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22回国会衆議院1955/06/01

逓信委員会簡易生命保険及び郵便年金制度の調査に関する小委員会 第1号

発言数
40
登壇者
3
会派数
2
開催日
1955/06/01

会議録

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 これより簡易生命保険及び郵便年金制度の調査に関する小委員会を開会いたします。  議事に入ります前にお諮りいたします。橋本登美三郎君の小委員外発言を、随時これを許すことといたしたいと存じますが、この点御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 御異議ないものと認めまして、橋本登美三郎君の小委員外発言を随時許すことに決定いたしました。  それでは簡易生命保険の保険金の倍額支払い制度に関する件、簡易生命保険の保険の稗類に関する件、郵便年金制度に関する件及び積五金の運用に関する件、以上四件について調査を進めることといたしたいと存じますが、まずこの際積立金の運用について調査を進めることといたします。まず政府当局よりその説明を聴取することといたします。白根政府委員。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 積立金の運用は現行法におきましては御承知のように契約者貸付と、それから地方公共団体に対する融資に限定されておったわけでございます。ところが昨年の二十九年の三月十一日に衆議院の郵政委員会の決議がございまして、その決議のうちの一項といたしまして、「国家資金の性格に鑑み、資金運用の範囲を拡大し、各種公益事業施設改善に融資するよう一段の努力を払うこと。」という決議をちょうだいいたしたわけでございます。それに対応いたしまして、昨年来この運用の範囲を拡大する準備を始めて参ったわけでございます。その際に運用はどうあるべきものかということをまず基本的にわれわれの方で研究いたしたのでございますが、その点を御説明申し上げますと、やはり積立金は加入者の信託財産でもございますし、その利益は加入者の利益に戻さなければならないというような条文も簡易保険法にはございまして、加入者に還元するという趣旨からいたしまして、実は大蔵省の資金運用部の一元運用から切り離して、郵政省で運用するように国会で御審議の上認めていただいたわけでございますので、やはりできるだけ運用対象といたしましては、加入者に還元するような考え方にも相当なウエートを持っていかなければならない、こういうような考え方でおったのでございます。それからいま一つは、法律にもありますように、公共の利益をはかるという考え方もむろんこの中に入れなければならない。と同時にいま一点は、やはり加入若の利益に直接還元するのは、何と申しましても利益配当なり保険料の引き下げなり、そういうような面のことも考えなければならないのでございまして、許される範囲におきましてその運用利回りの向上という面も考えなければならない。この三点に集約して、むろん郵便局舎とか、それから先般御決議をいただきました面もこの中に入れて考えなければなりませんが、大体そういうような考え方で運用対象をねらっていったらどうか、こういうよりな考え方で施策をとって参ったわけでございます。  地方公共団体に対する融資はむろん地方還元でございますが、それ以外につきましても政府関係機関、それから金融債等をも含めまして、できるだけ融資対象についてはこの加入者還元という心組みも加味して、実際投資についてはその優先順位等もある程度その点にウエートを持っていく必要があるのじゃなかろうか、こう考えておるわけでございます。公共の利益はどうせ国営でございますから、対象はそこにウエートを持たなければならぬのは当然でございますが、たた利回り向上と申しますのは、実は今度の保険料の引き下げによりまして、またそれに対応いたしまして旧契約に対しましては利益配分の増額をいたします。そういたしますと死差益なり、利差益は多少は出ておりますが、だんだん減っていくわけでございます。そこへ三分五厘というのを四分にいたしまして、従いましてその点で相当な経理上の関心を持たなければならない。一面、現在資金運用部なり私の方からお貸ししておるところの利率につきましても、必ずしも現状通りではなくて、将来ある程度下げていく可能性もあるのじゃないか、と同時にまた郵便局舎のごときは六分で現在最低になっておりますが、その方の面にもある程度流さなければならないようなことになりますと、やはり許されたこの幅の範囲内におきまして、事業経営の観点からまた利益配当なり、保険料引き下げ等の財源にもするために、許された幅の範囲内においての利益還元をいたさなければならない要請もあるわけでございます。戦前におきましては、大蔵省の預金部の貸す金よりも、こちらの力の地方公共団体に対する貸付利率が高かった時代がございます。