P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
22回国会衆議院1955/07/26

地方行政委員会 第49号

発言数
109
登壇者
8
会派数
3
開催日
1955/07/26

会議録

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 これより会議を開きます。  地方自治法の一部を改正する法律案及び同法案の整理法案を一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますのでこれを許します。亀山孝一君。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 今度全く久方ぶりに地方自治法の質問をいたすのですが、前に山崎委員から非常に傾聴に値する適切なる御意見、御質問がございまして、総括的の問題としては、さらに私よりつけ加えて申し上げることはないと思いますけれども、二、三総括的の問題について長官の御意見を拝聴したいと思うのでございます。  山崎委員もお触れになりました問題ですが、今回の改正案におきまして常任委員会の制度の改正があるのでございまして、この問題は世上いろいろの論議をかもしておるのでございますが、これが改正の御趣旨を長官から拝聴いたしたいと思うのでございます。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 地方制度調査会におきましても、常任委員会の制度は認めておりますが、改正を要すべきだという答申が出ておるのでございます。従来の常任委員会は行政部門別に分れておりまして、いわゆる縦割になっておるのでございまして、地方議会の議員の諸君が、委員会の仕事だけはよくわかりますけれども、地方政治全体にわたってこれを見るということができにくいのであります。そこで今度の改正案におきましては、いわゆる縦割りの行政部門別のやり方を直しまして、横割りにしまして、歳入委員会、歳出委員会、決算委員会など数種の委員会に直しまして、委員会に所属しておる議員の諸君が、地方議会全体にわたって発言権も行使できるし、研究の機会も与えよう、こういうことが根本の趣意であります。同時に一面考えられますことは、行政部門ですと、自然に割拠主義になりまして、官庁内のセクショナリズムと相呼応して、ややもすると適正な議会政治が行われないというおそれもあるのであります。そういう点も加味いたしまして、いわゆる横割りにいたしたのであります。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 大体の御趣旨はわかったのでありますが、この際行政部長にお伺いしたいと思うのです。  今、大臣から、縦割りの常任委員会制度について若干の異論があるというお話がありましたが、これをもう少し詳細にお伺いしたいのであります。改正案のように横割りにするということも一案でありますが、今の現行の縦割りの常任委員会を改善してどうして悪いか。改善していけば、運用いかんによっては何も横割りにするまでの弊害はないのではないか、かように思うのですが、そういう点について少し詳細に事務当局の御意見を伺いたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 常任委員会の制度を今の縦割りのままにしておいて実際の動かし方を改善する、こういう問題でありますが、結局、地方の行政の実態ということを考えますと、国の場合と違いまして、国は立法活動というものが主体でありますが、しかしながら地方は、実際は、予算の編成執行という、いわば、執行行政というものがその中心をなしているのであります。それですから、国と状況が違いまして、縦割りで各執行部門別の委員会を作っておきますと、その間において執行部との関連というか、そういうものがきわめて密着いたしておりますので、先ほど長官からもお話がありました通り、執行機関と議決機関との間における権限とか責任というものについてのからみ合いを生ずる機会がどうしても非常に多いのであります。これは仕事の実態の性質上避けがたい現象だろうと思うのであります。それでありますから、そういう形になりますというと——やはり議会というものは、本会議中心主義と申しますか、議会全体として行政の運営を批判し、監視し、議決していくというところに議会本来の使命があるのでありまして、それがそれぞれの部門々々にかりにも密着するというと、議会らしい総合的な全体的な活動というものが、勢いどうしても希薄になるおそれがあると思うのであります。一面そういう部門別にしておけば、それぞれの部門について専門的な調査研究と申しますか、そういうものが進みまして非常に勉強ができるという長所もこれは当然にあるのであります。しかしながらこれは議会としては、むしろ全体として議会の運営というものを総合的に判断し、批判していくというところに根本の使命があるわけでございまして、そういう形で、同じ常任委員会を専門別に置くといたしましても、むしろ予算全体の立場からものを見ていく、あるいは歳入全体としてながめていく、あるいは法規その他の立案全体を通じて、各部各局を通じて行政を全般的にながめていく、そういう意味の専門的な広い立場の調査研究でもって議会の本来の使命を発揮するということの方が、より議会らしい活動をなすゆえんだろうと思うのであります。そういう意味におきまして、やはり議会は議会としての十二分の活動をするためには、今のままのやり方ではどうしても避けがたい欠点があるのでありまして、その欠点を打ち破るためには委員会のあり方というものをやはり検討する必要があるんじゃないか、こういうふうに実は考えておるのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 一部の人の意見によれば、今改正案のように横割りにいたしましても、歳出の常任委員会で分科会のごときものを作れば、結局縦割りの常任委員会と同じではないかというようなことを言う説もあるのですが、それはどうお考えになりますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 おそらくは歳出委員会というものができますれば、これは議会の規模にもよりますが、小さい議員数のところではそれほど心配がない——心配というか、そういう問題は起らないと思いますが、議員数の非常に大きな団体の議会になりますと、歳出委員会の人数も相当多くなるだろうと思うのであります。そういう団体におきましては、さらに便宜予算の審議上予算分科会というようなものは考えられ得ると思います。しかしながらこれは自治団体全体の問題じゃもちろんございませんし、議員数の相当大きくなった団体だけの問題でありまして、一般のところにおいてはそういう必要もないと思うのであります。そういうところにおいてかりに分科会が作られましても、これは予算をさらに内部的に審査する便宜の組織でありまして、常時常任委員会としてこれが委員会があるというのと事態は全く違うのであって、予算は予算委員会で見るが、さらに内部審査をやる、こういう状態になるのでありますから、ちっとも変らぬじゃないかということにはならないのでありまして、事態は非常に変っていく、私はそういうふうに考えておるのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 次にお伺いしたいと思いますことは、大都市の問題であります。大都市の問題はこの改正案のような事務移譲によりまして終止符が打てるとお考えになりますかどうですか、これは長官にお伺いいたしたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 今回提案をしまして御審議を願っておりますのは、五十万以上の都市におきましてある程度の権限を府県から市へ移すのでありまして、これだけで市と府県との間の事務配分が全部完了したと私ども考えておるのじゃございません。基本的の仕事はなるべく市にこれをまかせて、府県内全体に関係のある統一的の仕事はこれを府県でやるということが適切だと考えております。昨年市警がなくなりまして国警に移ったのもその現われでありまして、前年の地方制度調査会のときにできました案を骨子として、とりあえず御審議を願う案を出したのでありますが、なお地方制度調査会におきましては、府県の廃合、道州制等について検討を加えておるわけであります。その結果を見まして、さらに一層事務配分等につきましては検討を要することになるかと思うのでありますが、現在のところにおきましては、この程度でもってまず一応は段落がついた、かように申し上げるわけであります。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 大都市におきまする事務の移譲という問題はなかなか容易ならざる問題と思うのであります。これについては、関係各省の協議は十分おやりになったのかどうかということと、それからもしこの事務移譲が行われますと、民生関係の仕事あるいは衛生関係の仕事というものは、その事務のみならず関係諸団体との関係において無用の摩擦を生じ、混乱を生ずるおそれがあるのではないかと思うのでありますが、その点についての見通しを行政部長からお伺いしたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 この事務配分の問題につきましては、今長官からお話がありました通り、地方制度調査会の結論を主にしたわけでありまして、調査会には御案内の通り各省関係次官もみな委員として入っておられたのでありますが、それだけでなしに、この法案の立案に当りましては、もちろん各省それぞれ主管省と緊密な連絡をとってこの案文を調整したのであります。それでありますから、折衝の過程においてわれわれの原案が多少調整を加えられた点も現にあるのであります。それからさらに具体的に申しますと、この法律に掲げました各種の事務につきましても、さらに細目は政令で具体的に規定することになっておりまして、この政令につきましては、もっぱら主管省の御意見を中心にして、われわれが大都市の特例という基本精神に合致するように調節していかなくてはならぬわけでございまして、大よその方針についてもある程度の話をつけておりますが、なお具体的には緊密に十全の了解を遂げて問題を処理したい、かように考えておるのでございます。  それからなおこの事務実施等につきまして外郭団体との間に多少の影響があるじゃないかというお話でございますが、大体この実施事務を市に移す、さらに府県全般の調整を要するような事務につきましては府県の方に委託する場合もあるかと思うのであります。それでありますから、外郭団体そのものにつきましては、この事務の所管がいずれにしろ私は直接影響はないと思うのであります。それからまたその団体について、法人関係等の問題につきましては府県の方で所管しているものが多いのでありまして、この事務の移譲にはちっとも影響のないものもあるはずでございます。それで現にいろいろな衛生関係の事務は御承知の通り保健所等のあるものは、その保健所のある市に現に扱わせているものが多いのでありまして、保健所とか社会福祉事務所とかいうもののある市には、みなその事務を扱わせているところもあるのであります。そういう場合でも外郭団体は別に問題なく従来も動いているのであります。それらにつきましては多少誤解もあるじゃないかと思うのでありまして、外郭団体の活動といたしましては、事務の移譲によっては影響を受けることはないとわれわれは考えております。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 行政部長の御説明では非常にスムーズにいっておるように伺いますけれども、各方面から入りますわれわれへの陳情は、必ずしもそうでないように思いますので、この点はなお一層の御研究を願いたいと思うのであります。  そこで事務配分の特例の措置を受けます指定都市と特別市との関係はどういう工合でありますか、その点をお伺いしたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 特別市とは法律上全然関係はございません。御承知の通り、特別市として予定されているのは人口五十万以上で、法律で指定することになっておりますが、現在予定されておるのも五十万以上ですからその市の範囲は大体一致すると思いますが、それ以外には性質上も実際上も特別市という制度とは全然関係ない、こういうふうに考えます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 次にお伺いしたいことは、議会関係の改正が、議員の定数の問題に触れなかったのはどういう理由でありますか。長官に一つこれをお伺いしたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 現在でも自主的に定数を減らしているところもあるのであります。たとえば岐阜県のごときは、相当県議会議員の数を減らしております。定数の問題につきましては、多年これは議論のあるところでございますけれども、政府としては結論を得ませんので、今回はこれには触れないで提案をいたしたわけであります。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 今回の自治法の改正による議会関係の改正が、どうも執行機関との均衡がとれないようになるのじゃないかという懸念を持っている人が多いのでありますが、その点はどういうものでございますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 改正の条文の数から計算すれば、あるいはそういうことになるかとも思いますが、われわれはむしろ議会は議会としての立場、執行機関は執行機関としての立場を、最も筋の通った合理的なものにすべきだ、こういうのがこの改正の趣旨でございます。それでございますから、議会の関係において多少制度の改正を考えておりますが、これによって議会というものと理事機関との間におけるバランスを失調するというようなことになろうとは、少しも考えておらぬのでありまして、議会については、議会の活動、権限というか、そういうものには全然触れておらぬのでありまして、ただその議会の活動のあり方というものを、議会の権限に即して合理化しよう、こういう考え方が中心になっておるのでございます。