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22回国会衆議院1955/07/26

内閣委員会 第47号

発言数
391
登壇者
24
会派数
4
開催日
1955/07/26

会議録

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これより会議を開きます。  国防会議の構成等に関する法律案を議題とし質疑を継続いたします。通告かありますので、順次これを許しまり。田中正巳君。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 国防会議の構成につきましては、かねてより同僚委員がいろいろ質問申し上げましたが、質疑の足りない部分について補足的に質問をいたしたいと思います。  まず法案を拝見いたしましてよくわからない点でございますが、国防会議の議題と申しますか、アジェンダと申しますか、これらの提出者はだれであるか。そしてまた具体的にいかなる形態をもって議題が提議されるか、その辺について、いろいろな場合が考えられるかもしれませんけれども、おもなる場合について御説明願いたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 お答え申し上げます。国防会議に対する諮問は総理大臣が諮問するのでありますから、国防会議に対する諮問の提出者は総理大臣であることは明瞭であると思います。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 大分問題になっている点でありますが、国防会議類似の構成というものは世界各国にあるようでありますが、一体国防会議に民間人、議員を入れている立法例がございますかどうか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私どもの今まで調査しております範囲におきましては、国防会議類似の——これは全然同じというわけにいきませんから、各国とも違うのでありますけれども、この国防会議類似の機関にその正式の構成メンバーとしていわゆる民間人を入れておるところはないように思います。ただ正式の構成メンバーというのではなくして、別個の資格において指名しておるとか、あるいは随時その意見を徴するという例はあるように承知しております。

田村元自由党

○田村委員 関連してここでちょっとお伺いしたいのでございますが、民間議員というものができるということになれば、いわゆる旧軍人をその中に入れないというようなかりに規定をする。もちろんこれは仮定でありますが、そういうようなことをすること自体が憲法上非常に疑義があるのではなかろうか、こういうふうに私は考えます。国務大臣は明らかに文民でなければならないという規定はありますが、しかしながらこの文民自体も、はるか以前にやめた人まで指すのかどうかということに疑義があるわけでございます。その他の面においては、基本的人権という面からいいましても、たとえば旧軍人は代議士になっちゃいかぬということも考えられないということになれば、当然民間議員ということの範疇ということになれば、旧軍人ということに限ることは非常に危険じゃないかというふうに考えるのでございます。憲法上の解釈を長官にお伺いすることもどうかと思いますけれども、長官とそれから法制局長官の御答弁をこの際ちょっと承わっておきたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私の私見を申し上げますれば、憲法上こういう会議の議員として旧軍人を法律上差別待遇をするということは憲法の精神ではない、私はそう考えております。

田村元自由党

○田村委員 法制局長官今来られたようでございますからちょっとお伺いしますが、私はきょうは国防会議の民間議員ということに限っての御質問を申し上げるわけじゃないのでありますけれども、きのう成蹊大学の佐藤教授に実は伺いたかったのでありますが、民主的な方法として、民間議員の中には旧軍人を入れちゃいかぬという説を昨日佐藤教授がおっしゃったのでございます。しかしながらこういう審議会にしてもあるいは国防会議にしても、旧軍人を入れちゃいかぬということを法律あるいは政令できめてしまうということは、これは憲法上疑義がある、かように私は考えます。そこで先ほども杉原長官にもちょっとお伺いしたのでありますけれども、国務大臣は文民でなければならぬという憲法上の規定も、これはまた文民ということの解釈の問題であって、私どもは現役の武官はいかぬというような解釈をいたしておりますけれども、これに対する法制局長官の御見解を承わって、一応ここで一つのテスト・ケースとして、旧軍人に対する任用、登用の制限が憲法上どういうふうに解釈されるべきかということの御答弁を賜わりたいと思います。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 結局今御質問の問題は、国防会議の議員にいわゆる旧軍人というものを排除することが憲法上できるかできないかというお話だと存じますが、結局問題になります憲法の規定は、憲法十四条のいわゆる法の前に平等という規定に違反するか違反しないかという問題になると思うのでございます。結局この法の前の平等というのは、もちろん機械的にすべての人を平等に扱わなくちゃならぬという性質のものではないと存じます。そこに合理的なある程度の差別をつける理由があれば、もちろんそれも憲法上できるものだということになると思います。そこで今御質問のございましたいわゆる旧軍人なるがゆえに国防会議の議員にしないというような差別が、果して合理的理由があるかないかという問題に帰着すると思います。結局そこで考えて参りますと、いわゆる旧軍人を一体何ゆえにそういうものに入れないかという理由いかんという問題になってくると思います。結局そこは、おそらくそういうことをしないという方の御意見は旧軍国主義的な色彩がそこに出てくるというようなことの危惧から言われるだろうと思いますけれども、そういう場合に、いわゆる旧軍人という一つの身分と申しますかをとらえて、それを全部排除するということはやはり理由に乏しいじゃないか。やはりそういうような排除の仕方は少くとも憲法上非常に疑義があるじゃないかと私は考えます。少くともそこに合理的理由を立てる場合には非常に問題じゃなかろうか。ただ昔のいわゆる旧軍人という範囲の取り方もいろいろございましょうと思いますが、そういう一定の事実だけを押えて資格を排除してしまうということには合理的理由を見出しがたいじゃなかろうかというふうに考えられるわけであります。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 それじゃ私の質疑を続行いたしますが、国防会議に民間人議員を入れなければならぬという理由一を長官から承わりたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 国防のことは事柄がきわめて重要なことでありますから、できるだけ政府の局にある者以外の、しかもそれが識見の高い練達の士という人の意見を取り入れた方がよよりよいであろう、こういう考慮からでございます。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 そうすると、今まで議論になった総理大臣の権限をチェックするとかあるいはこれを強化するとかいったような観点から出たものではないのでありますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 さようでございます。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 政府原案によれば、私どもの見るところ、民間人議員の方が国防会議において、その数においてまたその地位においてウエートが高くなる可能性があるというふうに考える。その理由は、閣僚議員五名に対して民間人議員が五名というバランスをとっているようでございます。ところが閣僚の中には副総理のごとく必ずしもおらない人が、ある場合によってはできて参ります。それからまた大臣兼職によってその人数というものが欠けて参る場合もあると思います。それから御承知の通り国務大臣には、これは実質上の問題ですが、総理大臣の罷免権というものがございます。ところが民間人議員の場合には、この法案を見ると、義務違反その他議員たるに適しない非行があった場合に罷免されるようになっておりまして、その地位の強固さというものは、法律上民間人議員と閣僚議員との間には相当の隔たりがあるように思うのであります。あれやこれやいろいろな観点から考えますと、このままの形でやっていくならば、民間人議員の方がその地位においてまたその発言権において強固なものになるというふうに考えられるのであります。従って国防会議において民間人議員に対してウエートを高くお考えになっておるものかどうか、その点について御答弁願いたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 今御質問の中に指摘された点は、法制そのものの解剖としてはそういうふうに相なっておるわけでございます。しかし御承知の通り、これは五名以内ということにいたしておりますので、たとえば実際上国務大臣たる議員が兼職等によってあるいは四名になっておるような場合には、そういう点も十分考慮に入れて、この五名以内というものは実際の運用を適切に考えていかなければならぬ、こういうふうに考えておるのであります。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 さような御答弁でありますが、しかし民間人議員については、先ほど申し上げました通りの理由がなければ罷免できないのであります。しかしてその任期というのは、三年というふうに限っておるのであります。さすれば、かりに内閣が更迭いたしましたり、あるいは閣僚間の構成に異動があったとしても、直ちに員数を減らすわけにはいかぬと思うのであります。かかる場合についての御考慮はいかがでございますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 その点は、確かにこの法律の規定としてそういうふうに相なっております。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 ただいま総理がお見えにならぬので、御質問申し上げてもどうかと思いますが、先般のこの委員会において、民間人議員の秘密漏洩については内閣が責任をとる、かように申しておりますけれども、この責任をとるということは、一体内閣の総辞職を意味するのでありますか、どうですか、この点についてお答えを願いたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは確かにいわゆる民間議員に限らず、議員及び議員たりし者の秘密保持ということは、きわめて重要なことでございます。従いまして、万一にもそういうことがありました場合には、内閣としては高度の責任を感ずべきは当然だろうと私は思っております。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 高度というのは、体具体的にいかなることをいうのですか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 それは各個の具体的の場合によって、政治責任というものは当然考えなくちゃならぬ、かように考えます。各個別の場合に応じて、そういう点のことを政治上十分責任をとっていかなければならぬものだと思います。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 この点については明確なる御答弁がないのでありまして、その場合その場合によってお考えになるということになると、その節の便宜的な方法によって処理されるおそれが十分あると思うのであります。  次には、過日私があなたに御質問申し上げましたときに、識見の高い練達の士というふうな表現を用いまして、学識経験者と言わなかったということについては、あえて旧軍人を登用することについての誤解を避ける意味であるというつもりも、あるようなお答えであったように私記憶いたしておるのでありますが、さすればこの民間人議員には、旧軍人を入れるとも入れないともまだはっきりしたお考えがないのでありますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは、ほんとうに識見の高い練達の士という点を基準にしてやるべきだと存じております。そうして法律の建前として、いわゆる旧軍人は絶対に入れないんだ、そういうふうに初めからきめてかかるわけには私はいかぬだろうと思う。実際のこれの具体的の運用に当りましては、国会方面の御意見あるいは世論的なものなど十分考慮に入れて、そしてまたこれは結局国会各議員の御承認を得るものでなくちゃなりませんから、十分この点は意見を聞いて考えなければならぬことだと思っております。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 さすれば民間人議員について、いかなる人を選ぶかという基準にはお示しが今までなかったのですが、ただいまもその基準についてお示し相願うわけにいきませんでしょうか、あるいはかような者を入れたいとかいう基準がございませんでしょうか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 その点について自由党内閣時代には、いわゆる民間人議員なるものについてその基準的なものとして、総理の経歴のある方というようなことを御考慮に相なっておったやに聞いておるのでありますが、こういう点は、やはり十分考慮に入れていいのではなかろうか、かように考えます。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 私どもは、この民間人議員について基準がないということが、非常にこの問題についての反対の原因になったというように思っているのであります。特に国民の心配するのは、兵器生産業者の場合であります。兵器生産業者がこの民間人議員になって、国防の重要問題を議するということについて、非常に国民は不安の念を持ったと思うのでありますが、かようなことについての御考慮はございませんか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 その点は、やはりそういうことに直接関係しておられる方は、ほかの観点からいかにりっぱであっても、この国防会議の議員としては、私らとしてはそういう方は、これに考慮するつもりはございません。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 私どもの考えるところでは、二の国防会議の議題というものは、いろいろ多岐に相わたっているように思うのであります。国防の基本方針、防衛計画の大綱、あるいは防衛産業の調整計画の大綱、防衛出動の可否その他と相なっているのでありますが、一体これらの議題を扱うのに、同じ議員構成をもっておやりになる方がいいのか、あるいは一部の人が考えるようにこれら国防の基本方針であるとか、防衛産業の調整計画のごときものと、その本質において相当な開きのあるところの防衛出動の可否を決定する場合の構成メンバーと、違えた方がいいのじゃなかろうかと考えたりする者もあるようでありますが、この点について長官はいかにお考えになりますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 この法案にある常任的な構成メンバーというものは、ここに規定してある通りで私はいいと思いますが、そのほかこの法案で、関係ある問題については、特に関係の大臣、統幕会議議長その他の関係者の意見を求めることができるということに相なっておりますので、それの運用によって、今御質問の点は、実際上適当に処置していけるものだと思っております。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 小金委員。

小金義照自由党

○小金委員 総理大臣またはこれにかわるべき大臣の御意見を承わりたいことがありますが、それは後刻に譲りまして、通産大臣がお見えになりましたから、防衛産業関係についてお尋ねをいたします。この前企画庁の長官と防衛庁長官お二人にそろってもらって、ここの問題に関連して私が質問をいたしたのでありますが、どうも要領を得ない。ことにこの法律案の第四条の議員、すなわち構成メンバーの中には通商産業大臣がない。そして第六号に「識見の高い練達の者のうち」、こういうものに産業関係の有識者を予定しているのかというと、これもはっきりいたしません。そして、それでは通商産業大臣の所管の問題が非常に大きくかつ広汎だと思うが、法律案の第八条によって、議長は必要があると認めるときは、大臣を出席せしめて意見を述べさせるとあるが、これでいくのかというと、まあそんなところだろう、こういう話です。けれどもオブザーバーとして出席して意見を述べるのと、この国防会議のメンバーとして、または国防会議に提出すべき重要な条件を作成する責任者として通商産業大臣の地位を考えなければならないのではないかという考え方が、相当強いのであります。それはかつて——これは戦争中だから例にもなりませんし、いいことではありませんけれども、石橋さんの所管されている通商産業省は、そのまま軍需省に、ほかから仕事をとってきてなったのであります。それほど防衛産業と今の通商産業省の所管の事項とは密接であり、また重なっている、こういう立場から石橋通産大臣の御意見を承わりたいのであります。第一に防衛庁設置法第四十二条の第二項の第二号、三号の関係でありますが、第二号には「防衛計画の大綱」それから第三号には「前号の計画に関連する産業等の調整計画の大綱」こういうことが掲げられております。これは一体だれが責任者でだれがこういう大綱を作るのか、それを承わりたい。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 お尋ねの第四条の意義というものは、前からのいきさつがあって御承知のように、これにしぼられております。大体われわれの方でもこの法案を作るときにも論議をいたしました。実は通産大臣が重要だということはお話の通りでありますが、そうすると運輸大臣も農林大臣も必要ではないかというような問題も起りまして、とにかく前のいきさつもあるから、今回は企画庁長官にしぼっておいて、そして必要のある場合に関係大臣が出席して意見を述べるということにしたら、それで実際の運用はできるのじゃないか、こういうことで前からのいきさつを一応尊重してこの通りになったのであります。

小金義照自由党

○小金委員 それは私は承服できない。前からのいきさつだけに縛られてこういう重大な会議を作るべきものではない。それから今あなたの御答弁の中にもありましたが、通産大臣が入れば運輸大臣も入らなければならぬ、郵政大臣も電波関係で入らなければならぬ、こうなると総動員計画のようなものになってしまうから、それは今日の事態においては許さるべきではない。一つの例をとりましても、常識的に考えて船も大事、電波も大事でありますが、ことに飛行機の発達は音速を越えるほどですから電波兵器以外にはこれに対抗するものはないのです。そういうことは一つ二つあげればございますが、輸送も食糧もということになると総動員計画になってしまう。国防、国民の安全と国家の独立を守るために一番大事な問題は民心の安定です。文部大臣その他思想を取り扱う人も入れなければだめだということになれば、閣議全体になる、そういうばく然たるものではなく、ともかくも一応アジア諸国の一員として自衛体制を整えて独立の実を示そうじゃないかという段階においては、何も遠慮されることはないし、いきさつにとらわれることはない、そういう見地から前からのいきさつばかりにとらわれないで、せっかく閣議で決定になり、法律案をお出しになるのだから、そのくらい信義をお考えになっているくらいならば、主張して出さるべきが至当ではないか、こう私は申し上げておるのでありますが、しかしこういうことで出てしまったから、第八条の閣僚としての出席を許されての発言で事足りるではないか、今の立場ではこれ以上は私は御答弁できないのだろうと思う。これは高碕さんも杉原長官もその通り答えられている。杉原さんは正直だから通産大臣は入っておった方がいいだろうということを考えておられるようだが、しかしここで私が承わりたいのは、防衛関係の産業の中で特に大事なのは、ウラニウム鉱でもその他の電波でも何でもない。やはりふだんは輸出産業として相当繁栄する産業であり、同時にこれが防衛にも役立つ産業と思うが、そういうものをどう考えておられるのかということを承わりたい。たとえば機械にしても自動車にしても、工作機械にしても、これは一朝事あるときにわれわれ自己防衛のために必要だからといってもすぐできるものではない。これらについて通産大臣はどういうお考えを持っておられますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 申し上げるまでもなく、産業機械、それから今の自動車というようなものは極力保護助成をしていく、こういう方針で本年度の予算においてもある程度のそういう措置をいたしております。これはうんとやるつもりでおります。

小金義照自由党

○小金委員 工作機械あるいは自動車の国産奨励を今通産大臣は考えておられるようですが、具体的にはどういうお考えをお持ちになっておりますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 機械については多岐にわたりますから、いろいろこまかく私から申し上げることはちょっと困難でありますが、ただ輸出については機械輸出の奨励のために、御承知のように、昨年まではリンク制等で輸出をしておった、そのリンク制をやめまして、そのかわりに間接に機械産業のプラント輸出などができるように便宜を与えるために、アフター・サービスあるいは設計についての援助というようなことが行われるということが一つであります。それから各地の外国の見本を入れるとかあるいは日本の見本を海外に出して輸出奨励をする、これは直接には輸出奨励策でありますが、言いかえればそれは日本の機械産業を助長する。自動車などは非常に困難で、実は今の海外との貿易の関係から申しますと、もう少し思い切って外国車を入れたいところなんですけれども、それをできるだけしぼって、日本の国産車を早い間にものにしたい、現在トラックなどは相当ものになっております、からさらに乗用車においても日本の自動車がむしろ海外に輸出できるところぐらいまで早い機会に持ってきたいと思ってただいま苦心惨たんしている、かようなことであります。そのほかいろいろ中小企業における機械、多くは下請に出るものでありますが、そういう機械設備の改善というようなことにも補助、奨励をしている、かようなことであります。

小金義照自由党

○小金委員 それからもう一つは国家の資源の開発、未利用資源の利用の問題であります。防衛関係というと非常に広範なものでありまして、今私も触れましたが、実は人の心持が一番大事だとさえ言われる。それは別として、防衛力を測定するのは鉄鋼の生産力、各種油の生産力とその保有高によって勘定ができるとさえいわれている。これらは日本においては今のところきわめて不十分と申し上げる以外にないと思います。これらはここでせんさくはいたしませんが、アルミニウムの生産量については、今全部ビンタンまたはマライのボーキサイトによっているのですか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 お話のように残念ながら国内産のものは使われておりません。みなボーキサイトであります。

小金義照自由党

○小金委員 石油については先般試掘に関する特別の会社法をお作りになったようでありますが、私ここで特にお尋ねいたしたいのは、飛行機が大体ジェットになりつつある、そして音速をしのぐような非常な高速の飛行機になり、ジュラルミンや何かではだめで、結局メタリック・チタンを相当使わなければならない。わが国においてはチタンを含んだ砂鉄が相当あるが、これらの砂鉄の調査とかあるいは埋蔵量の調査あるいは採掘に関するいろいろなデータ、または奨励策というようなものがおありでございましょうか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 砂鉄についてはたくさんあるが、実はばく然としておりまして、実際にどれだけあるかという的確な数字は今までつかめておらなかった、それは今調査をいたしております。それからチタニウムもスラグの生産は幸いに相当起りつつあるわけであります。

小金義照自由党

○小金委員 チタンのスラグの生産について、奨励あるいは金融方面のいろいろな助成というものはお考えになっておりますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 やっております。特に開銀からの融資というものについては、われわれの方で仲介いたしましてやっております。

小金義照自由党

○小金委員 メタニック・チタンは世界的に今のような、これは軍用とか非軍用を別として、飛行機がジェットになれば当然相当数量使われる。ところが日本には現実に飛行機工業というものはそんなにない。ですからもっぱらこれは輸出品になっております。海外の市場目あてであるからチタン工業というものは不安定であるというような考え方から、通産省自体が少ししり込みしているんじゃないかという懸念があるそうですが、その点はいかがですか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 そんなにひっ込み思案はいたしておりません。大いにやろう。加工の方面にも援助をしよう、かように考えております。

小金義照自由党

○小金委員 私は飛行機工業について承わりたいのですけれども、時間もないからこの程度にしておきます。が……。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 小金君、ちょっと通産大臣に飛鳥田君が質問がありますのではさんでよろしいですか。

小金義照自由党

○小金委員 けっこうです。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 終ったところでいいです。

小金義照自由党

○小金委員 飛行機工業については私も大体知っておりますからこれはここでは省略しておきまして、ウラニウム鉱の調査は進められておりますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 ウラニウム探鉱はいたしております。予算もとってあります。ですからこれは今まで日本でやっておりませんような特別の探鉱法があるそうです。そういう技術の何と申しますか、確立ということを二回において目的としつつ現在やっております。

小金義照自由党

○小金委員 ウラニウム鉱業とかあるいはチタンの原料というものはあることは幾らもあるけれども、どういうパーセンテージの鉱石がどういう賦存状態をしておるかということが問題です。今チタンを含んでいる砂鉄の調査をしておられると言われますが、これは埋蔵量の調査だけではだめです。どういうふうにして工業化されるか。その程度の立ち入った分析までしての調査を進めないとこれはほんとうの調査にならない。それは十分御承知で、その点の経費までとっておやりになっておると心得てよろしゅうございますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 その通りであります。

小金義照自由党

○小金委員 日本では今普通の飛行機は製造は全くいたしておりませんか、この点をお聞きしたい。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 今練習機程度のものはやっていますが、飛行機らしいものはまだやっておりません。

小金義照自由党

○小金委員 そこで元へ戻りますが、防衛庁設置法の第四十二条に言うところの、関連産業の調整計画の大綱を決定するとかということになって、通産大臣はオブザーバーでいいか。次の条文にある事務局が結成されるから、それに通産省からしかるべく人を出向さして、そこの事務局で働かせるからいいというような程度と今のところでは推測するのですが、それでよろしゅうございますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 欲を言えば切りがありませんが、これは実際に防衛産業の方は会議に出なくてもやらざるを得ないし、通産省としてはむろん今でも、この会議がなくても、どうしても今後防衛産業をやっていかなければならないということで調査もし苦心もしておる次第でありますから、やれると思います。

