地方行政委員会 第53号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/30
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 本日付託されました鈴木直人君外六名の提出にかかる地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。提案者より提案理由の説明を聴取いたします。鈴木直入君。 —————————————
○鈴木(直)委員 提案の理由を御説明申し上げます。地方財政は今や破局の寸前にあると申しても過言ではない現状でありまして、これが解決は刻下の急務であります。政府はこれが対策として再建整備促進臨時措置法を本国会に提案し、二十九年度末における実質赤字約五百八十億と予想せられるものの解決をはかることとしているのでありますが、この再建整備促進臨時措置法は過去の累積赤字を解決するものでありまして、今後の赤字の解決対策は含まれていない次第であります。過去の赤字の解決はでき得るといたしましても、今後の赤字防止対策が同時に解決されなければ、抜本的な地方財政の立て直しはできません。政府の地方財政に対する施策はこの点において不完全なものと思われるのであります。今後赤字の出ない方策としては国と地方との税財政の調整、地方制度の改革、国の補助金制度の適正化その他地方財行政を通ずる根本的な再検討を必要とするといたしましても、目前に差し迫った破局寸前にある地方財政の解決には間に合わないと思うのであります。すなわち再建整備促進臨時措置法と同時に、当然解決せなければならない今年度以降の赤字解決対策として、この法案を出した次第であります。すなわち本年度においては地方交付税率を二五%に引き上げ、三十一年度からは二八%に引き上げるという内容のものでございます。 皆様の慎重な御審議の上に御賛成をお願いする次第であります。
○大矢委員長 これにて説明を終りました。 暫時休憩いたします。 午後二時七分休憩 ————◇————— 午後六時十五分開議
○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 鈴木直人君六名提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題といたします。質疑の通告がございますから、これを許します。北山愛郎君。
○北山委員 ゆっくりやってくれという御要望がありますけれども、簡単に締めくくりというような意味で、交付税率の引き上げ案につきまして、政府並びに提案者のお考えを聞きたいと思うのです。 この国会は四カ月われわれの委員会は地方財政のほとんど全般にわたりまして審議をやったわけでございます。いろいろそれには収獲もあったと思いますが、やはり私はこの国会における当委員会の最大の収獲といいますか、それはこの地方交付税法の税率の引き上げいうものが、われわれ社会党並びに自由党からも提案されておるということであります。でき得るならば、もしあと二日くらいの時間がございますれば、われわれは自分たち社会党の案を引っ込めて、そうして自由党の案に賛成をしてこれを通過成立をさしたい、かように思うのでございますが、残念ながらその時間もないようでございます。そこでお伺いしておきたいのですが、この両案は継続審査ということになっておるわけであります。特に自由党の交付税法の改正案についてまず政府の自治庁長官のお考えを聞いておきたいのであります。この委員会で前に社会党の百分の二十七に上げるという案について長官のお考えを聞いたところが、長官は賛成である、こういうふうにおっしゃったのでございます。従ってその率については若干違いはございまするが、そのお考えの趣旨に従えば、やはり自由党の税率の変更の案、すなわち本年を二十五にし、来年から二十八にするという案についても、自治庁長官は御賛成ではないか、かように考えるわけでございますが、この自由党の案についての政府側の考えを聞いておきたいと思います。
○川島国務大臣 三十年度の決算がどういうことになりますか、これはやってみなければわからぬのでありますが、私どもも相当赤字が出るのではないかということを考えておるわけであります。従いまして地方財政措置に対してある程度の財源措置をすることは必要でありますが、しかしこれを交付税一本でやるのか、それとも他の地方税の改正の処置をするのか、もしくはたばこ益金から持ってくるのかということにつきましては、まだ考慮の余地があります。かりに交付税一本といたしましても、それが二七%がいいのか、二八%がいいのかということも、今日はまだ計算がつかないのでありまして、私は財源措置は必要であると考えますが、しからば交付税を何%取ったらいいということのお答えをする段階には行っておらぬわけであります。
○北山委員 そういうふうに具体的に何%にするということについての明確な御意見を、今日において長官から承わるということは無理だと思っております。しかしながらこの前社会党の案に対しては、趣旨は賛成であるというふうにおっしゃったのでございますから、長官としてはやはり自由党の案——これは率はいろいろ今後の事情によりましてどれがいいかということはそれぞれ変ってくるでございましょうが、そういう社会党の案に賛成すると同じような趣旨において、自由党の案に、これはけっこうなものである、好ましいものであるというお考えであるかどうか、これを確かめておきたいということであります。 それからもう一つ提案者の方にお伺いしたいのでありますが、第一点は、今年度二五%、これはやはり提案者としてもお考えであろうと思いますが、本年の財源措置は二五%では足りないではないかとわれわれも考えておるわけでございます。従ってこの二五%という率は、いわゆる給与の実態調査の結果、この給与の面において是正をしなければならぬ、こういう分は含んでおらない、もしもそういう給与実態調査の結果として、さらに是正額が出るとするならば、また別途考えなければならぬと思うのでありますが、そういう点についてあらかじめお考えになっているかどうか、これをお伺いします。
