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22回国会衆議院1955/06/03

逓信委員会簡易生命保険及び郵便年金制度の調査に関する小委員会 第2号

発言数
23
登壇者
2
会派数
1
開催日
1955/06/03

会議録

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 これより簡易生命保険及び郵便年金制度の調査に関する小委員会を開会いたします。  簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する件について、前会に引き続き調査を進めます。この際御質疑があればこれを許します。——それでは委員長から若干当局にお尋ねいたしたいと存じます。  前回の小委員会において短期融資のことについていろいろ御質疑があったようでございますが、長期融資と短期融資について保険局当局ではどのようにお考えになっておるのか。短期融資は単に余裕がある場合に限って運用しょという程度のものであるのか。あるいは短期融資についても、最初から計画的に運用したいというお考えであるのか。従来の運用の実績をあわせて御説明をいただきたいと存じます。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 ただいまの資金事情からいたしますと、短期融資を長期融資と切り離しまして関連をなるべく薄くいたしまして、短期融資自体に計画性を持って参るというところまでは行っていないのでございます。ただいまのところまでは資金もそう多くはなし、できるだけ長期融資の財源にも充てたいという考え方からいたしまして、簡易保険の運用につきましては、短期融資は、長期融資をやるに当りまして金が出ていくまでの間における遊金と申しますか、それを短期の方へ回して参っておるのでございます。従いまして、短期融資の額は、その月における長期融資の所要資金と、当該月におきまして入ってくる金とを比較いたしまして、入ってくる金から、当該月において長期融資といたしまして出す金を引いた範囲内において、短期融資をやっておるわけでございます。従いまして長期融資の融通対象なり、融通額が確定することが早ければ早いだけ、またその額が多ければ多いだけ、短期融資の財源が減って参ります。従いましてただいまやっておるのは、財政調整資金といたしまして、長期に出すまでの間の遊金を使って参っておるのでございます。もっとも将来資金の量が多くなりますと、繰り越し資金を持ちまして、それとのかね合いを考えつつ——むろん長期との結び合せも考えなければなりませんが、ある程度の弾力性を持ちまして、従いましてある程度の計画的な運用にいくように、将来は考えるべきものとも考えられるのでございますが、要するに資金の現在量、それから長期資金の需要量等を勘案いたしますと、現在におきましては、先ほど申し上げましたような、短期融資自体に計画性を持って参るというところまでは参らないのでございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねてお尋ねいたしますが、提出されました資料によりますと、本年度四月、五月の実績は出ておりますが、さらに六月の見込みを見ましても、第一・四半期は百十九億、この三ヵ月間に五割以上毎月減っておるようであります。第二・四半期は四十四億、第三・四半期は十七億、こういうふうに出ておりまして、ただいま御説明のように、ただ長期に回す金の遊んだ分を運用していこう、こういう処置にすぎないようであります。そこで私この際お伺いしたいのは、地方還元を建前とする運用金について、当局は特に本年度の場合、短期融資が地方公共団体において従来よりも必要性を加えたかどうか、その点をお尋ねいたしたいと存じます。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 本年度は御承知のように暫定予算でございまして、補助金その他もいかない面もございますので、短期融資の所要量は、前年度に比較してある程度ふえて参っております。しかしながら市町村の側も先年度に比較いたしまして、放漫とは申し上げませんけれども、なるべく地方財政を自粛して、健全財政に持っていこうという気組みも見えておるのでございます。そういうような面からいたしまして、前年度より多少需要もふえて参っておりますが、自粛したいという気組みが出ておる関係からいたしまし、前年度の四、五、六に比較いたしまして非常にふえておるというところまではいかない状況でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねてお尋ねいたします。地方公共団体が自粛されておるという話ですが、もちろん自粛の必要もあるでありましょう。しかし本年度の地方財政計画から考えますと、非常に無理がある。無理な地方財政計画の上に、現に自治庁が百四十一億という赤字を出しておる。それを一夜にしてつじつまを合せたことは、当局も御存じであろうと思うのです。今日の地方財政計画がどういう理由で窮迫しておるかは大体御承知のことと思うのでありますが、自粛されつつあるから、大した短期融資の境額申し込みもあるまい、こういったことは皮相な観察ではないかと思うのであります。現に佐賀県においてはすでに九億の赤字を出して、給料の遅配、欠配を来たしておる。おそらくほかの府県においてもそういう事態が相次いで参るでありましょう。そういうときには、もちろん長期融資も重要性があるわけでありますけれども、こういう逼迫した地方財政の状態では、短期融資も非常に重要性を増しておる。地方還元といった運用の本質から考えましても、短期融資の重要性はますます加わっておると私は考えておりますが、この点について当局はどのように考慮なさっておるのか。ただ自粛の実が上げられておるから、大したことはあるまいというお考えを依然として持っておられるのか。今年は従来に増して短期融資の重要性を増してきておると考えておるか。その点を確かめておきたい、

