地方行政委員会 第50号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/07/27
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 地方自治法の一部を改正する法律案及び同整理法案を一括議題とし、前会に引き続き質疑を行います。質疑の通告がありますからこれを許します。五島君。
○五島委員 自治庁の川島長官にお尋ねしたいのですが、きのう亀山委員が質問された中に、十八項目の五大市に対する事務再配分の問題とそれから特別市制の問題と関連があるかという質問があったわけです。ところが小林行政部長はこれは関連がないという答弁でした。なるほど関連がないかもしれませんが、長官の提案説明の中には、特別市制は現在のところどうも不可能だから、この十八項目の事務再配分をもって終止符を打ちたいというようなことを説明の中で言われたということを記憶しておるわけです。従って自治法の中の特別市制の問題について長官はどう考えられておるかということをこの際質問しておきたいと思います。
○川島国務大臣 地方自治法の中に規定してあります特別市制を適用しておる市は現在一つもないのでありますが、今後特別市制のこの規定をどうするかということにつきましては、現に地方制度調査会におきまして研究しておりまする県の統合、道州制の問題とにらみ合せて考えたい、かように存じまして、ただいまのところこれを削除する意思はございません。
○五島委員 そうすると、道州制とにらみ合せて特別市制の問題は考えるということですが、この十八項目を五大市に配分することによって一時終止符を打ちたいということはどういうことですか。かって地方で特別市制の運動を猛烈に展開したことがあるのですが、このことについてはどう考えられますか。
○川島国務大臣 ただいま御審議願っております事務を移譲する問題は、地方制度調査会で御研究の結果答申になったのでありまして、現在の道府県と大都市との間の状況を見ましても、この程度のものは早急に移譲することが適当だ、かように考えて改正案を出したのであります。昨日も申し上げたかと思うのでありますが、地方行政の問題は社会の進展、変化に伴いまして、常に簡素合理化する必要があるのでありまして、これで最終だとは申し上げかねるのでございます。なお研究の結果必要な事項がありますれば移譲するような場合が起るかもしれませんが、とりあえず今日の段階におきましてはこの程度が適当だ、かように考えて提案いたした次第でございます。
○五島委員 議会の権限の問題などがありますが、常任委員会の縦割り式と横割り式の問題について、きのうの説明によりますと、横割り式にする理由は、特に発言の機会を与え、深く議員に研究をさせたい、こういうような意向のように伺いますが、横割り式になって歳入歳出あるいは予算というような常任委員会に制限せられる、そうすると歳入の面と歳出の面といろいろ考え合せてみまして、常任委員会は原則として一つだというような項目があるようでありますが、歳入歳出それぞれ一つの常任委員を地方議会の議員がやったときに、入るをはかって出ずるを制するというようなことで歳入の面だけを一生懸命専門にやらせて深く研究させる、それから歳出の面は歳出の面でそれのみを深く研究させてもらうというようなことで、果して議会の運営あるいは議員の職責というものについて、普遍的なことが可能になるとお考えになりますか。
○小林(與)政府委員 私より申し上げます。常任委員会の問題は、もともと議会が全体としてやるところを議会で内部的にそれぞれ専門的にわけて研究しようという組織でございますが、この歳入と歳出をわけましたのは、やはり歳入は特に地方団体としては税負担、手数料等、住民の負担関係というものを中心に、専門的に総合的に徹底的に研究してもらうということが、これは議会として非常に大事な問題だと思うのであります。それとともに、歳出は歳出として全般的にそれぞれ各部に通じて研究してもらう。その間の調整はそれぞれ両委員会の間における話し合いの問題として調整をしてもらえばよいのでありまして、いずれにしろ、歳出全般として住民の負担の立場からの問題はとことんまで検討するということが、きわめて重大な問題だと考えておるのでございます。
○五島委員 そうすると、きのうの亀山さんの質問によりますと、常任委員会の制度をこういうような五種類ばかりに限定する、それは経費が非常に節約される面も大きな要素を含んでいるようでありますが、しからば現在のような縦割り式の常任委員というようなものを分科会制度あるいは特別委員会制度に自発的にきめていってしまう場合のことが予想されるだろうと思うのですが、その点についてどう考えますか。
○小林(與)政府委員 特別委員会は御承知の通り特定の事項についてだけ設ける組織でありますから、いわゆる教育部門とか土木部門というような形で特別委員会が設置になるわけじゃないのでありまして、たとえば特定の学校の設置をどうするとか、あるいは大きな総合開発事業をどうするとかいう形で設置されるのであります。それでありますから、こういう形にしたがために、いわばもぐりというか、何かしらぬが、そういう形で従来のような縦割りの特別委員会をたくさん設けられるということは、考えられないと思うのであります。それから分科会の問題は、これはきのうも申し上げました通り、大きな常任委員会になれば、さらにその内部において審査の便宜のために設けられることは、これはあり得ると思います。しかしながら分科会といっても、二人や三人の分科会を設けられることはないのでありまして、相当数の規模の場合の常任委員会でありますから、大体議会自体が議員数の非常に大きい団体で、しかもその特定の委員会の数が相当な数なければ、考えられない問題でありますので、これは実際上それでもとのもくあみになるということはあり得ないと考えております。
○五島委員 大体地方の議会の状態としては、歳入歳出を一括して、予算委員会あるいは決算委員会というようなものは、そのつどに全員あるいは全議員の半数程度でもって特別委員会を設けて、そうして、入ること、出ること、それを総合的な観点から議会の間に特別委員会を設けて、両面からいろいろ研究していると思っておるわけです。そうするとその方が非常にいいような気がする。歳入があって初めて歳出が成り立つのですから、歳出のことばかり考えて歳入のことを考えないというようなことではよろしくない。従って歳入歳出を二つにわけていって、果していいかどうかというような疑義も出るわけです。そして特に今度の地方自治法の改正に当っては、議会は四回の回数が一回ということになって、そして招集することは、二月か三月に招集しなければならない。その会期は原則として一カ月だというようなことになっておれば、何か歳入の常任委員になり、歳出の常任委員になった者は、一カ月たてば、予算の問題が解決する、成立すればあとは何も常任委員というものは活動しなくてもいいのだ、あとは首長の専決処分とか何かを、あと歳入の面に関しては歳入の面、歳出の面に関しては歳出の面で承認、研究する。その場合には、深く研究し、深く広く発言を与えるのだというようなことから、ずいぶん遠くかけ離れているように思われるのです。法文を読んでみて、そういうことで一体委員が広く発言し、深く研究することができる条文になるかどうかということを……。
