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22回国会衆議院1955/06/03

内閣委員会 第16号

発言数
216
登壇者
28
会派数
4
開催日
1955/06/03

会議録

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これより会議を開きます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 過般来沖縄の農耕地は米軍の軍事基地としてほとんど買い占めを行われんとしております。すなわち約三千二百万ドルの買収資金によって沖縄の農耕地が買い上げられ、地元農民の生活は、今後その生業を営むことができないという段階に到達いたしております。これにつきましては沖縄の代表がアメリカの政府当局に反対の陳情に参っておるという実情でありまして、なおその他米軍によるところの沖縄住民に対する人権じゅうりん等の問題も、非常に頻発をいたしております。私ども内閣委員会といたしましては、かつて沖縄の人権問題等につきまして、衆議院の議員を調査に派遣した先例もあるのでありますが、この際当委員会といたしましては、ぜひとも各党の代表を現地調査に派遣せられることを、当委員会の決議として御決定をいただくよう、動議を提出する次第でございます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 私は森委員の動議に賛成するものであります。御承知のように、沖縄においては、アメリカ軍が、私有地三万一千エーカーを、代償を払って九十九カ年接収ということになっております。このために沖縄では、今アメリカに代表を派遣いたしまして、陳情を続けておる状態であります。そこでわれわれは日本国民を代表いたしまして、そういう扱いが正当であるやいなや、これらについて調査する必要があると思うので、森君の動議に賛成いたしまして、この会期中でもよろしゅうございますから、至急当委員会として委員を派遣する、その人員とか派遣時期等については委員長に御一任したいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 ほかに御発言はございませんか。――ただいまの森君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に駐留軍基地拡張問題等に関し調査を進めます。本日は本問題に関し参考人各位より実情を聴取することにいたします。  この際委員長より参考人各位に一言ごあいさつをいたします。御多忙中御出席くださいましたことに対し厚くお礼を申し上げます。本問題につきましては、当委員会は先般来より慎重に検討して参っておりますので、その調査の参考に資するため、これら駐留軍基地拡張問題等の実情を聴取することといたしたわけであります。端的にその実情をお述べ願います。なお陳述の時間はまず十分とし、その後委員各位より質問があると思いますので、御承知おき下さいまし。発言の際は委員長の許可を求めて発言を願います。  なお御氏名のほか、職業及びお立場等、簡単に自己紹介を願いとうございます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 参考人の皆様のお話を聞く前に、われわれは政府の関係各庁の代表の出席を求めたいと思います。少くとも調達庁は長官以下関係部長が出席するべぎであります。なおまた外務省の欧米局長その他は当然出なくちゃいけません。少くともこういう全国的な大きな問題に対して、地方の代表者は忙しい中を来られたのでありまして、全員出ないなんという不届きなことはありません。政府側の出席するまでは参考人の陳述を待ってもらいたい。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 それではしばらく待つことにいたします。これより参考人の陳述を聴取いたします。新潟基地拡張問題に関し、新潟市の箱岩善一君。

箱岩善一新潟県労協事務局長

○箱岩参考人 新潟飛行場拡張反対期成同盟の箱岩善一であります。新潟県労働組合協議会事務局長を仕事としております。  新潟飛行場拡張反対の問題については、今お手元に四枚つづりの説明書をお配りしてありますので、お出し願いまして、私から実情を御説明申したいと思います。  一番上の紙に具体的な反対の理由を書いてありますし、一番最後の紙に拡張に関係するところの地図がございますので、この二つを中心にいたしまして御説明を申し上げたいと思います。  今度拡張されますところの新潟米軍飛行場は、第四次拡張であります。従って一次、二次、三次、こういうふうな経過を経て第四次に至っているのが実情であります。従いまして一次、二次、三次におけるところの問題については皆様すでに御承知と思いますので省略いたしまして、第四次の計画のみ説明をしたいと思います。  今度行われますところの新潟飛行場第四次計画は、所要面積にいたしまして七十町歩の田畑をつぶし、住宅四十二戸は立ち退きをされる状態にあるわけであります。さらに御承知のように、当該地域は新潟市の都市計画の中心地帯でありまして、この地域がもし拡張されるとするならば新潟市の将来の都市計画が全部めちゃめちゃになるというふうな重要な地位にあるわけであります。  さらにここに九つございますように、今問題になっていますのは、皆さんは四十二戸の住宅の方々や、七十町歩の耕作者の方々に、適当な金を出せばいいではないかというふうにお考えになるとすれば、私は重大なる実情に対する認識の違いだと思うのであります。再三申し上げますけれども、この地は新潟市の都市計画を全部変更し、新潟市二十四万の市民の生活権や、新潟市将来の発展の保障をされても、この土地は絶対に放すことのできない土地であるわけであります。  先般調達庁長官がおいでになったときにも、私どもから詳細にわたって実情をお訴えしたわけでありますけれども、この四ページにありますところの地図でごらんいただきますように、赤い鉛筆で表示をされておりますのが今度の拡張予定地であります。さらに青い鉛筆で表示をされているのが道路であります。従ってこの青い道路というのは、御承知のように、新潟市と隣接するところの松浜あるいは南浜というところの郊外の地域とを結ぶところの最も大切な県道であります。従って地図にごらんになるように、この県道が今度の計画ではめちゃめちゃになってしまうわけであります。従ってこの道路の問題については、一説には飛行場の下に地下道を作って道路を作りましょうということを、調達庁の地元関係の役人の方が申しております。さらに道路はどこか遠い方へ迂回すればいいではないかということをおっしゃっておるのです。しかし皆さん、この飛行場の下に地下道路を作るというようなことは私どもには絶対に信ずることができません。さらに遠くにこの道路を迂回するとおっしゃいますけれども、この重要なる県道が五里も十里も遠い道を迂回されておっては、とうてい道路としての役目を果すことはできないと思います。そういう点が新潟飛行場の持つ地域的なるところの特徴であります。  さらに御承知のように、新潟市はかつて日本が盛んなときに、諸外国と重要な貿易をやりまして、新潟市の発展を維持しておった経験があるわけであります。特に新潟港の発展というのは、皆さん御承知のように、中国でも、ソビエトでも、あらゆる国と自由に貿易をすることによって、新潟市の繁栄が保たれるわけであります。そういう重要なところに米軍の巨大な飛行基地を拡張されるということは、新潟市の将来の発展のためにも全くのど元にあいくちを突きつけるものといわなければなりません。私どもはそういう立場に立って地元の人たちの生活権を守るために、新潟市の発展を守るために、あるいはまた今平和を望んでいる時代に、巨大な外国の飛行基地で、何の理由かわかりませんけれども、地元民の意向を無視されるということは絶対に承服できないわけであります。  さらに地元の反対運動の経緯について申上げるならば、新潟県議会でも満場一致反対を決議いたしました。新潟市議会でも満場一致で反対の決議をいたしております。さらに隣接の市町村こぞって反対の議決をしておるのであります。皆さん御承知のように、再軍備反対の方も、賛成の方も、こぞって満場一致反対をされるというゆえんのものは、いかにこの飛行場の拡張が地元民のために不利益なものであり、とうてい黙認することのできないものであるかということは、この一事においてもはっきり立証されると思うのであります。  さらにこまかいことについては馬場参考人からお話がありますので、私は主として大要以上の点につきまして説明を申し上げました。賢明なる議員各位の御理解をいただきたいと考える次第であります。よろしくお願いいたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 なお、同問題につきまして馬場敬博君。

馬場敬博新潟飛行場反対期成同盟委員

○馬場参考人 私は新潟飛行場拡張反対地元の代表であります。職業は僧侶であります。ただいま箱岩参考人の方から主として基本的な方面からくる陳述がありましたが、私はその具体的な方面から皆様の御理解をお願いいたしたいと思います。  まず拡張によりまして河渡新町部落四十二戸、六十二世帯のほとんどが家屋を失い、しかも生業を失い営々として築き上げたるところの生活の根本を、打ち砕かれてしまうところの運命にあるわけであります。直接拡張の対象となるところの部面におきましては、関係するところの部落民の数は河渡地区約五十世帯、松崎地帯約六十世帯、その他多数に上っておるわけでございます。しかも第三次の問題につきましてはいまだ解決も見ず、部落民は数次にわたるところの当局の甘言にだまされて、その土地を取り上げられ、しかも補償の問題もなお解決していない、路頭に苦しんでおるところの人たちがたくさんあるわけでございます。しかも耕地面におきまして、飛行場から流れ出るところの汚濁水の問題ですが、直接水田に流しっぱなしで、当局に折衝いたしましても、何とかする、かんとかすると一時のがれの詭弁を弄しておりまして、農民の悲痛なる叫びに対しては何ら人間的なる愛情を与えない。全く極言するならば彼らは日本人ではないのかということが言えると思うのであります。しかもまた畑地のある耕地におきましては、牛街道というところでありますが、その耕地におきましては、駐留軍の石炭がらを一メートル以上も高く堆積いたしまして、全く耕地として使用するにたえないというような状況に追い込み、なおこれも数次にわたって陳情に陳情を重ね、何とかお願いしたいという死の叫びに対しても、何らの補償も与えてくれないというような実情もあるわけでございます。  また拡張によりまして、河渡地内にあります農学部におきましては、今でさえも飛行機の爆音によって授業も満足にすることができない、いわんや精密なる実験はほとんど不可能である、これ以上拡張されたなら全く農学部はその機能を失い、廃校の運命に遭遇するということは当然である。河渡部落におきましては、われわれ地元民はもちろん、関係者は農繁期の多忙な中にもかかわらず、ほとんど連日連夜この問題のために集まりまして、むなしいところの苦闘を続けておるわけでございます。箱岩参考人の方からも申されましたごとく、今の拡張がそのまま容認せらるるならば、ほとんど私どもの部落の河渡まで参りまして、しかも農学部とは百数十メートルしか離れない、その環境の悪化は今でさえも幼い子供たちはあのジェット機が飛ぶごとに頭をかかえ、地べたに匍匐するありさまで、病人等に至りましては、こんな状態が続くならば私はもはや死んでもよろしいと言い、またそれによりましていわゆる赤線区域というものが設定され、現にその第一歩が現われておるようなわけであります。教育面におきまして、風紀の面におきまして、実に今後の状態というものは、アメリカの植民地に化してしまうということは必然であります。  かような意味におきまして、私ども各関係地区部落民こぞりまして反対期成同盟を結成いたし、この問題に対して御理解のあるところの皆さんの力をお借りいたしまして、何としてもこの拡張の問題がわれわれの希望する線に近づくようにお願いをいたし、強力なるところの運動を続けておるわけでございます。どうぞ良識ある、われわれの代表である国会議員の皆様におかれましては、この日本というものを破滅の底から救う、ほんとうに悲痛なるわれわれ農民の声をおくみ取り下さいまして善処されんことを希望する次第でございます。以上で終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に横田基地拡張問題に関し、西多摩郡瑞穂町の川島喜作君。

川島喜作横田基地拡張反対委員長

○川島参考人 私は瑞穂町基地張拡反対同盟委員長川島喜作でございます。大体今度私どもの町で基地の拡張になりますのは、飛行場地といたしまして十五万七千坪、制限区域といたして五万八千坪、合計二十一万五千坪という厖大な土地が拡張になって参ります。その拡張になります土地の関係農民が三百七名、町といたしましても、この拡張に対して非常に困っておりますし、また飛行場自体もすでに非常に困っておるわけなんですが、そのことについて詳しいことは本日町長がやはり参考人として参っておりますので、次に詳しく申していただくことにいたしまして、私は農民の立場といたしまして若干お話しいたしたいと思います。  大体瑞穂町は農業以外には発展しない、農業でもって町が作られていると言っても過言でないのでありまして、ほかの工業、商業は発展いたしませんで、農業をもって大体町の主体をなしておるというところでございます。それがたまたまこういう拡張でどんどん土地をつぶされておりまして、そうして現在では平均耕作反別四反歩という零細な農業を営んでおります。ですから四反歩の零細農でありましては、それだけで食べていかれませんので、それに付随いたしまして、酪農経営、家畜の経営というものを並行いたしまして、ようやくにして生活を維持しているような状態でございます。しかし今度拡張いたされますと、大体三百七名関係者がございますが、その三分の一は全く農地を一つもなくしてしまうのでございます。そうして農民でありましますので、やはり転業するにしましても、年齢も相当とっておりますし、また事務的、技術的才能もございませんので、なかなか就職、転業ということも困難でございます。どうしても農業に依存しなければやっていけないということでありまして、この土地を取られるということは、われわれにとっては死活の問題でございます。さらにその土地を取られると申し上げましても、今回限りではございませんで、瑞穂町は、従来からこういう悪い恩恵にあずかっておりまして、大体昭和十五年に百九町一反歩を日本政府に提供しております。その前にやはり射撃場として十三町六反歩を提供しております。その後米軍が進駐して参りまして、その当時拡張のために接収されたのが四十二町八反歩であります。しかしその当時は農民にしてみますと、ずいぶん苦しい立場でございましたが、占領ということで涙をのんでがまんしておったような次第でございますが、今回はもうそんなわけにはいきません。絶対にこれを阻止してわれわれの立場を守っていかなければならないということを強調いたしたいと思います。  大体瑞穂町の農業所得の概算でございますが、農業は一億四百十六万円、こういうような所得がございまして、今度接収されます所得の減収は、大体年額二千五十万円ということになるわけでございますから、われわれ農民にいたしますと、それだけの減収でございます。  それから飛行場周辺は非常に荒されまして、爆音、プロペラの爆風、それから自動車のほこり、事故というような、あらゆる面で周辺の畑が非常に大きな被害をこうむっております。その被害をこうむっておりましても、いまだかつて何回申請いたしましても、政府から一銭の補償もいただいておりません。さらにこの拡張がありますと、拡張されるにつれて、被害を受ける地域も従って大きくなって参ります。それで二十八年に申請のため調べました被害は大体五十万円、今度拡張されまして被害を受けると推定されますものは約二百万円、二十町歩にわたる土地の者が被害を受けるのではないか、こういうふうに考えられます。また著しく町の西側へ突出いたしますので、その飛行場を越えて先に行く耕作者が、非常に不便を感じてくるということでございます。  要は、ただいま申し上げましたように、騒音、教育、いろいろの面でのことは、次に町長が申し上げますから私は申し上げませんが、そういうような状態でありまして、われわれ農民にとりましては非常に大きな死活問題でございます。でありますから再三この件につきましては、国会あるいは関係官庁に陳情、請願をいたして参りました。しかし私どもといたしましては、ぜひとも私らの苦しい立場をよく御了解願って善処していただきたいということで進んでおりまして、決してデモやむしろ旗を立ててやっているわけではありません。ぜひとも皆さんに御理解を持っていただくということで進んでおりますので、国会の方にも、この間衆参両院議長あてに請願書を出しておきましたが、これにつきましては、本日またこの委員会でもって発言させていただきますので、ぜひともこの点をおくみ取り願って、政治的に皆さんのお力によって解決していただきたいと念願する次第であります。それも急に何とか一つ手を打っていただきたいと思うのであります。それはなぜかと申しますと、調達庁は、われわれを立ち入らさせてくれ、やれ取るぞというようなことで、神経戦をねらっておりまして、非常に苦しんでおります。きょう調達庁長官がお見えになっているかどうかわかりませんが、こういうような状態で、私らは上からいじめられて苦しんでおりますから、皆さんのお力でこの問題を解決していただきたいと思うのであります。  それから住民に無理のいかない方法をなぜとっていただけなかったかということであります。こういうようなことは、行政協定ができた当時から、政府では、あることを予測されたことではないかと思っております。われわれの納得のいくような施策をなぜふだんからとっていただけなかったか。またこういう重大なことをやぶから棒に出して、お金さえ出せば何とかきまりがつくだろう、生活は立つだろうといっても、私らとしても、そんなに一朝一夕に生活を変えることはできません。また生活の根拠を得るまでに、何百万のお金をもらっても、それは食べてしまうのが実情でしょう。こういうような状態でありますので、ぜひともこの点につきましては、よろしく善処方をお願いする次第であります。ずっと前の国会で、大蔵大臣が、一人や二人くらいどうなってもというようなことを言って大へん問題になったそうでありますが、政治のあり方は、御承知の通り、国民に一人の不遇者も出てはいかぬということだと思います。町をあげて、またきょうこちらにいらっしゃっている方の死活の問題であります。これをみな殺してしまっても、国際義務だげ果せばよいということでありましょうか。政府でもってこういうことをしていただけぬといたしますれば、アメリカ政府に請願をして、アメリカ政府で善処してもらいたいと思っております。それでも承知していただけないということなら、政府とアメリカ軍に戦闘をぶっかけます。どうぞその点を一つ御承知を願います。  それから基地の問題は、私の言うべきことではないかと思いますが、昔から大体戦闘方式や武器が変れば、築城法も変ってくることは御承知の通りであります。飛行機もだんだん時日がたって参るにつれて、性能も変ってくるわけであります。飛行場は何べん拡張しても足らないのではないかと思います。あの横田基地の飛行場は、元日本軍の審査部が飛行機の実験のために作った飛行場であります。あれは砂川、瑞穂の間にはさまれた小さい区域に作ったものでございますから、これをだんだん拡張していくということになれば、しまいには瑞穂がなくなってしまう、私の町はなくなってしまうという事態に必ずなるのであります。この次は拡張は絶対にいたしませんとは決して否定できないと思います。でありますので、ぜひともこういう計画がございましたら、何とかどこか他の土地の、もっと厖大な地域に持っていって、一つ新しい計画のもとに、新しい兵器を使われるようなところを作っていただいたらどんなものでございましょうか。そういうような立場から、私はぜひともこれは計画的に根本変更をしていただきたい。なおそれができないならば、今回の問題はぜひとも慎重に御考慮願って、そうしてよろしく善処をお願いする次第でございます。はなはだ簡単でございますが、これをもって参考の言葉といたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に同問題に関し、瑞穂町長原島治平君。

原島治平瑞穂町長

○原島参考人 私は瑞穂町長原島治平でございます。ただいま川島参考人からるる申し上げましたが、重複する点もいささかあろうかと存じますが、私の方の町の苦衷を申し上げ、さらに皆様の御理解ある御同情を仰ぎ得ますことをお願いいたしたいのでございます。  私の方の町にすでに飛行機事故がありましたことを申し上げますと、昭和二十五年の十二月三十一日に、横田基地柵内、瑞穂町武蔵野九七四番地に双胴戦闘機が墜落炎上いたしました。それから昭和二十六年十一月十八日に北多摩郡砂川村にB29爆撃機が墜落いたしまして、この際には砂川村の民家多数を焼失いたしまして、爆弾が破裂して私の方の中学校にも相当の被害がありました。昭和二十七年二月七日の夜半、本校の北方の埼玉県入間郡金子村にB29が墜落いたしまして、この際にも民家相当数を焼失いたしました。越えて二十七年二月十九日、箱根ケ崎一〇三一番地八高線の山中へ爆弾が落下いたしました。それから二十七年三月三十一日に瑞穂町箱根ヶ崎宿西四七五番地の畑中に爆弾が多数落下いたしました。これは不発弾でございました。その飛行機が飛んで入間郡の元狭山村の富士山地先の国道のかたわらにさらに爆弾を落しまして、その飛行機が霞村の方の山へ当りまして墜落いたしました。それから昭和二十九年一月五日に瑞穂町の箱根ヶ崎秩父街道の畑の中ヘジェット機が一機墜落いたしました。昭和二十九年三月十六日に瑞穂町の石畑武蔵野九〇六番地の畑の中ヘジェット機が補助タンクを落しました。  このように私の方の町は爆音に明け、爆音に暮れるというような町でございます。そしてまた朝に夕に爆音が激しいので、先ほど川島参考人が申しましたように、教育はますます低下いたしますし、また夜間においても非常な爆音でございますので、住民全体の神経を麻痺いたしますし、ことに小さい子供等に至りましては非常なショックを受けまして、いろいろな事故ができて参るような町でございまして、非常に悩んでおります。  そこで今回拡張になるという予定の示された地域は、先ほど申しましたように、二十万五千坪でございます。そうして大正六年、昭和五年、昭和十五年、昭和十六年、昭和十九年、昭和二十年に東京市の水道局から飛行基地に至るまで、合計二百七十三町歩の土地を減じております。さらに今回七十町歩弱の土地を消滅するわけでございます。かくのごとき状態でありまして、先ほど申しましたように、従来この部落の農耕者は四反歩余の零細農でございます。これがさらに七十町歩を放出することになりますと、二反余になり、これではとても営農ができて参りません。そこで転業するといいましても、これはとうていおぼつかない。若い者はどこかへ行って働けもするでしょうが、老年の人になりましては、働く場所がない、こういう方は餓死しなければならないというような状態でございます。ことにまた滑走路によって遮断されまして、飛行場の前方になります土地では、先ほど申しましたようこ、耕作が非常に不便になります。はなはだしく迂回していかなければならないというような状態になります。もしこれが実現するならば、この部落の土地はほんとうに少くなりまして、今までも畑地が狭いものですから、酪農を主としておりましたが、牛なども売却しなければならないというような状態になり、町といたしましては、騒音はますます激しくなりまして、危険の度は増大いたしますし、教育面におきましてもますます低下いたしまして、非常に困るわけでございます。それから各種の道路が遮断されまして、交通はますます不便になりますし、産業はますます滅びてくると思うのでございます。さらにこの実現によりますと、当時の収入は著しく減少いたしますので、御存じの通り町の運営は困難になっていくのじゃないか、こう考えられるのであります。また滑走路が町の中心部へ突出いたします。埼玉県へ、もはやわずかの距離を残すだけでございます。そういたしますと、町が中断されるような状態になりまして、これまた行政上におきましても非常な支障があるわけでございます。また最近はかかる危険な土地には住めないというわけで、家屋をたくさん持っておるような方は、ほかへ移住するというような人も多数できておるようなわけでございます。従って町はだんだんと衰微に傾いていくような始末でございます。またこの計画が実施せられる場合におきましては、停車場等も移転しなければならない、行政道路等も変更しなければならないというような状態が起りまして、町の状態はほとんど一変するような状態じゃなかろうかと思うのであります。当町の地域がもっと広大であれば、開墾する土地もあるでございましょうが、今残されておる山林はわずかでございまして、ほとんど開墾の余地がありません。この少々あります山林によりまして、農家は堆肥源を得まして堆肥をこしらえておるような始末でございます。もう開墾の余地はほとんどございません。こういったような理由がありますので、私の方の村、町あげてこの計画に反対しておるようなわけでございます。  政府は行政協定、安保条約等によりまして、防衛分担金の削減にこういった約束をするというようなことを聞き及んでおりますが、かかる国民を苦しめて政府の義理を立てるというようなことは、政治の良策でございましょうか。何とか一つお計らいを願いたいと存ずるわけでございます。私の方の中学校ではすでに危険を顧慮いたしまして防空壕を掘っております。防空壕がいまだにある学校がどこにありましょうか。この中学校の移転の問題につきましても、従前から再々陳情しているのでございますが、いまだに解決がつきません。特損法の中には移転ということはないというようなことで防音装置ならば費用があるんだが、移転ということはできないというので、いつでも却下されて、いまだに目鼻がついておりません。私どもの中学校の生徒は、先生から教えられても爆音のために中断されますので、教育は徹底いたしません。それがために非常に他の町村に比べて学力程度が低い、こう申されておりまして、非常に情なく私らは存じているわけでございます。  今回の拡張は以上のような理由で、どうしても町がこの計画に賛成することができないのであります。どうか本日御出席の議員諸公の特別な御同情によりまして、今回の計画をぜひともお取り消し下さるよう、切に懇願する次第でございます。(拍手)

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 この際休憩いたしまして、午後一時再開いたします。再開の時間を厳守いたされとうございます。     午後零時四分休憩      ――――◇―――――     午後一時十五分開議

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 それでは休憩前に引き続き会議を開きます。参考人の陳述を聴取いたします。立川基地拡張問題に関し青木市五郎君。