○鈴木(直)委員 本年度二五%にいたしました理由は、ただいま長官から御説明がありましたが、本年度どの程度実際において不足を来すかというような見込みの観点から二五%ということにいたしたわけではないのであります。この二五%にいたしましたのは、二二%になりましてそれ以後において、新しい事態が発生いたしました。しかるにその新しい事態の発生に即応して二五%まで引き上げるべきであったと思うのです。今年度当初予算を作る場合に、政府においてはそういう措置をとるべきであったと考えておるわけであります。それはどういう理由かと申しますと、二二%になりました後において、第一は、国税三税の減税に伴う交付税の減額があったわけであります。それが七十一億七千五百万円であります。これが三十年度の予算に組む場合に、これを交付税か何かの方法によって補てんさるべきであったと思うのであります。ところが現在の予算にはそれはなかったわけであります。第二は、二二%の以後において奄美大島が加わりまして、その経常費の算入に伴うところの奄美大島に対する一般財源の増加がございました。それが八億六千三百万円でございます。これも現在三十年度予算には入っておらないわけであります。第三には、警察費の是正額の平年度化に伴うところの一般財源の増加があるのでございまして、これが五十三億五千二百万円あるのであります。これにつきましても三十年度の予算並びに地方財政計画に対してこれが加わるべきであったのが加わっておらないのであります。第四は、地方財政計画の算定に伴うところの恩給費が、三十年度において四十億五千六百万円国の負担として計上されると考えるのでありますが、これが当然三十年度に地方負担として入るのでありますが、これもまた政府における三十年度の予算として入っておらないような次第であります。これを合計いたしますと、その率は二四・八一%になるのであります。さらにそのほかの、たとえばこの国会においてあるいは参議院修正案の遊興飲食税などが通過いたしますと、これによって相当の不足を来すのでございます。その数字もあるのでありますが、これなど加えますと、二五%になるわけでありまして、このものはどうしても、本年度のうちに当然加えるべきものが加わっておりませんので、これを追加して税率の中へ入れて二五%を実現したい、こういうのが二五%の基礎でございます。 そこでただいま御質問がありましたが、この秋に大体きまるであろうと言われているところの地方公務員の実態調査、これはどの程度見込まれるかわかりませんが、大体三百八十億程度になりはしないか。そのうちに国としてやるべきものが百八十五億くらいあると見て、それを全額というても、あるものとあるべきものとを考えると、二百億くらいに圧縮すれば地方財政もやっていけはしないか、こう考えるのでありまして、これを加えますと六%のものになるのであります。従って本年度といたしましても二八%の財源が必要と考えておるのでありますが、大蔵大臣におかれましても、自治庁長官におきましても、この秋の問題は、そのときに処理するという答弁が再三ありましたので、この処理を交付税に入れるかどうかという点を考慮いたしましたが、これはそのときに財政措置をするというその言明を信じまして、これはそのときに何らか措置してもらうものであると考えて二五%にいたしておるような次第であります。
○北山委員 詳細な御説明了承いたしました。ところでこの交付税率の引き上げに関する二つの法案は、継続審査ということに大体きまっておるわけでありますが、問題は時期の問題だと思うのです。自治庁としても、再建促進法が参議院において大体継続審査ということに決定されるようでありますが、そういたしますと、再建促進法にしてもあるいは交付税法にしても、これがなるべくすみやかに審議されることが必要ではなかろうか、継続審査で次の通常国会までということでは、地方団体としても非常に困りはしないかと思うわけであります。従って継続審査にする以上は、すみやかに臨時国会を開いて、そうしてやるというようなことを前提としてお考えになっておるんじゃないかと思うのでありますが、政府としては、この地方財政の問題を中心としてすみやかに臨時国会を開くようなお考えをお持ちであるか、あるいは長官自身としても、この問題についてなるべくすみやかに臨時国会を開くための努力をなさるお考えであるか、この点をお聞きしたい。 それから自由党としても、同じような趣旨で臨時国会を開きたいというようなお考えをお持ちだと思うのでありますが、この点については何らか御用意があるかどうかについて、自由党並びに政府の方からお伺いをしておきたいのであります。
○鈴木(直)委員 臨時国会のことにつきましては、私は自由党を代表いたしておりませんので、この場所でお答えを申し上げるわけに参らないことを御了承願います。
○川島国務大臣 地方財政の現状は非常に苦しいことは事実でありますので、ただいま参議院にかかっておりまする再建促進法は継続審議にきまったようでありまするし、またただいま御審議中の交付税の法案がもし継続審議になりますれば、自治庁長官といたしましては、地方財政を健全化する立場から、なるべく早い機会にこれを実施に移したいということを考えておりまするが、これは国家全体の財政とのにらみ合せがありますので、臨時国会を開くかどうか、開くとしていつ開くかということは、私限りでここでお答えを申し上げられないのであります。ただ自治庁長官の立場を申し上げますれば、これは地方財政とにらみ合せましていろいろ考えて早く開きたいと思っておりまするけれども、国家財政は簡単にこうなっておりませんからして、この程度で御了承を願っておきます。
○大矢委員長 それではこの質疑はこの程度にいたしておきたいと思います。 —————————————
○大矢委員長 閉会中の審査に関する件についてお諮りをいたします。すなわち今国会は本日をもって閉会となる予定でありまするので、本委員会の重要なる使命にかんがみまして、閉会中も継続して審査ができるようにいたしたいと考えます。つきましては国会法第四十七条第二項の規定によりまして議院の議決を要しまするので、継続審査をする案件といたしまして、一応地方交付税法の一部を改正する法律案、加賀田進君外十名提出、地方財政法の一部を改正する法律案、加賀田進君外十名提出、地方交付税法の一部を改正する法律案、鈴木直人君外六名提出、地方自治及び地方財政に関する件、警察及び消防に関する件、これらの案件につきまして、継続して審査をしたき旨を議長に申し入れたいと思いますが、御異議ござませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 それでは御異議なきと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○大矢委員長 次に、引き続きお諮りをいたします。閉会中も継続して審査することになりますれば、法律の施行状況や地方自治、地方財政、警察、消防等の状況につきまして委員を各地に派遣して、その実情を調査し、本委員会の審査に遺憾なからしめたいと思います。つきましては委員派遣に関しましては、すべて委員長に御一任を願うこととし、議長にその承認を求めることといたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。 七時半まで休憩いたします。 午後六時三十三分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