○小林(與)政府委員 これはもともとこの歳入歳出というのも、相当な規模の常任委員会を設けるのは相当規模の議会におきまして設けるのでありまして、できるものなら全員がすべての議案を審議するとことが最も望ましいことは申までもない。ただ議員数の多いところにおいては内部の運営上合理的な組織として何か考えなければならぬというので、この常任委員会の建前が考えられておるわけでありまして、そういう場合にこの常任委員会のあり方としてはどうしたらいいか、こういう問題だろうと思うのであります。そこで今お話の通り入るをはかって出ずるを制するというか、ともかく住民の歳入面というものをはっきりつかまえていくということが根本でありまして、場合によっては歳入歳出を一本にして予算委員会ということも考えられます。そうするとむしろどっちかというと歳出の方にだけ目が行き過ぎまして、歳入の方についての配慮というものが従になりがちである。それよりもむしろ全体的に歳入の面を中心に責任を持って審査する組織があった方が、住民の税負担あるいは国その他の補助金の問題につきましても、最後に責任を持って見わける、審議をする組織になるのじゃないか、これは実際の現状から考えてそういう必要があろうと思うのであります。そういう意味でこういう建前にいたしたのであります。 それからなおこうすると、会期制の問題等にからんでいろいろ発言がございましたが、会期の問題は、これは今までもしばしばお話のあります通り、これは議会の実際の活動そのものに何らの制約を加えておるのではないのでありまして、議会が議会の議決権限を行使するに必要ならば、いつでも議会というものは招集できる、またしなくちやならない建前になっておりまして、この開会の建前を変えることによって専決事項がふえるということもありますが、専決事項はそれぞれやる条件がきまっております。それから何が何でも専決させるようなそういう理事者を容認している議会はあり得るはずがないのであります。これは実際問題はありようはずがないのであります。それから議会が開かれるという場合には、大てい追加予算なり何か予算議案が普通中心議案でありまして、それから他の一般条例その他の議決事件でありますから、条例なら法規委員会で、議決事件なら議決委員会でそれぞれやる。議決の議決活動というものを中心に考えれば、ちょうどこういう建前で、調子よくあんばいよく行くのじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。
○五島委員 再建特別措置法の中の首長の事務を補助するものが各種の行政委員会でもあるいは議会の事務局の事務を兼任することができるというようなことで、ついこの間まで非常に大きく論議が集中されたわけですが、今度の地方自治法の中にもこの問題があり、それから特に助役を書記長あるいは書記に任命することができるというようなこともあるようです。首長の日常の仕事を特別に、その身辺からその他あらゆる問題を補助する助役を、議会の書記長に任命するというようなことが、再建整備法の審議のときに出て、長官は対立がないのが当りまえで大いに協力しなければならぬ、協力しなければ再建ができないんだ、非常時局を乗り切ることはできないんだということを常時説明されておったわけですけれども、議会を執行部というものは、やはりどうしても議会が執行部を監督しなければならない。それからまた議会は議会で独自の活動をしなければならない。従って性格は全然違うと思う。ところが事務局で有無相通じて、助役を書記長にすることができるというように明文化そうとする考えは、一体そのねらいはどこにあるか。あるいは各種常任委員会の事務局もこれを兼務することができるというようなねらいはどこにあるか。やはり議会と執行部はしっくり仲よく行かせて、そうして実を上げたいというねらいであるかどうかということを、あらためて地方自治法の中で聞いておきたい。
○小林(與)政府委員 事務局の職員の兼任の道を開いたのは、今お話の通り、議会と各行政委員会全部についてその道を開いたのでありますが、これはそれぞれの条文をごらん願えばわかります通り、たとえば議会ならば任免権は相変らず議長にあるのでありまして、議長がただ県の事務局一般吏員の職務と兼ねさせることができるというだけでありまして、助役につきましても、助役は法律上兼任がむずかしい規定がありますので、兼ねさせることを妨げないと書いてあるのであります。これはもっぱら議会が自主的な立場で兼任をさせてしかるべしという場合にものを考えればいい問題だと思うのであります。この規定の趣旨は、全般的に組織機構というものをできるだけその実際の活動に即する必要最小限度で簡素合理化させたい、こういうような考え方でありまして、一般の執行部局につきましても簡素合理化をはかる以上は各委員会、議会等の事務局についても、当然に同じ歩調でものを考えるべきだと思うのであります。特に各議会とか委員会の仕事というものは、正直に申しまして非常にむらがあることがある。議会なら開会中は非常に忙しいが、そうでない場合にはまず仕事はほとんどない。選挙管理委員会なんかは、選挙のときは忙しいが、平素は仕事がほとんどないのでありまして、そういうときに専任の職員を何人か置いて、常時遊ばせて——遊ばせてというと語弊があるかもしれませんが、あんまり仕事がない状態に置くということはおかしいのであります。専任の書記等は何人か要るかもしれない。そういうものは置いて、そうでないものは、兼任さして有無相通じて職員を動かすということが、全体としての事務を合理的ならしめるゆえんだと思うのであります。これはそういう趣旨にほかならないのでありまして、事務局の職員がこうなったから議会の自生性がどうとか、委員会の独立活動がどうとかいうことはありようがないのでありまして、議会はあくまで議会として自主的に動き、委員会も、委員会が主体であってその内部の事務を単に補佐させる職員にすぎないのでありますから、そういうことでこの問題をすぐに大議論するということは、むしろ委員会の権威、議会の権威から考えてもどうかと思うのであります。特に小さな市町村におきましては、一般に専任の職員が議会におるかといえば、私はそれは非常に疑問でありまして、現に実際置いておるところが必ずしもその全部でもないわけでありますから、そういう意味でむしろ制度上はっきりとその道を開いておく。そうして調子のいいそれぞれの事務機構によって、権衡のとれた組織の運営をはかるということが最も適当だろう、こういうふうに考えておるのでございます。
○五島委員 今の専任の事務者を置いておるところは少いということは、地方自治法が施行されてすでに年月もたっておるわけですけれども、大体地方自治法の精神は、やはり独立性を持たして、独立性を確立して、それぞれの立場において職分を守っていく、そうしてその中から民主化を拡大していくことであると考えておるわけです。しかし今まで兼任していたところも、説明によるとあるということですし、そして実際あるだろうと思う。ところが地方の自治体ではこれを確立し分離していくために、地方議会等が目下努力中であるということも承知しておるわけですが、こういうような問題でどうしても助役とかその他首長の事務を補助するところの職員をもってこれを兼務させていくというようなことは、逆に歯車が回っておるような印象を持つわけです。それは一応小林さんの説明として聞いておきたいと思います。 次に、きのうの亀山さんの質問に対して長官はこういうことを言っておられたわけです。不信任の場合、過半数をもって不信任することができ、あるいは過半数をもって信任を問うことができるというようなことに関連する質問の中に、政党政派が違った首長が選ばれておる。ところが地方の団体の議会の分野は、これが逆な政党政派、あるいは逆な立場の議員がたくさんおる場合は、執行部と議会が非常に紛議を生ずるというようなことで、そういうことはどうもよくないので、今後は国会と同様な意味において、議会の数の多いところからそれぞれの首長を選ぶことが適当しておるだろうというような説明があったわけです。この説明を類推していけば——これは言葉の上から揚げ足を取るという意味では決してないということをまずもって了解してもらいたいと思うのですが、こういうことならば、地方自治法改正の問題に関しては、国会と同様な運営をして、たとえば議会の分野の少い側が首長として当選しておるというような場合は、一日も早く不信任の決議をすればいいのだという長官の意思のようにも見えるわけですが、そういうことを地方自治法の改正に当って企図しておられるのかどうか、そういうことをやはり考えておられるのかどうか、これを伺いたい。
