地方行政委員会 第40号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1955/07/14
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 地方自治法の一部を改正する法律案及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案、以上両案を一括議題として、質疑の通告がありますので、順次これを許すこととします。 なお本日は特に御要望がございましたので、政府委員として林法制局長官が出席されております。 それでは質疑を続行します。山崎巖君。
○山崎(巖)委員 私はただいま議題となっておりまする地方自治法改正案等につきまして、重要な諸点について自治庁長官並びに法制局長官に対しまして若干の質問をいたしたいと存じます。 第一の質問は本法案の基本的目標についてであります。本法案の目標とするところは過日自治庁長官の提案理由の御説明によりますれば、地方行政の現状にかんがみさらに検討を加え、もって民主的で、しかむ合理的かつ能率的な自治運営を確立し、行政経費の節減と行政効果の充実をはかるにあるという御説明でございます。御説明通りの、その企図せられるところの趣旨につきましては、もとより何人もこれを非とする者はないかと存ずるのでございます。しかしながら民主的、合理的、能率的の自治運営という御説明ではございまするが、その内容を私どもが検討しまする場合に、幾多の疑問が生じてくるのであります。私から御説明申し上げるまでもなく、わが国におきまする地方自治制につきまして、これを歴史的、沿革的に見まするならば、地方自治制の根幹でありまする市制、町村制は、実に明治憲法制定に先立って、明治二十一年に制定公布されております。府県制もまた明治憲法の施行と前後して実施せられておるのでありまして、その範とするところは申すまでもなくドイツ、ことにプロイセンの自治制度に範をとっておるのであります。その後自治制度につきましては時代の変遷と相まちまして、時に消長はございましたが、昭和六年の満州事変を契機といたしまして、ことに大東亜戦争に入りましてからは、自治行政という地方自治の形式は維持はいたしながら、中央集権的官治行政の一環となってしまったのであります。地方行政は、国政の基本方針を末端に浸透させるための国家行政の一手段と化してしまったことは御承知の通りであります。ところが昭和二十年八月の敗戦とともに連合国の占領政策が開始せられまして、昭和二十一年には現行憲法の制定となり、ここに地方自治なるものが憲法の一章に加えられまして、憲法の基調でありまする政治の民主化の基盤としての地方自治が憲法によって保障せられることに相なったのであります。そうしてその憲法には、地方自治のあり方を明示いたしまして、これに基いてできましたのが昭和二十三年の現行の地方自治法であろうと存ずるのであります。現行の地方自治法は憲法九十二条に地方自治の本旨ということがうたってありまするが、この地方自治の本旨を基調としておることは私から申し上げるまでもないと思います。地方自治の本旨ということは憲法にはその説明はうたっておりませんけれども、要するにその目ざすところは、地方行政のためには国から独立した地方公共団体の存在を認めるということが一つであります。この団体が自主、自律的に住民の意思によって地方の実情に即して地方行政を行う趣旨であろうかと存ずるのであります。このことは終戦前の地方自治と非常にその趣きを異にいたしまして、いわゆる団体自治と住民自治を基幹とするととろの英米流の制度に、わが国がこれを踏み切って採用したことは、これまた私の説明を要しないところであろうと存ずるのであります。この地方自治のあり方が急激に変化をいたしたのでありますが、現在この地方自治のあり方の変化につきまして、一般の国民はもとより、地方公共団体関係の人々もまだこの変化に十分の認識と了解ができてないような感じがするのであります。ここに私は今日の自治制度の大きな問題が横たわっておるように思うわけであります。 再建促進法の審議の場合に、いろいろ現在の赤字の問題につきましても論議がかわされておりまするが、もとより国の大きな責任であることも私は率直にこれを認めなければならぬと思います。しかしながらまた私は一面この自治制度の大きなあり方の変化によって、国民なりまた地方公共団体の住民なり、あるいはまた地方公共団体に関係をしておりまするあるいは理事者なりあるいは議員なり、そういう方がまた現在の自治法に対しまして十分の認識がないというところに、私は大きな一つの問題が横たわっておるような感じが非常にするのであります。そういう意味合いで私は本法案の目標とするところにつきまして、自治庁長官に伺いたいのでありまするが、この改正案はもとより基本原則としては現行憲法のただいま私が申し上げましたように、現行憲法が指向しておりまするところの地方自治の本旨、すなわち団体自治と住民自治を尊重して、民主主義の基盤の上に立って、この法律案は私はできておると思います。そうしてその運営を改善するというところに、この法律案の目標があるように私は思うのでありまするが、その点について長官から率直に一つお答えをいただきたいと思います。
○川島国務大臣 山崎さんは長年地方長官をしておられましたし、内務大臣の御経験もありまして、地方自治制度に対する大先輩であられるわけでありまして、御意見まことに傾聴いたしたのであります。言うまでもなく今回の改正案は憲法に規定されました地方自治を尊重する意味におきまして改正を行なっておるのでありますが、何としましても地方自治法というものは、直接国民の福祉に重大な関係のある法律でございまして、この改廃につきましては相当慎重なる態度を持って臨まなければならぬことは当然であります。政府の中にはそれがために特に地方制度調査会を設けまして、国会における各党の代表の方々、学識経験者の方々を網羅して、平素からいろいろ御審議願っておるわけであります。今回提案いたしました地方自治法の一部改正案は、一昨年第一次として地方制度調査会から政府に答申せられましたことを骨子といたしまして、それに若干のごく軽微なる点の修正を加えて提案して、御審議を願っておるわけでございます。現在の地方自治法の根本的の欠陥といたしましては、戦争前は府県制と市制町村制という別の法律がありまして、おのおの府県なり市町村なりに適応するような法律によって運営されておったのですが、現在の地方自治法は一本になりまして、しかも膨大なる人口を擁する東京都もわずか五、六千しか人口のない末端の村も同じように地方自治法一本で、これが運営をしていくというところに大きな欠陥があるわけであります。こうした根本的の問題についてはさらに検討を要する点があるのでありまして、地方制度調査会におきましては引き続きこれに対する御審議を願っておるわけでありますが、それにいたしましても現在都道府県と市町村とが同じ法律のもとに同じ性格を持った完全自治体でもって、二重の自治制を行なっているところに一つの欠陥があるのでありますから、一応今回の地方自治法の一部改正案におきまして都道府県と市町村との性格をはっきりさせまして、都道府県は広域にわたる部分の仕事をしまして、かつ市町村と国との中間団体としての機能を発揮させるようにいたします。直接住民と折衝の多い市町村に対しましては、主としてそれに適応するような事務をやらせる。従来ややともすると市町村と都道府県との間の事務が混合しておりましたのを、この性格をはっきりさせたというのが一つのねらいであります。御説のように現在の地方自治法の範囲内において運営させ、よければうまく行くんじゃないかということも確かに御議論とは思うのでありますけれども、今回提案いたして御審議を願っておりまする改正案は、地方自治を運営するにおいて現在の法律の範囲ではとうてい合理化しない、円満な運営ができないという程度の改正案を出しておるのでありまして、さらに進みましては当然地方自治全般に対する機構の改革というものは、これは考慮すべきものであると思います。しかしながら現在の地方自治が、行政の面におきましても財政の行き詰まりの面におきましても、一応この程度はとりあえず改正をする必要がある、こう考えましてまたそういう趣意の地方制度調査会の御答申でありまして、この答申を尊重して出しておるわけであります。私どもは今回の改正のみをもって足れりといたしておるものではないのでありまして、なお進んで根本的の改正が必要であると考えておるのでありますが、何としましても地方自治法の改正はきわめて重大でありますから、軽率には手をつけられないのでありまして、一応今回はこの程度の改正にとどめよう、こういう考えになったわけでございます。
○山崎(巖)委員 ただいまの自治庁長官の御説明で、大体本法律案の目標としておらるるところは了解ができるのでありますが、私がお尋ねしたいと存じますることは、さきに申し上げましたように終戦後に自治制度が非常に変革を来した。これは憲法にもよることでありまして、憲法では特に明治憲法と異なりまして、現在地方自治というものを特に一章を設けて、地方自治制度を保障しておるわけであります。そうして団体自治と住民自治というこの基本観念のもとに、今日の自治制度というものが成り立っているのであります。この基本的の観念を多少でもゆるがしては、私は非常に大きな問題だと思うのでありまして、そういうことは全然考えないで、むろん民主主義を基調とするところの現在の地方自治制度というものは、どこまでもあくまでもこれを堅持して、この根本精神は堅持していく。しかし運営面において、さきに申しましたように、まだ今日の地方自治制度に国民も十分なれておらない、また自治団体の関係者もまだ十分の認識ができていない、こういう点に欠陥があるから、今後その運営を改善する、ここにこの法律案のねらいがあるのではないかという点を実はお尋ねしたわけであります。その点をもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○川島国務大臣 全くお説の通りでありまして、私どもは今回の改正案におきましても、憲法の精神を十分尊重いたしまして、民主主義の立場に立って改正案を提案しておるわけでありまして、現在の地方自治法というものは中央の官庁の監督権等は全然ないのでありまして、全く助言、勧告の程度であります。これがまた憲法の精神でありますから、この点は十分尊重いたしておるわけでございます。お説の通り現在の自治法のままでは運営に差しつかえる点がありますので、その点を改正しようというのがこの法案のねらいでございまして、全くお説の通りでございます。