ただ直接関係があるとすれば、この信任、不信任の議決の問題が、議会対長の問題で議論になり得ると思うのでありますが、これについてはむしろ現在の建前が、特別多数で不信任の議決ができるようになっておるのを、定数の過半数にいたしたのでございまして、これは議会と長との——たいていの場合は全く円満に行っておりますが、ときに円満味を欠く場合において、一体その間の調節をどうして裁くか、長、議会というものが対立して、もし動きがつかなくなったら、自治行政は全く停滞せざるを得ないのでありまして、その間の裁きをつけるのは、結局両者のそれぞれの判断と、最後は住民の判断に待つより仕方がない。そういう意味において、むしろ信任、不信任の議決というものを過半数ということにして、長と議会とそれぞれ責任を明らかにして、そしてその間の正常な関係を保たせたい、こういう気持でございまして、そういう点以外には特にどうこうという問題がないのでありまして、今の問題も、むしろそういう立場から御判断をお願いいたすべき問題だと考えておるのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 次に今回の改正で、知事は局部の設置について内閣総理大臣に協議を要するというような規定になっておるのでありますが、その問題は、地方自治の尊重をいわれておる今日、どうも地方自治に関する侵害ではないかという意見がありますが、これはどういうように御解釈になりますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 この執行部局の問題につきましては、御承知の通り、どちらかと申しますと、現在の県の機構が非常に急激に膨張し過ぎておりまして、いかにしてこれを合理化するか、またすべきものであるというのが、一般の世論だと思うのであります。それでそれぞれ地元におきましても、この合理化について努力をしておられるのでありますが、なかなかそれが部外のいろいろな勢力というか、影響によって、事が達成しておらないのが実情なのであります。つまり現行の制度の建前のもとにおいては、それぞれの当事者の希望通りに事が運ばぬのであります。しかしながら国全体といたしましても、やはりこの執行部局というものは、できるだけ簡素に、合理的なものにすることが、私は筋だろうと思うのでございまして、そういう目的を達成するためには、これは私も好む方法じゃないと思いますが、法律である程度の基準部を置いて、それ以上はできないということを、ぴしっときめてしまうのが、これは一つの方法だろうと思うのであります。しかしながら現在の部を前提にして、これより上を、はっきり切って捨てるということになりますと、実際の実情から考えて、これは府県の当局にしてみると、あるいは実際の実情に合わぬ場合が出てくるのでありまして、むしろその間にある程度の幅というか、ゆとりのある道を開いた方が筋ではないだろうか、それが実際に合うゆえんであろう、こういうので、やむを得ずその法定の部数以上の場合においては、それを合理的にチェックする方法として、国との協議ということを考える以外にはほかに方法がなかったので、この道を開いたのでございます。それでありますから、標準部の範囲内において、それぞれどういう形をおとりになろうが、これは全く自主的な判断で自主的にできるのでありまして、ただそういう制限を越えた場合に、ある程度中央との連携の問題が生ずる、こういうふうに考えておりますので、このことをもって地方自治の本旨云々を論ずるということは当らぬのじゃないか。それは、全然自由にすべきだという理論か、あるいは法定部でぴしっときめて、あとは例外を認めぬという理論をとれば別ですが、いずれも実情に合わぬとすれば、こういう解決方法をとるよりほかあるまい、こういうふうに存じております。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 この府県庁の局部の廃止分合という問題は、中央においても同様でありますが、これはなかなかむずかしい問題で、先般山崎委員でありましたか北山委員でありましたか、どちらからか御質問がありましたように、府県庁の局部はみな中央からのひもつきです。そこでこういう問題を内閣総理大臣との協議によって適当におやりになり、いろいろきめられるというても、これはなかなか容易じゃないと思うのですが、この協議が整わないときにはどういうようになさいますか、それを一つ伺いたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 今お話の通り、部局の整理が円滑に進まぬのは、中央からいろいろの形でものが動いているからでありまして、いわば自治体が自主的にやろうという、そのうしろだてを中央においてやろう、こういうのが総理大臣との協議を考えているゆえんでございます。それでわれわれの考え方は、どういう部をどう置くかという問題は、それは自治団体にまかせればいいのでありまして、ただ部の数だけをチェックいたしたい、こういう考え方でありまして、それでこの局部の数を置いて、さらにふやす場合は、たとえばプラス一だけを認める、こういうふうにこちらの方針を立てることにいたしまして、その範囲内において、どういう内部の分掌、名前でやるかということは、あげて自治体の自主にまかせる、そういうことにいたしますれば、中央の各省との問題も起らぬだろう、こういうので、標準部の建前も多少現行法と変えて、現在は数だけでなしに名称まで一応くぎづけにしておいたのを、数を中心にして、あとは自治体で自主的にやるという建前に改めたのも、みなそういう趣旨に基いているのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 次に長官にお伺いいたしたいと思いますが、今回の改正で地方団体の首長の不信任議決の成立要件を引き下げておりますが、かえってこの方が紛糾を起して、地方公共団体の行政運営に阻害になるようなことがあるのではないかと非常に懸念いたしますが、その点はどういうようにお考えでありますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 不信任の決議を過半数でやるという改正案を提案したのでありますが、現在の地方団体の状況を見ますと、長の所属党派と議会の多数派と所属が違っている場合が少くないのであります。そういう地方団体に限って、きわめて不明朗な地方政治が行われまして、一方におきましてはそれが原因となって予算が膨脹をするという事例も少くないのであります。それで多数決の原則に従いまして過半数で決議をするということが適当じゃないかという今日の国会の形式を取り入れたわけでございます。この方が地方政治がすっきりしたものになるのじゃないか、こういう考えで改正案を立案したわけでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 この問題は相当論議を起しておる問題でありますので、なお本案審議中によく御再考をお願い申し上げたいと思うのであります。  次に、今やはりやかましく言われている問題は、逐条審議ではありませんけれども、百八十条の四の関係で、本条を追加せられますことは、本来の独立の執行権限を有しております行政委員会制度と矛盾することになるのではないか。また自治庁長官としては地方公共団体の選挙管理委員会あるいは教育委員会、地方労働委員会等のこういう各種の行政委員会の独立の執行機関を、今後どういうように考えておられるかという問題と関連して、非常に物議をかもしている一つでありますが、これについてのお考え方を長官に一つお伺いしたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 行政委員会制度は戦後アメリカから移入した制度であります。これがために地方政治というものが非常によくいっている点もむろん認めざるを得ないのでありますが、むしろこれがあるがためにかえって悪い結果を及ぼしている点もまた少くないのであります。ことに市町村にあります公平委員会のごときものは、ほとんど活動をいたしておりませんので、別に公務員法の改正案を提案いたしまして御審議を願うことになっておるのでありますが、この自治法の一部改正案に盛られております点は、行政委員会の本質に関する問題ではないのでありまして、行政委員会に所属しておる事務機関を、これを長の所属しておる職員と兼勤させることができる、こういう点なのでありまして、これは行政委員会の本質とは全然関係のない便宜的の仕事でありまして、しかもたとい兼勤をするといたしましても、議会なり行政委員会なりの議長もしくはその委員会そのものがこれを任命いたしまして、仕事もこれが命令をするのであります。実際市町村のごときは現実にそういうふうな運用をしているところもあるのでございまして、大府県なら別でございますが、中小の市町村におきましてはこの程度のことは必要ではないか、こういう考えから改正案を出したわけでございます。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 今亀山委員は百八十条の四をあげておっしゃいましたが、その大臣の一般説明を補足させていただきます。  百八十条の四は各委員会の事務局の組織等について、長にある程度総合調整権を認めるという規定でございまして、これは御承知の通り、各執行機関は今大臣がおっしゃいました通り、それぞれ独立活動は当然保障しなくてはなりませんが、内部の執行部局というものは、知事部局とえらいバランスがとれないような部局であってはならないのであります。同じ事務機構であるならば、全体としての事務機構の調整というものがとれてしかるべきであって、それは教育委員会であろうが、選挙管理委員会であろうが、事務局であろうが、選ぶところがないであろうと思うのであります。そういう意味におきまして、この内部における組織運営の合理化をはかるために、その間のバランスを執行機関として保つ、その執行機関として保つということになれば、これは結局団体全体の責任者であり、あるいは財政の最後の決断者である長のもとにおいて総合調整をやるべきであって、この規定は、国で言えば行政管理庁が各省、各委員会の機構についてある程度相談に応じて、全体としての機構のバランスをはかる、それと同じ趣旨でございまして、委員会の独立の活動というものとは何らかかわりはない、この程度のことは、当然全般的な調整がむしろあってしかるべきである、こういう趣旨の改正なのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 ただいまの問題と同様にやはり多少問題になっておりますのは、二百五十条の二の規定でありまして、これを新しく設けることによってこれまた都道府県と市町村との間に無用の紛争を惹起する原因になるのではないかと言われておるのでありますが、この点について行政部長のお考えをお伺いしたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 この問題は、府県と市町村との間における事務の配分をまず基本的に第二条の方に掲げたのでございまして、これは地方公共団体であることは一緒であっても、府県は府県としての使命があり、市町村は市町村としての役割があるわけでございます。そういう意味で府県は府県らしい仕事、市町村は基礎的団体としてのそれらしい仕事をやるのを建前としたのに伴いまして、現在実際の事務を処理しておる場合において、その建前上からむしろものによっては市町村におろしていいものもあるだろうし、ものによっては府県に上げた方がいいものもあるかもしれないのであります。そういう意味で府県と市町村との間を合理化するために、それぞれ両当事者の協議によって事務の移譲ができるという通を開いたのであります。これにつきまして、その両者の話し合いで事を進めるべきものでありますが、どうしてもかりに進まなかった場合においては、関係者の申請に基いて総理大臣があっせんしたり、調整したりする通を考えたのでございます。これは、実は地方制度調査会の答申におきまして五大市の事務配分につきまして同趣旨の意見がございましたが、しかしこれは何も五大市だけの問題ではない、むしろ府県と市町村全般の問題として規定するのが筋ではないだろうか、こういう考え方でこの規定を持ってきたのでございます。ただその場合に、今の総理大臣が調整、あっせん、裁定をするというまでの意見はありませんでしたが、答申の過程において意見も出ましたし、結局問題をすっきりさせるためには何かきまりをつけるよりしようがないじゃないか、きまりをつけて、そうして府県、市町村それぞれの事務を合理的に行うという考え方で進んでもらうべきである、これがほんとうに事務配分を合理的ならしめるゆえんである、こういう考え方によってこの規定を設けたのでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 事務配分のお話が出ましたから、ついでに第二条関係でお伺いしたいと思いますが、都道府県と市町村の事務を書き分けられたのは一体どういう理由でありますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これは今もちょっと触れましたが、現在府県、市町村は普通地方公共団体として同じく、その事務の内容は二条でいわば平面的に同列に規定されておるのでございます。それでややともすると府県と市町村というものは同じ団体として同じような形のものだという論議が行われまして、両者の間におけるそれぞれのあり方というか、使命というか、そういうものについてはっきりとした了解と適正な調整が行われないうらみがなくはなかったのであります。そこでこれはむしろ府県というものが府県らしい仕事をやり、市町村は市町村らしい仕事をやるということを、それぞれの職務の上から明らかにして、府県というものの地位と市町村というものの地位とを使い分けをいたすのでありまして、市町村はあくまでも地方公共団体として基礎的、一般的な事務をやり、府県はその市町村を包括した広域的な自治団体としてふさわしい広域事業を中心にやる。そして府県は府県の使命に邁進し、市町村は市町村の使命に邁進して、両者がお互いに相協力して進むべきである、その趣旨を明らかにいたしたいという考えでございます。