○川島国務大臣 私が昨日申し上げましたのは、そういう事例もあるという引例として申し上げたのでありまして、地方自治の本来の姿は、必ずしも政党同士の争いではないのでありまして、政党を超越して地方行政を円満にやるということが望ましいのであります。従いまして、長と議会と常に意思が反して衝突しておるようでありましては行政の運営も円満にいかぬし、財政の運営も円滑にいかぬのでありまして、そういう場合には多数決の原理によりまして、過半数で信任、不信任をきめるということが議会政治としては本来の姿ではないか、こう考えて提案をいたしたのでありまして、昨日申し上げました党派関係とは、そういう一つの事例もあるということを申し上げたのでありまして、私は必ずして地方議会というものが党派的に対立して相戦うものだとは考えておりません。
○北山委員 ただいまの説明については、長官はたしか参議院においてもこれに対して御答弁をなさっておると思うのですが、この不信任をやりやすくするような規定、結局議会の各党派の勢力が首長に反映するように、いわば首長と議会の多数派を一致させる、この方が好ましいという趣旨からこの規定が入ったのだ、たしかこういうように参議院においても御説明になったようでありますが、ただいまのお言葉ではあいまいでありますから、重ねてこの点を明らかにしていただきたい。そういう趣旨であるかどうか。
○川島国務大臣 党派が一致すればなお円満に行くのでありますけれども、しかし信任、不信任という問題は、党派問題ではなしに、具体的の問題について議論されるのでありますから、必ずしも地方議会におきましては党派ばかりでもってものを考えるわけに行かぬと思うのであります。確かに現在の地方議会をみますと、長の所属党派と議会の多数派とが違うがために、きわめて地方行政が不円滑に行っているところがあります。ありますけれども、私どもといたしましては今も御答弁申し上げました通り、地方行政というものは党派争いではないのでありますから、長と議会との円満な運営を希望するわけでありまして、何かの問題につきまして長と議会とが衝突した場合におきましては、これを県民なり市町村民の意向に聞くということも、またこれ議会政治としては当然だ、こう考えましてこの改正案を提案したわけでございます。
○川村(継)委員 関連して。ただいま長官のお話を聞いておりまして私は驚いておるのです。長官は、地方議会の長と議会とが衝突したというような場合にうまく行かない、なるたけ円滑に運営されることを望んでいる、こういう意味で提案をしたとおっしゃるのですが、私の考え方からすれば、かりに議会側と長とがいろいろ政策上衝突するような事例がありましても、できるだけ解散とか不信任、そういう事態を避けながら軌道に乗せていくことが望ましい姿じゃないかと思う。なぜかというと、国会は国民が議員を選挙する、その国会の多数政党の中から総理大臣が出るという形になりますけれども、地方は首長も議会も住民の直接選挙で出てくる。国会の内閣とそれから国会構成の議員との立場とは地方議会は少し違っていると思う。そういうことも考えて参りますと、軽々しく不信任が成立するとか解散権を行使するというような行き方で、長なら長の意図するような行政の方向に引っぱっていくということはどうも望ましい姿じゃない。かりにさっき申し上げます議会と長との間に何かうまく行かない事態があっても、私はあくまでも不信任であるとか、解散であるとかそういうことは避けながら、極力お互いに協調して行政運営を軌道に乗せるという努力をすることがいいではないか、こういうふうに考えるのですが、長官の今お話いただいたようなお考えと私の考えとがあまりに隔たったような点もありますし、私は民生政治というあり方からいしましても、地方の議会制度の今日のあり方からいたしましてもふに落ちないところがある。この辺のところを一つもう少し打ち割って御説明願いたい。
○川島国務大臣 川村さんのお話の通りでありまして、できるだけ長と議会とは円満に話し合っていくことが、地方政治としては望ましいことは当然でございます。しかし絶対に話のつかない場合もあるのであります。現行法におきましても不信任を出すことは認めております。ただそれを決議する数の問題なのでありまして、根本としては、長と議会とが衝突した場合におきましては、不信任案も出し得るし、また解散もし得るという規定があるのでありまして、私どもはどこまでも円満な話合いを希望いたしますけれども、むろん小さな問題ではそういうことは起りませんけれども、県政なり市町村政なりに対してきわめて重大な問題に逢着した場合におきましては、一応住民の意思を問うということは必要でありまして、そのときに過半数の制度によるのか、それとも現在の地方自治法の制度によるのかということが議論の分れ目でありまして、私は多数決の原理に従いまして過半数によることが適当じゃないか、かように考えて提案をいたしたわけであります。
○川村(継)委員 住民の意思を問うというようようなことに重点を置かれておるようでありますけれども、私どもが心配いたしますのは、再建促進法のときにも問題になったようでありますけれども、結局軽々しく長が、自分の意図を議会が承認しないときに信任を問うような挙に出ることになると、あるいは不信任決議、解散決議の数を過半数に持っていくということが行われて、常時そういう手段がとられるという事態は好ましくない。私たちは地方議会においてはなるたけ不信任、解散というような事態は、最悪の場合でなければ、これを行なってはいけないという考え方でおるわけで、今過半数にした、あるいはもちろん現行法にありますから、現行法のいわゆる三分の二ですか、出席した中から四分の三のあれをとるとかという数字があったと思うのですが、その辺のかね合いと、過半数という今度の改正がねらっておるのは、一体どちらがどういうふうになるのか、これは一つ部長からもお聞きしたいのでありますけれども、われわれは軽々しくそういうことが通過したり、解散権を発動したりするようなことがないようにありたい、こう考えてお尋ねしているわけです。
