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22回国会衆議院1955/11/07

地方行政委員協議会 第3号

発言数
194
登壇者
15
会派数
3
開催日
1955/11/07

会議録

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) これより地方行政委員協議会を開きます。  皆さんの御推薦によりまして私が座長を務めることにいたしたいと思います。自治庁の後藤財政部長が見えておりますので、午前は地方財政問題についての説明を願うことにいたしたいと思います。後藤財政部長。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 お手元に配付してあります資料につきまして簡単に御説明を申し上げます。  最初に二十九年度の決算の資料がございます。それから便宜御説明申し上げます。昭和二十九年度決算見込額調、これで申し上げます。一番先に府県、特別区、五大市、市、町村の区分をしてございます。一番下の方には合計赤字団体というのがございます。下から五行目でございます。赤字団体の数は二千二百八十一団体で、実質赤字額は、一番右の欄にあります六百四十八億八千万円が赤字の額であります。八十八年度の赤字の額は四百六十二億二千四百万円でございましたので、百八十六億だけ多くなっております。団体数は二千二百八十一でありますが、二十八年度は千四百八十七であります。団体数と申しますのは、二十八年と九年とで必ずしも基礎は同じではございません。二十八年の中途から町村合併が行われて参りましたので、基礎になる数字はだいぶん違っております。大まかに申しまして、二十八年度の際は八千四、五百の団体であったと考えております。それから二十九年度は約五千団体であります。このうちで一番目の府県の赤字団体は三十四でありまして、昨年は府県の赤字団体は三十九であります。府県の赤字は一番右の欄でありますが、二百六十四億の赤字の総額になっております。そのうち繰り上げ充用が二百四十七億、それから繰り上げ充用を行わなかった団体の赤字が十七億、黒字団体の黒字額が十七億、差引しますと二百四十九億でありますが、赤字団体だけをとりますと二百六十四億になる。これは昨年よりも三十九億ばかりふえております。団体数は逆に五つだけ減っております。  それから特別区、これは東京の特別区でありますが、四千二百万円の赤字がございます。これは昨年よりも三千二百万円ばかりふえております。  それから五大市は昨年と同じであります。四つで実質赤字額は昨年よりも十九億ばかりふえておりまして、六十六億になっております。  次に市でありますが、市は昨年は二百三十一の市が赤字でありましたが、ことしは三百六十になっております。これは四百八十一の団体のうちの三百六十が赤字、こういう意味であります。これは新しい市がふえて参りましたので、市町村の赤字が市の方に上って参ったのでございます。赤字の総額が二百十五億、昨年よりも六十九億ばかりふえております。  次の町村は、赤字団体数は千八百八十でありまして、昨年は千四百四十九、団体数で昨年よりは四百三十ばかりふえております。赤字額が五十八億ばかり昨年よりふえております。赤字の総額は百二億くらいになっております。われわれが予想しておりましたよりも町村の赤字がふえておりまして、その理由は、前に申し上げましたように、町村で隠れておった赤字が表に出て参りましたものが相当ございます。それから合併の持ち込みの赤字も多少ございます。そういう意味で町村の赤字がわれわれの予想いたしましたもの以上にふえておるのであります。  全体として見まして、府県、五大市の従来の赤字団体の赤字の総額というものを見ますると、非常に各地方とも財政規模の圧縮をはかり、節約をいたして参りまして、そう赤字の額は二十七年から八年の関係のようには伸びていない。しかし全体的に赤字の現象が普遍化して来ているということが言え、るかと思います。  府県ごとの決算は、別紙にございますが、この表で、二十八年度の一番右の単年度の収支額と、二十八年と九年との差額の収支額というものとが必ずしも一致しておりません。これは団体によって、単年度の収支額というものと、累計した収支額というものとが、差額が必ずしも合っていないのでありまして、これは各団体によって赤字になったり黒字額がふえたり、いろいろしておる関係でこういうことになっております。  次に、お手元に「地方財政に関する中間報告」という財政懇談会の資料がございます。大蔵省に設けられております財政懇談会におきましては、国、地方を通ずる国全体の財政にりきましてのいろいろ話し合いがされておるのでありまして、そのうちで、地方財政に関する問題につきましては、一応地方財政全体の国家財政との関連におきまして中間報告がされたのであります。それを基礎にしてさらに小委員会を作られまして、そこで四、五人の方々が中心になって、さらにこまかい地方財政に関する中間報告案ができ上って、懇談会の総会の承認を得られたのであります。これが大体承認を得られたものであります。この会に私どもも出ておりまして、いろいろ地方財政の話を申し上げたのであります。考え方といたしましては、地方財政の財政規模を圧縮するという場合に、地方財政だけで問題は片づかない。従って中央、地方を通じて財政規模を圧縮できるような環境を作らなければならないという議論が漸次強くなって参りまして、その中間報告の書き方もやはりそういうふうな書き方になっております。内容につきましては、いろいろわれわれとしても意見のあるところがあります。しかし考え方としては、まず国において先に措置すべきことをきめて、その上に立って地方財政の財政規模の圧縮をはかるべきであるという議論が強くされたのであります。そういう書き方になっておりまして、中間報告案の前文もやはりそういう意味であります。「第一国において措置すべき事項」と書いてありますが、国において地方財政の規模の圧縮をはかるためには、次のようなことをしたらいいだろう、こういう結論であります。この中でわれわれの方から申しまして問題の点が二、三ございますが、大体考え方としては私どもは別に異論はないのであります。ただ一の「地方行政制度の改革」、これはいいのでありますが、次の「地方税財政制度の改革」につきまして、私どもちょっと変った考え方を持っておるのであります。  第二に「地方団体において措置すべき事項」というのが出ております。まず国でやることを先にきめて、それから地方団体の措置すべき事項として、まず地方歳出の圧縮、その方法につきましていろいろ述べておられますが、この中で給与費の関係につきまして注目すべきところの報告があります。給与は今実態調査をやっておりますが、実態調査の結果、割高な給与の団体については、当分の間、現水準において給与を停止させる。その間に給与の引き下げをさせるか、あるいは給与を引き下げ、その引き下げた部分について、標準超過課税等によって得た財源によって調整手当を支給するか、いずれかの措置を講ずべきである、こういうことになっております。この点が非常に強く財政調査の結果の意見も出ておりますので、御参考までに申し上げたのであります。  その次に四ぺ−ジの第二の財政運営の改善のところに一、二とありまして、国においても地方税制度に一そう弾力性を持たせるため、現行の標準税率及び制限税率に再検討を加えること。この意味がよくわからぬのでありますが、標準税率制度及び制限税率制度というものを税制の上で考え直す必要があるという意味のようであります。その下に財源偏在の是正措置とあわせて独立税の充実をはかる、さらに交付税の税率を検討する必要がある、こういうふうに言っております。この辺にもやはりわれわれとは多少異なった見解が出ております。  それから第三の本年度の地方財政の処理につきましては、交付税率の引き上げは絶対にいけないという説がほとんど支配的でありました。しかし一部には、交付税率の引き上げはいけないかもしれないが、応急的な措置は何らかの方法で考慮する必要があるのではないかという意見が途中から強く出て参りまして、応急的な措置は講ずる必要があるというふうに最後の総会のときに改まっております。つまり交付税率の引き上げは恒久的な制度に連なるからいけないが、しかし応急的な措置は何らかの方法で講ずる必要があるという結論になっております。ただその場合に、さらに経費の節減、収入の確保等健全な財政運営に努力することを条件として国が措置する、こういう条件がついておるのでありまして、この条件と応急的な措置というものを、どういうふうにうまくマッチさせるのか、どういうふうにこのところは考えたらいいかという点につきまして、われわれもいろいろ聞いておるのでありますけれども、はっきりしたお答えがないのであります。一時融資でごまかすことを考えておるのか、それともほんとうの財源措置を恒久的に考えておるのか、この辺が不明確であります。初めは非常に強い地方財政の圧縮、経費の節減一本やりでありましたが、中間報告案を見ますと、全体としてはやはり地方財政の財政規模の圧縮、経費の節減のために国もともどもにやらなければならないというのが強く出ておる点は、私どもは注目すべき見解であろう、かように考えておるのであります。個々の点につきましてはいろいろ私どもの意見がございます。  それから財政懇談会はさらに引き続いて他の問題の懇談を現在されておりますが、地方財政の問題は一応これで中間報告は終りではないか、かように考えております。  それから地方制度調査会の方は、御案内の通り、これは本年度の三十年及び三十一年度の措置すべき事項につきまして、諮問を基礎にいたしましていろいろ討議がなされておりますが、三十年度につきましては、御手元にございますような地方財政措置に関する答申がなされたのであります。三十年度の問題につきましては、なぜかような赤字が累積していることになったかという原因につきまして、第一項につきましては、二十八年の十月十六日の答申案の財源付与が十分に行われていない、三百億の財源付与すら行われていない、そこに問題があるのだということを第一項で述べておられます。従って地方財政再建促進特別措置法の実効を確保するためにも、今年度においてやはり応急約な措置を講ずる必要があるというのが第一項の趣旨であります。  第二項は、しからば財源不足額はいくばくであるかという点につきましては、いろいろ異論があったようでありますが、少くとも不足額のありますところの項目としては、国税三税の減税に伴う地方交付税の減収、奄美群島特別交付税制度の廃止による地方交付税の減収、警察費是正額の平年度化に伴う増加額、公債費の増加領並びに恩給費及び国庫補助職員の旅費物件費の是正による額、警察職員の資格基準表の改訂等に伴う増加経費、その他給与費のうち過少算定分等、こういう経費につきまして財源措置を弊する点がある。しかし今申しました経費の中につきましては、国の側とわれわれの方の地方財政側とに数字の点でいろいろ問題がありますので、給与費を除いて一応二百億程度の財源措置をする必要があるということになっております。この経費の内訳につきましては、お手元にあります財源不足額及び増減に関する参考資料に私どもの提出いたしました数字は載っております。それからその不足財源をいかなる方法によって措置するかという方法の問題につきましてはいろいろの方法が考えられまするが、三十一年度に行わるべき根本的な制度の改正を前にしていること及び現在すでに年度の半ばを経過していること、それから地方団体の健全財政堅持の意欲をそこなわないように財源を付与しなければならないという点等から考えまして、三十年度に限って地方交付税の交付税率を修正して右の財源不足に相当する額だけ引き上げることが至当である、こういうふうに答申されております。ただし相当額の一部はたばこ消費税の税率の引き上げにより措置することができるというふうになっております。これは三団体側、特に市町村側から、交付税だけでは困る、こういう主張が強くされましたので、ここにこういう妥協的なただし善きがついたわけであります。  それから第四の項目は再建債の問題でありますが、先ほど申しましたように、二十九年度の決算が出て参りまして六百四十八億の赤字額になりましたので、それに伴いまして現在予定しております二百億の再建債では足りない、従って所要額を再検討しこれを相当大幅に増額する必要があるという答申になっております。  それから第五は、これは特に最後に小委員会で入ったのでありますが、地方団体の中には、赤字の責任を国の措置に帰して、その財政運営の態度を改めないものがあるので、それに対して積極的に赤字解消の努力をすべきであるという地方団体に対する勧告をこの中に入れておられるようであります。この答申を基礎にいたしまして、自治庁におきましては交付税の税率引き上げに関する予算要求を現在いたしております。われわれの方で計算いたしまして、二百三十八億の財源を要する、率にいたしますと三・八一%だけ引き上げを要するという計算をいたしております。  それから再建債につきましては、百億くらい本年度さらに追加を要する、かように思いますので、その要求を現在いたしております。まだ事務的な書類を出しておりまして、今週に入って事務的な折衝をいたしたいと考えております。  以上お手元の資料を中心にして簡単に申し上げた次第であります。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) これで説明は終ったのですが、質問の通告があります。石村英雄君。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 ちょっとお尋ねいたします。交付税の問題ですが、地方交付税を地方財政の方に対して引き上げるというようないろいろ意見もあるようですが、引き上げる、引き上げないは別としまして、現在非常に窮乏しておる地方団体に交付税がいかないところがあるわけです。いかないから富裕団体だということになったのですが、実質は富裕団体でないにもかかわらず交付税がさっぱり出てこない。例をあげて申し上げますと、山口市とか佐賀市なんかは出ておらないのです。自治庁当局の方は山口市や佐賀市の現状を御存じかと思いますが、山口市なんかはもう四十年も前から岡本一平が行って漫画を書いたときに言ったのですが、あるのはふろ屋の煙突だけだ。現在に至ってもふろ屋の煙突以外に工場がないという状態です。これが現在交付税がおりていないのです。こういうところは、交付税を出す基準の問題があるのだと思いますが、事実上は非常に窮乏しておる、何ら富裕団体でないにもかかわらず交付税がいかないということについて、自治庁として検討されたことがあるかどうか、お尋ねしたいのであります。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 交付税のいく団体といかない団体、交付団体と不交付団体とがありますが、不交付団体であるから財政的にいいということは私ども申し上げたことはありません。不交付団体であるかどうかということはやはり一定の行政の水準を保つために必要な財政需要を見て、反対にまたそれに見合うとこんの歳入を見てその差額があるかないか、つまり債務の方がオーバーしておればそれは交付団体だ、こういうふうに考えております。従って不交付団体の中にも窮乏しておるところもありますし、楽なところもあります。それから交付団体の中でもやはり同じようなことが害えると思います。従って現在困っておるかどうかということから、すぐそういう団体に交付税をやるということはできないと思います。交付税をやるにしましても全体の行政の水準を上げるような財政需要を見ていかなければならない。つまり山口市に交付税をやるためには全市町村に対して交付税の財政需要を伸ばしていかなければならない、こういう問題になってくるわけであります。従って現在の交付税の総額から見まして、そういう財政需要をある程度伸ばしていく余裕があるかどうか、こういう問題になってくるわけであります。交付税の総額がまだそこまでいっておりませんので、財政需要は私どもはまだ十分に伸ばしてないということでありまして、困っている事実はよく知っておりますけれども、それを交付税で解決するためにはやはりある程度交付税の総額を多く持たなければならない、それから行政水準を高く見ていかなければならない、こういう問題に触れて参るのであります。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 財政需要額の問題があると思うのですが、同時に財政基準収入額との関係があるわけです。その見方はあの交付税の法律によって出ておると思うのですが、その見方に問題があるのじゃないかということをお聞きしたいのです。現実にそういう市はそろばんをはじくと不交付団体になってくるけれども、そのそろばんのはじき方に無理があるのじゃないかということをお尋ねしておるのです。山口市の例なんかは自治庁の当局者自体が、また大蔵省の出先の方もいらっしゃるのですが、そういう方が実に不思議だ、こんな市に交付税が下らない、不交付団体だということは合点がいかぬということを役人自体が不思議がっておる。われわれも不思議なんです。その不思議だ、不思議だで済まされたのでは地方団体はどうにもならない。基準財政需要額とかあるいは収入額とかの算定の仕方が実情にそぐわない点があるのだ。その結果そういうことが起るのだ。ただ交付税の財源全体を大きくしなければそういうところはやれないという問題ではなくて、収入額と需要額との算定の仕方に矛盾がありはしないかということをお尋ねしておるわけであります。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 財政需要額の見方に問題があるといえばあるのであります。これはつまり人口十万の都市を基準にして財政需要額を考えております。その人口十万の都市というのは地域もあまり大きくない地域であります。従って山口市と比較いたしますと地域の問題がまずあります。それからそういうところは出張所みたいなものが置いてない。いろいろ人口十万の標準都市と考えておりますものと山口市自体の財政規模といいますか、行政機構というものが違っておることから起ってくる財政需要額の差というものがあると思います。従って交付税の中に地域的な水準を多く入れていけば、山口市というようなところは助かるのではないかと思うのでありますが、しかし交付税の現在の段階ではそういうことをしますと、山口市は助かりますけれども、実際の全体の財政需要と都市の財政需要のあり方、それから具体的な計数に出てきましたものとは違ってくるのであります。極端なことを申しますと、地域中心に考えていけばやはり山を非常にたくさん持っているところにたくさんいく、土地の広いところにたくさんいくという結果になって参ります。それだからといって人口だけを中心にすればやはり狭いところの行政費が非常に出てくる。その中間のととろを現在取っているのであります。従って現在の財政需要の見方というものを変えていけばいいのでありますが、変えていっていろいろな試算をしてみますと、われわれが考えないような非常な不自然な格好になってくるので、その財政需要の見方をなかなか変えるわけにいかないという結論になるのであります。非常に激変を与えることになって参ります。  従ってわれわれとしてはそういう山口市のようなところは、特別な財政需要があるのであるから、特別財政需要を軒別交付税でもって見ていくという考え方に落ちつかざるを得ない。ところが特別交付税を算定いたします場合に、赤字の多い団体と少い団体をどちらを優先するかという問題が出てきます。そうすると赤字のある団体よりは赤字のない団体の方を優先して財政需要を見ていくということになるから、その点ではやはり財政需要が十分もらえないという結果になっていくのであります。  それからもう一つは赤字があるがゆえに、赤字の額が相当多いからそれに伴っていろいろな経費も要ることでありまして、財政需要はやはり実質的にはふくれていくというような問題も出て参ります。そういうことで交付税が必ずしも多くいかないという結論になるのでありまして、もちろんわれわれは交付税の基準になるところの財政需要額を都市につきましてはもっと上げていきたい、かように考えております。上げていけばいくほど先ほど申し上げましたように、財源不足額と交付税の額とが合わなくなって参りますので、どうしても調整をする必要があるということになって参りまして、全体的な問題になりますので、なかなか手がつかないというのが実情であります。交付税の額が、ある段階まで参りますれば、私はもう少し財政需要の見方を直していってもいいのではないかと思いますが、今直しますと非常に激変を与えるから、そういうところは特別交付税でもってある程度かげんしていこう、こういう建前にしておるのであります。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 こういう山口市の例ですが、佐賀市も山口市と似たような例だと思うのです。佐賀市の実体は存じませんが、こういう傾向は町村合併を盛んにおやりになって、非常に合併が進んだのです。そうしてただいまのお話を聞きますと人口よりも地域の問題がある、地域についての事情を考えなければならぬ、十分考えられていないということになるのですが、町村合併がこのように進捗しますと、合併したがさしあたりは減らさないということになっておりますから、交付税はくるでしょうが、数カ年後には交付税のもらえない合併町村が全国的に非常にふえてきやしないか。政府とすれば交付税が少くて済むかもしれませんが、地方の町村は合併はしたがどうにもならなくなったということで、山口市の二の舞が全国至るところの地方町村に出てくるのではないかということを予想するのですが、そういうことになりはしませんか。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 私どもはすぐそこにいくようには思いません。合併町村で財政需要がそう低くなるようなことにはしたくない。やはり市町村が自治の基盤でありますから、そこの財政需要は十分に見ていきたい、かように考えておりますので、合併したからといって、財政需要が減って交付税がいかなくなる団体がふえてくるというようなことにはならないと私はかように考えております。