青木市五郎農業

○青木参考人 私は立川基地のすぐそばの砂川町に住み、毎日飛行機の昇降によりまして砂塵をかぶり、爆音に悩まされつつある農家の青木市五郎でございます。  議員の皆さんのお手元に略図ではありますがお配りしてありますが、御参考に供したいと思います。  私は今回基地拡張予定地に住みます農家の代表をいたしますとともに、全町の農家を代表して、今回の基地拡張に絶対反対をいたします理由を述べさせていただきたいと思います。  わが町は戦争中最大の損害をこうおりました町でございます。米軍の爆撃のために、焼夷弾等によりましてわが町の農家の三分の一は灰じんに帰したのでございます。これと申しますのも、砂川町の周辺に飛行基地その他軍事基地があとあととできたがゆえとわれわれは確信いたしております。これがためにわが町民の老若男女を問わず三つ子に至るも、基地ということについては、もうまっぴらごめんなのでございます。それがゆえにこのたびの基地拡張に対しましては調達庁よりの御来町がございまして、基地拡張の基地の基の字が出たときに、われわれはもう基地拡張についてはまっぴらごめんだ。われわれはそれ以上何も聞く必要はない。これまでわれわれは基地があるがゆえに非常な災害をこうむっておる。これ以上大きな災害をこうむることは絶対にわが町民としてはできない。これがゆえに基地のことについては絶対にわれわれもう聞きたくないのだ、こう言ってえらい反対をしておるのでございます。たまたま終戦後今度の基地予定地内におけるわれわれ農家は、米軍の無断接収によって、三分の一の農地が農作物もろともにブルドーザーでもって削り去られてしまっておるのでございます。このためにわれわれ地元農家はみんな片腕を取られてしまった。われわれは今後農家として土地がなくしてどうして生きていかれるか。先ほど申し上げた通り、戦災によって家は焼かれ、農家施設はほとんど壊滅に帰しておるのでございます。それでも農地さえあれば、バラック内でもってどうやら食えるぐらいのことはできそうだと、悲壮な決意を持って立っておるのに、終戦後土地を基地に接収されてしまった、かような現状にございます。しかしこれをただ削り取られてしまって茫然としていたのでは――われわれの財産は爆撃によってなくなったのだ、一粒の米でも取らなければあしたからでも食えないのだ、こういう場合におきましては、農地がなくては死んでしまうのだ。このために山林の開墾をいたす。その開墾をするくわすらない。これは全部戦災を受けない農家から借りてきて開墾したのであります。そういたしまして、大体において零細ながらもどうやら食べるくらいの農地が得られた。こういう状態で、すでに約十カ年が経過する間、われわれは燃える意気のもとに、着々と町の復興に精を出しておったのでございます。どうやら農家としても食べるくらいのことはできるようになりつつあります今日、基地拡張といった報に接したのでございます。われわれは、今までは、とにかく負けてしまったのだからやむを得ない、とにかく日本じゅう負けたんだ、こういう気持でおったのでありますが、戦争のために片腕を取られ、すでに両腕を取られてしまったようなわれわれ農家が、どうやら義手ながらもできて、ひとり歩きができそうになったところへ基地の拡張ということでは、われわれは生きる道がないのです。この意味合いにおきまして、われわれ地元といたしましては、基地拡張については絶対に反対しております。御承知のように、目下の飛行機基地ですら、周囲にあるわれわれ農家におきましても――非農家方面は後ほどの方が申し上げますが、飛行機の上り下りする、また上空へ来たときには、何も聞えないのでございます。それと同時に冬になりますと土地が乾燥してくる。そのために砂塵はもうもうと吹き上げ、まつ暗になってしまうのでございます。こういった目下の基地ですらそのような状況にあるわが町が、これ以上基地が大きくなったならば、われわれは周辺に残された農家としてどうしたらよいか、こういう状況にあるのでございます。  終戦後無断接収されましたこの土地も、今回基地を拡張いたしますことにつきまして、調達庁よりは、お前たちは今度の基地についてわれわれの言うことを聞いてくれれば、すでに接収してある土地を高く買ってやるがどうだ、こういったような通達もわれわれの方へございます。われわれ砂川町の町民も、もともと接収地を高く買ってもらいたいような気持があるならば、物も言わず、絶対に反対はいたしません。お金などに絶対に目をくらましておらないのでございます。その際われわれに向って、この際あなた方が言うことを聞くならば高く買ってやるなんという、いわゆる自分のポッポへ入れておいたやつを、とにかくもうおれのものだ、あなた方は向うの言うことを聞けば、こっちの方はそうするという、そんな子供をだますようなことを聞く者は、わが町民には一人もいない、こういうふうにわれわれ農家の者はいきり立っておるのでございます。むしろわれわれは、この際接収されている農地は、もとのようにして返してもらいたいと思います。戦災を受けてくわ一丁ないわれわれが、よそから借りてきて土地を耗作して、どうやら食べるくらいのことができるように努力した。この思いをしているわれわれ農家が、無断でもって土地を農作物とともに一瞬にして削り取られたということは、一生涯忘れることはできないのであります。この際そういった子供だましのようなことをやられることは、われわれ農家として心外にたえないのでございます。  くどいようでありますが、今回の基地拡張につきましては、わが町また農家としては絶対に死を意味するものでございます。農家は、土地なくしては絶対にやっていけないのであります。今度万が一拡張されたならば、お手元に差し上げてあります地図の通り、全部農地を取られた方は転業しなければならないことになります。農家のわれわれが他に転業いたしましても、かごの鳥が大空に放されると同じことで、たちまちタカにやられてしまう。こういった例はすでに今までにたくさん出ております。前にそういう苦しみをしている人がありますから、今度こそは絶対にそういうことはできない。私は飛行場の直下で毎日農業を営んでおります。これを今度われわれが許したならば、影法師のごとくだんだんと飛行場が延びていって、一部接収されて取り残された農地を持った方も、われわれと同じことを苦しまなければならないのでございます。この意味におきましても、われわれ農家としては、一坪でも基地拡張はまっぴらごめんでございます。なお大きく町全体から申し上げますと、図にもあります通り、わが砂川町は東西に二里半もあるという細長い町であります。もとよりこの拡張については絶対に拒否しておりますから、調達庁の皆さんからは細密なことは聞いておりませんが、朝日新聞等に出ました地図によって想像しておるのでございますが、この基地が拡張されたならば、われわれ農家として最もたよりとする農業協同組合の経営も、われわれ農家の者が利用しなければ、やはり一瞬にしてつぶれてしまうのでございます。農業協同組合がつぶれたならばやっぱりわれわれ農家もつぶれなければならないのでございます。  この細長い町で中央部を飛行場の滑走路が横断してしまう。これは横田基地の方でございますが、西砂川から福生を結ぶ線に前にも例があるのでございます。あの五日市街道も、最初のうちはむずかしいことを言いながらも、どうやら通したのでございます。やがて三カ月ぐらいで交通遮断されてしまった。今は南の方を一里も迂回して通らなければならないというような実情になっているのでございます。これは村のはずれでございますが、目下西砂川の方は非常に不便を感じております。今度の拡張は村の中央を横断されてしまうのでございます。ほんとうに村の心臓部を抜き去られてしまうのと同じでございます。農業協同組合というのは三番組というところにあるのでございますが、十番組の方からも農業協同組合へ行かなければならないのでございます。今度の基地拡張によりまして、最初はゴー・ストップとかで通らせるとかなんとかいっておりますが、やがては防諜とかなんとかいって通らせないということが必ず出てくると、われわれは確信しておるのでございます。万が一この道路を封鎖して一里迂回して通るということになれば、これは完全にできないのでございまして、われわれ農家としては農業経営上大なる支障を来たすものでございます。  なおまたこの基地拡張につきまして、この基地拡張の近辺に住ね農家も、この飛行場の滑走路ができたがために、毎日農地に行くことすらできないような状況にある土地を持っている方が、たくさんあるのでございます。なおまたこの四番組、三番組、二番組、一番組、西砂川、こういった西の方の地区は、今回この基地が拡張されたならば、毎日のように蔬菜その他の農産物を東京方面に出荷しなければならないのでございますが、これがゴー・ストップで朝一時間もとめられたとしたら、野菜はみんな腐ってしまうのでございます。市場が間に合わない。農産物の売りさばきが思うようにいかないということでは、農家は転業をするほかはないのであります。今われわれ農家は東京、立川方面に出荷する農産物を作らなければ生きる道はないのでございます。かような意味合いにおきまして、今度の基地を拡張されたならば、町全体の農家が生きる道はないのでございます。死よりほかはないと思います。  われわれの砂川もようやく町になりました。この市街地へ持ってきて飛行場があるというのがそもそも矛盾しておる。それに今度五万坪も追加して、なおさら大きな飛行基地を作るということは、国会におかれましてもぜひとも考えていただきたいと思います。  この基地拡張はわれわれは百姓でよく知りませんが、戦争を前提とする基地拡張ではないか、われわれ農家の者も毎晩のように寄って深く研究をしておりおす。戦争をすれば爆弾は一番先にここに来ます。この大きな基地へ持ってきて原子爆弾を一発放されれば、われわれは息の根がとまるのでございますが、その爆弾の来るまでの苦しさがわれわれには思われるのでございます。右のような次第でございますので、このわれわれ農家の気持をぜひとも議員諸公にはおくみ取り下さいまして、今度の立川基地の砂川町への拡張ということは絶対に取りとめてもらいたいと思います。  結論といたしまして、万一この基地が拡張されるようなことがございましたならば、それこそわれわれは死んでしまう。それをどうしても強行するということは、政府はわれわれの命取りだと思うのでございます。それゆえにわれわれは死を賭してもこの基地拡張には絶対反対をするものでございます。われわれ農家が何がゆえに反対しておるかということを、議員諸公がおくみ取り下さいますれば幸いと存じます。御清聴ありがとうございました。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に天城仁郎君。

天城仁郎駐留軍要員

○天城参考人 天城でございます。ただいま問題になっております立川基地に駐留軍要員として勤務いたしております電波技術者でございます。  私は砂川町における基地拡張について主として非農家の立場及び砂川町としての立場から拡張絶対反対の理由を申し述べたいと思います。その前にお手元にお配りしてございます砂川町の略図につきまして若干御説明いたしたいと思います。  この略図にございます中央下部のところに立川基地と書いてあります斜線で囲まれておりますところが、現在の立川基地の部分でございます。そうしてその中央に入っております横線のところから上の部分が、今までに砂川町が飛行場のために食い取られた地域でございます。そうしてその右上方に斜めの長い線と横にある点線の部分がございますが、この部分が終戦後米軍によりまして強行接収せられたる地域でございます。そうしてその上に八百六十、七百三十、千六百と書いてありますが、これはフィートでございまして、その数字が入っておりますところが今般拡張をされようという計画になっているところだというふうに、朝日新聞は報じております。その新しく拡張を計画せられております右側に中学校、小学校がございます。その左側に郵便局のマークがございますところに町の郵便局、その下にまるの中にヤと書いてございますが、これは町役場でございます。そうして道路の反対側には町の鎮守様がございます。その隣に病院がございまして、その道路の向い側に警察の出張機関がございます。それからずっと左に向いまして小学校がございます。なおさらにずっと左上の方に横田基地と書いてあるところがございます。そのそばに小学校、さらに右の方に中学校、こういうふうな状態でございます。そうして立川基地の左の方に昭和基地と書いてございまして、その間がブランクになっておりますけれども、これは実際上重いものを運んだりなんかするのには適さないということになっておるわけでございます。  略図の説明はそのくらいにいたしまして、まず第一に申し上げたいことは、砂川町民は根本思想におきまして、もうこれ以上飛行場のために犠牲を払わされることを絶対拒否するというかたい決意を持っております。もし万一拡張が実施せられたような場合、直接に拡張区域内に当る人はもちろん、区域の外に取り残される人々に対しましても、その被害がどのように大きいかということはまことにはかり知れないものがあります。すなわち区域内の人々は、先祖代々何百年の間住みなれた土地を取り上げられ、家屋は移転させられるだけでなくて、祖先が眼っておる墳墓の地さえも失わなければならないのでございます。従いまして、この人たちは農家非農家を問わず、絶対に拡張には反対という意思を持っております。もちろん政府におきましては補償の点等についても十分考慮せられるということを聞いておりますが、従来そのような対象になった人々が行く末どうなったか、また当局がそのような人々に対しましてとられた処置等から考えまして、接収には絶対反対しなければならない。絶対に応じられないというのが区域の中の人々の信念でございます。  たとえば、終戦後米軍に強硬に接収されて、現在基地の中になっておりますところの農地の問題等にいたしましても、いまだに最終的な解決がついておらないということがございます。この農地は昭和二十年米軍の進駐と同時に強硬に接収されたところでございます。また私は教育委員をいたしておりますので、教育問題に対しまして若干関心を持っております。砂川の町立中学校に対しましては、政府当局におかれても防音施設をつけなければならないというようなことを言われております。そしてその申請が昨年度出ておるのでございました。ところが今回私たちが拡張反対の意思表示をいたしました後、すなわち五月三十一日に至りまして、ようやくその基礎調査を開始せられるような状況、さらにはまた砂川町におきまして米軍の車両の交通事故によって殺されたる砂川町民に対して、いまだ何らの補償の措置もとられておらない点、そういう点がその一例であります。また区域外に取り残される地元の人たちは、この土地に居住する限り、飛行機事故によって起るところの生命、財産の危険と、爆音、騒音の被害に悩まされなければならないばかりでなく、町の立場から見れば、滑走路が進出するという予定地が、この略図でもおわかりの通り、町の行政あるいは教育という中心部を貫いているのでございます。従いまして行政上教育上受ける甚大なる被害があるばかりではなく、町を二つに割られるというようなことに相なるのでございます。それでこの略図におきましては、拡張予定地が道路を切ってしまうように書いてございますが、新聞等により承知いたします調達局の考えでは、これは切るのではなくて、ゴー・ストプの信号灯をここにつけるというようなことを申されております。現在基地の中に周辺道路がございまして、アメリカの車両が基地の中を通りますのに、飛行機の離着陸するときに交通制限をいたしております。大型のC124の輸送機が十機編隊で来ました場合に、アメリカの車両が大体二千メートル続くほど交通制限を受けます。そういうようなことを砂川町に、アメリカの人たちと同じようにされたならば、われわれ勧め人の通勧の問題あるいは産業、経済その他の問題につきまして、きわめて大きな、はかり知れないような損害を与えるのでございます。このような見地から、砂川町の議会におきましては、満場一致をもちまして拡張絶対反対の決議をいたし、砂川町の存立を守るべく決意をいたしております。また婦人会、青年団、その他各種団体もこぞって基地拡張反対に立ち上っておるのでございます。  この際特に申し上げたいことは、教育に対する影響でございます。砂川町の教育委員会におきましては、基地拡張の問題が出ましてから、直ちに長い間にわたりまして種々検討をいたしました結果、基地を拡張されるということは、砂川町の教育を破壊されるということであるから、絶対に反対するというような決議をいたしております。これは飛行機の爆音が、現在では、この略図でもおわかりの通り、砂川中学校と約三百の民家に著しい被害を与えておりました。ところがこの略図にもありますような計画で基地拡張を実施されますと、新しく二つの小学校と、それから約二千の民家に著しい被害を与えることが予想されます。そうしてその結果、砂川町にありまする五つの学校は、立川基地あるいは横田基地からの爆音騒音等によりまして、著しい被害をこうむることになり、思考力の欠除した、記憶力の不足する落ちつきのない子供が激増するおそれがあるばかりでなくて、このような事態はすでに砂川中学校の生徒の中に発生しているのでございます。また一般家庭におきましても、昼夜の区別なき爆音騒音によって、子供が寝ないとか、ぐずるとか、それだけの問題ではなくて、おとなの間にも落ちつきのない不安定感を与えて、そのような面から社会教育の面、学校教育の面において、教育を破壊する点はきわめて大きなものがあります。このような大きな被害を受けながらも、なぜ私たちがこのところに住んでいなければならないか、そうして私たちが絶対反対を主張するゆえんと申しますのは、強い郷土愛があるからであります。郷土を愛する気持がなくして日本を愛する気持は絶対に考えられません。また今度の基地拡張が、性能の優秀なる航空機の出現によって要請されたものであるということを、政府当局の方から聞いておりますが、そうであるとするならば、この基地拡張は当然戦争を前提として計画されたものと思わなければなりません。町の周辺に飛行場があるということから、砂川町が戦争中に、また過去に受けた被害はきわめて大きいものでございます。この地図にございますところの拡張予定地の右の方、六、七、八、九と、こういうような数字が振ってあります地域は、元立川飛行機の疎開工場といたしまして、軍の飛行機あるいは飛行機工場の飛行機を隠して置いたところであります。そういうような理由からB29の集中爆撃を受けて、町はめちゃめちゃにこわされてしまったのでございます。こういうような面、そして私たちは家を焼かれ、肉親を奪われ、あしたの知れない生活を続けてきたことも、周辺に基地があるからという原因によるものでございます。そうしてそのような苦しかった過去をどうやらこうやら通り抜けて、今日平和のとうとさをわれわれが知りつつあるとき、再び戦争の準備のために町民の生活を脅やかし、町の存立を危うくするような基地拡張が行われることについては、戦後十年、太平洋戦争で散華せられた方々の死を意義あらしめるためにも、また日本人としての国民感情の上からも、砂川町民は平和を守るために一丸になって、命をかけても基地拡張に絶対反対いたします。終ります。(拍手)

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に木更津基地拡張問題に関し、石川儀一君。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 私は千葉県木更津市の木更津漁業協同組合長をやっております石川でございます。  このたびの拡張につきまして、直接私は損害を受ける被害者の一人でございます。お手元に木更津の参考資料がお届けしてございますからごらんになっていただきたいと思います。このたびの拡張はあまりにもひどい、無謀な、われわれ国民の権利を無視した計画だと思います。木更津航空基地は昭和十年に日本海軍の航空基地として設置されたものであって、昭和二十年九月に太平洋戦争終戦と同時に米軍が進駐して、現在も引き続き航空基地として使用中であります。今回この航空基地滑走路拡張のため、木更津市江川地区の安全地帯を、また木更津地先海面埋め立てを行うことについて、地役権の設定について通告を受けたのでありますが、これについて私がこれから申し上げますように、国土防衛のためとは申しながら、現に日本海軍航空隊設置に当って、海面と農地で約九十万坪を失っているのであります。でそれにもかかわらず、またまた今度海面十六万五千坪の拡張はあまりにもその犠牲が大きいので、われわれ漁民はひたすら、仕事も手につかず、飯ものどに通らず、日夜このことにのみ思いを過しておる状態であります。これを実施せられないように、関係御当局に対し請願や陳情をいたしておる次第であります。以下その反対理由を申し上げます。  木更津基地海面埋め立て並びに基地設定について。木更津海面使用によって、直接生計を立てている木更津及び木更津中央漁業協同組合に属する漁民及びその家族二千有余名は、この埋め立てを実施することになれば、これに伴い埋め立て周辺の地帯は潮流の異変を来たし、その年間の生計を立てている地域の、のり、貝類、海藻類の養殖採取、稚魚、稚貝の発生を妨げ、及び小型漁船による出漁不能となり、唯一の生活資源を失うことになります。なお木更津市外を貫流する小櫃川が氾濫するときは、通称ぬたという泥土がこの埋め立てされる北方に沈澱して、ノリ、貝類は全く死滅することになり、この付近に生れる稚魚、稚貝は絶望となります。またこの埋め立てによって出漁の不利に加えて、もし現在の航路の変更を必要とするごときことがあるとすればさらに多くの漁場を失うことになり、その影響する範囲が拡大するのであります。  次に江川地区地役権設定について申し上げます。江川地区は現在使用する航空基地をかって日本海軍が建設に当り、全耕地百九十町歩のうち約三分の二が買収されたため、同地区の農民百五十戸は零細農家に転落いたしました。太平洋戦争勃発に際し、昭和二十年三月十五日、その月一ぱいのきわめて短時日の制限で、制限疎開を命ぜられ、男子のほとんどが出征して不在であるときに、厳命に接したかよわい婦女子や老人のみでこの疎開を行なったが、戦争中のことであり、全くやむなくこの命令に従ったのであります。終戦となるや米空軍進駐して、前回同様航空基地として使用を始めるために昭和二十一年十二月十五日には軍の命令により家屋や防風樹木はもちろん、庭木に至るまで即時伐採が行われ、そのため電柱まで除去されたので、約十ヵ月も無電燈地帯となってろうそく生活を続けました。このような悲惨な生活を続けても、先祖伝来の墳墓の地を維持して、ようやく講和条約により安堵の胸をなでおろしたやさき、今度の安全地帯設置による四万一千坪の地役権の要求になったのであります。今家屋を移転するとしても移転をすべき場所もなく、農家としては農地を離れて仕事が成り立たぬので、日夜心痛をいたしておるのであります。  以上の通りで、江川地区地役権の要求並びに木更津地先海面埋め立て地役権の設定を実施されるときは、前述のごとく、この漁業を唯一の生活資源といたしておりますその大多数は失業することになり、かつ漁民の多くは貧困者であり、木更津市のごとき小都市においては市内にこれを吸収する施設がないので、他に転業の道もないため、これら関係者は日夜悲痛の気持で反対を叫びつつあるのであります。この拡張には千葉県民全体が一体となって反対をとなえております。どうか諸先生方にはこのわれわれの血の叫びをおくみ取りくださいまして、基地拡張を中止されるようお取り計らいを願います。(拍手)

高橋禎一日本民主党

○高橋(禎)委員長代理 次に白井三五郎君。

白井三五郎農業

○白井参考人 木更津市民大会の実行委員の一人でございます。農業協同組合長をいたしております。  木更津航空基地の拡張の埋め立て、また地役権の設定につきましては、木更津市においては全部が反対いたしております。市会においても反対の決議をいたしました。また千葉県議会においても反対の決議をいたしました。木更津市民はこれに反対の署名をいたしまして、一万九千の署名が集まりまして、当局に提出されております。市民大会も開催されまして、実行委員が選任されまして、いろいろとこの問題について苦労をしておる次第でございます。こまかいことは、水産関係におきましては、前参考人からこまかに申し上げましたから、私はその点はきわめて簡単に述べさせていただきたいと思います。  木更津市民の立場といたしまして、この問題が全市民に及ぼす影響がまことに大きいので、これを黙視することができないというのが一つでございます。そのゆえはなぜかと申しますと、この木更津市の中心部のおよそ二千家族を持つ漁民が漁業権を持っておるのでございますが、そのほかに持たない漁民が一千家族ぐらいございます。これは拾いノリとか、貝を取って販売するとか、貝を取って目刺しに加工するとか、いろいろ小さい規模の、また雇われて働く者もございます。そういう者を合せますと、直接に被害を受ける面の漁民の家族数は四千に近いのでございます。この四千の漁民が生活の資源を失って、非常に困窮に陥ることが必ず来たるのでございます。さような場合において、この木更津の今問題になっておる漁場は、お手元に出ております図面を見ていただきたいと思いますが、ちょうど元の木更津でありましたところの市街地の部分に属します漁民の集団地でありまして、ここが一番最良の漁場なのでございます。前参考人が申しましたように、養殖の仕事にまた稚貝、稚魚の発生に、いろいろの点について最良の漁場でございます。その最良の漁場を、図面にございますように、ななめに航路に向って突出されるのであります。一番よろしい漁場をななめに二分されます結果、この左右両側は水流、潮通りなどの関係で、肝心のノリ養殖がほとんどできないことになるのでございます。かようなわけで漁民に非常な生活上の打撃がきますことは、木更津の全市民に大きな影響がある。と申しますのは、木更津市は農民と漁民と千二百ばかりの商人と、そのほか勤め人などいろいろございますが、それらはほどよく共存の態勢をとっておるのでございます。しかるに、相当大きな部分の、しかも買わないものはノリばかり、きわめて消費の多い漁民諸君が生活の資を失いました場合に、木更津の商業にこうむる打撃は、まことにはかり知れない甚大なものがあるのでございます。かようなわけで、漁民の損失すなわち全市民の損失になるのであります。漁民に対する打撃は、全市民が救うべからざる打撃を受けるという関係になるわけでございます。こういう関係から見まして、私どもは全市民の立場から、どうしてもこの飛行場を拡張することを阻止していただかなければならない、絶対に反対しなければならない。これが一つの反対の理由でございます。  それから、私どもは日常生活において、飛行場がありますために、今まで非常に悩まれておるのでございます。すなわち間断ない強裂な騒音に悩まされる。またこのために教育に大へんに悪い影響を受けておるのでございます。これは教育当局がよく調査してわかっておるのでございます。木更津全市の学校がそうだというわけではございませんけれども、中心部の第一小学校、第二小学校、それから、巌根地区にある小学校でございます。三つの小学校においては、まことに甚大なる悪影響を受けておるのでございます。そのほかに風教の問題についても、まことに好ましからぬ影響を受けておりまして、これは私どもが常に全市民とともに嘆いているところでございます。かようなわけでございますから、占領中は仕方がないけれども、講和成立後は一日も早くこれが撤廃されることを待望しておったのでございます。  しかるに今回さらにこれを拡張する計画があるということを承りまして、今までさえももし戦争が始まった場合には基地は攻撃の目標になる。すなわちおそろしい原水爆攻撃の目標になると直ちに私どもは考えるのでございます。これを考えました場合に、まことに不安、危険の感に耐えられないのでございます。おそれおののくのでございます。かような次第でございますから、一日も早く撤廃してもらいたいと待望しておったところ、今回これをさらに拡大いたしまして、もっと性能のよい飛行機をたくさん飛ばすというようなことを承わりますと、今後ますますここがもしもの場合に攻撃の目標になる公算が増大する。原水爆に木更津市民の生命はさらされねばならない、かような想定をするのやむを得ないことになって、市民はまことにおそれおののいているのでございます。これは反対とかあるいはこんなことは絶対にやうせないとか、いきり立てて運動をしたりいろいろと行動する人はたくさんございますけれども、しかしそうなし得ない人もあるのでございます。なし得ない人があるからといって、これを承認すると思っていただいたらたいへんな間違いでございまして、なし得ない人は、なし得ないほどこれを嘆き、これを悲しんで、非常に熾烈な反感を胸中に抱いているということをわれわれは考えるのでございまして、先生方にもまたこれを考えていただきたいと私は思うのでございます。  かようなわけでございまして、この点からもぜひともこれを先生方に十分に御理解をお願い申しまして、これを阻止していただきたい、やらないことにしていただきたいというのが、全市市民の痛烈な声であります。全市民の中には何も言わない、大へんなことを言って何か災いでも起るといけないという考え方から、もしどなたかお聞きに行っても、これを言わない人があるかもしれない。これは弱い市民もございますから、言わない人もあるかもしれないけれども、ほとんど全部――パンパン屋と申しますか、街娼屋といいますか、そういう営業で多少うまい汁を吸っている人は、先行き命がどうあろうと現在幾らかもうければいいという気持になっている人もわずかあるかもしれませんけれども、これはほんの万分の一か千分の一にしか当らないのであります。一般の市民は熾烈にこの飛行場の拡張に反感を持っております。しかるにこういうことが伝わって私どもはおびえているのでございます。それはわれわれがどう騒いでも、強制収用によってこれを強制的に施行されるだろう、こういうことを聞き、またこういう疑問を持つものがございますが、私どもはそういうことになったら大へんだと思います。私どもは日本は独立国だということを教えられ、いわれておりました。また日本には憲法があるということも聞いております。しかしこういうことが今行われる。われわれがおそれおびえているような、強制をもって自分たちの持つ漁業権なり、居住権なり、所有権なりを強奪されるというならば、これは私どもは憲法治下の国民でなく、どこかの植民地の一部だと考えるよりほかはしようがない。私どもは植民地の国民だと信じたくない、また信じさせていただきたくない。どうぞ私ども木更津の市にも憲法は適用される、通用するという信念を持たせていただきたいのでございます。  それから巌根地区のことについて前参考人から申されましたが、私このことに関係したことがございますので、その悲惨な事実の一端を申し上げさせていただきたいと思います。ちょうど私が木更津で市会議長をしておりましたときに、駐留軍――そのときは進駐軍と言いましたが、その問題以後進駐軍と言ってはならぬと言われました。この占領軍から、三メートル以上の樹木をみんな切り払え、高い耕作物は全部取り払えという命令が来たのでございます。この命令が来ましたけれども、これを伝達する人もまことに気の毒でなかなかうまく言えない。海岸に住んでおりますから家の周辺には防風林がなければいけない。それを裸にせよと言う。途中から切れといってもなかなか切れるものではない、勢い根元から切らなければならないし、裸になってしまうことでございますから、おっくうで気が進まないので、じんぜん幾日かおくれましたところ、進駐軍からきびしい命令が参りまして、当時の市長山崎直氏は驚いて辞表を出してしまった。辞表を出して逃げられてしまっては困るというので、私議長としてその辞表を預かりましたが、しまい込んで持っておって、そして副議長とともにその事態を伝えまして――あらわに伝えたら大へんですから、そうあらわには伝えられないけれども、急を要するから急いで木を切り倒してくれ、耕作物を片づけてくれ、こういうふうにお願いいたしまして、三日ぐらいの間にそれができたのでございます。そのときの駐留軍の命令の内容はこういうことだったのでございます。そちらで片づけないならば当方で片づけるであろう。当方で片づけるには一時間も要しないであろう、これは公然に言ったのでございますが、その内容は焼いてしまうぞというたのだそうでございます。そういうおそろしい命令を受けまして、江川地区の住民は木をことごとく切り払ってしまいました。それから電燈は電柱でとっておったのでございますから、一時まつ暗やみになりまして、一年足らずの間はまつ暗な生活をしておりましたが、その後地下埋設線でもって電燈を引くことができるようになりましたが、それについてはまことに惨たんたる苦心と大きな犠牲を払ってその電燈をつけることができたのでございます。さようにして辛うじて現状を維持しておる場合に、また立ちのきを内容とする地役権の設定という問題が起ったのでございますから、まことにこの地区の方々の心境やいかんと、察するに余りあるのでございます。  かようないろいろの内容を含んだ木更津市に対する基地拡張でございますから、木更津全市民はどうしてもこれを納得することはできない、受け入れることはできない。たとい三十戸にすぎない住民といえども、二度も三度もけられたり、踏まれたりして、今度立ちのかなければならないというような、こんな悲惨な目にあわされることを坐視するに忍びない。どうしてもこれは中止していただくよう先生方にお訴えしなければならない、御明断にお訴えしなければならない。木更津も独立国の一部分だ、木更津市民にも憲法は通用するということを信じさせていただきたいと、私は切にお願いいたしまして、まことに乱雑でございましたが、これをもって私の陣述を終らせていただきたいと思います。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 午前の会合で外務省から欧米局長と国際協力局長の出席を求めてあります。また西田労働大臣の出席を求めてありますが、どうなっておりますか。いまだ見えないから、至急に連絡して出席するようにお願いいたします。

