逓信委員会 第26号
- 発言数
- 19 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/07/08
会議録
○松前委員長 これより会議を開きます。 郵政事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。片島港君。
○片島委員 私はまだ新聞で発表した範囲においてしか実はよくわからなかったのでありますが、例のお年玉つき郵便はがきの問題について、漏れ聞くところによりますと、すでに設置法に基く郵政審議会においてこの問題が取り上げられ、大臣の見解もすでにまた発表せられておるのであります。御承知のようにお年玉つき郵便はがきはもうすでに数年にわたって、二十億以上の巨額な寄付金が集まったわけでありますが、一般国民大衆がお年玉はがきを買うときは、このプラス一円というものがお年玉の方に振り向けられるのではないとか、あるいは郵政省の方で適当に処分をしておるのではないかという、きわめて大ざっぱな考えを持っております。ところがお年玉は別に四円の範囲内において作られておって、あとのプラス一円の方は全然寄付だということになっておるのは、あまりよく徹底はしておらぬのではないか。そしてこれを利用する人々は、何億といって発行せられるのに、数億円というものが全く半強制的に、しかも国の機関を通じて吸い上げを受けておる。国の一つの機関である郵政省から吸い上げられたものは、当然国民の疑惑を持たれないような方向に使用せられるのが適当であろうと思うのであります。私は郵政当局が今日までこの問題について触れておられなかったのが、郵政審議会においてこれが重要な議題としてかけられるに至ったいきさつにつきまして、大臣からまずお伺いしたいと思います。
○松田国務大臣 お年玉はがきが売り出されてから今日まですでに六年、その間二十一億三千万円という巨額な資金をこれによって得て参っておるのであります。この金は今お話しにありましたように、中にはお年玉のことを考えて、一円は社会事業に寄付するものであるという深い認識を持たない者もあるかと思いますが、はがきの表面にはちゃんとそのことは記載してありますので、大多数の者はよくその趣旨を了承して、そして協力してきて下さっておるものと深く信ずる次第であります。従ってそうした自発的行為をもってお年玉つきはがき発売に対して協力して、そうした莫大な寄付金を一般大衆から得ている。その資金は表面にうたってありますように、あげて正しく社会事業方面へ使ってもらうということでなければならぬということはもちろんのことでございます。 ところで郵政当局といたしましては、初めからそうした国民の慈悲心に基く金の結集でございますので、毎年はがきによって集められた莫大な金は何らかの形に残るものに——われわれの寄付した金によってできたのであるというふうに受け取ってもらいたいという希望を持って、当初からこの金はなるべく経常費というようなものに用いないで、施設の方に用いてもらうようにということを幾たびか伝えて参った次第でありまして、昨年度はいろいろ社会事業方面の大家や各方面の人々の御協議の結果、結核のアフター・ケアのサナトリウムみたいなものをこしらえるということになりまして、その金が一部その方面に用いられているわけでございます。ところが全体としてこれを考えてみますと、その集められた金が末端にいくときには、どうも途中で中間団体などが私するというわけではない——むろんないでしょうけれども、いろいろの費用によけいにかかり過ぎ、末端にいくときにはあまりにも少額になっている場合がしばしばある。そうしてまた報告も中央で発表される報告、また地方の共同募金の委員会から受ける報告、または各施設の方から受ける報告等にまちまちな点がございまして、必ずしも一致しておらぬ。こういうような点も明瞭になってきましたので、こういうことではまことに困る。郵政省はそうした莫大な金を集めてその金によって目に見える、こういうものはこの金によってできたのだというならけっこうなのでありますけれども、そのうちの大部分は経常費になってしまったり、あるいは中間でいろいろ会議費その他に相当消えたりするようなことは、これではならぬ、もう少し何とか適当な配分の方式はないものかというようなところから、これを郵政審議会にはかって、ただいまのところではせっかく研究いたしておりまして、この十一日におそらく最後の答申案が出てくるのではないかと考えている次第でございまして、その上で最後の決定ができるものと考えている次第でございます。