川村継義日本社会党

○川村継義君 関連して。今の財政部長のお話ですが、石村委員から出ました佐賀市の問題は、私が聞いたところでは、周囲の町村を集めて地域的に大きくなったら、今までもらっておった交付税額より非常に少くしておるということを聞いたのであります。それと同じような例を、私たちの地区でも、町村合併をしたために、今までの三カ町村か四方町村かを合計してもらっておったものよりも交付税額を少くしてきた、こういうことがよく耳に入るのです。その実態を数字をあげてはっきりとはまだつかまえておりませんけれども、佐賀市の問題もそういうことを聞いております。そのほかの町村でもこれはよく聞くわけでありますが、合併促進法の十五条には、そういうことが起らないように何か書いてあったと思うのでありますが、その辺のところ、もう少し詳しく自治庁の見解を的確にお示し願いたいと思います。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 合併する以前と以後とを比較される場合に、昨年もらった交付税の額と本年の額とを単純に比較される団体が多いのであります。昨年と本年とでは、交付税の財政需要の見方が多少変っておりますし、それから歳入の方も変っておるのであります。その歳入の方と歳出の方、つまり財政需要の方との関係でもってこれは出てくるのでありまして、昨年の額を基準にされて多いとか少いとかいう議論がありますから、私どもはそれは議論にならぬという説明をいたしております。本年度の状態において、合併しなかった場合にもらうべき交付税額の計と合併した場合の本年度の財政需要の計とを比較して、多いとか少いとか言われるのであれば、これは理屈に合うのでありますが、昨年の違う条件のもとにおける二つの要素を比較されるのは、これは比較にならないのじゃないか、本年度分けた計算でもって損をされることにはなっていない、こういう説明をいたしておるのであります。府県にはそういうことはありませんが、市町村におきましては、交付税のことについてこまかく御存じない方が多いのでありまして、昨年の額と本年度の額とは常に同じである、交付税の額が伸びれば伸びただけやはり本年度はふえるべきである、こういうふうに単純にお考えになる方が多いので、さような誤解もあることを私は承知いたしております。本年度も合併しなかった状態におきましてそれぞれの村において財政需要と歳入とを計算して、もらうべき額と、本年度の合併後のやっとを比較してもらいたい、そこで非常に損があれば、これはわれわれの計算が間違っておるということが言えるのであります。その計算をすればそう間違っていないという結論が私は出るのじゃないかと思います。佐賀市の場合もやはり前年の合併以前の状態に一応ことしを返してみて、そうして計算をされれば私はそう損にはなっていない、かように考えております。

川村継義日本社会党

○川村継義君 今の説明で一応自治庁の考えはわかるのですが、今私たちの県では、町村合併を相当無理をしてやっておるところもあるのです。ところが地方の町村あたりは割合単純に考えておりますから、合併をすればかくかくの利点が生まれてくるということに希望をつないでやっておるわけでありますが、合併しても、どうも一年たっても二年たっても一向財政的に援助もないようだというようなことなどをよく漏らしておりますが、今日まで合併いたしました町村に対して促進法等の趣旨に基いて特別に財政的措置をしたというような点はどういう点であったのか、お話しいただきたいと思います。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 合併をいたしました町村に対しましては、合併をいたしました団体の財政需要を補填するために必要な額を三年間漸滅するわけであります。三年間にわたって特別交付税で見ているわけで、これが一点であります。ことしはまだその額はわかりません。それからもう一つは、起債の面でもって合併町村の財政需要を起債に求める場合に、それを普通の合併しない町村にも優先をして認めている。この二つの点を財政的には考えております。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 財政部長の御説明は、大へん抽象的というか、形式的な御説明のように受け取るのです。さっき地方交付税というものは人口中心に考えられているということでしたが、地域に対してあまり重点が置かれていない結果、合併して区域は非常に広くなり、それに伴うて財政需要額は合併したからといって必ずしもその通りに減るわけではないのですが、交付税の算定からいうと、当然減るものとして計算されるということから、地方とすれば、法規の建前からは減るのが当然かもしれませんが、実際からいって減って非常に困るということが起るのだと思います。山口市なんかの例も、やはり区域は非常に広く人口は幾らもない地域だけは非常に広いということから、それに伴う需要額は必ずしも減っていないということから、こういう問題が起ってくると思う。さっき交付税について人口中心に考えられているということでしたが、地方団体については、区域についてもう少し重点を置くべきではないか。このままでいけば、都市の人口の集中しているところは財政的にますます恵まれていくが、人口の稀薄なところはどうにもやれない。結局いろいろだ施設をするにしても、することができない。いなかはいつまでもいなかのままで、発展ということは財政的に不可能になってくるということも考えられるわけですが、交付税というものを考える場合に、いなかを発展させるためにお金をたくさんやる、道も作れ、橋も作れという、そういう方面に重点を置くべきではないかと思いますが、いかがですか。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 人口を中心にするか、地域を中心にするか、これはどちらも私は理屈があると思っております。一時交付税の当初においては、土地をある程度強く見たことがあるのであります。そうしますと広大な地域だけに非常にたくさんいくという結果になるから、都市の財政需要を現在十分に見ておりますれば、おっしゃるようなことを考えてもいいのでありますが、都市の財政需要も十分に見てない現在の段階におきましては、やはり人口を中心に考えた考え方の方がいいのではないか。地域を広く見れば、むしろ都市の方が非常に困ってくるのではないか、かように考えて現在の方式をとっておるわけであります。しかしこれは交付税の財政需要の見方の問題が一つあります。内容的に投資的事業は十分見ておりません。従って投資的事業を十分に見る段階までくれば、もう少しバランスを合せるような考え方ができるかと思いますが、現在の段階ではそこまでいっていない。従って地域に重点を置くよりも、まず人口を中心に考えた方が、やはり現在の状況にはマッチするのではないか、かように考えて現在の方式をとって一おるのであります。しかし地域を中心にもう少し多く見てくれという要望もございます。これは特に山村地域の広大な農業府県等につきましてありますけれども、都市的な財政需要を十分に見た上の段階であればおっしゃる通りでありますが、それも十分に見てない段階におきましては、なかなかむずかしい問題で、私どもも割り切って土地中心の考え方をもう少し強く出していくということまで、どうもはっきりできない状況にあるのであります。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 関連して。町村合併の問題が出ましたからお伺いしておきますが、実はこの前の協議会にも、私の方から町村合併と財政的な影響といいますか、これについての資料をお願いしておったわけなんです。町村合併の結果きようの資料によっても赤字市町村がふえておる。これが町村合併の結果として出てきておる、そういうふうなことから考えましても、私は町村合併の成果いかんということについての総合的な資料が必要だと考えまして、この前にもまず第一に新町村建設計画の総体の数字並びにその達成の今までの成績、それから町村合併後において赤字に移行した団体の実態、それから合併後に税が上った市町村があるはずでありますが、その増税の状況等についての資料をお願いして、自治庁としては出すというお約束をしたわけなんですが、これがいまだに出ておらない。これはこの前の国会の際にもお願いしまして、出すというお話だったのですが、出してこない。私どもは、町村合併の結果いろいろまずい事態が起っておりますので、ぜひともこういう資料を早く出していただきたい。これをお願いしますと同時に、町村合併の結果今財政部長から御説明があったように、赤字がふえておる、その他いろいろまずいことがある、こういう実績になっておりますので、川島長官にお伺いしたいのですが、町村合併の今までの成績というものにかんがみまして、これを再検討してみる、そういう気持があるかどうか、これをお伺いしたい。  それからもう一つは、きょうの協議会は地方財政の問題でありますが、閣僚懇談会があったようでありますので、その模様について一つお示しを願いたい。以上お伺いします。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 合併に伴う財政的な問題につきましては、実は調査をいたしておりまして、現在十件ばかり集まっておりますが、なかなか資料が集まらないのでまとめることができないで弱っておるのであります。できるだけ早くまとめて御趣意に沿いたいと考えております。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 町村合併は御承知の通り目標の約八〇%が完成いたしたのでありますが、町村合併をしました市町村が財政的に見まして、必ずしも健全なあり方をしていないことは北山君のお話の通りであります。私どもといたしましては、でき上った町村を財政的に健全合理化することば絶対に必要だ、こう考えております。この点につきましては、衆議院におきましても参議院におきましても、しばしば御意見があるところでございまして、できるならば次の国会に合併市町村の育成に関する法律案を出したい、こう考えまして、今準備をいたしておるわけであります。既設の市町村を再検討して再配分するという点は今考えておりません。  それから今日、地方財政に関する閣僚懇談会を開きましたが、この懇談会には、私から問題点といたしまして、給与に関するもの、地方の行政等に関する問題、補助金、負担金に関する問題、地方債の処理並びに今後のつけ方に関する問題、財源的措置に関する問題、こういう五点に対しましていろいろな項目をあげまして説明をいたしまして、次の閣議の終了後に再び関係閣僚懇談会を開きまして、それまでに各省がそれぞれ考えをまとめて持ってくる、こういうことにいたしまして、散会いたしたわけであります。一応お話申し上げておきます。

鈴木直人自由党

○鈴木直人君 ちょっと関連して。私もただいまの問題についてお聞きしようと思っておったのですが、今御答弁がありましたから、それに関連してお聞きしたいのです。  今の閣僚懇談会で問題となっておるのは、どうも恒久的な考え方を基礎として検討いたしておるように感じたのであります。それは、たとえば先般、地方制度調査会において答申をされた昭和三十年度の地方財政に対する措置というものと並行して、それが検討されておるものかどうか。この三十年度の地方財政に対する措置に関して、地方制度調査会の答申には、そのように広範なことがないのでありますが、本日の午前の閣議はそれに関連しておるものであるかどうか。先ほどの財政部長のお話によると、この答申に基いて大蔵省に予算の要求をいたしておるということでありますが、それと関連をして検討をするものであるかどうか。そうでないとするならば、この三十年度の地方財政に対する措置に関しては、どんなふうに内部において進行いたしておるのか、その点も関連してお聞きしておきたいと思います。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 三十一年度以降におきまして地方財政を健全合理化する問題と、すでに年度の半ばで現在の機構の範囲内において地方財政を操作する問題とは、おのずから違うのでありまして、今日関係閣僚で討議したのは三十一年度以後の恒久的問題であります。三十年度の措置につきましては、先般、地方制度調査会から御答申になりました趣意を尊重して、ただいま財政当局の大蔵省と私と折衝いたしております。自治庁長官の立場としては、もちろん地方制度調査会の御趣意に従って交渉を進めているわけであります。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 川島長官にお尋ねするのですが、さっきからの問題で地方交付税の交付基準について相当の問題があるということはおわかりになったと思います。それで交付基準について再検討せられる御意思があるかどうか。現在のままで行けば今日人口の都市集中ということが問題になっておるのですが、交付税は結局この都市集中を助長しているとも言、えると思うのですが、こうした面からも、また地方財政の窮乏の中からも再検討の余地があるのではないか、こう私は考えるのですが、長官は再検討なさる御意思があるかどうか確かめておきたい。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 現在の配付基準につきましては、いろいろ御議論があるのでありますが、過去数年間の経験、実績を見まして、現在のような措置をいたしておるわけであります。先ほど来お話の主点を人口に置くか、土地に置くかという問題にりきましても、いろいろ従来経験した結果、今のようなやり方をやっておるわけであります。今再検討するかどうかということにつきましては、私ここではっきりしたお話は申し上げられないのですが、三十年度におきまして地方制度調査会なり、また当委員会等におきましてぜひ交付税を上げろ、こういう御議論になっている根拠は、赤字に非常に苦しんでおる府県、市町村ではなくて、従来健全財政をやっておった市町村さえ赤字になろうとしつつあるのであるからして、それに対してこの際相当な援助をすべきものじゃないかという点から出発しておるのでありまして、私どももその通り考えております。世間でいわゆる事業をやり過ぎた、放漫財政というところの救済ではなくて、むしろ健全な、合理的な運営をしておった地方団体が赤字になろうとしておる、それを何とかして救おうというのが趣意でありまして、ただいまの御質問と同じような考え方でもって問題にぶつかっておるわけでありまするから、その点は一つ御了承願っておきます。

