地方行政委員会 第45号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/20
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 昨日に引き続き、地方財政再建促進特別措置法案を議題として逐条的に質疑を行います。まず第六条より十一条までについて質疑を願います。北山君。
○北山委員 それではきのうに引き続いて第六条から始めます。第六条は国や公共団体が再建団体に対する協力の規定でございます。ここで公共的団体ということ、その他これに準ずる団体というものの範囲、種類及びその再建団体に協力するというのはどういうことを一体意味するのであるか。それらのことについてお答えを願いたい。
○後藤政府委員 六条の公共的団体という言葉はまだほかにもあるのでありますが、これは種類を分けますと大体三つぐらいあると思います。地方団体の長またはその機関が会員になっている公けの団体、それから行政機関を援助するような団体、それからほかに経済的な団体か考えられます。そういうものをひっくるめてこういう呼び方をしておるのであります。それから協力の態様でありますが、どういう点で協力をするか、これは私どもはいろいろな場合があるだろうと思いまして、別にこまかく書かなかったわけであります。精神的な援助はもちろんでありますが、いろいろたとえばそういうところの団体が寄付や負担金とかいろいろなものを出している場合がございます。そういう面においてもやはり協力となるのであります。精神的な、物質的な両面の協力をお願いしたい、かような意味であります。
○北山委員 大した意味がないというか、軽い意味の規定のようでありますが、他の地方公共団体及び公共的団体等についてはまあそのように考えますが、この中に国という言葉があるのですけれども、国というのはいわば再建団体との直接の当事者といいますか、いわば再建団体を管理するような、お世話をする、本来この再建促進法によってもう一定の関係を持っておる団体なんです。わざわざここに国ということをまた重ねて協力団体として書いているということは、何だか重複しておるというような感じがいたしますが、どういう意味がありますか。
○後藤政府委員 おっしゃるような意見が実はこの法案を作りますときにも各省から出たのでありますが、私どもとしては、地方団体相互の間、また地方の公共的団体も援助するのであるから国もやはりそういう精神的な、物質的な援助をしてもらいたい、こういう意味で国というものが入ったのであります。
○北山委員 しかしそれは自治庁としてはおかしいとお考えになりませんか。私どもは少くともこの再建促進法の中で国が持つ役割というものは一応各条の中に具体的に規定すべきものである。またそういうふうにされておるわけなんです。ところがそれ以外にまたばく然と協力をするというのか。特にそういうことを書くとすればそれ以外のモラル・サポートか何か知りませんが、これはどういう場合があるかはなはだ疑問があるのですが、それをもう少し具体的にお話を願いたいと思います。
○後藤政府委員 具体的の例をあげろということでありますが、たとえば国が地方で会議をやったり、いろいろの施設と申しますか、催しをやる場合が私はあると思います。そういう場合に再建団体を避けてもらいたい、再建団体の出費が多くならぬようにしてもらいたい、こういう意味も含めておるのであります。従ってこれに入っておらないようなところで、しかも国との間で寄付とか負担とかいう問題はなくても、それ自体の経費をやはりふやすような仕事が国の仕事にはあるのであります。従ってそういう場合に協力してもらいたい。そういう出費を出さないような援助をしてもらいたい。こういう意味があるのであります。
○北山委員 そうすると、かりに宴会などをやるとすれば、会費のかからないようなお茶ぐらいで済ますというような程度の意味でございますか。
○後藤政府委員 宴会ばかりでなく、地方に各種の催しを押しつけたり、ブロック会議を押しつけたり、そういう場合に当該再建団体を避けて他の団体をしてやらせてもらう、こういうことも私は一つの協力だろうと思っておるのであります。そういう意味でいろいろな場合が想定されますので、国もやはり援助してもらいたいという規定を入れたのであります。
○北山委員 次に第七条でありますが、いわゆる直轄工事の地方団体の負担金の問題であります。しかし私どもは現在の国の直轄工事、これなどは国の負担で行うべきであって、地方負担も幾らか残しておくというようなことは適当でないと思っておるのですが、自治庁としてはどういうようなお考えであるか、あるいはどういう取扱いにするのか。そのようなお考えであるとすれば、どのような措置をとられるか。一般的なそういう措置等についてお伺いをいたしたいと思います。
○後藤政府委員 直轄工事につきましては、われわれとしてはやはり直轄はほんとうの直轄であってもらいたい。地方負担をできるだけ少くしてもらいたい。これは同じような事業でも二割から三割ぐらいまでございます。多いのはたしか四割近く負担することになっております。従って同じ直轄工事でも現在負担の割合が事業によって違うようになっております。従ってそういう再建団体におきましては、そういう直轄野業の負担をする場合におきましても、やはりできるだけ負担の割合を低くしてもらいたい、こういう希望を持っておるわけであります。本質的には、私は、直轄工事というのは国が全額を持ってやる事業であってしかるべきではないか、かように思うのでありますが、たとい現行制度を容認するとしても二割から四割までの幅がございまするから、やはりその負担をできるだけ低いところに持っていってもらいたい、こういう意味でこういう規定を入れておるのであります。
○北山委員 直轄工事についてはただいまのような御意向よくわかるのですが、しかしこれは政策的な問題でもありますから、あとで大臣がお見えになってからお伺いすることにします。 この七条では、そういう事業を国の方でやる場合に、着手する前にあらかじめその事業の総額及び財政再建団体の負担額を自治庁の方に通知をしなければならぬことになっておるわけです。ところで通知をしてもらうのは何のためであるか。自治庁としては、通知を受けたならば、どういう措置をするのであるか、この点についてお伺いします。
○後藤政府委員 再建団体におきましては、毎年度の再建計画がございまするし、その場合に一般の財源の持ち出し、たとえば投資的事業の中におきましても、一般財源の投入の量が大体きまっております。従ってそういう一般財源を使いますところの事業の量というものがございまするので、それから判断いたしまして、その負担額が多いとか少いとかいうことが考えられるのであります。現在のところでは直轄の負担金は当該年度では影響しない、翌年度から影響して参ります。従って当該年度において負担額がわかりますれば、翌年度以降の直轄の負担金、交付公債の量もわかって参りますので、これがあまりに累加いたしますると、再建計画に支障がございまするから、非常に多くなるような場合には、直轄の負担額を変更してもらうとか、事業量を考えてもらうとか、そういうふうな申し入れをいたしたい、かように考えて、ここに入れたわけであります。
○北山委員 しかし国が直轄で行うような事業というものは、やはり国の利益といいますか、一つの国の政策として行う事業が多いと思うのです。従ってたといその所在の団体が赤字団体でございましても、やるべき直轄事業は国としては当然やるべきである。従って事業はやるけれども負担の方は率を下げるとか、あるいは全額国の負担でやるとか、そういうことになると思うのですが、そういうふうにやるつもりでございますか。
○後藤政府委員 直轄事業の場合でありますが、これはその府県で直轄事業が行われれば割合簡単な問題であります。自分の県の中で直轄事業が行われるのでありますから、それだけ県民の目に見えて、直轄事業の負担という問題は簡単に片づくのでありますが、しかし利根川のような直轄工事の場合には群馬県で工事が行われて、その負担金を千葉、埼玉、茨城が背負わなければならない、こういう方式になっております。県民のわからない所で事業が行われて、負担だけを、しかも年度ごとに大きくかぶさってくる、その額も数億かぶさってくる、こういうふうな現在の制度になっておりますので、たとえばその下流の団体が再建整備団体になりました場合に、あまり大きな負担を与えますると、再建計画の達成がむずかしくなりますので、そういう場合には、その負担そのものについて検討してもらうということが私必要ではないか、かように考えておるのであります。
○北山委員 この直轄工事に対する負担金は、現在では交付公債になっておるわけであります。そこで現在交付公債になっておる二十八年度以降の分は幾らくらいになっておるか。それからこれはこの前も再々問題になりましたが、二十七年度以前の現金で払わなければならなかった当時のいわゆる未納分が、昨年は約九十億あったはずであります。それが最近における現在額においてどの程度に達しておるか、これは六十億とも言い、あるいは七十億とも言われるのでありますが、この未納分の現在額がどのくらいになっておるか、交付公債の方は幾らになっておるか、この数字をお示し願いたい。
○後藤政府委員 交付公債の額は、今こまかい数字は覚えておりませんが、たしか二年度で百七十億くらいでなかったかと思います。 それから二十七年度以前の負担金の未納分は、五月三十一日現在でたしか八十九億くらいあったと思います。
○北山委員 今年の五月三十一日現在で八十九億ということは、昨年度分をほとんど払わないという数学でございますか。
○後藤政府委員 昨年度分を少し払った。二十七年度現在の未納はたしか九十五億であったと思います。従ってそれから差し引いたものだけ払ったわけであります。
○北山委員 この過去の直轄工事負担金の未納分については、たしか前の委員会でも、かりに交付公債にたな上げしなくとも、大蔵省との話し合いで償還年次を延ばすような約束ができているんだというような話もあったんですが、その大蔵省との話し合いというものは、具体的にはどういう内容を持っておりますか。
○後藤政府委員 二十七年度以前の直轄工事負担金の中で、負担金の非常に多いものと非常に少いものとございます。従って額によりまして二年ないし五年の分割払いにいたして、昨年から分割払いが行われておるのであります。その二年ないし五年の分割払いをさらに延期するような話し合いを続けておるのであります。その話し合いを一応続けておるのでありますが、本年度の国の一般会計の予算の雑入の方に一応三十億円分だけ組んでございますので、その辺に関係がありまして、本年度きめることができなくて、来年度からさらに分割払いを延ばしてもらうようなことにいたしたい、そういうことで大体一応の了解を得ているということでございます。
○北山委員 来年度から償還年次を二年から五年までの分をさらに延ばしてもらうということは、どの程度延ばしてもらうか、そこまで了解がついていないのでございますか。
○後藤政府委員 五年間はすでに延びておるのであります。先ほど申しましたもので、たとえば三十九年度支払いのものが三十億、それから三十年度の支払いが二十七億、三十一年度は二十三億、三十二年度は四億、三十三年度は二億、こういうふうに延びております。この延びたのをさらにまた延ばしてもらおうという話し合いを現在続けておる。来年度からそれをやろう、そういうふうに考えております。
○北山委員 そういたしますと、二年から五年に過去の未納分を延ばして分納するということは、前にすでに了解がついておって、大体計画ができておったはずなんである。その後さらに大蔵省との話し合いによってそれを延ばすことにしたんだというお話でごさいましたから、そこでどの程度に延びるかということをお伺いしたんですが、それについてはまだきまっておらないというように了解してよろしゅうございますか。
○後藤政府委員 まだこまかいところはきまってございません。
○北山委員 それから国の直轄工事の分担金は、今までの実績でありますと大体毎年約百億くらいずつ出て参る。普通の起債のほかに交付公債として年年百億ずつ国の工事に伴って地方の借金がふえて参る、こういうような状態になるわけでありますが、この点について自治庁としてはどのように考えておりますか。だんだんこれが積り積って現在では百八十億ですが、さらにこれが積っていくということになればずいぶん大きなものになると思うのです。たとえ交付公債でもあとご払わなければなりませんから、これについてはどういうふうにお考えですか。
○後藤政府委員 先ほど申しましたように、直轄工事の分担金の関係は、将来を考えまするとどんどん累増していくような傾向にございます。従ってやっぱり分担金制度自体を考えていただきたい、なるだけ負担の少くなるようにしていただきたい、こういう要望を前から繰り返しておるのであります。それができないとすれば、分割払いの方法ないしは交付公債の方法によってその払いを延期していくという方法しかないのではないか、かように考えております。
○北山委員 待てども大臣はまだお見えになぬのですが、大臣はいつごろお見えになるのですか。
○大矢委員長 大臣は間もなく見えますが、北山君から要求のありました法政局次長高辻氏が出席されておりますから、その方をどうぞ。
○北山委員 法制局の点については、これはおそらく憲法問題になると思うのです。これはあとで門司さんからもおそらく質疑があると思うのですが、ごらんのように大臣がお見えになりませんから、それまでお伺いをいたします。 実は今度の地方財政再建促進特別措置法案の中には、憲法第九十二条にいういわゆる地方自治の本旨を侵害するような規定があるのではないか、こういうことで実は当委員会におきましては相当議論があるのであります。そこで法制局においては、地方財政再建促進特別措置法案の内容についてはもちろんもうすでに御検討であろうと思いますので、これが憲法九十二条の地方自治の本旨ということに触れないかどうかという点を承わりたい。特に私どもが疑問に思っておりますのは、この各条に関係いたしておりますが、この法律によって財政再建団体になったところの赤字団体というのは、八年間というものはまあ部屋住まいのような格好で財政の自主性を失ってしまうということなんです。たとえばその団体が議会の議決を経て再建計画を立てて自治庁の承認を得るというふうになって参りまして、その計画に従ってすべて予算も組み毎年の仕事をやって参ることになる。ところが次の選挙の時期になりますと、新しい首長や議会の選挙が行われるわけでありますが、そうすると新しい首長あるいは議員は一つの政策を掲げて選挙に臨むであろう。しかしながらその団体の行くべき道、あるいは大体の事業の概要というものは、再建計画によってすでに八年間はきまっておるのですから、従っておそらくその首長は、私は今回立候補をいたしました、政策の方は再建計画を一つごらん下さいというようなことになって、それで選挙が行われるわけですが、これでほんとうに地方議会、あるいは地方団体の民主的な運営といいますか、そういうものが確保されるかというような疑問もあるわけであります。その他いろいろありますが、大体総体的に見まして、そういう条項をこの法律は含んでおらないかどうか、これをまずもってお伺いたします。
○高辻政府委員 この法律においていろいろ規定するところが地方自治の本旨にもとることがあるのではないかというお尋ねでございます。重要な点に触れた問題でございますが、私どもは法制局といたしましてこの法律の審査に当ったわけでございますので、むろん少しもそういう疑いはないというふうに考えておるわけでございます。具体的な条文というよりも、むしろただいまおっしゃられた点は、地方議会の選挙で選出された議員が地方行政に関与されるについてのいろいろな不都合の面からお尋ねがございましたが、私どもは一応この法律の条文の立て方をもとといたしまして、われわれの考えておるところを一応申し上げてみたいと思います。 この法律の規定は申し上げるまでもなく、赤字団体いわゆる財政再建団体が、その財政が窮乏いたしましたために、地方団体の本来の機能を発揮することが危ぶまれるような事態に立ち至りました場合に、国が普通の事態では与えられないような特別の便益を与えることにいたしております。と同時に他方におきましては、それと対応する関係で地方団体の財政を再建するというその目的に照らして、必要な範囲で監督その他の規定をいたしております。それらの規定は、実はすべてが一体となった規定でございまして、ある特別な便益を与える部分をはずしまして、不利益と認められるような部分だけを論じて地方自治の本旨にもとるというようなふうに考えますのは、いささか片手落ちじゃないかというふうに考える次第でございます。もともとこの法律のねらいは、地方団体が地方自治の本旨に従った機能を十分に発揮できるようにその基盤を作り上げようとすることにねらいがあるのでございまして、従ってそういうものは一体の関係に立つ者としてお考えをいただかなければいけないと考えるわけでございます。 それから、それにいたしましても、そういう関係を国法が一方的に地方団体に対して強制するというようなことになりますれば、これはまた問題であろうかと思いますけれども、この法律の規定によって構成される法上の地位と申しますものは、決して国が一方的に課するのではございませんで、あくまでも財政再建団体が自己の窮乏に陥った財政を立て直して、地方自治の本旨に即する機能を発揮したいというふうに考えました場合に、自己の意思に基きまして、そのような法的地位を取得しようというわけでございます。そのような観点から見ましても、この法律の規定が何か地方団体に対して一方的にワクをかぶせるというようなことには決してならない。さような観点からいたしまして、憲法九十二条等の規定に反する違憲の立法とは少しも考えておらないわけでございます。この審査に当りまして私どもが考えました大体の考え方は以上の通りでございますが、なおいろいろお尋ねがあろうかと思いますので、その際にお答えしたいと思います。
○北山委員 まことに明快なお答えでございますが、さようにいたしますと、いろいろほかにも理由をあげてございましたが、国の方で便益を与えておるのだ、また一方的な拘束をしておるのではないのだ、拘束だけをやっておるのではなくて、一方において便益を与えておるのだから、いわばおみやげを持っていっておるのだから、向うの人にも犠牲を払ってもらう、あるいはいろいろな拘束も受けなければならないような状態に置くということは、そういうつり合い上、地方自治の本旨には相反しないということが一つの理由のようでありますが、そう今のお話を了解してよろしゅうございますか。
○高辻政府委員 私が申し上げましたのは、特別な利益を与えたから反対に何か不利益を課すというようなつり合いの問題ではなくて、実は両々相待ちまして財政再建団体の窮乏した財政を立て直して、地方公共団体の本来の機能、言いかえれば地方自治の本旨に即した機能を活用させる基盤を、両々相待って築き上げようという点にあるというふうに申し上げた次第でございます。
○北山委員 法制局は法律的な範囲だけのことを考えておられるようですが、やはり地方団体が赤字になったという原因が、その際における判断の基準になるのではなかろうか、こう思うのです。ところがことしの三月に政府が正式に発表した地方財政白書によれば、この赤字の原因がいろいろ列挙してある。その中に、おもなものとして順にずっと書いてありますが、地方行政運営上の責任ということはあまり書いておらない。そして災害復旧のことであるとか、災害復旧の財源が足りないために少し補助をやらなければならぬ、あるいは国の補助金のやり方が不足である、そのために地方はつぎ足しをして、それがやはり一つの赤字原因になっておるというようなことを認めておるんです。だから地方団体の赤字は自然発生的にぽかっと出てきたのじゃなくて、国に大きな責任があるということを政府自体が認めておる。そういう場合において、先ほどお話になったような、一方で便益を与えてあるということは、便益を与えるのではなくて、国が当然払うべき、自分の責任のために地方団体に赤字を生ぜしめた分については、当然義務としてやるべきことである。一方で便益を与えたんだから拘束してもいいという論は、法律論としても成り立たぬと思います。それについては先ほどお話がありましたが、それは間違いではなかろうかと思う。いかがですか。
○高辻政府委員 地方団体の財政の窮乏が団体自身の責任によるものか、国の、言いかえれば中央政府の責任によるものであるかということにつきましては、実は私権威をもって申し上げる筋合いでございませんので、何とも申し上げかねますけれども、今のお話を伺っておりますと、政府当局からの発表文あるいは説明かも存じませんが、お話があったそうでございます。やはり国の側にも責任がないとは言えないということは、あるいはそうであろうかと思います。しかしそうであるからこそ、実は国におきまして、普通の地方団体に普通の事態では与えないような便益を、特に一定の事態に立ち至った団体に与える、そういう道を開いて、国もある程度責任を持ってその財政再建に当るというふうな見地も否定することができないわけでございまして、今おっしゃいました点からこの点を見ましても、この法律が違憲あるいは不当の立法なりということにはならないのではないかというふうに考えます。
○北山委員 それでは法制局としては、この法律の中で国が与えておる便益は、どれどれであるとお考えですか。
○高辻政府委員 いろいろあるのかと思いますが、顕著なものを拾えば、たとえば第十二条の財政再建債、これは歳入欠陥の補てんのための赤字公債の発行を認めることにいたしておりますし、またそれにつきましては利子補給の道がございます。またそのほかにも十七条等の規定があり、そういうものがその類に入ろうかと思います。
○北山委員 赤字公債の発行を認めたことが便益を与えたという御解釈なんですが、現実に政府が起債許可の権限を持っておりますから、そういうことは言えるでございましょう。しかしながら、地方団体が借金をする権利というものは本来の権利であるということは、地方自治法の第二百二十六条で明定しておるのです。それが原則なんですよ。地方団体は本来ならば自由に起債をしてその財源にすることができるという原則を自治法が認めておる。ただ暫定的に二百五十条によってそれが制限されておるにすぎない。だから政府が持っておる起債許可の権限というものは、暫定的な特殊な目的から出ておるものです。そういう許可の権限をこういう場合に利用するということは、私は適当じゃないと思います。そしてそれが特殊の便益を与えたがごとくに考えることは断じてできないと思いますが、法制局はどうお考えですか。
○高辻政府委員 私誤解をしていただかないようにお願いいたしたいのでございますが、私はもっぱら職掌柄法律上の見地から実はものを申し上げますために、あるいは御疑問を招いたのかとも思いますが、今おっしゃいます通りのことは、私も承知しております。しかし何と申しましても現行の法律、制度——もしこの法律がなかりせば、現行の法律制度のもとにおきましては、このような便益は普通の団体には与えられないわけでございますので、そういう観点から申しまして、これは法律上は新たな法律によって与える、言葉は悪いかもしれませんが、一種の便益であるというふうに言って差しつかえないのじゃないかというふうに考えるわけであります。
○北山委員 そういたしますと、お説の通りであれば、たとえば現在地方交付金というものがあるわけです。これも地方に対して現実に便益を与えておるとも言える。あるいは補助金もあるでございましょう。そうすると、そういうことを政府がやっているんだから、今まででもどしどし指揮監督なり、いろいろな拘束ができるという理屈になってしまって、地方自治の本旨が、すでに今まででも守らなくてもいいという理屈にもなるんじゃございませんか。
○高辻政府委員 私が申し上げているのは、そういう結論になるとは思いませんので、たとえば法の一定の基準に適合する一般の普通団体につきまして法律が与えているものは、これは便益ではあるかもしれませんが、特別の便益とは言えないわけであります。私が特別の便益と申しますのは、この法律によって特に赤字団体、再建整備団体に対して与えられるから、その意味で特別の便益というふうに、言葉は悪いかもしれませんが、そういうふうな意味に申し上げたわけであります。その点はそういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○北山委員 残念ながらそういうふうに理解するわけにいかぬのです。交付金にしろ補助金にしろ、あるいは譲与税にしろ、それは特別に与えたんだという理屈がつくんです。現在はもう与えておるから過去のものかもしれないけれども、新しい法律が出て与える場合には、新しく特別な利益を与えるということになる。あなたの言う通りであれば、そういう理屈が立つでしょう。だからそういう便益を与えたんだから拘束してもよろしいというのは、法律論としても成り立たぬと思う。もしもそのような理屈が立つとするならば、すでに地方自治の本旨というか、地方団体に対しては直接の指揮監督はできないのだというような今までの法律解釈はできないはずだと思いますが、その点は取消されたらどうですか。
○高辻政府委員 おっしゃることは私はよくわかっているつもりでございます。論点はわかっているつもりでございますが、不幸にして私の申し上げている論点と合っていないので、そういう御疑問が出るんじゃないかと思うのでございます。と申しますのは、いろいろ例をおあげになりましたのは、実は普通地方団体一般につきまして特定の条件にぶつかりました場合には、今おっしゃったようなものがひとしく補助されるようなものでありまして、それについて、そうだからといって一々国が監督をするというようなことには、今の話とは別の話でございまして、この点について言いますのは、地方団体としては、赤字団体であろうが、そうでない団体であろうが、ひとしく同じ地位に立つわけでありますが、そういうような同じ地位から見るのではなくて、赤字団体が財政が窮乏いたしまして、地方自治の本来の機能を発掘することができなくなった、あるいは危ぶまれるというようなものに特に注目をいたしまして、それだけに便益を与えるというようなものでありますから、その部分については、ひとしく公共団体の財政を再建して、その本旨に即した機能を発揮できるような基盤を一緒に作り上げていこうという観点からする便益であり、監督であるわけであります。従って、他の一般の場合も、これを押していけば当然にそうなるんだということには相なるはずがないというふうに私は考えております。
○北山委員 地方自治体の本来の機能を発揮するための措置であるからという、その趣旨はわかるのですが、こういう方法が唯一の手段であるとは言えない。こういうように、行政組織あるいは運営を拘束するような規定を含まなくてもできるはずです。だから、もしも地方団体の機能を発揮するためには、これはただ一つの手段である、しかも法律的な手段であるとすれば、お説の通りでございましょうけれども、これは事実問題として、地方財政を再建し、それを健全化する道は、こういう方法には限っておらないのです。ですから、今のような御意見は、残念ながら私の考からすれば、どうも必然的な論理性がない、こう言わざるを得ないのです。どうですか。
○高辻政府委員 ただいま仰せになりました点は、もはや法律論ではなくて、実は立法政策の問題といいますか、どういうふうにしたら、一番よい方法であるかという点についての問題に入ったことになろうと思います。私が申し上げますのは、あくまでも法難の一点からものを申し上げておりますので、そのような赤字団体の財政を再建するには、いかなる方法が一番よいであろうかということになりますと、あるいは仰せの通り、またいろいろな方法が考えられるかもしれないと思います。しかし、それは私の関係する分野ではございませんので、そのことだけを申し上げておきたいと思います。
○北山委員 私の言い方が悪かったかもしれませんが、これはまた言いかえれば、地方の団体に対して、その機能を促進したり、いいことをしてやるような目的であるならば、拘束をしてもかまわないという理屈になると思うのですが、どうですか。
○高辻政府委員 やはりさっきの問題になるかと思います。たとえば監督をするという二十一条の規定、それから十二条のような規定、これは先ほども申し上げましたが、一体の関係に立つものであって、両々相待って、実は財政再建団体の財政を再建しようという目的に奉仕した規定であり、しかもそれに対しては、国が一方的に課するものではなくて、当該団体の意思によって、その地位を得ようとすれば、そういうことになるというわけでありまして、いずれの面から見ても 憲法上違憲であるということにはなるまいというふうに考えます。
○北山委員 ただいまのお話の第二点は、これは一方的ではない。要するに地方団体の自由意思によって再建団体になったのであるから、さしつかえないのだという。けれども、そういう再建団体になり、われわれからいうならば、準禁治産者のような自主性のない状態に置かれるということは、いわば操を売ってしまったような格好なんです。この前の委員会でも例として申し上げましたが、貞操の侵害はよろしくない。しかし貞操を売るならば、それが自主的な意思に基いてやればよろしいという議論になってしまうのじゃないか。だから、地方団体の自主性というものは、そんな売り渡すものであるかどうかなんです。今度売春禁止法が否決されたようでございますが、地方団体売春奨励法みたいなふうに見える。売るならばさしつかえない。自主的な地方団体の意思決定によってやったのだからさしつかえないだろう、こういうような理屈に法政局の方も傾いているようで、まことに遺憾であると考える。私どもは、基本的人権はもとより、地方自治体の自主性というものも、そのように売り渡すべき——金に困って売り渡すようなものではないだろう。非常に古くさい考えかもしれませんけれども、そういうふうに厳格に考えているのですが、いかがですか。
○高辻政府委員 お話のねらいはわかっておるわけでございます。たとえば今お話が出ましたので申し上げますが、基本的人権の問題についても、これと似たような問題がございます。たとえば、公務員が、公務員の関係に自己の意思に基いてなるということになりますと、これは法律上は、いろいろの説明の仕方がございますが、憲法の規定する一般の基本的人権をそのままに持って、それを発揮することができないということもございます。それについては、あまり多く疑う余地もないかと思いますが、そういうことは法律の面ではあるわけでございまして、財政再建団体の財政を再建するためには、いかなる方法が一番よいかということについては、これは、いろいろな向きから、いろいろな議論があろうかと思いますが、この法律の建前を基礎にしていう限りは、今の人権に関する問題を御提出になりましても、特にそのために、この法律に対して私がただいま申し上げた意見を変える絶対的、決定的なことにはならないのではないかというふうに考えるわけであります。