高橋禎一日本民主党

○高橋(禎)委員長代理 田原君に申し上げますが、労働大臣は社会労働委員会に出席し、それから予算委員会の分科会に出席しておるので、ちょっとこちらにお見えになる時間が明確でないわけです。その他の方は間もなくお見えになると思いますから御了承願います。次に小牧基地拡張問題について参考人の陳述をお願いいたします。加藤諦進君。

加藤諦進小牧市長

○加藤参考人 私は小牧市長の加藤諦進であります。総体的に今日の状態を申し上げるならば、基地拡張に対しまして絶対反対であります。その理由は終戦直前に日本軍によりまして接収せられました数十戸の農民は、一昨年、すなわち二十八年におきまして、これが美田を再び接収せられて小農へと転落したのであります。それが三度接収せられますならば、この農民は農家として立ちゆくことはでき得ざる状態であります。現在の不景気の状態において転業は農家としてはなはだ困難であり、しかも特別の技能を持たざる者は、将来いかにすべきかということについて非常に苦慮しておる状態であります。なお二十八年のときに米軍の兵舎として接収せられましたるその農家は、今日約二年になります。その当時としては相当額をちょうだいしたという状態でありましたが、古い言葉ではありますが、小人閑居して不善をなす、こう言います。なるほど小さい農家に転落しました関係上ひまがあります。かるがゆえに青年は競輪、競馬にこり、あるいはほかの者は生活の資に充てて、今日においてはその者は零にひとしい状態であって生活は困窮しておるのであります。かるがゆえに基地拡張は反対であります。なお市長としても第一次、第二次、今回で第三次にかりに拡張接収せられますならば、市といたしましても莫大なる固定資産税を永久に失うことになり、それに伴う町民税の減額ははなはだしいものがあります。かるがゆえに反対するゆえんであります。どうか議員の諸先生、政府当局におかれましては、われわれの苦衷を察せられまして、これが善処方を懇願いたしまして私の報告といたします。

高橋禎一日本民主党

○高橋(禎)委員長代理 大野春吉君。

大野春吉農業

○大野参考人 小牧基地周辺の北里村農民の大野春吉であります。お手元の記録並びに陳情書、この第一ページをお開き下さいますと略図が載っておりますから、これをごらんになりながら説明を聞いていただきたいと思います。  去る三月二十六日、名古屋調達局より口頭にて、小牧飛行場拡張につき、土地などについて四月一日より立ち入り調査をいたしたいとの申し入れが、飛行場周辺の小牧市、春日井市、北里村、豊山村、楠村の二市三ヵ村へもたらされました。その直接被害総面積約百町歩、家屋移転が約四十世帯、関係農民約三百世帯に及びます。もしこれが伝えられるごとく拡張せられましたならば、関係農民は祖先伝来の哀惜おくあたわざる土地家屋は申すに及ばず、祖先の霊のこもる墳墓の地まで滑走路にされ、生活の根拠を根底からくつがえされ、農民にとってこれ以上の不幸はありません。ことに小牧飛行場周辺は全国にもまれなる肥沃なる農地にして、人口密度もきわめて高く、従って耕作面積も平均六反前後であります。中でも被害の最もひどい私の住んでいる北里村上小針、市之久田両部落においては、小牧地区への出作を合せると、約五十町歩余りの土地がつぶれることになります。この両部落百三十世帯の農民は三反以下の零細農家になります。ひどい人は全く土地がなくなってしまいます。また春日井市の関係農民も二十四世帯で十七町歩を取られ、わずかに六町歩以下の土地が残る実情であります。豊山村青山部落におきましても三たびの接収にて全部の農地を失う者がきわめて多く、農民の生活の根拠は全く根底からくつがえされます。また前にも申しましたごとく、周辺農民が過去の飛行場設置及び拡張にて密住している関係上、六反百姓のところへ割り込めば共倒れとなります。われわれ農民は、現在五反百姓でも、くわと備中を持つならば、子々孫々にまで生きる道を伝えることができますが、金をもっては孫子末代までどうして生活を保障できましょうか。それについては最も手近によい実例があります。  先ほども小牧市長から述べられましたごとく、昭和二十八年に小牧飛行場施設用地として南外山地帯十四町七反歩余りが、当時の時価二十六万四千円で接収され、総額約四千万円の巨額が関係農民の手に渡りました。農民も当初は祖先が汗とあぶらで築いた農地の金としてきわめて大切に四千万円の約九割余りは小牧農協へ預金いたしましたが、一昨日、出発に当って私、農協へ参りまして直接にこれを尋ねてみますと、その預金総額の約七割はすでに引き出されてしまっている。また出発当日、南外山の関係農民が私のところに来られまして、わずか二年でこの通りだ、今度は金では絶対だまされぬぞ、拡張は絶対反対だとくれぐれも私に申したのでありました。これをもってもことわざのごとく、土地は万年、末代までも、金は一時の夢であるとはっきり申し上げることができます。  次に今度の拡張計画で最も被害の大きい北里村上小針、市之久田両部落は滑走路の延長線上にありますから、現在ですら爆音のため屋根かわらはゆるみ、天井からほこりが落ち、また爆音のためはらわたをえぐられる状態であります。従って日夜われわれといたしましては、神経を休ませるときはありません。初めて来られた人たちは耳と目を手でおおって、身をかがめてこのおそろしさを避けます。それでもわれわれ関係農民は、この祖先の土地を守りたい一念並びに生活のために、一度も小言を申したことはありません。これがさらにこのたび拡張されれば、直接の移転は三十世帯前後でありますが、その隣続きになっているわれわれ両部落の残りの百三十世帯は、一そう身近に爆音と危険が迫り、どうして生活ができましょうか。現に二、三ヵ月前にも青山部落にジェット機が落ち、夜中には大山川の堤防にジェット機が墜突いたしております。また春日井市でも危険区域外の本田さんの民家に翼をひっかけて焼いております。私たち北里村でも電話線のケーブルを切断し、電柱二本をへし折っております。また標的引用のワイヤーにてあのわれわれの命の綱と頼んでいる稲株を根こぎにしております。さらに補助タンクの落下だとか、あるいは一番おそろしい、あの爆弾をあやまって落したこともあります。幸いにこれは不発弾でしたから、事なきを得ましたけれども、付近の住民をどれだけ驚かせたかということは、御想像いただけると思います。一応滑走路を延長することによって安全になると申されているそうですが、だれがこの万が一を保証できましようか。  なお爆音の被害の例をあぐれば、今までの方々も申されましたように、学校については防音装置も考えられてはおりますが、現在の設備では先生の話が全く聞えない、あるいは防音室へ入りますと、刻々と温度が上って、一時間どころか三十分でも汗ずっぽりとなって子供は聞いてはおれないと申します。その上に家へ帰れば、学校よりも滑走路の近くでなおさら爆音がひどく、復習どころか、考える気力もなくなっている状態にて、将来の子供を思うとき、いかにしたらよいか困り果てております。また一方病人などにおきましても、両部落においては、自家療養ということは全く不可能であります。従って最近ではほとんど全部親戚か病院へ病人を移しております。現に私も四十日余り親戚で療養した一人であります。またなおるはずの病人が寿命を縮めたり、全快が長引いたりした事例も多々あります。一週間前、ここにお見えになります調達庁長官に陳情に参りまして、帰ってきますと、私の隣三軒へだてております奥さんがとうとう他界されましたが、なくなられるときにいわく。自分はあの滑走路の延長線上にある墓地へは埋めてもらいたくない。骨にして本山へ納めてもらいたい、こういう遺言がありました。その通り行われましたこの実例を見まして、私たち涙なくしては語れません。また生後間もない乳幼児などは、とても爆音下での養育はできません。子を持つ母は、そのたびごとに里へお世話になり悩んでおります。ことに最近最も困った奇現象として、特にお聞きいただきたいことを申し述べますと、私たち両部落へは嫁の来てがなくなったということであります。飛行場拡張の話が持ち上るたびことに、せっかく話の進められていた縁談も全部破談になり、また飛行場の問題が片づくまではと延期されて、年ごろの青年を持つ親は全く困り抜いております。若い青年もこの実情に悩み抜いております。それにも増してなお困ることは、基地周辺につきものの風紀の問題であります。これまた子女を持つ親は、いかにして善導すべきか困っております。  最後に小牧飛行場拡張工事について、政府当局も米軍側も、ともに困難視されている飛行場北辺を流れる大山川の河川工事の問題であります。この図面を一つごらんいただきたいと思います。過去二回、昭和二十三年と二十七年は雑工事という理由のもとに取りやめになっておりますが、しかし今回は伝え聞くところによりますと、暗渠工事あるいはスチール・パイプ計画、あるいは迂回計画などを立てられ、一応技術的には可能な線が出ているとか聞いております。平時には手を洗うにも事欠く程度しか水が流れていない、そういうせせらぎでありますが、一たん梅雨や台風の季節あるいは雷雨のときとなりますと、上流がはげ山が続いており、しかも天上川である。この特色として、例年甚大な被害を周辺に及ぼしております。ことに昨年七月十四日の豪雨の節は、上流は数ヵ所決壊しました。この飛行場周辺は決壊をまぬがれましたが、降りたまった雨によってこの写真のごとく、周辺一面ことに今度の飛行場用地は、私たちの背たけも立たないほど水びたしとなりました。これは周辺へ小牧の高台から流れ込んだ水だけです。大正十四年のときは百四十間も堤防が切れました。そうして昨年度はこの川のあふれた水だけで、飛行場内は申すに及ぱす、周辺一帯が写真の通り大洪水でありました。この大山川の性格は、過去治水に苦しみ抜いた周辺の農民以外は実情を知るものはありません。もし伝え聞くごとく河川工事が技術的には可能になりましたにしても、この工事が行われました暁には、周辺農民の水害は申すに及ばず、昨年度のごとく飛行場の大洪水も明らかなものであります。現に過去において行われた飛行場周辺の灌排水行事の実例を見ましても、技術的には絶対いいといって行われた工事が、いずれも失敗に終っております。例をあげますれば、春日井市など、雨のたびごとに洪水に見舞われて、ところによっては油が河川や井戸の水にまで出て困り抜いております。また豊山村、楠村、小牧、南大山におきましても、灌排水の問題で全く因っている実情であります。さらにここに一大軍事基地が拡大された暁には、一たん事変の起ったとき敵機の一大爆撃目標になることはわれわれしろうとが考えても明らかな事実であります。その節に周辺の住民は申すに及ばず、人口密度の高い愛知県としては甚大の被害を及ぼすことは明らかであります。  以上いかなる角度から考えても、われわれ周辺農民としてこの飛行場拡張は絶対に反対であります。去る五月二十一日のCBCの録音放送の節に、家屋並びに一町三反の全耕地をとられる八十歳の石黒宮三郎氏は、われわれの祖先が幾代かかって土一升、金一升、汗とあぶらでこね上げたこの農地をどうして渡せるか。子どもや孫のことを思ったら殺されてもおれはここでがんばって動かんぞと、涙ながら放送されました。また村の子どもは子どもなりに尾張民族発祥の地である氏神様へ、拡張反対祈願をしたり、あるいは基地拡張反対のむしろ旗の出し入れを毎日の日課にしております。このいたいけない子どもたちの実情をながめ、関係農民は政府が法をもっていかなる態度で出られてもあくまでも絶対反対である、暴力抵抗をしてでも、殺されてでも、子孫のためにこの尾張民族発祥の地を死守すると、かたくかたく決意を固めております。また一昨日六月一日の、周辺二市三ヵ村の連絡対策委員会においても、同一歩調で絶対反対を決行するように決定いたし、ますます反対の決意はかたくかたくなっております。  以上小牧周辺の関係農民を代表して、拡張絶対反対の決意を表明いたしましたが、どうか国会議員の先生皆さん方、この国際問題は超党派的にお考えいただいて御善処賜わりますよう、切に切にお願い申し上げまして、私の話を終りたいと思います。(拍手)

高橋禎一日本民主党

○高橋(禎)委員長代理 次は大高根村射撃場問題について参考人の陳述をお願いします。細谷富士郎君。  細谷君に申し上げますが、大体十分間程度で陣述をお願いいたします。

細谷富士郎農業

○細谷参考人 私は大高根村射撃場関係にある白鳥更正同志会長細谷富士郎というものであります。最初に経過を申し上げましてあとに決意の一端を申し述べさせていただきたいと思うのであります。  大高根村射撃場につきましては、昭和二十年九月神町のキャンプに進駐になったのであります。ついては昭和二十一年十二月三十日接収になりました。その接収面積は、国有地は三千百七十五町歩、民有地一千五百六十二町歩、合計四千七百三十七町歩、内訳を申し上げますと、ことに射撃のために最も損害を多くこうむっている土地の面積を申し上げてみます。民有地で五百二十八町歩、そのうち田十町五反、畑は二十八町七反、開拓地が約四十町歩、この開拓地四十町歩のうちに入植者がありましたが、昭和二十八年に至りまして入植者は入植していることができないので、二十八年の末に茨城県の本新島という場所に移転になりましたのです。山林が四百四十八町八反、面積は以上のような状況にあります。昭和二十二年の八月、私のおる部落は宮ノ下部落というところですが、ここに直撃弾が五回ありました。そしてぼくの家から約十間ばかり離れたところにある柿の木の枝に直撃を食いまして、われわれの住家に爆風あるいは破片、ひどい家になりますと、たんす、長持、鏡台、針箱、そういうものが相当に被害をこうむったのであります。この五回の直撃がありましたが、運がいいか悪いか知らないが、いまだに人畜には被害はございません。ぼくのうちから十間ばかり離れたところに直撃を食った時刻は、ちょうど十二時ちょっと過ぎ、ぼくがお昼の飯を食べ終っておぜんを片づけ終ったときに、すばらしい音がしたのです。それでびっくりして飛んで外に出るとそういう状況でありました。昭和二十一年より二十八年までの間に、この戸沢地区内部の部落には約十五回直撃を食っておる状況であります。なお二十一年より二十八年までには農地あるいは部落中を合せると、砲弾の破片は四十個も落ちておる、こういう危険なる状態であります。  次には死亡及び負傷者の状況を申し上げてみたいと思います。昭和二十六年の六月、加藤謙三、中里幸子――小学校の学生さんですが、これは死亡しました。同時にそのとき遊んでおった子供が一名負傷したのです。次に二十七年の十月三日、中里市見――おとなの男の方ですが、これは死亡し、二名負傷いたしたのです。昭和二十八年の四月八日、山火事によりまして進駐軍が二名死亡、負傷者一名、こういうこともあったのです。なお昭和三十年の四月二日には石川広というおとなの人が一名死亡したのであります。こういうような死亡、負傷の状況であります。次は昭和二十七年五月、演習の砲弾のために約三百町歩の山火事が起ったのであります。なお昭和二十六年の七月には山火事で約二町歩も焼かれたのです。  こういう事情で実弾射撃は年々激しさを加えまして、あるいは防衛道路の整備中であり、使用するところの砲弾は年々大きくなり、住民の危険なる状態を年々増大して参りました、こういう状況であります。  次は補償金について申し上げてみたいと思います。補償金は、これまで受け取りました合計金は約五千九百七十五万七千三百七十七円、この内訳を申し上げますと、借り上げ料金で千四百五十万六千五百二十四円、離作料金で百五十八万七千六百三十二円、立木中間補償金が三千百二十九万二千三百二十七円、雑産物の減産補償金八百七十八万七千八百十四円、弾道下の見舞金が三百五十八万三千八十円、これは大高根村射撃場全区にわたった補償金でございませんので、この金額は戸沢地区による損害補償金でございます。  次は行政協定の第十八条関係によります補償金について申し上げてみたいと思うのです。合計金額は百三十一万七千五百三十三円、この内訳は昭和二十年より昭和二十六年まで事故件数百九件、見舞金が百十三万五千四百八十四円、この事故の理由は大体大きく申し上げますと、直撃弾による損害一つ、次は交通上の事故、こういうようなものに対する見舞金でございます。昭和二十七年、事故件数七件、補償金は三万五千三百六十三円、昭和二十八年の事故件数は二十四件、補償金が七万九千三百四十八円、昭和二十九年、事故件数は二件、ほかに申請中のものが二十五件残っております。補償金は六万七千三百三十八円、以上のような関係でございます。  次には借り上げ料金の協議及び口約に関しまして、これは調達庁との関係でございますが、これを若干申し上げてみたいと思います。昭和二十八年よりの農地及び山林、原野の借上料を決定するについて、調達庁と山形県の外事課と所有者とこの三者が会って協議をいたしまして決定することに口約がなっておったのであります。ところが農地につきましては決定になりましたが、山林、原野についてはいまだに決定になっておらぬような状態でございます。  次に契約について一言申してみたいと思います。これは昭和二十七年、八年の契約はせずに使用しているのです。そして二十七年と八年の契約は二十九年の三月二十六日より三月二十九日まで四日間にわたって、われわれの宮ノ下という部落に調達庁の係の方がおいでになりまして、ようやらやっと調達庁さんの言う契約してほしいという理由は、一つはいわゆる無契約でこれまで使われた、だからこれから使うのじゃないのだ、使われたものの借り上げ料をどうしても受け取ってほしい、なぜ受け取ってほしいかというと、調達庁で借り上げ料の整理をするのにはなはだ困った、それでわれわれに推し進めたわけなんです。それで所有者は十分考えまして、そういうならばわれわれは貸すというような意思は毛頭ございませんが、借り上げ料を整理するのははなはだ困る、こういうお話ですから、それならばやむを得ぬだろうというので、二十七年と二十八年の契約を、二十九年の三月二十六日から三月二十九日まで四日間にわたって、ようやらやっと調印をしたのでございます。それでその当時は一週間のうちに借り上げ料をお渡しする、こういう約束があった。だが一週間が一カ月たってもまだ来ない、こういうような状況です。現在ではちょうだいしておりますが……。  それから昭和二十九年の九月二十五日に仙台の調達局長の磯さんという方と、われわれ白鳥更生同志会との間で口約したのであります。宮ノ下の部落に権現堂という氏神があります。ここを会場にいたしまして口約をいたした。どういう口約かといいますれば、過去の損害を清算すること。そうしてその後にお話し合いがあるならばお話し合いをしよう、こういう口約をいたした次第であります。そこで今日考えてみますと、このときの口約の過去の損害の清算というものは、いまだにわれわれの目につくようなことはございませんのです。そういうような状況でありまして、はなはだこう言っては侮辱かもしらぬけれども、同志会といたしましては、あるいは関係者といたしましても、調達庁の誠意が那辺にあるか疑わざるを得ないのです。いわゆる国家機関であるこういうりっぱな官庁に対して、はなはだ侮辱かもしらぬですが、どこに誠意があるか、はなはだ疑わざるを得ない。  なおそこでこの土地問題について、借りておるとかあるいは使う権利がある、こういうような調達庁さんの話ですから、そこで困ったというので、いわゆる昭和二十九年の十月十一日、山形地方裁判所に土地の明け渡しの請求訴訟をいたしたのであります。今日なおこの問題は判決には至っておりません。  次に使用認定が参りましたので、これもわれわれは貸しておかないのだから、昭和三十年五月九日において、東京地方裁判所に使用認定の行政処分の取り消し訴訟をいたした次第でございます。  大体以上のような経過で、これらをひっくるめて申し上げますならば、昭和二十一年以来、進駐軍の実弾射撃演習及び着弾地として接収されましたのです。そうして連日連夜の実弾射撃はわれわれの頭の上に並びに住家の上を昭和二十八年まで飛び、部落内にはこれまでに、先ほど申し上げたような、直撃五発も受けておる。一日の疲れを直す睡眠も、砲弾の炸裂によりまして熟睡を妨げられます。なお子を持つ母、あるいは先ほども申し上げた方もあったと思うが、病人などの場合においては、ほんとうに言葉では言い現わすことはできない状況でございます。また先祖より伝わるところの大切なる田畑及び山林原野はすべて着弾地になりました。もちろんわれわれのところは農山村と申し上げた方が、内容から言うと適当な名前ではないかと思う。農山村民にとりましては命の親と信ずるところの農地山林は演習場となりまして、われわれ演習場内に立ち入り禁止ということは十分承知はしつつも、今まで演習のないときには出入りをし、食糧の生産、薪炭の生産に専念をいたしまして、生活を今日まで続けて参りました次第でございます。しかるにわれわれ農民の生活の基盤である農地山林を地ならしし、砲座、銃座を新設するとの由、かかる状況に追い詰められましたことは、死を待つ実情と言わざるを得ないのであります。われわれのみがその犠牲に耐えなければならないのでしょうか。その犠牲はひとしく国民同胞のわけ合うものと信じて疑わないものでございます。しかるにわれわれ今日まで国家に対し絶大なる犠牲と協力をして参ってきたものであります。今後従来以上にわれわれの犠牲をしいようとする挙にあることは、今後生活の根拠を奪われ、とうてい忍び得ないことであります。これによりまして土地の提供は絶対できぬ次第でございます。  はなはだ乱暴でございましたが、これをもちまして参考意見を終りたいと思います。(拍手)

