P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
22回国会衆議院1955/07/27

逓信委員会簡易生命保険及び郵便年金制度の調査に関する小委員会 第4号

発言数
33
登壇者
4
会派数
2
開催日
1955/07/27

会議録

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 これより、郵政事業の調査に関する小委員会を開会いたします。  町村合併に伴う郵便局及び郵便区の統合整理に関する件について調査を進めます。  それではまず私の方から郵務局長にお尋ねいたしますが、先日の小委員会で本件についての当局の方針は大体承わりましたけれども、その後福島県においても、一市町村一局に統合するということを強行するというので紛糾して、陳情にも参っておりまするし、なおこの資料による通達の内容においても、その2に「隣接町村の合併が完了したものについては、次により逐次施設の調整を実施すること。」その内訳のロのところに、「次の場合を除き、なるべく集配局は一局に整理すること。」こういうふうに規定されておりまして、その中には、地況の関係その他いろいろ調整の余地は残してありますけれども、こういう通達が、地方の郵政局においては厳重な規定のように誤解されて、そのまま地方におろされている向きも非常に多いようでありますので、この点をなお明確にしていただきたいと存じております。福島県の問題ばかりではなく、各地にもなおあるようでございますので、この通達について、これを改められる御用意があるか、その辺をお伺いいたしたいと存じます。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 通達は、大体御指摘のように書いてありますが、もちろんこれだけで必ずしも全部の意が尽されておるわけではありません。先日来、私どもがお尋ねに対してお答えいたしましたのは、幾回か、関係の課長会議、部長会議によって、よく説明してあるはずでございます。もちろんこういう統合といったような問題になりますと、いろいろな面から利害が相対立するといったことも起りがちであります。私どもはこの推進については、できるだけ慎重な態度をもって臨まなければならぬ。また先ほどおっしゃいましたような、福島県のような場合には、よく伺いますと、そういうことが郵便の形として行われることは、一つの筋としてはよくわかるが、ただ市町村が合併された当初、まだよく固まっておらぬような場合にやられるということは、せっかく固まった町村合併というものの円滑さを阻害する。むしろこういう申し出があったわけでございます。そういう点は、私どもも現地においてよく実情を調べた上で、善処しなければならぬ点でありますので、その旨を現地に伝えまして、現地の実情をよく調べ、また現地の人たちにも、よくこの問題をお話し申して、十分納得の上で、実施すべきものは実施していく、かように考えております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 世に親の心子知らずと申しますが、せっかくこれだけあなたの方で御配慮になっておっても。末端の方ではあなたの方の気持が、何回会議をされても、なかなかそれがのみ込めない向きが依然としてあるようでございます。これは決して郵政省ばかりではありません。国会あたりで、運用の点についてよく注意がありますけれども、その際安心されるような、納得されるような答弁はいたしましても、実際問題になりますと、末端ではなかなかさようにいっていないのが従来の例であります。そこで、この際特に申し上げておきたいことは、新設市町村という場合には、一郡のほとんどが一諸になって市を設けている、こういうのもかなりあるようであります。市になったからといって、立ちどころに市街地になるようなものではございませんで、依然として部落集団といったものがあるのであります。そういう中にあって、この集配施設の調整という要綱の2のロの項において、「なるべく集配局は一局に整理すること。」これは何とおっしゃっても原則でございます。末端の指導においては、一局にしなければならぬ、ただし特殊の場合には二局以上あってもいい、こういうふうに指導するのが、私は建前だと思う。だから、このロの項はむしろ削除して現行のままでやらせて、現行のままではかえって不利になる、不便になる、こういうものだけを統合させていくという原則を考えられることが、私は現在の段階においては妥当ではないかというふうに考えております。その点についての局長の見解はいかがでございますか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 私どもの考えておりますのも、今おっしゃったような意味でございます。