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22回国会衆議院1955/03/30

農林水産委員会 第4号

発言数
82
登壇者
12
会派数
4
開催日
1955/03/30

会議録

綱島正興自由党

○綱島委員長 これより会議を開きます。  昨日来調査を進めておりました農業課税の問題につきまして、本委員会においての意思表示をいたしたらいかがと存じますが、左の通り委員長の手元において用意いたしましたる原文を読み上げますから、この決議をなすことが妥当であるかどうかを皆様にお諮りをいたします。決議の原文を読み上げます。    農業所得に対する適正課税に関する件   昭和二十九年度の農業所得に対する課税は、各地に於いて深刻なる紛争を生じてゐるばかりでなく、本年度出産意欲に重大なる影響を与へるにかんがみ、政府は、速かに五月末迄に限り未申告農家に対しては勿論、確定申告を行つた農家に対しても再調査を認め、修正申告、徴収猶予等必要な措置を構ずべきである。   右決議する。  こういう決議をなすことについての御意見を求めます。中村君

中村時雄日本社会党(右)

○中村(時)委員 今委員長のお話の二十九年度農業課税の是正に関する問題に関しては、まず結論としては賛成をするものであります。  なぜ私たちがこれに賛成をするかと申しますと、昨年度におきまして政府は四十五億の課税をしている。それが今年度におきまして予算面においては八十二億円、ところがその確定申告において七十九億円という数字を出しております。もちろんこのことは非常に課税の対象がむずかしいという現実があるわけであります。しかしその問題に対しまして倍以上になっている原因というものをわれわれが深く探究してみましたときに、二十九年度の農業所得税について、一部の地域、特に米作地帯においては前年度に比較いたしまして著しき増徴を行なっておる。また農家に対して甚大な衝撃を與えるとともに、深刻な紛争を惹起しておることは、政府の減税公約に反してきわめて遺憾とするところなのであります。 その理由といたしまして、第一に所得標準率の作成方法が著しく画一的であって、地域ごとの特殊性を完全に無視する傾向があり、かつ標準農家の選択が上層に偏向しておりまして、所得決定方法が非常に独善的になっておるということであります。第二点といたしましては、面積の取り方が非常にずさんであり、かつ収量の見方が実情よりも相当に高く評価されておるということであります。第三点といたしまして、昨日大蔵当局は、二十八年度より二十九年度は非常によいといわれておりますが、それは農地の災害においては非常に災害が少かったとはいえるのですけれども、逆に必要経費については、不良気象に対応するだけの防除農薬剤、それらの増投が非常に行われておる。さらにまた購入品の価格、たとえば農機具であるとか、そういうものの必要経費が非常に高騰しているという事実を見のがしておるということ、また第四点といたしまして、奨励金の一部が基本米価に繰り入れられたるゆえをもって、前年非課税所得とせられたる部分についても課税せられているということ。以上によりましておわかりのように、少くとも課税対象というものが非常に大幅に増大されておることは、現在河野農林大臣も言っていらっしゃるように、生産費を下げるといいながら、あるいは減税を行うといいながら、事実はそれに相反する行為が現われておる。この意味において、われわれ政府を援助するという立場に立ちながら、あくまでもこの課税問題に対して今委員長が発言されたことに賛成をする次第であります。

綱島正興自由党

○綱島委員長 石田君。

石田宥全日本社会党(左)

○石田(宥)委員 私はただいま委員長の提案されました決議案に対して賛成でございます。  今回の二十九年農業所得税に対する増税は、農民生活を圧迫し、農業経済の再生産に対して重大な打撃を与えるような増税でございますが、元来一般的に行われておりまする税制を農業所得に当てはめるということ自体きわめて不合理な点をたくさん内包いたしているわけであります。たとえば農家に対して、家族専従者控除の問題にいたしましても、農業経営をやる場合に青色申告をしなければ家族専従者控除が行われないというようなことを当てはめるということがいかに不合理であるか、農家が青色申告をするというようなことはほとんど不可能に近いのであります。また同時に年に一回しか所得のないところの農業経営に対して、他の業種と同一な取り扱いをするということについては、いろいろな不合理性をたくさん列挙することができるのでございまして、私どもはそれらの点について税法の一部を改正しなければならない幾多の点をあげることができるのでございますが、特に二十九年度の農業所得に関しましては、中村委員が指摘されましたように、前年度非課税であった一千円が課税の対象になり、あるいはまた面積、収量等について税務署の独断的な決定が行われ、標準がきわめて合理的なる農業経営の階層の調査をもって一般にこれを押しつけるような手続が行われ、さらに国税庁当局は町村または町村農協等と十分協議をして決定をしたと言っておりますけれども、事実はこれら市町村並びに市町村農協なり、あるいは農業委員会等と協議決定をしたということではなしに、ほとんど国税局または税務署の一方的な押しつけに終っておるのでありまして、それがために各地に紛糾を生じているわけであります。こういう事実にかんがみまして、本委員会において委員長提案の決議案を決議いたしまして、当局の反省を促し、具体的な善処の方法を要求することにきわめて適切であると存じまして、賛成をいたす次第でございます。

