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22回国会衆議院1955/06/09

内閣委員会 第20号

発言数
37
登壇者
10
会派数
4
開催日
1955/06/09

会議録

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これより会議を開きます。  法務省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。田原春次君。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 法務省設置法の一部を改正する機会に、法務省に巣鴨の第三国人の扱い方について二、三質問をいたしたいと存じます。  御承知のように、戦時におきまして、朝鮮出身並びに台湾出身の多くの青年を、軍の徴用あるいはその他の用途に立てまして、広く各地に日本軍について出征さしておったのであります。これは現地で戦死した者もあるし、病死した者もあるし、それから終戦後捕虜となって内地に回送されて、現に巣鴨にいまだに残っておる者もあるのです。しかるにこれらの人々に対しての釈放、仮釈放並びに仮釈放後における生活保障等において、まだ政府の方針がはっきり徹底していない点がある。この点についてこの機会に法務省の方針を聞いてみたいと思います。われわれ日本民族からいたしますと、敗戦後にそれ相応のいろんな跡始末をせなければならぬわけでありまして、特に朝鮮は独立をいたし、戦時中日本に協力しておりました朝鮮人も、一応は本国に帰らなければならぬことになるのでありますが、あるいは出身地が北鮮であるから、あるいは南鮮であっても、南鮮の今の政府はこれを受け入れない場合が多い。そういうようなうわさが飛んでおる。お前たちは日本軍に協力したんじゃないかというわけです。出所しても直ちに本国へ帰れない、さればといって東京で釈放されても知り合いもない、特技もない、長年の出征並びに捕虜生活でたくわえもない、そういう意味で仮釈放の時期が来ておっても仮釈放ができない者もある。こういうことがわれわれ議員の間にも多数の陳情があるのであります。日本民族といたしましては、こういう、現在は第三国人になっておりますけれども、かつて日本の戦争に協力しておった人、その人に責任も何もないわけでありますから、こういう方々は数からいっても多数でありませんから、仮釈放の促進と、それから仮釈放と決定したならば、直ちにさしあたっての東京での住居、それからさしあたっての東京における生活、最低の、まあ三十万か五十万くらいは用意してあげなければならぬと思います。進んでは職業のあっせん、本国に帰還する時期がくれば、これに対して本国に交渉して、安んじて残る一生を送れるようにしてあげることは国家の当然の義務であると思います。これはひとり法務省の直接の問題ではないでありましょうけれども、ただいまは法務省の所管にあることでありますから、法務省はこれに対して親切に、なお一人一人に、予算を伴うものは国としてその措置をいたしまして、感謝をもってそういう若い第三国人の今後の生活に対して幾分なりでも協力するようにしたいという気持を持っておるわけであります。以上の問題について法務省の見解をまずお尋ねいたしたい。

中尾文策法務事務官(矯正局長)

