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22回国会衆議院1955/07/28

逓信委員会 第34号

発言数
58
登壇者
11
会派数
3
開催日
1955/07/28

会議録

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 これより会議を開きます。  本日は、一昨二十六日の委員会の決定に基き、ゲルマニウムの問題について参考人より説明を聴取いたす次第になっておりまするが、本日御出席の参考人の方々は、財団法人石炭綜合研究所長浅井一彦君、東京大学農学部教授大越伸君及び日本ゲルマニウム工業株式会社社長河本頼希君、以上三名の方々であります。  この際委員長より一言ごあいさつ申し上げます。参考人の各位には御多忙中のところ、かつまた暑さの中を御出席いただきましたことを、ここに厚く御礼を申し上げる次第であります。  これより参考人の方々から御説明を伺う次第でありまするが、御発言の順序については委員長に御一任願いたいと存じます。それではまず財団注入石炭綜合研究所長淺井一彦君にお願いいたします。

淺井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○淺井参考人 ゲルマニウムに関しましては、私の方の専門は石炭からゲルマニウムを抽出するという研究に従事してきております。現在ガス液からゲルマニウムを抽出することは、これは工業的に成功いたしまして、現在東京ガスで、たしか五カ所に装置を取りつけて、もう工業的に企業化して、ゲルマニウムの生産をやっている次第であります。しかしこれだけではまだ不十分だというので、昨年齋藤代議士の大へんな御尽力によりまして、さらに研究費の補助を受けまして、石炭の燃焼ガスからゲルマニウムを抽出するという研究を続行しまして、幸い最近実験の結果は、非常にいい成績を上げております。もう一がんばりというところでありしまして、これも大体見通しがついた次第です。  実は今度欧州で、石炭組織学学会という国際的な学会がありまして、それに出席しまして、一週間前に私日本へ帰って参りましたが、ちょうどその学会に出席したのを機会に、欧州におけるゲルマニウムの状況を調べて参りました。やはり欧州でもゲルマニウムというこのエレメントに対しては、非常に熱心な研究が続けられております。これはトランジスターあるいは。ダイオード、そのほか電気関係の効用はもう確定的でありまして、あとは日一日とその製造の技術が進歩しているというわけです。しかし私としてはそれは専門外ですから、別に深く立ち入りもせずにおりました。ただ私個人として一つ興味を持っていたのは、ゲルマニウムが医薬用として非常に効果があるものだというヒントを得ているものですから、この点は私の専門外ではありますが、しかし日本の福利、日本の幸福と申しますか、そういった人類の幸福をもたらす一つの大きな問題であるという観点から、少し見て参りました。  医薬として相当熱心にドイツとフランスとこの二カ国が研究を続けております。文献もだいぶ出ておりまして、手元に持ってきておりますが、医薬用としての実験の結果の発表がおもなものだけでも百近く出ております。これらの資料を今私ら片っ端から読んで整理しておりますが、去年バーデンバーデンで医学大会があった、その医学大会でガンの治療法というのが非常に問題になりまして、幾多のこれに対する治療法が発表されておるのでありますが、その中にゲルマニウムによってガンを治療する方法が発表されております。この内容はよくわかりませんが、その学会に出たお医者さんの話によりますと、たしか何かゲルマニウムの複雑なる化合物を使ったらしいという話でした。それでこの文献その他調べてみますと、欧米ではいわゆるガンの治療に主眼を置いているように見受けられました。そこで、私これは個人のヒントでありまして——科学者というのはいつもヒントをつかまえることに非常に頭を使いまして、一たんヒントをつかまえますと、あらゆる方面からヒントを生かすように攻め立てていくわけです。これが一つの研究の方法ですが、齋藤代議士からもいろいろおもしろい体験談を私伺っております。もう一つは実は東大の医学部でゲルマニウムを使った一つの実験の現象を私よく観察してみまして、確かに血液にゲルマニウムのある種の化合物が偉大なる効果を現わすことが、私としてはもう信念に近いまで一つの確信を持つに至った次第です。これは私としてはもう一つ理由がありまして、石炭中からゲルマニウムがなぜ取れるか、石炭がなぜゲルマニウムを持っているかという研究から、いわゆる石炭のもとの植物が、その成長に役立つ何らかの作用を持ったゲルマニウムを胎内に特っている、それからゲルマニウムを取り出すわけです。その取り出すときの方法によって、結局ゲルマニウムが植物の中に入っている状況は、複雑なる有機化合物であるという推定は、これは私は間違っていない、こう思う次第です。そうしますと、このいろいろな現象をつかまえていくときに、いわゆるゲルマニウムの有機化合物をいろいろつかまえて実験していくということが考えられる次第です。これを血液の関係の実験に一つずつ当てはめて実証していこう、こういう計画を立てている次第です。  血液関保にこのゲルマニウムを医薬として使うということは、これはまだ世界各国であまり気がついていないのです。私らに言わせますと、研究の穴である。ですからこの研究が完成されれは、いわゆる日本の科学の勝利が世界に大いに知れ渡るという、科学者としては非常に虚栄心の高い考えもありますが、しかし私らはそれを楽しみに難難苦労して研究を続けているものです。血液関係にゲルマニウムを医薬用として適用するというのは、私の知っている限りではまず穴になっている、これはもうおそらく間違いない一つの事実である。