亀山孝一日本民主党

○亀山委員 自治庁に対してはいろいろ逐条的にこまかく御質問いたしたいことがあるのでありますが、他の方々のおじゃまになってもいけないと思いますので、一応このくらいで保留しておきます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 この前地方自治法が上程されましたときに質問した事柄が中途半端になっておりますので、この際さらに継ぎ足しをしてお伺いしておきたいと思います。  それは町村合併の問題であります。現在われわれが地方制度を考えます場合には、基礎的地方団体と言われておる市町村のあり方につきましては、これは一番先に考えなければならぬ問題であろうと思います。そこで一体町村合併という事業が適正に行われてその目的を達したかどうか。一昨年町村合併促進法ができて、われわれとしてもその責任の一半があるのでありますが、その後の町村合併に対するいろんな批判は功罪相半ばしておるわけであります。町村合併のいい面と悪い面と、いろいろな批判があるわけであります。従ってわれわれ自身も実際町村合併はプラスになったかマイナスになったかと言われるとほんとうに迷う。自治庁は、町村合併はうまくいっているという自信をお持ちであるかどうか、これをまずお伺いしておきたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 町村合併は、合併自体の問題と、合併後の新市町村の経営の問題と、両方の意味をひっくるめて、仰せになったのだろうと思います。われわれは、合併は所期の計画通りにおおむね順調に進んでおると思うのであります。新市町村の経営につきましては合併後日の浅い今日でありますから、新市町村が一体として強力な動きをやっておるかどうかということになれば、国その他いろんな助成指置が必ずしも十分でないというような点とも相待って、それほど直ちにきのうに変るきょう特別の姿を呈したということは言えぬだろうと思うのです。合併町村はそれぞれ着々と団体の内部のまとまりを持ちながら建設の歩を進めつつあるのでありまして、大観してみればわれわれの考え通りに進んでおるし、またその方向にもっと推し進めなければならない、こういうふうに考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そのような御答弁は再々お伺いしたわけです。ところが果してそのように行っているかどうかについての具体的な資料は何もないわけでありまして、今の御答弁も行政部長の主観的観察ではないか。われわれがいろんな例を見ましてもどうもプラスになったようだなとも思えるし、またこれは大へんなことだというような感じもするわけであります。一昨年以来何回も何回もお伺いして、そうして同じような答弁を得ているのですが、具体的にこれを裏づけるものが何かあるかどうかということが問題だと思うのです。そこで、今のような楽観的な見通しを裏づける具体的な根拠をここで一つお示しを願いたい。これは重大な問題でありますから、そういうただ漠然とした抽象的な観察ではなくて、もっともっと——効果を見るということはむずかしいことには違いありません。しかし何らかの要素があるはずでありますから、一つ何かそういう資料がありましたらここでお話を願いたいのです。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併市町村、結局新市町村の経営上、従前よりもよくなったということになるだろうと思いますが、これにつきましてはわれわれの方で全市町村を調べたわけではありませんが、部分的に調べたものにつきましてはそういう資料もまとめたものがあり、これはたしか委員会にお配りしたものもあるだろうと思うのであります。それで大観いたしまして、合併をすればそれに伴うて少くとも組織機構が合理化されておるということは間違いない。それに伴うていろいろな消費的経費がはるかに縮減されておることも大体において言えることであります。たださしあたりは議員の任期を延期しておるところもあったり、それからまた内部機構の合理化までは直ちにできがたい、徐々に、次第にまとめ上げていかなくてはならないものもありますから、直ちに一年前とどれだけ違うかということになりますれば、多少の時間的余裕も見ていただかなければならない問題も多いのであります。そこで職員組織、内部組織が合理化され、そうしてそれぞれ強化された力によって今積極的な建設事業というものが逐次取り上げられてくることもこれは間違いないのであります。ただその仕事のしぶりが最初の期待ほど顕著に行っておらぬという点はあるだろうと思いますが、逐次財政力の充実を待って事を考えるべき問題だろうと思うのであります。そういう点も今進めつつあるのであります。そういうわけで新市町村が建設になれば、役場内部の問題、それから新市町村を契機とするいろいろな団体組織、諸機関の合理化等も進んで、そうしたものの活動も逐次進展しつつあるのでございまして、その点はわれわれは明らかに強化されておると考えております。しかし所によっては合併に伴ういろいろな問題のしこりがうまく行かなかったり、あるいは合併前のいろいろな赤字が現われて、それに四苦八苦をしたりしておるところがあるのもこれは事実であります。しかしながらそういう部分はいずれも新市町村の旗じるしのもとに逐次解消されていくべき問題であり、またその方向に指導育成しなくてはならないと考えておるのでございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そういう御答弁は何べん聞いてもどうもつかみかねるわけであります。そこで一つ、たとえばこういう問題はどうなっておるか。というのは、合併した市町村で赤字団体はどのくらいあるか。そうしてその赤字の額はどのくらいになっておるか、こういうことを伺いたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併は逐次毎月のように行われておりますので、合併団体全体につきまして金額が今幾らあるかというのは、ちょっと今私手元に資料を持っておりませんが、赤字団体として一応差し上げてありますので、過去のものにつきましてそういう資料がありましたら御報告いたしたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 今、現在のものを私は要望いたしておりませんが、五月一日現在であるとか、そういうので自治庁としては合併の進捗の率についての統計もあるわけであります。従って五月一日なり三月なり、そういうふうな現在において赤字団体が幾らあるかというような調査ぐらいはなさってしかるべきではないかと私は思うのですが、そういう調査はしておるのですが、しておらないのですか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これは全団体について赤字団体は調べておりますから、全体のうち新市町村を調べればいいわけであります。ただそういうふうに部類分けして今のところまとめてありませんから、まとめ次第御報告申し上げたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうすると、調査課の方で赤字団体がわかっておるから、その中から合併町村を拾い上げればできる、こういうふうなお話でございますが、それはいつそういう資料をいただけますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 できるだけ早い機会に差し上げたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 合併以後において分村を希望するものもあるようであります。これについてどういうふうな問題が起きているか。分村運動といいますか、合併前の姿に戻りたいというようなところが何個所くらいあるか、それはどういう理由によるのであるか、そういう点について御説明を願いたいと思います。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 分村の問題はあります。一部の区域、部落がどこかほかに行きたいという問題はわれわれも相当聞いております。そういう処分も相当行われております。ただ合併したものが全部御破算でどうこうするというような問題は正式にはほとんど聞いておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それから、たとえば財産処分についての例で、好ましくないような事件がたくさん発生しておると思うのです。それについては何か御調査しておりますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併を見越しその財産処分がいろいろ問題になって、われわれも常に注意しておるのでありますが、そういう事例のあったことは事実であります。この前国会の方で促進法を御改正になったのもその趣旨でございまして、実はこれにつきましては、われわれの方でも資料を集めておるのでございますが、過去のものは正確なものがよくつかまえられておらぬのであります。しかし促進法が改正になってからは、その法律の効果でそういう問題はもうない、そういうふうに信じております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それから自治庁の方で調査された新しい合併市町村のいろいろな失態ですが、その調査された中に、合併後非常にうまく行っている、財政上もうまく行っているというものの中には、増税によってうまく行っているのが相当にあるのではないかと思うのです。従って、合併後において、特に住民税等において増税をやったというようなものがどの程度あるかというようなことは、何か資料でも持っておるのですか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併後、合併を理由にして増税をやって、それでうまくやったというようなのは私は実はあまり聞いておらぬのでありまして、合併後、増税をやったかどうかという資料は、正直に言って持ち合せておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 これは自治庁の調査で、正式に発表したかどうかわかりませんが、合併した町村についての実態調査の中に、税収も非常にふえて、その村の財政がよくなっている、町の財政がよくなっている。