小金義照自由党

○小金委員 それだから問題だ。通産省はそう言うが、そこで今度はこの国防会議というものができて、事務局がだんだん大きくなって、企画庁も、私は不十分だと思うけれども、ああいうものができて、これでごしゃごしゃやるから、またいろいろなセクショナリズムが行われていろいろな問題が起る。むしろ今私が通産大臣はこれに入らなくてよいのかというのは、一貫した一つの場所で国の防衛を考えなくちゃいかぬじゃないか、こういう立場を私はとっておる。だから今大臣の御答弁を聞くと、高碕さんの答弁とあわせて、ますます防衛産業についてはセクショナリズムになるおそれが出てきたので、こういう点を総理大臣がどうして調整するか、あとで承わるのですけれども、これで大体はっきりセクショナリズムがひどくなってきて、抗争する場合にはそれでいいが、かつて陸軍需要をAとし、海軍の需要をBとして、民需をCとして分配に非常に苦しんだ、こういうようなことができるようになれば一面けっこうだ、それほどのものになればけっこうだと言われるかもしれぬが、そういう愚を繰り返したくないので、これをここで国防会議を作るならば、もっと格好をつけて、一つの機関で大体日本の関連産業が計画され、調整されるようにいたしたい。企画庁ができて、だんだんこれらの権限り拡張をやる、国防会議の事務局がまた拡張する、通産省はあなたのような積極的な大臣が出られると、ますます仕事をやっていく、ますますこの調整をどうするか、大問題が起るらか、これはどうしても総理大臣に承わらなければならぬという結論になるのです。せっかくそれぞれの担任のお仕事で御勉強されることは私は希望いたしますが、それらの問題についての御所感はいかがでありますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 実は今の私の考えは、これはお説はごもっともでありますが、それより先に、とにかく早くこういうものができて、防衛計画ができてくれることを待っておるのです。そうしないと防衛産業といいましても全く雲をつかむようで、今計画をやろうにもやりにくいというので、困っておるようなわけでありますから、まず一つこの国防会議で、どなたでもいいから一つの防衛計画を立ててもらいたい、こう思っております。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 飛鳥田君。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 今小金さんから御質問になりましたのとほとんど同様なことをまたお伺いすることになりますが、国防会議法を見ますと、通産大臣はその構成員の一人になっていない。ところが現実に今問題になっている防衛産業、軍需産業の問題は非常に緊急の問題です。その一つの例を取り上げてみましても、銃弾その他の軍需産業を国有民営にする、こういうような御意向があると承わっております。こうしたものを国防会議の中で具体的に御主張にならないで、ただオブザーバーとして出席する、大蔵大臣と折衝するという程度でやっていけるものであるかどうか、こういう点に非常に疑問を持つわけです。そこで問題を二つに分けて軍需産業の国有民営についてもいろいろなお話しを聞きます。たとえば兵器産業設備国有化法案なるものをお出しになる準備をしていらっしゃるということも聞きます。こういうような点で国有民営を行なっていかれる意思があるかどうか、これが一つ。そうした場合に国防会議でどういう調整をとっていかれるのか、これが第二です。これについてあらかじめ概括的にお話しを承わりたいと思います。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 ただいまの兵器の国有とか民営とか申しますのは、むろんまだ決定しておるわけではございませんが、これは御承知のように、今の日本の兵器産業といいましても、実はあの持需を中心にした砲弾の製作がまあ全部といってもいい状態なので、しかもその注文はかなり巨額でありました。しかも突然それが減ることになりましたので、今までの砲弾メーカーというもの及びそれに関連する産業というものが、失職状態になる、これを何とかしなければならぬということが一つ。同時に日本の防衛力が非常に大きくて、その今の砲弾工業を全部日本の自衛隊で使用するほどの需要が防衛庁にありますと、これは問題ないのでありますが、残念ながら——残念でないかしらぬが、とにかく今そういう段階ではございません。その何分の一の需要もむずかしい、こういうことであります。しかしながらこの自衛隊がある限りは、必要があることは言うまでもない。全然なくていいかというと、そうでないのであります。そこで現在の砲弾工業をやっているものの整理ということが一つ。同時に将来の国防上ある程度の砲弾はむろん要るであろうから、それはやむを得ないから、どうしても民営でやれない部分は、設備の一部分を、これは種類が非常に多いのでありますから、その各種類について一系列ずつは今後日本で砲弾の製作がいつでもできるというだけの処置をとっておく必要がある。かようなことで研究をいたしまして、大体そういうような線で案は作っておりますが、しかし今のところではまだ特需も減ることはわかっていますけれども、現在においてはまだまだ作業しているものが大部分でありますしいたしますから、急に今急いでやる必要はないというような状況で、なお研究しつつ、いずれ来国会か、必要な場合に御審議を願うことになるかと思います。そういう段階であります。  それから国防会議との関係は、先ほどから小金議員の質問に答えたように、これはなるほどこの会議にみな出席しておるに越したことはございますまいが、現段階においてはまだ実はそこまでいっておらないので、防衛産業というものは、国防の規模、将来の計画等が定まってからでないと、どうにもならない。その規模に従ってわれわれとしては防衛産業というものを専門的に考えてみたい、かようなことでございますから、私としては特にこの国防会議へ出席しなければ、どうしても仕事ができないというふうには考えておりません。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 飛鳥田君、通産大臣はほかの会に行かれるので、くくって短かく質問を願いたい。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 今のお話の銃弾の特需ですが、これは急激に減ってきている。少くともまだ三千万ドルくらいはワクがあると思っておったのに、正式の通告によれば、一千万ドル前後のものしか出ないということが明確になってきております。現にそれに対して大臣自身も、これではとうていかなわぬ、アメリカに対して善処を要望するという声明をなさったと新聞で拝見しておりますが、急速にこの問題は解決していかなければならない問題で、これから考えて大蔵省の対立意見と調整をしてやっていくというようなひまはないと思うのですが、このままほうっておけば全部それがつぶれる。そしてまたそこの労働者たちが失業してしまうような状況が出てくる、こういう状態だと思うのです。従ってこれについて速急に善処をせられるお気持があるのか。あるとすれば、今いった国有民営化の方向に進まれるおつもりなのか。これは時間的に非常に差迫っています。その点をもう一度伺いたいのと、もう一つは、国有民営化の出て参ります根拠として、アメリカのロスさんですか、この方から、少くとも今日本の銃弾メーカーが作っている程度のものは、戦時状態を考えてみると、どうしても温存しておく必要がある。自衛隊の需要に見合うだけのものに減少してしまっては困る、こういう要求が来ていると新聞は伝えているのですが、こういう点どうでしょうか。その点についてもお答えいただきたいと思います。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 確かにお話のように、砲弾の工業というものは非常な注文の減少によって危機に追い詰められていることは事実であります。しかしながら今の状況では、防衛庁の方からは一発だって注文は出ないというようなわけでありますから、国内の需要というものはまずないといってもいいようなありさまであります。とにかくある程度は施設も温存しなければならぬ。これは民営会社で自分でやれるところもありますが、専門の砲弾だけ作っているところはどうしても何かやらなければならぬ、そういう点については、一系列ごとにある程度の設備を国有にしておいたらどうか、こういう考え方であります。ですから、率直に申しまして、そういうことをやりましても、実は困ったことでありますけれども、現在砲弾工業に従事している従業員までを救うという道は、このままではないのです。会社自身が何かほかの生産に転換するとかなんとかいう方法を講ずる以外には、砲弾そのものによって現在までのように従業員をかかえていくということは、今のところでは望みがないのであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そういたしますと、政府が保護を与えていく、いわゆる国有民営化の方向に進んでいく場合に、政府による工業所有権の取得とか貸与とか、あるいは長期低利資金の供与とか、あるいは税法上の優遇をするとかいうようなことを考えておられると承わるのですが、こういう点についてはお考えになっているでしょうか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 今こまかいことは記憶しておりませんが、いろいろの点でどういうふうにしたらとにかく将来のためにその設備の一部分でも温存ができるかということで、種々なる方法を事務的に今検討をしているという段階であります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そうした場合、MSA資金の交付とか、あるいはこれを融資するとかいうようなこともお考えになっていますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 ただいまそういうことは考えておりません。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それじゃ最後に、最近ジェット機の国産化をはかるために、ジェット機生産に対するアメリカとの公文をかわしたということがあるそうですが、この公文をかわした日、それから内容について御発表いただきたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私からお答え申し上げます。これは六月三日に交換公文をかわしております。これはかねて国会でもたびたび御説明申し上げておりますように、日米相互援助協定に基くものでございます。その内容は、今日までたびたび申し上げたのが要点でございますが、つまりF86約七十機、T33約九十七機の組み立て生産を日本側でやるということで、それに必要な部品、治工具、それから技術援助というものをアメリカから供与を受けまして、そうしてこれを日本で生産する。F86の方は、日本側では新三菱重工業に担当させる。これはなぜそうかと申し上げますと、F86のアメリカ側の生産会社がノース・アメリカンになっておりますし、ノース・アメリカンと新三菱重工業の間では、かねてオーバー・ホール等の関係で技術援助協定が結ばれている、そういう技術的の協力関係がございますので、そこに担当させる。それからT33の方は川崎航空、これはT33のアメリカ側の生産会社がロッキードでございまして、ロッキードと川崎航空との間は、先ほど新三菱とノース・アメリカンについて申し上げましたような技術的の協力がかねてからできておりますので、その間に新たに技術協定を結ばせまして、そこで担当させてやる、こういうことでございます。なおこの点につきましては、さらにもう少し詳細に政府委員から御説明いたさせます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 それはあとにして…。

江崎真澄自由党

○江崎委員 ちょっと関連して通産大臣に伺います。  今、小金委員と飛鳥田委員の御質問に対して、兵器産業設備の国有化法案というか、その方向がだんだんはっきりしてきたようでございます。そこで、われわれ尋ねておきたいことは、すでに在日米軍の銃砲弾のストックは約十三万トン程度ある。これは、今発注が一つもないといわれる自衛隊の消費量からいうならば、もう十数カ年分が融通される可能性があるわけだと思います。ところが、今度政府において考えておられるのは、銃砲弾生産部門を国有民営に切りかえる。そして、その設備を政府が買い上げて、一定の使用料をとって、国有民営の実を上げていく方向だというふうに、われわれは承わっておるのでございます。一体、銃砲弾が現在の場面でそんなに不足をしておらぬときに、特需が激減したからというので、政府側の伝えるところによれば、一般会計から三十億程度の買い上げ資金を出すのだというふうに聞いておりますが、これは一定の特殊な、不況に陥った大資本家を匡救する策であるというふうにしか、われわれはこの段階では理解することができない。防衛庁長官、そこにおられますが、防衛に名をかりて、ただ単に七千万ドル程度年間の発注があったものが、ソビエトとの両面外交等の影響も確かにあって、これが一千万ドルに激減した。そこで赤字続きになって、五万人の首切りもやらなければならぬという場面を現出するに至って、にわかに国有民営化案を出すということは、いささか政府の策のないことを、ただ貴重なる国費によってまかなうというようにしか、われわれは理解できませんが、この点、通産大臣どうでございますか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 御批評はいろいろあると思いますが、とにかく今の生産設備の中で、県営でやっておって、何かその会社自身が転換をしてやれるというところまでやろうとは思っておらぬのです。全く専門で、銃砲弾ばかりやっております。それはこまかく記憶いたしませんが、多くは国有財産の払い下げを受けてやっておるというので、砲弾だけをやっているというようなところは、何とかしないと、これは全く設備をつぶしてしまう。現状においては、なるほど防衛隊は相当のストックを持っているから、必要はないかもしれませんが、やはり防衛隊を持つ限りは、日本においてもある程度の生産ができるだけの体制を整えておかなければならぬ。そういう意味で、やむを得ない最小限の程度の設備は国有にしておいたらどうかというので、これは閣議を経たわけでも、政府でみんな話し合ったわけでもありません。ただ通産省としては、いろいろ考究してみたら、その程度よりほかにはないのじゃないかということで、通産省の考えは、現在においてはかような程度であります。

江崎真澄自由党

○江崎委員 簡単に申し上げますが、どうもそういう点でわれわれが了解に苦しむことは、戦争特需を見て、各企業会社が争って、これには非常に競争や、忌まわしい話などがつきまとって、国有施設の払い下げを受けた。ところが当節では、この利払いにすら窮しておる実情でございます。けれども、これは企業の見通しそのものを誤まった企業体の責任ということも、これは十分あることであると、私ども考えなければならぬのです。砲弾と、その他の武器の生産を国家が保有するということは、将来憲法の改正でもされて、今の防衛庁がりっぱな国軍として生まれかわる前提としても、一応考えられることですが、この段階において、にわかに一般会計から三十億も出して、この銃砲弾部門についてのみ確保しようとするがごときは、一部の特定会社のみに利益をはかるという傾向なしとしません。国有民営という形でこれをつかんでいこうというのであるならば、むしろ鉄鋼の基礎産業にこの国費を向けていって、これを確保することの方が前提であるというふうに、私どもは考えるのでありますが、この点については、どういうふうにお考えになりましょうか。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋国務大臣 ある特定会社の救済策にこれを使おうというような考えは持っておりません。あなたもよく御承知のように、名古屋方面には特に困っておるところがございます。それを特に救済しようというような考えじゃありませんが、せっかくある設備をまるで滅ぼしてしまうことも、全体的に見て国家の損だろうと思います。ですから必要な最小限度において、ある程度の手を差し伸べて、その設備の温存をはかり、その設備があれば、幾らかでもまだ特需もありますので、そういう程度の生産はできるわけでありますから、そういういわば消極的な考えであります。  それから鉄鋼等についてはほかにいろいろの手を打っておりますから、特に鉄鋼を国有民営にするというような必要は、現在のところ考えておりません。

江崎真澄自由党

○江崎委員 大臣お急ぎのようですし、きょうは約束の時間もありますからあまりこのことで行ったり来たりの議論は差し控えたいと思います。しかし私どもは防衛産業の問題について重大なる関心を持っておりますので、こういう銃砲弾の末端につながる産業よりも、むしろ鉄鋼等の基礎産業を国家が管理すべきものであると考えられますが、それよりも先に、かつて政府財産を払い下げたものを、今度は政府が莫大な国費で買い上げて、しかもこれの使用料を取る。話はきれいでありますが、これは利息にも満たない金額で、その工場をただで使用させるということになりかねないのであります。見通しなく、ただむやみに安いことに希望をつないで払い下げを急ぎ、しかも両面外交等の政府の失政によって特需が激減したということのしわを両者なれ合いでそういう形の防衛産業の名前においてごまかしていかれることは、われわれ野党として見のがすわけには参りません。非常に強い監視の目を光らしておりますので、この点について一つよく御考慮を願いたいと思います。  防衛庁長官にこれに関連して率直に承わっておきたいのですが、一体防衛庁長官は、将来の自衛隊の考慮と思い合せて、通産省で考えられるほど銃砲弾部門を確保しなければならぬとお考えになるのであるか、あるいは激減したところの特需程度のものでいいというふうに思っておられるのか、この点はっきり承わりたいと思います。あなたの御答弁いかんによっては、またあなたのものの考え方、六カ年計画と合せまして相当複雑な問題をはらんでおりますので、慎重な御答弁を願います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 通産大臣の時間がないようですから、その答弁はあとに願います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 時間もないようですから、議論にわたらないように事実だけ伺います。MSA協定の資金の配分が非常にまだ不明確で、衆議院の予算委員会にMSA資金の配分の資料を御提出になりましたけれども、これによりますと、昭和三十年度に贈与を予定する分の使途についてはいまだ決定していない、こういうふうに書かれているだけで、詳細が一つも述べられていたいわけです。これを詳細に使用分を御発表願いたい。なかんずく今度公文を交換したジェット機の生産協定について一伺うところによりますと、二十三億ですか、二十五億ですか、これにMSA資金を使う、こういうことが公文の中に出ているそうです。あとで公文を御発表いただけるそうですから、それからでも差しつかえないのですが、あらためてMSA資金の配分について御説明を願いたい。

岩武照彦通商産業事務官(大臣官房長)

○岩武政府委員 MSA資金の配分は、この前予算委員会に差し出しました当時は、三十六億のうち二十数億残っておりますものがまだきまっておりませんので、未定にしてあるのでございます。その後ジェット機生産の問題もだんだん話が具体化して参りましたので、その方は目下のところは二十四億程度MSA資金から出すことが必要じゃないかということで、目下検討中でございます。まだ最後的にきまっておりませんが、大体そういうことで考えておるわけでございます。現段階ではなお最終的には未決定ではございますが、残余の大部分はジェット機国産の方に使用されることになるだろう、こういうことだけを申し上げておきます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そうするとMSA資金の中からジェット機生産に二十四億ですか、新聞報道によりますと二十五億と書いてありますが、この内訳も一つお話をいただきたいと思います。新聞を見ますと、政府筋によればF86ジェット戦闘機の組立並びに生産に当る三菱重工に対し十五億円、部品原材料部門に対して十億円を設備資金として配分されんとしている、こうなっておりますが、これは正確でしょうか。

岩武照彦通商産業事務官(大臣官房長)

○岩武政府委員 私はその新聞記事を見ておりませんので、直接その記事がどうということは申し上げることはできませんが、大体ジェット機の機体関係につきまして、先ほど申し上げましたMSA資金の二十数億を一応考えて検討中でございます。内訳はまだ未定でございますので、今検討中ということで御了承願いたいと思います。それから御指摘がございました関連部門の方はMSAよりもむしろ他の財政資金、開銀融資でございますが、その方に期待しております金額は、今十億というふうな新聞記事があるそうでございますが、何億になりますか、われわれの方もまだ検討中でございますが、全体では十億要りましても、初年度で全額出しますかどうか、これもあわせて検討中でございます。一応その段階で御了承願いたいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それでは最後に、その二十四億の配分については米国政府の使用許可が必要だと思うのです。前に政府が御決定になりました二億五百万円については、米国政府の使用許可の通達を受けたというお話ですが、今度の二十四億については米政府の使用許可を受けたんですか。これは当然公文を交換したのですから許可を受けたものと私たちは考えているのですが、その点どうでしょう。

岩武照彦通商産業事務官(大臣官房長)

○岩武政府委員 使用許可というのはちょっと言葉が当りませんので、これは連絡してやっているわけでございます。双方の合意でやっておりまするか、この二十四億につきましては、ちょっと私この一週間来の情報も入手しておりませんけれども、まだ最終的にはきまってないように聞いております。いずれ近く話がつくだろうと思っております。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 江崎委員の御質問に対してお答え申し上げます。通産大臣が申されたように、私もこの際これを全然つぶしてしまうということは適当でないと思う。これはある程度維持していくということが必要だと考えております。その規模等につきましてはなお検討を要すると思う。それからまた国としてどういうふうな方式のもとにその設備の一部を変えるとかあるいはその維持費を負担するとかいう、そういう方式についてはなお検討を要することだと思います。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 それでは、先ほどに引続きまして、若干補足的にお聞きしたいと思います。法案の内容には明記されておらないのでありますが、国防会議の会議内容というものは公開ですか、非公開でございますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私はこれは当然に非公開だと思っております。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 非公開ではございますが、しかし内容によっては国民の協力を得るために新聞その他に報道されることもあると思います。けれども、そのようなことも考えておりませんか。または報道するとすれば、いかなる方法でおやりになりますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 今までその点を特別に考えて、こうだというふうに申す段階に至っていないのであります。そのときの状況によりまして適当の方法を考えるよりほかないと思います。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 それでは、いろいろお尋ねいたしましたが、どうも民間人議員というものについては、閣僚議員の地位の強固さ、あいはその発言権の強大さに対して、どんな人が任命されるのか、その構成について政府でただいま明らかでない。ことに私どもが心配するのは、いわゆる兵器生産業者であります。これについて相当はっきりした考えを漏らしておかないということが、非常に国民が疑義をはさむことに相なったと思うのでありますが、私どもがこれについて思い起すのは、ナチス・ドイツの台頭のころのことでございます。ナチス・ドイツの台頭には、当時ドイツの兵器生産業者のヒトラー政権に対する背後の援助が大きな原因になったというふうに聞いておるのであります。ことにあのルールの鋼鉄トラストのティッセンであるとかあるいはクルップのようなものが非常にナチスを援助した。この精神面、資金面における援助というものがナチスの力を台頭せしめたというふうに私らは聞いておるのであります。そうしてまた似たようなことは、クルップの重役のアルフレッド・クルップ・フォン・ボーレン・ウント・ハルバッハという人は、これは調べてないのですが、ドイツの当時の国防会議のようなものの委員の一人になっていたというふうに聞くのであります。こういったようなことが、民間人議員についてのやかましい論議の種になったと思います。あれやこれや考えますが、一体政府は、民間人議員を常置メンバーに入れないところの国防会議というものはその存在の意味があるかどうか、その点についてお聞きしたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 ただいまおっしゃいました中で、私先ほどもちょっとお答えしたつもりだったのでございますけれども、特に業界の利益というものと国防会議の事柄と結びつきがあるというふうな誤解のある人などは、初めから選衡の圏内に入れるべきではない、こう思います。それからいわゆる民間の識見の高い練達の者を加えた方がよりよかろう、こういうことでこの法案を出したような次第でございます。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 入れた方がいいというのですが、私の質問は、もし入れない場合には一体国防会議というものは意味がなくなるのではないか、それでもなお存置する方がよろしいかどうか、その点であります。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私どもといたしましては、これを入れた方がよかろうということでやっておる次第でございますから、それに対して、それ以上のことまで申し上げるのは差し控えたいと思います。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 最後に一点、将来防衛庁の幹部、極端にいえば、自衛官が閣僚にあるという可能性については法制的に一体どう考えますか。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 今のお話はいわゆる憲法の文民との関係かと思います。が、現在のいわゆる自衛官というものは、いかなる意味においても現在の自衛隊の制度のもとにおいてそういう疑いはないのじゃないかと思います。ただ適当かどうかという問題は別問題であります。そういう問題についてはいろいろ政治的その他の面からの考慮の余地は非常にあると思いますが、いわゆる文民という観点からいえば、今の制度のもとにおいて文民にならないというものではないだろうと思っております。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 入る可能性は法律的に考えられるということですか。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 法律的には文民の範囲だ、とかように考えておるわけであります。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 もう一つお尋ねいたしますが、国防会議の事務局に自衛官が兼任で入るということは考えられますか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 現在のところは考えておりませんです。

