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22回国会衆議院1955/07/12

地方行政委員会 第38号

発言数
77
登壇者
18
会派数
4
開催日
1955/07/12

会議録

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 これより会議を開きます。  本日は、地方財政再建促進特別措置法案並びに地方自治法の一部を改正する法律案について参考人より意見を聴取することにいたします。本日御出席の参考人の方々はお手元に配付してございます名簿の通りでございます。  参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙のところ、各位には本委員会のために御出席下さいましたことに対して、委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。参考人は自治行政、財政、その他の一切に対して実際に体験されておる方々でありまして、この自治のあり方についての率直なる御意見をお伺いしたいと存ずるのであります。暑いことですから、どうぞ自由に上着をとっていただきまして、忌憚なき御意見を承わることにいたしたいと思います。各位の発言時間は、多数でありますので大体十五分程度に願って、あとは委員各位の質問にお答え願ったらけっこうだと存じます。  それでは順次意見を承ることにします。全国知事会代表の茨城県知事友末洋治君。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 今回政府が国会に提出されておりまする地方財政再建促進特別措置法案につきまして、まず意見を申し上げます。  地方財政再建促進に関しまする法律を制定いたしまして、年々累増いたしまする地方財政の赤字をひとまず急速に解消するの必要あることにつきましては、かねてから私どもが強く要請して参ったところでざざいまして、地方制度調査会におきましても、とりあえず当面とるべき緊急措置としてこれが必要を認め、その答申の中にも取り入れておるところでございます。しかして今回政府が、崩壊寸前にございます地方財政の危機打開の重要な一環といたしまして、右地方制度調査会の答申や、さらにはまた議員提案にかかりまする地方財政再建整備法案の構想を尊重されまして、本法案を提出されましたことは、むしろおそきに失するうらみはございまするが、その趣旨につきましては大いに賛意を表し、一日も早くこれが成立を期待いたしておるものでございます。申し上げるまでもなく地方財政の再建につきましては、その赤字の実態をまず正確に把握いたしまして、その原因を公正に分析いたし、これにそれぞれ即応いたしまする措置をとりますことが必要である、かように考えるのでございます。  しかるに本法案の内容を概観いたしますに、果してこの基本的態度に立ってこれを立案されましたかどうか、相当疑いを差しはさまざるを得ない点が少くないのでございます。すなわち、今日地方団体が極端な赤字に陥っておりますところの根本的な原因は、現行の地方行政制度とこれに見合わなければならない地方財政制度とが不均衡に相なっておりますこと、国の施策の欠陥がありますこと、さらにはその国の運営の不合理等に基きますものでありまして、実際におきましては地方団体財政運営の巧拙などは論議に値する限界をほとんど越しているものと申さなければならぬのであります。従ってかかる実情のもとにおきます地方財政の赤字解消に当りましては、国が積極的に全面的な責任を狩ってこれに対処いたすべきでありますのにもかかわらず、本法案におきましては、地方財政の再建に当りまして、国が当然来すべき任務を極力回避し、これを不当に地方団体に転嫁いたしまして、もっぱら地方団体みずからの過大の責任と努力とによってこれを行わしめようとしておりますばかりでなく、さらには何ら赤字発生に関係のない地方住民にまで、不当の犠牲を強要ぜんとしておりますことは、全く理解に苦しむところであります。  さらに本法案の中には、赤字解消の名のもとに、国が不当に地方自治に干渉いたします悪例を生ずるおそれのある事項も合まれておるのでありまして、これは本法案がいかに臨時立法とは申しましても、地方自治の本旨の建前から申しまして断じて容認できないところであります。  以上の観点に基きまして、修正を要すと認められます諸点につきまして申し上げます。  まづ第一に、財政再建債の総額につきましては、現在昭和二十八年度の決算におきます赤字額四百六十三億円を基礎といたしまして、三百億円が準備されておるのでありますが、本法案がその対象としております昭和二十九年度の赤字額はさらに百数十億円増加するものと見られており、当然予定の三百億円では不足することが予想されますので、その不足額は本年度中において、必ず政府資金をもって補てんするの保障をなすべきである、かように考えるのであります。  第二に、右二百億円の財源の中には消化のきわめて困難な公募債百五十億円が含まれておるのでありますが、これが政府資金によります肩がわりに関する本法案の規定を一見いたしますと、驚くほどあいまいもこになっておりますので、せめてこれでも必ず昭和三十一年度中に政府資金に振りかえるものとすることを明記すべきであると考えます。なお現在公募債の消化状況は御承知のごとくきわめて悪く、まして赤字補てん債を公募によって起す場合におきましては、通常の手段をもっていたしましては、その幾ばくが消化できるかはなは、だ疑問でありますので、政府においてその償還に関して債務保証を行わない限り、財政再建債の引き受けにつきまして市中金融機関の協力はとうてい期待できがたいものと考える次第でございます。  第三に、現下の地方財政の赤字が主として地方行財政制度の欠陥ないしは国の財源措置の不十分に基いております実情から考えますれば、本案におきますごとく財政再建債の利子について、他の一般地方債と何ら異なるところなく、わずかに公募債につきまして二分ばかりの利子補給を行うといたしますことは、地方財政の赤字に対する国の責任を全く忘却したものでございまして、不合理、不当もはなはだしい措置というべきでございます。従って財政再建債の利子につきましては、政府はその全額を補給することが本筋であり、国の予算の都合などによりやむを得ず地方団体に利子の一部を負担させる場合におきましても、その額は通常の場合における半額程度、年三分を限度とべきでありまして、これをこえる部分につきましては、全額政府が利子補給すべきであると考えるのでございます。  なお、赤字をその原因によって分別いたしますことは、実際問題として困難な点もございますが、赤字のうち国の責に帰すべき事由によることがはっきりするものにつきましては、その補てんのために起されました地方俵の元利償還につき、その全部または一部を減免することが理の当然と申さなければなりません。  第四に、敗政再建債の償還期限を本案のように八年度以内といたしますことは、赤字の規模並びにその赤字が概して自主財源に逆比例している地方財政の個々の実情を考えますればあまりに短期に過ぎるものであり、少くともこれを起しました年度から十年度以内とすべきであると考えます。  第五に、財政再建団体のうちには、その公債が年々累増いたしておりますために、これについて何らかの特例を設けませんと、その財政再建計画は全く立ち得ないものがあるのでございまして、かかる団体に対しましては、地方債の元金の償還期限を延長し、またはその利子をある程度引き下げる等の措置が、ぜひ必要になってくるものと考えるのでございます。  第六に、赤字団体の赤字解消を促進いたしますためには、昭和三十七年度以前の国の直轄事業の分担金につきましても、交付公債をもって納付できるようにすべきであります。国の直轄事業につきましては、もっばら国の都合で実施され、その地方分担金はきわめて巨額に上るのにもかかわらず、これが一方的に押しつけられ、しかもその財源措置はほとんどなされていない現状におきましては、なおさら当然のことと考えるのでございます。  第七に、赤字団体に対します起債の制限は、地方団体が最低水準の行政を実施するのにもなお赤字を生じますような現状におきましては、絶対にこれを行うべきではないのでございます。これは地方行財政制度の抜本的な改革を断行し、合理的な基礎の上に立って地方財政計画が策定されまして、それによって地方団体が真に健全財政を維持し得るようになって初めて許容されるべきものであります。現行の地方財政計画が来して何年度に全面的に合理化されるか、本案においてはその時期的保障はされておらないのでございますから、少くとも三十二年度以降この起債を制限するということは条件が整っておらないと考えます。  第八に、財政再建団体の財運営につきまして、自治庁長官がその予算の執行の停止を命ずる等立ち入った監督を行いますことは、地方団体を準禁治産者扱いにするものでございまして、国の地方自治に対する不信を表明いたす以外の何ものでもなく、それは地方も国もともにその威信をみずから失墜し、両者の関係に好古しからざる結果を招来するものでございますから、自治庁長官の監督の権限はせいぜい勧告程度で十分であり、財政再建債の利子補給の停止、起債の不許可等の制裁権限を与えますことは、地方自治の本旨に照らしはなはだしく行き過ぎたものであって、断じて容認できないところでございます。  第九に、財政の再建は、地方団体の長と議会の責任において行われるものでございまして、長以外の執行機関に予算等の立案についての特権を認めておきますことは、均衡のとれた財政の再建に障害を来たすおそれがございますので、現行の教育委員会の予算等に関する原案送付の権限は、再建期間中ひとまず停止することが万全の掛買であると考えるのでございます。  第十に、財政再建の名のもとに、赤字について何ら責任のない地方住民に不当の犠牲をしいることは絶対にこれを避くべきであり、財政再建計画の要件として特に増税を求めることは、取りやめるべきであると考えます。  最後に、本案と切り離すことのできない関係に立つ重要なものといたしましては、昭和三十年度地方交付税の税率を引き上げて、赤字発生の原因を除去すること、また昭和三十一年度において、地方財政の適正規模に見合う行財政制度の改革を断行して、将来の赤字発生を抜本的に防遏するの措置を講ずること等の問題があるのでございます。私どもはかねがねその実現を強く要望し続けておるのでありまするが、幸い本委員会におかれましては格別の御高配を賜わっておりますことは、まことに感謝にたえません。とりあえず前者についてば、特に引き続き何分の御配慮をいただき、今期国会においてぜひ実現されますよう、この際あわせて切に懇願申し上げる次第でございます。  次に地方自治法の一部を改正する法律案に関する意見を申し述べます。本法案は、政府が地方制度調査会の答申にのっとって立案されたものであり、とりあえず応急的な、しかも自治庁として比較的容易に解決し得ると思われるものに主眼点を置かれたようにも考えられますが、一応その内容を検討いたしますると、右答申の線に逸脱すると認められるものもあり、また各答申条項の実現については、緩急軽重の順序を誤まっておるのではないかと考えられるものなどがあるばかりでなく、なお、地方自治運営の簡素化、能率化をはかると称して、国があえて地方自治に不当に関与するの道を開く結果となっておるやに考えられる点があるのでありまして、これらの観点から、主として執行機関の改正事項に関し修正を要すると認められる点を申し上げます。  まづ第一は、高等学校や各種試験所、研究所等の事務は、現状においては広域事務でありまして、原則として都道府県の事務とすべきにもかかわらず、これに関する本案の表現はきわめて不明瞭でございまするので、これを明確化ならしめるべきであると考えます。このことは府県制度につきまして、府県の性格にも関係いたしまする重要事項でございまするから、この法案におきましては、最も重点を置いてこの線をはっきりせしめるべきであると思っておるのでございます。  第二には、都道府県機構を簡素化するの方向には、もとより賛意を表するものでございまするがその実現の障害となっておりまする根源は、中央各省の不当、執拗な干渉にあるのが現実の事実でございまするから、ただ単に形式的に部局の数を減少せしめることをもってしては、とうていその目的を速成し得るものではないと信じます。よって政府みずからが中央各省の地方に対するこれら干渉を絶無ならしめる方途を講ずることが先決問題であり、これさえ完全に実行されますなら、ば、現行法のもとにおいても、その機構の簡素化は地方の実情に即応するよう円滑に進捗するものと考えておるのでございます。  なお都道府県の部局の数について、一々内閣総理大臣までわずらわしますることははなはだしく行き過ぎであり、むしろこっけいですらあると考えておるのであります。  第三に、地方公共団体の長に対する不信任決議は特に慎重を期すべきものとして、地方制度調会におきましても、現行法通りとされておるのでございまして、実際の上からも、しいてこれを改正するの必要は認められないのでございます。  第四に、監査委員制度運営を一そう能率化する上から考えましても、委員の任期はむしろ現行法通り二年が適当であり、これを四年に延長すべき実際上の必要は何ら認められないのであります。  第五に、都道府県と市町村との間における協議による事務の相互移譲を制度化いたしますることは、かえって相互間の紛争を誘発せしめるおそれが十分ございまして、またこれら地方問題の解決に、一々内閣総理大臣までわずらわす制度を設けんとすることは、現実にその必要性が何ら認められないのでございます。  第六に、大都市の特例に関する事項につきましては、目下地方制度調査会において、地方制度改革の根本的な重要事項の一環といたしまして、特に大都市問題を取り上げ、その審議がせっかく継続されておる際でもあり、また大都市制度については、単に本案に示されておる事務配分の問題に限らず、府県制度改革の全体にも関連を持つものが多々あるのでございまするから、今あえてこれだけを切り離し、急速に解決せんといたしますることは、その時期を得たものとは全く考えられません。地方制度調査会の答申はいずれそのうちに出されることでもございまするから、本件はその答申をまって措置することが最も適当であり、またそうすることが諸情勢から絶対に必要であると考えられるのでございます。  以上をもって両法案に対する意見の開陳を終ります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に全国都道府県議会議長会代表、大阪府会議長梅本敬一君。

梅本敬一全国都道府県議会議長会代表、大阪府議会議長

○梅本参考人 私は、ここに都道府県議会議長会を代表いたしまして、その立場より、目下当委員会において御審議中の地方自治法一部改正法案及び地方財政再建促進特別措置法案につきまして、所見を申し上げる機会をお与えいただきましたことを、非常に光栄に存ずるものであります。以下率直簡明に所見を申し上げ、両法案御審議の御参考の一端に供したいと存じます。  まず、地方自治法一部改正法案について所信を申し述べます。本法案については、全国議長会としては、本年六月七日臨時大会を開いて全面的反対の決議をし、今期国会における不成立廃案を強く要望しておるのであります。  第一は、府県の自治体としての性格変更の点であります。これはきわめて重要なる問題であると信じます。昭和二十八年十月十六日、とりあえず当面とるべき措置として、府県の性格について地方制度調査会は、府県は本来その自治事務を処理すると同時に、市町村とは異なり、市町村を包括し、市町村と国との中間に位する広域自治体として、国家的性格を有する事務を処理することもその任務とすることと答申をしておるのであります。すなわち府県ば、従来通り、普通地方公共団体としてその本来の自治事務、すなわち地方自治法第二条第三項に例示してある事務を処理することを本体の任務とし、あわせていわゆる広域的な地方公共団体として広域的事務をも処理することを明らかにしておるのであります。  しかるに今回の政府提案では、この関係を全く逆にして、府県は市町村を包括する広域的な地方公共団体として、おおむね一、広域にわたるもの、二、統一的な処理を必要とするもの、三、市町村に関する連絡調整に関するもの、及び四、市町村が処理することができないか、または不適当であると認められる程度の規模のものを処理するものとすると規定しているのでありまして、関係が答申の趣旨とは全く逆になっておるのであります。それでは府県は広域的な自治団体として、いわゆる広域的事務――これは国家的性格を有するものが多いのでありますが、この国家的性格を有する広域的事務を取り扱うことを本体とし、あわせてその他の本来の自治事務については、市町村が処理することができないか、または市町村が処理することを不適当と認めるものだけを処理することにして、府県の自治的性格を限定しているのであります。従いましてこれは、第一次地方制度調査会の答申を大きくゆがめているものであります。従って改正法案のごとくなりますれば、府県の性格は国の出先機関としての性格がきわめて濃厚となり、その反面普通地方公共団体としての性格は大幅に後退することになるのでありまして、私はさきに行われました地方自治法の一部改正によって、東京都の特別区の性格変更による区長公選のたどった運命と経路を思い出さざるを得ないのであります。  すなわちかって東京都の特別区がその権限を制限して法定されましたことによって、憲法上のいわゆる地方公共団体たる性格を失い、それがため従来の区長公選制度が廃止せられた先例は皆様もつとに御承知になっておることと存ずるのであります。  従ってこのたびの改正法案が通過成立いたしますならば、府県は、憲法上の地方公共団体である地位と性格が剥奪変更されるものと主張されるところの根拠ができ、やがて府県知事は公選ではなくてもよろしいという論拠を導き出すおそれがあり、吉田内閣当時に唱えられました知事官選も違憲でない、すなわち憲法上違反にならないとしてこれを強行する根拠を作ることをねらっておるのではないかと考えられるのであります。ひいては、さらに旧内務省復元の素地をも築き上げんとするものではないかと考えられるものでありまして、かかる点より本改正案に断じて、反対するものであります。  第二は、府県と市町村との間に争いの種をまき、中央集権を強化せんとする点であります。  新たに設けんとしておりますところの第二百五十条の二の法案によりますと、高等学校等すでに府県及び市町村が処理している事務の相互移譲に関する協議が整わないときには内閣総理大臣の裁定や、あるいは自治紛争調停委員の調停にゆだねることになっている点でありますが、これはいたずらに府県と市町村との間に無用の紛議を激化せしめるものであり、しかもその紛議と摩擦の間隙に乗じて国家権力の介入によって地方公共団体の自主性を奪い、中央集権の強化措置をくわだてるものであると考えられますので、これまた強く反対するものであります。  次に議会に関する改正事項についての意見を申し述べます。  先ず個々の事項についての反対理由を申し述べます前に、今回の改正案について政府の地方議会に対する考え方と、私どもの考え方に重大な相違があるのではないかということについて触れてみる必要があると思います。  五月の初め、地方自治法改正案の政府要綱として発表されたもののうち、議会に関する事項を通覧いたしますと、改正の各項は、一貫して明らかに地方議会の権限々大幅に縮小し、その機能を弱体化することにより、議会をして長の諮問機関的存在たらしめんとする改正を企図したものであったと断ざぜるを得ないのであります。  そもそも自治庁は、その設置法におきまして、「地方自治の本旨の実現と民主政治の確立に資することを任務とする。とあることに対しまして、地方議会制度については私ども根本的にその認識を異にするのではないかとさえ疑うものであります。憲法は、長と議会の議員を公選すをいわゆる首長制をとり、あたかも車の両輪のごとく、両者の相互牽制による地方公共団体の運営方式を打ち立てておるのであります。しかるにこの原案のように地方議会の一方の力を弱めていきますならば、たちまちにしてその均衡調和を失うに至ることはまことに理の当然でありましょう。もし政府機関たる自治庁が、このようなわかり切ったことについてなおかつ目をおおい、しいて議会軽視の考え方から法の改正を企図するものとすれば、わが国民主主義政治上ゆゆしき問題と言わなければならないと存ずるものであります。  その後、この政府原案は、民主党の意見によって若干修正され、法案化されたのでありますが、しかしながら政府が当初企図した基本的方向は変更されておらないと思うのであります。  私どもは、あくまで民意の代表機関たる議会制度の確立を期し、よってもって民主主義政治における地方自治の発展伸長を期するがゆえに、これら改正事項について残念ながら断固反対せざるを得ないのであります。  その第一は、定例会を廃止して通常会とする点でございます。  改正案ば、現行年四回の定例会を廃止して年一回の通常会にすることが最も合理的であるとしており、またその改正理由の一つに国会と同様とすると言っておるのであります。かかる改正はまさに地方議会の実情を無視するところの観念的机上論と言うべきであります。しかもその常会会期に百五十日を持つ国会と、全国平均の定例会会期がわずかに十三日にすぎない地方議会とを混同して、これと同様な方式にすることが合理的と言うに至っては、まことに形式的議論のはなはだしいものと言わざるを得ないのであります。  地方議会の使命は、住民の身近かな行政に対し、常に住民と直結してその意思を行政の上に反映することにあります。議会を定例的に開催し、住民と執行部をしてあらかじめその時期を予知せしめ、議会を通して常に行政の民主的運営を行う場とすることこそ定例会の本質的な意義であり、絶対必要な制度であります。ことに地方財政の現状、地方議会運営の実態から見まして、三月の当初予算は全くの骨格予算でありまして、さらに国の予算が大体六、七月ごろにきまってから、すなわち国庫からの交付金なり補助金なりを見て初めてこれに肉づけをし内容を盛っていくのが現状であります。かかる点、さらには膨大かつ複雑な行政事務量、あるいは請願、陳情等の処理からいたしまして、現行の年四回の定例会開会数は必要なる最低線であると確信いたします。  また改正案の説明において、定例会を廃止し、年一回の通常会とする救済手段として、議員の臨時会開催請求に対しまして、長の招集を義務づけたとしておりますが、この招集義務は現行法においても厳として存在するものであり、今回これに対して都道府県は三十日という期間を付したにすぎないのであります。またこれに期間を付しましても、長にはさらに三十日という猶予期間があるのでありまして、この点から臨時議会の招集をめぐっていろいろな紛糾と無用な混乱が長と議会の間に起るということが予想されるのであります。言うごとく、臨時会招集が保障されるがゆえに定例会を廃止するという理由にはならないのであります。  以上の理由によりまして定例会廃止には絶対に反対せざるを得ないのでございます。  次に、最も問題とされておるように考えられておりまするのは、常任委員会の改廃についてでございます。改正案は、人口五万未満の市町村については常任委員会を廃止し、その他については現行行政部門ごとのいわゆる縦割り方式による常任委員会制度を改めて、歳入、歳出、決算、法規、請願陳情並びに一般議案のいわゆる横割り方式による五つの委員会に限定しようとするものでありますが、この理由として現行常任委員会制度あるいはその縦割り方式では弊害が多いということであります。私どもといたしましても、現行常任委員会の運営の面において、確かに一部改善の必要があるということは認めざるを得ないのでありますが、しかしながら一部に弊害があるからといって、直ちに制度そのものを改めるということは厳に戒むべきことと思うのであります。  そもそも常任委員会制度は、近代行政の膨張と複雑専門化に伴いまして、これら各種行政の調査審議に当り、議会においてこれを専門的に分担してその遺憾なきを期するとともに、本会議における議事の能率化をはかるため設けられた制度であります。そのためには現行行政部門ごとの常任委員会は最も適したものでありまして、実際上におきましても一貫的能率的に運営されており、制度本来の長所を遺憾なく発揮しておるものである、かように信じておるのであります。  今これを改正案のごとく横割り方式にするならば、一見総合性を持つかのように考えられるのでありますが、実際上の運営といたしましては、各委員会の内容は行政の各部門ごとに執行部全体に関連し、どの委員会にも執行部の側の調査、説明等が必要となり、勢い小委員会または分科会の設置が予想せられ、その結果は縦割り式と横割り式とを併合しなければ審議の万全が期せられないということとなって、かえって事務の混乱と議会運営の非能率を招くことになると思うのであります。ことに改正案のように委員会の種類を定め、これを画一的に地方議会にしいんとするがごときは、地方における自生性を全く無視したやり方であり、ただいま申し上げたように、その内容的にも大きな欠陥があり、これをもって合理化による改善とすることは私どものとうてい承服できないところであります。もとより私どもといたしましても、現在伝えられておる常任委員会の弊害というものは、あくまでその運営の面において自主的に改善すべく一段と努力の必要があり、近い将来必ずやこれら改善の実をあげ得るものと確信しておるのであります。  以上のような理由によって、常任委員会制度に関する今次改正案は、一連する議会活動の大きな制約を意図するものであり、断固反対せざるを得ないのであります。  議会事務局の職員を長の任命する職員をもって兼務させることについてこの改正の趣旨としていわれておりますことは、職員組織の簡素合理化とせられているのであります。私どもといたしましても、職員組織の簡素合理化はもとより望むところでありますが、この改正案は制度と運営の問題を全く混同するものであると考えるのであります。およそ長と議会という相対立した機関の事務を同一人が兼務によって処理するということは理論的に不適当であることは明らかなところであります。人事の交流あるいは経費の節減等の問題は、それはそれとして別に十分考慮すべき問題であり、あるいは職員間の事務処理も運営上における考慮はあるとしても、機関の本質を異にする長の機関と議会の機関の職員の兼務を法律をもって規定することは、何といっても議会の独立性を侵害するものであり、これまた一連する議会軽視の極端なるものであって、絶対に承服できないところであります。  その次には長の不信任決議を議員定数の過半数の決議に引き下げるという点でありますが、この点は知事会代表も述べられましたので、私は簡単に申しまするが、現行法が長の不信任決議を議員定数の三分の二の出席として、その四分の三の賛成を要するとする、いわゆる特別多数議決としたゆえんは、この議決は公選による長の地位を否定する重要な事項であり、その手続については特に慎重ならしめるとともに、二面その乱用を防止しようとする趣旨に出たものであるのであります。従いましてこの議決要件は、軽たに変更すべきでないと考えられますので、地方制度調査会の答申も現行通りとされており、改正案のような過半数議決にすることは賛成しがたいのであります。  そのほかいろいろ申し上げたい点があるのでございまするが、まことに失礼でございますが、お手元に参考資料をお配りしておりまするので、一つ御一覧を願いたい、かように存ずる次第でございます。  次に地方財政再建特別措置法案について意見を申し述べたいと存ずるものでありますが、この法案につきましては全国都道府県議長会といたしましては、本法案の必要はこれを認めておるのでありまして、その内容において地方自治の本旨をそこなうような点について国会において修正の上成立せしめられるよう要望いたすものであります。  今日の地方財政の赤字の原因と理由はどこにあるかということを正確に把握し、かつ究明してこれが根本的な対策と応急的処理とをともに政府は樹立すべきであると信ずるものであります。しかるに本法案をつぶさに検討するとき、政府は赤字の責任と原因は一切地方にあるかのごとき態度で地方の努力と地方住民の犠牲においてこれが解消をはからんとするところにおいて地方公共団体は実質的に国の出先機関と何ら異なるところなきに至らんとしておるのあります。  そもそも、今日の地方財政の赤字の真の原因は、歴代政府のとった地方財政政策にある。政府の雨後のタケノコのごとく法律を作り、経費を度外視し、地方財政法第十三条に違反して何らの財源を与えることなく、国の委任事務を地方自治体に押し付けたことであり、さらにまた国の仕事をやらすためにひもつきの国庫支出金がふえ、これに伴う、補助事業に対する自治体の負担金が大幅にふえて赤字の増加を来たし、さらに目ぼしい税源は国に取り上げられて地方税源が貧弱なために地方債や銀行からの借入金に依存することになる。それらの利払金がふえる。また中央のなわ張り的の考えで地方の部課等の機構を増加せしめたことによる経費の増加等が赤字を生み出した真の根本的の原因であると考えらるのであります。ゆえに赤字の責任者は国であり政府であるといわねばならぬ。そこで政府は現に生じた赤字一切をたな上げする措置を講ずるとともに、根本的には今後地方に赤字を生ぜしめぬように中央地方を通ずる強力なる行政機構の簡素合理化を徹底的にやって行政費の節減をはかるとともに地方に自主的財源を与えるべきであると思います。  シヤウプも地方財政が困ったら制度を改正するよりか財源を与えるべきであるといっておるのであります。政府はことここに出でずして財政的に困らしておいて、赤字が出たから制度を変へて地方に大きな責任と犠牲を負わさんとしておるのであります。二十八年度の赤字額が四百二十二億で、二十九年度にはさらに増加して実質的赤字五百八十六億に達せんとしておるのに、本法案によると財政再建資金は二百億で、そのうち政府資金引き受けはわずかに五十億、あとの百五十億円は公募である。これ全く一時を糊塗するがごとき方法によって前に述べたような中央権力によって、ついには民主政治の基盤である地方自治を否定するが、ことき実に憂うべき結果を招こうとしておるのであります。この法律が通りましたならば地方自治体はまさに禁治産の宣告を受けたにひとしいものだということを言っておるものがあります。またこの法律がこのまま通過実施されるならば地方自治体というものは十年間しゅんとして仕事をすることもできない、橋をかけることもできない。学校を建てることもできないというわけであって、こんなばかげた政治はないといって憤慨しておる知事もあるのでございます。どうか政府は深く思いをここにいたされてまして、過去の赤字の全額をたな上げするに足るような政府資金を大幅に増加をして参りますとともに、私がここに申上しげますような諸点を修正されまして、本法案の所期の目的を十分に達成されますように私は善処をお願いするものであり、切にこの国会の修正をお願いしてやまない次第でございます。  時間の関係もございますので、簡単に修正を求める要網について申し述べたいと存じます。  一は、赤字団体で財政の再建を申し出ない団体に対しては自治庁長官が再建を行うべきことを勧告することができる規定は削除すべきである。第二条第四項であります。  二は、財政再建に要する財源に充てるため税の増徴を行うことは法律で定めるべきではない。第二条第三項であります。  三は、議会事務局の職員を知事部局の職員をもって兼務させるべきでないというのであります。第十条第二項でございます。  四は、財政再建計画の策定並び実施に関する議会の審議権を制限すべきでないと思うのでありまして、これは第十一条でございます。  五は、赤字団体が提出するところの財政再建計画に自治庁長官が条件をつけ、またはこれに変更を加えるべきではないと信ずるのでありまして、第三条第一項でございます。  六は、財政再建のため発行するところの財政再建債の利子を再建団体に負担させるべきではないと考えるのでありまして、第十五条でございます。  七は、財政再建団体に対する自治庁長官の監督権の乱用的規定ば設けるべきではないと信ずるものであります。第二十条であります。  八は、財政再建団体の財政運営に自治庁兆間が容喙し、不当な監督権を行使するという規定は緩和すべきであると信ずるものであります。第二十一条であります。  九は、三十年度以降の赤字団体の起債は抑制すべきではない、かように考えるのであります。第二十三条でございます。  これらの点につきます詳細な反対修正を求めますところの理由につきましては、お手元に参考資料を配ってございますので、まことに失礼でございますが、これをごらん願いまして御参考に供したいことをお願い申し上げる次第でございます。  以上簡単でございますが、これをもって参考意見の供述を終る次第であります。御清聴を感謝いたします。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に全圏市長会代表大阪府布施市長鈴木義仲君。