それは住民税において今までは第一方式であったものを、第二方式のただし書きにした、そこで税金がこれだけふえたのだというような例が相当あるはずでございますが、そういうことは御承知ないのでございますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 それはおそらく自治庁でまとめた実態調査をごらんになっての問題だろうと思います。だからそういうものもあるだろうと思いますが、大体徴税成績が合併市町村は一般に上っておりまして、そういう意味で全体として税収は上っている傾向があります。特に今の税の賦課方法を積極的に変えたというようなものも、お話の通りにそれはあり得ると思いますけれども、それによって特別に税収がふえたというような問題につきましては、私も統計的に詳しい数字は持っておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 合併のために増税したというのではないが、合併町村の住民税の徴収方式がそれぞれ違っておるわけです。その際に、第二方式あるいはそのただし書きの方式に変ってしまう。そうすれば、元安かった住民税が一挙に高くなって、相当問題を起しているようなところもあるはずであります。そういうことは行政部として御承知でないはずがないと思うのです。そういうことは、なるほど新しくできた市町村は与所が楽になってよいかもしらんが、住民にとっては、合併によって結局増税になったといわなければならぬのです。こういうことを考えますならば、表向きだけを見れば合併の効果が非常に上がったようにも見えるし、今後よくなるのであろうというふうにも見えますけれども、陰に回ると逆にマイナスになっているところもあるのです。実例を私の町に取りますと、私の町は市になったのですが、合併前は、中心の町は、消防等の経費は町費でまかなうようにしてあったわけです。ところが、御承知のように、周辺の農村地帯は、各分団の維持費等は部落の寄付によっていた。そこで合併の結果市費で全部消防費をまかなうようになればそれはけっこうでありますが、そうでなくて、寄付の方に戻ってしまった。そういうことはやはり合併の結果のマイナスだと私は考える。そういう点を個々の団体を見ていくならば、行政部長が言われるように、簡単に合併の前途について楽観を許さないものがあるではないかと考えております。行政部長は楽観論である。ところがその楽観論には一向根拠がないのです。何を聞いても、ただいま資料を持っておりません、そうでありましようというような想像では、人を納得せしめるだけの根拠にはならないと思う。何かこれならば納得ができるというようなものをここに出してもらわなければならぬ。ただそういうふうに見えるといって、個々のいろいろな問題について聞けば、それはわからない、まだ調べておらないという。そういうことを調べないで、一体町村合併の効果が上ったかどうかがどうしてわかるのですか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これは新市町村にもいろいろ個別的な具体的な事情があるだろうと思うのであります。新市町村になったから課税方式を変えたのかどうかという問題、これもあり得るのでありまして、そういう個々の事例で合併全体を論ずるわけにも参らぬと思うのであります。それでありますから、合併の功罪は合併後三月や四月ではわかる問題とわからぬ問題があるので、われわれといたしましては、合併の結果を見守って、合併本来の趣旨を達するよう十分努力しなくてはならぬと思っておりますが、全市町村ひっくるめてそういう調査をやっておらぬのは事実であります。今まで合併町村につきまして、あるいは抜き取り的にあるいは抽出的に調査をやっておるのもこれは事実でありまして、今まで申しましたのはそうした市町村の結果についてであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私が具体的な事例をあげて特に伺うのは、そういう例があっちこっちにあるからです。合併の結果税金が高くなった、そういうまずい例もあり、いろいろマイナスの例がある。しかも、私も全国的にはわからない。そこで自治庁としてはそれを打ち消すような、そうではないのだ、全体的に見ればプラスの方向に向っているのだ、よい方向に向っているのだということを証明なさる義務があると思うのです。それが自治庁の本務だと思う。われわれは個々の自然発生的ないろいろな事件、どうもまずい例ばかりを相当見ている。財産処分の例であるとか、あるいは合併後において旧町村の債務が現われて来たり、そのためにごたごたを起したり、いろいろまずい例をたくさん知っている。だからどうしても疑いをさしはさむ。しかし自治庁が、これはそうではない、うまく行くんだ、長い目で見ればよい方向に向うのだというならば、具体的な例をあげてお聞きするこのわれわれの疑問に対して、そうではないという一つのきめ手を示していただかぬことには、今の行政部長のお話だけでは、私はいつまでたっても納得がいかない。これは町村合併法制定以来実は心配しておったのです。というのは、ここで申し上げると長くなりますからやめますがとにかく非常に心配しておった悪い面がだんだん出てくるような気がして、実はこの町村合併については憂慮しておるわけです。従ってわれわれは町村合併をこの段階において再検討しなければならぬ、国会としてもそういう義務がある、こういうふうに考えるものでございます。そこで長官にお伺いしますが、この合併で今行政部長がお話になったように、いい方向へ向っておるというが、長官は市町村にどの程度の事務が移譲できるとお考えになっておるか、それをお伺いします。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 市町村合併の結果が地方政治にプラスになったか、マイナスになったかという点につきましては、行政部長から御答弁申し上げた通りで、的確な資料はないそうでありまして、私も承知はいたしておらないのでありますが、とにかく促進法ができまして、昨年以来合併は相当に進捗をいたしております。なお懸案中のものも着々合併に向っておるのでありまして、すでに合併しました以上は、これをしていい効果をもたらすように育成することが国としての仕事だろう、かように考えるのでありますが、あの促進法ができた当時約束した国の援助が、その通り実行されてないということも、これまた事実であります。たとえば国有林など合併町村にこれを与えて財源的措置をするのだといいながらも、これがきわめてわずかしか行われておらない、こういう例がほかにもあろうかと思うのであります。また郵政省関係を見ましても、合併して、二つの電話局がある場合には、これを一つの電話局にしてやるのだ、住民の便利をはかるのだという声明をいたしておりましても、これまたいろいろな故障でもって実現しておらないなどの点があるのでありまして、せっかくできておる合併市町村でありますからして、政府といたしましては、各関係官庁がお互いに協力しまして、この合併を育成する、こういう方向に持っていくことがこの際必要でありまして、北山さんのお話のような再検討をするという段階はまだ早いのじゃないか、それよりもむしろ国が力をあげて育成する、そして合併の目的を達成させる、こういう方向に持っていくことが、この際必要じゃないかということを、私は自治庁長官になって以来痛感をいたしておるのであります。まだ就任後日が浅いので、あまり施策はいたしておりませんけれども、各関係官庁と連結をとりまして、そういうことに努力をいたしたい、こう考えております。これは地方政治のために非常に重大な問題でありまして、私どもは相当決意を持って努力をいたすつもりでおります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 長官は、合併市町村を大いに育成する義務があるし、今後やらなければならぬ、こういうお話でありますが、合併促進法の中にはいろいろなそういう規定があるわけであります。しからば政府、現在の政府でなくてもですよ、促進法が制定以来、合併促進法に基いて国はどの程度の財政援助をやったか、どの程度の育成をやったか、これについての資料をお示し願いたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 合併町村に対しましては、自治庁においてできる程度の、たとえば合併町村に対しては特に起債を許すというようなことはやっておりますが、遺憾ながら他の官庁に関係することは、あの当初政府が声明した通りには実行しておらぬことは事実でございます。そこでなるべくこれを実行させまして、育成して、合併町村の目的を達成するようにいたしたい、これが私の今日持っている構想であり、またそれを実行に移す考えでおります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ほかの官庁の援助育成というのはわからないというのですが、それならば自治庁に関係する分についてはわかっておると思いますが、それはいかがですか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 それは自治庁長官も今おっしゃいましたように、起債とか直接の補助をやっておりますが、今数字の持ち合せがありませんから、正確な数字をあとから御報告申し上げます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ではその数字はあとからいただけますか。財政部の方がおられますか、わかりますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 わかります。