綱島正興自由党

○綱島委員長 大野君。

大野市郎自由党

○大野(市)委員 私もこのたびの委員長提案によりまする決議案に賛成の意を表するものであります。この理由といたしましては、それぞれの委員が述べられたことは、私も全くその通りに存じますが、特に申し上げたいのは、二十七年度、二十八年度、この二ヵ年と比較して、このたびの二十九年度の徴税にその問題が惹起されたゆえんは、結局納税というものの実態は話し合いによる納得納税でなけれればならぬのであって二十七年度、二十八年度においては、その意味で保有米を麦と切りかえて供出にまわしたという涙ぐましい農村の努力というものをしんしゃくせられた結果、農林省の統計調査事務所発表の米の収穫量よりも税務署の算定生産量ははるかに下まわるものに査定をせられた実績があるのであります。しかるにかかわらず本年の査定に当っては、農林省の事務所の数量よりもはるかに上回る数字を税務署当局が一方的に提示をしたという顕著なる事実があるのであります。これは納得納税という政治の本体の行き方に対してあまりに過酷、無情なるものであるのでありまして。特に保有米の関係がその問題点であります。この意味で、ただいまの混乱を防いで、農民の生産意欲の向上のためには、どうしてもこの決議の実現を期さなければならないと思うのであります。特に無申告の場合などに至りましては、御承知の通りに生命保険料の控除もだめになる、あるいは扶養家族の控除もだめになるということになると、現在の法に基いても四人家族で十万一千四百円の控除額がふいになってしまうというようなものすごい気の毒な事態も起きると思います。あるいはその他においても社会保険料の控除、医療費の控除などの恩典の剥奪という問題も起きる。あるいはまた税額の控除の側におきましては、不具者の控除とか老年者の控除、いわゆる寡婦控除などといういろいろなる特典が剥奪せらるるおそれがあるのであります。しかもさらに一歩これをゆるめまして、自主申告という形式で捺印をせしめられた諸君におかれても、これが過少申告加算税などをとられることになりますと、尨大な負担が累加せらるるのであります。ことに無申告加算税などの問題に至りましては、とてつもない税額の過重になるのでございまして、この意味においてこれらの原因を考えますときには、これはいわゆる恩情に基く納得納税の姿を逸脱して、一方的な過酷な査定が標準率となり、さらにその収穫量の総額査定が行われたためであります。この意味におきまして、どうしてもただいまの決議を実現してこれが是正をはからなければならないゆえんでございます。この意味で本員も決議案に賛成であります。

綱島正興自由党

○綱島委員長 他に別に御発言はございませんか。——別に御発言がございませんければ、お諮りをいたします。先ほど委員長が朗読いたしました決議案を本委員会の決議と認めて決議いたすことに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 御異議なしと認めまして、確定したる決議として取り扱います。なおこの決議をそれぞれ政府に送付いたしましてこの決議の効果を十分ならしめることについての取り扱いについては、委員長に御一任願えますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

綱島正興自由党

○綱島委員長 しからばさように取り計らいます。  この際政府の御意見を求めます。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 ただいま二十九年度農業課税の是正に関する御決議がなされました。賛成討論をなさった方の御意見を承わっておりますと、政府の徴税当局の行き過ぎと申しますか、不行き届きての点等もございまして、納税者に納得のいくような徴税が行われていないように承わりました。私もさようなことを今日まで聞いておりますので、昨日の本委員会において国税庁長官の申された通り、さような事業について十分調査をいたしまして、皆様の御期待に沿うような、すなわち農民の納得のいくような徴税方法をとらせるように努力をいたしまして、政府委員としてのお答えにかえさせていただきます。(拍手)     —————————————

