内閣委員会 第6号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/05/14
会議録
○宮澤委員長 これより会議を開きます。 北富士演習地問題に関し審議を進めます。調達庁長官より発言を求められておりますからこれを許します。なおその後質疑の通告がありますので、順次これを許します。福島調達庁長官。
○福島政府委員 問題となっておりました北富士演習場の件につきまして御報告を申し上げます。 前回の本委員会におきまして御質問、御指示もございまして、その際早急に私が現地におもむいて調査もし、また解決するように努力すべきであるという御指示を受けたわけでございます。従いまして、さっそくに現地に向いまして解決に努力すべきでございましたが、はなはだ申しわけないのでありますが、不幸にして、休会になりますと防衛分担金の交渉その他のことにかかり合わざるを得ない事態と相なりまして、時日を空費いたしまして、五月の八日ごろに現地に到着する予定の案を立てまして出発することになっておったのでございますが、特にその間五月の六日になりましてから、アメリカ側からB地区の一地点からA地区に向けて射撃をしたいという通告が県側にあり、県側との間に紛争を起し出しそうな気配になっておりましたが、八日にでも参ればと考えておったわけであります。従いまして八日には途中底で到着しておったのでございますが、九日の予算委員会の出席要求ということで東京から連絡がございまして、だいぶ抗弁したのでございますが、帰京せざるを得ない羽目に立ち至りまして、帰って参りました。従いまして、引続いて今回の事件になったわけでございますが、その間本委員会の御指示通り現地に私が参っておれなかったという事情になっております。それが今日まで事件が早く片づかなかった一つの原因にもなっているものと考えまして、御指示通りにできなかった点、まことに申しわけないと考えております。深くおわびを申し上げます。 御承知の通りに、九日より六日間B地区の一点からA地区に射撃をするというアメリカ側の要望が知事側に参りまして、知事はこれを拒否するという話になりまして、相当に混乱を生じておったわけでございますが、その間、問題は演習場の使用条件に関する、使用条件の解釈もしくはその改善に関する紛争でございましたので、日米合同委員会の特別施設委員会を、十日に調達庁において招集いたしまして会議を開きました。その結果、アメリカ側の事情もわかって参りました。それで引続き十一日に、私が国会の関係で東京を離れる事情にございませんでしたその間、山梨県知事その他の御上京も願って、県側の事情その他もよく承ったのであります。アメリカ側の事情を聞いてみてわかりましたことは、アメリカ側としては四月以来射撃の計画があって、県側と話し合いをし、県側の都合によって延ばして来たのであるということ、従って五月に入れば県側の了承を得るものと考えておったということ、それに対して県側から射撃そのものを禁止したいという通知を受け取ったので、それは、使用条件の協定には、とにもかくにも射撃は一定の制限のもとにおいて例外的にはできるということになっておる、それを全面的に否定されることはむしろ日本側に調整の意思がないということであるから、調整ができてないことは事実であるかもしれないが、日本側が調整をしないのであるからできてないのであって、アメリカ側の責任ではない、こういう議論になっております。日本側としては、原因はともかくとして、調整が完了してないということは事実ではないかという水かけ論に相なって、議論を重ねたわけでありますが、私どもといたしましては、射撃は数日をもって終る計画になっておる、アメリカ側の解釈上の主張がいいにせよ悪いにせよ、日本側の主張が正しいにせよまた欠陥があるにせよ、これは水かけ論になっておるということは事実でありますので、水かけ論ではこの射撃の問題は片づかない、従って、そう申してははなはだ工合が悪いのでありますが、施設特別委員会に集まってくれる程度の階級の諸君では、これは話もつくまい、また現地と申しましても、富士そのものの現地の人たちでも、これはまた話がつくまい。そこで合同委員会関係の日本側、アメリカ側の代表諸君の了承を得まして、私が極東陸軍司令官との間に話をつけようということにしてもらいまして十二日に極東陸軍司令部に参りまして、話を始めたわけでございます。その間山梨県知事その他の方々ともお話いたしまして、大体県側のこの問題に関する争点というものが明らかになって参ったわけでございます。 この問題の争点と申しますのは、射撃そのものは初めから協定に予想せられておったことである、これは原則としてはいかないということになっておりますので、一年中常時撃つということになれば、それは協定に反することもちろんでありますが、例外的に射撃が行われるということは協定そのものも予想しておるところである、今回のアメリカの射撃は、過去何カ年ここを演習場に使っておったか知りませんが、七年か八年以上にはもちろんなると思いますが、その間に初めて四日間ということを言って参った次第でありますから、これが原則としての射撃ではなくて、例外的な射撃であるということは明らかであろうと思います。その場合には射撃かできるということになっておる。これはもうわれわれも認めなければなるまい。県側としても、その調整のやり取りの際にいろいろな行き違いはあったにしても、協定に明らかに示されておることを承服しないというのではない。協定を改善してもらいたいという要望はあるにしても、それは改善という話し合いでもっていくべきものであって、改善を要する協定であっても、それがある間これを否認するということまで言っておるわけではない。従って射撃という問題は、それが協定の上に表現されておる方法において行われる限り、これをあくまで否認しようということではない。現実に射撃そのものによっては損害は起っておらない。問題は、それよりもそういう調整事項その他の要件が十分に満たされなかったような環境が悪いというところにある、土台をなしておる演習場に対する県側の希望、県民の希望、地元の希望といったようなものが今日まで解決せられておらない、その点に問題の根本があるのである、その点が解決すれば、射撃の方はまたおのずから調整のしようもあるはずである、こういう点が明らかになって参りましたので、その点も含みましてアメリカ側との交渉もいたしたわけでありますが、大体県側の希望する線がアメリカ側をして承服せしめることができるという見通しがつきましたので、再び天野知事の御上京を求めまして、昨晩天野知事とも御相談し、原則的な御了解を得たはずなのでありますが、その解決の条件と申しますのはこういうことでございます。 問題となっております射撃の紛争の、またその原因となっております一般的な条件、これが解決すれば事態はおさまる、こういうふうに見ておるわけでありますが、その一般条件の中で最も重要なのは、現実に被害の起らないと考えられる射撃そのものよりも、B地区というものが将来A地区同様のたまの落ちる地区にならないという保障、B地区は今日同様予備的な演習場であるという保障、これが一番大きな問題である。この点につきましては、アメリカ側もそういう保障を与えるにやぶさかでないということがはっきりいたしました。しかし一体それはどういうふうに確実に保障することができるか、アメリカ側の人もかわるであろうし、時節がたてばまた気が変るということがあっては困る、それが絶対にくずれないという保障は取りつけられるかという点に対しましては、アメリカ側の指摘いたしましたのは、B地区そのものは現在たまが落せないことになっておる。もしもB地区を将来A地区同様のたまの落せる地域にするためには、これは日本側と協議しなければならないということに現在の条件ではなっておる。であるから、アメリカ側はその条件を必ず守るわけであるから、日本側が承諾するかしないかは日本側の問題であろう。そこで私としてはアメリカ側に——B地区を将来被弾地区にするというような問題が出た場合に——アメリカ側はそれを出さないと言っておるわけでありますが、もし間違って出てきた場合には、日本側としてはかりに私が合同委員会におりましょうとも、おりませずとも、人がかわりましても、日本政府としては将来ともアメリカ側の提案に同意しないということをあらかじめ通告しておく、先方はそれを了承したということでございますので、B地区が被弾地区にならないという保障は、日本政府でもくずれない限り確実にあるということは申し上げられると思います。 続きまして、さらに問題となっておりますのは、B地区がさようにある意味での予備的な演習場である限りは、使っていないときには立ち入りが自由であるべきである、生業のための立ち入りが自由であるべきである、道路その他、生業関係者の使用は自由であるべきであるという点に関しましては、アメリカ側も使わない限りは自由にするということに異存はない。B地区の演習はA地区と違いまして常時やっておるわけではありませんので、射撃の演習はもちろんのことでありますが、徒歩部隊の訓練にせよ、演習の計画のできたつど県側に通告する、七日前ということになっておりますが、その場合、その通告された場所と時期が立ち入り禁止となるのであって、それ以外は立ち入り自由である。従いまして今日周囲に立っておりますところの立ち入り禁止の札は全部取ってしまう、そこまでは今日の協定を明らかにすることによって当面解決する問題でありますが、今日の協定で明らかになっておらない面、つまり観光客の出入はどうであるかということが今日の協定に現われておらないわけであります。今日の協定では、演習に支障のない限り生業のためにする立ち入り、農耕は自由であるということになっておるわけであります。問題は、射撃そのものはかりに将来あったにしても実害はないというわけでありましょうが、しいてこれをあげれば、砲弾の音のするところに観光客が来るかという問題があるわけであります。その意味においては観光地としての損害はあり得るわけだと私は考えますけれども、しかし現在のような建前になっておりましたのでは、砲弾の音がかりにいたしませんでも、観光客立ち入り禁止になっておったのでは何にもならない。観光客立ち入り禁止の方を解いて、例外的に年に何回かたまの音がするという方が、観光客の分量が多かるべきであるはずであると私は考える、しからば例外的な射撃を承認するということであれば、観光客の自由という点が今日協定に現われていないから、追加する用意があるかという問題につきましては、追加する用意があるということであります。これを合同委員会にかけて正式に協定に追加することになりますので、時日としては若干の時日を要するわけでございますが、早急にその手配はいたそうと考えております。従いましてそういうことを原則といたしまして、それに付随する各種の問題をすべて解決していこう、要はときどき使うことがあるということ、使う場合にその関係地域のみを立ち入り禁止地域にしよう、それ以外は原則として自由である、そういうことによりまして、その精神でその他の諸問題ももしあれば片づけて参ろう、こういうことになっておるわけでございます。そこまで参りますと、現行の使用条件から見まして、相当の進歩でもございますし、また将来に対する保障という面などもしっかりして参りますので、私としてはこれによって県側各位の御了解も得られるものと考え、十二日の——これは終日かかったのでありますが、極東陸軍との交渉は打ち切りまして、十三日天野知事とお目にかかったわけであります。もちろん天野知事 にもアメリカ側に譲歩させました一般条件につきましては御了承を得たわけであります。 射撃の点に関しましては、現地で調整ということで、アメリカ側が調整という問題について、県側の意向を打ち合せるという点を確認してくれれば、現地で調整する、こういうお話でございましたので、この条件によりまして問題を解決し、さっそく条件の確定をするということに、アメリカ側に返事をいたそうと考えておる次第でございます。 射撃はたまたま昨日をもって一応終りを告げた次第でございますので、一般条件について県側の要望する線がすべて確定いたしたわけであります。これによって北富士演習場の今回の射撃事件の解決と申しまするか、あるいはまたこれらの諸点につきましては長い間の交渉経緯があるわけでありますが、その従来長い間紛争を続けておりました北富士演習場の当面の問題が安定をしたということがいえるのではないか。現地の空気というものがどういうふうな経路をたどって正常化いたしますか、それは現地の各位、また県知事さんの御努力、そういう面に御依頼申し上げなければならぬ点が多々あると思いますが、今日この場でもうこれですべて片づいた、知らぬ顔をするということを申し上げるわけには参らないもと思いますけれども、私どもまた現地に伺いまして、知事さんのお手伝いをいたしまして、事態の正常化に努力するつもりでございます。これは県知事さんとのお話のあとの感想でございますが、一応これでけりがついたと考えておる次第でございます。 今日に至りますまでは、私ども自体も力が足りませんので、解決が遷延したとか、あるいは紛争の原因を作ったとか、責任も多々あることと考えております。今日以後は一応安定いたしました条件のもとに紛争を来たさないように努力するつもりでございます。 今日に至りますまで、内閣委員長さん初め皆様方の御指導御鞭撻を賜わりましたことを、深く御礼を申し上げたいと思います。
○宮澤委員長 質疑に入ります。順次これを許します。堀内一雄君。