○北山委員 もちろん個人あるいは団体が、契約によって自分の自由を自主的に拘束するという場合はあり得る。しかしそれは一定の限界があると思うのです。個人の契約でもそうでしょう。自分のからだを切って売るとか、そういうことはできないと思います。やはり公序善良の風俗とかいうような限界があると思うのです。私は地方公共団体は、企業体と違うと思うのです。企業体が銀行に対する場合ならば、お説の通りでよろしいけれども、地方公共団体は、本質的な性格として、国に対しては一つの自主性を持ち、自分で意思決定ができる、自分の組織運営について自分がやれるというような権利というのは、売り渡す部分じゃないか、こういうふうに考えるのですが、その区別はつかないものでしょうか。相談づくなら何でもよろしい、こういうふうな御解釈ですか。
○高辻政府委員 これは最初に申し上げたことに帰着するわけでございますが、人権の問題を適切な例としてお持ち出しになったわけであります。何でもかんでもできるわけではなくて、それには合理的な限界があるであろうという仰せでございまして、その点はもちろん抽象的にはそういうことが言えると思います。この法律案につきましても、それが合理的なものであるという範囲におきますならば、ただいま先生の仰せになりました点からいいましてもいいということになるのでありまして、その点については、私が先ほどから申し上げた点に尽きているのではないかというふうに考えるわけであります。
○北山委員 ちっとも尽きていないように思います。たとえば自己の意思であるとしても、この法案のほかに規定なんかを見ますと、その自由意思もまた認めておらないのです。その意思決定の方法についても、いろいろ限定している。任意の意思ならば、勧告などする必要はないですが、勧告もするということになっており、しかも赤字をかかえて一本立ちで再建団体になろうとしないで、やろうとしてもそういう団体には金を貸さない、こういうような制裁的な規定までもある、何が何でもこういうところに追い込もうとするような制限がこの規定の中にあるのですから、少くともそういう点については、自由意思を拘束しているのじゃないか。その道を歩まざるを待ないように赤字の地方団体を余儀なくさせているような全体の規定であるから自主的な決定ではない、自主的な意思によって再建団体になるのではなく、追い込まれておるのである。これはこういう非常にたちの悪い法律なんです。そういう面から見ても憲法違反の疑いがあると思うんですが、いかがですか。
○高辻政府委員 この法律に対する御批判の点は御意見として拝聴するわけでございますが、自由意思自由意思というふうに問題が発展して参りましたために、そのような論がお出になるのだと思いますけれども、私は最初に申し上げておりますように、実は二点からこの問題を違憲でないというふうにわれわれが考えた要点を申し上げたつもりでございまして、その第一点はやはり普通の地方団体には普通の事態において認められない法律上の特別の便宜を与えられ、それに相応じてやはり再建団体の財政を立て直して地方自治の本来の機能を発揮できるようにという点からする一つの地位をこの法律は設定しているわけであり、しかもそれを一方的に課するものであれば、あるいは問題になると仰せになるかもしれないけれども、その地位を取得するかしないかというのは、その団体の意思によるというふうに二段がまえで実は申し上げておるわけでございますので、その両方をかみ合せてお考えを願いたいというふうに考える次第であります。
○北山委員 一番最初の言葉を繰り返したにすぎないと思うんです。最初の言葉が主要な点として二点あげられてあるからその点について申し上げて所見をお伺いしたわけなんです。私どもの考え方はまことに古くさい地方自治の自主性を守るという考え方かもしれないのですが、実は私が読んでおる本の中には、そういうふうな意味で憲法九十二条を解釈している本がたくさんあるわけなんです。一例を申し上げますと、現在自治庁の次長をやっておられる鈴木俊一先生の「改正地方自治制度」という本の中にはこう書いてある。地方自治の本旨は何であるかは明らかでない。結局自治の理念によって決するほかはないが、各地方の行政は地方公共団体のみずからの機関と責任によって行われなければならないことを意味するものと言えよう。従って反面から言えば、一方的な国の指揮監督を極力排除すべく、地方自治の本旨を侵すような国の地方公共団体に対する権力的関与は、たとい法律をもってしてもこれをなし得ないものといわなければならない、こう書いてある。従って法律をもってしてもやはり一方的に国の指揮監督というものは極力これを避けなければならぬのだ、こういう趣旨が書いてある。それから同時にまたこれもつい先だってまで自治庁におりました金丸三郎氏は、やはりその本の中で同じような趣旨を言われておるんです。今の自治庁の中にはこのように優秀なる法律家が雲のごとくおるのでありまして、まことに頼もしい限りだと思います。しかもこの鈴木俊一氏はその著書の前に、これは通説であると書いてあるのです。そうして全国の公務員諸君がこれによって稗益されるところがあれば幸いであるとも書いてある。だからこれは単に鈴木さん個人のただ一学説にすぎないのではなくて、現在までの地方自治法というものの建前が、そういうふうに規定されておるということは法制局の次長さんはお認めになりますか。
○高辻政府委員 私も法制局にだいぶ長くおりますので、ただいま仰せになりましたような本は大体見ております。そのほか地方自治に関する憲法解釈あるいは行政法上の解釈というものは、覚えておるか覚えていないかは別として一通りは見たつもりでございます。それで先生はただいまお考えが非常に古くさいというふうに仰せになりましたけれども、私は決してそうではないというふうに考えておるわけであります。しかもただいま御引用になりました図書も誤まりがあるとは考えておりません。ただ私が申し上げておるのは、そのようなそれぞれの教科書あるいは参考書等に書かれます場合には、最初私が申し上げた普通の団体に対して、普通の事態において考えられるようなものについて、特殊の監督をするというようなことは憲法の上でいかがかと思われることは、これは間違いなかろうというふうに思うわけでありますけれども、この法律は、最初の繰り返しになりますけれども最初申し上げましたような趣旨から言いまして、一般の場合とは違うというふうに申し上げておるのが私の繰り返し申し上げてきたところであります。さらに必要でありますればもう一ぺん申し上げますが、あまり繰り返しになりますので御遠慮申し上げます。
○北山委員 鈴木さんのような憲法論、地方自治に関する考え方、これをもって——金丸さんもそうでありますが、そういう気持で自治庁が法律を作って下さればこんな法律は出てこないはずだと私は考えてまことに残念だと思っておるのです。ところが川島自治庁長官は、この前の委員会の席で一部分の指揮監督というものをやってもそれは憲法九十二条には違反しないというようなお考えでございますが、そういうふうな大臣が出られたものですから、自治庁の事務当局では今お話し申し上げたような地方自治の本旨を守ろうとしても、そういう大臣の方針によって結局その線が守れなかったのではないかという疑いがあるのですが、私はどうもこれは皮肉な逆コースというか、逆であると思うのです。大臣は官僚でも何でもない議会政治家だと思うのです。そうして官僚の方がこういうような地方自治に関する民主的な解釈をとり、そうして選挙によって出てこられる議会政治家が、そのようにやすやすと地方自治体に対して監督も一部はやむを得ないというような解釈をおとりになるということはどうかと思うのですが、これについて川島長官から御所見を承わりたい。
○川島国務大臣 この法案に関連した憲法の解釈は前回申し上げました通りでありまして、私は決して憲法違反だとは考えておりませんし、従いまして、自治の本旨にもとるとも考えていないわけであります。
○北山委員 もう一点だけ法制局にお伺いします。私は再建促進法に限って今お伺いしたのですが、今度の自治法改正にこれは関係がある、自治法改正の中に例の二百四十六条の二ですか、政府の方では直接たとえば地方公共団体の監査員などを使ってその団体の監査をさせることができる、いわゆる直接その団体の機関である監査員を勝手気ままに動かし、監督することができるというような規定もある、そういうような規定も置いてあるのですが、これは何も一部の場合でもなく、特別便益を与えるという場合でもないようでございますが、これなどはどうも先ほどのお話では説明のつきかねるような地方自治体に対する権力的関与ではないか、かように考えるのですが、どうですか。
○高辻政府委員 ちょっとただいまの問題は私法文を見ましてからお答えしたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
○北山委員 それではあとでまた自治法などをやるときにどうせ憲法問題が出てきますので、一応私は終ります。
○大矢委員長 門司君。
○門司委員 法制局にちょっとお伺いしておきますが、先ほどから北山君も話されておりますように、この法律案の中には憲法違反の疑いのある箇所がたくさん書いてあります。それを今法制局の解釈では特別のものだからこういうこともあり得るだろうという、平易に解釈するというふうに考えられるのです。そこで私は聞いておきたいのですが、憲法の九十二条は、それじゃ一体どういうふうに解釈すればいいのですか。私は一応こういうふうに解釈してみたいと考える。憲法の九十三条の規定は明らかに「自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と書いてありますが、しかしこのことは、一つは地方自治は憲法上の要件であって、地方自治権の主体としての地方公共団体の序立をここで認めておる。いわゆるこれは保護規定である。同時にこれは保障しておると申し上げてもちっとも差しつかえない。従って自治体の存立というものはあくまでもこの九十二条で保障しておるというようにまず解釈される。その次に解釈をされると思われますことは、従って地方公共団体の組織及び運営というものは本法律においてこれを一応定めていく。その次の九十二条のごく平易な解釈としては、従ってその法律は地方自治の本旨に適合するものでなければならないということは当然の帰結だと考える。これが保障しております以上は、いかなる法律でありましょうとも、この憲法九十二条の自治の本旨に適合した法律でなければならないという解釈が私は正しいのじゃないかと考える。しかし法制局はどうお考えになるか。
○高辻政府委員 根本的な問題でございまして、私が申し上げることで御満足いただけるかどうか存じませんけれども、実はこの九十二条の規定につきましては、御承知の通りに学説上いろいろ意見がございまして、こまかくいえばいろいろ分れるところであろうと思いますけれども、私どもといたしましては、一応問題が発展していきますにつれまして、場合によったら注釈を加える必要があろうかと思いますけれども、大体において門司先生のおっしゃるところでよかろうかと思います。もっとも普通ここに言う地方公共団体というのが二重構造であるかどうか、府県あるいは市町村というような関係におきましていろいろな問題が出てくると思いますけれども、大体は仰せになりました点のように解釈してよいのではないかと思います。問題の発展によりましてあるいは注釈をつけることになるかも存じませんけれども、一応そういうふうに存じております。
○門司委員 今伺っておりますと、先ほど申し上げましたようなことで大体いいのではないかというような御答弁でございますが、そうだといたしますと、憲法の保障する範囲でなければ法律の制定は困難だと私は考える。憲法の保障した範囲を逸脱した法律は適法ではないというふうに解釈しても差しつかえないと思うのだが、これに間違いはございませんか。
○高辻政府委員 おそらくやはりこの法律案との関係についてのお尋ねだと思います。けれども、今御指摘になりました点と、それから、特に国法が地方公共団体に対して憲法の所期する以上の便益を与える、あるいは語弊があるかも存じませんが、そういうことにすることも憲法違反だというふうにはわれわれは考えないわけであります。
○門司委員 今の点は非常に重要でありますが、われわれは法律をこしらえようといたします場合には、法律はある程度技術的なものであり、さらに運営に主体はゆだねられるという形が出てくる。しかし憲法の規定はしかくそう簡単には片づかぬと思う。憲法を技術的のものと考えてみたり、あるいは運営と考えるようなことがあってはならないと私は考える。従って憲法はどこまでも憲法として、国の基本法としてこれを取り扱うべきである。そう考えて参りますと、この九十二条がさっきも申し上げましたように、地方の自治権の主体としての地方公共団体の存立を認めておるものであり、従ってこれが保障しておるという形になる。そういたしますならば、法律自体に憲法違反の疑いがあるがごとき法律は作ってはならない。これは実態がありましょうとも、この原則を侵してはならない。もしそういう必要があるとするならば、現にあるといたしましても、それは法律の技術的の面で、あるいはさらに運営の面でこれを補っていくということが憲法を守るゆえんではないか。今の法制局のようなお考えでありますと、憲法がくずされてくる。事実と照し合せてみて憲法はこう書いてあるのだけれども、実態がこんなんだからそれでいいのだということになると、法律が優先する危険性が出てくると私は思う。今の法制局の解釈は私は少し行き過ぎではないかと思うがこれはどうなんでしょうか。
○高辻政府委員 私率直に申し上げて、どうしてそういう御議論になるかがつかめなかったわけでございますが、私どももむろん憲法は国の基本法でございますので、これにたがう法律が許されようはずがないと思います。何がこの憲法の規定に違反するかという問題はいろいろあろうかと思いますが、憲法に違反する法律を憲法のもとで立ててよろしいかと言えば、これはむろん否定すべきことであることは間違いがないところであります。
○門司委員 そこで問題になりますのは、この法律は今北山君から申し上げられましたように、いろいろな点で、教育委員会も府県の教育委員会と市町村の教育委員会と二つできておる。しかもこの両方の委員会は次の九十二条の規定によってできておると私は解釈する。九十三条の中で議会を置く、その議会の議員は公選である、長は公選にする、その他法律に定めたものもこれも公選にするという形ができておる。従って公選された教育委員会であります限りにおいては、この権限というものはやはり憲法において保障されておると私は思うわけであります。それぞれ保障されている。ところが府県の教育委員会が市町村の教育委員会に対して指示をすることができるということは、この法律に書いてある。これは教育委員会法にも書いてなければどこにも書いてないのでありますが、この法律に書いてある。従って憲法が保障したこの二つの委員会に対して、こういう上下の差別ができておるということ、それからさらにその他条文をずっと見てみますと、ただいま北山君が言われましたいろいろな条項がここに出てくるのであります。たとえば予算の執行に対しましても長官はこれを停止することができるというようなことが書かれておる。これらのことは部分的のものであるからという自治庁長官の答弁ではございますが、少くとも憲法で保障された議会が議決して行う執行権に対して、自治庁の長官が停止を命ずるというようなことは一体どういうことによって成り立つかということであります。こういうものを考えて参りますと、やはりこの法律全体を通じてそういう考え方が流れておりますので、私は今のような御質問を申し上げたのでございますが、個々の問題についてはいずれこれから条文の質問の際に起ってくるかと思いますので、ここでは申し上げません。そういう形であります限りにおいては、この法律は確かに行き過ぎではないか。同時に憲法九十四条の自治体の持っております権能であります。自治体はみずからその事務その他を処理するところの一つの権能を持っておる、これも憲法にはっきり書いてある。従って自治体の権能というのが出てきております九十四条は九十三条を受けてこういう形に私はなってきておると思う。従って憲法の今日規定しておりますものは、旧観念の中に置かれておりました団体自治の理念から、さらに住民参加による住民自治の理念に基く憲法であるというように、われわれは一応解釈しておるのであります。従ってそういうことを考えて参りますと、この条文の中にあります今申し上げましたような点がどうしても憲法に抵触する疑いがある。従ってこれらの点については法制局としてはこれでも全然疑いはない、これでいいのだというような考えがございますか。もう一応御答弁を願っておきたいと思います。
○高辻政府委員 門司先生のおっしゃいました憲法の解釈、憲法に対する態度そういうものにつきましては、こまかい点は別といたしまして私どもも実は大差のない考え方を持っております。そのような態度の上におきましてこの法律の規定が違憲であるかどうかということが問題なのでございまして、それにつきましては先ほど他の委員の方から御質問がありました際に繰り返して御説明したつもりでございますが、そういうような憲法上の解釈ないしはそのような憲法に対する態度、そういうものから見ましても、私どもがこの法律案を法制局として審査いたしました場合に、違憲であるという烙印を押すには当らない。言いかえれば憲法に違反するということはないというふうに考えたわけなのであります。しかし個々の問題につきましてさらに御質問があるといたしますならば、そのおのおのにつきまして私どもの考えるところを申し上げたいと思います。
○門司委員 いずれ個々の問題についてさらに詳しくお聞きすることはいいと思いますが、もう一点聞いておきたいと思いますことは、先ほどから申し上げておりまするように、これは念を押しておきたいと思いますが、国の基本法であり、自治体の今日のあり方というものを保障しておる、いわゆる地方公共団体の存立というものを保障いたしておりまする憲法の範囲を逸脱した法律であってはならない。冒頭に申し上げましたように、どこまでも憲法の本旨に適合する法律でなければならないという法律の立法の建前は、私はあなたとそう変らぬと思うが、一体どういうお考えか、その点についてもう一度念を押しておきます。
○高辻政府委員 非常に念を押されるわけでありまして、ちょっと薄気味悪い感じもするわけでございますが、先ほども申し上げました通りに、地方自治の本旨なりあるいは憲法の規定というのは、どちらかと申しますと、法律の一々の規定と違いまして、大体は大まかにできている傾向がございます。そういうような関係もありまして、小さなあるいはこまかい点になりますと、おそらくは門司先生とやっていきますと、相違の点が出るかと思いますけれども、たとえば現在の市町村を憲法があるのに廃止してもよろしいかなんということはきわめて明白なことになるので、憲法上そういうことはできない。そういう意味ではこの法律がそれを保障しているというふうにいうことができると思います。それではどこまでの限度がそうであるかということになりますと、これは個々の問題についていろいろ御議論を申し上げないと一がいにはいえないと思うわけでございますが、そのような意味合いにおきまして、門司先生がおっしゃる、憲法は国の基本法として守らなければならないものである、それを踰越した、それに違反した法律は違憲の法律として葬らなければならぬものであるというようなこと、それから憲法というのは国の基本法として、そういう眼をもってわれわれは尊重する態度を持たなければいかぬということは憲法自身がきめていることでありますし、これは当然のことであろうと思います。そういう意味で私は門司先生のおっしゃることにつきまして同感の意を表しておるわけでございます。
○北山委員 実はこの第十条のところにも関係しますし、それから先ほど文教との連合審査の場合にも要請をいたしておきました警察庁長官がお見えであるならば、こちらへ呼んでいただきたい。 第八条でありますが、第八条は長と委員会との関係であります。この点も再々各委員から質疑があった事項であります。要するにその団体の執行機関であるところの委員会が本来ならば当然執行し得べきことをあらかじめその長に協議しなければならぬ、こういうことでこういう規定全体としては私どもは適当でないというように考えるものでありますが、特にあらかじめ当該財政再建団体の長に協議をしなければならないと書いてありますが、その際協議が不一致であった場合どういうことになりますか、この点伺っておきます。
○後藤政府委員 協議とここに書いてありますが、協議がととのわない場合には、やはりそれぞれの権限のあります予算執行官庁で予算を執行するということになると思います。
○北山委員 予算を執行するというのは、その委員会なら委員会が持っておる予算を執行する場合、団体の長の方に協議をする。協議をしてもそれがととのわないというような場合に、どちらが執行されるわけですか。
○後藤政府委員 権限のある方が執行するということになります。
○北山委員 それを執行機関が執行しても差しつかえないこういうわけですか。
○後藤政府委員 たとえば教育に関することでありますれば教育委員会に本来予算を執行する権限がありまするから、教育委員会がやる、こういうことになります。
○北山委員 そうすると第八条にいっておるところの協議というのは、協議はしなければならぬけれども、もしもまとまらなかった場合にはやはりその機関、委員会等の機関が執行してもよろしいというように了解をいたします。
○後藤政府委員 話し合いをつけてやるという趣旨でありまして、どうしても話し合いがつかなかった場合は、そういうことになるということを今申し上げたのであります。
○北山委員 それから第十条であります。第十条はいわゆる事務局等の組織の簡素化でありますが、至るところ問題のある規定でありますが、再建団体においては通常の団体とは違ってその委員会等の事務局、議会の事務局、そういう職員の数を減ずることができるというようになっております。また兼務ができるということになっておるのでございますが、こういうことは、いろいろの種類の公安委員会であるとか、あるいは教育委員会あるいは議会こういうふうな独立の執行機関、こういうものの事務局というのはそれぞれの理由によっていわゆるその執行機関として独立性を保持するがために独自の事務局を持つという建前から出ておる。ですからそういう原則を守る限りにおいては、単に赤字があるというだけでその原則を制限するということはどうかと思うのですが、それらの点について長官からお伺いしたいのであります。
○後藤政府委員 これは各委員会その他の事務局につきましてはそれぞれの部局の規定でもって部局が定められておるのであります。従ってそれを再建団体の場合には、一応他の法令によってそういう権限がそれぞれあるわけでございますが、それぞれの権限のあるところの委員会その他が、それぞれ自分のところの条例規則等でそれぞれ協力をして部課を縮小させるという建前にいたしておるのであります。
○北山委員 私の伺ったことに対する答弁にはならぬと思うのですが、私のお聞きをしておるのはそういう独立の執行機関の自主性、独立性というものを保持するということが行政上一つの原則として認められておる。そのために教育委員会なりあるいは公安委員会なりあるいは労働委員会なりこういうものが置かれておる。その原則が正しいとすれば、赤字団体であろうがなかろうがその原則は同じではございませんか。なぜ赤字団体であればそういうことは守らなくてもよろしいか、どうも私は納得がいかない。
○後藤政府委員 それぞれの団体のそれぞれの権限を別に侵しているわけではないのであります。再建整備団体になりました団体におきましては、各機関の協力を得るために、それぞれの機関で独自の自分の権限を働かせて機構の縮小をはかってもらいたい、こういう趣旨でこの法律ができておるのであります。従って、それぞれの独立性を害するとは別にわれわれは考えておりません。
○北山委員 独立性を害しないということは、ただ言葉の上に表現しただけではだめであって、やはり制度としてそれを裏づける、それを保障するためにそれぞれの事務局というものが置かれておるのである。ですから、たとえば労働委員会のような場合に、やはり知事の補助機関ではないのですから、労働委員会はある場合には知事と対立する場合がある。対立するというか、知事を一つの被告のような格好に置いて、いわば争議の一方の当事者になる場合がある。そういう問題を扱う労働委員会の事務局の職員を知事の補助的機関と兼ねさせておるなどということは、やはり労働委員会そのものの自主的な連帯というものを害するのではないか。こういう意味において、やはり労働委員会なら労働委員会の独自性が認められておる。公安委員会にしてもそうでありましょうが、それぞれの独自性が認められておるのであって、単に独立であるということが書いてあるだけではいけないのでありまして、実際にその独立性というものを保障するための機構、制度というものがそこに伴っておる。ところが今度のこの法律では、第十条では、金がければそういう原則はどうでもよいということを言っておるのであるが、金がなければなぜそういう組織、原則をその団体においては守らなくてもよいのであるか、金があればやってよいという程度にその原則を考えておるのか、どうも私はわからない。借金団体ならばそういうものは置かなくて兼務させてもよろしいとか、あるいはそういう事務局を置かなくてもよろしいとか、この第十条についてはいささか疑問があるのでございますが、もう少し納得のできるような御説明を願いたい。
○後藤政府委員 第十条の第一項は、それぞれの委員会の独自の判断でもって、規程その他によってそれぞれ独自にある程度機構の縮小をはかっていくという建前にいたしておりますので、私は独立性を侵すことはないと考えております。それから第二項の方は、事務部局の方の職員を一時的に事務局の事務に従事させたり、職員を兼務させる場合があるということでありまして、それぞれの委員会の独立性を否定しょうという考えで私どもはこれを作ったのではないのであります。
○五島委員 北山さんの質問に関連して伺いたい。午前中の文教委員会の連合審査会では、教育委員会の問題が重点的に質問されて、文相やうちの長官の見解がただされたわけです。従って、十条の各種行政委員会の数の減少あるいは事務職員の兼職という問題について、特に労働委員会の問題を例にとって質問してみたいと思います。 ただいま後藤財政部長は、各自治体の自主性においてそれぞれ減少するということは、自主性を侵さないというように言われたわけですが、労働委員会というのは、秘密の厳守と、自主的であることと、その独立性が要求されるわけです。従って労働組合法にもそういう規定がちゃんとある。労組法の二十二条によりましても、たとえば一つの労働事件に対する調査権も職員は付与される場合がある。それからまた労働組合法の二十三条によりましても、一つの秘密性を法は職員に対して要求している。そういうような労働組合法との関係、労働組合法の精神というのは、完全に自治体から独立性である、そうして自主性があると思われるわけです。そうして今までの説明によりますと、財政の再検討等をあまりに誇大に要求される関係上、そういうような自主性、独立性を非常に無視しているような説明が行われているわけです。たとえば労働委員会の事務職員を地方自治体の自主性においてどんどん減らしていくことができるということをこの法律の条文にする場合は、各地方団体が金がないから少くするのだということが、この再建整備促進法上合理的になる、適法になるというようなことについて、労働組合法二十二条及び二十三条等との関連は、今憲法九十二条に関する質問があったと同様に、これは何ら労働組合法にも抵触しないのだ、優先するのだという観念でおられるのですか。
○後藤政府委員 御説の通り、労働委員会等につきましては秘密性とか独立性というものが要求されていると考えまするが、兼務になりましても、その職員はやは同じように独立性とか秘密性というものは守らなければならないのでありまして、兼務職員はそういう独立性とか秘密性のワクの外にあるのだということにはならぬのであります。その職員が兼務を命ぜられた以上はやはり本来の職員と同じ程度の職務をやりますし、職務に伴うところのいろいろの義務を負わされるということになりまして、労働委員会自体の独立性を害するものではない、こういうふうに私は先ほど申し上げたのです。
○五島委員 そうすると、第十条のみならず全体に通じて、一方的に地方団体の財政の再建のためにはどういうことでも行わなければならぬ、それが第一の要件であるというような印象を受けるわけですけれども、たとえば労働委員会の取扱い事件数、昭和二十五年のあのレッド・パージが行われて以来の例年の事件数から見ても、金がないからこれを減少してもいいというような理屈が出て参りますか。毎年毎年その件数はふえていく一方である。ところが全国の地方労働委員会の事務職員等等の数は、二十五年以来今度は逆比例してずっと減少しつつある。そういうような傾向をどう見るか。労働委員会の事務職員が非常に必要であると現在は思われるわけなん、ですが、それを、部局を縮小することができるとうたったり、あるいは他の職員をもってこれにかえるというようなことを、この法律で明示するというようなことについては、非常に独立性を尊重しなければならない各地方労働委員会の事務局の性格というか自主性が減退し、そうして労使協調していかなければならない今日においてそういうところに大きな支障が来たされるというように考えるわけです。これは従来ずっと質問をいたしておりましたあの六十億円の退職資金の用意というような問題も一部関連しますが、労働大臣に来てもらっていろいろ質問をしたり見解も聞いてみたいと思いますが、労働関係の件数が非常に現在は多くなりつつある、特に超均衡予算の中から全国の労働問題は非常に多くなっている。その数を明示してもかまわないんですけれども、そういうことを考慮されて各行政委員会の数を減少してもいいということを条文にうたったのかどうかということを質問したい。
○川島国務大臣 数の減少という問題は、公共団体の性質によって違うのであります。ただいま労働委員会の例をお引きになりましたが、非常に事件の多いところでは、あるいは部局の減少ができないかもしれませんが、根本の第十条の考え方、地方財政の立て直しには、地方団体の執行部も、また行政委員会も議会もお互いに協力してやらなければとうていできないのだ、協力態勢を作りたい、こういうところから出発しておるのでありまして、言いかえれば人員なんぞもお互いに助け合ってできるだけ簡素化してやりたい、こういうのでありまして、これがこの精神なのであります。これがために事務に非常に支障を及ぼすということは避けなければならぬと思うのであります。労働委員会は秘密が多いからといって執行部の職員を兼任させることはできないということはそうとばかりは言い切れないのじゃないかと思うのでありまして、やはり公務員は公務員としての秘密を保つ義務もあるのでありますから、その点は御心配の必要はないのだ、かように私は考えるのであります。