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 自粛して参っておるにもかかわらず、前年度より要望額もふえておる、従いまして前年度に比較いたしまして、本年度の短期間融資の要望の程度も前年度よりもある程度ふえておる、こう考えております。私どもといたしましても、資金の許す限りにおきまして、地方公共団体に対する短期融資の額をできるだけふやし、しかも当該市町村の真に必要な額を認定しつつ、公平に、額をふやす努力とからみ合せまして配分いたしたい、かように存じておるのでございます。先年度は短期融資の残高の最高のピークが百五十億程度でございましたが、今年度はそのピークの最高を百八十億程度にらんでおるわけでございます。もっとも長期の融通に支障がない限りにおいて資金の余裕か出れば、さらにプラスという方向に進みましての対応策を考えたい、かように存じておる次第でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 続いてお尋ねいたしますが、昨年度の実績で、短期資金は地方公共団体の申し込みに対してどのくらい貸し付けられたか、その率を承わりたいと存じます。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 地方公共団体の需要額というのは、私の方に参る需要額と大蔵省に参る需要額と別々にして参るのではなくて、大蔵省の資金運用部の資金と簡易保険の資金と、どちらでもいいからとにかく外部資金を目当てにいたしましての要望額が参ります。その要望額を私の方の資金の貸し出しをし得るという額に比較いたしますと、四倍ないし五倍程度になるのでございますが、しかしこれはここだけにしていただきたいと思いますが、実際の所要量——これは要求技術という面もありまして、ほんとうのぎりぎりのところの所要量に比較してどのくらいになるかということになると、そのパーセンテージはちょっとわかりかねるのでございますが、とにもかくにも文書で要求されておる額と私の方の資金だけでやり得る額と比較いたしますと、四倍ないし五倍に相なっております。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 地方公共団体は御承知のように営利会社と違いまして、利子を払う金を必要以上に申し込むはずはないのであります。もちろん実際運用された四倍の、あるいは五倍の金額が、果して適正な金額であるかどうかはわかりませんけれども、大体地方自治を運用していくのに必要な金額ではないかと私は考えておるのであります。どうしても一方において運用してもらえないから、ほかの方にたよっていく、方々にたよっていく、こういうのが地方公共団体のやりくりの実情ではないかと私は考えておるのであります。  そこで先刻御説明のように、本年度は従来よりも短期融資の申し込みがふえるであろうということでございましたが、当局は、すでに提案された地方財政再建促進法案の資金手当についてその全部を御承知でありますか。私の承知した範囲では、恩給を加えて二百六十億の必要資金のうち、百六十億の手当は一応できておるようでありますけれども、なお百億については明確な見通しがないようであります。そういったことを考えて参りますと、再建整備計画のよしあしは別といたしましても、この方面の需要も相当増大すると考えねばならぬのであります。もちろんこの再建整備については短期融資ではありませんけれども、いろいろからみ合せて参りますと、簡易保険に対する需要はずっと増大してくる。こういうことについて当局はお考えになっておりますか、その点をお尋ねしたいと思います。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 地方公共団体の再建整備その他の面からいたしまして、おっしゃるように従来のやり方通りにやりますと、百億程度の赤になるということは伺っております。しかし、しさいに全般にわたっての点までは、ざっくばらんに申し上げますと、私存じ上げておらないのでございます。しかしその百億の問題等をどうするかという問題につきましては、自治庁等の問題でございまして、私詳しくは存じ上げておらないのでございますが、一面単独事業の面等におきまして、従来通りのやり方をやらないでも、多少自粛の余地はないかというような意味も込めて、いろいろ節約その他をかみ合せて、なかなか無理ではあるけれども、自治庁では何とかやりたいという気持であるということは伺っております。なおこの建設資計画におきまして、貸付原資としては少いけれども、公募債を入れてやりますと、前年の実績よりは少し上になっておるのでございます。ことに建設資計画外といたしまして百五十億程度のものは、従来短期資金でやっておるものを公募債に肩がわりする予定に相なっておるのでございます。そういうような面から申しますと、貸付資金と公募債とを入れていきますと、前年度よりは少し多くなっておるように伺っておりますが、さればといって、やはり市町村の財政事情は非常に暗いということは私ども想像つくのでございます。従いましてこれらの点につきましても、将来財源の余裕がさらに出るような場合におきましては、その点も考慮の対象になるのではないかと、かように存じておる次第であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 ただいまの御説明によりますと、公募債のために短期融資が圧迫されるような御説明でございましたが、確かにさようでございますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 いや、そうではございませんで、公募債の話を申し上げましたのは、地方公共団体の貸付は、政府資金は少いけれども、公募債の面におきまして、前年度より多くなっておるからということを申し上げたわけでございます。市町村の財政逼迫に対応する建設資計画等において、その点を考慮しておるということを申し上げたわけでございます。詳しいことは私ども主管省でもないのでよくわかりませんが、とにもかくにもお困りになっておるという実情はよくわかっておるのであります。従いまして資金の許す限りと申し上げますのは、まず短期融資等におきまして、余裕力が出ればその方へできるだけつぎ込んで参りたい、かように存じておる次第でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 公募債のために全面的に短期融資が圧迫されておるわけではないけれども、かなり影響があるということは今の御説明でもわかるのであります。  