これが成功すれば、人類にもたらす幸福は実に大きいものではないか、こう思う次第であります。  実は私昨日伝研の荒川博士、それから私らの有機化学関係の所員を集めまして方策を立てまして、まだ結論は出ていませんが、とにかく一つの目標を持って、それに総当りでぶつかっていこうではないかという決心をいたしまして、それでずっと研究のプログラムを立てたわけです。大体五つのグループにゲルマニウムの化合物を分けまして、その五つのグループのゲルマニウムと有機とを結びつけたいろいろの製品を作って、それを片っ端から動物実験をしていこうじゃないかということにきめまして——おそらくこれは相当の年月を要するかとも思いますし、運がよければそんなに要さないで、ひょっと有効なる有機化合物を発見することも考えられます。なるべく早くこれを仕上げたいというので、あらゆる方策を立てまして、その有機化合物の構造を検討しておる次第であります。  それが現状でありまして、願わくばこれの完成を皆様のお力添えのもとに、一刻も早く実現していきたいというのが私の心からなる念願であります。どうも科学者の泣き言になりますが、ちょうど富士さんの頂上がもう目の前に見えて、八合目あたりでおなかがすいて倒れるというのが、最近における日本の科学者の現状のようです。私らも八合目くらいまでたどってきたのじゃないか、あと頂上までの二百メートルか三百メートルをどうやってよじ登ろうかというのが、現在の私らの偽わらざる告白であります、大へんどうも御清聴をわずらわしました。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 ただいまの淺井参考人の御説明に御質疑があればこれを許します。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 このゲルマニウムの問題が国会において取り上げられましたのは、昨年の四月十四日の電気通信委員会においてでありまして、そのときにゲルマニウム工業振興に関する申し入れが、通産委員会に電気通信委員会からなされたのであります。それはもちろんトランジスター及びダイオードにゲルマニウムを利用する工業発展を主体といたしたものでございましたが、その中に、今おられませんが、原委員が特に医療という字を入れて、ゲルマニウムの医療に対する効能についての検討を加えるべきであるというお説がございまして、医療が加えられたのであります。その当時ただいま陳述せられました淺井先生から、ゲルマニウムを再生不能型貧血症に東大において実験いたしたところ、相当の効果があった。また順天堂においても結核にこれを応用したところが、これも相当の効果があったのではないか、こういうような陳述があり、さらに木村博士からもそういうようなお話があったので、われわれもひとしくゲルマニウム、稀元素がいわゆる不治の病とされておる疾病にいかなる効果があるものであるかということに、一年以上注目を払ってきたわけであります。そこで本日もこのゲルマニウムに関して、特に会期末を控えて、一応お話を承わりたいと考えて、委員長にお願いして、参考人としての御陳述を願ったわけでございますが、私の知っている限りにおきましては、日本のゲルマニウムの採出というものは非常におくれておって、むしろ一年間何も進展しなかったと思うのです。昨年一千五百万円のひもつきの予算を取って、ゲルマニウム精練抽出に関するところの振興を相当はかったとは思いますけれども、とにかくアメリカあたりでゲルマニウムを採出するそのコストに比べると、日本は非常にコスト高になる。ゲルマニウムを採出するのに一般ではあまり熱を入れてない。石炭総合研究所では、石炭ガス廃液からお取りになるということで、だいぶ東京ガスあたりでも力を入れておられるということを承わりまして、私も大森工場を拝見に行ったのございますけれども、さほど力も入れておられない。それでいろいろな状況から考えますと、トランジスターやダイオードにゲルマニウムを使用するというのは世界的な問題であって、これは日本でも一生懸命になって追っかけようとしているけれども、とにかくゲルマニウムというものは、日本で生産するよりも、アメリカから買ってきた方が安いということでありますと、日本はなかなかゲルマニウムの抽出精練というものは盛んになっていかない。この工業を盛んならしめるには、どうしてもその他にも、ゲルマニウムというものは人類社会において絶対不可欠であるというようなテーマをもってその実験に成功して、そしてこれを広く用いていくということであれば、ゲルマニウム工業というものも、これは近代的な工業として日本でも非常に盛んになるのじゃないか。そういう点も考えられたのです。  そこで私といたしましてお伺いいたしたいのは、このトランジスターやダイオードに使います場合には、イレブン・ナインとか、あるいはテン・ナインとか、そういうふうにピュリファイされたゲルマニウムでなければいけない。しかし医療に持っていくのは、そんなにピュリファイしなくてもいい。あるいはフォア・ナインとか、スリー・ナインでもってどんどん医療の方に持っていける。そのゲルマニウムの抽出精練ならば非常に楽に大量に日本でもできる、こういうふうに考えると、むしろトランジスターやダイオード向けの、ゲルマニウムを非常にピュリファイして作ろうと思ってコスト高のものを作るよりも、フォア・ナインやスリー・ナインのものをどんどん作って医療の方に持っていって、そして日本の一番ガンであるところの結核、あるいはガンの治療の方に回す、そういうことができますと、これは非常にゲルマニウムとしては新天地が開ける、そういうふうに私は考えるのですが、今まで浅井さんが考えられました、そして実験せられましたゲルマニウム、医療に持っていこうとするゲルマニウムは、どの程度の純粋度でいけるというお考えでやっておられますか。大へん回りくどくなりましたが、この点お伺いしたい。