○加賀田委員 今労働委員会の問題が出ましたが、職員が兼務をして一向さしつかえないというような御答弁ですけれども、実は地方団体の長と地方団体の職員とが紛争を起した場合に、労働委員会に提訴する場合があるわけです。そうした場合には労働委員会の職員はやはり任命を受けて、双方の意見を聞いたり、双方の調査をするような場合が起るわけです。そういう場合には、再建団体の長の職員が兼務して、事実その長自体を調査することは実際的に私はできないと思う。機能を十分発揮することはできないと思うのです。そういう意味で独立機関としての機関を認めてきたわけであります。実際問題として自分の掌握する部下が長の態度あるいは意見等を調査するというようなことは私はできないと思う。そういう問題が起るから——もちろん民間団体等の労使問題に対しては、秘密を守るべき規定があるから守らなければならないかもしれませんが、地方団体ではそういう問題が起るわけです。知事とその職員の団体交渉を拒否した場合には、それをあっせんするとかいうような問題が起って参ります。そういうときには労働委員会の職員としての職務を遂行するのに大きな支障を来たしてくる。これらの問題が実際的に起って参りますから、さしつかえないということは私は言い得ないと思いますが、その点はどうなんですか。
○川島国務大臣 身分は長の方にありましても、議会なり委員会なりの命を受けて委員会もしくは議会の仕事に従事するのでありますから、その場合には委員会の命令通りに行動すべきものでありまして、そこははっきりしておるものだと思います。身分は長に属するけれども、命令系統は委員会でありますから、委員会の命令通りに動くのは当然でありまして、その場合に長の命令に従ってやるというようなことはあり得ないのでありまして、委員会の命令に従ってやればいいわけであります。
○北山委員 しかし今の長官のようなお言葉であるならば、何も今まで特別な事務局を置く必要もなければ、いろいろこれに限らず兼職を禁止するような規定があるのですが、大臣の言う通りであれば、同じ人が職を兼ねておっても、たてわけを別にすれば何もさしつかえない。だからそういう場合には何も今までも規定する必要がないのじゃないですか。これはやはりその機構の独立性というものを単に言葉の上でこう独立であると書いただけではおさまらぬのです。それにくっついて働いている人もやはり一つの独立性を持った形にしておかなければ、制度が自主的に、独立的に運営できないからそういう機構があるのでありまして、もしもたてわけをしてやるというなら、教育委員会だって何委員会だってそういうことは必要がないということになる。少くとも従来そういう特殊な行政委員会等の独立性というものを、必要上制度上認めておる限りにおきましては、単に金がその団体になくて赤字だというだけの理由でその機構をいじったり、あるいは兼務をさせるというようなことは適当でないのじゃないか。少くとも自治庁が地方行政機構全体について、その組織について考える場合には、やはりまず第一に事務量について考える、それからその事務の性質について考えるのが本来でございましょう。それをこの規定では、借金があるような団体ならば普通の団体とは違ったようなやり方をするということである。仕事が忙しくて、その事柄の性質、事務の性質が独立性を保持しなければならないような機関であっても、命がなければこの原則をやめてもさしつかえがないというような考え方なのであって、その点が非常に納得がいかない。もしもどちらでもかまわないのだというならば、こういうところに規定しないで、全体的な制度としてこれを解決すべき問題ではなかろうかと思う。それが本来ではなかろうか。従ってこの事務量がそれだけ減らないというなら機構について考えればよろしい。あるいは事務の性質上そんな兼職を認めたってさしつかえがないのだという考え方ならば、赤字団体であろうが、なかろうが全体の機構についてそういう制度を改善すればよろしい。それを単に赤字であるからというので、その団体だけの機構を特殊扱いするということは、どうも行政機構をいじる自治庁としては、いささか見識がないように私ども思えてならないのです。この点について重ねて大臣からお伺いしたい。
○川島国務大臣 さっき加賀田さんの御質問は、労働委員会の例をおとりになりまして、労働委員会の職員と長との間に待遇問題その他に紛糾が起った場合に困るじゃないか、こういうことだと思うのでありますが、その場合には身分は長に属しましても、委員会の命を受けて委員会の仕事に属しておるのでありますから、委員会の命令通り行動すればいい、決してさしつかえないのだ、こういうことを申し上げたわけであります。 もう一つ、赤字団体に限ってこういうことをしないで、もし必要があるなら全部の公共団体にこうした規則を適用したらいいじゃないか、こういう御質問のようでありますが、深刻な赤字に悩みまして、特に再建団体となる公共団体というものは、全くすべての運営というものを切りかえなければならぬのでありまして、このくらいな協力は委員会の方も長にしなければ、とうてい赤字の解消はできないのでありまして、こういう点におきまして議会、長並びに行政委員会というものが三位一体となって、赤字克服に協力してもらいたい、そういう精神を表わしたのがこの条文であります。
○北山委員 議会、長、委員会というものが三位一体というお話でございます。それならばなぜ第三項において長の方から自分の職員を委員会の職員として派遣して兼職をさせるということを、一方的にやるような規定に直したのでございますか。これは従来はたしか委員会の申し出によって兼務することができるというような規定になっておったと思う。ですから委員会の自主性というものを尊重し、意思を尊重しておった。ところが今度はそうじゃなくて、その委員会の事務局の職員に無理無理自分の職員を勝手に押し込んでしまう。なぜそういうふうにしたのですか。もしもそういう各種の機関が三位一体となって仲よく協調をしてやるという御趣旨であるならば、お互いに意見を協調し合ってやるという従来の方がよかったのじゃないか。それを今度は首長が一方的にやってしまうという制度に直したのは、いささか合点がいかないのでありますが、どうでありますか。
○後藤政府委員 再建計画を立てます場合に、あらかじめ各種の委員会等と相談をするということをたびたび申し上げておりますが、その相談の結果、機構、組織の簡素化をいたしますという方針を定め、それの具体的な策が立てられました場合には、やはり現在の法律では委員会の方の申し出がなければいけない、こういうことになっておるのであります。それが自治法の百八十条の三でありますが、再建計画に定まっておるのでありますから、申し出を待たないで、やはり財政再建団体の長の方が同じようなことができる、こういうふうに規定したのでありまして、別に私どもはおかしくない、かように考えておるのであります。
○北山委員 そこでくせ者の再建計画なるものがまたここに出てくるのです。再建計画できまってしまったのですから、予算でも何でもそれで執行すればいい、一たん計画さえきまってしまえば、あとはローラーで押すように物事を動かしていくという考え方でしょう。それで、今警察庁長官がお見えになっておりますからお伺いするのですが、この第十条の規定は「財政再建団体は、他の法令の規定にかかわらず」云々と書いてある。そうしますと、この機構について、かりに府県の公安委員会の事務部局、そういうものが警察法の規定によって政令の定める基準によって条例できめるということになっておると思います。そういたしますと、警察庁の方はこの府県の事務機構、公安委員会の事務機構については、この再建計画の方へ全部お預けをする、警察法四十七条の何項ですか、あの規定は、十条に「他の法令の規定にかかわらず」とありますから、それは無視してもかまわない、こういう趣旨で御了解なさっておるのでございますか。
○石井(榮)政府委員 お答えをいたします前に、お許しを得まして、一言ごあいさつをさしていただきたいと思います。 私、本月一日付をもちまして警察庁長官を拝命いたしたものでございます。浅学非才のものでございますが、どうか皆さまの格別の御指導と御鞭撻を賜わりまして責めを全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ただいまお尋ねの点でありますが、都道府県警察本部の内部組織は、確かに警察法に規定があるのでございます。これは基準を中央の方で示すということになっておりまして、都道府県警察本部の機構を具体的にどうきめるかということは、都道府県に自主性を持たしております。従いまして部課の数をどういうふうにするかということは都道府県の自主性に基いておきめになることでありまして、公共団体の再建整備のためにいろいろ予算の関係等もありまして、部課の数をどういうふうにするかということにつきましても、自主的に御判断をいただくということになろうかと思うのであります。私どもの見通しといたしましては、御承知のように昨年の七月に現在の新しい警察制度が打ち立てられたわけでありますが、当時と今日と比べて、それほど著しい情勢の変化がないということならば、昨年きめられた都道府県警察本部の組織は、おおむねそれが適正なものとして維持されるのではなかろうか、かように考えます。
○北山委員 私は法律論をお伺いするわけですが、ただいまお話の点に若干あいまいな点があるわけです。第十条の初めの規定によりますと「他の法令の規定にかかわらず」とありますから、ただいまお述べになった警察法の第四十七条の規定は除外される。一応基準を設定して政令で基準を示すけれども、それは必ずしもこの法律に基いて県が県の再建計画を作る場合には法律上は守る義務がない、かように考えていいかどうかをお伺いいたします。
○石井(榮)政府委員 確かに法律論といたしましては、「他の法令の規定にかかわらず」とありますから、お説の通りになろうかと思いますが、実際上は私が先ほど申し上げましたように、われわれの警察の運営上は支障がないものと考えます。
○北山委員 そういうふうに期待をされるというだけであって、法律上は何らの保証はない。だからその団体で警察の事務局等につきまして再建計画の中に独自な計画を作られても、警察庁は文句を言えない、こういう規定の趣旨であると、私はお言葉によっても了解をいたします。 そこでもう一つ関連がございますから、警察庁長官にあわせてお伺いしますが、実はこの法律の第三条の第二項につきまして、午前の文教との連合委員会におきまして若干疑問が出たわけです。というのは再建計画を作る場合に、この三条の第二項によりますと、補助金や負担金を伴うような事業については、その再建計画の申請を自治庁長官に出すと、自治庁長官は当該の事業官庁といいますか、当該補助金負担金の関係する役所、たとえば警察費であれば、これは国家公安委員会とともに協議をするということになっておるわけです。ところが自治庁のお話では、再建計画というものは非常に大ざっぱなものであって、そんなこまかい一々の補助金まで計上するものではないのだというような話であります。そうすると、大ざっぱに書いた場合に、警察費が幾らというふうにわからないような場合には、自治庁は国家公安委員会に協議をしないかもしれぬ。それでも差しつかえがないかどうかという点についてお伺いをしたいのです。
○石井(榮)政府委員 いやしくもこの補助金関係で、都道府県の財政再建計画の中に警察関係のものが含まれておりますならば、私どもは協議をしていただけるものと思っております。
○北山委員 しかし先ほど申し上げたように、自治庁の御説明では、再建計画なるものはまことに大ざっぱなものであって、人件費が幾らとか、あるいは公共事業費が幾らとか、あるいは単独事業費が幾らとかいうふうに大分けに分けた年次計画であるというお話です。そこで当然その中に警察費が含まれておるものとは、これは常識的にも想像はつくのですが、どれくらいが含まれているかということはわからないわけです。従ってそういう再建計画であるならば、これは警察庁に協議するとしても、まことにナンセンスな話ではないかと考えるのですが、一体こういう条項をきめる場合に、国家公安委員会と自治庁はどういう打ち合せをし、どういう協議をなさったのであるか、その両者の相談した点についてお伺いしたいのです。どういう予解を得ておるか……。
○後藤政府委員 三条の第二項をきめます場合は、初めはもう少し条文は変っておりましたが、大体これに似た条文でもって、当初は意見を聞かなければならない、意見を聞く、こういう方式でもって原案を作ったのでありますが、いろいろ各省の話を聞きますと、けさほど申しましたように、再建計画の中にはっきりと何々事業を縮小すると出て参るものがあるのじゃないか、そういう場合に国の役所としては一そういうような重要な仕事を勝手に縮小されては困る、国の側としては従ってそれをある程度協議をさしてもらいたい、こういう希望が主として事業官庁からあったわけであります。従って私どもはその御意見もごもっともであろうということで、そういう趣旨が出ますようにこの条文を変えたのであります。従ってけさほど申しましたように、再建計画の中に明らかに各省の所掌する事業で国の負担金または補助金を支出するものにかかる分が含まれている場合には御相談申し上げよう、こういうふうにいたしたのであります。同じようなことをやはり各庁に連絡いたしましたので、国家公安委員会の方にも連絡いたしたのであります。
○北山委員 どうも私は実際に自分がそういう仕事の筋道を考えてみた場合に、まことに納得がいかないのです。先ほど来自治庁では、この再建計画の内容についてはまことに大ざっぱなものであって、中央の方で人件費あるいは給与とか、そういうこまかい点について条件をつけるようなものを出させるのではない、非常に大まかなものを出させるのであるというお話であった。それはそれでよろしいと思うんです。ところがまた文部大臣のお話、文部省当局では、何でも違ったような考え方を持っておるし、今の警察庁のお話でも、やはり警察の関係が含まれておるとすれば、協議をしてもらうことを期待するというような話なんです。そこでどうもその点が非常にあいまいもことしておる。警察庁長官としては、期待するにとどまる程度でよろしゅうございますか。その再建計画の書き方によっては、警察費は含まれておるだろうけれども、どの程度に含まれておるか、行政整理が何ぼになるかということは、今の自治庁のお話であればわからないかもしれない。あるいはわかっておれば、その団体については警察庁に出すが、わからないときには出さないということ、その程度でよろしゅうございますか。
○石井(榮)政府委員 法律に規定されました以上、それが単なる空文になり、有名無実のような規定であろうはずはないのでありまして、これが良識に従って、立法の精神にかんがみて運用される。従って先ほど申しましたように、警察関係の費用の中でこれに該当するものがあるときには、当然協議をしていただけるものと考えております。
○北山委員 そうすると、もちろん再建計画の中に、はっきりと警察費が幾らだというようなことがあれば、協議することでございましょう。しかしない場合には協議をしなくてもよろしい、その程度でいいかどうか。
○石井(榮)政府委員 この規定の中にあります補助金の対象になりますような費目についての警察費、こういうものが再建計画の中にどういうふうに入っているかということについて、私ども協議をしていただきたいのであります。地方自治団体の財政の再建整備につきましては、警察といえども全面的に協力すべきものでありますが、しかし警察運営に著しく支障を来すような内容のものであっては困るわけでありますので、そういった点につきまして協議をしていただきたい、かように思っております。
○北山委員 かように期待しておるということはけっこうでありますけれども、自治庁の御答弁ではその期待にはどうも沿いかねるらしいのです。それは再建計画の内容は非常に大ざっぱなものであって、そんなこまかいことを一々書くようなものではない。特にもうと大きな国の総合開発みたいな事業で、それをやるとかやらないとかいうような独立するような事業であれば別であるが、一般的な経費については、そうこまかくは書かないというような御方針のようでありますから、ただいまの期待は期待としてわれわれも承わっておきますが、遺憾ながら、自治庁のおっしゃるようにこの法律が運営されるとするならば、これはおそらく期待に沿えなくなるであろう。それでも仕方がないということになりますか、いかがでございますか。それは自治庁の方からもお伺いしたい。
○石井(榮)政府委員 自治庁の良識ある態度をもって、私どもに折衝していただくことを期待いたしております。協議でございますので、自治庁の方の立場での意見も十分に拝聴いたしまして、自治庁側にもいろいろ自治庁としての立場の御意見がありましょう、相互に緊密に協議を遂げまして最善を期したい、かように考えております。
○川島国務大臣 再建計画の策定はおおむね七カ年という長期にわたりまして、歳入歳出を勘案して、バランスの合うようにして、漸次赤字を消していこうというのでありますから、再建計画を策定するとき、あらかじめ数年後のこまかい事業などは考え得られないわけであります。そこでごく大まかなものを作る、こういうことなんでありますから、先ほど来北山さんがおっしゃいましたように、総合的の事業、たとえば今国会で審議されておるような愛知用水の事業というふうな、数年間にわたるような事業は当然中に入ってきますけれども、個々の事業は、数年先のものはとうていわからないのでありますから、しかもそれに対して補助金、負担金が幾らつくかということの想定ができないのでありますから、そういうことを一々相談するケースはごくわずかだ、ごくまれな場合だ、こういうふうに考えておるわけであります。
○北山委員 そうしますと、警察庁長官は自治庁の良識を求めておる。ところがただいまの長官のお話では、どうもその良識の期待に沿いかねるような答弁なんですが、文教委員会との連合審査における文部当局の答弁もそうなんです。そうしますと、この条項について、自治庁と関係各官庁との間には、どうも意見の一致を見ておらない。これは再建計画そのものの内容がいかようなものになるかということに関係する大きな問題だと思うのです。その大きな問題に関連する事項について、各省の間の政府部内の意見の統一ができておらない。これではこの重大な再建促進法の最も根幹になる再建計画がいかようなものになるかということがわからない。これでわれわれ審議ができますか。私はやはりこれは閣議でも開いてもらって政府部内の意見の調整をはかってもらいたい。それでないと、農林大臣を呼べば、あるいは建設大臣を呼んでも、みんなおのおの違って答えます。(「それは良識だ」と呼ぶ者あり)みな良識を期待する。しかし良識という気持の問題ではない。各赤字団体が実際の再建計画を作る。ただ紙の上で作るのじゃなくて、あのめんどうくさい手続を経て、議会にかけてもんで、そして決定をしてくるような、しかも各団体が今後八年にわたって自分の運命を託そうとするような再建計画じゃないか。それにどのような内容を盛るかということについてどうもはっきりしない。これでわれわれ一体審議できますか。これは委員長において一つ適当に政府に要求していただきたい。政府の意見の部内の不統一を統一して出直してきてもらいたい。
○川島国務大臣 ちっとも不統一じゃないのでありまして、はっきりしております。ごく大ざっぱなものを作らせるということでありまして、その大ざっぱの中に、特に建設省関係におきまして、あるいは農林省関係におきまして、文部省関係におきまして、大きな項目が出ればその項目については相談をする、こういうことでありますからそこはきわめて明瞭にはっきりしております。少しも疑いありません。
○北山委員 大ざっぱになると警察庁長官の御期待には沿い得なくなるのです。従ってどのようなものが再建計画のひな形であるか、われわれは非常にこれに関心を持つわけなんです。これは今後政府が赤字団体、再建団体になったものを長い間にわたって監査をし監督をしていくための一つの契約事項みたいなものなんです。その契約の中身がどういうものになるかということは、政府部内の見解によっていろいろ違ってきておる。そうしますと、私どもはどうしても一番大事なことでございますから、一体どういうような格好になるか、大体大まかなものにもせよ、どういう格好の再建計画になるものか、そのひな形というようなものを作って出していただくほかはないのじゃないか、こう思うのでございます。私の言うことが間違っておるならばお答えを願いたいのですが、私は間違っておらぬと思う。
○川島国務大臣 再建計画を作らせる目的は、おおむね七カ年間に赤字債をどうして返すか、どういう年度に幾らずつ返すかということが根本で作らせるのでありますから、一々こまかい項目などは求めておらぬのであります。従いまして幾回も申し上げる通り、各官庁と個々について協議すべきことはそうよけいはないのであります。ただ総合的な大きな事業ならば、これは相談すべき機会があるかもしれませんけれども、大体において各官庁相談しなくてもいいような項目だけを盛ります。根本の方針はおおむね七カ年間にそういうふうな歳入歳出の計算でもって赤字債を償還することができるかということに眼目を置いた長期計画を作らせるわけでありますから、決して各省間において意見の食い違いがあるわけはないのであります。
○北山委員 しかし文部省との間に意見の食い違いがある。事務当局はそう考えておらぬと文部大臣は言っておった。しかし文部大臣は同じ政府部内で意見の違いがあるはずがない、これだけを言っている。あるはずがないといっても、一々計画の中身にわたって聞いていくと、どうも食い違いがあるようであります。しからば具体的にお尋ねしますが、その再建計画の中に警察費の関係は幾らくらいになるかということがわかるように表現されるのでございましょうか。
○後藤政府委員 たびたび申し上げますように、警察費が幾らというようなことはございません。消費的経費と投資的経費に分けまして、消費的経費のうち人件費が総額幾ら、それからその他の費用、まあ物件費でありますが、その他の物件費が幾ら、それから交際費等が幾らというふうに大きなワクで示していきます。歳入の方は地方税幾ら、交付税幾ら、地方債幾ら、国庫支出金が幾ら、この程度の大きなものであります。その大きなもので収支のバランスを見るわけであります。そうしてたとえば本年から始まりますれば、本年は多少赤字が出る、来年はとんとんにするとか、翌年は少し黒字を出して、その次の年は大きく黒字を出していく、そういった年次計画なんであります。その計画の中に投資的事業——今は消費的事業だけ申し上げましたが、投資的事業もございます。その投資的事業もやはり公共事業、単独事業、こういうふうな大きなワクでやるのであります。従ってその場合に、その単独事業とか公共事業に一般財源をどの程度使うか、それから起債をどのくらい使うか、こういうふうな大きな総量だけを書くのであります。その場合に、今大きな事業があります場合には、公共事業をたとえば三割落すとか五割落すとか申しましても、そう落すことによって大きな国の事業ができないことがあると思います。そういう場合には、おそらく各団体は国の現在これからやろうとするところの事業をやめるとかやめないとかという註釈がつくだろうと思います。従ってその註釈のついたような、明らかに減額するような、事業を縮小するような計画についてはこれは相談申し上げる、こういうふうにわれわれは農林省とか建設省等と話し合いをしたのであります。その話し合いをいたしまして、条文を直して今度は各省に持っていきまして、こういうふうに直しましたから御承諾願いたいということで、御承諾願って、次官会議に出し、閣議に出して、国会に出したのであります。従って私どもは話し合いがついたもの、こういうことで今御説明申し上げておるのであります。
○北山委員 そうすると、自治庁が閣議で決定したというその再建計画は、今お話になった程度のものはその内容として盛られる、従って経常的な警察費というものがどのくらいあるかわからない。従って特殊の場合、たとえば警察庁舎でも建てるとか、警察署の整備計画でもあれば別ですが、そういうものがない限りは普通の警察費の事業費については警察庁、国家公安委員会に協議をする必要がない、そういう事態は起らない、かように考えてよろしゅうございますか。
○後藤政府委員 お説の通りであります。
○北山委員 警察庁長官にお伺いしますが、そういう結果だそうであります。それは政府部内の一致した見解のようでありますが、それでよろしゅうございますか。
○川島国務大臣 これは私お答えしますが、七年間にわたる計画を立てるのであって、今からあらかじめ七年先にどういう警察庁舎を建てるとかいうことはとうていわかるものじゃございませんで、ごく大まかなものを作る。もしもこれが詳細なものを作ってそれで縛るならば、それこそ毎回お話のような準恒久的な性格になりますけれども、そうじゃないのでありまして、十分ゆとりのあるものを作りまして、あとは単年度ごとの予算を作るのでありますから、各官庁の補助金についてあらかじめ再建計画を作るときに協議すべき事項は、きわめて少いと私は考える、ほとんどないじゃないか考えておりますが、まれにあることもあるので、こういう条文を作ったのであります。それは総合開発その他の問題に限るが、警察庁舎のごときは単年度ごとの仕事でありますから、この中には盛られておりません。
○北山委員 くどいようでございますが大事な点でありますからさらにお伺いしますが、警察庁長官はこの第十条によっていきましても、府県警察の内部機構については警察法の規定の示す基準にかかわらず再建計画によって、自治庁長官がお話のように、警察庁に協議をしないで府県限りできめてもよろしいという結果になっておるようでございます。それでよろしいかどうかを一つ正式に明らかに警察庁長官からお伺いしたい。
○石井(榮)政府委員 都道府県警察本部の内部組織につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、都道府県の自主性にまかせているのでありまして、中央としましてはただその基準を示しているにすぎないのであります。都道府県が財政再建整備の観点において基準に違わない限度において機構をある程度縮小するというようなことを自主的におきめになるのはわれわれとしては当然だと考えております。
○北山委員 しかし長官、第十条は財政再建計画を作るときには他の法令の規定にかかわらずと書いてある。その規定というのは警察法第四十七条のところも含む、だから警察法第四十七条の規定によって政令の定める基準に従うと書いてあるのでありますが、その政令の定める基準によってやるということはもはやこれによって除外されてしまうのです。だから地方団体は警察法四十七条を守る必要はなくなってしまって、独自の再建計画を立てられるのですよ。それでもいいですか。
○石井(榮)政府委員 法律的にはまさしく他の法令の規定にかかわらずということで、この法律が優先するわけでありますから、先ほど申し上げましたような基準にある程度背馳するようなことに都道府県として運用されてもいたし方がないと思うのであります。都道府県の財政再建計画は臨時的なものであると私どもは承わっております。都道府県の財政再建の臨時措置のために一時それに必要な措置が臨時措置としてとられるということは、これはいたし方のないことである、かように考えております。
○北山委員 一時と言いますけれども、これは時限法でもないのですよ。何年間ということの期限を切ってない。まあ臨時的な立法であることは間違いないけれども、その間がまんして良識に訴えようという、まことに謙虚なる長官の態度でございますか、それでいいかどうか。これはあとで文句を言わないようにしていただきたい。結局自治庁の解釈の通り、警察費についても自主的に再建計画を立て得るのだ、その際には警察法の四十七条等の規定は排除されても法律上はやむを得ない、それの基準に従うかどうかということは、地方団体の良識に待つ、こういうことであります。それでこれは今の質疑によっても各事業官庁と自治庁との間の了解については、この問題についていろいろ疑念があるのでございますから、一つ続いて農林大臣、建設大臣、それから通産、運輸、その他文教との連合委員会において要求した各事業官庁の責任者を当委員会に呼んで、この問題を明らかにしていただきたいと思います。
○川島国務大臣 これは私繰り返し申し上げているのですが、七カ年にわたる長期の再建計画を立てるのですから、こまかい、規定はとうていできないでありまして、きわめて大まかな計画を示してもらいまして、赤字が完全に解消することだけを期待しておるのでありますから、この計画の中でもって警察費が幾らであるとか、教育費が幾らであるということは記載はいたさないのであります。あとは単年度ごとの問題でありまして、単年度の問題と財政再建計画とは別に切り離してお考え願わないと混同されるといろいろな疑念が起ってきまずから、七カ年間にわたる財政再建計画におきましては、各省別の内容は決して盛っておらないのでございます。ごく大ざっぱな人件費とか、あるいは事業費というような問題だけしか書いてないのであります。そうして最後のねらいはその規定された年度内に完全に赤字債が返るということを期待しておるのであります。その実行ができることを私どもは見るだけでありまして、内容について一々干渉するわけではないのでありますから、決して各省間で意見の食い煙いはないのであります。
○西村(力)委員 私久しぶりに地方行政委員会に参りましたので、あるいはかっての違った質問を申し上げるかもしれませんが、今北山委員から財政再建計画を立てる場合の各省との協議というような問題について関係する部面の権威者に来てもらうということでございますが、そのことはぜひお願いしたいと思うのです。そういう再建計画ができて、その実施について委員会とかその他と協議した場合、その協議がととのわないとするならば、責任はどちらにあるのだ、こういうことをどう考えておられるか。頭をひねられておるのですがどうですか。
○後藤政府委員 私どもはできる限りの努力をいたしまして協議がととのうようにいたしたいと考えております。責任がどちらにあるかという問題は、ちょっと趣旨がよくわからないのでありますが、これは私どもとしては地方団体の作りました再建計画を承認する場合に、地方団体にかわりまして各省の長と協議するのでありまして、従って私どもは地方団体の代弁者のような格好になりまして各省の長と協議する、こういうことになるのであります。従ってわれわれはできるだけ協議がととのうように努力いたしまして、協議がととのわないということにならぬようにいたしたいと考えております。