そこで先刻来の御説明によりまして感じますことは、地方公共団体からの短期融資の申し込みがふえるということが予想されまするならば、従来とは変って短期融資についても、上半期だけではなくて、下半期においても若干計画的にこれを行い得る余力を打つ必要はないかと私は考えるのでありますが、その点について当局は考慮をなさるお考えがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 下半期の面につきましては、ことに下半期のうちで第三・四半期は、資料にありますように残高が十七億程度になるという建前に相なっておるのでありますが、要するに下半期について相当融通性を持ち得るかどうかということは、下半期において長期資金の需要が予想より少いか多いかにかかるのでありまして、もし下半期における長期融通の資金の需要がおそくて、出納閉鎖期間に至って長期資金の出る量がふえて参るとかいう事態であれば、さらに短期資金の面が相当弾力性を持って、市町村の需要に対応できるわけであります。と同時に、御承知のように大体短期融資は三ヵ月ものになっておりますが、余力がある限りにおきましては、新規のものはなるべく避けたいと思いますが、借りかえ等によりまして決算ができる見通しさえつければ、特にお困りの市町村につきましては、借りかえあるいは余力があれば新規の貸付によりまして、お困りである市町村につきましては——大体お困りであると思いますが、とりわけて資金の許す限りにおきましてできる範囲内から認定いたしまして、特に必要だというような市町村につきましては、借りかえあるいは新規資金の貸付によりまして、市町村のお困りの度合いをできるだけ軽減いたしたい、かように存じておる次第であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 当局も御存じでしょうけれども、本年度の地方債は昨年よりも抑制されておるのであります。地方では相当大幅な増額を要求しておるにもかかわらず、昨年よりも減らされ、特に簡保資金においては実績に比べても二十七億の減少になっておるのであります。従ってただいま長期債の申し込みのいかんによっては、短期融資の道も広げる、こういう御答弁がありましたけれども、おそらく長期資金の需要が減るとは予想されないのであります。そういったことをいろいろ勘案して参りますと、先刻も申しましたけれども、短期融資の申し込みがふえてくるということが必然的に予想されてくるわくであります。佐賀県のみならず、各府県においても給料の遅欠配という段階になりますと、火のついたように相談に見えるでありましょう。そういったことがすでに今日から予想される場合においては、短期融資についても長期融資に至る間の余裕運用ということではなくて、最初からある程度の幅を持っておくという必要はお考えになりませんか。その点を重ねてお尋ねいたします。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 将来はそういう考えで行きたいと存ずるわけでございますが、そういたしますと所要資金のうちから長期融通の金頭を減らして、繰り越し部分をもって、その弾力性によってやらざるを得ないのでありまして、本年度はそこまで行かなかったでございますが、できるだけ近い年度におきましておっしゃるような面も考慮すべきものではないかと存じますが、本年度ではちょっとそこまでは無理であろうかと存ずるわけでございます。ただし本年度は暫定予算ではございますし、従いまして本予算が通りましてから、おそらく自治庁の長期融通計画が具体化して参ると思うわけでございまして、スピードを上げて自治庁の方々にやっていただきたい気持は持っておりますけれども、やはり前年度よりかそのスピードが落ちるのではないかというような気もいたすのであります。ここに書いてある数字はそういうことを前提にしてないのでありまして、なおこの短期融通の面におきましても、もしそういう事態が出るといたしますと、短期融通の金額なり支給時期について、ある程度の調整をとれるのではないかと、かように存じておる次第でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 大体当局の意向はわかりましたが、私どもの考え方とはかなりの開きがあるようであります。もし真に短期融資の必要があるとお考えになれば、将来についてはということでなくして、今から始まろうとする本年度の運用計画についても、再検討の必要がありはせぬかと私どもは考えるのであります。それほど必要に感ぜられる短期融資について、短期融資には応じなくても、なお金融債には応じていこうというお考えのようでありますから、私はこれ以上申し上げません。  そこで先日橋本委員からお尋ねがありましたが、新規の住宅公団の分の利率はまだきまりませんか、お尋ねいたします。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 またはっきり確定しておらない模様であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 重ねてお尋ねいたします。見通しはどんなものでありますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 これは大蔵省と建設省との交渉の途中でありまして、はっきりした見通しはつかないのでございますが、六分五厘以上ということに落ちつくのではないかと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 六分五厘以上ということは、なかなか含みのある御答弁だと思います。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 これは私見でありますが、六分五厘に落ちつくのではないかと思いますいが、これは私見でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 ほかに御質疑はありませんか。なければ本日はこの程度にとどめ、散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後二時二十八分散会

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