたし、派遣委員及び員数、期間は委員長に御一任お願いして議長の承認を求むるようにいたしたいと存じますが、いかがでございますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○綱島委員長 御異議なければ、その手続その他は委員長において取り計らうことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○綱島委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。 —————————————
○綱島委員長 この際政府より山口県及び九州地方の豪雨による農業災害に対する報告を求めます。大塚説明員。
○大塚説明員 農地、農業用施設の災害は、毎年融雪災害といたしまして一月の初めから五月の終りぐらいまでを期間といたしまして、その間の災害を取りまとめて予算要求をすることになっておりますが、その中間報告といたしまして、現在までのところ農地関係で十六億、林野関係で一億、水産関係で約二億、計二十億の被害があることが報告されております。なお、そのうちで四月の十五、六日の降雨による北九州、山口地方の災害は、約五億くらいの数字が現在のところ報告されております。これは農地及び農業用施設のみの被害の報告であります。 以上簡単でございますが、御報告申し上げます。
○川俣委員 この際お尋ねしておきたいのですが、毎年融雪災害として政府に要求する場合は、予備費から出しておるか、あるいは補正予算等の形式をとっておるか、前例はどの例が一番多いかお伺いしたい。
○大塚説明員 毎年融雪災害はその額が僅少でございまして、予備金から支出し得る範囲のものが多かったので、予備金から支出されておるのが通例になっております。その時期は、数字が固まりますのが約七月ごろで、早い年は九月ごろ、おそくとも十月ごろには例年予備金が解除されて出ておるのが普通であります。
○川俣委員 そういたしますと、大体予算の成立を待たなければ予備金の総額が出てこないと思うけれども、前年の例から見て、今度のような九州災害も予備金から支出できると思うか、あるいは補正をしなければならないか、また予算ができ上っておりませんから、補正ではなくて修正だとかいうことになると思うのですが、この点どういうふうに当局はお考えになっておるのか。
○大塚説明員 現在までのところの数字の範囲では、前年度程度の予備金が計上されるならば、補正をしないでも済むのじゃないかと考えております。
○川俣委員 今まだ四、五月の暫定予算で、七月からは予算がまだでき上っておりませんから、その中に見込む方が正しいのじゃないかと思うのですが、予算の組み立てからいって七月以降の予算にこれを当然見積るべきじゃないかと思いますが、この点どうですか。
○大塚説明員 ただいま申しました数字は被害報告でありまして、これが先ほど固まると申しましたのは、私どもの方で査定と申しまして、復旧額を査定する事務がございますが、それは例年の例によりますと、五月までを一応締め切りといたしまして、それを査定いたしますと、七月ごろになるのが通例であります。従いまして、本予算に計上されるのには時期が少し遅れるかと思いますが、この程度のものならば予備金でまかなえるのではないかと思いまして、特にそうした方法を事務的には考えておりません。
○川俣委員 この際改良局長にお尋ねいたしますが、日本の麦は相当耐肥性の麦に質の改善を行なっていかなければならないのじゃないかと思うのですが、今のような予算の規模ではこれを研究するに十分じゃないとお考えになりませんか。一体麦というものは乾燥度の高いほどいい麦ができるということになっているのですが、しかし日本の事情は、ちょうど梅雨期を控えて、相当品種の改善を要すると思うのです。耕種改善が相当重要な点であると思うのですが、これはいつでも予算面からいうと、こういう試験研究の場合等については大幅に削減されるのが通例なのです。大いにこの際これらの災害を予防する上からも、試験研究にもっと力を入れる必要があると思うのですが、この点についての見解を伺いたい。
○小倉政府委員 御指摘のように日本の麦作につきましては、もとから雪害であるとかあるいは風水害、早害といったような問題が特別重要性を持っておったことはお話の通りでございまして、品種改良に当りましてもそういう点に重点を置く必要があるということは、これまたお示しの通りでございます。試験研究の費用はお話のように増額することは非常にむずかしい事情にございます。特に一年々々でもって効果の上るという問題でもございませんので、大幅に削られるということも考えなければならない。大体少いながらも、多くのものは相当長期にわたっての研究ができる方向に持っていきたい。大体さようになっているのじゃないかと思いますが、なお一層そういう点については研究をいたしたいと思います。
○川俣委員 それにしても日本の耕転の作業からいいまして、麦作改善の余地は非常に多いと思います。そういう点で改良普及員等の活動にまつ点が非常に大きいのですが、これもときどき予算を削られて、災害が起きたときに、いつでもあわてて国のなけなしの予算を出さなければならない、または被害農民に非常に大きな犠牲を与えるということになる。一体予防的ないわゆる指導を国の財政の上からも、国の経済の上からも、国民経済の上からも、農業経営の面からも非常に迫られております。こういうじみちな指導になりますと、いつでも予算が削られるということになるのですが、一体こんなことでいいと思っておられるのか。
○小倉政府委員 お話のように予防的な指導ということは災害を頭に置いて考えますときには特に重要なことでございます。たとえて申しますれば気象の長期予報に即応して年々農期の始まる前に必要な指導を加えねばならぬし、また、それをいたしてはおりますが、なおいろいろ不十分な点もあろうかと思いますが、お話の点については今後も災害が起ってからいたずらにあわてるというようなことにのみ終らないように十分努力して参りたいと思います。