柴田護総理府事務官(自治庁財政部財政課長)

○柴田説明員 自治庁関係の合併町村に対します援助は、合併促進関係の国庫補助金と、地方交付税の中で特別交付税でいたします援助、それから起債の関係で、合併町村のために合併町村の新町村建設計画に関しまする援助でありますが、地方交付税の関係では、昭和三十九年度の地方交付税におきましては、合併関係町村に十五億、その内訳はいろいろございますが、合併促進法で定められておりまする、合併しない状態のもとにおいて算定される額を下らない範囲の地方交付税を出すという、その規定によりまするものが、たしか約三億くらいだったと思います。あとは合併市町村に対しまする援助の金と、それから社会福祉関係の算定不足の金であります。起債につきましては、今詳細な資料を持っておりませんので、あとから数字をもちまして御報告いたしたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ただいまの交付税関係の助成というのは、これは合併に直接要する合併関係の経費だと思うのですが、新町村建設計画等をやらせる助成費ではない、こういうふうに了解しておるわけです。そこで新町村建設計画というものを合併市町村は全部持っておるし、またその計画を達成するために合併をしたわけです。ですから合併市町村の住民は、この建設計画を逹成するために大きな期待を持っている。そこでお伺いするのですが、その新町村建設計画の達成状況は一体どのようでございますか。行政部としてはお調べになっておりますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 建設計画と建設計画に対する進捗の模様は調べてはおりますが、ただいまここに数字を持っておりません。大体今おっしゃいました通り、交付税と、私の方から直接補助金も出しておりまして、この金額は二十九年度までに二十六億くらい出しておるはずでありますが、これは一応合併に伴う善後措置費ということでございまして、あとの仕事は自主的な財源と起債と各種の補助が中心であると思います。そういうものにつきましては、新町村には起債も必ず一件以上はつけることにいたしておりますので、逐次仕事は進んでおりますが、日の浅いところはまだ一年そこそこでございますから、直ちに何%とかいうような数字は必ずしもないと思いますけれども、一応合併基本計画でこちらでまとめましたものはあとから御報告申し上げます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 その達成率はなかなかむずかしいと思うのですが、それならば新町村計画というものを全部やるとすれば、どのくらいの経費がかかるか、大体どのくらいあればこの合併市町村の建設計画が実行できるか、ということについての数字がありましたらお示しを願いたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 きょうは実は合併関係の資料は何も持ってきておりません。そういう数字も、市町村の基本計画をまとめたものはございます。きわめて膨大なものでありますが、あとから御報告申し上げます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 きょうは町村合併に関する資料の用意がないようでありますが、ただいまお願いしました資料を一ついただきまして、さらにこの問題をお伺いしたいと思います。なぜ町村合併を私は伺うかというと、やはり地方制度を考える場合には、まず第一に現在行われておる町村合併というものがどこへいくかということを考えなければならない。これを抜きにして府県制度を考えてみたりあるいは道州制の問題を論じてみても始まらないと思います。そこで今度出された地方自治法にも関連があるが、市町村がやることが適当でないかあるいはできないような事務は府県がやるということになっている。それならば現在町村合併によって能力ができたと称せられる市町村はどの程度の仕事が一体やれるとお考えになっているか。これを判定するためにも私は当然町村合併のことを徹底的に検討してみなければならぬと思うのです。  そこで私がお伺いするのは、町村合併の結果、現在まで市町村がやっておりました事務以上に何かつけ加えて市町村がやる事務がふえて参ったかどうか。町村合併の結果能力がふえたというのですから、何をやれるか、長官はどのようにお考えでしょうか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 合併の結果具体的にどの事務がどうふえたかという、これは制度上の問題になりますが、これは今後の問題でありまして、合併はまだ進捗の途上でもあります。締めくくりをつけて町村の、今長官がおっしゃいました実力を基礎にして、制度上の変化を今度は考えていかなければならないと思いますし、市などになれば市に伴う仕事を持つのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうしますと、町村合併というものは、いつか完成するということを前提にしておられる。これはいつ完成するか。見通しはどうですか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 完成という言葉にもいろいろ語弊があるかもわかりませんが、大体町村合併促進法に盛られている期間内に、一応各府県で立てました合併計画ができ上ったときを、われわれといたしましては一応のめどにいたしておるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 それは三カ年、いわゆる政府の基本計画ですね。それが達成されたときには町村合併の完成だ。しかしこれは勝手に作った基本計画であって、何もその計画によって合併した市町村がいわゆる質的に完成した形になったとは言えないわけです。ただ形の上で政府の要求した計画のものができたというだけであって、ほんとうの意味の町村合併にはならないと思うし、また自治庁の答弁もそういうものであったはずです。だから単に数の上で政府なりあるいは府県を通じて勝手に作った、机上、地図の上で作った合併計画が完成すれば、それで町村合併だなんということを考えられては非常に困るのです。実際問題はどの程度の仕事がやれるようになるか、ならないかということは、その団体の合併新市町村の質的な能力が向上したかどうかなのでして、政府の要求した計画が達成されたということではないのです。それから実態的に一体その町村合併の完成はどういう条件を備えた場合に完成というのであるか。また現在は新しい事務を移譲するだけになっておらないと考えるか。あるいは大都市についてはどう形えるか。どうも一向めどがないのですよ。もう少しこの町村合併について、合併をした新市町村というものがどの程度に達した場合、どの事務を移譲することができるか。こういうような何か合理的な基礎といいますか、少くとも見通しがなければならぬと思うのです。ただ今までのお話では漫然たることでありまして、何らの根拠のない、クラゲのようなものです。どうも納得がいかないのですが、この点ははっきりしておいていただきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 私の勝手な完成という言葉の表現に語弊があったのでありますが、おっしゃいました通り、ほんとうに合併が質量ともに完成しなければ、ほんとうの成果が上ったと言えぬことは明瞭であります。私はともかくも区域の、この合併という形だけのことを申したのでありますが、それがためには新町村ができましてから、やはり数年はどうしてもかかる。現に新市町村建設計画が五年ぐらいを目途にしておるのでありますが、四、五カ年かからなければ市町村のほんとうの体制はできないのでありまして、この体制ができて初めて実力も備わって、そうして新しい市町村として、かりに新しい仕事を展開するためにどうするかという問題が出てくるだろうと思うのであります。われわれは、今直ちにそれならどんな事務をおろすかという問題も、結局今北山委員もおっしゃいました通り、新市町村がほんとうに実力を発揮して、十分に機能を発揚するということを土台にして考えるべきものだと私は考えておるのであります。今日の段階におきましては、ともかくも従来の市町村が本来市町村でやるべき仕事さえも十分にできない、そういうところに市町村の悩みがあったわけであります。これを合併によって本来市町村が当然やるべき仕事だけでも十二分にできるようになれば、これは非常な大きな進歩なのであります。その上にさらにそれを基礎にして、府県から、できるだけ考えられる点の移譲を考えたいというように考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そこでかりに完成された、いわゆる小林行政部長の頭の中で完成されたという新市町村ができたとして——現在のような形の新市町村だと思うのですが、それが内容的に充実をして、どうにかして質的にも向上した場合に、どのような事務を移譲するつもりであるか、それを伺っておきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これは、われわれは具体的にどの事務ということまで精密な研究を遂げておりませんが、質量ともにでき上った市町村のでき工合に応じてものを考えなくちゃいかないと存じております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そうするとそのでき工合というのはどういう基準で考えるのですか。