○小林(與)政府委員 これはいろいろ御議論があると思いますが、実はいろいろ実例もあるのでございまして、たとえば現在のような比較多数になっておりますから、不信任の決議を何度でもやる。解散になりようがないが、不信任の決議だけで知事に烙印を押す、それが過半数で成立する。そうして実際の議事の運営にさっぱり協力しない。一方にこういう事例もあると思えば、また別には、不信任の決議が一度あって、それでも長が解散を命じて新しい議会ができた。その議会でもう一度不信任の決議があると長は退職しなければならぬことになっておるのですが、議会の臨時会が招集になって、三分の二には大体なりそうな態勢になったのですが、そうすると今度は長の方でさっぱり会議を開かない。開かずじまいにいつまででも、数カ月間もその臨時会が延びておる。議会側は会期延長、会期延長でこうやっておる。そうしてやろうとしますと長側の方が欠席の戦術に出まして、定足数が得られない。過半数はもちろんある。そういうので数カ月、臨時会の議事はもう議案も何も審議せずに、行政は全く停滞をしておるというような事例もありまして、長と議会とは、大ていの自治体は円満に行っております。また行くべきだと思うのでありますが、時にそういうふうにこじれてきますと、その間をどうして調節するか。これは調節する方法がないのであります。そうすると結局議会と長とがそれぞれ責任を明らかにして、ほんとうにいかぬものならいかぬという判断のもとにやる。しかしながら信任関係と別に、議案は議案として正常に審議していただけばこれは問題は少しも起らぬのでありまして、ともかくも議事の運営だけは確保する必要がある。長と議会との対立によってにっちもさっちも行かぬ、そういうときのさばきをつけるには、結局この制度をはっきりさせるよりしようがない。そしてこういう責任をはっきりすれば、長も自粛すれば逆に議会も自粛いたしまして、解散も欲しなければ辞職も欲しないのでありますから、これをほんとうにやるということになれば、むしろ議事の運営が軌道に乗るのではないか。こういう規定によって事が不安定になって脅かされるということよりも、いざとなったら解散なり辞職という大問題が起きますから、むしろ両方とも自粛をして両者の関係が正常に行くだろう、こういうことをわれわれは衷心から期待いたしておるのでございます。
○川村(継)委員 行政部長の説明はよくわかりました。しかし一応説明は説明として聞いておきたいと思うのです。失礼なことを聞きますけれども、まさか長官は、私が次にお尋ねするようなことをお考えになっているとは思いませんが、今地方議会は、まだ自由党さんの方が議会勢力が非常に強いのです。そこでそういうような問題が起きたときに、こういうことが行使されて、まさか与党の議会勢力が強くなるということを期待されておられるということは全然ないでしょうね。
○川島国務大臣 本年行われました地方議会の選挙の状況を見ますると、長の選挙におきましても、また議員の選挙におきましても、ほとんど多数が無所属に属しておるんでありまして、はっきり政党に属している人は少いのであります。もちろん川村さんが御懸念のようなことは毛頭考えていないのであります。ただ私といたしましては、地方の運営をすっきりした姿に持っていきたい、従来ややもしますと弊害が起りましたが、これを排除したいということだけでございまして、その他の政治的の意図は全然含んでおりません。
○北山委員 今の問題ですが、いろいろな場合も考えられるし、またいろいろな意見もあると思うのですけれども、こういうふうな規定を作るということ自体は、少くとも不信任及び解散を従来よりもやりやすくする、この点だけは確かだと思いますが、いかがですか。
○川島国務大臣 その通りであります。
○北山委員 そうすると、なぜやりやすくするのかというと、先ほど長官がおっしゃったように、議会の勢力と首長とが同じ勢力に属している者にする機会をできるだけふやそう、こういう趣旨だと考えられますが、どうですか。
○川島国務大臣 そういう考え方ではなしに、議会を円満にやるのには常に衝突しておったのではいけないのでありますから、長と議会とが、その属している地方団体の運命に関するような大問題につきましては、住民の意思を聞くということが必要だと考えておるわけであります。
○北山委員 円満にやるということであると、不信任を出しやすくする、そういう機会をふやすということは円満にやることとはやっぱり逆行するので、むしろ過半数で不信任が成立するということは、不信任の成立を容易にするのですから、そういう機会がしばしば出てくることを予想しておられるに違いない。そうすると、長官が言われる円満にやられるということとは逆行するのではないかと思います。やはり不信任を出すことは長と議会が対立するのですから、決して円満ということには行かない。そうすると、その円満でない事態をしばしば引き起そうというのでありますから、どうも長官のお言葉とは相反するように思いますが、前後矛盾しておるようですが、重ねてお伺いします。
○川島国務大臣 先ほど行政部長から、従来ありました実際の事例を御説明申し上げたのでありまするが、現在の制度でありますと、地方行政というものが長と議会の間で始終もたもたしまして、すこぶる不明朗な状況を呈するのでありまして、これを明朗化するためには、ある程度信任、不信任の決議をやりやすくするということが必要だろうと私は考えるのでありまして、効果をねらいますと、かえってこういうような規定があるために、信任されることも不信任されることも困るし、また議会を解散されることも困りまして、案外こういうことが作用してお互い同士の話がスムーズに行くのではないかということも考えられないことはないのであります。この規定ができたがために盛んに地方議会において不信任決議がされて、解散の事態に導くとは私どもは考えてはいないのであります。
○北山委員 しかし、先ほどお答えがあったように、少くとも制度上従来よりも解散をやりやすくするような制度であるということは間違いない。ですから、従来よりやりやすくなるのであり、またそういうことを先ほど来のお話で期待しているわけであります。今のようにもたもたしているような状態ではどうも好ましくないから、対立があるものならば、解散なり不信任なりで、一つきれいさっぱりけりをつけろというようなお言葉にしか受け取れないのでありますが、それは私の受け取り方が間違っているのでありますか。
○川島国務大臣 もたもたしていることの解決法は、必ずしも解散だけではないのでありまして、だれも解散は好んでいないのでありまして、かえってこういう規定があるがためにすっきりと長と議会との間の話し合いが進む一つの動機になるということもあるのでありますから、この規定があるために、もたもたしているのは全部解散によってやり直すのだとばかりは言い切れないと私も考えているのであります。
○五島委員 今のことに関連して質問があるのですけれども、何だか説明が矛盾しているような気がするわけです。民主的な過半数の原則、多数の原理で過半数ということに改正するということについての質問があったのだが、過半数は、北山さんの質問の中にもあったが、何としてもやはり解散はやさしくなるわけです。そのやさしくなるということが非常に話し合いがスムーズに進むのじゃなかろうかということを企図されているように考えられる。そうすると、議会の解散あるいは首長の不信任という問題は、この条文の改正によって地方団体に脅威を与えて話をうまく持っていかせようという、何だかゆがんだような民主的の決議とか運営とかいうことを企図されるように今の御説明の中からは考えられるわけですが、何かそんな企図があるのですか。
○川島国務大臣 理論的に申し上げるとそうではないのでありますが、実際の地方の議会の状況を見ますると、そういう事態になるのではないかということを考えて申し上げているわけでありまして、それのみを企図して改正案を出しているわけではないのであります。