○中尾政府委員 途中から参りましたので、あるいは私聞き漏らしたことがあるかもしれませんが、今回の二人の韓国人の方々の仮釈放のことでありますが、御承知のように、せっかく許可が参りましても釈放までに少し手間取りましたので、その点はたいへん気の毒に考えております。何分にも満期釈放の場合はあらかじめ出られるときがわかっておりますので処置がとれるわけでありますが、御承知のように、仮釈放の許可は突然参ります関係上、突然に直ちに住居の世話をするということがむずかしかったわけで、そういう点で今まで遅れておったわけであります、住まいの点は、幸い都の方に交渉いたしまして、都の方で引き受けてくれましたので、大森の方の引揚寮にきまりました。なお就職の点も二人とも内定いたしておりますので、その二つの点は解決いたしておりますが、ただ生業資金の三十万円という点でありますが、これはもちろん多く差し上げたいのはやまやまでありますが、また多いほどいいわけでありますが、しかしいろいろな関係もございまして、とてもそれだけの金は出すわけには参りませんので、いろいろかき集めまして、大体六万二、三千円という金が出るようになっております。その金は日本人が出ます場合にもほとんど一文も持って出ることができないわけであります。それだけの努力は、私たちといたしましてやっているわけでありまして、現在のところではそれで一ぱいでございます。その程度でがまんをしていただいて、近く出ていただくようにいたしたい、こう考えておるわけであります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 この二人だけの問題ではないのでありますが、この二人につきましても解決しない問題がある。もちろん仮釈放は突然の命令だということは想像できますけれども、しからば仮釈放が来たならば、直ちに釈放してやるというための扱い方としては、刑務所と一般社会との中間的な生活のできる、同じ構内でも、出所準備なり用意のための住居等も、計らい方によってできるわけであります。それから二名だけでなく、旧台湾国籍の者からも、多数陳情が来ております。これもそこに入っておるはずであります。そこで法務省の予算の範囲で、六万円でも贈られるということは大へんなことだと思いますけれども、今日の物価の問題、それから長い間日本の生活になれていない人ですから、それだけの金額ではなかなかうまくいかぬ。われわれは日本の軍人その他官吏の諸君の恩給についても、この貧乏な日本で、できるだけ配慮しようという気持はあると同様に、かつて日本の国籍でありました朝鮮、台湾の人たちであり、しかも軍務に従事されて危険なところに行っておって、かれこれ十年前後も協力して、牢につながれて六万円やそこらで出すということはいかにも貧弱で、国民としてはまことに気の毒に思うのです。ですから、この増額については、法務省として許せる最大限度の努力をするということのほかに、いま一度大蔵省あるいはその他と交渉して、可能なる財源を見つけて、たとい即金ではなくて何回かに分けてもやるとか、あるいはまた住居を用意してやるとか、就職については優先的にあっせんしてやるという努力をすべきじゃないか。こういう点についてもいま一段の努力を願いたい。これに対するお考えを重ねて承わりたい。

中尾文策法務事務官(矯正局長)

○中尾政府委員 ただいま申し上げましたように、私たちといたしましては、最大限度できるだけのことをやっておるつもりでございます。現在のところ、これ以上のことはできかねるだろうと思います。ただしかしこの就職なんかの点につきましては、これまであまり就職できなかったことはございませんし、必ずこれはあっせんできる自信を持っております。なおまた住居のことにつきましても、一ぺんにそれだけの方がまとまって出られるわけではありませんので、多少日本の方に比べて日数はかかるかもしれませんが、この方もその都度解決していくということには自信を持っております。この点につきましては、なお一そうの努力をいたしたいと考えております。