○西村(力)委員 私どもは今第八条の関係、先ほどもちょっと論じられましたが、協議があった場合、協議がととのわなかったというような場合には、独自に執行していく、こういうお話でございますが、ととのわない責任はどっちにあるのか、私はそれを聞きたい。
○後藤政府委員 ととのわない責任がどちらにあるかということは、そのどちらの主張がどうであるかということを判断しなければわからないことではないかと思います。
○西村(力)委員 そうするならば第六条はこれを削った方がいいのではないか。協力しなければならないという場合に、第六条の規定が前提としてあるから、協議がととのわない場合には、やはり再建団体の委員会とか、あるいはそういうところが協議のととのわない責任を負わせられる、こういうことになってくるのではないかと思うのです。
○後藤政府委員 各省の行政機関と行政委員会と長との間の協力の態勢というのはいろいろあると思います。協議の形をとるか意見を聞くだけにするか、同意を求めるか、いろいろな態様があるのであります。そのどれをとることがいいかという問題になります。どの形が一番地方団体とその間にあります行政委員会との間の現在の制度のもとにおいていいか、どういう態度をとることがいいか、こういう問題なのであります。われわれは協議の方式が一番いいじゃないか、こういうふうにとったのであります。
○西村(力)委員 協議方式ですと、協議のととのわない場合というのはあり得るということになるであろうと思う。そういうことになれば第六条の規定から見まして、やはり委員会というものは協力しない、こういう判定を受けるではないか、責任はそちらにあるじゃないか。その再建団体の長が言い、あるいは自治庁においてそういう判定をする、こういうことに相なるではないか、かように思うのです。だからそういう場合の協議という場合に成立しなくてもいいという場合もある、こういうような立場をとろうとするならば、第六条はぶった切ったらいいじゃないか、こう思う。
○後藤政府委員 先ほど申し上げましたように協力態勢の一つの方法として考えた方式でありまして、私どもは協議がととのうように努力して、協議がととのうようにしてもらいたい、かように考えております。どうしてもととのわなかったときにどうなるのだという御質問が先ほどありましたから、それはやむを得ないということを申し上げたのであります。私どもとしては協議がととのうように努力してもらいたいということを考えております。
○西村(力)委員 やむを得ない場合も想定するならば、第六条は削ったらいいじゃないか。第六条では大綱としてそれは協力しなければならないという工合に押えてしまっている。協議はととのわないと責任はやはり再建団体の長ではなく、予算執行権を持つ委員会とか何かそういうところにあるのだ、こういう判定は自然に下ってしまうのじゃないか。こう思う。
○後藤政府委員 第八条と間違えておりました。第六条の御質問でありますれば、六条は訓示規定でありますために、なくてもいいじゃないかという議論も成り立つと思います。しかしこれは前々から議員提出の再建法案にもありましたし、私はむだではないという意味でこれは入れたのであります。
○西村(力)委員 議員提出の仮案でありますが、あれにあったからといって政府が責任を持って提案されるときに、そこに理由づけるというようなことはいささか迷惑至極だと思うのです。それで単なる訓示規定でも何でもいい、心理的拘束にせよ、拘束をつけることはやめたらいいじゃないか。第六条はこれは明らかに訓示規定として相当強くこれはもう心理的というかなんというか拘束を与えるものである、こう私は思うのです。やっぱり協議が整わなければ、この六条の規定によってこの再建計画に協力しないという烙印を押される。第六条からこういうことに相なるのではないかということをおそれるのです。どうですか。
○後藤政府委員 第六条の規定は、国と他の地方公共団体及び公共的団体の規定でありまして、つまり地方団体の外にあるところの規定でありまして、この八条の方は地方団体内部の問題なんです。従って六条の規定は、先ほども私御説明申し上げたのですがちょっと違うのでありまして、なるほどこれはなくてもいいという御質問もあったのでありますが、私は精神的物質的に援助する方式が、協力するところの方式が実際あるじゃないか、たとえば再建整備団体において、何かブロック会議をやるとかいろいろな会合を開いたりすることがあるんじゃないか、そういうことはできるだけ避けて、他の富裕な団体の方でやってもらって、貧乏な団体をなるべく避けてもらうようにしようということも一つの方法じゃないか、そういう意味で、他の団体の協力を求めたわけであります。
○西村(力)委員 そうしますと今の解釈で、その一、地方公共団体内部にあるものはこの第六条の訓示規定によって拘束をされない、こういうことに相なるだろうと思うのでありますがそれでよろしゅうございますか。
○後藤政府委員 さようであります。
○西村(力)委員 それで警察庁長官もいらっしゃっておりますが、ぐんぐんとこの再建計画を絞っていった場合に、警察行政をやるために県の再建計画が考えたその不足分の穴埋めのために、現在も行われておるような一般住民に対する負担の転嫁、こういうようなことがますます強まってくるんじゃないかと思うのです。あるいは教育委員会等におきましても、たとえば県立学校を建てる場合とか、あるいは教員の不足を補う場合とか、さまざまな方法がある場合に、住民の負担にこれを転嫁していくんではないか。これはもう明らかに予想せられることであると思うであります。そういう行き方に対しましてこれをはっきりと押えていく。再建計画は絞ってしまった、そのしわ寄せは、金が少い分は一般住民に転嫁されていく、今以上に転嫁されていくというようなことを抑えていく、そういう措置というものをこの法案では考えに入れておるかどうか。明らかにこれは考えなければ、再建計画は首切になり、増税になり、しかも財政の不如意の分を一般住民の任意負担というか行政負担というか、そういうところに転嫁されるおそれがある、かように考える。そういう点についての措置をどうこの法案では考えられるか。
○後藤政府委員 再建計画の中で、たとえば人員整理その他消費的な経費を削った場合に、そのしわが一般の住民の方に行くんじゃないか、こういう御質問じゃないかと思うのでありますが、私は必ずしもそうとは考えません。そういうことはあり得るかもしれませんけれども、私どもはそういうことは全然計画の中には織り込ませないようにいたしたいと考えております。
○西村(力)委員 もう警察にしましても、たとえば自動車とかあるいはそのほかの警察の装備とかそういうような費用、あるいは庁舎の建設費用とか、そういうようなところでも大きくこれは絞られてくるだろうと私は思うのです。そうすると今でも住民に対して寄付させないという方向をとりながらも、相当多く寄付が要請されておる。また学校なんかにしても、ところによっては教員の不足を市町村費で、わざわざ、臨時にというか任意に補充したりしておるし、また学校建築の場合なんかも、市町村に県立学校を持っていくのだから、これだけ増改築をやるのだから、その市町村は、あなたのところは何ぼ負担するかとか今でも負担させられておる。これを財政再建の計画をやってだんだんと絞っていけば、ますますその方向が強くなる。結局財政の絞りが住民にそういう工合に過重なる負担として転嫁させられていくだろうということを私は予想するのです。それをやっぱり一応防いで行かなければ再建計画としては片びっこである、こういう工合にこちらは思わざるを得ない。この点はどんな工合でございますか。再度の御答弁を願いたい。
○後藤政府委員 再建計画を立てますことによって、そのしわがやはり住民に行くということじゃないかと思うのでありますが、私は必ずしもそうは行かない。再建計画自体と住民に対する寄付というものはまた別の問題ではないか。それぞれの役所が、それぞれの部局が、自粛して、再建計画に従った行動をしなければならないのでありまして、そのしわを住民の方にいろいろな形で持っていくということはわれわれも予想しておりませんし、再建計画自体も予想していないのであります。
○西村(力)委員 予想していないということは私はいけないと思うのです。なぜかというと、今でさえも地方財政計画は十分にまかない得る、こういう工合につじつまを合せてやっておるのですが——表面上つじつまは合っておることになっておる。そういうときでさえも足らぬ、足らぬと言うて、いろいろ住民に寄付を要請しているのです。これがますます財政規模を縮小されてくれば、やっぱりその方面が強まる。金を集めることが強まる。これを予想しないということでは、これはごまかしである。それはうそを言っておるのだ、私はそういう工合に思わざるを得ない。そういうことにことさらに目をおおうておる。私はそういう工合に思うのです。正直のところどうです。
○川島国務大臣 御引例になりました警察庁舎を作る場合に、土地の住民からして建築費の一部を寄付させることの可否という本質論が、第一あるのであります。ふえることがいいか悪いかの前に、まず本質論としてそれは研究しなければならない問題でありまして、その問題とこれとは、私は全く違った観点からお考え願わなければならないと思うのであります。
○西村(力)委員 大臣はそういう御答弁をなさいますが、これは本質的に悪いことはきまっておる。もし今のように住民に寄付を要請している以上にふえていくということを予想するならば——大臣は寄付を求めることはいいのだ、やむを得ないのだ、こういう考え方に立っておる。だからこれだけはやむを得ないから、少しぐらい幅が広がったってよけい寄付をとるようになったって同じことだから、五十歩百歩だからいいのだ、今寄付を求めておる現実の姿を大臣は認められておる。ところが警察運営をやるためにあるいは教育の現状の維持を何とかしてはかろうとするために、最後の逃げ道として寄付を今以上に広げることになることを認めようとするならは——そういう寄付行為そのものを今是認しておる、こういう前提に立たなければそういう論議は立たないと思います。そうしますと、やっぱり大臣は、本質論議は云々だと言って、それに対する賛否の態度を表明なさいませんが、やはり今のような見解でございますと寄付を求めることはいいのだ。こういう工合に自治庁長官として考えるが、これは重大な問題でありますので、われわれは絶対に反対なんです。ここのところをはっきりしてもらいたい。
○川島国務大臣 再建計画を立たまして、依然として従来通りにいろんな事業をやっていけば、それはそういう結果になります。しか再建計画を立てまして赤字が解消するまではある程度事業その他のものを縮小しなければならぬのでありまして、たとえば御引例の警察庁舎にしても、多少古くても、これは再建計画が済むまではがまんしてもらう。それが再建計画が求めておるところなのでありますから、今までの事業をやるという観点からいうと、あなたみたいな御議論が出ますけれども、それでは再建計画は立たないのでありまして、あくまでも事業費、事務費その他において節約をして、再建計画を完成しようとの趣意でありますから、御質問のようなことは起らないのであります。
○西村(力)委員 これは今でも起っているんだから起ると思う。それじゃ起らないという証拠を一つ見せてもらいたい。
○川島国務大臣 起れば、それは本質論になります。警察庁舎を建てるのに住民から寄付させるのが、いいか悪いかという本質論になりますので、それとこれとは別問題で、再建計画を立てれば、必要なる警察庁舎の新築も、一年でも二年でも延ばしてもらうこと、それにねらいがあるのですから、その点に関する限りは、あなたの御心配のようなことは起らぬ、こう申し上げているわけなのです。
○西村(力)委員 とにかく起らないということに大臣は太鼓判を押されるから、起らないかもしれませんが、まあ起らないにしましても、先ほどから私は疑問を持っておって大臣の見解を伺いたいのは、そういう寄付行為というのは、決して好ましいことじゃないから、これを断固として廃止していく方向にいかなければならぬ、こう考えておるかどうか、はっきりした言明を伺いたい。それがなければ起るのです。
○川島国務大臣 私よく御質問の趣旨がわからないのですけれども、再建計画とは関係なしに警察庁舎を作る場合に、住民から寄付を集めることがいいか悪いか、こういうことなのですか。
○西村(力)委員 そうです。
○川島国務大臣 私は好ましいこととは思っておりません。
○西村(力)委員 好ましいことじゃない、その表現の裏にはやむを得ないということがあるのですが、やはりそういうことなのですか。やむを得ないという場合には、お認めになるのでございますか。
○川島国務大臣 国の施設でありますから、必要なら当然国の費用でやるべきものだ、あるいは県費ですべきものは県費で出すべきだ、かように考えるのであります。
○西村(力)委員 そういう態度で推進して強くやってもらわなければ、この再建整備計画進行途中においては、ますます住民の負損が加重していく。そういうことを憂えざるを得ないわけなのでございますので、はっきり今のような御見解を、法制的にもあるいは行政指導上においても、強めてもらわなければならない、かように要請したい。 次に、この再建団体の長の知事なら知事が、自分の職員を委員会や議会、そういうところの職員に兼務させるという問題でございまするが、人間しっかりと割り切っていけばそれができるのだ、こういうことでございまするが、この件については大臣に私の体験をお聞き願いたいと思う。それは昨年軍用道路の問題について、農民の意思をそのままわれわれも受けまして、その土地の取り上げに対して反対を続けて参りました。その道路の作り方というのは、現在道路を拡張していくということならば、住民はあくまでも協力しよう、こういうのですが、そうじゃなくて、全然住民の福利ということを無視して、現在ある道路に約一千メートルずっと並行して、その現在の道路と新しい道路の一番狭いところは十メートル、こういうような道路を作ろうとした。それで現在道路に向けて門口を作っている家は、全部これは新しい道路に向きを変えなければならぬ。そしてまたわずかばかりの耕地が分断されるなり、あるいは人によっては全然農耕が成立しないというような状態になる。こういうわけで住民の反対は、これは軍事基地反対とか、そういうイデオロギーを越えた切実な問題であったのです。それで当然反対して参ったのでございますが、その工事をやるのは県側で、そして住民に通知をする前に計画を立てて、建設省の認可をとっからということで、直ちに請負者に契約してしまった。それに住民は反対なんだ。そこで県側としては請負者に面子がない、あるいは違約金を取られる、それも困るとかいうわけで、もうえらいむちゃくちゃな方向を取ってきて、とうとう土地収用法を発動して土地収用委員会にかけた。ところが土地収用委員会の事務局というものが、その計画をやっている県の土木部の中にある。こういうわけで、土地収用委員会がほんとうに公正な立場をもってやろうとする意気込みがあるかどうか知らぬけれども、あるとしましても、その事務局の動きというものは全然県側の意思通りに動くということにならざるを得ない。事務局側の資料や意思を問えば、県側が建設省に出すために作った資料そのままを持ってくる。事務局というものは何も独立性を持たないということになってきている。このようなことで、その人々は土地収用委員会の事務局というその人格で働くというようなことを申しても、それは話だけのことでございまして、実際はそんな働きは全然できない。私たちはこういう事務局は不当である、これはいけない、変えるべきだ、こう言いましたけれども、それは別段の規定がない、土木部に置いてあるのは慣例だ、こういうようなことでそれを押し切って参ったのでございますが、結局土地収用委員会が最後的に強引に審議を打ち切りにして、それを持っていこうというときのその作戦が、県の土木部長、施工者を含めて、土地収用委員会と打ち合せをして、そして開会劈頭強引な審議打ち切りで、一方的な宣言でさっと逃げようとした。こういうことで、その土地収用委員会と施工者側、事務局がぐるになった方向でもってとうとう押し切られてしまった。こういうことが去年あったわけであります。それでありますので、たとえどうあろうとも、人格が別個な立場にあって、こちらの委員会のやるときにはこちらの指揮命令に従うと言っても、それは観念的にはそう言えるにしても、実際は全然そういうことはできない、私はこういうことを考えざるを得ない。また教育委員会の、たとえばあの庶務主任とか総務課長とか、予算を扱うああいうようなところに、県の庶務課の次長をして兼務させたとか何とかいうようなことになったらどうなる。県側の庶務課で予算を決定したそのままの形で教育委員会の総務課で予算を出してくる。万事円満でけっこうなようですが、そうするならば、はっきりと教育委員会法を改正して出てこなければならぬのじゃないか、かように思うのです。そういう点私は非常に憂えるものでございますが、この点は決してさような心配がない、かように大臣はお考えでございますか、御答弁を願いたいと思います。
○川島国務大臣 行政委員会の意思決定は委員会自体がやるのでありまして、その委員会の命令に従って事務局が動くのでありますから、今御引例の土地収用委員会などは、それは委員会自体の行動が間違っているのであります。事務局の人間というものは、委員会の決定に従って動くべき性質のものでありまして、事務局がイニシアチブを取りまして、勝手にやるべき性質のものでないのでありますから、それは事務局が出過ぎている、こういわざるを得ないのであります。事務局はどこまでも事務局でありまして、委員会の命令通り動くというところに事務局の本質があるのでありまするからして、長側の職員と事務局の職員とを兼務させましても、決して不都合が起るとば私どもは考えておらぬのであります。
○大矢委員長 警察庁長官が、もう質疑がなければ帰りたいそうですが、もうありませんか——。
○加賀田委員 今の補助職員の、長側の職員と議会側の職員とを兼務しても、これは指示に基いて単なる事務処理をするのだから何ら差しつかえないという御意見がございましたが、これは、長側は執行機関であって、議会側は決議機関であるので、非常に私は性格上相違があると思うのです。特に議会側と長側とが全然相反した立場をとらなくてはならないような場合も起ってくる、そういう場合に、午前中は長の支配に基いて事務をする、午後は議会側の指示に基いて反対の動きをする、こういうような事態が私は起ってくると思う。もちろんそうしたことを割り切って動物的に動いていけばそれでいいというけれども、やはり人間としては思想もあり、感情もあり、あるいはそうした命令に基く協力的な精神的なものも必要だと思うのですが、そういうときは、議会側と長側との中に立ってその職員が非常に窮地に追い込まれるような場合が起ってくると思う。だから、それは単なる理論であって、実際問題としては、私はそういうことにはなり得ないと思うのです。その点に対して、ただ理論だけでなく、現実の上に立って、職員として長側に立つあるいは議会側にその日に立つということは酷じゃないかと思うのですが、その点に対して長官の再度の答弁を願いたいと思うのであります。 発言のついでに長官にお尋ねいたしておきたいと思うのです。午前中の合同審査の際に辻原委員の質問に長官が答えられた点だと思うのですが、計画を立てるために、予算の縮小あるいはその他の問題で教育委員会に対しても大きなしわ寄せが来る、しかもそういう状態の中で、教育公務員にも首切り問題というものが具体的に起るのではないか、こういうようなことにおいて、将来の日本をになう重大な教育を阻害するおそれがあるという質問に対しまして、教育委員会は日本の民主政治の発展のために重大なんだから、教育公務員に対してはおそらく首切りは起らないと言明されて、それに引き続いて、そういう事態が起れば一般職員にそういう事態が起るだろう、こういうような御答弁だったと私は思うのです。もちろん教育職員に対してのそういう人員整理というものは起らないと言明された点に対しては、私どもは非常に敬意を表するわけでありますが、しかしその逆のしわ寄せが一般職員に行って、いかにも首切りが起るのではないかというような印象のことをその裏づけとして発言されたことは、非常に私は遺憾だと思うのです。これに対して自治庁長官の御答弁を再度お願いいたしたいと思うのです。 なお私は関連質問でありますので、ついでに小林行政部長にお尋ねいたしたいと思うのであります。あまり質問がないのでさびしそうな顔をしておりますので……。 この逐条審議に直接影響ないわけですが、やはり財政再建の法案に重大な影響を持っていると思うのです。それは、先般五島委員から質問のありました相生市の財政再建に関する市側の処置であります。市側としては、この赤字状態を克服するため、本年度の歳出を縮小するために、人件費二割として約八百十六万円でする、これにほとんどしわ寄せされたという現状で、これではあまりに酷ではないかという質問であった。小林部長は、もし人件費にしわ寄せされたとするならば非常に酷だと思うが、さらに相生市の実態を調査してあらためて答弁をするという発言があったのですが、聞くところによると、調査課において大体調査されつつあるということを聞いておりますので、もし調査されておるとするならば、この調査に基く自治庁としての見解あるいは調査の結果に対しての報告をこの際求めておきたいと思います。
○川島国務大臣 午前中に連合審査会で答弁しました教育職員の問題でありますが、大体教育職員はいろいろな規則によりまして、生徒数その他に基準を置いてきめておるのでありますからして、一般の地方公務員とは違いまして容易に減員できないことは当然であるのであります。従いましてかりに万一赤字団体の経費の節約のためにしわ寄せが人件費に来るとしても、それは教育職員でなくて他の一般職員であろうということを申し上げたのでありまして、私は必ず一般職員にしわ寄せがあって首切りが来るということは申し上げておりません。教育職員と一般職員と比べてみた場合に、教育職員はいろいろな点において地位が確保されておるのだから、この再建団体になったがために当然行政整理が行われることはないということを申し上げたので、さればといって必ず一般職員に来るかというと、そういうことは私は申し上げないのでありまして、これはしばしば申し上げておるのでありますが、団体の内容によりまして違うのでありまして、赤字の原因等をよく探究いたしませんと、人員の整理でもって節約するのか、事業費で節約するのかということがありまして、それは各個々の団体にまかしておるわけでありますからして、この点は誤解のないように申し上げておきます。 それから事務局の職員と長の職員との兼任の場合に不都合が起るじゃないかということは、前会に加賀田さんの御質問になったときにも引用されたのでありまして、ごもっともと思うのであります。あるいはごくまれな例として事務局の職員と長との間に待遇問題等において紛糾が起って、板ばさみになって困ることが起り得るかもしれぬのでありますけれども、そういう場合がかりにあったとしてもきわめてまれな場合でありまして、大体において事務を簡素合理化いたしまして経費の節約をするということが要請されている場合でありますから、全体の問題としましてはやはりこういう程度の法規は必要ではないか。つまり兼任を認めることは必要でないか、こう考えるのであります。かりに加賀田さんのおっしゃるようなことが起っても、例外のために経費の節約ができないというようなことは、これは最も避けなければならぬのではないか。機構を簡素化しまして、できるだけ経費を節約して赤字の再建をやりたい、こういう趣旨からいってこういう規定を設けたわけであります。
○小林(與)政府委員 相生市の問題につきましてお尋ねがございました。実はお話しの通り市長に来てもらいまして調査課の方で事情を調査したのであります。ただ何分にも短時日で精細な資料等がありませんので、こまかいことは申し上げられませんが、大体今お話しになりました人件費二割削減という問題を中心にして事情を聞きましたところ、相生市は小さい市でありますが、現在九千万をこえる赤字を持っております。この赤字再建のために市当局が自主的な再建計画を立てようとしておるのであります。それで、過般財政再建特別市条例というものを議会に提出して成立を見たのでありますが、その際に人件費を二割減らそうという趣旨の条例案を提出したようでございます。ところが議会でその規定が修正されまして、極力節減するという趣旨になったようでございますが、その後市長の再建計画を聞きますと、自主的な再建計画をお立てになるのはけっこうですが、大体九千万円の赤字を今年から始めて七年間くらいで再建しようという計画のようでありますが、考え方が、初年度にややしわが寄り過ぎておるというふうに見受けられまして、その結果、そのしわ寄せが今の人件費二割という問題に結びついたように見受けられるのであります。それで調査課の方でもお話を聞きました結果、やや計画の立て方に無理があるのじゃないか、そういうことで初年度に特にしわ寄せし過ぎるというところに無理があるということを市長に注意をいたしまして、無理のないように計画をしたらどうかという趣旨のことを助言を与えておいだそうでございます。市長におきましてもそれに基きましてさらに検討されることと思われるのであります。以上概略でありますが、お答え申し上げます。
○西村(力)委員 大臣は兼務をさせても大丈夫問題は起らない、こういうお考えでございまするが、しかし兼務をさせる人、たとえば教育委員会なら教育委員会の相当のポストの方に兼務をさせるということも、だれが命令するかといえばこれは長が命令するわけでありますので、もし委員会の意向に沿わないような動きをしたという場合でも、これは長が任命するのだから委員会自体には任免の権限がない、これはもう首の切りようがない、こういうことに相なって参りまして、これはほんとうに困ったことである。これはもう長が任命してきても委員会自体が拒否することができるとするならば、それならば委員会自体のその意向というものも尊重させるだけの圧力を持つだろうとは思うのですけれども、それができないのじゃないか。何べんやめてもらっても、それでも長がまた自分のいい者をやっていくというようなことになったら、これはとてももう独立の立場を持つ勤務を望むことは不可能である、かように考えざるを得ないわけなのであります。そういう工合に独立の性格に忠実に勤務する職員たらしめるためには、兼務をやった場合、そういう工合にできるようにするためには、この任命というものは長自体が任命するのではなくて、これは兼務をさせる場合には別個にする、ほんとうは兼務させないようにするのがいい。そこのところは一体大臣のお考えはどんな考えでございますか。
○後藤政府委員 条文の書き方が非常にまずかったかもしれませんが、任免権自体はやはり教育委員会の場合は委、員会にあるのでございます。条文の書き方がちょっとまずかったのでございますが、任免権というものは、たとえば教育委員会の場合には長が任免するのであります。兼務を命ずるのではなくて、向うの兼務はやはり教育委員会自体がやるのであります。
○西村(力)委員 しかし責任をもって出してきた政府側がこういう答弁をするというのは僕は受け取れないのであります。第十条の第二項には「財政再建団体の長は、」とはっきり出ているわけでしょう。それが兼務させることができる、あるいは所掌事務に従事させることができる、こういう工合になっているでしょう。あくまでもそれを兼務させるあるいは事務所掌させる当事者は自治団体の長なのです。それであって、教育委員会が任命することができるということはどこにも見出せない。
○後藤政府委員 今私が申し上げましたように、書き方が悪いのでありまして、「財政再建団体の長は、地方自治法第百八十条の三の規定にかかわらず、財政再建計画で定めるところにより、」こういうふうに読んでいくのでありまして、兼務することを承認することができるといいますか、そういうことでありまして、発令をするのは、やはりそれぞれの権限のありますところが発令をするという意味であります。
○西村(力)委員 財政再建計画というのは、先ほどから言われておるように大ざっぱな規定をするというようなことなんでございますが、その計画の中には、各独立した委員会とかあるいは議会とかいうものは、その兼務する場合の職員の任命権を確保するものである、こういうようなところまでその再建計画にはやはり書くわけですから、そうすると先ほど言われた再建計画は大ざっぱなものだからそういうことはこまかくは規定しないのだというような答弁は矛盾するというか、こういうような工合に考えざるを得ない。この条文のままですとこれは確かに知事なりあるいは市町村長なりが任命する、こういう工合にならざるを得ない。大臣の答弁をずっとお開きしておりますと、まことに将来の問題については確信を持って不都合なことは絶対に起きないような工合に言われておりますけれども、一体その今見せておる顔というのは、法案を通すまでは仏様の顔をしておるが、法案が通ったら夜叉に変るのではないか。(笑声)こういうような危ないところがたくさん出る、こう言わざるを得ないわけなんであります。今処女のごとく、仏のごとく説明されて、予言者のごとくぱちはちとうまいことを言われておりますけれども、実に危険そのものである。この条文は後藤財政部長がどんなうまいことを言ったって、私には任命権がその委員会なり議会にあるという工合にはとうてい読めないのです。どういう工合にして読めとおっしゃるのですか。
○後藤政府委員 自治法の百八十条三という規定があるのであります。この規定は委員会側から申し出があった場合に兼務させたり従事させたりすることができるという規定であります。その規定のまねをしてここに入れたのであります。委員会のところを削って、自治法の規定にかかわらず、財政再建計画の定めるところにより、こういうふうにいたしたのでありまして、現在は申し出がなければできないのであります。委員会側の申し出があれば自治法の百八十条の三によってできるのであります。私どもには再建計画の基本方針というのがございまして、再建計画を定めますためには基本方針の中で、たとえば事務局等の組織簡素化をやる、その方法をこういうふうにやるというふうにきめたといたしますと、その計画に従って兼務を言いつけるわけであります。そういう場合にはこういう規定を置かなければできない。百八十条の三では読めない、こういう意味でこういう新しい規定を入れたわけであります。
○西村(力)委員 百八十条三の御説明、まことに私の知らないことで啓発されました。しかしその規定の云々にかかわらず兼務させることができるといったらあくまでもイニシアチブは再建団体の長にある。そうでしょう。だから申し出があろうとなかろうと兼務させることができる。それが先行しているのですよ。それでは教育委員会とか何とか委員会が任命権を持つなんと言ったて、そんなものは意味がない。そんなことは理屈が立たぬじゃないですか。