しかし今後はそういうことはしないつもりでございますが、そうすると勢いやはり許された幅の範囲内において、ある程度の利回り向上ということもむろんやらなければならないのではなかろうか、こういうような意味で大体運用の対象の拡大については、こういう考え方から施策をとって参ったわけでございます。  そこで研究いたしました結果、法案にありますようにまず第一に追加いたしましたのは、先般の御決議にもありますように、「法律の定めるところにより、予算について国会夙の議決を経、又は承認を得なければならない法人の弊行ずる債券」「前号に規定する法人に対する貸付」これは大体公共性も相当強いわけでございますし、これらは大体におきまして直接公共団体の融資と迷う点はございますが、加入者の利益という面については、間接的とは言いながら相当それに近い性質も持っております。従って相当間接的ではあるけれども、加入者の利益に逆元するような投資方法に大体なっておりますので、四号、五号をプラスしたわけでございます。  それから六号の「第二条に規定する長期信用銀行、農林中央金庫、商工組合中央金庫」このあとの農林中金、商工中金は、御承知のように中小企業の組織体を育成するための資金としてお貸ししておるわけでございます。中小企業はわれわれの保険の加入対象でもございますし、またそれに従事しておる方々はわれわれの加入対象であることは間違いないのでございまして、最近私どもの募集中積なり、集金実績から見ましても、中小企業が伸び伸びと行くときと行かないときにおきまして、集金の難易がだいぶ通うわけでございます。従いまして、これはある程度地方公共団体に対する貸付に近い程度の加入者の利益に遺元するような作用を持つのじゃないか、こう考えておるわけであります。なお長期信用銀行と興業銀行でありますが、長期信用銀行は三分の一は政府出資もしておりますし、興業銀行は政府出資はしておりませんけれども、一般の預金は認めない、債券発行の相当な特典を与えておりますし、しかも融資対象の四〇%ないし五〇%は電力とか基礎一産業に融資しているわけでございます。基礎産業がその初期の目的通りにいくといたしますと、全体の産業にも影響を及ぼし、また中小企業の育成の温床にもなるのじゃないかというような意味で、やはりごの中に入れておくべきじゃなかろうか。公共の利益というものは、見方によれば一般不特定の形でいえば、公共の利益にはならないような考え方も立ちますけれども、資金運用部の方から、公共の利益をはかるということにこの対象が入っているような事情もございまして、これもプラスアルファいたしたいと同時に、やはり私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、保険料の引き下げの基礎といたしまして、予定利率を上げて参る。上げて参ったと同時に、今後政府の資金の貸付が必ずしも利率が高くなるのじゃなくて、将来下る傾向になるのじゃなかろうか、そういうようなことに対応するためには、やはりこの点の運用利回りの向上ということも願わなけれ、はならぬという点床からいたしまして、将来の目途といたしまして、六号に長期信用銀行なり興業銀行なりを加える。しかし本年度当初の際におきましては、実際どちらにウエートを持つかと申しますと、四機関の中であとの農林中金、商工中金にウエートを持つが、しかし将来毎年大体百億程度ふえて参るのでございます。そういう方の投資対象の上の方の長州信用銀行なり興業銀行に投資する資金的な余力が出る可能性もありますし、また予定の利回りが四分になったごともございまして、それが利回り向上という面で、許された範囲で、この法律のワクに入れていただいてというようなことで出したわけでございます。  それから次の国債でございますが、これは繰作資金の面からいたしまして、突は短期の食糧証券をねらっておるわけでございますが、これは今までの立場からいきますと、今資金運用部の方は改正しているらしいのでございますが、従来から申しますと三カ月の間は無利子になります。三カ月からも利子が安い。しかも長期の融資以外に、短期の融資をいたしますと、資金が円滑にいくために、ある程度の操作資金が要るわけでございます。それでそのねらいからいいまして、こういう操作資金の必要もありまして、七号をふやしたわけでございます。  八号は、ただいまのところでは郵政事業特別会計に対する貸付の面でございまして、将来これに類似するものは、政府の特別会計等において、あるいはこれは将来対象になるかもしれませんが、ただいまのところは郵政事業の特別会計に対する貸付が、現実問題としては対象になっておる次第でございます。  大体以上でございますが、今までの運用のワク広げの行き方を御説明した次第であります。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 白根政府委員に申し上げますが、小委員会に付託されておる積立金運用の範血の拡大の審査を委託されたわけではありませんが、委員会の審査を進める上に、事情を聞くのが便かと思いますので、それをやりますとともに、積立金の運用の将来の問題について基本的に調査を進めたいと考えておりますので、この機会に簡単でもけっこうですが、制度創設のいきさつ、戦前までの実績、戦時中の事情、運用再開後の実情などについて、この際御説明を願いたいと存じます。