辻政信日本民主党

○辻(政)委員 関連して。田原委員の質問に対しては、私もある程度は傾聴すべき点があると思います。私のところへも巣鴨に在監中の朝鮮人が、三十万円の金をよこせとか何とか陳情を持って参りました。いろいろその内情を探ってみますと、次のようなことが出てきている。それは巣鴨の戦犯の人たちは、大部分は非常にまじめな人たちですが、ごく少数の赤色グループもおりまして、それがかなり朝鮮人を扇動しておるという事実であります。朝鮮人のりっぱな人は、少しも差別をしないで、そうしてむしろ日本人よりもあたたかい気持でもって国がめんどうを見てやるということは、趣旨においては異存がありませんが、この運動の影に糸を引いておる者があるということを、十分御承知の上善処していただきたい。  それからいま一つは、朝鮮がもうすでに独立しまして、韓国代表団があるのであります。出た後の世話について、韓国の代表団が自分の同胞として相当めんどうを見るように、法務省の皆さんからも外務省からも交渉なさったらいい。日本だけで処理すべきものではない。その努力もあわせて講じていただきたい。同時にこの努力をされるときには、そういう内部の情勢を考慮に入れられ、善処されんことをつけ加えて申し上げておきます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 これは四月二十三日の韓国出身戦犯者一同の代表の広村鶴来という人の請願書に基いて申し上げます。現在巣鴨拘置所にいる者が二十人、すでに出所して日本に居留している者が五十人、大体わかっている者は七十人であります。私は出所後の一定期間の生活保障の問題についてただいまお尋ねしているのでありますが、自分たち第三国人の日本における社会生活がどんなに苦しいものであるかは、容易に想像してもらえると思う。自分たちは日本人からは冷眼視され、ときには同胞からも誤解されることがある。かつて紅顔の青少年として徴用された自分たちは、長い戦場生活と牢獄生活のために、今では四十台前後の中年となって、多くの者は何らの手職もない。それでせっかく釈放されても、失業と飢餓のみが自分たちを待っている状態である。そこで次の六点について一つ考えてもらいたいという請願であります。第一は住宅、就職のあっせん(公営住宅または無料で貸与できる住宅)、第二は被服、寝具の支給、これはもとより当然だと思います。第三は一時生活資金の支給、これは先ほどの三十万円というような数字を計算しております。第四は官費による罹病者の治療並びに療養、これまた当然のことではないかと思います。国内には生活保護法という法律もあるくらいでありますから、当然のことだろうと思います。第五が家族の生活援護、これは戦犯としてシベリヤ方面から帰る者に対しては、これがたとい共産党員であれ何であれ、日本政府としては一律にやっておりますので、かりに一、二扇動する者ありといたしましても、それは一々思想の調査もできません。日本政府としては可能な、最大限の生活援護をするのは当然だと思います。第六点は一時帰国の許可、これもおそらく南鮮なり北鮮政府が、このままでは帰国のための出国なり先方への入国を認めるということについて、支障があると思うからでございましょう。以上の六点ですが、これは思想問題ではないと思う。あくまでも日本民族として、朝鮮民族、台湾民族に対する戦時中の協力に対する感謝の意味で、今さらこういう人々から請願を受けなくても、これらのことは当然考えなければならないことだろうと思います。今辻委員の御意見もありましたが、思想の問題は、これは日本人の中にも共産党員がいるのでありますから、朝鮮人の中にもいることは当然だと思います。また扇動という事実もあるかもしれません。しかしそれは事前に先回りをして、十分親切を尽してこれらのことを解決しておけば、扇動ということはなくなるのです。それをじんぜん予算がないとかその他手続をおくらすことは、かえって無色の者も思想的に影響される場合もあると思いますから、そういう思想問題を離れまして、法務省としては生活保護の関係で厚生省と、あるいは予算等の処置の関係で大蔵省などと折衝され、最大限の努力を願いたい、そういう意味で私は申し上げているのであります。これは大臣の答弁を願いたいのですが、担任している法務省の出席されている方から、はっきりした決心を伺いたいと思います。

中尾文策法務事務官(矯正局長)

○中尾政府委員 家族の援護などの点につきましては、別に日本人と差別待遇を法制上いたしているわけではございませんので、内地におります家族に対しましては、やはり内地人と同じように保護を受けているわけであります。ただ外地におります者の家族に対しては、事実上保護を受けることができない場合があるわけであります。しかしそういう場合のマイナスを考えまして、特別に第三国人の人だけに対して、大した額ではありませんが、見舞金のようなものを差し上げているのであります。なお病気の場合の医療というものは、これはもちろん所内ではいたしております。なおまた外に出られた場合には、これは一般の社会保障の方法によって保護を受けているわけでありまして、できる限りの力をいたしているつもりでございますが、なおまた一そうよく研究してみることにいたします。

江崎真澄自由党

○江崎委員 大村と横浜の現在のニカ所の入国者収容所の不法入国した統計表と申しますか、そういったものをあとからちょうだいしたいと思いますが、今ここに資料等をお持ちでしたら、最近の実情についてちょっと承わりたいと思います。なおまた被収容者の処遇上また警備上著しい支障を来たしておるということを説明しておられるのでありまするが、これはどの程度のものであるか。たとえばこのごろよく刑務所なんかの脱走ということがあるわけですが、この不法入国者の脱走とか、その他の障害事項というものは、どんなようなことがあったかという点について承わりたいと思います。

内田藤雄法務事務官(入国管理局長)