田中正巳自由党

○田中(正)委員 なぜこういうことを聞くかというと、戦前においては陸軍の軍人が各省の事務官を兼任して入ったのであります。農林省の馬政局あたりには御承知の通り兼任事務官として、中佐、少佐の方がだいぶ入っておったのです。こういう余地があるとするならば、今後情勢の変化に応じておそらく自衛官がほとんど国防会議構成議員の大半ないしは全般を占めるような格好になる可能性さえあると思うのであります。そうすれば今これを内閣においていろいろ中立性ということを考えておるのでありますが、結局最後には事務面が防衛庁の出先によって占められてしまう、かように考えておるのでありますが、今のところさような考えはございませんか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 ございません。そうしてなお事務局をいわゆる防衛庁の出店的なものにするというふうな考えは全然ございません。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 田中委員の質問に関連してですが、防衛庁長官の御答弁の中で、国防会議の構成員のいわゆる民間人を除外した場合に、国防会議の実体がなくなりゃせぬかという質問に対する長官の御答弁がはっきりしておらぬのであります。私どもこの国防会議構成法案について検討して参った過程から申しまして、政府原案として、この民間人五名以内を入れるということは非常に重要なウエートを持っていると思うのであります。これについて防衛庁長官は終始一貫、これはもう絶対に民間人五名を入れることが国防会議を運営する上において重大な要素であるという点をたびたび指摘して参ったのであります。私どもこの法案に賛否は別として、おそらく政府の重要な点は民間人を五名入れるところにあったと思うのであります。従いまして、この法案がこのまま通過することがおそらく政府としては最も望ましい形と存じますけれども、私がここで長官にお聞きしたいことは、もし何らかの関係においてこの民間人五名以内の構成員が削除されるようなことがあった場合に、果してこの国防会議の運営が、原案を示めされた政府としてスムーズにやっていける自信があるかどうか、あるいはあくまでもこの民間人五名以内の構成を固持して原案を通過させるのでなかったならば、いわゆる国防会議構成法案の意味がないというふうにお考えであるか、これこそ今までの答弁に拘泥しないで、担当大臣である防衛庁長官のはっきりした腹の中を聞かしてもらいたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 政府といたしましては、この国防会議の構成等に関する法案をこの際ぜひ成立するようにお願いしたいという強い希望を持っている次度でございます。この国防会議の基礎法は昨年できているにもかかわらず、その構成等に関してまだそれができていないので現実に成立していないのでありますが、この国防会議構成の法案成立は政府として強く希望しておるのでありまして、国会の御協力をお願いしたいという切なる希望を持っている次第でございます。そうしてこの国防会議の構成につきましてはいろいろ考えましたが、民間人を入れるかどうかという点が昨年三党折衝の際いろい御議論のあったところでありますが、政府といたしましては、この国防会議の構成メンバーとして民間議員を入れた方がよりよかろう、こういう考えで今提出した法案の通りにいたしている次度でございます。それをもとにして御審議を願いたということであります。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 長官の立場はそうであろう。それが当然でありましょうが、私のお聞きしているのは、この五人以内の民間人がもし何らかの関係において削除されるようなことになった場合でも、なおかつここに御提出になった当初の目的と何ら変りなく国防会議をやっていけるという自信があるかということです。先ほどから言うように、この民間人を入れることがこの法案の山だと思う。この民間人五名以内ということが中心だと思う。これがあるかないかが国防会議のできたあとの重大なポイントだと思う。この五人以内の民間人をもし何らかの関係において除去されることがあったならば、この国防会議の構成はほとんど無意味になり、なくてもあってもよいといういうことになると思うでありますが、これがなくなってもあなたは責任を持ってちゃんと国防会議をやっていけるかどうか、この点の自信のほどをお伺いしたい。もちろんあなたとしてはこのままで御審議を願いたいというのは当然であります。審議しておりますが、そういうことはないと断言のできない段階におきまして、私はどうしてもこれに対する政府当局の腹がまえをお伺いしておかぬといかぬと思うのです。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 先ほど申し上げましたところで御了承願いたいのであります。まだこれに対するどうということは出ておりません。そういうことを申し上げる時期ではない。これは先ほど申し上げた通りで御了承願いたい。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 私の今お聞きしていることは決して意地悪で聞いているのではない。この法案の非常に重大な片に関しまして真剣に討議する上においては、そういったことを検討しておかなかったならば、この案は通過する可能性のある案として責任を持てない、となりますと、こういった重要な点をはっきりしておきませんと、当面時間的に切迫したときに問題が残ると思う。そこで先ほどからお聞きしているわけですが、観点を変えてお聞きする。防衛庁長官は、もちろん検討に検討を重ねてお出しになった案でありますから、今私どもが審議している政府原案が最もりっぱなこれにまさる案はないという確信と自信を持っていらっしゃるかどうか、この点をはっきり伺いたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 政府としては、この案がよいと考えて提出いたした次第でございます。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 そういたしますと、もしこの案が重大な点において修正なりあるいは政府のお考えになっている点と違ったようなものが生まれるとしますならば、これは私は政府として大きな責任があると思う。ただ単に国防会議の構成に関する法案というものが出ておるから、何が何でもこの際通さなければしようがないというのでは困ると思うのです。出す以上はほんとうに責任と自信を持った——自衛隊は国民の莫大な費用を使うものであります。さらに防衛出動ということがからまってくる。どういう気持でおるのか知らぬが、さらに都合によっては私どもの子弟を砲弾の中に追い込むということもあり得るのであります。こういう重大な案件を決定する国防会議の、政府がこれ以上の案はないと思ってお出しになった最優秀な案が、しかも重大な面において政府の意図することと相反したものが生まれた場合に、政府はどういうふうな態度をとるのであるか。私はこれは重大だと思う。これをはっきりお聞きしておきます。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 先ほどお答え申し上げた通りであります。それで御了承願いたい。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 そういう答弁では私の質問に対する答弁になっておりません。国民はそんなことでは承知しませんよ。あなたはどういうお気持か知らぬが、少くともこれは、私どもの子弟を再び戦争のるつぼに追い込むだけの重大な決定をする国防会議である。これは八千万国民は非常に重大な関心を持っておる。そういう重大なものを持っておる最高的な機関である国防会議の構成について、政府、防衛庁当局がこれ以上の案はないということで自信と確信をもってお出しになった案が、重大な点において意図することと反したものがもしきまるような際には、私は今の御答弁のように、それは御了承願いたいでは了承できない。国民の前に、国会にどういうふうな責任をおとりになるか。幸いきのうの防衛庁長官の不信任案は否決されましたが、私は不信任案以上に問題だと思う。私はもしこういう重大な案件がそのようにあなたのお考えと相反したものが生まれた場合には、防衛庁長官はそれこそ政治的な大きな責任があると思うが、そういった点に対して政府並びに防衛庁長官はどのような腹構えとどのような責任をおとりになる決意であるか、その点をお聞きしているのです。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 先ほどからたびたびお答え申して、おる通りでございます。今仮定をもとにしてのことは申し上げることはできないと思います。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ただいまの防衛庁長官はなかなか御答弁がなれておりますから、後刻あらためてこの点について質問をすることにし、私は質問を保留してこれで終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 飛鳥田君。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 私は時間もありませんので事実だけをどんどん伺います。事実はきょうお答え願うようにお願いいたします。先ほどの残りでジェット機の生産取りきめに関する交換公文を御発表いただくというお約束でしたから、これをさっそく御発表いただきたいと思います。なおそのほかにこれに関しては日米の議事録、それからF86ジェット戦闘機に関する取りきめ、それからT33ジェット練習機に関する取りきめ、四つのものがあるはずであります。この四つのものを一つ御発表いただきたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 この日米間の合意につきましては、おもなる点を私を申し上げましたが、政府委員から今申し上げることにいたします。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 初めに六月三日付交換公文、長うございますから要点だけでよろしゅうございますか。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 長ければ要点だけ話してあとで全文御発表願います。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 要点だけ読みます。  一、アメリカ合衆国政府は、相互防衛援助協定の条項に従い、かつ、さきに行われた意見交換に反しないような方法で、日本国政府に対しF86F航空機の日本国における組み立て並びにT33A航空機の日本国における製造及び組み立てに使用される一定の装備、資材、役務その他の援助を、両国政府の代表者が締結する細目取りきめに従って、供与する用意がある。  二、日本国政府は、日本国の防衛協力を増強するための一手段として、前記の航空機を組み立てまたは製造する日本国の産業の能力を改善する ため、前記の装備、資材、役務その他の援助を受けることを希望している。  三、両国政府は、その合意するところに従い、この書簡で企図された組み立て及び製造の計画に関連する経費を分担するために必要な措置をとるものとする。この計画は相互に合意する日に完了するものとする。  四、これらの了解に基き、かつ前記の協定に従う前記の計画実施のための細目取りきめは、両政府の代表者により締結されるものとする。それらの取りきめは、それぞれの国の立法上の手続に従って必要な予算上の承認を受けることを条件として、両国の憲法上の規定に従って実施されるものとする。  これが交換公文の要点であります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 続いて議事録があるはずですが、この議事録も読み上げていただくのは大へんですから、あとで全文を委員の皆さんに御配付をいただきたいと思います。  それからF86ジェット戦闘機に関する取りきめ、それからT33ジェット練習機に関する取りきめ、これについても同様に願いたいと思います。その点よろしいですか。大臣。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 内容につきましては、国会の御審議に差しつかえないように御説明申し上げるのが当然でございます。ただこういうことは御了承願いたいと思うのです。アメリカ側が欧州の各国との間にもこの種の協定を結んでおります。そうして各国に与えるいろいろ影響等のこともありますし、アメリカとしては部分によってはあまりこれを発表しないようにしてもらいたいということで、各国にも同様にしておりますから、その点は御了承を願いたいと思います。しかし私らとして重要な点は、もちろん国会の御審議に必要な内容は御説明申し上げます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 これはさきの十九国会で成立した秘密保護法には該当しないはずです。これはアメリカから供与を受ける完成した武器に関してだけの秘密保護ですから、こういう製造関係については商業取引、こういうものに本質があると思いますので、秘密はないはずです。従ってできる限り詳細に御発表いただきたいと思います。またそれは御発表いただいたものを見て、さらに御質問を申し上げることにさせていただきます。ただその中で一つこういうことがあるように承わっておりますので、これだけ伺っておきます。ジェット機生産を順調に進めるために、米国から派遣される技術者、この技術者には軍属並の待遇を与えるということが書かれておるそうですが、これはどういうことでしょうか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは行政協定に基く今の軍属、何といいますか実質はそういうことことでございます。つまりアメリカの現地の空軍の中の一部、こういうことがございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それは軍事顧問団の一員ということですか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 いやこれは軍事顧問団とは別であります。アメリカの空軍の方でございます。軍事顧問団とは別のアメリカの極東空軍がございます。それの方の軍属、こういうことでございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 どうもよくわからないのですが、アメリカの軍属としての待遇を与えるという意味ですか。それとも日本の軍属としての待遇を与えるというのですか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは日本の軍属じゃございません。なおもう少しこまかく説明させます。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 ただいまの仰せの点は、協定の問題と申しますよりは、向うから派遣するについて、結局米軍の給般を受け、一切米軍の負担において来るという場合に、これは行政協定の建前から軍属と認められるものであるならば、当然米軍の軍属として行政協定に認められた若干の特権がございます。それを当然受けるということでございます。この協定で特に軍属にするとかどうとかいうことにはなっておりません。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そういたしますと、それは外交上の、いわゆるアメリカ軍人軍属が持っておる特権をそのままこちらで認めるということですね。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 行政協定に言う条件が充足されて来られれば、当然そういう待遇を受けるということでありまして、今日聞いておるところでは、そういう条件で米国側がよこすというふうに聞いております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それじゃ先ほどのお約束を一つ至急にやっていただきたいと思います。  それから、それでは問題を変えまして。鳩山総理大臣は、二十三日の外務委員会で、四巨頭会談で軍縮が進めば自衛隊の増強計画を再考慮しなければならない、こういう答弁をなすった。ところが防衛庁の側ではこの意見と相当違う意見をお持ちになっているように承わっておりますが、この鳩山声明といいますか、鳩山答弁に対して、防衛庁はどう考えるか、明確にお答えをいただきたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 四巨頭会談による軍縮という問題が、四巨頭会談においてもきわめて重要な議題として取り上げられておるのでありますが、これが具体的に今後どういうふうに発展するか、その具体的な発展を見た上でないと、私がすぐこれでどうするという段階じゃないと思うのです。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そうしますと、鳩山さんが自衛隊の増強計画を再考慮しなければならぬと答えられたのは、いささか軽卒のそしりを免れないという意味ですか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 昨日も参議院の内閣委員会において同様の御質問がありました際に、今私が申し上げたと同じ趣旨のことを総理からも御答弁に相なっております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 意味がわからないのですが、私参議院の外務委員会に出席しておりませんから。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私がただいまお答え申し上げたと同じ内容の趣旨でございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 もう議論をしている時間がありませんから次の問題を伺います。日本における軍事顧問団の数は何名でしょうか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 約三百九名だったと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 昨年の軍事顧問団の数は何名でしょうか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 最初は約六百名から始まっておったと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そうしますと昨年の六百名ないし六百五十名の軍事顧問団の費用は幾ら計上なさいましたか。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 私正確なことは記憶しておりませんが、昨年は大体三億五千何百万だったかと思います。それから今年は額がふえておるようでございまして五億幾らと思います。これはありのままを申し上げますと、この関係は大蔵省でやっておりまして、私の方でずっとやっておるわけじゃございませんので、一つ詳細の内容については大蔵省の方からお聞き取り願いたいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 詳細の内容についてはおわかりにならないとしても、六百五十名で三億五千万円の経費が昨年はかかった。ところが本年度は三百十名で一五億七千万円の経費を計上なすった。これは非常なベース・アップになったものだと思うが、なぜこんなに軍事顧問団の費用がふえていかなければならないのか。この五億七千万円については数日前の閣議で御決定になったそうですが、その理由を一つ伺わしていただきたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 アメリカ側で室の方の移動訓練を拡充する、そういうことがおもな理由だったように聞いております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 空の方を拡充するといっても、ちょっと私たちにはわかりかねるのですが、もう少しうわのそらでない答弁をしていただきたいと思うのです。もしおわかりにならなければ、わかる大蔵大臣にお伺いをしてもけっこうです。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 大へん相済まぬわけでございますが、私つまびらに承知しておりませんので、どうか大蔵大臣からお聞き取り願いたいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 しかし軍事顧問団というのは防衛庁の問題だと思うのですが、この問題について全然御承知ないというような行政の仕組みですね、これについては私たちやはり疑問を持たざるを得ないわけです。今日はあまり意見を申し上げないつもりでしたが、この点について一番影響を受け、それと接触の多い防衛庁が全然軍事顧問団の経費の内容について知らない、大蔵省しか知らない、こういうような行政取りきめをなぜしなければならないのか、その理由だけ一つ伺わしていただきたいと思います。当然防衛庁としてはこのことは御存じになっていなければならないはずですし、さらにさかのぼって軍事顧問団の経費を幾ら幾らと取りきめる場合にも、防衛庁でなければ正確にはきめられない問題じゃないかと私は考えるわけです。意見が多くなって恐縮ですが、その辺の解明をしていただいて、あとは大蔵大臣に伺う、こういうことにいたします。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 今政府委員から説明させます。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 顧問団の任務については、この前も御質問がありまして申し上げたのでありますが、その任務に基いてどの程度顧問団員がいることが適当であるかということにつきましては、もとより防衛庁としても意見を持っております。そういう二とで顧問団の員数がきまるわけでありますが、それに基いての経費の積算は大蔵省の方で担当をしてやっていただくという事情に相なっておるのでございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 これも御存じなければしかたありませんが、昨年の軍事顧問団の経費は、MSA協定の附属文書のG項で、昭和二十九年度の軍事顧問団の経費は三億五千万円をこえざるものとする、こういう協定を結んでおります。従って当然二十九年度にかくのごとき協定という法律的な形式を踏んでいるのですから、三十年度についてもまた同種の形式を踏まなければならない、三十一年度についても踏まなければならないと思うのですが、この昭和三十年度の軍事顧問団の経費を五億七千万円と決定された場合にどういう形式をとっておられるか、これを伺いたいと思います。これはついでに林法制局長官にもそれで正しいかどうか伺いたいと思います。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 本年度の経費についてどういう形式をとっておるか、実は私まだつまびらかにいたしおりませんけれども、この事柄の内容から申せば、必ずしもいわゆる条約に入れなくちやならないものじゃないと思います。つまり日本政府としては、MSA協定の第七条でございますが、こういう範囲のものについて円資金を渡すということが書いてございます。その実行上、向うにある程度において幾ら出すかということは、予算が成立した後において、予算の実行としてやるという範囲においては、いわゆる行政的な手段として行政当局の間の取りきめでやれることだと実は思っておるわけでございます。おそらくそういう手続でやられるのではなかろうか、かように考えます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 夫年MSA協定の附属文書の形ではっきりと法律的な形式を定めて、三億五千万円をこえざるものとするという最高限を明確にきめてあるわけです。こういう形式を昨年MSA協定の附属文書で作ったということは、自後もその形式を踏むということでなければならないはずです。そういうことの前提のもとにあの協定が国会の審議にかけられた、私はこう記憶しておりますが、もし何ならその間の議事録なり何なりを全部取り寄せてみれは明白になると思います。それを今年になって急にその形式を廃棄して、政府と政府との間のうやむやの取りきめでこういうことを決定するということは、はなはだもって法律的にもけしからぬし、政治的にもあやまちだ、こう私は思うのですが、一つその点法律家としてのあなたの正確な御判断をいただきたいと思います。元来そのことがどちらにきめてもいいものだという御答弁では、この問題は解決つかないと思うのです。一ぺんきめたのですから、そういう法律的な形式をとっておるのですから、その形式を自後踏むことは政府の義務です。その点いかがでしょう。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 先ほど申し上げたことをちょっと補足いたしますが、昨年のMSA協定の七条は顧問団についての費用の根拠的な規定を置いております。附属書Gでさらにその実行細目について書いてあります。この附属書Gを見ますと、こういうような顧問団に対して随時提供すべき支出金の額のきめ方をいろいろ書いてあります。その第三項におきましては「両政府は、日本の毎会計年度において日本国政府が提供すべき金銭負担としての日本円の価額については、同政府が使用に供する金銭以外のものによる負担を考慮に入れた上、両政府の間で合意すべきことに同意する。」という規定がある。原則としてはいわゆる両政府の間で——もちろんこれは日本政府として予算がなければできませんけれども、予算が成立した範囲において両政府の合意したところで向うに渡すということをきめてあるわけであります。この規定によって本年度以降両政府間の合意でできるものだと考えております。同じ附属書Gの第五項には、特に昨年度についてのことを書いてあるわけでございますが、これは特に初年度でありまして、いろいろの折衝の経過から、昨年度につきましてはいろいろな事情があってこういうものを最高限にするということをきめたものだと思いますが、平年度につきましてはこの附属書Gの三項におきまして、両政府間の合意によってやるということをきめてあります。それに従ってやれるものだ、かように考えております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 議論にわたりますからあまり言いませんが、ともかく両政府の間で合意をする、こういうことが三項できめられて、その合意の形式を第五項という形でちゃんと明確にしているわけです。従ってなぜ初年度だけそういうことをするのか、こういうことはあなただってきっと疑問に思われると思うのですが、軍事顧問団の経費という問題は、今後もいろいろな問題が起き、トラブルが起きる可能性があるから、この問題はそうした五項のような取りきめを明確にしていくべきものだという意味で第五項ができ上ったので、初年度だけだから作ったという意味ではありません。もし初年度だからという意味なら三項だけでたくさんです。特に五項を三億五千万円をこえざるものとするというふうに明確にきめたということは、三項を補足している、こういわざるを得ないと思うのですが、いつでもこういう問題の起るものは必ずこうした形で取りきめなければだめなんだという意味であることは速記録や何かを見てみれば明らかなわけです。だからそういう意味で、この問題は当然両国の間で公文を交換するなりあるいは協定をするなりはっきりした取りきめをしなければならぬものだと私は考えるのですが、ただぐずぐすと予算に計上しただけでほんとうによろしいのですか。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 私が申し上げましたのは、附属書Gの三項によって両政府間における合意によって渡す、こういうわけであります。その両政府間の合意はおそらく交換公文か何かの形になるだろうと思います。しかしこれは附属書Gによって両政府間の合意によってやるということの事前の御承認を得ております。もちろん政府として予算をきめた範囲内でしかやれないのでありますが、そういうことが認められておれば、そういう範囲において、形式はおそらくおっしゃる通りに交換公文かあるいは細目取りきめの形になると思いますが、ただそれはさらにもう一ぺん国会で御承認を得る必要はない、かように考えております。第五項で昨年度について特にきめてありますのは、昨年いろいろのいきさつがあってこういうことになったのだと思います。しかしこれは将来必ずこういう形式にやれということの意味にはならないと思います。三項がございまして、その三項によってやり得る道が開かれております。これはそういう形でやり得るものだと考えております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それでは林さんに念を押して伺います。どこまでも明確な法律的な形式によってこの軍事顧問団の経費はきめられなければならないということは、あなたのおっしゃる通り何って間違いないですね。

林修三法制局長官

○林(修)政府委員 両政府の間で合意するということになっておりますかり、合意の形式は必ずしも一定はしておりませんので、もちろんその形が協定でなければならぬとか交換公文でなければならぬとかいうことはさまっておりません。しかしおそらくこういうものはお互いに文書ではっきり取りかわすのが普通だと思います。そういう意味においてはっきりした形式をとるのが普通だろう、こう考えております。但しこれについてもう一ぺん国会の承認を得るかいなかについては、こういう規定がありますから私は要らないものと考えております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 国会の承認を経る必要があるかないかということを私は伺っておるのじゃなくて、形式として当然そういう形式をとらなければならないだろうということを伺っているわけです。しかしその点について議論してもしようがありませんから、とにかく明確な交換公文なりあるいは協定なりそういう形で決定をしなければならないだろうというふうに林さんも言われるわけです。この点についてそうした明確な形式をとっていらっしゃるかどうか、この点についてももし御存じでしたら御発表願いたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは、実は私らもその形式をどういうふうにするかということは大蔵省にまかせて当然そういうものだと思いますから、今大蔵大臣変ると思いますので、一つそれによってお聞き取り願いたいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それでは、その間長官に一、二お伺いいたしますが、今年の一月から五月の中旬までに、特別極東早予備品計画で既製服三十五万着、生地を三十万着分松戸、宇治の陸上自衛隊需品補給所に納めた。これは純毛ジャンバーだそうです。それと別個に二十九年度予算で冬服四万着、これはスフ混紡生地三万着分を昨年十一月国内業者に発注した、こういうことを聞いております。合計いたしますと、冬の制服が七十二万着、自衛隊の総員を十五万人としてちょうど五倍になります。自衛隊の何か方式によりますと、三年に一着分だそうですが、そうすると十年分も自衛隊では洋服を買い入れてしまった、こういうことになるのですが、なぜこんなにたくさん買い込まれて、一体どうするつもりなのか、それを伺いたいと思います。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 私からお答えをいたします。着数を正確には記憶しておりませんが、大体仰せになったようなことでございます。国内調達の分はもちろんいただいた予算で買ったものでございますが、米軍から、今申されました極東軍特別勘定であれしたものは無償でございます。そうしてこの話は、きわめて非公式な話としては去年の十月ごろにありましたが、まだこれをはっきり渡してやるという話ではございませんでしたので、去年の予算に計上されておりました分を調達いたしたわけでありますが、今年に入りましてから、これが供与を受けたということでございまして、これは製品と生地と両方に分かれております。初めは有償で受け取らないかという話があったわけでありますが、私の方で金がないので、有償では受け取れないということでありましたのが、今年に入りましてから話が具体化しまして、無償であげようというので、今年に入ってもらったわけであります。これは仰せの通りに、相当長い期間にわたって需要を充足するのであります。現在の品のままでは陸の自衛隊の冬服として使用するというものでありますが、現在技術研究所で研究をさせておりまして、黒に染めて海上自衛隊でも使用できるか、あるいは適当な色抜きをして染め変えて、室の方でも利用できるかというふうなことを研究をいたしておりまして、従いまして、もとより三十年度においてはこの陸の冬服の方については予算を計上いたしておりません。これでまかなっていくということにいたしておるのであります。できれば海空の方も冬服はこれでまかなうようにいたしたい。それで全部が無償で供与を受けておるということであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 この無償というのは何か援助の一部なんですか。それとも何も関係なしに、ただ好意でくれているのですか、どっちなんでしょうか。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 これはやはりMSA援助であります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 MSA援助といたしますと、こり服地をもらってしまつ七分だけは、MSA援助の総額はきまっておるのでありますから、他の分はへずられるわけですね。そういうことになれば、この既製服三十五万着、生地三十万着分というものは、こちらにとって不本意なものだと言わざるを得ない。こういうような場合に拒絶できないのですか。こういうものでなく、もっと実質的なものをくれませんかということを言えないのですか。