○北山委員 お言葉の上ではどうも前後矛盾したように聞えますが、これを一貫して解説いたしますと、私の想像ですが、お気持はこういうことになるのではないかと思うのです。とにかく現在議会の勢力と首長の政治的立場とが一致しておらない、そういう事例があっちこっちにある、そこでもたもたしている。これをきれいさっぱりとして、でき得るならば議会の勢力と首長の立場とが一致するように、いわゆる議会の多数派から首長が出るようにすれば、そうなった暁においてはその団体の運営は円満に行くであろう、最終的には円満に行かせるために解散をしやすくしておる、こういうところにねらいがあるのであって、結局先ほどお話しになったこと、あるいは参議院の本会議で御答弁になったことは、この規定はその議会の政治勢力といいますか、必ずしもそれぞれの政党とは言わなくても、政治勢力と首長が、同じ党派、同じ勢力に所属しているような形に持っていこう、それをやりやすくしよう、そうすればその暁においては、地方団体の運営は円満に話し合いでいくであろう、こういうように企図した規定だと思うのですが、ずっと大臣のお話しを一貫して解説をすると、そういうことになりはしないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○川島国務大臣 必ずしも長の勢力分野と議会の勢力分野とが一致しなくても円満に行き得る場合もあるのでありまして、それのみを考えておるわけではないのでありますが、従来の数年間の経験によりまして、現在のような不信任案提案の数では、議会政治というものがなんとなく不明朗になりまして、それがために予算の膨脹等をする一つの原因にもなっておるわけでありますから、過半数でもって不信任ができることが一番適当だ、こういうふうに私ども考えておるわけであります。ただこの改正で長の権限が非常に強くなるんじゃないか、議会が圧迫されるんじゃないか、こういう御疑念からすべての御質問が出ているんじゃないかと思うのでありますが、あるいは結果的に見て多少そういうことになるかもしれません。なるかもしれませんけれども、企図しているところは、明朗な地方行政をやりたいという一点に帰するわけであります。
○北山委員 私がお伺いしたことにはお答えにならなかったように思うのです。もう一つ、先ほど小林行政部長からお話しがあったような御説明を解釈しますと、こういうふうに解散あるいは不信任の成立を容易ならしめるということは、ちょうどソビエトとアメリカの対立において、両方とも原子兵器を持っておるのだ。片方は不信任という兵器を持ち、片方は解散というものを持って、そうしてそれが一触即発の形に置かれることによって、冷たい平和はかえって維持されるのだというようなお考えですか、先ほどの小林さんの御説明は。何だかそういうふうに思えますが……。
○小林(與)政府委員 比喩がどえらい比喩でございますが、そんなむずかしいことを考えておるわけじゃないのでありまして、先ほどいろいろ例を申しました通り、長と議会とはたいてい九九%まではうまく行っているだろうと思うのです。党派とかそういう問題はかかわりなく、実際は運営がうまく行っているのでありますが、しかしどうにも動きがつかないものがあって、そうして互いににっちもさっちも行かなくて、事実上行政運営はストップしなければならない、これをどう切りさばくかということになれば、結局長と議会が、それぞれ政治的責任をお互いに明らかにする以外には方法がないのであります。そしてそういう問題の道を開くためにはこうするよりしかたがない。現在の制度においては特別多数でありますから、一般の議事はみんな否決してしまう。しかしながら不信任は過半数になる。それで向うをやっつけ得るかどうか。解散にはならぬからといって不信任だけは何べんでも繰り返す。しかし議会側の責任はそれによって実際ちっとも明らかにならぬ。こういう関係にありますから、どうにも動きがとれない場合にはこうするよりしかたがないじゃないか、こういう考え方なんです。これによって不信任をするのは議会側でありますから。議会側も不信任をする以上は、自分たちの最後の政治責任を考えてするに違いない。長も信任を求めようとするならば、自分の一身をかけるわけであります。それぞれ自分としても最大の政治責任をかけるわけでありますから、長と議会の責任はどうこうという問題はこれによってありようはないと私は思います。また事実そうすることが結果としてどうなるかといえば、先ほどもお話しがありましたが、そういうこともあり得ると思うが、これによって事がしげくなるんじゃないかということはむしろ杞憂であって、逆じゃないか、こういうことは事実考えておるわけであります。
○川村(継)委員 関連して。行政部長の説明のなかに私びくっとしたのが一つあるのです。大体今の議会運営は九九%までうまく行っておるだろう。ところがどうにもならないのが一部ある。それをねらってこういう法案を出す。ところが解散はしやすくなる、一部のために考えられたことが、ついではこういう法案が通ると、解散はやりやすくなる、そうすると九〇%よく行っている、わずかの地方自治団体に心配の問題があるのを、こういう法案が出ると、そういう心配のごたごたが特に、首長の言うことを聞かなければ解散に持っていって、言うことを聞かなければおれの言うことを聞けというので押しかけていくような、首長の権限を強化するというふうにもなって、結局、ごたごたが多くなって、せっかくよく行っていた九〇%以上の議会の運営というものが今度は七〇%に下っていく、そういうごたごたが出てくるということに相なるんじゃないかと思うのですが。さっきの説明はちょっと変です。
○小林(與)政府委員 私はそういうことはあり得ないと思います。議会が過半数だからいつも国会のように行くかというと、そういうことはありようがないと同じように、実際うまく行っておる場合には、三分の二であろうが過半数であろうが、そういうことは全然問題にならないと思うのであります。解が起るのは不信任の議決が前提になるわけでありますから、ただすぽっと解散権を与えるならおっしゃる通り問題になりますけれども、そんなことを考えておるわけじゃないのであります。議会側が不信任を発動するからには、発動する以上は、不信任の結果についても十分責任を明らかにしてやるべきだ、それに伴って長も長としての責任を明らかにしてやる、こういう考え方でございまして、長が一方的な解散権を持っておるわけじゃありませんから、御心配のようなことは私は起りようがないと思うのであります。
○門司委員 私は総括の質問はちょっともしないのですが、この場所でだいぶ議論になっておるようだから、ちょっと聞いておきますが、この条項は私もあまりいい条項じゃないと思うのです。自治法の中には、長に対してはリコールができるし、議会の解散権も住民が持っております。だからこれをより以上に紛争の種をまくような条項は私はあまり感心しない。もし議会に行き過ぎがあるならば、やはり議会の解散権を持っておる住民の自発的意思によって解散を命ずることができるのであります。長と議会の感情とか、政争の具、というと悪いかもしれないが、に走りやすいような条項はできるだけ避けておきたい。そうしてお互い長と議会との間の感情的な問題、あるいはいろいろな行きがかりから議会を解散したりあるいは長の不信任を出したりして、これをいたずらに政争の具に供しやすいような条項はできるだけ避けておきたい。従って現行自治法の過半数の議決制度は、民主主義の一つの運営のルールであることは間違いない。そういうことはやはり住民の意思決定に待つことがいいんじゃないか。こういうことをしていくとだんだん政争が激しくなるんじゃないか。解散はやりよくなればやりますよ、そうなるといたずらにこれが政争の具に供せられ、迷惑するのはだれが迷惑するかというと、住民が迷惑する。重大な時局に際会して長がいけないならば、住民はリコールの請求権を持っておる、議会の解散請求権を持っておる。私は自治法の本旨は、どこまでも住民を主体にした考え方がいいと思いますが、この点の考え方は自治庁はどう考えておるか。