われわれは何がなんでも観念論として一局にしようという考えは毛頭持っておりません。郵便の現情から見ますと、集配局が二局以上ある場合においては誤分誤送のために利用者が非常に迷惑をこうむっている。これは言うまでもない点であります。従って集配局を行政区に合せていくということは、そういう誤分誤送を避けるという意味においてはもとより理想的な形である。しかし現実に合併された市町村が、郵便の集配関係から見て適正な規模であるかどうかということになると、土地によっていろいろ違う。ところによっては強硬に一局にしてくれという要望を受けておりますが、私どもの方としてはどうしても技術的にできない、やはりそこには数局を置かざるを得ないというような場合でありますので、私どもがこういうふうに考えておりますことは、結局そういう今おっしゃったような不便がなければ、問題にならない。現実に起る場合のみを想定しているわけであります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねて申し上げますが、なぜ私などが町村合併に伴う集配局の調整を申し上げているかと申しますと、末端に参りますと、この点が非常に懸念されており、不安がっている事実問題があるのであります。執行内部の問題についてはあまり申し上げたくないのでありますが、しかし現実には各地でそういう紛議が起っている。その事実がありますのと、大体市町村合併もほとんど最終段階になりました結果、郵便集配局の統合というのも続いて表面化して参りますので、この機会に従来のような紛議が起らないような原則を立てていただきたい、かような意味で特に申し上げているわけであります。従って何回も申しますけれども、この集配施設の調整という、この項の原則として流れているものは、一市町村一局である。しかしそれは無理のないように現情に即してやれ、こういうことでございますけれども、末端では原則を建前としてけんけん服膺することは当然だと思う。何と申されましても、いかに無理のないようにしろと訓示されましても、原則は原則でございますので、そういう方向に向うことを私どもはおそれているのであります。集配局は、部落集団なりあるいは経済活動を中心として、長い間のいろいろな必要性から、現在の新たな市町村内にも二局以上あるのでありまして、それを市町村が合併して市になったからといって一局にするという原則が、どうも実情に沿わぬではないか。これは同じことを繰り返すようですけれども、この原則、この通達を、もう少し末端でかりに直接訓示を聞かれない人でも、何人でも実情に沿うように運営できるような通達にすることが私は必要であると感じておりますが、この原文を見ますと、何としても一市町村一局だということになりますので、この通達を改められて、誤解のないように、問題の起らないような指導をする、通達を出される御意思があるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 この問題は、私どもとしては委員長のおっしゃるような点に、完全に郵政局は了解しておるものと確信しております。末端と申しましても当方の郵政局でありまして、数回にわたってこの問題については打ち合せておるわけであります。なおお尋ねの点がありまして、不徹底の点がありましてはどうかと思われますから、そういう御趣旨を体するように必要な措置をとりたいと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 さらにお尋ねいたしますが、福島県のことについてはもう措置はできましたか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 現地の方々の御要望も私承わりまして、よくその旨を仙台の方に伝えまして、仙台の方としてもその現地の事情をよく調べ、現地の方々とよく話し合いが成立するまでは、軽率にやってはいけないというふうにしてございます。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 ちょっとお伺いしますが、大体郵便区の統廃合の問題については、この前の小委員会における質疑応答で、現在の郵政当局の考えておる内容というものはほぼ明らかになったわけであります。そこでこういう問題について、たとえばこの小委員会あるいは本委員会において、委員会の意思として一つの成案を得て、そうしてこれを当局にこういう方向でやれということを決定して出した場合、当局の方はそれを尊重してやる、今の方針と若干変っても、それをやるというふうなことについては支障がないかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 具体的におきめの内容を伺わないと、支障があるかないかということは簡単に申し上げられませんが、国会の方で方針をおきめになれば、われわれ行政庁としてはもとより許される限り、これを尊重しなければならぬものであると考えます。