○内田政府委員 ただいまの御質問と順序が逆かもしれませんが、後段の方から一般的のことをまず申し上げますと、毎年の密入国者の数は、最近の例で申しますと、昭和二十四年の八千七百三十三という数字が一つのピークになっておりまして、その後昭和二十六年にちょっとふえておりますが、概して漸減の趨勢をたどっております。昨年の数字といたしましてわかっておりますのは千七百六十九、そのうち朝鮮人は千七百十八、こういう数字になっております。もっとも、これはわれわれがはっきり密入国者といたしましてピック・アップいたしました数字でございますので、そのほかに隠れてわれわれのわからない形で密入国しておるものの数字が相当あるであろうということは、われわれも想像いたしております。その数字につきましては、実は何分にもそういうふうにわからない形で入っておるものでございますので、これを的確につかまえますことは非常に困難なわけでございますが、たとえて申しますならば、二十人の集団で密入国者が入って来まして、三人でも一人でもよろしゅうございますが、つかまえました結果、そのほか隠れて入っておる者が何人あるということがわかります場合は、まず見当がつきますが、それ以外に、かりに十人参りまして、まるまるその中の一人も逮捕できなかったという場合は、ちょっと見当のつけようがないわけでございます。しかし概して申し上げますならば、この数字のほかに大体五割くらいのものが密入国で入っていはしまいかというような見当はつけております。最近の例で申し上げますと、これも主として密入国を取扱っております事務所でございます福岡と下関の例でございますが、本年に入りましてから、福岡の管内におきまして、密入国として検挙いたしました数が、三百五十六でございます。そのうち大部分は、四月ごろから、ことに五月に入りまして——われわれは密航シーズンと申しておりますが、玄界灘の状況が、こういう小舟の航行のやりやすい状況になって参りますと、ふえて参るわけでございますが、全体の数として検挙いたしましたのが三百五十六、そしてこの検挙者の言によりまして、全体で上っておるということが確認されておりますものが五百五十でございます。つまり五百五十のうち、これは福岡管内でございますが、三百五十六が逮捕せられておりまして、二百が未逮捕、こういう状況でございます。下関管内では、検挙しておりますのが百五、そのほかに上陸者全体として百十、こういう数字が出ております。この表だけで見ますと、検挙の率が非常にいいわけでございますが、このほかに、今申し上げましたように全然隠れて入っておるものも相当あるだろうということを想像いたしております。  それで結局、大村と横浜の現状でございますが、現在大村に収容いたしております人員の総数は千八十七でございます。それから浜松、これは横浜の収容所の分室でございますが、これに二百三十、それから横浜の収容所に収容しておりますものが三十五、その総計が千三百五十二ということになっております。そのうちで密入国者の数は、総計いたしまして九百十五でございます。  それから逃亡等の問題でございますが、いわゆる収容所におきましての逃亡事件というのは、ニカ月ほど前でございましたが、東京事務所におきましてまだ調査中のものが五名ほど逃げた事件がございますのと、あと護送の途中で逃げたというような事件も一、二ございますが、特に収容所からの脱走的なものは、そう目立ってございません。ただわれわれが一応仮放免という形で収容所から出しておりましたものが、その後行方をくらましたというケースはかなりございます。その顕著なものは、先般中国人で中共地区へ帰るということを申し出まして、興安丸が日本人の迎えに参りますときに、その船に乗って帰るということで、中共とは御承知の通り正式の外交関係もございませんので、華僑総会と申します団体が中に立ちまして、赤十字等と協力してやりましたのですが、そのときに、帰る前の支度などで出してもらいたい、仮放免してもらえば、必ずその船に乗って帰るからということで、百五名でございましたか、百名より少しこえたものを出したのですが、そのとき現実に帰りましたものは三十数名でございまして、約七十名のものがこちらに残ってしまいました。そういう例はございます。このうち漸次収容いたしておりますが、おそらくまだその半数は逃亡しているのではないかと考えます。

江崎真澄自由党

○江崎委員 ただいまの朝鮮人の密入国者が一番多いわけですが、どういう目的を持ち、どういう希望で来るのか、その傾向ですね。これはわれわれ仄聞する程度でありますか、向うには日本に対する密入国の専門の船会社——といってはおかしいかもしれぬが、そういうものがあって、保証付でないものは、二万円くらいの渡航費、保証付のものは、十万円出せば必ず密入国を完全にさせてみせるというようなものまであるというような、これはあくまでもうわさでありますが、たとえばそういったような実態に触れられたことがありますかどうか。また先ほど申し上げましたように、そういう人たちの主たる目的、希望というか、そういった傾向について承わりたい。