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 それでは御説明申し上げます。簡易保険は御承知のように大正五年に創設されたのでございますが、その際社会政策的な事業、それに対応するような事業という意味からいたしまして、業務内容におきましても、社会政策的な考慮を払うということと同時に、運用面においても、社会政策的な考慮を払うという趣旨で、資金の運用は、その当時における逓信省で運用いたしておったわけでございます。その際に、当初におきましては、地方公共団体に対する貸付に重点を置いておったのでございます。その後産業組合法ができまして、自作農創設資金にも貸したらどうかというようなことで、産業組合法による自作農創設について、直接組合に貸したこともあります。しかしそれがどうも償還その他で少し問題がありますので、その後地方公共団体を通じて、自作農創設資金に貸しておったわけでございますが、その後だんだん資金の幅もふえて参りますし、範囲も拡張いたしまして、公営質屋とか、青物市場といったような社会政策的施設以外に、国策会社と申しますか、特殊会社に対する社債の引き受け、最後には株の引き受けまで認められておったわけでございます。  終戦直後におきましては、長期信用銀行はなかったのでございますが、興業銀行なりに相当な幅広い運用しておったわけでございます。これは御説明申し上げますと、二十一年の八月十一日現在、これは終戦直後の問題でありますが、持った銘柄を申しますと、日本発送電の社債とか、東北電力の社債とか、勧業債券とか、興業債券とか、それから福島県の農工債券——県の債券までも持っておったわけでございます。なお商工債券、恩給債券、日本製鉄の社債、それから燃料興業債券、それから国際電気通信社債、住争債券というようなもので、相当幅広い運用をしておったわけでありますが、戦時中には一時市町村に対する貸付と住宅営団に対する貸付だけに限定いたしまして、その余の資金は、戦時中の特例といたしまして、その当時における預貯金部の方へ預託しておったわけでございます。従って戦争直後までは、地方公共団体に対する貸付、これは大体向うが六割、こちらが四割という裁準に基きまして、地方公共団体に対する需要の四割程度をこちらが持つ。それからその余のものについては、住宅営団のものを持つということになっておったわけでございますが、GHQが参って指令が出まして、こちらの運用は一時停止しまして、それで一元的に資金運用都の運用にまかせられておったわけでございます。その後国会の御決議がたびたびございまして、私ども郵政省といたしましても、大蔵省と交渉しました結果、昭和二十八年の運用では、新規積立金の二分の一だけをこちらでやる。その当該年度だけは、二十八年度に限りまして、二分の一はまだ従来通りの大蔵省に預託する。しかし二十九年度から全額運用するということになって、ここまで参ったわけでございます。  そこで初めは、先ほど申し上げましたように地方公共団体に対する貸付と、それから契約者に対する貸付に限定されておったわけでございますか先ほど御説明申し上げましたように、昨年の国会の御決議を機縁といたしまして研究いたした結果、運用の幅を広げたような法案をお願いしたのですが、その考え方は、一番初めに申し上げましたように、運用部の範囲の拡大について三つの考え方がございます。一つは先ほど御説明申し上げましたように、契約者に対する還元というような意味も含めまして、地方還元的な色彩をもちまして——地方還元的というのは、必ずしも地方公共団体に対する貸付ではなくて、たとえば政府機関を通じましても地方還元的な色彩のあるものもございますので、そういうものも含むのでございますが、地方環元的な色彩で、やはり還元をはかりたい。それから融資対象は公共事業というわけではございませんが、公共の利益をはかるような機関にやりたい。それから先ほど申し上げましたが、運用の対象を探す際におきましても、許される範囲内におきまして、加入者の利益配当なり保険料の引き下げの財源にも響くことでございますので、許される幅において運用利回りの向上をもはかりたい。しかしこれが第一順位というわけではございませんが、対象を選ふ際におきまして、計される対象の幅の範囲内におきまして、運用利回りの向上をはかりたい、こう考えておる次第でございます。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 この際御質疑があれは、これを許します。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 この簡易保険の積立金の運用ですが、これは長期資金については大蔵省と協議してきめるのですか、それとも大蔵省の方で資金計画をして、そうしてこの一部を簡易保険積立金のうちから負担してもらいたいという形になるのですか。