淺井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○淺井参考人 医薬になりますと、全く専門外でありまして、どの程度の純度を要するかということは、私実は申しかねる次第でありますが、ただ常識として、今お話のあったように、電気関係に要求されるような純度は必要ない、こう思う次第です。それはずっと楽になるだろうと思います。もう一つは有機化合物でいきますから、その点で純度はあまり問題にならない、こう思う次第であります。これはしろうとの常識論ですから、どうぞその点は……。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 ほかにございませんか。——御質問がなければ、次に東京大学農学部教授大越伸君にお願いいたします。

大越伸東京大学農学部教授

○大越参考人 私がゲルマニウムの医薬的な作用につきまして若干の調査をいたしました動機は、実は私の大学時代の学友でございまして元侯爵の四條隆徳君が、貴族院議員であられましたのですが、学習院時代のまた同級生である鍋島さんを私のところに連れて来られまして、ゲルマニウムの注射薬があるが、それをテストしてくれないかというお話がございました。それが今参考人として呼ばれております河本さんのところのものであったわけであります。私は初めは河本さんも御存じ申し上げずに、ただ四條さんを通じて鍋島さんの手でその材料を供試されたのであります。そこで私たちも実は医薬品としてゲルマニウムがどのような作用を持っているかということについては、よく存じておりませなかったものでありますから、直ちに一応文献を調べまして、取り上ぐべきものならば取り上げてみようと思って、一応調査をしたのでありますが、実は調べてみますと案外に古い薬でございまして、今から三十三年前、一九二二年にすでに酸化ゲルマニウムの形において、及びゲルマニウム酸ナトリウムの形におきまして、一九二二年に多数の学界報告がございます。主として血液、ことに赤血球の問題、ヘモグロビンの問題についての実験データでございます。私たちも、なるほどゲルマニウムというものは化学元素といたしましてはすでに知られているものであり、医薬品としても三十三年前からすでに一応テストされたものなら、まあ試みてみてもむだなことにはなるまい、こう考えまして、内容を聞いてみましたところが、酸化ゲルマニウムでもない、ゲルマニウム酸ナトリウムでもない。持ってこられた薬が、ゲルマニウム酸アンモニアという形のものであるということを聞きまして、これならばますます新しい形であるし、どこの文献にもアンモニア塩についてのデータがございませんので、しからばちょっと飛びついてみようという気持を持ちましてテストを始めたのであります。実は東大の農学部におきましても付属家畜病院がございまして、毎日のごとく外来の患畜が来ております。初めはどういうように薬効があるのかわかりませんので、いきなり患畜にこれを用いることもできませんし、また患畜というのは、注射いたしましても、結果がよくなると来なくなってしまう。悪いときは来ますが、よくなったときは来なくなるものですから、よくなった方のデータを最後までまとめることが不可能なんであります。それでやむを得ず、患畜ではないが、健康な犬について、自分のところで飼っておきますところの試験犬についてまず試みたのであります。  どういうことを試みたかと申しますと、まず血液増につきまして一応の調査をしてみようと思いまして、調べたのであります。というのは、先ほど申し上げましたように、三十三年前からありますデータが、いずれも酸化ゲルマニウムあるいはそのナトリウム塩でありまして、赤血球の問題、ヘモグロビンの問題を取り上げておりますので、多分同じような変化が現われてくるのじゃないかという一応の予想のもとに実験を始めたのでありますが、実験の結果はまことに妙なことになりまして、酸化ゲルマニウムあるいはナトリウム塩において現われた形と少し違いまして、つまり赤血球がふえるというふうな事実は一応認められないのであります。ただし白血球が非常に増加する。その白血球にも実はいろいろの種類がございますが、そのうちでも、われわれが専門的にノイトロ・ヒールと申しております中性多核白血球だけが非常に増加する。非常にという言葉はまことに非科学的でありますが、もっと具体的にいえば、八千ないし九千くらいの白血球の数が、純一万五、六千にまでふえます。多いのは二倍くらいになります。それらのふえ方が、大体実験を重ねますと、いずれもでございますが、注射後八時間ないし九時間にして最もマキシマムに達しまして、その後二十四時間くらいでもってもとに戻るという結果を認めました。その際にゲルマニウム酸ナトリウムというものは、注射いたしますと瞬間的に疼痛を感じるようでありまして、試験犬がぴくっといたしますが、その後これを観察しておりますと、局所の吸収は化較的良好であると見えまして、約二十日間にわたりましてその後連続注射いたしまして副作用を見たのでありますが、常に注射部位は数時間の後には何のことなく跡かたなく消え去りまして、吸収がきわめて良好である。また副作用もほとんど現われないというような事実を知りました。これも実は先ほど申しました文献のゲルマニウム酸ナトリウム塩と多少の相違がございまして、ナトリウム塩でございますと注射後の吸収が比較的悪いと見えまして、跡が非常に腫脹するというような事実が認められたのでありますが、私の実験いたしましたアンモニア塩は、全然そういうことがなかったのであります。  それでそのデータの締めくくりは、私どもといたしましてもきわめて興味あることでございますので、これをさらに前進させよう、つまり血圧の問題、そういったものに持っていきたいと考えまして、現在血圧のテストをやっておりますが、果してどういう結果が出ますか。高血圧が低下するというふうないい結果が出ますかどうか、まだわかりませんが、その点はあまり著明なように現われてないのじゃないかというような予想がされております。つまりわれわれは薬を注射しましてあまりに副作用がないということは、一面にはきわめてけっこうと思っておりますが、また反面には副作用がないということは、副作用を運用して医薬に使うのでありまして、果して副作用が何にもないということが将来よくなっていくかどうかは今のところ疑問に思っております。私どもはゲルマニウムに参画いたしました期間、あるいは研究の幅があまり広くないのは、また遺憾とすところでございますが、少くも白血球の数がきわあて増加するという事実は、今までのゲルマニウム酸の各塩類について論議されたことのなかった新しい事実でございまして、これらのことを将来いかようにすれば医薬品に応用できるかという問題は、なお研究を要する問題だと思いますが、きわめて興味ある事実だ、こう考えております。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 ただいまの御説明に対して御質疑はありませんか。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 ただいまの実験の結果を拝聴いたしましたが、私もしろうとでわかりませんが、白血球が急激に増加するということは、それは疾病に対しましてはどういうことを意味するのですか。もしかりに、たとえて申しまするならば、白血球は体内の病毒菌と相対抗してこれを撲滅するというのが、白血球の務めであるとわれわれしろうとは教わっておるのです。その白血球がゲルマニウムの注射によって急激に増加していくということになりますと、それはもしそこに病毒菌がありました場合は、それを非常な力をもって撲滅していくということになるのでございますか。それはどういうのですか。

大越伸東京大学農学部教授

○大越参考人 実は私初めに申し上げました通りに、実際の患畜と申しますか、病気にかかったものを相手にして始めるということは、まだ私たちの基礎実験ができていなかったことでございますので、今までのところは健康体を試験に使いましてやった実験の報告でございます。病体についての研究はこれから着手するところでございますので、はっきり申し上げることはできません。しかし今まで私たちの持っております常識から考えて、白血球が非常にふえる、あるいは白血球が減るというような病気は実はたくさんございます。伝染病にかかりましても、あるいは中毒性の場合におきましても、あるいは悪性腫瘍、ガンのような場合におきましても、白血球がふえることがある、また病気の種類によっては白血球が非常に減るものがある。また減る方の別の例といたしましては、例のレントゲンの長時間照射、あるいはラジウムに長時間当った、あるいは原爆症にかかったというような場合に、白血球が非常に減るという事実がございます。この白血球をふやすという逆の治療法の話でございますが、これはほんとうはなかなか至難な問題でございます。ただ白血球だけがふえたから、すぐにこれがすべての治療効果が上るかどうかということは、病原体と結びついた問題でございまして、たとえば白血球だけを上げようと思うならば、たとえばアドレナリンでもよいのでございます。アドレナリンという薬は幾らでもございます。あれを注射いたしましても、やはりきょう私がお話しいたしましたくらい、つまりゲルマニウム酸アンモニアで白血球が増す程度の白血球増加が認められるのであります。しからばアドレナリンが原爆症の治療に若干用いられておるか、あるいは悪性腫瘍とか、ガンとか、あるいはその他の伝染病による白血球の減少症にも応用されているかということになりますと、すぐにそこに直結されていないのであります。ですから白血球がふえるという事実、それから白血球が減ったという病気に対して、どのようにきくかという問題は、まだまだ少くとも私どもがやっておりますデータの範囲では、研究の余地が多々ある問題でございます。きょうはそれはどうだというふうに即答はいたしかねる状態でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 このゲルマニウムのいわゆるアンモニア系統でないもの、ゲルマニウム酸カリというような形のもの、そういうようなものの実験過程によりますと、逆に赤血球がふえる。これは私もだいぶゲルマニウム酸カリの形で悪質の馬の病気にやったのですが、これは確かに赤血球がふえていくように考えられる。そのお調べになりました文献に、ゲルマニウムの数十年前にやられた実験には、やはりそれは赤血球がふえるということはあるのでございますか。