久保亀夫防衛庁参事官(装備局長)

○久保政府委員 ただいま申されたように、今の服地並びに既製服は極東軍予備勘定、予備品ということでありまして、資金から申しますと、新たに予算をアメリカの国会でとって、それを日本側に割り当てるというのではなくして、極東陸軍ですでに軍のものになったものを日本側にくれる。むろんこれはアメリカ国会で大統領が成規の権限を受けて日本側にMSA物資として渡すという法律が向うに出ております。ですから、資金としては特にMSAの資金を特別に食うわけではない。こういうことでこちらとしては純然たるプラスとしてもらえるものである、その点も十分判断いたしまして受け取ることにきめたのでございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 資金の中に入るとすれば、これだけが出っぱるというお話は私にはちょっとわからないのですが、こういうところにMSA援助というものの実体が現われておるのではないか。こちらが欲すると欲せざるにかかわらず、向うで余ってしまえば自衛隊に押しつけてしまう。自衛隊の方は、既製服三十五万着、生地三十万着分というものをもらって困ってしまうというのが、これがMSAの実体でないかとすら私たちは思うのですが、一体これだけのものを下さいといってあなた方の方で要求したのですか。それとも向うでやろうといって押しつけてきたのですか。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 ただいま御説明したように、いわゆるMSAでくれますもの、MSA援助に全部包含されますが、その資金関係は、いわゆるMSA資金として米国の国会を通ったわけで、このものはいわゆる極東軍特別勘定としての別の資金、その中ですでに買うたものをくれるということでありますから、いわゆるMSA資金で割り当てるものが減るということではなくて、プラスになるものだということを確かめてもらったわけでありす。そうしてこれは私ども要らぬものを決してもらったわけではありません。相当将来にわたって有用なものであって、しかも無償であって、そうしてそれはMSAにプラスしたものということを確かめてもらったのでありまして、次して要らないものを押しつけられてもらって、他に有用なものをもらえたかったということではございません。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 今お話があったように、この問題は十月にすでに話題に上っておるわけです。アメリカからくれるということは確定をしなかった、こういう御説明ですが、確定をしておるかしていなかは別問題として、そういうものをもらえる可能性はすでにはっきりしておった、そういうことを知りながら、なおかつ十月にもらえそうになって十一月に制服を国内の業者に四万着、生地三万着分を注文されるというのは、私はむだづかいのような気がするのですが、もらえる、もらえないということ明確に確かめられてから初めて国内業者に発注らせれるべきであったと考えるわけです。それが話が出ておるにもかかわらず、ただ問題でないから、確定をしていないから、国内業者にも予算が余っておるから発注した、こういう軽率なことではいささか国費の濫費だといわれても仕方がない、こういうふうに私は考えますが、この点についてどうでしょうか。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 従来向うの援助物資で、特にこういう被服類などは今まであまりもらったことがないわけです。いわゆるソフト・アイテムと申しますか、こういうものについての援助の仕方というものは、話がきまるまではきわめて不確定なんです。話があってこわれたといういますか、くれなくなったものは非常に多いわけであります。ことにこれは初め有償ということで話が出た。私の方では有償ではもらうことができない。これは相談の結果でありますが、そういう話をしたということがとっかかりの話でありまして、この隊員の増員その他に応じますものは、必要やむを得ないものは予算で頂戴した。それはやはり調達をしておくということで行なったのであります。その後今年に入りまして話がうまく急に進みまして無償であげようということになったわけでございます。その点の見通しはつけていたしたつもりでございます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 結局結論として国内業者に発注した分は、まあむだとは言えないまでも余分になってしまった、こういうことだと思うのです。こういうことは小さなことのようですが、やはり予算に関することですから、今後十分に注意して、こういう二重になることのないようにお願いをいたしたいと思います。  私はあとで続けてやらせていただきます。

粟山博日本民主党

○粟山委員 関連して。私は増原次官にお伺いしたいのですが、要らぬものをくれた、これはもらうことはけっこうだと思うのです。そのときの条件に絶対に自衛隊以外に使ってはならぬというような条件がありますか。

増原惠吉防衛庁次長

○増原政府委員 自衛隊にもらいますものは自衛隊で使うという条件でやはりもらいます。売り払ったり何かはできません。

粟山博日本民主党

○粟山委員 私はただいまの飛鳥田委員の質問のごとくに、それが非常に大量である。もらうのは大量にもらった方がよいのですから、くれるものは大量にもらった方がよい。そこでもらいました以上は、もしそれが国情に照らして、長くそういうものを倉庫に置いても仕方がない。それが何か日本の社会情勢に応じて有効に使えるというならば、こういう衣料品のようなものは、倉に置くだけでも消粍するのですから、やはり適当に国内の恵まれざる者に施すような意味においても、使えるような構想が進められれば、はなはだけっこうだと思うのですが、そういう点について一つ御考慮を願っておきたいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 それでは暫時休憩いたしまして、午後二時半に再開いたします。     午後零時三十四分休憩      ————◇—————     午後三時十二分開議

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  国防会議の構成等に関する法律案を議題といたします。本案に対し江崎真澄君外七名より修正案が提出せられておりますので、その趣旨説明を求めます。江崎真澄君。

江崎真澄自由党

○江崎委員 ただいま上程されました国防会議の構成等に関する法律案に対する修正案の要旨並びに理由を申し述べます。修正案文につきましてはお手元に配ってありまする印刷物を御参照賜わりたいのであります。  すなわち国防会議の議員に閣僚以外の民間人を充てることは、これを排除することとし、これに伴ってお手元に届けました別紙の通り関係条文に所要の改正を行おうとするものであります。  すなわち政府の説明によれば国防会議の構成員に識見の高い練達の民間人議員五名以下を加えることは、意見を広く求め、諮問機関としての機能を発揮しようとするものであり、また民間人議員の任期を三年とすることによって、国防の基本方針が内閣の更迭によって動揺することを幾分防止しようと考えたことに発するもののようでありますが、これらの点は質疑を通じまして、その得るところよりも、かえって失う点が多いことにわれわれは思い当るのであります。政治が軍事に優先する原則を正しく貫いていくためには、本来国会議員自身の深い軍事知識に待つべきものであります。在来政治家の多くが戦略、戦術の常識に欠けておるとの通念は、新しい自衛隊の発足と並行して当然打破されるべきものであります。また戦後政治家の国家の防衛力について格段の関心と意見を持たなければならないことは、申し上げるまでもないのであります。すなわち政治が常識でありますように、軍事もまた常識であるべきはずであります。政治家たる者は、政治の軍事より優位にあることを深く感じ、過去の誤れるところの、国防はおれたちにまかせておけといったような軍閥跳梁の姿を再現せざるよう、十分の研究と努力を払うべきことは言を待たないのであります。これがむしろ根本であるのであります。いかに識見の高い練達の人と称しても非常勤の人に政府の言うがごとき国防の基本方針に一貫性を持たしめようとする大きな期待をかけることは、むしろ言うべくして実際上はむりであるといわなければなりません。また民間人という一個人によって、方針や問題点がチェックされることではなく、だれしも首肯できるところの理論によってチェックせらるべきものであるのは、申し上げるまでもないのであります。これは事務局の機能を充実強化することによりまして補うことが、むしろ妥当であると私どもは考えておるのであります。しかも民間人たる議員が重大な機密を漏洩し、国家国民に多大のわざわいを及ぼす場合も想像されるのであります。その場合におきまして、単に議員を罷免するのみでは事態の収拾は考えられません。同様のことが閣僚に起りました場合には、ときに内閣総辞職という責任の帰趨を明らかにする方法もあるのでありますが、民間人の場合、これをしばり、また責任を糾明する方法を見つけるに困難を覚えるのであります。  次に、国防会議は諮問機関ではありますが、内閣総理大臣はその議決による答申または意見について、実際上ある程度の束縛を受けることはまた当然でございます。このことは内閣責任制ずるという本質的な問題をも蔵しているのであります。たとえば原案の通り民間人五名以下として、五名が充足されておりました場合には、防衛出動のごとき重大問題が、民間人五名の議員にただ一名の閣僚が同調すれば、他の四閣僚が反対してもその方向がきまり得る可能性も心配せられるのであります。かかる場合、内閣の責任制と国防会議の権威との間に紛淆を生じたり、議事に混乱を生じ、将来不測の事態も予想せしめられるのであります。なおアメリカ、イギリス等の諸外国におきましても、国防会議と同様の会議体があるのでございますが、アメリカ、イギリスにおきましても、民間人は加えてはおらないのでございます。  以上簡単ではありますが、その理由の大要を申し述べ、本法原案にある民間人議員を削除修正せんとするものであります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これより江崎君外七名提出の修正案について質疑に入ります。通告がありますので、これを許します。田原春次君。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 私はこの修正案に対しまして、二、三の質問を申し上げたいのであります。なおこれは委員長にう諮りいたしますけれども、民主党の側の方にもどなたかに答弁していただきたいのでございますが、そのことはできるのでありましようか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これは自由党のみの修正案であります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 民主党がこれに同調するかせぬかを聞きたいのであります。きないことになっております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからばこの修正案に対しまして政府側の見解を聞きたいので、私は通産大臣、運輸大臣、農林大臣、郵政大臣の出席を求めたいと思います。委員長においてお取り計らいを願って、なるべくすみやかに来ていただくようにお願いいたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 それはそれぞれ通告してありますが、出られる人だけ来るようになっております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 自由党の委員の諸君のうちで大橋委員、松野委員等々の諸君から、先般来の本委員会におきまして熱心に、この民間側の五人が入ることについてのいろいろな点を聞いておったのでありますが、ただいま承わりますと、民間側の五人を全員削除すべしという修正案であります。ここに至りました経過について江崎さんにお尋ねしたいのでございますが、民主党とどういう協議をされた結果ここに至りましにか、これをまずお伺いしたいと思います。

江崎真澄自由党

○江崎委員 これはただいま本委員会に提出いたしました修正案でありまして、いろいろ党としての話し合いがあったかもしれませんが、それは公式の話としては私どもは承わってはおりません。本来自由党は、昨年の七月、防衛二法案を本国会に提案いたしました当時から、国防会議には民間人は参加させず、この方針をとって参ったのでございます。しかしその審議の途上におきまして、当時の改進党側から強い御要望がありまして、どうしても民間人を入れろ、その数は三名とする、そしてその性格は大体前総理級の人という一つの輪郭を示しまして、当時の三党会談の結論として、当時の防衛二法を通す条件としてこれらの問題が議論せられたことは、田原さんも御存じの通りだと思うのです。しかしわれわれは、今度この国防会議の構成等に関する法律案の上程を見まして、審議を続けて参りましたところ、やはり民間人は除くべきである、この結論に到達いたしましたので、本日皆様方にお諮り申し上げた次第でございます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 そういう御結論に到達しました後において、独自に出されましたのはどういうのでありますか。私の伺いたいのは、この委員会に出ました他の法案に対する修正案は、民自両党の修正案ということであったと承知しておるのでありますが、国防会議の構成に関する法律案に限り自由党だけで提案されておるというのは、これはどういう含みでありますか、これを承わっておきたい。

江崎真澄自由党

○江崎委員 これはただいま上程をいたしたのでありまして、むしろわれわれは、民主党の人はもちろんのこと、社会党両派の方にもこの修正案に御同調を賜わりたい、かように考えておる次第でございますので、御了承を願います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 定めしここに至るまでには、しばしば非公式に数回の会合が、民主党側の幹部と自由党の幹部の間にあったことと、一応は常識的に了承されますが、それは国防会議の構成に民間人をのけるという申し入れを民主党にいたし、これを民主党がのむ格好で話し合いができたものとは常識上わかりますけれども、このことは保守合同、あるいは鳩山政権の改造、あるいは防衛長官を自由党から出すとか、こういうような含みがあって、そういう代償交換があってできたものでありますか、これを承わっておきたい。

江崎真澄自由党

○江崎委員 さようなことは承知いたしておりません。またあるはずもないと存じております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 これは何らの代償なく、ただ出したとはとれないのでありますが、これに対して民主党側が果して聞くものでありますかどうか、民主骨側の意向を打診したものであるかどうか、これも承わりたい。

江崎真澄自由党

○江崎委員 私どもはぜひ民主党にも御同調を願いたいと強く念願をいたしておるものでございます。この修正案につきさぞかし現在十分御考慮賜わっているものと承知いたします。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 われわれが国民を代表して十分審議したい場合に、一つのカーテンのうしろに民主党があって、それに対して質問ができぬというようなことは、これは非常に困る。修正案のでだけ聞かなければならぬということはまことに不便だと思う。やはり討論でなくて質問といたしまして、民主党側の委員に聞きたいのでありますが、これはぜひお許しを願いたい。いかがなものでありましょうか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 委員会の規則で、委員に対する質問はできないことになっているそうですから……。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 それは私も十分承知しておりますが、特に重要法案でありますから、説明補助員というような格好でお許しを願いたい。これは委員長に御相談しているのですが、いかがですか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 修正案は提出者以外に答弁はできないそうですから、自由党の他の七人の方のどなたかに出てもらうならできますけれども、それなら同じわけでございますから、どうか提案者に質問を続けていただきたい。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからば私が今まで何となしに聞いた程度の民主党の意向なるものを大体まとめてみますと、ぜひ民間側の議員がほしい、これに入れなければいかぬという強い信念と目標のもとにこの原案はできている。なおまたきのうですか、下村元陸軍大将等の証言を聞きましても、やはり民間人がいなくてはならぬという強いことを言っているのであります。そこで野党であります自由党の方から修正が出たことに対し、常識上おそらくこれは民主党と話し合いがあって修正に同調したものでないかと思うのでありますが、単に修正案に賛成という意見を民主党側から聞くだけでは私どもは満足できない。何ゆえに賛成するかという点をわれわれは聞かなければ、どうもこの修正案の審議ができないから伺っているのであります。しかし、いかがでしょうか、どうしても聞けないとすれば、後ほど関係大臣を呼びますから、それに頼んでもいいけれども、私は政府側というよりか、民主党側の意見を聞きたいので、実は何とか方法はないかと思っているのですが……(「政務次官に聞け」と呼ぶ者あり)それじゃ政務次官にお尋ねしますが、この修正案に対しては、民主党側と自由党側とどういう取引あるいは代償交渉等がありましたか、あなたの知っている範囲で伺いたい。

田中榮一内閣官房副長官

○田中(久)政府委員 私の方はそういうことに対しましては一切関知しておりませんから、存じません。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 これははなはだ重大な失言であると思う。およそ防衛政務次官たる者は、法案の通過に万全の努力をいたし、法案の修正の動きのごときものがあれば、その情報を集めまして、政府が有利なりや不利なりやを調べていくべきであるにかかわらず、一向に存じ上げぬということは、これはまことに重大な問題であると思う。事と次第によっては政務次官の不信任案等も出さなければならぬ。(笑声)しかしそういう結論に到達する前にもう少し聞きたいのでありますが、民間人をのけるということは、民主党の特色である原案を全然消すことになる。それをのまなければならぬということは、どこに重点があるか。すなわち国防会議を重点として考えているか、政権の維持を考えているか、その意味においてこの国防会議を鳩山政権維持策に利用するのであるかどうか、われわれ実ははっきり聞きたいのであります。その意味で承わりたいと考えますが、あなたは全然修正案に対して無関心でありますかどうか、もう一度はっきり御答弁を願います。

田中榮一内閣官房副長官

○田中(久)政府委員 お答えいたします。政府といたしましては重大な関心は持っておりますけれども、さらばといって、修正に対しますいろいろな問題につきましては、私どもの関知すべきところではございませんので、存じませんと申し上げたのであります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田原君、郵政大臣が見えましたから……。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 政務次官は大臣を助けて国会の答弁に当るわけでありますから、少くとも大臣と一体であると考えなければならぬ。従ってかような修正案が出た場合に、意見を求められて何ら意見がないというのではこれは困る。賛成か反対か、修正案に対する再修正か、これがなくちゃならぬと思いますが、ただいまどうしてもそれ以上答弁できないのですか、もう一度はっきり御答弁を願いたい。

田中榮一内閣官房副長官

○田中(久)政府委員 政府といたしましては、最善のものとして御審議を願ったのでございますが、委員会におきまして各角度から御検討になっての御決定に対しましては、国会の委員会の御意思を尊重する、こういう立場に立っておるわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 関連して田中政務次官にちょっとお尋ねをいたしますが、政府としてはこういう重大な法案を提出いたしたのでありまして、国防会議の成り行きというものは今後の防衛関係に非常な影響を与えるものでありますからして、提案をされるについては、政府は相当確固たる信念と十分なる御研究とその影響するところ等を十分に勘案して御提出になったはずでありますが、もしただいま自由党が提出いたしましたような修正案が可決をいたすというようなことになりますと、政府の考えておりますることとはまるで違ったものになってくると思うのでありまして、民間人を入れる入れないということは、この国防会議の性格を全く裏表にするくらい大きな変化を来たすのでありまして、それに対して政府としては修正されたことに対して、原案と大へんな違いを来たすのでありますけれども一体その場合に支障がないかどうか御意見を聞いておきたいと思います。

田中榮一内閣官房副長官

○田中(久)政府委員 この点につきましては、後刻大臣がお見えになりまして御答弁願うことが適当と考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 もう二つ、三つ江崎さんに聞いておきたいのですが、先ほどの御説明で、得るところよりも失うところが多いと言われておりますが、どういう点が得るところ大であり、どういう点が原案が悪いのですか、もう一度聞いておきたいと思います。

江崎真澄自由党

○江崎委員 これは当初政府が提案せられましたその趣旨の説明にもありますように、識見の高い練達の民間議員を加えることによって諮問機関としての機能を発揮したい、あるいはまた内閣等が更迭いたしました場合にも、国防の基本方針というものが変らないようにしたいといったようなことに、得るところと申しますか、いわゆる構想があったように私は承知をいたしております。しかし私どもはこの法案の審議をめぐりまして、むしろこの三、四の人が国防会議に入ることによって正しく公平なものが保持されるというほど民間人にウエートを置くことはむしろ無理ではないかという結論に達したのでございます。あくまで国防問題を厳重に監視するのはわれわれ国会議員でなければなりません。国防会議そのものに民間人が加わりまする場合、当初自由党として考えましたことは、これが防衛出動の問題あるいは国防の基本方針の問題、この二点に締めくくられる程度でありますならば、これは民間人を加えてもよろしいとしたのでございます。しかし防衛庁設置法第四十二条二項には、防衛生産の基本計画やその他重要なる事項を国防会議に諮らなければならぬことになっておるのでございます。こういう会議内容を持っておるものに民間人を加えることが一体適当であるかどうか、慎重に検討をいたしたのでありますが、先ほども申し上げましたように、内閣の責任制を崩すという憲法上の疑義があり、同時にまた秘密の漏洩に対する責任の所在の不明確等を考慮いたしまして、民間人を入れることはやはり不適当であるというふうに考えたのであります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 次に、江崎さんの説明の中に、政治が軍事に、優位にあるから、だから民間人は入れないのだ、こういうのでありますが、いささか論理と説明の飛躍があるのではないかと思うのであります。ということは政治が軍事の上にあるということは是認できますが、それでは民間人を五人入れればそれは全部軍人であり、そうして同時に政治に優位するというように思われることはいかがかと思うのであります。先ほど来の説明によりますと、あるときは、あなたは元総理大臣級の者三名を考慮しているという説があった。それから民間人五人という説もありますから、民間人を入れる場合、全部元軍人を入れるとは必ずしも限っておらないのではないか。たとえば飛行機製造の専門家、通信あるいは情報の専門家ということも考えられるのでありますから、政治が軍事より優位にあるがゆえに民間人を入れることに反対ということには直ちにならぬと思います。この点はいかがでしょうか。