○稲富委員 先刻農地や林野等の災害については大体報告を聞きましたが、今度の災害の特異性というものは、麦、菜種の発育期間中でありましたので農作物の被害を相当考えなくちゃいけない、これが相当にあると思う。これに対してもちろん農林省から係官の派遣があるということを聞いておりますが、どういうような対策をやろうという考えであるか、一応承わっておきたい。
○小倉政府委員 作物としては大きなものは麦、菜種でございまして、ちょうどお話のような時期に当っておりましたものですから、冠水地につきましては相当の被害があるということは当然予想されるのであります。作物の被害数字はまだしかとしたものはございません。冠水面積はございますけれども、それによってどの程度減収になるかまだ正確な被害の数字を申し上げることはちょっと差し控えたいと思いますけれども、特に菜種につきましては事後の方策というものはなかなかむずかしかろうと思います。それから麦につきましては湿潤の害に伴いまして病気が発生することは、これはふだんでも予想されるのですけれども、こういうときには特に予想されますので、病害虫の防除については格段の指道を加えて参りたいと考えております。これは主として技術上の手段でございますが、なお大きな損害がございますれば、これに対してどうするかということについては、私どもの局の所管ではございませんけれども、作物の被害に対する対策といたしましては、御承知の通り共済金の問題でございますとか、あるいは事後の営農資金の問題であるとか、こういう問題として考えて参りたい、かように存じております。
○綱島委員長 別に御質疑の方はございませんか。
○鈴木(善)委員 災害の問題が済みましたら、私、漁業用の燃油の問題につきまして委員長に善処方をお願いいたしたいと思うのでありますが、それは最近における漁業用燃油価格の高騰によりまして漁業経済が非常に苦しい状態に追い込まれておることは御承知の通りであります。この問題につきましては、前国会におきまして衆議院並びに参議院の水産委員会で、漁業協同組合の系統団体に輸入外貨の割当をすべしという決議を上げまして、政府に強く勧告をいたしておったのでありますが、その後政府はじんぜんこれに適切な対策を考えておりません。そこで今国会になりましてからも、当委員会におきましてこの問題を審議して参ったのでありますが、いまだ結論を見ておりません。しかるに国会側のそういう強い要請があるにかかわらず、聞くところによれば、通産当局は委員会の要請を無視しまして、輸入外貨の割当を業者だけにやるというようなことで準備を進めておるやに聞いておるわけです。つきましては、委員会が、漁業経費の三割以上を占める熱油の問題は、わが国の漁業の今後の経営に至大な関係があるとして、大きな問題として検討中でありますから、委員会の結論を得るまでこの外貨割当を一時留保されるように委員長から申し入れをしていただきたい。このことを委員長にお願いをしたいと思います。
○綱島委員長 ただいま鈴木委員から、石油に関する外貨割当の漁業協同組合に対する直接割当を確保するために、委員会からその旨通産省に申し入れをしてもらいたいという発言がありましたが、この際皆様にお諮りをいたしますが、これはいかように取り計らったらいいとお考えになりますか。もっとも今日の、明示された調査事項の中には入っておりませんけれども、特に従来からたびたびこの委員会で発言があった事柄でもございますので、それらのことを勘案されまして、この際、農林水産同一委員会でありますところの立場からもよく御考慮願って、外貨割当を漁協及び——農協はどうですか。(「そうそう」と呼ぶ者あり)農協にもありますね。油の割当に対する御意見がありましたら、ちょっと伺いたいと思います。 ちょっと速記をやめて下さい。 〔速記中止〕
○綱島委員長 速記を始めて。
○淡谷委員 先ほど鈴木委員から発言がございましたことは、前からいろいろ協議の結果、ぜひ早急に必要であるという意向が強いのでございますから、この際同委員の発言の通り委員長において至急お取り計らい下さるよう要望いたします。
○綱島委員長 それではこの際お諮りをいたします。鈴木委員、淡谷委員等より、特に油の輸入外貨割当を漁協及び農協にそれぞれ直接割り当てるようにという御意見がございましたが、この御意見は従来本委員会においてたびたび提出された御意見でございますこと等にもかんがみまして、この際委員会においてしかくいたすことに決定いたすことに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 それでは委員長において起草いたしました決議案の案文を朗読いたします。 漁業及び農業用石油類に対する輸入外貨資金の割当に関する件 わが国漁業は、動力船九十数万噸、十三万五千隻に及び、これが動力源として年間重油約百万キロリツトル、軽油十万キロリツトル、農業用として年間重油及び軽油十万キロリツトルを消費し、特に漁業においては、その経営費の三割を占める重要なる基礎資材である。然るに近来価格の高騰、季節的需給の不均衡により、漁業の経営に著るしく支障を来しておる。 この問題については、第二十一回国会水産委員会においても政府に対してこれが善処方を強く要望して来たが、政府は未だ決議の趣旨を尊重する具体的措置を講じないことは遺憾である。 よって、この際政府は戦前以来元卸業務の実績を有し、且つ、水産業協同組合法により、漁業用石油類等主要資材の共同購買事業を使命とする全国漁業協同組合連合会及び全国購買農業協同組合連合会に対し、その傘下の沿岸漁業者及び農業者が使用する漁業用及び農業用石油類に対する輸入外貨資金を割当て、以て農漁業用燃油の確保に関し抜本的解決を図るべきである。 右決議する。 右の決議案を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○綱島委員長 それではさよう決定いたします。なお本委員会の決議をそれぞれ有効ならしむるための所定の手続をいたすことについては、委員長に御一任願えますか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○綱島委員長 それではさように決定をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時一分散会