石村英雄日本社会党

○石村英雄君 重ねて特にお願いしておくのですが、今山口市の例を申し上げましたが、当初申しましたように、自治庁の当局者自体が、実に不思議なことだ、こう言っていらっしゃるような問題なんだ。それを不思議だ、不思議だで済まされては困るわけなのです。ぜひとも十分検討を加えていただきたいと思います。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 山中君。

山中貞則自由党

○山中貞則君 大臣にお伺いいたしますが、先ほど北山君の御質問に答えまして大臣は、地方財政懇談会の初会議で経過を説明されたわけでありまするが、それを聞きますると、地方財政処理のために当面各関係閣僚が知ってもらわなければならない資料の説明程度じゃなかったかと私は思うのですが、そうすると、これまで私どもが新聞で拝見しております範囲で言うならば、大臣はたびたび閣議でそういう報告はやっておったように思います。たとえば四日の閣議におきましても、同様の説明が各閣僚に対してすでになされておるように私考えるわけですが、その結果、設けられました財政閣僚懇談会に、その程度の長官の御努力で果して打開が期待できるかどうかについて、私どもは非常に心配いたしておるものでありまして、現に二日でしたか、一萬田さんと大臣が直接お会いになったという新聞記事等を拝見いたしましても、どうも大蔵省側がいわゆる解決のためには積極的である、いわゆる自治庁に対して説得を続け、あるいは失敬千万な話ですが、自由党に対しても内々説得工作を行なっておるが、なかなか応じない——それは当然のことでありますが、そういうような解説等がなされておるところから見ますると、どうもこの問題の処理についてはイニシアチブはすでに大蔵省に握られてしまっておるのじゃないかと考えるのですが、一体これから閣僚懇談会をずっと持ち続けられて、近づいて参ります臨時国会の最も大きな山ともいうべきこの問題の責任担当長官であるあなたは、どのような具体的決意でこれを乗り切っていこうとされるのか、お知らせを願いたいと思う。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 問題は二つに分けて考えております。先ほど御質問にお答えしたのですが、三十年度の問題をどう処理するか。もう一つは、三十一年度以降における地方財政の健全、合理化をどう処理するかということ、この二つに考えてやっておるわけでありまして、今日閣僚懇談会で私が説明したのは、主として三十一年度以降の恒久的の案を検討したわけであります。せんだっての閣議では、現在の地方の財政事情というものを十分説明をいたしまして、現状の認識を各閣僚に与えたのでありまして、今日ではさらにそれが一歩進んで、解決すべき問題点をいろいろ説明をいたしまして、それに対する各省の協力を求めよう、こういう考えで開かれた懇談会であります。地方財政の問題を私どもが処理するのに、一番困難なのは、自治庁並びに大蔵省限りでは問題が解決をいたしません。関係の深い文部省、建設省、厚生省、労働省、農林省等の協力を得なければできないのでありまして、労働省一つ考えましても、失業対策の問題について今日では普通失業対策と特別失対事業と二つに分れております。その予算の配分の仕方も特別失対事業は一応労働省でとりまして、これを主管各官庁に配分するのですが、ここにも問題がありますし、また資材の見方によってもいろいろな検討すべき問題があります。きわめて簡単な労働省についてもそうであります。数百の補助金を持っておりますところの農林省、厚生省等なかなか複雑な問題があるわけでありまして、それにつきまして私から今日は問題点を多数にあげまして、その意見を検討して次の金曜日の閣議のあとでもって、再び関係閣僚の懇談会を開いて結論を出そう、関係閣僚懇談会でなければ、さらにそれを政務次官会議に移しまして、事務当局は除いて政治問題としてこの解決を期そう、こういう態度をきめているわけであります。  それから三十年度の問題につきましては、先般来大蔵大臣としばしば協議を重ねております。私どもといたしましては当委員会の御意思なり、また地方制度調査会の御意思なりを尊重して交付税率を引き上げていこうという考えで、事務当局にも文書を突きつけて事務当局同士が交渉いたしますし、また私どももその交渉を期待しているのですが、一体三十年度でもって幾ら財政的に余裕があるか、言いかえれば自然増収がどのくらい出るかという点を、一応大蔵当局に検討させまして、そのできる範囲内において交付税率の引き上げをしなければならぬ、こういうことになるのであります。かりに自然増収等が少くて、交付税率の引き上げが財政的に困難だということになりますれば、違った方法において交付税の引き上げと同じような効果のある方法において、別の財政的措置が必要である、こういう考え方から、この点においても一応大蔵大臣とは話を重ねておるわけでありまして、まだ結論には到達いたしておりませんが、今御心配のようにイニシアチブを大蔵大臣にとられるということはございません。私どもは皆さんの御意思に従って、国会の意思を尊重してやっておるのでありますから、この点は御安心を願っておきます。

山中貞則自由党

○山中貞則君 ところが安心できないのです。今あなたの答弁の中に、私が次にどうしても聞かなければならぬと思っておったことを自分から言っていただいて、非常に正直な大臣だと思ったのですが、あなたとしては、交付税の引き上げをもって、正しい基本的な主張として折衝をいたしている、そこまではよろしい。ところがこれにかわるべき実際上の方法があるならば、われわれとしても考えなければならないというような話でありましたが、その後段が非常に私たちとしては危ないと考えるので、この問題はもう各位の御承知の通り、いずれ通過を見ることになるであろうと思います。地方財政再建促進法の裏づけとなるべき一応本年度の地方財政の緊急なる赤字処理でありますから、これは当然われわれ交付税で行うのが、ただ一つの方法だと考えているのであって、それにかわる大蔵省の主張たる短期融資云々、あるいは元利について政府が云々というような、そういういわゆるただことしを切り抜けるというような、便宜的な方法は、私どもはそれにかわり得る方法だと実は考えていないのであります。そこで大臣の後段の問題についてはおまかせ願いたいとおっしゃるが、実はおまかせいたしかねる。大蔵省があなた方に対して、第一、財政の財源不足額の見積りが過大じゃないか、あるいはまたこういうことを要求してきたら、結局補正予算を組まなければ再建できないというような理由をもってけちをつけておりますのは、結局交付税率の引き上げということに対して、大蔵省側は応ずる意思がないということをはっきり示しているものであります。私どもは、大臣がやはり最初申されましたような交付税率の引き上げという自治庁の基本的な態度を貫く、その一本しか大臣にはおまかせする方法はないと思います。もしその他の方法で安易に妥協しようとされるならば、われわれは、次の臨時国会においては当然、今までわが党が主張いたしておりました態度、あるいは与党を除きます他の各党の諸君とも話し合いをいたしまして、大臣の最初の考えである交付税率引き上げの方法を実現せしめなければならぬ、こういうような態度をすでに表面明らかにしておるわけでありますから、これは、大臣が大蔵大臣との間に政治的な折衝によって結論を求められただけで解決をする問題ではないと私どもは考えております。そこで、今おっしゃいましたそれにかわるべき方法というものは、私がただいま申し上げた程度のものであるかどうかについて、また場合によってはそれでいいというようなことを言われたのですが、どういうわけで交付税率引き上げにかわり得る方法であるということを納得されるのか、そういう点について御説明を賜わりたい。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 私ども、むろん繰り返して申し上げるように、当委員会の御意思並びに地方制度調査会の答申の趣旨を尊重いたしまして、それに基いて交付税一本で今交渉いたしておるのであります。しかし事は財源に関する問題でありまして、財源の見方が、私ども研究いたしまして私どもが財源ができるという確信がつけばそれ一本でむろん進みますけれども、今日大蔵大臣がわれわれに説明したところによると、自然増収はそうふえぬ、約七十億以上はふえない、一方たばこの売り上げが非常に減ってきまして、国家財政は三十年度においても相当困難だから、とうてい新しい予算措置はできないのだ、こういう説明をいたしておるわけであります。そこで、大蔵大臣はしからば地方財政に対してどういう措置をとるつもりか、こう言いますと、今大蔵大臣が考えておることは、赤字が多くて資金繰りに苦しんで、公務員の給与の遅配、欠配等のあるようなところに対しては、金融措置をしてやろうという程度しか今考えておらぬわけでありまして、これは、地方財政を受け持つ私どもとしてはとうてい承諾できないのでありまして、それは一蹴してあります。ただ万一本年度の財源がなくて、交付税率の引き上げができない場合にどうしたらいいかという第二段の策としては、一応交付税と同額の起債を地方団体に許して、それは後年度において元利とも国において補償するということにいたしますれば、とりあえず三十年度は切り抜けることができるのではないか、こういう考えもあるので、一応その線を打ち出しておるのでありまするけれども、私どもは、それはあくまでも次善策でありまして、交付税引き上げでぜひいきたい、こういうふうに考えて、今折衝しておるわけであります。ただ万一財源のない場合には、やむを得ずそういう措置をとる事態に至るかもしれぬということを申し上げている程度でありまして、私は、それを初めから承認して大蔵大臣と交渉しておるのではありませんから、山中さんあたりの御鞭撻を願いまして、あなた方の力も借りて、ぜひこの問題を押し切りたい、こう考えております。

山中貞則自由党

○山中貞則君 御努力は認めたいと思いますが、しかし今おっしゃったような次善の策というものも、私どもが現在了承しておる範囲ではなかなか次善ではないと思う。たとえば短期融資をする場合であっても、総額はきめずにおいて、地方団体のうち歳出削減に努力する団体と認めたものをねらい撃ちに融資をしてやろう、これなんか非常にけしからぬ考えですが、あるいは自治庁側の主張に、ある程度妥協して長期債に切りかえる場合、利子補給程度は考えてやろうというような、いわば国の財政というもののみを念頭に置かれておりまして、地方財政の赤字の処理という一貫した方策についての考え方からは、私は方途がはずれておると考えますので、これは次善の策になり得ないと考えます。やはり基本は地方財政再建促進法に置かるべきであり、従ってまた、今年はもう年度を半ば過ぎたわけでありますから、その促進法における過去の整理というものと、現在生じつつある赤字というものを一応抑えて、来年度からはどういうふうな地方財政の方針を、赤字を出さない健全な財政方針として国が認めていくかという一貫した方針でなければならぬと考えますから、やはり私どもは交付税の、しかも最低自治庁の積算せられました数字並びに引き上げの三・八一%ですか、そういうことをあくまで貫くことが地方財政の方針を貫くことになると考えます。従って私どもははっきり申し上げておきますけれども、次の臨時国会におきましては当然、私どもがさきの国会から具体的に態度を表明いたしております交付税率の具体的な引き上げを行う用意が、私どもは国会として地方財政法の一部改正を行う用意があることを念頭に置いて御折衝願いたいと思います。  そこで政務次官にお伺いいたしますが、この閣僚懇談会の推進役と申しますか、幹事役に政務次官会議が持たれたということであります。政務次官とは事務次官と異なりまして、政治的に事務を処理し、行政を円滑ならしめる役目でございますから、練達の士、永田次官がおられるわけでありまして、私どもは非常に安心でありますが、さて幹事役というものは得てしていかなる場合においても、自分たちの一段階上の人々の会合のお世話をいたし、場合によっては宴会場の世話をするくらいが幹事役と、ともすれば考えられがちでありますが、しかしわざわざ閣僚懇談会を設けられて、その推進役、幹事役に政務次官会議を充てられるときめられるからには、よほど政務次官会議において独自の解決をすべきねらいを持って発足したものと考えられますが、政務次官はどういう考え方でもってその政務次官会議の中心的な、指導的な存在として仕事をされんとするか、お示しいただけますればはなはだけっこうだと考えます。

永田亮一自由民主党自治政務次官

○自治政務次官永田亮一君 この問題は非常に重大な問題でありまして、私ども自治庁といたしましても相当の決心を持って当らなければ解決をしないと考えるのであります。もちろん大臣が各関係閣僚と十分に御折衝をしていただきますので、自治庁といたしましてはその点大臣に一任をいたしておるのでございますが、さらに大臣の補佐という意味もありますし、また新しく政務次官は政務次官同士でこの問題を解決しようという話をいたしまして、大蔵政務次官その他、いつも政務次官会議で親しくしております者が一同に会しまして、腹を打ち明けて地方財政の窮状を私から訴えて、特に政務次官の協力を得て、大臣とともに協力して政治的に解決をしたい、こういうように考えておる次第であります。

山中貞則自由党

○山中貞則君 どうも話を聞くとたよりないような感じがするのでありますが、場合によっては政務次官会議で大臣あたりをたな上げにして、その結論をあなた方の与党の民主党と打ち合せて、諸般の国会内の政治情勢はすでに明らかなのであって、帰結点は見えておるわけでありますから、そういう点に対して無駄なことをする必要はないじゃないかと、大臣に忠告するくらいの強力な会議を持たれるように忠告を申し上げておきます。  第二にいま一つ、別のことですが、お尋ね申し上げたい。直接大臣の責任でありませんが、地方自治体におきまして中央の考え方等を反映し、あるいはまた自主的な努力として行政機構の改革、具体的にいうならば縮小等をやっているようでありますが、この点において今日まで間々問題になったことは、中央官庁のセクショナリズムによりまして、地方自治体の機構改革について直擬間接の圧力を加える、こういうことをたびたびわれわれは見聞いたして参ったのであります。つい先般も根本官房長官の郷里の県である部を廃止しようとしたところが、関係本省の責任者の一人がそれに対して、今後補助金等はやらぬぞ、それでもいいかというようなことをやった。こういう記事が出ておりまして、きのうでありますか、新聞の箱書き欄を見ますると、これは多分根本長官が、自分の選挙区だから、ついそういうありもしないことをしゃべったんだろうというような、茶化したような記事が載っておりましたが、これは実はとんでもない話であるんです。私も鹿児島県において知っておる。県が行政機構改革をしよう、そうして国のかねがねの御指示通りに一つなるべく部課というものを圧縮しようじゃないかという方針で原案を作った。ところが、さて県議会やあるいは関係の職員の長等に対しまして、直接間接に目に余る、いわゆる補助金はもうやらないとか、あるいは新規事業は一切認めないぞとかいう行為が行われて、そのために県議会において可決をするときには、原案に帰っておじゃんになってしまったという具体的な例がある。だから今回の場合も、私は決してそういう人ごとじゃないと考えるのでありまして、これから先、中央が地方行政に対して努力を続けていく上に当っては、当然地方において、そういう努力に応ずるところの態度を示しておるものに対して、中央が逆にこれにブレーキをかけるようなことがあってはならないと私思うんですが、当然長官は閣議においても、こういう問題を取り上げられておると思います。取り上げられなくとも、こういうことはあってはならないということを考えておられると思いますから、この問題について、これまでの長官の考えて参られました行動と、さらに今後地方側について、本省がそういうことをなくするためどういうことを考えておられるか、お答えを願いたい。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 補助金制度につきましては、いろいろな弊害が伴っているのであります。何と申しましても、二千七百億という巨額のものを地方に配付しておるのであります。実は終戦前までは、中央官庁におきまして、地方団体に対する強力な監督権を法的に持っておりましたから、相当中央の意向が地方に反映し得たのでありますが、現在の機構におきましては、自治庁長官すら助言、勧告権しか持っておりません。監督権は全然ありません。まして他の事業官庁の大臣というものは、地方には全く法律的には何らの権限もない。そこでやむを得ず金の面でこれを押えようということでもって、補助金を握って、それで監督をしておるというのが現在の実況であります。これは一面において確かに弊害が伴います。そういう考え方を一掃して、補助金として、ほんとうに目的を達するような配分の仕方をいたしたい。補助金を使って、これで監督するような考え方は一掃したい。こういうようなことを私は閣僚にも強く主張しておるわけであります。今山中さんからのお話の機構改革の際に、厚生省、農林省等におきまして、いろいろな難くせをつけるという事実は幾らもあります。これについても、今日もお話が出ましたし、前にもそのことは話をして反省を促しておるわけであります。それでこそ関係閣僚の懇談会を持つようになったわけであります。お話の趣旨は十分尊重いたしまして、従来も考えておる事柄でありますから、弊害のないように、また地方の意思が実現できるように努力をいたします。