江崎真澄自由党

○江崎委員 これは田原さんが、私が先ほど申し上げた点をちょっとお聞き取り違いがあったように思います。私は民間人を入れることにおいて政治が軍事に優先するということを申し上げたのではありません。政治は当然軍事に優先する、だから国会議員が軍事知識をしっかり身につけなければならぬという、その本旨について申し上げたのでありまして、これは民間人云々の議論のところで申し上げたものではございません。  また私が政府に対する質問の間に、総理級の者五名という言葉を使ったというお言葉でありますが、それはその通りでございます。それは政府が五名以下の民間人を入れるということを前提にして原案を出しておられますので、その五名以下と称する民間人は一体いかなる性格のものをさすのかということを疑問に思いましたので質問をいたしたわけでございます。そうしてまた昨年いわゆる三党協定のもとに三名の民間人を入れる、それは総理級の者であるという申し合せが、当時自由党が政権を担当しておりましたときに、二法を通す申し合せとして強く民主党側からも御要望があったのであります。これを私は質問の途上に繰り返したわけでございまして、私どもの本旨にはもちろん反することは申すまでもございません。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 江崎さんへの質問はちょっとあとに延ばしまして、大蔵大臣と松田郵政大臣が見えたから、まず大蔵大臣にお尋ねします。この国防会議に、政府側からは、首相議長のもとに副総理、大蔵大臣、経済企画庁長官、防衛庁長官、外務大臣の五名が予定されている。大蔵大臣がこの国防会議に入ったのはどういうわけでありますか。あなたは何ゆえ大蔵大臣が入ったとお思いになりますか。これを一つお示しを願いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 国防というものは一国の財政と関連なくして行えるものではないという、そこにあると考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 大蔵大臣というものが入る場合は、大てい金が要るから金を出せという要求に対して、大蔵省から大臣が出ておった方がよいということだろうと思います。しからば国防会議に大蔵大臣が特に入るというのは、これこれの予算を新たに必要とするからその工面をせいとか、そういう意味の任務があると思われておりますが、これはどうですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 もう少し詳しく申し上げますれば、国防というものと国民生活、国の経済との調和を保つ、こういうところにあると思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 国防会議が国民生活といろいろ関連があるというならば国民生活をいろいろな角度から見る部局はひとりこの五つの大臣だけでなくして、あるいは厚生大臣あり、あるいは郵政大臣あり、各省十七の省があるということは、それだけ国民生活の各面の所管と担任であると思うのであります。特に五つの大臣だけを選んでおるというのはどういう意味で入れたものでありますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは大蔵省が、御承知のように、総合官庁でありまして、いわゆる財政を通じて一国の、今申し上げましたような経済、国民生活等を大蔵省で総合的にこれに当っておる、そういうふうに考えられるのであります。なおまたそればかりでなくて、直接に国防をやる場合に国防費をどういうふうに持っていくか。ほかの財政費とどう調和するかというようなことも当然問題になります。また直接には実際かりに防衛隊が動く場合に特珠な費用もいるかもしれない、そういうことは当然大蔵大臣の相談なくしてはやれない、こういうことなんでありまして、これはもう世界各国を見ても大蔵大臣がこういうものに入っていないということはないのでありますから、これはもう御了解ができることだと私は思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからば財政上許しがたいという見地を国防会議の議員たる大蔵大臣は持ち、それからその他の外務、防衛等の担任大臣はぜしこれこれの人を入れてほしい、そうして五人の国防会議の議員が激論してこの結果は多数決できめるのでありますか。大蔵省があくまで拒否してもほかの省の多数のものが、それだけの予算を確保せいといえばよこすものでありますか。どういう運びになるのでありますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は別にほかの省か入るということについてどういうのじゃありません。大蔵大臣が国防会議に当然参加すべきだという点を申し上げておるのでありまして、どういうメンバーがいいのかということは、やはり程度の問題で、構成員の数の関係もあります。あるいはまたいろいろ審議の上において考慮しなくちゃならぬ点もあります。これはいやしくも国務大臣であり閣僚である以上は、これは行えようによってはすべて入れることも別に悪いことはないかもしれません。しかしそれはまだ必要ではないかもしれません。そういうところに私はのると思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからば防衛庁長官は、飛行機が五千機ほしい、あるいは軍鑑が十五万トンほしい、絶対に国防上必要だという意見を出す、そうすると大蔵省の方ではそれだけの財源は見つからぬというようなことになった場合、大蔵省の立場から、すなわち財政の立場から時の政府の防衛当局の提出する国防方針をチェックすることができるわけですね。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 それは当然なことであると考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからば特に大蔵大臣が国防会議に入るならば国民生活やあるいは防衛生産に関係のある運商産業大臣であるとか、あるいは輸送に関係のある運輸大臣であるとか、あるいは電波その他の関係にある郵政大臣であるとか、あるいはまた防衛食糧生産上に関係のある農林大臣等が、何ゆえに除外されておるのですか。その点はあなたはどういうようにお考えになりますか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これはその可否についての見解の相違じゃないですか。先ほども私はその点に触れたのであります。すべてこういう審議会を作る場合に構成メンバーをどういうところに置くかということは、常にもうあらゆる審議会で問題になるのでありまして、事柄によっては必要最小限度という人数がいいかもしれぬし、場合によっては非常に多数の議員がいいと思います。そういうふうなことから来るのでありまして、絶対にこうしたら悪い、ああしたら悪いということは私はないと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 大蔵大臣には下川、飛鳥田両君から質疑の通告がありますので、大蔵大臣の時間の都合がありますから、この間に下川、飛鳥田両君をはさんでしたいと思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 今の大蔵大臣の御答弁の中には、他の審議会の例を引かれているようでありますが、他の審議会は法律をもって内閣に設けられたもので、多くの閣僚のほかにいわゆる学識経験者というものが入っている。今回は大蔵、企画、防衛、外務副首相の五人の閣僚のほかに、さらに民間五人を入れるというのが原案であった。しかるにこの原案についてはただいま自由党の江崎氏から民間人を入れないという修正案が出ている。そうしますと民間人をのけた五人だけの閣僚ならば、特に審議会というものの必要があるかどうか、おそらくこれは経済閣僚懇談会のような形でやはりこういう閣僚懇談会でいいじゃないかとわれわれ思いますから、特に国防会議法という法律を作ろうと考えられるから質問しているのです。同一内閣の閣僚の五人だけが会議するのなら、なぜ懇談会の形にしないか、新たに国防会議という名前を考える必要はないじゃないかという意味で私は聞いているわけであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは私の申しようが悪いかしれませんが、私先ほどいろいろと程度の問題といいましたが、関係の深いものをもって構成したらいいという立場に立っているわけです。民間人の問題についてはこれまたいろいろと意見がありましょうが、一応今回は民間人は入れないことになったのでございますが……(「いつなったか。」と呼ぶ者あり)そういう点についていろいろ御意見があるだろうと思いますが、今度は修正案が出ておるわけであります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 下川君やられますか。——下川君。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 ただいま田原君から質問をいたしておりますが、どうも大蔵大臣のただいまの答弁は何か自由党の修正案と政府原案と食い違いがあるように思いますので、もう一度一つ御答弁を願いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 別に私は食い違いがあるとも思われないが、政府案に対して民間人を入れないという修正案が出ていると承知いたしております。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 修正案が出ていると聞いたと申しますが、それはすでに目下修正案を審議中であります。ですから聞いたという言葉だけの問題でなくして、すでに楽屋裏で取引しているという前提の答弁のようにただいま一応受け取れました。今後の答弁は十分注意していただきたい。  時間がありませんから簡単に申し上げますが、先ほども田原君からいろいと言われましたが、この国防会議の主要の役割を演ずるのがあなたでございます。御承知の通りどんな防衛計画を立てようとも、あるいはいかなる国防会議に関する防衛的なすべての問題に対しましても、台所を預かるあなたが否認する場合は何もできない、あるいはまた国の予算とも非常な関係を生ずる、そういうことを考えますと、たとい国防会議のメンバーが防衛計画を立てる、あるいは一兆円のワクをはずしてやる。そういう場合に多数決によってあなたがいかに大蔵大臣の立場を、一兆円のワクを固持したといえどもそれが破られた場合には、あなたは当然従わなければならない。そういうことを考えるとむしろ総理以上の重大な役割を今後の防衛会議にあなたは関係を持っておられる、それだけに十分ふんどしを締めて御答弁を願いたい。もちろん先般の防衛分担金の問題に関連してアメリカ側は今年度に限って一千三百二十七億のワクを認めておる。今年度に限ってということは、結局来年度は増すということなのです。同時にまた国内だけの防衛体制ではできない、これは当然アメリカとの共同防衛になってくる。その場合MSAあるいは安保条約その他によってアメリカからいろいろな要請があるでしょう。そうなると大蔵大臣がいかに一兆円のワクを固持しても、アメリカの要請に基いて、あるいはまたその他の閣僚がアメリカの要請に賛成した場合は、勢いあなたが押される形になる。そうなると一兆円のワク内ではこれが制御しきれなくなる。そういう場合にどのような決意をもって国内の予算をあなたは組もうとするか、それを一つ明確に御答弁願いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 いろいろと仮説をされましてのお話でありますが、私どもは日本の防衛のためにどういうふうにすればよろしいかということをみんなの知恵を集めてここに作り上げよう、こういう考え方であります。特に大蔵大臣としては一国の経済力を越えた防衛というものは、今日の国際紛争の性格から見てもやはり考えられない。これはだれが大蔵大臣をやっても防衛との関係においてとるべき立場であると思うのでありまして、そういう方向で行くつもりであります。いろいろとだれもかれもが押しかかってきた場合はどうするか、こういうお話でありますが、私どもはむしろ協力的に、日本の国のためにほんとうにりっぱな、ふさわしい防衛体制をここに確立しよう、こういう考え方であります。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 どうも大蔵大臣は、杉原長官と同じように、やはり答弁をぼかしておられる。私は今後の防衛計画、それに伴って必ず防衛計画に伴う予算はふやされていく、そういう場合に一兆円のワクの中で、その防衛予算が増加されるとするならば、そのしわ寄せがあなた方の公約した政策の方面にもいろいろ出てくる、あるいは国民生活の中にも非常な負担になってくる、あるいは失業者とか飢餓線上に出てくる人間も現われてくる、そういうことを考えたら、おそらく国の大蔵大臣たるものは、いわゆる民生の安定を基本にしての防衛計画をとらなければならぬ、だからいろいろな意見を聞くということはわかりますけれども、われわれはもっと根本的な、あなたが今日まで堅持しておる一兆円のワク内において今後予算を組むのか、あるいはまた防衛計画のアメリカに支持されておる一千三百二十七億、それをより以上縮める立場において今後予算を組もうとしておるのか、これを一つお答え願いたい。     〔委員長退席、床次委員長代理着席〕

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 単に財政当局としては防衛費等の増加がないことが望ましいともいえましょう。しかし問題は、日本の防衛のためにどういうふうな規模あるいはテンポをもって増加していくことが望ましいのか、しかもそれが国民生活をそれほどいためずに、言いかえれば経済力の範囲内においてやり得るか、そういうことを今後においてこういう会議を通じて発見しょうということにあるのであります。また一兆のワクというような言葉もありましたが、一兆ということは、言いかえればむろんこれは健全な財政を組むときのいろいろの手段にもなりますし、こういうようなワクがあることが財政を膨脹させない一つのとりでにもなります。今後において常に日本の財政が一兆であるとは限りません。要するに財政が健全であり、しかも国民生活並びに経済にふさわしい財政であることが望ましいのでありまして、別に特に一兆ということにはこだわらぬことを申し上げておきたいと思います。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 しかしあなたの御意見もわかりましたが、この予算を組む場合において、現実的には、たとえばこの内閣委員会におきまして先般軍人恩給を取り上げた、これが一切の恩給を合すると、おそらく来年度は一千億になるかもしれない。それからこの防衛計画による予算の膨脹、それらを考えてみますと、当然これはわれわれが常識的に考えてみても、一兆円のワクをはずさなければならぬことになってくる。ところが日本の経済事情というもの——これはあなたの方から経済六カ年計画というものが出ておるけれども、その六カ年計画は文字通り今日では作品であります。その具体化された結果においてマイナスになるのか、プラスになるのか、あるいは絵にかいたまんじゅうであるかどうかということは未知数の問題である。たとえばこの防衛六カ年計画に関連して、その裏づけとしての経済六カ年計画を出しております。しかしその中に、たとえば貿易の拡大というものが出てくる。この貿易の拡大の問題にしたところで、現実的にはそれほど貿易の拡大はされておらない。なおかつその貿易の拡大の中には、おそらく鳩山内閣が公約しておった中国あるいはソ連圏に対しての貿易の拡大という点も私はうたわれておると思いましたが、そういう問題もなかなか解決しておらない。たとえば先般日中貿易協定が結ばれた。よしんばこれが民間人の手によって結ばれたとはいえ、鳩山内閣はこれに協力することを誓っておられる。ところがその貿易協定の締結はなされたけれども、今日では向うの出先機関すらない。あるいは先方のそうした扱いをする人々の人権の面についてもこれがあいまいもことされておる。そういう今後の貿易の拡大というものは従来なかった。また戦前におけるあの中国と日本との貿易関係を考えますと、どうしてもアジア、中国を中心とした貿易の発展が日本の経済の大きな裏づけになっていることは言をまちません。ですから貿易の拡大を願いながら、現実的には鳩山内閣は日中貿易に対しても何らの具体的な施策を持っておらない、こういうことは私は非常に矛盾しておると思う。だから当然これは経済的な面にも裏づけが全然ないことになる。ただいたずらに防衛計画の予算だけをふやしていく、あるいはまた恩給額をふやしていく。全く恩給亡国となり、あるいはまた防衛亡国にもなってくる。再軍備の亡国にもなってくる。こんな不生産的な方面に国民の血税を使用されることになってくると、おそらく日本は、経済の破綻もそうでありますが、国民生活はまさに裸、はだしで歩くような、昔のインドと同じような民族に落ちてしまう。そういうことを考えると、大蔵大臣はたといどんな誘惑があろうとも、どんな防衛的な計画があろうとも、日本の民生安定あるいは経済の再建ということを考えて、そこによほどのけじめをつけてこれからの予算を組んでいただかないと大へんなことになる。そういうことに対してどのような見解をお持ちでしょうか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 ただいまの御意見は私非常にありがたく拝聴いたしました。非常に激励して下さると思って受け取っております。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 激励ではありません。具体的に私はあなたの説明を求めているのです。あなたを激励するのでなくして、今日のあなた方のあり方における矛盾、計画の中には貿易の拡大といいながら、拡大に努力しておらない、その矛盾、それから不生産的な諸施策に予算をさいておられますが、そういうものを拡大をしておくと、生産面とか国内の政治の面に支障を来たす。その矛盾を私はあなたに訴えているのであって、私はそれに対する説明をお聞きしたいのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほどから申し上げましたように、私はやはり一国の防衛というものはその国の経済力の許す範囲でなければならぬということを一つの条件に具体的にいたしておる。他面において日本の場合は防衛なんであります。従いまして、防衛である以上は、これは私は限界があると思う。そうむちゃくちゃにふやすということもあり得ない。ここに私はやはり日本の防衛の規模といいますか、そこに限界がある。それなのに、どちらかというと何だか大へんな防衛といいますか、軍備といいますか、とかくそういうふうな力を強めるような心配が非常にあり過ぎるというふうに私は思う。ですからこういうふうな防衛会議を作って、すみやかに日本の防衛はこうあるべきだ、またこうするのだということをはっきりした方がいい。またはっきりさせる時期に来ているのだ、従ってこの防衛計画が樹立されるときに、参画している大蔵大臣としては、先ほどから申し上げましたように、今日の再軍備のあり方からいたしまして、またこれが防衛上の性格を持っておる上からいたしましても、これは不当な、いわゆる民生を圧迫したり、あるいは経済力の分に応じないということのないように、あらゆる努力を払うということは申すまでもない。従いまして、先ほどお言葉がありました、何らか誘惑なんかには打ち勝っていかなければならぬ、そういうことは申すまでもありません。ですから大蔵大臣として大筋に考えておることは、あなたが心配されておる、あなたの考えておることと、そう違いはないのだ、こういうふうに思っております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 今の下川君の質問に関連して、昨日鳩山総理大臣は参議院の内閣委員会で、木下源吾委員の、来年度は防衛予算をどういうふうに組むつもりだというような質問に対して、千三百二十七億ですか、本年度の額をこえないつもりだ、こういうふうに答えられておるのですが、先ほど来下川君の聞いておりますところも、つまるところは防衛の予算の限界、こういうことに帰着すると思うわけです。現に鳩山総理大臣が参議院でそのような答弁をされている。このことについてあなたはどうお考えになるか、これを伺わしていただきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 三十一年度における防衛をどうするかということは、防衛庁長官ともまだ話し合っておりません。総理とも私は直接話し合っていないし、大蔵大臣としてもまだきめておりません。従いまして、今私はそういう数字について何とも返答いたしかねるわけであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 まだあなたが何とも考えていないにもかかわらず、総理大臣が単独でそういうことを述べられるというのは、いささか軽率のそしりを免れないと思うのですが、いかがでしょうか。あなたのところにそういう相談を鳩山総理大臣が言ってきたらどうなさるのですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 先ほどからお話がありましたように、来年度の予算の編成を考えますときに、健全なる予算を組む上において容易ならぬ苦心が要る。そういうような見地に立ちました場合に、防衛庁長官あたりはどうか知りませんが、財務当局としてはなかなか容易なことではない。これは総理もこういうようなお考えが当然おありたったろうと思います。そういう意味において、おそらくそういう数字をお証になったとすれば——私直接聞いておりませんが、そういう意味から軽い意味で総理はお話になった、こういうことであろうと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 別に私はあなたの言葉じりをとらえるつもりはありませんが、防衛の予算というものは一国にとって非常に重要です。この重要なもりを総理ともあろう者が、軽い意味で発言をせられるなどということがあれば、これは重大な問題です。また総理が現実に重大な決意のもとでそういうことを言われたとしても、それをあなたが軽い意味だろうと解釈せられること、これまた重大です。こういうようなことが軽々とあなたの口から出ないことを私は衷心から望みます。日本の国民は防衛の予算について真剣です。どうぞこの点を十分に御留意をいただきたいと思います。  あなたとしては、それでは来年度一千三百二十七億の現行の範囲にとどめたいとお考えになっていらっしゃるのか。またアメリカの要求があれば増大やむを得ずとお考えになっていらっしゃるのか、これをお聞かせいただきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 これは要するに、単に大蔵大臣の希望ばかりでは解決いたしません。大蔵大臣としては防衛費の少いことを希望することは申すまでもありませんが、しかし一国の防衛というものはまたさらに必要なもので、これは国全体との調和において考えていかなくてはならぬ。従いまして今後関係方面と十分接触をいたしまして、具体的に考えまして、そうして今言ったような大きな、根本的なたとえば経済力を越えたものでない、国民生活を圧迫するものでない、いろいろそういうことのないような範囲において事をきめていくという以外に私はないと思う。またそういうふうなことからして、どうしても私は大蔵大臣としても、もうこの辺で国防会議もできて、そうして日本の今後の国防はこういうものであるということを、国民が納得するような形においてはっきりしてやることがいい、私はこういうふうな考えを持って、今度国防会議ができればさっそくこれは活動して、三十一年度の防衛についても何らかの結論を得るでありましょう。その上で私は考えていきたい、こう思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 次の問題でありますが、当然あなたが国防会議の議員におなりになれば、すぐ目の前で出てくる問題は、防衛産業をどうするかということだと考えるのであります。この防衛産業の問題については、御承知のように、アメリカの特需が激減をいたしております。そのために銃弾メーカーその他の軍需産業は破産をせざるを得ない状態に追い込められておる。こういう状況であります。その状況に対して通産省その他から防衛産業の国有民営という議論が出てきております。話によりますと、通産省は次の国会において、兵器産業設備国有化法案というものを提出せられる、こういう意向もあるそうであります。この問題について新聞紙の伝えるところによりますと、大蔵省は相当反対の御意見を持っていらっしゃる、こういうように聞いておりますが、この際一っ兵器産業の国有民営の問題について、大蔵大臣としての公式の見解をここで発表いただきたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 率直に申しまして、私は今兵器産業を国有民営にするというような一つの型は考えておりません。私が大体考えておることは、大蔵大臣というより、むしろ経済人としての従来の経験からくるのでありますが、兵器産業はやはり普通の事業でともにやるべきだ。大体一般の事業を七割やれば、これに関連する兵器産業は三割ぐらいやる、こういうふうな配分で仕事をするのが一番いいのじゃないかと思っておりますが、しかしこれは防衛の規模にもよります。あるいはまた非常な高度な専門化といいますか、私は兵器のことはよく知識がありませんけれども、場合によればはなはだ民間的な採算的なベースじゃいかぬというのもあり得るかもしれません。これらについてどうやるか、これは将来において考えなければならぬと思います。が、今私国有民営という形ということについて公けにそうだ、こうだあるいはそうでないというだけの考えをまとめておらぬことを申し上げておきます。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 今のお説で国有民営というような形式については大蔵省は考えておらない、こういう御答弁であったと思うのでありますが、もしそうだとすれば、現実に受注が大幅に減って、そのために非常に経営難に悩んでいる榴弾メーカーその他の産業についてどうお考えになっているか。防衛庁で買い上げる量は非常に少い。しかしその生産量は非常に多い。だが需要と供給との関係でこれまた倒産やむを得ない。これに対して政府が手を差し伸べるべきではないというふうにお考えになっているのか。国有民営でないにしても、何らか他の形でこうした軍需産業を温存する方法をとらなければならないとお考えになっているのか。この点について伺わしていただきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 お話は非常に具体的な問題でありますが、それもほんとうをいうと、今後における何カ年かの防衛計画というものがはっきりしなくては、ただめくらめっぽうに温存をしておくというべき筋のものでもない。そういう意味からしてもやはり国防会議ができてここで論議されて、今後の防衛計画ができるのを望むわけであります。兵器産業については少くともそういう計画性をもってやらなければならない。今日の事態では、今日の日本の防衛力を維持していくために、国内的にどういうふうな兵器産業を必要とするかということから考えていく以外にないのでありまして、単に特需等の発注が非常にアメリカからあったような場合に、拡大をされたから今日困っておるので、ただこれを温存する、そういうことは私はいたすべきではないと考えております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 この問題についてアメリカのロス国防次官補ですか、この方から、日本の軍需産業は朝鮮特需が減退した現在、設備が過剰になっているか、しかしこれについては将来アジアに戦火が起ったときのことを考えてできるだけ温存するような方法をとってほしいということを政府に申し入れがあったといううわさを聞いておりますが、このような申し入れが現実にありましたか、ありませんでしたか、お知らせをいただきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 少くとも私に関する限りは存じません。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 それでは次の問題を伺いますが、けさ杉原さんに軍事顧問団の経費の問題を伺ったわけです。そういたしましたら、私はさっぱり存じませんという御答弁でした。そのときのお話によりますと、大蔵省が全部積算をして下さるので私は知らないのですとこういうお話でしたが、大蔵省は防用庁と何も関係なしに、少くとも防衛月にその内容も知らせずに、アメリカ一軍事顧問団の経費を積算しておられるのかどうか、これを伺いたいと思います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私は事務折衝についてはどういうふうにしたか具体的に存じませんが、防衛庁長官が知らないというのは私たちもおそらく記憶がない。おそらく知っておるだろうと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 この点については防衛庁と十分連絡を取りながらやっていらっしゃるはずだと思うのですが、むしろ軍事顧問団が一番接触するのは防衛庁ですから、その費用を計算する場合に、大蔵省の方ではただ計算をされるだけだと私は考えておったのですが、その考え方は違っておりますか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 ただいまの点事務にわたりますので、私から一応お答え申し上げます。(飛鳥田委員「いや事務の問題ではなく、交渉の問題です」と呼ぶ)軍事顧問団の経費につきましては、昨年顧問団に関する協定といたしまして国会に提出されまして御承認をいただいたわけでありますが、その協定によりまして第二年度目以降の毎年の金額はこれは日米間で毎年取りきめて参る。その取りきめを、これは外務官のルートを通ずる外交交渉でありますが、そのルートで取りきめまして、そうして本年度の予算の中に交付金といたしましては五億四千万円を計上しておるわけであります。この金額の内容、これは先方と交渉いたします際にもいろいろ中身について問題があったわけでありまして、積算いたしておるわけでありますが、その積算をいたしました内容、まとまった結果につきましては、これは防衛庁の事務当局には御連絡はいたしております。しかしおそらく杉原長官のおっしゃいましたのは、そういったこまかい積算の内容について一々自分が目を通していなかった、そういう御趣旨での御答弁だと存ずるわけでありまして、事柄の性質上、われわれといたしましては、中身につきましては防衛庁の事務当局には御連絡申し上げておることをお答えいたします。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 まあそれはけさ杉原さんがあまりとぼけたことをおっしゃるので余興に伺ったわけでありますが、私が大蔵大臣に伺いたいのは、昨年は六百五十人の軍事顧問団がいて、本年は三百十大だ、これはけさ杉原さんからお答えをいただいた数であります。ところが六百五十人の場合に三億五千万円ですか、軍事顧問団の経費が計上せられ、その数において半分に近い三百十人になったことしは五億七千万円が計上せられている。今のお話ですと五億四千万円とかいうお話でしたが、五億七千万円が計上せられておる。     〔床次委員長代理退席、委員長着席〕 いかにも数が半分に減って、ほぼその経費が倍額近くにふえているというのは非常に不思議に思うのですが、これはいかなる理由によって増加したものか、御説明いただきたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 今の数字ですが、実は前年度の分は四百二十五人でありまして、本年度が三百二十人……。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 三百二十人の方はよいのですが……。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 前年度は平均は四百二十五人……。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 平均といいますと、どういう平均ですか。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 多いときと少いときと……。現在は三百二十人——四百二十五人が本年度は三百二十人に減少するわけです。それだのにどうして顧問団の経費がふえたかと申し上げますれば、これはMSA協定の実施の二年目になって、二年目から顧問団で本国に帰る人がおる、この帰国費用が本年度では一億一千三百万計上されておる。それからいろいろな兵器が日本に贈与並びに貸与されるわけであります。そうしてこれを操作するために、何と申しますか、いろいろ教える移動訓練隊という名前のが来るわけです。この費用が一億六千九百万、これがこうふえております。この結果から人数は減ったにかかわらず、前年度になかったこういう費目を計上するために増額しております。一億一千三百万がこの帰国費、一億六千九百万と両方で二億八千二百万、これだけふえておる、こういうふうなことで御了承を得たいと思います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 帰国費はMSA協定の前国会の議事あるいはMSA協定に関する日米の交渉の議事録、こういうものを見ますと、帰国費まで負担するということにはなっていなかったと私は承知しているのですが、帰国費が含まれる法律的な根拠はどこにあるのでしょうか、これが第一です。  それから今私もちょっといろいろな数字を控えてきたのをどこかへやっちゃったのですが、私の調べました範囲では、住宅費が非常に上っているというふうに考えられるのです。今お説のようなところと違ったところで上っているように思われます。それから労務費ですか、日本人の軍事顧問団に提供する労務費なども非常に額が上っておるというふうに思われるのです。今のお説とは幾らか違うのではないかということが考えられるのですが、第一の問題、第二の問題というふうに一つ御解明を願いたいと思います。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 まず第一点の帰国旅費の問題でありますが、これは初年度の帰国費をきめるときにも向うから要求がございました。しかし初年度でございますし、そうすぐ来て帰るということで、その旅費を持たされては困るというので、初年度はこちらで断わったわけであります。しかしやはり海外の勤務でございますので、定時に一定期間を経ますと、やはり交代するということが必要になってくるのでありまして、昨年から要求はありましたが、本年は第二年目になりましたのでその分を認めた、そういう経緯になっております。  それから住宅費の問題でございますが、これは昨年が約一億六千万ぐらいを見まして、これを米軍に交付しまして、米軍の方から住宅手当等を本人に支給して、本人が家賃であるとか、光熱費であるとか、水道料を払うというような格好になっております。ところがなかなか家賃が高い、あるいは光熱、水道代が高いということで、いろいろ問題がございます。そこで本年度は住宅公団ができますので、住宅公団の附帯的業務といたしまして、現在顧問団の連中が入っております住宅を、公団に現物出資をいたしまして、これを公団で管理するというようなことにいたしておるのであります。従いまし、この交付金の五億四千万の中で見ました住宅費は、昨年の一億六千万円に比べてことしは一億四千万と若干減少いたしておるわけであります。そのほかに実は交付金ではございませんが、公団関係で顧問団住宅も扱います関係から二千七百万ということで、それを通算いたしますと、前年度とほぼ同様の金額になっているということで御了承をいただきたいと思うのであります。  それから第三点の日本人労務者に対する給与費でございますが、これは前年度に対してましては一、二割程度の増加はございますが、これは現実にそれだけの人数がふえた関係でのことでございまして、特別に申し上げるほどのこともございません。以上三点について申し上げました。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 帰国費は昨年度は断わったという話ですが、それならなぜことしも断わらないのか。当然断わるべきものだと思うのです。これは僕が言うと釈迦に説法ですが、基本給は向うから出ているわけです。軍事顧問団については、特別の場所に出張するとき、国外あるいは外地に赴任するとき、こういうときの出張の費用、それからそこから帰っていく帰国の費用、こういうものはアメリカ軍の基本給の中に入っているはずだ。これはアメリカの給与体系から当然だと思いますか、それをこちらで負担する理由は一つもないと思う。それだからこそ昨年度は断われたわけです。たしか議会の説明でも、帰国費は負担しないというような御説明だった。速記録を見ないとわからないが、私はそう記憶している。それをことし一億一千二百何十万こいうものを帰国費に計上するということは、あまりにもなめられた話ではないか。当然大蔵省の義務としてこれは拒絶すべきものだし、昨年度も払ってないからことしも断わったらよいはずだと思うのでございますが、どういう理由できめられてしまったか、それは私にはわかりませんが、もう少し腰を強くしてよいのではないかと思うわけです。  それから労務者の手当についても、昨年度は五千二百三十二万五千円、本年度は七千四百七十万になっていると私は承知しておりますが、かなり日本人労務者手当は大幅に増額されている。人数が減っているのに、これに対するいわゆるサーバント的なものの額をふやす必要はないと思いますが、こういうような点についても御説明をいただきたいと思います。あまりこまかい話ですから、この問題はこれで打ち切りますが、はっきり一つ御答弁願いたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 帰国費の点でありますが、昨年度は要求のあったのを断わった。これは顧問団ができてまだ一年にもならぬうちに向うに帰ると言われても、その旅費はちょっと持てない、そうすぐに帰る費用を持てと言われても、われわれは承服できないということで断わったのであります。また初年度でありますから現実におそらく顧問団員が交代する必要もなかったわけであります。二年目になって参りますと、やはり長い間の外国勤務でありますから、交代する必要があるというようなことでございまして、これは軍人ではありませんが、一応大使館の身分を持っております大使館職員でもありますので、各国における例にもならいまして、この帰国の旅費を持とう、持たざるを得ないということで交渉をまとめたわけであります。  それから労務費でありますが、これは顧問団の仕事もだんだん充実して参るに従いまして、日本人労務者の使用人員もやはり増加いたして参るわけであります。昨年度よりことしの方が多いわけであります。その人員の増加に伴いまして労務者の給与費がふえて参ったわけであります。決してベース・アップということでふえたわけではありません。使用人員の増加したということで御了承いただきたい。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 軍事顧問団の経費の問題ですが、昨年度MSA協定のG項で三億五千万円をこえざる限度とする、こういうように協定をもって取りかわしているわけです。ところが本年度はそういう形式を全然お踏みにならない。この点についてなぜそういう形式を踏まないのか、大蔵大臣の御説明をいただきたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 多少手続にわたる問題でありますから、事務当局からお答えいたしたいと思います。昨年度軍事顧問団に関する協定ができましたのは、すうすでに国会へ予算案を提出したあとでありましたし、また顧問団受け入れに関する本協定を国会で御承認願うということでございましたので、第一年度の分につきまして三億五千万円ということで協定をいたしまして、それも含めた協定を国会で御承認いただいたわけでございます。その協定によりまして、第二年度以降は日米間で別に取りきめるということになっております。その点はあたかも行政協定による毎年度の防衛分担金と同じような格好になるわけでございまして、協定をいたしまして国会に予算として御承認をいただく、さような意味で本予算の中にその交付金としては五億四千万円、それに先ほど申しました住宅公団の関係の二千七百万円を加えて五億六千七百万円、それを含めまして、予算として御承認をいただいた、さような手続関係に相なっておりますので、御了承願います。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 そういう場合にやはり当然同様な形式を踏んで、これは国会にかけるべきだと私は思うわけです。日米政府の合意に基いてやる合意にも幾つかの種類があるわけです。公文を交換するとか、協定にするとか、少くとも何らかの形式を踏まなければならないと私は思うのですが、この場合にはどういう形式をお踏みになったのか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 日米間の合意は、これはいわゆる取りきめということで、両方で合意いたしましてみなこれをきめておるわけであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 文書を交換したのですか。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 メモ、書簡を交換しております。その金額について国会の御承認を仰ぎますのは、これは行政協定による防衛分担金の場合と同じように、国会に予算審議権があるわけでありますから、予算として国会の御審議を仰ぐ、さような法的構成になっているわけであります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 予算委員会でこの問題が問題になったときに、なぜそれでは文書の取りかわしたもの、覚書を取りかわしたその覚書を提出にならないのか、それを伺いたい。