それとも初めから国の資金計画を相当こっちが持っておるわけであるからして、そこで対等の形でもって協議して、少くともごの積立金の問題については、そのワク及び割当等については、実際上の問題として相談があったのかどうか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 実際上の問題といたしましては、政府の建設資計画は、ワクをどの程度に持つか、資金運用部の金でやるか、簡易保険の金でやるかを度外視しまして、建設資計画にどういう幅を持つかというその幅の問題については、これはざっくばらんに申し上げますと、郵政省としましてはやはり発言権はあるとしても、そう強く言えないと思います。しかし大体幅がきまれば、その幅の範囲内におきまして、郵政省はこちらの方に投資したい、金額はこのくらいにいたしたい。もちろん向うもそれはあると思うのでございますが、それで相互に、どちらも対等の立場で交渉するわけでございます。しかし建設資計画、で、地方公共団体に融資総額を幾らにするか、それから開発銀行には幾らにするか、これは私の関係ではありませんが、もちろん融資対象に限らずあるわけでございますが、その額、機関別の資金の種類を考えないで、建設資計画として政府資金をどう回すか、大ワクは実を申しますと、われわれのところとしては強い発言権はないのであります。そのきまった幅において、これは自分のところでは、このものについてこの程度の金額にしたい。これは私の方で自治的に持って参ります。参りますが、向うでもやはり私の方で通したいというのに、向うも通したいという場合もあると思います。やはり自治的な計画を相互で調整する場合もあると思います。大俸において、その際におきましても資金運用部に対する関係としましては、私の方としてはできるだけ地方還元的な色彩を濃厚に持っていきたいということは、かねがね申し出はしておりますし、その線で持って参るのでございますが、大ワクについては、やはり主計局がやるのでございますから……。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 こういうことが問題になると思うのですが、もし長期資金計画の全体について、簡易保険の積立金のうちから、どれくらい長期資金に回せるか、総額幾らかということについては、おそらく諮問があると思う。これをどういうふうに組み合せるか、大蔵省の理財局でやられるのでしょうが、その場合に簡易保険積立金の方から、これくらいのものは長期資金に出せるかということは向うから聞いてくるだろうし、また向うから、その場合に大蔵省の方の資金計画として、なおそれでは足らぬから、もう少し長期資金の方のワクを考えて出してくれ、こういうような交渉はあり得ると僕は思うのですが、それはどうですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 それは実はあり得るのでございます。昨年のごときはそれがあったのでありまして、本年はざつくばらんに申しますと、私の方にはそれがなかったのでございます。というのは、昨年が四百億、決算の結果は四百六十九億になりまして、四百六十億の予定は、これはむろん決算のときは出たのですけれども、契約者がふえたので、あとで払ったものであります。そういうような関係があって、私の方には大蔵省から本年度は参りませんでした。しかし長期資金計画上どのくらい出るということは、私の方から積極的に出しまして、これより以上は出ない、普通はこれだけだということは私の方からは申し上げませんが、同時に融資対象を、われわれはこうこうだという希望は建設資計画には出したいつもりでまた出したものでございます。しかし本年度は来ませんでしたが、先年度あたりは多少参りました。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 というのは、昭和二十九年度の実行計画は、簡易保険積立金の積立金から出した。長期資金は、いわゆる加入者貸付は別にして当初計画の四百六十億に対して四百五十五億ですね。ところが本年は当初のワクとして地方債が四百二十八億、それからその他の一応計画として入っておる住宅公団に三十億、金融債に二十億、それともう一つ大きいのがあったでしょう。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 住宅金融公庫に三十億、住宅公団に二十億、金融債に二十億、それから局舎に五億でございます。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 だから結局七十五億出るのでしょう。ことしは合せますと、五百三億というのが長期のワクにはまっているわけですね。そうすると昨年から比べて、大体において五十億の増加だということになる。