○片島委員 私は今大臣がおっしゃった目に見える仕事ができぬとか、小さいところに目に見えないように使われるのじゃないかということは、大して問題じゃない。小さくてもそれが有効に使われて、その配分について国民一般の納得のできるような配分がしてあるということになれば、問題はないのではないか。ただ配分の仕方において、中間におけるいろいろな経常費と言われるが、中間において不明になる、よくわからないような結果が出てくるのじゃないか、そこが心配じゃないか。私は若干調べてみましたところが、そういう点が非常に多々出てきている。特に郵政当局に報告をせられている金額、あるいは共同募金会が公表している金額というものに、非常に不符合ができてきている。中央で発表するものと地方で発表するものと非常に不符合があるということは、数億円も半強制的に供出した国民に対して相済まぬ次第である。当然あなたの方で引き受けて、これだけの金を募金せられるならば、それから先はどうなったかわからぬというのではなくて、自分の方で集めた以上は、その行く先についてあなたの方で自信を持っておられることが必要ではないかと私は思う。その点について大臣はどうお考えになるか。
○松田国務大臣 仰せの通りこの金が正しく使われるということに対しては、われわれの方でも責任を痛感する次第でございます。
○片島委員 郵政大臣としては金を集めることだけは集めるけれども、それから先は法的にはあなたの方は実は、何もする権限がない、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、そういたしますと、社会福祉法第七十八条の二によりまして、国は配分に関与することができないということになっておりますけれども、おそらく国というのは、こういう募金会を監督する厚生省ではないか。郵政当局は単に金集めの作業をやるところだから、当然共同募金会の一メンバーとして、それらの調整、配分等に参加をしてもいいのじゃないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○松田国務大臣 私どもの方の今日までの考え方といたしましては、国民の自発的な慈悲心に基く義金である。そうした金でありますから、そうした心からなる義金は、ほんとうに困った人人にそのまま渡っていく。そして悩める人々の救済になるということができれば満足なのでございまして、郵政省自体として必ずしもその配分に一部乗って、とやこう指導するというようなことまで従来は考えておらなかったのであります。しかるに今おっしゃいますようにこの金は、各団体からの報告あるいは末端からの報告などにまちまちな点があるということで、もう一つ明朗を欠くという点がございますので、これを是正していくことがまずわれわれの責任じゃないか、このまま置いたのでは、今まで国民に非常に協力してもらったこのお年玉のはがきを発売するということも、末芳ばしくないように思いますので、何とかよい方法をもって配分して、それが正しく完全に目的とされた対象とする人々に渡るようにいたしたいものであるというのが、われわれの念願であります。
○片島委員 この法律は昭和二十四年でありますからまだ占領中でありますか、そういうときにできた法律でありますが、郵政大臣が毎年責任をもって寄付を仰いで、二十一億円もの醵金をすでに納められている。この徴収した寄付金をあなたの方は、それから先は法的におれたちは何も知らぬということでは、一般国民に対して相済まぬ話じゃないか。そういうことになりますれば、法的にはそうであり、また厚生当局は厚生当局としてこの金の配分については何らの権限も持たない、国は干渉してはならないということになって、そうなりますならば、二十億円以上のものが実はどう使われようと、だれもこれに対して監査し、監督することができない。これをどういうふうにしていくかということは、厚生省としては法律でそうきまっているからどうにもできないが、しかし集めるあなたの方としては当法考えていかねばならぬ。もしそういう醵金を集められるのならば、あなたの方は責任をもって国民大衆に対して、このいただいた金はこういうように使いましたという、年次報告でもやれるような方式に持っていかなければならぬ。それが模糊としてどこに使われておろうとおれたちは知らぬのだ、また法律上知らぬでも済むのだということでは、郵政大臣としては責任が済まない。もしそういう金であるならば、この際ぱったりとやめてしまって、そういう不明朗なわからないものは、また別にこれを考慮するとか、あるいはプラス一円の使い方については別に法律の提案を研究するとか、あるいはこういう不明朗なわからぬものであるならば、私たちはせっかくやっても国民に対して言いわけが立たぬからやめるとか、何らかの措置がなければならぬものだというように私は考える。