高橋禎一日本民主党

○高橋(禎)委員長代理 大沼謙伍君。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 私は大高根射撃場に住まいしておる大沼と申す者であります。  前の参考人が申し上げましたごとくわれわれ大高根射撃場付近に居住する農民は、終戦後接収以来献身的な協力をなしてきたものでありますが、政府におきましてはわれわれに対して一回の補償すらやってくれない。演習場、着弾地を見ます場合には、不発弾が至るところに数十発ごろごろしております。われわれ農山村にとりましては、田畑あるいは山林の収入によりまして生活の基盤をなしておるのでありますが、その山菜を取りに行きまして、学校生徒が死亡したり、あるいは生活困窮のために弾丸の破片を拾いに行きまして多くの方が生命を失った。その他いろいろ協力した例は多々ありますが、何ら調達庁としてはわれわれのそのような協力に対しまして、好意をもって報いてくれない。また今回総理大臣が演習場として使用認定を発せられまして、われわれの先祖より伝わる大事な農地を演習場につぶさんとしておるのであります。われわれ百姓は農地なくして絶対に生活が成立しません。百姓が金を持ったにしても生活することができないのであります。先祖が汗とあぶらとによってわれわれに伝えてくれたあのとうとい農地が、米軍のためにつぶされる、そんな非常識なことはあり得ない。われわれはあくまでも先祖から伝わったとうとい農地を断固守り抜く固い決意を持っておるものであります。調達庁の係官が去年私の村に来られまして、こういうことを言っておられました。借り上げ料が安くて生活ができなかった場合は、生活保護を受けて生活をやってくれ。私は敢然と立ち上ってぶんなぐろうとしました。しかし会員の皆さんに押えつけられまして座にすわったようなわけなんです。私は一介の百姓でありますが、生活保護を受けてまでも生活しようとは思っておりません。百姓の使命は農産物を豊富にとって国民の皆さんに供給するのが最大の使命であると私は考えております。それにもかかわらず生活保護を受けてまでも米車に演習場を提供したらどうだ、その調達庁の係官の言葉は言語道断、あまりにも残酷な言葉であると断ぜざるを得ません。それから契約条項の改正の問題につきまして、私は、あまり不合理な点があるから訂正できないものでしょうかと言いましたところ、おそらく自由党が政権をとっている以上は契約条項を変更することはできないでしょう、またそんなばかな契約書を作るのは自由党だけだ、そういうことを言った係官がおります。全くそういう暴言を吐く調達庁がおる限りは、百姓、ことに農地に関係あるわれわれは安心して生活することができません。接収以来三つの砲座から連日連夜昼夜を問わず弾丸を撃ち込んで、宮ノ下部落は着弾地より六百メートル、境界線より三百メートルの距離にある関係上、流弾が炸裂しますと村の中央にはね返ってきます。そのために今まで何十人かの負傷者を出しております。また田畑の耕作に行きました場合、直撃弾を食って血みどろになって逃げ帰ってきた、そういう実例もたくさんあります。小学校の生徒なども、先ほどからよその基地の参考人がおっしゃられておりましたように恐怖心と申しますか、落ちつかない。学校に行っても熱心に先生の教えを聞こうとしない。そこで学力はよその学校よりもずっと下っておる、そういうことを先生もおっしゃっておられます。また学校に登校する場合、進駐車の自動車が八十台から百台くらい連らねて参りますので、登校時間がおくれます。おくれても学校ではおくれたことにはしない、そういうことにまでなっておるのであります。またヘリコプターや飛行機、炸裂音、発射音等によって学校のガラス窓が響きをなして、教育上非常な支障を来たしておる。それから灌漑水路の面に至りましては、山という山は岩盤が全部露出しております。そのためにちょっとした雨でも大洪水になりまして田畑を埋めてしまう。それからジープがどんどん通りますので、家屋に、突っ込んでいって家屋をこわしてみたり、あるいは道路のみぞを破壊するようなことが多多ありまして、われわれ関係者としては非常に困っているようなことであります。第一に調達庁というのはどうも日本人らしくない、私はそう考えます。日本人同士がお互いに約束をやりましたなら、必ず実行できるものを確約しなくてはならぬはずです。私は断じて約束したことを履行する自信を持っております。調達庁はそうではありません。われわれを百姓と思いまして――やはり調達庁さんの見るように一介の百姓であります。しかし日本人には変りはありません。先ほど来参考人の方が申されましたが仙台の局長と去年口約をやりました。その問題をいまだに解決しておらぬ。借り上げ料の問題もしかり。調達庁のやることすべてがそういう状態であります。われわれはこれまで協力をしてきたにもかかわらず、そのようなことでは今後安心して生活ができない。それに引きかえ、また五十町歩を拡張しまして、農地をならして米軍の演習場にせんとするようなことは、われわれ農民として絶対に許すべきではありません。調達庁では安保条約によってこうするんだと言っておるようにわれわれは聞いておりますが、私は一介の百姓ですから法律も何も知りません。が、しかし日本国なら憲法があるはずです。憲法よりも安保条約が優先するのでありましょうか。私は断じてそういうことはないと思います。個人の人権を侵害してまでも米軍に演習場を提供しなくちゃならぬという理由は那辺にあるかということを、私は調達庁にお聞きしたいのであります。われわれ百姓は断じてわれわれの先祖より伝わる農地を守り抜きます。議員各位の絶大なる御後援によりまして、われわれ百姓をお助け下さるようお願い申し上げまして、私の話を終りたいと思います。(拍手)

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に小倉旧城内道路解放問題について、宮野竹松君。

宮野竹松薬種商

○宮野参考人 本日御招待いただきまして、各議員さんまた関係の係の皆さんにごあいさつ申し上げます、ありがとうございました。  小倉市旧城内道路解放に関する運動の要綱は、配付いたしてありますが、この中で問題は福岡県小倉市、この中心にあります元小倉造兵廠、偕行社、記念図書館、それから八坂神社などの所在地一帯を接収されたのであります。小倉市の東西の地区を結びます市道、旧軍への時代にはこれを自由に通行することができましたけれども、昭和二十一年にこの地帯が接収されまして、通行を禁止されたのであります。しかも民間側に何らの予告もなくして禁止されたのであります。それでこの道路の通行禁止のために二十四万市民にどれだけの被害があるかと申しますれば、まず通学をしますところの児童が五千人、勤労大衆は朝晩通いまして五千人、これらを合せまして一万人であります。従いましてこれら中小企業者の運搬するところの自動車、トラックあるいはリヤカー、自転車におきまして、すべて一万という台数が通るのであります。小倉市は、御承知の通り電車道と道路ぎわが狭いために、夕方あるいは朝方はほとんど人間の通る場所さえない、そういうところでありまして、この道路を開通しなかったならば小倉市全市はほとんど暗やみになるような状態であります。これが市民にとって交通路の第一の被害であります。  さらに火災なんか起きますと、東部から西部に参ります消防自動車が、直接来ましたならば三分二十秒であります、大回りするために非常に被害を受けておるのであります。従いまして、そういうような状態でこの道路は非常に重要道路でありまして、再三再四市会側も市民側も、調達局や各官庁に陳情いたしましたが、今日までもこれが解決に至っておらないのであります。  次に城内解放につきまして、この道路を市民は一日も早く解放することを要求いたしておるのであります。この周辺におきましては――御承知の通り小倉市には中央の公園が一つもありません。公民会舘がありません。従いまして青年層の教育をする場所が全然ないのであります。これらにおきましても、係官におきましてはこの実態を十分お調べを願いまして、そうして一日も早く城内解放を促進していただきたいのであります。  一方、道路を基幹とする都市の計画におきましては、大門砂津線の現在の新しい計画はありますが、これにつきましては、国家補助をもって建設するという行政協定によってこれが実現しつつありますけれども、今日までこの国家補償金さえ小倉市に与えておりません。議会側もたびたび中央に参りましてこの事情を述べておりますけれども、御承知の通り今日までこれが未決定であります。これらの問題も市会側あるいは市民も一丸になりまして陳情いたしましたから、一日も早くこれを解決してもらいたい、このように考えるのでございます。  それから他にたくさんな陳情も申し上げたいのでございまするが、御承知の通り本日の会議に参考人として全国から呼ばれましたのが一市において二十万、私たちも一十四万、合せて百万の代表者が参考人として呼ばれておりますけれども、本席に私は小倉から参りましたが、この国会におきまして実に残念なことは、ここに調達局も官庁側も見えてないということにつきまして、私はほんとうに悲しい思いをするのであります。私どもは熱心に皆様方にこの事情を訴えまして、お互い国民同士でありますから、一日も早くこの市民の世論あるいは市会議員の世論、こういうものを反映していただき、ぜひともこの全国から参考人に呼ばれました者の意見を取り上げていただきまして、そうしてどうか一日も早く解決いたすことをお願いいたしまして私のあいさつにかえ、御参考にいたす次第であります。(拍手)  最後に申し上げます。ここに市民が皆様方にぜひともその気持をお伝えして、これを一日も早く解決していただきたいという署名まで持って上っております。よろしくお願いいたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 次に築城飛行場の実弾演習による漁農被害問題について。小宮正孝君。

小宮正孝農業

○小宮参考人 福岡県行橋市新田原の小宮正孝でございます。飛行場から三百メートル、朝に夕に爆音と騒音の中に包まれて、生活の不安と恐怖の中で農業をいたしておる者でございます。福岡県築城飛行場及び射撃演習場による農漁民の被害問題につきまして、私は再三再四関係官庁に陳情を続けて参りました。今回国会におきましてこの問題を取り上げていただきましたことを、関係地元民、農民千七百名、漁民四千五百名、合計六千二百余名を代表いたしまして心からお礼を申し上げます。  築城飛行場は福岡県の日豊線沿線行橋市、椎田町、築城町の一市二町にわたる広大な農地、果樹園をつぶし、昭和十四年旧日本空軍基地として作られたのであります。終戦とともにアメリカ占領軍により一方的に使用せられ、昭和二十五年六月朝鮮戦乱勃発に伴い一段と活発に使用せられ、再三再四飛行場は拡張を行うとともに対空砲火実弾演習場を新設するなど、地元住民の反対にもかかわらず逐次拡張し、九州地区屈指の空軍基地となったのであります。日夜にわたり演習を行なって、いるのでありますが、一応お手元に差し上げましたプリントに書いてありますのに従いまして、時間的にも制限を受けておりますから簡単に説明してみたいと思います。  住民は演習により経済的な衰微と精神的な疲労により、ますます疲弊こんぱいいたし、農業の関係におきまして最も被害のひどい松原部落のごときは、耕地接収前は一町六反、村唯一の裕福な部落でございましたが、今では二戸四反平均という哀れな零細農家に落ち、しかも暴風林は全地域を伐採されまして、潮風はもちろん、特に台風の激しい北九州でございますので、農作物は台風のあるたびに収穫皆無、また平年におきましても潮風を受けまして三分の一は減収、ここ数年くだものはほとんど実っていないという全く情ない状態であります。このため農耕は老人、婦人にまかせまして、主人は日雇い人夫あるいは土工に出て働き、辛うじて生計を立てているという現状であります。また接収によりまして、農家の血と汗によって実らせねばならない米も麦も、大事な大事な骨と筋ともなるべき村道と水路は完全につぶされておるのであります。このために、最も近い駅であります築城駅へ出るのに約十分でございましたが、現在では約三倍、三十数分かかる道を迂回しまして通勤しなければならない。またせっかくできました農産物もここの駅に集荷しなければならないという、ほんとうにほんとうに哀れな状態でございます。この農地と飛行場との距離と申しましても、飛行場の横に二メートル余の排水路が設けられて、すぐ横には私たちの危険にさらされた農地があるのであります。約十メートルしか離れていないのが現状でございます。特に滑走路と並行いたしまして、飛行機の離着陸点から二十メートルくらいに国道があります。そうして国道と数メートルで日豊線があるのでございます。その横にはわずか一尺有余の溝を隔てまして耕地がございます。一番危険であり、飛行機のためには一番大事でありましょう滑走の着離陸点からわずか三十メートルにして、われわれが生活を維持していく上に一番たよっている耕地があるのでございます。飛行機の離着陸のはなはだしく多い日は、私たちは全然農地に出ることができません。もし出るといたしましても、衛兵に手まねで合図をされまして引っ込む。十分出ては三分下る、十分出ては三分下る。十俵の米を作るのに百人による労力を要するといたしますならば、ここで十俵の収穫をするには数百人、いな千人以上の労力を要するのでございます。先般はこうした国道、鉄道路線の上にジェット機が着陸に失敗いたしまして、日豊線はレールを曲げられ、そうして一町五反有余の田は完全に壊滅したのであります。収穫皆無でございます。油がまかれ、飛行機はこわれ、火の海となりたのであります。汽車はもちろん三時間有余延着いたしました。こうした問題は昨年の一月に起ったのでありますが、今日までこれに対する補償は全然されていないのが現状でございます。われわれはほんとうに苦しみ、ほんとうに嘆いております。しかしながら国土防衛のため、また占領軍その他の占領目的達成のためには、陰ではございますが、いささかの協力はしたつもりでございます。  また防風林の伐採によりまして潮風の害が伴い、かつ防風林をとったのみならず、飛行場の拡張に利用いたしますために海岸線一帯にある砂をとるのでございます。もちろん地主に断わったけではございません。この砂をトラック何十台も滑走路とか建物に使われ、私たちはこの砂によって高潮から守られていたのでありますが、この砂を失ったために、少し風が吹くたびに高潮はわれわれの水田、われわれの畑に入ってきます。潮は、御承知のように、われわれの農作物の敵であります。潮が入ることによって、われわれの農作物がいかにりっぱにできておりましても、一夜いな一時間入ることによって壊滅するのでございます。なお正規の演習におきましては、標的機と申しますか、これは無人飛行機でございまして、電波操縦によって飛行機が上り、数十メートルあとに標的を引き、これを撃つというのでありますが、この標的機が無人機であるために意のごとく離着陸がならず、予定地に着陸しないためにわれわれは非常に危険を感じております。いつも思う所におりていないのであります。もちろん落下傘によって降下させるのでありますが、これが予定地におりないために、演習により立ち入り禁止区域外にたびたび落ちるというのが現状でございます。こうした中でわれわれは忍び耐えて今日まできたのでありますが、きょう幸いにしてここにこうしたことを訴えさせていただく機会を得ましたことは、ほんとうにほんとうに地元の皆さんも心から喜んでおります。  次に漁民の受ける被害でございます。豊前海は御承知のように瀬戸内海西部海面でございまして、福岡県の三大漁場の一つで、その中では最も浅く、かつまた最も漁獲高が多いといわれている漁場でございますが、浅いために、実弾射撃による被害はなお一そう多大であることは申すまでもございません。特に演習射撃場から二百メートルの地点には稲童漁業協同組合が、組合員七十三名、家族二百五十名で構成されております。この組合と高射砲の陣地は、口で二百メートルと申しますが、実際行ったならば横にもう高射砲がすわっておるのでございます。この人たちは全然自由に行動ができない。操業制限日数以外のときでも、何かちょっとした進駐軍の用件がありますと、急にきょうはだめだ――別に差しとめを食うわけではありませんけれども、船が沖に出るのを中止させられる、出るのを見ればジープで走ってきてとめるというのが現状であります。しかし二百メートルのラインにおると申しましても、進駐軍の目の下でございます。高射砲の足元にが家あるのであります。小さな組合でも、この豊前海屈指の漁獲高を持っておったこの稲童漁業協同組合は、戦前は裕福な浜といえば稲童とうたわれておったのでありますが、現在では行き詰まり、出かせぎと行商で辛うじてこの世を切り抜けております。裕福であった面影は全くなく、昔の姿は見られません。貧困と借金で苦んでいるのが現在の状態でございます。ほんとうに豊前海切っての漁業協同組合運営の権威者も、私の村の現在の組合長がそうでございますが、今度の演習による被害だけは何としても切り抜けることは困難だと、こう叫び、こう嘆いております。  制限区域は昭和二十六年の十一月以来、北緯三十三度四十一分、東統百三十一度三分を中心といたしまして、二方二千ヤードの、南界は真方位九十二度に引いた線、西界は真方位三百五十八度に引いた線で囲まれた扇形となったのでございます。地図を見ていただけば当然わかるかと存じますが、その以前は、この岡からこの間を含みまして、二万二千ヤードを一つの円といたしまして制限区域内に入れたのでございますが、どうしたことの間違いか、勘違いか知りませんけれども、一方的に天下りな作図となりまして、二十六年には一つの基点より、先ほど申しましたように、南の境は基点から真方位九十二度に引いた二万二千ヤードのライン、西の境は真方位三百五十八度に引いた線で囲まれたこの中が制限区域となっておるのでございます。いかにこうされまして、これだけは縮められたと申しましても、見ればわかると思いますが、ここの組合の者もここの組合の者も、魚をとるのはここであります。一番魚の多いのはここであります。ここの魚をとるのに、稲童のごときはわざわざここからこう回りまして、二万二千ヤードの外に出まして、かりにここが二万二千ヤードといたしますと、ここに出るのに、わざわざ三角形の二辺以上の大回りをしなければ行かれないというのが現状でございます。ほんとうに困っているのは、漁民四千五百名でございます。補償金を減らす、何十分の一か削るということは、国の予算におきましてもまことに大事なことであることはわかります。しかしながら、地元民のほんとうの意気をくみ、ほんとうのことを聞いて下さったならばこういう机上の不合理な線は絶対に出ないのではないかと思います。高射砲陣地ですら、この線からはずれているのが現状であります。高射砲の一門は基点でありますが、あと何十門あるかわかりませんけれども、あとの残りは基点からはずれています。制限ラインから外にはずれております。少くとも、一点を基点にして二点を引いた以上は、ここにも高射砲はあります、ここにもあります。しかし基点はここであります。これには補償もありません。かりにここに高射砲を置くとしたならば、これは全然制限区域外から撃ち込む高射砲でございます。せっかくこうしてきめられました二万二千のヤード・ラインにいたしましても、危険の標的すら何ら立てられていないのであります。漁民が魚を見て追うのは常識であります。漁民が魚を見て追って、ああここはラインだと逃げて帰るような漁民はありません。マッカーサー・ラインにしても、朝鮮の李ラインにしてもそうでありましょう。まして、豊前海におきまして、二万二千に来たからといって、小さな舟に一人かあるいは二人、三人で乗って出る漁民が、どこからどこが二方二千のヤードになるか、一々わかろうはずはないのであります。しかし、もし一歩そこに入っていったら、軍が厳重に取締りをし、また監視船によって引っぱられた事実もあります。こうした天下りラインは、私たちは絶対にやめていただきたいのでございます。少くとも、こうしたラインを決定する場合には、地元漁民の意気を十分にくみ取るよう、特に関係なさっている代議士の皆さんにもよろしくお願いする次第であります。  なおまた、漁業制限を、一年間に一応きょうときょうは打つなという日数の制限を受けるわけでございますが、昭和二十八年度は、百三十三日制限を受けております。平年の操業日数は大体三百八十日でございます。約半分の日にちは操業の制限を受けております。この操業の制限を、かりに一年間のうち六月から半年を打つな、こうするならばわかりましょう。いなまた、一月から六月まで打つなというならばわかりましょう。しかしながら、一ヵ月のうちにきょうときょうは撃たないから漁業に出てよい、きょうときょうは出るな、まことに不合理きわまることを申すのでございます。もちろん土曜と日曜は休みですから、制限日数の中に入っていないのであります。何月何日から何月何日まで、かりに二カ月の演習期間を出されましても、この中の土曜と日曜は全然補償の日にちの対象になっておりません。きよう撃ちやめたからあす朝から出ろ、そういうばげたことはないのであります。また網を仕込むにいたしましても、きょうは撃たないからきよう行って網を張れ、あしたははずしてこい、こういうばかげたことが漁業においてなされますならば、こういう工合に漁業がなされますならば、漁民はそう苦労をすることもないのであります。ほんとうに困っております。私たちはほんとうに疲弊いたしております。このような制限日数は、先ほどのきめられた制限ラインと同じく、私たちは絶対に受け入れるここはできないのであります。六月一ぱいは、私たち九州では一応田植えの月とされておりますが、六月を禁止され、七月を禁止されまして、八月に田植えとなって、これで平年作がとれるなどという常識をはずれたことはありません。漁業においてもまざしくその通りでございます。一生懸命血と汗の結晶によって得た百万、いなまた数十万という資力でございますが、張りめぐらされた網に、砲煙弾雨といいますか、撃って撃って撃ちまくられた弾片が――ここに一つ小さいものでありますが、きょう持って参っておりますけれども、こうした弾片が何十万、何百万と落ちるのであります。いかなる丈夫な網と申しましても、針金の網はありません。こうしたものがぼんぼん落ちてきたならば、海は荒れ、波は立ち、魚の減るのは当然で、網の破れるのも当然でございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 小宮君、簡単にお願いいたします。

小宮正孝農業

○小宮参考人 また、こうしたものに伴いまして、魚付林の伐採でありますとか、あるいは汚水の流出による海草、貝類の被害があるわけであります。御承知のように、魚は、モもなければ石もないような、全然隠れることのできないようなところにはおりまん。魚がおるのはやはり険しいところでございます。それは、自分の身を保護するためです。魚付林のあるところにおるのが常識であります。もう何百年も残されました魚付林も完全に伐採されましたし、また、汚水、特に飛行場の飛行機を洗った廃水でございますが、こういうものとか、あるいは汚物をじゃんじゃん川に流されますと、海草や貝類の被害は著しいものがあります。また、実弾射撃演習が終りましても、一応標的機は標的を落して、百メートル近くもあるかと思いますが、直径二寸ぐらいのワイヤ・ロープを引いて回るのでございます。このワイヤ・ロープたるやまことに危ないのでございまして、少し低空にいたしますと、ワイヤは地面すれすれをはいます。つい最近もこれによりまして、一番大事にしております升網の主綱を切られました。また、一人重傷しておりまして、足が切れております。こういうふうな実情があるわけでございます。また、高射砲陣地から二百メートルの地点にある村の稻童のごときは、射撃による振動、爆発、あるいは飛行機の爆音によりまして、地元民は、精神的あるいは気分的に疲労しておりますが、特に建物の受けた被害は重大でございます。ここに持ってきております写真のように、かわらはずれ落ち、壁は痛み、おまけに台風は来るというわけで、何としてもこうしたことで維持できないというのが漁業組合の現状でございます。この写真にあるのは五年前に建った家でございますが、かわらはこのように落ちております。補修するにも資力がなく、ほんとうに苦しんでいるのが現状でございます。また、病人あるいは妊娠中の婦女子にありましては、ほんとうに重大なる影響を受け、医師からもその面につきましては強く注意をされ、できるだけ平静な安らかなところに避難させよと常に医師は申されております。病人があるために疎開しなければなりません。われわれは、戦争により空襲を受け、数里、いな数十里のいなかに避難しましたが、今また爆弾のために、病人ができるといなかへ送らなければならぬというのが現状でございます。  魚付林の伐採とか、あるいはかわらがずれ落ちるとか、こういう間接的な面に対しては、今日まで間接の補償は一銭もいただいておりません。全然もらっておりません。昨年五月書類は出しましたけれども、何らの返答を得ていないというのが現状です。こうしたような状態で、補償はくれない、くれるといっても微々たるものでございます。朝鮮動乱中は見舞金として幾らかくれましたが、一応希望した金額の三割が四割でございまして、昨年、一昨年に至りましては、こちらの申請に対しまして、わずかに二割か二割五分しかくれないというのが現実の補償の程度でございます。土地は取られ家のみ残る、また、家を取られて土地が残る、ほんとうに不合理きわまる次第でございます。土地を取られた人は、土方になったり、あるいはまた駐留軍の要員として勤めております。こうした人たちはみな土地を取るなら家も一緒に買ってほしいと言っております。また、家だけ買われて土地が残る、これもまた不合理でございます。こうしたことで、一応安全性のあるところへ行ってこの世を送りたい、いつも危険危険のライン内におりたくないというのが皆さんの訴えであり、皆さんの希望するところであります。漁業補償なんかにいたしましても、申請書は数十を要しまして、非常に手間に手間を取り、来る補償金は半年、いな、一年近くもおくれているのが現実でございまして、ただ、困る、苦しむ、泣くの一言に尽きるばかりでございます。  私たちは、こうした意味におきまして、生活の安定をはかるために、米軍基地射撃場に絶対反対いたします。土地は永久に残ります。金は一時で消え去ります。絶対に基地設置に反対いたします。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 これにて参考人よりの陳述は終りました。  これより質疑に移ります。通告がありますので順次これを許します。福井順一君。

福井順一自由党

○福井(順)委員 私は木更津航空基地問題につきまして参考人の石川儀一君に質問いたします。木更津の飛行場の滑走路拡張のための埋め立てによって被害をこうむる世帯数並びに人員はどのくらいですか。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 お答えいたします。木更津基地埋め立てによりまして被害を受ける世帯数でございますが、木更津三百六世帯、中央百世帯、中里五十三世帯、江川百六十二世帯、久津間が百六十世帯、計七百八十一世帯になります。家族数は三千六百人余りでございます。