森永貞一郎大蔵事務官(主計局長)

○森永政府委員 その点もう少し詳しく申し上げますが、予算に計上するにつきましては、これは合意が成立した上で載せるわけでございますが、国会に予算を御審議願ってよろしいということになった後に、日米間に正式に書簡を交換した。これは行政協定によりまする防衛分担金についても同じでございまして、国会でこの防衛分担金について御承認を願いました後に、正式にはそのことを文書で交換する、さようなことになるわけでございまして、それと同じような段取りで考えております。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 森委員。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私はこの国防会議法案に関して、この法律が成立していよいよ国防会議が構成されますと、総理大臣に次いで一番重要なポストにあるのは大蔵大臣であると思うのです。従って大蔵大臣としては、日本の国防計画と同時に国民の生活については十分に予算上からお考えにならなければならぬと思うのであります。ところがことしの防衛分担金の削減の折衝において、あなたは非常に大きな国民の期待の中に、いわゆる総選挙をを通じて民主党は防衛分担金の削減を行い、この削減の予算をもって住宅その他社会保障の設営に当る、このような宣伝をして、これによって相当国民の期待のもとに多数の投票を得ておるのであります。ところが実際に防衛分担金の折衝に当ってみるとあなたの意図したところの防衛分担金の削減はできず、しかもそのようやくにして削減されたものは、あなた方の公約とは全く相反したところの国民の生活の安定のためには使われなかった、こういう実情が発生したのでありまして、私は大蔵大臣としても非常にその責任の重大さを痛感しておられると思うのであります。かってあなたは予算委員会において、これらの防衛分担金削減の問題に関して野党のいろいろな質疑に対しまして、ようやく委員会が終ったときにあなたはこわい、こわいと言って予算委員室からかけ出していったということさえも新聞に出ておったのであります。いわゆる日銀のあの法王的な存在の総裁が国会に参りまして、一兆億のワクの問題で国会を甘く見て、しかも予算の流用に関しては自分の考えどうでもなるのだというような甘い考を持ったところに、私はあのような大きな日米交渉の失敗が現われておるのだと思うのでございます。  そこでこの際いわゆる民主党内閣においては長期防衛六カ年計画というものをすでに策定しておるのでありますが、これに関しまして私は大蔵大臣としてはどういうお考えを持っておるのか、これを明確に一つ御答弁を願いたいと思うのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 この防衛計画に対してどういう考えを持っておるかということは、先ほどから私しばしば繰り返して申し上げておるのであります。それは今日の国際紛議のありさまから見ましても、あるいはまた日本の防衛の性格がいわゆる防衛にあるという点から見ましても、第一にやはり日本の経済力に応じたものでなければならぬ、経済力を越えたものではならない、同時にまたその性格は自己を守るという性格を持っておる、従ってこれにはやはり限界を持っておる、こういうのが私の基本的態度であります。  なお一言私はこの機会に申しますが、私がいかにも防衛分担金を負けてもらって、それを内政費の方に回すことを宣伝したかのように先ほど御批判があったのでありますが、私は今回の三十年度の予算編成について、防衛関係の費用については前年度の千三百二十七億のワク内に置くこともなかなか容易ではないが、これは一つぜひとも実現をしたい。皆さん方は何でもないように思われるかもしれませんが、前年度のワク内に置くことも、これはなかなか容易ではないのであります。従いましてそのワク内に置くことはぜひとも実現しよう、そうでないとなかなかやっていけない、そう私は申しましたが、公の場合等において、いかにもそれでもって内政費に回すということは、自分でそういうことを申し上げた事実はないと思います。私は常に前年度のワク内に今ごろそういうことをかれこれ言うのではありませんが、今いかにも私が世間を欺いたかのような御批判がありましたから、それについてやはり私としても、これは良心の問題でありますから、一応それだけは明確にしておきたい、こういうふうに思うわけであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 ただいま大蔵大臣はこの防衛分担金の削減の予算をもっていわゆる民生安定のために使うのだといったようなことはないと言っておられますが、私はこれは大きな食言だと思う。民主党が今年の総選挙においてはこれを一枚看板に掲げて、しかもあなたは民主党内閣の閣僚の一人として、いわゆる自己の所属する政党の政策というものはあなた自身にしても十かにお知りのはずであった。たといあなた個人が言った言わないは別問題であって、その自分の所属する政党の政策に対して、それではあなたは忠実でなかったのかといわざるを得ない。この大きな矛盾に対しまして、あなたはどうお考えになっておるか御答弁を願いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 いや、それでは私の申しようが悪かった。民主党がそういうことを主張した場合に、それを私がかれこれ批判するわけではない。ただ私も民主党の党員でありますから、民主党の言われることに責任を負わぬというのではありません。ありませんが、こまかい話になりますけれども、いかにも私がそういうふうに言うて歩いたかのようなお言葉でありましたから、それでその点だけは一応申し上げておきたい。それだからというて、民主党のそういうことについて、私が何も責任を回避するというのではありません。はなはだ政治論としては幼稚なこととなって、その区別ができるかといえばそれまでであります。いかにも私がやったような言葉でありますから、それだけ申し上げておきます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 そこで私は防衛六カ年計画というものは、防衛庁長官はその策定に今後努力するということを言っておられるのであります。従って私は、大蔵大臣としても長期防衛六カ年計画というものはあなた方の内閣の中においてはすでに討議されておると思うのでありまして、これに関するところの今後の防衛計画に使用するところの予算というものは毎年増加こそすれ、決してそれが軽減されることはないと考えておるのでありますが、これに対するところの見通しをお述べ願いたいと思うのであります。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 そういうことは、今度設置されます——これは法律が通りました上でですが、設置されます国防会議においてきまるわけであります。今私はそれについて見通しは持っておりません。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 大蔵大臣は重大な食言をしていると思うのです。あなたは選挙中並びに選挙後においても、いわゆる八合目ミルク論ということを言って、この辺で国民生活に一息入れさせよう、それは単なる案でなくて、予算やその他の数字に現われていると言っている。従って防衛全般の費用を千三百二十七億にするなら、それ以外の面において国民生活にミルクをちょっと出そうという気持であった。ところが先ほどの御答弁では、国民生活について自分は何ら約束していない、こういうのですが、これはだんだんあなたの皮がはげてくる。もうこれはローマ法王じゃなくて、ろうそく法王だ。だんだん溶けていくじゃないか。これはこの委員会では直接の問題でないけれども、そういう無責任な食言は取り消してもらわなければならぬと思う。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私が八合目ミルク論というものを申し上げたことは間違いありませんが、それは防衛費との関係で必ずしも申しておるのではないのでありまして、私が申した八合目ミルク論というのは、デフレ政策を一カ年継続いたしまして、その効果が相当上ってきておる、そこでその効果はどういうところにこれを使うかといえば、このデフレ政策を一カ年やり、さらにまた一カ年継続することによって、いろいろと社会にしわが寄ってくる。言いかえれば特別に苦しんでおるところができる、これにはやはり手を差し伸べなければならぬ、こういう意味において、その手を差し伸べるということが、比喩的に申して私の言うミルク論になったわけで、それがさらに具体的なことは、これはいろいろと御批判もありましたが、幸いに通過したのですが、住宅建設というもの、これがさきのミルクの内容の一つであります。それから内容もそれほど十分でないかもしれないが、社会保障ということに、やはり少くとも自分の頭、考え方をそちらの方に向けていったというのがやはりこれはミルク論であります。大体そういうふうに御了解願いたいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 松田郵政大臣に対する質問に移って下さい。田原君。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 松田大臣に移りますが、その前にもう一度大蔵大臣に御注意します。今のようなお話では八合目ミルクも腐ったミルクになってしまいます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私も大蔵大臣に一言申し上げたい。先ほどあなたは国防六カ年計画に関する予算等についてまだ何ら考えていないというのですが、これは全く無責任もはなはだしい発言だと私は思う。杉原防衛庁長官は長期六カ年計画を策定しつつある、こう言っているのですから、それならば、大蔵大臣に対して杉原防衛庁長官から今後六カ年計画の策定に関する予算等の問題について当然話がかけられていると思う。それを当委員会においてあなたがその長期防衛六カ年計画については何ら考えていないというがごときは、まことに一国の大蔵大臣として不信任に値すると思う。とんでもない話だ。明確なる御答弁を願いたい。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 おしかりを受けましたが、事実防衛庁長官からその点について話がありません。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 それならば、あなた自身は今後設けられるこの国防会議の議員として、当然この長期防衛六カ年計画という問題が生まれてきているのでありまして、それらに対する大蔵大臣としての御所見——当然出てくるその問題に対してどういう考えを持っておられるか。それさえもあなたがないというならば私は大蔵大臣としての価値がないと思う。もはや三十一年度の防衛庁の予算の請求も穴蔵省には到達していると思う。特に長期防衛六カ年計画というものは政治家としてはたれ一人知らないものはないのです。大蔵大臣が知らぬといっても、政治家全体は知っており、国民も知っておる。明年度以降における防衛増強に関しては自分はこのような考えを持っておる、これは国民生活と重大な関連があるから私としてはこの範囲にとどめていきたいとかいうような考え方が当然なければならぬと思うのでありますが、それさえも全然ないというならば、これは当委員会の権威をあなたみずから否定されているものだと私は思うのです。誠意ある御答弁を問います。

一萬田尚登日本民主党大蔵大臣

○一萬田国務大臣 私の防衛に対しての基本的な考えは、もう先ほどから繰り返し申し上げた通りであります。しかし今日六カ年にわたる日本の防衛計画というものは、少くとも私の知る限りにおいてはないのであります。これだけは私は不誠意でも何でもない、私はほんとうにそう思っておるのであります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 私は国防会議法案の修正案に対して二、三松田国務大臣にお伺いしたいと思います。それは松田郵政大臣の所管しております通信に関してでありますが、御承知のように、近代戦は通信が第一でありまして、正確なる情報をまず第一に得なければならぬと思う。その点については御異議はありませんか。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 郵政所管の最も重大な任務の一つと考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 終戦後のことでありますが、元軍人はむしろアメリカから使い古しの武器をもらうよりも、自主的な通信機関の完備がほしいのだということを言っております。その点についてはどういうようにお考えですか。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 ちょっと御趣意を私伺いかねますので、御趣意の点をもう一ぺんおっしゃって下さい。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 私のお尋ねしたいと思いますのは、世界各国の正確なる情報を得るための通信機関の完備が最も必要であるという元軍人の考えだろうと思いますが、これに対する松田大臣のお考えを承わりたい。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 通信のことは要は国民の耳である、こういう見地において非常に大切なる事柄と考えます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 そうしますと、今回自由見から修正案として出されております国防会議法案の内容は、総理大臣を議長とし、副総理それから外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官の五人をもって国防会議を構成する格好になるわけであります。しかるにあなたの所管である通信等を除外しておる。いわばつんぼさじきで、竹林の七賢人みたいに、国防会議を論議して、世界がどう動いているか何も知らずにおる。しかもその一人の大蔵大臣は金がない、金がないといって、むしろチェックしようというような今の答弁です。そうすれば、国防会議など作っても何も実際は役立たぬと思う。ほんとうは世界の情報を正確にキャッチするに足る通信機関の元締めである郵政大臣が一枚加わらなければいかぬ。しかるに郵政大臣は初めからこの五相会議の中に加えられておりませんが、それでもあなたは満足されますか。あなたの御所見を伺いたい。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 その点につきましては国防会議の構想をいかに考えるかということによって決定されると思います。今日は何分にも地上においては原子力という新しい時代がまさに来らんとし、また空中においては電波という霊妙なものによって通信が行われておる時代であります。しかもこれが郵政大臣の所管に属することでございますので、まずもって耳のない国防会議は何になるかということは考えられるのであります。しかしながら現在の国防会議の構成というものは━━━諮問機関でありまして、ほんとうに国防会議というものを、かりに膨大な武力を持ち、経済力を持っておるソ連とかアメリカとかいう国の、いわゆるディフェンス・カウンシルと同じようにまだ私は考えるべきでないと思う。そういう見地において、無理に入らなくても、閣議においてあらゆるデータを集めて提供することもできれば、報告をすることもできるし、協議をすることもできる、意見を述べることもできると思いますから、あえて入ろうとしなかったわけでありまして、これは内閣法により規定されておる国務大臣をもってその構成分子とするということになったわけであります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 江崎委員にお尋ねしたいのでありますが、しからばあなたの修正された民間人を除いた五相会議というのは、━━━総理大臣の諮問機関にすぎないのでありますか。総理大臣はこれを聞きおく程度でありますか。

江崎真澄自由党

○江崎委員 われわれは民間人にそこまでのウェイトを置いておりません。民間人が入るといないとにかかわらず、この国防会議の性格またその重要性というものは変るものではない、かように考えております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 郵政大臣は国防会議を━━━諮問機関だと言うのでありますが、諮問機関だということならば、われわれもその言葉はわかるのでありますけれども、きわめて国防会議をセーヴして、あってもなくてもいいのだ、━━━諮問機関であるということになると、事きわめてこれは重大でございまして、これほどわれわれがこの暑熱の中に審議をいたしておるのに、しかも提案者である政府を代表した大臣が、━━━諮問機関であるとは何ごとであるかと思うのでありますが、━━━諮問機関というお言葉は言葉が過ぎると思うのでありますが、大臣はお取り消しになるかどうか。

松田竹千代日本民主党郵政大臣

○松田国務大臣 あまり暑いのでちょっとのぼせ上ってつい言葉が━━━と出たのでありますが、これは私の間違いであります。これは取り消します。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 江崎さんの御答弁は先ほどはっきり聞きとれませんでしたが、あなたの考えは━━━諮問機関と考えておられますか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田原君、郵政大臣は逓信委員会に呼ばれておりますので……

江崎真澄自由党

○江崎委員 ただいま田原さんの御質問でございますが、本会議に諮問をする事項の重大性からみまして、これはきわめて重大なる諮問機関であると了承いたしております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 私はこの修正案に伴う関係大臣の言を聞きたいのでありますから、ぜひ運輸大臣、農林大臣は呼んでもらいたいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 両大臣はどうしても参議院が抜けられなくてこちらへ来られないので、きょうはそういうわけに参りませんです。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 しからば両大臣の来るまで私の質問は留保したいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 森三樹二君。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は江崎委員にお尋ねしたいと思うのでありますが、あなた方は、新聞等の報ずるところによりますと、この国防会議法案の民間人の削除に関して、私は民主党と相当以前から話し合いをつけておるということを聞いておるのですが、いつからそういう話しが出ておるのか、これはついてお聞かせを願いたいと思います。

江崎真澄自由党

○江崎委員 私は先ほども田原委員の御質問にお答え申し上げたのですが、とかく政党同士がいろいろ話し合いするということは、どんな問題にもしばしば見受けられることでありますが、この国防会議の構成等に関する法律案につきまして、公式の交渉として承わっておることは一度もございません。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 それは私としても江崎委員の今言われましたように政党同士のいわゆる話し合いということはあり得ると思うのであります。ところがその話し合いは、われわれ新聞で知る程度におきましては、もう相当早くから行われておる。しかるに民主党側としては、自己の提案したところのこの民間人を入れるというところに大きな特色を持った本法案の通過をはからんとしておったのでありますが——私はもちろん国防会議法案には反対であります。反対であるけれども、いわゆる政府の提案しているそうした問題を、自由党と民主党との間において楽屋裏の取引をしてあなた方がこれを通そうというからには、通したその反面においては、結局これは民間人がなくなれば閣僚だけになってしまう。しからばその性格は全く普通の閣議とほとんど変らないような状態になると思うのでありますが、この点をどういうようにお考えになっていらっしゃるか御答弁を願いたいのです。