鈴木義仲全国市長会代表、大阪府布施市長

○鈴木参考人 私は全国市長会を代表いたしまして、地方自治法の一部を改正する法律案並びに地方財政再建促進特別措置法案に対して市長会の御意見を申し上げまして、御審議の御参考に供したいと存じます。  まず第一に自治法の問題でございますが、地方制度の全面的な改正はわれわれは長い間要求しておったのであります。この問題については、現在地方制度調査会においても、目下それぞれの部門に分れて御研究、御審議を願っておりまして、その結論がまだ出ていないような段階であります。従って、この段階において地方自治法の一部改正はやむを得ざる事項ということに限っておるのじゃないかと思うのであります。従って総括的にはこの自治法の改正案については市長会といたしましては賛成の決定を見ておるのであります。もっともこの問題についていろいろと議論もあることであり、また市長会としても、今回の提案の各条項についてはそれぞれ意見も持っておるのであります。もともとわれわれ市長といたしましては、自治の興亡の分水嶺に立たされておる現状において、日夜苦難難渋を続けておるのでありまして、自治振興発展の根本策は制度の全面的な改革をなす以外に何ものも方法がない、かように切実に考えておるのであります。従って制度の徹底的な簡素合理化をせずには、われわれの努力のみだけではとうていこの自治体の難局打開の方法はあり得ない。以上の観点に立って、市長会といたしましては、かねてから現行府県制度の検討ということを大きく取り上げて参っておるのであります。言いかえれば、二重自治というこの複雑な制度からよって起るいろいろな財政上の負担過重あるいは行政事務量の複雑低能率化というような問題が起ってくるのであります。これを根本的に検討して、どこまでも自治団体としては市町村のみが基礎団体であり、中核団体であるという上に立っていただかなければならぬ、こういうことを強く主張して参ったのであります。これがすなわち日本の自治体のほんとうの育成強化の姿である、この方法以外に道がないというかたい決意と信念の上に立って、それぞれ議会の方々だとかあるいは政府の方々に要請をいたして参っておるのであります。しかしこれは根本的に改革を断行することはなかなか容易ではないでありましょうし、先刻申しました通りに、専門の機関において目下審議されておりますので、その審議を待ち、あるいはまたその審議に基いて政府がそれぞれ立案されることと思うのであります。要するに、地方行政の簡素化、合理化をより効果あらしめるためには、どうしても地方自治法の改正ということはこれはやむを得ないのだ。そこでまずさしあたりの問題としてどういう問題が起るかということになるのでありますが、教育委員会は廃止しなければならなぬというかたい決意を持っておるのであります。と申しますのは、教育委員会廃止の理由は、御承知の通りに教育自治という建前に立っての戦後に起った新しい方式でございますが、ほんとうにその自治という基本観念からいったときには、現在の教育委員会は真に自主性を持っておるかどうかまことに疑わしいのであります。御承知の通りに、アメリカあたりの教育委員会の制度を見てみましても、ちゃんと教育税とかあるいは学区税とかいう独立課税権、徴税権を持っておって、その税の範囲内において自主的に教育自治行政を行なっておる、これが建前であります。ところが現在の日本の教育委員会制度は財源の面についてば何ら自主的なものば持っていない。ただ一般会計に依存しておるというだけでありまして、教育委員会はその面については歳出面の計画、計上を要求するというだけであります。しかもその内容においては、人事の管理行政権もありませんし、あるいは営造物の営繕管理権もありません。いろいろございますけれども、財源上の関係からいたしまして、ほんとうに十分なる機能を発揮するものを持っていないのであります。学校の営繕管理の問題にいたしましても一般会計の事務である。その建築課なりあるいは土木の方に御依頼になって、委任されて、こちらの方で実際はやっておるというような状態であります。また人事の問題についても、あるいは都道府県の教育委員会との関連において異動が行われ、採用も行われておるのでありますが、これは教育委員会前においてもあったことであります。それで新しく制度は設けられたが、ほんとうに教育自治としての本領を発揮しておる面はどこにあるかといえば、ただ一つ教科書は自治体の審査を経た検定教科書によるというだけのことであります。この教科書の選定の問題についても、委員会という機関において決定はするでありましょうけれども、本質的の内容はやはり専門家あるいは学校の先生たちによって審査され、決定するということになるのであります。従って現在の教育委員会の問題について、この廃止論は実質的に自主性を失っておる。従ってこれは廃止さるべきである。ただ全然なくするということはいけないから、まあ公選制による大げさなものではなく、一つの諮問機関的なものであっていいのではないか、こういうふうに考えておるのであります。その他農業委員会の問題にしてもその通りでありまして、戦後における農地解放のあの大変革のあった時代と今日とでは、相当情勢が変化いたしております。従って今日の農業委員会としては諮問機関制度としていいのではないか、かように考えておるのであります。  また根本的な問題が一つございます。これは地方財政再建促進特別措置法案との関係もございますが、地方財政に独立財源を与えなくちゃならない。これば最も必要なことであります。そのためにわれわれは一つの計画を立案して議会の方にもそれぞれ案を送付いたしましたが、それは公営簡易火災保険制度の実施であります。御承知の通りこれは現在では保険会社の独占事業となって、盛んに火災保険をやっておられて、相当金を持っておられ、相当の金を産業資金の面へ融資されておるようである。あるいは一つの大きなビルでも建てるような建築資金の方に、相当な金が流れておるようでありますが、国民に一つの財産保全の道として、低率にして簡易な火災保険を公営でもってやる。これによって地方財政の収益もある程度見られますし、また運用資金の面でも政府の運用資金ばかりに依存しなくてもいける道が講じられるのじゃないか、かように考えておるのであります。  それから市町村の職員の停年制の問題であります。これはいろいろ議論がおありだそうでありまするが、私たちはぜひとも停年制が必要であると思う。と申しますのは、この地方財政の再建の問題あるいは赤字の償還方法の問題等について大蔵省に参りますると、必ずこう言います。市町村の職員は国家の公務員と比較して賃金が高過ぎる。また勤続年数も長い。これはごもっともであります。何ら新陳代謝の道が市町村の場合はないのであります。国家の場合ならばあるいは関連団体、あるいは補助団体、あるいは外郭団体というような、公社とか公団とかいろいろなものがたくさんございますから、そういったところへ相当の人たちが流れていく道が考えられますけれども、市町村という小さな規模においては、そうしたはけ口はごごいません。いわんや産業界が萎縮沈帯いたしておる今日、産業界においても受け入れはしてくれません。従って停年制がないものですから、いつまでたってもがんはっておられるから、自然に定期昇給によって賃金が高くなってくるし、勤続年数も長くなるから、従って恩給というものもどんどん年々ふえて参ります。こういうことが財政に大きな影響を与えておるのであります。ことに現在の社会情勢から申しましても、学校を出たほやほやの人たちが、勤める道がない。これが最も危険なことであります。一定の年令に達し、あるいは将来退職金あるいは恩給等によって生活の設計がなし得る状態の人、そうして人間的な完成した年令に達した人に対しては勇退をしてもらって、その給料で若い人たちをよりたくさん吸収する。これは社会政策的な観点から見て最も必要だと思います。また現状では若い前途有望な青年たちは、まことにくさってしまっております。いつまでたったら係長にしてくれるのか、課長にしてくれるのか。そういうふうなポストがなかなか容易にあいてくれない。ここに能率の低下が起ってくる。若い人たちの仕事に対する熱意あるいは勉強するという向上が欠けて参ります。これが地方自治団体の能率が低下する一つの原因ともなっております。これは決して不当な馘首に通ずるものではなく、どうしても自治体の事務能率を上げて、そうして若い人たちに希望を持たせる、また社会情勢から見ても、相当の年令に達し、生活設計の立っておる人たちには勇退をしてもらって、ほんとうに危険の一線にさまよっている若い人たちに、より多く就職の道を与えて、そして人間としての大きな希望を与える、これは最も必要なことであります。この面からどうしても停年制を実施してもらわなくちゃならぬ、こういうふうに考えておるのであります。  また国と府県の職員との間における、言いかえれば公務員と国家公務員との間の人事の交流、そうしてこれに伴う恩給年限の通算、これもぜひとも直ちに実現をしていたたきたい、かように考えるのであります。  われわれはこれらの問題について、一々取り上げてその都度要請はいたして参っているのであります。従って本法律案に盛られた程度の改正では、とうてい満足することはできませんが、一応この程度のものであるならばやむを得ないで断ろうけれども、さらにこれにつけ加えてわれわれの要求した点を、一つ付加しあるいは修正していただきたいと思います。  ただ最も問題となるのは、国と地方団体の関係において、事務の処理が法令違反の場合は格別でありますが、財政等の処理について義務の慨怠等不当、不適正の事案に対し、改善措置を求めるというふうなことの政府の干渉でありますが、こうした干渉はできるだけ取り除いてもらいたい。  根本的に申し上げますならば、大体自治法というものは、千差万別、千態万様の数多き自治体に共通する基本原則だけきめればいいのであります。ほんとうに自治の本旨に徹して、そして国の自治行政を行うというのであるならば、自治法は自治体に対する憲法でありますから、原則法だけきめて、そしてあとはでき得る限り地方自治の自生性を尊重して、条例等に委任する、これが最も正しいあり方であります。もっともこれについては、国の事務あるいは国の財政につなかる関係においては、国との関連性を持つから、国の勧告も一必要でありましょうし、あるいは指導も必要でありましょう。助長も必要でありましょうけれども、それ以外のものは、でき得る限り自治体の自主性を尊重して、そして自治体の条例に大幅に委任することが最も好ましい。この原則の上に立って、われわれば自治法の御審議をお願いしたいと思うのであります。  また市における法令違反の場合においても、本法の改正案によれば、府県知事にさらにこれが是正措置を持たせることは、まことにこっけいな話であって、政府からみれば府県知事におっかぶせておけばごく簡単でありますけれども、われわれの方からいえば三重の監督を受ける。内閣総理大臣あるいは自治庁長官の監督も受け、さらに都道府県知事の監督も受ける、指揮も受けるというのであって、ますます戦前における市町村制そのものの姿に返る。これは時代逆行であって、こうした問題はぜひ取り除いてもらいたい。現在の制度下における知事の地位は、われわれと同様に自治体の長である。ただ広域自治体の長なるがゆえに、狭い自治体の長を監督するという理論は、法理論としても生まれてこないと私は思う。ただそれは総理大臣が委任するから、委任に購いてやるのだということは言い得るかもしれないが、そういう委任はまっぴらごめんこうむる。われわれはどこまでも府県知事の地位は市町村長の地位と同等であると考えているのであります。だからそうした監督権はどこまでも拒否申し上げたい、こう考えるのであります。  それから大都市に対する事務の委任でありますが、これは私は賛成であります。どこまでも地方自治体の機構と能力に応じた仕事をさせて、言いかえれば力相応の仕事をより多く与えていって、そして地方自治の発展、地方住民の福祉の増進をはかっていくということが、最も好ましいと思います。従ってわれわれの方でも、この自治体に対する事務の再配分を強く要請いたしております。現在の改正法案によれば、五大市だけというように書いてあるようでありますが、むしろこの程度を引き下げて、人口も引き下げて、もっと普通の能力のある、相当の機構を持っている都市に対しても、事務をより多く移譲してもらいたい。こういうように考えておりますので、この法案に対してはもう一歩前進してもらいたい、こう考えております。  以上が地方自治法の改正案に対する私たちの意見でありまして、要するに今申しました中には希望意見等もございますが、その希望意見等も御採択下され、原案修正あるいは追加なりの方法をもって、どうしても本国会において成立さしていただかんことを、全国市長会を代表して、私からお願い申し上げるのであります。  次は地方財政再建促進特別措置法案の問題でございますが、この問題は市長会において強く要請いたして参ったのであります。地方財政の窮乏こんぱい、こうした問題についてはすでに当委員会の専門の皆様方のことでありますので、百も二百も御承知のことと思いますが、ほんとうに地方団体は困っております。現在の推定赤字では約五百八十六億といわれておりますが、これくらい大きな赤字をかかえて、実は月給の遅払いあるいは夏季手当の遅払いというような問題に当面いたしております。まことに困り果てております。銀行はいわゆる一時借入金の形式による融資も容易に聞いてくれない状態であります。こうしたときに、どうしてもこの財政を再建していただかなければならぬ、この問題について、われわれはいろいろ案を示しまして政府当局あるいは国会関係の皆様方にお願いして参ったのでありますが、要するに今回政府は法律的な措置を講ずる段階に至った、この点については私たちは感謝申し上げたい。ただその内容についてはわれわれは不満な面がたくさんあるのであります。と申しますのは、この法案全体を通じて流れておる政府当局の考え方、赤字全部が地方自治団体の責任によって生れたごとくに考えられ、従ってその赤字の解消方法は自治団体の自力によってこれを解決すべきものであるという建前において法案を作られたような印象を受けるのであります。私はもってのほかだと思う。  お手元へ参考に配って参りましたが、私の布施市は人口十七万五千、年間の財政が約十億でございます。ちょうど中都市の標準型でございます。その財政において今日赤字をどのくらい持っておるかと申しますと、本年度は幸いにしていろいろな節約を行い、あるいはやるべき事業をやらないで緊縮いたしました結果、昭和三十九年度の単年度において一千百二、三十万円の黒字を出し、累積赤字の解消に努めておりまして、現在の繰り越し赤字は約三千万円ございます。これも一生懸命、やるべき仕事をやらないで単年度の黒字を出して解消しておるわけであります。ところが国家から委任されておる事務をいわゆる機関委任、団体委任、この二つにわけましてどれくらい布施市の財政から犠牲を払っておるかというと、昭和二十八年度の決算から見て三千四百万円の手元財源を、この委任事務のために持ち込んでおるのであります。これが政府において完全にその年その年の財政措置が講ぜられ、政府において完全に負担をされておるならば赤字は全然ありません。ないどころではありません。むしろ黒字になって、それだけのものがより多く必要な仕事ができておったはずであります。これができない。従って、私の方の財政から見ましてそのような状態でありますので、大都市においてはより以上の高率の負担、いわゆる手元の持ち出し金があると思うのであります。これに対して政府は当然責任を食うのが正しい。民法上からいえば求償権が発生するかもしれない。いわゆる政府は義務を履行していない。義務を履行しておらなければ求償権を行使して損害賠償の請求権があるということになるかもしれません。まあそういうことは別といたしましても、結局政府は果すべき当然の責任である財政措置を講ぜず、また法律制慶の上においても改正を行わず、あるいは施策においてもそうその施策をしておらないというところに赤字の原因があるということは明らかである。従ってこの問題を解決していただけるならば、当然われわれは黒字であります。だから財政再建促進特別措置法なんという、こんな大げさな問題を出さなくても、あるいはこれだけ大きな赤字がなかったかもしれない。それなら、そういうけれども黒字の財政の自治体もあるじゃないかという反対議論もございますが、それは黒字の財政の自治体はどういうわけかと申しますと、なすべき仕事をなさずしてもっぱら委任事務、いわゆる機関委任事務、団体委任事務、それから地方財政計画の実情に沿わないことから来る犠牲の経費、こういうものにつぎ込んでおって事業をなさないから黒字になる、少しでも必要欠くべから、ざる事業をやるから勢い赤字になってくる、こういうことになる。御承知の通りに自治庁の柴田さんから本が出されておりますが、自由事務、義務事務との経費の分担、いわゆる自由事務の経費は現在地方財政から見て二六%、義務的経費というものは七四%、これくらいになっておる。そして税財源から申しますと、全体の財政規模の約三八%から四〇%が税収入、四〇%も税収入をしておきながら自由事務はわずかに二六%ということであります。どこに一体自治体の自主性が財政的に与えられているか、まことに疑わざるを得ない。再建措置法の問題は根本的にこの問題等を基礎的にお考え願って、国の責任に属するものは、はっきりと国の方において財政措置を講じてもらいたい。地方自治団体の責任に属すべきものについては、融資の措置としての本法を適用されてもけっこうであります。ただその問題についてどこまでもやはり自治体の自主性を尊重していただいて、よけいな干渉あるいは先ほどお話がありましたが、準禁治産者的の取扱いは一切削除していただきたい。これを条件といたしまして、私たちは財政再建措置法を今期国会において一日も早く通過していただき、われわれ自治体の財政の再建ができ得るように、国の責任の分は国で財政措置をやっていただくならば、二百億でもけっこうです。二百億で余る。それをやらなかったら二百億で足りますまい。こういうことになるのでありまして、何とぞ地方自治団体の実情を十分御賢察賜わりまして、両法案とも適正なる御修正の上通過さしていただかんことを切にお願いいたしまして、参考公述を終わりたいと存じます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に全国市議会議長会代表、神戸市議会議長伊藤利勝君。