山中貞則自由党

○山中貞則君 これはそういうふうに考えておることは当然だと思いますが、しかし現実にあとを絶たないわけですから、地方から見ると、補助金について難くせをつけられる。あるいは補助金という具体的なことでなくても、おれたちの出先機関たる、下部組織たる何々部を廃止するならば、君の県については今後考えがあるぞというようなことを言われれば、ふるえ上っちゃって、原案作成どころか、たちまち消えてしまうというようなことは明瞭な事実です。そういうようなことを長官の方でもやっておるんでしょうから、私も信頼をしておまかせいたしますが、もし将来もそういうことがあるならば、私どもは国会において、そういうことを当然取り上げまして、行政監察委員会等において、その関係責任者というものが、果してどのような気持で国政にあずかっておるかについてただすかもしれない、そこまでわれわれとしては決心を持っておりますから、長官は一そうその問題について留意せられまして、各閣僚においても、自分の所管の部課において、そのようなことがなされないように、厳重なる処置をされるように努力を賜わりたい。以上であります。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 交付税率の引き上げの問題でありますが、長官は非常に強い態度で大蔵省に臨んでおると思う。また二百三十八億の要求も正式に出しておるということで、大へんけっこうだと思うんです。しかし大蔵省としては、財源がない、こっちの方は出せというし、向うは財源がないといった場合に、押し問答になってしまって、別の方法ということになるような危険がある。そこで立ち入ってお伺いしたいんですが、自治庁としては、二百三十八億の要求をされた場合に、その財源はここにあるんじゃないか、こういう方法で出せるんじゃないかというような、財源を出す方法まで用意をして、交渉をなさっておるかどうか、その財源を出す方法としては、どういうものを考えておるか、立ち入った話でございますが、それを一つお示しを願いたい。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 私どもが考えているのは、繰越金を使えるかどうかということと、自然増収が幾らあるか、一応大蔵大臣の説明を聞いただけでありまして、試案する材料は集まっておりませんから、それに対する私どもの態度もきめまして、本格的の交渉をするつもりでおります。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 今までの交渉の結果として、今の繰越金及び自然増、これが大体どのくらいになるという説明になっておりますか。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 自然増は約七十億。しかし一方たばこの売り上げの減少があるのでもって、総計としては大した期待ができないというのが、今日の説明であります。繰越金の方につきましては、これを使うことについて、いろいろ法律の手続も要ります。まだはっきりした大蔵省の態度は聞いておりません。しかしそういう財源を持っておることは、はっきりわかっていますから、それも充て得るのじゃないかということを私ども考えております。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 たとえばこういう方法はお考えになっていませんか。今の交付税の特別会計は、たしか何十億かの金を一時借り入れることができるという規定がある。その借り入れのワクを臨時的にふやして、そして政府資金をその中へ借り入れる。そうして交付税の配分の方法によって配付するというような方法もあるわけなんです。資金運用部の資金にしても、これはないないと言うかもしれませんが、これについても、手持ちの国債が六百億以上、金融債も千何百億あるというはずなんですから、これを売り出せば、原資というものは資金運用部においても出てくる。こういう資金を交付税の特別会計に借り入れて、そうして交付税率の引き上げによってこれを配付するというような方法もあると思うんですが、そういう方法については、自治庁はお考えになっておりませんか。

後藤博自治庁財政部長

○自治庁財政部長後藤博君 交付税会計では、一時借り入れの規定はありますが、年度をまたいでの借り入れという規定はないので、法律改正を要するのであります。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 財源さえあれば、そういう厄介なことをしなくとも、税率の改正でいいんですから、すぐに持っていきたいと思っております。私どももこれから強く主張するつもりでおります。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 鈴木直人君。

鈴木直人自由党

○鈴木直人君 私が質回しようとしたのは、他の委員から強く希望をつけて質問をされておりますから、私から申し上げる必要はないんですが、先ほどからのいろいろ長官の答弁を聞いていますと、三十年度に対するところの地方財政に対する措置が、財源不足というような大蔵当局の考え方から非常に望み薄のようなふうに感じられる答弁であるわけであります。ことに財政懇談会の題目となっておるのは、三十年度でなくして、三十一年度以降の根本的な対策が考究されておるようですが、どうも感じば三十年度のやつはたな上げして、三十一年度の方に閣議として主力を注いで、その方面にウェートをどんどん、どんどん置いていって、速急に要するところの三十年度の地方財政に対する措置は、ずいぶん軽く取り扱われておるというふうに感ずるのであります。先ほど財政部長から聞きましても、予算を書類として大蔵省に提出いたしただけであって、まだ事務的な折衝は開始していないというようなことであります。しかしながら順序からいいますれば、やはり三十年度に対するものに主力を注いで、大臣もあるいは関係閣僚の協力も得ていくのが本筋ではないか。それがただ書類を送付した点だけで、事務的折衝もまだ行われていない、大臣としては大蔵大臣とただ口頭等において二、三話しただけであるというようなことでありまして、どうも本末転倒しているように感ずるのであります。臨時国会等も近く開かれるような段階になっておりますし、しかも臨時国会は地方財政問題を解決するということが主眼の国会であるにもかかわらず、今のような進行状態ではおそらくこれば政府としての対策がほとんど行われずして、責任がまた国会にくるというようなことになるのではないかというふうにも感じられるのであります。そういう点からいたしまして、この地方財政に対する閣議の懇談会もまず三十年度の問題に主力を注いでそれを解決をして、その以後に進行する方が筋として正しいのではないか、それが本筋ではないかというふうに感ずるのでありますが、その点ばいかがでありましょうか。三十一年度以降の問題に主力を注ぐことによってお茶をにごして、三十年度のものはいいかげんになってしまうということはないかどうか、その点を一応お聞きいたしておきたいと思います。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 鈴木さんの御質問のような考えは全く持っておりません。ウエートを三十一年度以降に置いて、三十年度がうやむやになるのじゃないかというようなことは全くないのでありまして、三十年度の財源措置につきましては、すでに国会の意思もはっきりわかっておるのでありまするから、この点におきましては半ば解決している問題でありまして、ただこれをどういうふうに実現しようかということだけが残されております。三十一年度以降につきましてはまだ関係方面から確定の意見が出ておりませんから、これについては相当閣議でも練っておりますが、三十年度の方はすでに国会で決定しておるのでありますから、ただこの形をどうしてやろうかというだけでありまして、これはうやむやにするようなことは絶対にございません。このようなことは御安心願いたい。私どもやります。ただやりますが、財源のない場合にどうするかということに多少の心配があるわけでありまして、ここが大蔵当局と根本的に食い違っておる点であります。むろん私どもとしては交付税率の引き上げ一本でもって今日は折衝しておるわけであります。三十年度の財政的処置はこれをたな上げして、三十一年度以降の処置をするつもりかということに対しては、絶対にそういうことのないことだけは御了解願っておきます。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党

○中井徳次郎君 ちょっと先ほど北山君の御質問の答弁で、私聞き漏らしたのでお尋ねをいたしたいのですが、七十億の自然増収というのは二十九年度の決算の見込みでありますか、それとも三十年度の見込みでありますか、その点をちょっと伺っておきたい。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 三十年度の自然増収の見込みであります。

中井徳次郎日本社会党

○中井徳次郎君 過去四、五年の間、日本の国家財政は毎年大体五百億ばかり自然増収があったと思うのです。それを今年だけ七十億であるというこの見通しについて、もう少し事務的な大蔵省の見解その他をお伝えいただきたいということと、特におそらくそれは三十年度の上半期といいますか、四月から二、三カ月の状況であろうと思うのでありますが、日本の経済はこの七月ごろから世界経済の好況の影響を非常に受けまして、輸出もどんどん伸びまするし、この十月の全国のおもな大会社の決算なども非常な好況に転じているというような見込みであります。このことに目をおおい、耳をふさいで、今年の自然増収は七十億であるというようなことは、私どもは常識的に考えてとうてい納得できません。なるほどたばこの売り上げの減ったようなことはわかりますが、特に今年は予算編成の際に一兆億に押えるために収入の面も相当圧縮しているのではないかとさえ考えられる。しかしこれは同時に地方財政の面におきましても、たとえば事業税の面において例年よりも多少この下半期は収入がふえるのではないかとも考えられます。その辺のにらみも必要ではありましょうが、どうも七十億というのはそういう点から参りまして、われわれは納得できないのでありますが、今どういう折衝の模様でありまするか、その点ちょっとお話を願いたいと思います。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 七十億は大蔵大臣の話を一応聞き置いた程度でありまして、今後さらに折衝する場合には、自治庁独自の見解でもって、自然増収等の資料を集めまして折衝するつもりでおります。これが多い少いということについてはまだ何とも言っておらぬのであります。今お話のようなこともあるかと思いまして、私どもは私どもの見るところを一つ計算をいたしまして、大蔵省と折衝をいたしたい、こう考えております。

中井徳次郎日本社会党

○中井徳次郎君 私は今のお話でまだ折衝は序の口ではあろうかと思いますが、そういうことではいけないと思います。七十億なんということはちょっと考えられません。もっと多いと思うのですが、現実に七十億ということになれば、今年の税収入は一体どういうことになりますか、多少の減税はやりましたけれども、あれはいわゆる率の減税でありまして、そんなものは通り越してうんと伸びるのではないかと考えております。もっとそういう点を自治庁方面で具体的に合理的に調べていただきたい。これを強く要望いたしておきます。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 私もそういうつもりでお伺いしたのですが、要するに交付税率を引き上げるということはなかなかむずかしい問題です。その際やはり自治庁としては単なる要求だけではなしに、人のところの台所まで探すのはどうかと思うけれども、しかしこの際はいろいろな方法を自治庁としても検討をして、こういう手段、方法を用いればできるのではないかという態度、やり方でもって折衝していただきたい、こういうことでございます。  それから先ほどお伺いした中に町村合併に対する助成についての立法措置を考えておるということでありますが、どういう内容のものであるか、今お考えになっているのは大体どんな構想であるのか、その構想をお伺いしたい。なお財政的な助成が主であろうと思いますが、ただ心配されるのは、その財政的な助成に伴って、将来における町村合併に対する強制的な措置を考えておるのではないかというような点も実は心配しておりますので、もしもきまっておられるならば、大体の構想をお伺いしたいと思います。

川島正次郎自治庁長官

○自治庁長官川島正次郎君 町村合併育成につきましては、言うまでもなく合併した市町村の財政を健全化するにはどうしたらよいかという点を基礎にして、今研究をいたしております。私は事務的に言いつけただけでありまして、研究した結果は検討しておりませんから、次の機会に研究して構想をお話ししたいと思います。  それから大蔵大臣との交渉は、なるほど序の口でありますけれども、これは大きな政治問題でありまして、すでに臨時国会が地方財政のために開かれるという一つの事実を見ても、これは政治として大きな問題でありまして、解決するときにはこれは一挙に解決できる問題であります。私は決して早いおそいでないと思います。これは解決の時期がおのずからくればそのときには一挙に押し切る、こういうつもりでやっておるわけでございます。これはもう十五日ころになれば直ちに解決するという見通しがありますから御安心願っておきます。

中井徳次郎日本社会党

○中井徳次郎君 川島さんのお気持はよくわかるのですが、私先ほどから申し上げておりますことは、問題を政治的に持っていくことはもちろんそうでございます。そうしてうんと進めておられると思いますが、先ほど伺ったような事務的な話し合いのもとで、たったことし七十億の自然増収だ、ああそうかというようなことではやはりいけない。むしろ自治庁の当局の皆さんの非常な努力を私は期待したいと思いまして申し上げたのでありますから、政治的なそういう特に保守合同を目の前に控えての川島さんの御活躍をとやかく申し上げたわけではございません。どうぞその点は誤解のないように……。私どもがもっと声を大にして言いたいことは、やはり科学的、合理的なことでこの問題は解決しないと、たとえば非常に赤字である、しかし一方でぜいたくをしておるじゃないか、そのぜいたくが一億で赤字が百億というような問題をごちゃごちゃにして、この問題を何十回討論しましても私は結論が出ない、かように思いますので先ほどちょっと申し上げたわけであります。

北山愛郎日本社会党

○北山愛郎君 時間がだいぶおそくなりましたから、私は問題は二、三ありますが、次にいたします。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) それでは午前の協議会はこのくらいにしておきまして、午後に実は大蔵大臣が出席することに話があったのですが、何かアメリカの商務省の局長とぜひ会わなければならぬそうです。理財局長であるならばいつでも待機しておりますからということですが、なお折衝はしております。  それから午後に警察庁関係の大臣が見えられますから、それに質問を続行したいと思います。  それでは二時から開くことにして休憩します。    午後一時三分休憩      ————◇—————    午後二時三十五分開会