○堀内委員 北富士演習場の問題は、今や全国的の問題であり、そしてまた現地の人たちは、農繁期にもかかわらず、くわを捨てて一家をあげてみな腰弁で努力しておる状態でありますので、この問題をすみやかに解決することは政府として当然のことであり、きわめて緊急のことと存ずるのであります。それに対して調達庁長官が努力の結果、ただいま報告のような成果を得たことは、現地の人たちも非常に喜ぶと存じますのみならず、日米親善に関心を持っておる日本全国の人たちが非常に喜んでおることと存じます。ただこの際、ただいまの説明の中で若干不明または確認しておきたいと思う点がありますので、それを質問いたしたいと存じます。 長官の説明の中にありましたように、今回の問題は立ち入りの禁止問題と、それから演習場の使用目的の拡大の、この二つが根本をなしておるのでございますが、ただいまも、B地区に対しましては将来被弾地としないということで、アメリカ側もこれを了承した。そしてその方向としては、もしアメリカ側からそういうことを言うて協議してきても、日本側ではその協議に応じないということにしていくというお話でございますが、私は、この問題につきまして、さらに一歩進んで、現在の協定を改訂して、協定中にありますこの地区を被弾地に使用する場合には、日米両国においてあらかじめ協定するということになっている。これをむしろ被弾地には使用しないというふうに改訂するように米国と交渉する御意思があるかどうかお尋ねします。
○福島政府委員 御指摘の点はごもっともであると思います。先ほど私が御報告申し上げました内容につきましても、現行の協定以上にわたってアメリカ側に譲歩してもらった点が、たとえば観光客とか、そういう点もございますので、当然この条件を改訂いたさなければならないことになります。従いましてその際に、御指摘のありましたような、現行においてはB地区を将来被弾地とする場合には、日米で相談しなければならないと書いてある面を、被弾地としないということに変えることも、今日のアメリカ側の態度ではできるのではないかと考えておりますので、極力努力いたしてみたいと考えております。
○堀内委員 次に立ち入り自由の問題でありますが、これも先ほどの説明で了解点に達しているとは存じますが、これにおきましても、やはり細部にわたった申し合せと申しますか、そういうようなものを将来に残しておくようにいたすか、しからずんば演習場の委員会ですか、そこにおいて申し合せをするというような方法によっておくことができるかどうか、その点について……。
○福島政府委員 立ち入りの問題につきましても、申し上げましたことは、現在の立っている立て札を全部取ってしまう、将来実際に使う場合にそれに即応して考えるということでございますが、一般的にはそういう線で私も話して参ったわけであります。それからまた細部、具体的な問題についてはさりに検討を要すると考えております。たとえば具体的に、使う場合にそのつどどういう札をだれがどういう方法で立てるかということなどもあるわけでのります。従いましてそういう線によりまして、この条件のうち関係している部分を明瞭にしておくことも必要かと考えております。当然にその追加の部分につきましても条件をいじらなければならぬということになっておりますので、そういう細部にまでわたりますために、著しく協定の改訂がおくれるというようなことでもない限り、協定の上にでもそういう点を明確に出した方がいいかとも考えております。ただ協定そのものは比較的大筋をきめておりますので、細部全般にわたってきめて協定に盛ることは困難な場合もあろうかと思います。それからまた将来は現地調整とか、その他現地と日米双方との間の連絡調整によって運営していく面が多々ありますので、そういう現地申し合せというようなものを作ってもらうことが肝心だと考えております。私もできましたならばできるだけ早い機会に現地に参りまして、日米双方の現地当局者の間に満足なる申し合せを作るようにあっせんしたいと考えております。
○堀内委員 次に、今回の混乱の直接原因は、北富士演習場に関する協定中の一般事項の第四に、富士吉田口登山道を越える実弾射撃を原則として禁止する。ただし七、八、九を除いては、現地において調整の上、上述の射撃を実行することができる、云々ということになっておるのでございまして、今回り紛争の根本は、この調整なる字句の解釈によっておると言うても過言でないと存ずるのでございます。従いまして、この調整という文句の意味に対しまして、山梨県側で向うからの申し出を断わった。この断わったということも一つの調整の方法だ。しかももしそれで向うで困るというならばあらためて知事なり何なりに向うから会って、そうして事情を述べて懇談するというようなことがあってしかるべし、しかるにこちらからの返答に対して何ら回答することなく、幾日から射撃を実施るということを再び言ってよこして、そうして射撃を実行したという点にあるのでございます。そこで私は、この調整の字句の解釈について、米軍側がどういうような意見を持っておったかということについてお伺いしたいと思います。
○福島政府委員 御指摘の通り、調整という字が相当あいまいな字であることは間違いがございません。ただ条約その他の慣用例といたしましては、調整という文字は、承認という字よりも一段下であるということでございます。承認を要する、承認の上ということになれば、向うが言ってきた場合に拒絶してもいいのだ。調整の上ということは、調整の上射撃を行うことができるということは、射撃を行うことができるということにまずもってなっておって、それをいつやりたいか、どこでやりたいかといった場合に、その日は困る、そこでは困るということは言えるのである。そのかわりここにしてくれ、いつにしてくれということは言えるのである。従いまして、アメリカ側の申し出に対して、その日は困ると申しましても、それではいつやったらいいのかと向うが聞くか、あるいはいつやれとこちらが言うか、そういうやりとりがあれば、調整ということに一応なるのであろうかと思いますけれども、今回の場合、私も直接立ち合ったわけではございませんので、将来とも絶対に射撃そのものに反対するという受け取り方をアメリカ側がいたしましたし、また県側の公文に、多少できが悪くて、そう受け取られても仕方がないようなところがございますので、そこで水かけ論になったわけでございます。今回紛争となりました以上は、これがあいまいであるということは明瞭でございますので、申し上げました協定改訂の際に、これを明確な表現、できればその調整の手続等に立ち至ってもきめるようにいたしだいと考えております。
○堀内委員 ただいまの答弁で大体は了承しますが、先般の契約中には、ここばかりでなく、文句の非常に不明瞭な点が他にもあるように存じますので、この点につきましてはぜひ十分の検討をされて、将来に禍根を残さないように、その解釈等につきましても明瞭にしておいていただきたいと存ずるのであります。 なお二十七年のこの協定を作りますときには、山梨県側にほとんど交渉していないのでございます。当時山梨県の知事から要望書が出ており、しかもたびたび連絡しましても、ほとんど山梨県側と交渉していない。厚生省の方からもそれに対して要望が出ているが、厚生省の方にもほとんど話をしていない。いろいろ聞いてみますと、他の方と交渉すると漏れるからというようなことであったようでございますが、私はこの際条文の改訂、字句の改正等いろいろな問題につきまして、現地の方と一つよく御連絡の上、また現地によく説明の上やっていただくようにしてもらいたいと思いますが、長官のお考えはいかがでしょう。
○福島政府委員 二十七年にこの協定ができましたときは、もちろん私は役人をいたしておりませず、私が作ったわけではないのでありまして、この協定ができそこなっている点が多々あるということは感じておりますけれども、人の作ったものをあまり悪口を言うわけにも参りませんが、私の承知いたしております限りでは、この条件ができますときには、山梨県の了承も得たということに、記録にはなっておるのであります。実際には了承を得たのか、押しつけたのか、その辺は私にも確信はございません。しかし、今日以後はこの山梨県に関する問題につきましては、山梨県に話をするという態度は維持したいと考えております。万一漏れるとか漏れないとか、あるいは事務的に取り扱うのに適しないというようなことでもございましたならば、私から直接知事さんとお話をするとか、そういうような方法を講じましてでも、県側の意向を反映させるということにつきましては、確実にこれを実行して参りたいと考えております。
○堀内委員 ただいま長官から米国側との交渉の細部についてお話があったのでございますが、要するに、長官から米側に対して要求したところのものは、先般本委員会において長官より提出を願った施設特別委員会陸上演習部会の昨年の十月十三日提出の申入書の第二項のA、B、C、この三項を全般的に米側で了承したというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○福島政府委員 御指摘の通りでございまして、われわれが昨年の十月来、地元の希望、県側の意向なども体しましてアメリカ側に要求しておったものが、B地区に関する限りは全部通ったということでございます。ただA地区に関します問題は取り上げてないということになります。十月の案には、A地区の桑畑三カ所という点につきまして交渉するつもりであったわけでありますが、今回はB地区の問題ということにいたしましたので、A地区の問題は入っておらないわけであります。しかし、A地区の問題も逐次取り上げて参ろう、今回はB地区の問題の解決に全力をあげた次第でございますので、その点は御了承を得たいと思います。
○堀内委員 次に米軍より山梨県に対しまして、さらに来たる十七日再び実弾射撃を実施するという通知が来ておるのでございましてこれに対して山梨県当局におきましては、本日も調整のため交渉中の由でありますが、本調整につきましても、政府におきまして米軍の高級司令部の方から側面的に協力していただいて、県側のいわゆる調整の目的が達するように、協力してもらいたいと存ずるのでありますが、それについて長官のお考えと、またその方法等についてお示しを願いたいと思います。
○福島政府委員 今回の射撃は十三日をもって一応打ち切ると申しますか、終りになったわけでありますが、その半端が十七日に一日残っている。これは事実でございます。従いまして、これについては調整の上、やっていいか、やって悪いか、あるいは日を延ばした方がいいか、そういう点は県側とアメリカ現地側とで話し合ってもらいたいと考えておりますし、また県知事さんの御意向もさようでございますので、本日あたり相談が行われていると思いますが、陸軍司令部に対しましては、十七日の件は県側と調整した上でやるように——調整ということは、十七日一日の射撃であるから、それが十七日に行わなければどうしてもならないものであるかどうか、若干の日を延ばしてもできるものであるかどうか、県側の納得するような説明を与えてもらいたいし、また県側としても十八日から二十四日までかれこれ一週間というものは、県民の草取りその他で立ち入るから射撃はもちろんのこと、地上部隊の演習その他も一切行なってくれては困るという申し入れをしておるわけであります。アメリカ側も大体これを承認するはずであります。さようなこともありますので、その二つを兼ね合せまして調整の上定めたらよかろう。陸軍司令部としては、県側の一週間演習を全然やめてほしいといったような要望をいれて差しつかえないと思っているし、従ってそれに関連して十七日をどこへはめるかというようなことについても、現地の実情に応じて現地でいかように知事と相談の上きめようとも、それは異存ないと言っている。また司令部としてはそういう意向であるということも現地に連絡しておくということでございますので、知事さんと現地司令官との話し合いで解決されるものと考えております。ただ県側の要望の十八日から一週間は県の方へ渡せといっております関係もあります。それと調整する際、日取りのとり方は、なかなかむずかしい点もあるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、話し合いの上で、何日になるにせよ、日がきまるという、正常なる調整の第一着手をこの十七日の問題についてやってもらいたいと考えておりますし、日米双方ともやる下地はできておると考えております。
○堀内委員 今日まで現地の調整の場合に、米軍の現地の司令官なり当局者は、これは上級司令部からの指図なり指令であるからどうするわけにもいかないというような場合が多かったのでございますが、そういうような意味から将来とも日本側におきましても、山梨県の方の当局者と緊密に連絡していただきまして、そうして調整が円満に行きまして、再び問題の起らないように御心配を、これはお願いを申し上げておく次第であります。 以上をもって現在の協定下における現地の希望はほぼ達成せられていると存ずるのでございますが、次はB地区の返還問題でございます。元来B地区の演習場としての契約は、占領軍が占領治下においてこれを接収し、そうしてあの平和条約の前に、これをほとんど無条件に引き継ぐというようなことが前提としてなされたものなんでありますので、従いましてこの協定はきわめて一方的なものであることは申すまでもありません。しかも現在のB地区を、今度は被弾地区にはならないということの大体の見通しはつきましたけれども、かりに被弾地区にならないといたしましても、今までの条文でありますと、この中で戦車そのほかが自由に動くということになりますれば、あの中における樹木並びに動物そのほかのいろいろな天然記念物は破壊されるということになる。また射撃を実行するということになりますれば、依然として観光客も非常に不安にかられ、現に今まで観光にあそこに行く計画を立てておったものでも、すわり込みのところへ行っても仕方がないとか、大砲の音を聞きに富士まで行く必要はないというようなことまで言われている現況から考えまして、私はこの富士山一帯の原始林を中心とした天然記念物、自然科学の資料等というようなものを保護することは、きわめて必要と存ずるのでございます。従ってその問題につきましては、アメリカにおける文化財保護委員長なども非常に関心を持っておるような状態でありますので、今後引き続き交渉されて、そうしてB地区を返還してもらって、真に国立公園として日本の観光のシンボルとして、平和的な娯楽場として、一般のレクリエーションに役立つように努力していただくということをお願いしたいのでありますが、これに対して長官の所見を伺います。