福井順一自由党

○福井(順)委員 海面埋め立てによってその北方にある小櫃川の潮流異変のために、いわゆるぬたの沈澱による被害の範囲、及びノリ、海草、魚介、稚魚、稚貝に対する影響はどうですか。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 埋め立てによる埋め立ての北部の被害に関する御質問でございますが、これによって損害をこうむるものは、木更津の中央、中里、江川、久津間の一部のノリさく、これは木更津が中央とともに五千さく、中里が八百さく、江川が千四百さく、久津間五百さく、計七千八百さく余り被害を受けます。この面積は百二十万坪くらいでございます。その他海草類、雑貝類、えさ類で、金額にいたしまして約四千八百万円余りの被害をこうむります。稚魚においては内湾特有の魚がたくさん生まれ、これが成長すればどのくらいの産額になるかわかりません。しかし私たちはこの金額等の問題につきましては、お尋ねによりましてお答えしますけれども絶対補償金を思うのではございません。ただただ埋め立てを中止して下さることをお願いする次等でございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 福井君、あと非常に質疑者の数が多いから、簡単にお願いいたします。

福井順一自由党

○福井(順)委員 埋め立てがあった場合、その南側の海面は被害をこうむるかどうか。それから無障害地帯、安全地帯設置のための地役権の要求については、昨年の十二月調達庁から千葉県庁を通じて話しがあったというが、海面埋め立てについてはその当時から話したがあったかどうか。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 お答えいたします。埋め立ての南側に対しましては、これはやはり前述の答えに同様な被害がございます。またこの埋め立ての問題に対しましては、調達庁並びに関係官庁からは一言の話しもなく、われわれは新聞紙上またはラジオ等でこれを知ったときに、直ちに県庁を通じて調達庁並びに関係官庁へその真偽を聞きただしに参りましたが、いつも知らぬ存ぜぬの一点張りでございまして、一つもそのことについては話しがございませんでした。

福井順一自由党

○福井(順)委員 被害当事者である木更津、中央、江川、中里の四漁業組合の拡張反対はもとより、千葉県全漁業組合、千葉県農業委員会及び木更津市議会も全員一致して拡張反対をして、さらに千葉県議会も拡張反対意見書を可決して、千葉県をあげて拡張反対の態勢にあることは、被害者である四漁業組合が生活の根拠を全く奪われるために真剣に反対運動していることにあると思うが、この点はどうですか。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 それは仰せのごとくでございます。地元の木更津の市民はもとより君津郡の郡市並びに千葉県中の漁業協同組合が全部絶対反対の決議をしております。なおまた県会におきましても絶対反対の決議をしていただいてわれわれに応援していただいております。

福井順一自由党

○福井(順)委員 もう一点、現在基地港湾内の接収はどうなっておりますか、今接収されておるところでまだ補償ももらってないところがありますが、その補償をもらっておるかもらってないか、また面積はどのくらいあるか。

石川儀一木更津漁業協同組合長

○石川参考人 お答えいたします。ただいまの御質問に対しましては、日本海軍の航空隊当時からあすこは基地の港湾となっておりますけれども、講和発効後また米軍が進駐してからは何らの通告もなく、われわれ共同漁業権のあるところでございますけれども、そのままずっとわれわれに出入を禁止しております。なおまた、その面積は約百二十万坪でございます。

福井順一自由党

○福井(順)委員 それでは次に白井三五郎さんに一点御質問をいたしますが、調達庁の地役権設定要求は四万二千坪でありますが、これによって被害をこうむる世帯数及び人員。昭和十年に耕地三分の二を収用されて大へん零細農になっているが、現在一戸当りの平均は何反くらい耕作しておるか。それから四万二千坪地役権を要求された場合、調達庁は耕作できると言っておるが、果してこの地役権を要求されてもこれは耕作ができるかどうか。今までも被害があったと思うが、これに対して補償があったかどうか、これを一括伺いたい。

白井三五郎農業

○白井参考人 今まで補償があったということは聞きません。それから一戸当りの面積、これはこまかいことはわかりませんが、巌根地区の農地としては一戸当り幾らでもないということになりますが、立ちのときを要求される方たちのほとんど全部の耕作地がこの区域にあるのだそうでございます。こまかいことを調査してありませんが、おのおの一町歩ぐらいはいけないことになると思います。立ちのき要求される方たちはそのごく周辺にあるのでございまして、あまり離れておらない関係になっております。ですからこの人たちの被害は多いのであって、従いまして立ちのきするとともに住居を失い、耕作地のほとんど全部を失うという悲惨な状況になるということは知っておりますが、こまかい面積の計算はまだいたしてもらっておりません。

福井順一自由党

○福井(順)委員 それから大沼謙伍君に、ちょっとお伺いしますが、先ほどあなたは陳述の中で、調達庁の役人がやってきて、自由党が政権をとっておる間は接収した農地は返さない、こう言ったということを言われましたが、それはいつどこで調達庁の何という役人が来て言ったか、一つ答えていただきたい。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 年月日は今のところはっきり覚えておりませんが、私の村に来まして、仙台調達局の山形調達事務所がありますが、そこの清野課長がそういうことを言いました。

福井順一自由党

○福井(順)委員 名前はわかっていますか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 名前はちょっと忘れました。

福井順一自由党

○福井(順)委員 調達庁の長官に伺いますが、自由党が政権を担当している間は接収した農地を返さないということを調達庁の役人が確かに言ったという参考人の陳述でありますが、一体どういうわけでそういうことを言ったと長官は思われますか、御答弁願いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 今の御質問は私にちょうだいしてもわかりかねます。

福井順一自由党

○福井(順)委員 これは自由党を誹謗し冒涜するもはなはだしいものであって、まことにこれはゆゆしき一大事だと私は思います。特に今の長官の答弁に至っては私は誠意がないと思う。そういうことは私に聞いてもわからないというような、はなはだ不遜な答弁でありまして、こういう長官のもとではこういう役人のいるということも当然あり得ることではないかと私は想像ができるのであります。こういう意味におきましても、私はこれは断じて許すことができないと思う。何となれば最近の調達庁の役人の言動は国民のひんしゅくをかっておるものがある。どうかこれは何月の何日に何という調達庁の役人がどう言ったかということを、長官は十二分に調査をしてそうして委員長まで報告されたい、これは私は要求いたします。これは木更津航空基地の問題だけでなく、航空基地拡張のために、土地を収用されあるいは海面を収用されたために生活の根拠をも奪われるということは、まことにこれは漁民や農民にとって重大な問題である。こういうことを取り扱う調達庁の役人というものは、長官以下厳に言動を慎み、十二分に国民の生活を理解し、同情の眼をもって事を処理しなければならない。それにもかかわらず、今の長官のような態度では、私はとうていこれを円滑に進めるということはできないだろうと思う。今どこに行っても航空基地反対というような問題が起きているのは、一つには調達庁のやり方が悪い。(「ノーノー」「もっと根本的な問題がある」と呼ぶ者あり)私はもっと根本的な問題もあるかもしれませんけれども、一つにはそういう問題もあると思う。この点は長官は大いに反省されて、先ほど自由党を誹謗するような言辞があったと言われておりますが、そういうことがないように、全調達庁の職員に厳重に訓戒してもらいたい、私はこれを要求いたしまして質問を終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 茜ケ久保君。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 質問に入る前に議事進行につきまして。委員長はだいぶ時間をお急ぎのようですが「私はきょうは重大な基地関係の問題だと思います。しかも参考人が全国から参っておりまして、傍聴席にも関係の方が非常にたくさんおいでになって非常に心配しております。従いまして時間もさることながら十二分な質問、検討をしたいと思いますので、この点委員長はあせらずにお願いいたします。  私は福島長官にお尋ねいたしますが、きょうの十四名の参考人が全部反対の意見でございます。この反対の意見は非常に深刻であり、しかもどの参考人のお話を伺いましても、全く私どもは血のわくような感じを受けるのでありますが、長官はこの参考人の反対の意思表示をお聞きになって、この反対の意思表示がきょう参考人として見えた一部の方の御意見であるとお考えか、あるいはきょうの参考人はその関係地域の全住民の反対意思を代表して来ておるとお考えか、この点長官の御意見を承わりたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいまの御質問でありますが、こういう問題について反対があるのは当りまえでありまして、必ずしも賛成者が全部出そろってくるということは考えられない。従いましてその土地々々における反対の空気を代表して来られたのだとは考えております。ただ一つ一つ仰せになりました御意見というものが、全部の人を代表しているかどうか、それは個々の問題についてはその方々の御意見という面もありましょう。しかし反対というものを代表しておいでになったということは考えております。  なお一言つけ加えさせていただきますが、きょう皆さんのお述べになりました問題の中で、飛行場の一連の関連の問題と、大高根並びに築城、小倉の問題とは若干違った面もございますので、私といたしましては、築城、小倉、大高根の問題については伺いましたお話ごもっともの面が多々あるわけでありますから、調べもし、善処もしてみたいと考えております。飛行場の面につきましてはこれも反対という意見が強いこと、これは当りまえであります。しかし私どもといたしましては、全国的な見地から、この日本においてどこの飛行場を拡張するかという問題を決定いたさなければならないと考えておりますので、早急に立ち入り調査をぜひとも実施いたしまして、成案を得たいと考えております。  なおこの機会についでに申し上げさしていただきますけれども、先ほど福井代議士から、調達庁の役人の態度がひんしゅくを買っておるというお話がございましたが、山形県における自由党云々ということは私も初耳でありますが、これは何とも申しわけありませんけれども、一般的に調達庁の役人の態度が最近ひんしゅくを買っているということは、私はさように考えておりません。反対は受けておりますが、ひんしゅくを買っておるとは考えておりません。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 長官は反対があるのは当然だとおっしゃっておられますが、これはもちろんであります。しかし私は、きょうの十余名の参考人の反対意見を聞いておりまして、これはとても問題である、これをこのまま遂行するならば、予測しがたい事態に逢着するという一つの非常な不安を感じるのであります。ただいまの長官の御答弁では、積極的に調査を開始して何とか結論を得たいという意思表示でありますが、私どもから考えると、今申しますように、非常な不安な予感を持つのであります。にもかかわらず、長官は今おっしゃったように強行する意思であるとおっしゃるが、さらに私が聞き及んだところによりますと、小牧と新潟は十月末までに完成をする予定であるということでありますが、この点はいかがでありましょう。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 小牧と新潟は十月末までに完成をさせるつもりであるかどうかというお話でございましたが、工事は容易なことでは完成いたさないと思っております。十月末ころまでに工事を始められるような事態にいたしたと考えておるわけです。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ここで大野参考人に一つお尋ねいたします。先ほどの大野さんの陣述で、小牧における拡張反対の非常な強さがわかりました。張る十九日の本委員会で、私の、すでに正式折衝を開始している個所があったら一つその交渉の経過をお知らせ願いたいという質問に対して、福島長官は、「すべてについて折衝を開始しております。そういたしまして、小牧につきましては、立ち入り調査の承認を得まして、目下地質調査、その他の実施中であります。」こういう御答弁でございました。しかるにきょうの大野さんの陣述を聞いておりますと、非常に反対が激しいのでありますが、福島長官が本委員会において答弁されましたように、小牧の実地調査は関係農民の承認を得たものかどうか、この点を一つお伺ひしたいと思います。

大野春吉農業

○大野参考人 ただいまの御質問にお答えします。承われば、調達庁はいかにもわれわれ関係農民から了承を得たというような言い分でありますが、お元手に配付されています小牧空軍基地拡張反対陳情並びに陳情記録、これをお読みいただけば、絶対われわれが了承いたすことに明らかに反対であるということがわかっていただけると思います。三月二十六日に田中名古屋調達局長並びに石田不動産部長が村役場へ来られて、口頭をもって、立ち入り調査をお願いしたい、それに対して三月三十一日までに返事をいただきたい、こういう事迫った、わずか五日か六日で、われわれ祖先伝来の土地収用のための調査に立ち入らしてもらいたい、こういう要求でありますから、われわれとしてはあとにやってくる土地収用を考えれば絶対反対であるというので、名古屋調達局及び愛知県庁へも陳情書を持って反対の意を表明に参ったわけです。従ってそこに出ておりますように、四月七日に名古屋調達局田中局長、石田不動産部長の両名がわれわれの関係の上小針、市之久田両部落へ来られまして、そしてわれわれを前にあなた方が幾ら反対されてもわれわれは四月五日に法的な手続をとってきた、従ってあなた方がどんなに反対されても法的に強制立ち入りする、こういうことを言われている。その事実から推しても、われわれが絶対反対した、そこで向うは強硬に法的な手続をとった、これでもはっきりわかるじゃありませんか。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 もう一つ、そうした皆さん方の反対を押し切って調査した後の関係農民の状態を簡単にお知らせ願いたい。

大野春吉農業

○大野参考人 ついでですからお答えしておきます。先ほど来福島長官もああした答えをされましたが、私としては調達庁の出方があまりにも農民を無視した一方的な、法をもって強制的な立ち入りをするというので、徹底的にそのときに反対しました。そうしていろいろ尋ねますと、田中局長いわく、私は官吏の端くれで、あなたの強い質問にはお答えできぬ、法で、法でと頭からおどしつけて、そして質問すれば答弁できぬ、こういうあいまいな態度で、そうしてしり込みする。そうしてしまいには自分らは官吏を首になる、こういうことまで申したので、首になったら飯を食わせてやる、私は農民だから、あなたに飯は食わせるが田の草取りはやらせぬぞ、あなた方が首になるのと私どもが孫子末代まで息の根をとめられるのと違うと強く要求した。すると何と言ったか、言葉をかえて、土地の収用と立ち入り調査とは別個だ、土地の収用はあくまで反対されていいが、立ち入り調査だけは許してもらいたい、こういう言い分でしたが、いかに立ち入り調査といえども、土地の収用があとにつきまとっている限りにおいては、われわれはとことんまで反対だということを申し上げたのです。われわれは内灘や妙義山のように、他の応援を得たり、暴挙暴動に出ない、慎しんだ行動であくまで国民の皆様に御支援をいただきたいこういう一念から歯を食いしばって自重して立ち入りに抵抗せなかったというだけであります。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 けっこうでございます。  福島長官にお伺いいたします。先ほど大野参考人に申しましたように、長官は五月十九日の本委員会で私の質問に、先ほど申しましたような、いわゆる了解と承認を得て調査中だということを言われましたが、ただいまの大野参考人の供述でもわかりますように、現地の農民はだれ一人これに承認を与えていない、全然反対であるにもかかわらず名古屋の調達局長、田中と申しますか、以下がほとんど恐喝的な態度をもって不法測量したということでございますが、長官はこれに対してどのようにお考えになりますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 不法測量ではございせん。関係五ヵ町村のうち、今の参考人の北里の村の分がもめておったことは事実でございます。なお強制立ち入り、法的な立ち入りをする用意をしたことも事実であります。しかし立ち入りに至りまする直前におきましては、その手配に及ばずして立ち入りをいたしたのでありまして、いずれかでなければ立ち入りはできないのでありますから、かねがね強制的な立ち入りと申しますか、県知事との間に手配をしておったことは事実でありますが、それに及ばずして立ち入りをしたわけであります。それは一々人口の全部の方々に了承を取りつけてありませんかもしれませんけれども、その村における責任者に話がついておる、そういう意味であります。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ただいま長官の答えでは、十九日のお答えとは完全に違うと思うのであります。地元の承認を得たから調査をやっておるという御答弁でありましたが、今の答えでは、一人一人の承認は得てないかもしれぬけれども、収用法の手続に従ってやったということであります。と申しますと、五月十九日の答弁と今の答弁では非常な差があるのであります。先ほど長官は福井君の質問に対してあのようなりっぱなことをおっしゃいましたが、今の御答弁を聞いておると、どうも福島長官の御答弁それ自身が、すでに大きな差があると申しますか、われわれに納得のいかぬ点があるのであります。このようなことでは、今までいろいろな基地を中心に紛争があり、その紛争のたびに迷惑をこうむり、泣き寝入りするのは国民であります。と申しますと、これはどうしても福島長官以下調達庁のこうした関係、特に部課長といったような責任者の諸君の言動がまことにけしからぬということを言わざるを得なくなるのであります。あなたはこの小牧の調査につきましては不法ではないとおっしゃるけれども、私が調べました土地収用の手続によりましても、何ら地元の市町村長は住民に対して通達もしてない、さらに公告もしてない。法的に申しますと、一方的な調査の権限はございますけれども、それをやるには当然市町村長がこれをその関係者に通達するか、あるいは公示をする責任があります。これは何ら小牧においてはなされていない。といたしますと、調達庁がいわゆる法的な根拠によってやったことはそれといたしましても、その先において関係農民に対しては何らそういった手続がなされておらぬとすれば、これは私はやはり不法な調査であり、不法な測量と言わざるを得ませんが、長官の御答弁を得たい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 私の申し上げたこととあなたの仰せられることとが違うのでありまして、申し上げましたことは、法的な準備はいたしたのでありますけれども、それに及ばずして話し合いのもとに入ったということを申し上げたのでありまして、従って法的な準備が完了してない面があることは当然なのであります。法的な準備は、一番初めに当方としては知事に通達することになっており、それから公示が下部機構に行われることになっており、その用意はしてあったのでありますが、それを全部完了せずに話し合いによって入ったということになったわけであります。仰せられるように、了解は得なかったが、法的手続で入ったと私が申し上げたわけではございませんので、御了承を願いたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 しからば長官、了解を得たというのは、だれとどのように了解を得たか、その点はっきり御明答を得たい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 すべて関係の市町村長であると考えております。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 法的手続をもって参ったならば、市町村長が一応書類を受理して、そうしてそれを公示するか、あるいは通達すれば、法的には有効になるのでありますが、今の長官の御答弁では、そういう用意はしたが、これは実行しないで済んだということは、法的手続をもってするのでなくて、いわゆる話し合いをするという段階であります。そういたしますと、長官、これは市町村長の了承ではいかぬのです。これは当然一人々々の地主が了承しなければ、了承したという過程には到達しないと思うが、その点いかがですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 了承を得て入るという建前でありましたので、法的手続の場合には一人々々合意が要るかどうかというような明細な部分があると思いますけれども、話し合いによって入ったということでありますので、われわれといたしましては、市町村長と話し合い、市町村長が代表して関係者の意向をまとめてきたというふうに了解したわけでありまして、もともとこれが話し合いでありますので、こまかい制限の条件は明細にきまっておるわけではないと考えます。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 私はまことに長官の御答弁は不誠意きわまると存じます。と申しますのは、それは私有地であり、しかも先ほど大野参考人もおっしゃるように、あの辺切っての美田地区であります。反当十二俵から十三俵も取れるような、農民にしては子供、孫よりもかわいい土地であります。その土地を収用するために、取り上げようとする調査が、ただ単に市町村長の了解だけでなされるということは、全く不届き千万でございます。いかように長官が弁解されましょうとも、これは断じて許すべからざる処置でございます。この点について長官が具体的にどのようなことになっておるかを至急に調査した上、私が指摘するように、もし関係農民の了解が全然得てない場合には、明らかにこの測量は不法行為でありますから、関係書類の焼却廃棄並びに地元農民に対する深甚なる陣謝を要求したいと存じますので、これだけの調査を至急願いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 町村長と話し合いによってやったわけでありますけれども、町村長と農民諸君との連絡が十分いかなかったということは、あるいはあるかもしれません。今後は法的準備を整備いたしまして、やることにいたします。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 関連して。福島長官に伺います。関係町村の代表者の了解を得られたと言われておりますが、その中の北里村の村長に対しても了解を得られておりますか、得られておりませんか。この点明確にしていただきたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 北里村の村長にも了解を得ておると聞いております。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 北里村の村長がお見えになっておりませんならば、関係代表から一つ伺いたいのでありますが、この陳情書並びにてんまつの記録によりますと、北里村の村長船橋君は最初から最後まであらゆる場面において徹頭徹尾反対をしておるということが、ここに記述されておるわけであります。従いましてただいま長官が述べられたごとく、調達庁からのそのような交渉に対して船橋村長が応諾するはずはないと思います。そのような記録はここに一言隻句も載っておりません。従ってあなたは地元の村民としまして、もとよりこの問題に関する村長の態度はあまねく御承知であろうと思いますが、村長が調達庁の交渉に応じて承諾を与えた事実があるかどうか。あなたがお知りになっておりまする範囲で御答弁願います。