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 休憩前に引き続いて協議会を開きます。  警察問題について質疑の通告がありますので、順次発言を願うことにいたします。坂本君。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 大高根、砂川と、いろいろと軍事基地に対する警察権の関与について問題がございますが、一昨日の砂川の警察権の行使について、これを中心にしてお聞きしたいと思います。従ってこれは他の軍事基地の問題についても関係があると思いますから、主として一昨日の問題についてお聞きしたいと思います。  第一に、五日の日に警察官が、新聞ではあるいは二千名といわれておりますが、これを出動させましたのはいかなる根拠に基き、またいかなる理由に基いて出動させましたか。もちろん警察庁の方では警視庁と連絡はとってやられたことと思いますから、まずこの点をお伺いしたいと思います。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 一昨日砂川の基地問題につきまして警視庁警察官が出動した点のお尋ねでありますが、二千名出動せしめたというお話でございましたが、私の聞いておるところでは約千三百名というふうに報告を受けております。当日警察官が出動いたしました法的根拠ということでございますが、警察官職務執行法に基きまして出動せしめたことと思っております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 あれは一般の犯罪行為と異なりまして、軍事基地の測量に関する問題だと思うのですが、これに対して警察官職務執行法で出動されたと思いますが、どの根拠に基いて、警察、官が出動すべきどういう理由があったか、その点をお伺いしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 基地の反対運動に対しまして、この際私ども警察の基本的態度と申しますか、これを御参考までに申し上げたいと思います。われわれは基地をめぐる地元民の熾烈なる反対の態度をお取りになることは十分にわかるのであります 先祖伝来の土地を取り上げられるということに対しまして熾烈なる反対の気持を持たれ、それに基き反対の運動が展開されるということは、個人的には全くごもっともという同情の念を持っておるのであります。従いましてその反対運動が合法のワク内において行われる限りにおいては、警察はこれに何ら干渉しない、介入しない、こういう態度を堅持して参っておるのでございます。今後もまたそうであるのであります。しかしながら一たび合法のワクを逸脱するにおきましては、警察の職責上これを放任するあけには参らない。これが私ども警察のとっておる基本的態度であります。それでは十一月五日に警察官を出動せしめたのはどういう意図、目的によるかということになるわけでありますが、今月の一日から四日に至る間、調達庁の測量班が測量すべく出まして、地元の方々といろいろ話し合いをされた。この話し合いをされまして円満に納得の上で測量が行われるということは、これは私どもも最も希望するところであります。従いまして一日から四日に至る間は調達庁側としましても、できるだけ話し合いを進めて円満に納得を得て測量をしたいという態度をとられたので、われわれ警察側といたしましてはその間は警察官の出動をさせなかったのであります。五日に至りまして、過去の状況にかんがみまして、測量隊といたしましては今までのような話し合いを続けておったのでは、とうてい目的を達することができない、どうしても強硬に測量を実施するということになれば、当然相当の妨害があるものということが予想されるので、警察の警備をお願いしたい、こういう要請がありましたので、警察の立場におきましてこれを慎重、冷静に判断をいたしました結果、おそらく相当の妨害があるものという判定を下しまして、警察の立場といたしまして犯罪の起ろうとする場合にはこれを予防し、犯罪が発生すればこれを鎮圧するということは警察の職責でありますので、当然出動すべきものという観点に立ちまして出動せしめたわけであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしますと、四日と三白に分けますと 四日の日は測量隊が来て、そして入ろうとしたから、それでは測量隊であるかどうかという身分を聞いてその上でしたいというので、身分を聞こうとしたら、わずか五分で帰ってしまった。それで第一方面隊長に、私と重盛参議院議員と行って、ああいうただ身分を聞いて——もちろん道路であるからデモはやっておったでしょう、しかしながら何ら測量に対して妨害もしないのに、妨害したと称してわずか五分間で帰ってしまう、それは調達庁は警察権の発動を促すための一つの手段にすぎないじゃないか、そういうので発動をしては困る、こう言ったら、それはそうだ、きょうは発動しない、そういうようなことであった。そこで当日はわれわれとしては、この重要な問題は今裁判所に仮処分の申請をしておるのである、仮処分というのは訴訟法の手続によって早期に解決しなければならぬ、この問題がとにかく正しいかどうかという点が、裁判所に仮処分の申請として出ておるから、その判断を待って、もちろんその判断が不当であれば双方抗告という手続もできるけれども、その判断が下るまでは、これは発動していいかどうか、はっきりした法的の根拠本警察権の発動する理由もないじゃないか、だからその点は慎重にしてもらいたいということを言って、単なるそういう口実を作っただけで軽々に警察権の発動をしてもらうべきじゃないだろうと思う、こういう警告をいたしまして帰ったわけですが、五日の日にはもう最初から千三百名ですか、これが大挙して来た。犯罪がまだ発生もしていないし、測量隊を拒否するかどうかもわからない、そういうような状態に大挙して一千三百名もやって来るというのは、これは調達局側の一方的支援ではないか、こういうふうに考えられるわけです。従って妨害と判定して予防鎮圧に行ったと言われるが、果して五百の午前十一時ごろ、そういう状況があったかどうかという点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 先ほどもお答えいたしましたように、調達庁の測量隊といたしましては、できるだけ円満に話がつくものなら話をつけまして、納得の上で測量を実施したい、こういう態度をとりまして、今月の一日から四日までは、そういう態度で最善の努力をしたというふうに聞いておるのであります。従って円満に話し合いをするということに重点を置いて行動される、無理をして測量を強行しないというふうにわれわれは伺っておりましたので、四日までは警察官を出動させる必要もなしという判断を下したのでありますが、五日に至りましては前日までの経過にかんがみまして、測量隊といたしましてはいつまでも同じような話し合い、話し合いということで引きずられておるのでは、仕事を円滑に推し進めることができないので、きょうは測量を強行するという強い態度をきめられた、そうなれば当然相当強い妨害があることは必至であるから警察の出動をお願いしたい、こういう申し出があったのであります。私どもも過去の経緯に徴してそれはまことにもっともであるという判断をしましたので、警察官を出動させたわけであります。決して調達庁側の一方的な支援というふうな意味でなく、犯罪がまさに起ろうとする事態にあります場合には、犯罪予防の見地から警察が出動するということは、これは当然の職責であろうと考えるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そこで基本的の問題をお伺いしたいのですが、測量隊が測量することは果して正当な行為であるかどうか、具体的の判断をせずに、ただ一方的に測量を妨害するのは違法であるから、その犯罪の防遏に出た、こういうふうに御答弁は集約していいと思うのですが、その測量隊だけを測量させるために警察は擁護をするというのはどこにその根拠を持っておられるか。測量隊も一つの務めでありましよう。しかしながら国民は国民として適当な法律の適用を受ける権利も義務も持っておる。さらに所有権の保障を受けておる。それに対してそれに反対するものは違法であり、測量するものは適法である、そういうふうに頭から断定されたのはどういう根拠に基くか、それを聞きたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 調達庁の行います測量は、私ども適法な手続をとられておるものというふうに解しておるのであります。適法な成規の手続に基きまして行われる測量というものが、もし妨害をされるということであるならばこれは不法事態ということになりますので、これを取り締るために警察が出動するのでありまして、測量の援護をするために警察が出動するのでなくして、測量に伴う不法事態を防止し鎮圧するという、警察本来の職責に基きまして出動をいたしたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでまずお聞きしたいのは、測量は適法な行為として行われておるものだ、そういう考え方の上に立っているという御意見ですが、果してこの測量は適法にやられておるか。どうか警察はその点をよく調査されてやられたかどうか。調査されたならば、この側壁行為はどういう手続を経て、どういう行為であるから適法であるか、その認定をやった上でなければ測量を妨害するのが違法ということは言えない。このごろ官庁といえども違法行為はたくさんやっておる。国民の方が適法行為をやっておる。この場合においては、測量隊の測量は適法であると認定されたのは、どこに基礎を置いて、どういう手続をして、りっぱな測量隊の職務行為と認定されたか、その点を承わりたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 土地収用法に基く適法な手続がとられておるものと解しております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 その点を調査されておるならば具体的に承わりたい。以前の憲法時分の問題ならば、役所のやった行為は何でも正当だということでやることはできるでありましょう。しかし今は役所の行為としてもいろいろあるわけであります。それを適法行為だと認定するについては、やはり法の根拠があり、その法に基く行為が行われていなければならない。そこまで情勢分析をした上で適法行為と認められたかどうか。認められたならば、どういう順序でやられたのか、大略承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 これは御承知のように、行政協定の第三条に基きまして、土地収用法を準用いたしまして必要な土地を収用することができる旨の法律があります。これは御承知の通りであります。その法律に基きまして土地収用法に従う手続がとられておるわけであります。事実関係を申し上げますと、十月十四日に総理大臣の土地収用の認定が正式に下されております。この認定に基きまして、調達庁では必要な土地の立ち入り測量を行いますために、十月十七日に地元関係者に対しまして、十月二十五日以降立ち入り測量を行うから立ち会っていただきたいということを配達証明で御通知いたしたのであります。ところが地元関係者の反対派の人々はこれを一括差し戻して来られたのであります。さらに十月の二十日の日に内容証明をもちまして同様の通知を行なったのであります。これも全員一括して差し戻して来られたのであります。そこで調達庁といたしましては、立ち入りの計画を延期いたしまして、地元の関係者が立ち会っていただけない場合には、町長にあるいはその町の吏員に立ち会いを求めることになるわけであります。町長その他関係者に対して再三立ち会い方をお願いいたしたのでありますが、これも承諾を得られなかったのであります。そこでこれは土地収用法に町長の方で立会人を出さない場合には、都道府県知事に対して立会人を出してもらうように要求することができる規定があるのであります。これに基きまして都知事に対して立会いを申請いたし、都知事から立会人の指名がありまして、十一月一日から強制測量による調査を行うことになったのであります。私どもの承知いたしておるところによりますと、調達庁のとりました手続は土地収用法所定の規定によって行われておるものと考えておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでお伺いしたいのですが、今言われたような手続をとられた調達庁の職務行為は、われわれはこれは土地収用法による一起業者としての立場である、従ってこの起業者と所有権者並びに占有権者は対等の立場である、こういう考え方を持っております。従ってやはりこの立ち入りの測量については起業者たる資格でなければならない。一私鉄会社が施設に必要な土地の収用をするような場合の起業者と同じような立場である、こういうように考えております。従ってこの起業者と所有権を侵されるところの所有者とは対等の民事的の関係である、こういうふうに考えておるが、この点についてはどういう見解を持っておられますか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 法律にきめました土地の起業者としての立場において調達庁が職務を行っておるもの、かように考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしますと、この土地収用法の十一条、十二条、十五条に基いて調達庁がその職務を行うのは一起業者としての立場で行わなければならないが、所有者は所有権を侵害される。この点についても問題がありますし、行政協定の無効論、従って憲法違反の無効論は、やっておればきりがありませんからしばらく論じませんが、この収用法が発動する場合は、起業者と所有者は対等の立場にある。従って所有者がその所有の権限に基いて反対をする。調達庁は起業者としての行為をやる。この場合に最初からこれに反対するものは違法行為であると認定していいものかどうか。そういうふうに認定していられるように考えられますが、どうしてそういうふうに認定されたか、その点を承わっておきます。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 反対の立場にある方が、それぞれ法律に定められた手続その他不法にわたらない方法によって反対されるということは、これはその立場上当然のことであろうと思います。しかしながら反対であるからといって、合法のワクを越えるといいますか、不法行為が行われても差しつかえないということはどこからも出てこない、かように私どもは考えておる次第であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 公権力の発動ならば多少そこに差違があるでしょうが、この土地収用の場合には起業者と所有者は対等の立場にある。それを最初から起業者の行為が正当であり、これに反対するものが違法である、こういう認定を下して、警察権を最初から発動するというのは警察法の違反である、こういうふうに考えますが、その点はどう考えておりますか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 反対するとおっしゃいましたが、その反対の仕方にもよると私は思うのであります。要するに反対する場合に、その反対するやり方が合法のワクを越える、不法行為にわたるというような場合にはやはりこれは許されない、これは当然のことと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしますと、調達局の測量行為はいろいろの要件が必要ですが、そのことも考えずに、調達局のやることはすべて合法である、こう認定されておるのですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 調達庁といたしましては土地収用法の所定の手続に従って行なわれておると考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 ただいま説明されました所定の行為は、単に事業の準備としての測量に立ち入ってもよろしいというだけのことなんです。ですからそれだけではそれに反対するものが非合法ということは言えないわけです。ですから具体的な問題に入る前に、今申されたような手続を経ただけで、それに反対するものはすべて違法である、こうやるのは間違いじゃないかと思うのです。違法な行為もその現場に行ってみなければわからないのです。それを最初から千三百名も動員して、そして所有者の行為がすべて違法である、調達局の行為はすべて合法である、こういうふうに考えて発動するということは警察権の逸脱だ、こう思うのですが、この点はいかがですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 反対するものが違法であるという考え方ではなしに、反対をする人の反対をされる方法が違法であるという場合にはやはりこれは許されない、かように申し上げておるのであります。たとえば五日の日にバリケードを築き、鉄条網を張り、人糞を用意する、いろいろな実力によってどこまでも測量をさせない、妨げるというような準備をしておられる模様が見えたのであります。そういう反対をする方法が違法である場合には、これは許されないということを申しておるのであります。反対をするものがすべて違法であるということは申しておらないのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 バリケードを張り、人糞を畑にまくのは当然のことですが、この点をもって警察権の発動をするのは違法である、そういうふうに認定されておりますかどうですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 数日前からの地元の人々の動員といいますか、集まられておる様子、外部からの応援の模様、さらに十一月一日、二日、四日と続きました折衝の模様から申しまして、調達庁側としては所定の手続によって測量をいたしたい、これに対してどうしても実力をもって測量をさせないという空気は相当満ちておったと思うのであります。そこでいかなる間違いもそこに起りかねない情勢でありましたので、やむを得ず警察を出動させた、こういうことになったわけであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでその警察権の発動されるような、今バリケードの問題が出たのですが、一、二、三、四日のうち、そういう行為があったかどうか。ただまだ測量にもかからないうちから測量隊と一緒に、警察官が千三百名も来てやるというのは、いわゆる所有者が所有権の行使以外に具体的にどういう違法な行為があるという認定で、調達局の測量隊と一緒に千三百名動員して押しかけてきたか、その点を承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 測量に対してあくまでも実力をもってこれを阻止する、こういう情勢が見えたからであります。なお千三百名と申しましたのは、五日の日に動員をしました総数でありまして、当初測量に参ります際には、測量班が出まして、それには私服の護衛をつけて行ったのであります。そのあと百五十メートルばかり離しまして、制服部隊を二個中隊約二百名つけて行ったのであります。あとは全部第八方面本部に待機をさせておったのであります。その後妨害をされる模様が出て参りましたので、やむを得ず逐次応援隊を向けた、こういう状況であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 妨害をする模様が受け取れたということですが、どういう妨害をする模様が受け取れたか、その点を承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 まず砂川町に入りましたところで一応阻止されまして、測量隊だけが測量に進んだのであります。測量隊が測量を開始しようとしましたところが、地元の人々、一部労組の方も入っておったと思いますが、実際に測量ができないような妨害が行なわれたわけです。そこでやむを得ず警察としては測量隊のそばに来まして、測量をされる際に不法行為が起ればそれを防ごうというので、測量隊のところに行こうとしました。それが阻止をされましたのでそれを実力で排除した、こういう状況であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 もう一つお聞きしておきたいのは、一日から五日まで測量隊は適法な測量をすべき要件を整えておるかどうか、その点を調査されたかどうか。それを調査せずにただ測量隊のやるのは全部適法だというので、それを援護されたかどうか、その点を承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 調達庁の測量班は土地収用法に基く所定の手続に従って測量をしておられるものと、私の方で考えておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 ただおられるものだというだけで認定されたかどうか。いろいろの要件が整わなければならぬのですが、その要件が整っているかどうか、そこまで情勢分析をされて間違いないという認識の上に立たれたか、その点を承わっておきたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 いろいろの手続をとっておられることは、われわれの方も承知をいたしております。調査の上、間違いないという前提のもとにやっておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでは具体的問題に入りますが、当日は測量隊は抽象的の手続はともかくとして、具体的に土地収用法の規定に基く適法な要件を備えてやっておったかどうか、その点を調べた上でやられたかどうか、それを承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 どの点を御指摘になっておられるのか存じませんが、所定の手続に従いまして所定の立会人をもちまして測量を始めようとしたのであります。何らそこに間違いはなかったと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 所定の手続といいますが、いろいろの所定の手続があるのです。その場合千三百名も、最初は全部でなかったけれども第八方面に待機させていた、そういうような情勢を作る際において、調達庁が適法な要件を備え、適法な行為をやるかどうか、いろいろあるでしょう。いろいろ調査されましたか。全部抜かりなく調査して確信を持っておられたか、その点を承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 警察といたしましては調達庁の測量に至ります手続に、間違いがないというもとに行なったのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 その間違いがないというもとにおいて行われたその具体的根拠を、いろいろの問題をお聞きしたいのであります。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 具体的にどういう点が間違っておるじゃないかという御指摘がないので、ちょっとわかりかねますが……。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 わからなければ発動はできぬじゃないか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 警察としては間違いなく所定の手続通りに行われておると調査の上認めまして、出動をいたしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 調査の上認めたと言われるのですが、それならばこの十一条以下十五条までの要件は全部整っていたかどうか、その点をよく調査して、間違いがないという確信の上に立たれたかどうか、その点を承わっておきたい。私の質問の要旨は、警察権というのは適法な行為の妨害に対しての違法行為に対する問題でなければならぬと思うのです。従って千三百名も動員して調達局の測量隊が適法な行為であるという以上は、抽象的な問題から離れて今度は具体的の測量行為についての適法な要件を備えなければならぬ。それを調査してやられたかどうか、調査されたならばどれとどれだけを調査されてやられたか、それを承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 十一条から十五条まで書いてあります手続につきましては、警察といたしましても調査の上間違いがないと認めまして、当日出動をいたしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでお聞きしますが、調達庁が起業者の立場として他人の所有地に立ち入って測量する場合は、十五条の要件が必要なんです。それで第一に調達局の測量隊は正当な測量隊であるかどうか。その測量隊であるということをどういう点で認められたかということ。さらに所有者はその測量に際してはその身分を調査する権利がある。従ってまたその立会人についても適法な立会人であるかどうか、これを調査する権利がある。そういうのもちゃんと完備した上で五官の測量隊の行為はこれは正当である、適法行為であるということを認めて、まず千三百名の動員を計画されたかどうか、そこを承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 その点は間違いないと認めまして出動をいたしたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 もし間違いがあった場合は、これは所有者が所有権に基いてこれを反対するのは当然である。従ってもし、間違いがあったならば警察はその測量隊をやめさせなければならない。これが公平な警察権の発動だと思う。当日はその要件が整うていなかったということがあとで発見された、だから適法であるかどうかを調査されたという点について私は疑問を持っておりますから、十五条の要件は形式的にも実質的にも整っておったかどうか、それを見きわめた上で千三百名の動員をされたのかどうか、その点を承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 たびたび申し上げますように、この点について間違いがないという認定のもとに出動いたしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そうすると測量隊は測量隊としての要件がここに必要だし、さらに立会人は立会人としての要件がここに必要であり、その要件を証明すべき証拠も必要になっておるのですが、どれだけの点を調査され、そうして今答弁されたような確信を持たれたか、それを承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 第十五条に「他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証票及び都道府県知事の許可証を携帯しなければならない。」こう書いてあります。それでこの場合に測量のために行きます者の身分を示す証票——都道府県知事の許可証は、起業者が国でありますから、この場合は必要がない。これは規定に書いてございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それから立会人はどうですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 第十五条には立会人のことは書いてないと思うのでございます。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そうすると今の身分を示す証票及び身分を示す許可証というものを携帯していたかどうかということの調査をされましたか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 測量に行きます者の身分を示す証票は間違いなく携帯していたことを調べております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 警察官が出動する前にその点は調査されておりましたか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 これは法律で要求しておりまして、その証票を持っていくことは必要でありますから、測量に行きます前には必ず調べて参ります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 調達局が持っていくものだということは法律上当然なことですから、それを持たなければ違法行為になる。それを合法行為だというならば、警察官を千三百名も動員する際に、もうすでに合法であるということを調査していなければならないわけですが、それを調べたかどうか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 その通りであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 その通りというのは、どういうふうに調査されたのですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 当日測量に参りますために出ます者の身分を示す証票を、しかと持っておるかどうか、本人のものに間違いないかどうか調べました上、適法な測量行為であるということを認定いたしまして、その上で警察官を出しております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それからもう一つ調査の点ですが、先ほど言われたように市町村長が一あそこの場合は砂川町長が立ち会いを拒否した場合は、都知事の指名した立会人が立ち会わなければならぬが、その立会人は適法な立会人であったかどうか、その点を調査されましたかどうか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 官職、氏名は今記憶しておりませんが、間違いなく都知事が立会人として指名いたしました者が当日立ち会いをいたしております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そこでその立会人が適法な資格と要件を備えているということは何で調査されましたか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 それは知事から指名を受けた者に間違いがないかどうか、その点であろうと思いますが、それは調べたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 その点はどういうふうな形式上の点で調査されましたか。