○福島政府委員 B地区を、B地区として存在いたします限りは、その使用条件は今回県民、地元各位の御了承を得る程度にまで解決したと考えておりますが、御指摘の通り、B地区そのものはできれば返せという御要望があることはごもっともだと思います。ただ御指摘の中にございました天然記念物その他がこわれるという関係は、天然記念物の地域は保護地域としてこれに損傷を与えないということになっておりますので、現在天然記念物の損傷ということが起っているとは考えておりませんし、またこれを起らないようにさらにその協定を厳重にするということは、もし必要があればやらなければならないことと考えております。B地区の返還という問題につきましては、われわれも、もしもアメリカの使用度が今後とも少いようであれば、全体のバランスからいって返してもらわなければならないという問題は、私どもとしてもあるわけでございます。北富士演習場に限らず、使用度の少い演習場は整理するという問題はあるわけでございます。従いましてその線につきましては、日本政府の立場におきましても原則的にそういう方針を持っていなければならないと考えております。改訂されるわけでありますが、改訂された使用条件のもとにおいて大体どういう状況になるかということも見定めました上で、必要があればそういう方面に向って努力もいたしたいと考えております。ただ地元各位もしくは県側に明らかにしてお願いいたしておきたいのは、B地区の条件を改善するという問題につきましては、今回のような交渉経過をたどったわけでありますが、B地区を返還するとかしないとかいうことに相なりますれば、これは日本政府の問題でございますので、県側の御要望がありましたらば、これをもってアメリカ側と直接けんかをする種になる筋合いのものでもございませんし、していただきたくない。日本側に対してさような交渉をせよということを強硬に御主張になることは当然であると考えますけれども、日本政府を飛ばして、これをもってアメリカ側と直接けんかをするということにはならない筋合いの問題であるということを御了承を得たいと思います。
○堀内委員 もちろん条約の改訂につきましては、現地なり山梨県から直接やるという意味ではないのでありまして、ただ政府がこれをじんぜん処置しないということになりますと、そこに現地民の運動といったようなことが起るようになるのでありますから、その点について特に御注意を願いたいということでございます。 最後に、ただいま長官の御答弁の中にも、天然記念物、自然科学の資料云々についてお話がありましたが、これはただ現在あそこの紛糾しておるところ以外におきましても、そうした天然記念物なり文化財なりは非常に多いのであります。そういう意味から、私は長官が今日までいろいろ御心配いただく中におきましても、現地を御存じないがゆえにいろいろのかゆいところに手が届かぬというような点が多かったと感じておるのでございますが、同時にこの問題は今日、御承知のように、紛糾いたしております。そういう意味からも長官に現地にすみやかにおいでいただいて、県当局と協力して事態の収拾に御協力を願いたいと存じます。以上をもって私の質問を終ります。
○宮澤委員長 江崎真澄君。
○江崎委員 十二日に現地当局と調整せられたそうですが、われわれはそう感謝するわけにいかぬ。こんなことは当りまえのことです。B地区というものが被弾地区にならない、こんなことは当りまえのことで問題にならぬ。それから第二の予備演習場である。このB地区は相手の使う場合以外は立ち入りを自由にさせる。これもこんなことは当りまえのことだと思います。これはもう当然今までにそんなことがやられておらぬことがおかしいので、そう大して福島さんが手柄話にされることもないように思われます。それよりも十日から十三日までさんざんぶちまくった、むしろ国民感情からいうならば、調整ということを度外視して全く踏んだりけったり、しかも最終日のきのうには、あなたが十二日に会っておられるにもかかわらず、これはいずれどっちが悪かったにしろ、警戒線を突破するとか、立ち入り禁止地区に乱入するとか、——まあその方が悪かったかもしれません。しかし十九名も日本人の負傷者を出しておるというような不祥事が出ておるわけであります。少くとも立ち入りは観光客を初め自由にされるかもしれぬけれども、戦車が入ったりブルドーザーで荒されたりして非常にひどい目にあう。たとえばこれがまた十七日にも予定せられておる。すでに今月のうちだけでもあれくらいの騒ぎの際に五日間を費しておるわけです。これではわれわれは決して安閑としておられぬ。撃つ方では大丈夫だと言う。すでに調整のできなかったときでも、大丈夫だ大丈夫だと言いながら向うはぶっ放してしまう。撃つ方は大丈夫かもしれぬが、撃たれる方の身になってみると決して大丈夫じゃない。立ち入りは自由だといわれても、毎月断わる。例外といっても、あとは十七日の予定が追いかけてくるといったような形で、月のうち七、八、九はやめるにしても、五日間ずつ荒されるという事態が継続せられるならば、観光地としての場面あるいはまた国家的な保護地域と指定されておる場面が非常に荒されることも予期せられなければならぬと思うのです。そういうようなことを考えますと、むしろこれは結論的にいうならば、この段階としては今あなたのおっしゃったことも一つの折衝段階でしょう。けれどもこのB地区というものは当然返還に向って最善の努力をせらるべき問題だと思うのですが、この辺についてどうお考えですか。
○福島政府委員 仰せごもっともであると思います。立ち入り自由、それは当りまえであるわけでありますが、実はあの地区は立ち入り自由とは申しながら、全部国で借り上げておりますので、演習の状態がひんぱんでないという場合に、完全な借り上げとしての地代を払い、但し使ってなければ、借りてはあるけれども入ってくれてさしつかえないといたしますと、私どもの仕事の面から参りまして、立ち入りは自由であるが、わずかしか使わないのならば、その部分だけ借りたらよさそうなものだ、国の金を使って借りておるのですから、その点非常に都合の悪い面があるわけです。国の予算の使い方といたしましては全額を払って借りている以上は、完全に使うのが当りまえであって、借りながら使わないという事態になりますので、その立ち入り自由という問題も、これはきわめて小理屈のようではありますけれども、なかなか割り切れない点もあるわけでございます。しかしながら使わないものは生業のために立ち入り、観光のために立ち入るということが、当然期待されてしかるべき地域であると考えられておりますので、今日のような事態になったわけでございます。むしろB地区というものが返還されるということの方が、抜本的解決であるという御指摘はまことにごもっともであると思います。私どももこのB地区に限らず日本国内におきます各地の演習場について使用度を調べまして、返してもらうのに至当なものについては返してもらうことが、その地方におきます問題を解決するのみならず、国の財政の問題といたしましても、またわれわれ事務担当者といたしましても、当然の処置であると考えておりますので、仰せの通りの方針をできるだけ確実に実現できるような努力は払いたいと考えております。
○江崎委員 あなたは十二日に座間へいらっしゃったのですが、どなたにお会いになったのですか。
○福島政府委員 座間の極東陸軍司令部におります一番階級の上の者から全責任者に会ったわけでございます。
○江崎委員 そのとき調整を待たずに発砲を開始したということについて、こういう条件をあなたに並べてくる、いわゆる折衝に入る前に、米軍としてははなはだ遺憾であるというような、遺憾の意を表するようなことはなかったでしょうか。
○福島政府委員 アメリカ側はそれは遺憾であると申しました。調整が完了していたいという点は遺憾であるけれども、日本側が調整を断わったから調整ができなかったので、はなはだ遺憾である、こういうことを言っておる。
○江崎委員 そこです。その辺が大へんなところで、そんなことを言うのだったら、少くともあなたも独立国としての日本をお忘れになっておるような気がする。行政協定とはおのずからこれは別だと思う。さっきもはなはだ不可解な言葉を吐かれたのですが、調整の上射撃ができる、とこう書いてある。それは射撃ができるということが主であって、調整は従であるということをおっしゃった。これはわれわれ法を習った者の立場からいっても、そんなばかなことは考えられない。調整の上射撃ができるのであって、調整をしなくてもむしろ射撃が中心だというお考え方は一体どこから出てくるのでしょう。
○福島政府委員 調整の上射撃ができると書いてあるのでありますから、調整に応じない、調整はないということはできないということでございます。
○江崎委員 さあそこです。それはおかしいですよ。調整の上というのは、それは困る、お断わり申し上げたいけれども、そこから初めて話が始まるのじゃありませんか。それからが調整なんです。そこをあなたが考え違いをしておられることが、このすでに無謀にも四日間の発砲を余儀なくせしめたということに私どもはなると思うのですが、そうじゃないですか。
○福島政府委員 調整の上できるという問題に対して、県側としては調整に応ずる意思はない、将来にわたっても絶対に射撃はお断わりする、こういう公文を出しておりますので、その片方は調整を断わっているのですから、その片方にお前なぜ調整しないかといっても、調整ができないのはこれはいたし方がないと考えております。
○江崎委員 今の御説明で多少話がわかるのですが、しかしこれは今後十七日の問題は調整しなければならぬのだから話を蒸し返しておるので、あえて過去のことをそうとやかくいろいろ言おうというわけじゃない。あなたがもう一度十七日に問題を調整しなければならぬから申し上げるのだが、調整には応じないと言った。けれども今のあなたの話で、多分に情勢の変化はあるわけです。情勢の変化はあるけれども、しかし調整に応じない云々ということは、現地としては撃たれる方の場面だから、それくらい強く言うのは当りまえなんです。なぜそのときにあなた方が早急に間に入ることができなかったのか。これは演習地を持つ県としては、あながち山梨県だけの問題じゃないと思うのです。やはり演習地を持つ県としては大きな関心を持って注目しております。たとえば現地同士の交渉というものにおいて、現地と称せられる県当局がいかに無力なものであるか、一方的にむしろ黙殺されてしまったような格好です。そのときに調達庁として、そういう問題の最高の責任者であるあなた方が発砲が開始されるそのままでじんぜんほおっておいた。それは別にほおっておいたわけじゃない、予算委員会もあった、あるいは防衛分担金の問題があったと言うが、一体それはあなた御自身が出かけていかなければ、次長が出ていっても、あるいはほかの者が出ていっても話がつかぬというほど、あなたの部下ははなはだ脆弱な不用意な人ばかりであるのかどうか、その辺をちょっとお伺いいたしたいと思います。
○福島政府委員 御指摘の通りの傾向があるわけでございます。
○江崎委員 それは容易ならぬことだと思う。そうするとそういう交渉はあなた一人が全部しょって立たなければなんともならぬわけなんですね。
○福島政府委員 事実はその通りでございます。
○江崎委員 こういうところにだいぶ政府としてもお考えをいただかなければならぬ問題があるようにも思うのです。これは福島長官を相手にしてとやかく言っておってもいけませんから、そのことはいずれまた政府の責任者にお話するとして、たった一人の福島君が出ていかなければ話が全然解決しない、この行き方は少くとも私は特別調達庁の怠慢だと思います。しかも水かけ論だといっておる。しかし米軍と現地当局とは水かけ論であっても、長官としてはこれを水かけ論であるなどと言ってなおざりにできる問題じゃないと思うのです。労働大臣は予算委員会で小車君の質問に対してやはり水かけ論だと言って、いかにもどこの国のことかわからぬようなことを言っておるのです。水かけ論になりかかったら間髪を入れずあなたがおやりにならなかったことが、この問題を招来したと私は思うのですが、その点どうなんですか。
○福島政府委員 水かけ論になるということは、ただいまの調整未完了の責任がどちらにあるかということで議論になると、勝負がつけにくいという意味を水かけ論と申し上げたわけであります。事態紛糾に際しまして、私などがもっと早く現地に行けたらこういうことにはならなかった。私ごときが参りましても片づいたのかどうか、その辺は私も確信はございませんけれども、少くとも事態紛糾以前に私が現地に行って未然に防止するように努力すべきであったということは、御指摘の通りであったと考えます。不幸にしていろいろな関係から、私自身の希望に反しまして、現地到着直前に引き返さざるを得なかったというようなことで、それが今日の事態に若干でも影響を与えるといたしますならば、まことに申訳ないと考えております。
○江崎委員 この問題はもうすでに四月ごろに、たとえば選挙中は困るといったようなことが、あなたのおっしゃるいわゆる水かけ論の一つの理由にもなっておるようでありますが、もう四月ごろからそういう折衝が始まっておる。こんなしかも大事な問題——これはあなたの方から見れば全国幾つもある演習場のただ単なる一つのあり方というので、軽く考えていらっしゃるかもしれませんが、これがより多く政治的な問題として取り上げられたのは、日本国民がいうところの、霊峯富士山というような国民感情で接してきた富士のすそ野における問題ということが、多分にあると思うのです。これがすでにもう四月ごろから現地でそういう話し合いがあったのですが、あなたはそのころ何も知らなかったのですか。