綱島正興自由党

○綱島委員長 発言を求められておりますのでこれを許します。佐竹新市君。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 私は主として農林経済局長に質問したいと思います。第一番に日本再建は、何と申しましても農村の基礎を強めるということであります。その農村の基盤を強める一番重要な要素は、今日におきましては、農業協同組合でなければならぬと思うのでありますが、その農業協同組合のあり方が、民主的な運営のあり方が徹底しておるかどうかという問題が、非常に問題であると私は考えるのであります。そこで全国的とは私は申し上げませんが、相当な農業協同組合の内部におきましても、特に信連の問題は、農業協同組合の全体の経済を握っております関係上、非常に重要な問題であると考えるのであります。従いまして当局といたしましては、この農業協同組合に、法的な強制力は持たないにいたしましても、指導あるいは監督あるいは検査、そういうことに対しましてどのような方途を講ぜられているか、こういう点をまず質問いたします。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 ただいま農村の健全な発達は農業協同組合の強化にあるという御意見を承わったのでありますが、まことにそのように私どもといたしましても考えておるのであります。従いまして農村の基本的な団体といたしましての農業協同組合の発達につきましては、私どもも農林省といたしましてできるだけの力をいたしておるつもりであるのであります。特にただいまお話のありましたように、農業協同組合中のいわゆる金融的な業務を営みまする信用組合あるいは信用組合連合会、こういうものはいわゆる普通の経済事業と多少異なりまして、金融機関的な貯金の業務を営むのでありまして、従って金融的な事務を営みまする信用組合連合会等が、その運営の全きを得ますることは、まことに必要なことであるのでありまして、私どもといたしましても、特にこの信用組合の事業につきましては、その事業の正当に行われますことを重視しておるのでありまして、また法律におきましても、信用組合連合会につきましては、特別に指導監督をするというようなシステムになっているのであります。従いましてこれらの指導監督につきましては、万遺憾なきを期したいと、かように存じているのであります。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 そこで農民から集まりました金を農協の信連に入れまして、貯蓄しまして、その信連に貯蓄しましたものに、やはり農村に返って、農村再建に役立つように使われるということが私は本旨でなければならぬと、かように考えておるのであります。しかしまだ全国には、こういうような農民の金が農民に返るということでなくして、一番農村にとってその農村の繁栄を妨害しておるといいますか、いわゆる資本主義的な、商業的な考え方をもって金融の運営をしておる信連が相当にあると思うのでありますが、こういう点に対しましてはどういう監督、検査をしておられるか、その点を御質問いたしたいと思います。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 農業協同組合の本質といたしまして、農民から資金を集め、これを農民に還元していくということがいわゆる組合金融の本則であろうと存ずるのであります。従いましてできるだけ多く農民から貯金を協同組合の形で吸収いたしますと同時に、それをできるだけ農村の必要な方面に資金として流していく、これが絶対に必要ではないかと思うのであります。ただいろいろ組合機関としての操作の面から、あるいは普通一般市中金利等の関係から、全部が全部そういうふうに参りますことは、実際問題としてはなはだ困難かと思われますが、できるだけ組合金融の本質に即して組合がその事業を運営して参りますように、私どもとしても常に指導をいたしたい、かように存じておる次第であります。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 そこで全国的に各県段階における信連の会計を検査されて、その検査の結果において、融資あるいは預金が適正でないという点がどのくらいあるか、御調査ができておりますれば、差しつかえない程度において御発表願いたい。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 ただいま御質問のございました信連の資金運用の状態でございますが、私どもの方といたしましては、常例検査の趣旨によりまして検査を実施しております。その場合に、ただいま局長からお話のありましたような本旨に従いまして、その欠陥とすべきところはこれを指摘し、その某正方を要請しておるわけであります。全般を通じて見ますると、信用農業協同組合連合会の系統機関の預金というようなものの割合いは、ざっと八五%ぐらいになっております。一五%くらいのものが他の金融機関に預けられているという実情であります。なお有価証券をも含めますと八〇%ぐらいが系統機関に預けられまして、あとの二〇%ぐらいが系統外の各方面に運用されている、これが実態であります。ただこれを地方的に見ますとかなりでこぼこがございます。特に東海道から近畿、中国の山陽でありますが、その付近は他の金融機関の農村への進出もかなり激しくありますので、それらの他の金融機関との競争関係から、他の金融機関が直接農村に入り込んで、単協から資金を吸収することを防止するという意味合いで、信連がまとまった金をある程度他の金融機関に持っていくことによりまして、他の金融機関が直接単協から預金を吸収するのを防止するということが行われております。そのような関係で今申しましたような地帯におきましては、系統機関の利用率が比較的低くなっている。かようなのが一般的な傾向でございます。それはそれぞれ地方の事情によってかなりの差異があると申してよかろうかと思うのであります。なおそれにいたしましても、その地方の実情に照らし合せてもなおかつより系統機関に資金を持っていってしかるべしと思われるものがあります場合には、一そう系統機関の利用を強化するようにそれぞれ勧告をし、あるいはまた警告を発するということをいたしております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 大体組合検査課の方では、でき得るだけ系統機関へその預金の運用をするということが趣旨であって、系統外に多く使うということは趣旨でないということだけは、検査課の方では厳重に検査しておられるのですか、どうですか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 ただいま申し上げましたように、そのような趣旨をもって検査をいたしているわけであります。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 具体的に申し上げますが、私の県の広島県の信用協同組合は、検査課長の言われたことと反対の立場にある。と申しますのは、預金高は全国において大体三位、一番下ったときでも全国の十一位ぐらいかその間である。非常に預金率がいい。しかし系統団体内のところに入っているのは全国で最下位であるといってもさしつかえない。特に単位農協あたりに融資している金は、その中でほんのわずかである。そのような系統外に莫大な金が貸し出されるということについて、あなたは検査されたことがあるのですか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 私どもの方で検査いたしました結果も御指摘の通りでありまして、御例示になりました県の場合には、系統機関外への利用率は非常に高いようであります。従って検査にあたりましては、少しも早くその系統機関の利用へそれを振り向けていくようにという指示をいたしておりまして、そこで考えられます点はそのような転換ということを直ちになし得るかどうかということにつきましては、いろいろ事情がありまして、即時それをやれということには無理もありますので、できるだけ早く、また必要ないろいろな措置を講じつつ系統利用の方に考え方を振り向けていくようにという指示は申しております。なおそれに対しまして、連合会当局からもそのような方向で臨むというような回答も受けております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 それはいつごろの回答ですか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 本検査は前年度の八月に行いました。その際にそのような指示をし、またその後においてそのような回答を得ております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 一体検査々々と言われますけれども、その検査は具体的にはどういう方法をもってしておられるか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 検査につきましてのいろいろな具体的な方法あるいは方式等についてここで詳細申し上げることは許されないと思いますけれども、概要申し上げますれば、連合会の資産、負債全般につきまして詳細な一筆検討までいたしております。たとえば問題になっております余裕金の運用につきましては、それぞれその余裕金の運用、金額が果して正当であるかどうか、それぞれ運用先別にそれを調べております。たとえて申せば銀行等への預金があるといたしますならば銀行に対しましてもその預金残高証明をもらうというようなことで、その照合をいたし、果してその記帳されている通りの預金がその銀行に預けられているかどうかを調べます。また有価証券の運用等につきましては、それの現物の確認、現物が他に保管されている場合にはその保管されているということを証するような証拠書類というようなものを検閲するということをいたしております。なおその余裕金の運用の過程に利息の収受等が行われるわけであります。それらにつきましてもそれぞれの運用先との間の関係書類の点検によりましてその確否を検査する、かような手続をとっております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 これは一つの例でありますが、「主婦と生活」という婦人雑誌に出ている一つの広島県の例でありますが、有名な例の葛原産業、竹内寿恵さんがやっているあの産業に金を出しているわけなんですが、この金が実際には焦げつきのような状態になっている。