内田藤雄法務事務官(入国管理局長)

○内田政府委員 大体のことを申し上げますと、御承知のように、従来日本人でありました人々が、戦争の結果によりまして急に国籍を異にしてしまった。しかもあの戦争中の疎開とか、その他の種々の事情、あるいは戦後に帰ったというものもございますが、とにかく家族のものが二つの国に国籍を持つことになった。たとえば主人は日本に住んでいながら、奥さん、子供は韓国にいる、こういったことのために、しかも向うの生活が非常に苦しいということのために、主人なり、あるいはおじさん、にいさんというような親類をたよって日本に参るというのが、われわれが扱っております限りでは一番多いと考えます。そのほかに、俗にわれわれは学生ケースと申しておりますが、朝鮮動乱以来の向うの状況に基きまして、教育が非常に受けにくい、あるいは受けても程度が非常に低いとか、いろいろなことで、日本へ参って勉学をいたしたい、こういう理由に基く——もっともこれは表面そういっていると思われる場合も少くありませんけれども、少くともそういう理由になっておりますものがかなりございます。それから今のと関連いたしますのですが、中にはやはり現在の韓国——これは私どもといたしまして韓国の政府のやり方等を批評いたしたくはございませんが、政治のやり方に対する嫌悪、あるいは軍に召集されることを回避するというような目的で入ってくる者も相当にございます。目的から申し上げますと大体そういうことでございますが、それからただいまおっしゃいました、これもうわさと申しますか、われわれは密入国者を調べましたその供述に基くものでありますが、確かにブローカーが非常にはびこつているということは事実でございます。しかも遺憾ながら日本におります朝鮮人のみならず、日本人自身がこういうことに関与しておるという事実も相当に発見されております。ことに穴になっておりますのは、船員手帳というのがございまして、船員手帳で往復するということは一応合法でございますので、船員手帳を利用して往復する間にそういうアレンジをいたし、こちら側のボスといろいろ人を集めるような役割を演ずる者どもが共謀いたしまして、密入国を援助しているというふうにわれわれも考えております。

江崎真澄自由党

○江崎委員 委員長おそれ入りますが、ただいま質問しました線に沿いましたこまかい数字的なものをあとで委員会にちょうだいいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 ちょっと江崎さんの御質問に関連して……。夫婦別れ別れあるいは親子別れ別れになっておりまして、向うから親をたずねてくるというような少年が非常に多いという話を伺うのですが、大体どのくらいの年令が多くて、大体どの程度までは入国を許可しているのかということをついでに聞かせていただければ仕合せだと思うのです。実はこの間こういう話を聞いたのです。戦争中もずっと東京に住んおって、父親は東京でりっぱな商店を経営している。戦争直後、たしか昭和二十三年か四年ごろ朝鮮の祖母が病気だというので、子供は母親と一緒に祖母の看病に帰った。ところが戦争になって祖母も死に、母親も死に、子供はルンペンのようになって向うで孤児の生活をしておった。それが今度こっちへ密航してきたわけです。ところが大村収容所に入れられておって、父親は東京で子供恋しさで騒いで、子供は大村から何とか助けてくれないかということで父親のところに手紙をよこすというようなことで、双方非常に嘆いておる。年令を聞いてみると十五才なんです。十五才ならば独立生活能力があるから朝鮮へ追い返すというような意味らしいのですが、その子供は小学校一年まで日本の学校で過ごしたそうです。父親もこっちでりっぱな商店を営んで、近隣の評判もいい。子供を何とか引き取りたい、こう言っているのだそうですが、こういったものまで入国を拒否して入れないのか、大体どの程度までそういうような点をしんしゃくしていただけるのか、こんなこともごく概括的な標準がおありでしょうから、江崎さんの御要求の資料に添えてお出しを願いたい思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしました。     —————————————