伊藤利勝全国市議会機長会代表、神戸市議会議長

○伊藤参考人 私はただいま御紹介をいただきました全国市議会議長会の会長をいたしておりまする神戸の市会議長伊藤利勝でございます。委員の先生方は平素から地方自治のためにいろいろ御配慮いただきまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。皆さんありがとうございます。  ただいま問題になっております地方自治法の一部を改正する法律案及び地方財政再建促進特別措置法案のいずれも、われわれ一応公共団体の関係者にとりまして重要な関係の問題でございます。従って全国市議長会といたしまして、これに関してすでに再三再四要望いたしておるのでございますが、今日親しく意見を開陳いたす機会を与えていただきましたことばまことに感謝にたえません。  第一に地方自治法について申し上げます。今回の財政事務の能率化、経費の節減を目途として企てられたように承わっております。このことは目下地方財政にとっては非常に大切なことでありまして、相当多数の市議会が特別委員会を設ける等、何とかして市費を有効に使いたいと調査研究をいたしておる実情でございます。しかしこのことが大切であるといたしましても、市民が市民のために市民みずからが処理するという自治の基本原理を犠牲にすることがあってはならないと存じておるのでございます。ことに市町村は地方的団体として住民と直結いたしておりまする関係上、市議会は常に市民の大きな関心のもとに市民代表として、市民と密接な関係を保ちつつ行動いたしております。この観点から地方議会制度を検討いたさねばならないと存じます。  まず定例会制度について申し上げます。地方団体は国の財政計画に大きく左右されるため、交付税、補助金あるいは起債事業の承認許可など、いろいろな制約を受けておりますので、当初予算は不確定を免れません。必ず数回補正予算として組みかえしなければならない実情でございます。なおかつ、民意を代表して、執行機関を監視する機会をしばしば持つ必要もあると考えます。この意味において、年四回の定例会を存置していただいても、決して不自然ではないと考えます。むしろ定例会制度が計画的に市政の運営を合理的にしようとするものではないかと存じます。  次に、常任委員会制度につきましては、今日地方行政がきわめて複雑になっております以上、これを専門化し、責任を明らかにする必要もあります。これを特別委員会様式にいたしますと、そのとき、そのつどの問題に応じて委員会を設置することは、かえって責任の所在の明確を欠き、議会運営の計画性を阻害し、混乱に陥るおそれがあると存じますので、ぜひ常任委員会を存置するように、お取り計らいをお願いいたしいのであります。さらにまた、常任委員会を横割りに法定し、不可分の予算を歳入、歳出の両委員会にわける、こときは、かえって収支の関連性を見失わせ、広い視野の上に立って、総合的に財政を検討することができなくなるばかりでなく、行政の規模によっては、内部に分科会を設けねばならないことも考えられ、いたずらに複雑化することになろうかと思います。かように考えますとき、地方団体には規模の大小、事業の多寡、公営企業の有無など、千差万別でありますから、これを一律に法定することなく、自治の本旨に従って、自主的に定められるよう、すなわ現行法通りにしておいていただきたいと考えるのであります。  次に、長に対する不信任決議の問題でありますが、国会と違って、議員も長も公選であります。これが過半数決といたしますと、たとえば町村合併をした市町村など、いまだ政情が安定しておらないところなどは、かえって紛争を来たすおそれがある点などを考えますとき、今しばらく現行法通りして、住民監視のもとに均衡抑制を保たせる方が、かえって効果があると信じます。  なお、地方自治法第百七十六条第五項でありますが、市町村が助言、勧告を求めた場合及び法令に違反する場合は別として、もともと府県と市町村とは互いに協力関係にある団体であり、一方地方制度調査会で府県の性格を根本的に明らかならしむべく検討しておる最中、府県を監督官庁化しようとするものであり、かつ本条が万一乱用されるような場合、市町村の自主性は著しく阻害されることになるので、本条についても大いに危惧の念を抱くものであります。  以上、市議会議長会として、特に御考慮を願いたいおもなるものを申し上げたのであります。しかし、市町村が基礎的団体であることを認識せられ、その規模に応じて事務を府県から委譲し、あるいは限られてはおりますけれども、協議により相互に事務を委譲することができる道が開かれましたことは、喜ばしいことであります。このことについては、地方制度調査会の答申の趣旨にのっとり、さらに根本的な解決をなし得るよう、御配属をお願い申し上げたいと存ずるのであります。  第三に地方財政再建促進特別措置法についてであります。本問題については、すでに数年来本委員会でも御研究になり、地方制度調査会で答申せられているのでありますが、現実に現われた法案は、融資条件が著しく過酷であるとともに、中央官庁の監督が強化され、これが適用を受けた地方団体は、全く自主性が失われるのであります。現在地方財政は、何としましても再建いたさねばならない立場に追い込まれております。しかし今日の地方団体の赤字は、その地方行、財、税制の運営がまずいための赤字ではなく、戦災の復興、あるいは自治警察、あるいは六三制等、国の施策に基くものが、その根本原因をなしているのであります。それにかかわらず、この法案は、地方の赤字に対する国の責任をたな上げされて、そのすべてが地方にあるかのごとき印象を受けるのであります。われわれば、かねてより地方税、財政制度の根本的改正を主張いたしております。国会で地方の税、財政制度を御検討願い、根本的に地方財政の問題を解決せられるよう念願してやみません。とりあえずの措置といたしましては、できる限り過去の赤字をたな上げするとともに、本法案のように地方団体をがんじがらめに縛りつけるのみに終始せず、その適用を受ける機関といえども、やはり住民の福祉増進のためには、施策等について相当緩和する等、地方の自主性を抹殺することのないよう御考慮願いたいのであります。  以上両法案に対する意見を申し上げたのでありますが、今や市議会のすべてが市政を真剣に考慮いたしております。少しでも市民の負担を軽減しようとして自発的に議員定数を縮減したものは、全国の都市の中に六十七市に及び、その減員した議員数も四百人に及んでいるということは、私のみ承知しておることでないと思います。なおそういうふうに考えつつある都市も相当多数にあるということを御了承願いたいのであります。これを見ても、一部方面に現われた現象をとらえ、直ちに法律そのものを改正しようとするというの一でなく、その運営によって所期の目的が達するよう改善すべきであり、なおかつだめならば、そのときにこそ法を改正すべきでないかと思うのであります。  以上をもって、はなはだ簡単でございますが、私の公述を終ります。よろしくお願いいたします。(拍手)

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に全国町村会代表、茨城県石下町長関井仁君。

関井仁全国町村会代表、茨城県石下町長

○関井参考人 今回地方自治法の一部改正法律案並びに地方財政再建促進特別措置法案に対する件につきまして、衆議院地方行政委員会において私どもに公述の機会をお与え下さいましたことにつきまして、衷心から厚くお礼を申し上げます。  最初に地方自治法の一部改正法律案について申し上げたいと思います。大体その要旨についてはお手元への資料を御配付をいたしておりますので、簡単に申し上げたいと思います。国会で現在御審議中である地方自治法の一部改正法律案、その改正の根本的の問題は、第一次地方制度調査会の答申が中心になっているようでございます。地方制度調査会においては、市町村優先の原則が強く各委員によって叫ばれておったのでありますが、この点が幾分生かされているわけでございます。ことに府県の性格が事務配分の点で考慮されまして、市町村優先の面が多少なりとも考慮されているということ、議会機構の簡素合理化がはかられている。また市町村長の行政運営の総合化、これは年来の主張でありまするが、それらの問題が多少なりとも考えられておる、そういう線、これらは全国町村会が従来要望してきた地方制度改革の方向へ、わずかではありまするが前進したものと私どもは認めておるのでありまして、原則的に賛意を表しておる次第でございます。しかし、改正案の内容につきましては要望の点も多々あるわけでございまするが、先ほど申し上げましたように、原則としては今国会において成立することを私どもはきわめて強く要望をしておるのであります。ただこの際、私個人といたしまして深く考えさせられる点は、県議会並びに市議会、町村議会、これは全国の一番大きな団体でございます。尊敬すべきこれらの団体の御主張につきましては、私どもよくわかっておるのでございます。執行機関、議決機関常に相提携いたしまして問題を処理しておるのであります。話の食い違いというようなことは従来なかったのでありまするが、ただこの議会側の問題等につきまして、私ども深く敬意を表しておるのでありますが、いろいろ外面から見ますと、そこに多少間隙があるのではないかというふうな点もございます。特に今度の大会等につきまして、私どもはその御趣旨は十分わかっておるのであります。この自治法の一部改正という問題は小さな問題でございます。しかしこの問題に付随いたしまして、全国のあらゆる団体が便乗いたしまして、地方制度調査会等におきまして、従来虚心坦懐に、日本の自治行政はいかにあるべきかということで、鋭意三年間も研究いたしまして、少しずつ現われてきたいい面というものを一挙にしてくつがえされるのではないか、こういういろいろの団体が全部今度は便乗しておるのであります。そこで、議会側の御主張は私どももわかっておるのでありますが、これへ全部の団体がみんな便乗いたしまして御反対なさる、こういう傾向が強くなりますると、日本の今後の自治行政のあり方、日本の国の再建ということを大きく考えまして、いいことでも悪いことでも、少しの問題でもそういうふうになりましては、今後の改正というようなことば非常に難問題ではないか、特に私どもは教育委員会の廃止ということを主張しておるのでありますが、あらゆる面で、これらの問題もすでに再燃をしてきておるのであります。そういう点非常に心配をしておるわけであります。特に問題の中心は、民主的自治行政はいかにあるべきか、ここでございまして、教育委員会の問題もそこにあると思うのでございますが、民主主義行政の限界というものがどこにあるか、これが問題ではないかと思うのであります。教育には教育基本法がございます。また議会執行機関、おのずからそこに限界があるのであります。その限界をあくまで主張するということになりますると、これは町民大会あるいはリコールあるいは不信任の議決、そこまで行くのでありまして、大体そういう点を要約いたしまして、スムーズに自治行政を巡行せしめるためには、ある一定の限度を目途としなければならぬと私どもは考えておるのであります。今度の自治法の改正にいたしましても、議会側の御主張、執行機関側の御主張、それらをあわせましてこの点は幾らでも妥協ができるのではないかと考えられます。この点に便乗いたしましていろいろの団体が全部反対しておるのであります。これでは自治法の改正あるいは行政委員会の廃止というようなことはとうてい望めないのであります。これがなければ日本の民主自治行政の運営ができないかといえば、決してさようなことはないのでありまして、私どもは不信任の議決あるいはリコールあるいは町民大会、市民大会、村民大会、こういう批判の上に立っておるのでございます。ですから、執行機関あるいは議決機関を御信用なさいまして、むだな行政委員会というようなものは廃止すべきである、これはわれわれ一致した意見でございます。その点を区別して考えていただきたいと思うのでございます。また私ども町村長は、官僚の中央集権に同調するものではないかというような御批判も受けているのでありますが、私どもは、先ほど申し上げましたような批判の上に立って、執行機関として仕事をしているのでありまして、私どもが自治の総合運営を主張いたしましても、これは中央集権でもなければ官僚主義でもない、特にまじめなる町村民の信頼のもとに自治行政を執行したい、しかも合理化、節約をしたい、そういう一念でございます。  そこで要望を申し上げます。要望の一点といたしましては、市町村長及び議会議員が都道府県の議会の議員を兼ねることができるようにしたい、こういう希望を持っております。理由といたしましては、現行法におきまする自治体としての都道府県は、基礎的の地方公共団体である市町村の総合組合的性格を持っている。これは私ども多年の主張でございます。かかるがゆえに、その存在を私ども肯定をしているのであります。都道府県と市町村が並立するような形で伸ばしていくというようなことにつきましては相当疑義があるのでありまして、そういう点で都道府県の行政と市町村の行政とが遊離するというようなことでは、これは非常なマイナスになるわけでございますので、都道府県の議決機関を構成する議員と市町村の長及び議会議員が無職する道を開きまして、並立する自治団体の行政面というものを円滑にしたい。これは逆の立場から言えば、県会議員の皆さんが市町村の長を兼ねるという立場もあるわけでございます。そういう意味で都道府県、市町村、これらの問題を解決したい。  次に、地方公共団体の長及び議会議員が当該地方公共団体の地方税を滞納したりするときは、その期間職務執行を停止させることができるようにしたい、これが要望でございます。理由といたしましては、地方財政はまことに緊迫いたしております。その健全化が強調されておりますときに、地方公共団体の行政運営の主体であります長及び議決機関を構成する議員が当該地方公共団体の地方税を滞納し、これを放置するということを許す場合におきましては、納税率悪化の傾向を助長いたしまして、非常な自治行政の阻害を来すことになるわけでございますので、滞納間の職分の停止を一つ御決定いただきたい。私どもでは全国のこまかい調査を現在取っておるのであります。その結末が現在まとまりつつありますので、それらの表を後日御配付したいと思うのでありますが、全国の公務員の滞納状況あるいは議員の滞納状況あるいは執行機関の長の滞納状況というようなものをこまかく調査いたしておるのであります。それらも御参考に供したいと思っております。  次は地方公共団体の長に対する不信任議決の要件ば現行法のままといたしたい、かようにお願いいたします。これは前の御陳述にもありましたように、理由といたしましては、改正法律案ば、不信任議決の同意定数を過半数に引き下げておるのでありまして、かかるような状況になりますと、市町村におきまして議会の不信任議決をまことに容易ならしめる、また一方町村長の議会解散の発動を誘発いたします。常につばぜり合いのまことに危険な状況に置くということになりまして、摩擦抗争を増加せしめる、非常に不安定な状況に置くわけでございます。自治庁のねらいは、長の権限の強化だというようなことを言っておりますけれども、それば当っていないと思うのであります。こういう改正はまことにまずい。何がゆえにこんなものを出したかと私はその信念をあやしむのであります。  次は第四でございます。教育委員会その他の行政委員会を廃止することでございます。地方公共団体の行政を総合一元化しなければならぬというのが私どもの多年の主張でございます。行政運営の合理化、地方財政の健全化をはかりますためには、まずもって第一に教育委員会を廃止しなければならないのであります。そこでまた問題がありますが、この自治法の一部改正の問題にからみまして、教育委員会がまた別方面から問題になっておるのであります。そこで今までだいぶ御認識をあそばされました議員諸公が、また振り出しへ戻りまして、教育委員会というものはまことに重大なものだ。これは教育基本法が日本にある限り憲法に次ぐものだ。これらの改正はなかなか容易ではない。お前たちの言うことをそう簡単に聞けないというようなことをおっしゃられておるのであります。そういう点は十分おわかりのはずでありまするが、またさように振り出しに戻ったという感を深くいたしておるのであります。そこで教育委員会でありますが、教育は中立でなければならぬ。いわゆるこの為政者にまかせては相ならぬという原則でありますが、しかし逆説から申し上げまして、従来ともに知事、市町村長が教育を曲げた、あるいは新しい教育を特にその地帯で授けたというようなことは、明治以来実際はないのであります。ただ明治憲法におきましては、教育勅語がありまして、そんなふうに決定いたしておりますから、その線で知事、市町村長はやっておったのであります。そこで今後行政委員会としての教育委員会がなくなりましても、知事、市町村長が教育をゆがめるということは私はないと信じております。これには批判がありまして、リコールもあれば町民大会もありますし、また不信任の議決もあるわけでございます。そこで私どもは諮問機関の教育委員会、しかもこれは十分尊重いたしまして、お互いの理解に基いたこの委員会を結成いたしまして、地方費を省きまして総合一元化いたしました教育行政を行ったならば、非常にスムーズに運ぶのではないかというふうに考えられます。  次は第五の行政委員会の予算原案送付、及び収支命令の権限を削除する件でございます。理由といたしましては、行政委員会は原則として廃止すべきでございますが、教育委員会のごとき地方公共団体の財政力を無視した見積書の作成、収支現況を顧みないところの配当予算の乱費等に対しまする今次改正による規則は不徹底であります。抜本的にその予算原案送付及び収支命令の権限を削除することが最も適当ではないかというふうに考えられるのであります。先ほど市長さんからも申されましたように、特に財政の面におきまして、これらの行政委員会というものは実質的には何ら握っていないのでありまして、市町村の予算を無視した支出見積書の作成とかあるいは支出というものは摩擦の原因になるのでありまして、争いまして得るところは何もないのであります。町民の迷惑になるばかりであります。マイナス面しかないのであります。そういう点をよくお考え願いたいと思います。お互い対立させる、摩擦させる、これは民主主義の原則ではないと思うのであります。  次は六の、地方公共団体の事務の管理執行に対する内閣総理大臣または都道府県知事の調査、検査または監査は、各省庁の調査、検査左たは監査と重複を避けること、という理由といたしましては、地方公共団体におきまして会計検査院その他各省庁の調査、検査または監査等が相重複しているのでありまして、その応接にいとまもないほどでありまして、行政運営を著しく阻害をいたしておりまする実情にかんがみまして、これを統合調整すべきではないかというふうに考えております。  次は七でございます。地方公共団体の組合がこれを組織する地方公共団体の数を増減したり、もしくは共同処理する事務を変更したり、あるいは組合の規約を変更しようとするときは、加入、脱退しようとする市町村の場合を除き、組合の協議をもって足りるように改正すること、これは一部事務組合を組織したような場合であります。現行法におきましては以上のような場合には各関係地方公共団体全部の議決が必要だということになっているのでありますから、一町村の加入あるいは脱退につきましても全部の加入町村の議会の議決を必要とするというような非常にむずかしい不必要の手続が必要なのであります。そこで最近のごとく市町村の移動のはなはだしいようなときにおきましては、その煩にたえないのでありまして、その実益も実際ないのでありまするので改正をお願いしたいのでございます。地方自治法の一部を改正する法律案に対する点はこれで終らせていた、だきます。  次は地方財政再建促進特別措置法案につきまして申し上げます。  総合的の意見といたしまして、本法案の趣旨につきましては全国町村会といたしましては、地方団体より再三再四要望したところでございまして、趣旨としてまことにけっこうでございます。そこで賛成をいたしております。ただし基本となりまする再建整備の資金の確保につきましては赤字総額五百六十億円と想定されておりまする際であり、当初から総額最低三百億ということは認められておったのに、今回の予定は二百億でございまして、退職資金分を含んで実質的には二百三十億になっておりますが、しかもそのうちの百五十億円は公募資金にたよっているのであります。ために総額の不足及びこれが確保につきまして不安がございまするし、ここに重大な欠陥があるのではないかというように考えておるのであります。  次は三でございます。政府資金によりまする五十億、退職全充当分を含めまして八十億でございまするが、一般地方債計画に食い込んでいるのであります。一般の起債がそれだけ圧縮された形となっておりますることは、町村側といたしましては単独事業の起債等に非常に影響を受けているのであります。合併町村の起債需要などが累増いたしております際、はなはだ不合理であります。また一般的に見ましても、健全団体の犠牲で赤字団体の救済をはかるものでございます。そこで比較的赤字を最小限度にくいとめて、今日まで努力してきました町村といたしましては、これは矛盾もはなはだしいというふうに考えております。で、本法を円滑に実施いたしますためには、十分な資金を一般地方債計画と別個に確保するように修正さるべきものと存ぜられるのであります。  なお別個の問題でありまするが、本年度の地方財政計画がきわめて不合理、非現実的要素で組み立てられており、今後の赤字発生を防止し得ない形となっておるのであります。こういうことは本法案を実質的に有名無実化する重大な要因となっておるのでありまして、相関連いたしまして慎重な御討議をお願いする次第でございます。  これら諸点の修正を前提といたしまして、私どもの本法案の内容に関する修正意見は、また別途意見書におきまして明示した通りでありまするが、特に重要な点は教育委員会等各種行政委員会の権限の基礎、その事務部局の簡素化の徹底でございます。この問題は本法案を離れても、地方制度改革上当面の問題でございまするし、また行政費節減の一眼目でもありまするので、少くとも赤字団体についてこれらの法的保障がない限り、とうてい真剣な財政再建は期せられないと存ずる次第でございます。この点は政府部内にも御意見があって、今回の内容のごときものとなったと聞き及んでおるのでありますが、少くとも指定団体及び準適用団体は、確実にこれらを実現せしめることが基本前提であると私どもは信じております。指定の団体が何ら規制を受けないということば、これは事実上あり得ないのでありまして、それは当然他の、鋭意努力をいたしましてつじつまを合している、しかも内郷的には赤字を含んでおるという団体がたくさんあるのでありますからして、指定の団体は当然自粛自戒すべきではないかと私どもは信念を強くしておるのであります。  第二点は、本法の実施が自治の本旨をそこなう結果となるおそれがないかという点でございます。もちろん財政再建に籍口いたしまして、不必要な統制あるいは監督を加えるということは、厳に戒めるべき点でございます。でき得る限り地方団体の自主的努力にまかせるということが根本でなければならぬと思うのであります。しかしながら種々の特例を受ける指定団体が、一般の非指定団体と同一の立場であることは、先ほど申し上げましたように、事実上困難であり、ある程度の調整監督は不可避であると考えておるのであります。この点、今後政令等におきまして具体的実施を定める場合に、特に慎重な考慮を要望するものでございます。特に町村が、政府のみならず府県を通じまして多くの干渉あるいは統制を受けるということは、自治のあり方からいたしましても逆行となるのでありますから、府県知半に対する委任は最小の限度とするように御要望を申し上げます。  また今日まで町村は表面上赤字を生ぜしめるということを非常におそれておりまして、財政運営の基本目標として赤字を出さないということを念願としてやってきておるのであります。これは団体が小さいために、普通に仕事をすれば赤字が出るのであります。ところが赤字を出すと、非常に誤解をされまして、不信任の議決とか、あるいは町民大会ということになりまするので、内容の赤字を包んでおるのでありますから、あからさまにこれらの内容を出すということになれば、赤字団体がふえるわけであります。そこでこの方向は、本法案の成否にかかわらず、変るところはないのでありまして、赤字を隠しております。赤字をなるべく出さないように、自粛自戒しておるのであります。ですから最近の国家財政のしわ寄せで、これらが急速にまた破綻をしておるのであります。かかる結果を生じました赤字は、国といたしましても十分の責任を持って措置すべきであり、また地方団体自体が再建を容易とするよう、機構、制度の刷新、簡素化を期せられたいというのが、本意見の特性であります。  そこで法令に基かざる負担金補助金の問題にちょっと触れたいと思うのでありますが、前西田自治庁長官がこの点非常に共鳴されまして、全国にふれを出されたわけでございますが、これが何ら守られていないのであります。政府の出先機関あるいは県の出先機関等におきましては、あらゆる手をもちまして市町村に負担金、補助金を押しつけております。特に一番大きく目立っておりますのは、学校であります。学校の講堂あるいは校舎の改築、また国の出先機関の建物の改造あるいは移転等でございます。実に膨大な負担金、補助金がきておるのであります。これを拒否しようと各県の町村会におきましては懸命でございまするが、最近あらゆる総合的の手を使いまして、これらを切りくずしておるのでありまして、とても対抗ができないような現況でありまするので、特に何らかの立法的措置でこれを禁じない限り、市町村の財政は極度に悪化をする。これは市町村が非常にいくじがないように国会の皆様方はお考えと思うのでありますが、実はさようでないのであります。ここであからさまに申し上げることははばかりますけれども、これを出さぬということになりますると、国できめましたいろいろの仕事というものが行われない、中途で行き詰まってしまうというのでありまして、鉄管のじゃ口のような形をとっておるのが市町村でございます。いかにりっぱなタンクがあり、いかにりっぱな技師がおりましても、じゃ口でじゃまをされますと、それらの法律あるいは決定事項というものが施行されないのと同様に、警察におきましても、保健行政におきましても、あるいは社会福祉事業におきましても、教育問題におきましても、末端に支障を来たすのでありますから、これらの問題が除去されますように、中央で一つ何らか御考案を願いたいと思うのであります。  なおこの際付言いたしたいことば、地方財政における人件費の累増でございます。これが財政運営を困難とする要因でございます。そこで今日の社会上思い切った行政整理も断行しがたい状況にあるのでございます。従って客観的基準をもって人平を刷新せんとする、定年制でございます。この定年制のごときものは、行政の能率化の見地よりはもちろん、経費節減の見地よりも望ましいと思われるにもかかわらず、政府がきわめて消極的の態度にあるということは、まことに遺憾でございます。国会において何分の積極的御検討をお願いしたいと思う。これは官吏あるいは地方公務員だけが定年制がない、しかも一般民間会社、団体等におきましては定年制があるのであります。特にこの点で民主主義にもとるとか何とか、そういう方程式の非常に愚かな議論に惑わされる必要はないと思うのであります。これができないということは非常にガンでございます。どうしてもこの定年制だけは実施をしたいと思うのであります。市町村の議会におきましても、私どもの知る限りにおきましては、各党の人が超党派的にこれを主張しておるのであります。一方的にこれに反対なされるということは破壊じゃないかと思うのであります。ほんとうに市町村の困った財政ということを考えられるならば、ぜひこれは定年法を、きめるべきであり、またあるいは条例できめてもいいということくらいは何ら差しつかえないというふうに考えられるのであります。ぜひ御決定をお願いしたいと思うのであります。  またもう一つは、最近話題になっております補助金等にかかる予算執行の適正に関する法律というものが出まして、補助金の不正支払いあるいは不正使用というものに対して、単独法で体罰をもって臨むというのであります。その理由は私どもはよくわかっております。全国の各市町村におきまして、災害復旧の問題あるいは土地改良あるいは道路の問題等につきまして、不正支出がないとは申しません。しかしながら、現行法におきましてもこれは十分に取締りがつくわけでございます。またそれらの問題がたとえばどうして起ったかということを突き詰めて考えますると、非常にこれは内容的には問題があるのでありまして、単独にこの補助金等に関係いたしまして体罰をもって臨むということは、現在の民主的の地方行政の面から見ましてプラスにはならず、マイナスになるのではないか。特に国会の皆様方におかれまして、この県市町村というものが一体的の行動をとりまして仕事をやっておるのでありまして、一番その補助事業でわかっておるのは担当の省でございます。担当の県でございます。そこでお互いにじっくりこの問題をいかにすべきかということを考えましてやっていったならば、特にこの体罰をもって臨むという単独法の必要はさらさらないのではないか、これは民主政治の誤まりではないかと思いますので、これらの撤回を特にお願いを申し上げたいと思います。  簡単でございますが陳述を終らせていただきます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 それでは次に全国町村  会議長会代表、埼玉県前蕨町議会議長岡田徳輔君。