○小林(與)政府委員 ちょっと自治法に関係がありますので、私の考えだけを申し上げさせていただきます。確かに今お申し出のような疑念があるようでありますが、これは百八十条の三の規定を排除いたしておるのでありまして、百八十条の三の規定は、御承知の通り、地方公共団体の長は他の委員会の申し出があるときは自分の職員を兼ねさせる云々のことができる。要するに自分の職員の問題でありまるから長が認めなくてはこれはできないのであります。だから自分の職員を使っておる側として、自分の職員を他の委員会に兼ねさせることがきるということを百八十条の三で認めたわけであります。しかしながらそれぞれの委員会は、委員会職員の任免権は自分で持っておるわけでありまして、兼任させる以上はみな自分の職員になるのでありますからその職員の任免権はその委員会が持っているのは当然であります。しかしながら理事者の部下にある職員は兼任させることは知事が認め得るぞ、こういう趣旨で百八十条の三が書かれておるのでございます。そこでこの規定は、申し出があるときということを排除した趣旨だとわれわれは実は読んでおるのでありまして、たとえばそれが証拠に——証拠と申しますと語弊がありますが、議会の職員などは百八十条の三にはもともと規定がない。これも一般の執行機関と他の執行機関の間における規定でございます。それでこの申し出があるということだけは排除をしたわけでありまして、議会の規定については、ちゃんと議会の職員の任免をすることができるという規定があるのでありますから、当然これは任免の規定が働くということになるのであって、長としては要するに自分の職員を議会の職員に兼ねさせることを認めた、こういう趣旨に理解するのが自治法との関係上正しい解釈ではないか、こういうふうに考えております。
○西村(力)委員 小林行政部長の法解釈は、町村合併に伴う議員の身分の問題、あれが条件付採用になるという解釈をとったことによって、その権威と信用とがいかほどあるかということは私はまことに疑わざるを得ないわけなのです。任免権はやはり形式的には委員会なり議会にあるでしょう。しかしそれは辞令面だけのことであって、こういう条項をつけたならば、これは押しつけられて仕方なく任命します、こういって辞令を出し、それでおれは任免権がある、こういうふうにする以外はない、要は財政再建のために人員を縮減する、それをやろうとするのは再建団体の長なのです。長の意向が先行して、押しつけられるということはきまっているのです。これは明らかに押しつけなのです。形式として判こ、辞令だけは委員会の委員長なり議会の議長なりがやっておるだけですから、任免権はおれにあるなんて、それほど議長や教育委員長がおめでたくはできてないだろう、私はそう思うのです。そこのところはどうなのです。
○小林(與)政府委員 それはその通りの点がありまして、具体的の任免は委員会であることは間違いないのでありますが、その押しつける押しつけぬの問題は、これは財政再建計画でその趣旨を定める、たとえば委員会での兼任を認めるなら認めるとして、どの範囲で認めるか、先ほどいろいろ議論がありましたが、全員認めるということはほとんど考えられぬのであって、そのうちの幾らかを認める、こういう趣旨があれば、その趣旨に従って何人かについては兼任をするという建前になるのでありまして、具体的の人選の問題になれば、当然任免権者が自分の責任と判断でこれを決定する、こういうことに相なると思います。
○西村(力)委員 そういう工合に形式的に任免権を持っておったって、押しつけられるというのでは、これは何も任免権を持ったことにならない。皆さんお役人も長いことなさっておる、大臣もまた大臣になられて、官僚の一番大きい握り方というのは人事権を持つことだ、そういうことはもう十分おわかりだと思うのです。ところがこの点について何も権限を持たずに、押しつけられたのをただへいへいとめくら判を押して、おれが任免権があるなんていったって、そんな者には全然人事権というものはない、任免権というものはない、それはもうはっきりそうなると思う。結局その議会なりあるいは委員会なりの独自性というか、そういうものが完全に失われてくるであろう、こういう工合に私は考えざるを得ないわけなのです。一番大事な人事権を離して、どうしてその独立性を保ち得るか、自治庁の財政部長がどこか別のところから任命されて、大臣はおれが任命したんだということはとても言えないでしょう。やはりそういうような点も十分考えてもらいたい。この条文ではどんなことを言うてもそういう状態にならざるを得ない、こう思うのですが、大臣の御所見を一つ伺いたい。
○川島国務大臣 いろいろ御疑念はあるけれども、大体長と委員会と議会とどこも対立していくのだという考え方で行きますと、なかなか割り切れないのであります。先ほども申し上げたのでありますけれども、何としても赤字団体で苦しんでおりますから、長も議会もまた行政委員会も全く従来とは考えを変えて、一緒に協力して赤字を克服しよう、こういう態勢が整わなければ、とうてい赤字の克服はできません。事務局員の任免にいたしましても、長と委員会との円満な話し合いでやるべきものでありまして、お互いに押しつけっこしたり職権を振り回してやるようでは全体の赤字克服ということはとうていできないのでありまして、私はそういうことはとうてい想像できません。赤字の最も激しい地方団体におきましては、どうして赤字を克服しようかということに関係者いずれも苦慮しておるのでありますから、できるならば事務機構を簡素化して、できるだけ経費を節約しようと考えるのは当然でありまして、どこまでも話し合いでやっていただくことは、私は政治的に期待をいたしておるわけであります。
○西村(力)委員 だからそういう工合に対立と言わないにしても、独自性というものだけは高度に尊重されて、この再建計画も立てなければならない。この法律でもやはりそういう尊重は通さなければいかぬ。今の御意見ですと、その独自性というものは全然没却された立場においていかなければならないということになる。それは財政再建計画の遂行の責任者、それをやろうとするのは長なんです、長の意思によってすべてが左右されてくるのであって、それぞれの独自性というものは全然没却されてくる。これは協力する、話し合いでというても、最も大きく尊重されているのは長の権限ということになってきて、その他のものは全然尊重されない、こういう考え方でこの法律は作られておる、こういうことにならざるを得ないわけなんです。そうしますと、先ほど申した協議が整わない場合の責任はやはり長の側ではなくて他の機関、協議に応じなかった、まとまらなかったという責任はそっちの方にかぶってくる。全部そういう方向で貫かれていくわけです。それで長官のような工合に善意をもって協力して話し合いですべてをまとめていくのだというけれども、独自性というものをかすかでも持とうとするならは、やはりそこには意見の不一致ということはあり得る。第八条における協議がまとまらない場合があるということが考えられるのでございますが、今の大臣の御答弁ですと、結局すべて長の計画遂行の方向に協力して有無を言わさずやらざるを得ないのだということに相なるだろうと思うのでございます。確かにその通りでございますが、やはり協議をやってそれがととのわない責任は教育委員会とか労働委員会とかそういうところにある、協力しない責任はそっちにある、こういう工合になるのであるかどうか、もう一度大臣でも財政部長でもどちらでもけっこうですが伺いたい。
○川島国務大臣 事務局の独立性は決して阻害していないのでありまして、この条文にも議会の議長もしくは委員会等の命を受けて事務局の所管する事務に従事させる、こう書いてありまして、この点において事務局の独立性は尊重しているわけであります。ただ身分が長の所属になっていますが、仕事に関する限りは議会なり委員会なりの命令を受けてやるのでありますから、独立性は十分保持することができるようにこの規定がなっておるわけであります。
○西村(力)委員 先ほどから何べんも言っておりますが、もしその者が命を受けてそれを忠実にやらない場合に首を切れるのか切れないのか、これははっきりと切れやしないですよ。この状態で切ってみたって、また新しい側の同じ人がそこにやってくるに違いない。それだから命を受けてといったって、これはもう意味がないのであります。この通り大臣の言われるように独自性を保持するということは不可能になってくる、私はこういう見解を持たざるを得ないのです。
○川島国務大臣 議会なり委員会なりの職に転勤した者が、不注意で議長の命令なり委員会の命令を聞かぬ場合には、これを長に返せばいいのであって、そこが話し合いだと私は申し上げておるのであります。首切る権限はなくても、これを返せばそれでいいので、人を入れかえればいいのでありまして、制度としては私はこれでよろしいと思います。具体的の問題としてあなたの御心配のようなことが起った場合には、議会にしても委員会にしてもこの人間を受け入れないで、長の方へ返還するという処置は幾らでもできるのでありますからそういう点におきましてもお互いに話し合ってやりたい、こう申し上げておるわけであります。
○西村(力)委員 返還しましても、長が兼務をさせる場合の主導権を持っているのですから、返還を受けて、それは話し合いによって返還はよろしいといった場合には、議会をこの計画に協力させ、また自分の考え通りに事務を適当にはじく人間はだれをやったら一番いいか、こういうことを考える。極端な例でいいますと、さきに言いましたように、たとえば県の庶務課なら庶務課で財政を預かってぱちぱちやっている相当の責任者を教育委員会の予算を作る中心人物として兼務させておるというようなことになる。どうも言うことを聞かないでうまくないから、かえましょうと話し合いをつけたけれども、あいつがだめなら、あいつと同じような能力があり、おれの意向に忠実なのはだれかといって、やはり同じような工合にそれを送り込んでやる。それでは何べんやったって同じことであろうと思うのです。はっきり任命権をその委員会の長なりあるいは議会の議長なりが持っていなければ、これはどんなことをしたってだめである。大臣はおわかりでしょう。役人さんの一番大事な点は、首の根っこを押えることが一番だということは十分おわかりでしょう。それを押えないで、押しつけられたお婿さんにおれの言う通りに開けなんと言ったって、おれは知らぬということになる。これは気に食わぬから別の人をやれといったって、また同じようなちっとも変りないような人が来る。それでは何ともしょうがないと思う。そういう工合に私は実態から言わざるを得ない。良心的に善悪を持ってすべての人が行くならば、やはり兼務させようと何と言われようとかまわないのですけれども、それは現実から離れた御見解ではないか。私はかように考えざるを得ないわけなのです。
○川島国務大臣 どうも西村さんのお話は、長と議会なり委員会なりが全く対立関係——対立というよりもむしろ抗争しておるような状態を想定していろいろ御議論になるのですが、私はそうは考えないのであります。お互い協力してやる態勢にならなければ赤字解消はできないということを考えておるのでありまして、きわめてまれな場合を想定していろいろ御議論になるのでありますけれども、私は全体的に見てそうは考えられないのであります。それから首切ることばかりお話がありますけれども、今の公務員なんて簡単に首切れるものではありません。みんな組合がありますから、私大臣をしていても首切ることはできない。地方公務員でも自治労組も日教組もあるし、そんなものは簡単に首切れるものではありませんよ。
○西村(力)委員 大臣はずいぶん弱気なようですね。たとい首切られぬにしても、左遷とか右遷とか、そういうようなことはお役人さんにとっては非常に重大なる脅威なのでありまして、やはり首の根っこを押えるということは一にらみ、これは一ころなのです。そういう工合に私は考えるのです。それでもしそういう工合に対立ということは全然考えられないと言うならば、これは財政再建整備の方向に、責任者である地方公共団体の長の方向にすべてが協力する、有無を言わさぬということになる。有無を言わないということになってくる。そういうことになるとどこまでもイニシアチブ、主導権は長にあるのだから、その他は一切有無を言わないで行くのだ。その点が大臣の想定される協力ということだ、こういう工合になる、それならばこの第十一条を削ってしまったらどうか。十一条の場合は議会が議案について否決されるとか何とかいうことがあります。こういうようなところは大臣の見解であるならば不要なのです。全部が協力して、はいはいはい、仲よくやりましょう、やりましょうと言って、そう行くものだとすれば、第十一条の規定を作って、議会が否決したら不信任とみなし解散するなどとおどかしをかけるような条文は不必要なのです。これを削除したらどうなのですか。
○後藤政府委員 十条の二項というのは制度として再建計画で定めました場合にそういう制度を認める。こういうことでありまして、西村さんのお考えを聞いておりますと、具体的な人事の問題と制度の問題とからんで一緒にしてお話しになったのではないかと思います。具体的な問題になれば任命権はそれぞれの行政委員会にあるのでありますから、その人を拒否すればよいと思います。事実悪い人だったら拒否するだろうと思いますが、それが任命権者の持っておる権限ではないかと思うのであります。長の方から出してくる人を必ず受け取らなければならないという権限であるとするならば、任命権それ自体がおかしいのじゃないか。こういうふうに考えるのであります。
○北山委員 西村さんの質問を補足いたしますが、長官は長も議会も委員会も何でもかんでもみな話し合いで円満に行くというのでありましょうか。そう言うのならば、第十一条のように、長と議会の関係も通常の場合以上に先鋭化さして、再建計画を否決したような場合あるいは議決しなかった場合にはこれを不信任案と認めるというようなことで、解散でおどかす。解散か総辞職かというような工合に先鋭化させるような規定は矛盾ではないか。長官の言う通り、もう少しやわらかく、お互いに協議してきめようという規定なら格別、これではとんでもない話で、長官はどうも法案の中にないことを好き勝手におっしゃっておるような気がする。だから矛盾しておるという質問をなさっておるのであって、それに対して一つお答え願いたい。
○川島国務大臣 私の申し上げたのは再建計画を実行するためには長も議会も行政委員会も一体となって協力態勢を作ってもらいたいということを申し上げたのであります。十一条は再建計画を作る以前の問題でございまして、再建計画の可否については根本問題であります。この根本問題について長と議会が意見が違ったときにはこういう処置をとるということを書いたのでありまして、西村さんが長く御議論になったことは再建計画実施の点でありますから、ああいうことを御答弁申し上げたわけであります。
○北山委員 上手な答弁のようではなはだまずいわけであります。それはこの第十条の二項は、再建計画に基いてあとは円満にということでありましょう。ところが再建計画をきめるときはけんかしてもかまわないという大臣の意見なんですが、しかしそれでは同じことになってしまうじゃありませんか。長や議会あるいは委員会がその再建計画の執行については仲よくやれといっても、きまるときには一方的に、あるいは対立的な関係において決定さしておいて、あとは円満に行けというのはどういうことなのですか。西村君の質問の心配がそこに生じてくるわけなのであります。
○西村(力)委員 大臣はそういうことを言いますけれども、この十一条の四項はどうなるのでありますか。「自治庁長官の承認を得た財政再建計画の達成ができなくなると認められる議決をしたとき。」、これは再建計画がちゃんとできてその達成に向って進行中にこういう議決をした場合、こうあるのであります。再建計画を樹立する場合に十一条があるのだなどということは、これは責任ある提案者の大臣の答弁としては私は少し軽卒ではないかと思うのであります。
○川島国務大臣 再建計画という根本問題について争いがあったときには、こういう方法で解決する以外に仕方がないのでありまして、先ほど申し上げたことは、再建計画を実行する部分的、事務的の仕事でありますから、それについて互いに協力してもらいたい、こういうことを繰り返して申し上げておるわけでありまして、再建計画そのものの根本につきましては、意見が対立した場合はこれは何らか処置しなければなりませんから、十一条の規定を作ったわけで、けんかするときは大いにけんかして、あと仲よくやろう、こういう意味であります。
○西村(力)委員 そう言いますけれども、第三号を見ますと、これは「財政再建計画の変更に関する議案を否決したとき。」、これは再建計画を再度新しく立てるということになりますけれども、四はまことに漠として「財政再建計画の達成ができなくなると認められる議決をしたとき。」、こういうようなことだったら、これは再建計画の再度の樹立ではなくして、計画を遂行するときに少しでもじゃまがあった場合ということであるから、意思というものはいついかなる場合でも、再建途上においても、全然それは認められなくなるのだ、第十一条ははっきりそういう工合に規定しておる、こう申さざるを得ないわけなんです。だからいろいろ大臣はその場限りみたいな答弁を盛んになさいますが、もう少し提案者としての責任ある答弁をぜひ願いたい。どうです。第四項もこれはやはり再建計画の再度立案というような——第十一条の四項ですね、それがそういう条項なんでございますか、いかがでございますか。
○川島国務大臣 第十条第二項の問題は、事務の執行に関する問題を先ほどから質疑応答しておったわけなんです。第十一条は再建計画の根本に関する問題でありまして、これがくずれたら再建計画はできないのでありますから、そのときには、長と議会と意見が対立すればこういう処置をとろう、こういうことにしたのでありまして、十条と十一条とは全く違った場合を規定しているわけでありますから、私はこれで差しつかえない、かように考えております。
○川村(継)委員 いろいろお答えをいただいておりますが、どうしても納得いかない点か多いのです。今までの答弁を聞いても、川島長官が初めから長官の賢明な構想に基いて再建法案というようなものをお立てになったら、われわれが疑問だらけに思っているこのような法案ができないで、もっとりっぱな法案ができたのじゃないかなどと思っているわけです。 私は第八条の問題について、さっき北山さんから御質疑があった点で、ちょっと気になることがありましたので財政部長あたりにお聞きしたいのです。だいぶ時間もたって気がいらいらして参りますから、なるたけ小さい声で申し上げたいと思います。さっき財政部長が第八条の北山さんの質問に対して、あらかじめ当該財政再建団体の長に協議しなければならない、その協議がまとまらなかったときには云々と、こういう答弁があったはずであります。それが実は本日の午前中の文教委員会との合同審査において、長官からるる答弁のあったことなどと考え合せまして非常に気になったので、一、二点お聞きしたいのです。第八条に、「財政再建計画の達成のため必要な予算の執行その他政令で指定する事項」と、こうありますが、「財政再建計画の達成のため必要な予算の執行」、これは初めの法律ですから非常にばく然としているのかもしれませんが、これにどういうような具体的な構想があるのかというのが一つのお尋ねなんです。それから「政令で指定する事項」というのは、一体どういうことが想定されているのか。これがさっき部長の答弁と関係いたしまして、私非常に気にかかって参りましたので、まず初めに、この二点を分けてはっきり詳しく財政部長から御説明願いたい。
○後藤政府委員 第一点の「財政再建計画の達成のため必要な予算」、これは財政再建計画に定めましたものに基きまして予算ができておるわけであります。その予算を基礎にして予算の執行をする、こういう意味であります。それから「その他政令で指定する事項」というのは、これは申しましたように支出負担行為に該当するものでありまして、たとえば学校の新設でありますとか、予算外の義務負担を伴う契約の締結でありますとか、そのほか職員の任命、昇給昇格等に対する一般的な方針を定めてこれを通達で流すというような場合には、長の方に協議してもらいたい、こういう意味でございます。
○川村(継)委員 その執行についてあらかじめ団体の長に協議する、ところが協議してまとまればいいのですけれども、協議してまとまらなかった場合には、いわゆる教育委員会が自分の権限に基いて執行してよろしい、こういう御答弁があったと思いますが、その点は間違いなかったですか。
○後藤政府委員 協議でありますから、話し合いをいたしまして、両君歩み寄ってまとまると思っております。またまとまるように努力すべきだと思います。どうしてもまとまらなかったときにはどうするかという御質問でありましたので、まとまらなかったら、やはり執行の権限のあるものが執行するということを私は申し上げたのであります。
○川村(継)委員 具体的に次のような例でお聞きしたいと思います。財政再建計画に基く予算ができて、それはたびたび説明をしておられましたように、大まかな基本的な大綱であると説明しておられますが、地方団体ではこれに基いて一年間なら一年間の予算が編成されることになります。そうすると、たとえば来年度昭和三十一年度の予算が、この計画に基いてある赤字団体が予算を編成した。ところが予算は生きものでありますから、いかに再建団体とはいえ、当初作った予算そのままを一年間押しつけて身動きできないようにして執行していくというふうなことはあり得ないと思うのです。やはりこれは必要に応じて年次途中において更正予算を組むというふうなことが許されるはずですし、またそういうことが起ると思う。その予算の更正についてはあるいは消費的経費に手をつける場合もありましょうし、経常的なものに手をつける場合もあると思うのです。そのときに起る事態を考えてみて、初め計画いたした予算を執行しようと思っておるけれども、更正予算を組まなければならないような事態が起った。今までは甲の委員会に対してどれだけの項目別の予算があった。またこの委員会——警察なら警察でよろしゅうございますが、それに対して予算が組まれてちゃんと項目別に編成されておる。ところがどうしても必要やむを得ない事態が起ったが、再建計画全体のワクを動かすわけにはいかないので、教育委員会なら教育委員会の予算を修正削除して警察の方に回さなければならぬという事態も起り得るかもしれぬ。また逆のことも起り得ると思う。そういう場合に、ここにいうところの執行については、協議をするということに該当するのじゃないかと思うのですが、その点そういうふうに見てよろしゅうございますか。 〔委員長退席、加賀田委員長代理着席〕
○後藤政府委員 私どもの考えておりますことは、そういう場合も入るかもしれませんが、再建計画と申しますものは、裏返してみますとこれは起債の償還計画であります。起債の償還計画で、半年度で申しますと黒字を幾ら出すか、とんとんにするか、こういう計画になるのであります。そういう計画達成のために、それを基礎にしたところの予算編成、つまりそういうふうな再建計画に盛られておるところの経費の予算の執行、そういうものにつきましては一々協議してもらいたい、こういうわけであります。なぜそういうことを言うかと申しますと、予算の執行ばかりではないのでありまして、往々にして予算を早食いしてしまうことがあるのであります。たとえば非常に極端な例かもしれませんが、一斉昇給というものをやります。一斉昇給でなくても、でこぼこ調整という名前において地方の職員の給与是正を勝手にやる場合があります。これは現にあるのでありますが、そういうことによって予算を早く食って執行をどんどんやってしまう。つまり四半期別に分けて予算を出しておりますが、それを早くどんどんやりまして、あと第四・四半期になると予算がなくなってしまう、ところが教育関係なら教育関係で申しますと、義務的な経費でありますから、どうしても追加しなければならない。こういう事例が起ってくるのであります。そういうことのないようにやはり予算の執行につきましては、これは四半期ごとにやることになりますが、その都度長の方とよく相談して予算の執行をしてもらいたい、こういうことを私たちは期待しておるのであります。
○川村(継)委員 今財政部長が説明してくれましたようなこともあり得ると思います。しかし私がさっき申し上げたようなことも当然起り得ると思います。そういうことは考えて間違いないと思うのです。ところが今財政部長の説明でちょっと納得いかない点は、財政部長はちょっと上の方を考えられた、ところがこの法案を見ると私にはもっと下のことが考えられる。「委員会及び委員並びに委員会の管理に属する機関は、その所掌事項のうち、」とこうありますので、非常にこまかなところにこの執行が動いておる、それを長と協議しなければならない、こういう点が書かれておりますので、私は財政部長が言ったようなことも、また予算更正等において私がさっき申し上げたようなことも、いろいろな事態が起ると思うのです。それはそういうふうに解釈して差しつかえないと思うのですがどうでしょう。
○後藤政府委員 法文の書き方はそうでありますが、これはつまり議会とか教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会、人事委員会、農業委員会、地方労働委員会、収用委員会、固定資産評価審査委員会、監査委員、こういういろいろな機関があります。その機関をまとめて法律で書きますとこういうことになるのであります。従ってそうこまがいものではなくてやはりわれわれが普通に行政委員会と称しておる類のものでございます。
○川村(継)委員 要するに執行について長に協議するというような問題、あるいは予算の更正等に当ってそういう事態が起るということは考えられる事と思うのです。その場合たとえば財政部長が例をあげましたようなことから考えましても、一つの当初予算が組まれてそれを早く給与なら給与に食ってしまう、ところがあと追加の必要が起ってくる場合に、これを忠実にやろうとするものはおそらく事前にそういう執行について打ち合せが済んでおりますので、今までのようにそういう事態は考えられないと思うのですが、私が心配するのは更正予算等をやる場合に甲乙二つのそういう委員会なら委員会があったときには、どうしてもこちらの方にもう少し予算を追加しなければならぬという事態が起る、ところが再建団体においては一つのワクがきまっておる、これは動かせないと仮定するわけです。そうするとこちらの乙なら乙の委員会の何かの費用を削ってこちらへ持ってこなければならないというような場合もあると思う。そういう場合にこの削られる方の、たとえば教育委員会なら教育委員会の方がいやだ、こう言った場合に結局またそれも一つの話し合いになる、協議が持たれる——協議はやらぬでいいのでしょうか。
○後藤政府委員 私はきまった予算の執行のことだと思ったのでありますが、おっしゃいましたような場合は予算の問題でありまして、そういうふうにするかしないかということは議会できめなければなりません。ここに書いてありますのは、議会できまったものの執行をする場合の問題なんであります。おっしゃいますような場合は議会でまずきめなければならぬ、その場合に再建計画の変更を要するかどうかという問題は、私は関係があると思うのです。再建計画の変更をかりに要しないといたしましても、その問いろいろ他の問題もあると思います。かりにそういうふうにきまった場合には、やはりこの条文によって予算の執行について協議をする、こういうふうになると思います。
○川村(継)委員 私が尋ねておることが言葉が悪いかもしれませんが、そういうような場合を想定してみたとき、今財政部長は議会がきめるとおっしゃいましたね、これはむろんそうだろうと思います。ところが議会できめる前ですよ、実際問題として財政部長こういう場合を考えていただけませんか。私がさっき言ったように、一応財政計画、再建計画に基いて当初予算ができた、ところが何か途中の事情によって私が申し上げたような事態が起る、そのときに修正するとか是正するとか、そういう費目変更等の事態が出てくる、そういうことがあると思うのですよ。それは絶対に許さないとはいえませんでしょう。もちろん大きな財政計画の根本問題に触れるようなことがあったら、また長官に願い出て許しを得なければならぬという事態も起りましょうが、そこまで行く必要がなくて、つまりそれぞれの委員会なら委員会の持っておる予算の範囲内でお互いに更正される、修正されるという場合に、その修正をしたり更生をしたりする余裕があれば、追加をしたりするような場合には、やはり委員会として——教育委員会なら教育委員会は知事なら知事と協議をする、そういうことは議会に出す前になされるわけでしょう。
○後藤政府委員 二つの場合がありますが、予算を出す前の問題というのは問題にならぬのであります。予算を出す前ということは問題にならなくて、この条文は予算を執行するのでありますから、予算がない場合には予算の配付ができないのであります。従って執行の問題は起らないのであります。しかしすでに配付になっておる予算の中で、今度は費目の変更をするということは、これは流用できるかどうかという問題になってきます。ところが教育委員会の予算と警察の予算とは款項目は全部違います。従いまして彼我の流用は全然できません。しかし教育予算の中で多少の流用というのはあり得るかもしれません。その場合の教育委員会の中の多少の流用というのは、やはり予算の執行ということになって協議を要すると私は考えます。
○川村(継)委員 私の尋ねておる言葉がちょっと悪かったかもしれませんが、一応それはこの問題に関係ないと私は考えておらなかったのです。直接部長が言っておるような観点から、違っておれば、もう少しお聞きしたいのです。では今教育委員会の問題を一つ考えた場合に、教育委員会の中でいろいろの予算項目がある、その場合にこういう事態が結局考えられますね。今某県で初めに職員の一入当りの旅費単価を四千円と組んでありました。ところが何かの事態によってそれではやっていけなくなった、そこでこれを三千円なら三千円にどうしても削減しなければならないような面が予算執行上出てきた、そういう場合に、おそらく委員会として初めから長に協議をしないでしょう。おそらくそういう事態は長から委員会に対して協議があると思う、話し合いがあると思う。その場合に委員会がそれはいやだ、こう言ったような場合、協議をしてととのわなかった最悪の場合に、おれは初め四千円ちゃんともらったのだから、いかなる事態が起きてもそれでやっていく、これは非常に悪い考え方なのですけれども、そういうことが起り得ることも想像できる。話が不調に終った、そういう場合、教育委員会は委員会の権限でやっていけると部長はお考えですか。
○後藤政府委員 その場合にはおそらくまず予算の更正という問題が一つ起ってくるのじゃないか、非常に大きな予算でありますから、予算更正をするかしないか、県会を開いてきめる、それができない場合に実行予算でやっていくという場合があると思います。これがお尋ねの場合だと思います。実行予算でやっていく場合もやはり四半期ごとに予算を執行して参りますから、その場合もやはり協議をしてもらいたい、その場合に長としては他の部局との関係がありますから、できるだけ努力をいたしまして、協議がととのうようにする、どうしてもととのわない場合にどうするかという問題になりますと、先ほど私がお答えいたしましたように、それはやむを得ぬという結果になるかもしれないということを申し上げるわけであります。