私は一番最初あの新聞に出たときに、郵政当局がなわ張り争いから、この数億円の年々の金を自分たちのいいように使いたいというような新聞発表があったので、これはけしからぬことを郵政当局は考えるものだ、せっかく社会福祉事業に使うべき金を、郵政官僚の独善的な考え方によって、自分が目に見えさえすればそれでよろしいというような考え方から、こういう案を発案するのだというような話だとすればけしからぬ話だと、新聞で驚いていろいろ調べてみると、そうではなくして行く先が不明だ、はっきりしないということが根本だ。そういうことになるならば、当然集められるあなた方としては別途対策を講じて、あるいは法的な研究を進めて、これが対策を請じなければならぬ。私はあなたの方で今まで検討せられたものについて、あなたの方の事務当局にもお願いに行きましたけれども、なかなか資料を貸してくれない。そこで私は裏からいろいろ手を回して、自分で研究してみましたところが、非常にけしからぬ話である。私はこういうことは一般国民大衆に発表して、そうして今後郵政当局としてどういうように行くべきかということは、国民の世論に待つべき問題ではないかというくらいに考えるものでありますから、きょう特別に大臣の出席をお願いして質問したわけであります。いかが今後処置せられようとするか、大臣の所見を伺いたい。
○松田国務大臣 郵政省としてはこれまでは集めた金を中央共同募金委員会に渡して参った。そうして赤十字社に渡して参った。ほんとうのわれわれの気持を申し上げれば、こうした金は全く空から降る慈雨のごとく、旱天の慈雨のごとく、憂うる者ひとしく潤していく、そして与える者も与えられる者も、ともは祝福されるという結果になってもらいたい、こういうことを希望しているのでありまして、従ってその金の配分について、自分の方で差し出がましいことをやるというようなことは、今日まで全く差し控えて参ったのであります。しかるに今お話のようにこの金の行方について、いま一そうにこれを明瞭にしていく必要を痛感いたしますがゆえに、何とか方法はあるまいかと寄り寄り考えて、今郵政審議会に諮問いたしておるような次第であります。むろん社会福祉事業を対象としてこの金は使われてきておるのでございますから、それを監督いたします厚生省が、むろんこれに従来監督をやってきたものと私どもは思うわけであります。
○片島委員 法律によりましても、実は厚生省としてはこの金の配分などについては干渉してはならないということになっておりますので、実際は事業監査程度であります。もちろんこの金の寄付を取るというのは、お年玉つきばかりでなく、ほかにもいろいろあるのであります。しかしながらその大宗を占めるお年玉つきには、大臣は郵政審議会の結論を待つと言われるが、国会は国権の最高機関であります。もし国民の世論を問うとするならば、よろしく国会にも持ち出して、国会の審議にまかせるというくらいのところまで持っていってもらいたい。予算を修正する場合にも、われわれは三億か五億の予算修正をするのに、国会において非常に困難をきわめておるのは御承知の通りである。ところがいつの間にか、知らず知らずのうちに、お年玉つきを買うだけで数億円という寄付金を払わされておる。あれを買う以上はどうしてもあれを出さざるを得ない。国民の方は、今大臣はおっしゃいましたけれども、実はそういうところまでは気づかないであれはやっておる。これは当然一般のはがきは五円だから、年賀はがきも五円である、あとの一円はいろいろなところに寄付があるだろうくらいの軽い考えしか持たないが、しかし数億円という金額になりますと、これはきわめて膨大であります。それを郵政審議会には諮問される。もちろんこれは法令に基くものではありますが、しかし大臣としては国会に一つ世論を問う、国民の声を聞くという意味において、法的な措置を講ずるということでなければ、われわれはただ漏れ聞いたところを国民にかわって糾弾するだけでありまして、どうにもいたし方がない。もし大臣がそういうふうにやられるということであれば、われわれもさらに奥深くこの問題は入っていきまして、国民の一般の疑惑を解いていきたいと思うのであります。この問題について法的に何らかの措置を講じようという考えがあるかどうか、この点をお伺いしたい。
○松田国務大臣 これを国会の問題にして、国会の審議にかけるということでございますけれども、大体共同募金委員会の性質、その起った沿革から申しまして、こうした金はほんとうをいえばきわめて明瞭にさえなれば、私はそうした団体によって扱われることがむしろよろしいのではないかというふうに考えております。