○福島政府委員 この問題は、先ほどちょっと申し上げました通りに、かなり古い問題でございまして、今日の解決案になりましたものも、公文として昨年の十月に作成して、アメリカ側に突きつけたくらいのものでございまして、問題の所在は古くから承知しております。ただ私たちの予期いたしませんでしたのは、五月六日ごろになりまして、ただ現地調整ということで県側が断わるとかなんとかいうことで、ごたごたするだろうとは思いましたけれども、県側がよもや未来永劫射撃は反対だというような公文を出すということはちょっと予期しておらなかったのです、それで私まごついたということになるわけであります。
○江崎委員 だんだん話は多少わかってきたのですが、しかしこういうような問題が出ますときに、ただ県側が未来永劫交渉には応じないと言ったということだけで、足元から鳥が立ったように実は驚いたというようなことでなしに、もう少し親切に——しかもこのB地区の範囲というものは、ずいぶん広大な、二万二千町歩ですか、大きなものになるわけですが、この場面のことについては役所としてもう少し親切心がなければならぬのじゃないかということを考えるわけですが、この点については将来もあることですから、十分御注意を願っておきたいと思うわけでございます。のみならずやはりこういう演習地が接収されて以来、これは一つのテスト・ケースとでも申しますか、全国的に注視しておる。そのときに、とにかくこれは調整つかずというので一方が勝手な行動をし、そうして泣寝入りのままで、そこへあなたがほんとうの調整役を買って出た、これはどう考えてみても手おくれであったということは否定することができません。県が何も交渉には応じない、調整には応じない、反対だということ一つをたてにとって、それは実は知らなかったというのでは、最高の責任者、しかも承われば、あなた一人が出かけて行かなければ右することも左することもできぬというような重要な場面におられるだけに、せめて次長以下のスタッフにそういう問題があるかどうかぐらいのことは、あらかじめ知悉させるぐらいの用意は、これは特にあなたとしてとらなければならぬと思いますが、どうでありますか。
○福島政府委員 私が調達庁の方へ参りましたのは、まだ二年にならない前でございますが、以来調達庁のたたき直しにある程度の成果をあげているつもりでございまして、二年間と申しましても、それまで長い間役人生活も離れておりましたし、私自身も役人のしきたりに最近は暗くなっておりました関係もございまして、迅速にいかなかったという点もございます。また私の仕事の面には、労務その他の面でかなり時間のかかる仕事もございましたり、いろいろなことで御指摘の通りの事態もある程度は率直に認めざるを得ないということは、まことに恐縮でございますが、ただ過去一、二年の間に調達庁も相当の進歩をしたと申しますか、性根がたたき直されつつあるということは申し上げることができると思いますので、今後一そうの努力をいたしたいと考えております。
○江崎委員 そういうお言葉ですからよくわかりますが、しかしこれはどうぞよく一つ今後は気をつけてやってもらいたいと思うのです。現地と称する地元というものは、いわゆる県知事は有力であるべきはずなんですが、長い占領の間からのしきたりで非常に無力化されておる形なきにしもあらずだと思うのです。そのときに、この中央の責任者が傍観的態度をとっておったのではないにしても、割合積極的でなかった、事が起ってから積極的に変じたというのでは、これはやはり地元側として非常に不安を今後とも来たすことだと思います。それはこの間の、長崎さんが辞職をするような問題が起りましたのも、長崎さんはあの船長がどちら側にかじをとろうとどうしようと、そんなことはおそらく知らなかったわけなんです。これはあなたの部下のやったことではございませんが、少くとも演習場という問題に関連しては、この現地当局というものは、あなたのレーダー的な存在をなしておるものでなければならぬと思う。それがあなたの方には全然連絡もなし、無断でやった、あとで驚いた、これじゃ私は相済まぬ話だと思います。十分この点は今後とも、他の演習場等の問題もあることと思いまするから、心にとめていただきたいと思います。 なおこのB地区で発砲する兵隊の訓練ですが、これは演習日数はきわめて例外的なもので、少いということを承わったわけでございますが、この演習の実態、どんな砲を使ってどんなことをやるのか。何か灰関するところによると、これはまだ大砲にさわったこともない、操作一つ知らないところの全然新兵が出かけてきて、そうして長距離砲をあやつるのだ。もちろんそこにはりっぱな指導官、指揮官もおりましょうが、話を聞くと、きわめて危なっかしい射撃をおやりになるようであります。よくある話ですが、われわれも占領下のひがみが手伝っておるのかもしれませんが、ときどきまた例外的に間違いが起りやすいものです。こういうはずじゃなかったけれども、つい間違ってしまったということで、あとから問題を起すことがありがちなんです。新兵訓練というようなことを聞くにつけても、撃たれる側の身になってみると、非常にこれは心配でありますが、その辺についてあなたの知られる範囲で、お差しつかえがなければ、一つ承わっておきたいと思います。
○福島政府委員 今日と申しますか、昨日をもって終りましたB地区の一点から被弾地区に行なっておりました射撃は、先ほど堀内代議士の御指摘を受けましたように、いまだに現地に行っておらないという始末で、その点はなはだ申しわけないのですが、私の聞いた範囲では、正確なことは知りませんが、十五榴砲という大砲が二門あるそうでありますが、それを被弾地区に撃ち込んでいる。全然新兵で、怪しげな手つきでやっているというようなことは聞いておりませんが、その点は米軍当局からは射撃そのものについては間違いを起さない確信を持っている、その手配は十分してあると聞いておる次第であります。
○江崎委員 今までの四日間調整なしに発砲が開始せられたというこの場面で、立ち入り禁止ラインが設けられたが、この立ち入り禁止ラインはどちらが設定したものでしょうか。
○福島政府委員 これまた私現地に行っておりませんので、あまり大きな顔もできないのでございますが、B地区に関する限りは現在おそらく全面的に立ち入り禁止になっているのではないかと思います。立ち入り禁止の札が立っておりました。それにもかかわらず入ってきたということですが、先般の新聞その他に出ておりました立ち入り禁止は、現実に砲座があるから、その付近を取り巻いて近寄ってくれば危いからという意味のものであろうかと考えております。
○江崎委員 今度のこの問題は非常にわれわれとしては遺憾だったと思います。事が始まってから調整はなされたというものの、われわれ常識的に考えると、福島さんの御努力にもかかわらずこれは当りまえのことであって、国民感情の上からいっても地元民の強い要望からいっても、当然これは返還をせらるべきものだと思います。しかもこれは占領下から引き続いて接収せられたものであり、二万町歩にわたるような広大な地域であり、しかも名称は予備演習地ということになっておれば、この二門の砲を何か別な地区で、もつと被害の少い、また国民の象徴的な気持である富士山観光地という重要な場面でないところに持っていくことはできぬものかどうか。こういう点についても将来にかけて十分一つ御研究を願っておきたいと思います。同時にまたこの調整の問題は、非常に言葉がやわらかであったために、いろいろな問題を巻き起したようでありますが、すでに先ほどの質問に対して、十分今後はあなたも現地におもむき責任を持って努力するというふうにお答えになっておりますから、これ以上そのことについて追及しようとは思いません。しかしこの調整途上において国民があれくらい騒いで、しかも地元民があれくらい反対をしているということをもって、調整されたとみるこの常識は、少くともアメリカにおいてはあるはずはないと思う。これを考えますときに、事実上七日前に通告したから射撃できるのだというような一方的な相手の暴論を許されることなく、少くとも独立国であり、政府の責任当事者としてはあなたが最高の人で、またあなたでなければ何ともならぬというように相手もあなたを認めているようでありますから、四日間調整途上においてそういう暴挙をあえてしたというようなことについては、相手は十分あなたに遺憾の意を表して、しかる後にこういったかけ合いに入られるくらいのゆとりと、同時に強さを持って当ってもらわなければならぬと思います。ただ話ができたからもうよかろうでは、この四日間日本人としての感情を踏みにじられたわれわれの誇りはどうなるのだということをほんとうにお聞きしたいのでございます。どうぞ将来をかけてそういう点等には十分御留意あられんことを希望いたしまして私の質問を終ります。
○宮澤委員長 田村君、通告の方がたくさんありますから、関連質問はきわめて簡単に……。
○田村委員 一、二問でけっこうです。 ただいまの江崎君の御質問に関連してちょっとお聞きしたいのであります。今後他の演習場その他の地区において十分に注意してやってもらいたいという問題でありますが、実は先般の富士山麓問題の内容が、あるいは内灘、妙義山の縮小というようなことかうしわ寄せをされてきたのじゃないかというような解釈もでき得るであろう、かように考えます。今度また富士山麓のしわ寄せが他の問題にいきやしないかということもわれわれは非常に心配をするわけでありますが、こういう問題に関して、今後政府としては早急に他の演習場その他の面において、各現地と思想統一をされるというようなことを技術的にされる必要がある、かように考えます。そういうような問題に対して長官はどのように今後対処していかれるおつもりであるか。 それから警官と現地民との間に乱闘が起った。こういう問題は新聞、ラジオその他で報道せられ、その報道の内容を読んでみますと、報道機関の記事の内容で読めば、まさにわれわれですら反米、反軍の思想にならざるを得ないような報道ぶりをしてある。その内容が実際において非常に微妙な国際関係を含んでおるということも、われわれよく存じておるような立場にありながら、なおかつそういう気持になることも、当局としてきわめて重大視していただきたい。とにかく今度の一件は政府の怠慢であるということが言えなければ失態であるということが、私ははっきりと申せると思うのでございまして、そういう点における長官のお考えを少しく承わりたい、かように考えます。
○福島政府委員 演習場と申しますものは全国に相当数がございます。中にはほとんど使ってないものもある、使い方の程度の非常に軽いものもある。従いまして、これを三つあるものは、二つやめさせて、一つに集めるということが、財政負担の上から申しましても当然のことになる。そういたしますと、使い方の程度が軽いから、あるいはほとんど使ってないから、演習場としての存在は許したけれども、他の地方の演習場がなくなったために、その地方にほんとうにたまが落ちるようになっては、その地区では問題が起るわけです。ただし国全体といたしましては、そういう整理の仕方は必要であろうかと考えております。ただ北富士演習場のように、そのまん中の大部分の地区が天然記念物として指定されておりましたし、あるいは演習場にいたしましても、保護地域として手を触れないようにせざるを得ないということになりますと、ほかの演習場の整理をかりにいたしましても、北富士へしわを寄せるということは無理であろうと考えております。従いまして全国的に演習場の整理をしたい、どこかにしわが寄る、そこでまた騒ぎくらい起るだろう、それは内諾を得なければならぬと考えておりますが、よその問題を北富士へしわを寄せてくるということは、事実問題としてできなかろうと考えております。なおまた北富士でこういう解決をすればそのしわがまたどこかへいくかというお尋ねに対しては、北富士のように、今申しましたような、まん中大きな障害物——と申しては申し訳ありませんが、保護地域を残さざるを得ないというように、さほどの演習をいたしておるわけではございません。将来協定変更の場合は別といたしまして、現在はとにもかくにも現在程度の演習状況で維持するのでございますから、これは返還ということになりますればまた別でございましょうが、それがまた他の演習場にしわを寄せていくということも、これもまたないかと考えております。 御指摘のございました警官隊の件でございます。警官の件につきましては、何とも御答弁のしようもない、私の所管外の件でありますが、しかしながら私どもの努力が足りませんで、事態の解決が遷延したために、警官の問題その他も妙な摩擦を起したという面はありますので、警官の問題それ自体については所管の建前からお答えすることはいたしかねますけれども、解決が早かったならばこういう事態にも立ち至らなかったであろうと思いまして、その点はまことに恐縮にたえないと考えております。
○宮澤委員長 森三樹二君。