この焦げつきになった原因は、葛原産業が非常に経済的に行き詰まって、そこで金を三井信託に預けなければならぬ。こういうことで七千万円ばかりの金が広島信連から入って、それの保証でひもつき融資をした。その金が焦げついていまだにそれが信連の方に返って来ないという問題です。それと毛布の問題あるいは葛原産業とのいわゆる取引関係が刑事事件になっていることは御承知ですか。今検察庁の捜査課の方で取調べていることは御承知ですか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 ただいまお話の点は情報によって漠然と承知しております。なおそのようなことを承知しております限りにおいては、できるだけそれを確認する措置をとりたいと思っております。何分にも前回検査をやりましたときはそのような関係のあったことは承知できなかったわけであります。しかしその後におきましてそのような情報を得ております。適当な機会に適当な方法をもってこれを処置したいと思っております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 監督行政の責にある農林省がこういうことを情報で聞き及んだということは、検査の怠慢だと思う。と申し上げますのは、この問題は御承知のように、天下の新聞に出ておる。そうして雑誌にも竹内寿恵さんみずからが書いておる。これは去年の「主婦と生活」という雑誌です。それに竹内さんの手記が出ておる。こういうことがありながら、今日まで検査をほったらかしておる。これがもし刑事事件として大きく発展して来て問題を起しましたならば、預金者であるところの農民がどれだけ迷惑をするか。やはり検査の立場にあり、指導監督の立場にあるあなた方として、そういうことが新聞紙上やいろいろな方面に出たら、われわれがここで質問するまでもなく、行ってそして検査をして、厳重に監督、指導されなければならぬ、こういうように思うのですがどうですか。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 ただいまお話の点につきましては、私どもが承知いたしましたのはごく最近のことでありまして、残念ながらその当時は知らなかったのであります。なお知りました以後におきまして県の経済部長に来てもらいまして状況を聴取したりいたしまして、次にいかなる措置をとるべきかにつきましては、目下いろいろ内部で検討いたしておるわけでございます。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 そこでこういう例はあなた方どうお考えになりますか。たとえば銀行に対してひもつきの融資をしておる。そのひもつきの融資はある企業家に持っていって、特定の銀行に一億の金を出す。その中で四千万円なら四千万円融資をする。表は預金になっておる。しかしながら実際にはひもがついておる。そしてそのひもつきの方はなかなか返済することができない。しかし預金であるから、これは実際には定期の形で押えられたような形になっておるが、その検査の方法はどういうふうにするのか。銀行とのなれ合いでやっておるが、検査の方法は一体具体的にどういうようにされるのか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 ただいまいわゆるひもつき融資をいたした場合にどうするかという話でありますが、ひもつきの場合にはただいまの御説の通りに、なれ合いの場合が多いかと思いまして、実際問題としてそれを発見することが困難かと思うのであります。しかしながらそういうような脱法的な行為がはっきりといたしました場合には返還命令をやる等、適切なる措置をとりたい、かように存ずるわけでございます。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 広島県の信連の場合には的確な証拠があがらぬから、これは検察庁が今後どういうように調べるか、相当書類を引き上げておりますが、東京の警視庁と検察庁から広島に捜査に参りまして、調査して証拠書類も相当引き上げておったが今後どういうような発展をするかということはここで言明はいたしません。しかしながら実際に単位農協なんかに対して融資しておるものは総預金額から申しまするとわずかなものです。そういたしますと、これは監査を受けたときには一応銀行に預金してある。ところがこれにひもがついておる。この預金を一応全部信連に集中してしまう。こういううことになったときに問題が出ると思います。しかしながら何と申しましてもそれだけの金融の一つの機関の理事長をいたしておりますると、われわれの方の信連ではほとんど農協全体の人事の権を握っておるといっていい。そうしますと、御承知のように農村は非常に封建的なので、単位農協でありましても、農協の事務所を一つ作るにいたしましても、実際には組合長や専務の判を押して、保証の形において信連から金を借りて組合の事務所なんか作っておりますが、農村の非常に封建的な考え方の上からいくと、信連に持っていって、あるいは県の農協の連合会に対していろいろなことをやるという。それが相当保守勢力の強いところでありますから、あとで当てられるという。そこで総会なんか満場一致通してしまう。従って自分の子分といっていい人が監査になってやっておるということで、その監査くらいではなかなかわからぬ。だからこういう場合において、信連の総会を開いて預金を一応全部信連に引き上げるということは、農村の実情をよく知っているあなた方は、御承知なんです。そこで監督行政にある検査課あたりがこういうことにどういう手を打ったらいいかということです。そういう点は経済局長から御答弁を願いたい。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 農業協同組合は私が申し上げるまでもなく農民の自主的な団体ということでできておりますので、法律の構成といたしましてはそういう立て方になっておりますので、私どもの方から、最初から非常に強制的な検査をするというようなことはなるべく差し控えたらいいかと思うのでありますが、ただいまのお話のように、内部からいわゆる相互監査的なものがどうしても行われない。しかも法律でいろいろ認められておりまする総会の制度なりその他の制度が、実際問題として運行できないという特別の事情があります場合におきましては、これは私どもといたしましても、いわゆる行政権といいますか、まず第一線には地方長官を先頭にいたしまして監督を厳重にして参りたい、かように存ずるわけであります。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 昨年刑事事件になりましたのは、事件の発端は昭和二十六年ごろの問題ですが、毛布を大体信連の裏づけによってとっておった。それを東洋綿花に金が入らないというので、東洋綿花が詐欺事件として訴えた。初めは購連の会長は何ら知らない間に信連によって発注しておった。購連の会長が全然わからない間に判が盗用されたというか、利用された。毛布が来て初めて購連がびっくりした。そこでこれはどこから注文したかということでいろいろ聞いてみたというが、信連の方からやったということがわかった。今度は信連が手形に裏書きして東洋綿花から発送し、それを東方洋行に扱わした。そのトラブルが結局東洋綿花の方に払っておられないというようなわけです。それから葛原工業と信連の取引事件というようなことと関連しまして今告訴されて刑事事件になっておる。昨年の八月か九月だと記憶しております。自来新聞にも出ておって、そういう問題が相当長きにわたって出ているのに、それをいまだにほったらかして強制的なあれができないというような、これにちょっと責任のない御答弁だと思うのですが、どうですか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 実はただいま検査課長から申し上げました通りに、そういう事実につきましての認識がごく最近でありましたので、直ちに経済部長を呼びましていろいろ事情を調査いたしておるのであります。ただ本件のごとき問題が完全にいわゆる刑事問題になって参りますと、刑事問題の方が先行するようなことになりまして、いろいろ証拠書類等もその方面に持っていかれるというような事態も想定されますので、今後のやり方につきましては私どもも県庁その他関係方面とも連絡をいたしまして、その強化をはかって参りたい、かように存じておるわけであります。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 こういう事例をほっておかれると将来大へんなことになってくると私は思いますが、経済局としては、監督行政の立場にあって具体的には何かすぐ処置をされるのですか、これともまた常例の検査でもやって何するという考え方ですか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 予算、人の問題等いろいろありますが、差し迫った事情もありますので、できるだけすみやかなる機会に常例の検査として定例的な検査を実行してみたい、かように考えております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 こういう問題がだんだん大きくなって農民に波及すると、農民が信連を使用しなくなって、預けた金を返してくれという一種の取付のような形が出てくるのではないか。これはあなた方が行って事を処理されるということが適切じゃないかと思う。刑事事件もさることながら、今われわれの広島県の農協では農協の民主化連盟というものができておる。この民主化連盟の人があなた方の方にも行って。再三再四会っておるはずです。民主化連盟でもやり新聞でも書いて宣伝してくるということになると、農民としてはそういうところへ持っていって預金はできない、預金を取り下げるということになって、これは大きい問題が起きる。当局としてほったらかしておいてやらすという結果になると、それはやはり指導監督の立場にあるあなた方の責任ということになるのではないかと思うのでありますが、どうですか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 ただいま仰せの通りに、金融機関としての信用組合連合会を万一にも信用しないというような事態に立ち至ることは、まことに憂うべきことであると思うのであります。その意味合いにおきまして、法律におきましても常例として一年に一回ぐらい検査をすることになっておりますので、できるだけすみやかな機会に検査を実行したい、かように考えております。