岡田徳輔全国町村議会議長会代表、埼府県前蕨町議会議長

○岡田参考人 私は全国町村議会議長会を代表いたしまして、まず地方自治を申し述べます。  この法律案は、政府の提案理由でも、条文に現われた表現がどうでありましょうとも、各種の点から判断いたしまして、地方自治制慶の根本に触れるきわめて重大な改正であると思うのであります。地方制度の根本的な問題につきましては、まだ地方制度調査会の結論が完結していないのでございます。実は地方議会の組織、権限等の問題は、根本的な改革の一環として取り上げらるべきものと思うのであります。それにもかかわらず、改正案の内容によりますると、地方自治を弱め中央集権を強化したり議会の組織、権能を弱化させ、執行権を強化しようとしたりしておりまして、その態度は、あたかも地方自治をこの方向に推し進めておるごとくに見えるのであります。私どもといたしましては多大の疑問を持たざるを得ないのでございます。今日町村合併を強力に推進いたしておるのでございますが、これは町村にとっては実に大きな改革というべきでありまして、その完了した後においては、その規模や能力も相当大きな変化が行われるのでありましょうし、また地方団体の組織運営の簡素、合理化も、必然的に自主的に実施されることになると思うのでございます。ゆえにその完成を待って改革を考えても決しておそくはないのではないかと存ずるのでございます。しかるにそれを待たないで、組織や権能に重大な影響を与えるような改革をやるということは、いささか早計に失するものと考えるのでございます。政府ことに自治庁は、地方自治を確立するという深い熱意と、地方自治を育成強化するという寛容と忍耐の態度で臨んでいただきたいと思うのでございます。法案の内郷によりますと、議会関係の改正事項といたしまして、一、定例会を通常会に改めること、二、町村の常任委員会はこれを廃止すること、三、議会事務局の職員を地方公共団体の職員が兼ね得ること、四、長に対する不信任決議は半数で行い得ること等がおもな点でありますが、いずれも議会の力が弱められ、執行権が強化されることになるのでございます。しかもこれらの改正は、行政の簡素化、合理化の立場から行われるものとされております。行政の簡素化については私どもとしても異議のないところでございまして、他の団体もおそらくそうであろうと存じますが、町村といたしましては、簡素化の問題や常任委員会の運営を改善することにつきましては、自主的な努力を続けておるのでございます。たとえば議員の定数を条例によって減らしておるところも相当多数あるのでございます。今後もまたそうしようとする傾向が顕著になって参っておるのでございます。ことに町村合併の機会に減少することにきめたところも多いのでございます。また町村によりまして常任委員会の行き過ぎを防ぐために、全員を一年、ことに入れかえるという方法をとっておるところもございます。各地方団体は、その議会が住民の意思に従って、自主的にその地方々々の特殊の事情に応じて、その組織や運営の方法を簡素化、合理化することが、地方自治法の立法趣旨であり、住民政府の特色であると考えるのでございますが、それが今うまく行われておらないからといって、短兵急に法律によって一方的改正を行うことは、地方自治の趣旨に反することであり、民主政治を否定するものと考えるのであります。およそ地方自治の育成には相当の年限を要するということは、古今東西の歴史から考えましても、今しばらくの時日をかす必要があると思うのでございます。  それから定例会を年一回の通常会に改めることも、地方議会の実情を無視しておるものであります。今日地方団体が相次いで予算の追加更正をやっておるのは、地方財政が国の財政と密接な関係にあります上に、国の予算の成立が常におくれがちであるため、地方団体の予算が不確定な要素によって占められて、そのために予算の追加更正を余儀なくせられておるという事実を、政府自体がまず認識すべきであると考えます。提案理由によりますと、国会と同じように年一回の通常会だけであとは臨時会が何回でも開けるわけではないかということでございますが、国会の通常会が百五十日であるのに、町村の場合は五日ないし十五日くらいとしておりますので、これではどんな町村議会であっても現存では無理と考えるのでございます。それに、臨時会は自由に請求ができると申しますが、地方議会の実情から申しますと、臨時会はよほど重大案件がある場合であるとか、あるいは何か紛争等のある場合等でなければ、淡会側から要求して開くということはないのが通例になっておるのでございます。定例会制度の欠陥として、議題もないのに定例会を開くというようなばかげたことは、実際問題としては考えられないことでございます。  次に私ども全国町村議会として特に由々しい問題としておりますことは、常任委員会を廃止するという点でございますが、常任委員会を人口段階によってその存廃をきめるということには私どもとしましては承服いたしがたいところでございます。地方では国の場合と違って長と議会が別々の選挙で選出せられております以上、議会が常任委員会を持つということは当然と考えるのでございます。どんな町村でも最少限度の標準行政が行われておる現行地方制度のもとでは、絶対に必要であると言い得るのでございます。また現実の問題といたしましても、町村議会の常任委員会が執行機関と互いに協調して町村行政を円滑に運営しておる場合の方が多いので、私どもの調査いたしました範囲内におきましては、いずれの町村長も常任委員会の必要を認めておるのでございます。常任委員会を横割りか縦割りかという問題につきましては、現存の自治行政がますます複雑、専門化して参ります現状から見まして、調査の対象を深く掘り下げる縦割りでなければ、委員会の目的を達することができないと考えるのでございます。常任委員会廃止の理由の一つとして、執行部面に立ち入り過ぎ、ために責任の所在がはっきりしないということがあげられておりますが、きわめてまれにそのような弊害があるといたしましても、何もこれは町村議会だけの問題ではないのでありまして、これをもって町村議会だけに常任委員会を廃止すべき理由とはならないと思うのでございます。その他常任委員会についてはいろいろ問題があるといわれておりますが、いずれも運用上の問題でありまして、これを直ちに制度が悪いと断定して、法律でこれを改廃するということはまことに考えものであると考えるのでございます。  第三点といたしまして、議会事務局の職員を地方公共団体の職員が兼ね得るという点も、議会独自の事務局を持てなといということは、議会が町村長の任命した職員を借用するという形になることでありまして、これは議会内に町村長が介入しやすくなり、反面議会の機能が弱められるという意味で、私どもといたしましては賛成しがたいところでございます。全国町村議会議長会といたしましては、議会機能の充実、強化をするためには、議会に専任書記を置くことを強く推進して参っております。最近ようやくその成績が上りつつあるところでございます。われわれはその促進のために町村にも議会事務局を置くことができるように地方自治法の第百三十八条の改正方をしばしば要請しておるところでありますので、兼職ができるという本改正案には絶対に反対でございます。私どもといたしましては、性急な行政事務の簡素化よりも、機能の強化によって議会の本分を十分に発揮することに重きを置きたいと考うるものでございます。  以上は大体今度の地方自治法の改正が議会の力を弱め、執行権の強化をはかっておる点について概略の意見を申し上げたのでありますが、本法案の他の方面を見ますと、国の監督権をはなはだしく強化するというような事項が含まれております。国の監督権が強化されることは、やがて官僚的中央集権が復活するおそれが多分にあると思うのでございます。かかる意味におきまして、私どもは本法案の成立をぜひ皆様方のお力で阻止していただきたいと考える次第であります。  次に地方財政再建促進特別措置法案につきましては、再建整備のために負担する政府の財政支出が、私どもの期待に反しましてあまりに少過ぎるのでございます。それに引きかえて、たとい整理期間中であるとしても、地方団体に対する国の監督権があまりにも強過ぎるのでございます。特に長の提出する財政再建についての関係議案の審議につきまして、その審議期間を限定し、あるいは長に解散権を与える等議会の審議権を大幅に制限しております。これでは全く再建整備のために議会というものを長の諮問機関化するようなものである。前述の地方自治法改正の内容と軌を一にして議会の力を弱める結果となるものと考えます。地方財政再建整備につきましては、住民の負担に重大な関係がありますので、議会の立場が十分尊重されなければならないので、赤字の原因を議会に転嫁するばかりか、議会をして執行部に従属させ、しからざれば解散するぞというような議会軽視の思想は、民主政治の前途にはなはだしい不安を抱かしめるものでありまして、私どもといたしましては全然承服できないのでございます。以上の理由によりまして法案の第十一条はこれを削除することを要望いたす次第でございます。  次に地方団体の執行機関の職員をして議会職員を兼ねさせることができるという規定も、地方自治法の改正について申し上げた場合と同じ理由でこれを削除することを要望いたします。その他の点につきましては、議長会、議会関係の三団体共同で要望しており、また本日も申し述べられております次第で、私はここには省略して、これをもって私の参考人としての意見を簡単に申し上げた次第であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 以上をもって参考人の意見発表は終りました。質疑がございましたら伺います。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 時間がございませんから一括して二、三の点をお伺いします。いろいろな御意見を承わりまして、その大部分については私どもも同感できるのでございますが、今度の地方財政再建促進法並びに地方自治法の改正、これをかりに実行するといような場合に、一番関連して問題になるのは、やはり町村会長がお話しになったように、本年度の地方財政の計画が果して適切であるか、本年の三十年度の地方財政の財源不足というものが、これと密接な関連を持っているわけです。そこで私どもはこの二つの法案を総括して考えまして、一番の問題点はそこにあると思うんです。そこで地方財政の赤字は二十九年度末で五百八十六億、ところがこれに対して再建促進法は二百億の措置でありますから、あとの不足分の三百八十何億というものは何によってやるか、それからことしの財源不足というものが、大体昨年の決算見込み等を基礎にすればやはり六百億くらい財政計画と食い違いがあるわけなんです。そうすると赤字の三百八十六億と本年の不足分六百億と合せて九百何十億、約一千億というものが財源の措置をされない。ところが今度の再建促進法が適用になれば、二百億の金を貸すかわりに、その条件として、各地方団体は財源計画の中に大体その九百億という食い違いを埋め合せる計画を提出しなければ金を貸してくれないということになるわけです。従って私どもはこの点が一番重要であると考えておるわけでありまして、先ほどの町村会長の御意見はもっともだと思うのですが、この点について知事会あるいは市長会の代表の方々からも御意見を承わりたいのです。ことしの財政計画において何らかの交付税その他の財源措置をしないでおいて、その再建促進法だけを実行した場合に、地方財政が一体やれるかどうか。それらの点についてお伺いをしたいのです。  それから小さい問題かもしれませんが、先ほど町村会長のお話の中に、例の義務外の負担金、寄付金の問題について自治庁から取締りの通牒が出たけれども、これに対して当局の方から切りくずしの手が用いられて、なかなかうまくいかないというお話があったと思うのです。その切りくずしというのは具体的にいえば一体どういう方法が用いられておるのか、お話を願いたいのです。  それから次に地教委の問題もお話がございましたが、これにつきましては昭和二十七年に地方教育委員会が設置された当時町村会は賛成されたはずなんです。ただしその条件としては地教委を設置するについての財源措置が十分に行われるならばということで賛成をなさったはずであります。従って町村会としては現在もそういう考え方でおるかどうか。財源措置がされるならばあえて地教委に反対ではないとされるのかどうか。あるいはそれとは切り離してやはり地教委は廃止してもらいたい、こういう意見であるか、これをお伺いしたいと思うのです。  それからもう一つは知事会でございますが、警察法の改正の結果として、国家財政においては約百億円という負担が軽くなったわけです。国の警察費は百二億円でありましたか軽減された。そのしわ寄せが地方財政に及んでおるわけです。これは府県ばかりでなくて、間接には市町村の財政をも圧迫しているはずです。そこで実は昨年警察法の改正の審議の際に、われわれはこういう意味から反対をしたのでございますが、遺憾ながら知事会議は警察法の改正に賛成をなさった。その結果結局困ったのは府県財政ではなかろうか、こういうふうに考えるのです。従ってこの機会に、この警察法の改正に知事会議は賛成をなさってよかったと思っておるかどうか、これが地方財政にとって一番問題になっておる。地方財政に非常な重圧を加え、赤字のまた新しい原因を加えたわけでございますが、やはりそういう赤字の原因となっても知事会議はあの当時において警察法の改正に賛成をなさったことがいいと思っていらっしゃるかどうか、知事会議の代表からお伺いしたい。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 御質問の第一点でございます三十年度地方財政計画の補正の問題とそれから両法案との関係につきましては、私どもも実は同様に考えております。過去の赤字の解消をまずやると同時に、やはり三十年度から赤字の出ないような財政計画の確立をやってもらいたいということは、かねがね強く要請いたしておるところでございまして、切っても切れない関係に立つもの、た、かように実は思っております。  そこで過去の赤字の問題につきましては、二百億程度しか予定されておりませんので、これが不足いたしますることは現実におきましてもきわめて明瞭でございます。先ほどお述べになりました三百八十六億そのものが不足するかどうか、これは多少疑問がないことはないのでありますが、どの程度不足するかは、各県から出まするところの再建計画というものを集計してみますれば明瞭に出ると思うのであります。そこでその中で一部は知事会で主張いたしておりまする直轄工事の分担金、これが大体七、八十億じゃないかと思いますが。これは二十八、九年度以降におけると同様に、交付公債でもって一つ処置してもらうというふうに要求をいたしておるわけでございます。なおこれをもっていたしましても不足する資金につきましては、必ず三十年度中に政府資金をもって補てんしてもらうということを一つ絶対条件にしていただきたいのでございます。これは現在の段階におきましてはするのかしないのか、まあできればやろうというきわめてあいまいな程度になっておりますことばまことに遺憾しごくでございまして、かような重要な点につきまして不明瞭になっておりますというと、この再建整備も現実の問題として決して円滑には進行しない、さような気持をもって大いに心配をいたしておりますところでございます。  なお三十年度の財政計画につきましては、いずれの面から見ましても約五百億程度の赤字が出るというふうに私どもは推計をいたしておるわけでございます。そこでこれにつきましては今期国会におきましてぜひ一つ議員立法を御提出願って、地方交付税の三〇%引き上げを成立せしめていただきたい。これを知事会といたしましては強く要請を申し上げておるところでございます。  最後に警察法改正の問題でございますが、警察法自体の本筋から言いまして、やはりこれは広域行政をもって行うことが適当であるという考え方から、府県警察の問題を知事会といたしましては賛意を表したのでございます。それにつきましては、やはり府県の必要といたしまするところの財源につきましては適正に措置されることを要請いたして参ったのでありますが、遺憾ながら三十年度地方財政計画におきましては、この問題につきましても)なお未解決になっております。これはまことに遺憾しごくでございます。財政の面で現在不十分になっておるから、警察法の改正に賛意を表したことは誤まりではないかというふうな御質問のようでありまするが、事務の問題と財源の問題は私どもは別に考えておるのでございます。警察の本来の事務から申しまして、やはり府県単位の自治体警察が望ましい。これありまする以上は、やはり政府としてこれを執行するに足る財源措置を当然なされなければならぬのでありますが、それが三十年度にまだ不十分になっておりますことに遺憾でございますので、ぜひ一つこの問題をも含めて地方交付税の引き上げを強く要請いたしておる次第でございます。