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。飛鳥田一雄君。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 ごく簡単なことを一つだけ伺わせていただきたいのです。横浜の税関の出張所が川崎と千葉にありますが、今度これが支所に昇格をするということになっておりますが、定員の方を拝見しますと、全然変化がないわけであります。出張所と支所とどう権限が違うのか。もし仕事がふえるのならば、当然定員もこれに応じてふえなければいけない、こう考えるのですが、もしふやさないで仕事のふえたものをやる、こういうことになりますとひどい労働強化になるのじゃないかということがちょっと心配になりますので、伺わせていただきたい。

吉田信邦大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○吉田説明員 お答えいたします。実は支所の増加と申しますか、今まで出張所でございましたものを支所に変える問題につきましては、近いうちに国会の御承認を得る手続を提出するつもりでおりますが、実はまだ提出になっておらないのでございます。今度の設置法にはこの問題は書いてございませんが、しかし近く本委員会にその承認をお願いいたすことにいたしておりますので、簡単に説明させていただきたいと思います。現在税関の下に支所と出張所がございますが、これが従来の観念から申しますと、やや大きいところが支所であり、小さいところが出張所であるというようなややばく然とした分け方になっておったのでありますが、昨年関税法を改正いたします際に、税関長の権限を法律上委任して、その場で迅速に事務が処理できるようにするのを支所とし、そうして税関長の内部員に基いて、いわば分室といいますか、単純な意味での出張所と支所との区別をはっきりするよういたした次第であります。そういう関係から従来出張所という名前になっていたものを支所という名前に変更いたしたいという気持を持っておる次第でございますが、これはその目的とするところは大体開港場、従って外国の船舶が随時に入ってこれるような港、そのほかそこに通関に関する事務が非常に錯綜する場所というようなところを選びまして、そこでは事前に税関長から権限の委任と受けて迅速に通関その他の事務を処理するように措置いたしたいと考えておる次第でございます。従いまして出張所を支所にいたしました場合におきましても、今までだと一々税関長のところへ伺いを立てて、場合によれば電話で、場合によれば人がかけつけて税関長の指示を受けておったわけでございますが、そういうことなしに、その支所で支所長の権限において迅速に処理できるようになるわけでございます。従いまして事務的に申せば、一々伺いを立てるとかなんとかいうような手数が省けることになって、そのために官民相互に事務がむしろ簡素化するというくらいに考えております。しかし自分の判断でやるのにはそれだけ勉強も必要でありますから、その意味では多少負担がかかるかもしれません。従いましてそういった手続上の手間と判断のための手間というものを相殺いたしまして、出張所を支所にいたしましても、それによって定員等の増加をはからず、また機構等も係をふやすとか課をふやすとかいうような繁雑なことはいたさないつもりでおります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 もう一つ。今度大蔵省設置法を改正しまして横浜税関と東京税関の名称、位置及び管轄区域を変えようとするわけです。税関の管轄区域が変りますのは、その土地の業者や何かの利便に非常に関係がありますので、かなりの土地の意見もあると思うのですが、こういう改正をなさろうとするについてそういう業者や何かとの了解を遂げられておられるのでしょうか。

吉田信邦大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○吉田説明員 その点につきましては各税関長が大体の意向はただしておりますが、これはどこにいたしましても少しでも何か減るのはいやだという気持もそれは一般的にあるかと思いますが、しかしそれによって、たとえて申せば横浜の港が衰微するとかあるいは店が非常に困るとか、決定的な問題は一つもないようでございます。それよりもさらに実際問題としては交通上の便益というような点から申して、かえって相互の便益が増す方が多いんじゃないか、もちろん全体としてプラスになっても、著しく打撃を受けるものがあって非常な迷惑をするということであれば考えなければなりませんが、それほどひどいことは起り得ない。そうしてまた全体としては非常に効果が上るのではないかというふうに考えております。そういった点も特に今度は考え合せまして、二つの管轄区域を分けるに当りましては、横浜港は何といっても関東一円のみならず東北にかけても海上交通においては完全な基点になっております。従って太平洋に面しました府県は今まで通り横浜港の管轄区域といたしますとともに、もっぱら陸の関係でつながっておる県につきましては、これは交通の上からいっても大体東京を中心として汽車が走っておりますので、そういった関係から東京の管轄区域とすることにいたしまして、官民相互の便益をはかりたいと考えておる次第であります。