○森(三)委員 私は一昨日山内次長に対しましていろいろ質問したのですが、その間福島長官は座間の米軍の最高責任者といろいろ折衝なさいました。私は先ほど来長官の経過報告並びに各委員諸君の質疑に対する答弁を聞いておったわけでありますが、私はこうした基地の問題につきまして、御承知のように、あの有名な内灘の問題、天下の耳目を全く震駭せしめた内灘の問題につきましては、ここに民主党の辻政信君もおられまして、十分事情を知っておられる。辻君自体もすわり込みまでやって、内灘の米軍の演習に対して拒否の態度をとった。それから近くは妙義山の演習地の問題につきましても、やはり地元民が結集して、これに強く反抗した。そこで、先ほどのあなたの答弁の中に、県当局が公文書をもって実弾射撃に反対するという意思表示をすることは、自分としては予期しなかったというような言葉もありましたけれども、実に私はこの北富士演習地に対する調達庁並びに日本政府の態度が、その情勢の分析と判断を誤まり、重ねてかような不祥事件を起すに至ったと思うのであります。長官は日本政府の代表として座間の最高責任者といろいろ話し合ったその結果、この読売新聞の記事では、「日米、一応了解成る、北富士B地区は被弾区域とせず」このような記事が記載されております。「日米、一応了解成る」とはいかなることを意味するか。これは一福島長官が了解をしても、日本国民全体は了解することはできない問題であります。われわれ国会としてもこの問題については当然了解できない。あなたは単なる後退した条件を突きつけられて、それでもって射撃とすりかえするような交渉をした。それをやることについては、確かに隷属的なあなた方の考え、いわゆる自主的な外交に立った考えでない、いわゆる現内閣の追従外交、このような気持をみずから持って座間の交渉をしたのではないかと私は思う。あなたの交渉において果して自主性があったかどうか、日本国民全体のこの演習に対する強い反対の意向というものを、あなたがどのように解釈しておったか、あなたは単に事態をおさめさえすればいいのだ、何とか県当局にもやわらかい言葉を出し、またアメリカに対してもいろいろと——頭を下げたかどうか知りませんが、とにかくこの事態を何とか一時的に解決をすればいいんだ、根本的な解決をするという態度がなかったのではないかと私は思う。そこで新聞には「日米、一応了解成る」というがごとき見出しのもとに、たとえま「B地区を将来とも被弾地区としない」とか、あるいはまた「射撃をしない日はB地区べの立入りを自由とする。」とか「B地区は観光地区とする。」あるいは「B地区内にある農耕地の一部接収解除も考慮する。」このようなことは全くしろうと考えでも当然過ぎるほど当然のことである。あなたは御苦労はされたかと思いますけれども、交渉の結果においてわれわれ国会や国民が期待するところのものと全くかけ離れた、われわれの希望に沿わないところの交渉の結果が生れておるように思うのでありますが、そのあなたの交渉の過程において、いわゆる国民総意の反対であるところの、この北富士山麓における実弾射撃禁止というような問題を取り上げまして、そうして米軍に対して当ったのかどうか。事なかれ主義というような軟弱な考えで当ったのではなかろうかということを非常に杞憂するのであります。この根本的な問題について御答弁を願いたいと思います。
○福島政府委員 ただいま読売新聞の記事に基きまして御指摘がございましたけれども、私はこの十二日のアメリカとの交渉以来、つまりこの交渉経過につきましては、昨晩天野知事と話合いましてその了解を得たわけでありますが、それまではもちろんそれによって知事の了解が得られるかどうかはわからないのですから、これをもって片づいたと言えるわけでもないし、また言ったはずもございません。本日この委員会で初めて申し上げている次第でありまして、本日までに新聞その他に出ました記事は、私の口から出たものな一つもないのであります。この委員会から御指摘も受け御鞭撻も受けたわけでありますので、この委員会に帰って参りまして御報告することが責任であると考えて、御報告申し上げておりますのが初めてでございますので、新聞の関係の諸君は、どの方面から記事をとられたか知りませんけれども、私どもとしてはそれらは何とも申し上げかねるということでございます。御指摘のありました、今回の解決案は一時的の解決であって、根本的な解決という問題については態度がはっきりしておらない、こういう御指摘でございますけれども、先ほど御説明申し上げましたのが、あるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、私どもとしては、一時的の問題よりも将来にわたってあそこの事態が安定するためにはどういう解決条件がいいかということで、むしろ根本的な条件に力を入れて片づけて参ったつもりであります。むしろ根本的な土台となっておる問題に力を入れ過ぎて、当面実質的でないにせよ、表面に強く現われておる問題について、たとえばこの際の射撃をやめさせるとかいうことがちょうど十三日の自然に終るのと調子が合っておりまして、若干あいまいではないかということで気がとがめておるのでありますが、むしろ根本的な方面に力を入れて参ったというつもりでございます。その根本的な解決というのもそれは当りまえのことであって、今さら根本的もヘチマもないというお話でございましょうが、しかしながらこの富士演習場に関しますこれらの諸点の交渉というものは、長い歴史を持っておりまして長い間もみ抜いておりました問題が今回片づきましたこと、それな当りまえとおっしゃっていただくこともあり得るかと思いますけれども、少くともわれわれこれに携わっておりました者、また地元の問題の今日までの推移を御承知になっている方々にも、御賛成をいただけると思うのですが、当りまえのことではありましても、長い間解決困難であった問題が片づいたということは、御承認を願わなければならぬかと考えております。 なお射撃そのものを禁止するといったような強い態度でなぜかけ合わなかったかということでございますが、申し上げました通り、多年の懸案が片づきましたについては、初めからこちらからあやまったり拝んだりしたのでは片づきっこないので、相当射撃その他の問題で押しまくったればこそ、多年の懸案が片づいたのでございまして、その点は御懸念、御心配をいただきましたような態度はとらなかったつもりでございます。射撃の禁止をなぜさせないかという点でございますが、これは今日の協定にしかじかの条件をもって射撃をすることができると書いてあるわけでありますから、この協定の改訂ということで交渉するならともかく、協定のもとにおいて先方の協定違反その他を指摘しつつ交渉するに際しましては、協定に、行うことができるとあっては、禁止をするというかけ合いはできないものと私は考えております。
○森(三)委員 ただいまの御答弁によりますと、一応解決がついたというような御答弁のように承わりますが、私どもはしかく簡単に考えておらない。あなたが天野県知事を呼びまして、そうして会見されて、このような条件を天野知事に申されましたときに、天野知事はそれに対してどういうような回答をあなたにされたか、これを一応承わっておきたい。
○福島政府委員 天野知事のお答えは、つまりアメリカ側に譲歩してもらいました一般条件については、これはもちろん当然である、了承したということでありまして、残るのは射撃の問題であります。射撃の問題については、しからば現地で直接交渉しよう、アメリカ側も応ずるようになっておると私は申しました。さようなわけであります。
○森(三)委員 天野県知事が、射撃については現地へ行ってこれに対して了解を与えるようにしろというお話があったということでありますが、私としてはこの問題はそうしかく簡単には参らぬと思うのであります。もしも県知事があなたの意向を受け継ぎまして交渉した場合に、現地においてこの問題が解決がつかないという場合のことは、一応お考えになっておるのかどうか。何でもかんでも押しつけていこうというお考えを持っておるのか、あるいはまたこれが現地において話がつかない場合において、さらに基本的な行政協定の改訂であるとか、そうした実弾射撃をやらないというような根本的な交渉を日米合同委員会において行う、そういうような根本的なお考をどのように持っておられるか承わりたい。
○福島政府委員 私が今回交渉いたしましてでき上りました解決条件というものは、もともと地元側からこういう条件ということで示されました多年要望のあったことに基きまして、それを実現したのでございますから、これで地元が片づかないということは考えておらない次第であります。
○森(三)委員 この富士山ろくのマックネア演習場の条件、一般事項の中には、その四項に「在日合衆国軍は富士吉田、富士御殿場口及び須走口の登山道を越える実弾射撃を原則として禁止することに同意する。」とあります。この条文は私は非常に重要な条文だと思うのです。原則的には使用を禁止するのだということで、それに同意を与えておる。例外として「但し七月八月及び九月を除いては、現地に於て調整の上、上述の射撃を行うことが出来る」というのです。従って調整ができなければ行うことができないという解釈が当然成り立つ。先ほど来あなたの答弁を聞いていると、これはどうしても話をつけ得るのだ、射撃を行うことが可能であるということを前提として調整という言葉が生れておるのだというような印象を受けたのでありますが、長官は現在においてもそのような考えを持っておられるのかどうか。もしどうしても調整できない場合においては実弾射撃をすることが不可能でなければならない。それでなければ私はこの条文というものは全く空文にすぎないと思うのです。これに対するところの御見解を承わりたい。
○福島政府委員 原則として禁止をするということであります。従って例外としては調整の上射撃を行うことがあり得るということであります。しからば今回のアメリカ側の申す四日間射撃をしたいということが例外であるかどうか。八年間に初めて四日間ということを言ってきましたのは、私はこれはりっぱに例外であると考えます。しからま日本側り方では、これは調整の上例外を行うことができるのでありますから、調整に応ずる義務がある、調整に応じないということは言えない、こう考えております。
○森(三)委員 その調整という言葉が話合いであるということであるならば、それはわかりますよ。調整ということも、お互い相談の上ということで交渉をすることは当然であろう。しかしながらその相談がどうしてもつかない場合においては、私はこの例外規定も、やはり実弾射撃が行える、可能であると解釈はできないと思う。お互いに話合いがついた場合にはそれはもちろんやれるでしょうけれども、話合いがつかない場合には当然できない、やはりこの原則規定に立ち戻らなければならない、原則はあくまでも禁止なんだ、例外は、ほんとうにこれは万やむを得ない場合でございましょうけれども、その場合においてもやはり調整——話合いがつかない上においては、実弾射撃は行えないと思う。あなたの解釈というものは、私は非常に行き過ぎておると思う。これは今後大きな問題になると思うのですが、それでもあなたは今の御解釈があくまでも正当なものであるというふうにお考えになっておりますか。もしそうだとすれば私は反省していただきたいと思う。
○福島政府委員 相談がどうしてもできないということであれば、それは調整ができていないということは言えるでありましょう。しかし相談がどうしてもできないという事態ではなかったのです。一方は相談をしないと言っておったのです。御承知おきを願います。
○森(三)委員 県当局としてはそういう要求があったことに対して、実弾射撃をするという要求があった場合に、これには応じないという公文書を提出した、これは非常に予期しなかったことであると先ほどあなたは言われたんでありますが、その後話合いは現地においてもやっておったんじゃないですか。現に米軍と県当局は射撃場において話合いをしておったけれども、その話合いがつかなかったのです。つまり話合いを始めたのだけれども、その話合いがつかないという現状についてあなたはどう考える。結局初めから調整がつかないんじゃない。現に射撃を開始する前、また射撃が始まってからお互いに話合いを始めたんじゃないですか。その話合いがつかなかった。そうしてあのような、現地住民の純朴な農民たちが、ほんとうにもう命がけの抵抗を起した。これに対してあなたは調整が行われないとは言えないと私は思う。あなたが米軍の座間の最高司令部に行く前に、すでに県当局は現地において調整を行っておったんじゃないですか。その現状をあなたは何と解釈になりますか。
○福島政府委員 相談に乗らないという公文を書いたのは事実であります。先方はそれを握っているわけでありますが、その後そういう事実を耳にしましたので、県当局には、その担当者に、私はこれはもうとにかく調整した上でということになっておるのだから、調整しないという言い草はこの協定の上からは成り立たないのであるから、たとえば九日から十六日まで撃ちたいと言ったら、なぜそれはいかぬということを言わないか。しからばと言って、向うが次の日どりを言ってきたら、なぜそれでもいけないと言わないか。そういう段どりをかけ合っている分には協定違反なんと言われずに済むのだ、未来永劫ずっといけないと言う必要はないんだ。協定を読んだら出せばせぬじゃないかと注意はしたのです。つまり一生末代協定の実施を断わるという態度を日本側はとっているなんということを言われないようにしろということを厳重に言ってやりまして、多少の話合いは始めたかもしれません、しかし正式の返事といたしましては、文書では相談に乗らないという意味の返事が出たこともこれまた事実であります。
○森(三)委員 相談に乗らないという文書が出たことが事実であることもわかりますし、その後において、現地において射撃が始まってから県当局の者もやめてくれということを再三注意していることをあなたはおわかりじゃないのですか。現実に、現場においてやめてもらいたいということを申し入れておるんじゃないですか。従って私はあなたが米軍当局と話合って、そうしてこのような、先ほどあなたが発表されたような、しかもこの新聞に載っておるのと大同小異なお話がありました。それによって調整ができたというふうにあなたはお考えになっておるようでありますが、これは私は非常に行き過ぎた考えじゃないかと思う。これは現地の天野県知事が帰りまして、そうして話合いが、それこそ県民との間の話合いがついて初めて調整ができたというのであって、いまだ私は調整ができたという段階に入っておらないと思うのですが、この点はいかがですか。
○福島政府委員 この一般事項の第四項にあります調整というものができたということは申し上げた覚えはございません。調整条項があるにもかかわらず、これの運用のできなかったような環境、あるいはその土台を改善することが根本であるということで、その項の根本をなす土台は県側の希望もいれ改善した。しからば調整が今後できるはずである。県側もそれならできるであろうといい、アメリカ軍側も調整はやると言っておる。おやりなさいということで現地にお帰りを願った次第であります。
○森(三)委員 そうしますと、あなたかアメリカ当局と話をして、そうして一定の約束をして、それを天野県知事に伝えて、これから調整に入ったというように承わって置いてよろしいわけですか。その辺どうですか。
○福島政府委員 これから先方に射撃の予定が出てくれば、これから調整に入るわけであります。