関井仁全国町村会代表、茨城県石下町長

○関井参考人 北山先生の御質問にお答えいたします。教委の問題でございますが、全国町村会は財源措置ができるならばという意味で一時教委の設置に賛成したことがあるのではないかという御質問でございますが、全国町村会といたしましては教育委員会の問題につきまして賛成したことはただの一回もないのでございます。二十七年夏の国会の抜き打ち解散で教育委員会が当時一年延期が計画されておりまして、文部省等も非常な反対をしておったのでありますが、それが有効になりまして設置されたのでございます。当時自由党からいろいろの話がわれわれにあったわけでございまして、日教組の問題もありますしその他いろいろの問題を含めて同調せよということであったわけでございますが、全国町村会といたしましては義務教育は市町村が管理すべきであるという観念は持っておったのであります。しかし独立機関である委員会にまかせるということにつきましては終始反対をいたしておったのであります。ただ当時大達文相は市町村が財政的に非常に困っているのだろう、教育長の俸給を予算に組む、そういうことで財政措置をわれわれがめんどうを見るならば賛成してもいいのではないかというようなことを、何回か繰り返されたのでありますが、その点につきましては終始反対をしておったのでありまして、私どもの主張は自治の総合運営という点でございます。この点につきまして教育委員会というようなものにつきまして、先ほど申しましたようにいろいろの点で問題があるのでありまして、諮問機関の委員を設置したい、この点につきましてはあらゆる面でわれわれは協力をするという点でございます。諮問機関の委員会に切りかえをしていただきたい。これは市町村長の絶対的の総合的な意思でございまして、もしできないならば今後はほかの団体のようないろいろな運動も考えなければならぬ。ハン・ストまではいかぬけれどもわれわれ市町村長としてできるだけのことは、全員国会へお参りをしても、この問題だけはなし遂げようというかたい決意を持っております。  それから負担金補助金に対する切りくずし、この事実を申せという御質問でございました。切りくずしという言葉を使ったことにつきましては、あるいは私の失言かもしれません。しかし実際の面におきまして避け得ない補助金というものがおおいかぶさっておるという点を申し上げたいと思います。たとえば県の管理でありまする高等学校の講堂あるいは雨天体操場あるいはその他の特例教室というものが盛んに計画されております。そこでわれわれは県に予算のない場合は許可をしてもらいたくない、そういう指示を流していただきたい。そういうことを知事の方へも申し上げ、また文部省へも申し上げておるのであります。ところがいよいよの問題となると、予算がないが、学校長あるいはPTAが陳情いたしますると、地元の寄付があれば許可をするというので、五百万円の増築をする場合に、半分は県で持ち、半分は地元ということに相なるのでありまして、事実上予算のないものが進められるのであります。これは保健所にいたしましてもあるいは登記所にいたしましても、あるいは警察関係の建物にいたしましても、予算のないものが始められるのであります。始められた結果どうなるかといいますと、地元の市町村長は遂にこの運動に入らざるを得ないということになりまして、各町村へ呼びかけをするというので、自分の経費を省いてまでそういう面におつき合いをする。それが一向に衰えない、しかもますます強くなっておるのであります。たとえば警察の関係を申し上げますと、警察の末端というものは全部市町村でいろいろの問題を処理しておる。駐在所というのは全部市町村で持っております。屋根のふきかえもあるいはガラスも自転車もオートバイも全部市町村で持っております。あるいは警察署の官舎でございますが、官舎も全部建てております。それを県警察に移管をしようといたしましても、向うは修理費も保管費もないのであります。そこで向うへ寄付を申し入れましても寄付の受付をしないのであります。ですから修理費も保管費もすべての経費を町村が持つ、かようなわけでございます。自転車もオートバイも自動車もさようでございます。あるいは登記所にいたしましても、国の予算というものはお茶を買う予算も電話料の予算もつけてないのであります。あるいは農業改良普及技術員がありますけれども、これは月給だけを組んでおりまして、活動費は一切ないのであります。これにつきまして大体一郡百万円から百五十万円の負担金をしておるのであります。そういう面で負担金、補助金の問題が今後大きく拡大しつつある傾向がありまして、国の予算源が大きくしわ寄せをしておる。しかも市町村の微力な力ではなかなかこれが解決をなし得ないという非常な苦境にありますので、この点申し上げたいのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 たくさんお伺いしたいことがありますが、もう一点だけ伺います。先ほど警察法の問題、地教委の問題をお伺いしたのは、そういうふうな制度の改正が、結局国の方から見れば、国の方の経費は節約をしてそのしわ寄せを地方に持っていこう、こういうところに相当目標があると思うからです。そういう制度の改正が次たと行われつつあるのでありますが、今度の自治法の改正にしても、あるいは財政再建促進法にしても、やはり地方財政を安上りにしつつしかも国家財政のしわ寄せを持っていこう、地方の責任において解決をしようというところに法案全体の目標があるのでございますから、そこで私どもからいえば、法案は早く通してもらいたい、しかしこれこれしかじかのところは反対であるというようなことでは、警察法の改正やあるいは地教委の設置ということと同じ結果になりはしないかということで、実は老婆心ながら心配しておるわけであります。従って先ほどお話のありましたように、本年度の財政計画との関連、特に交付税率の引き上げ、あるいはその他の地方団体に対する財源措置というものは、この再建促進法並びに自治法とは密接不可分の関連があると思いますので、ぜひともこれはお互いに力を合せてこの獲得をしなければならないと考えておるわけであります。先ほど知事さんがお話になったような国の直轄工事に伴う納付金の特例、三十七年度以前の未納分をたな上げすることにしましても、現実に議員立法として法案が国会に出されておるわけでございます。私どもも皆さんと同じようにこの法案の成立を期待しております。そこでこのような地方財政を安上りにしようというような一般的な政策の出てくる動機というものはいろいろあるでございましようが、最近財界方面では地方財政に非常な関心を余しまして、経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所などが地方財政を安上りにするために再建促進法と自治法の一部改正に対して、これはぜひとも通すようにという意見書を発表しておるわけであります。これは非常に異例なことであると私ども考えますが、この財界の意見に対しまして、どなたでもけっこうでございますが、地方団体の代表としてどのようにお考えであるか、最後に承わっておきたいのであります。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 財界の方でさような要請が出ておりますことも私どもよく承知いたしておるのでありますが、従来の経済界及び財界方面におきまする地方制度改革に関する問題につい共通的に流れておる思想といたしましては、ただいまお説の通り、ただ安く上るという点だけでございます。能率化、経済化の方面も重要でございますが、それと同時に、地方自治の問題は、民主化の基本線を堅持する範囲において、経済化、能率化がはかられなければならない、かように私どもは考えておるのでございます。その二つが調整されて、初めて地方自治の改革が現実にうまく参る、かように思うのでございます。地方財政再建及び地方自治法一部の改正という問題につきましても、能率化あるいは経済化の線が非常に強く出ておるようであります。これと調和するように、やはり民主化の基本線を害さないところに、国としては調整される必要があるということを強く考えております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 知事さんに一つだけ聞いておきたい。あとはこの間の意見書を読んで考えたいと思います。これは知事会で強く要求しております。またわれわれも今修正案を出しております交付税の問題ですが、交付税のふえることにはお互いに異存はないのでありますが、ただこれの取り扱いであります。従来の平衡交付金の場合は、これは概念的にというか、調整財源として考えられておった。それから交付税と名前を予えたがために、調整財源と全く逆な自主財源という一つの観念が出されてきた。ところが、現在の地方税法の上においても、これの配分の方法は調整財源と全く同じであります。従って、自主財源としての十分の機能を果し得ないうらみを持っていると思う。これに対して知事会はどういう御意見であるか、一応意見を聞かしていただきたい。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 地方制度調査会において、従来の平衡交付金制度を地方交付税に切りかえるという意見が出ました場合に、知事会としては、それに実は賛成していないのであります。あくまでも平衡交付金制度で調整的に行くべきだというふうな考えも、今もやはり持っております。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 一応お答えを得ましたので、それ以上話す必要はないと思いますが、ただ多少われわれの意見と食い違いがあるようであります。  なおもう一応聞いておきたいと思いますが、税の性格が自主財源に変らなければならなかった最大の原因はどこにあったかといえば、一つは、従来のような交付金のあり方では、国家予算に左右されて、確定したものが得られない。そこで確立財源としての建前から、当然これを交付税という一つの自主財源の性格に戻すべきであるということが、一つの大きな原因であったことに間違いはないと思います。従って政府をある程度制約する一つの地方財源の見方からすれば、私は今の知事会の意見でよろしいかと実は考えます。しかし、現実の自治行政のあり方と財政のあり方については、やはり一つの方向が必要である。財政的にこれを調整しようとする一つの見方と、もう一つの見方は、財政に自主性を与えて、自治体が憲法に定めておりますような、いわゆる自主的自律性を持っていくことは、最も望ましい姿である。そういたしますならば、この交付税が自主財源として予えられた限りにおいては、少くとも自主財源としての性格を当然これに付与すべきであると思う。表面上は自主財源として取り得たが、内容は調整財源と同じであるということであってはならないと思う。それのもう一つの理由は、地方財政の関係においては、できるだけ調整財源を少くして、自主財源をふやしていく。今日通常使われております交付団体を減らしていく、不交付団体をふやしていくという財政調整が行われなければ、いつまでたっても、私は地方の自治体の独立、自律性はあり得ないと考える。この点、知事会の意見は、表面の問題だけにこだわり過ぎている。もう少し地方自治体全体の自主的の考え方がここで織り込まれることが、今日の状態では重要ではないかと考えます。言葉を返すようですが、答弁していただきたいと思います。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 地方交付税にいたしましても平衡交付金にいたしましても、地方に入って参りますと、自主財源ということには変りはないわけであります。そこで地方交付税は、国家の立場というものを強く考えまして、地方にあてがい扶持にするという考え方が、非常に強かったと考えております。そこで私どもといたしましては、お説の通り府県間の不均衡を調整いたしますためには、やはりある程度の調整財源というものは必要だろうと思います。できるだけこの団体を少くし、金額を少くする。そういたしますれば、やはり平衡交付金制度でも差しつかえないというふうに思っておるのであります。それ以外の方法によって、なるべく地方に独立税、あるいはまた半独立税、あるいは現在非常にたくさんある補助金制度というものに根本的な改革を行いますれば、調整財源をもらわなくても、一応やっていき得る団体が相当多くあり得るんじゃないかと考えておるのでございます。この点については、ぜひ三十一年度から中央、地方を通ずる行、税、財政制度を根本的に改正して、この姿を一つ出していただきたい。ただ当面の問題といたしましては、二十九年度末までの赤字を何とか解消していただくと同時に、三十年度において赤字の出ないような財政計画を立てていただきたい。これが私どもの心からなる希望でございます。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 時間が相当経過いたしましたので、一、二点だけ質問いたしたいと思います。御意見を伺っておりますと、地方財政再建促進法案に対しましては、賛成されている方が多いと思いますが、内容の全般に対しては大きな反対の御意見があるようであります。私は大体看板は了承するが、中味は反対だというような御意見だとお伺いしておるのでありますが、この再建法案の中で、再建債の二百億の問題に関連をいたしまして、知事会議の方の方より御意見を承りますと、二百億は二十八年度の四百六十二億を対象として起債を認めたので、二十九年度に当然何らかの赤字が出るので、これも追加してもらいたいという御意見がありましたが、そういたしますと、二十九年度は大体五百八十六億とわれわれは承っておりますから、百二十四億の増加になりまして、三百二十四億程度の起債で、この再建案として赤字解消ができるというような結論になっております。町村会の代表の方は、大体三百億程度の起債を認めてもらいたいという御意見ですが、六百億近い赤字を三百億前後の起債で果して解消できるかどうかという問題が、われわれがこの法案を修正するような立場に立ち至ったときには、重夫な問題だと思うので、この点明らかにしていただきたい。  もう一つ、町村会の代表の方が申されましたが、年々人件費が相当増加して困るという御意見がありましたので、この再建案の中で六十億のわれわれが言っておる首切り起債というものが認められております。これは退職金が六十万といたしましても約一万人の首切りが発生するという事態がこの中に含まれておると思いますが、そういう意味で現在の地方団体として長い間赤字解消のためにも、相当機構改革等を行なって地方公務員の整理も行なったとわれわれは聞いておりますが、今後こういう地方団体の職員の一万近い首切りというものを行なって、果して地方の行政が円滑に行くかどうかという問題、この点に対して一応御説明を願いたいと思います。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 再建債に要しまする額でございまするが、これが三百四十二億でよろしいか、あるいはもっと多く必要なのか、今のところ実はそのはっきりした計数を推計いたしますることは相当困難でございます。二十九年度の赤字を入れますれば小くとも三百億は下らぬというのが常識じゃないかというふうに思うのであります。各府県にありまするところの赤字が即再建債にはならなくてもよかろう。県によりましてはやはり再建債をもってしなくてもこの赤字解消が一、二年の間にできるというものも中にはあるんじゃないか。たとえば先ほど問題になりました直轄工事の分担金の問題も交付公債でやるというようなことになって参りますると、多少少くなって参ると思います。しかしながら二百億円で足らぬということは相当明瞭なのでございまするし、足らない部分は今年度中に必ず政府資金で補填していくんだという政府の言明か何か、しっかりした保証がなければ、この再建整備をやっていくということは非常に危険じゃないか、と申しまするのは、二百億円しかない範囲でやるんだというふうに、ぼんぼん切って落されますると、これは二百億円内の再建整備であって、再建整備のためのほんとうの再建促進じゃない、さようになる危険性は従来の政府のやり口からいうとあり得ることでございまするから、そこを私どもは非常に心配いたしておるわけでございます。

関井仁全国町村会代表、茨城県石下町長

○関井参考人 人件費の件で六十億一万人の行政整理が織り込まれておる、これを実行できるかどうか、かような御質問でございますが、これはここで私が実行できるかどうかということにつきましてお答えはできないと思います。しかし合併町村、市を含めましてそういう線で進んでおるわけでございます。当然その程度の人員の整理というものが行われるものと思っております。  それから定年法は私どもは筋目を通す意味で主張しておるのであります。これがないということになりますると、とにかく現在の制度では老朽者が一番高給をはんでおるわけであります。そうして中堅の仕事をする職員が一番薄給であるというので、われわれ市町村の職員の内部におきまして絶えず摩擦、抗争があるのでありまして、私どもは永年勤続を常に表彰いたしておるのでありまして、これがりっぱな職員ということになっておりまするが、永年勤続者の中には事務能力が劣り、ただ役場へ出勤をしておるというような非能率の方が非常に多いのでありまして、定年法があれば有終の美をおさめまして、そこで解決がつくのではないかということを考えておりまして、特に私どもの関係ではないのでありますが、小中学校等に対しまして、りっぱな新しい教員がどんどん養成されておりまするが、それらの就職ができないのであります。御夫婦でしかも三万以上の高給をはんでいる、そういう方がたくさんあるのでありまするが、断じて勧告に応じないのであります。そういうことを団体で指導しておりますが、これはやはり自分の子供さんが今度は就職するわけでございますから親子の争いでございます。ですからやはり勤め上げた方は市町村の職員にいたしましても、教職員にいたしましても、退職いたしまして、自分の子供に職を与えるというところへ進でいただきたいと私は思っております。  それからこの再建整備の特別措置法でございまするが、難点はあるが看板には賛成だ、お前たちは内容に反対なんだから、これはやってもむだではないか、通さなくても、審議未了でもよいではないかというような空気もあるのでありますが、これはあればなきにまされりということを私どもは考えております。たとい三百億でもここで通していただく、これを一つ皆様の御同情で決定していただくということになれば、あとでまた追加ということもできるわけでございますから、ぜひ一つ皆様の満場一致の御賛成によりまして、この特別措置法案を通していただきたい。たとい全面的の赤字解消は当然とれないと思いますが、三百億でもあるいは二百億でもこれはなきにまされりでございます。どうぞ通していただきいた。  それから門司先生の地方財政の問題でありますが、合併町村は今後非常に財政問題で難航に逢着をいたすわけでございまして、私は門司先生の御意見に双手をあげて賛成いたしまするが、その立場に至りまするには数年あるいは十年くらいかかるのではないかと思います。調整財源が今後大いに必要になってくると思います。自主財源を与えてくださると同時に、やはり一面調整面を考えていただかなければ合併町村の育成――しかも促進法というものがすでに行き詰っておりまするから、今後この法律を切りかえまして、たとえば新町村の育成強化法というような新たなる立法をしていただいて、新町村を応援していただかなければ、せっかく合併新市町村ができましても内容的に破綻をする、しかも分裂の危機に見舞われておるということになりますと、これは国全体の今後の問題にも影響があるのではないかと考えられますので、ぜひとも今後のごめんどうをお願いを申し上げます。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 それでは一、二点だけお尋ねをいたします。今関井さんからも御返事がありましたが、先ほどからの陳述を伺っておりますると、大体知事さん、市長さん、町村長さんというふうな首長側の方が地方財政再建整備特別措置法案あるいはまた地方自治法の一部改正には御賛成のように伺いました。しかし皆さんの御意見にはただし書きが非常に多いのであります。結局のところ内容は政府の出されました法案は、特に再建整備法案につきましては、ほとんど骨抜きになるような御希望と私は伺ったのであります。そこで結局のところ率直な御意見としては、非常に困っておるので、二百億でもいいが、とにかくもらっておけというようなことでありまして、内容はどうぞ一つ大修正していただきたい。こういうように一致した御意見のように伺ったわけでありますが、そのように伺ってよろしいですか。

友末洋治全国知事会代表、茨城県知事

○友末参考人 大体御質問の線と私ども考えておりますのは同様でございます。せっかく地方自治のためにお作り願った法案でございますが、個々に仔細に検討いたしますと、なお不十分なものがございますので、それらにつきまして数多くの実は修正要点を要望申し上げておるのであります。これを一見いたしますと、全く骨抜きにしてしまうので、むしろ出直したらいいんじゃないかというようなお気持もあるかもしりませんが、そういうふうにお考えをいただきませんで、せっかく地方自治のことをお考えになってお出しになった、それに私どもの要望をプラスしていただきまずれば、より以上りっぱなといいますか、より以上よいものがここに法律として制定されるというふうに御解釈をいただきたいと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 よくお気持のほどはわかりました。それでは次に伺いますが、制度の問題につきましては、議長会の皆さんと市長の皆さんと御意見が分れておられるように思うのであります。私どもは住民の立場、国民の立場から判断をしていかねばならぬと信じますが、この制度をいじりますことについて、市長の皆さんにお伺いしたいのでありますが、たとえば、定例会を一年四回というのを一回にするというのでありますが、こういう問題については、非常にそういうことを改めないことには、経費がかかるというふうな、財政上の問題があるんじゃないかと思うのです。政府の一応の説明にもそのことがありました。しかし実際問題として数字を調べてみますと、意外に少いのであります。六百億の赤字に対しましてそういう制度を直すことによって浮きます経費というものは、一%前後であるというふうな数字が出ておるのであります。そこで私伺いたいのは、そういう制度の改正等によって実際の問題としてはどうであろうか、数字はそうであろうが、現実には土木常任委員会とか教育委員会というものがなくなるために、非常にむだな仕事をしなくてもいいようになる、数字では出ないが実際にはそういうふうになるというふうな御説明をなさる人もあるのでございます。そこでその点を率直に皆さんの多年の御体験に基いて一つ御開陳をいただきたい、かように思います。市長の方どなたでもけっこうでございます。

鈴木義仲全国市長会代表、大阪府布施市長

○鈴木参考人 お尋ねは二点であったうに思います。その第一点は、年四回の定時市会をはずして、通常と臨時の二つに分けてやる、こういう制度の改正がもっぱら経費の問題につながって、市長側が賛成しておるような意味ではないかというお尋ねですが、私はそうとも考えておらないのです。私が再三申しましたが、私の根本的な考え方は、この地方自治法はでき得る限り全国のさまざまな規模、さまざまな財政事情、いろいろな特殊事情等を持つておる各種の都道府県、市町村に対して、画一的な法律は、基本的な原則を除いてみんなはずしてもらいたい。どこまでも真に地方自治を育成強化して、自治の妙味をより多く発揮されようというならば、地方自治の自主性を尊重して、条例できめるようにしてもらいたいということを申し上げましたが、議会の場合でも率直に申し上げますと、あるいは山間における一つの僻村が同じく地方自治法の適用を受けて、やはり年四回、事があろうとなかろうと、やはり議会を招集しなければならぬということもあり得るのでございます。だからそういう問題はむしろ通常と臨時の二つに大分けにしておいて、そして必要のつど、あるいは条例によってそれぞれきめていく方法を、原則的に自治法に定めることが最も正しいのであります。こう考えるわけであります。やはりどこまでも自治体というもののほんとうの本旨をよく法律の上にも取り入れて、そして自主性を確認していただきたいということから、そういう問題は各市町村、都道府県の事情に応じた条例にまかせたらいいのじゃないか、こう考えております。  それから常任委員会の問題でしたが、常任委員会の問題も縦割りがいいとか、横割りがいいとかいろいろいわれておりますが、この問題は必ずしもどれが絶対的にいいということは言い切れないのであります。一応やってみるのも一つの方法でしょうが、現実に現在のこの制度であったから悪いということも言い切れない。さりとて縦割りにしたら将来どういう悪い結果が出るかということも、想像すればいろいろなことが生まれるだろうと思います。  やってみなければわからないのであって、これなんかもほんとうは条例で定めて、その地方々々の事情に応じた常任委員会を設けさせるということにした方が、自治法としての原則法の立場からいえば、一番いいのじゃないかと考えております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 そういたしますと、鈴木さん、今度の改正案にも、前の原案にも、これではいかぬ、もっと原則論だけで各自治体におまかせになったらいい、こういうことですね。従ってその意味では今度の改正案にも御賛成ではないわけですね。

鈴木義仲全国市長会代表、大阪府布施市長

○鈴木参考人 今度の改正案の中で、私の趣旨と一致しておる点があるわけであります。たとえば定時四回の市会を法律で規定づけるということをやめて、通常と臨時の二つに分け、そしてあるいは議会の成規の手続による要求があれば、市長がこれを招集する、あるいは市長において必要ありと認める場合は、臨時は招集する、こういう建前ですから、今度の改正案は私たちの趣旨と一致しておりますから、その点は原案の通過を希望するわけであります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 しかし今でも臨時会を招集しょうと思えばできるでありましようし、近常会を一回にするというふうに、法律できめる必要もないということにもなろうかと私は思うのですが、どうでしょうか。

鈴木義仲全国市長会代表、大阪府布施市長

○鈴木参考人 お答えいたします。私は現在の四回というのは、もう都道府県、市あたりにおいては実際四回でも六回でもいいわけです。現実に毎月やっておるのですからいいのですが、ほんとうをいえば、自治法としての原則法をきめる場合、市であろうと都道府県であろうと、町村であろうと、全部一律に適用を受けるのだから、そう画一的に会議を四回やるということをきめること自体がどうかと思う。私はこれを申し上げたのです。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 よくわかりました。そこでもう一点皆さんにお尋ねしたいのですが、今の地方自治の姿ができましたのは終戦後のことでありますから、どんなに長くたって十年以上はたっておりません。この制度にはいろいろな欠陥もあろうかと思いますが、しかし実際にすべり出しましたのは、特にいわゆる占領期間が長うございますから、ここ二、三年ということになって参りますと、私は、今地方制度調査会におきましていろいろと御検討を願って中間案は出ておりまするが、最後の結論は出ておらぬのであります。ここで私はこの制度をいじるということについては、まだどうも納得がいかない。今の制度でもう一度全国の御関係の向きの方が、大いに慎重にまじめに――現在でもやっておられるでありましょうが、今の制度のもとで努力をしていた、たきたい。どうしてもいけないということになれば変えるというふうな意味において、またどうも少し時期が早過ぎるというふうに実は考えておる一人でございます。特にこの制度の改正を財政難に籍口してやるということについては非常に問題があると考えておるのであります。私は地方行政委員会に属しましてから、一、二年でありますが、その間しょっちゅう制度その他財政規模等についても改廃が行われておる。根本はもっと基本的な国有財源を与えるとか、あるいは先ほど友末さんから御要望がありましたが、地方税なんかを大幅に上げることによってこういう末梢的な、といっては語弊があるかもしれませんが、そういうものは全部流れてしまうのではないかと実は考えておるのでありますが、そういう点について皆さんの率直な御意見が伺いたいと思うのであります。  それと関連いたしまして、先ほどどなたからでしたか、議会の議員さんで税金の滞納があるような人についての制限法を設けろというお話がございました。これも気持としてはよくわかります。よくわかりまするが、これはむしろ議会の議員であろうが一般の住民であろうが、その間にはまことに公平な処置をして、議員さんであろうと必要があれば差し押えもどんどんやっていくという態度でやれば、別に問題はないと私は思います。これをすぐに法律を改めていくというのはあまりに安易でありまして、私が先ほど申し上げたように、もう一度今の制度で努力していくという面からいいますと、私どもはどうも賛成をいたしかねる。何もその方がいいとは申しませんが、どんどんやればいい。その責任は私は市長側にあると思う。何も議会の議員さんだからといって遠慮しなくたっていいと思う。現にずいぶんやっている市長さんもおられるであろうと私は確信をいたしておりますが、そういう点について、どなたが御説明になられましたか記憶がありませんが、御返事をいただきたいと思います。

関井仁全国町村会代表、茨城県石下町長

○関井参考人 滞納議員の職務執行停止の問題でございますが、ただいまの御賛同につきまして、一応御趣旨につきましては同感ござでいます。私どももそういう措置は実はあまりいいとは思っておりません。しかし現状におきましてこれは公務員法の中へは地方公務員の滞納の場合は退職勧告の理由となるという一項をつけ加えていただきたいということも主張しておるのであります。執行の部門あるいは議決機関の部門にも滞納があるわけなんであります。そういう問題につきまして全部一律に何か立法措置を講じていただきたいというのが主張でございます。そこで現行法でまずもって十分努力すべきであるということにつきましては、私ども十分努力を払っておるわけでございますが、なお一段と強化を願いたいというのが趣旨でございまして、その点了承をいただきたいと思います。

梅本敬一全国都道府県議会議長会代表、大阪府議会議長

○梅本参考人 ただいまの中井先生の御質問、まことに御理解のある御質問でございまして、われわれも同感でございまして、現行制度のもとにおきまして運営の点において自主的に改良すべきは改良しなければならぬ、かように考えまして、われわれ地方議会におきましてもいろいろな創意工夫をいたしておる次第であります。ことに今回の地方自治法の第二条の府県の性格の問題とかあるいは大都市の制度の問題でございますが、これは昭和二十八年十月十六日の第一次答申、すなわち当面したところの措置すべき問題の答申に基いて今回突如改正を見ておる。しかし府県の基本的な性格の問第、規模の問題、あるいは大都市制度の問題につきましては、さらに第二次諮問が行われまして、小委員会を作ってまさにその小委員会の結論が出ようとしておるときに、そういうものを無視して、今回第一回の答申に基いて一年数カ月を経過しておる今日突如としてこういう提案をされたということは、私はこの提案の仕方そのものについても慎重を欠いておる点があるのではないか、あるいは官僚の独善的な考え方があるのではないか、かように考えましてきわめて遺憾の意を持っておる次第でございます。われわれはこういう点につきましては、この委員会が小委員会を作り、あらゆる角度から慎重なる検討を加えられつつあるのでありますから、その検討、答申を待って提案をされてもなおおそきに失するのでは絶対ない、かように考えておるのです。その点とにらみ合せまして、われわれ議会側におきまする今の通常会の問第であるとか委員会の問題等は、仰せの通りにこれはわずかの経験でございます。この経験をわれわれは貴重な資料といたしましてさらに検討を加える、さらに運営の妙味を発揮するように自主的な改善を加えていきたい、かように考えてなお努力中でございますので、私は現在の制度をもって十分である、これは運用の面において工夫をすべきである、かように考えておる次第であります。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 もうこれで終りますが、地方教育制度の問題につきまして、午前中は皆さんその関係の方はお見えじゃなかったようでありますが、私どもはいわゆる公選でもって選挙された人たちに対する考え方について、やはりこれは原則としては公選で選挙された者の批判は住民がするというふうなこの民主主義の基本原則というものを、もっと慎重に考えていただきたいような気持が実はいたします。従って自分だけは公選されたがほかの人は公選されたものでないような錯覚に陥らないように、このことだけを最後に一つ申し上げて私の質問を終ります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 参考人各位に委員会を代表いたしまして一言お礼を申し上げます。  本日は長時間にわたって御意見を述べられ、本案の審議の上にきわめて重要な参湾になったと存じます。長時間にわたって御苦労さまでございました。お礼を申し上げます。  それでは午前はこれにて休憩いたします。午後は三時半より再開いたします。    午後一時五十九分休憩      ――――◇―――――    午後三時五十七分開議