大越伸東京大学農学部教授

○大越参考人 今申し上げましたように、一九二二年ごろにゲルマニウム酸ナトリウムにつきましては、ノーレーという人がやっております。酸化ゲルマニウムにつきましてはハメツトあるいはアレキサンダーというような人がやっておりますが、いずれも赤血球がふえる、赤血球の中に含まれているヘモグロビンもふえる。ものがふえるわけですか、中身もふえるという論議をしております。最近東大の医学部におきまして、物療内科でも若干の実験をしておるようでございますが、今までのところ発表を差し控えておるということでございますので、その内容を捕捉することができませんが、何ほどかやはり同じようなデータが出ているのではないかというふうに感じられてならないのでございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 これは私が手に入れました東大物療内科の今までやりました三つ四つの例によりますと、やはり赤血球が百五十八万ぐらいのものが二百七十万にふえたり、それから百二十六万のものが三百二十万にふえたりしている。これは輸血と酸化ゲルマニウムの併用療法からくるのであります。ですからどういう実験をなさるつもりですか。今のゲルマニウム酸アンモニアをやると白血球がふえる。酸化ゲルマニウムをやると赤血球がふえる。これは両方やって、赤血球もふやしていけばいいし、白血球もふやしていけばいい。しろうと考えからいくと、どんどん増血作用が行われるのですから、病気のなおる率が非常に多くなってくる。ことに最近のごとく結核なんかに対して、血沈によって要注意というものをきめて、まだレントゲンではわからない。しかし実際の職場に行ってみますと、少くとも八分ないしは一割というものは要注意にされています。労働力がそこで規制されている。ですからそういう増血作用が行われて、白血球と赤血球をパラに増加するようになっている。そうして健康的な血がどんどんできていくのだから、非常に大きな研究対象が生まれてくるのではないかと思うのですが、そういう研究対象が生まれておるのに、それを力強く遂行し得るところのいわゆる政治態勢と申しますか、行政態勢というものが日本にないから、こういうものが遅々として進まないのではないかとも考えられる。そういう点に対してはどうお考えになっておりますか。

大越伸東京大学農学部教授

○大越参考人 私のテストいたしましたことのらち外のお話でございますので、私がお答えしていいかどうかわかりませんけれども、たとえばこれは私ども医療関係の常識論でありますが、病気によって起ったというものに対して、ただ白血球だけをふやすということは、これは原因療法になっていないのであります。ただの対症療法でございます。白血球が減ったからだめなんでなく、病気が非常にからだを弱めておる。その結果白血球が減っておるというのでありまして、白血球だけをもとへ戻せば病気がなおるかというと根本療法にはまだ一歩届いてないように私どもは常識的に考えております。何かの原因によって病気が起りました場合、根本的な病源はそのままにしておいて、ただ対症的に赤血球、白血球だけをふやす、そうするともとの病気もなおるだろう、こういう考えは、私たちは一応はとらないのであります。やはり根本的な病気をなおす必要ともあれば、末梢的な対症法を、根本療法と併用していく、こういうふうに思います。現に私が取り上げたのは全部患畜というものでなくて健康体でございますので、病気に対する問題というものは一応切り離してわれわれは考えているわけでございます。御説のごとく赤血球も白血球もふやそうという目的ならば、今お話のようにゲルマニウム酸アンモニウムのほかに、ゲルマニウム酸ナトリウムとか、あるいは酸化ゲルマニウムを同時にやれば、赤血球も白赤球もふえるであろうということは実現可能である、こう考えております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 これも実験をせられたかどうか。私がいろいろなことを聞きました範囲及び自分も実験をいたしました範囲内におきましては、どうも動物、家畜なんかが倒れますときは、五・五から五・八くらいの血液の酸性度であります。その五・五から五・八という酸性の血液には、赤血球の数が非常に少い。いわゆる悪質な貧血という症状がある。私はそう考える。特に私が実験いたしましたのは、今日本で非常に問題になっております伝染性貧血症という馬の病気、これも私は一頭しかやりませんからわかりませんが、まさに撲殺されんとしておる直前の血液をPHで見ましたときには五・五から五・七、これは非常に赤血球が少い。それがいわゆるゲルマミン酸カリの形によるところの注射液と、それから投薬によって普通の状態にまで赤血球が戻って参りますと、血液のPHが弱アルカリに変ってくる。こういうものをその後獣医に頼みまして、いろいろ血液試験をいたしましたところが、大体間違いがない。だからどんな動物でもれるときの血液あるいは倒れた直後の血液をとると、もうほとんど強度の酸性か五・五ないし五・六、七という酸性度を示しておる。こういう実験データが現われてきておる。そうしますとこれは淺井参考人にもお伺いをいたしたいのでありますが、石炭のガス廃液から抽出をする過程において——昨年の淺井参考人のお話を読みますと、ゲルマニウムはガス液に含有されておるときにはアルカリのコロイド状になって入っておる。これを抽出するときには、空気を吹き込む、あるいは硫酸を加えて酸性にすると、初めてそれがよどみになって出てくる。ですからゲルマニウムというものは、大体希元素としての溶融の形というものは、酸性溶液にはコロイド状態として溶融しない。アルカリの溶液の中になければコロイド状態として溶融しない。それを溶融した形のいわゆるゲルマニウム酸アンモニアか、そういうものを血液に注射するということになると、わずかな希元素ではございましょうが、どれだけの力があるかわかりませんが、ともかく酸性の血液というものが徐々にゲルマニウムによって酸性度が薄くなっていくということは、結局白血球とか赤血球の増加を伴って健康な血になるのじゃないかとも考えられるが、そういう点についてお気づきになったことはございませんか。去年の陳述にそれがあるのです。

淺井一彦財団法人石炭綜合研究所長

○淺井参考人 今の御質問にちょっとお答えする自信がないのですが、ガス液そのものがフェノール系で、アンモニア、いわゆるアルカリ性を、含んでおるわけです。その中にゲルマニウムが懸濁しておるわけです。その懸濁がどういう格始で懸濁しておるか、これはまだわかりません。それからそれを酸性にすると沈澱するわけですね。この沈澱する現象も実はまだ確信をもって御返答できないのですが、おそらく重合、ポリメリゼーションの現象を起しておる。いわゆる酸素とか、その他のものが酸性になったために、分子構造が大きくなりまして、いわゆる重合の現象を起した、そして沈澱しておるのだろう、こういうふうに解釈しております。今の御質問にお答えするのに当っておるかどうか私わかりませんが、私としてはそういうふうに解釈しております。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 他に御質問ございませんか。——なければ次に日本ゲルマニウム工業株式会社社長河本頼希君にお願いをいたします。