○片島委員 明瞭になればいいのですが、今までの六年間の実績から見て、それが明瞭になっておらない。昭和二十八年、二十九年というきわめて最近の資料によって見ましても、非常に不明朗きわまるものです。今から数年前にこれができた当時はどうか、そういうところまでは探索をいたさなくとも、二十八年、二十九年というときにおいてすでに非常な不明朗な点が出ておった。しかも法的に見ます場合は、いかに不明朗であろうと、使途不明のものがあり、配分についていろいろ疑惑がありましょうとも、現在の法律によってはそれを是正すべき手段がない。だから私は申し上げるのは、数億という巨額の吸い上げた金というものは、今後、今からでもおそくはないが、これが国民の前に明らかになるような方法をやるためには、法的にこれを解決しなければ方法がない。そういう法的な改正を考えられてはおらぬかどうか。ただあなたが口の先で、これはまあ公正に行われさえすればそれでいいのだというだけでは、実際は問題の解決しないような段階にきておると私は思う。その点をお聞きしたい。
○松田国務大臣 ただいまのところでは、別に法律的にこれの配分をやるような考えは持っておりません。
○片島委員 法律的に配分をやらなくても、その配分あるいは使途があなたの方から明確に一般大衆に公表できるようなことにするためには、ただ報告を求めるといったところで、報告をしなければならぬ義務も何もありません。報告はしません。せぬでもよい。そういうことであれば、これは一番末端に至るまで、こういうふうに使われましたということをあなたの方で公表できるような手続を踏むためには、ただあなたの口だけでなく、法的にやらなければできないのであるが、そういうことをやろうというお考えはないかどうか。もしそうであるならば、これらの問題についてはわかっておる範囲において、すべての資料を刷りものにして公表をいたしまして、いかにこれらが不明朗な使途不明な処理がされておるかということを、天下に公表しようと私は考えておる。
○松田国務大臣 この金の報告については、新聞を通じて中央共同募金委員会から一般に公告されておるはずであります。報道されておるはずであります。
○片島委員 それはわかっております。おりますが、中央共同募金委員会は地方の共同募金委員会に対して何らの指図、指令、あるいはいろいろなことを言う権限もないし、その報告は全くうのみにせざるを得ないような今の手続になっておる。あなたの方は吸い上げた責任者として報告を求められておりますし、その報告くらいは来ておるところがあっても、公表されたものとは違う。数字が違っておる。また東京都の方に報告しておる、すなわち地方募金委員会が都道府県に対して報告しておるのと、また中央募金委員会が報告しておるのとまた違っておる。こういうように三者三様の間違った報告をしておるということになれば、国民が疑惑の目をもって見るのは当然である。これを間違いないようにするためには、何らか法的な手続を設けなければ、それはどうしてもできない。そういう場合に大臣としては、やはりこれはそのまま放置しておかれようとするのかどうか。これは何とか法的な手続を講じて、それが国民の前に明らかにされるようにして、国民一般に疑惑を持たれないような方向にやっていきたいという考えがあるのか、この点を私はお聞きしておるのです。
○松田国務大臣 お話のように、そうした不明朗な点が今日は出て参っておりますので、われわれは責任を痛感して、何とかこれを手続上、あなたのおっしゃいますように、十分に一般に了解してもらえるような明白な方法をとって、そうして国民に疑惑を持たれないようにやっていかなければならぬと考えておる。そのために今審議会を通じて、その方法を検討いたしておるような次第であります。
○片島委員 それでは本会議で採決があるそうでありますから、私は本日はこの程度で質問は留保いたしておきたいと思います。ただ大臣に申し上げておきたいのは、郵政審議会にかけておるからというようなことではなく、他力的に、審議会にまかせるということではなく、大臣自身がこういうふうにやらなければならぬという根本的な考え方がなくして審議会に諮るというのでは、これはもう全く意味のないものである。大臣が諮問せられる場合には、こういうふうに持っていくべきだという一つの方向をはっきりと明示せられて、あるいはそういう方向を腹の中に持っておってかけるということでなければならぬのでありますから、私はその点審議会にただかけておって、結論を持つというようなことではなくして、結論が出る前でも、大臣がどういう考えを持っておられるかということを突き詰めてお伺いしたいのでありますが、本日は本会議の関係上これにて留保いたしまして、後日に質疑を続行いたしたいと思います。
○松前委員長 本会議の都合もございますので、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。 午後三時四十分散会