佐竹新市日本社会党(右)

○佐竹(新)委員 私は質問をこれで打ち切りますが、直接の委任を受けて監督しておる者は県知事なんです。ところが知事にしても選挙して出るのですから、お互いに農協というような、広い農村の末端にまで信連や販連を通じて信用形態を持ったものを矢面に上げると、そういう幹部からにらまれて選挙に悪い影響がある。だから、みんなおそれてやらない。そこにつけ込んでボスが介在する。そういうことをいつまでも見のがしておくと、最初に私が申し上げましたように、農村の末端にまで農業経営と非常に密接な関係があり、その基盤であるところの農協が、完全にボスの支配下になってしまうという結果になる。その力が強くなればなるだけ政治家なんかはおそれない。代議士なんか何だという考え方になる。広島県の知事にしても経済部長にしても知っておる。けれども、強く当って何か逆宣伝をやられると選挙しに落ちてしまうから、さわらぬ神にたたりなしということになる。総会を開きましても、あるいは信連の監査がありましても、おざなりなんです。そこにもってきて力の支配と金の背景の支配がますますひどくなる。実際農協の預金を扱う指導者として、まことにぜいたくな生活をしておる。これをほったらかしておくと、ますます農村の金融を困難にせしめる。農民の金が農民に返るどころじゃない、焦げつきになって、どうにもならなくなってくる。そういう形になってボスの温存を許すということに対しては、農林省としても特に監督行政の徹底を期することが必要なんです。そういうときに、あなた方がいわゆる力を加えられるということが必要なんです。もちろんそれは民主的な団体ですから、法的に直接に強い行政力は持たれまいが、何といたしましても今日の段階になれば、あなた方がやはりいま少しその運営全般にわたって監督行政を発揮されるということが必要じゃないかと思うが、それに対する経済局長の所信のほどを伺いたい。それをもって私の質問を終ります。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 ただいま厳重な監督を与えろというようなお話でありますが、ただいまお話の通り、一般的な問題といたしましては、地方長官の監督も必ずしも十分ではなかろうかと思いますので、当該のような場合におきましては厳重な監督なして参りたいように考えるわけであります。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 一点だけを関連してお尋ねします。信用機関というものは、信用を失墜すると成り立たないことは私が説明するまでもない。そこで普通の純民間の信用機関でありますと、刑事事件なんかが起きると、もうつぶれてしまう。しかし信連であるために刑事事件が起きて取り調べを受けてもつぶれないでいるということは、背景に農林中金があり、農林省があり、政府の特殊保護のもとにある機関だということで、ようやく命脈を保っておるのではないかと思うのです。そうすると、こういう事件が起きてなおつぶれないでおるということは、政府が信用されておるのだ、こう思うのです。ようやくその政府の信用で保っておるのではないかと思うのですが、さようお考えになっておるかどうか伺いたい。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 一般的な問題といたしまして、相当大きな刑事問題等が発生いたしました場合に、その当該の組合が信用を失墜いたしまして、事業の遂行が困難になるということは言えるのではなかろうかと思うのであります。ただ当該の場合におきましては、私どもといたしましても、なお実情をつまびらかにこまかく存じておりませんので、今後本問題をもう少し深く掘り下げてみたい、かように考えておるのであります。信用事業を行いまする組合といたしましては、いわゆる貯金の業務を営みますので、信用ということが一番先決の問題であるということは、ただいま先生のお話の通りでございます。この点は十分に注意いたしたいと考えております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 従って、この信用の裏づけとして中金があり、政府があるということで、ようやく余命を保っておるものだと見なければならぬ。そうすれば政府の責任まことに重大である。あなた方のバックがあるということで命脈を保っておる。また預金者の方から見ましても、つぶれることは必ずしも好ましくないのでありますから、その信頼があることは、決してこれは排除すべき問題ではない。しかしながら答弁の中においても、それだけ責任があるということを感痛されていないようなのです。調べてみたり、風聞で聞いたり、いや、情報を得たとか、あるいは今度呼んでみたとか、まことに責任の存在がわからない。国民としては、政府のあるために安泰だということは言えるのですから、信連が信頼を受けておるということは、今日の農林金融の上からこれがとうとばれておるからなんです。その信用の上に乗って幾分でも安全であると思われておる。政府という背景があり、中金という背景があるということによってやっておる。少くともその背景をなすところのものは、もっと責任を痛感しなければならぬ。電報だってずいぶん打つことができるでしょう。呼ぶこともできるでしょう。旅費がないといって、これくらいのことを調査に行けないはずはない。なぜ今まで調査に行かれなかったのか。その責任をどう感じられるか。局長は最近なったのだから別ですが、検査の責任を持っておる者が、課長という責任を持っておる者が、なぜお調べにならなかったのか、どういうわけで調べる気にならなかったか、この点を明らかにしていただきたい。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 ただいま御叱正の点、私どもといたしましてはまことに申わけなく存じておるわけであります。別に弁解を申し上げようとは思いませんけれども、私どもといたしましてもその責任は感じております。今後皆様方からかようなおしかりを受けるようなことがないように努めていきたいと思っております。

川俣清音日本社会党(右)

○川俣委員 今後じゃないですよ。今起きている事態に対してすみやかに対処するとか何とか——責任を果していませんよ。責任を感じているというのは、きょう問題になったならばさっそくそれじゃだれかを派遣して、十分調査して混乱が起きないようにする、あとの処理については遺憾のないようにするというようなことが明言されなければ、責任を果したことにはなりませんよ。将来起きないようにじゃない、現に起きているものをどう処理するか。これが処理できないようであっては、将来のことなんか頼めるものではありません。やめてもらうよりしようがない。現実の問題が片づかないで将来のことを言われたって、そんなこと信用できませんよ。

平木桂農林事務官(農林経済局農業協同組合部組合検査課長)

○平木説明員 私の申しました趣旨は、これは私限りでできることではありませんのでこれから上司の命を受けましてやりたいという意味で申し上げたのであります。(「すみやかに処理すると言えばいいんだよ」と呼ぶ者あり)もちろんそうであります。すみやかに処理するわけでありますが将来と申しました意味は、ただいまから局長その他上司の了解を得ましてやるということであります。