河本頼希日本ゲルマニュウム工業株式会社社長

○河本参考人 私は薬学の畑から出た者でございますからして、希元素というものを薬学の前に持っていきたいという考えから、希元素の研究をいたしておりますが、資源的に亜炭にしても雑種鉱にしても、その中に非常にゲルマニウムが含まれておる。もちろんインジウム、ガリウムは当然でありますが、そういう関係から一直線にゲルマニウムだけに忠実に研究を進めまして、私の方法は今までゲルマニウムというものは、大体硫化物として取るかないしは四塩化法で取るかという二つの方法が掲げられておりますが、純度としては四塩化ゲルマニウムとして蒸溜せしめる。もちろんそのときに四塩化珪素というものもあるのでありますけれども、やはり割温蒸潜法によっていくということになっておりますが、実際においては石炭綜合研究所の先生方も発表された通り、簡単に四塩化ゲルマニウムとして完全に抽出することは、まことに至難なことであることは皆さんも御承知のことでありますが、私の方法は硫水化ゲルマニウムとして取る。硫水化ゲルマニウムとして沈澱せしめて、それを焼くことによって酸化ゲルマニウムにする。しからば硫化ゲルマニウムとしてはどうかと申しますと、硫化ゲルマニウムで焼きますときには、高温にしで、完全に全部二酸化物にならないという欠点が多いというところで研究して、硫水化物として取って焼くことによって大体八五から九〇%を得るということになりまして、いよいよ工業化に行こうという研究のかたわら、いつも実験の過程におきまして廃液ですね、母液と申しますが、母液の中にいつもゲルマニウムが沈んでおって出てこないものがあるのです。その出てこない部分をいかにして取ろうかという研究をいたしておりましたところが、はかならずもこれを蒸溜する、気化するというところにヒントを得まして、ここに注射液としてゲルマニウムと名づけて持っていこう。ところが蒸溜したものですから、非常に純度がノーマルであるのです。その点を非常に誇りとして、医薬としては蒸溜したものなれば完全なものであるということで、大越先生にお願いいたしまして、いろいろ動物実験をしていただいたことは、ただいま御説明のあったところであります。私どもの研究は大体ゲルマニウム酸アンモニアを気化して取ることと、ゲルマニウムを硫水化ゲルマニウムとして取るということだけを完成したということに御報告するよりほかないのであります。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 ただいまのは製薬の方に関係することでございましょうが、それは別として、ゲルマニウム抽出の方ですね、ゲルマニウム抽出を鉱石か何かから抽出しておられる事業をやっておるのですか。

河本頼希日本ゲルマニュウム工業株式会社社長

○河本参考人 事業は大体抽出と、それから抽出した酸化ゲルマニウムを医薬の方に持っていこうということで、この母液の中に溶解しておるのがゲルマニウム酸アンモニアである。そのゲルマニウム酸アンモニアを気化蒸溜するというわけで、それを医薬方面へ持っていこうというのが注射液なんです。それで取れた酸化ゲルマニウムは輸出、こういう方針であります。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 そうすると鉱物なら鉱物から抽出した酸化ゲルマニウムは、トランジスターとか何とかを作る方の工業用原料として使っておる。そうすると母液の中に含まれているものはどういうふうにして気化蒸溜するわけですか。それは飛び出していくわけですか、母液の中に取れないものが残るわけですか。

河本頼希日本ゲルマニュウム工業株式会社社長

○河本参考人 それは一定量だけ溶解をしておって、硫水化物として出ないものがある。この出ないものをどういうふうにやるかという研究をいたしましたところが、ゲルマニウム酸アンモニアになっておる。アンモニアが二つついたゲルマニウム酸になっておる。そのものだけは気化蒸溜するということが発見された。それで同じゲルマニウム酸塩でありましてもゲルマニウム酸ソーダ、すなわちナトリウムですね。それからカリの方も絶対気化蒸溜しない。ごくノーマルな純度に持っていくということは非常に困難である、こういうことなんです。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 産畜局の衛生課長がお見えになっておられるのですが、今まで陳述をしていただいた結果について、何か大越先生の方と御連絡をとって、たとえて申しますならば、今の伝貧馬の対症療法としてこれを実験せられるとか、そういう道はありませんか。

齋藤弘義農林技官(畜産局衛生課長)

○齋藤説明員 伝貧の治療でありますけれども、もうだいぶ前から、その方は議論をしております。また最近齋藤先生からのお話もありまして、新しいものがありましたらできるだけためしてみたいということでやっております。ただいろいろと施設その他の関係がございますので、まだ十分にはできておりません。ただいまお話のありましたような、東大農学部とも現実に、ゲルマニウム関係はまだでありますけれども、すべての点については連絡をしております。こういうことが新しく始まりますれば、十分に連絡をいたしてやっていきたいと思っております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 だいぶゲルマニウムを主体とする医薬関係というものが、私の考えでに台頭してきつつあると思うのであります。きょうは参考人においでを願えませんでしたけれども、伝研の荒川博士等は、たいぶこれで実験をやっておられて、非常におもしろい結果が生まれるのではないかと言っておられるのであります。私どもの考えといたしましては、日本として一番大きな問題は何といっても結核療法であると思います。私から御説明申し上げるまでもなく、結核菌というものはパラフィン角膜に包まれておってどうにもしようがない。私もたくさんのお医者 さんを歴訪いたしまして、結核の療法に対する御意見を拝聴いたしたのでありますけれども、これはやはり血液にパラフィン角膜を溶かす酵素作用を与えなければならない。どうしたらその酵素作用が血液に生まれるかということが問題なんです。もしパラフィン角膜を溶かす力が血液の中に生まれるという方法が案出されれば、その瞬間に結核の解決策が生まれるのだ、こういう結論で、これには間違いないと私は確信しております。ところがどういう血液がそういう力を持つかということになると、結局白血球も赤血球も旺盛な働きをする血でなければならぬ。ただいま参考人からいろいろお話がありました通り、注射をすると白血球がふえてくる、赤血班がふえてくる。この現象を人間の状態にどう織り込んでいくか、こういう問題だと思うのです。  それで私もゲルマニウム酸カリの形でもって、自分及び自分の家族は四年も実験しております。これは誇張ではないのですが、ほとんど無病の状態です。私の子供などは幾らツベルクリン反応をやっても、どうも陽転するのか陽転しないのか、ちっとも反応がないという状態です。私もその点は非常に注意をして見ておるのでありますけれども、これは薬事法違反になるかもしれませんが、とにかく犬などにそういうゲルマミン酸カリの形をしょっちゅう与えておりますと、ほとんどジステンパーにかからないでしまう。私のためしましたのは十頭ばかりでありましたが、十頭ともほとんど熱心にやってくれているものはジステンバーにかからない、そういうようなこともあるのですが、こういうものをいろいろ承わってみますと、てんでんばらばらに研究をされ、そうして研究過程においては非常に苦労しておられるらしいのです。ですから何か厚生省の方でもこういう——とにかく今まで結核はなおらないのですから、私の知っておる限りにおいては、パスとかストマイとかいうものを注射いたしましても、これがもとのようにぴんぴんなって非常に労働力が増してくるというなら、われわれ何をか言わんやですけれども、年々結核病棟というものはベッドをふやしていかなければならない。ですから結核というものは、パスとかストマイをやって結核で死ぬ者は少くなってきたけれども、ぶらぶらする人間がふえてきたことはまた非常に重大問題だと思う。それでどうてもそういう結核対症というものはやらなければならない。一つ厚生省の方でも何か新しい希望が生まれて、これならば赤血球も白血球もふえてくるから、これは非常にいいのじゃないかというような見当のついたような場合は、何とかそういう研究を思い切って助成していくという方法であるかないか、もしあったら非常に幸いたと思いますが、そういう研究テーマを厚生省へ持ち込んだときに、千人なら千人の結核患者を対象として、どうしてゲルマミン酸アンモンの形とか、ゲルマミン酸カリの形とかいうものの注射薬あるいは投薬をやって、そうして血というものがどんどん健康的になっていって、その結核患者にどういうような影響を及ぼすかという新しい研究ができるかどうか、これを一つお伺いしたい。