○山崎(巖)委員 自治庁長官の御説明によりましてよく了解いたしました。 次に本改正案によりまする重要な改正点の一つは、都道府県と市町村とのことに権限の明確化という点でございます。ただいま長官の御答弁の中でもこの点にお触れになったのであります。長官もすでに御承知のように基礎的な地方公共団体でありまする市町村は、町村合併促進法の実施以来相当力がつきつつあるように私は思います。これが年を経るごとに私は加速度的に市町村の力というものは強くなってくると思うのであります。そういたしますると、どうしても都道府県というものを、今後どういうふうな取扱いにするかということが、地方行政上の最も大きな問題であろうと思うわけであります。この点は先ほど長官もちょっと御答弁の中でお触れになったのでありまするが、この点についてちょっと伺ってみたいと思うのであります。市町村と国との中間に位しまする広域地方公共団体でありまする都道府県——いわゆる二重構造の問題でございまするが、この問題を今後どういうふうに考えるか。もうすでに地方制度調査会におきましても、あるいは道州制の問題あるいは府県の統合の問題をいろいろと御研究になっておるようであります。しかしこれはなかなかむずかしい問題でありまして、また非常に地方としては大問題でございますから、急に結論を得ることが困難なことは私どもよくわかるわけであります。しかし自治庁としてはこの都道府県というものを将来どういうふうに考えるかというところの一応のお考えがあってしかるべきじゃないか、こういうふうに考えるわけであります。この点につきまして長官に何か御腹案でもございますれば、この際伺っておきたいと思います。
○川島国務大臣 町村の合併は発足以来非常に円滑に進行いたしております。しかしなお進行中でありまして、合併はできましたけれども、完全なる個々の市町村の運営には相当の日時が要るのじゃないかと思いまするが、いずれこうしたことが完成した暁に当然考えられることは、現在の都道府県をどうするかということでありまして、先ほど性格の問題に一言触れておきましたけれども、地方自治法の今回の改正案で、性格をややはっきりさせましたが、しかしながら機構の問題としてはこれは別に取り上げて考えなければならぬと思うのであります。第二次の地方制度調査会におきましては、特に都道府県問題を取り上げて御研究を願っておるのでありまして、特別委員会を開きまして数次御研究を願った結果、現在のままの都道府県の姿、地域でいいという人は一人もないのでありまして、相当修正を要するという意見は一致しております。ただその場合に、数府県を併合した程度でいいのか、それとも道州制をとるべきかということにつきましては、小委員の方々の意見も一致をいたしません。地方制度調査会は今月の十七日でもって一応任期が切れますので、私どもといたしましてはそれまでに結論をつけていただきたいということを希望いたしたのでありますが、委員会の意見は全くまとまりませんので、近く開かれる地方制度調査会の総会には、まとまらぬままの中間的の意見の報告があるのじゃないか、かように考えております。新しく地方制度調査会の委員をお願いしました新発足の委員会におきまして、再びこの問題を取り上げて研究を願う予定でおるのでありまして、町村合併と並行いたしまして、都道府都の性格、地域その他につきましては根本的の改正を要する、かように私は考えております。しかしながら性格の問題につきまして、これを戦争前のように知事を官選に持っていくというふうなことにつきましては、ただいままだ考えてはおりません。また現在の制度につきましては、憲法におきましてはこれははっきり公選ということになっておるのでありますから、こういう点は憲法の改正ともにらみ合せなければならぬ問題でありまして、今日知事官選に持っていくということにつきましては、まだ政府としては考えておらぬのであります。それらのことは研究の段階にある、かように申し上げるわけでございます。
○山崎(巖)委員 本案の改正の重要な点が、市町村と府県の地位と権限の明確化、こういうことをうたっておられますので、実は先ほどのような疑問が起るわけでありまして、何か将来府県をこういうふうな方向に持っていくという構想のもとに今回の案ができておるのか。あるいはそういう構想は全然ないけれども、現在の府県をそのままにしても、やはりこの際市町村との間に権限と地位の明確化をしなければならぬ、こういうお考えであるのでありましょうか。何か私どもがちょっとこの法案を見ますると、将来府県はどういうふうな方向に持っていくのだという構想がおぼろげながらもおありになって、そうしてこういう立案をされたような感じもいたすのでありますが、その点はいかがでありましょうか。
○川島国務大臣 ただいま御審議を願っております改正案は、現行の地方自治法の範囲内における改正でありまして、根本的に都道府県の問題には触れておらぬのであります。しかしこれは先ほども御答弁申し上げた通り、市町村の合併が完成した暁には、当然これは取り上げて何とかしなければらぬ問題である、かようには考えておりまするけれども、今回の地方自治法の一部改正の法律案にはその構想は入っておらぬわけでありまして、現在の運営上不便な点を改正しようという程度でございます。
○山崎(巖)委員 ただいまの長官の御説明で了承いたしましたが、ただいまの御説明によりまして、本案をもって都道府県というものをだんだんと不完全な自治体に持っていくというようなお考えは全然ないというふうに私は了解したわけであります。その点この法案につきまして、世上いろいろと問題があり、またよけいな心配をする向きがございますので、実は明確にしたいと思ったわけであります。 そこで私はこの際法制局長官に伺っておきたいのでありますが、ただいま自治庁長官は、将来といえども直ちに知事官選の問題を取り上げるような気持はないという御答弁でございました。これは現行憲法に公選とある以上は、憲法を改正せざる以上は知事の官選も実現することができない、こういうような御説明でございましたが、憲法九十三条の「地方公共団体」の解釈につきましては、従来実は必ずしも学説も一致していないのであります。この九十三条にいわゆる「地方公共団体」というのは府県を含まないという説も一部にはあるのでありますが、政府の九十三条の「地方公共団体」の解釈につきまして、この機会に明確にしておいていただきたいと思うわけであります。なおまたこの九十三条のいわゆる公選の規定でございますが、これは将来憲法改正の場合には、憲法にうたうべき性質のものじゃなくて、むしろ法律に譲る方がよろしいのじゃないか、こういうふうな意見を私は持っております。と申しますのは、今日におきまして私は知事官選を採用することがいいとは決して思っておりません。知事公選の問題は相当慎重な考慮を要する問題であり、結論を急ぐ問題ではないと思っておりますけれども、これは時代の変遷によりまして、知事官選を適当とする時代があるいは近い将来に来るかもしれぬ。そういう場合を考えますと、その際に一律に国の基本法である憲法の改正にまたなければならぬということになりますれば、実現はとうてい困難であります。そういう意味合いにおきまして、私は今後の憲法改正が具体的に現われて参ります場合には、この九十三条の公選に関しまする規定は、むしろ憲法の規定からはずしまして法律に譲る方が適当ではなかろうか、こういう意見を持っておりまするが、この点につきまして法制局長官の明確な御意見を伺っておきたいと思います。
○林(修)政府委員 最初の点でございますが、御承知のようにこの憲法は地方公共団体について特に一章を設けていろいろの規定をいたしておるのであります。いかなる地域団体がここに言う地方公共団体であるかということは、必ずしも憲法上は実は明らかになっておりません。これは今の新憲法が制定されます過程におきましては、ある段階におきまして、この憲法の草案で府県市町村ということを、はっきりここに明示するというような段階もあったようでありますが、これにつきましては、憲法におきまして必ずこの地方自治団体の組織が二段階なければならないということをはっきりするのは、憲法としてはいささか行き過ぎではないかというような議論もございまして、現在のような形になったものと実は聞いておるわけでございます。従いまして結局憲法においては、必ずしも地方公共団体が二段階の組織でなくちゃならないということはいってはおらないのではないかと思うわけであります。もちろん現在の地方公共団体の組織におきまして、下級の地方公共団体、基礎的な地縁団体というようなものを、現在の憲法が要求しておりますような地方公共団体と別の組織にすることは、これはできないのではないかと思います。上部組織につきましてはこれはやはりそこに今のような組織と別の組織を考えるということは、必ずしもこれは憲法上は許されないものじゃないのではないか、かように考えているわけであります。この趣旨のことはこれまでも法制局の見解としてこの議会において御答弁申し上げたこともあると思うのであります。 なお第二の問題でございますが、これは結局一つの憲法立法論になるわけでございまして、今私から軽々にこれを申し上げるとともどうかと思うわけであります。これは山崎先生の御議論を十分傾聴すべきものだと実は考えておるわけであります。諸外国の地方自治に関する憲法の規定も私どもの研究いたしましたととろにおいては、いろいろのニュアンスがあるようでありまして、相当詳しく書いておる国もございます。きわめて簡単な、方針だけを書いております国もございます。あるいは全然地方自治に関する規定を置いてない憲法もあります。それらのところをいろいろ参酌いたして考えるべきである、かように考えております。
○山崎(巖)委員 法制局長官にもう一点伺っておきたいと思いますが、それは憲法九十五条の問題であります。御承知のように一つの公共団体に適用される特別法の問題でありますが、憲法の本条文は地方公共団体の自治権の保障であろうかと実は考えるわけでございます。立法者が勝手な手段によって自治権を侵害しないように保障するというところに、この憲法の九十五条の趣旨があろうかと私は存ずるわけであります。ところが実際今日まで、憲法実施以来約八カ年の経験にかんがみてみますと、この特別法の問題は、地方自治の侵害どころでなく、むしろ地方の利益のための立法だけしかできていない。例を一、二とって申し上げますと、昭和二十四年の広島平和記念都市建設法でありますとか、同年の長崎国際文化都市建設法であるとか、二十五年の首都建設法、また同年の旧軍港市転換法・それから別府、熱海、伊東の一連の温泉都市建設法、こういうものがこの憲法九十五条による特別法に相なっておるように思うのであります。こういう立法をいたしまする場合に、一々広地域の地方公共団体の住民の住民投票によってこれが決定される、これは私はよけいなことのような感じがするわけであります。こういう特別立法は自治権の侵害どころではなくて、地方の利益のために存するものであるならば、むしろこれは法律に譲るべきものであって、法律で、ある程度重要な点だけ基準を示せばこれで十分じゃないか、こういう感じがいたすのであります。これも憲法の立法論でありますが、この機会に承わっておきたいと思います。