簡易保険の積立金は昨年度に比べて長期に五十億だけを出しても、なおかつ短期融資の面において行き詰まるか行き詰まらぬかというようなことになるわけですが、大体五百三億という長期資金にお前の方で回せるかどうかという——初めから向うで五百三億という割当を出したのか、それとも自分の方は五百三十億、昭和三十年度の簡易保険の積立金のうちから出せるという見当をつけたものを、向うがそのワク内でもってこういう割当をしてきたのか、その関係を聞いているのです。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 実は建設資計画が固まって、大体の見当がつくまでは、私の方から申し出はしなかったわけです。しかし建設資計画がほぼ見当がつきましてから、実は私の方からはこれこれ持ちたいというので、申し出た数字通りにきまったのでありますが、そのとき電通の問題もございましたけれども、大体電通は予算でなかなかもめたということで、そういう情勢を見てかかれば別だが、しかしほぼ固まったものですから、固まった建設資計画のワクの中でわれわれはこれたけ持ちたいということは申し出まして、幸いにもこの方は本年度は異議はなかったわけであります。この建設資計画がきまるときまでに、私の方から実は主計局に当りにくいものですから、こういう地方還元的なところにはそれを回したいぞということは申したわけでございます。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そうしますと、五百三億というワクは大蔵省からきめられたのではなくして、私の方で持てるという自信のもとに申し出たわけですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 さようでございます。ただ多少経過的に申しますと、契約者の貸付が去年二十八億だったのが四十六億までいったものですから、それで本年度は五十四、五億いくというような考え方でしたが、五十三億として、その落した一億の方は市町村の方に流したい、率も少いという点は多少ございますが……。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そうしますと、結局本年度における簡易保険の積立金運用額というものは、昨年度に比してどれくらい増加を見越しておるのですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 五十六億程度の増加を見ておるのですが、実を申しますと、昭和二十五年から五年払い込みの十年満期というのがあるわけで、ちょうど去年から五年払い込み済みの契約が出て参りまして、新規はとれましても、その歳入減が出てきたのです。去年が三十四億くらい、ことしは二十億程度出ておるわけです。それが来年は十億程度になりますので、減って参ります。再来年はほとんどなくなります。五年払い契約は、これは今度の約款ではやめようと思いますが、少くとも募集は押えているわけです。去年は二%程度あったわけで、おそらくことしは一考程度になっております。その五年払い込み契約の歳入減がなくなりますと、潜勢力としましては、本年度五年払い込みがありますから八十億程度、本年度新規に入ってくる金です。来年度は九十億程度になりはしないか、こういう見通しをつけております。大体八十備ないし百億程度は将来ふえていくと思われるわけです。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そうすると長期のワクにおいて大体五十二億、今度はいわゆる加入者貸付を考えないで五十二億ふえるわけですね。加入者貸付金は十億ふえると見て、六十二億は最低限必要だ。なおかつそれについても八十億ないし七十億という純増が認めら必るから、従って短期融資の方面においても、昨年度より総額においてふやせるという見通しを持てますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 短期融資につきましては、資金的にいえばおっしゃる通りでございます。ただ大蔵省と違いまして、私の方は繰越資金というのを持っていないわけです。大蔵省は大きい資金でございますから、多少の誤差が出るような面も、運用上の円滑をはかるために繰越資金というものがあるわけで、多分本年度は百何億くらいになっております。私の方は繰越資金がないわけでございます。従って長期の確定して金を払う前に、遊金という格好で短期融資をやっておるわけで、従って長期資金の自治庁の起債承認、従ってそれに対応しまして私の方で融通承認をやりますが、そのスピードが早くいくと、出納閉鎖期間内に対して市町村に残余をやるという金が少くなるわけで、早くスピードが出ると、年度内に金が早く実績を上げて市町村に貸すことになると思います。そのスピードが早ければ、下半期はやはりつらい度合いが相当強いと思いますが、上半期に関する限り、先生のおっしゃる通り、資金的な面だけで考えられるわけです。下半期におきましては、長期資金を、たとえば市町村に流すスピードと量が早くいくかいかぬか、従って市町村で公共事業なら公共事業で、公共事業の実績が早く出て、金を流さなければならないところの金額が早く、しかも量がふえれば、下半期は少し短期融資の幅が減るかもしれません。