水野達夫厚生技官(薬務局製薬課長)

○水野説明員 今のお話の赤血球なり白血球なりがふえるかどうかという問題につきましては、われわれの方も非常に貧弱な人員でございまして、十分調査ができかねるのでありますが、今まで知りましたところではまだ確定的なところまではいってないというふうに考えております。そういう点でもう少し基礎的な研究が必要であるように考えます。さらに結核の問題というような点になりますと、その点も相当研究が必要であろうというふうに考えております。それで薬のききめと申しますか、治療効果というものを国の費用で確認するというような経費が、現在のところわれわれにございませんので、ただ研究補助金といったような制度がございます。これで厚生省が必要と思われる研究を解明するために、補助金を交付して進めていただくというような制度がございます。しかしそれも基礎的な研究がある程度進みまして、相当見通しのついたものを重点的に取り上げるというような仕組みになっております。このゲルマニウムの問題も、そういうような段階に達すれば、研究費の対象にはなり得るだろう、そういうふうに考えております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 これは先ほど申しました通りに、昨年の四月十四日に電気通信委員会で特に決議をして、ゲルマニウム工業の振興に関する申し入れを通産委員会にやったわけなんです。そのときに特に医療方面に対しても、ゲルマニウムの応用という面を考慮すべきであるという申し入れをやっておるのです。その後一年間、私もゲルマニウムの医療的な方法に関する推移を見守っておったのでございますが、だんだんこれが——ここにお集まり願った方でも、時間の関係上十分にお話がなかったと思うのですが、いろいろなところでやっておるのです。特に大越先生は、白血球が非常にふえる、しかしこれはいろいろ研究費の関係だろうと思うのですが、患畜をとらえておいて継続的に実験をやっていけない、だから飼っておるところの健康の犬にやったところが白血球が非常にふえ、また一方ゲルマニウムの過去の文献によると、酸化ゲルマニウムの形では赤血球がふえる。結局赤血球も非常にふえるし、白血球も非常にふえるというような薬物としての研究対象は、そんなにほかには私はたくさんないと思う。自由自在に赤血球をふやしたり、白血球をふやしたり、そんな器用なことはできはせぬ。とにかく食餌療法をやれとか、いろいろ栄養分をとれということは、白血球と赤血球をふやすということに尽きるのでありますから、それがどういうわけか知らぬけれども、白血球がふえたり赤血球がふえたりすることになれば、疾病対策として、そういうものは十分将来性のある研究対象として、国家が取り上げてこれをやらなければならぬと私は思う。結核を完全になおし得る方法がほかにあるというなら、これは別です。これはまた畜産局の衛生課でも問題になっておるのですが、伝貧馬を一年に七千頭、八千頭と殺したことがある。しかも伝貧馬を殺す原因として、殺さなければならないとして判定するその現象というものは、みな血液の顕微鏡下における反応、それが現われるとぽんと殺してしまう。ところがそういう血液だけでもって殺すべきか殺すべからざるものかということは、今も非常に重大な問題になっておる。血液がどんどんふえていって、その状態が消えてしまうと殺せぬのです。たまたまその現象が現われたときにそれを殺す。ところがこれがヴィールスだということになると、ヴィールスが実在しておるという現象をとらえなければ今度は殺せない。これは重大問題になっておるのです。けれどもこれを解消する方法というものがない。そこで血液の白血球がどんどんふえたり、赤血球がふえたりするようなものがあれば、これは畜産局の衛生課でも注意をしていただかなければならないし、厚生省としても一つの試験研究の題目として助成していかなければならぬ。ところが実際その問題と取り組んでやっておられるところへ行きますと、そういうものはやれないのです。ということは、一つも金がないということです。私が伝研の荒川博士のところへたびたび行ってみますと、そういう新しい問題に取り組んで——それはきくだろうけれども、ウサギを買う金、モルモットを買う金もない。だからやっていけないのです。この実験をやりたいと思って、そこできょうここへ御出席を願ったのですが、今度予算も通過いたしまして、予算の実施が行われるのでございますが、そういう一つの目標を見つけてこれを助成して、ではそういう疾病に対してどういう影響があるかということを、どこかで一つやっていただかなければならない。これは畜産局の衛生課で、そういう研究対象に向って助成処置を講ずるか、あるいは厚生省に一つやっていただくか、これを一つお考えを願いたい。これは私事でございますけれども、私もあさって出発して二月ばかりおらなくなるものですから、今逓信関係で一番心残りなのは、この問題がまだレールに乗っておらぬということです。その他の問題はどんどん解決しておるようですが——。このゲルマニウムの問題が今世の中で非常に大きく取り上げられつつあると私は聞いているのですが、これに対してなるたけ世界の進歩からおくれないように、そうしてもしもゲルマニウム療法によって伝貧馬の問題にある一つの示唆を与え、あるいは結核療法に一つの示唆を与えるということであるならば、これは本委員会において、ゲルマニウム問題を取り上げたことに対しても、非常に大きなプラスになる、そう私は考えておる。これは私は自分では知らないで、いわゆるゲルマミン酸カリという形を十年間あらゆる家畜にそれをやり、それから自分もこれをみずからためしてきたのです。そうして二十八年に工業技術院に頼んで分析をしてもらったところが、ゲルマミン酸カリ、ガリウムも入っておる。そこでゲルマニウムというものは医薬についてどういうふうな文献があるかということを調べてみますと、結局ゲルマニウム及びガリウムというものは、植物においては葉緑素を作るキャタライザーだ。植物において葉緑素を作るキャタライザーなら、人間がこれを摂取するか、あるいは注射に持っていくということになれば、これは医療対象になるということはわかるわけです。その後あらゆる方面に向って私もこの点を取り上げて、いろいろな研究をお願いいたしたのでございますが、どうやら先ほど淺井さんのお話がありましたように、血液の正常化をはかる一つの大きなつぼじゃないかということがわかってきたわけなんです。そこできょうは特に委員長にお願いをいたしまして参考人に御足労願って、ここで御意見の開陳を願い、それから両課長に御出席を願ったわけであります。どうか一つこの問題を、私もここまでこの問題を持ってくるには相当の研究をやり、相当の努力を重ね、万が一はずれてもこれは恥辱にはならない。あの点もどうだ、この点もどうだ、ずいぶん自分としては考えて、国会の速記録にとどめても十分価値がある問題であるという信念のもとに、きょうこういう委員会を開いていただいたのです。何らかことしこれに着手して、そうしてその効果を上げつつ、来年は予算をふやして、そういう研究を進めていくというふうに持っていきたいと思うのでありますが、一つこの点、両課長におかれましても御考慮願う次第であります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 電気通信研究所の電気関係も見えておるようでございますが、御質問なり御意見なりあるいは御説明なりありましたら、御発言を願いたいと思います。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 ゲルマニウム時代去る、こういう声がだいぶやかましくなってきましたが、ゲルマニウムのように純粋度をもって、非常に高い値段でなければできないものは将来寿命がない。これはシリコンも現在のところでは純粋度を得るのに非常に高いけれども、これは製法が完成すれば、シリコンの原料は非常にたくさんあるから、当然ゲルマニウムというものはシリコンに置きかわられる、こういう御意見もだいぶございますが、それはいかがですか。