○林(修)政府委員 この憲法九十五条は御承知の通りに、そのモデルと申しますか、それはアメリカの若干の州の憲法にあるものだと存じておるわけでありますが、結局アメリカにおけるいろいろの経験で、ある特定の地方公共団体をつかまえて、その自治権を制限するというような動きを制限しようというものであることは、今山崎先生からおっしゃった通りであろうと存じます。またこの憲法制定以来の動きも、現実にわが国における動きが今までのところは、大体特定の地方公共団体の利益をはかるようなものだけが、条文に該当するものとして取り扱われたことは事実であります。しかし逆に申しますれば、一面においては不利益をはかるような立法ができないということも、こういう憲法の規定の一つの効果がなかったわけではなかろうと存ずるのであります。しかしこういう規定を、将来において憲法の立法論として置くかどうかにつきましては、これはいろいろ説があるようでありまして、今山崎先生のおっしゃったことも十分参考といたしまして考えていくべき問題であろう、かように存じております。
○山崎(巖)委員 次に本法案改正の第二の重要な点は、議決機関と執行機関を通じて地方公共団体の組織及び運営の適正、合理化と簡素化をはかるという問題であります。この点につきまして一、二お尋ねをいたしておきたいと存じます。 本法案によりますと、地方公共団体の議会の開会につきまして、現行法の年四回の定例会を年一回の通常会と改めんとするようでございますが、現在御承知のように、非常に地方行政も複雑に相なっております。また国会の関係、すなわち国家予算と地方予算との関係は、今日は従来と全然その様相を異にしておると思います。こういう意味から考えますと、通常会を年一回に限定することは、もとより臨時議会の制度は従来の通り認めてございますから、差しつかえないとはいうたものの、定例議会を特に一回に限定することは少し行き過ぎじゃないか。そういう点が、この法律案がどうも反動立法であるとか、あるいは議会の審議権を無視するという非難のもとじゃないか、しいてここでそういう無用の摩擦を別に起さぬでも、この定例議会の制度は従来通りにお設けになったらどうか、こういう感じが私はいたすのでありますが、いかがでございましょうか。
○川島国務大臣 地方議会は国会と違いまして、立法事項はないのであります。大体予算を中心としての審議であります。従いまして、予算審議を中心にした通常会を相当長期に一回開いて、あとは場合によって議会側の要求なり、また長の要求なりによって臨時に開かす、これで足りるのじゃないか、ことに末端の町村などは大体それでいいのじゃないかという考え方をいたしておるのであります。しかも必要という場合には、わづかに定員の四分の一の要求で必ず聞かなければならぬし、しかも会期は議会できめるのでありまして、これは長がきめるのではないのでありますから、実際の運営に当ってはこの程度で十分だ、こういう考えに立って修正をしようと考えておるのであります。これが直ちに地方議会の権限縮小だとか、こういうふうに私どもは考えておりません。運営の合理化だ、こういうふうに考えて改正いたしたいと思っております。
○山崎(巖)委員 長官の御説明で、その企図せられるところはよくわかるのでありますが、しかし定例会の問題はこれは開いたからといって、別に財政面に大した影響のある問題でもなし、議員連中からいわせますと、いかにも自分の権限が剥奪されておるというような誤解も非常にあるようでございますが、そういう点を別に潔癖にお考えになる必要はないと私は感じておるのでありますが、意見にわたりますから私はこの程度にいたしておきます。 次は常任委員会制度でございまするが、今度これを横割り式に改善しようというのがこの改正案のねらいのようであります。そのねらっておられるところは私どもにもわかるような気持がいたします。さきの国会法の改正についても長官はあの当時いろいろと御苦心をなさった一人でありまするが、あの際に前のような読会制度とかそういうようにして常任委員会を廃止したらどうかという意見もあったのでありまするが、現在の国会の状況から見ますと、法律案は毎通常国会あるいは特別国会においては二百数十件に上っておる、こういう法律案を片づけるにはやはり常任委員会制度を存置する以外になかろう。しかし幾らかでも常任委員会の数を減らそうというのでできたのが、国会法の改正であったのであります。しかし地方はそれと実情が違うと思う。むろん法律案のごときはありませんし、条例にいたしましてもそう件数が多いとは思いません。従いまして横割り制度を設けることは一つの考え方であろうとは思いますが、この原案によりますると、法規、決算、歳出歳入、請願こういうように五つに分れておるようであります。ところがこの割り方を見ますると、歳入と歳出が大きな部分であって、その以外のものはいわば刺身のつまみたいな感じがするのです。この横割りでは果して議会の運営がうまくいくかどうかという点に私どもは疑問を持つわけなんであります。横割り式の構想はけつこうでありますけれども、何かそこに改善の方法がなかろうか、あるいは歳出面を二つに分けるとか三つに分けるとかいうことも一つの方法でありましょうし、その辺の工夫がないものか、これについて、一つ長官でも行政部長でもけっこうでありますが、伺いたいと思います。
○川島国務大臣 山崎さんのお話の中にも出たのでありまするが、ここ二、三年来国会の常任委員会につきましては、国会の中におきましてもいろいろな批判が起りまして、ややともすると官庁の出先機関になっている。官庁の出先機関ならいいのですが、外廓団体の出先機関になって、それがために不明朗な運営が行われているという意見が出まして、いろいろ検討の結果、国会は何としても立法機関でありますから、やはり常時存置する必要があるということでもって常任委員会制度を置きましたけれども、二十三あったのを十六に圧縮したのでありまするが、地方議会に対しても同じような批判があまりして、行政部門別に分れておるがために割據主義になるし、セクショナリズムになりまして、その影響といたしまして、自然に予算の膨張を来たすということは、これは幾多の事例があるのでありまして、この点に対しては地方制度調査会におきましても常任委員会制度は設けたがいいが、内容については改善の必要があるという答申が出ておるわけであります。一面から申し上げますると、現在のような縦割り式では議員の諸君が一部局の専門的になりますので、これを横割り式にいたしまして、歳入、歳出、決算等の委員会にいたしまして、議員が地方制度全般に対する知識も得られるし、また発言の機会を与えることが適当でないか。これは単に経費の面からのみでなくて、制度として縦割りよりも横割りの方が合理的である、こういう考えのもとに改正案を出したわけでありまするが、現在私どもが構想を持っている点だけではこれは不十分だ、何らかほかに方法があるのじゃないかということも、まことにお説の通りでありまするが、しからばここでこれに対してどういうような考え方を持っているかというととは、はっきりした御答弁は申し上げられないのでありまするが、お説としてはまことにごもっともとは考えております。ただ根本の問題としては、やはり行政部門別よりは横割りにして、議員の諸君に全体の地方制度に対する発言の機会を与えることが必要じゃないかということは深く確信をいたしておるわけであります。
○山崎(巖)委員 私も先ほど申し上げましたように横割り式というものにつきましては賛成なんであります。しかしこの割り方自体について私は非常に疑問がある、こういうことを実は申し上げたわけでありまして、一ついい方法があるならば大いに研究をいたしまして、私どもも意見を申し上げたいと思います。 なおこの点に関連いたしまして、常任委員会制度を置きますところは市の中では人口五万以上ということになっておりますが、これは私は別に制限の必要はないような感じがいたします。特に町村合併促進法で合併しまして新たにできました市なり、あるいはまた合併前からの市であるとか、町村を合併して大きくなった市であるとかいろいろな市がありますが、こういう市について五万以下と五万以上とを分けることは、市を区別するような感じを受けますので、これは私は別にあまり理屈もないことであるし、よけいな規定のような感じがいたしますので、意見だけを申し上げておきます。 それからその次は都道府県の機構の簡素化についてでありますが、もとより私どもも現在の地方行政機構が非常に膨大になって、これを簡素化するということにつきましては賛成でありますが、ただよく考えなければならぬことは、今日地方の機構が非常に膨大化しました原因の一つに、中央官庁の勧奨と申しますか勧告と申しますか、それによって今日の機構が膨大化したのであります。私はせっかく自治法におきまして部だけはここにきちんときめられまして、またその部を増す場合には内閣総理大臣に申請するというような制度はできましても、今日のように中央官庁が自分の手足を作るような意味で地方の部なり課なりをどんどんと進めていくというこの弊習が打破されぬ限りは、結局自治法が実にりつぱな規定を設けましても効果は上らないじゃないか、こういう感じがいたすのであります。この中央官庁の今日までのやり方をどういう方法で御改善になりますか、その点をはっきり伺っておきたいと思うわけであります。
○川島国務大臣 お話の通り、中央官庁の影響を受けまして地方の機構が膨大化しておる点は幾多の事例もあります、また弊害もあるのであります。たとえば都道府県の部局にいたしましても、農林省関係においては農林部があり、農地部があり、水産部があり、いろいろなものがあるのであります。これを一本にしようと思いましても、農林省内の各部局が反対するがためになかなかできないというような事情もありまして、今回は各官庁といろいろ相談の結果、部局の縮小をはかることがようやくできたのでありまして、中央官庁の影響が地方の機構を膨大化することのないように努めるととは当然でありまして、私どもは今後行政措置といたしまして、そういうことはないように政府内としてこれは当然やるべきことだ、こう考えております。御説の点はかねて私も感じておりましたので、今度の改正案に対しましても各省といろいろと相談した結果、大体各部局の縮小に賛成をさせたのでありますが、今後ともこの点については不断の努力を払いたい、こう考えております。