○小林(與)政府委員 これは住民を主体にしてわれは物を考えておるものでございまして、それで今の理事と議会が円満に行くことを期待しておるのでありますが、ときに円満に行かぬ場合の調節は、結局住民の意思によって判断するよりしようがないと思うのであります。そのときにリコールを待つべきじゃないかという考え方もありますが、ともかくもそれぞれその自治体の機関として公務の遂行を担当しておる以上は、公務の運営に支障なからしむることに最大の責任があるわけでありまして、そういう場合に不幸にして理事と議会が対立して動きがつかぬ場合には、それぞれの責任を明らかにして問題の解決を住民の判断に仰ごう。こういうことが結局現在の不信任の制度の基本だろうと思うのであります。その制度の道を今のままでは実際の問題が解決しにくい場合があって動きがつかぬ場合がありますから、その場合の道を切り開いて、次には責任をはっきりさせよう、こういう考えにほかならないのでございます。
○門司委員 今の答弁は、何度聞いても同じことなんですが、意見の対立といえば対立になるのだけれども、私の言っておるのは、住民がそうした権限を持っておるのであります。議会がいけないというならば、議会解散の請求権がちゃんと住民に与えられておる。長がいけないというならば、長のリコールを持っておる。だから何も長と議会だけが一つの権能あるいは組織を持っておって、これを住民に訴えるというのではなくて、住民みずからがやれるのであります。従って住民の意思を問うということも正しいと思う。それはあくまでも住民の自発的な一つの意思によって、これが判断されることが望ましい姿である。というのは、長官は政争は望ましくないというが、争いというものはそういうところから出てくる。それからまごまごしていると、あまりいい長ばかりでなく、中には非常にかんの強い長があって、そういうことなら一ぺん議会の解散をやってしまえ、議会の方でもこじれてきて、そんなわからないことを言うならば、長を追い出してしまえということが、ごく小数の人の意思によって行われ、住民が迷惑することがないとも限らないのである。私はそちらの杞憂の方が大きいと思う。迷惑するのは住民であります。やはり住民の判断にまかせる処置が現行法でとられておるのであるから、そういうことを訓練して、自治体の行政のあり方というものを育てていくという観念が必要ではないか。どうも今まで長の方が少し工合が悪かったから、少し長の方に権限を持たして、解散というおどかしをやれば、議会がおとなしくなるだろう、議会の方も、そういう出方をするならば、意地でもやってみようということになって、中にはさまった住民が迷惑する。だからこういうことは、現在の立場からいえば少し行き過ぎである。もう少し自治の訓練をして、自治行政を育てていくという考え方が自治庁になければならぬ。だから今のような部長の答弁では、私は納得しがたい。そうだとすれば、もっと解散をしやすくしたらどうですか、そうしたらもっとはっきりする。ことにさっき申し上げましたように、自治法をこしらえるときにやりにくいようにしたということは、そういういろいろな関連性があってこしらえたものである。単に字句に書いただけではない。ことに法律は一たん書いてしまうと、できたときの法の精神というものは忘れられてしまって、字句の通りに解釈しがちである。あなた方はそれでお困りになっておるだろうと思う。だから私は今のような答弁には、あまり賛成はしがたいのであります。従ってもう一応聞いておきたいと思いますことは、住民の持っておりまする権利と今度のこの改正法案との調和をどこでとるつもりか。今まではこれの調和をとることのために、住民に権限を与えておるから、できるだけ解散のしにくいように——しにくいというと語弊がありますが、慎重を期するような制度があった。今度は解散を容易ならしめようというならば、住民の権利がそれだけ薄くなってくる、住民の判断にまかせるという部分が薄くなってくる。解散を容易ならしめないという権利を住民に与えておるから、そういう制度を今までとってきた。このかね合いはどうなりますか。
○小林(與)政府委員 これは少し考えが違うかもしれませんが、われわれは住民の意思を基礎にしておることは当りまえであります。また住民の批判権というものを伸ばしていくところに、自治の根本があることもその通りと考えております。それでありますから、全部が全部住民のリコールにまかせておいていいんじゃないかという考えも成り立つのでありますが、しかしながら住民側からリコールを発動するということも、またきわめて大きな問題だろうと思うのであります。それよりもまず住民から選ばれた代表機関と選ばれた理事機関とがそれぞれ自分の責任を考えて、住民の信託にこたえて事を運んで行くということが一番大事であります。その場合の対立関係が何とも打開の道がない場合に、この制度によって住民の判断によって道を切り開こう、こういうことだろうと私は考えておるのでございます。それでこれによってかえってしげくなるかならぬかということは、われわれはむしろ逆だろうと考えております。これはそれぞれ御意見は違うかもしれませんが、かりにそれに触れぬことにいたしましても、どうにものっぴきならぬようになった場合には、住民に判断してもらうよりしようがない。が、現行の面ではあっちも踏み切りがつかぬ、こっちも踏み切りがつかぬということで、自治の運営が停滞する方がはるかに住民にとっては困るのでありまして、そこの停滞のつかぬところの道を切り開いておく方がいいんじゃないか、これはむしろ住民の判断を自主的に発動することによって、ものをきめていく、私はこういうことになるんじゃないかと思うのであります。
○北山委員 この問題はあとでまた出てくると思いますが、こういうことは自治庁はお考えにならぬですか。私どもも、各地方団体——国会でも同じですが、政争必ずしも悪いとは言えないと思う。意味のある政争なら大いにやった方がよろしい、意味のない政争では困る。ところが地方団体において、意味のない政争が起るという懸念が私はあると思う。それは何かというと、例の赤字問題です。今地方団体の大半の、しかも有力な団体は大てい赤字を持っておりますから、今度政府側の名案である再建促進法案がもしも通りますと、長い間地方団体というものは自主性のないような格好に八年間置かれましたために、再建団体において議会が開かれるたびに、どういうことを議論するかというと、その団体のやることは大体きまっておる、長い先まで大体方向はきまっておる。そうすれば、はなはだおもしろくないから、お互いに不信任案でも出そうかというようなことになって、人事問題などが一番表面に出てくるんです。最近特に都道府県等において不信任案とか、議会の政策的な問題でなくして、人事問題を中心とした、あるいは単なる党派の争い、勢力争い、そういうものを中心としたいろいろな政争が議会において行われるということは、このことを物語っておると思うのです 要するに 今の府県というものは自主性がない。予算でもすっかりきまった義務費だけをするだけであって、これは動かうにも動かしようがない。だから議会は建設的な仕事の当てがないものだから、結局何か大いに活躍しようと思えば、議長の不信任案を出すとか、そういうことになりかねない。従ってこのような客観情勢のもとにおいては、かような条項を設けられれば、これは大いに活用される、その結果が自治庁のお考えになっておる結果になるかどうかは別としまして、これはずいぶん利用される規定だと思うのです。そういうことは自治庁はお考えにならなかったかどうか。ただ形式的に法律制度的にだけ考えて、現在の地方団体が置かれている経済的な、政治的な条件というものをお考えにならなかったか。私はこういうことは当然考えてしかるべきものだと思うのですが、どうでしょうか。