大野春吉農業

○大野参考人 お答えさせていただきます。私は四月一日からこの問題については、ほとんど村長と一緒に各関係長官並びに知事、副知事その他の隣接市町村のところへ参るたびごとにお供しておりますから、はっきりここでその範囲においてはお答えできます。絶対に村長はただいまの福島長官のお答えのようなことはありません。これは明言できます、確言できます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 さすれば、これは重要な事柄であろうと思いますが、少くとも衆議院の本委員会において同僚茜ケ久保委員の質問に対して福島長官は不実のことを答弁いたしておると思うのであります。すなわち北里村の村長の了解を得ておるということによって茜ヶ久保君の質問に答弁をいたしまして、本員はそのような事情であるというような誤認をいたしておるのでございます。少くとも最高の権威でありまするこの国会に来て、所管長官が虚構を弄して国会の判断を誤またしめるような意見を述べるということは、ゆゆしき事柄であろうと思いますので、私はこの機会に、すみやかに委員長を通じてお願い申し上げたいことは、すなわち適当な機会に北里村の船橋村長を本委員会に御招致を願いまして、この大野君の答弁が正確なものであるか、あるいはまた福島長官が茜ヶ久保君の質問に対して与えた答弁が正確なものであるか、本人についてよく実情を調査されまして、もし福島長官の答弁が誤まてるものであったならば、その事柄について長官の責任の所在を明らかにしなければならぬと思うのであります。従いまして、適当な機会に当該本人を本委員会に招致されまして真相を明らかにされたいということをお願いいたしておきまして、関連質問でありますから、私は後刻の質問において私の質問を続けることにいたします。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 先ほどから長官のお答えがだんだん明確を欠いて参っておりますので、ここで水かけ論をするのでなくて、実際に調査をして、果して地元がどのような形で納得をして調査をしたのか、あるいは名古屋の田中調達局長以下責任者が、大野参考人の陳述のように、ほとんど恫喝的な態度と言動によって農民を一方的に押えつけて、私の言葉でいえば不法調査をしたという事実があるのか、あるいは実際だれとだれとだれに了承を得てこの測量が順調に進行したのか、その点を明確に調査して、そしてもし私が言うように全農民の何らの了解もない不法測量であった場合には、その関係書類を直ちに焼却し、一方関係農民に調達庁として深甚なる陳謝をやる意思があるかどうか、はっきりお聞きしたいのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 先ほども申し上げました通り、私が報告を受けております限りは、関係五カ町村のうち特に問題でありました北里村につきましても、村長の了承を得て入ったと聞いておりますが、御趣旨もございますので、それは直ちに取り調べてみます。なお今後はかようなことになりませんように、法的手続による立ち入りを実施したいと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ただいま長官は、今後は法的手続による調査をしたいということでございますが、もちろん収用法による法的手続はございます。しかし少くとも各飛行場並びにその他の基地における土地の使用、収用については、まっこうから収用法を振りかざしてやるのでなくて、長官もたびたび本委員会において言明されるように、あくまでも話し合いをもってやりたい、しかも三百九十九人が賛成をしてなお一人の者が反対するような場合には、万やむを得ないこととして土地収用法を適用したいが、でなければ、あくまでも説得をもってやっていきたい、こういうまことに時宜に適した言明をたびたびなさっておられますが、今回のこの五飛行場について遺憾ながら小牧地区においては、今指摘したような点がございましたが、今後他の四地区においてはやはり長官は以前に言明されましたように、全関係者にそれこそ忍耐強い説得と了解を求める態度をもって臨まれるか、今最後に言われました言葉を私はどうも了解に苦しむのでありますが、そうでなくて最初からいわゆる収用法という大ダンビラをまっこうから振りかざしてやっていく気か、一つお伺いしたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 先般の委員会で申しましたのは、土地の収用についてであります。これはでき得る限り最後まで説得の努力をするという態度は失いたくないということを申し上げたわけであります。今日はだいま問題となっておりますのは、どこの飛行場にするかという問題についての資料を集めるための立ち入り調査の点についてであります。立ち入り調査の点につきましては、これは問題となっております。五、六の飛行場が、資料が全部そろいませんと計画が整わないわけになりますので、これに期日を要しますことは全般的に影響を与えますので、立ち入りの調査につきましては、先ほど来申し上げましたように、これがまたあとになりまして、その手続上の問題につきまして問題が起っても困りますし、また村長と話し合いをするということが所有権者一人々々との間に合意を成立させたかどうかということについても、難点が起るわけでありますので、これは法的手続によって至急各飛行場ともやりたい。その上で飛行場の計画が固まりましたならば、飛行場に不適なところができるかもしれませんけれども、かりにわれわれの考えておる案が固まりました場合には、土地の提供を依頼するという話につきましては、でき得る限り最後まで説得するという態度を失わないでやって参りたいと考えております。ただ土地の提供を受けます場合には、被害を受ける事案の補償だけで、金銭だけで済まない問題、住宅の移転先の問題、いろいろな問題が出て参りますので、これに対するわれわれの対案というものが納得のいけるものにならなければなりませんので、そこまでいかなければ説得ということにはならないと思っておりますけれども、あらゆる手段を尽し、またわれわれの被害救済に対する対案というものが大方の納得を得られるような事態になりまして、なおかつ説得ができない部分が残るということになりますれば、強制的な提供を受けるという方法、収用法による提供を得るという方法をとらざるを得ないことになるかもしれないと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ここで斎藤警察庁長官に一言お伺いいたします。今お聞きのように、福島長官は法的な強制的な手続によって、日本国民が、特に農民が、先ほど申しますように、血と汗と長い伝統をもってかち得た生活権である土地を取り上げようとする意思がある、こうなりますとわれわれとしては、あくまでもそのような法的な力関係においてこれをやろうとするならば、われわれはやむを得ずまた力によってこれを阻止する以外に方法がありません。となりますと、私がかつて妙義の軍事基地反対運動を二カ年間続け、あるいは内灘その他の基地反対運動の実際に当面して一番困ることは、すぐに武装警官が無数に飛び出して、無辜の農民あるいは市民を一方的に断圧をし、あるいは不法逮捕をし、あるいはあの変なこん棒でぶんなぐるといったような、まことに人民の保護をあずかる警官が、少くとも基地反対運動の実態においては、いかように弁解されましょうとも、私はにがい体験を持っておる。そこで斎藤警察庁長官は、今このような実態に当面して、今後あるいは起るであろう基地のこの飛行場を中心とした、いわゆる国家権力――これはアメリカの軍事基地としてのバックを持った国家権力に対する、自分の生命財産を守り、今後子孫の繁栄を守るために土地を守る農民のやる運動に対して、やはり長官は武装警官をもってこれを一方的に断圧的な行為をされる意思があるか、あるいは断固としてそういうことはしないという言明ができるか、はっきりお答え願いたいと思います。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいま福島長官も答えておりますように、できるだけ納得を得て、手を尽してやりたい、かように言っておられます。警察といたしましては、法を犯す場合には、やはり取締りをする必要があるわけであります。運動自身の内容に立ち入るわけではございませんが、権限を持った調達庁の職員が立ち入り調査をする。立ち入り調査をするについては、いろいろ事前工作をおやりになるでありましょうが、最後的に事前了解が得られない、法的措置を取られるという場合に立ち至りました場合に、この職務を妨害しょうという場合には、やはり警察といたしましては取締りをいたさざるを得ないと思います。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 そのことはわかりますが、ただ実際の警察官の行動において、あのこん棒は何のために持たしておるのか私は知りませんが、私の直面した経験によりますと、私どもを中心としたところの、基地に反対するために、手ぶらで、ただ単に歌を歌ったり、あるいはスクラムを組んで気勢を上げるような行為しかしない者に対しても、あのこん棒を振り上げて頭を割ってみたり、あるいはすねをたたき折ってみたり、こういったことをするのであります。こういったことをしなければ、調達庁の役人が測量その他をすることはできないのか。これは斎藤長官、私は申し上げるが、もし警察官がほんとうに人民の保護を目的とするものならば、私は法的手続をもってやる調査等を妨害する場合に、それをスムーズにやるための援助はあえて反対しません。そのためにいわゆる人民をなぐりつけたり、け飛ばしたり、そういった傷害を与えるようなことをすることだけはいかぬと思う。この点は今まで多々あった。そういったことは絶対にさせないだけの責任を長官はお取りになるかどうか、こういう点をお聞きしている。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 警察官は、いかなる場合におきましても、国民に対しましてなぐりつけたり、不当な行為をすることは、これは許されないことは当然であります。行き過ぎのありました場合は、それぞれ処置をいたします。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 福島長官にお尋ねしますが、私はこれは木更津関係の参考人にお聞きしようと思ったのですが、福井委員から聞きましたので参考人には聞きませんが、石川参考人の陣述によりますと、木更津の基地の中に漁業権のある港湾がある、これについては、お聞きすると、全然無補償で現在まで使用しておる。私は漁業権が存在するならば、当然これは正当な補償がなければならぬと思う。ところが聞いておると、いまだかつて一度も補償がないというのでありますが、その点どうなっておるか、お聞きしたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 漁業権がございまして、これに制限を正式に加えているという場合におきましては、当然補償という問題になるはずでありまして、補償がないといたしますれば、漁業権があって、制限を加えているにもかかわらず、補償をしておらないか、あるいは漁業権があるにもかかわらず、正当な制限でなくして制限が行われているかというようなことになるかと思いますが、詳細のことを知りませんので取り調べたいと思っております。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 その件は早急に調査をして、いわゆる正当な漁業権があるにもかかわらず、アメリカが一方的にこれを使用して、いまだ無補償であるという実態がわかったならば、使用を開始した時期にさかのぼって正当な補償をしてもらうように私はお願いしたいが、はっきり御答弁をお願いいたします。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 漁業権がありまして、これに制限を加えたという事実がございますれば、補償ということになるはずであると私は考えておりますので、取調べの上善処いたします。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 今度は大高根関係について一言お尋ねいたしますが、私は大高根の現地に行って参りまして非常に感じたことは、戦争でないのに、この日本の内地で、人家の上や農耕地の上を実弾が飛んでいる。これは人道上まことにゆゆしい問題であると思うのであります。このように平和な村の人家の上あるいは農耕地の上を実弾が通るということは、そういうことがあること自身がまことに不思議でなりませんが、しかもさらにそれに追加して農耕地をつぶし、人家をつぶして、その中に前進基地を作らんとする大高根の問題、とうていこれは私どもば座視するに忍びません。従いまして大高根関係においては、新しい前進基地を作ることを中止することはもちろん、ああの人家や農耕地を越えて行う実弾射撃は直ちに中止をしてもらいたいと思う。この点に対して調達庁長官の御意見を承わりたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 大高根の問題は、先ほども多少申し上げたのでありますが、この飛行場の問題とは趣きもだいぶ違いますので、地元の諸君のお話もよく伺った上で善処したいと考えております。ただ御指摘のありました点は、大高根の射撃場の構造が、人家並びに農耕地を飛び越えてたまが飛ぶという事実があったことは事実であります。それを矯正するために、人家の上をたまが飛ばないように、人家の上を避ける射撃を実施するために砲座の位置を変更するということが今日の紛糾の問題である。昔からできておりました砲座は人家の上をたまが飛ぶのでありまして、そういふ射撃をしばらくやっておったことは事実であります。その問題がありましたので、第一砲座という方に射撃を集中しましたが、それについては第一砲座を若干広くしなければならない。従来の第二、第三にかわって第一のみによってやるということになれば、多少広くしなければならない。そのために新たな拡張という問題が少し起ったわけであります。そのためにやっておりますので、漫然と大高根の射撃場を拡張するというふうにお取りいただいては不本意であります。従来も、人家の上を飛ぶ射撃をやめたいということで今日の問題が起ったわけでありまして、なお前進陣地というお話もございましたけれども、これはやはり前進いたしまして、人家、農耕地に関係なくたまを撃ちたいという問題から起ったことでありますので、事情をよく調べました上でなお研究はいたしてみたいと考えておりますけれども、今回若干の紛糾になっております事の起りはそういうところから起ったのでりますので御了解をいただきたいと思います。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ただいままでの十四名の参考人の御陳述並びに私が現地に参りましてそれぞれ調査いたしましたところによりますと、現地の関係住民はもちろん、関係の知事、市町村長、こういった人たちもほとんど今度の飛行場拡張には強い反対の意思表示をしておられます。先般の本委員会において、地元の意向は何によってこれをきめるかということに対して、長官は知事ないしは市町村長の意向によってこれをきめるという答弁をなされました。しかるに今回の五つの飛行場の関係においては、例外なく知事も市町村長もそして関係地元民はもちろんでありますが、非常に反対が強いのであります。福島長官はこういった現実に当面してもなおかつこの飛行場拡張問題を強行される意思であるかどうか、お伺いしたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 飛行場の関係につきましては、関係の知事、市町村長に反対者が多いことは仰せの通りであります。しかしながら私どもといたしましては、知事さんにいたしましても、市町村長の諸君にいたしましても、なお強力に極力説得いたしまして、われわれの目的を貫徹する決心でございます。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 ただいま長官の答弁を聞いておりますと、知事や市町村長が反対をしておる、しかしこれを説得してやりたいと言われましたが、今の知事や市町村長さんは官選ではございませんが、やはり知事として市町村長として地方自治をあずかる上において、政府のいろいろな制肘がある。こうなりますと、知事や市町村長はやむなく政府の圧力に屈することは間々あるのであります。現にわれわれは群馬県において北野知事が、命をかけても反対をすると県民大会で演説をぶった二月後には、完全に政府側についてしまった、こういう例もあります。地元の農民や漁民やあらゆる関係者の血の出るような叫び、生か死か、われわれは日本人として今後どうやったらいいかというあの叫びを聞いておりますと、政府はアメリカの一方的な言うことを聞いたり、あるいは自衛とか防衛とか日本を守らなければならぬという言葉を使いますけれども、日本を守るという美名のもとに、あるいはアメリカのために日本の国民をこのように泣かしても殺してもいいのかどうか。アメリカ駐留軍はわれわれ日本人の生命財産を守るという表面の理由で駐留をしておる。しかるに現実はわれわれの生命財産を脅かしておる。泣かしておる。殺しておる。この実態は、私どもは日米安保条約に反対でありますけれども、作った日米安保条約の精神にも違反すると思う。このようなことが今後たびたび行われますならば、日本国民は安心して生活ができない。福島長官は政府の代表として、そのように日本の善良なる国民を泣かし殺してまでも、アメリカのための飛行基地を断固として作る決意であるか、あるいはこのような血の叫びを日本人福島としてこれを血に感じて、関係農民や市町村長を説く前に、アメリカに対して日本の実態を、あるいは日本国民の衷情を披瀝して、断固としてアメリカにこういったことをやめさせるだけの強い申し入れと、これを中止させる決意があるかどうか、はっきりお聞ききしておきたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 再三申し上げておると思いますが、今日問題となっております飛行場の拡張という問題は、アメリカのせいでやっておるわけではございませんので、日本の最小限度の防衛の必要からであって、たまたま今日ただいまの状況下におきましては、飛行機がアメリカの飛行機であるにすぎないという状態であります。われわれといたしましては、日本が防衛という態勢を維持していくべきであると考えております。その限りにおきましては、最小限度の飛行場の必要があるということ、日本のみが飛行機の飛べない国になる必要はないのであるということ、これに基いてやっておりますので、その最小限度の防衛上の飛行場を拡張いたしますという今日の段階におきましては、これはアメリカを説得するというたちの問題ではないと考えております。  なお先に御指摘のございました地元の関係者各位の御反対という問題は、その内容に従って慎重に考え、これをいかにして救うかという対案を十分に準備しなければならないと考えております。ただ地元の各位の御反対の中でも二通りあるわけでありまして、日本には防衛は要らない、飛行機は飛ぶ必要がないという立場の御反対に対しましては、私どもは返す言葉もないわけでありますので、これはあくまで押し切るということにせざるを得ません。地元の方の補償の問題、立ちのくべき家屋の移転先の問題、道路の問題、あるいは学校の問題、そういう具体的な問題につきましては、どこへ出しましても妥当だと認められるような対案を整備いたしまして、説得するほかないと考えております。

茜ケ久保重光日本社会党(左)

○茜ケ久保委員 私は福島長官の答弁にははなはだ不満足でありますが、今福島長官の答弁にもありましたように、この飛行場の拡張はただ単にアメリカだけの要請ではなく、日本自体の防衛上必要であるということでございますので、私は今後この問題を防衛庁長官ないしは総理大臣の答弁が要ると思います。従いまして今後次の機会に総理大臣ないしは防衛庁長官を呼んでその点を質問することを保留いたしまして、同僚委員に質問を譲ります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 関連して福島長官に伺いますが、ただいまあなたは答弁できわめて重大な事柄を述べられたと思うのであります。それによりますと、今回の飛行場基地拡張に関する事柄は必ずしもアメリカの要請に基くものではなく、日本自体の防衛計画に基いて日本も必要である、従って日本独自の立場からもこの計画を推進せざるを得ない、こういう見解を述べられておりました。しかとさようでございますか。あらためて御答弁を願いたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この点は本委員会でも再三申し上げていると思います。アメリカの要請という形で出発いたし、現在アメリカの要請にこたえるという日米行政協定上の手続によって処理されていることには間違いございません。しかしながらアメリカの要請をすべてうのみにしたかということになりますと、そうではないのでありまして、これを最小限度にしぼったわけでございます。日本の防衛計画とかそういう問題は私は存じませんけれども、はるかにそれ以下の問題として、少くとも五つの飛行場という問題は、いずれの防衛計画が成り立つにせよ、今日においては、手続はそれこそ行政協定上の手続になるわけでございまして、アメリカの要請にこたえたという形になりますので、アメリカの要請に基く飛行場の提供という事務であります。従って調達庁がこれを担当しておるわけでありますけれども、これを最小限度にするという努力は、いずれにいたしましても日本の防衛上必要になるという見地がこれを支配したわけであると申し上げた次第でございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 私どもがはなはだ奇異に感じますことは、この飛行場基地に関しまする問題は、今までの取扱いがすべて日本国とアメリカ合衆国との間の安保条約に基く行政協定によって、土地収用の事柄が問題になって参っておるのであります。しかるところあなたの御答弁によりますと、かりそめに、表面はそれであるが、しかしながら中味はそれとは違うのだ。実は日本の防衛庁の防衛計画等も五つの飛行場を対象として、ぜひとも近代的な飛行機を持たなければならぬので、従って基本的にこういう計画があるので、一応しぼってこの形をとってはおるけれども、中味は実はその防衛計画に基くものである、こういうことが述べられておりますが、そうであるとするならば、私はトラの威をかるキツネということがあるが、実はアメリカの名前に隠れて、そうして日本独自の防衛計画がこのような形でもって続々と既成事実を作り上げんとするものであって、これは予算を編成する上においても重大な問題であろうと思うのであります。日本独自の防衛計画ならば、これは当然防衛庁の所管事項であって、調達庁がタッチすべき事柄ではない。そうような予算の問題に関連をいたしまして、根本的に大きな問題をここに惹起して参ると思うのでありますが、ただいまあなたの述べられたごとく、この飛行場の問題は表面はアメリカの要請という形を仮装してはおるけれども、その中味は日本独自の防衛計画に基くものであるというただいまの御答弁にしかと間違いはないかどうか。そうであるとするならば、当然この問題は重要な問題でありますので、緊急にこの問題だけを対象として、われわれは国会においてさらに深く掘り下げて論議を進めなければならぬと思いますので、この点は間違いないかどうか。念のためにもう一ぺん伺っておきたいと思うのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいま春日委員の仰せられましたように、私はお答えした覚えはないのでありますが、アメリカの要請として出発して多数の飛行場の問題があるのであるけれども、日本独自の防衛計画があるかないか、それは私は知らないけれども、いずれの見地からいっても最小限度の飛行場にしなければならない。将来いかような防衛計画ができるにしても、最小限度の飛行場ということであれば役に立つはずであるから、こういう意味で申し上げたはずでございまして、日本独自の防衛計画がある、あるいはそれに関連して定まったというふうに申し上げたつもりはないのでございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 福島君に伺いますが、それならばあなたはいずれの見地に立ってこの仕事をおやりになっておるのであるか。少くとも防衛庁設置法があり、特別調達庁設置法があり、あなたの職務権限はおのずから法律で規定してあると思うのであります。従いましてあなたはその法律で定められた範囲の職務権限しか執行できない、従っておのずからあなたのよって立つところの見地というのはきまっておるわけなんです。防衛庁の見地にあなたが立つことは許されていない、同時にまた他の官庁の見地に立つこともそのような権限をあなたに許してはいない、あなたの立つ見地というものは、ただ調達庁すなわち日米協定に基くところの法律に規定した範囲内以外の行動をあなたに許してはいない、にもかかわらずあなたが他の見地に立ってこの問題を取扱っておられるということについては、われわれは法制上多大の疑義を持たざるを得ないのであります。あなたは防衛庁の見地に立つこともでき、あるいは調達庁の見地に立つこともでき、その他の官庁の見地に立つことも許されておるのであるかどうか、一応この際重ねて伺っておきたいと思うのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 その点も先般のこの委員会でお答えをしておいたつもりでございますが、調達庁長官というものは、それは確かにアメリカ駐留軍に対する提供機関として発生したことは事実でありますけれども、しかしながらすべて調達庁というものの権限はアメリカの持って参ります要請を、合同委員会その他を通じて受け付けて、これを実現して提出するのにある。通り一ぺんに権限を読みますればそういうことになるかもしれませんけれども、私どもの仕事の態度といたしましては、アメリカの言って参りました要請をそのまま受け付けるわけには参らない、国民負担の財政的な見地からもこれを最小限度に切り詰めなければならない、日本の社会的経済的影響から申しましても、切り詰めて参らなければならない、従いまして現在アメリカが使っておりますちょうど四十の飛行場を拡大しようという問題が起りましたときに、どこもかしこも困るということで、現在では五つでございますが、そこに切り詰まって参りましたわけでありますが、その間、アメリカに対しましてはありとあらゆる議論をいたしたわけでありますが、私どもここまで切り詰ってくれば日本にも防衛という問題は――私の所管ではございませんけれども、防衛という問題が存在する以上は、これ以上詰めなくても私どもの仕事の態度として差しつかえないところまで切り詰まってきたであろうと考えまして、この五つということに納得したということになるわけでございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 この問題は重大な疑義の存するところでございまして、いずれこれは予算委員会あるいは本委員会等において機会をあらためて問題を深く堀り下げてお伺いをしたいと思います。  そこで一つお伺いをいたしたいことは、四月十六日の朝日新聞の報道その他の新聞の報道も同工異曲の内容を述べておりますが、それによりますと、防衛分担金減額交渉の交換条件として小牧、新潟、立川、板付などの飛行場の滑走路拡張要求をしてきた、そうして政府はこれに了承を与えた、こういうような報道がされておりますが、これは防衛分担金の交渉に関連をして、交換条件として当時すでに受諾が与えてあるものであるかどうか、あなたは、御答弁によると、政府各般にわたってあまねく責任を持っておられる様子でありますから、おそらくはこの辺の消息にも通暁されていると思うのであります。この新聞記事の報道は果して真相であるのかどうか、この機会にちょっとお漏らしを願いたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 防衛分担金の交渉という問題は私の所管でございませんので、権威をもってお答えいたすわけに参りませんけれども、消息を知っておれば漏らせというお言葉でございましたので申し上げますが、私の考えまた観念しております限りにおきましては、飛行場の拡張という問題は、防衛分担金の削減の条件ではないと考えて差しつかえないというふうに考えております。申し上げましたように、過去ニカ年間アメリカとの間に飛行場の整備という問題の交渉がございまして、われわれとしてもアメリカの言う通りにはならないけれども、日本の国の存在する以上最小数の飛行場の整備という問題は当然やむを得ないものである、また進んでやらなければならないものであると考えておりましたので、今回の防衛分担金の交渉がいかのように成立いたしましたにしても、日本の国でジェットの飛行機が飛べるようにする最小限度の飛行場をそのために作るという問題は、引き続き存在したと考えますので、その意味におきましては、分担金の交渉と関係がなかったということを申し上げて差しつかえないのではないかと思います。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 さすれば重ねて伺いますが、この防衛分担金交渉の段階においては、そういうものに対して了承を与えたことはない、その後何らかの機関においての日米間の交渉の中で、この五つの飛行場を対象として滑走路の拡張に対して了承を与えたような事柄が存在しておるかどうか、この点を一つ明らかにされたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この飛行場の問題の日米間の交渉は、主として私どもが担当したわけでありますが、過去二ヵ年間もみにもみました問題でありますので、今日におきましては、アメリカとの間に、この五つの飛行場の滑走路を延長するような処置をとろうということで話合いがついておるということは申し上げなければならないと思います。それが実質的につきました時期は、政府限りの案として予算案の成立しましたころであります。私どもといたしましては、ある程度の予算上の見当がつきませんとめどがつかないものでありますから、それまで待ったわけでありますが、実質的にはアメリカとの間にこの五つの飛行場について、今後拡張のための計画を準備するという話し合いをつけてあるわけであります。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは、大分あとがつんでおりますからあとに譲りまして、一つだけ伺います。これはどうなっておりますか。現在調査、測量をしておられる飛行場はどれどれであるか、それから強制立ち入り調査をしておられる飛行場はどれどれであるか、それから知事の公告を得ておられる飛行場はどれどれであるか、この三点をお伺いします。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この五つの飛行場のうち、現在調査をいたしておるところは一つもございません。小牧につきまして調査が完了しただけでございます。他の四つにつきましては調査をいたしておりません。この四つにつきましては、法的手続によりまして立ち入りの手配をしよと考えておりますが、まだ知事の公示を得ておる県はございません。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 小牧だけはどうして調査をされておるのでありますか。ただいま伺ったところによりますと、地元の納得を得た場合、それから法的手続を得た場合、この二つの場合だけ調査ができるのであります。ところが肝心の北里村は、これに対して村長が了解を与えていないということは、地元代表がここで確言をいたしておるのであります。従いまして、了解は得られておりません。さらに、伺うところによると、法的手続はいまだ完了されてはいない様子であります。従って、二つの条件を具備していない状況下において、小牧飛行場を調査することは、調達庁においてできないと思います。さすれば、今小牧だけを調査されたということは、下法に侵入して調査をされたものであるか、あるいはいかなる法的根拠に基いて調査をされたものであるか、この一点だけ明らかにしておいていただきたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この点は先ほど申し上げた通りでございます。小牧につきましては、私の得ております報告に関します限りは関係市町村長との話し合いに基いて調査をしたという報告を得ておるわけであります。先ほど来御指摘の点もございましたので、この点は取り調べまして御報告申し上げたいと考えております。私どもに関します限りは、ただいま申し上げましたような意味ではございますが、話し合いに基いて入ったということにしておるわけでございます。

春日一幸日本社会党(右)

○春日委員 それでは最後に結びますが、ただいまわれわれの知り得た範囲内におきましては、結局、あなた方の報告が事実に反するものであった場合、すなわち地元村長がこれに対して了解を与えていない、こういうことが明らかに証明が立ちました場合、すなわち法律が規定いたしまする地元の了解を得ることなく、さらにまた了解を得られない場合になし得るところの法的措置も講ずることなく、調達庁及び米軍、それから警察官ともどもその地元に闖入をして、そうして憲法が保障する個人の基本的人権をじゅうりんしたという事実がここに存在することになりますので、その責任は追ってあなたに求めることにいたしまして、私の質問を終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 森三樹二君。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 ちょっとお尋ねします。私は、ただいまの茜ヶ久保君に対する福島長官の答弁は、実にあなたの職分を忘れた行き過ぎの思い上った答弁だったと思うのです。あなたが日本の防衛を責任を持って遂行するがごとき大それた答弁であったと思うのです。これは明らかに食言であるから、この際取り消しを要求したいと思うのです。ということは、私先ほど聞いておりましたが、茜ヶ久保君の質問に対してあなたは、アメリカの要求によって飛行場の拡張をするのではない、日本自身の防衛目的のためになすものであると言われたのです。その後春日君の質問によってこれが大分修正されましたけれども、しかし先ほどのあなたの答弁では、明らかに、これはアメリカの要求によってなすものでないということを言われました。私どもは、せんだって立川、横田の基地に参りまして、親しく極東空軍の最高責任者にも会って実情を調査して参っております。もしも彼らが要求しておるがために拡張するのでないというならば、あなたは日本の責任者としてそういうような失言をしたものであるから、私はこの際あなたの考え方を根本的にあなたの血の中にはもう日本人としての血があるかどうか私はまことに疑わざるを得ないので、この点についてあなたの責任ある答弁を願いたい。ここでもってあなたに私は取り消しを要求いたします。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいま御疑問として御指摘になりました点は、その後御説明を申し上げたつもりでありますが、アメリカの要求に基いてやるのではないというふうな言葉使いをいたしたかもしれませんが、アメリカの要求のみによってこれをうのみにしているのではなくて、われわれ自身の立場で最小限度われわれの必要というところをがんばって話し合いをつげたものである、そういう意味でございます。手続といたしましては、アメリカの要請に基いて、これに対する提供義務の問題として、行政協定その他の手配によってやるという形をなしておるということに申し上げておるつもりでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 そうすれば、先ほどのあなたの発言は誤解であったというように、あなたは取り消しなさらないのですか。先ほど茜ヶ久保君に対して、アメリカ当局の要請によってするものでないということを言われましたが、それはあなたの誤解として、ここで取り消しなさらないのですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 言葉使いの関係で、取り消す方が適当な言葉使いがございましたら取り消すのに異存はございませんけれども、申し上げておりますことは、今回の飛行場拡張について、アメリカにかけ合うかどうかというお話がありましたので、ここまで詰まってきた形の問題としては、これはアメリカにかけ合って解決すべき問題ではないのである、その意味においてはアメリカの言い分通りやっておるものではないから、というふうに申し上げたつもりでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 福島長官の心の奥底には、すでに自分はもうアメリカの要求には唯々諾々として応ずるという、日本国民の利益を無視したような、そうしたところの考え方が私は多分に含まれていると思うのであります。先ほど来、日本の各飛行場基地のために苦しんでおられるところの多数の方々がここで血の叫びをしておられるのに対して、あなたはまことに冷淡な、しかも日本の極東軍事基地強化のためにアメリカの要請をいれていくというような、何ら反省のない答弁が行われたと思うのであります。今後あなたは、ほんとうに自分に与えられた任務がどこにあるかということを十分認識されて、先ほど来の答弁を一つ十分反省していただきたいと思うのであります。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ちょっと私発言さしていただきます。アメリカの要請を唯唯諾々としてやっておるというお話でございましたけれども、さような精神は毛頭持っておりません。今日、飛行場の拡張といったようなこのようなむずかしい問題を、すべての人が反対せられる問題を、事と次第によっては押し切ろうという精神でやっておるのでありますから……。アメリカの方を押し切る方がずっとやさしいのであります。むずかしい方を取り上げてやろうとしておるのであります。決して、アメリカの要請を唯々諾々として承知しようという精神ではございません。ただその間、地元の方々の持っておられます実体的な問題については、でき得る限り正当な対案を十分に準備したいと考えて努力しておるわけでございます。