しかし一面資金量はふえるわけですから、ことしは暫定予算でもございますので、去年よりかスピードがおくれるのではないかと思うのです。そうすると下半期においても、前年度の資金量より本年度は多いし、しかもその起債許可承認その他のスピードが、暫定予算の関係で少くおくれておりましょうから、その面から短期融資の幅なり量は、私はだいぶ去年よりも幅が多いと思います。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そうすると、昭和二十九年度に短期融資でもって融資した総額に比較して、昭和三十年度は大体どのくらいを延べ金額として使える見込みであるか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 去年は、私の方の最高。ピークが約百五十億、大蔵省は五十億見当だったのでございますが、だんだん大蔵省がふえて参りましたのですが、私の方は百五十三億程度にいったわけでございます。しかし本年度は、資金量だけから考えますと、百八十億程度はいくと思います。しかし市町村だけにそこをねらうわけではございませんで、対象がふえれば、その方面にも充てなければならぬ。ただ市町村に対する短期融資につきましては、大蔵省としましても、少し締めようじゃなかろうかという気酬が去年もあったわけです。というのは、おととしは少し甘過ぎたわけで、年度越しが少し困った面もございますので、去年は大体両方合せて。ピークを二百億でいこうということであったが、その後いろいろできまして、私のところは百五十億の予定のところを三億ふやし、百五十三億でございましたが、大蔵省は大体百八十億程度でピーク時はございました。私の方としましても、最小限度百八十億程度は最高はいくたろうと思います。それを全部市町村でやっておるわけではございませんが……。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 この前簡易保険の積み立てを郵政で運用すべきだという決議の趣旨は、もちろん地方債を持つということが大きな目的でもありますが、そればかりでなくして、ことに議員の方から見れば、町村公共企業体、町村役場等に、つなぎ資金を幾らかでも出してやってもらいたい、そういうことがかなり実際上の運営の上からは大きい目安だろうと思う。地方債を持つ持たぬということは、実際上の問題としては預金部で持とうが、簡易保険で持とうが、どっちでも同じことである。しかし一応簡易保険の積立金を地方債に回しておるのだ、だから地方の公共団体に協力してくれということが言えるが、もっとより直接な問題は、やはり郵便局の窓口を通じて短期の融資ができるというところに、簡易保険を懲悪したりなんかするに非常に便利が現われておるだろうと思う。そういう意味で昭和三十年度の予算を見ると、五十二億もいわゆる長期債という方面に増加をさせられてしまって、その影響が、短期融資の方に悪影響を与えるという結果があるかないかということが、今まで僕の質問しておったところの要点なんで、いわゆる長期の方のワクを一割以上もふやしたため、今度は逆に短期融通資金の方の額が非常に窮屈になってしまって、簡易保険の積立金を郵便局の窓口でやっていこうという性質に反するような結果になりはしないか、そういう意味でもって昨年度の延べ貸付金額と、本年度予定金額がどういう工合になっておるかということを聞くために今まで質問したので、減らないで、相当ピークは百八十億くらいは考えられるというのですから、必ずしも短期ワクが逼迫しておるということにはならぬようですからけっこうですが、もう、一つ、一応今までの委員会でも質問したのですが、問題になっておるのは、先ほどの説明でも、これは運用方針でしょうが、簡易保険に加入した人にだきるだけ還元をしよう。こういう考え方は運用方針だろうと思うのです。法律の上ではそういうことが書いてないので、ただ公共の利益になるようにということが主であって、そうして確実にして有利に回せということが眼目のようですね。「確実で有利な方法により、且つ公共の利益になるように運用すること」、こういうような規定になっているのですから、必ずしも簡易保険並びに郵便年金の積立金が地方債にばかり回るということだけが、法律の趣旨ではないと思うのです。もちろんこれは第三条でもって特に地方債というものを明示しておりますから、今までは地方債が主たる融通のワク内であったわけでありますけれども、簡易保険事業というものは、やはり特別会計でやっておるのですから、確実にかつ有利に回すということも、私はかなり主要な条件だろうと思うのです。そういう点から見て、地方債自体が預金部及び簡易保険を通じて、これが減額せられるようなことは大問題です。現在の地方財政から見ても、これはふえようとも減ることは大問題ですから問題になりますが、二十九年度の郵便貯金並びに簡易保険及び年金、これらのうちから回されている金額は、地方債の引受額というものは大体八百九十八億ですか、昭和三十年度の予算計画も、両者合せると八百九十八億のようですから、これは増減なしということになっております。