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方財政再建促進特別措置法案並びに地方自治法の一部を改正する法律案について、参考人より意見を聴取することといたします。  参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多用中のところ、本委員会に御出席いただきましたことを厚くお礼を申し上げます。なお午前中の会議が非常に延びまして、長らくお待たせ申し上げたことをおわび申し上げておきます。なお時間の関係上、各位の発言時間は大体十五分程度にお願いいたしたいと思います。  それでは順次意言を承わることにいたします。全国都道府県教育委員会委員協議会代表松沢一鶴君。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 全国都道府県教育委員会委員協議会、教育委員会の代表といたしまして、本日この席でこの三法案に対する意見を申し述べさせていただくことに対しまして厚くお礼を申し上げます。  われわれも地方財政の逼迫ということは憂慮いたしておりまして、地方財政の逼迫そのものが、同時教育面にも大きく影響し始めておることを遺憾としておりますので、地方財政につきまして、赤字解消、財政再建ということについては、私たちも異議を申し立てるどころではない、きわめて賛成いたしたいのでございます。ところがこの出ました法案を拝見いたしますと、この財政再建ということ、またこれに関連しまして地方自治法等も改正されるやに伺うのでありますが、この両方相関連して見ますと、財政再建ということにあまりに重きを置かれまして、そのために財政のためには教育面、特に地方自治の問題とか、また地方自治とともにあります比毛教育のあり方というようなものにつきましても、これを二の次におきまして、その方はしばらくがまんしても、まず財政再建というようなお考えになったために、この再建の期間がかりに七、八年といたしましても、ちょうどわれわれの新教育が新しく生まれましてからと同じくらいの期間がたってしまいますと、せっかくここまではぐくんできました新しい教育制度並びに新しい教育というものが、このために萎縮、萎靡してしまいまして、この再建等ができ上った暁には、せっかく新しい精神がこれまた全部やり直しというようなことになるのではないかということをひどく心配するのでございます。その意味で、この両法案につきましては、財政再建けっこうでございますが、しかし少くとも私たちの面から申しますと、新しい教育制度というようなものにまで影響のあるような制限を加えねばならぬものかどうか、またそういったような締め方をしてそして再建しなければならないというお考えについて、私たちはどうも全面的に反対せざるを得ない。要するに、この法案を作ります精神と申しますか、法案を流れております考え方全体について、どうも反対せざるを得ないので、一部分の修正とか、あるいはこれに対する小さな法文の改正等ぐらいでは、どうもおさまらないような気がいたしまして、残念ではございますけれども、私たち教育委員会といたしますと、教育制度のために、新しい教育のために、この二法案に対して全面的に反対せざるを得ないような立場に置かされるわけであります。私たちが考えておりますことは、これは私たち教育委員会制度がどうとかいうことではなくて、むしろただいま申しましたように、教育そのものがどういうふうになっていくか、教育そのものが曲げられるおそれがあるということを心配いたしておるのであります。もちろん今民主制度、民主主義というものを否定される方は私はないと思いますが、さてそれでは、われわれ口を開けば民主主義ということはすぐ出てくるのでございますけれども、しかし私たちおとなは、本来の民主主義というものを心の底まで身につけておらないような気がいたします。ともすれば知らぬまに民主主義からはずれているようなことを考えなければならない。よい例が、この法案を作ります精神そのものではないか。金のためにば、つい民主主義そのものを忘れてしまうというようなことが起ってくるのではないか。やはり民主主義というものは、小さい子供のときから教え込み、あるいはいろんな行動を通じましてその人間そのものが民主主義にならなければならぬ。ほんとうの民主主義者ならば、民主主義と言わないようになって、民主主義になるんじゃないかと思いますが、そのためには、何といっても教育を通じてやらなければならぬのじゃないか。それとともにまた、教育を通じますことが一番早いのでありまして、私どもおとなを民主主義、民主主義といって教育しておったのでは、やはり形だけになりまして、どうにもならぬ。結局は、子供を早くこの民主主義のもとに教育いたしまするならば、今の小学校の子供がもう十年すれば、これは心の髄から民主主義になった子供たちがりっぱな社会人として出てくるのではないか。その点につきまして、もちろんいろいろ困難はありましたろうが、とにかく全体の方向としては、ようやくこの民主主義の芽が育ち始めまして、とにかく新しい制度のもとによい民主主義教育というものが行われていると私どもは確信するのであります。この制度をいたしますのに、ただ教える者だけが民主主義を心得ておればよいかということもおかしな話でありまして、これを教えます元の行政機関そのものもまた民主主義的なあり方でなければならぬと思いますし、その意味での教育委員会というものが、現在教育委員会法によりまして特別な権限を持って、この制度が生まれているものと私は考えますし、この制度のもとに初めて新教育というようなものも民主的にりっぱに存在するし、またそのために、民主主義というものを教えますのに、ただ教えることができるというよりは、民主主義を教えますのに一番早い方法は、民主主義というものを促進しますためにどうしてもこの教育制度を通ずるということが一番早い方法であろう。その早い方法を今ここで芽をつんでしまいまして、これをしばらく停滞せしめるというようなことになりましたならば、結局またここで足踏みをするというようなことになっては一大事だと私は思うのであります。しかるに財政赤字のために、それではかりにしばらく教育のことも譲ったといたしますれば、おそらく日本の民主主義化というものについては、またここで十年なり二十年なりの足踏みをせねばならぬというようなことになるのではないか。なるのではないかじゃなくて、ならざるを得ないのでありますから、その点について今度の法案のお取扱いを十分気をつけていただきたいと私は思うのであります。もちろんそのようなことは考えていないとか、教育委員会の問題については除外せられているように見えますが、法案の内部をしさいに検討してみますと、いろいろの点でやはりこの精神が残っておりまして、これを地方自治団体を窮屈にしてワクをはめるとか、そのワクの範囲内で教育委員会がいろいろやりましても、なかなか思うような仕事ができない。今でさえ非常に窮屈な教育をいたしている。予算のために非常に窮屈に精一ぱいの仕事をしておりますが、これ以上縛られましたならば、おそらく今度は教育内容の低下という面になって現われなければならぬのでありまして、そういう点からも私はこの法案が影響するところを非常におそれているものなんであります。ことにこの法案ができます際に、自治庁並びに文部省の間でいろいろ交渉がございまして、また松村文部大臣がこの点について非常に御努力願って、教育委員会に関して一応の条項は除外せられてあって、教育委員会については無影響であるというように説明されておりますけれども、またいっか川島自治庁長官の答弁中にも、教育委員会のことは関係ないというようにいわれているのですが、事実非常に大きな関係が出てきているのでありまして、この点について私たちは非常に将来を憂えまして、ただ部分的修正というだけでは、この法の持っております本来の精神というものを払拭することは不可能ではないかという意味で、私たち教育委員会といたしましては、むしろこの問題は地方の財政問題である以上、純粋に財政問題として扱っていただくようお願いいたしたいのであります。特に教育委員会というものが、地方の団体におきましてはなかなか大きな予算の部分を占めておりますので、多額の予算を使うがゆえに、教育委員会それ自身が非常に浪費をしているとかいうふうにとられておりますことは、はなはだ遺憾であると思います。予算の額が大きいということと、これが同時に地方の財政に大きな影響を与えている赤字の直接原因になっているというようなことでは、私は非常に残念に思うのでありまして、額は大きいのでございますが、教育予算そのものは大部分が国庫の補助が来ているのでありますし、またこの予算というものは毎年々たほぼ同じ線に沿うて予算が組まれておりますし、その点で予算を執行いたしておるのでございますから、これが急に変るようなことはないと思います。従って私たちとしてはこれが地方赤字の高接原因であるというようなことについては、ちょっとこの間説明を要すると思いますが、われわれはそのように考えておりません。もちろん多額の費用を使っておりますけれども、これについては地方団体としてはこれが地方財政の赤字膨脹の主因であるとは考えておらないのであります。ただこれらの問題につきまして巨額な金を使うことでございますから、地方財政に対して私たち教育委員もぜひとも協力いたさなければならぬことは、私たちといたしましては大いに考えております。ただそれでは今後赤字財政のために非常に予算を小さくしょうと思いましても、おもなる予算は学校の建物と教員の給与の問題であります。子供がこのようにふえてきます現状におきましては、これをただいきなり削るとか赤字で困るから何としてもこれを減らすというようなことになりますと、現在でも小学校、中学校あたりで一つの教室に対します子供の収容人員、教室の一学級の定員というものは非常に膨脹しております。ほとんど六十人ぐらいのものが普通になっております。五十人平均で建てられております校舎をはみ出しておるのであります。またさらに金額の面のみで参りますと、おそらく教員の数を減らせ、あるいは一教室の子供の数を増して、学級数を減らせという面だけがもしも地方自治団体の首長からの命令で、あるいは自治庁からの命令で行われるようになりますと、これはほんとうにただそれを削る一方になってしまいます。いよいよもって教育の実質的な低下ということにならざるを得ないのであります。これはもう少し能率的に考えて、全体としてこれを赤字縮減に寄与しょうと思うならば、教育の内容について親切に考えてやらなければできないことでありまして、一例を申し上げますならば、学校の面につきましては、小さい学校が日本には非常に多いのであります。小中学校におきましては十学級以下の学校が非常に多い。三学級の学校あるいは六学級の学校というような小さな学校が多いのでありますが、こういうような学校の教員の数は三学級でも八人なり九人なりというものは必要としますし、それから学級になりましても似たような教員数で行くわけであります。こういうような点でもう少し学校の教室を増すような併合とかいう点について能率的に考えていくならば、教員数も自然に経済になることでありましょう。それらの点についてはやはり地方の状況を考えて、地方の委員会なり何なりの意見をよく聞いて進む以外には、おそらく能率的に人員を減らすあるいは教育予算を減らすというようなことは不可能ではないかと思うのであります。私は今度の法案におきましても、赤字財政をなくすということのために、自治庁長官なりあるいは都道府県知事なりの命令一本でいろいろ動かすことができるような仕組みになっておる、その法文がいまだに残っておりますことなどについても、今のように考えてみますと、非常に教育的には憂慮すべき事態が生ずることは明らかだと思うのです。その点についても心配しておるのであります。教育の財政、教育の内容の能率化というような点についてはわれわれ教育委員の方におまかせ願いまして、教育委員会の機能を十分発揮できるような方向に進ましていただきたいものと思うのであります。  いずれにしてもこまかい点、特に人事権の内容、人事権の干渉というようなものに非常に無理がございますので、法文のこまかい点につきましてはすでに私たちの意見というものを文書にしてお手元まで差し上げてあることでございますけれども、特に赤字の財政法の問題については、第一に再建団体が長期財政計画を作りますときに、教育委員会の方の意向を聞くということが法律で保障せられておらない。これはあとの執行面について一々知事と交渉しなければならぬようになっておるのでございますが、これとても教育委員会が今まですでにやっておることであるから法文に書いていいじゃないか、こういうようなお考えであるならば、今までも予算の面についてわれわれ教育委員会が知事部局と相談せずにやったことは全くないのであります。過去において二本立予算の例が若干ございますけれども、これはいずれも非常に人事の問題に無理を言われまして、実質的には結局われわれ委員会の意見が通っておるのでも明らかなように、結局この知事部局の方の無理があったからこそ二本立問題が出てきておるのであります。結局われわれは相談せずにやったことはない。しからば同じようにこの再建計画に当りましても、法文でわれわれ教育委員会に相談があるようなふうに進められることが必要なんじゃないかと考えますし、どうも全体としてこういう点に不徹底なうらみがあるように思います。  そのほかに特に私たちとして困ります点は、今まで教育委員会といたしましては、地方分権の趣旨に従いまして、文部大臣からも直接に命令によって動かされるのではないのに、今度の法案が通りますと、自治庁長官の意見が文部大臣を通じないで直接教育委員会等に干渉してくるような結果になり得るのであります。そのようなこともおそらく教育委員会法、現在の教育制度のあり方に対して民主的な考え方を飛び越しました非常に不都合な考え方ではないかと考えます。  いろいろのこまかい点はございますが、特に自治法改正の問題に至りますと、いろいろ発案権その他の問題、また教育委員会には予算送付権があるようでございますが、実際には地方団体のそれ自身にワクがはまっておりますために、われわれの予算送付権も結局意味はないことになりますし、財産取得の問題についても自治庁長官の直接干渉がくるようになっておりますし、事務局の組織の問題、結局教育委員会それ自身の職員を自由に動かせるようなことにもなりましょうし、非常に都合の悪い点があります。特に予算が自由にならぬと同時に、今度は予算の執行権にまで一々首長との相談なしには執行できぬ。これは今まででも知事と相談しておるわけでありますけれども、これは一旦まかされた以上、その年度の途中において干渉を受けるようなことはなかったのでありますが、今度の場合ではそれが随時受けられることになるのであります。これは困った行き方ではないかと思います。  そのほかに教育委員会自身が、これは公選によります地方行政機関であるにかかわらず、ほとんど他の行政機関のように報酬問題等についてもこれはむしろ地方自治団体並みに扱わるべき、だと思うのでございますが、こういうことが今度また日割り計算ということになりますれば、ちょうどこの教育委員会が最初にできました折に、報酬問題が非常に制限を受けまして、そのために人が得られなかったというようなことがまた繰り返されるのではないか。このようにあらゆる面で教育委員会そのものの機能を逼塞せしめるような網がなお張りめぐらされておりまして、この点について私どもどうしても承知できないので、どうか一つお考え願わねばなりませんが、何よりもまずこの法案を作りましたときの考え方というものについて御訂正を願わなければならぬのでありまして、このこまかいところを一それぞれ修正するというよりは、一つ法案全部について代案でもお瀞え願いまして、こうして地方自治団体とか行政委員会とかを金縛りにしなくても、いろいろの考え方があるのではないかと私は思うのであります。純財政的に考えようはあるのではないかと思いますので、そういう点についてお考え願いまして、このような日本の民主化の促進を妨げるような考え方の法案はぜひ撤回せられまして、自治団体並びに自治体制を守り、教育民主制度のもとにおいて教育が安心してできますようにお取り計らいを願いたいと思います。はなはだ意を尽しませんが、われわれの考えておりますことを述べて、ぜひともお考え直しを願いたいことをお願いいたしまして、一応終ります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に全日本自治体労働組合代表、自治体労働組合書記長橋田正武君。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 私は全日本自治体労働組合の橋田でございます。本日地方自治二法案の問題につきまして、私たちの意見というものを皆様方に十分披瀝する機会を与えられましたことにつきまして、厚く感謝いたします。  自治労というのは、都道府県あるいは市町村の職員団体をもって構成しておる労働組合でありまして、日ごろから自治体の確立と地方住民の幸福を守るために、いろいろとその立場に立って仕事を進めて参っております。そういう立場で知事や市町村長とはいわゆる親子の関係にありまして、いろいろな行政についてよく相談をしながら今日まで参っておるものでございます。また地方行政委の先生方とはおじいさんと孫のような関係にあるとも考えております。そういう観点で孫の方の意見も本日は十分御参酌願いまして、できるならばこの地方自治二法案について絶対反対の立場を表明していただきたいと考えるものであります。  午前中の参考人の方の数々の御意見の中に、地方自治体の人員が非常に多いという御意見や、あるいは職員の給与がきわめて高いという御意見がありまして、それがいわゆる地方財政を赤字に導いておるという結論に基いた御意見がたくさんございましたけれども、私たちといたしましてはかかる状態に自治体はないということを言明したいと考えるものであります。  そこで自治体に勤務する職員の立場から、率直にこの二法案についてのわれわれの考え方というものを披瀝したいと思います。  今自治体の置かれておる立場というものは、六百億に及ぶ膨大な赤字のために、そのしわ寄せが一方的に自治体の職員にかぶせられております。たとえば定期昇給を見ましても、当然条例によって六ヵ月、九ヵ月で昇給すべきものが一斉にストップしておりますし、また六カ月の者が六カ月延長、九カ月の者が十八カ月延長という形で、赤字を理由のもとに実質的に給与の低下がなされております。この状態は全国の自治体の約七割を占めておるわけです。さらに日面、宿直料につきましても地方財政計画の中で二百三十円というものが明確に計上されております。しかしながら現実に支給されておるのは百八十円とか、あるいははなはだしきに至っては百円のチケットを発行するというような自治体もあるわけであります。また旅費につきましても、当然内国旅費規定によって支給さるべきものが、自治体が赤字の理由のもとに、一切三等実費をもつて出張しなければならないという決定を条例でいたしまして、現実にそれを実行しておる自治体が全国の三割に及んでおる次第でございます。さらに夏季手当、年末手当につきましても、赤字のために全然これが支給できない、いわゆる義務的な経費さえも支給できないという事態が起きておるわけでございます。こういう事態につきましても、私たちはいろいろ首長に対してお願いをしておりますが、結局帰するところは、赤字のためにやむを得ないから寄付をしてもらわなければならない。もっと具体的に言いますと、夏季手当、年末手当は義務的な経費ですから、予算上の支出の中に見込まれております。ところが歳入の中に寄付金という形でこれが計上されておるわけです。これが全然職員と相談なしに一方的にそういうような決定がなされて、職員としては泣き寝入りをしなければならないという事態になっておるわけです。さらにもう一つは、非常に多くの首切りが現在出ております。これもやはり赤字財政の理由のもとに首切りが出ておるわけです。具体的な一つの例をあげますと、秋田県において今三百二十五名の首切りが出ております。知事が議会において言明した首切りの内容は、五千万円の融資を地方財務局に申請したところが、どうしても貸してくれないので、秋田県としてはこの問題を自治庁の方に要請したところが、自治庁としては約三百人の首切りをするならば融資を受けるところの介添え役をやってやろう、こういうような話があったので、この三百数十人の首切りについてばどうしても実行しなければならないということを議会で言明しております。これは秋田県の一例一だけではなしに、このように再建整備法を現実に適用したような状態が、今全国的にたくさん起きておる次第でございます。まだまだ深刻な例がたくさんございますが、その中で最も注意を喚起したいと思う点を申し上げておきます。山口県の山口市、鳥取県の鳥取市、鹿児島県の川内市等においては、融資も全然受けられないという状態に今置かれているわけです。この職員の給料を払うにも払えないために、市長が私たちの組合の本部に相談に参ったわけです。ぜひとも給料だけは払いたいので、給料を払う金を何とか労働金庫を通じて貸してもらいたいという要請がございました。この要請によりまして私たちとして約四千万円に上る労金から融資を山口市、鳥坂市等に行なっておるわけでございます。  また給料が非常に高いということを言われておりますけれども、新潟県の新発田市役所の実態を申しますと、二百五十人の職員のうち一万円以上の給料を取っておる者はわずか三十二名でございます。そして三十二名以外の者は、給料がきわめて低く、月々の給料が遅欠配して米も買えないという実態のもとに、新潟県の職員組合からやはり労働金庫を通じて融資を受けて給料の支払いをしておる。こういうようにきわめて重大な問題が私たちの知らない間に、全国的にあちこちにおいて発生しております。こういう実例を見ますと、給料が高いとか人員が多いとかいう根拠は何らないと思います。国家公務員の場合には、正式に国で予算化されて、人事院規則並びに国家公務員法による定期昇給をどしどし行なっております。しかし自治体においてはその八割までが昇給がストップしておるという状態のもとにおいては、国家公務員よりも地方公務員の給与が高いということは絶対ないということを、私ははっきり言明しておきたいのであります。なお自治体の中でも不交付団体になっておる大きな市や県がありますが、そういう県における給与の問題については、これは別途な立場で自主的に給与の支給をやっておりますので、そういう面については、ただいま申し上げた意見の対象外として考えていただきたいと思います。  そこでこれらの職員に対するいろいろなしわ寄せがどうして起きておるかという点を簡単に述べたいと思いますが、その前に職員だけでなしに、もっともっと日本の行政に関する重大な問題があります。知事や市長は何とかして赤字を消したい、こういう強い努力を持っておりますからその手段を選ばないわけです。たとえば農業試験場というのがございまして、そこではりっぱな米をたくさん作るがために、いろいろ苗を植えまして研究をしておるわけです。しかしそれは大体地方財政が赤字になって参りましてから独立採算制にしなければならない、こういう観点で、今までの県の補助金を全額ストップしたわけです。そうしますと、りっぱな苗を作って百姓さんにたくさんの米を増収してもらうというよりも、とにかくそこで苗を植えてとれた米を売って農業試験場の経営をやっていかなければならない、こういう事態が起きております。また繭検定所というのがありまして、紡績の発達する過程において非常に大きな業績をあげておるわけでございますが、これも最近各県においては独立採算制を実施いたしまして、県の補助を全然出さないわけです。そうしますと、繭検定所自体が繭を作って売ることが、ほんとうの任務のように現在変ってきておるわけです。こういう実例も赤字財政の生んだ一つの奇型児だと考えております。  そこでこの原因を、やはり組合の立場、職員団体の立場で私たちはいろいろ検討して参りました。その結果たくさんの理由が出て参ったわけでありますが、三点ぐらい申し上げますと、第一点は、昭和二十六年、二十七年に国家公務員のベース改訂がございまして、地方公務員に対しても同じようにベース改訂を行なったわけでございます。ところがそのベース改訂に要する財源額は約二百三十億程度でございますが、この二百三十億を国が措置をしておらないわけです。従って二十八年度末における四百六十一億の赤字の中には、このベース改訂の財源未措置額というものは明らかに含まれておると見ざるを得ないわけです。三十年度の財政計画を組む当初の自治庁の原案の中には、二百三十億が給与改訂の財源未措置額として計上されておりましたが、これは明らかに削られたわけでありまして、こういう点が赤字になっておる大きな原因であるということは、私たちが述べるまでもなく、自治庁の当初の財政計画の中で明らかになっておると考えております。  さらに補助金政策の問題でございますが、今まで非常に補助金政策というのが大きく実施されて参りました。知事や市長はとにかく住民のために仕事をしたいという気持を時っておりますから、政府が補助金を出せば文句なしに飛びついて参ります。ところが補助金の額というのは全額でなくて、三分の一とかあるいは三分の一というのが今日までの通常の例であります。そうしますと、二分の一の場合には、必ず二分の一の県の財源やあるいは市の自主的な財源を投げ込まなければならない。こういう事態が出て参りますので、これまたたくさん重なって大きな赤字の原因になっておると考えるわけでございます。  もう一つは、地方交付税の交付率をきめる場合に、基準財政需要額というのがございます。この基準財政需要額によって地方交付税の交付金額はきまるわけでございますが、これの算定基準というのが、きわめて自治体の実態と相反しておることがございます。これは一々例を申し上るまでもなく、給与費にしても、あるいは人員の数にしても、すべて単価が過小見積りされておるわけでございますが、こういうものはすべて自治体の赤字となりまして、二十九年度末では約六百億といわれておるものと考えております。  なお三十年度の財政計画の決定に当りまして、自治庁が閣議に持ち込みました財政計画は、百四十二億の歳入欠陥のまま閣議にこれを提出いたしたということを聞いておりますが、閣議の中では、大蔵大臣の方から、このような歳入欠陥を見込んで出すことについては非常に問題があるので、これを何とかしてつじつまを合せなければならぬという強い意見がありまして、結局これを地方の事業費に圧迫を加えて、事業費を削ることによって百四十二億の赤字の穴埋めをした、こういう事実も明らかに新聞紙上では発表されております。こういう点からいろいろ考えて参りますと、地方自治体の赤字というのは、自治体の責任ではなくしてほとんどが国の責任であるということをわれわれは確信しなければならないと考えております。そこで根本的なこの原因を申し上げますと、やはり自主財源がおのおの自治体にないということが、まず第一に取り上げられなければならないと思います。一つの県の例を申し上げますと、愛媛県では年間百億の県の予算であります。ところが県税の収入がわずかに十八億ということでありまして、八十二億というのは、ほとんど国の補助とかあるいは国の交付税によってこれがまかなわれている、こういう事態でありますから、ただ単に地方財政を再建するといっても、この責任のすべてを国に持たしめなければ地方財政の再建ということば不可能であるとわれわれは考えております。  現在出ております地方財政再建促進特別措置法案について、簡単に私たちの意見を申し上げますと、とにかく地方自治体の赤字を解消することは絶対に必要であるし、一日も早くこの赤字財政を再建しなければならないということをわれわれも政府と同様に考えております。しかしながらこの赤字を解消する場合に、再建しなければならないというその責任を自治体が持つか、あるいは地方の住民が持つか、あるいは政府が持つか、この三つのうちの一つを取らなければならないと思います。しかしながら現在提案されております法律案の内容を見ますと、赤字解消の責任をすべて自治体と地方の住民に押しつけまして、何ら政府としてその責任を感ずるところはないわけであります。たとえば徴税を強化して税金をたくさん取るとか、あるいは増税をしていくとか、あるいは首を切るとか、さらには給与を引き下げていって六百億の赤字を解消しなければならないということを言っているわけです。しかもそれに対して、国の方では、長期債を発行して利子を取って、それだけでもって何ら政府としての措置をしようとしておりません。こういうような実態を考えてみますと、これでは絶対に地方自治体の財政の再建は不可能であるという考え方を私たちは持つわけであります。従って私たちは、地方自治体の財政を再建すべき一つの案というものを検討いたしております。その案を申し上げますと、昭和二十九年度までの六百億の赤字解消策と、さらに今後起きる赤字に対処する策という三つの考え方をもって、この三つの政策を実行しなければならないということであります。今日までの六百億の赤字につきましては、六百億の長期債を発行し、その償還期限を十五年間にいたしまして、一切無利子にしてもらうということが、今日までの赤字を解消する唯一の条件であると思います。さらに今後起きる三十年度の財政計画からくる欠陥による赤字等につきましては、地方交付税交付率を二二%から三〇%に引き上げてもらうということが一つと、たばこ消費税の百分の百十五という現行のパーセントを百分の三十に引き上げてもらう、こういう三つの方策がなければ絶対に地方財政の再建ははかれないという決定を、われわれとしては慎重審議の結果いたしているわけであります。従って現在提出されております地方財政再建促進特別措置法案については、絶対に反対の立場をとっていきたいと考えるものであります。  なお地方自治法の問題につきまして、時間の関係でごく簡単に申し上げますが、問題は地方自治体の民生化ということが、日本の民主化を促進する唯一の条件であるという前提に立って意見を申し上げたいと思うわけです。  現在の政府の政策というのは、地方自治体が確立した当初から参りますと、次第々々にすべての面が中央集権的な方向をたどっております。これは警察制度の改正によって明らかにされておりますと同時に、さらに知事官選や道州制の問題が今いろいろ論議されておりますし、政府部内からもそういう発表が再三再四にわたって行われておるわけでございます。こういうようなことは、明らかに地方自治体の民主化に逆行するところの、中央集権を強化する一つの方策であると考えられますし、今日提出されました地方自治法の一部改正案そのものは、明らかに中央集権化の最たるものであると私たちは考えるものであります。  それらの内容について、一二意見を申し上げますと、たとえば委員会制度の縮小という問題が、法律案にうたわれております。この法律案でいろいろ考えてみますと、全く地方議会の実態を無視したものではないかと思います、ただ単に地方自治体の赤字を何とか少くしたい、こういうような観点から議会を縮小するし、会議の回数も縮小するというような、この自治法改正案については、全く笑止の至りであると申さなければならぬと思います。そこで今まで地方議会の実態を見ますと、地方議会における本会議というものは、きわめて形式的な傾向を持っておりました。従って住民のほんとうの要求や市民の声というものは、各種委員会の中で論議されてこそ、ほんとうにそれが議会の中で、決定されるという方向をたどっておったわけです。ところが今度の改正案のように、議会の委員会の数を縮小していくということになりますと、住民の声というものは本会議にのみ反映するということになりまして、実際問題として、ほんとうに形式的な議会にならざるを得ない、かような考え方ができるわけです。それから会期の問題につきましても、法律で明確化することは、これは地方議会の自主的な権限というものを、中央の統制下に置くというようなことも一応考えられますし、さらにもう一つは、そのようなことをすることによって、執行権と議決権の相違というものが非常に明確になってきます。執行権は議決権があって初めてそれを執行するのでありますが、今度の改正案のごとく決定されますと、議決権よりも執行権が優位な状態に置かれる、こういう実態にありますので、こういうことも、ますます中央集権的な傾向をたどる一つの悪例を残すものと考えます。  最後に一つだけ申し上げたいのは、この自治法の中で、われわれとしてぜひ実現してもらいたい問題が一つあります。それは国と地方自治体、地方自治体と地方自治体間の人事の交流について、恩給を通算するような措置をとる、こういう規定でございます。現在私たちが高知県におりまして、香川県に転勤いたしますと、そこで恩給年限が切れまして、新しく香川県では恩給年限が一年から始まっていく、こういう不合理なことが現実に行われておったわけであります。これはわれわれ将来の生活権の問題でありますので、いろいろ今日まで要求して参りましたが、今まで日の目を見ないという状態でありました。そこでこの問題を自治法と別個に切り離しまして、単独立法として、ぜひとも恩給の通算ができますような措置を先生方にお願いしたいということを強く丸々要請申し上げまして、地方自治三法策に反対するということをはっきりと言明されるように、切にお願い申し上げる次第でございます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に朝日新聞論説委員藤田武雄さん、お願いいたします。