綱島正興自由党

○綱島委員長 山村君。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 最初に政務次官にお尋ねをいたしたいのであります。河野農林大臣の農林行政につきましては、いろいろな見方があるかもしれませんが、特に農村のためになる農村行政をするという方針を打ち出されまして、全国の農民からは非常な信頼を受けておると思うのでございます。特に河野農林大臣は、今までの農林行政というものはややもすれば、農民よ国家のために犠牲になれ、こういう方針が打ち立てられておった、今後の農林行政というものは、あくまでも農民のために役に立つ農林行政をやっていきたいということを選挙の最中にも方々で演説をされておったのでございまするが、このことは非常にけっこうなことでございますし、与党の立場におきましても、ぜひこれの強力な実行をお願いしなくちゃならないのでございますが、その党につきましては、もとより政務次官といたしまして、農林大臣と十分緊密な連絡をとっおりまする立場上、やはりその農林行政が一貫されておるいうことを承認されておると存じてよろしいのでございましょうか。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 その通りでございます。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 はなはだ失礼ですが経済局長もその大臣の考えを守っていくというつもりでおるのでありましょうか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 その通りであります。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 ただいまそういう方針のもとに農林行政が強力に実行されなければならない段階に来ておりまするが、ここに中共貿易が展開されたことによりまして、この中共貿易が日本の農民に対しまして相当の悪影響をもたらしておる結果が生じておるようであります。すなわちいろいろなバーターによるところの輸出輸入の関係で、特にあるいは落花生であるとか、あるいはハツカであるとか、あるいはコンニャクであるとかいうようなものが、多量に一部業者のバーターの計画によって輸入されんとする傾向があるのでございます。もし中共貿易を奨励するというような方針のもとに、漫然として、どんな物が輸入されて参っても仕方がないというような態勢をとっておるといたしましたならば、それは先ほど御両氏からお答えがありましたような、農民のためになる農林行政とはおよそ反対な結果が生じて参るのでございます。ところが現実面といたしまして、特にこの点は、あるいは事務上のいろいろな手違い等もあったかしれませんが、千葉県の特産物であり、ことにまた鹿児島県その他茨城県等全国的にも、どうしても落花生でなければその収入を得ることのできない、いわゆる火山灰の地帯があるのです。この地帯において、落花生が相当に生産されておるのでございますが、この落花生の輸入が、最近中共貿易のために非常に多量に許可せられんとしつつありますことを経済局長は御存じでございましょうか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 落花生につきましては、バーター貿易といたしまして、食用が二千二百トン、油脂用といたしまして八百トン、この見当のものを入れるということで進んでいるように考えております。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 局長さんは今簡単に、食用が二千二百トン、油の方が八百トン、合計三千トンばかりのものが輸入されるということを申されておりますが、一体去年、おととし、さきおととしには、どれくらいのものが輸入されておったかということについての御調査はできておりますか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 中共からは昨年度は全然入っていない由でございます。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 あえて中共とは限定いたしません。問題は、海外から参りまする落花生のために、内地の落花生作りの農民が、経済的に脅かされることを私は憂えるのであります。従いましてこの点につきましては、農林省としても相当責任を感じなくちゃならない場面があるかもしれない。  そこで一つ質問を一転して通産省の方に伺いたいのですが、きょうは通産政務次官あるいは通商局長は、エカフェの会合に出ておるという理由で来られないようでございますが、その点間違いありませんか。

日比野健兒通商産業事務官(通商局農水産課長)

○日比野説明員 そうでございます。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 私はしばらくぶりでもって農林委員会へ参りまして、この質問を行わうとするものでありますが、数年前に長い間おりました当時におきましても、ややもすれば通産省の役人の方々は、農林委員会で農民関係と非常に密接な関係のある問題についてぜひとも質問をしたいという要望をしますと、何のかんのと理屈をつけて、農林委員会に出席しない傾向がある。私はこの点につきましては、おとといのうちからぜひとも通産政務次官は出てもらいたい、あるいはまた通商局長は出てもらいたいということを厳重に委員長を通じて申し入れてあったはずです。従って、あなたは課長さんとしての立場でもっておいでになられたようでありますが、これは山村個人ではありません。農林委員会の全員の意見として、こういう農民の重大問題については、通産省の役人は、むしろ通産省の関係の仕事をおっぽり投げても、誤解を解くという意味において、農林委員会に進んで出席すべきであるということを強力に進言してもらいたいと思います。  そこで申し上げますが、今二千二百トン並びに八百トン、大体三千トンの落花生が輸入されるということの御報告が経済局長からあったのでございますが、これらの輸入につきましては、十分農林省関係と連絡の上で輸入の許可を与えたものでありましょうか。

日比野健兒通商産業事務官(通商局農水産課長)

○日比野説明員 事務的には十分連絡しております。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 実際上においては、昨年あるいは一昨年、一昨々年あたりの輸入状況は、この三千トンの一割にも及ばない程度であったのでございます。従って全国の全部の落花生の生産総量が約三万トンと仮定いたしますと、全国の生産のおよそ一割からのものが国内に輸入されているということになるのです。そういう点になると、国内の落花生の値段に非常に大きな影響をもたらすことは必至なんです。現に落花生地帯の農民は、今年はちょうど天候が非常に遅れておりましたために、実際にはまだ生産物というものに相当保有しておるのです。現に千葉県ではまだ一万二千トンぐらいの落花生が保有されておるということが大体想像されるのです。そういうような状況でありますので、こういうような国内の落花生作りの農民が落花生を手離さないうちに、いろいろなバーターの関係があるかもしれませんが、通産省として三千トンも許可をしてしまったということは、私に無責任きわまるということを皆さんに訴えて、そうして通産省の処置に対して糾弾せざるを得ないのでございますが、たまたまこの外貨の処理済みのものが約二千百トン、また外貨をとるための手続中のものが約八百トン足らずあるようでございますが、この通産省の権限におきまして、外貨の手続中のものにつきましては、これをストツプすることはできないものでございましょうか。

日比野健兒通商産業事務官(通商局農水産課長)