ところが金融債の方面は、昨年度は百九十億円、本年度の大蔵省原案は百六十億円であったものが、これは預金部の金だけですが、百五十億になっておる。二十億円というものを、今度は簡易保険の方から別途に出すことになっている。そうなりますと昭和三十年度は、預金部と簡易保険を合せて暫七十億円の引き受けをやる。そういうことになりますと、昨年度よりも二十億円減っているわけですが、いずれにせよ、この金融債の総ワクというものはふえておらない。こういうことは、金融引き締めの方針から政府がそういう措置をとったのでしょうが、そこでこれは大蔵省に聞くのが筋だろうが、昨年度よりも両方合せてなおかつ二十億円少い事情というものは、あなた方はどういうふうに聞いておるのですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 これははっきりしたことではございませんが、できるだけ市中消化の方に持っていきたい。金融債は、昨年度よりも本年度はそういう意味で少し減らしたいということを言っておりましたが、それより先のことは詳しい事情は知らないのでございます。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そこで一応結論的場にお聞きしますが、加入者に還元する、ということは、簡易保険事業を営む上における確実にして有利なる運用、しかも公共の利益に合致するということに、どの程度のウエートを考えてそのような運用方針をおきめになったか、その点を伺いたい。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 これはなかなかむずかしい問題でございまして、直接加入者に還元するという面からいけば、むしろ民営のような方法で有利に運用して、料金を非常に安くするという考え方も立つと思います。しかし国営事業でございますので、やはり法律にございますように、有利確実で公共的な、しかも先ほど申し上げました地方還元というのは、事業創始当時から国会で問題になりまして、この簡易保険の金は地方に環元しなければならぬ。もっとも地方に還元するというのは、必ずしも地方公共団体に対する貸付だけではなくて、ほかの社会的施設、たとえば自作農のごときも、当初は地方公共団体を通じないで、産業組合法による組合としての自作農組合に貸す。従いましてそういうような対象はやはりできるだけやりたい。しかしざっくばらんに申し上げますと、加入者の利益に還元するという利益配当なり、保険料の面から見ますと、今度の改正によりますと、金利だけでいくとしますと、やはり六分八厘程度でなければ、事業出費その他がまかなえないわけです。ただ保険料を下げましても、やはり死差益がある程度出るという面もございますので そこまでいかなしでもいいと思いますけれども、やはり所要経費に対するものは利差益でいくのがほんとうで、死差益の力は、ざつくはらんに申しますと、震災とか大きな災害があったときに対応する積立金とか、あるいは利益配当なり、保険料を引き下げる財源に充つべきものだと思います。しかしそうまでも言えませんから、ある程度その余地を残して、金利はどこまで持っていくものかということ、これは今研究をいたしておるところであります。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 説明がこんがらがって、かえって時間がかかりますが、そこで住宅公団の三十億円というものの利率は、大体どのくらいを予想されているのですか。簡単にお答え願いたい。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 まだ政府部内で固まっていないそうでありますが、大体六分五厘説の方が強いのじゃないかと思います。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 それなら、住宅公団のような金を三十億も引き受けないで、簡易保険を確実有利に運用するという、しかも間接的にも金融債をとれば、商工中金とか、農林中金とかいうものは、地方に避元する度合いも強いから、なぜそういう八分五厘という有利な条件の力をよけいとらないで、一方の六分五厘かしらんが、八分五厘より低いと思われるような住宅公団の三一十億を引きうけたのですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 実は簡易保険は、創業当時から住宅に節点を置くという面もございますし、それから戦前におきましても、住宅公団にはだいぶ貸し付けておったようであります。この住宅公団をねらった趣旨と申しますのは、やはり住宅に重点を置きたいという気持と、あの住宅公団の施設地域は、大体大都市だろうと思います。ところか大都市の富裕県には、実は長期はほとんど行ってないのです。公共事業は一部しかない。