この土地収用は起業者と所有者は対等の立場にあるし、憲法二十九条で保障された国民の所有権に対しては、これを侵害する場合は厳重な法律上の規定がなければならぬ、民法で保障された国民の所有権を侵害する場合はやはり対等の立場でやらなければならぬ。これは公権の発動じゃないのです。ですから単に都庁の立会人でありますというだけではいかないわけです。やはり第三者に、形式上明瞭にこうだということがはっきりしていなければできないはずです。ですからその要件を調査されたかどうか、それをお聞きしておるわけです。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 知事から立ち会いすべき者を指名されまして、そして知事からこれこれの者を指名したという御通知をいただきまして、指名された人が、私が指名されましたので本日立ち会いをいたしますということで見えまして、その人に間違いないと認めましてやっておるのであります。従って手続上に間違いはない、かように考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 私が指定されましたというだけではこれはできないわけです。指定された者は指定されたことを証明すべき形式上のものを持って、そして現場において要求されたならば、その者が都知事から任命された適法な者であるという証明が必要なんです。また警察権も、千三百名を動員するときにはその前にその点も完備していなければ私は発動できないと思うのです。ですからこの点をお聞きしておるわけです。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 御質問をちょっとあれしましたが、要するに都知事から立ち会いを指名された者が間違いなくその現場におればいいと思うのであります。間違いなく都知事から指名された立会人がその当日出て参りまして、そしてその現場に臨んでおるのであります。その点は手続上には間違いない、かように考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 この都知事の任命というのですか委嘱による立会人は、任命された証明が必要なんです。その証明は全然要らぬとおっしゃるのですか、それとも私が任命されましたからというのでそれをまるのみにして認定されたのですか、その点を聞きたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 任命された立会人であるというととが明らかにわかればよろしいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 本人が言うただけでそれは明らかだというふうに認定して千三百名も動員されたかどうか。収用法で規定してあるような形式上の要件を持っておるかどうかということを調査された上でやられたかどうか。今おっしゃったことを聞けば、ただ私がそうです。ああ御苦労さんと言って立ち会いさせたか、その点をお聞きしておる。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 知事の指名いたしました立会人である、それに間違いないということを認定いたしまして、警察としては出たのであります。この点はいろいろ御質問があるようでありますが、間違いなくさようであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 私がお聞きしておるのは、この立会人が現場に行った際、所有者から強制立ち入りの際にその資格があるかどうかと聞かれた場合はそれを証明しなければならないわけです。従って警察権を発動する際には、そういう証明の要件も持っておるかどうか、それをきめなければ調達庁と警察だけではいかないわけです。  これは第三者の所有権を侵害することでありますから、警察だけで了解されてもやはり所有者の納得するような要件がなければ——ただそれだからと言って警察権を一方的に発動するということはできないと思います。ですから、ただ間違いないというだけでは納得できない。もしもそういうことをせずに千三百名を動員されたとするならば、これは違法な警察権の発動だと思うのですが、その点をはっきりお聞きしておるわけであります。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 警察といたしましては、そこに見えておる方が知事から間違いなく指名を受けた立会人であるかどうかということがはっきりすればよろしいのであります。地元の方には、場合によりましては、その人が立会人であるということを示す何ものかがあった方が適当であろうと思いますけれども、しかし土地収用法では、そういう証票を持つことは、立会人につきましては要件とはなっておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 警察はそれだからいけないんですよ。調達局は起業者の立場であるし、国民は憲法二十九条によって所有権が保障されておるのです。だからこの土地収用法という規定があって、われわれは違法と言っておるが、この特別措置法で土地収用法を準用しておるわけです。ですから現場に行って本人が認めるかどうかということがわからずに、適法なものであると言って警察権を発動するというようなことは、もってのほかだと思います。あなたたちは四日間の実績によって、反対をする、違法だ、こういう独断でやっておるでしょう。独断でやってよいのですか。警察権を発動する適法な職務行為を認める際には、やはりその所有者に対する関係において十分それができなければ調達局の測量だけを警察が許すことはできないはずです。ですからそういう点をはっきり確かめていったかどうかということをお聞きしておるわけです。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 法律の要求しておりますいろいろな要件あるいは条件につきましては、十分に確かめまして、警察は出動いたしております。その点は間違いございません。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 いろいろ具体的に私がお聞きするのを具体的に言わずに、ただ抽象的に十分にやりましたと言うのではこれは相済まないことだと思います。一番の問題は、警察権を抽象的に発動するという点にわれわれは違法があると思います。さらにまた五日の問題は、この警察権を発動するに際して調達局の測量が適法に行われるとするならば、今申しました十五条の要件と、さらに立会人は立会人としてやはり所有者の納得するものがなければこれは違法であるから、警察は、その測量を要件を整えるまでさせないのが公平な警察権の発動である。だからそういうことがわからずに発動することそれ自体に違法があると思います。だからその先の問題に入る前にその点をはっきりしておかなければならぬ。ですから聞いておるわけです。だから間違いございませんとあなたが口で言うだけではいけない。やはり具体的にこれこれはこれこれの要件を整えておるから完全だということにならなければ、昔の切り捨てごめんのときならばよいですが、今はそうはいかないわけです。五日の警察権の発動については、そういう点をきわめずに、一方的に調達庁のやることは何でも正しいというのでやって、そうしてこれに反対する所有者は何でも悪いのだという考え方の上において、あの動員を強行したという点において、非常な警察権の行き過ぎと違法をわれわれは認めておるわけです。だからそうでないと言うならば、その点をはっきりさせてもらわなければならぬ。これは今後の警察権の発動の問題について重要な問題でありますから、特にお聞きしておるわけです。ですから、ただ適法と思います。ちゃんと完備しておりましたということだけでは私は承知できません。やはり少くとも警察権を発動する場合には、具体的にこれこれの形式上の要件も整い、実質上の要件までも整わなければならぬという、そういう確信の上でなければ、やはり国民の人権を侵害するものじゃないかと思う。だからその点をはっきりしてもらいたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 違法な測量というお話でございましたが、要するに違法というのは、法律に違反しておるということであろうと思います。従いまして、法律でいろいろと要件が書いてある。たとえば十五条には、他人の土地に立ち入ろうとする者は、身分を示す証票を持たなければならぬ。これはもし測量のために立ち入ろうとする者が持っていない場合には、確かに違法であります。その点は、先ほどから申し上げておりますように、調べまして間違いがないということを確かめた上、警察は出動をいたしておるのであります。もちろん立会人につきましても、法律に立会人が証票を持っていかなければならないという規定があるといたしますならば、持っていかない場合には、これは違法であると思いますが、収用法には立会人につきましては、そういう規定はないのであります。しかしながら、立会人が間違いなく知事の指名を受けた者であるかどうかということは、これはやはり確実に確かめておかなければならないのであります。これは先ほどから申し上げますように、確かめて警察は出たのであります。地元の方に対する関係におきましても、立会人であるということを示す何かある方がいい、これは確かに私どもそうあるべきものと存ずるのであります。しかしながら、法は立会人につきましては、そういう証票を持っていくことを法律上の要件として規定はしておらないのであります。その点を先ほどから申し上げておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 法は、立会人がなければ測量隊は入ることができないことになっております。従ってその立会人は、やはり立会人たる資格を持っていなければならない。それは内部関係でなくて、第三者の関係においては、やはりそこに形式上の資格の要件を備えていなければならない。その要件を備えていたかどうか、それを調査されたかどうか、それをお聞きしておるわけです。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 立会人として参りました者が、知事の指名を受けた者に間違いないかどうか、これは確かめました。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 どういう点で確かめられましたか。それをさっきから聞いているのです。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 都知事  の方から調達庁にも、これこれの者を指名したという連絡もありますし、またこれは調達庁と都との間でありますが、これこれを指名した、私がその者でありますということで、はっきりいたしておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしますと、都庁の方から調達局に、これこれを立会人にするという通知があった。それで私がその本人でありますと来たから、それだけで認定された、そうおっしゃいますか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 その人に間違いがないということを、いろいろの条件から認定をいたしたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 間違いがないといういろいろの条件を聞きたいのですが、どういういろいろの条件がありましたか。また少くともこの土地収用法におけるこの強制立ち入りの場合は、その立会人はその資格を証明すべきものを持たなければならぬと思う。それも要らぬとおっしゃるかどうか。それを調査されたかどうか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 それは立会人は持って参るのが望ましいということは、先ほども申し上げたのであります。ただ立会人については、法律上の要件とされてはおらないということを申し上げたのであります。従いまして、立会人がそういう証票を持っておらないからといって、その立ち会いなりあるいは測量が、直ちに違法であるということはいかがなものであろうか、かように申し上げておるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでお聞きしますが、その立会人に対して所有者が、立会人はあなたじゃない、あなたは立会人の資格がないと言って拒んだ場合、それでもやはりいいという考えに立って動員されましたかどうか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 地元側が、立会人じゃないと否認した場合ですか。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 何ら形式上の資格を証明することはない、ただいろいろの点で認定した、そう言われるわけですね。しかしそれだけで動員したというのは非常に軽率だと思います。やはりこの土地収用法の場合の強制立ち入りの場合は、立会人も調達庁の測量隊も、測量隊としての身分その他の証明を形式上整えなければならぬ。それで、それを現場の立ち入りの際に、それがないからといって拒否された場合は、これは立ち入りができないはずです。ですから千三百名も動員して、そして反対であろうという犯罪防遏のために警察権を発動するというならば、現場においてその身分を証明された場合、証明ができなかった場合に、それでも強行するという確信があってやられたかどうか、それを承わりたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 立会人につきましては、測量する者と違いまして、法律上身分を示す証票を持っているということは、法律上の要件になっておらないわけでありますから、従って身分を示す確たる証票を立会人が持っておらない、それであるからこの立ち会いは無効であり、この測量は無効である、違法であるという主張は、ちょっと土地収用法の法律の規定上、そういう結論は出て参らない、かように私どもは考えている次第であります。ただ立会人は、やはり自分が立会人であるということを示すに足りる、何か証明になるようなものを持っていくことが望ましいということは、これは私もさように申し上げている次第であります。だからといって、直ちにもつてその証票がないから、測量あるいは立ち会いが無効あるいは違法であるということには、一足飛びには参らない、かように申し上げている次第であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 私は千三百名も警察官を動員する場合においては、すでに所有者の反対を予想して、その犯罪の防遇というようなことで警察官を動員するならば、やはりその現場のその問題までも調査をして、確信がなければ警察権の発動をすべきものじゃないと私は思う。ですから、今いろいろの御答弁を聞きますと、何らの要件は要らないという考え方に立って、そして調査をしなかった、こういうふうに了承していいかどうか、もう一ぺんお聞きします。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 調査はしなかったというのではございません。その立ち会いに来た者が、知事の指名を受けた立会人に間違いないかどうか、これは正確に調べ、間違いないという認定のもとに出動させたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それで所有者がそれを拒否した場合には、そしてその立会人を否認した場合においては、何ら証明を持たぬでも、それでもよろしい、調達局を援護して警察は強制測量をやらせる、そういうような考えでおられたかどうか、もう一ぺんお聞きしたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 先ほどから申し上げますように、立会人が身分を示す証票を持っているということは、法律上の要件にはなっておりません。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それで、法律上の要件がないから調査もしなかったというわけですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 いいえ、そうじゃございません。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 それでは、形式上の何も持たぬでもいい、そして形式上の何も持っているかどうかも一調査しなかった、そういうことですか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 立会人であるかどうか、その者に間違いないかどうかは、これは調べたのでありますが、証票を持つことが法律上の条件あるいは要件にはなっておりません、かように申し上げたのであります。調べたことは間違いございません。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 調べられましたら、何か持っていましたか。形式上のと申しますか、辞令か何か持っていましたかどうか。それを調査されましたかどうか。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 その点は、私まだしかと存じておりませんので、後刻調査をいたしまして、お答えを申し上げます。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 少くとも警察権が起業者の援護をする、起業者の行為を遂行させるという意味でやる以上は、その点まで調査をして、そうして千三百名を私は動員すべきだと思う。旧憲法時分の、強権力で何でもかんでもやった時分ならそれでもいいでしょうが、現在はそういうわけにもいかぬし、さらに起業者と所有者とは対等の立場で、その所有権の侵害についても、法の保護のもとにおいてそれをやらなければならない。だからその点を調査され、それを持たなかったならば、要件を整えて、その上で警察権を発動されなかった点について、私は遺憾に感ずるわけです。  それで具体的の問題になるわけですが、当日は東京都の立会人は立会人であることを証するという紙は持っていた。しかし、ただ安井誠一郎と書いて、判も何も押していない。だからこれは立会人の要件を整えていないから、立会人たる資格がない。だからこの要件を少くとも整えてこなければならない、警察はこれを整えさしてから、この測量を援護するならばやらすべきだ、公平じゃないじゃないか、こういうことを言ったのだけれども、それを聞かずに、出先は、私たちは上の命令であるからやりますと言って強行してしまったわけなんです。立会人がなければ立ち入りはできないわけなんです。その立会人が任命の版行もない紙きれを持ってきて、そうして立会人でありますと言って、それを認めて援護するというのは、警察権の逸脱じゃないかと思う。立会人がなければ立ち入りはできませんよ。その立会人はどこのだれ平がわからない。だからやはり資格を証明するものを持っていなければならない。その証明は持っておるけれども、版行がない。ほんとうの証明かどうかわかりはしない。それを押して、強行して測量をさせた。これは逆に違法を助けたわけですよ。警察はそれでも警察権の発動が正当と考えられるかどうか、お聞きしたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 違法な測量を助けたとおっしゃったのでありますが、先ほどから申し上げておりますように、立会人がその身分を示す証票を持参することが法律上の要件になっております場合に持っていきません場合には、確かにそれは法律上の条件に違反しますので、違法な立ち会いであり、違法な測量であるということが言い得るかと存じますが、たびたび申し上げますように、立会人につきましては、身分を示す証票を持参していなければならないということは法律上の要件になっておらない、法律に規定がないのであります。従いまして、私もそういうことを示すものを持っておることが望ましいことは、たびたび申し上げておる通りでありますが、持っておらなかったからといって、ほんとうに知事の指名を受けた立会人が立ち会っております測量をもって、直ちに違法であるということは申しかねる、私どもは、違法な測量とは言い得ない、かように考えておるのであります。従いまして、警察が違法な測量を援護したというような事態には少しもなっておらない、かように考えております。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 法治国の原則として、所有権は一番尊重されなければならない。所有権を侵害するためには法的の根拠があり、それに制限され、それに許された範囲内しかできない。税務署の役人が差し押え等をする場合は、やはり税務官吏たる証明を持っていかなければできないわけです。この場合でも、土地収用法にもその規定は必ずあると思う。私はほかに関係したこともあるが、同じように土地収用法においても、形式上は整ったものを持っていなければできないはずなんです。今の考え方によると、それができるとおっしゃる。かりにそれができても、形式上認められないようなのは、五日に限ったことはない、その次の日でも次の日でもできるはずなんです。それを、どうしてそういうふうに、所有者の納得しない、またわれわれも立ち会って、第三者も納得しないような要件の整わない測量に対して警察権を発動されたか、これは長官に一つお聞きしたいと思う。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 先ほど警備部長がお答えした通りでありまして、法律の要請する要件を満たしておるものでありますから、違法な測量ではない、かように考えてわれわれは警察権を発動させたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしますと、もう一つ念を押しますが、要件の整わない行為は違法な行為になるわけです。それを、それまでも押して警察権はこれを援護して、所有者である国民の所有権を侵害して国民を排除すべきかどうか、そういう考え方で警察の方針はやっておられるかどうか、その点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 法律に規定された要件を満たしておらなければ、これは当然違法でありますが、先ほど来いろいろ御意見の開陳があり、警備部長がお答えしました通り、立会人の問題につきましては、法律が別に要請をいたしておりませんので、証明書を持っていなくてもかまわない。ただ知事の指名した者であるかどうかということはむろん確かめなければなりませんので、われわれの方は、知事の指名した者であるということは十分に認められたので、正当なものである、かように考えておるわけであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういうような疑問があり、問題がある場合でも、警察権を発動して調達庁の職務行為を助けなければならぬかどうか、その点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 疑問がなかったので警察官を出動させたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そういたしましたならば、立会人が立会人たるの証明を持たなくても、それは差しつかえない、適法だからやったのだ、そういうふうに了承していいかどうか。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 たびたび申し上げます通り、立会人には法律上証明書を携帯しなければならぬという要件が必要とされてないので、立会人であるということがはっきりすればそれで事が足りるのであります。その点は十分に確かめたのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 五日の問題にはその問題と、もう一つ交通妨害の点があるのですが、その前にもう一つ確かめておきたのは、測量隊は入れて、そうして測量隊と地元の話し合いによって測量をするかせぬかそこをきめろというので、組合も警察権もお互いに引けばいいじゃないか。しかし警察が堂々とあそこへ千三百名も入ってこられては、それは困るというのでやったのだ。しかしそれに対して第八方面隊長として旗を立てて、そうして調達庁の測量行為は適法であるから、これに違反すると妨害になります。こういうのぼりを立てていたわけです。その調達庁の職務行為を、所有者の所有権より重く見ておるかどうか、その点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 測量隊が、適法な手続に基きまして測量いたしますものを妨害するならば、ここに不法事態が発生するから、そうしたことのないように未然に防止するために警告を発したのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 そこで重ねてお聞きしますが、その警告は、立会人の形式上の要件を整えていない。そういう点をあまり調査せずに、職務行為は適法であるという認定のもとに、あののぼりを立てられたかどうか、その点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 立会人が、都知事の指名した者であるかどうかは、その前にすでに確かめてあるのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 この問題は、また今後訴訟問題その他でも明らかになると思いますから、留保いたしまして、もう一つお聞きいたしておきたいのは、当日はわれわれも立ち会いまして、測量隊は入れたんです。しかしながら測量隊にあとからついて同心一体となってやるのは、これは警察権は起業者の一方的の援護に当るのである。労働者が所有者の一方的援護になるならば、警察も一方的起業者の援護になる。それじゃいかぬから、お互いに警察も引け、労働組合もおとなしく引こうじゃないかと言うたのを、命令一下強行して、われわれを押し倒して、そうしてあの測量の現場に全部押し込んでいったわけです。それは何の目的のために押し込んでいかれたか、警察権の発動はそうやるべきものであるかどうか。これは大衆が見ておりますから、こういうことは、警察法の一条に基く公平なやり方で、あれをやられたか、またそうすべく命令をしておられたかどうか、その点をお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 従来の経験に徴しまして、測量隊が、あの日は測量を強行するという態度をもって現場に臨んだのでありまして、その測量隊が孤立されております場合には、やはり従来と同じように、結局測量は不可能に終るということが予想されるのであります。測量隊が測量を強行しようとすれば、これを阻止すべく、反対者の方々が必ず妨害をされる。そうなれば、そこに業務妨害という不法事態が発生するということが予見されますので、警察としましては、犯罪を防止するという観点から、そういう事態を防ぐために、測量隊の近くまで進出する必要があったのであります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 われわれが最も遺憾に感ずるのは、測量隊の測量行為がすべて適法であり、これに反対するものは、すべて違法である。こういう考え方に立っておる。先ほどお話がありましたように、所有者がバリケードを張り、肥をまくくらいは、これは所有権の当然の行使です。その土地は自分の土地ですから、自分の土地に入ってもらうな、そういうことを言ったならば、道路のあの鉄条網なんか、着物にひっかかるようなところは張れないはずなんです。そういうようなことで、違法だとは認められない。また基本的には、この問題は、行政協定が条約ならば、国会の審議を経なければならない。国会の通過を経ていない行政協定は無効であるし、それに基く土地等の処分は、これもまた無効である。これに基くところの職務行為は無効であるということになるわけなんです。ですから、警察権の発動についても、慎重を期さなければならぬ。しかしながら、あたかも新聞紙、その他現場におっても、調達局の使用人みたように警察が見える。あれでは治安の確保はできないと思う。警察権が国民の反感を買うだけだと思うんです。私は、警察法の第一条は、やはり法に保護された平等のことをしなければならない。最初から、果して職務行為であるかどうかを基本的に争われておるし、さらに具体的には、その職務行為が形式上の要件を整えていない。そういう点を調査もせずに、ただ調達局のやることば、全部善意だと思って、警察権を発動すべきではないと思う。やはりこれは、警察権は平等に発動しなければならない。この点について、私なんか現場に行って、非常に遺憾に感じた。ことに四日の日なんかは、警察権の発動をするための口実に、調達局が行っている。行ってすぐ、わあっと言われたらすぐ戻って、あれでは生命の保障ができない。何で生命の保障ができないかということになると、全部から取り締られたら、生命の保障ができない。どういう点で生命の保障ができ得ないかといったら、精神的に生命の保障ができない。私は警察ば、精神的に生命の保障ができないくらいのことを援護すべきじゃないと思う。そういう点については、私は警察の行き過ぎがあると思うんです。ですから、この問題については留保しておきますが、この資格の問題についても、やはりやらなければ、あのときだって、一時は立会人の資格がないからというので休憩したんです。それを午後はまた強行してやってしまう。そこはもう少し警察権は公平にやらなければならぬ。調達局の使用人じゃないと思うんです。そういう点については、私はまことに遺憾に感じますから、現地の問題については、警視総監その他方面隊長の参考人を呼んで、基本的の指令その他の問題をお聞きした上で、さらにこの問題ば究明したいと思う。きょうはこれで打ち切ります。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 門司亮君。