大きさとかなんとかいうことは考えないのですか。でき工合というのは、どういうことでありますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 でき工合は、今申しました通り、大体今度の合併計画に基いてそれを基礎にしてでき上った市町村が、市町村として一本に統合で、きるような内部のまとまりを持ち、実力を持つようになった時代であると考えておるのであります。それを基礎にして、さらに将来の制度の改廃というものを土台にして考えたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 くどいようですけれども、現在の形は、市町村というのは不完全だ、能力も十分にないというのですが、それならばどういうことになれば、あなたが言われるしっかりした仕事がやれるような状態になるか。現在の市町村がどういうふうに変った場合にそうなるか。どう考えますか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これはなかなかそう口で表現できないのでありますが、大体今の合併ができれば一万二、三千から四、五千ぐらいの、大体そろった町村ができるはずだと思うのでございますが、その場合でも合併できない町村がきっと残るに違いないのであります。そういうものも、そのときにどういう形で残るかということもあわせ考えて、そういうすでに新町村としてのまとまりを持った場合に、その程度の規模でどういう事務が十分にやっていけるか、こういうことでものを考えたいのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 最低一万四、五千というのですが、それ以外に何十万、何百万というものがあるわけですね。そういったことになった場合に、どの事務をやるかということは今から考えておかれてもしかるべきじゃないか。また考え得ることじゃないか。そのときになって考えるという性質の問題じゃないと思うのです。そうなった場合に、そういう二万四、五千以上の市町村が完成して能力ができた場合に、どの事務をやることが可能になるかということぐらいは、自治庁は当然お考えにならなくてはならない。町村合併の目標も何もない、そんなはずはないと思うのです。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 これはもちろんいろいろ考えておりますが、直ちに具体的にどの法律をどう変えるということまでもわれわれは考えておらぬということを申したのであります。これは市町村本来の仕事としてやることは、民生関係とか、保健衛生関係とか、それからその地元の小さな土木関係とか、まあ教育は現在だってやっておるのであります。そういう問題を中心にして事を考えるべきもんだと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 そういう仕事であれば現在だってやっておるのです。何も新しい事務移譲じゃない。その程度であれば一向——市町村に事務移譲をする、そのために市町村の能力を高めなければならぬという理由がないように思うのです。もう少し具体的に、たとえば高等学校をやらせることができるとか、これならばまだ一つのものさしになるんだけれども、今の民生事業をやるとか衛生の仕事をやるとか小さな土木をやるということは、これは今だってやってみることであって別に変ったことではない。どの程度のことを市町村に下げるかという目途を持って、今の合併市町村をやっておられるかどうか。何も目途なしに一万四、五千ならいいだろうという程度でお考えになってやっておるのか、あるいは合併された以後の新市町村もやはり何百万から一万四、五千まで、ピンからキリまでまだあるわけですから、それに対して事務配分はどう考えておるか。こういうことについては大体構想というか、当然だれが考えてもあり得べき一つの見通しというものがおありになるべきであって、それなくしては、町村合併は漫然と何ら目標なくやっておるのだ、こう言わざるを得ないのですが、どんなもんでしょうか。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 町村合併は先ほど申しました通り、町村が町村としてやるべき仕事を十分にやり遂げるという、こういう土台、基礎を作るということが根本なのであります。今おっしゃいました通り、町村合併をやるならば高等学校はどうなるかという問題になれば、現在の市で高等学校をどうやるかということは議論すべき問題でありまして、町村は町村として今申しました通り一万二、三千か四、五千、所によってもう少し大きいところもありますが、そういう程度のものでやり得る仕事を考えることが本然であります。それ以上のことを考えるのはどだい無理なのであります。しかしながらそういう範囲内におきまして町村自身の仕事を最大限に進めることができる現在ではそれさえなかなかやり遂げられないというところに、従来の町村の悩みがあったのでありまして、それをほんとうにやり遂げられるようになれば、これは非常な進歩なのであります。それを基礎にしてさらに全般的に強化されればできるだけ府県の範囲を少くして、市町村が自力でやれるようなことを考えなくちゃいかぬということを申しておるのであります。具体的に法令上のどの事務をどうかということまでは、今日直ちに結論を出しておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 結論としては当分市町村に対しては府県等の事務を移譲する見通しはない。こういうふうな結論になるわけですね。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 その事務の移譲というのは、法令で府県の事務がぴちっときまっておるものもあれば、府県のよけいな指導とか干渉というものを排除するものもあれば、またたとえば道路とか河川とか言いましても、できるだけ市町村でやり得る範囲を広くするという問題もあり得るのでありまして、特定の施設とか機構をすぐにどうこうするという問題だけではないだろうと思うのであります。そういう意味でともかくもまず基礎の強くなった市町村を早く一本立ちにして、すくすくと伸ばしていくということを前提にして、それにふさわしいようにできるだけ府県と市町村の関係を合理化していく、こういうことを考えるべきだと思っております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 町村合併についてどうもはっきりとした目標を持っておらないということはまことに残念です。ところがせんだってこの委員会でも問題になりましたように名古屋市の周辺の町村が、名古屋市に合併したいということでごたごたを起しておるわけです。そこで例の鳴海町ですか、あの問題が審査の請求が出ておるわけですが、これはどうなっておりますか。政府としては審査請求を受けて審査する場合に、一体どういうものさしでああいう問題を解決しようとしておるか。審査するのですから、結論を出さなければならぬ立場にある。ああいう問題はどういうふうな考え方でやっていくつもりか。要するに大ざっぱに言って大都市の周辺の町というものは、大都市の中に入れた方がいいものであるか、あるいはやはりあまり過大都市になってはいかぬから、なるべく大都市に付属したところも編入については慎重に考えて、なるべく大きくしないようにするつもりであるか。何かそこに大きなものさしがあろうと思う。方針があろうと思う。その審査の方針を伺っておきたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 名古屋市の特定の問題は長官からもお話しがありましたように、自治庁で鋭意調査を遂げまして、最終の結論を出すべく努力しておるのであります。それでありますから、この問題の扱い方につきましては、これは結論を出す際に申し上げたいのでありまして、今すぐどうこうというふうなことは、むしろ差し控えた方がいいのじゃないかと思うのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 名古屋の場合でなくてもいい。大阪にもあり、また神戸にもあるでしょう。そういう大都市周辺の町村の合併問題はやはり共通な問題がある。何も鳴海町という特定な町の問題ではない、一般的な問題です。そういう一般的な問題について審査しなければならぬような立場にも立つわけですから、何かそこにものさしを持っておらなければ審査する能力が政府はないということになる。だから私は一般的なことをお伺いしておるので、一つの例として鳴海の話しを申し上げておるのですが、政府はそういう問題についてどういう方針で判定を下すお考えであるか、それをお聞きしたい。

小林與三次総理府事務官(自治庁行政部長)