藤田武雄朝日新聞社論説委員

○藤田参考人 今回当委員会に取上げられております三つの法案につきましては、いろいろの角度から論議が行われておるようでございますが、現在の地方自治の運営の実際が、必ずしも能率的に行われていないという事実がある。それから地方財政がきわめて悪化しておる。経費の節約も大幅に実行しなければ相ならぬ事態に立ち至っておるということ、それに関連いたしまして財政の基本的な再建を確立することが必要である。私はこういう現実的な立場から考えまして、一、三の事項につきまして留保いたしまして、考え方の大筋といたしましては、大体この二つの法案に賛成するものであります。  先ほどからもいろいろ議論がありますし、午前中の委員会でも議論があったのでありますが、私は地方自治のほんとうの確立ということは、相当期間も要することでありますし、何をおいても財政の基礎が確立しない限りは形ばかりのものになる、こう考えるものであります。従って個々の立場からいいますと、今度の三つの法案についてはいろいろ議論もあると思いますが、やはり地方自治制度というものを、長い目で見て育成していくという立場から考えますと、何も理想的な制度を無理やりに維持する、維持できないものを無理やりに維持することは、かえって地方自治の本旨に反するし、あるいはまた先ほどからも一議論があったのでありますが、いわゆる中央棄権といいますか、官僚化といいますか。そういう考え方が介入してくる機会を与える。要するに地方の財政が国の財政にひどくおんぶしていく、あるいは地方の財政が自分でどうにもならないような状況に放任しておくということは、むしろそのこと事態が中央集権化という魔手に対して機会を与える、かように考えるものです。従って一歩退くといたしましても、自分の立場をよく考えまして、この程度の改正はこの際やむを得ないのじゃないか、必ずしも理想の形を追うのみが政治ではない、そのように現実的な観点からいたしまして、賛成するわけであります。  そこで一、二の留保条件と申しますのは、この二つの法案を通じて考えますと、普通公共団体の長の権限と、議会の権限とがいささかバランスを失する結果になるのじゃないか、そういう点が一、二日に映るのであります。その一つは、今度の自治法の百七十八条の改正の点でありますが、普通地方公共団体の長が就職してから一カ年間は議会は、不信任の議案を提出することができない、こういうようなことがありますが、こういう改正の必要は私はないと考えるのであります。この点を慎重に御審議願いたいと思うのであります。こういうことになると、長と議会との権限のバランスがくずれてくるのではないかと考えるのであります。  第二の点は、地方財政再建促進特別法案の第十一条であります。長が再建計画を立てまして、それを議会に提案する、それが否決されました場合は、それをさらに再議する。再議に付してもなお議会が言うことを聞かないときには、解散の条件にそれを持っていく、こういうことが規定してあります。また一定の期間内に審議を延ばす、引き延ばし戦術に議会が出た場合には、やはり同じくそれをもって不信任とみなして解散の条件にする、こういうようなことが規定されておるのであります。これも立案当局者といたしましては、地方財政を再建したいという熱意から出たものであろうと思いますけれども、結果においては、長と議会との権限のバランスがはなはたしく不均衡になる。解散という権限で議会を恐喝しながら再建計画をあくまでも押し通そう、要するに、自己の立てた再建計画は絶対正しいものだというと語弊があるかもしれませんが、官僚的なにおいがするのであります。この点は、今度の自治法の改正によりますと、長はみずから自己の信任を議会に問うことができるというような改正案が出ておりますが、再建計画がもし議会で否決されましたならば、この自治法に基きまして、長は自己の信任を議会に問うべきだ、そうしてそこで自分が信任されなかった場合においては、長といたしましてはみずから適当な措置をとる。財政再建促進法で解散をおどかしに使って条文を作っておく必要は少しもないのじゃないか、そうしてもし再建案が否決された、自己の信任を問う議案は通過したというような場合ば、曲の再建計画を再提出することを認めておけば、その程度で妥協すべきではないか。そういたしますれば、長と議会との立場もある程度調整されるじゃないか。現在の改正案そのままではどうも少し行き過ぎではないか、立案者が少し思い詰め過ぎているんじゃないか、こういう感じがするのであります。再建計画を強行にいたします場合は、あるいは今度の再建促進法案のような内容を盛っておることが便宜には相違ありませんが、それは決して地方自治の建前に一致するものじゃなかろうと思うのでございます。  それからこの法案の考え方を推測するのはどうかと思いますけれども、立案する場合に、地方の議会というものをやはりもう少し信任していただきたい。議会というものは悪いことばかりしているんだ、こういうような前提に立たないで、また住民にももう少し信頼を置いてもらいたい。われわれ輿論を扱う機関といたしましても、正しい再建計画が提案されて、それが否決される、そうして知事がさらに自己の信任を議会に問うというような事態になりましたならば、今日の住民なり輿論、そういう代表機関は、必ずや正しい議案を支持すると思います。それを従来のようなやり方ではとうてい度しがたいものであるというような考え方にならないで、もう少しゆとりを持って再建計画を立てていたたきたい、こう考えるわけであります。それがほんとうの民主主義じゃないかと考えるのであります。  それから今度のこの再建計画を見ますと、何と申しますか、経費の節減計画も相当独力に立つようになっておりますし、あるいは徴税率を大幅に引き上げ、税率を標準税率以上に上げて、あるいは増収計画を立てるとか、あるいは教育委員会の予算と理事当局との予算の調整をはかるとか、財政の再建債を出すとか、あるいは国の負担金についての特別措置を設けるとか、あるいは寄付金を抑制するとか、いろいろな措置を講じてあるのでありますが、これはあくまで暫定的の、あるいは当座の措置であって、これだけでは、もしこの法案がなくなった場合には再びもとのもくあみになって、地方財政は赤字に突入していくというような感じがするのであります。地が財政が今日何ゆえにこの赤字を出したかという根本につきましては、この再建計画は全然触れていないのであります。要するに、盲腸が悪くなったから病院へ連れ込んで盲腸を手術する、しかしその病人は五臓六腑もう疲れ切っているという場合に、盲腸を切って外へおっぽり出したのでは決して治療にならないと同じように、やはり地方財政の体質を改善するたけの用意がなければ、この再建計画というものは、ただ当座のこまかしにすぎない、こういう感じがするのであります。従いまして、地方財政をほんとうに再建するといたしまするならば、もう少し地方財政のあり方とか、あるいは国の財政との関係、あるいは国の財政と地か財政と国民経済力との調整という広い観点から、再建計画をかりに五カ年で完了いたしましても、その後においても地方財政が健全な経常ができる保証のある措置というものが、これと並行して考慮されていなければ意味をなさない、そういう感じがするのであります。その点について、特に委員会においてただ当面の再建計画だけでなくて、もっと根本的な地方財政の再建という点について十分に御審議を願いたいと考えるわけであります。  それからもう一つ、午前中の会議の模様をちょっと聞いたのでありますが、たとえば行政委員会の整理、要するに地方議会の今度の改正案に対してはかなり強い反対意見が出たようでありますが、私たちの立場から見ますと、たとえば常任委員会のこの改正法案程度の改正内容、あるいは議会の定例会の問第、いずれもやはり改正案程度のことはやっても、地方自治の根本には少しも触れるものじゃない、地方自治が後退するものじゃない。形の上から申しますと、あるいは現在の地方自治法が理想的な形かもしれませんが、実際の運用の実態から見ますと、やはりあの程度の改正はやった方が、むしろ日本の実情に沿うんじゃないか、あまり理想の形で円滑に実行できないものをそのまま残しておいてむだな運営をやるよりも、やはり運営でき得る能力の範囲内のものを作って、そうしてそこから地方政治というものを運営していく、そして地方自治の確立というものを、今かりにちょっと一歩を誤まればくずれてしまうというようにあまり窮屈に考えないで、もう少し時間をかして、戦後十年しかならないのですから、その間に地方自治が貧乏な日本でそう簡単に確立するわけはないのであります。よほどのんびりと、もう少し長期に考えて、やはりあるときは引き、あるときは進むという態勢が必要じゃないか、かように考えるわけであります。たとえば最近高知県の議会なんか見ましても、今度の法案の出たのにならったわけでもありますまいが、要するに横割りの委員会をそのままにして、予算委員会と行政委員会の二つに分けた。実際はすでに運営しておる。その方がうまくいくというような実例もあるのであります。やはりわれわれの経済力そういったもの、また実際の住民の政治意識というようなものを考えまして、できるだけ現実的な、そしてなるべく効果の上る方法を講じていただきたい、かように考えるわけでございます。  はなはだ簡単でありますが、これで私の公述を終ります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 東大の教授田中氏から、きょうはやむを得ない事情のために出席ができかねる通知がございましたので、これをもって参考人の公述は全部終ったわけであります。委員の方で質疑がございまするならば、これを承わることにいたします。

丹羽兵助日本民主党

○丹羽委員 私はきわめて簡単に、先ほど公述になりました全日本自治体労働組合の代表の橋田参考人にお尋ねをいたしたいと存じます。午前中の公述においていろいろと申された御意見を、橋田参考人もお聞きになったかと存じますが、そのときに、今度の改正案には別段取り上げてはおりませんけれども、全国市長会並びに全国町村会の代表の方々から、いずれも口をそろえ、なおまた文書にまで表わして、ぜひともと要望しておられる一件に停年制の問題があります。特に公述者の言をかりて申しまするならば、法律において定年制を一つきめてくれ、もしそれができなかったならば、条例で設定することができるような向きも考えてほしい、こういうような御意見を陳述しておられるのであります。そのときに、地方公務員の古い方々の給料がきわめて高い、なおその人たちに勇退を勧告してもなかなかこれは聞かない。こういう意見であり、なおまたこうした方々が、かりにやめていただくならば、新進気鋭の若き方々を大いに採用していくことができるのだ、このような御意見もございました。それと同時に、若い人を取り入れることによって、人事の新陳代謝が行われる、こういうような御意見が非常に強く叫ばれておったように私は聞きました。しかしながら、これをお聞きになった橋田参考人は、この問題については、きょうの公述にさらに触れておられない。現在の給料、待遇等の問題については、強く触れておられまするけれども、しかしながら現在の法案の中に関係がないからといって、そうした方々がいずれも強く要求しておられるにもかかわらず、組合の代表であるあなたが、一向この問題に触れておられないということは、きわめて私にとっては不可思議に思われるわけであります。何となれば、こういうような問題は、今日この席においてそうした方々から要望されるならば、やがてまた取り上げられる時代があり、取り上げられて論議されるようになりますると、これらの問題はきわめて大きな問題になってくると思います。もちろん中央におけるところの国家公務員にも、また大きく関係してくるであろうし、ただ地方公務員だけじゃなくて、教育公務員と申しますか、特定の地方公務員の定年制という問題にも実はなってくるわけでありまするが、朝からお聞きになったあなたは、一向にこの問題について触れておられない。そういう点をなぜ触れておられないか。なおまた今後必ずこの問題は国会において、あるいは地方において問題になるだろうと思いまするから、そうしたときに私どもが腹をきめ、審議するに参考に供したいと思いますので、そうしたことについての特別な御意見等がおありでありましたならば、あなたのお考えを簡単でけっこうでありますからお聞かせをいただいておきたいと思います。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 ただいまの御質問は、もっともな御質問だと思います。私は本日参考人として三時に出頭していただきたいというお話でございましたので、実は一時過ぎにこちらに参って、定年制の問題の論議された過程では、この席におらなかったわけです。そういう点で御意見を申し上げなかったのを非常に遺憾に思います。  そこで定年制の問題につきまして、一言私たちの考え方というものを説明したいと思います。今定年制が実施されておりますのは、大学の教授とか会計検査院とかあるいは裁判官、こういう方々憲法によって老後の生活を保障されて定年制が実施されておるわけです。このことは日本だけでなく、アメリカとかあるいはヨーロッパの先進国においても、法律で老後の生活が保障された上において、定年制というものが実施されておるわけです。現在国家公務員にも定年制はございません。その段階において、地方公務員のみに定年制を実施するという意図が、私たちにはまるつきりわからないわけです。私たちは定年制自体について反対ということを一言も申しておりません。定年制を実施してもらわなければならない。しかしそれと同時に、やはり老後の生活を保障する退職年金法というものを、あわせて実施してもらわないと、現実にはお前はもう年令がきたのだからやめていって、あとは野となれ山となれというような、そういうありがでは絶対反対だ、私たちはこういうような見解を持っているわけです。  なお若干つけ加えて申し上げたいと思いますが、今定年制を実施するにしても、果してその定年制が六十才の定年制であるか、あるいは六十五才の定年制であるか、もっとぐっと下って五十才の定年制であるかどうかという点においても、非常に大きな疑問を持っております。このたび自治庁で考えられた定年制についても、年令の基準等には全然触れないで、一方的に自治団体の条例にまかせるというような地方公務員法の改正の案だったわけです。それで私たちも自治庁の年令についての考え方、あるいは人事院のいろいろな考え方を調査してみました。ところが自治庁としてはそれに対して明確な考えを表明しておりません。ただ人事院としては、定年制は正十五才なら五十五才ということを、全部の職員に適用するのじゃなしに、部長級についてはできる限り年令の基準を高くしなければならない。それから課長級については若干はそれよりも下げて、さらに一般職については、五十才程度でもいいだろう、こういうような人辛院の考え方というものが、すでに文書で出ているわけです。そういう点を考えますと、定年制の実施というのは、ただ単に定年制を実施して、後進の者を迎え入れるという考え方ではなくして、人員が多いという理由、あるいは人件費が高いという理由をつけて、適当にたくさんの者を首切っていくという考え方がおそらく出てくる。だからこういう点では絶対に反対しなければならないと思っているわけです。それともう一つは、現に宮崎県においては、五十才の定年制を実施したいということで、これについて自治庁の見解はどうかというような文書がすでに参っているわけです。こういうような今日の実例を見て参りますと、定年制そのものは、定年制をしがなければならないという本来の趣旨に反して、あくまでも人員整理のための定年制に終ってしまう、こういう懸念があるために、やはり反対しなければならないと考えているわけです。従って、先ほども申した通りに、定年制ということについては私たちは反対しておらないし、人事院がすでに政府に対して勧告している退職年金法を現実的に法律案として決定してもらって、その後に定年制をしいてもらうことについては全面的に賛成である、こういう考え方であります。

丹羽兵助日本民主党

○丹羽委員 それについて橋田さんに重ねてお尋ねをいたしておきたいと思いますが、定年制そのものに反対をするものではない。その定年制が制定されること、それが設けられることによって、その名をかりて行政整理等に悪用されることが心配だ、そういうことさえなければ、そういう点がはっきりすればあえて反対するものではないということと、またそれがあくまでも悪用されないという前提のもとに、老後において広義な社会保障制度等によって、そうした方々の生活があくまでも保障されるということならば、後進に道を開くという意味で賛成する、反対をしない、きわめて簡単でありますが、こういう工合に考えてよろしゅうございますか。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 若干誤解があったらいけませんので、もう一度はっきり申し上げたいと思いますが、退職年金法というものを人事院が一昨年政府に勧告をしておるわけです。これはいわゆる定年制の前提手段として勧告をしておるわけです。従って政府にこれを実施してもらえば、われわれは内容に若干の不満ばあっても、定年制を実施してもけっこうだと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 藤田さんに伺いますが、先ほど、今回の二法案について制度的に今の実情を考えてみた場合に、この程度のものは差しつかえないのじゃないかというような御意見でありまして、制度的にだけごらんになったのではないかと思いますが、こういうことはお考えにならないかどうかお伺いしたい。  それは今回の地方自治二法案は、やはり一つの政治的な目的があるということ、単に一つの地方制度としてこれを改善していくとか、そういうこと以外に、やはり現存の政治勢力なり何なりの条件のもとで、これを一つの目標に向って進めていこうという政治的な動機があるのだ。それをわれ一われからいうならば、今までは特に戦後の地方自治体に対する国の政策が、財政的にこれを支配するという形であったのではないか、現在まあ制度としては地方自治法等によって非常に理想的だというか、地方の自主性が認められておりますけれども、財政的には御承知の通り中央集権になっておるわけです。地方税も税制で国がきめたところによらなければならぬし、あるいは交付税についても補助金や負担金についても、地方団体の自生性が財政的にほとんどないわけです。ところが今までは国の方で補助金を与えたり何かして、これを自分の好きなように動かしておったが、国の方でもたとえば軍備であるとかそういう方面に金を使わなければならぬ、あるいはむしろ大企業の育成のために資金が要るのだというような考えから、地方財政に対して補助金を与えるとか、そういうことがだんだんわずらわしくなってきた。そこで今度は金を出さないで、権力的な支配でこれをやっていこう、こういう一つの政治的な意味があると私どもは湾えるのです。もちろん自治庁の当事者は意識してそういうふうにおやりになっているとば思いませんけれども、そういうふうな政治的な背景のもとで、そういう政治的な動機が今度の地方自治二法案に影響しておるのではないか、こういうふうに考えますが、藤田さんばそれらの点についてはどのようにお考えであります。