石川武二日本電信電話公社電気通信研究所所長

○石川説明員 ただいまのお尋ねでございますが、最近のアメリカあたりの情報を伺いますと、シリコンというものが、トランジスター、ダイオードその他に非常にいい性能を示すというようなことがわかってきております。現在までのところ、ゲルマニウムの方がシリコンに比べて、精製その他におきまして非常に有利な点があります。私どもの方でもいろいろそういう点調べておるのですが、現在までのところでは、シリコンの方がまだゲルマニウムに比べまして精製その他でちょっと困難な点がございます。これらの技術が進歩いたしますれば、シリコンが非常に有望じゃないかというふうに考えております。この点は私たちの方の電気通信——電信電話の分野に使いますのに、性能の点でゲルマニウムに比べてすぐれた点が相当ございます。しかし現在までのところでは、値段その他の点におきまして、まだゲルマニウムの方がはるかに有利なものですから、そちらの方の完成に努めておりますけれども、シリコンの将来性については無視するわけにはいかないと思っております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 大体アメリカで取っておりますゲルマニウムと日本で生産しているゲルマニウムと、フォア・ナインならフォア・ナインという形でどのくらい値段が開いておりますか。

石川武二日本電信電話公社電気通信研究所所長

○石川説明員 この値段につきましては、現在日本で生産されておりますものは、ほんとうの値段ではないと思います。この資源の分布状況その他から見まして、日本の生産値段がどの程度になるかということは、淺井先生その他の御意見も実はいろいろ伺っておるのですけれども、まだこれははっきりいたしておりません。アメリカの方のものは現在非常に安く入ってきております。日本の酸化ゲルマニウムの値段は、現在ございませんけれども、大体五百円から六百円くらいのところで、日本国内においては買われておるわけです。ところが外国から入って参りますものは、二百円前後あるいはそれ以下、これは量にもよりますけれども、そういうような値段で入ってきております。そういう点は今後この資源の開発、あるいは精練の方法その他の進歩によって、どこまで下るかということは、需要ともからみ合って相当むずかしい問題だとは思いますが、現状はそういう状態でございます。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 それは酸化ゲルマニウムの形で入ってくるのですか。

石川武二日本電信電話公社電気通信研究所所長

○石川説明員 酸化ゲルマニウムの形でも、それから最近においては精製された形あるいは半結晶の形でも、外国においては売られております。

齋藤憲三日本民主党

○齋藤委員 そうすると、それはどの程度のものがグラム二百円くらいなんですか。

石川武二日本電信電話公社電気通信研究所所長

○石川説明員 これはフォア・ナインを予定される酸化ゲルマニウムございます。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 御質問はありませんか。——御質問がなければ、ゲルマニウムに関する参考人の御説明並びにこれに対する質問を終ることにいたします。  参考人の方々には、非常に暑いところをわざわざおいでをいただきまして、本委員会のために詳細なる御説明を賜わり、また質疑にお答えいただきまして、本委員会として非常に裨益するところがございました。本委員会としては、できるだけこの問題をもっと前進せしめるために、医薬であろうと何であろうとにかかわらず、他の社会労働委員会あるいはまた通産委員会等とも密接な連携をもちまして、この問題の解決並びに前進のために努力をいたすつもりであります。どうぞ今後とも、ゲルマニウム工業の将来のために御奮闘をお祈りしまして、厚くお礼を申し上げる次第であります。     —————————————

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 次に前会に引き続き請願の審査を進めます。  まず日程第二四、日本電信電話公社法の一部改正反対に関する請願並びに本請願と全く同趣旨であります日程第二八及び第三三の各請願を一括議題といたします。紹介議員の出席がございませんので、専門員に説明いたさせます。吉田専門員。

吉田弘苗専門員

○吉田専門員 日本電信電話公社法の一部改正反対に関する請願、文書表番号第二五五六号、請願者栃木県小山市神鳥谷国際電信電話公社小山送信所永山文吉、紹介議員小平久雄君、日本電信電話公社法の一部改正反対に関する請願外一件、文書表番号第四一四〇号、請願者埼玉県入間郡福岡村国際電信電話株式会社福岡受信所長岡省吾外二名、紹介議員松山義雄君。日本電信電話公礼法の一部改正反対に関する請願、文書表番号第四五四九号、請願者栃木県小山市長山中泰輔外一名、紹介議員小平久雄君。本請願の要旨は、日本電信電話公社法の一部改正によって、同公社に国際電信電話株式会社の発行済株式五分の二を保有させようとする趣を仄聞するが、そもそも国際通信業務は、そのサービスの飛躍的向上をはかる必要が痛感され、これがためには国営や公社の経営によっては種々の制約を受け、十分な成果を上げ得ないにかんがみ、昭和二十八年純粋の民営形態をもって同社が発足したもので、自来所期の成果を着々と上げつつある今日、右の企図は全く首肯し得ないところである。ついては、日本電信電話公社法の一部改正に反対するというのであります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 政府の所見を求めます。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○早稻田政府委員 ただいま議題になりました日本電信電話公社法の一部改正反対の請願について、政府の所信を明らかにいたします。国際電信電話株式会社法附則により、政府に譲渡された同会社の株式の処分について、政府においては従来鋭意努力してきたところでありますが、会社法立法当時の予期に反し、現在なお相当数の株式々保有するのやむなき実情にあり、その取り扱いについて何らかの措置を必要とするものと考えます。一方会社の特殊性を考え、その経営の安定性を確保する意味において、公益的色彩を有する安定株主の必要なることが考えられます。以上の見地から、現在国会に提出されておる日本電信電話公社法の一部を改正する法律案は、実情に即応する一つの方法であると考えられます。また本改正案によっても、反対請願にいわれるような、公社による会社に対する不当な支配は起り得ないと考えます。政府としては、国会の審議を待って、その定めるところに従って措置する考えであります。     —————————————