○小林(與)政府委員 一般的な問題でございましょうが、今大阪、名古屋周辺において現実具体の問題として起っておるのであります。これは結局具体の問題としてこの際解決をすることが、自治庁として一番適当な措置だろうと思っておるのであります。この際はその具体の問題の推移によって、その点を明らかにさせていただくことが適当だろうと思うのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 長官はどうですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 この問題は一概に申し上げられないと思うのであります。合併しようとする町村の生活環境なり、その財政状態なり、また福祉施設などをいろいろ考えまして、合併することが、合併される町村も、またこれを吸収する市もお互いにプラスであるかどうかという具体的の問題を検討いたしませんと、ただいたずらに市を大きくすればいい、こういうものでもないのであります。従いまして大阪にいたしましても、名古屋にいたしましても、具体的問題につきまして慎重に検討を加えて結論を出そうといたしておるわけです。ただ市を大きくすればいいとか、小さくすればいいとか、こういう結論的の御答弁は申し上げにくいかと考えるのであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 関連して。今の大臣の発言並びに行政部長の発言は非常に重大だと思います。私はこの機会に聞いておきますから、もしあったら出していただきたい。自治庁はそういう御答弁をされるようでしたら、日本の都市行政はいかにあるべきかということの、はっきりした見通しがついておりますか。もしこれについて日本の都市行政をどうするかという考え方が立案され、あるいは考えておられることがあるとするならば、この際一つ示していただきたい。今のように大きくていいものでもなければ、小さくていいものでもない、勘案してやるという。それは自治庁にはっきりした態度がなければ押えられないはずである。地方の住民の要求、いわゆる合併することがよいと考えておる、また合併されることがよいと考えておる、これは住民の意思であります。その住民の意思決定を、政府がこれをくつがえそうとするからには、自治庁にはやはりそれ相当の確固とした日本の都市行政、あるいは町村行政、府県行政に対する何かはっきりしたものがあるでしょうから、あったら、それを示してもらいたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 合併しようとする市町村と、合併される市町村との意思が合致したときは問題がないのであります。これは当然合併になるのであります。名古屋のように、県会の意見と市会の意思が異なった場合に問題があるのでありまして、今門司さんの御質問のように、合併される市町村の意思を無視して、自治庁が勝手にやる。こういうことは権限もありませんし、やる意思もないのであります。意思が異なって、特に内閣総理大臣に裁定を求めた場合に、どう処理するか、こういう局限された問題についてお答えをいたしているわけであります。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 今の大臣の答弁ですが、法律は必ずしもそうなっていないのであります。法律が今問題になっておりますのは、市町村の合併が、市町村の段階においてきめられましたのを、さらに府県の段階によってこれをきめるということになっておる。従って、市町村の意思と都道府県の議会の意思とが相反した場合、これは総理大臣の裁定を求めることになっておる。従って、基本的の団体である市町村が、合併する方もされる方もいいということでやった。それを県議会がチェックしている。県議会がチェックしたものを、合併を希望する市町村が納得できないとして、総理大臣にこれを申請するのである。従って、政府が裁定されるものはどこまでも町村の意思であります。これは府県の意思ではありません。従って、府県会の意思をとるのか、あるいは当該市町村の意思をとるのかということは、きわめて重大な問題であります。従って、もしさっきのような御答弁であるとするならば、政府の一応の方針を示しておいてもらいたい。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 門司さんの御質問、よくわかりました。自治庁としては、よほどの支障と不都合のない限り、市町村の意思を尊重して、従来処置をいたしております。最近も栃木県の鹿沼市、神奈川県の秦野等、これは県会と違ったのでありますけれども、当該町村の意思を尊重した決定をいたしておるわけであります。御趣旨の通り、これはやっております。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 西村君。

西村彰一日本社会党(右)

○西村(彰)委員 私は自治庁長官に、地方の行政に関係のある、特に主要都市の所在の地方行政に非常に関係のある地方競馬の問題について、質問を申し上げたいと存じます。  戦後、競馬のほかに競輪あるいはボート・レース。オート・レースというものの競技が非常に盛んになりまして、一面においては戦災を受けた都市の復興をはかるということで、いろいろ行われております。競馬の問題については、戦争の前において、射幸心を非常に神経質に取り締っておった時代においても、御承知のように、全国十一の大きな地区においては、帝国競馬協会というものが民主的に競馬を行いました。それから、府県においては産馬奨励の意味で、畜産組合の連合会が競馬の主体になっておったことは御承知の通りであります。先ほど申し上げたように、戦後非常に乱立をして、各府県の有志が競馬会社を作ってその施設を戦災を受けた都市に貸して、戦災都市が競馬の主体となって馬券を売って収益を上げ、その一定の部分を政府に納めておる、こういう状態でありますが、すでに終戦後十年も経過して、戦災都市も相当復興の目的を達しております。また、特に六大都市に近いような都市の経営しておる競馬については、非常に馬券が売れますので、非常に収益が多いのであります。ある都市のごときは、一週間に四千万円くらいな純益を上げている。もう住民税などは、ほとんどとらなくてもいい。こういうことで、ほかの都市のせん望の的になっておるようなわけであります。そういう風味において、各町村における負担が非常に不公平になっていることは、御承知の通りであります。また市が経営をいたしまして、競技事務所がございますが、この競技事務所の経費の内容等につきましても、交際費というようなものが非常に膨大な額を占めている。その使途の明細が不明朗でありまして、非常に疑惑を招くようなことが多いので、おそらく自治庁でも地方行政の立場から非常に気を配っておいでになると思いますが、政府においては昨年競馬法の改正によりまして、戦後アメリカの指図によって中共における十一の競馬が国営になっておったものを改めまして、全国競馬協会というものが民主的に主体となって競馬の経営を行うようになったのであります。地方の競馬につきましては、いろいろな弊害がございますが、すでに終戦後十年もたった今日において、競馬、競輪その他のものが大体落ちついて参りまして、へんぴな市町村においてこれから競馬をやろうとか競輪をやろうというようなものは起らないと思いますが、この辺で地方競馬の問題について改革を行わなければならない時期ではないかと私は考えるのであります。自治庁においては地方競馬が今のような状態でいいかどうか、しばらく今の推移のまま行われるお考えであるかどうか、お伺いいたしたいのであります。  なお私の私見を申し上げますならば、戦前のいろいろな例もございますし、また中央競馬が全国競馬協会で民主的に昨年発足した例にかんがみまして、各府県に今まで施設を持っている人たちなどを民主的に糾合いたしまして、財団法人の府県競馬協会あるいは社団法人の競馬協会というような民主的な団体を作られて、十分なる監督のもとに競馬を行わせて、一定の納付金を国家並びに府県に納付させることにして、これを畜産振興その他のものに使用する、こういうようにすることがよくはないか。これは私の私見であります。  競馬法の監督は農林省の主管にもなっておりますけれども、むしろ地方競馬については地方行政に最も関係の深い自治庁において、しっかりした方針のもとに今後監督指導していただくことが最もよくはないか、かように私は考えるのでありまして、自治庁の長官は現在のままでいいとお考えになっておられるかどうか。またもし将来改革をとられるとすれば、どういう方向でこれを改革せられようとしておられるかということについて、自治庁長官のお考えを率直にお伺いいたしたいのであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 競馬、競輪その他の射幸行為による収入が、地方財政に寄与したことはお話の通りでございまして、それがために学校その他の施設の充実した点が幾らもあるのでございます。三十年度の財政計画においては、約八十一億を計上しております。平日開催をやめましたので、昨年に比べて十七億減収の計算をいたして財政計画を作ったのであります。大体経済状態も安定するし、社会の環境もよくなりましたので、できるならばこうした射幸行為によって地方財政を救うということは決して好ましい状態でないと私は考えます。現内閣におきましても、そうした観点から、先般閣議におきまして、今後競馬場、競輪場、オート・レース場、モーターボート・レース場は一切増設を認めないという閣議決定をいたしたわけであります。しかし現在の地方財政の状況から申しまして、何としても八十億以上の収入のあるこの事業を直ちに廃止いたすことは、かわる財源を何か見つけない限りなかなか困難であります。参議院におきましては、なるべくすみやかに競輪を廃止すべしという決議を委員会でいたしておるのであります。西村さんは主として競馬のお話でありましたが、参議院の決議は競輪に限っての決議でございますが、大体そういう決議をいたしております。これに関連しまして、先般参議院で私は質問を受けたのです。かりに競輪を廃止するとして——施設は民間会社が持って、その施設を提供して、府県なり市なりが公営事業として競輪をやっておるのでありますが、もし、廃止した場合に、その施設をどう処分するのか、一体これはどういう形でもって賠償するのか、こういう御質問がありまして、私は即答できないで、まあ相当問題だから研究いたします。こういうことだけしか申し上げられなかったのであります。かりに競輪を廃止するといたしましても、市あるいは県と私設会社とが契約をして設備をいたしたのでありますから、ただ廃止しっぱなしではこれは済まされない問題が生じてくるのではないか、相当賠償しなくてはいかぬのではないかという感がいたすのでありまして、どっちにしても廃止ということに対しては、相当の問題が起るのではないかということを考えるわけであります。競馬並びに競輪その他いわゆる射幸行為による事業につきましては、今後なお政府においても相当慎重に考えたい、こう考えております。  それからお尋ねの中にありましたことで、現在そうした射幸行為を県並びに市が自分の事業としてやっておるが、国営競馬はこれを民営に移したのだからして、そうした公営的な事業もこれを民間の適当な団体に移したらどうかというお尋ねのように受け取ったのですが、もしそういう御質問でありましたら、これは私はまことに適切なお考えじゃないかと思うことは、現在の道府県庁並びに市にある競技事務所というものは、非常に膨大な金がかかっておるのであります。ある県のごときは、県の交際費をほとんどその公営事業費から出しておる、いわゆる宣伝費から出しておるというような事実も私は二、三知っておるのでありまして、むしろこれは健全な民間団体ができれば、事務はそれにまかして、賦課金をとるということにした方が、役人も減ってきますし、問題も少くなって、まあいいじゃないかという考えが私限りはいたすのでありますが、御質問でありますから、それもあわせて研究をいたしてみたいと存じております。