○森(三)委員 そこで問題なのは、あれほど地元住民が真剣な抗議を申し込んでおるにもかかわらず、しかもあなたが座間において交渉しておるにもかかわらず、その日アメリカ当局では十七日には実弾射撃をやるということをはっきりと公表しておる。このアメリカの発表は、まことに日本政府をなめたといいますか、あなたが交渉に行っておるにもかかわらず、あなたがなめられたというのはちょっと語弊があるかもしれぬけれども、そのさなかにおいて十七日また実弾射撃をやるということは、現地住民やあるいは国民を刺激するもはなはだしいと思うのです。あの態度は一体どういうわけなんですか。これはあなたとしても今後米軍に対して大きく抗議を申し込まなければならぬ問題だと思う。あなたが交渉しておるその日に、十七日に実弾射撃をやるんだということを発表するということは、全く挑戦的だというように解状される。私はあの新聞を見て実は非常に憤慨したのです。そこに新聞記事を専門員の小関さんもとっておる。私もそれは朝読んだ。あの態度は一体どういう態度か。これはあなたとしても米軍に対して十分抗議を申し込まなければならぬ点だと思う。この点についてどういうふうにあなたはお考えになりますか。
○福島政府委員 十二日に交渉をしておるさなかに、交渉中にもかかわらず、十七日にやるという発表をしたんしゃございません。十七日に射撃をするということは前からわかっておる。従いまして、県知事から十七日という問題についてアメリカ側に返事を出しておるのは、前の日付で出ておる。十七日の問題が出て参っておるということは少し前に私も聞いております。従って県知事から現地の部隊との間に交換された十七日の問題に関する協定の写しを、私は十二日の朝もらって出かけたのでありまして、御指摘のように、交渉中にもかかわらず十七日の問題を発表するという事実ではございません。
○森(三)委員 事実はあなたが言われる通りだったかもしれない。しかし一般の国民はそういうことは知らない。もう地元住民があのような抗議を申し込んでおるさなかに新聞に出ましたから、アメリカ当局としては、日本の現地住民があのように頼んだり、あるいは抗議を申し込んだりしておるにもかかわらず——これは調整がつくまで見合そうというなら話がわかるのです、そういう態度であるべきものであると思う。今こうした問題が起きておる、しからば調整がつくまで待って——ここで一週間なり十日待っても何も差しつかえないのです。それにもかかわらず、これが新聞に発表せられ、しかも今あなたのお話を聞くと、前からこれはスケジュールはきまっておったというようなお話があった。かりにスケジュールはきまっておっても、あなたとしては、とにかくこれは調整がつくまで待ってくれということをなぜ言わないのか、なぜこれが待てないのか、まさか日本の国内において戦争しておるわけでもない、演習です。その演習がどういうわけで一週間や十日待てないのか、これは私はアメリカ当局としても全く遺憾にたえないと思うのです。なぜ待ってもらえないか、これを一つあなたにお尋ねしたい。
○福島政府委員 その点は先ほど申し上げたと思っておりますが、十七日問題というのは少し前からありました。新聞に出たのは十二日かもしれませんが、その日を選んで発表したということは、別にアメリカ側も日本側も関係ないことでありますので、それから出てくる問題は何ともお答えのしようがありませんけれども、十七日をなぜ待たないかということでありましょうが、その待てるかどうかという調整を、これから県当局と現地のアメリカ軍との間でやってもらおう、待つといっても何日にするのだ、十八日から二十四日までは県側にくれということになっておる。それはアメリカ側も了承しようということになっておる。そうすれば十七日というのは、二十四日が済んだ二十五日になるのであるか、それとも県側のとった十八日から二十四日というのはそれほどのこともないのだし、一日くらい食い込んで差しつかえないというのか、いずれにしても待つとか待たないとか、そういうふうに日が変るというのは現地の話し合いでいかがになってもいいけれども、実際的な方法で解決されるならそれはかまわぬということで、私ども東京で話ができることであります。その現実の交渉といいますか、話し合いは現地にまかせようじゃないか、こういうことになったのであります。
○森(三)委員 この新聞記事はきのうの朝出た新聞です。「十七日また射撃、北富士米軍から申入れ」きのうの朝出たのですよ。
○福島政府委員 何日に出ましょうとも、それは私の知ったことじゃない。
○森(三)委員 私が今発言中だ。私がすわってからあなたは立てよ。 十七日にもう一回実弾射撃を実施したい旨通告してきたことがわかったという。それはあなたの方は前からわかっていた。私どもは十七日に射撃をすることはきのうの朝この新聞を見てわかったのです。あなたは前からわかっていたのなら、こんなことにならないうちにやればいいものを、あなたの方で手を打たないからこういうことが起ったのだ。しかもこの新聞を見ると同時に、宮澤委員長もああそうですかと言っておった。さすがの沈着な宮澤委員長もちょっと驚いたような顔をしておった。私もこの新聞を見たときに初めて知って、これはけしからぬと思った。現地の住民もあのような総抵抗をしておるが、だれもおもしろくてやっている者はいない、真剣にやっている。しかも調達庁長官も座間へ行って交渉しておる。それにもかかわらず十七日また射撃をやる、何というなめた態度であろう、これはわれわれとしては感情的にそう考えますよ。おそらくこれは現地の人も憤慨したと思うのです。あなたはこの新聞を見たか見ないか知らないけれども、出ているのですよ。
○福島政府委員 それは見なくてもわかっている。
○森(三)委員 あなたは見なくてもわかっているかもしれないけれども、ぼくは見なければわからない。あなたがあとでわかったというならまだしもですが、見ない前にわかっておったというのなら、十七日の射撃の問題についてなぜ交渉しなかったのか、けしからぬじゃないか。現地であのような大きな問題が起きて、ぼくはこれから大麻国務相にも質問しようと思っておるが、あそこでもし死人ができたらただごとじゃないでしょう。デモ隊を警官がこん棒でなぐって、重傷者が出ておる。あなたはこれがわかっていたのに、なぜ頼んで調整ができるまで待ってもらわないのだ。あなたの言葉はまことに不穏当だ。私はあなたのもっとまじめな答弁を聞きたい。なぜこれを禁止するように頼まなかったのだ。
○福島政府委員 十七日の問題があるということが十二日にわかっておりますから、十二日に十七日の問題をどうするかという相談をして、しかしからばそれをどうするかということはいずれになっても差しつかえないが、現地の日米当局者の判断にまかせようということになったと申し上げておる。
○森(三)委員 十七日はおそらく私はまた射撃するのであろうと思っているのだ。そこで十七日は調整がつけばよろしいが、調整がつかない場合には、あなたはぜひともこれを待ってもらいたいというような話をされたかどうか、それを承わりたい。
○福島政府委員 十七日の問題については、調整という問題でこれほどもめたのであるから、調整をした上で十七日の射撃を十七日にやるか、十八日以降は県が日取りをとっちゃっているのでちょっとやりくりがつかないかもしれませんが、その辺はまた県が一日くらい譲ればいいのかもしれず、いずれにしても県と米軍両方で日にちを占領しているわけです。どちらを動かすか、とにかく占有者の間で話をして、おくらせるなり、その日でやる方がかえって県の計画に支障がないのか、いずれにしても相談の上できめてもらおうということになっておるわけでありますから、十七日の問題を調整した上でやるということについては間違いないのです。
○森(三)委員 どうもその調整した上でというのは、ただあなたの言葉からいうと、やるよという通告をした上でというようにしか私は受け取れないですよ。調整した上でというのは、少くとも話し合いでお互い両当事者の間に了解がついてという意味なんです。調整の上でということはお互いの上に納得し合った了解ができてというふうに解釈しなければならね。あなたの言う調整の上というのは通告の上と解釈していいのか、その点は先ほど来あなたの答弁を聞いておると、了解した上でというようにも解釈ができるような節もあるのだが、今のあなたの言葉を解釈すれば、調整した上でやるのだからおそらくやるのだろうということを聞くと、通告をしておれの方では射撃をするのだということを言いさえすれば、それでやってもやむを得ないのだというように私は受け取れる。これも重大問題でありますから、もう少しよくわかるように答弁してもらいたいと思う。
○福島政府委員 私の申し上げましたことから、いわゆる調整というのはアメリカ側が一片の通告をすればそれでやれるようになるのだというふうにお受け取りになったということでございますが、そういうお受け取りの仕方はちょっと無理ではないかと思います。アメリカ側も、十七日の問題については調整をした上でということは、県当局と話し合った上で、いずれの日にするか、十七日にやるよりほかに仕方がないのか、十八日から二十四日までは県側でこの地域は使うのだからと言っているのが、一日くらいあけてくれるのかどうか、いずれにしても県側と話し合った上で現地できめさせたい、こういうふうに申し上げたつもりであります。一片の通告だけでやることになったというふうにお受け取りいただくことは、いささか無理ではないかと思います。
○森(三)委員 あなたが今言ったようならばわかるのだ。今言ったようならわかるのだけれども、あなたが話しているうちに、何だかアメリカのひいきをしたというか、アメリカの肩を持ったような、つまりおれの方では射撃をするのだ、こう言ってくる、一方ではそれは困るから待ってくれと言っている、そのもやもやとした空気のうちに話し合いをしておることを、あなたが調整の上でという言葉でさっきから言っておられるような節が感じられる。あなたは意識しているか意識していないか知らぬけれども、あなたの従来のアメリカとの交渉の過程が、あなたの頭の中にそういうふうに観念づけたのかもしらぬが、お互いもやもやと話をしていることを調整の上でという、そういう調整の上でどんとたまを撃つのだというふうに私は聞いた。だから調整の上でということは、あくまでも当事者双方が了解の上でというように、今後あなたが解釈を厳格に持っていただかなければ、私はこれはあやまちを犯すもとだと思うのです。そのような解釈に立って一つ今後この処理に当っていただきたいと思う。 あとにも質問者がありますから私の質問時間もだんだんと少くいたしますが、今回の問題についてデモ隊と警官との衝突で八名の重傷者を出したということがありますが、この問題について私は大麻国務大臣にお尋ねをしたい。今回の北富士山麓の問題について、警察当局としてあなたはどういうような指揮命令をされておるのか、一応承わっておきたい。
○大麻国務大臣 お答えします。この問題につきましては、昨日でしたか一昨日でしたか、本会議で申し上げました通り、現地におきまして米軍とわが方の国民との間に言葉も自由に通じませんから、それらの上から誤解を生ずるようなことがあって間違いもあったらいかぬ、そういう間違いの起きないようにするために、警察官を派遣したのでございます。
○森(三)委員 あなたが本会議で答弁したのはおとといです。この問題の起きたのはきのうの午後四時五十分です。それで警戒線を突破してはならぬから警察官を送ったといろのですが、その警戒線を越えたらこん棒でなぐれという命令を出したのですか、その点はどうです。(笑声)
○大麻国務大臣 そんなことはございません。
○森(三)委員 まさかそういう命令も出すまいと思うのでありますが、あなたの部下の警察はそういう乱暴なことをしておる。それに対して、あなたはおとといの衆議院の本会議で、事がないように警戒のためにやったというのでしょう。その警察官が事を起しているではないですか。それだから私は今そのような質問をしたので、どんなことがあっても警察官がこん棒で純真な地方住民をなぐるというがごときは、もってのほかだと思うのです。しかも私らの解釈からいえば、前に調達庁長官が答弁をしておったように、この実弾射撃をやることについてはまだ日米間の交渉が解決がついておらないのです。解決がついた上でアメリカはたまを撃つべきなのです。解決がつかないのにアメリカがたまを撃っておる。間違っておるのはアメリカの方が間違っておるのです。だから地方住民が憤慨してそれをやめてもらいたいという抗議をしておるのです。だからむしろ日本の現地の住民諸君が反対抗議をしておるのは正当防衛手段だといっても差しつかえないと思うのです。しかるに一方、この正しい行為をやっておる者を警察官がこん棒でなぐって、そうしてまだ話がついておらないのにたまを撃っておる人間に対して、日本政府は弱腰であって、逆な行動をしておるではないですか。これに対して大麻国務大臣は自分の責任を痛感しなければならぬと思うのです。あなたはおとといの衆議院の本会議で、地方住民のそうしたものに対して危険が発生してはいけないから、それで警戒しておるのだと言っておられるが、逆な結果が起きておるではありませんか。これに対してあなたは、けさの新聞に出ていますが、これも読まれたであろうし、またきのうのうちにあなたのところに県の警察から連絡があっただろうと思うのですが、これに対してあなたはいかなる善後措置を講ぜられたか、また今後その警察官に対してあなたはどういう態度で臨むかということについて、はっきりした御答弁を願いたいと思います。