○日比野説明員 中共の貿易につきましては、御承知のようにバーターでやっておりますが、この落花生その他の品目につきてましては、バーターの発表形式が、下期につきましては十月三十日から今年の三月十九日まで申請を受け付ける、こういう発表になっておりまして、その受付の日付を、たとえて申しますと十日なり十五日なりで締め切るという発表があらかじめしてあれば適法にとめられますけれども、そういう発表をしていない以上、十九日で受け付けた適法な書類のそろっている申請につきてましては、法的にはそれをさしとめる根拠はない、このように考えております。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 非常に重大な問題でございまして、特に落花生にかかわらず、ほかの農林水産物資が、はっきり申しますならば、通産省と農林省の連絡が不合理のために、無計画、しかもほんとうに業者の申請だけで相当に入って来る傾向が非常にあると思うのです。ところで農林省といたしましては、今通産省の答弁によりますと、どうし今も事務的には不可能だというような答弁があったようでございますが、実際には政治的に何とか解決する方法があるのではないか、すなわち今約三千トンも入ろうとしておりますが、これが通産省の締め切りは一応十九日ということになっておるようでございます。そのために日本の落花生作りの農民に非常に影響をもたらすということが政治的に発見されたとすれば、これをもっと高度のところから、世論によって何とか、せめて外貨手続中のものだけでも強力なる手段によってこれを取り消すとか、あるいはその他の方法によってこれだけのものは入らないような方法を講ずる手段があるかと思いますが、その点につきましては御考究なさったことがございましょうか。

大坪藤市農林事務官(農林経済局長)

○大坪説明員 この点につきましてはすでに契約済みと申しますか、相手方に対しましてそういうような一種の権能を与えておるようなかっこうになっておりますのでこれをいきなり取り消すということは困難かと思いますが、いわゆる話し合いで輸入の時期を遅らせるとかあるいは向うと話し合いの上で契約数量を減らして行く、こういうことは折衝の余地があるかと思うのであります。そういうような方法につきまして通産省当局とは相談をいたしておるのであります。それによりまして、一応約束を与えましたものを幾分でも減らして参りますことは、現実に日本に入って来ますことを少くしますし、またその輸入時期をずらしますと、それだけ価格の上にも反映するということになるので、そういう点を折衝中であります。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 たまたま、落花生の全国懇談会というのがあるようでありまして、この落花生の懇談会が三月十九日に行われたのであります。ところがその懇談会に通産省からは福島、農林省からはあなたの部下である宮地、山田というような係の方が出られたようでありますが、この方々はそのときの発表によりますと、一応千八百トンだけしか入る予定はないということを言明されておったらしい。そうしてその懇談会の生産者代表その他の反対意見を封鎖して、一応了承を求めたというようなことがあるのでありますが、この懇談会において千八百トンというような数字を発表しておりながら、実際には三千トンもの輸入がされるということがあとになってわかったのであります。しかも三千トンもの輸入を予定されたことがわかったことは、私が文句を言い出してからあわてふためいて調査を始めた結果、三千トンということがわかったそのときにはまだ実際には千八百トンくらいしか輸入されないというような考え方を農林省でも通産省でも持たれておったらしいのであります。こういうことは私としてもあまりにも無責任な態度と言わざるを得ないのであります。  そこで私が農林政務次官に一つお尋ねしたい点は、何といたしましてもこういうような問題について、落花生にがかわらず、今後ともいろいろな問題が起ってくると思うのです。ところが農林水産物のバーターの許可というものは、大体通産省でもって許可を与えるものです。例の輸入貿易管理令の第九条第二項によりますと、農林水産物を輸入するための外貨資金を割り当てる場合におきましては、一応通産大臣が農林大臣に協議するという程度のものにとどまっておるのです。従ってこれをもっと強力なものにしなければ、今後の日本の農民の経済を守っていくことはとうていできないと思うのです。農民の経済を守る責任にあります農林省としては、当然輸入貿易管理令第九条第二項を改正いたしまして、通産大臣が農林大臣に協議をするというようななまやさしいものでなく、ぜひとも農林大臣の同意を要するという点に改めなければならないということの必要を感ずるのでありますが、これに対する政務次官としての御意見を伺いたいと思います。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 ただいま御質問の点に加えまして、今まで輸入するようになった、また輸入したものについての措置等についてあわせてお答えを申し上げておいた方がいいかと思います。御案内の通り中共との貿易ができるようになりまして、わが国の雑貨や繊維製品、スフでありますが、その他薬品等を出して、向うから向うで出したいというものをもらうことになったのでございまますが、昨年は落花生が不作のために、本年の一月ごろであったと思いますが、大体一俵が六十キロ、約四斗くらいになりますが、それが普通ならば八千円内外しておるものが、一万円という値段になったのであります。そこでこのバーターによって落花生を入れることになったのでありますが、これはただいま経済局長からお話がありましたように、できるだけ話合いによって輸入量を幾らかでも減らしたい、輸入の時期を遅らせたい。それから場合によっては輸入したものを倉庫に保管をいたしまして、市場出回りをできるだけ押えるような措置を講じたい、かようなことを考えております。なお中共とのバーターによるこの品目の輸入につきましては、四月以降は当分の間停止したい、かように考えております。  それからただいま御質問の点でございますが、輸入貿易管理令という政令がございます。その第九条の第二項によりますとただいま御指摘のように農林水産物を輸入するための外貨資金の割当の場合には、通産大臣が農林大臣に協議をするということになっております。これを農林大臣の同意を得るというように改める必要がある。かように私どもは考えておりますので、ただいまの点について十分検討を加えていきたい、かように存じております。御了承願います。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 政務次官の非常に思いやりある御答弁を得て感謝いたします。  そこで一つ委員長にお願いしたいのでございます。今政務次官から御発言がありましたように、この農林水産物の輸入の場合に、通産省独自でもってどんどん輸入されたのでは、日本の農民はたまったものでない。従って一人一人の皆さんの御同意を得なくても、大体御賛成と思いまするから、農林委員会の決議において、ぜひともこの輸入貿易管理令という政令は、これは農林大臣の同意を要するという一項を差しかえするということを一つきめていただきたいと思うのでございます。従いましてこの農林委員会でそういうきめがなされるとすれば、農林省としても通産省に対しての交渉がやりいいと思いますから、ぜひ一つそのとりきめを願いたいと思います。その点で動議を提出いたしますから、よろしくお願いいたします。