藤田武雄朝日新聞社論説委員

○藤田参考人 最初私が申し上げました通り、この問題が考え方によっていろいろ議論の立て方のあることを申し上げたのであります。今お話のようなことも、考え方によればそういう議論も成り立ち得ると思うのであります。しかしそういう議論で現在の日本の政治なり経済というものの現実的な解決ができるかどうか、もちろん今も御指摘があったように軍事費に膨大なる金を使っている、そういうものの影響が地方財政にも目には見えないけれども、何がしか、あるいは相当部分おっかぶさってきておるということは否定できないと思う。それは要するに国の政治と地方の政治とのバランスの問題であります。議論のつけようでいかようにもそれはできると思うのであります。そこで最初私が、国の経済力を勘案して、再建法がなくなったあとでも、地方財政が確立し得るような財政計画をもっと根本的に立てていただきたい、そういう点を並行して御研究願いたいと申し上げたのは、そういう意味なんです。御指摘のように、今の日本の国の財政を取り上げましても、地方の財政を取り上げましても、これを別々に考えることはできないのでありまして、両方かみ合ってこういう結果が出ておるのであります。あるいは地方財政がこれほど窮迫している、そういう場合に、軍人恩給も含めて再軍備費が予算の二割以上に上っておることがいいか悪いかということになると、議論があると思います。しかし現実的に考えますと、そういうことも含めて、この再建法が完了いたしました後においても、国力とバランスのとれた地方財政の運営ができるというような措置をこの再建法と並行して御研究願っておかないと、ただここ一年、二年はこれでごまかせるかしれませんが、長い将来を考えますと、再建法がなくなれば再び元のような赤字が出てくるというのではつまらない、私はかように考えるわけであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次にお伺いしますが、ただいまのお言葉の中にもございましたように、今回の再建促進法は国と地方団体との関係なりあるいは国民の経済力なり、そういうような全体的な計画とマッチして行われなければいけないというような御意見だったようであります。そうしますと、今回の再建促進法では御承知の通りにそれらの点が全く欠如しておるわけであります。再建計画を立てるのは個々の地方団体である。地方自治体が自分の団体の再建計画を立てるのでありまして、それは国民経済全体との関連であるとか、あるいは国、地方団体との関係であるとか、そういう点には何ら触れることができないわけです。いわば今度の再建計画ば国の方で今お話のような全体的な計画をまず前提として作って、それから再建整備計画の制度をやるべきにもかかわらず、それをやらないで、地方団体個々に再建計画を立てさせるというところに、私どもは非常な欠陥を感じておるわけであります。従ってお尋ねをしたいのは、私も御意見と同感でございますが、これを裏に返しますと、そういう国民経済あるいは中央、地方の政治態勢というものの全体的な計画がないとするならば、この再建促進法そのものは大した意味がないというお考えでございますか、そういうふうに聞えるのですが、そう了解してよろしゅうございますか。

藤田武雄朝日新聞社論説委員

○藤田参考人 今度の再建整備促進法が全然無意味であるとは申さないのであります。しかし御指摘のように国全体の計画というものができて、その一環として取り上げられるというような形にならなければ、ただ当座の応急措置にすぎない。ある府県、ある市が赤字で困っている、だからそれをちょっと引き締めて何とか無理やりにバランスを合わすという結果に終る危険がある。従ってこの再建促進法案をほんとうに効果的ならしめるためには、再建計画が終った後においても、地方財政が健全なる経営をなし得るという見通しのあるプランが並行すべきである、こう考えるわけでございます。それでいかがでございますか。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 もう一点お伺いしますが、ただいまの問題も論じていけばずいぶん問題はあろうと思います。先ほど、高知県の県議会の場合、常任委員会制度を改正したが、それでうまくいっているというようなお話があったのですが、私も、実情はわかりませんけれども、これはやはり現在の府県というもののやる仕事の内容がまことに貧弱であって、いわば国から命ぜられたような義務的な仕事が大部分であって、県議会において裁量する余地というものがほとんどない。だからして今どこの府県議会等におきましても、非常に建設的な、地方の産業、文化を発展せしめるような積極的な議題がなくて、むしろ議長の選挙であるとか、そういうようなまことに情ないといいますか、お気の毒だとも言えるのですが、そういう格好になっておる。そういう実態だからこそ、先生今お話のような、常任委員会をどのように変えてしまっても、あるいはその方がマッチしておる、こうも毒口えるんじゃないかということで、むしろ問題は府県というものの仕事の内容をもっと中身のある建設的、積極的なものに作りかえるという体質の改造こそが大事なんじゃないか。そうして高知県のような制度をとったということは、一応マッチしたとは言えるかもしれぬけれども、何らプラスではないんじゃないかというように私は考えるのです。  その問題は別として、今度の再建促進法は、御承知のように、二百億だけの長期債を貸すというのですが、問題は非常に地方団体が節約をしなければならぬわけです。過去の赤字三百億以上、本年度の財源不足が五、六百億、合せて九百億くらいのものを、二百億の長期債以外に節約計画を作らなければならぬ。従ってたくさんの公共事業あるいは単独事業というものも、これを切り捨ててやめなければならぬわけです。これは政府の今年度の財政計画にも載っておりますが、その切り捨てになる事業費というものは三百億以上になっておるわけです。そうしますると、鳩山内閣は失業対策ということで五十何億かの失業対策費をふやしておりますけれども、一方では何百億というような事業費を地方財政を通じてやめてしまうわけですから、非常に失業者がふえるわけです。それ以外にまた行政整理で首を切られなければならぬということになりますと 地方財政再建促進とはいうものの、これを裏を返してみますと、失業をふやす計画――石炭鉱業合理化法案については、御承知のように、ともかくそれに見合うところの失業対策ということが考えられておる、ところが今度の地方財政の再建促進法には、切り捨てる方は見込まれておるけれども、それを受け入れる方の失業対策というものは何も考えていない。少く見積っても十万人以上出るでしう。現在のような特に地方経済が非常に不景気な時代において、こういうような大手術、荒療治をすることは、社会的にいって先生はどのようにお考えでありますか。

藤田武雄朝日新聞社論説委員

○藤田参考人 先ほどからもこの失業問題については、なかなか深刻な議論が出ておったのでありますが、この問題は今度の地方財政の再建という問題だけでなくして、国民経済全体が直面している過剰人口と生産力の不足というような問題から起きている問題で、地方財政だけの問題じゃないと思うのです。解決は簡単にこうすればいい、ああすればいいと言ってみても、それだけ過剰人口がにわかに減るわけでもないし、日本の生産力がにわかに上るわけでもない。これは当面する日本の宿命的な問題として、非常に解決が困難な問題であると思う。そういう意味から行きまして、あるいは見方によれば、人員整理するかわりに、財政が足らなければ、全体の給与水準を落しても、失業者を出さぬようにしてくいというようなことでも、これは机上の論として言い得るのでありますが、そういうことができれば非常に望ましい。あるいは日本の現状は、そういうことまで考えなければならない現状にあるかとも思うのであります。しかしこれは実際問題として、みんな給与を引き下げて整理人員を出さないということは、口では言えてもなかなか現実的な解決策としては困難ではないか。従いましてそういうものをからまして考えますと、これは府県に限らず、事業会社にしてもそうでありますが、何もできない。従って事業を再建する考え方と、それに伴う犠牲者の考え方というものを両方からますとするならば、全体の給与を引き下げてみんなでかばい合っていきたいのですが、それができない場合には、先ほど定年の問題も出たようでありますが、教育者で年の若い人が遊んでおるのに、恩給もついておる相当の年輩の校長さんがたくさんおるというような場合には、やはりそこに何らかの調整措置を講じて、若い者に機会を与えるというようなことも私は必要じゃないかと考えるのであります。しかしそれによっても、日本のような国民所得の水準の低いところでは、失業するとたちまち翌日から生活に困難を感ずる場合も多いのでありますから、そういう点はまた別個な措置として国が考える。もしみんなの給与を引き下げて、みな食わしていくという形をとるか、働ける能率の高い者だけが働いて、失業者はやむを得ず出す、そのかわり残った者がうんと働いて、税金を納めて、社会保障の形で救済していくか、こういうように割り切って考えなければ、両方からましていったんでは、につちもさっちも行かない。そしてぐずぐずしているうちにどんどん事態が悪化してしまうのではないか。それは地方自治体のみでなく、日本の国民経済全体の直面している問題で、事態は非常にむずかしい問題だと思うのであります。私はそういうように、両方からますなら、思い切ってお互いがか、ぶる、あるいは別建にするなら、残った者が税金を負担をして、社会保障の形で困った方をかばう。このどちらにするか。現実の問題としてはやはり定年制でも作って、そうして失業されて困った方は社会保障の形で、残った者が税金の負担でかばうという形をとる以外に解決の道はないのじゃないか。犠牲者になられた方にははなはだ気の毒でありますが、日本の現実がどうもそれ以外に方法はない、こう私は考えるのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 ほかに質問者もあるでしょうから、これで終ります。先生の御意見は、二法案には賛成だけれども、先生の賛成というのは、ずいふん大きないろいろな前提条件が必要だということを了解いたしまして、ありがとうございました。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 五島君。

五島虎雄日本社会党(左)

○五島委員 ただ一点松沢さんに質問いたします。松沢さんの公述については非常に参考になりました。ところが午前中の公述者の中に、特に茨城県石下町長の全国町村会代表の関井仁さんからの公述の文書を見てみますと、公述された中に「行政委員会の予算原案送付及び収支命令の権限を削除すること。」その理由の中に「行政委員会は原則として廃止すべきであるが、教育委員会の如き地方公共団体の財政力を無視した見積書の作成、収入現況を顧みない配当予算の濫費等に対する今次改正による規制は不徹底であり、抜本的にその予算原案送付及び収支命令の権限を削除すると適当とする。」という理由を付されて、それに特に口頭によって、教育委員会等々があれば特に予算の送付が行われる、それで争いが次々に積み重なって、そうして町民の得るところは一つもないという公述が行われたわけです。それから市長会の代表者の中の文書の中にも教育委員会その他の行政委員会等々は廃止すべきであるということで、午前中公述されたわけです。ところが先生の論旨ば私非常に参考になったわけで、特に教育の民主化の徹底によって日本の民主化が進んでいくんだと考えるわけですが、松沢さんは午前中から御出席であったかどうかを知りませんけれども、町村会代表、あるいは市長会代表が教育委員会あるいはその他の委員会が介存することによって、非常に運営が困難であるというような印象を午前中受けたわけです。そして特に争いばかりが非常に多くて、町民あるいは市民の得るところは一つもないというようなことは、非常に今後の問題として重大であると考えられますから、この点についてこういう事実があるかどうか。あればある、なければないというようなことを参考までに聞かしていただきたいと思います。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 私は午後二時から出席するよう招集状がありましたので、午前中の議論を拝聴する機会を得ませんでしたが、ただいま言われましたことにつきまして、町村教育委員会におきます事実について、特にその茨城県の問題等を私は存じません。ただそういう点につきましても、争いの起っております。原因がいかなる点にあるかを詳く知れば一そう議論がしやすいと思うのでございますが、町村教育委員会につきましては、その成り立ちの当時におきましてすでに無理があった、都道府県教育委員会につきましても地方教育委員会の設置単位等の問題については、しばしば意見を申し上げ、また陳情もいたしたのでございますが、それらがすべて無視されまして現行法通りに強行されましたために、一部地方におきましては相当の無理が出ていることも二、三池の例において聞知しております。しかしこれらにつきまして先ほど申しましたのは、これらを能率化するためには、ただ人口の問題であるとか、行政区画の面からのみ考えずに、教育面から見まして、学校運営の能率から考えて、これらを能率化していくように導くべきではないか、こういう点について申し上げました。ただ私寡聞にしてそのような茨城県の事実を存じません。どういう事態があったかを知らないので具体的に申し上げることができませんが、都道府県ではなしに、地方の市町村の教育委員会等につきましては、あまりにも数が多いというような形で、そういう意味で非常にトラブル等が起きておることも聞知しておりますので、それらの一部ではないかというように増えますが、それらを都教育委員会みずからにおいて能率化していくような案を持って、このようなトラブルが起らないようにしたいと思っておるのであります。これでは大へん抽象的なお答えになってしまいますが、そういう点を含めて先ほど申し上げたつもりであります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 鈴木直人君。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 私は松沢参考人にお伺いいたします。先ほどの陳述を注意して拝聴いたしたのでありますが、まず第一点は、先ほどのお話は、午前中全国の都道府県の教育委員の代表の方方がお集まりになっていろいろと協議されておるということを知っておるのでありますが、その結論として代表的にお話をされたものであるかどうかという点をお聞きしておきたいと思います。  それから第三は、現在提案されておるこの二つの法案ば、教育の民主化という点から見て、あるいは内容的に若干の修正等があっても、これはとうてい容認し得ないものであるから、撤回をして新しく出直してもらいたいというのが、その御陳述の結論であったように思いますが、その通りでありますかどうか。あるいは、そういうことではあるが、そういう点については次善の策として研究を必要とするのだというのでありますか。要するに個々の修正すべき点であるとか、こういう点が問題になっておるということをお話になりました点は、こういうものがありましても、それがどうなってもかまわない、従ってこれを撤回して、そうして新しく出直していただきたいというのが本旨であるというように受け取ったのでありますが、そこのところをもう少しはっきり伺いたいと思います。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 第一の御質問の点は、午前中の論議を知って議論したかという御趣旨でありますか。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 結論でけっこうです。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 実は先ほど申しましたように午前中は出席いたしておりませんので……。

鈴木直人自由党

○鈴木(直)委員 午前中の教育委員会の集まりのことです。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 その点は私、教育委員会の幹事長といたしまして、その意味において出席いたしておりました。  それから第二の問題については、先ほど触れました諸点は、これらの点から考えても一非常に不都合な点を生じます。ただそれは教育問題だけを考えてもこのような点が生じますが、さらに私どもといたしては、地方自治団体等に加えられております各種の制限等から考えていきますと、地方自治全体が逼塞するような結果になるように考えられます。また私どもはそういう事態が起ると思いますので、この法案全体として地方自治並びに現在の民主化に大きな支障があると考え、法案全体について反対いたしたい。この反対のよって来たる諸点を二、三条文の上から拾えば次のような点がある、こういう趣旨で説明いたしたわけでありますが、言葉が足りないで、誤解を招いたことについてはおわびをいたします。

纐纈彌三日本民主党

○纐纈委員 私も松沢さんにお聞きいたします。直接法案に関係のないことかもしれませんが、先ほど陳述されました際におきまして、子供に民主主義を説いて、それを徹底せしめることが民主主義を早く普及せしめるゆえんであるというお話しを明示せられたのでございまして、その点につきましては私もまことに同感でありまするが、教育委員とされまして、今日の教育のあり方が、果してその民主主義あるいは自由主義を正しき意味において理解されているような傾向に行っておるかどうか。それについて松沢さん、教育委員としてどういうお考えを持っておられまするか、ただその一幕だけ私は伺いたい。

松沢一鶴全国都道府県教育委員会委員協議会代表、東京都教育委員長

○松沢参考人 ただいまの質問につきまして、これははなはだ広範な問題でございますし、もちろん部分的には行き過ぎもあり、また戦争後の混乱もありまして、とかくの議論は多いと思いますが、議論が多いだけにこの問題に注意は注がれておりますし、また私たち教育委員といたしましても、この問題と、教育基本法にありますように最も自主的な教育というものを主にして考えております。その点について子供たちの考え方その他についても、私たちはよほど進歩してきてみるものと信じますし、ことにPTAというような新しい組織において父兄までがこういった問題について自由に発言するというような、大いに民主的な寮父を導いてきておるということは、学校の雰囲気そのものがそういったような民主的な寮父に、よほどなれてきておるという事態ではないかというふうに考えておりました。広範のことでございますから、いろいろこまかいそごやあるいは行き過ぎその他の点はあろうかと思いますが、私ども全体としては民主的な方向へ相当早い速度で進んでおるというふうに確信いたしております。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 ちょっと簡単に橋田参考人にお聞きしたいと思いますが、実は地方財政再建促進の法案に対して、特にわれわれとして懸念しているのは、政府が自治庁の手を通じて地方団体に大きな権力を導入してくるという点が、われわれとしては非常に懸念されておるわけです。そこで参考人の発言の中で、現在秋田県において三百二十毛程度の首切りが行われた。しかもその首切りの理由として、秋田県の知事が自治庁の方に融資をお願いしたら、お前のところは三百三十名程度首切りをしなければ融資のあっせんをしないということで、これをやむなくやっておるというような発言があったのですが、その点間違いがないかどうかということ。もしそれが事実とするならば、これは公式の席上でそういう発言をしたのか、あるいは組合との個人的な折衝の中でそういう発言をしたのか、その点を一応明らかにしていただきたい。ただ私たちはこういう再建法案がこのまま通過いたしますると、従来の民間企業における銀行管理のような、実際に自主性のない地方団体というものができ上るということを懸念するので、すでにこの法案が通過する前にこういう問題が起っておるとすると、われわれは考え画さなくてはならないと思いますので、この点をちょっとお聞きしておきたいと思います。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 秋田県でこの問題が具体的に出たのは今月の三日でございます。従いまして私どもの方の中執を三日に秋田に派遣しております。その中執が十一日に帰って参りまして、その報告によって先ほど私が発言した次第です。その報告によりますと、知事は明らかに先ほど申し上げた点を総務委員会において言明した、こういう報告がございましたので、組合の従来からの報告の様式から言いましても、絶対に間違いないということを確信いたしております。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 本問題は重大な問題でありまして、自後委員会等において真相を明らかにいたしたいと思います。  なおこれと関連してもう一つ、山口市並びに鳥取市において、組合として職員の給与に充当するために、自治労の方で四千万円程度の融資を労働金庫の方からいたした、こういうお話しでありますが、この方法ば組合同士の間において、給与に充当するために融資を労働金庫からされたのか、あるいは理事表側からの要請に基いて自治労として労働金庫に諮ったのか、もう一つの点は労働組合としての自治労の本部で借りて、こうした山口市あるいは鳥取市の自治労の方に貸されたのか、その経過と方法に関して一応御説明を願いたいと思います。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 山口並びに鳥取につきましては、地方財務局からそれ相当の融資を受けておるわけです。融資を受けながらもなおかつ膨大な赤字のために給料を払えない、こういうことになったために市中銀行の方からも融資がストップされる。どこにも借りる相手先がないわけです。しかし組合側としては当然権利として給料を払ってもらいたい、こういう強い要求を市長にいたしたために、市長としてはそれでは組合と同時に市長が責任者となって労金を通じて金を借りたい、こういうように話し合いがまとまった次第であります。従って市長と組合側と両がが実は私の方に相談に参りまして、私の方としては労働金庫の金を融資する場合に、給料の遅配という形では、規定からいって非常に困難な条項があるわけです。従いまして神奈川労金並びに東京労金の金を、東京都や神奈川県の職員組合、川崎市職、横浜市職、従業員組合が借り受けまして、それを山陰労金に入れまして、入れたものを市が借りる、こういう手続でもって融資しておる次第です。

加賀田進日本社会党(左)

○加賀田委員 了解いたしました。そういたしますと、給料の遅欠配によって労金が融資するという原則は、従来全国的にとっておらないと思いますが、実際はやはり給料の遅欠配に基いて、市長が自治労の本部を通じて、いろいろの要請があって、その遅欠配に基く財源として融資した。しかしその手段としてはいろいろの方法を講じて、実は別として、表面的な手段は遅欠配ではないというのですね。

橋田正武全日本自治体労働組合書記長

○橋田参考人 そうです。

門司亮日本社会党(右)

○門司委員 簡単に藤田さんに聞いておきたいと思いますが、これは私の聞き違いかもしれませんので、聞き違いなら聞き違いでけっこうですが、先ほどから御意見を承わっておりますと、前段においては賛成の御意見であって、後段において、賛成ではあるが、しかし三つばかりの条件を出されて、こういう条件が満たされないのは非常に考えものであるから、これもあわせて考えるべきだという、こういう御意見に私拝聴したのであります。そこで結論として申し上げてお聞きしたいのは、そういう条件が満たされなければ、この法案は実質的効果がないというふうにお考えになっておるのか、あるいは実質的の効果はないが、しかし午前中のだれかのお話しもありましたように、内容的にはいろいろまずいものもあるが、ないよりはましであろうという消極的の御賛成であるかどうか、この辺一つお聞かせを願いたいと思います。

藤田武雄朝日新聞社論説委員

○藤田参考人 私は最初申し上げました通り現在の地方自治の運営の実際なり、財政の現状というものは何らかの手かげんを加える必要があるという前提に立っております。従ってこの際提案されておりますような自治法の一部改正なり、あるいは財政の再建に関する法案なり、そういうものは満足すべきものではありませんが、暫定措置としてはやはりこの際研究に値するものであると考えております。ただ先ほど申し上げましたように、二つの法案を通読いたしますれば、やや政府の権限が強化されすぎて、議会とのバランスを欠くうらみがある。その点は立案当事者が少し思い詰めているんじゃなかろうか。従って議会を信頼し、住民を信頼し、世論を信頼していただいて、この点はさきに申し上げました程度に修正していただくことがいいんじゃないか、そういう意味で御審議願いたいという意味でありますから、この修正ができなければ無意味だという観点には立たない。こういう法案は必要なんだ。しかしいささかこの点の検討の余地があるから、御審議願って、もう少しバランスのとれた内容のものにしていただきたい、こういうわけであります。  もう一つの点は、こういう財政再建法案の必要を認めますけれども、これだけで地方財政が堅実になるとは私は考えていない。やはりこれに伴って、あるいは付随してもっと根本的な手を打っていただかなければ――この法案さえ通れば地方財政は健全なものになるんだ、かようには全然考えておりません。しかしこれの不必要を唱えるわけではありません。この法案に関連いたしまして、もっと根本的な手を打っていただかなければ、地方財政というものは健全な姿に戻らない、かように考えるわけでございます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 他にございませんか。――他に質疑がないようならは、この程度にいたしておきます。参考人に一言ごあいさつを申し上げます。暑いところ、長時間にわたって御意見を拝聴いたし、両案の審議に非常に参考になることと存じます。委員会を代表して厚くお礼を申し上げます。  それではこれをもって散会いたします。次会は公報もってお知らぜいたします。    午後四時五十三分散会

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