○山崎(巖)委員 もう一点、この点に関連いたしまして地方事務所の問題でありますが、町村合併促進法で大分町村も力がついて参りました。現に埼玉県のごときは、これは財政関係からかとも思いますが、地方事務所を全廃をいたして、おります。地方事務所の今後のあり方につきましては、自治庁としてもお考え願う価値のある問題ではないか、こういうふうに私は考えておるわけでありまするが、大臣の御意見がございますれば伺いたいと思います。
○川島国務大臣 地方事務所につきましては、各府県それぞれの事情によりまして廃止している府県も少くないのでありますが、これにかわるに税務事務所、それから農業関係の事務所、福祉関係の事務所なんかも置くようになるのであります。これらをどうするか。せっかく地方事務所を廃止いたしまして、かえって各部局同士がせり合って複雑になっても困るのでありまして、その点につきましては今後考慮を要する問題であるとかねがね私は考えておるのであります。しかし現在の地方の実情が、大体地方事務所を廃止しようという方向に自発的になっておるということは、申し上げられ得ると思います。
○山崎(巖)委員 次に非常勤の勤務者に対します給付の問題でありますが、今回の改正法によりますると、日数に応じて支給することに相なっております。現在の実情がどうなっておるか、私は十分承知をいたしておりませんが、県の教育委員会でありますとか、あるいは市町村の教育委員会、あるいは農業委員会、こういうのは現在どういうふうになっておりまするか、行政部長からでも伺いたいと思いますし、またこの点は行政権限を持っております委員会との権衡の問題がありはしないか。たとえば国家公安委員会というようなものには相当多額の報酬、手当を払っておるはずであります。こういうものについては何ら触れずして、地方の委員会の手当だけに日割計算の制度を設けるということについては均衡を失するきらいがありはしないか、この点について御説明をわずらわしておきたいと思います。
○小林(與)政府委員 今お話しになりました地方のいろいろな委員会の手当は日割計算という建前でなしに、月割計算の建前で出しておるようであります。金額はもちろん地方によっていろいろ差がございます。それから今度考えましたのは国の給与法の一般原則によって、特別に法律に規定のあるものは別といたしまして、一般的に報酬の建前から申しますと、勤務に応じて、非常勤の者は勤務日数によるということが国の制度として確立しておるのであります。今おあげになりました国家公安委員会につきましては、これは法律で扱う建前にはなつておりますが、その他のものにつきましても、特殊なものは別といたしまして、一般の国の委員会と同じ建前になっておるのが多いのでございます。それで自治庁といたしましてはやはり給与法の基本原則にのっとって、基本原則を国家の制度と異にする必要はない、特別な例外を設けなくてはならぬものは別として、一般原則によって考えた方がよかろう、こういうふうに存じまして、そういう規定を設けることにいたしたのであります。
○大矢委員長 北山委員。
○北山委員 最初に委員長にお伺いしておきたいのです。実は私はきのうも疑問を出したのですが、現在地方自治法の一部改正案の審議を始めておられます。これは理事会でおきめになったというようなお話でございましたが、なるほどせんだっての理事会で、与党の方からそういう御要望があったことは私も承知しております。しかしこのほかにも地方税法の一部改正、あるいは交付税法の一部改正、あるいは地方財政再建促進特別措置法、そういうものがたくさんあるわけでございます。そういうものとの関連において、どういうふうにこれを審議していこうかというようなことについては、そう具体的な取りきめはなかったはずでございます。従って昨日から自治法の一部改正を審議いたしておりますが、ほかの法案の方は審議しなくてもいいのか、もう政府の方でもあきらめてしまったのかどうか、まず私はこれをお伺いしておきたいのです。そうでないというとわれわれとしても、再建促進法にしても重要法案であり、地方税法の一部改正にしてもやはりすみやかに結論を出さなければならぬ、交付税率の問題もありましょう、そういう重要な問題を、ほとんど法案の内容については審議をしないでおいて、そうして自治法の一部改正の審議をしてどうするのかというような懸念も若干ございますから、今後の審議はずっとこれから自治法をおやりになるのであるか、この際ちょっとお伺いしておきます。
○大矢委員長 申し上げます。御承知の過般の理事会の申し合せがございまして、大体その方針で進みたいと思って審議を願っておるわけであります。なおたくさんの法律案があることは御承知でありましょうが、大蔵委員会関係の法案がほとんど大部分であります。それが決定すればおのずから審議状態が進みまするし、さらにまたほかの法案については関連として相当質疑が行われておるように私は感じております。しかし先月十五日に付託された自治法の一部改正に対しては、昨日初めて審議が行われたと私は思っております。そういう事情でありますから、一応問題点は問題点として、審議を進めていくのが適当ではないかと考えておりまして、今日までその方針で参りましたが、なお必要があって急を要するものはそれを先議することに何ら異存ございません。そこで明日でも理事会を開いて、この委員会の審議の順序をきめていくことに私は差しつかえありません。今日までの審議の方針、状態というものは、そういう申し合せなりあるいは今までの経過についていたしたのでありますから、そういうことで御了承願いたいと思います。なお明日は理事会を開いて決定したいと思っております。
○北山委員 せんだっての理事会では、そのような最終的な申し合せまでは至っておらないと私は了解いたしております。しかも最終の方から勘定して何か十三日ごろから自治法の一部改正の審議を始めるということは、与党の希望としてあったわけでありますが、これはあくまで要望としてただ聞いておくという程度でございまして、よその法案との関係がはっきりしておらない。それのみならず委員長は、ほかの法案について多少とも触れておるのじゃないかというようなお話でございますが、地方税法についてはなるほど一般的な質問もやっております。従って一部の質問を残して大体において質疑は終ったという形になっております。しかしこれだってやはり修正等が出てくれば、質疑がまだ残っておるということは了解されておるわけであります。それから大蔵委員会の話もありましたが、それは例の地方道路税の関係だけであって、それ以外の部分については地方税法の審議は差しつかえないわけであります。それから政府提案の交付税についても、その内容的な審議はほんの一部入れておるだけ。再建促進法に至ってはその条文の内容にはほとんど触れておらない。そういうふうな格好で審議に入った形で取り扱われるならば、われわれは国会として、委員会としてこの重要な法案について審議の責任を果した、こういうわけには参らぬと思います。いずれにいたしましてもそれらの点を十分お考えの上で、十分なる審議、慎重なる審議を行われるように希望いたしておきます。 それで地方自治法の問題でございますが、先ほど来の質疑を伺っておりましても、町村合併と今度の地方自治法改正に関する自治庁当局のお考え、これも私非常に疑問に思っておるわけであります。先ほど長官から町村合併が完成した暁においては云々というお話がございました。町村合併が完成するということはどういう形を意味しているか、どういう格好になれば町村合併が完成したと言えるか、これをまずお伺いしたいのです。
○川島国務大臣 町村合併は昨年来非常に進行いたしておりまして、なお今も進行中でありますが、形はできましたけれども、内容の上におきましては新しい合併町村が必ずしも完全な運営は行なっておりません。これは相当に日時を要するのであります。私の申し上げる点は、形式だけでなしに、内容的にもほんとうに渾然一体となった町村運営ができるときをさして申し上げているわけであります。
○北山委員 そうしますと、合併した町村が一つの一体となった運営ができるような程度になれば、それは完成である、こういうお話でございますが、これは質的な面でありましょうが、量的にいえば、合併計画があって、しかもまだ合併されておらないところがたくさんあると思いますが、量的にいっても一応計画にあるものは合併ができ上る、これもまたあわせてお考えになっておると思うのですが、そんな点は差しつかえないのでございますか。
○川島国務大臣 私の申し上げたのは、量的の面と質的の面と両方をくるめてでき上ったときが町村合併が完全にできたとき、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○北山委員 町村合併はいろいろ問題があるのであります。長官は非常に円滑に進んだと言われますが、私どもから見ると必ずしも円滑ではないのであって、全国的にいろいろな副作用を生じたことは御承知の通りであります。この結果、効果につきましてもいろいろ私どもは疑問を持っております。ところで疑問の一つは、今度町村合併によって一応財政的にも力があるような格好になったはずの新しい市町村が赤字をたくさんしょっておるのじゃないか、こう思うのです。従って行政部長の方で調査がありますかどうかわかりませんが、合併市町村の赤字ですが、従来はなかったような赤字が合併後において発生したという事例もたくさんあるはずであります。そういうふうな状況について御調査があればお示しを願いたい。
○小林(與)政府委員 合併市町村の赤字の問題でありますが、確かに合併市町村で赤字を持っておるものはかなり多いのであります。私の方は全般的に全市町村について調べたものはございません。これは合併前にいろいろあったものが合併後表に出たものが大半だろう。合併後にいろいろな仕事をやっておるものも少くはないのでありますが、そういうものがあることは事実でございます。
○北山委員 合併市町村の赤字団体がどのくらいか、あるいは合併前に赤字がなかったが、合併後において赤字団体になってしまったというような資料がございますか。
○小林(與)政府委員 合併市町村につきまして特別に調査したものはありませんが、ある程度赤字町村は調べておりますから、先生のおっしゃったようなそういう総合的な資料にならないかもしれませんが、部分的なものならございます。