○大麻国務大臣 お答え申します。申し上げましたように、警察官は、米軍と日本人との間にめんどうが起きてはいかぬということを心配して参ったのでございます。これは仰せの通りでございますし、また私が申し上げた通りでございます。しかるにきょうの新聞を拝見しますと、米軍とこっちとの間にいざこざが起ったのではなくして、日本人と警察官との間に何か争いがあったように書いてあって、これはまことに遺憾に思いまして、私はびっくりいたしました。それで調べてみましたけれども、こん棒でなぐったのだとおっしゃいますけれども、それはないようです。今まで調べた上では、決してそうではない。これは写真をごらんになってもわかりますように、今度はそうではない。それから記事には負傷したのが七人とか八人とか書いてありますけれども、これは三人です。警察官の方で負傷したのが十八人あるのです。警察官の方がよけいにやられておるような次第でございまして、決してそういう乱暴なことはしておりません。また今後もさせませんつもりでございますから、その点はどうぞ御安心願いたいと思います。
○田原委員 大麻国務大臣は現場を見ていない。私は十二日の早朝現場を見ておりますが、砲座の付近になわが張ってある。そのなわの張ってある外に大きな立札があって、そこに私の車が差しかかると、上の方に英語で大きくディンジァーと書いてある。そうして小さく何か書いてある。その中ほどにキープ・アウトと書いてある。そこで私の運転手は危ないから入りませんと言う。私は入れと言った。これは英語で書いてあるからアメリカ人に入るなということである。日本人に入るなということではない。しかしディンジァーというのは危ないということ、近寄るなということです。アメリカの火薬庫あたりを見ると、ほんとうに立ち入り禁止の場合にはノー・アドシタンス、それから罰金とか捕縛するとかいったことが書いてある。ところがあそこには何もそんなことは書いてない。従って現場においては危ないから近寄るなということにすぎないので、立ち入り禁止とはとれない。のみならず、私が現場で向うの兵隊にも会ったのですが、トラックが全部で四台くらい、砲座に二台くらいで、全体で兵隊は三十人くらい、しかもピストルも何も持っていない。大砲は入口から富士山の方に向いておるので、近寄っても大砲で人を撃つということはない。危ないものでもなんでもない。従って山梨県の警察が立ち入り禁止と解釈して日本人が実情を視察に行くのをとめたというのはあべこべです。私はそのことを一昨日の本会議で質問したのです。当時大麻国務大臣は言葉の上で誤解があってはいけないから警察官を出したと言ったが、誤解したのは警察側であって、警察側がほんとうに英語を理解しておればこんなことはない。これは大麻国務大臣は現場を見ていないのであって、今の御答弁はなっていないと思います。
○辻委員 ただいまの森君 の質問に関連して、一昨年私が内灘へ行ったときの状況がこれとよく似ておりますので、御参考までに申し上げておきます。内灘に参りまして私が一番驚いたことは、地元の人よりもむしろ地元と日本の警察及び米軍側と対立させるような意図のもとに、方々から左翼のオルグが入って来て、そうして地元の民衆をおだてて喧嘩をさせようという徴候がはっきり出ております。ただいまの新聞を見ますと、この負傷した人は全電通甲府支部山口俊明氏、甲府全食糧山梨支部高橋典明氏、山梨食品労組峡東支部長須田重一氏、山梨日教組前島昭吾氏、この四名が負傷したことになっておるのでありまして、おそらくこれは地元のこの演習場の付近の住民ではないという感じを私は受けます。こういう点から見ますと、この問題は冷静に解決して日本人同士が血を出し合うようなことをしてはならない。これがこの問題解決のポイントであります。お互いに冷静に合意的にこれは解決しなければならぬ問題だと私は信じます。御参考までに申し上げます。
○茜ケ久保委員 辻君 の言は私は非常に不可解だと思う。私も内灘を知っておる。妙義の闘争もやっておる。妙義の闘争は、この前長官にも言っておる。武装警官は何回も入っておるが、しかも現地の住民は武装どころかいつもまる裸です。このまる裸に対して武装警官が多いときに二千人、少いときでも五六十人入ってやっておる。しかもいつもこん棒でなぐっておるのは警官だ。私は共闘委員として二年間やってきて現に見ておる。今そんなことはないと大麻国務大臣は言っているけれども、ないかあるか知っちゃいない。ただ単に現地からの報告で一方的な報告をしておる。私どもが妙義へ行ったときでも、いつもなぐられて血を出しておるのは現地民なんです。それを今度は隊長が報告すると、警察官は決してなぐっていないと言っているから、それを質問している。今辻君は内灘の問題を言われたが、私は内灘にも数回行っているけれども、すわり込んで泣いているのは現地の女や子供です。キャンプの中には千五百人も武装警官が入っておるが、アメリカ兵はたった三十人。日本の国民を守るべき警官が日本の国民をなぐったりしておる。今向うの方で労働組合とか何とか言っているが、労働組合員だって日本人だ。しかも山梨の労働組合だ。山梨県の労働組合員が山梨県の富士山に行ってこういった抵抗をすることが何が悪いか。労働組合員は日本人でないのか、民主党は焼きが入っておる、あるいは労働組合員は日本人でないと言っている。そんなばかなことがあるか。これを大麻国務大臣ははっきり答弁してくれ。あなたはのほほんとしてそんなことはないと言っているが、現に全国でやっておる。それをあなたは知らぬ顔をしてそんなことはないと言っているが、現にこん棒でなぐっておる。はっきり申し上げるが、もし今後現地で、私はあとで福島長官にも質問するのでありますが、暴行を受けることがある。その場合に現実に一人でも警官が住民なりあるいは一般の国民をなぐった場合には、大麻国務大臣はどのような責任をとるか、はっきり御答弁願いたい。腹を据えて御答弁願いたい。
○大麻国務大臣 腹を据えて申し上げます。私は警官がこん棒でなぐったことはないと申し上げておるのではありません。きのうはなぐっておりませんということを申し上げておる。(茜ケ久保委員「なぐった」と呼ぶ)いえ、それは違うようです。いろいろ私も調べてみましたけれども……。いろいろ御指摘になりますけれども、やはり警察官だって日本人です。これも十八人けがしておる。そんなことを警察で何も申しません。そういうわけでございますけれども、いやしくも人の生命、身体を預かるべき警察官がこん棒でなぐることになったら大へんだと私は思います。それで非常にこまかに調べました。ここに係官も参っておりますが、ひょっとしたらなぐった者があるんじゃないかというと、そんなことは決してありませんと確信を持って申しておりますから、私はこれを信じて申しておるのでございます。そんなようなわけでありますからどうぞ。警察官というと何だか非常に悪いやつだという観念で——あなたはそうではございませんでしょうけれども、そう論じられるもんでございますから……。警察官もやはり日本人だということをお考えになって、どうぞ御冷静に御判断を願いたいと存じます。それから、今後十分注意いたしまして、そういうあやまちのないようにするつもりであります。御了承を願います。
○茜ケ久保委員 そういうことがあった場合に国務大臣はどう責任をとるか。責任の問題です。
○大麻国務大臣 自分の良心に従って恥かしくない行動をとるつもりでございます。
○森(三)委員 私まだ質問がありますけれども保留して、中村高一君が質問があるそうですから……。
○中村(高)委員 大麻国務大臣もまだ答弁のためにすわっておりますから、大麻国務大臣にお尋ねしますが、今の問答をお聞きになっておったと思うのですが、十七日も調整がつくかどうかわからぬと私は心配しておるのであります。今福島長官は調整がつくということでありますが、調整がつけばけっこうでありますけれども、昨日のあの乱闘をしましたことを考えて、またそういう問題が十七日に起きるのではないかという心配もありますが、これは昨日はどのくらい警察官を出動させたのか。それからまた十七日の問題がどういうふうになるかわかりませんけれども、政府の方針としては、万一十七日も演習が行われるということになれば、やはり警官の出動の御用意をなさるかどうか。この点をあらかじめお聞きしておきたい。
○大麻国務大臣 昨日は警察官が三百五十人出ております。それからついでだから申し上げますが、現地住民とやら申す方々が七百人ばかり出ておられたそうでございます。それから十七日は、福島長官の言われるように、調整ができれば仕合せだ、こういうふうに願っておる次第であります。御了承願います。 〔委員長退席、辻委員長代理着席〕
○中村(高)委員 どうも今のお話ではそんな重軽傷者が出るようなふうにも思えない。何か旗を取りに行ったようなことで問題が起ったというのでありますが、砲座の近くに来てはいけないというので警戒線か何かをしいてそれを突破しようというので、そこでもみ合いが起ったかというような問題ではないのですか。
○大麻国務大臣 さようでございます。
○中村(高)委員 今までのところでは棒でなぐったとか何とかということについて否定をされておりますから、いずれ現地の方から今後負傷者の計あるいは乱闘の状況等もだんだんわかってくると思うのでありますけれども、十分にこれは調査をしておいてもらいたいということ。それから十七日の問題がどうなるかわからぬし、今長官の説明を聞くと、十八日から二十四日までは県の方で待ってくれろということであるから、あるいは二十五日以後にまたあるかもしれないのでありますが、これはあらかじめ今度のような警察官と乱闘の起るようなことに対しては、厳重に県の警察に警告をしておいていただきたい。警察官と民衆とがけんかをすべき理由なんぞは一つもないのです。総力をあげて米軍の実弾射撃をやめさせるということが目的なんでありますから——警察官には、とかく現場において興奮してあばれまわる警察官もあるのです。これは実際の場合においてはしばしばそういう場合もありますから、厳にそういうことについては注意をしておいていただきたいと思うのであります。
○大麻国務大臣 承知いたしました。
○中村(高)委員 大麻さん はよろしいです。 福島長官 にちょっと二、三点だけお聞きいたしておきたいのでありますが、これは先ほどから十七日にまたこういう問題が起りゃしないかと思って皆さんから非常に心配をした質問が出ておるのでありますけれども、政府の見込みが立つといったような話もありましたが、今までのことから考えますと、やはりアメリカはアメリカとしての意地もあるし、ここでやめたらあと支障を来たすというようなことから、あるいは十七日に決行することになるかもしれないと思うのでありますが、それは十七日は都合が悪いからということを言えば、米軍はそれに応ずる見込みがあるという意味の見込みでありますか。調整がついて、十七日を二十五日にしてくれろというかもしれないのだとすると、日が変更になるだけで、またどうも実弾射撃がありそうに思われるのでありますが、十七日に調整のつく見込みというのは、一体どういうところでそういうお見込みを立てられているのでございますか。もう少し説明しておいていただかないと、現地のものは非常に十七日を心配しておるだろうと思いますから……。
○福島政府委員 十七日の問題につきましては、アメリカ軍側のいっておりますのは、演習計画と申しますか、訓練計画の関係で、昨日までの射撃に近い日取りで一回、一日だけやる計画になっておる、やる必要がある。それについてに、アメリカ側は、案としては十七日ということを考えておるけれども、県側と相談の上日取りが変るようなことがあっても、それは現地で実行可能だということであれば差しつかえない。ただ十七日を二十五日まで延ばすことができるかどうか。東京では現地の事情がよくわからないから、現地の相談にまかしておいてもらいたい。また県側が十八日から二十四日までは県の方で使うといっていることも、県の方で絶対に使わなければならぬものであるかどうか、それもわからぬ。県の方でどうしても使うんだといえば、県のいう通りにすることにも異存はないのである。不幸にして十八日からということと、十七日という問題がくっついておりますので、十八日から一週間は県側が使うという問題さえなければ、十七日を使うといっても別にないでございましょうが、もう少し事態が平静になってからということに移動させてくる分には、話し合いは成立するはずであると考えております。ただ県側の十八日から二十四日までの使用計画が一体どういうものであるか。それをずらすことができるかどうか。そうしてまたかりにどうしても県側の方でその都合ができないということになるとすれば、十七日から二十五日まで、それが過ぎるまでずらせる場合に、アメリカ側の部隊その他の滞在日数とか自余の訓練計画とか、いろいろなことが実行可能なのであるかどうか。いずれにしても現実の、日米双方の必要とする要件をかみ合わせた上で、アメリカ側としてはできるだけ十七日に近く話し合いをつけてもらいたい、こう考えておるという返事でございますので、また県当局の方も、アメリカ側がそういう方針であるならばアメリカ側と話し合って適当な日にするなり、十七日以外に日があるかどうか、いずれにしても検討してみよう、さっそく本日から相談を開始しようといっておりますので、話し合いは円満に成立するものと確信しておる次第であります。
○中村(高)委員 今の長官の答弁では、十七日に調整がつかないで、あるいは米軍の方もいろいろの準備をしたり、そう一週間も十日も先にまた一日やるということはできず、予定通りやるという場合もありそうに思われるのであります。どうも調整がつかないでそのまま決行される場合もあるように思われますがどうでしょう。
○福島政府委員 ここまで日米双方が話し合ってやっていこうとしておりますので、かりに十七日に大砲を撃つというような事態になりましても、先般の場合と違いまして、調整がつかないで撃つということはあり得ないと考えております。県の方は県の方で、獲得いたしました県の都合ということで、アメリカ軍に地上部隊を全面的にB地区からどいてもらう日の、十八日から二十四日までという県独自の計画もおありのようですから、これはいじりたくないということになれば、十七日ならその計画に支障がないということになるかもしれませず、十七日に撃たないという保証をいたしておるわけではありませんが、十七日に撃つという場合でも、調整がついた上で撃つということに必ずなるものと確信している次第でございます。