森三樹二日本社会党(左)

○森(三)委員 私は、ここに大いに長官の反省を促して私の質問を留保しておきます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 櫻井奎夫君。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 この問題につきましては、先ほど来同僚諸君がいろいろと聴取をいたしておりました。私の質問もまたこれに重複する部面もありますし、時間の関係もあり、あとにまだ多数質問者があるようでございますので、二つの問題についてお伺いをいたします。まずその第一点でございますが、今日この基地の問題が、全国的な影響をもって大きくクローズ・アップされておるのでございますが、この基地の周辺においていろいろ基地の反対をしておる人、あるいは学生、そういう人たちについて、警察当局が公式、非公式に何らかの調査をしておるというようなことを聞くのでございます。斎藤警察庁長官にお伺いいたしますが、そのようなことをあなたは指令なさったか、あるいはそういうことを聞いておられるかどうか、このことを一つお尋ねいたします。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 ただいまここでいろいろお伺いいたしておりますように、基地拡張問題をめぐりまして深刻な問題が展開をいたしております。事と場合によりましては、どういう治安上の問題になるかもわからないというような見地から、現地の警察では事柄の成り行きを注目しておる、これは当然であろうと思っております。しかしながら、特定の者についてどういう調査をするようにというような指令はいたしておりません。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 これはまさに国民的な注目の焦点になっておりますために、治安当局である警察がこの成り行きについて十分の注意をしておられる、このことは私は了承するわけです。しかし、私どもが聞くところによると、特定の人のところに行っていろいろ調査をしたり、あるいは私服の警官が、そういう反対をしておる人のところに行っていろいろ聴取する、こういうことを聞いておるのでありますが、あなたはそういう事実を報告か何かで聞いておられないかどうか、あるいはあなた自身が、警察庁長官として、五つの基地の周辺にそのような特別な指令でも出しておられるかどうか、そのことをもう一ぺん確認したいと思うのです。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 特別な指令はいたしておりません。また、個々具体的に、どなたのところへ行ってどういうことを聞いているかという報告も受けてはおりません。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 ここは国会の席上でございますので、ここであなたがそういうことを指令したということはもちろん言われるはずもないと思うのです。もしこれが事実とすれば、これは国民の基本的人権を侵す実にゆゆしき問題であろうと思うのでありますが、もしそういう事実がありとしたならば、あなたはどういうふうに処置される御決意でございますか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 私は国民の基本的人権を侵すような調査の仕方をしておろうとは考えておりません。(「事実あるのだ」と呼ぶ者あり)もしそういう事実があれば処置をいたします。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それでは、新潟地区の証人、どちらの方でもよろしいのでありますが、この周辺においてそのような事実がなかったかどうか、あったならば、具体的な事実を一つここで供述していただきたい。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 議事進行。小牧にもそういうことがあると言っておられますので、小牧の証人にもこの際発言を許していただきたいと思います。

箱岩善一新潟県労協事務局長

○箱岩参考人 新潟の箱岩であります。今の御質問に具体的にお答えをしたいと思います。  新潟基地におきましては、警官の不当行為の事実がたくさんあるわけであります。従って具体的に申し上げてみたいと思います。やっている場所は、新潟市内の部落の中心になっているところの河渡の部落、対象は、青年団、新潟大学教授、新潟大学学生「期成同明の主要役員、基地の対策委員の人たち、こういうふうな人たちに対して私服で戸別訪問を行い、調査を行う。そうしてその調査には、どうなっているかというふうな事情を聴取するとともに、あまり深入りしない方がいいのだ、深入りするととんでもないことになるのだ、だから君、やめた方がいいのだと、こういう不当な行為を行なっているわけであります。私どもは、このことにつきまして、新潟県警察本部に五月二十八日厳重に抗議をいたしたわけであります。しかし、二十八日以降におきましてもこういう行為は少しもなくなっていないわけであります。  さらに、どういうふうな人がやっているかということを申し上げるならば、これは、偽名を使っておったり、あるいは普通の人に化けたりしておりますので、氏名の把握ということはなかなか困難でありますが、私どもの承知している範囲では、新潟県警察東新潟署、松本、斎藤、滝沢、こういうふうな人が確実にやられておるということを承知いたしておるわけであります。これは基地一般の、どこでも通用するところの問題ではないかと思っております。従って私どもは、今福島長官のおっしゃったところの、強制でもやる、基地反対闘争というものは国賊といわんばかりのことは、何か、犯罪行為をやっているというふうな印象を徐々に作り上げまして、私どもの、生活権を守ったり、あるいは市の繁栄を正しく守ろうとするこころのものに対する一連の工作ではないかということを地元民としては思っている次第であります。従って、この席上におきまして、そういうふうな事実は絶対ない、国民として正しい行為を行なっているのだという点を皆様方に十分御理解をいただきたいと思います。以上です。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 もう一つ、小牧の方から参考の意見があるそうでありますから、これを聴取いたしたい。

大野春吉農業

○大野参考人 日にちははっきりここに書いてありませんが、国警本部鈴木昇、電話では県庁の四九一番へ連絡してほしい、こういう話でございましたが、この鈴木昇氏が、四月のたしか六日ごろだったと覚えておりますが、来られまして、われわれの部落の代表委員を集めていろいろとこの飛行場問題について調査しております。なお最近におきましては、部落の警察の者まで、私のうちへもう四、五度来ております。そうして、何となしにとにかく寄った、どんなふうになっているかといって尋ねております。私の不在中子供をとらえては、お父さんはどこへ行っている、おらぬかといっては尋ねておりまして、いかにも私が思想的にでも傾いているような態度で、毎日ぶらぶらと見回られる。これは私だけではないです。元県会議員の船橋久男氏のうちへも、西枇杷島署の署員が三名来られて、同じように尋ねられたことがあるそうです。これははっきり私は証言いたします。以上です。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 警察庁長官、ただいま、実際に基地において具体的に起きていることが証人によって証言をされました。これほど確実な証言はないと私は思う。しかも、あたかも犯罪者でも扱うような態度である。あなたは、これは治安上間違いがあっていけないから、警察当局としてはそういう動きに対して注意をしておる、こういうことをおっしゃった。そういうことはわれわれも了承できるのであるが、今参考人から述べられたところのいろいの事態というものは、これはあたかも犯罪者を捜査するような、あるいは思想を調査するような、これははっきりとした警察権の行き過ぎである。こういう事態に対して、あなたは一体どういうふうに考えられるか。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 私は反対運動の中心をなしておられる方々のお宅に上って、どういうふうになっておりますかということを伺うことは、これは行き過ぎてはいないと思います。むしろこういう実情だ、こうだということを端的に私は話していただくことが望ましいのじゃないか、こう思います。労働争議なんかの場合でも、私はよく言うのでありますが、組合側の方々とももっと胸襟を開いて、警察が行ったならば、自分らの実情はこうなんだ、こういうわけだということを話して下さい。そうすれば実際労使の間に衝突が起った場合にも、警察が実情がよくわかっておりますから、適切な措置がとれる。警察が来ると、いかにも弾圧に来たようにお思になり、そうしてこれを避けられるというよりは、もっと虚心坦懐に話していただいた方が望ましいのではないか、かように思っておるのであります。あるいはただいま参考人の述べられましたように、深入りしないようにとか、あるいはその運動をやめるようにというような意向を漏らしたというりようなことで、あれば私はこれは行き過ぎであると思いますので、十分注意をいたさせます。しかしながら運動はおやりになっても法に触れるようなことのないように御注意を願いますことは、私は当然であろうと思いますが、今参考人のおっしゃったような、運動をいかにも弾圧するかのようなそういう態度なり、言動があればよろしくないと思いますから、十分注意をいたさせたいと思います。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 これは今現地の人からじかにお話があった。ただ単にそこの住民の人とよく警察が話し合いをして、何とか意思の疎通をはかりたいという、そんななまやさしいものじゃない。そういう反対運動をやっておる中心の人たち、あるいは新潟県の場合は農大がすぐ近くにありますために、学生が全部反対しておる、その学生のリーダーのような人、こういうところに行って、いろいろと懇談をするなり、もう少し広く住民に向って懇談したらどうです。こういう特定の反対運動の中心になっているような人のところにわざわざ行って、そうして深入りをしたらいけないとか、そういうことをいたしましたことはこれは明らかに行き過ぎだ。これを警察がいろいろ住民と意思の疎通をさせるために、いろいろ話し合いをしておるというのは、私は断じてその通りは受け取ることはできない。従って先ほどあなたは、この問題についてもし行き過ぎの点があったら処置をするとはっきりおっしゃった。これは議事録に残りましたから、もし調査の上でそういう事実があったとしたならば、そういう処置をあなたはなさると思います。私はそのような事態が――これは各地区の周辺にいろいろこのような意見の対立があるのでありますから、ますます今後こういう問題が熾烈になってくると思う。その場合に警察がそういう不当な干渉をするというような疑惑を、かりにも、その周辺の住民に抱かせることがあったら、これは重大なことだ。従って警察庁長官といたしましては、このような事態に直面して、警察官が公正無私であるように、このような疑問を住民に抱かせないように、十分注意するような、達しなり、通達なりをなさる御意思があるかどうかお答え願いたい。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 警察といたしましては、また私といたしましては、ただいま櫻井委員のおっしゃいますように、絶えず指導いたしておるつもりでおります。しかしながらそうでないような動きがあるといたしますならば、先ほども申しますように十分注意いたしたいと思っております。こういった運動の中心になる方々に会って話を聞きますことが、どういうように運動が展開されるということが一番わかりいいわけでありますからわれわれそういう事情を伺って、調達庁にも、今現地はこういう空気だけれども、こういう処置をとってもらいたいというように、必要に応じて連絡協議をいたしておりますので、その方が私は地方住民の方々にもいいのではないかと考えておるわけであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 私の第二の質問に対してお答えがなかったわけで、ますます今のようにいろいろ調査――これは住民の方からいえば調査としか見えない。あなた方の方は話し合いに行ったというようにお考えになるかもしれないけれども、先ほどの参考人からお話かあったように、住民は土地を取り上げられるかどうかというので血みどろの戦いをしておるところに、警察官が来て、お前の心境はどうだとか何とかいって聞かれたので、これはすなおに受けとれない。従ってあなたはそういうことが、今後も必要であるというお言葉でございますが、いたずらに現地の住民を刺激して紛争を起すようなことを避けて、この際警察官に公正な態度で臨めということを、御注意をなさる御意思があるかどうかを私は最後に聞いておきます。

斎藤昇警察庁長官

○斎藤(昇)政府委員 お答えいたしたつもりでおりますが、われわれといたしましては、地方のそういった住民を刺激させないということが警察官のあるべき姿なのでございますから、何べんでもそのことは注意をいたします。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 それではもう一点。これは先ほど十四人の参考人からるる説明がございました。この質問については、いろいろ同僚議員からも話がありましたように、私はこの十四人の方のお話を聞きまして、そこに一貫するものは、今までの調達庁の土地収用と申しますか、そういうものに対する取扱いがきわめて非人情的で、全く一片の人情すらもない。一次、二次の接収すらもいまだ解決がついていない、こういうことがほとんどみんなの参考人から言われておりますが、こういう問題について、調達庁長官といたしましては、この基地の苦情処理はおそらく調達庁にあると思うのですが、その点はどうですか、ちょっと確認しておきたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 このたびの飛行場の拡充という問題に関連いたしまして、大なり小なり、どこの飛行場にも従来の懸案があるということは仰せの通りでございます。これを片づけなければ、次の話し合いに入るべきではないという精神は持っております。従いましてただいまは立ち入り調査という事態でございますので、これは数十日かかる問題でございます。それが済みましてから計画が確定いたすわけでありますので、その間にそれまでの懸案は、これは各飛行場にございますが、でき得る限り片づけるという方針で努力進行させておる次第でございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 買収の価格の問題であるとか、たとえば飛行場の例をとりますと、飛行場の基地から出る汚毒水の問題、こういうものが農作物に非常に影響をしておる、あるいは基地から出しますところの炭がらのようなものを農地に捨てるので、農民が非常に迷惑をしておるというような派生的な問題が多数あるわけです。こういう問題を早急に誠意を持って調達庁は解決をする意思があるかどうか、その点を一点お尋ねしたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 仰せの通りであります。今以前の土地買収の問題問題についての価格の未解決の問題もございます。その他に接収解除要望のある問題とか、あるいはただいま御指摘のありましたような炭がら、汚水の問題とか、あるいは爆音の問題とか、多種多様の問題がございます。私はこういう問題を誠意を持って早急に解決をいたさなければ、次の場合に実質的に非常に支障があるわけでもございますし、また建前といたしましても仁義が成り立たないわけでございますので、早急に解決するように努力いたしておるつもりでございます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井委員 私は次の問題を聞いているのじゃなくて、今まで未解決のものを早急に解決するかどうかということを聞いておるわけでございます。次の問題に入る前提としてこれをどうしろということを言っておるのではない。今までいろいろな問題がある、これを早急に解決するかどうか、こういうことを言っておるわけです。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 そういうふうにお答えしたつもりでございます。今までにやりました問題を早急に解決するつもりでございます。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 中村君。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 先ほど長官のお言葉の中に小牧以外は近いうちに法的手続をいたすつもりだという御答弁がありましたが、地元にとりましては測量に入ってくるということ自体でも非常に神経を使っておるのであります。どうせ来るならばはっきりいつ来るということを明確にして、そしてあまり不安な気持を持たせないでおやりになる方がいいんだろうと思っております。おわかりになっておる予定はあるのだろうと思いますが、いつごろ測量に着手せられることになりますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 法的手続は早急にとりたいと考えておりますが、法的手続の内容には関係知事、市町村長その他の方々の処置もございますので、私どもの処置だけで参らない面もあります。時期はいつごろになるかという点は申し上げかねますけれども、私どもといたしましては、でき得る限り早くやりたいという考えであると申し上げておるわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 申しかねますということが、なかなかこれは親切でなかなかこれは親切でないと思うのでありまして、どうせおやりになるとするならば堂々とおやりになる方が、私たちはいいと思っておるのでありまして、なんでそういうことを言えないのか。近いうちというのでありますから想像はできますけれども、アメリカの飛行機が空襲をするときでさえも、ちゃんといつ空襲をするといってビラをまいて空襲をしているくらいであります。とにかく地元としては非常に心配をしておるのであります。いつごろ測量に来られるかというようなことは、あなたの方で大体計画がないはずはないと思うのでありますが、いつごろを希望しておられるのか、そのくらいのことはおっしゃった方が地元のために親切だと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 測量の開始はでき得る限り早くやりたいのでございます。測量をいたしませんと、たとえば五つのうちどこかの飛行場で実質的に困るとか、あるいはその関係で予算的に困るとかいうのも出て参りますので、測量が全部出そろいませんと、その次の関係措置ができません。従って測量調査はきわめて早急にやりたいのでございますが、この法的手続と申しますのはわれわれから知事に流れ、市町村長に流れるわけでございますので、間で時間を食うという関係もございますので、その意味でいつからこの効果が発生するかということは申し上げかねると申し上げたわけでございまして、私どもの初めの処置といたしましては今月早いうちにかかりたいと考えております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 これは測量をお急ぎになっておるというところから考えますと、アメリカ側の拡張計画というものも相当具体的なものがあるのだろうとわれわれは思うのであります。アメリカ側としては一体飛行場の工事に着手するとか、あるいは完成をするとかいうことを無期限に考えておるのではないと思うのでありまして、先日私たちは基地の司令官にも会っておるのでありますが、今度拡張を必要とするF100号というのは、大体年内に何機かを持ってきたいのだ、来年はもう飛べるようにしたいのだという基地の司令官の話しから想像もできるのでありますが、いつまでに一体仕事に着手して、いつごろまでに完成ができるのか、大体のことはわかっておるはずでありまするから、これもお答えを願いたいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいままでの答弁にあるいは申し上げなかったかも存じませんが、この基地の拡充という問題につきましては、日本側は用地の提供をする、アメリカ側はその上の工事をするということになっております。従いましてアメリカ側はアメリカの五五年の会計年度にこの予算を盛っているはずであります。これは七月一日から始まりまして来年の六月三十日に終る年度であります。その年度内に工事を完了しなければならぬ事情がアメリカ側にはあると思います。従って特別に長期を要する工事、たとえば木更津の埋め立てと申しまするような工事以外は、アメリカ側の支出の関係もありますので、アメリカ側の支出がかれこれ五十億円くらいになりますから、この関係で来年の半ばごろまでには完成しなければ都合が悪いという事情があるかと考えております。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 そこまでアメリカ側が具体的に考えておるとしますならば、相当計画もはっきりしてなければならぬように思うのであります。さっき長官の答弁を聞いておりますと、アメリカ側の要請があって、それに対する土地の提供については必ずしもアメリカ側の意見を聞くのではない。調達庁長官としてもいろいろ意見を述べて、日本独自の意見を述べるんだというような言葉でありましたが、これはもうアメリカ側としては必見なものを大体計画をして、そうして日本政府によこしてこれをやれというのが実際であって、あなたはいろいろな立場上、また関係者が大勢おりますから、あまりはっきりしたことは言えない立場にあると思うのでありますが、こんなことはどうせいくところまでいけばみんなわかってしまうことでありますから、そういう上手なことを言わずに――これはあなた一人で食いとめられるものだなんてわれわれも考えておりませんし、全部調達庁の責任だなんというようなことをわれわれは考えておるわけではないのでありますから、アメリカの計画であって、それに従ってやらねばならないということであるならば、それをはっきり言うた方がいいと思いますし、またあなたがさっき、何か独自の意見で変更ができるようなことも言われておりましたが、どうもこれは事実に反するように思われますが、正直のところをおっしゃっていただきい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 アメリカとの話し合いにおきましては、先方から要請のありましたものが数の上においては今日の飛行場となったわけであります。そうしてまたその一つ一つの飛行場につきましても、調査を重ねております間にわれわれ独自の意見も主張しておる次第でありますので、たとえば調査の完了いたしました小牧の場合におきましては、その大きさなりなんなり、飛行場の滑走路自体の長さというものは技術的な制約があると思います。一定の長さを持つ必要があるということは、あると思いますが、その幅、それに建てる施設その他の関係、これは必ずしも軍事専門家でなくても検討のできる問題でありますので、われわれの意見も申してあります。従いまして小牧の大きさなども最近非常に変りつつあります。縮小いたしつつあります。かって最初の案として県当局に御相談のときに持って参りました案と変ったものになる見込みであります。なおそういう実例は新潟についても申し上げることができると思います。先般私新潟に参りまして、知事さんとのお話の際に、知事さんから工場誘致とか、そういう面で強硬な御要望がありましたので、滑走路に該当していない部分を、責任をもってアメリカ側を説得して解除させるというお話をして参りまして、東京に帰って参りましてからアメリカ側と話し合いの上その部分を放棄させまして、その旨知事さんの方に回答した次第もございますので、逐次交渉によりまして、飛行場の拡張の大きさというものは変化しつつあるということは申し上げることができると思います。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 長官の答弁によりますと、いろいろの計画に対して何か手心を非常に加えることができるというような意味のようでありますが、どうも事実に違うのではないかと思われるのであります。この計画はあなたのところに来る前に、日米合同委員会なりなんなりにかかって、日本とアメリカとの間で協議をして、そうしてこことここを拡張するのだという前提があって、その上に調達についてあなたの方に仕事が回って来ておるのではないのでありますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 一面仰せの通りであります。しかしながら日米合同委員会においてアメリカ側の要求を受けつけて、どこまでにするかというようなことで折衝をすることがあるわけでございますが、その日米合同委員会では、これを日米合同委員会の内部の施設特別委員会でやることになっております。その施設特別委員会の政府代表はこの私がやっておるわけであります。従いましてそこで話し合いをした上できまれば、調達庁へ流れてくるということになります。仰せの通りであろうと思いますけれども、事実関係といたしましては、きまる道中において私が意見を申しているということになるわけであります。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 それならばわかるのです。あなたが日米合同委員会の委員としての立場であればいかにもその通りだと思うのです。あなたの方の調達庁という役所は、全権限の内容を調べてみると、ただ機械的に営繕とか、保管とか、調達だけが仕事で、あなたが先ほど説明するような設計をどうするとかこうするとか、あるいは協議によって縮めたり広げたりなんて、そんな権限は全然ないのです。調達だけの仕事が調達庁の役所の仕事でありまして、とんでもないことだと思っておったのでありますが、あなたが日米合同委員会の委員としての立場からそういう変更をするということならばわかる。そこで、それなれば今後測量をして、そうして測量の結果、たとえば横田の問題のように鉄道の線路が中に入ってしまうようなところがありますが、先日基地の司令官にこの鉄道はどうするのだ、あなた方の方の計画でこれをどうするのだ、地元の人は地下にでも入れてくれるのかということを言っておるがどうですかと聞いたら、いや地下になんぞ入れる計画は全然ありませんという。そうすると道路とか鉄道というものを大へん迂回させなければならぬことになって参りますが、今度あなたの方の測量の中には、飛行場のほかにそういう鉄道だとかあるいは道路を迂回させる、そういう方面の測量もおやりになりますか、どうですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいま横田の例についてお話がございましたけれども、私はその問題は意識しておるのでございまして、線路の迂回ぐらいで済めばいいのでありますが、駅そのものまで動かす必要が起りかねないというアメリカの原案であります。従いまして私どもは駅を動かすとかいうようなことは避けたいということで、その意味で、アメリカ側の提案は修正させるつもりで、当方の研究を整備しているわけでございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 基地の司令官の言うのには、鉄道などを下に入れるというようなことも考えてはおらぬようでありまして、私は今初めて長官から聞いたのでありますが、場合によったならば駅まて動かすのだというようなことになると、またそこの移転の土地が相当に必要になってくることは明らかであります。そうすると基地の予定地のほかに駅あるいは鉄道の線路あるいは道路、そういうようなものを入れるというと、相当の土地がさらに今度は基地のほかに追加されることになってくることは当然だと思いますけれども、その点はどうですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 その点まことに仰せの通りでありますので、私どもが絶対に必要と考えておりますものは、あくまで滑走路でありますので、駅だの線路だのを動かせられたのでは仕事が非常につらくなりますので、少し反対側へ押しのけるとか、いろいろな交渉をしようという腹を固めて、滑走路以外の問題のために余分な土地を必要とするような計画はあくまで避けるように交渉したいと考えておます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 今基地以外の、飛行場の拡張地以外の問題を考えると大へんだからと言われるでありますけれども、地下にでももぐらせるならば、これは別に土地を取るという問題は起きてこないのでありますが、そういう計画はアメリカ側には全然ないという。結局それは横の方に拡張するのだ。金のことも言われて、そんな予算がないようなことを言われました。とても地下に入れるような予算はないのだという。そうするとまた農地が奪われることになるから、あなたとしては飛行場以外のものは考えないというけれども、考えなければできないのです。これは鉄道もあるし、駅もあるし、道路もあるのですから考えざるを得ないのでありますから、基地以外によほどの土地がさらにいるということは明らかだと思う、どうですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 基地以外の問題を考えないで済むように、そういう駅なり線路なりにむやみな影響を与えないように、基地の計画そのものの修正を要求しようという考えであるというふうに申し上げたつもりでございます。

中村高一日本社会党(右)