○川村(継)委員 こういうことがあってはなりませんけれども、しかし実際問題としてわれわれが知っている範囲で、各県にそういう事態は、こういう法律がなくても、今までよく行われております事例なんです。そういう場合に、いやだといって実行してもやむを得ないということになりましても、実際はやれない。現金を出してくれなければ、予算の執行権があってもやっていけないといったようなことは、結局われわれが一番心配するような知事が教育委員会の予算執行に対して干渉するという結果になるのじゃないですか。
○後藤政府委員 そういう場合に干渉という言葉がいいかどうか、私は干渉ではなくて、協力を得られなかったということではないかと思います。協力してもらうかどうかという問題でありますから、干渉とはちょっと言えないのじゃないかと考えます。
○川村(継)委員 今私は非常に卑近な例で言ったので財政部長の胸にぴんと来ないと思うのですが、そういうような事態がより以上に起きてくる。そうすると、きょう午前中に文教委員会との合同審査においていろいろ各委員から教育委員会等を中心にして長官に質疑があった、そのときに長官はそういうことは絶対ない、そういうことは考えてもいない、また法案にはそういうことはない、こう言っておられましたけれども、この第八条というのは、私が今お尋ねしているように、例は非常に不適当な例であったかもしれませんけれども、結局これは拡大解釈されて知事、いわゆる首長の権限が教育委員会なら教育委員会の持っている独自の権限の中に大きく入り込んでくるというようなことになるおそれがあるのじゃないかと思うのですが、それについて長官のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○川島国務大臣 先ほど来川村さんと財政部長との質疑応答をよく聞いておったのですが、もともとこの第八条の規定はお互いに協議しよう、こういうことなんでありまして、協議がととのわない場合には執行権を持っているものが予算の執行に当ろう、こういうことなんでありまして、この規定があるために長が行政委員会の方へだんだん入り込んでくるというようなことは私どもとしては想像しておらぬのでありまして、またそういうことはすべきではない、かように考えております。
○川村(継)委員 長官のお気持はよくわかります。きょうの午前中の文教委員会との合同審査の場合に各委員からいいろろ疑点になるような点をあげて長官に質疑をし、長官としてもいろいろお答え下さったわけであります。がしかし、第八条においてさっき財政部長が協議した場合に、最悪のときにそういうことがあってはなりませんけれども、ととのわない場合には委員会の権限で執行してよろしいというような解釈が出た、だから私ははっと思って驚いたのです。かりに財政部長がそう解釈されても実際問題としては私はやれないと思うのです。この法案はそういうようないろいろのおそれを持っておりますし、前の第二条とか第三条とかも関連があると考えられますので、教育委員会が持っている執行権、これは独立しておりますが、そういうような権限に対して大幅に知事なら知事の、干渉と言ったら言葉が悪いかもしれません、財政部長はあまり賛成でないようでありますけれども、押えつけと申しますか、とにかくそういうような力がぐんぐん加わっていく結果になります。大きなワクの財政計画というやつは一応きまっておりますから、そういう結果になります。長官は決して委員会等のそういう自主権というようなもの、予算の執行権というものに力が加わることはないというようなことを言っておられましたが、実際問題としてはそういう結果になるのではないか、実際問題としてはそういう結果にならないで、長の力が大きく入り込んでくる余地を残している。しかも財政計画の承認ということは自治庁長官がなさるのですから、さかのぼって考えると、長官の力が間接的に長を通じて入ってくるのじゃないか、そういうことまで考えられるのです。長官はそういうことはないと言っておられますけれども、そういう結果になります。そういうような心配を胸一ぱいせざるを得ない法文だ、こういうふうに思うのです。くどいようでございますけれども、長官に一つただしたい。
○後藤政府委員 長官の前に私から一言申し上げます。私さっきも申し上げたのでありますが、協議にするか、同意にするか、意見を聞くにするか、三つの方法が従来あるのであります。再建団体の長の同意を得なければならないということになれば、これは非常に強くなるのであります。そうすると今おっしゃるような懸念がないことはないと思います。しかし意見を聞かなければならぬということになりますと、これは非常に弱くなり、意見を聞くだけではちょっと困る。やはり相談を要する問題でありますから、私どもは協議としたのであります。話し合いをして妥協をするところがあったら妥協する、両方うまくいくようにしてもらいたい、こういう意味で協議という言葉にしたのであります。従ってわれわれは中間の考え方をとった、こういうことになるのでありまして、両方の立場を生かしていこう、こういう意味で協議という言葉を使ったという趣旨を一つ御了解願いたいと思います。
○川島国務大臣 前にもお答えいたしているように、この条文の企図しているところは、決して長の力が行政委員会に及ぼされるということではないのでありまして、どこまでも円満な話し合いでやってもらいたいという意味で、協議という文句を使ったわけであります。協議のととのわないときには執行権を持っている方が予算の執行をするのだということは、午前中の連合審査会でもお答え申し上げている通りであります。その通りに実行することが法律の精神であります。
○川村(継)委員 長官の今おっしゃっておられる気持はわかるわけなんです。昨日ですか一昨日ですかも、長官は、委員会の問題を一つの例として私がお聞きした場合に、もちろん直接委員会の権限に干渉する考えは毛頭ない、間接的にもそういうことはない、こういう答弁をなさっておられます。長官のお気持はそうだと思います。ところがこの法文の内容から考え、また現実の各地方団体あるいは長との関係等を考えると、今私がお尋ねしているような心配が出てくるわけです。このことはまたあとの法文にも関係する問題でありますから、今長官がおっしゃった言葉は、あるいはもっとあとでまたお聞きするかもしれませんが、一応そのままお聞きしておきたいと思います。
○北山委員 十一条までの間は二、三点残った点がありますので、大急ぎで質問したいと思います。 まず第十条ですが、十条をひっくるめて、このような事務局等の組織の簡素化ということを再建計画の中に定めるように書いてありますが、こういうような計画を再建計画の中に入れるか入れないかということは、その団体の自由である、これは当然であろうと思いますが、そう了解してよろしゅうございますか。どうしても入れなければならぬという事項であるか、これは無理に入れなくてもいいというような事項であるか。
○後藤政府委員 これを入れるか入れないかはその団体できめたらいいと思っております。これは自由であります。
○北山委員 それからその前の九条の二項ですが、府県の教育委員会が市町村教育委員会に対して、再建のために必要と認める一般的の指示を与える、こういうことは直接財政再建上どういうふうな必要があるか、必ずしもこういうことをしなくともよいのじゃないか。財政上には直接こういうふうな一般的な指示をやる必要もなかろうと思うのでありますが、どういう点において必要があるかということを具体的にお答えを願いたい。
○後藤政府委員 九条の2でありますが、給与に関しては県の条例がありますが、市町村の教育委員会におきまして個々の教育職員を任命する場合に、それのどこにはめていくかということが問題なのであります。具体的に発令行為をどういう方針でやるかということは問題でありまして、必ずしも県の給与条例に合わない場合もあるのであります。従ってこういう場合にはこういう人は初任給は大体このくらいであるというふうな一般的指示をすることは、県の条例に基いて県の教育委員会はやはりなした方が、県内の各市町村の発令行為がうまく行くというのが従来の例でありまして、従来こういうことはやっておるのであります。やっておりますが、別に法律的の根拠がなくてやっておりますので、従来やっておりますのを法律的根拠を与えて指示をさせよう、こういうことでございます。たまたまその府県によりまして、今私が申しましたように、勝手に初任給を多くしたり何かして、県の教育委員会としては、きまったものは義務費でありますから、その給与の支払いをしなければならないというので、全体的に見ますと、非常にアンバランスの給与水準ができていくというようなことがあり得るのであります。
○北山委員 それから十一条でありますが、これは非常に重大な規定であります。先ほど来の長官のお話を聞いておりますと、財政再建団体がその再建計画というものをスムーズに運ぶためには、関係の機関がそれぞれ協力をしなければならない、お互いに話し合いで物事をやろう、こういう趣旨、こういう気持で答弁されておりますけれども、もしもそうであるならば、やはり再建計画をスタートする場合において、これが融和していかなければ、そのときに対立をしておったのでは、その後の執行において融和する時期がないのじゃないか。従って、決定するときには対立してもよろしい、しかしその後の執行については融和するのだという先ほどの長官の答弁は、まことにもって矛盾した答弁ではないか、私は率直にそう思ったのでありますが、どうでありましょうか。やはり初めにけんかをしないで、計画を作るときに、できれば関係機関が納得して慎重にやる。長い間の初めの第一歩ですから、そのときにみなが了解し得るような形式をとることが一番大事である。むしろその後の執行については、初めお互いに了解した計画によって進んだならば、これが円滑に行くのであって、長官のお話は逆だと思います。そこで私は十一条に対して非常に疑問を持つわけであります。一つ私の疑問に対してお答えを願いたいと思います。
○川島国務大臣 もちろん再建計画を作るにつきましては、議会と長がお互いに融和して、完全な一致のもとに作ることを私は希望もし、期待もいたしておるわけであります。万一意見が対立した場合にどうするのか、こういう問題が起るのであります。昨日でしたか、確か門司さんの御質問だったと思うのですが、こういうことは住民の意思を聞いてやるべきではないか、議会と長だけできめないで、住民の意思を聞いてやる方がいいではないか、決定した後に公示するのは不都合ではないか、こういう御議論もありまして、これも一つの御議論だと私は承わったのでありまするけれども、もしも赤字団体が再建計画を立てようとして長と議会と意思が一致しなかった場合には、住民の意思を聞くということも必要だと思うのであります。意思が一致していれば、しいて住民投票によって住民の意思を聞く必要はないのであります。けれども、長と議会との間の意思が相反した場合には、一応住民の意向を聞く、これが必要ではないかと思うのであります。これが十一条のいろいろな規定を設けた根本の考え方であります。
○北山委員 しかし、長い間この委員会でも再建計画の決定についてはその団体の自主性を重んずるということを何回も言っておられる。その自主的な意思を決定するのには、やはり通常の議会なり長の関係において慎重な手続でもって決定させるのが当然でなかろうか。こういうような規定をわざわざ置くということは、議会側の方で反対があるだろうということを初めから想定して、それに対しては解散権なりそういうものをもってもう一か八か早くきめさせるという、むしろ長官の今までのお言葉とは相矛盾するような規定がここに載っておるので、私は、でき得るならば、この規定をはずして、あらためて出直していただきたいとすら思うのでございます。ですから再々長官の説明とこの法文の内容とは非常に矛盾しておるということを私了解するのですが、そう考えるのは間違いでございますか。
○川島国務大臣 長の意想と議会の意思とが互いに食い違いまして、再建ができないというようなことは避くべきことでありまして、その場合には一応住民の意思を聞こう、それによって決定しようとするのが、十一条を作りました精神なんであります。この程度の規定はほんとうに再建をやるには必要ではないか、こういうふうに考えるわけであります。
○北山委員 しかし赤字が出ておるということは、事柄の性質は単純なことなんです。これをどういうふうにしてやるかということは、金の問題ですから、財源措置をしてくれるならば、一番簡単なんです。事柄の性質はそうめんどうくさい問題でない。できるならば借金でもすれば、もうこれで解決するのであります。赤字ということはその状態としては重大だかもしれませんが、性質としては単純な問題でありますから、それについて住民の意思を問うなどということは、手続としても私は行き過ぎじゃないかと思う。住民の意思を問うてみたところで、どういう結果が出てくるか。新しい長が出てきても、やはりこの規定でワクをはめられた再建計画をまた出さなければならぬ。同じような結果ではないか。かりにこの十一条によって不信任の議決があったものとみなして、その長が辞職したとするならば、新しい長が出てきても、その首長もやはり同じようなコースをたどらざるを得ない。別に新しい方法は生まれてこないでしょう。そういたしますれば、選挙して、その長を取りかえるだけで、何も問題の解決にならない。そういうことを考えるならば、無意味な規定である、むしろ長官の御意思とは逆行する規定ではなかろうか、こういうふうに言わざるを得ないのでありますが、いかがでございますか。
○川島国務大臣 これは北山さんと私の意見の分れるところでありまして、御意見は相当理由のあることとも考えるのであります。この点につきましては御意見としてつつしんで拝聴いたしておきます。
○北山委員 意見は分れてないようです。先ほどからの長官の御意思が、もしもほんとうの御意思であるとすれば、私と長官とは意見は分れていない。やはり再建計画を作ることは慎重にして、その団体の自主的な決定でやらせるというのですから、これは私大賛成です。ところが、この規定については、どうもその長官の意思と、また同様に私の意思とも相反しているのではないか、こういうことですから、一つこの十一条の評価についてお伺いしたい。
○川島国務大臣 十一条の関係について、北山さんと私と意見が食い違っておりますが、北山さんの言うこともごもっともな点もありますから、御意見として拝聴しておきます。こういうことを御答弁として申し上げておるわけであります。
○北山委員 そういうふうに言われてはしようがございません。(笑声)ところで、この内容の中に議案について否決をしたときとか何とかいうことがありますが、修正議決をする場合もあるのではないか、修正をして議会の方で議決をしたというような場合にはどういうことになりますか。
○後藤政府委員 修正議決というのは別にこの規定の問題ではなくしてあり得ると私どもは考えております。
○北山委員 そうすると修正議決というものを不信任の議決と認めるか認めないかということは、どういうところでわかりますか。
○後藤政府委員 議会が修正をした議決を、理事者の方でそれに承認を与えれば、それでいいのであります。別にこの不信任の問題は起ってこないと私どもは考えております。
○北山委員 大体終りたいと思いますが、先ほど申し上げたように、この規定を適用して、再建関係の議決問題で意見が分かれて、議案が否決になった、そこで不信任だということで解散をする、新しい選挙をやり直す、新しい議会か生まれてくる、そういう場合とか、あるいは首長の方がひっ込んで新しい首長が生まれてくる、そういう場合に、この当該赤字団体の赤字再建の方途に、何か新しい道がそこで生まれてくるわけですか。それとも、そういう場合でもこの団体の赤字再建の方途については、別段大したプラスにもならないということだけはお認めになりますか。
○後藤政府委員 私は、その団体自体が計画を立ててくるのでありますから、その団体の前の計画と変った計画が出てくる場合もあり得ると思います。従って新しい首長が新しい計画を立てて、もう一度やはり議会にかけてその承認を求める、こういう場合も考えられますので、あとそのままの状態が続くとは私は考えません。
○北山委員 先ほどの再建計画の内容の問題でありますが、これはやはり私は重大な問題だと思うのです。非常に大ざっぱなお話でもあり、ある部分、たとえば第十条などを見ると非常にこまかい部分の内容を含んでおる計画のようにも見える。だから、その再建計画なるものの内容がどうなるかということはどうもさっぱりつかめないのです。従って私は自治庁の方でこの再建計画の基本方針やら何やら、そういうものに盛られる大体のひな型というか事項、項目というものをある程度お示しにならなければいけないのじゃないか。そうでないと先ほど来盛んに論議した疑問がいつまでも残ってくるわけであります。ですから、その点は明らかにしていただきたいと思うのであります。また同時に、きょうは文部大臣、それから警察庁長官との関係について意見を伺ったのでありますが、やはり私は釈然としないものがある。警察庁長官はあれで引き下っていきましたけれども、あとで文句を言うかもしれない良識を期待しておるのでありますが、どうもその点に割り切れないものがあるのであります。そこで明日でもいいですから、事業官庁である、特に関係の深い建設、農林、厚生等の大臣に来ていただいて、この関係をやはり確かめておく必要がありますので、委員長はその措置をおとりいただきたいと思います。
○加賀田委員長代理 承知いたしました。
○川島国務大臣 再建計画の内容につきましては数回お答えしたのでありますが、まず財政再建の基本方針というものをきめてもらいます。そしてその一つは、財政再建の期間をきめることであります。第二は、財政再建の実施方針としまして歳入の増収確保に関する措置、それから次は歳出の抑制節減に関する措置、次は組織の合理化、その他財政再建の促進に関する措置、こういう大体の基本構想を作ってもらいまして、これに付随して地方に大むね七カ年間の収支計画を作らせるのでありまして、元々この計画を作らせる目的は七カ年間に再建債の元利償却をいたしまして、七カ年後には全く赤字のない健全な財政状態にするということが趣意なのであります。従いまして、今から五、六年から七年先の事業を推定して事業計画の中に織り込むことはできないのでありますから、きわめて大まかに歳出についても歳入についても書かせるだけであります。従いまして、条文には補助金、負担金等を出す場合には主管の省庁と協議をすることになっておりますけれども、そういうことはごくまれな場合に限るのでありまして、先ほども申し上げたのでありますが、たとえば愛知用水のような事柄は、これは数年間にわたる事業であります。幾年間に愛知県なり地元なりが愛知用水を使われた費用を償還していくかというようなことは、かりに愛知県が再建団体になれば当然これは考えなければならぬ事柄でありますから、そういう点につきましては協議をするのでありますけれども、大体再建計画に盛られた事柄は各省で協議する内容ではないのでありまして、たとえば警察の問題につきましても、警察費は幾らということは出ておらないのでありますから、警察庁長官と私の方と協議しようと思ってもそういう材料は出てこないのであります。各省に対してみなそうでありますから、各省との問題について特に意見が違っておるということはないのでありまして、この点は完全に意見が一致しておるわけであります。
○北山委員 長官の詳細な御答弁でありますけれども、けさほど文部大臣は、やはり文部省の事務当局はそう考えておらぬというような発言がありました。それから先ほどの警察庁長官の答弁もあとは自治庁の良識に訴えておるのだというようなどうもあと味の悪い答弁でありましたから、自治庁長官の御答弁がそうであっても、私は関係の官庁としてはまだいろいろそこに問題があろうかと思います。従ってやはり関係大臣に来ていただきまして、その点を確かめませんとあとでごたごたが起るわけです。ごたごたが起ると政府自体が困るんですよ。というのは、再建計画をこの法律によって各団体がかりに出す、出した場合に、今度は自治庁長官は、これはもう協議をする必要がないという、ところが建設大臣や警察庁長官は協議をしようという、そうしてごたごたしておれば承認が遅れてしまう。そのときには政府の醜態ということになる。従ってその間の関係は明確にしておかなければならない。これは政府としてのやはり当然の責任であろうかと思います。 それからもう一つは、今度は逆な場合に、一応大臣はそうお認めになってもあとで関係大臣の方から、いやこういうような明確な資料にしてもらいたい、こういう資料を出してくれなければ、この三条の二のいわゆる補助金あるいは負担金がかかる事業に関係するものは再建計画で出すことになっているんだから、協議してくれということを要望された場合に、そうですかと言って今度はそういう再建計画を出せということに今度はなってきますと、先ほど来の御答弁とは非常に食い違ってくる結果になる。そこで私はこういう二つの疑念からいたしまして、この問題についてははっきりしておかなけばならぬ、こういう意味でございます。お言葉を信用しないわけではございませんが、やはり関係官庁の方の言葉が多少そこに食い違いのニュアンスがありますので、その点は確かめておきたい、こういう意味でございます。
○後藤政府委員 この問題につきましては前に申しましたがもう少し詳しく申し上げます。これは実は次官会議に別な案で出したのであります。これは意見を求めるという関係で出したのでありますが、次官会議で事業官庁の方から問題が出てきまして、一応保留になりまして、そうしてもう一度建設、農林と話し合いをいたしましてきめた線であります。その線をやはり各庁に連絡をいたしまして、そしてもう一度案を作り直しまして、そうしてそこに出しましてきめたのでありまして、事業官庁とは完全に話し合いがついておりますから、はっきり——たとえば私ども農林次官のところに首脳部が参りまして話をきめたのであります。そのときの例も今まで申し上げたような例を向うが言っておりますので、その例を私どもは申し上げているのであります。文部省との間の問題は私どもは事業について再建計画というものはそういうもんじゃなくて抽象的なものであるからという説明もしておりますし、何かの手違いでああいう答弁をなさったのではないか、かように私ども考えております。ただ完全に関係がないというのではなくて、やはりその再建計画の中にその文部省関係の事業で載っておるものが出てきた場合には、やはり私どもは協議をしなければならない、こういうふうに考えておりますけれども、学校関係以外ではちょっと考えられないのではないか。従って市町村の再建計画の場合は考えられますけれども、府県の場合にはちょっと考えられない。府県立の学校等はやはり単独の事業でありますから、ちょっと考えられないんじゃないか、かように考えておるのであります。
○北山委員 お言葉を疑うわけではないのですが、とにかく今日呼んだ文部大臣とそれから警察庁長官はお話しのようにぴたっと各関係閣僚が、各省各庁が意見が一致しているならばああいう答弁はなさらぬはずなんです。ところが二人呼んだのですが、それがそれぞれ少し食い違いがあるような答弁をしておるから、そこで私の方としてはやはりこの委員会にほかの関係閣僚も呼んで聞かなければならない。これだけのことでございます。
○川島国務大臣 文部大臣はおそらく自治庁でどういう程度の財政再建計画を作るかということを知らなかったんではないかと思うのであります。私からよく説明して言い聞かしておきます。
○北山委員 それが問題なんです。三条の二項だけの内容ではそういう問題になる点はほとんどない。表現はきわめて常識的に、これならばおそらく関係官庁がみな納得するでしょう。問題はその再建計画の内容がどの程度になるか、どの場合に自分たちが相談にあずかるか、そういうようなことの関係がわからなければ賛成してしまうのです。だから自治庁の長官は、関係各事業官庁がわからなければよく申し聞かせますというが、その申し聞かせが問題だと思う。むしろこちらに呼んできて、私らの方から申し聞かせた方がいいと思いますので、そのように願います。
○川島国務大臣 これは毎度申し上げております通り、ごく大まかな七カ年間にわたる計画書を作るのでありまして、各省ごとの項目は出ていないのでありますから、食い違うことがないのですが、どうも北山さんが無理に食い違わせようと思えば食い違いますが、絶対に食い違わないわけであります。
○中井委員 どうもだいぶ時間もたちましてお疲れでもございましょうが、私の質問は簡単でございますから、ごしんぼうを願いたいと思います。 四、五日留守をいたしておりましたので、一条から五条までのこと、あるいは総括のことを抜かしまして何ですが、委員会のきめの通り六条から十一条までですか、お尋ねをいたしたいと思います。 まず第六条でございますが、これは私としましてはまことに当然のことでもありまするし、こうやってわざわざ法律にお書きになってやるほど——別にあってもなくてもいいことなのでございますが、こういう六条の条文とそれから七条、八条、九条あるいはその他の条文との間があまりにどうも隔たりが多過ぎると思うのです。基本的なことをお尋ねするわけでありますが、地方財政再建整備法案というものは、結局は国がどれだけそれについて補償をいたしていくか、それが一方にうたわれている。それについて、その返しとして、適当な報告もとって、あるいは年度の途中において監督もされる、指示も与える、これもまた当然であろうかと思うのであります。しかしそれかといって急にこまかいところまで特に入っておるような感が中に見えますので、どうもその辺に私は何かすっきりしないものがあるように思うのでございます。地方にも責任はございます。われわれは皆さんと違いましてこの地方財政の赤字については国の責任の方が多いと思っております。けさもパーセンテージの数字がありましたけれども、そういうことはとにかくとしまして、多いと思いますが、それについて、ない財布から百五十億、あるいはさらに五十億、三十億、二百三十億ばかりの赤字の起債これも実質は大したことはありませんし、また起債の利子補給について七千五百万円、これが今度のこの法案の裏にあるものであります。その裏にあるものを法案に出して参りましたときにそれをそのままずっと書き流していただいておけばよかったのではないかと思いますので、この六条のような条文をお作りになるならば全部こういうようなことで納めていただけなかったのか、なぜ七条とか八条とか九条とか、こまかい規定までお作りになるのか、この辺のところ、大臣のお気持をまず伺ってみたいと思います。
○川島国務大臣 中井さんの御質問の趣意は、六条の精神でやれば、あと七条、八条、九条は要らぬじゃないか、こういうふうにお聞き取りしたのですが、そういう御質問でありますと、私は中井さんとは違った考えでありまして、やはり忠実に再建計画を実行させるためには、やはりいろいろな点におきまして制約を加える必要がある。それがために七条、八条、九条も要るのであります。六条自体はほとんど当然のことを書いたのでありまして、無用な条文だという説も先ほどお話しが出ました。あるいはそうかもしれませんが、当然のことでありましても一応再建団体に協力しなければならぬということをうたうことは法文としても適当ではないか、こう考えて六条を設けたのでありまして、ただ概括的に大まかな六条だけでもって、あとは自主的にやったらよかろうといいましても、せっかく立てた再起計画がなかなか実施できないのでありますから、それを忠実に実行させる意味から申し上げても、いろいろな点におきまして制約を加える必要があると考えて作った条文でございます。
○中井委員 一応ごもっともなような御説明ですが、それでは先ほどからのお話と少し矛盾するように思うのであります。再建計画は非常に大まかなものを出させて、それで行くのだ——私はそのことについては反対ではありません。けっこうであります。大まかなことでやる限りば、その内容において、たとえば七カ年計画でこうやる、そうしてそれに違反をした場合には大いに追及されていいでしょう。これも理論的には追及をいたしますのは、その他の住民であろうと思います。この四条ですか、これは非常に重要な意味を持っている。住民に公表しなければならないということは、その地方の長や議会にとりましては非常に痛いといいますか、こうまでやらねばならぬのかというふうな重要な法文であると思う。こういう問題がこのように五つ、六つ並んでおりましたならば、あとのことをこまかくそこまで言うということは、どうも皆さんの先ほどの御説明と首尾一貫しないように思うのです。 こまかくなりますけれども、第七条でありますが、こういうものは、何か事業をやりまするために関係のものに通知しなければならない、たとえば建設省が国道に橋をかける、地元に負担をかけるというときには、連絡をしなければならぬ、こういうことでありましょうが、こういうことは現在でも事務的な問題でできることであって、何も法律を作らなくても、これは政府内部の行政措置だから、当然やらなければならぬことであると思うのです。次官会議、次官会議と先ほどからお話もありましたが、次官会議くらいの申し合せでけっこうやっていけるのに、なぜこういうものまでわざわざ法律を作っていかなければならぬのか、私はこういうことをお聞きしているのです。もっと赤字団体については——これは赤字団体それ自身の責任もありましょうけれども、大局的に見まして、四十五府県のうち三十九まで赤字であるというのでありますから、基本的にはやはりこれについて何か財源の措置をしてやる、この法案については大臣も御承知のように、どこでも知事も、府県も、住民も、職員も、全部不満であります。だが、まあ何とか通してくれと私たちに言ってきております。なぜだ、ないよりましだと言うのです。この法案はとにかく金をくれるんだから、ないよりましだということを率直には言っておるのであります。そこで私は再建整備法案については、そこまで入らずに、政府内部の問題として話し合いで片づけていける問題だと思うのであります。こういうことをやりますると、またこれに籍口して事務が複雑になるであろうというような感じを持つわけであります。もちろん御案内の通り、計画をあなた方のところへ出して承認をして、毎年毎年その結果を公表するというのでありまするから、その途中において失敗をした、その計画通り決算は行ってなかったということになれば、今後は公表しなければならぬのですから、重大問題として住民が黙っておらぬと思うのであります。こういうところまでこまかく手続をきめるということは、どうも行き過ぎると思ってお尋ねをしたのであります。どうしても第七条は法律でないといけませんか。