江崎真澄自由党

○江崎委員 私どもは何ら裏の話し合い等には制約を受けておりません。先ほどから繰り返して申し上げますように、私外七名の提案いたしました純粋の修正案でありますので、この点はどうぞわれわれ委員会の権威のためにも御了解を願いたいのであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 しからばあなた方の修正された理由は、内閣の責任制、いわゆる憲法の規定したところの閣僚の責任制からいって、そうしたところの民間人を入れることは不適当だ、こういうふうにして除外されたならば、各委員諸君がここでもう相当突っ込んでおられるように、ここに限定されたところの閣僚ばかりでなく、一面民間人を削ったならば、その反対に相当数の、と三、四人の必要な閣僚をこれに入れるというようなことを考えられなかったかどうか、その点についてはどういうようにお考えになっておるか御答弁願いたい。

江崎真澄自由党

○江崎委員 その点につきましては、現在の段階では原案通りでいいと私どもは考えております。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 それならば、この際こうしたいわゆる再軍備政策を強行するような本法案については、自由党としてもむしろこの法案を継続審議か何かにして、もう少し慎重な態度をもって臨まれることが適当でなかったのか、民間人を削除して、そうしてこの法律案を、あなた方の線に沿った修正を突っ張って、そうして通そうというようなことをなさらずに、この法案に対しては、やはりわれわれはもっと慎重にしなければならぬというので、本国会においては一応留保して、そうして継続審議等の方法をとって、そうしてもっともっと慎重に考えられて、次の国会あるいはその次の国会あたりでもって自由党の本質的な修正をなすべきであって、今国会においてあわててこれを自分たちの考えで修正をして、そうして通すんだというような、通すことにのみ重点を置いたような修正であると思うのでありますが、もう少し慎重な態度をとるべきでなかったかと思うが、この点いかがですか。

江崎真澄自由党

○江崎委員 この点は、すでに昨年自由党が政府与党でありました当時に、防衛庁設置法の第四十二条に国防会議の規定を設けております。従って自由党としての年来の主張が通り、この修正案を多数によって可決願うということになりますならば、われわれの要望はほとんど全部が通ることになるわけでございまして、私どもの立場としては当然だと考えております。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 つまりあなた方の内閣時代に通した防衛庁設置法の中に規定されておる国防会議であるから、これを通そう、こういうような考えでおられることは、それはわかります。わかりまするけれども、それならばあなた方は、この防衛庁設置法を当時通されて、直ちにみずからの責任を果されるために、なぜ同時あるいはその直後この法案を出さなかったか。この法案について、あなた方としてもやはり相当の時間をおいて研究される必要があったからこそ、私は相当の時間をずらしたのだと思うのでありますが、そうだからといって今度、あなた方の吉田内閣がついに国民の反撃の前に倒れて、そうして鳩山内閣ができて、その鳩山内閣の手によってこの国防会議法案が提案されたからといって、結局みずからそのしりぬぐいをするためにこの法律案を通そうというのか、あるいはほんとうに重大な性格を持っているものであるから通そうというのか、私はその点が非常にぼやけてしまっておると思うのです。あなた方が修正をなさるならば、いわゆる内閣の責任制に筋を通したような点等について十分研究されたのかどうか。まずその点と、それから事務局等の構成について、果してあなた方がどれだけの配慮をされたのか、単に民間人を削るということだけで事足れりとなしておるのか、もう少し御見解を承わりたいと思います。

江崎真澄自由党

○江崎委員 私どもは、この会議の重要性ということについては、この前に防衛庁設置法を出しまするときから、深く認識をいたしておるわけです。それで今日まで研究を重ねて参ったわけでございますが、たまたま朝野場所を異にして、今日民主党からこの国防会議法案を出されたわけでございます。それについてわが党の意見というものを中心にして審議を続けて参ったわけでございまして、少くともわれわれは、国会の審議を通じまして、わが党の意見を盛り込んで修正案を出した、こういうつもりであるわけでございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 森君、総理が見えましたから……。では江崎君に対する質疑はこれをもって終了いたします。  それではこれより政府に対する質疑を継続いたします。なお総理は、今日前後九時間の質疑で非常に疲労しておられますから、正確に各党二十分をお守り願います。小金君。

小金義照自由党

○小金委員 私は国防会議の構成等に関する法律案に関しまして、重要な点を二つほど鳩山総理大臣にお尋ねをいたします。この法律案が企図しておりまする国防会議の設置は、内閣その他各省庁に置かれる諮問機関その他の委員会とはおよそ趣きを異にいたしまして、国防の基本方針、それから関連産業、さらに自衛隊の出動の可否等について、総理大臣の諮問を受ける機関であります。従ってこの構成と運営いかんとは、わが国及び国民の運命を左右するおそれさえございます。そこでしばしば問題となりました憲法第九条以下の関連事項は、ここで繰り返しませんが、今までの質疑応答の結果、わが自由党は原案のままで賛成いたしがたいので先ほど同僚江崎委員が、御承知のような修正案を提出いたしました。内閣総理大臣としてこの修正案に御同意ができるかどうか、御意見を承わりたいであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 民間から議員を出すのは、政府としては適当だと考えたのでありますが、委員会において民間人を除いた方が適当だというように決定されるならば、むろんそれに同意をいたします。

小金義照自由党

○小金委員 なお本法律案が成立いたしました暁に、この国防会議が設置せられることとなりましょう。その際にわれわれは、この委員会における質疑応答を通じて、わが党の意思として、従来問題となっておりました独立の完成に向うために、その一つの問題として、自衛力を国民生活を圧迫しないで漸増して、おもむろに独立自衛の、そして自己防衛の体制を整えていくということを総理大臣はお考えになって、この国防会議法の運営をなされますか、その点を明らかにしていただきたい。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 小金君のようなことを考慮いたしまして防衛力の漸増をしていきたいと思います。

小金義照自由党

○小金委員 さらにこの法律案の第十条に、「内閣総理大臣官房に国防会議事務局を置き、国防会議の事務を処理させる。」こういう条項がございまして、これについて関係大臣の意見を徴しましたところが、そのほか関連産業の問題についても、どうもはっきりしない説明がありました。     〔委員長退席、床次委員長代理着席〕 そこで、今この案で考えておられる予算等では、非常に小さい、また大きくすればいろいろな弊害も生ずるおそれがあるというような意見がそのまま出て そのまま答弁されております。総理大臣はこの国防会議を運営されまして、その実績に徴して善処して、最高の能率を上げ、弊害が伴わないようにするというお考えがありますかどうか、この点を承わりたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 情勢の推移を見て、適当に処置をして参りたいと考えております。

小金義照自由党

○小金委員 それではこの事務局については、推移と実績を見て善処される、こういう意味でありますね。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そういう意味です。

小金義照自由党

○小金委員 それでは私はこれで終ります。

床次徳二日本民主党

○床次委員長代理 江崎委員。

江崎真澄自由党

○江崎委員 国防会議の法案審議は、衆議院の委員会においてはだんだん終末に近づいて参ったのでありますが、もう会期はすでに切迫いたしております。参議院においてこれが審議未了に終るというようなことも、考えられなくもありません。これは現実の問題として考えられるのでありますが、もしこの法案が通過しないとしたならば、政府はどんな点に一番困難を感じられるのか、また対米折衝等の方に差しつかえがあるのかないのか、そういうような点につきまして、承われれば承わりたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は、江崎君が心配せられるるようなおそれはないと考えております。参議院においては通過をしてくれるとことと予想をしております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 その御確信はきわめてけっこうでありますが、どうぞ一つ誤まりのないように、われわれもせっかく暑い中を総理や防衛庁長官と一緒に審議をしてきたのでありますから、この点は、修正案等、国会審議の過程において出されました案件を十分御考慮願いまして、努力を賜わりたいのであります。  次に、この国防会議と国会との関係についてであります。国防会議は言うまでもなく政府の諮問機関でございますが、これは政府機関であります以上、当然国会に対しましても、その運営とか内容等に関しましてできるだけ発表をし、随時進んで説明をし、了解を得るものであるというふうに私どもは考えるのでありますが、この点について、総理はどういうふうにお考えになっておりますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 江崎君の希望せらるるような運営をして参りたいと思います。責任はもとより内閣が負うところでございます。

江崎真澄自由党

○江崎委員 どうぞそういうふうに将来とも運営を願いたいと思います。しかしながら、事柄の性質上、すでに防衛庁においても、秘密主義に流れておる傾向が、審議をめぐりまして強く現われております。防衛庁も秘密、国防会議も秘密、何でも秘密々々ということで事柄の性質に託していきまする結果は、再び軍閥独裁の過去の姿に帰らぬとは保証できがたいものがあるのでございます。われわれは当然国会議員として軍閥独裁の再現を阻止しょうと強く考えておるものでありますが、こり秘密主義と、同時に防衛庁及び国防会議のあり方につきまして、総理はどういうふうにお考えでございますか。この点をこの際はっきり具体的に承わっておきたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻申しましたように、なるべく秘密主義というようなそしりを受けないようにいたしたいと思っております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 さしあたりこの国防会議ができ上りますと、この国防会議のまず第一の議題となりますのは、先般来杉原防衛庁長官の不信任案にまで発展をいたしました防衛六カ年計画の問題であるとわれわれは思うのでありますが、さようでございますか。同時にまたこの国防会議が発足をいたしました場合、防衛六カ年計画の成案を見ました暁には、当然この委員会に諮られるものと思います。すでにもうこの国防会議の法案は、衆議院は大体質疑打ち切りの方向に向いつつあるのでありますが、まずもって六カ年計画を出されるとして、そのめど等について、この際承われればはっきり承わっておきたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 国防会議ができましたならば、できるだけすみやかに六カ年計画を決定いたしまして、この委員会に諮問いたしたいと思います。

江崎真澄自由党

○江崎委員 自由党はただいま修正案を出しまして、それについて小金議員から先ほど総理に強く質問とともに要望をせられたのであります。そこで、われわれはあくまで民間議員を削除するという線を強調いたしておるのでございます。アメリカにおきましてはこの国防会議と同様の機関において、やはり民間議員というものは入れておりません。入れておりませんが、アメリカの大統領は随時個人的に意見を参酌する程度の、非公式の民間の顧問というものを持っておるのでございます。われわれが今日この民間人制度を削除いたしましてこの法案が通過いたしましたとする場合に、総理大臣は非公式に、アメリカの大統領に見られるような顧問の制度等も考えられますかどうか、ついでながらこの機会に承わりたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 随時適当な人を呼びまして意見を聞けばよいと考えております。実際の運営に当って考慮いたしたいと思っております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 ただいまの御答弁、けっこうでございます。どうぞ一つそういうことで、ぜひわが党の線に沿うて国防会議の運営をなされたいのでございます。  次に、今日いうところの冷戦では思想戦が第一位に置かれていることは申すまでもございません。思想戦における総理の考え方、方針、これは国防会議の発足に当りましてきわめて重大な問題でございます。総理はつとにソ連との国交回復を計画されたのでありますが、これが自由諸国家群を刺激したこともまた否定することはできないのでございます。両面外交の結果は著しく自衛隊の士気にも影響いたしました。また同時に民心の向うべき方向、心構え等においても矛盾を感じさせ、不安を覚えしめているとわれわれは見ているのでございますが、この思想戦遂行上における鳩山総理大臣の考え方、方向、こういったものについて具体的に、これは大事な問題でありますから、はっきりと一つ承わりたいのでございます。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は、日ソの交渉のために自由主義諸国が誤解を非常にしたというようには考えておりません。しかしながら共産主義の各種の運動に対しては、できるだけの注意を払わなければなりません。共産主義に対して最も強い思想戦は、私は民主主義の宣伝であると思います。民主主義というものはどういうものか、共産主義がどういうものかということを国民に徹底せしめる必要があると思いますので、そういう点に対しては大いに努力をいたしたいと考えております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 この問題に関連してはっきりしておかなければならないことは、四巨頭会談等によりまして、比較的平和の方向というもの、あるいは軍備縮小の方向というものがなるほど打ち出されてはおりますが、日本の現在持っていこうとしておられるのであるか、国交回復ということと、国内指導の方向、気持、これは区別せらるべきだと思うのでありますが、ことに共産主義者に対して今日いかなる御心境であられるのか、鳩山総理に、かつてきわめて反共産主義者としての立場の明らかであった鳩山総理だけに、承わっておきたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 民主主義の正面の敵は共産主義だと思います。共産主義というものは、全体主義であって、独裁政治でありまして、これは民主主義とは根底において相違う、氷炭相いれない主義でありますから、民主主義の宣伝はすなわち反共の運動になるものと私は思います。そういう気持で民主主義の徹底に努力いたしたいと考えます。

江崎真澄自由党

○江崎委員 時間がありませんから、あまりこの問題で押し問答することは差し控えまして次に移りたいと思います。  防衛計画の大要につきましては、現在の場面では防衛庁においてこれを担当せられるというふうに承わりました。また防衛計画に関する産業等の調整計画、すなわち防衛生産の企画は、これは経済企画庁においてやるんだというふうに承わったのでありますが、この国防会議の議題なとる議案のすべての調整、これは事務的な問題ではないと思います。相当事柄が大きいだけに、広範に及びますだけに、非常に慎重を期さなければならぬと思うのでありますが、この点どこにおいてだれがどういうふうに立案企画するものであるか、はっきり一つ総理大臣からも、また同時に担当の杉原長官からも承わっておきたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 セクショナリズムの弊害の起きないように国防会議が働いていく、国防会議はそういうことに努力してもらいたいと思っております。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 お答え申し上げます、各議題によりまして、それに最も関係の深い省においてまず立案いたしまして、関係の省と調整をはかって、そうしてこれはさらに、国防会議に諮問します前に、事柄が重要でございまするから、やはり私は閣議に諮らなけれならぬだろう、こういうふうに考えております。     〔床次委員長代理退席、委員長着席〕

江崎真澄自由党

○江崎委員 わかりました。しかしこの審議を通じまして私どもが考えますことは、また心づきました点は、国防会議事務局の組織というものが法の表には何ら現われておりません。これは国防会議の内容の充実とともに、万事収令にゆだねて、その組織、規模等を決定しょうというふうに拝見するのでありますが、この事務局というものは相当権威のある、同時にまた正確なる資料に基いて、各議員のブレーンとして遺憾なきを期するものでなければならぬと思います。同時にそれは、防衛庁の国防の基本方針に関するすべての問題と同時に、この防衛生産の企画とこれを両者あわせて勘案していく体のものでなければならぬと思います。予算面に現われたところによれば、民間人の手当として五十万円、これは削除せられるとしまして、あとはわずかに四十五万円の計上しか見ておらないのでございますが、かようなことでは目的を達成すべくもないと思います。事務局の今後の構想、組織等につきまして、この機会に承わっておくことができれば承わっておきたいと思います。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 事務局につきましては、今まで御説明申し上げておりますように、さしあたり十名内外の者をもって充てたい、こう考えております。そうして将来のことにつきましては、今後この国防会議の運営の実績等圧勘案いたしました上で、善処いたしにい、こう考えておる次第でございまり。そうして個々の仕事といたしましては、私最も重要なことは、何と申しましても国防会議の議員がきわめて正確な資料に基いて判断するということ炉大事でありますから、その正確な資料を組織的に収集いたしまして——これはもちろん関係の政府機関と密接なる連絡をとりまして、そうして正確な資料を収集して議員の審議に資するというところに、主眼点を置いてやっていきたいと考えております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 これはなかなか私は重大な点だと思いますので、この組織、構想等につきましては早急に研究をせられますとともに、われわれ委員会に対しましても成案を得られましたならば、御報告を願いたいというふうに私ども考えております。  次に、総理大臣に最後にお尋ねとともに要望をいたしたいのでございますが、本日たまたまこの法案審議の過程におきまして、通産大臣との間にこの防衛産業の問題から兵器産業設備国有化法案を政府が準備しておるということが大体明らかにせられたのであります。それは一般会計から国費三十億円を支出して重砲の弾薬部門を国有民営に切りかえる。そうして国有にして、あとは一定の使用料を取って、これは政府から払い下げてもらったものでありますから、分割払いの建前で現在は利息を払っておるわけでありますが、これを政府がもう一ぺん買い戻して、利息のかわりに使用料ということで勝手に国家施設を使わせようという話し合いが通産省ではできつつあるようでございます。しかし自衛隊におきましては、ここ当分、この重砲弾薬部門というものに直接発注をする必要はないことも明らかになっておるのでございます。防衛庁長官は、ただこの重砲弾薬部門というものを、この際不況の波にさらわれてつぶしたくない、将来のためにこれを確保したいという希望は持っておられるようでありますが、さような希望程度で三十億の国費を簡単に使えるものではないと思います。また先ほどここへ大蔵大臣が来られまして、さような特定企業に対して今日大蔵省として金を支出するというようなことは考えられないということもはっきり言っておられたのでありますが、もをすでにこの法案が来国会ぐらいには上程せられるのではないか。石橋通産大臣は来国会に出すとここで言い切ったのでありますが、どうぞこういう不明朗な切り張り的な行き当りばったりの処置を施すというようなことを考えず、防衛産業に名をかりてだんだん国力が漸増されるにつけ、必ず軍需工業者というものがねらうところなんです。そういうところに政府が惑わされて極端なる一般の業者に利用をせられるというようなことはあってはならぬと思います。むしろ年間七千万ドルの発注があったものが、今日一千万ドルに激減をしたということは、これは日ソ両面外交によるものであるとわれわれ自由党の者は考えております。全体ではなくても、そういう理由も多分にあるというようなことを考えておるものでありますが、こんな問題こそは通産大臣が少くともアメリカに飛んで、もっとアメリカを中心に特需の増大をはかるということによって解決しなけりゃならぬというふうにわれわれは考えておりますが、この点一体どういうものであるか、はっきり承わっておきたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私はそのことについてかって聞いたことはありません。国有民営というようなことはさまってはおらないのでございます。