○小林(與)政府委員 自治法を考えるときに、自治体の置かれている行財政全般の立場をわれわれも考えたわけでありますが、今おっしゃいました点につきましては、われわれはそういうふうには全然考えておらぬのであります。再建整備法案がかりに通過になって、再建団体ができたといたしましても、五千の団体全部なるわけでもありませんし、整備団体におきましても、今おっしゃいました通り、議会の自主的な活動は全然なくなるというふうにはわれわれは考えておらぬのでありまして、そこはいろいろ見解は違うかもしれませんが、国だって一兆円の予算だからといっても、全然自生的な活動がないはずはないのであります。そのワク内において、当然自主的な行改をやるということは無限にあり得るのでありまして、地方団体につきましても全然問題がなくなるわけじゃない。その結果問題がみんな意地と感情になってしまう、それほど常識のない議会や長であろうとは私は思わない。
○門司委員 この機会にはっきりさせておきますが、自治庁はこの法案を出しましたのは、そういう実例があるならば、実例を出して下さい。それによって判断しよう。議会と長が衝突して解散をしなければならぬ、解散ができなかったという事実私は、今までの通りでも解散はやれるし、あれでよかったと思う。どのくらいそういう実例がありますか。もしありとすれば、その町村長なり議長なりを呼んでもらって聞こうじゃないですか。そうしないと、観念論でどこまでも議論しておってもこの問題は果てしがつかないですよ。私ははっきり言っておきますけれども、もしこれが自治庁の諸君の思いつきでこんなものをこしらえたとするならば問題ですよ。私が先ほど申し上げましたように、現行の自治法でも、住民の意思を尊重するために、議会あるいは長の不信任に対してはおのおの解散権があり、罷免権が与えられておる。住民はこれをやれるのであります。何も議会だけがそういう権能を持っているわけでもなければ、長だけがそういう権能を持っているのではないのである。従って今日この法律を変えようとするには、どこでどういう不都合があったのか、そうしてそれらの諸君にここに来てもらって、われわれの判断の資料にしてもらいたい。そうでなければ、あなた方の観念論でやられては困る。法律をもてあそぶものであり、住民を迷わせるものです。
○小林(與)政府委員 われわれも何も頭で考えたわけでもないのでありまして、そういう動きのつかぬ実例もありましたから考えたのであります。実例はあらためて差し上げたいと思います。
○北山委員 私も門司さんの提案に賛成ですが、とにかく先ほど申し上げたように、こういう法律制度を変える場合には、やはり外部のいろいろな条件ということをよく頭に置かなければ間違えると思う。一つの家庭にしても、思うように月給は上らない、ボーナスもよこさない、夫婦が日曜になってもよそにも遊びに行けないというような状態において、簡単にハズの不信任案を出せる、片一方は出て行けという、それをやりやすくするということになれば、これは大いに家庭紛争が起るわけです。そういう外部的条件、月給も上るしボーナスもたんまりもらえるときには、たといそういうような規定があってもけんかもしません、すぐに解消します。地方団体は、今日長官も言われる通り非常事態なんです。だから再建計画というものは、経費の大幅な節減計画も作らなければならぬ、増税もしなければならぬ、首切りもしなければならぬというような計画なんでしょう。だから無制限に可能性があるなどというようなことは、これは間違った言い方じゃないかと思う。国の予算においても一兆円というけれども、国と地方団体の財政とは本質的に違うということは御承知の通りで、私はやはり先ほどの答弁にはどうも納得いたしません。
○五島委員 不信任の問題でずいぶん花が咲いて、夫婦の問題まで行ってしまったのですが、この説明はどうもおかしいということだけはわかったようで、そこでこれで質問をおきますが、まだほかの方があるだろうと思います、それからまた亀山委員が先ほどから質問したいと言っておられて、わざわざ僕に譲っていただいたのですから、あと一つの問題について聞いて、そうして亀山委員にお譲りしたいと思います。各種行政委員会の事務局の組織あるいは身分、あるいは定数、そういう問題については団体の長は、委員会あるいは委員に勧告することができるということで、勧告権がまたここに出てきている。それからまた政令等の範囲内における変更というものは協議しなければならない。かつて再建促進整備法でいろいろ勧告と協議という字句について、これまた火花がうんと咲いたのですが、このときの勧告とこの場合の協議という問題の字句の読み方は一体どういうように読んだらいいか、勧告と協議の意味の定義は、一体どんなものかということを、特に読み方のお得意な小林行政部長にお伺いいたします。
○小林(與)政府委員 勧告と協議は再建整備法と全然解釈は違っておらぬのでありまして、勧告は、普通の常識で考える何とかしてもらいたい、勧告するというので、こっちの気持を向うに伝えて再考検討を促す意味でありまして、それにつきましては、向うは勧告を考える責任はありましょうけれども、従うか従わないか、これは全然自由でございます。しかしながら協議というのは、これは話し合いで事をきめる、こういう趣旨でございまして、こっちと向うとが話し合いを進めまして、この課は二つぐらいにするとか、三つぐらいにするとか、話し合いがついたところで事をきめる、こういう趣旨でございます。
○五島委員 そうするとこの条文で、組織及び運営の合理化というような問題について勧告されても、各種行政委員会の委員会あるいは委員がこの勧告に応じなくてもいいわけですね。それから協議というのは、協議が成立して初めてそれが運営の面に効果が現われるわけであって、協議というのは、お茶を飲んで、きょうは天気がよろしいなんと言っておっても、この問題について話し合ったものとみなすか、大体日本語はそういうようなことですから、たとえば労働組合の団体協約等で協議という言葉が使ってある。だから賃金問題についても首切り問題についても、協議という字句がついてあっても、こうしましょうということじゃなくて、協議をすれば足りる、話し合いをすれば足りるわけなんですが、そういうように解釈してよろしいか。
○小林(與)政府委員 そういう意味ではないのでありまして、話し合いをつけて、話しが合うということであります。たとえば定員について、これは例でありますが、協議するとすれば、定員を千人にするか千百人にするかということを両者の話し合いできめる、そうして初めて事がきまるということであります。単にちょっと相談を持ちかけたということだけでは協議にならぬのであります。