○川島国務大臣 この法案に対しまして、各方面から不満があるということはお説の通りであります。いずれも自分のなわ張りを守って一歩も入れない、こういう態度があると不満が起るのでありまして、この点は自治法の改正でも私は痛感するのでありまして、不満の主張が全部悪いとは言いませんけれども、とにかく赤字に悩んでいる地方財政を立て直すのでありますから、多少とも各方面で犠牲を払ってもらわなければできないのでありまして、はたは犠牲を払っても、おれは払わないのだという態度を各方面が持っておったのでは、赤字の解決は結局できないのであります。不満の声は私いろいろ聞きますけれども、いずれもただ自分の立場だけを守る不満でありまして、それに対して建設的な意見があるかというと、建設的な意見をほとんど聞かないのであります。多少の不満のあるところにこの法案の必要性もある、半面にはこういえるのではないかと考えるのであります。第七条の問題は政府部内の問題でありまして、政府部内でも自分自身を縛っていこう、このくらいまでやろうという気持を現わしておる条文でありまして、こういうことは中井さんのお考えからいえば、必要ないと言われるかもしれませんが、政府自身がまずお互いに自粛していこうじゃないかという一つの現われだ、こういうふうにお考え願いたいのであります。条文の解釈の問題ではなしに、こういう条文を置くということはそういう気持であるということを、一つ御了解願いたいと思うのであります。
○中井委員 今の最初の御答弁でありますが、知事会は知事会だけのことを言うておる。議長会は議長会だけのことを言うておる。これはおっしゃる通り、これまで過去数年間の日本の内政の一つの欠点でありました。 〔加賀田委員長代理退席、委員長着席〕 しかしながら今度の法案に対する不満はそれだけではありません。そういうものは私は取捨選択をいたしております。どうも中を読んでみると、非常にむずかしいことが書いてある。こういうこともわれわれにまかしてくれないか、自分たちはこれほどまじめにやっておるつもりである、何とか方法があったら教えてくれという嘆願をしてきておる人もあります。そういう悪味からいって、どうもこういうものはこまか過ぎる。こんなものは一つ政府は自分でもっとおおらかな気持で——出してくれる金は少いものである。起債を認めるといいますけれども、これまである一時借入金の立てかえその他に政府がただ判を押すだけです。それが百五十億ですから、大したことはないのであります。そこで内容は貧弱で、法文だけはものものしいというのは、これは一般論としていえるように思うのであります。そこで先ほど申し上げましたように、あの政府が今考えておる計画を、そのままずっと法律で書き流していただいたらよかったのじゃないか。今この段階で、六百億の赤字である、それ機構改革をしなければどうしてもいけないというふうなことは、皆さんが逆にいえばあまりに正直過ぎると私は思う。先ほど言いましたようないろいろな陳情がありましょう。その陳情は全部人に籍口して言っております。知事会は議会がうるさい、議会は何がどうだ、そういうものに引っぱられてはなりません。私はもっとあの人たち全体を総合的によく判断をして、自治の振興のために努力をしてくれ、もう一度そう言うて追い帰してもまだいい段階だというふうに考えておりますので、お尋ねをいたしたのであります。特に今の後段の回答は、政府自身も法で縛るくらいの決心だと言われましたが、これは裏から見ますと、やはり今の歴代の政府各省間の連絡がうまくつかない。いわゆる責任内閣制で新しい民主憲法で来ましたにもかかわりませず、いつもその辺の割拠主義がぶちこわせないというところに、また原因があると思うのでありまして、あえて法律を要せずとも、その辺の皆さんの御努力によって私は解決できる問題であろうかと、かようにも思いますので、お尋ねしたわけでありますが、今の御答弁の裏にやはりそういうものは私はあると考えるのであります。そこで第八条でありまするが、これもやはり同じような考え方で私は皆さんに御質問申し上げたいのです。財政計画がきまりまして、七カ年でありますか、三年で償還することもありましょうし、二年のときもありましょうが、きまりまして、その線に沿って予算を組む、これもこの中にあります。予算を組んで成立をする。成立したものを予算外支出とか赤字を出すとかいうことは私はあまり考えられない。それを途中においてさらに協議をしようということはどんなものでしょうか。こういう必要がありましたならば、私は今でも地方団体によっては、やっておるところがあると思います。現に私も知っておりますが、非常に窮屈であるので、予算は成立したが、実際の内達は八割で行くとかあるいは四分の一ずつ内達をするとか、そういうことをやっておるところもあると思いまするが、わざわざ八条で「あらかじめ、当該財政再建団体の長に協議しなければならない。」というふうな窮屈なことをするよりも、予算はその線できておるのですから、その通りにやらして、決算になったときには猛烈な批判を加えていくというような形でいくべきじゃないかと思うのです。どうも事務の簡素化、事務の簡素化ということをおっしゃるが、こういうことをすると仕事がいたずらにふえるだけじゃないかと私は思うのです。特にこの第八条について何かねらいがありましたら、これは後藤さんあなた御専門ですが、どういう点に特にねらいがあるのか、一つお聞かせいただきたいと思います。
○後藤政府委員 先ほども申し上げたのでありますが、今お話がありました予算外の義務負担を勝手にそれぞれの委員会でやってある工事を起す。そうしてそれを強制的にあとから結果的には予算に組ませる。それからまた長には全然相談をしないで昇任とか昇格をやる。そうしてあと義務的な費用でありますから持ち込んできて払わせる。こういうことが間々あるのであります。そういうことになりますと、お話のように決算の結果それを究明したらいいじゃないかというお話もありますが、しかし私どもは決算まで至らないうちに、それを防止する方法を考えなければならぬのであります。従って予算執行に当っては再建計画を基礎にした予算でありますから、その予算の執行につきまして大体四半期ごとに予算の執行はやっておりますが、それぞれ協議をしてやってもらいたい。それから予算執行以外の政令で定める事項と申しますのは、先ほど申しました義務負担でありますとか、そのほか学校の新設でありますとか、昇任昇格の一般的な方針等について、やはり勝手に出されると、あと義務負担で困るから、あらかじめ協議をしてもらいたい、こういうのでありまして、未然にその穴を防ごう、こういう意味なのであります。
○中井委員 異なことを伺う。それではこれまでの全国の自治体は、予算にない経費をどんどん支出をいたしておったのですか。
○後藤政府委員 これは委員会の問題でありまして、お話の県の場合も私は知っております。県によりましては予算外義務負担の格好で工事を請負わせ、どんどん工事を始めて、あとで追加予算をする。そのときには予算を追加せざるを得ないのです、工事ができ上っておりますから。そういう格好で赤字が膨張した県もやはりございます。
○中井委員 今のはどうですか、具体的にどこのどういう工事があるかお示しをいただきませんと、私ども解釈する上にちょっと困るのです。
○後藤政府委員 具体的に県名を申すことは差し控えたいのですが、そういう県がありますので、私ども予算の立て方をやかましく言っておりまして、最近ではやめております。しかし従来数年にわたってそういうことをやったために、それが一つの大きな赤字の原因になっておるという県が事実ございます。
○中井委員 後藤さんは上手な答弁をなさっておられますけれども、そういう事態がもしありとすれば、私は具体的に伺えばほかにも原因があろうかと思われる節があるものですからお尋ねをしたのです。といいますのは、過去四、五年の間、日本の政府そのものの予算の編成、予算の成立が非常におくれるので、地方は予算の組みようがないのです。たとえば三月に昭和三十年度の予算を組めといったって、ことしの予算はこの間成立したようなわけです。平衡交付金は幾らもらえるかわけがわからない。法律だけはどんどん出てくるというふうな過去五、六年の非常に変態的な財政の姿において現われたものであろうと思うのですが、その辺との関係について、もうちょっとお答え願えないでしょうか。
○後藤政府委員 私が今申し上げました県の場合は、災害でそういうことがあり得るわけであります。災害の場合に非常に急ぎまして、予算外の義務負担の格好で災害の復旧工事をやる、そういうやむを得ない場合があると思います。そういうことから、ついでにと申しますか、同じような方式でもって一般の単独事業をやるというようなことが、県の場合には間々あるのであります。従ってそういうことのないようには注意はいたしておりますが、しかしこの第八条の問題というのは、県の問題でなくて、委員会の問題であります。委員会にはそういうことはないと私は思っておりますが、あるかもしれませんので、そういう場合も含めた一般的な政令で定める事項の執行につきましては、一応の協議をしてもらいたい、こういうふうにいたしたいと考えておるのであります。
○中井委員 どうも後藤さんの説明ではよくわからないのですが、今の御答弁は何も再建整備に関係なしに、一般の地方自治を運営する面において、もうそんなものは問題にならない施策であろうと思うのです。——そうでしょう。それを特にこういう第八条でうたうようなことはどうでしょうか。一般的なものとして、これは行政措置できびしく皆さんから勧告があるべきでありまするし、またその点について住民あたりも大いに批判ののろしを上ぐべきものであると思うのですが、どうも特に第八条において、皆さんの先ほどの話にもどりますけれども、再建整備の計画は非常におおまかなものであって、大綱をなす。その線に沿って予算をまじめに組んでいくというふうな形が非常にいいと思うのです。そうしておきながら、一方で裏からこういうふうな第七条、第八条というようなものをどんどん出していく。そうするとどうも非常に事務が煩瑣になるというふうに思えますのでお尋ねするのですが、どうしてもこういうものはおかねばなりませんか。もっと結論をいいますと、私はこういうのは削りたいのです。削っていってもやっていけると考えておるのですが、どうしてもやっていけないのですか。
○後藤政府委員 通常の場合には、それぞれやはり協議をいたしておりまして、私はやっていけると思っております。ところが再建団体と各種の委員会との間で話し合いがうまくいっている団体ばかりではございません。そういう場合に委員会等でどんどん予算の執行をやってしまいますと、どうしても義務的な経費が多いために穴があいて参ります場合には、これを補填しなければならないという結果が起きて参ります。従ってそういうふうなことが起らないようにあらかじめ予算の執行等につきまして協議をさせたらどうか。そういう場合に委員会と長との間で相談をする形式が三つばかりある。意見を聞く場合と同意を得る場合と協議する場合の三つの方式があるのですが、その中間の協議の方式が両方の自主性を生かす意味において適当ではないか、こういう意味で協議という方式をとったのであります。
○中井委員 形式は三つあると申されますが、現実の問題では、どうも意見を聞くとか協議をするとかいうことよりも、とにかく再建整備計画を立てたら、その範囲内でまじめな予算を組む、そうして予算以外のものはやらない、私はこういうように簡単明瞭に行った方が、非常にわかりやすくて通りがいいと思いましたのでお尋ねをしたのであります。あんまりこまかい規定を作ると、またその規定の逆をとられて頼み込まれたり、予算を組んで承認を得たら、また年度の途中でそれを直さなければならぬということができて参ると思うのです。そういう意味でお尋ねをいたしました。 それから第十条につきましては、先ほどから、いろいろと御質問がありましたから、私は省略をいたしますけれども、例の地方自治法の百五十八条の二、知事が自分の意見によって適当に修正することができる。あの条文は私は非常にけっこうな条文だろうと思うのでありますが、そういうものでやれませんのですか、わざわざこういうものを作らないと……。百五十八条の二「都道府県知事は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、条例で、局部の名称若しくはその分掌する事務を変更し、又は局部の数を増減することができる。」こうちゃんとありますね。第二条九項、十項の規定の趣旨に適合し、これはきっと住民の福祉や何かをあまりひどく制限するようなことはしてはいかぬというようなことだろうと思いますが、他の都道府県の部局の組織との間の均衡を失しない、このようなものは、この地方再建整備法案の対象となるような非常に困っておる府県にとりましては、常識で考えて、必要があると認めたときに入るわけであります。十条の一はそれであります。 それから二につきましては、わざわざと申し入れがあればやれるようになっておる——地方自治法は私は非常によくできておると思う。それをさらにけしかけるようなこんなことをしなくても、再建整備法案を作るときには、こんなになったので一つ申し入れておけや、よろしい、というふうな自治体でなければ、何ぼ法律で縛ったってできやしませんよ。私はなぜわざわざこんなこまかいところまで急に入ってきたか、それがどうも疑問なんです。先ほどの御答弁の中にもあったが、皆さんの頭の中には、全国にたくさんあるうちの一、二の県で問題になったことを非常に大きく感じられて、民主主義の基本的なルールといいますか、そういうものをちょっと踏みはずしてもよかろうというような気持がある。これは私は非常に危険だと思いますから、お尋ねをするわけであります。
○後藤政府委員 十条の第一項の規定でございますが、これはお話の通り、自治法におきましても、やはり知事部局の減少は現在もやっておりますし、できるのであります。しかしこの規定は、知事部局のみならず、全体の機構簡素化の計画を財政再建計画の基本的な方針に定めた場合には、それぞれの団体において、その定めるところによって、それぞれの規則を基礎にいたしまして、やっていただこう、こういうふうに考えておるのであります。再建計画に定めました場合には、やはりそういうそれぞれの規定はございますけれども、やり得るような方法を法律的に規定しよう、こういう意味で設けたのであります。 それから第二項の規定は、先ほどからたびたび申しますように、申し入れがあります場合には、自治法の百八十条の三の規定によりまして、兼務の方式がとれるのであります。しかし申し入れがなければできないというような逆な解釈になって参ります。そこで、そういう再建計画を立てますような団体におきましては、再建計画を定めます場合に、あらかじめ各委員会の長の方々の御意見を聞いて、そしてそういう兼務の方式を全体的に、申し入れにかかわらず、とっていくという方式を定めることも、行政組織の簡素化の一つの方式であろう、こういうふうに考えまして、こういう規定を、申し入れにかかわらず、やり得るという道を開いたのであります。
○中井委員 今の点はもうたびたび質疑応答がありましたから、私聞くのもいやなんですけれども、しかし申し入れがあったらできるというのは、私は民主主義の基本的な考えからいって精一ぱいの線だろうと思うのです。それを踏みはずすということになりますると、まあひどい話ですが、自治庁の財政部長に一つ地方行政委員会の委員を兼務してもらおうじゃないか、そういうような話なんですから、これはちょっと考えようによりましては、私はひどいと思う。先ほどから労働委員会の話、人事委員会の話、いろいろとございましたが、まあせいぜいのところは向から申し出があった、結論をいいますると、こういうものを皆さんは節約だといわれまするけれども、全体の金額といたしましてはほとんど私は問題にならぬと思う。特に今大体頭の中にあるのは、府県でありまするけれども、市町村というふうなことになりますると、ほとんどこれは申し入れをしております。そんなものを専門にやっているのは五大都市とか大きな都市の議会事務局というふうなことでありましょう。よしあしはともかくとして、やる実情にあって、やっております。そこで筋を通すために申し出によりというふうなことがあるのですから、この精神を再建整備法案でひっくり返すということは、私は奥に非常に重大なあやまちがあるように思えてならない。そういうふうなことまで改める決心をなさるのならば、なぜもう少しそれよりも基本的に国有財源を与えないのですか。なぜもうちょっと財源的な措置をやらないのですか。それがもう私の質問の結論のようであります。今回のこの法案はまことにどうも、名前はぎょうぎょうしい、内容もこういうひどい相当えげつないものがありまするけれども、持っておりまする重箱はりっぱですが、重箱の中は、実際政府が負担するのは七千五百万円の利子負担というふうなことでは、これはどうも地方財政再建整備法案ではありません。これはもう地方の赤字の一時救済法案、まあ臨時の、来年の春になったらまたつぶれてしまうというふうなごく簡単なものだと思うのです。金額から見ましても、六百億の赤字に対してほんとうにあのような手当では、前の話に戻りまするが、大したものではございません。そうして口吻だけはまことにぎょうぎょうしくて、機構にまで入って——一応私は機構の問題に入る前に、財政難を、財政は財政で一つ片づけていったらどうか。これは大臣も、機構はいうにいわれぬところがあってと、こう言われまするが、そういう話の裏には、やはり知事会はこう言うてくる、議会はこういうてくるというふうなことを真に受けられておるのじゃないかとさえ私は考えておるのでありますが、そういう意味でこの十条なんかはどうもなくもがなと思うのであります。そこでこういう七条とか、八条、九条、十条というふうなものをすっきりとなくしまして、もっときれいな、政府の七千五百万円と、それから赤字の二百億ですか、こういうものに見合うようなすっきりとした法律案に一つ書き直して、そうして皆さんの方で今さらできぬというならば、われわれの方で一つ修正をさしてもらって、そうしてこれで行くというふうな考え方も私は強く持っておるのでございまするが、そういう点について、それでもまあやむを得ないというふうにお考えであるかどうか、最後にお伺いしておきます。
○川島国務大臣 中井さんのお話はよくわかるのでありまして、きわめて簡単な、いわば法三章的のものにして、あとは地方にまかせろ、こういうお考えなのでありますが、私どもが念願しているところは長期にわたる再建計画を立てまして、それを忠実に実行いたしまして、期限がきたときには完全に赤字が解消して地方財政の健全化がなるということなんであります。それをやってもらうためにはやはりいろいろな方面から制約を加えなければならぬのでありまして、そのために中井さんがお考えになって不必要な条項もあるのでありますけれども、この程度のことをきめておきませんと、ややともすると、せっかく立った再建計画がくずれるおそれがあるのでありまして、考え方によっては一切地方にまかせるということも一つのお考えとは思いますけれども、ただいまの私どもの考えといたしましては、相当こまかく規定しまして、忠実に再建計画を実行するように企図することが、この際適当じゃないか、こう考えておるわけでございます。
○中井委員 私も何も規定だけしてほっておけというんじゃないのです。その縛り方をもっと大きく、ここにもありますが、あなたの方に承認を求めて、承認をしたならば各省に通知をする、またその結果を報告させるというふうなことがあります。特に重要なのは住民に計画を公表する、また同時に結果も公表する。結果を公表したって、住民はそんなものについてはあまり関心を持たないというふうな判断は、私は早計だろうと思う。新しいこういう自治体ができてから十年でありますから、方々にそういうことに対するまじめな議論が出て参っております。現在の公選の姿を見ますと、終戦後のいろいろな事情から、特に政府が何といっても地方団体に対してあこぎであったと思います。そのことをよく住民が知っておるからこそ、赤字団体の長につきましても依然として平気で三選をする、四選をする。こういう法文が出て毎年毎年少しずつきちっとなっていきました場合には、その計画と違背をしたようなことをして、公選の市長とか知事とか各種の委員会の委員などが務まるとは考えられない。私はもっと人民を信頼いたしております。そういう点で皆さんのお考えと根本的に違う。どうもその点は私にはよく納得ができないのであります。それで申し上げた次第であります。その点だけは最後に重ねて強く私の意見を申し上げておきます。
○大矢委員長 終りですから、私から一言だけお尋ねいたしておきます。この第十一条は長が議会の解散権を持ち、あるいは長の不信任に値する重大な問題ですが、これについて、四の「自治庁長官の承認を得た財政再建計画の達成ができなくなると認められる議決をしたとき。」というのは、実際問題としてどういうことなんですか。
○後藤政府委員 たとえば減税条例というのが出て参りまして——これはもちろん議員提出で出るのでありましょうが、それを可決した場合、それから予算の大きな増額修正が出されたような場合、そういう場合がこの条文に当るのであります。
○大矢委員長 いま一つ、「第三条第一項の規定による財政再建計画に関する議案を否決したとき。」これは第三条によって長い計画を立てて「自治庁長官の承認を得なければならない。」こうあるのです。だから承認を得るときに、自治庁長官が条件をつけたり、変更を加えたりした場合に、議決をしたものに今度は条件をつけて返してくる。その返してきた議案を議会が否決したときには、結局長の不信任と見る、こういうのですか。それは意思ではないかもしれませんが、結果から行きますと、自治庁長官がこういう変更を加え、条件をつけたために、地方の議会がこれを承認しなかった。そういうために議会を解散するとか、長がやめなければならぬということになると、意思でないかもしれませんが、その原因は自治庁長官がこれを作ったということになる。この点がさいぜんから問題になってきたのです。
○後藤政府委員 その場合はこの中に入りません。最初に再建計画の議案を否決した場合であります。
○大矢委員長 第三条の一項と書いてある。「第三条第一項の規定による財政再建計画に関する議案を否決したとき。」と書いてある。第三条第一項とは、変更を加えて承認をした場合です。その変更したことを、またかけなければならぬのであります。この点はどうか。
○柴田説明員 お答えいたします。その場合は入らないのでありまして、「第三条第一項の規定による財政再建計画」というのは、最初財政再建をやるかどうかということの申し出をやりまして、その場合には申し出に関する議決があります。それからその申し出によって、自治庁長官の指定する日現在において財政再建計画を作る、財政再建計画について議決するということになります。自治庁長官の承認を求める前の再建計画について否決をしたときに、この条文に当るので、あとの自治庁長官が変更を加えたり条件をつけた場合は、かりに変更いたしますと、変更を加えた範囲におきまして当然計画が変るわけでありますから、それについては議決は要らないということになるわけであります。
○大矢委員長 しかしこれに明らかに「議会の議決を経て、自治庁長官の承認を得なければならない。」とあり、そのあとにさらに長官はこれに対して「条件を付け、又は変更を加えた上、当該財政再建計画を承認することができる。」というのだから、そこで変更を加えたもの、あるいは条件をつけられたものは、もう一ぺん議会の承認を得なければならぬ。そしてそれを否決した場合には長の不信任になるか、もしくはそのために議会を解散するということになるんですから、結局そういう条件をつけ、あるいは変更を加えたためにこういう承認をしなかったということになりますと、原因は自治庁長官が変更を加えたということにあるんですから、解散並びに長の不信任は、長官が条件をつけたそのことがそういう結果になったということにならないですか。
○柴田説明員 誤解がございますのですが、最初長が議会の議決を経まして自治庁長官の承認を受けるべき財政再建計画を立てる、その財政再建計画に関する議会の議決、これに対する否決の場合だけが十一条の適用を受ける。あとの、条件をつけられ、あるいは変更を加えられて、それを議会に承認を求めるという場合におきましては、十一条の適用にならぬということになります。
○門司委員 七条八条十条その他に委員会という文字をたくさん使ってありますが、この委員会は自治法百八十条の四の委員会と解釈していいんですか。
○後藤政府委員 さようでございます。
○門司委員 そうすると、この中に当然公安委員会が含まれるわけですか。御承知のように国家公安委員会は警察官の任命権を持っており、資格を定めることになっておる。従って教育委員会と少し形の違ったものが出てくると思うのだが、お昼前の文教との連合審査のときに、たしか長官は、人員その他の縮小について教育委員会の任命権その他についてあまり容啄しないのだというような御答弁があったように記憶いたしております。もしそうだとすると、警察官の人員機構その他についてもなかなか手が加えられないのじゃないかというように考えるが、この点はどうなんです。
○後藤政府委員 十条の「委員会の管理に属する機関」とあります。これが公安委員会のもとにある警察のことをいっているのであります。この再建促進特別措置法の中には、この部課の数の縮減の問題はありますけれども、人員を減らすということには触れていないのでありまして、人員を減らすか減らさないか、これはやはり一般職員と教職員等の比率もございますし、これは各地方団体にそれぞれまかしております。
○門司委員 私が聞いて、おりますのは、聞き方も少し悪かったと思うが、この十条の規定は、主としてその主管する委員会の持つ事務局その他の問題であって、実際に働いている諸君には触れない、こういうことになるかと思いますが、しかし法全体を見てみると、さっきお昼前の委員会でやったように、人員の整理その他についての企画が、教育委員会は教育委員会として当然立てられなければならないと思う。教育委員会の要求通りにすれば、お昼前にさんざん議論になったようなことになって、いわゆる原案の送付権その他が出てくる。これは教育委員会が人間に対する任命権を持っておりますから、人員の縮小は教育委員会の権限にまかされている。従って費用を節約しようといっても、なかなかできぬのであります。人間に触れなければ、そう節約のできるものではない。教育委員会の持っている予算の執行権の中で何があるかというと、一番大きいのは人件費です。これに触れることができないとすれば——公安委員会がやはり警察権を持っております。しかも公安委員会の管理に属しております警察官の任命権というものは、国家公務員が持っている。公安委員会自体で持っておらない。こういうものについて一体人員の縮小その他を要求することができますか。
○後藤政府委員 知事部局以外の人員整理の場合には、再建計画を定めます場合に、それぞれのやはり人事権を持っているところと相談をいたしまして、それぞれの部局で自主的にやってもらうところの数をきめてそうしてやるということになるのでありまして、それは再建計画を定めます場合に、各行政委員会との間の相談でその数をきめる。きまりましたら、それに基きまして各行政委員会がそれぞれの権限を基礎にしてやっていく、こういうふうに私どもは考えておるのであります。
○門司委員 ところが、たしか今度できた警察法では、警察官の任命権というものは、公安委員会が持っていないはずです。県の公安委員会が持っていますか。これはやはり警察の本部長が持っているんじゃないですか。本部長が任命権を持っているとすれば、その本部長のやはり協力を得なければ、人間の縮小ができないのじゃないですか。その規定がこの中に落ちているような気がするのですが、どうなんですか。
○後藤政府委員 警察官の定員は、定員条例によってきめております。従ってその場合に定員条例の改訂をしなければならぬと思いますが、その場合には、それぞれ公安委員会及び任命権を持っておりますところの警察の長と話し合いをして、そして定員条例の改訂、こういうことになると思います。
○門司委員 だから、ただ委員会だけの協力でなくて、警察の任命権を持っている本部長の協力を得なければ、なかなかうまくいかぬのじゃないか。さらにさかのぼると、国家公安委員会の協力も術なければそれができないということになるのじゃないか。
○後藤政府委員 お説の通りに考えております。
○門司委員 ところが、委員会の協力を得るが、警察本部長のことも書いてなければ、国家公安委員会のことも書いてない。さっき自治法の百八十条の四について聞いたのは、そのことです。これは地方の公安委員会であって、国家公安委員会はこの中に含まれていない。そうすると、やはり警察官の任命権というものは、県の公安委員会にあるか。計画は国家公安委員会が立てて、国家公安委員会の任命する警察庁の長官が本部長を任命する。その本部長が警察官を任命する、こういうことになっている。従って人員の整理をしようとすれば、やはり協力を得るものは公安委員会だけでは済まないので、国家公安委員会、場合によっては警察本部長にも協力を得る規定を入れておかぬと、警察官の首は切れない、こういうことになりはしませんか。
○後藤政府委員 都道府県の場合には、この法律では、事務局の簡素化に関しては、ここに書いてありますように「委員会の管理に属する機関」つまり警察本部長も協力してやるということになっております。人員の整理、つまり定員を縮小するとかどうとかいう問題は、やはり問題としてはあるのでありますか、この法律には触れていないのでありまして、国家公安委員会との関係においては、それぞれの出先の本部長が国家公安委員会と相談して、おそらく内部的にきめてくるだろう、こういうように私どもは考えているのであります。
○門司委員 内部的にはきめてくるだろうし、いろいろあるが、しかし企画を立てるのは上の方です。警察官の定員その他をきめるのは、これは警察法を読んでごらんなさい、本部長と話し合って定員をきめればいいということにはなっていない。大体の数字といりものは警察法の中にちゃんと入っている。それからきた人間であって、首を切ろうとすれば、こういう規定を設けておくと警察官には手がつけられない、教員にも手がつけられないということになると、結局しわ寄せされるのは一般の公務員であるということになって、はなはだ不均衡なものだということになる。そういうことが起るから、心配して聞いているのです。一般の公務員だけに首切りがしわ寄せされてしまって、どうも学校の教員諸君には工合が悪い、警察官もどうも工合が悪いということになりますと、どこを縮小してくるかというと、そういうところに縮小がされてくる。