江崎真澄自由党

○江崎委員 しかし十分御注意を願えますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ええ。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 森三樹二君。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 この国防会議の構成等に関する法案につきまして、長い間われわれは総理並びに杉原防衛庁長官その他関係閣僚にも質疑をしたのでありますが、いよいよ明日中にこの法案が衆議院を通過するというような情勢になりました。私どもは今後この国防会議の法案が成立し、国防会議が持たれました場合に、総理大臣のこの国防会議における地位というものは非常に重大なる立場であると考えております。しかも日本の国防そのものは、いわゆる世界情勢の判断に基かねばならぬことは当然でありまして、その世界情勢の判断に誤まりがあったとするならば、これは日本の将来の国防計画の上に非常に大きな蹉跌を来たすものであると思うのであります。最近ジュネーヴにおきましては四カ国巨頭会議が開催せられ、世界の平和は大きく私どもは前進したと思うのであります。少くとも二十世紀における平和の前進の大きなエポツク・メーキングであったと考えておるのでありますが、これに関しまして鳩山内閣では、現在ロンドンにおいてソ連のマリク全権と松本全権との間において領土問題あるいは抑留問題あるいは漁業問題等の重大問題を交渉しておるのでありますが、この四カ国巨頭会談に対しまして日本の代表として鳩山総理が、平和愛好国の国民の声として、平和的なこの巨頭会談が世界の人類の平和のために、大きな成果と貢献をなすべきことを当然要請すべきところの日本国民の強い希望があったと思うのでありますが、当初は何らかそうしたところの平和の大きな成果について、鳩山総理はジュネーヴ会議に対するところの要請をするというような報道もありましたが、遂にそれが途中で立ち消えになった。まことに八千万国民は失望いたしております。私どもはその理由についてまことに了解に苦しむ。この点について鳩山総理の御所見を承わりたいと思うのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ジュネーヴ会議が成果をおさめるということについて、日本の国民並びに政府がこれを熱望しておるということを表明する必要があると思っておったのでありますが、国会における質疑応答において政府の意思は大体表明せられたものと考えまして、特に政府の意見を声明いたさなかったのであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私はただいまの総理の御答弁をお聞きいたしまして、そうした世界の平和的な会議に対しましての信念といいますか、見通しというものに対して、あなたの御意見が始終変更され、あなたは思いつきでいろいろな発言をされますが、結局その結びといいますか、その実行が国民の前に非常にぼやけておることを常に遺憾に考えておるのであります。私どもはあのような世紀の平和会議に対しまして、日本がいわゆる平和的な、民主的な憲法を制定し、世界に類例のないところの戦争放棄の憲法を保持しているという建前におきましても、私どもはあくまでもあのヨーロッパにおけるスイスの中立化、何百年も侵略を受けたことのないあのスイスのような情勢を考えましたときに、今日の世界情勢下における日本の将来は、あくまでも現行憲法を守ることによってのみ日本の平和は維持されるのだ、かように固く確信をしておるのであります。しかし鳩山総理はそうした憲法の解釈上、自衛権の範囲内において再軍備は可能であるという方向を現在たどっておるのでありまして、この意味においても世界の大きな誤解の中に立たざるを得ない、非常におそるべき今日の日本の再軍備であると私は考えておるのであります。このような誤解を解くことが日本の政府といたしましても外交における一大任務であると私は考えておる。あなた方の立場においては、自衛権の限界においてはいわゆる自衛力の行使、すなわち最小にして必要な軍隊を持ち得るという理論的な展開までも現在されておるのでありますが、われわれは根本的に現行憲法の戦争放棄の条文については軍隊を保持することはできないのだ、自衛権の範囲においても武力の行使は許されないのだという建前を持っておるのであります。このような情勢下において、あのジュネーヴ会議で軍縮の線が非常に大きく打ち出されております。それならば日本は軍備がない国であって初めて世界に対する日本の立場というものは十分に理解し得られると思うのでありますが、世界の軍備縮小の大きな動きの中に、逆に日本が再軍備をするということは全く解し得ないのでありますが、これに対しまして総理の御所見を承わりたいと思うのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ジュネーヴの会議が軍縮の相談をし、あるいは原水爆の使用の制限について相談をすれば、世界平和のために一歩前進すると思います。しかしながらジュネーヴの会議の成果によって各国がすべて軍備を撤廃するというような事態にはいまだ到達はしないと思います。日本は戦いに敗れて、国を守るために一兵もないのであります。自衛隊を一人も持たず、軍備を持たずに、それでのんきに平和を継続し得るやいなやということはまだ断言はできないと思います。それですから日本の国を守るについて最小限度の自衛力を持つのは当然だと思います。その持つことがかえって世界の平和に寄与するゆえんでありまして、この点について私はどんなに軍縮会議が成功いたしましても、独立をしておる各国がすべて兵備を全廃するという域にはまだ遠く離れていると考えておりますから、日本の自衛について疑う人は疑う人の方が誤まりであると私は思います。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 憲法における戦争放棄の条文等については、また次の憲法調査会等において私は十分論議したいと思いまして、現在は時間がございませんが、しかしそれは鳩山総理の見解とわれわれは根本的に対立し、意見の衝突しておる点でありまして、幾らここで理論的に解決をつけようと思ってもっけることができない。しかしながらあのジュネーヴ会議において大きく軍縮問題が取り上げられ、しかもソ連あるいはアメリカ、中共等の大国においては大体百五十万程度の軍隊、また英仏等については六十五万とか、あるいはその他の国については十五万程度の軍備があればいいというような意見さえも現われておる。日本の場合においても、今日陸上自衛隊は昭和三十年度におきましては二万名の増強によって十五万名となるのであります。海上あるいは空軍等を入れるならば、相当莫大な数量になる。それが今後防衛六カ年計画におきましては二十六万あるいは三十万ともいわれておるのでありまして、世界の軍縮の情勢において、日本の持つべきところの鳩山内閣の再軍備政策による数量という問題もおのずから割り出されてくる問題であると私は思うのでありますが、そうした今日の世界の情勢下においては、現在のこの数量を増強していくというようなことは、私は少くとも逆行であると考えておるのでありまして防衛六カ年計画と並んで今後人員を増加するというようなことは、日本の経済とともに、世界の大きな軍備縮小との関連においてこれはもう必要ないのだ、不合理だ、かように考えておりますが、総理の御所見を承わりたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 四巨頭会談が現実にどれだけの成果をおさめて、どれだけの軍縮が世界的に行われるかということは軽視するわけには参りません。世界の諸国がどの程度において軍縮をするか、そして世界戦争のおそれが全然なくなったかということは日本においても見きわめなくてはならないと思います。それを見きわめまして日本の軍備を考えても決しておそくはないのです。日本の軍備は独立せる諸外国が持っている軍備に比して決して多いものではないと私は確信しております。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 防衛六カ年計画につきまして、杉原長官に対しましても、しばしば各党の委員からも質問されたのでありますが、遂に答弁をお聞きすることができなかったのでありまして、非常に遺憾にたえないのであります。そこで国防計画等につきましては、自衛隊の最高の指揮監督にある者として、総理大臣の責任はまことに重大であると考えておるのであります。国防会議等にも防衛庁あるいは幕僚会議等の意見も相当入ってくると私は思うのでありますが、その場合に総理大臣が世界的な観点から、あるいはまた日本の経済上国民生活の実態等を勘案されまして、日本の防衛力をどの程度にすべきであるかということをみずから私は判断しなければならぬと思うのであります。国防会議において、あなたが他力本願で、他の閣僚や、あるいはそこに出席を要求すれば出席するであろうところの統合幕僚会議の議長であるとか、その他の防衛庁の方々等の意見があなたに強く反映した場合、あなたはそれをチエツクして日本の国防全体、経済全体、こういう問題を十分勘案されて今後の防衛六カ年計画を立てなければならぬと私は思うのであります。そこで非常に大きな負担になっておりますアメリカに対する防衛分担金につきましては、本年鳩山内閣においては防衛分担金の削減の交渉をされたのであります。ところがこれが非常に長い時間を重ねて、しかも重光外相をワシントンに派遣するというようなこともいわれておりましたが、実際において非常に労力を費したあげく、全く国民の期待に反するような結果が生まれたのでありますが、明年度においても防衛分担金の削減の交渉をされる用意があるかお尋ねいたしたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛分担金は毎年交渉するような仕組みになっておるのでありますから、ことしの予算についてだけの約束をしたのでありまして、本年度の予算については再び交渉する必要が条約上あるのであります。それですからそれに対しての準備はしなければならないわけであります。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私はこの防衛分担金の削減を政府が責任を持っておやりになることはけっこうだと思うのでありますが、その削減分につきましてはあくまでも住宅問題、あるいは社会保障制度等の国民の生活に緊急そしてまた絶対必要な面に使用されなければならない、このように考えておるのであります。この点について総理の御所見をお尋ねしたい。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 防衛分担金の減額によって国防に使う総額が減る以上は、従って予算面において歳出がそれで減るわけでありますから、生活保護費の方がふえていくのは当然であります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 一つお伺いいたしますが、今国防会議の議員から民間人を削るという修正案が出ております。この問題は前の国会で自由党が国防会議の法案を出そうとしたときに、民主党の前身である改進党の方々がどうしても民間人を入れなければいけない、こういうことで種々折衝をいたしまして、結局まとまりがつかずに、自由党の手では国防会議法案ができなかったわけであります。今度もそういういきさつを十分御承知の上で民間人五人を入れる法案をお出しになった。しかもこの法案の質疑において、総理大臣はそうした幾多の経緯を十分御存じの上で慎重に考慮をいたしました結果、こういうことが一番よいと思ったのであります。こういうふうにお答えになっているわけであります。いわば民間人を議員として入れるかどうかということは、この法案について山になっています。民主党と自由党との意見の最も対立したところであり、この法案の一番の重要点について、完全に民主党の御意見を抹殺し去るような修正案が提出になりました。さすがにこの問題については民主党の方々も共同提案にお加わりにならない。加わったらおかしなものです。もしこういう重要点について自由党の修正案が通過いたしましたならば、政府の御提出になった国防会議法案は、その実質においては完全に否決し去られた結果になるものと私たちは考えております。小さな法案ならばいざ知らず、このような重要な問題について政府提案がかくまでじゅうりんせられ、否決せられるということについてどういう政治的な御責任をとられるのか、私は総辞職なさるものとばかり考えておりますが、この点いかがですか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私は、民同人が議員に加わらなくても運営には大して差しつかえはないのでありますから、辞職する問題にはならないと思います。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 ただいまの答弁は政治的にも非常に重大な関連があると思います。いわゆるあなた方の主張したのは、国防会議に民間人を入れるということで、あくまでも民主主義政治を基本として、ただ単に閣内だけの議員でなくて、どこまでも民間人を採用する、そういうところに私は鳩山総理の意図があったと思う。いわば独裁的な形からむしろ民主的へ、民間人を採用することによって今後の防衛計画なりあるいは縮小計画なりを立てていこうとする、そこにあなたのいわゆる民主政治家としての信念があったはずなんだ。ところがそこから民間人を省くとなると、これは吉田内閣当時と同じように、もし民間人を入れなくなった場合においては、当然閣僚だけの構成メンバーとなり、そのときの議長である総理大臣がいわゆる反動政治家である場合は、その反動政治家の意のままにこの国防会議が左右されてしまう。そこに私はかっての東条内閣時代の独裁的な考え方を見る。その考え方を是正するために保守的な立場にある政党であっても、より民主的な立場を固持するために、この民間人を採用しようとする法案が出された。それを自由党は民間人を除去して閣内だけにおいてこれを解決しようとする。われわれはこの二つの修正案と原案を比較するとき、もちろん再軍備反対の立場にあるわれわれは、このいずれの案に対しても反対でありますが、しかし比較する場合においては、民間人を入れるという鳩山内閣の意図の方が私はより進歩的だと思う。それを全く民主的かあるいは非民主的かの立場に立つこの法案に対してこの修正案をうのみにしようとする政府並びに与党の立場というものは、非常に政治的な責任がある。だからこの問題については明確なる答弁をお願いしたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 国防会議法案の通過を私どもはこいねがっておるわけであります。その通過のために必要なる修正ならば、私は承諾をする所存でおります。決して民間人を除いて、独裁的にやりたいとか、秘密主義を守っていきたいとかいうような考え方を考えていないことは、先刻の江崎君の質問に対して私は答弁したつもりでおります。

下川儀太郎日本社会党(左)

○下川委員 先ほど自由党の議員から修正案の提示がなされた。そのときに民間人を省くその第一義として、民間人を入れる場合は機密が漏洩されるおそれがあると言っている。明らかに自由党の意図する修正案は、いわゆる秘密を守るための国防会議ということになってくる。これは私は明らかに先ほど説明を聞きました。そうなると、いわゆる秘密政治を主張する自由党と、民主主義政治を主張する民主党との明らかなる対立になってくる。この政治的な対決をわれわれが考えるときに、今日秘密というものを除去しようとし、民主的な政治の立場を固持しようとしておられるあなた方政府当局は、よほどの考えを持ってこの修正案に臨まなければ、その責任の所在が全く不明朗になってしまう。この点を十二分に私はお考えになっていただきたいと思う。こういう政治的な大きな問題でございますので、ただ単にここだけの論議ではございません。国民に民主政治を説いたあなたとしては、こういう問題に関しまして政治的な責任をどのようにとるのか、その点をもう一度明確にしてほしいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 独裁的の形をとらないようなことのためには、先刻も申したように、いろいろのことを考案していくつもりでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 最後に質問しますが、結局政府のお出しになったところのこの法律案というものは、無性格になってしまった。この際政府はこうしたところの法案は撤回されて、適当な機会において提案すべきである。あなた方のつまり政府の目的というものは、すでに失われたのでありますからして、そのような修正を受けた場合には——あなたは先ほど通すためにはどうされてもいいんだというようなことを言われましたが、これは一国の総理大臣として、まことに私は無責任な御答弁であると思うのであります。いわゆる法案の内容はどうあろうとも、通りさえすればいいんだ、そのような無責任な政府は私はないと思うのでありまして、あなた方がこのような修正を受けて通さなければならぬとするならば、むしろこの法律案を撤回されることが政治的良心であり、また最も政府の妥当とするところの方法であると考えますが、御所見を承わりたいと思うのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 民間人を排除いたしましても、運営には差しつかえないと確信をしておりますので、削除に同意をした次第でございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 中村高一君。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今まで同僚の諸君から、きょう提出されましたところの自由党の修正案に対しまして熱心な質問があったのでありまして、総理大臣としてはもし国会が修正をするのであるならば、それに従うという答弁でありますが、これは当然なことであります。総理大臣として国会が修正をいたしましたならば、それに従わなければならぬことは当然でありますが、先日のこの委員会におきまして、民間人を議員の中に加えるということについて、総理大臣からきわめて適切な御意見の発表があったと私は思うのであります。それはかりに自衛隊の出動というような問題などが起って参りました場合において、もし政府が行き過ぎをいけないのだ、総理大臣は、そういう場合に対しても、国防会議に民間人を入れて、広く民間の意見を反映させて、行き過ぎを是正することもしたいというような御意見でありまして、私たちは政府の防衛計画そのものには反対の立場にはありますけれども、総理大臣の御意見はいかにももっともであると思って、私は拝聴をいたしておったのであります。今後どんな内閣ができてくるかわかりませんし、不幸にしてファッショ的な内閣が現われるというようなことも予想をしなければならぬのでありますが、そういう場合においても、この国防会議に民間人を入れることによって、民間の意見が反映をするということは、明らかに行き過ぎを是正をするということに対しても効果がある。昨日の、憲法学者あるいは元陸軍大将下村定氏などの御意見も同様でありまして、やはり行き過ぎを是正しなければならないというような意味からしても、民間人を入れて、国防会議というものを調整するんだという必要性を強調せられたのであります。おそらく総理大臣としても、先般のこの委員会で述べられた御意見は今も変りがないのだと思う、私たちもそうあった方がいいと思っております。そこでお聞きをしておきたいのは、修正をされるならば、それに従わなければならぬことはわかります。けれども総理大臣としては、先般述べられたように、やはり民間人を入れることの方がいいのだというあの意見は、個人的な意見でおっしゃったかもしれませんけれども、意見は意見として、私はまだその正当性を信じておられると思いますけれども、その点についてはいかがでありますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 民間人を入れておいた方がいいとは思います。けれども修正をせられても、運営は間違いないようにやっていくという確信が持てますから、それで国会の意思通りに動こうと考えている次第であります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 総理大臣の意見としてもやはり民間人を入れておくことの方がいい、そういう意味の御意見は私たちもまことにけっこうなことだと思うのでありますが、ここに修正案を自由党から単独でただいま提出されております。自由党だけの修正であるならばこの修正案は通らない、与党の方が多いのでありますから、あなたが正しいと信ずる原案が通る。それを、この少数の自由党が修正をするというのに(笑声)あなたは従わなければならない理由はないのです。何を苦しんでこの少数の自由党の修正案を、まだ与党の刀から何も意見がないうちにあなたは通そうとするのか。まだ民主党からは一つも意見が出ているわけじゃないのです。この修正案に賛成するなんて言ってはおりません。あなたの意見に賛成であるかもしれないのに、修正案が通るならばというような弱いようなことを言っては、ますます自由党が強くなるばかりでありますから、この点については、これはきわめて重要な修正案でありまして、全く国防会議の内容が変るような重大な修正でありますから、与党の諸君とも十分に御協議を願って、あなたの意思をお通しになる方がいいと思うのでありますが、今まで与党の諸君とこの問題について御協議になっておるはずだと思うのでありますけれども、ここまで参りまして民主党の与党とどういう協議をせられておるか、この運命を決する問題でありますから、総理の御意見を聞きたいと思うのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 前会に申し述べまし通りに、別に変った意見は持っておりません。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 何ですか、ちょっと聞き取れなかったのですが、もう一度お願いいたします。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 前会に申したことによって御了承を願います。(「話し合いができているのじゃないか」と呼ぶ者あり)何も知りません。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 どうもよくわからなかったのでありますけれども、もしも自由党の修正案が可決をせられるということになりますと、先ほど来同僚の諸君からも言われたのでありますが、今度はあなたがこの国防会議の議長となって、あとは全部総理の任命をする部下の大臣だけで協議をせられるということになるのであります。あなたが任命権を持った下僚の大臣と国防会議を開いても、おそらくあなたの意思に反対をする人はない。反対をすれば首になるのでありますから(笑声)全部鳩山議長の言う通りになる。これで国防会議を開いて何の役に立ちますか、そんな国防会議であれば、あなたが自分で必要なときに五人の閣僚を集めて、これから相談をするからといえば、それでたくさんです。大げさに国防会議をこれから開きますなんていうことを言うことがおかしい。あなたが自分で電話一本でみんな集まれと言えば、それで国防会議が開かれて、あなたの言う通りになる。けれども、内閣にはいろいろの諮問のための機関がたくさんありますが、このような大臣とあなただけでもののきまる諮問機関などというものはどこにもありません。(「水入らずでいいよ」と呼ぶ者あり)そんな諮問機関はありませんよ。大臣だけで作っている諮問機関なんていうものはありません。外国でも、アメリカにしても、あるいはイギリスにしても、大臣だけで国防委員会を開いている国はない。そんなむだなことをやっている国はない。それを今度の自由党の修正案というものを見ると、全く意味のない国防会議にされるのでありますけれども(「失言々々」と呼ぶ者あり)それでもあなたは自由党との保守合同をするのに、この自由党の意見を聞いておかないと都合が悪いから(笑声)仕方がないからといって軟弱な態度をとろうとするおつもりなのか。そのような、国防会議の国家の大計を誤まることがあってはならないはずでありますけれども、もう一度念を押しておきたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻申しましたように、民間人を省きましても、国防会議の運営に差しつかえないと確信をしたのでございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 総理大臣に申し上げておきますが、明日この修正案は討論の上で採決をされるはずでありますから、どうぞ一つ与党の諸君と協議をして、あなたの信ずるような案を通すように御努力を願いたいと思います。  それから次に二、三の重要な問題がありますからお尋ねをしておきますが防衛の六カ年計画でありますか、五カ年計画でありますか、とにかく長期防衛計画というものの内容を、杉原国務大臣からもこの点を明確に答えなかったために、先日不信任案までも提出されたことは総理大臣も御存じの通りでありますが、国防計画の大綱を今度は国防会議に諮問をするということになっておるのでありますから、諮問機関でありますところの国防会議にさえも国防計画の大綱は諮問することになっておる、まして議決機関でありますところの国会に防衛計画の大綱を示さないということは、これはまことに間違いでありますから、国防計画の大綱でありますところの六カ年計画というものは当然国会に示して、その審議をしなければならないことは言うまでもないのでありますが、遂に杉原大臣からは聞くことができないままに今度の防衛法案の改正案が通ったのでありますが、この計画は、総理大臣は次の国会までには明確にして提出するかどうか、依然として今度のような態度で国防計画を発表しないままに漸増計画をするのかどうか、これははっきりお約束を願いたいと存じます。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 先刻江崎君に答弁いたしました通りに、国防会議ができましたならば、できるだけすみやかに長期の防衛計画を決定したいという決心をしております。むろん長期の防衛計画が決定すればこの委員会に提出いたしますのは当然なことであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 すみやかにということでありますから、おそらく次の国会までには当然はっきりせられるものと思いますけれども、さように解釈してよろしいですか。すみやかということですが、次の国会までには相当の期間があるのでありますから、次の国会には必ずお出しになりますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 それを希望しております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 希望をするということでは、すみやかに提出するということとは大へん違うのでありますから、この点われわれはすみやかに提出するというその言葉をはっきりしておくよりほかには仕方がないと存じます。  それから次の質問は、今飛行場の拡張問題が非常に問題になっておりましたところへ、また昨日は東富士で米軍と農民との間に水利権の問題でいざこざが起っておるのでありますけれども、これに対して先日閣議の発表が新聞に出ておるのを見ますと、土地収用法を適用して、飛行場の拡張問題に対しては断固たる態度をとるということを閣議できめたような発表が行われておるのであります。同時に伝えられるところによると、アメリカの空気が非常に強硬であって、井口大使から日本の政府に向って、鳩山内閣は軟弱だというようなことを伝えてきたことによって、がぜん政府では驚いて閣議を開き、今後は断じて土地収用を強行するというような意味の発表をいたしておりますけれども、そんな閣議が開かれてそういう決定が行われたのかどうかをお聞きしたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 基地拡張について所で問題が起きますことはまことに遺憾に存じております。しかしやはり日本の国土を防衛するという範囲を越えての基地の拡張のないように、政府としては留意をしておる次第であります。それですから、むやみの拡張には政府は同意いたしません。そういう拡張のないように極力注意をしておるわけであります。すなわちプロペラ式の飛行機がなくなってジェット式になった。それでその戦闘機が飛び立つだけのための走路の延長は、国土の防衛のために必要なる限度だと認めまして、拡張に協力をしておるわけです。飛行場の拡張についてはできるだけ話し合いでやっていって、土地収用法とかなんとかの適用のないように極力努力をする、そういうこともきめたのです。しかし万一話し合いができない場合においては、話し合いができないといって協力を中止するわけにはいかないから、やはりできるだけ注意をして話し合いをしていくが、もしそれによっても目的を達しない場合には、土地収用法を適用することもやむを得ない、そういう話し合いをしたことは事実でございます。そのしまいの方だけが新聞に出たのであります。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋(政)委員 関連して……。ただいまの総理の答弁の中で、防衛六カ年計画は国防会議が設立されたらできるのだというお答えをしておるのでございますけれども、この六カ年計画というのは、大体本年度が第一年度になっておる、このように考えております。ところが本年度の予算編成にはついに間に合わなかったという運命にあるわけでございますけれども、来年度の予算は、この国防会議によって決定される防衛六カ年計画に基いて防衛予算を編成されるものかどうか、この点だけお伺いしておきたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 これは、国防会議を開いてみて、そうして長期防衛計画ができなければ、今の御返事に対する正確な答弁はできません。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋(政)委員 今度は国防会議を開いてみなければできるかできないかわからないというような非常に自信のないお答えになって参ったわけでございますが、一体ほんとうに鳩山内閣はこの六カ年計画というような長期防衛計画を作ることができるのでありますか。この点に関しましては、吉田内閣のとって参りました、どちらかというとその都度一年ごとのいわゆる防衛予算の編成というようなものが現在の日本としては精一ぱいのものだ、このように私は考えておるわけであります。過日の内閣委員会におきまして杉原長官もはっきり言明しておるのでありますが、日本が実際このMSA協定に基きまして装備品等の供与を相当に受けておることは事実であります。従いまして今後の長期計画を立てます場合にも、アメリカ側から供与を期待し得る程度等が非常な関係を持つことは否定できません。このように申しております。これは防衛庁が作っております九次案なるものを見ましても、その四割程度をアメリカに依存しているということを見てもはっきりしておるわけでありますが、しからばアメリカがどの程度のものを日本に譲渡するかということが明確でない限り、防衛計画なんというものはできっこない。そうなりますと、アメリカも議会制度をとっており、アメリカの予算の都合によって毎年対外軍事援助予算というものが変動してくるわけで、そうしますと、アメリカで対外軍事援助の六カ年計画を立てない限り、日本もまた六カ年計画などというものは立てられないのじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、一体ほんとうに六カ年計画ができ得るのかどうか、非常に答弁があいまいになりましたので、その点をお伺いしておきます。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 いかなる程度の国防計画をするかということは、日本の国民すべての人が目をみはっておる問題でありますから、大体どの程度の国防計画をするかということは、政府としては国民にできるだけ早く示す責任があると私は考えております。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋(政)委員 結局今年度も予算編成に対して間に合わなかった、来年度もどうなるかわからない、そういうような六カ年計画を一体何のために作るのですか。予算の裏づけができて初めて計画が実のあるものになる。それを何ら予算と関係なしに計画を作ってみて何のためになるかと私は言いたい。少くとも来年度の防衛予算はこの六カ年計画に基いて作るのだというくらいの気がまえを持たない限り、私は意味のない計画になると思うのでありますが、もう一度念を押しておきたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 民心に安定を与えるということが政治の目的でなければなりませんから、私としてはできるだけすみやかに長期防衛計画を立てまして、おもむくところを国民に示したいと思っております。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 さっきジェット機の生産協定に関する交換公文、議事録、さらにはF86の生産に関する取りきめ、そういうものを提供していただくというお約束で、午後にはいただけるというお話だったのでありますが、まだいただいておりません。これは一体いつまでにいただけるか、一つ伺わしていただきたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 これは明日午前中にはお届けいたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 茜ケ久保君。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 防衛庁長官に先ほど午前中の質問の保留があるのです。それは今同僚の飛鳥田君が総理大臣に聞きましたからいいようなものの、やはり私は防衛庁長官としてもはっきり政治的責任をとってもらいたい。というのは、午前中の委員会に私はこの重要な五人の民間人が除外された場合に、飛鳥田委員も言われたように、政府原案はほとんど否決同様である。そういうことになった場合に、これを一番りっぱな、最上の案であるという確信で出された防衛庁長官は、こういった事態が起った場合にどのような責任をとるかといったときに、そういう仮定の問題は御答弁できませんとおっしゃった。ここではっきりしてきた。はっきりした以上はあしたの午前中におそらく民主党の諸君も——今聞いておると相当だらしがない。政府がこれを通さなけれどいかぬといった案を出して——十二人の委員がいる。自由党は八人である。社会党は全部採決に参加しなくても十二対八で可決するのであります。このように政府がほんとうに自信のあるものならば、与党がしっかりしておるならば、これは原案通り可決するのである。それが何かしらぬけれども、解決しなくて、こういう案を出されて可決した場合に、長官はどのような政治的責任をとられるか聞いておきたい。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 その点はこの修正案の可決というものはまだありませんので、それを前提にしてのことは、今申し上げるわけには参りません。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 それでは修正案通り可決された場合にはどうされるか。これは聞いておく必要がある。仮定じゃない、あしたちゃんと……。

杉原荒太日本民主党防衛庁長官

○杉原国務大臣 先ほど総理大臣からも申した通りでございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これにて原案並びに江崎君外七名提出の修正案についての質疑は終了いたしました。  明日午前十時より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十四分散会

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