○北山委員 そこで町村合併がいずれにせよ完成をすれば、その暁においては府県の問題などを考え直してみるようなお話だった。そうすると、町村合併が完成すれば府県の制度を考え直すという以上は、町村合併が将来の府県制度の改正に関連を持っておるとお考えになっておるか、どういう点で関連を持つとお考えになつたのか。今の町村合併が完成をした暁においては府県制度を変えたい、こう言っているのですが、どういうふうな関連を持っているのですか。
○川島国務大臣 町村合併が完成をいたしまして、地方団体としての基本的機能が十分発揮できるようになりますれば、当然中間的存在である府県制というものに対しては修正を加える必要が出てくると思うのであります。その点において関連性がある、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○北山委員 そうしますと、その力のある市町村が生まれれば、そこで、今府県がやっているような仕事の一部をその市町村に譲り渡すことができる、こういう意味でございますか。
○川島国務大臣 仕事の内容によりますが、数市町村にわたったような仕事は、これは当然府県がやるべきであります。個々の市町村限りで施行し得るような仕事は、これは基礎的地方団体であるところの市町村にやらすのが適当だと考えております。従いまして町村合併が完成した暁におきましては、仕事の配分等においても考慮をすることが起るのだと思いますが、しかし私は市町村合併が完成したといっても、府県制の性格を戦争前に戻して、これを官治制度にするとか中央集権化すというようなことは毛頭考えておらぬのであります。また今回の自治法一部改正案にいたしましても、そういう基礎のもとにやっておるのでは決してないのであります。あくまでも憲法の条章に基きまして地方の自主性を尊重してやろうとこういうのでありまして、世間の一部では、今度の改正案は将来中央集権化するあるいは官治化する一歩じゃないかというふうに、非難しておる人もありますが、そういうことは全く私ども考えも及ばぬことでありまして、非常に迷惑な非難だ、こう考えておるわけであります。私どもは決して既成事実を積み上げて、結局終戦前の内務省の復活をしたり、府県知事を官選知事に持っていこうというようなことは毛頭考えておりません。
○北山委員 お尋ねをしない部分までお答えを願ったわけでありますが、問題は町村合併と府県制度の関連がある、私も関連があると思っておるのであります。しかしそれは具体的にどういう意味を持っておるかと言えば、やはり町村合併が完成をして、市町村がいわゆる基礎的血団体としてその自主的な能力が高まれば、今府県の方で手伝ってやっておる仕事の一部は市町村の方におろせるのじゃないかという意味において関連があるのじゃないでしょうか。それ以外に何らか町村合併の完成と府県制度とは関連があるでしょうか。
○川島国務大臣 お説の通り、事務の再配分をする必要ができてくるとかように考えております。
○山崎(巖)委員 次に地方公共団体の長に対します不信任決議成立要件の問題でありますが、この改正案によりますと、議員定数の過半数で不信任案の可決ができる、こういうことに相なっております。これは少し行き過ぎのような感じが私はするのでありまして、現在の府県知事なりあるいは市町村長は公選制度によって出ております人々であります。こういう人々の不信任案の問題につきましては、慎重の上にも慎重を期することが当然である。また懲罰の規定を見ますと、議員の懲罰の場合除名というのがございます。この除名の問題につきましては、今回の改正案には全然触れないで、従来のように非常に厳格な規定に相なっております。すなわち議員の三分の二以上の出席で、その四分の三以上の同意を要する、こういうことに相なっておるわけであります。この点との均衡の問題から考えましても、この点はまことに行き過ぎのような感じがするのでありますが、この立案の趣旨はどこにありますか、この点を伺いたいと思います。
○川島国務大臣 長の信任、不信任を過半数の決議によると改正しましたのは、現在の各地方団体を見てみますと長の所属党派と議会の所属党派とが全く違っておりまして、それがために非常に不明朗な運営をされているところが少くないのであります。たとえばある県で副知事を置こうといたします。議会は知事と反対の党派が多いのでありますから、これを否決します。そうしますと知事はやむを得ずこれを主席の部長なりあるいは室長なりという名でもって副知事と同じような仕事をさせるという処置をとると、今度は議会でもってその部局の廃止を決議するというようなことが現に繰り返されようとしておる事実が幾らもあるのであります。やはり民主主義の多数決の原理に基いて、信任、不信任というものは多数できめることが政治を明朗にするのじゃないか、こういう考え方から改正をしようといたしておるのであります。最近数年間の各地方団体の実情を見ますと、党籍を異にするがためにいろいろな弊害が出ておるのがあるのでありますから、こういう改正を考えたわけであります。これと懲罰の方とは多少性質が違うのじやないかと思うのであります。
○山崎(巖)委員 長官のお考え方はよくわかりますけれども、しかし何と申しましても、現在の地方公共団体の長は選挙によって選出されております。従いましてその人の進退を決するような不信任案の問題は、慎重の上にも慎重を期さなければならぬ、ただ多数決の原則、いわゆる二分の一以上というだけでこの問題を決定されることは、どうしても行き過ぎじやないか、私はこういう意見を持っております。私の意見だけを申し上げておきます。 次に大都市の事務配分の問題をもう一点伺っておきたいと思います。今度の改正案によりますと、地方制度調査会の答申に基きまして、さしあたって府県と大都市との間の再配分を相当きっちりおきめになっております。これは考え方としてはまことにけっこうだと私は思う。ただこれで果して円滑に行くかどうか、これについてどういう方法をおやりになりますか、その具体的な方法と、それからこの改正案の二百五十二条の十九の規定によりますと、政令によってこれを定めるということになっておりますが、政令の腹案等がございましたら、行政部長から一応ここで承わっておきたいと思います。
○小林(與)政府委員 事務配分の問題は各法律の数も多いことでございますので、それから法律の各条項につきましてそれぞれ事務の性質によって市に移すべきもの、府県に残すべきものもあるのであります。それで一応政令に譲りまして政令で精細にきめたい。そうして政令の制定の際にはもちろん各省と緊密な連絡をとって、各省の協議のととのった同意の線に沿ってやらなければならない、こう存じております。今具体的にはどこまでという現実の案がございません。おおよその考え方は各省の調子を合せて、そうして立案をいたしたいと思っておる次第であります。
○山崎(巖)委員 最後にもう一点伺って質問をやめたいと思います。それはこの法律案と直接の関係はございませんが、地方公務員法の改正に関しまして、最初自治庁におきましては地方公務員の停年制を御制定になる御予定であったように承わっております。ところがどういう理由か、今回参議院にお出しになっております法案によりますと、この条項が、抜けておる。巷間伝えるところによりますと、文部大臣の強硬な反対によって自治庁が引っ込んでしまった、こう申しております。ところがこの停年制の問題は前々からの問題でありまして、本年は必ず法律となって出るだろう、こういう予定のもとに地方公共団体におきましては、この停年制が制定される前提のもとに整理の計画をすでに立てたところがたくさんございます。こういうところは実は非常に困っておる、こういう状況でありますが、この停年制につきましては、自治庁としては今日どういうふうにお考えになっておりますか、この点をもう一点伺っておきたいと思います。
○川島国務大臣 停年制の問題は単にこれを経費節約の面からのみ考えるわけにはいかぬのでありまして、常に地方自治制に新鮮な空気を吹き込むためには新陳代謝をする必要があるのであります。従いまして相当長い期間を勤めた老齢者は退職を求めて、新人を採用するということが必要だと私ども考えまして、これを主張しておるのでありまするが、同じ地方公務員の立場におる教員につきましては若干考え方が違うのでありまして、この点につきましては私どもの間では意見が一致いたしておりません。現在の文部大臣の考え方といたしましては、義務教育の教職員については停年制をしく必要なしという考えに立っておるのでありますが、しかしこれも将来とも絶対に停年制をしかぬというのじゃないのでありまして、教育委員会の機構その他義務教育の問題につきましては全面的に再検討する時期に達しておる。これにつきましては停年制問題でなしに、義務教育問題につきましては、私と文部大臣との間におきましては再三協議を重ねておりますし、なお協議中でございます。次の国会にはおそらく義務教育に対する根本的の改正法案を御審議願う段階になるのじゃないかと考えております。停年制の問題もその際にあらためて取り上げたい、こういう意見なのであります。従ってこの国会に教職員に対する停年制の改正を出すことは文部大臣としては賛成いたしておりません。同じ地方公務員の立場におりながら、一方は停年制をしくし、他方はしかぬというのでは非常に不権衡になりまして、かえって地方自治が混乱をいたすもとでありますから、今回は一応これを取りやめたわけでございます。
○山崎(巖)委員 以上大体私は本法律案につきまして重要と思われます点について質疑をいたしたのでありますが、最初に申し上げましたように、私は今後の地方自治につきましては、どこどこまでも憲法の主唱いたしております地方自治の本旨を十分尊重しまして、いわゆる地方自治が民主主義の基盤となることが絶対に必要だと考えております。ただいろいろの関係で今日まで運営の面において相当改善を要するものがある。これは私どもも率直に認めます。この法律案はその点がねらいであることは、先ほどの質疑応答によって明瞭であります。私はこの法律案がかりに国会を通過いたします場合には、その運営に当りましてはきわめて慎重に、そうして自治の発達を阻害せぬように万全の注意を払われますことを自治庁長官に強く御要望申し上げまして、私の質疑を終りたいと思います。
○川島国務大臣 山崎さんの御意見は十分尊重いたしまして今後の処置をいたしたいと思っております。先ほども申し上げたのでありますが、この地方自治法一部改正に関する法律案の主たる点は議会に関する問題であります。私は今度の議会の改正は決して民主主義に逆行するものとは考えておらぬのでありまして、議会を合理化するのにはこの点がいい、こういうふうにほんとうに考えておるわけであります。従いまして先ほど北山さんから少し怒られたのですが、北山さんの心境をそんたくし過ぎて、ああいう御答弁を申し上げたのですが、ただ今度の自治法改正というのは、将来中央集権化に持っていくのだとか、官僚政治に持っていくということは絶対にないのでありまして、どこまでも憲法の条章を尊重してやるのでありますから、この機会にその点だけはっきり申し上げておきたいと思います。