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 それからもう一点、これは統廃合の問題とは関係がないかとは思いますが、現在の鉄道郵便の輸送関係において、鉄道郵便の現在受け持っておる管轄の変更とか、そういうような問題が持ち上っておるように聞いておりますが、そういうことは持ち上っておりませんか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 鉄道郵便の区域というものは、必ずしも現在静止局として考えておる各郵政局の管轄とは、おのおの違っております。と申しまするのは、おのおのの鉄道郵便線路における車内作業の能率的な区分といったようなものから、適当に区切ってあるわけでありまするが、だんだんと各地において鉄道も電化され、あるいは鉄道のスピードが向上してくるというようなことになりますと、現在与えられておる所管区分が必ずしも適切ではないというような事態には、それに応じた調整をとらざるを得ないと考えております。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 それと、もう一点は現在鉄道郵便の輸送ともう一つの輸送の重要な項目としては、日本逓送株式会社が輸送部門を受け持っておるわけですが、今回の統廃合の問題にからんで、日逓の受け持っておる逓送関係の変更というような問題は持ち上っておらぬわけですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 統廃合をかりにやることによって鉄道の受け渡しが減れば、それはもちろん受け渡しから除外しますし、またその間に郵便の自動車線路が要らなくなれば、それはやめてしまう、かようなつもりであります。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 そういうことによって、その輸送関係の予算が節約になるというような点があるわけでありますか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 そう大した額は期待できないと思いまするが、やはり若干のものはそこに節約があるのではないか、かように考えております。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 それからたとえば、この前の質疑応答で私の方から質問いたしましたが、今後この統廃合を行なって、従来の集配事務というものよりも今度は郵便物を、各ポストのものを集めてくる場合があるわけですね。そういう場合、従来よりも範囲が相当広範囲になってくるわけでありますが、この広範囲になった場合に、逓送会社にその集配を委託するというようなことはございませんか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 現在問題となっているようなところにおいて、特別に民間に集配を委託してやらなければならぬというようなところはほとんどないと思います。ただおっしゃるように集配区域の、特に取り集めなんかが相当広くなった場合には、これを能率化するためには、私どもの方としてはできるだけみずからの手による機械力というものを勘案していきたいと思います。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 今の御答弁で私の方もけっこうでございますが、もしこれが今度の統廃合によって、さらに一般の方に請負が広がっていくということについては、やはり今局長が言われたように将来——現在やっておる問題についは私は別だろうと思います。しかし現在以上にこれを拡大していくということでなくして、もしそういう問題が起っても、郵政当局としては自分の力によってやっていくことが最も望ましいわけでありますので、その意見に賛成でございます。それで私たちもこの意見をまとめるのに関係がありますので、今回の統廃合の問題については鉄道郵便の受け渡し、さらにこれにつきましての集配事務ということについては、そう大して影響がないと解釈をしてもよろしゅうございますか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 むしろこの鉄道郵便の立場から申し上げれば、同一市町村内に受け渡し局が二つ三つあるということよりも、それがすみやかに一つにされることが、鉄道郵便局員の負担を非常に軽減することになります。それから自動車その他の請負の集配線路というものにつきましては、これはむしろさしあたりの問題としては、これによって若干減ってきます。減ってきますが、そう大きな影響はなかろう、かように考えております。