飛鳥田一雄日本社会党(左)

○飛鳥田委員 お話はよくわかりますが、山梨県とか群馬県とかいうところは、糸の関係で横浜とは歴史的にも現実の取引の上でも非常に関連性の強い県になるわけです。横浜の財界人の三分の一くらいは山梨県の出身だというような実情で、精神的にも何十年かの連絡があり、今でも現にそうです。群馬の糸などについても横浜との関連性が強いというようなことが考えられるのですが、そういうことについて東京税関に管轄を移すというようなことで不便が出てこないでしょうか。そういう点についての御考慮があったかどうか。これは法律ですからあなた方がそういうこまかいところまで全部お調べになる義務もないでしょうけれども、一応そういう御考慮があれば、伺わせていただきたい。

崎谷武男大蔵事務官(主税局税関部業務課長)

○崎谷説明員 ただいまお話しのございました群馬、山梨につきましては、おっしゃいますように、横浜の財界とのつながりが密接でありますが、実は税関行政の観点から申しまして、税関というのは陸地の所轄地域を広げましても大して業者に御迷惑をかけるわけでもございませんし、その点もちろん糸関係の輸出手続その他ございますけれども、税関の管轄がどこに変るかによりまして、山梨、群馬の業界の方が直接迷惑をされることは実際にないと感じております。むしろ飛鳥田委員の先ほどの御質問にございましたが、地元の利益をどう考えるかということについては、実は千葉県について非常に問題がございまして、千葉県については、これは文書課長のお答えの中にもありましたように、陸地の交通だけの関係から申しますれば、もちろん東京税関にくっつけてしかるべきところなのでございますが、従来海上交通の関係で横浜の地元と千葉との関係が非常に密接である点は私どもも承知しておりますので、千葉を東京にくっつけることは、むしろこの際差し控えたような点がございます。それであとの地域は、今まであまり横浜が地域的に大きかったものでございますから、それを東京と横浜に調整するという観点から申しまして、多少縁の薄い陸地の方は東京に譲った方がよかろう、こういう感覚もございます。結論といたしまして、提出した法案のような形になっているわけであります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田原君。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 大蔵省の設置法で主計局が認められておるのは当初からですか、いつごろからですか。すなわち各省の予算編成を担当しておる主計局は、大蔵省設置法というか、それ以来ですが、いつごろですか。

吉田信邦大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○吉田説明員 私もあまり古いことは覚えておりませんが、明治以来のことでございます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 そうしますと、明治以来毎年の予算編成時においては、大蔵省対各省との間に折衝があったのでありますが、これは実は長い間の問題でありまして、予算編成権というものを、一省の仕事を事務官といっては語弊があるが、課長以下の人が持って、そこにいろいろなかけ引きがあったり、情実があると私は聞いておるのです。そこで経済審議庁が経済企画庁に改組されるに当って、予算の編成権を、つまり具体的には大蔵省の主計局を何とかしたいという問題が出ておるのですが、そういう点についてお尋ねしたい。もし資料等が不足しておるならば次会に延ばしてもよいと思いますがいかがでしょう。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田原君のその問題は今度の経済企画庁に関連した問題でありますから、経済企画庁の問題を扱うときにでも、何かの機会にできれば大臣に一つ出てもらう方がいいと思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 そのように願います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 石橋政嗣君。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋(政)委員 定員法関係の性格がちょっと不明瞭でありますから御質問したいと思います。  それは定員法に示す定員と予算定員との関係でございます。この点につきまして川島行政管理庁長官あるいは行政管理庁の岡部管理部長あたりに質問いたしたのでありますが、もちろんこれは一致するのが原則であり、定員法以上に人を置くこともできないし、また予算がないのに定員法に余裕があるからといって人も置けない。また予算があっても定員法に束縛される以上は置けない、こういうふうな関係の答弁があったわけであります。ところが私計算してみますと、どうも大蔵省の方は定員法の定員と予算定員とが一致しておらないのでありますが、この間の経緯を一つ御説明を願いたいと思います。