○後藤政府委員 警察法の五十七条二順に「地方警察職員の定員は、条例で定める。この場合において、警察官の定員については、政令で定める基準に従わなければならない。」こういう規定になっております。従って各府県で条例に定めているわけであります。その基準に従っておりますから、内部的な関係はもちろんあるのであります。しかし私どもは、県で公安委員会並びに本部長と話し合いをして定員の縮減というものは可能である、かように考えているのであります。内部の関係は、それぞれ本部長が国次公安委員会と相談したらいいんじゃないか、こういうように考えているのであります。
○門司委員 それは新しい警察法をこしらえるときになぜ政令に譲ったかというと、前の警察法では、何人に対して幾らというふうに、国家と地方と人口段階によってきめておった。ところが全部が今のような警察制度になると、これを政令に譲って、基準だけは政令できめて、各府県別に法律で人間をきめるということになりますと大へんなことになるので、そういう形で新しい警察法はできていると思うのであるが、そういう場合でも、やはり協力を求める機関としては遺漏のないように、任命権者である県の本部長がやはり相談を受ける、あるいは国家公安委員会との連絡がつき得るような規定が必要ではなかろうか。こうしないと、任命権者が別ですから、そうはいかないんじゃないか。教育委員会の場合は、教育委員会というものが大体任命権を持っている。ところが県の公安委員会というものは任命権を持っておらない。定数はきめることができるかもしれないが、任命権者は本部長であるに間違いない。だからこのままの規定では、かりにこれを承認するとしても、そういう警察官には及ばなかったとかなんとかいうようなことで、きわめて不平等なものになりはしないかと思うのですが、どうですか、もう一度聞いておきます。
○後藤政府委員 地方団体の内部の機関につきましては、当然のことでありますから、私ども協力の規定を入れなかったわけであります。もちろん協力は必要でございますし、協力するだろうと思っております。従って当然のことでありますので、実は外の、国でありますとか、他の団体でありますとか公共的団体の協力の規定はありますけれども、内部的な団体の協力規定というものは入れておりません。
○門司委員 そういうふうに内部的な規定と外部的な規定ということになると、問題になりますが、そうすると問題はどうなるんです。この内部的の機構のものは、任命権者といっても全部地方公務員であることに違いはないのであります。あるいは特別職であることに違いはないのであります。しかし警察隊長は地方公務員じゃないのです。これは国家公務員ですよ。国家公務員が少くとも任命権を持っているのです。だからこれの協力を得なくて、これは内部的のものだと解釈していいのですか。身分関係はそんなことになるのですか。
○後藤政府委員 身分は国家公務員でありましても、都道府県警察の仕事をしておるのでありますから、都道府県警察の本部長であります。従って私どもは内部の機関とこういうふうに考えまして、やはり教育長と同じような立場におるものと考えまして、これは内部関係だ、従って当然に協力するものでありますから、私どもは考えなかったわけであります。
○門司委員 どうもその点がわからぬのですが、私はもう少し、あとでこれも法制局に聞かなければならぬことになるかもしれませんが、どうも任命権者というものは、純然たる国家公務員であるに間違いがないので、それが府県の内部機関であるということはいえないと思う。一つの組織の中で、公安委員会というものがあって、そうして公安委員会が所管している事項について仕事をしているのであって、昔の公安委員会は運営管理という言葉を使っておったが、今度はそういう言葉は使っていないので、従って警察隊長が一人一人の任命権をちゃんとこっちに移されているのである。昔ならあるいはそういうことは言えたかもしれない。しかし新しい警察法ではそういうことになっていないのですが、新しい警察法でも、国家公務員ではあるが中に公安委員会と相談してやるんだから、これは内部の機構とみなしてもいいのだという、みなしてもいいという程度ですか、それともあなた方の方では、はっきり内部の機構だとお考えになっておりますか。
○後藤政府委員 都道府県警察というのは、やはり都道府県の内部の機構だ、かように考えております。ただ長が国家公務員である、これだけではないか、かように考えております。
○門司委員 これは警察法のときにもずいぶん議論になった点なんだが、国家公務員が地方公共団体の構成のメンバーでないことは、はっきりしているでしょう。委託職員か何かはほかにありますよ。ありますが、しかしこれだって身分はちゃんとお変えになっている。これは任命権者と人事権を持っている者との考え方は、委員会という一つの構成の中に入るかもしれません。入るかもしれませんが、委員会の権限ではないということであります。任命権は少くとも本部長が持っているのであって、委員会が任命権を持っているわけではないのである。教育委員会とは違いますよ。その点をもう少しはっきりしておきたいから聞いているのである。そういうあなた方のように解釈していいのですか。任命権を持っているのは全然別なんですよ。公安委員会という一つの組織の中にタイアップしてくることはわかっている。それは一つのグループの中に入っている。しかし任命権者は国家公務員としての任命権者であって、都道府県警察としての任命権者ではないのですよ、その点はどうなんです。
○後藤政府委員 私どもは都道府県警察自体が地方公共団体の一つの組織である、かように考えておりますので、その長でありますところの警察本部長が国家公務員でありましても——これは国家公務員であります者が知事部局にもたくさんございます。従って私は、その間において、形式は違っておりましても、やはり協力は求められるものだ、こういうふうに考えております。
○門司委員 その持っているのは、任命権を持っておりますか。私は人事権とこの委員会の構成を聞いているのです。人事権をどっちが持っているかというのです。人事権を持っている者が、任命権者が言うことを聞かなかったらどうにもならぬでしょう。あなたの言っている府県に国家公務員がおって、それが任命権を持っておりますか。地方公務員の任命権を持った人かどこにかおりますか。おったら一人でもいいから出してごらんなさい。国家公務員が地方公務員の任命権を持っているのは警察だけなんです。そんなことを言うなら、あるなら出してごらんなさい。どこの県にそういうのがいるのか、どこの省にそういう連中がいるのか。あるならはっきり出しなさい。どこに一体地方公務員の任命権を持った国家公務員がほかにいるか。
○後藤政府委員 私が申し上げておりますのは、任命権の問題はもちろんおっしゃる通りでありますが、定数を減らすかどうかというのは、条例でもって定数がきめられているのであります。その条例を変えるということを相談できめて、条例を変える議案を出して、そうしてそれをきめれば、あとはきまった範囲内の人事権はあると思います。従って、その条例に従って人事権を行使するという問題であって、人事権そのものと定数の問題とは、人事権を持っている人がたとい国家公務員であろうと、私はかまわないのじゃないか、そういうことで同じことであり、定数条例は県にちゃんとあるのでありますから、従って私は定数の縮減についての協力は求め得られる、かように考えております。
○門司委員 定数条例は少くとも政令に基くものであって、政令をこえた、あるいは政令をことさらに変えた定数条例というものは、私は許されないと思う。県の条例は国の法律に反した条例をきめるわけにいかぬでしょう。おのずからそのワクというものはちゃんときまっているのである。であるから、われわれは押し問答するのもいやだから、一歩譲るとしても、その政令できめられたワク以外には出られぬのですよ。もしそれができるというなら、政令は何にもならぬということです。だからかりに、あなたの方の御意見を聞いて、伸縮はある程度できるのだと考えても、その範囲でしか人員の整理はできない、それ以上はどうしてもできないということになる。従って実質的の問題として、かりに定数条例が一番最後の線に来ているようなところでは、もうそれ以上は警察官の首は切りたくても切れぬのである。そうすれば人間の縮減をしようとすれば、一般公務員だけにはそういう規定がないから、これにしわ寄せされるという危険性がここに出てくる、こういうように解釈していいですか。
○後藤政府委員 私は基準に基いて、つまり政令に基く基準を基礎にして定員条例ができていると思います。しかし基準はやはり基準でありまして、私は基準通りやらなくてもいいのではないか、つまり基準というものは幅がある、こういうように私どもは考えます。従ってその幅が非常に大きいものだとは思いませんけれども、幅の範囲内ではやはり可能なときもある。こういうように考えるのであります。それはほかの方の職員には全然その基準がありませんから、ほかの方の職員とは違った取扱いになるかもしれません。しかし、さらに一般職員と同じような程度の縮減をはかろうとすれば、それは基準の改訂という問題になって、本部長はやはり中央の警察庁なり、ないしは国家公安委員会に相談して基準を改訂するという問題になってくるのではないか、こういうように私は思っておるのであります。
○門司委員 どうも今の答弁では私はよくのみ込めないのであります。任命権者というものと委員会というものは別であって、それを一つに考えようとするところに無理があると思う。同時にさっき言いましたように、百歩譲ってても、政令にはおのおの限度があり条例にもワクがあるのであって、一般地方公務員とは違うのであります。それから教育関係についても大体の国の基準がうたってあるのであって、これもむやみには縮められません。従ってもし人員の整理をしようとすれば、大体は一般の吏員に来るというように一応考えて差しつかえないと思う。それからもう一つ聞いておきたいと思いますことは、この中の長と議会との関係でありますが、これは見方によっては非常に大きなものになるのでありまして、現行法で御承知のように、長の不信任とみなすものは、伝染病であるとかあるいは災害のときの支出が承認を得られなかったときということが大体不信任とみなすということになっている。今度はこういうものがたくさん書いてありますが、こういうことについても、これを不信任とみなすようなことになっておりますが、これは非常事態——この赤字再建の問題も自治体全体の非常事態だから、これを非常事態というように解釈されていると思いますが、そういうことでこういうことを書かれたのですか、この趣旨はやはり非常事態という物の考え方のもとにこういうことを書かれたのですか。
○後藤政府委員 お説の通り、赤字団体の再建整備というのは、やはり一種の非常事態という考え方であります。
○門司委員 そういたしますと、非常事態だとお考えになっておりますが、この法安の中には、非常事態を長官が勧告することができるようになっております。自然発生的にできた伝染病であるとかあるいは災害というものは、これは一極の非常事態と言える。しかしこの場合、問題は、自治庁長官が勧告することができるのである。要するに、その自治体が非常事態と考えているか思えていないかということがわからないときに、自治庁長官が勧告されることになっている。従って、自治庁長官が、お前のところは非常事態だぞといって、こういう条例を適用させることが一体よいか悪いかということは、まだ相当議論が残る。長の不信任ということは非常に大きな問題であります。公選されている長に対して不信任案を出そうというのですから……。議会の問題にいたしましても、普通の場合は、さっき育ったように、議会の議決によって出されるのである。あと議会自身から不信任案を出す場合はほかの理由があるのである。従って、これは議会から出さないで、長の行為によってこれが信任されるかされないかということになりますから、普通の不信任案とは違うのであります。従って、さっきから聞いておりますように、長官は、非常事態であると考えたからこういう条件にしたのだ、こうおっしゃる。その非常事態を長官が勧告することができるということになると、この間の問題は一体どうなりますか。それでいいですか。
○後藤政府委員 私どもは、再建整備を要するような赤字の多い団体は、それ自身ももちろん気がついていると思いますけれども、われわれが見まして他の団体との権衡上非常事態であるという注意を与える必要があります。その注意が勧告なのであり、ます。従って、その注意に基いてやるかやらぬかは別でありますが、一応の注意をするということと、その非常事態の場合に長と議会との関係をある程度はっきり規定するということは一つも矛盾をしない、かように考えているのであります。
○門司委員 矛盾はしないというお話でありますが、この場合の長官の勧告権というものと、それを受け入れるものは——長官は長にされるでしょう。議会にこれをするわけではないでしょう。いわゆる長に勧告される。長はそれに基いて策定をする。策定したものについて議会が反対した場合はこういう結果になるのである。だからして、問題は、住民から選ばれた議員と長との間の権限というほどではございませんが、一つの争いになるもとだと思います。こういうことは、もし自治庁長官の勧告が長になされて、長はそれに基いて計画を立てて、その計画を実施しようとする案を議会に出した場合、それが受け入れられなかったら直ちに不信任案とみなすということになると、その次に来るものは解散である。議会の解散というのは非常に重大な問題でありますから、そう簡単にできるものではございませんが、自治庁長官の示唆に基いてこういう事態を引き起すということが予想されるようにこの法案は書かれております。こうなって参りますと、自治庁長官の権限というものは、見方によっては非常に強くなる。自治庁長官の言うことを聞かなければ、まごまごしていると議会の解散にまで持って行かれるということになります。私の解釈はあるいは広過ぎるかもしれない、あるいは大き過ぎるかもしれない、しかし議会人としてはこういうことを考えざるを得ないのである。こういう副作用がここにあるのでありますが、これでも自治庁長官は自治権に対して何ら侵害にならないとお考えになりますか。
○川島国務大臣 この第十一条の規定は、長が再建計画を立てようとした場合に、議会がこれと異なった意見で対立した場合に、どう処置するかということの規定でありまして、その場合には不信任とみなして長が辞職するかあるいは解散するのかということになるわけであります。再建計画というのは重大な問題でありますので、昨日門司さんから、告示前に一応住民投票によって意思を聞いたらどうかというお話もあって、これは私はごもっともなお話であると思って拝聴しておったのであります。長と議会との意見が異なったときには、一応解散して住民の意思を聞くということもこれは必要じゃないかと考えておるのであります。従いましてこういう規定を作ったのでありますが、先ほど北山さんからもいろいろお話がありまして、ごもっともな意見もありますので、御意見としてつつしんで拝聴いたしておくことにします。
○門司委員 まあそれは拝聴しておくというので答弁がなければ、あと何も言うことはないと思いますが、こういう立て方で、一体どういうふうに地方の自治体というものをお考えになっておるかということであまりす。地方の議会を解散するとか、あるいは長が辞職するとかいうことは、これは自治体にとっては一つの不祥事です。実際はそうむやみやたらに解散をして、むやみやたらに長の選挙ばかりやっておられないのです。そのたびごとにいろいろな問題が出てくる。一つの問題を課題にして、そして選挙になるということは、住民の意思決定がどっちになるかということで将来のしこりを残すのであります。われわれは議会の中途において議会の解散は好まないのであります。それをやれば必ずあとに問題を残すにきまっておる。実際に自治体の運営をやってごらんなさい、どういう問題が起きるか。だからわれわれはできるだけ議会の解散は避けなければならぬと考えておりますが、今の御答弁ではただ意見だけを聞いておくということであと答弁がありませんから、これ以上私はそれについては追及いたしません。 もう一言最後に聞いておきたいと思いますことは、この協力規定の中に、さっき申しましたような警察関係が一つ落ちてはいないかということが私に考えられることと、それから協力全体を通じて問題になって参りますのは、先ほどから非常に問題になっておりました十条の問題でありますが、これは協力の範囲を少し越えておって、そうして事務局等の組織の簡素化、こういう題で書かれておりまするから、必ずしもこれは協力でない。いわゆる簡素化のためにやるんだというようなことになるかとも思いますが、事実上の問題として、長が独立いたしておりまする各委員会の職員を兼務させることができたりするということは、これは普通の委員会は別でありますが、少くとも教育委員会等は公選です。公選の委員会の事務局部というものについて、いわゆる長を補佐する機関である職員がこれを兼任するということは、今日の行政委員会の建前からいけば、私ははなはだおもしろくない条項であると思う。少くとも公選によった一つの行政機関というものは、独立した一つの執行機関と見るべきである。独立した一つの執行機関に他の執行機関の職員が兼務することができるということになると、私は非常に非民生的なものができはしないかという考えを持つのでありますが、これについてどういうお考えをお持ちになりますか。
○後藤政府委員 現在教育委員会との間におきましても、市町村におきましては助役が兼任しておる例が非常に多いのでありますが、別にそれで非常に大きな弊害が起っておらぬのではないかと私は思っております。あるいは弊害があるかもしれませんけれども…。従って私は兼務することによってその独立性が非常に害されるということはすぐ出てこないのではないか、かように考えております。
○門司委員 町村の教育委員会の事務局長等を助役にやらしておるということは、あれをこしらえるときに非常に問題になったのである。できた原因は、町村においては今日教育委員会法できめておるような教育長を得ることは困難である。従ってやむを得ざる一つの手段として、ああいう手段が設けられておるのです。これは間違いがないでしょう。あの法律をこしらえるときに、そういうことであったに間違いない。それでなければ市町村の教育委員会を廃止しなければならないという一つの大きな原因はここにある。教育長が得られないのである。大学を出てどうだこうだ、教育の年限が何年なければ教育長が勤まらぬというようなことで、小さな村、小さな町に行ってそれを探せといってもありはしない。従って教育委員会法というものがある限りにおいては、それを何とかしなければならないであろうということで、ああいう条項になっておるのであって、これが適格な者ともし自治庁が考えておるとするならば、非常な大きな誤まりです。これは断じて適格な者ではないのである。従って私の聞いておりますのはそういうことでなくして、公選による一つの行政委員会の執行部に対して、他の別のというか、長を持っておる補佐機関の職員がこれを兼務するということが行政委員会の建前の上に反するか反しないかということです。私はいい結果ではないと思う。行政委員会というものはそのために行政委員会があるのです。しかも教育委員会の委員はみな公選であるということである。従ってこれは当然独立の執行機関とすべきであるということに私は間違いがないと思う。これを兼務させることが民主的とお考えになっておるか、非民主的とお考えになっておるかということを私は聞いておるのです。もう一度御答弁していただきたいと思います。
○後藤政府委員 私どもといたしましては、本来の教育委員会なら教育委員会は独立したスタッフを持つというのが本来の姿であろう、これはおっしゃる通りと考えております。ただ再建団体のように財政の非常に詰まっておる団体、そういう団体におきましては組織の簡素化ということも必要なのであります。そういう場合便宜の方式として暫定的にこういう兼務の方法というのを認めることもやむを得ぬではないか、完全な民主化の方式から申しますと、それは多少はずれるかもしれませんけれども、実情としてやむを得ないのじゃないか、そういう意味からこの百八十条の三という規定もございますし、そういう点から申しましてもこういう規定を設けることは一つの方便ではないか、かように考えたのであります。
○門司委員 もう私はそれ以上議論はいたしませんが、例の百八十条の三ですか、その他いろいろそういう規定を設けております。それからさっきあなたの方で言われたような助役が兼務しておるのもありますが、これは事実上そういうものを見つけようといっても見つけられぬ、あれは法律の方が実際無理なんです。ですから一つの手段としてのことが考えられておるが、この場合は単に財政がこうであるからといって、民主主義の建前というものを侵害するような行為はよくない。少くとも能率であるとかあるいは財政であるとかいうことを言っておりますが、それはあくまでも民主主義の中にこれを調和さすべきものであって、財政が苦しいから、能率が上らぬからといって、民主主義を超越するような行き方は私にはあまり納得ができない、この法律は明らかにそういうことが考えられておると思う。赤字があるからといって何でもかでもこれを押えてしまおう。一切の権限は赤字ということにして押えてしまうということになると、これは民主主義というものがその間ある程度の制約を受ける、こういうあり方は私どもはよくないと考えておりますので、以上のようなことを申し上げたのでありますが、もう一つだけ最後に聞いておきたいと思いますことは、この規定の中にあります各省庁との関係でありますが、七条の規定はどういうことでこういうことになっておるのか、いわゆる各省の長が一つの仕事をしようとする場合に、自治庁の長官に通知をするということになっておりますが、この通知を受けた場合の自治庁長官の態度はどうなんですか、これは通知を受けるだけですか。
○後藤政府委員 これはいわゆる直轄事業の問題でありまして、直轄事業は地方団体に負担がかかります。大体二割から四割くらいの範囲で負担がかかります。負担金は御承知の通り交付公債で払うことになっております。しかしこの負担金の額がわれわれの方にはわからないのであります。それから地方団体の側でも負担金の額というものはなかなかわからない、押しつけられる場合が相当あるのであります。ところが負担金の額というのは交付公債でありますから翌年から払うわけであります。翌年から払うのでその年には関係ないのでありますけれども、だんだんそれが重なって参りますと、相当な負担額になって参ります。そうしますと、再建計画を立てております団体におきましては、その負担額が再建計画と投資的事業に使っておる経費と合うかどうかという問題が出てくるわけであります。そういう場合にわれわれの方といたしましても、やはり指導上こまかいところは別にいたしまして、経費の総額、つまり直轄事業の総額とその県の負担額くらいは教えてもらわなければ困る、むしろもう一つ進んでその負担金の負わせる額をわれわれの方で相談をしてきめようじゃないかというところまで話したのでありますが、いろいろの話し合いの結果、一応それだけの通知をもらおう、通知をもらった上であまり多額になるようであれば、その負担率を下げてもらうとか、いろいろな交渉をわれわれも府県と一緒になってやろう、こういう意味でこの規定を置いたのであります。
○門司委員 私の聞くのは、そういう意味で通知だけ受けても事実上どうにもならぬ、結局ここには通知を受けるというだけであって、結局何も書いてない、もしそこに規定を設ければ納得が行くのでありますが、ただ通知だけ受けても何もならぬ。今のような御答弁で、ここに何も規定を入れずにおいてこれでやれますか。
○後藤政府委員 あまりに大きな負担額をある地方団体に負わしていく場合には、私どもは負担率の改訂とか、いろいろな問題を持ち出してその場合に解決していこう、こういうふうに考えましてこの規定を入れたわけであります。
○大矢委員長 以上をもって十一条までの逐条審議が終りました。
○池田(清)委員 連日連夜にわたりまして委員長初め委員各位には大へん御勉強をいただきまして全く感謝にたえません。これはひとえに皆様方の御協力によりまして、この法案をよりよいものにして早く上げたいという熱意の現われだと思っておる次第であります。しかしながら委員各位の御要求に応ずるところの大臣等の御出席も悪く今日まで進んでおりますが、今日をもちましてこの法案についての逐条審議を一応終了することは、一昨日の理事会で御了承をいただいた通りでありますが、今夕まだ時間もありますし、これに対する委員長の議事運営についての御方針をお伺いしたいと思います。
○大矢委員長 ごらんの通り時計は十一時十分前であります。まだようよう十一条ですから半分まで来ないのです。あとは明日勉強したい。聞くところによりますと、自由党からも修正案が出るようでありますし、またこれとうらはらの地方税法その他財政確保の上の地方交付税の税率の一部改正が両派社会党から出ております。こういう関連した議案と並行して進むということが理事会の一応申し合せになっております。そこで明日はあわせてこれを並行したいと思います。
○池田(清)委員 理事会できめていただきましたお話は、きょうまでの議事の進行についてであったのであります。明日以後のことはまだ理事会としてはきめていただいておりません。少くとも今日までに同法案の逐条審議を終了するというところまではおきめ願っておるのです。そこできょうの議事進行について伺ったのでありますが、今委員長のお話によれば修正案等も出るそうだということであります。今おっしゃいます通り民自両党におきましては共同修正案の準備をいたしておりまして、明日におきましてこれの提案ができようかという運びになっております。その際におきましてはこの修正案と政府原案とは並行をいたしまして、会期余日も少い今日のことでありますから、参議院の審議の日数のこと等を考慮いたしまして、一日も早くこれを終了して、あげていただきたいと思うのであります。これに対しまして委員長のお考えはいかがでありますか。
○大矢委員長 理事会の速記がありませんから何でありますが、私はそのうらはらの財政確保の関連法案を審議するようにということを強く要望したはずであります。しかし今仰せの通り、自由党の修正案はその当時は出ていませんし、今日承わったのでありますが、そういった事情で申し合せを努めて履行すべく、今日も十一時近くまで審議を進めたのでありますから、われわれはできるだけ慎重に審議を進めて、お聞きの通り、それぞれ重要な点について質疑応答が行われていると思う。その点を一つ御了承願って、申し合せの趣旨に沿ってできるだけ一つ、明日も時間が許す限り審議したいと考えております。
○鈴木(直)委員 委員長からただいまお話がありましたが、私はどちらにどうという考え方を持って発言しているわけではありませんが、昨日の理事会は、この再建法案の逐条審議の進行方法について理事会を開いたのでありまして、そうしてきょう中に逐条審議を終る、十二時になっても終るというようなことが昨日の理事会でありまして、逐条審議を終った後に、あと修正案とか、今委員長の言われたようなことについては後に考えることであって、その後討論、採決をどうするとか、あるいは修正案をどうするということは次のことであって、結局逐条審議についてはきょう中に終る、こういう点については、きのう一致したと私は信じております。何回もその点はお聞きしたわけです。冗談でありましたが、それをもしその通りにしなかったら不信任でもやるぞというようなことくらい話しまして、和気あいあいのうちにそういうふうに決定したというふうに配慮しているので、現在委員長が言われた修正案も一緒にやろう、あるいは交付税法案もこれと一緒にやろうというような話は全然ありませんでした。もちろんその後のことについては、あるいは委員長としてはそういうふうなお話があるようなことはお話がありました。しかしながら昨日決定したのはその点ではなかったということを、はっきり私は確認しておるわけですが、ただいまの委員長のお話は少しきのうの理事会の決定と違うものですから、まずきのうの理事会の決定をどういうふうにするかということを、一つこの際にきめておく必要があると思うのです。そしてきょうこれからどうするか、あすはどうするかというようなことでも、必要であればやはり理事会できめるということが必要であろうと思う。委員長の自分だけの解釈によって昨日の理事会のことをそういうふうに決定されることは、どうも承服しかねる、こういうふうに考えます。
○北山委員 私も一つ考えを申し述べたいと思うのですが、日程を理事会でいかようにおきめになったか、大体において本日逐条審議を終りたいという目標でやるように私も伝え聞いておるわけであります。その線に沿うて今まで努力をしたわけでありますが、しかしこの審議というのは、物を作ることを請け負って、期日までに納めるというようなものではないと思います。この法案そのものは、もし一旦これが成立をすれば、全国の各地方団体に対して、八年間の一種の拘束状態に置くのでありますから、重大であります。だからいついつまでにどうするとかこうするとかいうことは、いわば第二次的の問題であって、審議の過程において、たとえばきょう起りました第三条の第二項に関する協議の問題だとか、連合審査が、三時、四時ごろまでかかったとかいうふうな、いろいろな事態の変化といいますか、状況の推移というような問題もございます。ですから一がいに何でもかんでも時日を区切らなければならぬということは、本末を転倒するものではないか。議会としての責任は、この法案の内容の重大であることを考えれば考えるほど、重大に考えるわけなんです。私はそのような見解を持っておりますが、あした、あるいは今後のこともございましょうから、休憩でもなさって御相談をなさったらどうかという考えを持っておりますので、率直に私の意見を申し上げます。
○大矢委員長 先ほど廊下で理事その他の話し合いで、大体十一条まで終って、明日さらにこれを継続審議しようという話し合いであったのであります。もちろん理事会では、予定としてきょう逐条審議を全部終ることにお互いが努力するという話がありました。御承知の通り努力の結果十一時になったのですから、これはいわゆる不可抗力だと私ども考えております。従って明日継続し、それぞれの理事から要求のあります審議状況についても、十分相談してこれを進めたいと思います。従って明日十時から理事会を開いて、そこであとの問題について再度協議したい。
○前尾委員 休憩して直ちに理事会を開いていただきたい。質問にもいろいろあるので、繰り返し同じ質問をやれば何時間でもかかるわけですから、そこを省略して要点で行くという行き方もあるのですから、これは十分お考え願って、理事会で一度よく話し合って、きめていきたいと思います。
○大矢委員長 それじゃ休憩して理事会を開きますか、それとも本日はこの程度にして、あす引き続いて理事会をやることにしますか。 〔「休憩」と呼ぶ者あり〕
○大矢委員長 それでは暫時休憩して、理事会を開きます。 午後十時五十八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は開会に至らなかった〕