○中村(高)委員 そうすると場所を変更するということ以外にはないのですね。駅だとか鉄道に触れないようにするには全然違うところへ作るか、滑走路を横にねじるとか、あるいはうしろの方にでも持っていくというならばわかりますけれども、それならばそれはどこに持っていくのですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 滑走路を横にねじるわけに参りませんので、反対側に若干の余地でもあれば、こちらに届かないということになります。反対側にない場合でも、あの線路の該当しておりますところは滑走路そのものではございませんで、少し横の地面になっておりますので、滑走路に最小限度の幅ができれば、ある程度のことは工夫ができはしないかというような面も多々あると考えております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 関連してお尋ねいたしますが、予定をされております基地の中に鉄道あるいは道路その他が含まれていた場合には、基地以外の土地に影響を与えないようにするお答えでございましたが、それはほんとうでございますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 基地以外の土地に影響を与えないように努力したいと申し上げておるわけでございます。道路のつけかえを要するということになりますれば、その道路敷の分が必要になるということはあると思いますけれども、従来の道路を利用いたしますとか、いろいろなことを考えまして、多大の影響を与えないようにしたいと考えておるわけであります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 そういうことをおっしゃるから私はわざと地図を持ってきた。小牧の飛行場は、あなたは調査済みとおっしゃっていらっしゃいましたから、よく御承知でございましょうが、簡単に拡大してみますと、こうなんです。大山川が基地の中心を流れるとこういう形に相なりますが、この大山川は、すでに調査済みということでございますから、よく御存じでございましょうが、年々はんらんをする川でございます。過去において何回はんらんしたか、あるいはこの小牧飛行場ができたがゆえになおそのはんらんが倍加されているという事実もおそらく御調査あそばされたこと存じますが、この川の上を飛行機が走るということに相なりますと、一体この川をどのように避けて滑走していったらいいのか、もしこれをなくしようとすれば、トンネルを掘るかないしは迂回させなければならないという勘定でございます。これに対してそれ相当の御計画があると存じますが、ただいまの質問者の質問いたしました通り、これを北部に迂回させようということになりますと、これは高い土地へ水がさかのぼっていかなければならないことになる。下をくぐってということになりますと、はんらんのもとが一そう累加されるということに相なります。いずれにいたしましても、たださえはんらんをするという川を高い方へ水を持っていけばよけいはんらんする。地下をもぐらせれば一そうはんらんして、そういうことがなくてさえもなお飛行場が水びたしになったことを、あなたは御調査で体験済みだと存じますが、この手品師のような高級技術を持っていらっしゃるあなたは、一体どのようにスムーズにこの上を飛行機が滑走できるようになさろうとしていらっしゃるのか。それに対する費用予算等も追って質問いたしたいのですがまずその手品の種あかしを一つお願いしたいのでございます。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 大山川の問題は地元の調査に基きまして、目下研究並びに計算をしてもらっておるところでありますが、目下のところではこれを迂回させるという案は見込みが薄いようでございます。道路と違いまして迂回しただけでは目的を達しないのでありまして、水が流れなくちゃいけないのですから、迂回案は技術的に見込みが薄いようでありまして、川幅を広げてこの上にふたをするという案におちつくような研究になっていると聞いておりますが、まだ結論は出ておらないと思っております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 あなたは、地図の上でこれを迂回させることはむずかしいから、この川の上にふたをして滑走させるというお話でございますが、この堤は現在ございまする滑走路よりも相当高いのでございますよ。だからふたをするという以上は、水の下にトンネルを掘らなければならぬ、こういう勘定になるわけであります。それができないで今の堤のままでトンネルでいこうとすると、小牧の飛行場の土地を数メーターずっとせり上げなければできないという勘定でございます。私はこの点についてはしろうとでございますからよくわかりませんが、地元に長年住まっている者の立場から考えてみますと、一体この土地をせり上げるために、あの平野のまん中のどこから土を掘り出してきて、これを行おうとなさいますのか、それに対する労力経費等々がすでに計算済みに相なっておりますか、おりませんか。平野のまん中に積み上げた高台、そこへ飛行機が走れるほど果してその土地が固くなるかならないか等々のいわば利用価値の問題と、これに利用価値あらしめるための経費と技術とが果して相マッチして今行われておるのでございましょうか、その点を承わりたいのでございます。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 工事として可能であるかということは技術的に検討中でございますので、今私から申し上げかねると思います。技術的に結論が出てくるかこないかという今分れ目であります。そういう場合に、かりに技術的にできるということになりました場合に、経費が非常にかかるという問題があることは当然であります。しかしこれは先ほど申し上げました通り、場内の地上設備は今の河川のふたをするという問題その他も含めまして、アメリカ側の予算に盛られているわけでございまして、その予算的措置は十分にあると聞いております。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 私の質問に対して答えがありませんが、予算があっても土はどこから掘ってこられますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 この点は技術的に研究してもらうほかはありません。私から今御返事はできかねます。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 答弁ができないとおっしゃいますので、この問題は保留いたします。いずれ追って詳しく御説明を承わりたいと思います。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田原春次君。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 先日立川と横田の飛行場を調べて、その際現地の司令官等の説明を聞いたのでありますが、それによりますとおのおの二千ヤードずつ広げたい。その理由は、二百五十名乗れる大型輸送機の発着に困るからである、こういう説明であったのであります。今までの長官の説明によりますと、日本の立場も考えてやるというのでありますが、果してここ数年来日本の軍用機等で二百五十名を輸送するものがあるかどうか。しかもそれは一体どこに送るのか。日本国内に送るのならば、何も二百五十名乗りのものを持つ必要はないのでありますが、そういう点からしますと、この二千ヤードをふやすという理由は、あくまでアメリカ側の要求でやるものだと思うのですが、どうでしょうか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいまの御質問は横田と立川についての御質問だと思いますが、二千ヤードではございませんので、単位はフィート、尺でございます。そして二千尺と申しますのは、横田の方を二千尺、立川の方を千五百尺でございます。それで御指摘のございました輸送機云々と申しますのは立川のでございます。横田の方はジェット機用でございます。立川の方は、これは横田と相並んで立川があるということが、大体初手から議論になりました問題でありますが、これは追究いたしましたところ、各飛行場の補給基地となるという任務を持っておるわけでございまして、各飛行場への輸送機の関係になりますので、比較的短かい滑走路で計画が行われているわけであります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 その問答の際にわれわれから質問したのは、これは前に長官が他の会に内閣委員会で答弁したことにも関連があるのですが、飛行機が日進月歩してどうしても滑走路の増大を要するというものですから、それでアメリカ軍の連中に聞いたのであります。かりに千フィートなり千五百フィートなり二千フィートふやしていくことが、次のC124ですか、いろいろ名前を言っておったのですが、はっきり覚えませんけれども、そういうもののために必要であるという、しからば日進月歩の飛行機の改良工夫で、今かりに二千フィートなり滑走路をふやすが、またあと二年くらいでさらにC200とかC250が来た場合にはまた二千フィートふやさなければならぬということになる。そのように次から次に滑走路を非常に長くするということは、むしろこれは飛行機の発達でなくて、旧型じゃないか。アメリカでは海軍は垂直に上る飛行機ができておるという質問をわれわれはしたのであります。そうしたら向うは、それは確かに垂直で滑走路を要せずしてやっている飛行機も今あるが、これは試験中である、こういうようなことでありまして、これらの言葉から想像しますと、今これほど大きく地方の人々が真剣に反対しておるにかかわらず、五つの飛行場を千フィートなり二千フィートなりふやす必要があるかどうか、かりにふやすといたしましても、そんなに五つもふやさなくてもいいのじゃないか。そのことはここ二、三年でまた飛行機の発着の改良工夫がなされて、長い滑走路を必要としない時代が間もなく来るのじゃないかという感じをわれわれは持ったのです。そこで、せっかくの地元民の反対でありますから、この際滑走路の――あなたは滑走路だけ先に言っているのですけれども、滑走路の拡張を前提とする今回の申し入れば断わったらどうか、そうしてもっとアメリカは工夫改良してきて、日本のような狭いところでむやみやたらに滑走路の拡張を言わずに、いきなり垂直に上る、ちょうどヘリコプターを改良したようなものに変えてこいというふうに押し返したらどうかと思うのですが、そういう考えはないですか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 まことにお説ごもっともでございまして、私自身もそう考えたのであります。飛行機が進歩した進歩したというのだけれども、滑走路を延ばさなければ飛べないようではあまりにも芸がなさすぎるのじゃないか、滑走路がまっすぐでなくても、それこそ曲った滑走路でもできないかとか、あるいは坂にしたらできないのかというような議論までいたしたのでありますけれども、これは当面の問題で、滑走路は、あるいは将来の発達によって短かくなる傾向がないとはいえないかもしれないけれども、当分の間そういう想像はつかない、飛行機がジェットに切りかわったばかりで、ちょっと考えられる当分の間はジェット式の飛行機、その次の段階というものは――これは二十年先に来るか三十年先に来るかわかりませんけれども、その次の段階の想像はまだつかないわけであります。そういう段階が参りますれば、滑走路が短かくなるということは想像がつく問題でありますけれども、当面飛行機というものが当分の間ジェットによって動くという事態はこれまた否定しがたい事実でありますので、その意味におきまして、この際の防衛態勢の問題としては、ジェットの飛行機、その飛行場という問題に限らざるを得ない。従いまして、日本の場合におきましても、今後相当の期間飛行機が飛ぶという事態が必要であります限り、差しあたりましてこの五つほどの飛行場の滑走路は延びなければならないというふうに考えておるのでございます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 それはその程度にしておいて、先ほどの長官の答弁の中に、この参考人諸君の陣述の大高根村の問題と小倉の道路解放問題と築城飛行場の被害の問題は、違うと言ったのはどういう意味でありますか。おそらくこれは飛行場をこれから新設する、拡張するという今後の問題である、それから大高根以下三つの問題は、すでに実行しておる問題の中のいろいろの扱い方の問題であるという意味でありますか、どうでありますか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 違うと申しましたことは事実でありますが、そういう意味の違いというつもりではなかったのであります。これは申し上げるとまたおしかりをいただくのではないかと思いますけれども、最小限度の飛行場の問題につきましては、調査の結果、技術的にできないとか、あるいは技術的に可能であっても予算上不可能のことになるとか、そういう事実でも出て参りません限り、またわれわれの方で各地元の方々の問題としておられます諸問題に満足な答案が書けないというような事態になりません限り、この飛行場拡張の問題はあくまでやらしていただこう、押して参ろうという心境にあるわけであります。ところが築城の問題、小倉の問題、また大高根の問題も若干問題の点があろうかと思いますけれども、これにつきましては、地元の各位の御要望についてわれわれはできるだけのことをしたい。築城の問題でいろいろお話もございましたけれども、おそらく補償高が最近において非常に減らされておるという問題であろうと思います。また小倉におきましては、昔の陸軍兵器廠でありますが、これがアメリカに移って以来通行どめになって町が非常に迷惑しておる。これは通れるのが当りまえだと私も考えておりますし、あくまでアメリカ側を押し切りまして道をあけなければならないと考えておるのであります。大高根の問題につきましても、これは前二者とは多少違う事情もございますが、最近までやっておりました人家の頭の上を越す射撃をやめまして、頭の上を越さない射撃にさせるというくらいの努力はもっと推進しなければならないと考えておるわけでありまして、でき得る限りの努力をいたしまして御要望に沿いたいと考えておる次第であります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 小倉の問題から聞きますが、参考人の供述によりますと、これは占領開始とともに一方的にアメリカから占領されて、そして通路の問題は、占領後半年の昭和二十一年一月から通行禁止になっておるのです。占領以前は日本の陸軍が長年使用しておった練兵場を造兵廠に改築し、それから小倉の駅に近い方は偕行社、図書館、八坂神社等があって、その中間は別に造兵廠の中を通るのでなくて、造兵廠は造兵廠だけで一区切りで高いへいがあって、それからまた道路があって、こちらの方の建物にもへいがあるわけであります。その中の通路を突然一方的に禁止したことに対する市民諸君の不満があるわけであります。小倉市当局としてはもう数回来て調達庁にも言っておるし、それから極東軍司令部であると思いますが、ターラント大佐とかいう人がおりますが、この人が行って、これは現地に行って調べておる。そして通路解放の必要は現地でも相当言われておるわけであります。近く解放されるだろうと言われておっていまだにされておらないのであります。先ほど来の長官の話を聞いていると、自分は決してアメリカの話に唯々諾々としておるわけじゃない、時には強いことも言っておるというのでありますから、この通路の問題は金銭の問題じゃなくて、人民の通行の便、不便の問題であるし、そのまん中の通路を通ったからといって、アメリカの占有地の作戦用兵のじゃまになることではない、これは敗戦前に日本の軍が長年使っておった、そうして毎日五万人から通っておったのでありますから、これ一つくらいは唯々諾々のうちの諾々くらいのところで一つはね返してみたらどうか。あなたの言葉の中にもこれは確かに必要だということがわかりましたから、この問題だけでもできるならば期間を切って交渉する、それから場合によっては調達庁長官も現地に行って現場を見てくる、このくらいのことは、せっかく遠方から参考人も来ておるし、また本日は小倉の市役所を代表して、小倉市役所の中にある解放促進の特別委員会から戸早、佐々木という両市会議員も来て現に傍聴しておるし、現に小倉市民の大きな問題でありますから、この機会にこの道路に対する明確なる方針を答弁された方がよいと思います。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 まことに仰せの通りであると思います。御趣旨に沿いまして、でき得る限り早く解決いたしますように努力いたしたいと考えます。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 次は築城飛行場周辺における農民漁民の被害の問題であります。これなども、きょうの委員会にわれわれが特に参考人に出てもらおうとしたねらいは、今後五つも飛行場を無理やりに広げていく、それから甘言を弄し、地元民を金その他の利権でつったりして、ついに飛行場を拡張するというような空気がありますが、もしも承諾したならばこういう悲惨な目にあうという実例が、ここに明らかになっておると思うのであります。そこでこれまた占領直後に当時の海軍の使用しておった飛行場だったために、そのまま占領軍が占領し、そして今日にきておるのでありまして、全く地元民と話し合いも何もしたわけではない。この辺でこういう占領当時当然のつもりで占領軍が使っておりますものに対して、一回押し返して対等な立場から行政協定の活用なりその他でもって、日本側の立場を主張しつつ、廃止すべきは廃止し、断わるものは断わる、縮小するものは縮小する、こういうような方針をとるべきであると思うのであります。その一例として築城の飛行場の問題が今上っておりますが、漁民、農民の被害の点は、先ほど参考人が陳述していますから、これに対する対策もさることながら、根本にさかのぼって飛行場返還、もしくはあらためて再協定を結ぶというようなつもりで押していってはどうかと思うのですが、どうでございましょうか。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 占領直後に築城の飛行場に入りましたのは、地元の人とも相談なくしてということでありますが、占領軍が日本に乗り込んできますと同時に、日本の旧陸海軍の施設を全部接収したときに一緒に入ってしまったというわけでありますので、以来接収が継続しておるということになります。築城飛行場の問題は当面問題となり、われわれも恐縮でありますが、常にがんばる、がんばると申しております拡張問題をがんばり通しましたならば、築城の飛行場の問題も解決することになる、かように考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 最後に長官に一つ聞いておきたいことは、あなたの部下の問題でありますが、調達庁の職員が七百名から首切られることになっておって、一昨日あたりから非常に心配して、これは三年計画というような通告をしておるのでありますけれども、調達庁の長官の仕事というものは非常に不思議な立場にある。飛行場を広げて農民や漁民を苦しめるとともに、自分の部下の職員を首切っていくという、われわれとしては全くどうも納得のいかないことなんでありまして、そこで全調達の方からも団体協約の申し入れがきておると思います。この不景気の今日、職員をどんどん首切って、幾らかの退職手当をやって失業の海の中にほうり込むということはよろしくないと思う。今内閣委員会では行政機関職員定員法というものが審議されておりまして、他の省においては三千人なり四千人ふやしておるところがある。そこで配置転換とか、何かそういうことを考えてしかるべきだと思うのでありますが、調達庁の職員の問題については、今どういうふうに考えておるか、これもこの際明らかにしていただきたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 まことに仰せを待つまでもなく、調達庁長官の立場は不可思議な立場でありまして、飛行場の拡張はがんばらねばならず、駐留軍労務者の首は切っておりますし、はなはだしきに至っては、自分の職員の首まで切るというところまでなっておるのでありますが、これは遺憾せん定員法を昨年お定めになりまして、それに基いて本年は第二年目、三百三十一名の整理を要するということになっておりますので、法律の方をお変えいただかない限り何ともしょうがないわけでございます。そこで私どものできます唯一のことは、御指摘にありました通り、他の官庁への配置転換を懇請するとか、あるいは民間において就職をあっせんするということになるわけでございます。その方面に全力をあげて努力もいたし、同時にまた職員組合との間にも意思の疎通をはかっておる次第であります。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 次に私は外務省の欧米局長の千葉皓氏にお尋ねしたいと思う。あなたは先ほど来全国の国民が飛行場拡張に対して反対をし、またすでに承諾させられて使用させられております飛行場であるとか、あるいは射撃場であるとか、あるいは城内の通行の禁止というようなことも聞かれたと思うのであります。これはあなたの職責であると思って実はお尋ねするのでありますが、日米行政協定というものは、もうこの辺でやむべきものではないかと思う。これほど多くの犠牲を国民にしいて、そうしてアメリカ本国で考えれば、いかにも広いところであるように考えるかもしれぬが、日本国内はごらんのごとく、飛行場の周辺でも十メートル離れたら田を作っているというところもあるわけですから、この辺で行政協定を基本的に改めて、もっと言いなりほうだいにならない日本の土地、人口、食糧、交通、いろいろな状況で、あるものは賛成し、あるものは反対し得るように強化しなければならぬと思うのだけれども、今のようにずるずるとなってくると、調達庁はきまったことをやることになるわけですから、基本的には外務省の行政協定に対する腹をきめなければいかぬ。これに対するあなたの見解を聞いておきたい。

千葉皓外務事務官(欧米局長)

○千葉政府委員 お答え申し上げます。日米行政協定は、御承知のように、安全保障条約によりまして、日本が自衛力まだ十分でありません間、暫定的に米軍に日本の防衛を依存するということについて、相互に約束しておるわけであります。その結果として米軍が日本に駐留するということになっております。その駐留に必要な施設の提供、維持について規定を定めたものが、ただいまお話の日米行政協定であります。お説のようにいろいろ無理はありましたけれども、まだ私どもといたしましては、これが改定が必要であるとか、廃止が必要であるとかいうようなことは考えておりません。御承知の合同委員会というものが、行政協定の二十六条によって設置されておりまして、今日まで起っておりますいろいろな問題は、その合同委員会における協議によって十分処理されるというふうに考えております。

田原春次日本社会党(右)

○田原委員 これは欧米局長に聞くのは無理だと思う。そこでこの内閣委員会としては行政協定の問題、飛行場の問題を含めまして、鳩山総理大臣と重光外務大臣を同時に呼んで、もっと基本的の日本の行き方について腹を聞く必要があるのであります。それを保留しておいてきょうの質問を終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 田村元君。

田村元自由党

○田村委員 先ほどの大沼君の御発言の中に、自由党云々という言葉がありまして、われわれ自由党としては福島長官に一言注意をして、そうして長官から誠意ある御答弁を伺えれば不問に付すつもりでおったのでありますが、先ほどの福井君の質問に対して長官の態度というものはまことに天下の公党を侮辱したような、小ばかにしたようなものが見られるのでありまして、私どもはここに断じて許すことのできないような気持になったのであります。そこであらためて穏やかな福井君からお聞きするよりも、はっきりもう一回お尋ねをいたしたいのでありますが、大沼君に再びちょっとお聞きいたしたいと思います。先ほどあなたは自由党が天下をとっている間アメリカの言う通りであるというような発言を、調達庁の役人がしたということを言われましたが、あらためて伺いますが、間違いなく言ったのでありますか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 間違いありません。

田村元自由党

○田村委員 それではまだ今名前を思い出すことはできませんか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 清野隆太郎という人だと思います。

田村元自由党

○田村委員 その人は何をしている人ですか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 仙台調達局山形調達事務所の不動産の方の係です。

田村元自由党

○田村委員 それはどこで言いましたか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 自分の村は現在は村山市白鳥の戸沢支所になっておりますが、元は北村山郡の戸沢村役場になっております。

田村元自由党

○田村委員 それはいつごろ言いましたか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 二十九年の一月八日と思っております。

田村元自由党

○田村委員 それはどういう人の前で申しましたか。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 接収関係者大半おりました。

田村元自由党

○田村委員 繰り返しますが、それは間違いありませんね。

大沼謙伍農業

○大沼参考人 間違いありません。

田村元自由党

○田村委員 ありがとうございました。  そこで長官に一言お尋ね申し上げたいのでありますが、先ほどの福井君に対する長官の御答弁はまことに不明朗であると私は考えておるものであります。立憲政治に立脚したわが自由党の政治活動を誹謗することをもって、あなたはそれを容認されたのか、あるいは自由党を非国民ということを黙認されるのか、あるいはまた一小役人の言ったことぐらいとして黙殺をされるのでありますか。たとえばわが党はきわめて誠意ある態度でもってこういう問題に対して対処しておるのでありまして、福井君のごときは、木更津の問題で目の色を変えて一生懸命に奔走しておることは、あなたもよく御承知であろうと考えます。こういうふうにわが党が終始一貫して国事に奔走している姿を、あなたはあまりにも侮辱されておるのではなかろうかということを、私は強くあなたに申し上げたいのであります。  われわれはもちろん一部のためにする赤旗の反対運動というものに対しては、もちろん冷厳なる批判を加えて参っておりますが、しかしながら今ここにおられる良民の反対運動に対しては、そのよき味方ともなって、大いに民族の独立のために立ち上るべき決意を持っておるのであります。もちろん長官が非常に苦しい立場に置かれておるということは私どももよく存じております。でありますから、でき得る限りあなたにあたたかい態度をもって、協力すべき点は協力をするというふうに考えておるのでありますが、先ほどの福井君に対する御答弁のような、木で鼻をくくったような傲岸な態度をとられましては、われわれは断じて引き下がることができないのであります。この長官の態度というのは、先般からこの内閣委員会で、あるいは以前のキャンプ・マックネアの当時の当時の審議から、あなたはわれわれ内閣委員に対して頭から挑戦的であり、そうしてけんか腰であるというふうに、これは民主党の諸君でも、社会党の諸君でも認めておられるだろうと私は思う。こういうような態度というものを改めていただいて――これは委員である田村一人の言葉ではありません。あなたが自由党の委員福井君に対してこういう態度をとられたことを陳謝せられて、なおかつこの暴言を吐いたあなたの部下の実情を調査せられて、善処せられることをここではっきりとお誓い願いたいのであります。もしそれをなさらないというのならば、われわれにもまた考え方があるのでありまして、この際私は長官に抗議を申し込むというよりも、むしろ御忠告を申し上げたいと思います。あなたの誠意ある御答弁をいただきたい。

福島慎太郎調達庁長官

○福島政府委員 ただいまの山形に起りました事件につきましては、これは二十九年の一月ということになりますと、私が着任いたしましてから間もないことになりますので、事件そのものが確実であれば――お話を伺いますと確実と考えざるを得ないようなお話であると思っておりますが、私の責任にもなるわけでありますが、何せ全然知らないことでありますので、全然承知していなかったという意味を申し上げたつもりでありまして、言葉は足りなかったかもしれません。さっそく取り調べまして――取り調べましてもおそらく事実であるような気もいたしますが、しかし調達局の調達事務所の、また係官ということになりますと、非常な微官になりますので、どういうふうに処置いたしますかということは、本人に対しましては必ずしもむやみに厳格な処置というわけにも参りますまいと思います。しかしながら、私自身の、と申しますか、調達庁の責任というものは、これはあるわけでございますので、多分事実だろうと思いますが、調べました上でこれは陳謝申し上げなければならないと考えております。御了解をいただきたいと思います。

田村元自由党

○田村委員 いま一言申し上げますが、とにかく暴言を吐いたといっても、その役人が微官であるがゆえに首を切るというがごときことはまことに気の毒であるということは私どもも考えます。でありますから、今後役人がばかげたことを軽々しく口に出すようなことをしないように、長官の方からよく末端にまで御注意を願いたいということを私は希望いたしまして、私の質問を終ります。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 議事進行。実は生命財産、国家の将来に関する重要な問題が審議されている最中でございますので、まだ私もたくさんの質問を用意しておるのでございますが、親愛なる同僚議員辻君からの切なる要望でございますので、これで一時留保いたしますが、その留保するに当って二点だけ希望を申し上げます。  まず第一点。ただいま田村君の発言の中に、こういう運動にかこつけて一部赤旗を振ったということについては、厳正なる批判を加えているのがわが党の精神であるとの言葉がございましたのですが、わが日本社会党もときに赤旗を振り、われわれの同志である労働組合も赤旗を振る場合があり得るのでございますが、自由党の尊厳に対しては、私は心から敬意を表するものでございますが、果してその赤旗云々の言葉はわが党をさしていらっしたのか、ふと知らずに出た言葉でありましたのでございましょうか、まずこれを委員長から尋ねていただきたいと思います。

田村元自由党

○田村委員 赤旗というのは社会党の諸君の専売品であるかのごときお話しでありましたが、私はいささか驚いております。私は赤旗が社会党の諸君の専売品であるというふうには考えておりません。でありますから、その点において漠然と言ったことに対しておひがみになるということもおかしいのでありまして、私はむしろこの問題に関して社会党の諸君がひがんでおられるんじゃないかというふうに考えますので、まことに困った問題であると思います。ですからこの程度にいたします。

加藤清二日本社会党(左)

○加藤(清)委員 ただいま弁明がございましたので、私の尊敬している自由党の方の発言は、決して社会党を誹謗しての言葉でないと承わりましたので、まことにけっこうでございます。了解いたしました。  次にこの問題について実は質問があるのでございますが、長官にぜひ言って置きたかった。アメリカ人との会合のために時間を急ぐということでございましたが、おそらくその会合は、今本委員会において審議をしていることに重大なる関連のあることと存じます。そういう席上におきまして、先ほど来のように易々諾々として受けずに、この空気、今日切々として訴えられました参考人の気持をはっきりとその席上で反映していただくよう、私は要望したいのでございます。それからこの問題について、今日は時間がないからというので私は留保をいたしますが、委員長にお願いを申し上げます。きわめて近い期間に継続してこのことを行われますよう、その節にはこれに直接関係のございます文部大臣、農林大臣を――先ほど右の同志が言われましたのに追加して、この両大臣をここへ呼ばれるよう委員長に要望いたしまして、私の発言を終ります。

宮澤胤勇日本民主党

○宮澤委員長 いずれ理事会に諮りまして、御趣旨に沿うようにいたします。  なおこの際一言いたします。参考人の諸君には長時間御苦労様でございました。どうもありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後六時三十一分散会

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