門司亮日本社会党

○門司亮君 この機会に、警察庁の長官にお聞きしておきたいことでありますが、今の砂川の問題は別にいたしまして、こういうことを私から言うことが、警察当局にどう響くかということは一つの問題でありますが、今、地方財政が非常に窮迫しておる一つの原因の中に、警察が、いわゆる市町村の自治警察から、一応府県の自治警察という形になった。その場合における財政措置の問題が十分でなかったということで、去年も一般会計から四十億を繰り入れられており、平年度のことしにおいても、大体五十三億くらいこれの不足があるということが、赤字の原因の一つになっておる。これに対して警察庁はどういうふうにお考えになっておるか。きょうは大臣でありませんから、お答えはどうかと思いますが、今の地方財政の窮乏の一つの原因に、警察の制度の改革からくる一つの大きな問題が残されておると思います。これらの解決について、一体警察庁はどういうふうにお考えになっておるか。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 ただいまの問題につきましては、私、本日関係の材料を持っておりませんので、数字的なことを申し上げることができないのははなはだ遺憾に思います。警察制度の改正が、地方財政にどういう影響を及ぼしておるかということにつきましては、これば重要な問題でありますので、私どもも常に関心を持っていろいろ検討いたしております。今申し上げます通り、ただいまは資料を持ち合せておりませんので、また将来適当な機会に正確なところをお答えしたいと思いますので、御了承願いたいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 私は、こういうことを聞きますのは、少くとも警察法改正の際には——あなたでなくて、前の斎藤君であったが、警察法の改正によって、財政経理が楽になるという説明を繰り返し繰り返しやっておる。われわれは、百億くらいの赤字が必ず出ると言った。それを押し切った結果がこういうことになった。この責任はあなたのところにある。どこにもありはせぬ。警察庁にあるのだ。だから私は聞いているのだ。警察庁はこの責任をどう解決するつもりか。赤字があるから給料は払わなくたっていいということならそれでいいですよ。ほかの職員には給料を払うことにちゅうちょすることはあっても、治安の責任を持っておる警察官に対する給料に遅払いがあったり、あるいは分割払いなんということはできないと思う。私は非常に大きな社会的影響を持っていると思う。その社会的な影響を持っている地位にある警察制度が、改正によって赤字が出て、地方に迷惑をかけておる。しかもその制度の改正については警察庁は断じてそういうことはないとはっきり言っている。今こういうような結果になっておるのはあなた方の方に責任がある。その責任をどう解決するのか、その点を私聞いておる。今のような答弁では承服するわけには参りません。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 先ほどお答えしました通り、私どももこの問題はきわめて重要な問題であると考えまして、いろいろ検討いたしております。地方財政が現に赤字であることは私どもも十分承知をいたしておりますが、この原因が何であるかということにつきましてはこれまたいろいろな原因が考えられるのであります。警察制度の改革が果してその地方財政赤字の原因の一つであるかどうかというような点につきましても、私ども十分検討しなければならぬと思っております。現在は御承知の通り過渡期でありますから、今直ちに制度改正によって理想の姿を描いたときほど財政節約のできないことはこれはやむを得ぬと思いますが、制度改正によりまして御承知のように三万人の警察職員を整理するといったような方針が完全に実施をされました暁におきましては、警察を運用する費用というものは相当に節約をされるものというふうに私どもは今もって期待をいたしております。現在ではまだその過渡期でありますので、制度もまだ十分行われておりません。そういう関係で今の数字をとらえてだけの判断では、それほど節約はできてないじゃないかということはあるいは言い得るかとも思いますが、三万人の整理ができました暁におきましては、相当の経費の節約ができるのではないか、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司亮君 今のような答弁では私ども承服するわけにいきません。今の答弁なら警察官に給料を払わなくてもいいということですね。財政の確立するまでは過渡期だからというのなら、赤字は過渡期ばかりじゃないですよ、ことし出てるのです。それも埋めなければならぬのですよ。過渡期だからといってそうされるのなら、警察官も過渡期だからといって給料を払わなくたっていいでしょう。また三万人の首を切った上で、警察官の給料が満足に支払われるようになってから払ったらそれでいいでしょう。そういうことではない。過渡期であってもなくても出ることはわかっている。わかっているから警察制度の改革のときにもたびたび申し上げていたのでありますが、ともかく現実の問題としてこういうことが出てきておる。去年も赤字が四十億出て財政処置をしたが、今年は五十億の赤字が出た、それに対する処置をどうするかという現実の問題と取り組まなければならぬ。だからこれに対する責任を聞いておる。これを今あなたに聞くことはほんとうは無理だと思っておる、これば大臣に聞くのが至当であると思いますので、これ以上お聞きはしませんが、われわれはそういうことを言っておるのじゃない。そういうことで済まされるのならのんきなものです。いずれ三万人減ったらよくなるからということで、ほおっておいていいというならそれでいいが、生きている人間を飼っているんですよ……。  その次にこの機会に率直に聞いておきたいと思いますことは、警察官の官僚化という最近の一つの問題であります。これは制度の上では官僚化しないということをしばしばいっておるが、私は下僚の警察官を云々するのではありません。たとえば最近埼玉県において行われている思想調査の問題神奈川県における思想調査の問題兵庫県における条例改正の問題、これに対する警察本部長の考え方は一体どうであるかということ。神奈川県においては御承知のように学校の女の先生や職員の素行を調査させる指令を出しておる。そうしてこれが県会において問題になって、少し行き過ぎであったからということで、これが回収をしている。こういうことは一体どこから出てくるかということであります。兵庫県における問題のことは不良文化財取締りに対する条例云々の場合の警察隊長の態度である。これが県会で非難されまする場合に、いずれ上司に相談してということであった。上司とは一体何か、警察庁の本部である。条例をこしらえるのは知事の権限であり、県会議員の権限である。警察庁の長官に相談して条例ができるなら、おこしらえになればいい。神奈川県における場合も同じであります。神奈川県の警察隊長はこの問題が起ったときに、進退伺いは県の公安委員会に何らの相談もしておらぬ。ただ上司に出したというだけである。なるほど身分関係は上につながっておりますから、あるいは進退伺いは上でいいかもしれない。しかし少くとも自治警察としてある以上は、やはりその自治警察の運営の任に当っておりまする公安委員というものでなければならぬ。条例の場合は少くとも知事が条例の案を県会に提出するのでありますから、これはやはり一応知事に相談するという形が私は望ましいと思う。こういうことが平気で忘れられて、そうして警察がいかにも従来の警察と同じようなものの考え方のもとに処理されようということが、上層部の今日のものの考え方ではないかと思う。こういう例を方々で探り当てればたくさんあると思う。こういう点について一体警察庁はどういう教育をされているのか、それでよろしいとお考えになっているのか、その点を一応聞いておきたいのです。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 警察制度改正の趣旨等につきましては、警察官に対しましては絶えず指導教養を加え、新しい制度の上においていよいよ民主警察の理想の姿を具現すべく、お互いに鋭意努力精進をしなければならぬということを申しているのでありまして、逐次よくなっているものと思うのであります。たまたま一、二ただいま御例示になりましたようなことは過去においてもあったことでありまして、それははなはだ遺憾であります。ただいまお示しになりました、たとえば思想調査というようなことは、これはもうあってはならないことであり、私どもは機会あるごとにそうした間違いのないように注意を喚起いたしております。また神奈川県の本部長が進退伺いを出すについて県公安委員会に何らそうした意思表示をしないで、中央の方にしたというようなお話でございましたが、これは事実を申しますと、決してそうではなくて、県の公安委員会に対して進退伺いを出したというふうに私は聞いているのであります。県の公安委員会におきまして県本部長の心情を了とし、今後十分自戒してもらえばけっこうだというわけでお下げ渡しになった、かように聞いているのであります。兵庫県の条例の問題につきましても、これは何も兵庫県の本部長がもっぱらイニシアチブをとって、こうした不良文化財の取締りの条例を作ろうと意図したのではなくて、関係者いろいろ話し合いの上、警察が中心になって、まず一つの原案でも作ってみてくれないかということで依頼されて、警察事務当局の者が一つの案を書いておったというその段階において新聞等でいろいろ御批判をいただいたということで、兵庫県の本部長といたしましては、もとより問題の重要性にかんがみて慎重審議しなければならぬということを十分感じておるのでありまして、現在におきましては警察がそうした問題のあたかも中心になって条例を作るというようなことが、とかくの誤解を招くのであるならば、これは差し控えたいというようなことをはっきりと言っているような状況であります。いろいろ御例示になりましたような点、私ども今後十分自戒自粛いたしまして、いやしくも誤解のないように、真にりっぱな民主警察の育成に今後とも努力して参りたい、かように考えております。