西村彰一日本社会党(右)

○西村(彰)委員 長官から御丁寧な答弁がございました。私は馬のことを長くやったりしておりましたので、競馬のことばかり申し上げるようになりましたが、競馬、競輪を通じまして、自治庁の立場で公正なる指導監督をし、また競馬は多少農業上の関係から見ても——もちろん自転車も必要でありますが、特別であるように考えますが、競馬、競輪を通じまして十分御調査の上、なるべく早急に民主的な経営に移されるように御研究願いたいと思います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 先ほど来町村合併の問題でいろいろお伺いしたのですが、要するに現在の段階では、市町村というものは、合併町村もそうでありますが、その能力が不十分である。現在担当しておる事務をやるにしても不十分だ。だからまあ当分はその力の充実をはかる。政府の方から見ればこれを援助し、指導育成するというような段階であって、市町村に新しい事務などをやるようなことはまだ考えておらない、こういうような結論と承わってよろしいか、長官からその点を明らかにしていただきたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 北山さんの御質問に対しては、私としてまだ研究が未済でありまして、結論的に申し上げる段階に至っておらぬのでありますけれども、現在の地方自治体としての一つの弊害は、府県も市町村も同じ完全自治体である。従って、一つことを二重にやっているという点が少くないのでありまして、こういうものは相当整理しなければならぬと思うのであります。今後研究いたしまして、できるならばある程度の軍務はなるべく市町村に移譲した方がいいのではないか、こういう大ざっぱな考えは持っておりますが、しからばどの仕事をどうということになりますと、この点に対してはまだ私結論が出ておりません。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 しかし、先ほど来行政部長からのお語等を承わって感じましたことは、市町村合併もまだ完成をしておらない、長官もそう言われました。結局、ほんとうに自立できる市町村というものを確立しないうちは、新しい事務は何をやることもできないのだというお話でありますから、完成の時期がいつになるかわかりませんけれども、そういう時期になってみなければ新しい事務などはやれないではないか、これだけは先ほど来の御答弁で明らかにされたと思うのでありますが、そういうふうに了解してよろしゅうございますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 簡単にそう言い切れないことは、行政機構というものは常に合理化、簡素化することが必要なんでありまして、町村合併が完成いたしませんでも必要なる合理化、簡素化の成案を得ますれば、これは逐次実行に移していくべきことが必要と思いますからして、北山さんのような簡単に割り切った議論はできないじゃないかと考えております。必要なものはこれをどしどしやっていく、もう始終世は進歩しているので、これに対応してやっていくことが必要じゃないかという感じがするのです。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 どうも自治庁の答弁があいまいもことして、どこが頭だかしっぽだかわからないのだから、そういうふうに割り切った形で御質問しているのですが、先ほど来のお話を聞いていると、そういう結論になりはしないかと申し上げた。長官のただいいまのお話のようであるとすると、町村合併も完成しないうちに、無能力な市町村に新しい事務を配分することもまた合理化の道である、あるいは簡素化の道であるというように聞えるのです。そういうことが一体合理化であるか、少くとも私は非合理化ではないかと思うのです。市町村が力のないうちにどんどんやっていくことも、また合理化のために必要などということは矛盾ではないでしょうかどうでしょうか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 別に今の市町村が無能力とは考えていないのでありまして、合併によってよりよい市町村を作ろうということは事実でありますけれども、現在の範囲内の市町村でも、移譲するのに適当と認めた仕事は移譲すべきものだと私は考えるのであります。これは社会の情勢にマッチしながらやっていくべきものだ、こう考えるのでありますから、市町村が合併しない限りは一切現在のままだ、こういうふうにお答えを申し上げることはどうかと思うのでございます。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 しかしそれほどまでの御決心があるのであれば、どういう仕事を移譲しなければならぬかくらいは、はっきりされておらなければならぬ。どういう仕事を移譲すべきかということはまだわけがわからぬ、しかし市町村がたといまだ力が完成しておらなくても、制度としては事務上やらなければならぬ場合もある、こういうようなお話で、どこを一体基本にしてものを考えればいいのか、自治庁の考えがどこにあるか、われわれはまことに了解に苦しむのです。社会の情勢上とか、何だかわけのわからないようなことを持ってこられたのでは、合理的な質疑ができないと思うのですよ。だから今まで私が苦心をしてお伺いをしておることは今に至っては水のあわなんです。結論をさっぱり得ない。自治庁は何を考えておるかわからない。しかも大都市の問題についても、少くともこの自治法の中には特別市という制度がちゃんと認められておるでしょう。それをどう持っていくか、特別市というものをやるつもりであるか、あるいはそういうものは当分認めない方針であるか、あるいは過大都市は抑制する方針であるか、あるいはどんどん自然に大きくなるところの都市というものは、自然の成長によって付近の町村をどんどん合併していっても差しつかえないのだという方針でいるか、そういう大きなものさしがなければ、審査請求が出て参っても判定の材料がない。判定の基準がないと思うのです。だからそれは出たとこ勝負でケース・バイ・ケースというか、これでは自治庁としては少くとも今回地方自治法の改正というような法案をお出しになる根拠はないのじゃないか。何の考え方をもって一体地方自治法の改正をなさるのであるか、地方自治体をどのような方向に持っていこうと思って、この自治法の改正案を出してきているのですか。これからいろいろ情勢の変化であるとか、町村合併の完成であるとか、いろいろな要素が出てこなければ結論が得がたいというような答弁をなさっておられる。そうしておきながら法案だけはちゃんと出してきておるのです。私は非常に矛盾を感ずるのです。一体どういうつもりで今度の地方自治法の改正案を出してこられたのですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 地方事務の簡素合理化のために、この程度の改正が必要と思って出したのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 大臣がお笑いになったから私は笑う必要がないと思いますが、やはり一つの制度、しかも重要な地方の制度をいささかでも動かすということは重大なことだと思うのです。金の問題であれば、やった金を返せばそれで済む、繰り上げ償還でもすれば再建債は取り返しがつくでしょうが、制度だけはそうはいかぬ。町村合併についてもわれわれはそのことをよく考えておるのです。あのときにもう少し慎重にいろいろな点を考慮してやればよかったのじゃないかということを今日私は考えておりますが、しかしこれも突っ放してしまえば、いろいろ悪い点が出たり、いい点も出たり、収拾つかなくなってしまうのです。ですから少くとも地方自治法の改正を提案されて、そうして府県制度なりあるいは町村の事務なり、そういうものに多少の改変でも加えようという限りにおいては、根本の方針といいますか、大きな目標なり、そういうものはやはりはっきりとした信念をお持ちになって、しかる後に出すべきであって、先ほど来お話のようなことでは、出たとこ勝負で情勢の変化でいかようにもなるというような考え方では、地方自治法の改正はもう一ぺん引っ込めて直していただいた方がいいのじゃないかと思うのですが、長官はどのようにお考えですか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 現在御審議願っております地方自治法の一部改正は、現在の地方政治にかんがみまして、ぜひ必要だと思います。これは幾度も申し上げるので笑ったのですが、根本は全く地方事務の合理簡素化でありますが、あわせて多少なりとも経費の節減になる、こうした二つのねらいなのであります。これ一ぺんでもって永久に自治法の改正をやらぬかといえば、そんなことはないのであります。なおいい案があれば来年また提案する、こういうことになるのでありまして、時世の進運につれて、いい点はどしどし取り上げてやっていこうと思っております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 問題が非常に重要なところに差しかかっておりますので、いろいろまたお伺いしたいのでございますが、だいぶ時間もおそくなりましたから、この点についてはさらにあとでお話をしたい。長官がお笑いになるようなことでは困ると思うのです。これ以上きょうは質疑を続ける気力がなくなってしまいましたので、この程度にいたします。     —————————————

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 本日はこの程度にして、ちょっと私から理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事でありました加賀田進君が本日委員を辞任せられ、再び本委員会の委員に選任せられましたので、理事の補欠選挙を行わなければなりませんが、これは選挙の手続を省略して、委員長より指名いたすことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 御異議がなきものとして理事には従前通り加賀田進君を指名いたします。  本日はこの程度にし、次会は公報をもってお知らせいたします。これにて散会いたします。     午後四時三十七分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