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 次に日程第二五、清和村郵便未配達地区の集配復活に関する請願を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、専門員に説明いたさせます。吉田専門員。

吉田弘苗専門員

○吉田専門員 清和村郵便未配達地区の集配復活に関する請願、文書表番号第二五五七号、請願者千葉県君津郡清和村長長谷川辰蔵外五名、紹介議員福井順一君。本請願の要旨は、千葉県君津郡清和村東猪原番外一番地松本信君外六名に対しては、昭和十五年十月一日より郵便規則第八十五条の適用地に指定されたため、郵便物の配達が行われず、以来十四年間、文化、経済等各般にわたってこうむった精神的、物質的損失ははかり知れないものがある。ついては、近時山間の小村にも道路の開発が進められている実情にかんがみ、郵便規則第八十五条の指定を即時撤廃して、前面諸家庭にも郵便物が迅速確実に配達されるよう、特段の措置を講ぜられたいというのであります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 政府の所見を求めます。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○早稻田政府委員 ただいまの請願にありまする各部落は、受持ち集配局より遠距離にあり、道路状況もきわめて悪く、郵便物の配達が困難なため、現在郵便規則第八十五条が適用されされているが、村内の道路の開発が進められておる趣きでありますので、道路改修の暁には、さらにその能否等について十分検討を進めました上、善処いたしたいと考えます。     —————————————

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 次に日程第二七、旭町の電話増設に関する請願を議題といたします。紹介議員は早稻田政務次官でありまするので、説明と所見の開陳は困難でありましょうから、紹介議員にかわりまして、専門員に説明いたさせます。吉田専門員。

吉田弘苗専門員

○吉田専門員 旭町の電話増設に関する請願、分書表番号第三六五四号、請願者愛知県東春日井郡旭町長谷口晴次外六十名、紹介議員早稻田柳右エ門君、本請願の要旨は、愛知県東春日井郡旭町は近時著しく発展し、新築家屋の増加は同県下第一と称されるほどであるが、電話施設においては、他町村に比較して少く、架設総数百三十九にすぎず、町民は多大の不利不便を忍んでいる。ついては、旭町の電話を増設されたいというのであります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 政府の所見を求めます。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○早稻田政府委員 ただいま委員長からお説のように、これは私が紹介の労をとっておりますが、旭局というのは請願のうちにもありましたように、近時きわめて急速な発達をいたしておるところでございますので、ただいまの請願をいたした次第であります。これが増設等につきましては、これに必要な線路の設備費の負担をしてもらうということについて、ただいま地元と話し合い中でございますが、その了解ができて、地元が設備費を負担するということに相なりますれば、すみやかに実施するように手配をいたしたいと考えております。     —————————————

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 次に日程第二九、町村合併区域内の電話交換施設等統合口に関する請願を議題といたします。紹介議員の出席がありませんので、専門員に説明いたさせます。

吉田弘苗専門員

○吉田専門員 町村合併区域内の電話交換施設等統合に関する請願、文書表番号第四二六〇号、請願者宮崎市別府町宮崎県七市議会議長会長仁田脇儀一、紹介議員伊藤岩男君、本請願の要旨は、町村合併促進法に基き発足した新市、あるいは同法に準じて吸収合併した区域内に個々の電話交換局が残され、同一市内が市内及び市外通話の形式で通話され、また郵便においても従来通りの配達区域により集配されていることは、行政事務能率を著しく低下せしめているのみならず、経済文化の交流にも大きな障害となっている。ついては、町村合併区域内の電話交換施設並びに郵便配達区域を統一せられたいというのであります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 政府の所見を求めます。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○早稻田政府委員 ただいまの請願は政府の方針に全く一致したものでございまして、本省といたしましても鋭意これに符合するようにいたしたいと考えております。御承知のように町村合併の結果、一行政区を分割して、二以上の郵便局があるということは、集配上非常な支障の多いことは言を待ちません。従って御請願にありましたように、できる限り一行政区を分割しないよう、郵便物集配受け持ち区域を十分調整する方針で、ただいま検討を続けておる次第であります。     —————————————

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 次に日程第三〇、中島町、輸島市間に電信電話市外ケーブル線架設の請願及び本請願と内容において同趣旨であります日程第三二の請願を一括議題として、紹介議員より説明を求めます。紹介議員森本靖君。

森本靖日本社会党(左)

○森本委員 本請願は石川県中高町—輪島市間に電信電話市外ケーブル線架設の請願でございます。請願者は地元の輪島市長並びに市議会議長でございます。請願の要旨は、現在金沢市より同県鹿島郡中島町間に架設せられたる電信電話市外ケーブル綿を、さらに輪島市まで延長架設せられたいというのであります。その理由といたしましては、石川県輪島市は能登半島の北端に位し、戸数約七千、人口約三万四千を有し、奥能登における政治、経済、文化の中心都市であり、近時は国際上にも重要な地点であります。さらにこの輪島市は堅牢無比なる美術漆器をもって有名であり、その年産額は約三億円にも上り、かつ輪島港は能登半島北岸随一の漁港であり、また避難港として大型船舶も停泊し、相当数の漁獲を上げておるというような状況でございます。また輪島市は県下有数の木材産地で、年産額は八万石以上に上っているという状況であります。以上のような産業活動の維持発展を助成するためにも、はたまた放送局並びに新聞社のテレタイプにおいても不便を感じ、かつ駐留軍も第一線部隊として活躍している関係上、国際情勢の推移に伴い、電話の迅速正確にして完全なる利用を要請せられておりますが、これが需要に対処するため、現在金沢市より鹿島郡中島町まで完成している市外ケーブル線を、さらに輪島市まで延長することによって、完全なる利用と需要を満たすことができるのであります。以上が請願の趣旨であります。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 政府の所見を求めます。

早稻田柳右エ門日本民主党郵政政務次官

○早稻田政府委員 ただいまの請願は御紹介いただきました森本さんのほかに、益谷秀次氏紹介の全く同一のものが出ておりますが、市外通話のサービス改善とその安定をはかるため、ケーブル化を必要とする区間が多数ありますが、年々の電気通信施設の拡張改良の予算が、御承知のように十分でないために、緊急を要する数区間しか実施し得ない実情であります。お申し出のありました中島—輪島間の市外電話回線のケーブル化につきましては、現在関係区間の市外通話のサービスが比較的良好でもあり、早急に実施することは困難でありますが、今後拡張改良資金の確保に努め、市外通話の需要の増加状況もにらみ合せまして、できる限り御趣旨に沿うように努力をいたしたいと存じます。

松前重義日本社会党(右)

○松前委員長 請願は大体これで終りましたが、請願の採否の決定につきましては次会において行うことといたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十九分散会

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