吉田信邦大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○吉田説明員 大蔵省につきましても、若干予算定員の方が定員法の定員よりも少くなっております。これは一応予算の査定という立場からいたしまして、この程度まで定員を減らし得るんじゃなかろうかという一つの見通しから、そういう予算が編成されておるわけでございますが、実行に当りまして果してそこまで定員が減り得るかどうか、仕事の内容がそこまで減り得るかどうかという点については、なお時日の経過を要するというような意味におきまして、実行の状況いかんによって次の定員法改正のときにそれに応ずる定員を落していく。しかし現在の段階としては、一応努力目標と申しますか、実行上の目標という形で予算が現われてきておるものと思います。従いまして万一予算がその通りいかないような場合には、定員法に規定されておる限りにおいては、あるいは予算の予備費の要求という形で定員をふやすことも可能である。しかし実行上の目標としては、予算に定められた定員内で、予備費を要求するということなしに実行いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

石橋政嗣日本社会党(左)

○石橋(政)委員 この定員法の提出の時期と、予算編成、並びに国会に提出の時期とが、そう大きくずれておるわけでもありませんし、この間に差異があるということについて私大きな疑義を持っておるのでございますが、これは意見にもなりますのであらためてやるといたしまして、もう一つ、これは国税庁関係のことでございますが、ちょっと質問してみたいと思います。源泉徴収になっております勤労所得税の還付の制度について、若干疑義を持っておるわけです。というのは、事業所に就職しておる者が年度半ばにして退職させられた。これは駐留軍の労働者あたりは非常に多いわけでありまして、佐世保におきましても今月末に千四百名の大量首切りが行われるというように、一年の間に何百人という大量整理がしょっちゅうされております。ところがこの人たちは税金のことについてはほとんど暗い。特に源泉徴収されておる関係上、日ごろから研究しておらない。それにもかかわらず、年度半ばで退職した、当然その後失業いたしておりますから、相当程度の還付金があるわけでございますが、それが申告がなかったらといって還付してくれない。しかもその申告の期限がある。こういう話でございますけれども、本人は何も知らない。税務署が直接そういった説明をしたこともないし、これの徴収義務者である事業所の責任者がそういう説明をしたこともない。全くめくらにしておいて、お前たちは申告しなかったから、納め過ぎた税金は返してやらない、こういう制度はおかしいのではないか。よく調べてみましたら、これは何も法令によって定められておるわけではなく、何か部内の一片の通牒でそういう申告の期限を設けているということでございますが、これは不合理である。そういう期限をきめるならば、少くとも親切にこういうふうな手続をしなさいということを説明してやらなくちゃならない。説明がない以上、一方的に期限を定めて、これまでに申告しなければ、過納税金を還付しないというようなことはやるべきでないと思うのでありますが、この点御説明願いたいと思います。

吉田信邦大蔵事務官(大臣官房文書課長)

○吉田説明員 実は私その通牒等については詳しく存じませんので、ここでお答えするのはいささかあれでございますが、もし単に内部的な規定であれば、ことにそれらの人たちに何ら知らしてないとすれば、何らかの措置を講ずる必要があるのではなかろうかと存じますが、この点につきましては、国税庁の方から回答いたすようにいたしたいと存じます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 文書にして直接石橋さんの方へ回答して下さい。  ほかにございませんか。——なければ、本案に対する質疑はこれをもって終了いたしました。     —————————————

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に農林省設置法の一部を改正する法律案を議題として、これより質疑に入ります。  御通告はございませんが、御質疑はございませんか。——なければ本案に対する質疑は本日をもって終了いたしました。     —————————————

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 この際お諮りいたします。行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について、農林水産委員会より連合審査会の開催の申し入れをいたして参りましたが、この申し入れを了承するに御異議ありませんか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 御異議なければ、さよう決します。  開会日時については農林水産委員長と協議の上、公報をもってお知らせいたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時三十六分散会

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