○北山委員 資料だけお願いしておきます。ただいま長官から大へん力強いお言葉がございましたが、この自治法改正案の提案理由は、能率的な合理的な自治運営を確立して、行政経費の節減と行政効果の樹立をはかるという御趣旨なんですが、そういうことをやるためには、まずもってこのような自治法の改正よりも、補助金の制度でも直す方がより効果的な能率的な自治運営をはかるということになるのじゃないかと思います。ところがそれをやらないで、補助金の方は、むしろ地方団体が補助金をごまかした場合には、これを処罰するというような法律を出して、また、どうも長官のお言葉を返すようでございますが、官僚的な、中央集権のにおいが非常に濃いところの自治法改正案を出された。私どもは非常にそこに長官のお言葉に疑問を持つわけでございます。そこで資料を出していただきたいのですが、戦後において地方自治体の仕事が非常にふえた。ふえたのは法律がたくさんできて、新しい事務がふえたということが一つでございます。それから国の補助金政策によって、いろいろ雑多な補助金がたくさんできて、その補助金につられて地方団体が仕事をしたということが一つであります。そこで戦後において、地方自治体に対して新しくできた法律や政令でもって命じた仕事の種類、それをずっと一覧表として府県、市町村別に一つ出していただきたい。それから補助金の方も、戦後において新しく設けられたもの、それを補助金の一覧表みたいなものとして一つ出していただきたい。一覧表は別にあるようでございますが、戦前と戦後とで比較できるようなものを一つ出していただきたい。これをお願いいたしておきます。
○大矢委員長 他に資料の要求はございませんか。
○門司委員 私の方もこの機会に、資料として簡単なものでいいが出してもらいたいと思います。それは自治法の改正に伴って、ここにいろいろなことをたくさん書いてあるようだけれども、財政的の区分はどういうふうに市町村と府県を分けるつもりなのか、財政の裏づけはあるのかないのか、ただ行政事務だけを並べただけで、財政のことはあとで考えるということになっておるのか、その点を一つはっきりしていただきたい。もし資料があるならそれを出していただきたい。
○小林(與)政府委員 今お尋ねの問題は、おそらく県と市町村との事務の配分に関連してのお尋ねだろうと思います。そこでこの自治法によって、具体的に直ちに動くのは五大市の事務配分であります。これについての実施は、この法律施行後六カ月と書いてありますので、実際の事務の移譲が行われるのは、来年度だろうと考えております。五大市の分については、もちろん財源の調整は当然するように考えております。 それから第二条の問題につきましては、これは直ちに事務がどうこうということになるのではないのでありまして、大体府県の事務のあり方、市町村の事務のあり方を基本に考えておるのでありまして、これに伴って具体的に事務の移譲があるとすれば、いわゆる協議によって行うわけであります。
○門司委員 そういう答弁を始終やっているから、市町村の財政、府県の財政というものはどうにもならぬのであって、行政の改革を行おうとすれば、必ずそこには行政費がついて回るのであります。だから財政の区分というものは明確にして財源をとっておかなければならない。今日の地方財政の欠陥も私はそういうところにあると思う。仕事だけは盛んに、これもやったらよかろう、あれもやったらよかろうということでやるが、財政的な措置はちっともしておらない。足りなければ借金してやっていけというような形をとるから、今日のような地方財政になってしまう。今行政部長は話し合いによってと言われたが、なるほど法律の最後には話し合いによってというようなことをちょっと書いてある。しかし事務の配分をする場合、必ず行政費がついて回る。そうすれば、その辺のことは十分考えて必要な処置をとっておかないと、どんなりっぱな法律をこしらえても、その法律の運用は非常に困難になっていくということは、どうしても考えられる。ことに今五大市の分のお話が出たが、五大市の分も、こんなことをやっておったらどういうことになるか、財政的の処置をどこにしてあるか、どこにもしてない。一体税法のどこが変っているか。財政法のどこをいじったか。私は少くともこういう自治法の改正をしようとするには、税法の改正なりあるいは財政法の改正なりがついて回って、そして完璧なものにすることが親切なやり方だと思う。だから、もし絶対に財政的の処置を必要としないというならしないでもいいが、処置が必要というなら、その処置の必要が、どのくらいの程度市町村分をふやさなければならぬのか。あるいは県の分をふやさなければならぬのか。これは単に数字だけをふやしたのじや財政の問題は片づかない。数字をふやそうとすれば、国から補助金がない限りにおいては、税法をいじらないわけにはいかない。そういう点についてもう少しはっきりした答弁を願いたい。
○小林(與)政府委員 五大市の問題につきましては、これは当然これによって特定の事務が移りますから、それに伴う財政上の処置は講じなくちゃならないと思いますが、われわれの方としても、大体の数字は予定はいたしております。これは警察法の改正に伴いまして警察事務の移譲と、それからこの具体的な事務の市町村への移譲、これをからみ合せて財源措置を考えることにいたしているのであります。具体的の実施は、今申しました通り猶余期間がありますので、その際当然必要のあるときには必要な財源措置をやらなくちゃならないし、またやるつもりでございます。
○門司委員 そういう問題がどのくらいあるか、一つ数字を出してもらいたいというのです。私がこういうことを言うのは、たとえば警察事務の移譲にしてもそうです。警察事務だけは去年国に移譲したが、財政処置が満足でなかったために、地方の自治体は一体どれだけ損をしているか、去年も一般財源から四十億繰り入れなければできないような始末になっている。財政処置を満足にしないで行政の改革ばかり行うから、いろいろな問題が出てくる。行政改革をしようとするならば、先に財政処置を出さなければならぬと思う。そこで、今度の改正で大体どのくらいの財政処置が必要なのか、その数字を一つ出してもらいたい。 それから二条の改正もそうですよ。これだけはっきり区分してくると、その中には、市町村と県で話し合えといったところで、それなら話し合って、県の持っている財政を市に譲るというわけに参りません。これを譲るには、やはり県税と市町村税との間に何らかの連絡をとるか、あるいは財政法を一部改正するかして、そして府県が市町村に補助金でもできるような道を開いてやるか、いずれかの形にしなければ、ここに行政法だけこしらえてみたところで、私はどうにもならないと思う。だから、大体二条の形で移管されてきて、どのくらいの市町村財政をふやし、都道府県の財政をどのくらい縮めていいかということは、およそ見当がつかなければならない。だからその点について、一体そういう資料が出せるか出せないか、もう一ぺんはっきりしていただきたい。
○小林(與)政府委員 五大都市の問題につきましては、大体平年度で、五大市の財政需要額の増加は七億円程度になるかと考えております。その数字の内容は、今ここにありませんけれども、大体そういう程度であります。これにつきましては、当然県と市の間における財政調整の問題は考えなくちゃならないのであります。しかし今申しました通り、実施の時期が本年度すぐに起るのじゃありませんので、そのときに措置をするという考え方でございます。 それから第二条の問題につきましては、第二条の改正によって直ちに特定の事務が市に移る、町村に移るということはないのでありまして、県と市町村との事務のあり方、考え方というものはこれではっきりいたしますけれども、特定の事務は、大てい法令に基くものは法令の改廃がなくては事務の移譲は考えられませんし、それ以外の場合においてあり得るのは、個々の施設、営造物についての移譲の問題は、これはあり得るのであります。それは個々の問題であって、それぞれの府県と市町村との協議によって、財政力その他の力に伴うて行うところの措置でありますので、この条文そのものによる財源の配分は、現在直接にはわれわれは考えておらぬ、こういうふうに考えておるのであります。
○門司委員 いずれこの条文の逐条審議の際にはそういう問題が必ず出てくると思いますし、そのときにも財源措置をどのくらい入れるのか考えなくてはならぬと思いますから、もう一度聞いておきますが、この二条の改正は、今の御答弁から考えれば改正の必要はなかったと私は考える。事務配分の関係については自治法の中にも書いてあるように、そう区分が明確になっていないという筋合いのものではないと私は思います。ただ地方財政の関係から来るいろいろな問題を考慮して、こういう事務の配分をやる場合、地方制度調査会が勧告したごとく、市町村を基礎的団体としてものを考えてくるならば、こういう形の行政が行われることはこれは考えられると思うのです。つまり広域行政、補完行政ということを考えるならば、この範囲のものは補完行政でいいだろう、この範囲のものは広域行政でいいだろうということは考えられる。しかし個々の市町村と府県との間には必ずしも同じような補完行政を必要とするものではない。しかもこの法律には調整をして、話し合ってということが書いてある、これだけで、事務配分を明確にするということは書いてない、だからそういう場合こういう改正を行おうとすれば、私は市町村自体の財政規模をどのくらにするか、府県自体の財政規模をどのくらいにするかということが必然的についてこなければならぬと思うので、こまかい数字はわからぬかもしれないが、もしわかるなら、財政規模の上においてどのくらいの開きができてくるのか、その概略の数字でも出していただきたい。
○小林(與)政府委員 第二条の問題の説明になりますけれども、われわれは府県と市町村の事務のあり方というものをはっきりさせなければいかぬと存ずるのでありますが、との条文によって直ちにどの事務がどれだけ府県に行くかということは必ずしもきまらぬのであります。大体の事務は御承知の通り法令でもってそれぞれ府県、市町村というふうにきまっておるものでありますから、それで具体的の事務の移譲がある場合には、当然に事務の配分に伴う財源措置をやらなくてはならぬことは当りまえだと考えておるのであります。