森本靖日本社会党(左)

○森本小委員 それで大体わかりましたが、最後に、現在まで配達局名を郵便物に記載をしてもらいたいということを、郵政省としてはかなり宣伝をして、かなり効果のあった面もあるわけでありますが、今回の市町村の合併によって、そういうことが非常に混乱をしておるということがあるわけでございます。しかし将来かりに町村合併に伴うところの郵便区の統廃合ができまして、今の混乱を相当カバーするということになりましても、従来のような形において何々局区内と書かせてこれをやるということが、郵便行政としては私は最もいいのじゃないかと思いますが、統合されてもそういう方針については変りがないかどうか、お聞きしたいと思います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 もしも一行政区画内に一郵便局というような理想的な形態ができたところにおいては、特に郵便局名を勧奨していただく必要はないと思います。ところがわれわれが技術的に、どうしても同一市町村内に二つあるいは三つの郵便局を置かなければならない、あるいは鉄道線路上も郵便局を二つ、三つ置かなければならぬというようなところには、これはやはりそういったところに限って局名を勧奨していただくということが、郵便を最も円滑にやっていく道だろうと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 この際お諮りいたします。橋本登美三郎君より小委員外の発言の要求がありますが、これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 御異議なしと認め、発言を許可いたします。橋本君。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 根本問題ではないが、実際問題として、従来字名をとって郵便局名にしているところがありますね。茨城県の軽野村に萩野村に萩原という字名とつけてやっておるところがありますが、非常にわかりにくい。この前せっかくああいう赤い本でもって局名のものを出されましたが、ああいうのはむろんいろいろな原因があってああなっているのでしょうが、原則として町名をかぶせた方が便利だと思いますが、どうですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 私どもも郵便局の名称には、できるだけその行政区画の名称を出すことを原則としております。ただ行政名よりもその辺の通称ということが通り過ぎているような場合は、例外的にそういうものも認めておるというのもございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 私からこの際郵便局配達局名の記載についてお尋ねいたしたいと思います。今あれほど奨励されておる局名の記載がどのくらい行われておるのか。何割か何分か知りませんが、どのくらい行われておるか伺いたい。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 これは全国的に詳細な調べをしたわけではありませんが、ときどき重要な局について調べた結果、大体二割以下だ、かように考えております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねてお尋ねいたしますが、私どもの見たところでは、局名を書いたものはほとんどないのであります。東京の例をとりましても、むしろ局名を見つけることが、郵便を出すのに非常に不便なんです。局の人に聞いても、局の人でもおそらく書かないということです。森本委員からは奨励すべきだという御意見はありましたが、それはいいことでありますけれども、いかにいいことで奨励しても、二割が正しいかどうか知りませんが、おそらくそれ以上普及せしめることは困難ではないかと思う。あまり奨励されると一般利用者の負担になるということも考えるのですが、何かこれを普及させる名案はないのか。もうだいぶ実施されてから長くなることであります。名案がなければ、またほかの方法をとるというお考えはないのでございますか。この際当局の考え方を一つ承わっておきたいと思います。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 当初局名の記載ということを、ただ一般的な方針において奨励した時代がございましたが、これはやった結果も、もとより先ほどおっしゃるように、相手方に差し出そうと思っても、どこの局内であるかちょっと見当もつかぬから、一般的に奨励しても、その奨励だけでは実効が上らない。また私ども自身の内部の取扱いから申しましても、特に局名を書いていただくことによって郵便の間違いが少くなるということは、先ほど来申し上げましたように、同じ市町村内に集配局が二局なり三局なりあるといったところだけに、そういうことが実際上価値があるわけです。そうでなければ、別に特に集配局をお書きにならなくても、われわれの郵便配達上は大体同じことにやっていける、そういうことでありますので、私どもといたしましては、むろん理想的な形になって、大体将来局でもっていけるようなところに対しては、特に配達局の記載の運動をする必要はない。しかし二局、三局あるようなところには、なるべくその区内の方々に、あなた方が自分で差し出されるときに、差出人の方に局名をお書きなさい、そうすることによってできるだけ間違いが少くなって、あなた方の方へ返ってくる郵便が速くなりますよ、こういう形において、そういうところの各個人に対して機会あるごとに御理解と御協力を求めるということで、当分やっていきたいと考えておりまして、一般的な意味における局名記載ということは大した意味はないじゃないか、かように考えます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねてお尋ねいたしますが、せっかくおやりになっているのをあえてどうこういうわけじゃございませんし、また東京都内にどれくらいの集配局があるか私自身も知りませんが、東京都内へ出される全国の人が、果して局を知った人が何人あるだろうか、そこに何という局があるのか、おそらく出される人は御存じないと思う。それは東京都の出身者であれば若干御存じの方もありましょうが、おそらく知らないと思うのです。こういうことを勧めることはかえって繁雑ではないかというふうな気もいたしますが、局名を記載させることについて、一市町村一局を奨励させるということになりますと、逆効果を及ぼすことになりますけれども、この点について今大体の御方針は承わりましたが、これは何とかしなければならぬという段階にきていると思いますが、どうですか。

松井一郎郵政事務官(郵政局長)

○松井政府委員 これは私先ほど申し上げましたように、そういう地域の方方に、その地区の郵便局から機会のあるごとに御協力を求めて、あて名に最初から書くといったら遠くの方にはわからない。そこでその区内に住んでおられる方が差し出す際に、自分の区の局名を書いて出す、そうすれば、それを受け取られた方がその局名を見て差し出されるということになると思います。これは法律で強制するような性質のものではございませんので、一人でも二人でもそういう形で御協力願えばそれだけ皆さん方の得になるじゃないか、その範囲内においてはやはり相当気長くやっていった方がいいじゃないか、かように考えております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 大体御方針はかりました。町村合併に伴う集配逓送施設の調整については大体御意向がわかりましたので、なお小委員会として意見をまとめたいとも考えております。では質問はこの程度で終りたいと存じます。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