○田原委員 関連して。この十七日に撃たないということは大体いつまでにわかりそうなんですか。きょうは十四日ですが——という意味は、もし十七日にやるというならば、私はこの内閣委員会から適当な数の現地視察を出すべきだと思うのです。大体やるかやらぬかという見通しはついておりますか。
○福島政府委員 これは県当局とアメリカ側の話し合いの問題でありますが、今明日にでも話をしておるはずでありますから、おそくも月曜日ぐらいまでにわかると思っております。
○茜ケ久保委員 富士山麓の問題に関連して、この際長官にぜひ伺いたいのです。それは調整の問題が非常にこじれて参ったのでありますが、私が調達庁からいただいた資料によりますと、さらに今後地区にして十カ所、飛行場の拡張が五カ所、三十年度予算で予定されておる。現に山形県の大高根の射撃場の問題で相当問題が起っております。私は先般参議院の補欠選挙の応援で新潟に行って参りましたが、新潟飛行場拡張がまた相当問題をはらんでおる。こうなりますと、幸い富士の演習地の問題はここで解決いたすとしましても、次々にこういった問題が起る潜在的な事実があるわけでございます。従いまして私がお伺いしたいのは、私の関知するところでは、現地では全部、大高根の演習場拡張も反対、新潟の飛行場拡張も反対、その他の所もほとんど全部といって番いいくらい反対の気勢が強いのであります。しかるに政府側では、その反対の空気を察知された個所については、あまり話し合いのことがなされずに、すぐに強制的な手段をとられておる所が多いのであります。これは大高根もその通り、新潟もその通り。こういうことに対しまして、福島長官は、富士演習地の問題からからんで、今後こうして起るであろう拡張あるいは新設の個所に対して、どういうふうな話し合いをつけて、もし話し合いがつかぬ場合には、強制収用その他の手段をとるのではなくて、現地の意向によってそういった増設ないしは拡張を取りやめるだけの意思があるかどうか、この点をお聞きいたします。
○福島政府委員 ただいま御質問のございました点は、先ほども御質問を受けましてお答えをした点と同じでございますが、全国にいろいろある演習場の比較的使用度数の少いものはできるだけ解除させて、少数の所にしわ寄せをして、全般的には負担を軽くして行くということは、私は方針としては正しいと思いますが、しわの寄せられる所はかなわない。従って反対運動も起るということになるわけでありますが、その場合に極力現地と了解の上でやるかどうかという点については、先ほども御指摘がございましたようなわけであります。私どもといたしましても強制的な手段というものはとりたくない。でき得る限り了解を得た上でやって参ろう。飛行場の問題も、現在全国に四十幾つの飛行場がございますが、これを端的に表現いたしますれば、これを適当に整理して、数カ所へしわを寄せようという案でありますが、しわのゆるむ方は非常に歓迎しますが、寄る方は参る。しかしながら四十幾つの飛行場を数カ所に整理するということは、国の立場では、そういうことが実行された方が、具体的な問題は別としまして、正しいということは言えるというわけです。ところが現に今拡張ということになりますれば、地元の当面の関係の方々はまずもって御賛成なさる方は少い。われわれの方は賛成を求めるのはめんどうだからすぐ強制手続をとるだろうとおっしゃいますけれども、私どもはどうせこういうたちの仕事をやっておるのですから、一度や二度断わられたくらいで驚くような考えは持っておりません。あくまでも拝み倒してお願いしてしまうという決意を固めております。決して強制手段というようなことを軽々しくとる考えはございません。
○茜ケ久保委員 私が今現に承知しておるところでは大高根と新潟であります。新潟の飛行場の場合に現地を調査しますと、あそこは第三次の場合に、政府はこれ以上絶対に拡張しないのだからということで、無理やりに押しつけてほとんど脅迫的な態度までとってやられたのであります。そしてまだその第三次の拡張が完了しないのに、さらにそういった第四次の計画をおっかぶせて来ているということがございますが、この点、長官はどのようにお考えになりますか。
○福島政府委員 第三次の際に、これ以上絶対にないというようなことを、調達庁の担当者の中で言った者があるか、あるいは当時は調達庁以外の所管でもったかもしれませんが、そういう面で、これ以上絶対に拡張がないというお話を申し上げた者がおることはおるのではないかと思います。しかしながら、当時の事情としては、明瞭にそうであったということも、これまた全然うそ偽わりでもありません、しかしせんじ詰めてよく勉強しておれば、飛行場の長さという問題については、一定の長さが要るということが、これはどちらかと申せば、人間の意思の問題でなくて、機械の一つの原則の問題として、最小限度の長さはこれだけ必要であるということがきまる筋合いの問題でございますので、当時、これ以上の拡張はないと申し上げましたこと、そういう事実はありませんということを申し上げるわけではございませんが、当時はさよう考えておったという事情もあったと思いますけれども、見通しとしては、そういう簡単な見通しを立てるべきではなかったと考えております。私の代になりましてからのことは、私自身責任をとらなければならぬことでありますが、長い見通しを、しかも科学的な見通しを立てまして、今後そういう御迷惑はかけないようにいたしたいと考えております。
○茜ケ久保委員 まだ相当質問がありますが、時間の関係もありますし、月曜日の午前中くらいにさらに委員会を開くということならば、今日の質問を打ち切ります。
○江崎委員 長官、どうでしょう。十七日の問題で各党各派それぞれ心配をしているわけですが、ああいう不調整のままでというか、向うさまは調整のつもりかもしれぬが、四日間射撃を実行された。それだから、ここはあなたも現地だけにまかせずに、十二日の折衝によって、きょうの新聞に発表されておるような、またあなたがここに御説明になったような第一から第三までのああいった条件を細部にまで話合いをおつけ願って——もう四日間、相手は無理押しにやって来た。だから十七日の射撃は、あなたも間に入られて、十二日にお話になった件を細部にわたって十分了解をつけて、それからの相談ということにはならぬものですか。これはわれわれ保守党の者であっても、非常に刺激を受けた問題なんです。全国的にここまで問題になっておるから、これは一つ政治的措置というふうにあなたもお考えになって、細部決定後に延ばしてはどうかということを強く申し入れて、山梨県側もあなたの折衝の実を了承して、そして穏やかになり、民心も安定した。それから一日の問題も、まだ六月は実施していい期間に入っているのですから、これは質問とかそういうことでなしに、あなたに十分努力をしてもらうというような話し合いにならぬものですかね。
○福島政府委員 仰せまことにごもっともであると思います。私もそういう点で、アメリカ側との話は相当熱心にしたつもりでございます。ただ先方の考えております演習計画といったようなものも、現実に見て参りますと、数日撃った部隊を休ませて——また土曜、日曜になる。講評した上で、もう一ぺん撃たせて駐屯地へ帰すということが計画のようでございますが、これは十七日でなくてもいいのだけれども、計画のそごを来たさない範囲において、一回撃たせて帰さなければならぬということは、まことに無理のない百もあるわけであります。そこで十七日でなければ——事態が正常化した上で、さらに安定するという時間がどうしてもほしいということ、私も不用意で、また県の方からも聞いていなかったせいもありますので、行きましたときは、そういう原則はアメリカ側も承認するんだけれども、県の方からやかましく十八日から二十四日まではということを言って来て、軍側もあっさり折れてしまったこともあり、今さら軍側としては県の方にあれを取り消すという話ができない。従って十七日とそれから十八日から二十四日の問題を一緒にまとめて、県と現地に預けようじゃないかということを言われまして、それならそうやらしてくれ。しかしまとめた上で相談するということは熱心にやらしてくれろということで、アメリカ側にも注文をつけ、天野県知事にも、そういうことだから、県が取ったものは取ったでがんばらないで、それも利用して調整するということをしっかり研究してほしい。軍側で演習計画完了の関係で十七日に接近しなければならぬという事情もあるでしょうし、県側の方は十八日から二十四日までは演習地全部開放して県民が草取りに入られるんだと公表してしまって、今さら一日をさいて射撃だということも、知事として面子が立たぬという事情もあるかもしれぬ。いずれにしても折衝の上でその時間割が適度に調節されるということは、県知事としても説明がつくことであろうから——これがなければ二、三日待てという簡単な話もできるわけです。不幸にしてそういう錯雑した事情になりましたので、両方の希望を持っているやつの話し合いに一つまかせよう。私といたしましては、その双方に——アメリカ側にも、その材料をもってお互いに協調して話し合いを必ずつけてほしいということを、強く要望してございます。なおこれは県知事さんとは打ち合せをしているのでございますが、必要であれば何日ころ私が行ったらいいかということも考えてほしいと申し上げておりますので、私どもが手伝う必要があるのでございましたら、手伝うつもりでございます。あるいは県知事と軍司令官との間で両方の計画をかみ合せて適当に細工ができるのであれば、それでけっこうと考えているような次第でございます。
○森(三)委員 私も最後にちょっと言長官にお尋ねしますが、十一日に山梨県会の各党の代表が決議文を作りまして、射撃禁止の決議文を現地の司令官に交付して、即時中止の申し入れをした事実をあなた御了承になっていますか。
○福島政府委員 新聞で読んでおります。
○森(三)委員 そういう実情からいたしまして昨日あなたが県知事とお会いになったということについて私も先般お尋ねしたのですが、県知事はこうした現状をもって判断して、調整がつくということをあなたから引き受けて行かれるはずはないと私は思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○福島政府委員 今のお尋ねの調整がつくというのは、第四項にございます射撃日取りの調整という字の調整ではないと考えるのでございますが、県知事さんの御意向としては、アメリカ側に話しまして、アメリカ側が譲歩した点を、そんな譲歩は要らないとは言わないのでございます。その譲歩は喜んでちょうだいしておこう。そういたしますと、残るのは今後射撃をする場合にその打ち合せをどうするかという問題です。それについてアメリカ側と満足する話し合いができるという保障さえあればいいわけです。いずれにしても、地元に実行委員会とかいろいろあるわけです。その方面とも取扱いについてはよく打ち合せるというお話で、譲ってもらったものを要らぬということをおっしゃったわけでもないのでございまして基礎条件になる諸点については御了解を得たと考えております。当面どういうことになりますか、地元の諸君があそこへすわり込むとか旗を立てるとかいった問題をどう取り静めるかといった問題については、帰ってから相談する、こういったように承わっております。
○森(三)委員 最後に……。そういうような現地の見解の強い、つまり射撃中止の要求もありますので、天野県知事はあなたに対して、譲歩されたものはもちろん受けるのはあたりまえですが、射撃に関しては必ずしも私はそれを受けて帰られるはずはないと思うんです。見通しとしては、長官の見通しが、果してうまく本件を解決して十七日に射撃が可能になるかどうかということを、私どもは非常に危惧を持っております。 〔辻委員長代理退席、委員長着席〕 見通しとしては非常に容易ならざる段階であると思うのでありまして、長官においても一そう今後御努力されて事態を収拾されたいということを強く希望いたしておきまして、一応本日の質疑は打ち切ります。 続いて私は一つ動議を出したいと思うのでありますが、この北富士演習地の実情にかんがみまして、内閣委員会としては当面の責任の委員会としてわれわれは当然現地を調査するところの責任があると私は考えまして、本委員会において委員派遣の決議を動議として提出する次第であります。 なお各党の人選あるいはその人員の数等につきましては、各党において適当に配分をしていただきたいと思うのであります。
○田原委員 私は森委員の動議に賛成するのでありますが、先ほど来の質疑応答の中で、特に茜ケ久保委員からも出ておったように、この富士山麓の問題以外にも、たとえば新潟県の飛行場の拡張問題、横田の飛行場の拡張問題、立川の飛行場の拡張問題、木更津の飛行場の拡張問題、板付の飛行場の拡張問題、また小牧の飛行場の拡張問題等至るところにありまして、地元でも大へんな不安に思い、各地の要望がわれわれのところに来ております。それから福岡の市内の通路遮断問題というのも過去四年以来起っております。従って第一次には今の森委員の動議のように、富士山麓の調査をする、そのための派遣をすることをきめていただき、その日にちはできるならば十七日にもし射撃があればその日にやる、これらの日にちについては委員長に御一任いたしますが、同時に以上私が申し上げましたような飛行場の視察についても、一応ここで決議をしておいて、これらの飛行場をいつどこを視察するかということについても、委員長に一任したいと思います。これをつけて私は賛成しておきます。
○宮澤委員長 まず森君の動議並びにこれに付随する田原君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮澤委員長 さよう決します。 なお派遣委員の氏名及びその時日等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮澤委員長 それではさよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後零時五十五分散会