○門司委員 そうすると、この法律はただ単に自治法の改正の筆跡はこうあるべきだという姿を出しただけであって、具体的な問題には触れていないと考えていいのですか。私は具体的な問題は今日の自治法の中には書き過ぎてあるくらいにかなり明細に書いてあると思います。府県の仕事というものは、その中で市町村の仕事と競合する場合があるので、従ってこれらの問題を処理することのための基本的な条件として、県が補完行政をやる、市町村は基礎的団体であるということを地方制度調査会が打ち出したのである。従って現行法において、競合するものを一応拾ってみて、どういうものを広域行政にするか、あるいは補完行政にするかということについて、大体の目安がついておらなければならぬ。そしてまたそれには財源措置が伴わなければならぬと思うのでありまして、私はこのままそれを入れかえてみたところで、どうにもならぬと思うのであります。ただ行政区分を分けただけであって、実質的な行政基礎の上に何も影響がなければ、これは文書に書くだけだ。書くだけならこんなにややこしいことを書かないで、補完行政を県がやるというふうに地方行政調査会が答申したようなことを書いておけばいい。ですから、そういう物の考え方で行政改革をやっていくと財政が伴わないで、地方財政というものはどうにもならなくなってくる。これは今まで幾多の例があります。警察法の改正を取ってみても、財政措置をしなければならぬ、府県はこのため百億の赤字が出ますよと何べんも繰り返してやかましく言ったのに財政措置は何らしていない。さらに自由党と民主党の改正案で五大市の警察は残したが、それに財政措置が伴っていない。そのために五大市の警察はどのくらい借金をしておるかわからない。従って行政改革をしようとすれば、やはり財政の面を十分考えて、そうして親切な態度でいかなければ、どんたにいい法律をこしらえてみても、それを実行に移せば必ずぼろが出てくる、行き詰りが出てくる。だから、くどいようだがもう一応念を押しておきますが、市町村の財政規模がどのくらい大きくなるか、あるいは府県の財政規模がどのくらいまで小さくなるか、行政が移動すれば必ず財政が移動するにきまっております。今五大市については七億くらいだという答弁がありましたが、県と市町村とでは財政規模の上でどのくらいの開きが出てきておるのか、これはあなたの方で返答ができなければ、政務次官かあるいは大臣から一つ答弁をしてもらいたい。これは自治庁全体の問題です。
○小林(與)政府委員 第二条の問題は、先ほど申しました通り、この条文によって制度上特定の事務が特定の市町村に直ちに移るということにはならないのでありまして、制度の改廃を要するものはそれぞれの制度の改廃を前提にしなければならぬ。それからそうでないいわゆる一般の公共事務と申しますか、今まで府県、市町村が自由にやっておったそれぞれの事務につきましては、今後との方針によって府県は府県の事務を、市町村は市町村の事務を、こういう建前で今後の事務運営の基本方針を明らかにしたわけであります。それで現に府県と市町村の間でやっている事務で競合しているものについては個別的に移動が起り得ると思うのでありまして、そういうものについては、これはそれぞれ個別的な団体の問題だというふうに考えております。
○門司委員 個別的に起るから問題が起るのであって、市町村といっても市町村が一つの団体ではない。まだ四千幾つか町村が残っておる。市が四百九十もある。これが自治体というものを構成している以上は、個々の問題を取り上げないでここで議論するわけにいかないのです。私が聞いておるのは、事務配分をこういうふうにされてくる、そうしてあとう限り市町村におろしてくるということになると、段階がたくさんできてくる、要するにこの程度の市はこの程度の仕事をやっていい、この程度の町村は県の厄介にならないでもおれの方でやっていくという話合いができてくる、そうすると、事務は当然移譲されなければならぬ、そして行政事務が移譲されれば財政も移譲されなければならぬ、こういう目安がつかないでこういう法案を出すこと自身がおかしい。もう少し明確に言っておくが、大臣の説明の中には、経費の節約ということをはっきり書いてある。これをごらんなさい。そうすれば数字が出てくるはずなんです。どこがどうなり、どこがどうなるのか、総合的にどれだけ経費が節約されるのか。個々の問題がわからなければ、それならこの自治法改正に伴ってどれだけの経費が節約できるのか、大臣のこの説明書の中にちゃんと書いてある通り、数字をあげてみて下さい。どれくらいの節約になりますか。
○小林(與)政府委員 大臣の説明の中の経費の節約は、この問題だけでなしに、全部のそれぞれの組織機構の改廃に伴うて経費の節減が可能であるということを申されたわけでありまして、それぞれの機構の移動に伴う経費の節約につきましては、もちろんわれわれとしても一応予想しておる数字はございます。今申した二条の問題につきましては、経費の節約という問題よりも、合理的に県と市町村の間で行われる問題が主体であります。われわれが全般的に考えておる数字は、六億くらいの経費は浮いてくるだろうということは考えておるわけです。しかしながらその節約もどの程度どうやるかという実際の地方の団体における運営の問題がございまして、当然に特定の事務がなくなるとかどうとかいう問題ではないのでありまして、これはわれわれの一応の予想と申しますか、見積りでありまして、それぞれの、たとえば部制の問題でも部制の問題をどこをどう廃止するかということは団体によってきめるわけでありまして、画一的に法律によってぴしっときめておるわけではありませんから、そういう意味では一応の見積りは考えておりますが、そう現実に行われる精細な数字にはならぬ、こういうふうに私は思っております。
○門司委員 大臣にはっきり答弁しておいてもらいたいのですが、地方制度調査会が出した勧告案の行政の区分をはっきりするということは、行政の運営の面の簡素化が一つと、二重行政になるというために財政もやはりダブっているという考え方が一つあるのであります。それで市町村を基礎的団体にして、片一方を補完行政にして、そしてできるだけ行政がタブらないようにする、そのことで行政の簡素化と同時に経費の節約が、おのずからそこに出てくるという二つのねらいがあるのでありまして、今の行政部長の考えはただ行政面からだけの考えであって、財政の面を忘れておると思う。だからどこをいじればどうなるという——今日地方財政の問題は行政の問題よりもっと重要な段階に来ているんです。きのう相生市の問題、あるいは佐賀県の問題、きょうは鹿児島の川内市の諸君が陳情に参っております。もう銀行から金を借り尽してしまって、銀行も金を貸してくれない、公務員の給料も払えない、一体どうしてくれるんだと先ほど陳情に来ておりました。そこまで来ておるのであります。従って行政の問題をいじろうとすれば、財政の問題を考えないで行政だけを改正していくことは今日の時代では許されないのであります。従って大臣の説明書にもありますように、地方制度調査会の答申に基いて行政措置を行われようとするならば、地方制度調査会の答申の要旨は、事務行政の配分ということは一つは簡素化、一つは費用の節約ということが大きな問題であったことは今までの過程において明らかであります。従って私が今聞いておりますのは数字はどのくらいいじれるのかということを聞いておる。大体五、六億くらいは考えておるが、はっきりした数字はわからぬというが、考えておる数字だけでもいいですから、大体自治庁が考えておって、どういう結果になるのだという数字を一応出してもらいたい。
○小林(與)政府委員 この制度の改廃に伴う経費の節減の問題は、もちろん経費は節減できます。できますが、私の申しますのは、自治法は制度によって特定の事務がぴしっときまっておるわけではないのでありまして。組織、機構もそれぞれの団体で自生的にきめておるのでありますから、これの改正によってどれだけにきめるかは自治体のきめる問題でありまして、たとえば委員会の制度を改正するにしたって、委員会の運営をどうやるかによってこれがきまるのであります。しかしながらこういう改正を行えば相当の節約が予測できるということは当然であります。そういう意味では私は今度の財政計画の上においても最低限度六億という数字を一応出しておるのであります。しかしながら具体的にはもちろんそれよりもはるかに多いと思うのでありますが、これは個々の団体がそれぞれ自主的にやられる問題でありますから、そういうふうに御答弁申し上げておきます。
○門司委員 それでは私はちっともわからぬのです。個々の問題はもちろんそういう問題が出てきますが、個々の自治体で節約する分は自治体と別個の問題です。制度自身の問題で改革されようとすれば、そこに財政的の移動はないかというのです。なければないでこれから先の質問をしますから、なければないとはっきり言って下さい。あればどのくらい移動するであろう、要するに府県の財政はどのくらい減って、町村の財政はどのくらい膨張するであろう、そうしなければ補完行政と基本行政とをわけた意味がないですよ。やれるだけの仕事を市町村に下せば市町村の財政がふくらんでくることはきまっている。だから政府の目安はどこに置いているかということ、府県財政と市町村財政の関係はどの程度に置いておるかということ、これをはっきりしなければ制度だけいじっておっても何にもならぬのです。事務の簡素化というけれども、事務の簡素化ということにはきっと経費がくっついて回る。だから府県の補完行政に一つの事例をとれば、府県の事務が市町村に移っていく場合には、今まで府県で持っておった行政費というものは削られなければならぬ。そのかわりにそれは市町村でふえてくる。しかし市村町でふえてくる分と府県の削られる分との間に多少でも節約ができれば、それは制度の改正による費用の節約ということになるのである、同時に事務の簡素化になるのである。その点が、一体これによってどのくらい節約ができるつもりかということを聞いておるのです。これはただ並べただけなんですか。
○小林(與)政府委員 並べただけじやもちろんないのであります。並べた数字によって今後事務の移譲、配分というととは、これは当然行われることとわれわれは考えておるわけであります。しかしながら先ほど申し上げた通り、個々の事務は法令によってきまっているものが一つ、そうでなしにそれぞれ府県、市町村が随意にやっている事務、こういう二種類ございまして、法令によってきまっている事務につきましては、現実に事務の配分が行われるのは法令の改廃によって初めて具体化されるのであります。そうでなしに五大市の事務の配分などは、これによりまして特定の事務が移るのでありますから、これによる財源の移譲ということは考えなくてはならぬことは当然であります。それからいま一つのいわゆる補完行政等につきましては、その個々の施設事業についてそれぞれの団体について、これは現実的具体的に行われる問題であります。しかもこの制度によって明日からどうこうなるという問題ではない。それぞれ団体が今後施策をやっていく上においての基本的な方針になるとともに、個々の施設について相互に移動を行うべきものありとすれば、それぞれ協議によって自主的にやる、こういう体制にいたしておりますから、制度上当然これによって府県が幾ら、市町村が幾らというふうなことをわれわれは今すぐ考える必要はない、こういうふうに存じているのであります。