門司亮日本社会党

○門司亮君 そうすると、今の神奈川県のことですが、これは県会で公安委員会はそういう相談を受けていないということを発言しておるのです。県会で公安委員会は相談を受けたかということを聞かれたときに、公安委員会の諸君は受けていないという発言をしているのです。これは公安委員会にあとから出したか、先に出したか、その後出したかわかりませんが、県会ではそういう記録になっておるのですが、私はその点は今の答弁とちょっと食い違いがあるようですが、あるいはあとで出したかもしれない、あるいはその当時公安委員は五人おりますから、その席に出ておった公安委員があるいはそれを知らなかったのかもしれない。しかし県会における答弁はそういうことになっておる。この点は一体どっちがほんとうなんですか。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 私が報告に接しておるところでは、ただいま私がお答えした通りで正しいと思うのでありまして、神奈川県の県会におきまして公安委員のどなたが答弁に立たれたかよく存じません。今お話のようにあるいはその公安委員さんが公安委員会においでにならないときに、県の本部長が進退伺いを出したというような事実関係になっておりますか、そこまでは私は詳細に存じておりませんが、私が神奈川県本部長から直接聞いたところによりますと、また神奈川県公安委員会あるいはさらに関東管区局長から聞いたところによりますと、先ほどお答えしました通り、神奈川県本部長は神奈川県公安委員会に対して進退伺いを出した。ところが県公安委員会におきましてその儀に及ばずということでお下げ渡しになった、かように聞いておるので、さようお答えいたしたのであります。

井手以誠日本社会党

○井手以誠君 ただいま長官のお答えでは、思想調査などあってはならぬ、その他御答弁としてはまことにもっともであります。いつもそういうことを国会では承わるのでありますが、依然としてそういう不当な調査などが行われておる。あなたは先刻逐次減っておるとおっしゃいましたけれども、私どもは逆に考えておるのであります。思想調査などというようなことについては、これは現在の警察制度のあり方から申しますれば、御答弁のごとくこれは重大なる失態であると思います。そこでそういうことを行なった警官に対してどのように今日まで処分されてきたのか、これは重大な失態であるという立場から、おそらく適当な処分が行われておると私は信じておりますが、どういうふうに処分されておるか、一々係までどうしたということはわからないかもしれませんけれども、少くともそういうものを監督しておる警察隊長なり責任者に対しても、当然戒告なりあるいは懲戒なりいろいろな処分が行われておることだろうと信じておりますから、この点をお伺いいたしておきます。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 思想調査をした事例に対して、その関係者の責任追及をどういうふうにしているかというお尋ねでありますが、ただいまここに個々の具体的な事例についてどういう処分をしたかということは、私ちょっと資料を持っておりませんので、明確にお答えできないのをはなはだ残念に思いますが、私ども全般的にこうした問題の跡始末について報告に接しているところでは、思想調査をしました当該警察官自身の懲戒処分はもとよりのこと、その監督者の責任追及ということも、もとよりやっているようであります。末端の巡査がそういう不始末をした場合にはその巡査自身の処分、さらにその署における監督者、中間監督者あるいは場合によっては署長の責任追及ということも、いろいろ本部長の方ではやっておるのであります。しからば本部長自身の責任はどうかということになりますと、これは私どもの方から十分将来を戒めて、こういうことのないように注意を喚起いたしておるような次第であります。

井手以誠日本社会党

○井手以誠君 それぞれ責任を追及しておるようでありますというお答えでございますが、それでは神奈川県については処分した事実がありますか。お聞きになりませんか。そのくらいは突然ではあっても、お答えができるだろうと存じますので、はっきりお答えを願いたい。

山口喜雄警察庁警備部長

○警察庁警備部長山口喜雄君 処分をしておるようだと長官が言われたのは、御承知のように警視以下の者はそれぞれ府県の警察の職員であります。いわゆる懲戒権というものは県にあるのであります。中央にないのでありますから、それで処分をしたように聞いている、こういうように言われたと思うのであります。御指摘になりました、先ほど門司委員からお話のありました神奈川県における女子の先生に対して、いろいろ調査をいたしました問題につきましては、これははっきりと処分をいたしております。私はさように報告を受けております。

井手以誠日本社会党

○井手以誠君 希望を兼ねて最後に一点お願いしておきます。さような重要な問題について処分をおろそかにしてはならないのであります。処分されてあればけっこうですが、私どもは処分されたということをあまり聞かないのであります。一罰百戒とも申しますが、一つ処分については再びそういうことがないように厳重に処分されますことを、特に要望いたす次第であります。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 関連して。ただいまの思想調査その他の問題に関連することですが、先ほど門司委員も言われたように、現在の警察が非常に官僚的になってきた、こういう傾向はあえて下僚が先物買いと申しますか、時勢の反動に迎合して、そうしてそういう行き過ぎをやることが非常に多いわけです。従って今事例にあげられたような問題も表面に出てきて、処分の問題まできておるわけですが、やはり警察権のあり方というものは、そういう問題が起きてそれを処分するだけでなくて、民主警察の行き方としてそういうことが起らないようにする。警察の目的も犯罪の防遏にあるのでしょうが、警察権自身の問題についても、その職務の行為についてやはり民主警察としての基本に違わないようにやらなければならぬと思うのですが、そういう点について、そういう問題が起きた場合またはふだんにおいて、そういう点がないような具体的な指導か何かを、警察庁としてはやっておられるかどうか、それをお聞きしたい。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 警察官の権限行使に当りまして行き過ぎのないように努めなければならぬことは、申すまでもないことでありまして、この点につきましては私ども機会あるごとにそれを強調して参っておるのであります。それには結局平素十分なる指導、教養を加えるということが肝要であろうと思うのでありまして、あらゆる機会あらゆる方法を講じて警察官の教養ということにつきましては非常な力を加えておるのであります。しかしながら御承知の通り教養というものはなかなか短日月で効果を上げるものではないのでありまして、じみちな努力を積み重ねまして長い期間をかけて、初めてその効果が現われるものであります。現在その過程にあるということが言えるわけであります。将来必ずよりよき警察といいますか、理想的な警察の姿が具現されますように、私どもも目下鋭意努力精進中なのであります。今後もこの点につきましては十分意を用いまして、一日もすみやかに理想的な民主警察の姿が具現されますように努力をいたして参りたい、かように考えております。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) 私からも最後に希望をあわせてちょっとお尋ねしますが、この砂川町の問題がああいうようにたびたび警官並びに一般のけが人を出してはなはだ遺憾であります。これは一方あくまでも法の根拠に基いて調査をしようというものと、これに反対するものとでありますが、しかしながら衝突をしてけが人の出るのは地元民と警察官である。ある一定の機関で話し合えば、あるいはまた妥結もできるのではないかという希望を持って一方は話をしようとするのに、それではだめだから警察の力を借りて、どうしても目的の調査をやろう、こういうことで強行するために、結局けが人を出すのは当事者にあらざる地元民と、何らの関係のない警察官がけが人を出すことになる。そこで、一方の要請があってちゃんと手続が済んでいるから出したのだというりくつは一応わかりましたが、それではもう一ぺん話をするから警察官は傍観してもらいたい、しばらく時間をかしてもらいたいといった場合でも、一方のそういうことがあるから出すのか、対等にそういう要請に基いて、それではできれば話してくれというようにして出さないようにするのか、私は、これはやはり時が問題を解決すると思う。話し合いを十分して、あのときにこうすればよかったということのないように望みたい。もう明日からこれがすぐ始まるのだから、そういう場合にもう一度話すから警察官は一方の要請によって出ないようにしてくれ、そういうことはかえって乱闘を繰り返すゆえんであるからといった場合に、調達庁に向ってこういう希望があるからきょうは出しませんと言うだけの意思があるかどうか。これは明日に迫った重要な問題だから、私から一応お聞きしておきたいと思う。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 円満な話し合いによりまして、何ら事故なく問題がスムースに解決されることを、私ども警察側といたしましても心から念願いたしておるのであります。従いまして、従来も円満に話し合いをするからというときには、私どもも警察権を行使することにつきましては極力慎重な態度をとりまして、不必要な指導等はいたさなかったつもりであります。今後におきましても、そういう考え方に変りはないのであります。どうか円満に話し合いがつきまして、問題が円滑に進行いたしますことを、私ども警察側も心から念願いたしております。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) さらに私からくどいようですが尋ねますが、一方は話し合いがつかないとして要請する、一方はまだ話の余地がある、こうした場合にいずれをとりますか。これは直ちに問題になると思いますが。

石井榮三警察庁長官

○警察庁長官石井榮三君 あくまで当事者が誠意を持ってやるのでなければならぬと思うのでありまして、ただ単に問題の引き延ばしのために話し合いをするからというふうなことであっては、問題が根本的にいつまでも解決されないのではないかと思います。私どもの希望いたしますのは、どこまでも当事者が誠意を持って話し合いを進め、円滑に事を運ぶということであると思うのであります。その点一つ十分御了承願いたいと思います。

坂本泰良日本社会党

○坂本泰良君 今委員長から発言もありましたからお尋ねしますが、現場を調達局が測量する、その測量だけを援護しなければならぬということはないのですが、それが調達局の測量だけを援護するという立場に立っておる。この問題は先ほど私が言いましたように、この法的根拠についても非常な疑問があるわけです。ですからその疑問が解消した上で——二、三日待って、ことに仮処分でそれがどう行くかわかりませんが、それが二、三日うち、あるいは四、五日うちに解決するから、そこで解決した基本の上に立てば話し合いができるのです。国民が保障された所有権を剥奪されるについて、やはりその土地収用は行政協定に基いておる、その行政協定は条約でと言うけれども、国会の議決も経ていない。そういうようなこんとんとした問題があるから、それを裁判所に仮処分あるいは訴訟を出しておる。訴訟だと一年二年かかるから、その解決までは待てぬけれども、やはり仮処分の解決までくらいは待って警察権は発動しなければならぬ。一方的に起業者のみを保障して、一般国民は保障しない。こういう警察側に対する反感と行き過ぎから、そこに問題が出てくるわけです。それを私たちは非常に遺憾に感ずるわけです。これはあしたからの問題もあってわれわれも現場に行くわけですが、この点はほんとうに農民は自分の祖先伝来の土地を剥奪されますから、それに対する反抗もすれすれのところまで行くでしょう。ですから警察権の発動ということについては、警察本来の基本の上に立ってやってもらわなければならぬ。この砂川の問題については起業者である調達局の役人とぐるになってやっておるという点が見えますから、そういう点については、今後の問題もあるし、他の基地の問題もあるから、これは一つ警察庁としての指導をぜひやっていただきたい、これを要望しておきます。

門司亮日本社会党

○門司亮君 今の石井さんのお話ですが、誤解があってはならぬからはっきりしておきますけれども、砂川の問題は、二日の日はくいを打ってもいいということを地元は言っておるのです。私たちは交渉に立ち会っていたからよく知っておるのです。ところが調達庁は一本ばかりのくいなら打たなくてもいいからと言って帰っていった。別に引き延ばして意地悪くしたのでも何でもないのです。あなたの方の基本的なくいだけはお打ちなさい、せっかく出てきたのだから一本か二本の基本的なくいは打って帰りなさいと、組合側は話し合ったのに、調達庁は打たなかったのです。何も引き延ばそうと考えたり意地の悪いことをしようと考えておるわけではないのです。あなたの方もせっかく出てきたのだから話し合いで行きましょう、それには何らの抵抗もしなければ問題もないからと譲歩しても、調達庁は三日は打たないでおいて、五日にはああいう事態を起しておる。こういうことを警察は知っておるか知っていないか。何も地元民諸君や応援隊諸君がむやみに引き延ばしておるわけではない。打てと言えば打たないで、打たせないようにすると打つということで、その点今のような答弁では承服できぬと思う。これは警察が認識を改めてもらって、事態がどうであったか、話し合いの余地があったかなかったか。たとい一日に一本ずつ打っても、十六日間打てば十六本けんかせずに打てるのですから、その辺はよく警察側が考えてもらわぬと、また今後問題が起りはしないか。この点今後においては、坂本君その他からいろいろお話がございましたので、留意してもらいたいと思います。

大矢省三日本社会党

○座長(大矢省三君) それでは本日はこの程度にして協議会を終ります。    午後四時三十一分散会

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