綱島正興自由党

○綱島委員長 ちょっと伺います。その動議は、動議としてここで採決を要するような事柄ですか、委員長のはからいをまつというようなお考えでございますか。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 まだ他党の委員の方々とも連絡済みでもございませんし、大体私の想像としては、どなたも農林委員会においては反対はないと思いますから、それらの取り扱いにつきましては一切農林委員長におまかせいたします。おそらく農林委員長個人としても御賛成のことと思いますので、この管理令につきまして強力な是正方を農林委員会として通産省、政府にぜひ一つ申し込まれて、政府においてこれを善処されんことを私は要望いたします。従ってもし必要がございましたならば、明日あたり理事本会を開いてその決議をなされれば、私としては非常に仕合せでございまするが、おそらく満場どなたも賛成で、反対はないと思いますから、しかるべくおとりはからいを願いたいと思います。  そこで通産省にちょっとお尋ねします。これはあなたにお尋ねするのは無理かもしれませんが、この貿易管理令の改正——農林委員会の大勢として、どうしてもこれに農林大臣の同意を得るということを入れろという要望があることを一つ上司に伝えてもらいたいのですが、この問題について何か今までお話し合いをしたことがございましたか。あるいはこれについてむずかしいというような問題があったら率直にこの際聞いておきたいと思います。

日比野健兒通商産業事務官(通商局農水産課長)

○日比野説明員 同意と協議の問題につきましては、輸出の場合につきましては同意となっておりますが、輸入の場合は協議となっていまして、実は協議整わざる場合の規定が抜けておるのであります。その点では比較的連絡はうまくいっておりまして、そうたびたび問題を起すことはありませんが、時たま意見の調整ができない場合にあるいは通産省独自でやることもあったと思います。全般としてはそう大して規定そのものでトラブルが起きるということは考えておりませんが、趣旨はよく上司に伝えまして、今後の取り計らいをいたしたい。このように考えております。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 大満場の委員諸君も、こういうような不合理な輸入がなされることにつきましては、農民のために心から怒りを発せられておるだろうと思うのであります。本日は一応この程度にとどめておきますが、通産省としてこのような農民のためを考えない貿易制度を今後もっていくということは私としては厳重に警告を発しておきます。なお早急に一つ貿易管理令が改まるように善処をお願いいたします。  なお一つ経済局長にお願いしたい。ただいま政務次官から、あるいは四月以降の分についてはこれを停止する、なお入って来るものの出まわりを押える等の措置を講ずる、あるいはまたなお割り当てたものについても、極力これを行政的措置においてできるだけ減すものは減したいというような点につきましては、ぜひとも一つおざなりでなく、強力に推進してもらいたいと思います。はっきり申しますならば、たまたま野党の諸君はあまりいらっしゃいませんが、われわれ野党の立場というか、そういう立場から言えば、ほんとうに農林省の大きなこれは失態だと思います。従ってそれらにつきましては責任を感ぜられて、ぜひとも落花生を作る農民が今後とも困らないような処置を講じてもらいたいと思います。特に御承知のように、たまたま千葉県のごときは、全国の落花生の約六割以上が出るところでございます。ところがここに政務次官に聞いていただきたい点は、落花生のほとんど出ません三重県にいわゆる育種指定地区というものがあるらしい。これはずいぶん不合理なことでありまして、本年度だけの処置でいわゆる落花生地帯の農民というものは相当の被害をこうむっております。現に落花生はきのう、きょう二百円、三百円の暴落をしておる。そのために娘を売らなければならぬというような状況も出てきておる。こういう状況でありますから、これらは中共貿易の犠牲になった地区でありますし、落花生以外のものは作ってもだめな地区でありますから、そこに育種試験地区のようなものを設けるなり、畑地灌漑をしてやるなり、その他の方法によって今回こうむった犠牲というものを大いに農林省の積極的施策によってしりぬぐいをしてやるという気持で、ほんとうに農民のために役立つ農林行政を確立してもらいたいことを私としては強く要望いたしまして、私の質問を終ります。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 今の輸入の農産物についてちょっと関連してお尋ねいたしたい。というのは、仄聞するところによると、河野農林大臣の構想というのでありますが、この大豆の輸入を特定の商社にまかして、そうして競争入札をもって一般に渡すというようなことが伝えられております。そのために中小の製油業者がろうばいしておるのでありますが、次官は大臣の御構想をお聞きでありますれば承わりたいと思います。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 お答えいたします。第一の大豆の輸入の方式あるいは割当等についての河野農林大臣の構想をまだ私は詳しくは聞いておりません。こういう考え方もあり、ああいう考え方もある。しかし今のままでいいかしらん、十分の一つこの問題については検討してみようじゃないか、こういう程度の話は直接聞いておりますが、まだ具体的の問題については私自身は聞いておりません。私も就任日が浅いものでございますから、なお十分確かめまして、いずれかの機会に申し上げられるかと思いますから、御了承願います。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 もう一つ、その問題について農林省側と通産省側との見解の相違で対立しておるというような話も聞いておる。かたがたそういうものも含めましてよくお聞きの上、適当な機会にお答え願いたい。

綱島正興自由党

○綱島委員長 経済局長にちょっとお尋ねをしておきますが、大体今年は、大豆はどのくらい輸入なさるおつもりですか。ことしは非常にふえるということでございますが……。

山村新治郎日本民主党

○山村委員 大豆の問題は非常に重大な問題ですから、あらためて聞くことにしてはいかがですか。

綱島正興自由党

○綱島委員長 それでは一応これは留保しておきます。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 これは実はそういう話を聞いていたところが、けさの読売に相当詳しく出ている。つまり大豆五万トン、六百万ドルのワクを設けることを要請するという通産省の意見が最近も出ておるわけです。それを、これは新聞ですから、私はあなた方の権威のある面からのお話を実は承わりたかったのですが、山村さんのお話の通り、これは大きな問題ですから適当な機会に譲ってけっこうです。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 井谷委員に私の方からお尋ねかたがたお答えをいたしますが、権威ある新聞にはまださようなことは載っていないと私は思うのでございますがもしそうでございましたらお教えを願いたい。

井谷正吉日本社会党(左)

○井谷委員 読売新聞はおそらく権威のある新聞だと思う。この読売にかなり詳しく出ておりますから…。

吉川久衛日本民主党農林政務次官

○吉川政府委員 読売新聞でございましたか、これは失礼しました。ちょっとお見せを願います。——この点については大臣に十分確かめましてあらためてお答えすることにいたします。

綱島正興自由党

○綱島委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後四時三分散会

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