そこで集まった保険金額と投資との比率を調べますと、東京、大阪のごときは、集める金の方が多いわけであります。しかもあの住宅公団保護しようというのは、加入者階層の方々だろうと思います。そこで資金還元は必ずしも加入者の比率でやるという考え方は持ちませんけれども、大都市については、相当の加入者があるにかかわらず、長期、ことに短期でも、還元率はあまり多くはない。短期にしても長期にしても、運用の面では、むしろ地方還元は都市ではなく、農村の方に強く行っているわけです。しかも加入者階層の多い加入率の多い都市において、大体住宅公団で保護するのは、私の力の加入者階層ではないかという意味で、なるほど金利の関係は少し不利でございますけれども、やはり公平的な考え方を入れたらとうかという意味でやったのであります。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 日本住宅公団が今想定している住宅料金は、大体一戸二千円とかいっております。簡易保険の加入者から見て、その辺が大体の標準ですか。それとも大体においてそれ以下の人が標準になるのですか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 大体それ以下程度というのが中心です。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 日本住宅公団法は、どちらかというと金融公庫よりも比較的高級住宅を作ろうとしておる。そういう意味でいうと、いわゆる都市へのそういう還元が少いというのと、少し理屈に合わぬように思うが、大体二千円くらいというのは必ずしもそう高級じゃないでしょうが、そういうような住宅公団でできる家賃の支払いが、大体二千円ないし二千五百円という見通しのもとに、大体これらを還元し得る対象としてお考えになっておるのですね。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 ざつくはらんに申しますと、そこまでこれ以上ワクを広げるときは、大体平均のものはどのくらいということが実はわからないときにやったのです。その後だんだんはっきりしてきたわけであります。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 そうするとまだ率がきまらぬようですが、この率は少くとも六分八厘でなければ簡易保険事業としてはマイナスになる。そうなればあなたの方としては、こういうある程度準高級住宅に近い住宅公団に対する融資を、損耗までして融資する必要はないでしょう。そうなれば七分か七分二厘要求しますか。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 実は利率だけでいえばそうでございますが、やはり死差益というのは保険の面からいきますとある程度安全にしなければなりませんし、しかも公式な死亡生残表というのはおくれてきまってくるようなわけでございまして、ある程度利差益以外で、死差益の分も一部は事務費その他に充てた力がいいのじゃないか、こういうような考え方でいけば、現在でも六分八厘にいかないのて、平均六分三厘程度でございます。しかしこれは長期、短期は大蔵省に預けて、金利が安いからだんだん上っていきますけれども、その是らない分は利差益以外に死差益で、ある程度保険事由としてもいいのじゃないかと思います。全部事由とするのはいかがかと思いますが……。

橋本登美三郎自由党

○橋本登美三郎君 時間がありませんから、私はもう少し保険局の方で研究して、ある意味ではもちろん社会政策的な目的で住宅が作られるのですが、そういう比校的高級住宅と思われる住宅公団の仕事に対しては、こちらが犠牲を払うことなく、大体六分八厘が限度だということならば、七分なら七分、七分五厘なら七分五厘を要求して、その足らないものは一般会計、大蔵省に持ってもらうという考え方で交渉することを私は希望します。時間がありませんからこの程度で……。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 この際当局に委員長から資料の提出を求めたいと思います。過去二カ年の短期融資の各月別の実績、それと三十年度の各月別の見込み、それから、これは詳しいことは要りませんけれども、戦前からの運用先別の運用状況、これは一覧表程度のものでけっこうだと思います。その資料を次会までに提出願いたいと存じます。

白根玉喜郵政事務官(簡易保険局長)

○白根政府委員 その三十年度の各月別のときには、この出しておる法案を大体前提にしましょうか。前提にするのとしないのとではだいぶ違うと思います。

井手以誠日本社会党(左)

○井手小委員長 それは前提にしてけっこうです。  本日はこの程度にとどめて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後零時二十五分散会

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