○門司委員 それではもうこれから先、議論はいたしませんが、そうすると自治法の改正自体はただ答申に基いて羅列をしたというだけであって、実質的に何らの効果のないものだ、その解釈でよろしゅうございますか。
○小林(與)政府委員 実質的にと申しますのは、具体的に直ちに事務が移譲するかせぬかという問題だろうと思います。先ほど申しました通り、それぞれの実体法に基いて、たとえば府県道はどう、市町村道はどう、こうなっているので、それぞれ実体法の改廃を伴わなければこれは具体化されぬわけであります。あとは随意事務の事務処理の基本方針というものがあって、これによって府県は府県として取り上げるものを考える、市町村は市町村として考えていくわけでありますから、そういう意味では府県と市町村と考え方についての基本的な方針として大きな意味を持ってくると思う。事務の競合は、制度として生ずるという問題は、それぞれの制度を改廃しなくてはいかぬのでありますが、それよりも、そうでなしにお互いに競争してやるというところに問題があるのであります。そういう点はこの基本精神によって、はっきり変ってくる、こういうわけでございます。
○門司委員 私はそういうふうに答弁されると、なおわからなくなる。この法律の中にも、事務の競合についてどうするということが確かにどこかに書いてある。事務の競合というものはどこまで行っても残るのです。だからそれが残らぬように、できるだけこれを明確にするように全度制度を変えたように私は思うのです。もしそういう趣旨でなければ、この法律の中に都道府県と市町村が普通地方公共団体だと書いてあるところに、事務の配分の上に、答申案通り市町村は基礎的団体にして府県は広域行政と補完行政を行うものと書いておけばそれで済むと思う。それ以上こんなこまかいことを書かなくても、基本的原理があればあとは何も要りはしません。書けば書くほど問題は複雑になる。複雑になってくるということは、実際の事務と関連を持ってくるということである。実際の事務との関連を持ってくれば、必然的に事務の配分がそこに行われるということである。こういう字句を出してごらんなさい。一つ一つの項目について、今まで市町村がやっておった分を一体どこで線を引こうかという問題が必ず出てくる。そのときには必ず財政が伴ってくる。従ってそうなった場合の財政上の移動はどのくらいかと聞いておるのです。そうしてどれだけ節約できるかということを聞いておるのであります。これはあなたの方で別々だというならそれはけっこうであります。そんなことは絶対にないのだ。私の意見としてはこんなものは羅列する必要はないと思う、答申案通りに書いておけばいい、あとはそっちで話し合っていけばいいということになっておる。少くとも法律でこういうようにきめた以上は、大体この辺までは市町村でやらなけれどいかぬじゃないか、この辺までは府県がめんどうを見てやらなければ困るというような目安はあなたの方でついていなければ、こういうこまかい数字は書けないはずです。それで私ははっきり聞いておきますが、財源の移動については、後ほど間違いのないようにするということですが、その時期は一体いつにされるのか。あまり行政をあなた方役人の立場からいじり過ぎては困るということです。いじればいじるほど複雑になります。まるきり今の御答弁では、財政的の処置を何も考えておらぬ。ただ書いただけだということなら、いじらなくてもいい。法律なんか改正しなくて、答申案通りにすればいい。もう少し親切にこういう制度を設けることによつて市町村財政はどうなる、府県財政はどうなる、従って財政全体に対してこういう利益があるのだということをはっきりここで言いなさい。大臣はこの中ではっきり書いているではありませんか。個々の行政の面において市町村が行う委員会制度をこういうふうに詰めれば、あるいは今まで十一あった委員会が五つになる、そうすると二分の一の委員会の費用で済むというようなことがわかっておるわけです。こんなことは二条に書いてある事務の配分の問題で——さっき私が言った事務の配分の問題ではないのです。こういうことは、一応事務の行政的の改正によって節約ができる、その面を何も聞いておるわけではない。こういう府県と市町村の事務配分による行政費の節約が、一体どれだけできるかということを聞いておるのです。それがわからなければ、二条の改正は今まで通りやっていっても大して変らぬでしょう。その点を私は聞いておるのです。わからなければわからないでいいのですよ。
○小林(與)政府委員 重ねて申し上げますが、この二条によってわれわれが財源措置その他を考えるということは、法令上当然事務的に事務が移動する、これは当然に考えなくちゃならぬのであります。二条によりましては直ちに必ずしもそういうことにはならぬのでありまして、それぞれの制度の改廃によってそれができる。そのときは当然財源の配分をしなければなりませんし、あとは個々の固有事務を処理する基本方針、いわゆる補完事務とか、そういうものはそういうように入っていくだろうと思うのでありますが、そういうものにつきまして、どれだけのものがこれによって当然に行くかということは、われわれ全国的に調べてはおりません。また事実そういうふうに行くかどうかは、それぞれの協議によって事務の移譲が現実に行われる場合は行われるのでありますから、それ以外は、それぞれの団体の仕事をやる場合のやり方というものが、これによって筋道が立っていく、こういうのでございます。それで先ほど申しましたいろいろな委員会がどうなるとか、機構がどうなるということの財源は、これはもちろんわれわれの方でも一応数字は出しておる。先ほどから申し上げておるのであります。
○門司委員 私が聞いておりますのは、そういう個々の問題が出てくることは当然わかり切っておるのだ。わかり切っておるが、この法律を読んでみて、二条の一番最後に、さっき言った府県の事務と市町村の事務とが競合した場合には話し合ってきめると書いてある。これが書いてある以上は、少くとも事務の配分が行われるものということを考えなければならぬ。そうして事務配分が行われれば、こういうふうに羅列してきて大体こういうものは府県でやり、あとのものは市町村でやれるということになるのです。そうするとあと法律に一つつけ加えて、市町村との間に競合する場合は適当にやれと書いてある。そうすれば当然この書いた項目によって事務配分が行われるものであると私は断定する。断定するように書いてあるから断定する。そうすれば、事務配分に伴う財政的の移動が必ず行われる。一体それがどれくらい行われるのか、その点を一応お聞きしたい。その数字があるならばあなたの方から出してもらいたい、こういうことです。
○小林(與)政府委員 今申されましたことはその通りでありますが、それが行われますのはすべての市町村、府県における個々の施設について、具体的にどの施設がどの市にどう行くかという現実の話し合いというか、協議によって初めて行われるのでありまして、具体的にどの施設とどの施設と、どれが幾ら行くかということは、われわれは正直に申しまして現在直ちにそういうものを持ち合せておりません。それは個々の自治体の事務はそれぞれ自主的なものが行われておりまして、全部の仕事をわれわれが握っておるわけではないのであります。しかしながらそれぞれの団体におきましては、そういう意味で合理化が行われることは当然だと思います。それがつまり一般的に行われて、それに伴うて基本の財源措置というものを転換する必要があれば、交付税の配分その他でこれを調整しなければならぬことは当然だと私は考えておるのであります。しかしながら今日直ちにこれによってどれだけになるかということは私はわからない、こういうふうに申し上げておるのであります。
○門司委員 わからなければわからないでいいですが、事務配分に伴う財政的の措置が今言われたような——あげ足をとるわけではありませんけれども、交付税でなどと言われると困るのです。交付税は市町村においては七〇%しかないのであります。府県は九〇%です。市町村はあるいは八〇%で、財政の全額を見ていないのです。従って今のようなことでこれを交付税の配分でまかなうなどということになると、二〇%だけ損をしなければならぬということになる。これは当然なのです。だからそういういいかげんのことで財政措置をされては困るのです。もしそういうことが出てくるとするならば、今まで府県で使っておった費用というものが市町村に移されてくる。事務が移されるならば、当然その費用を市町村が使わなければならぬ。そのときの財政的措置をどうするかということが、財政法なりあるいは税法の中ではっきりきめられなければならない。財政の中でこういう措置をしようとすれば、こういう改正をして、そして市町村が仕事を受け継いでも財政的に困らぬような措置をとってやることが親切なやり方である。またそうでなければこの法律の運用はできないと思う。そういう事態ができたらそれからまた考えるでは、これは少し不親切過ぎる。
○小林(與)政府委員 その点私の説明が少し足らぬのかもしれませんが、これによって税をどうするとか何とかするという、制度的に一般化するような事務の移譲が当然には行われない、こう申し上げておるのでありまして、交付税を配分することはもちろんのことであります。しかしながらこれで行われますのは、市町村がそれぞれ固有の事務として自主的にやっておる事務につきまして、それぞれの団体の力に応じて、委譲が行われるのでありますから、これは個別的な問題で、制度一般として当然に行くものにつきましては一般的に考えなければいかぬ、私はそれは当然だと思うのであります。そこのところに少し感じの違いがあると思いますが、それでありますから一般的に行く場合は、制度上当然に財政措置もやらなければならぬし、個別的に行われる場合は個別的の財源の問題として考えなくちゃならない、こういうふうに思うのであります。
○大矢委員長 相当議論があるようですが、本日はこの程度にいたしまして、次会は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時散会