○五島委員 この場合は協議して協議が成立すると解釈するわけですね。協議が成立しなければならないというふうな意味を持つ協議であるということですか。
○小林(與)政府委員 その通りであります。両者の意見が合致しなければならない、こういうことでございます。
○五島委員 そうすると教育委員会の問題あるいは労働委員会の事務局の定数の問題等については、この間もちょっと労働委員会の問題で再建整備法で触れたわけですが、労働委員会の事務局は、かつて一千百名の事務局員がおった、ところが現在は八百八十名になっておるというように、各地方の労働委員会等は、それぞれの自発的な立場からそれぞれ定数が減っている。そうして実際の労働問題の解決に当っては非常に苦労している。事務局自身が仕事量が多くて困っている。従って円滑な調整が非常にできかねるというような地方の状況なんです。ところが、ますますこれを合理化し、そうして勧告をすることができる、あるいは協議をしなければならないというような字句を使っていよいよその合理化と簡素化を企図されるというようなことについて、各種行政委員会の事務局員は非常に脅威を与えられるんじゃないかと思います。この問題は脅威を与えないことだと解釈してよろしいのですか。
○小林(與)政府委員 何もこの規定によって、すぐ事務局の定員をどうするとかという問題が起るわけではないのでありまして、全体の組織、機構というものは、それぞれの執行機関を通じてわれわれは調整のとれた形であるべきじゃないか、こういうのが趣旨でございます。しかしながらそれぞれの委員会の独自性がありますから、決定権は委員会にあるものはある、しかしながら長と相談をして事をきめるものはきめる、こういう建前にそようというのがわれわれの考え方でございます。それでありますから、今労働委員会のお話がありましたが、労働委員会の事務局の定員等の問題は、定員の総数は条例の問題だと思いますから、条例立案のときに相談があると思いますが、その他の内部の課の組織——労働委員会だけで考えたのじゃないのでございます。全部の委員会でございますから、たとえば課の組織などというものを結局バランスがとれるように考え得る道だけを開こう、こういう趣旨でありますから、委員会の意思を無視して事が一方的に運ぶということは、これは全然あり得ませんからその点御安心願いたいと思います。
○五島委員 きのう亀山委員の質問の説明の中に、公平委員会は仕事がないのだというようなこともいわれたわけです、これには関係がないけれども……。公平委員会は仕事がないから今度はこれを取りやめたいということで、各種行政委員会を非常に軽んぜられる考え方が、説明の中ににじみ出ているように受け取れるわけです。公平委員会が仕事がないといったって、まるまる仕事がなかったこともないでしょう。それで幾つかの事件が全国的には行われておった。そうすると仕事がないということが果して要らぬことになるのかどかう、仕事がなかったから要らなくなったという結論にはどうしてもならないのじゃないか、あったからそういう問題が出てこなかったのじゃないかというようにも解釈されるわけです。私たちはそう思っておる。ところが自治庁は仕事がないからない方がいいのだ、これが機構の簡素化であり、合理化であると解釈されて、あたらその重要なる各種行政委員が仕事がなかったら取りやめられるというようなことならば、いやな仕事まで作らなければならぬということにもなろう。労働問題がありませんから何か労働争議を起して下さいませんかというような、これはおかしいことですが、そういうようになってしまう。しかし私たちから考えると、民主的な各種行政委員会があって厳然として中立的な立場をとり、厳然たる立場における態度を持ってこそ、初めて調整の任務を果すことができるし、役割を果すことができる。うして各種行政委員会のにらみをきかせながら、円滑な運営がそこに知らず知らずのうちに樹立されているように考えるならば、これを軽視する傾向、軽視する観念というものは非常に危険である。こういうように考えるのです。しかしあまりしゃべっていると時間がたちますし、亀山委員に質問を譲らなければなりませんので、また加賀田委員も関連の質問があるようでございますからこれで終ります。
○大矢委員長 私から一言……。先ほど五島君の質問の答弁の中に、選挙管理委員会は選挙のときだけ用があって、平素は何にもない、こういう答弁があった。僕は選挙管理委員会のために一応聞いておきますが、一体選挙管理委員会というものは選挙のときだけでなく、平素から公明選挙あるいは啓蒙するのが必要であって、むしろ選挙よりも平素のときに活動すべきである。ところが政府の方のやり方というものは、今日まで実際要する費用は直接渡さない、府県とか公共団体にやって、重要な委員会に直接ひもをつけて渡すべきものを渡さなかったから活動ができなかったということも一つの原因だと私は思う。そういうふうなやり方をしておいて何もやっておらぬということは、はなはだこれは言い方がどうかと思う。その点です。ほんとうに活動をしておらぬのか、しておらなかったのはできなかったのか、むしろ平素必要ではないか、こういうふうに私は考えますが、その点もう一度伺いたい。
○小林(與)政府委員 私の言葉づかいが不十分であったかもしれません。選挙管理委員会も平素、今おっしゃいました通り選挙の啓蒙、公明選挙運動のための仕事は十分にあると思っております。しかしながら私が申しましたのは、やはり選挙のときはとにかく目の回るような忙しさがあるのであります。人の分量からいっても比較にならぬほどの人員も要るのでありまして、そういうときと平常的な事務との間には開きがあるのではないか、そういう趣旨で申し上げたのであります。その意味でどうしても委員会の活動のために要る人間はもちろん要るであろう、しかしそれも活動によって時期的なズレがあれば時期的なズレによって、兼任その他の制度によって活用してもらってしかるべきではないか、こういう趣旨でございます。
○大矢委員長 最後にもう一点ですが、今までの取扱いというのは費用はどうなるのですか。
○川島国務大臣 選挙管理委員会の費用は、交付税法による交付金算定の基礎になっておるものでありますけれども、これにつきましては全国の選挙管理委員会から、この分は特にひもつきで一つ配付してもらいたいという希望があるのであります。いろいろ検討はいたしたのでありまするが、もともと交付税法による交付金というものはひもつきは一つもないのでありまして、ことに重大な義務教育費に関する費用すらひもつきとはしていないのであります。これはやはり算定の基礎に入れまして、実際の運営は各地方団体にまかせることが適当だろう、今日ではそういう考え方になっておるわけであります。 —————————————
○大矢委員長 それではこの際お諮りいたします。奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案について、本案の提出者より撤回を求めております。衆議院規則第三十六条によりこれを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 御異議なければ本案の撤回を許可することに決しました。 午前中の会議はこの程度にして暫時休憩いたします。 午後零時三十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会開に至らなかった。〕