地方行政委員会 第32号
- 発言数
- 75 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1955/07/01
会議録
○大矢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案及び議員提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますから、これを許します。 なお、政府委員として自治庁永田政務次官、後藤財政部長が出席されております。門司君。
○門司委員 これは私は大臣に聞かなければわからぬと思うが、もし御答弁ができるなら、御答弁願いたい。
○大矢委員長 なお大臣は、今参議院の予算の討論が行われておるので、それが済み次第、こっちへ来ることになっております。
○門司委員 それは交付税の性格であります。政府は交付税の性格をどう考えているか。まず私はそれを先に聞いておきたい。
○後藤政府委員 私ども、交付税は地方団体の独立財源であるが、地方税よりも独立性の薄いところの独立財源である。同時にそれは調整財源であるという考え方をしております。交付金と違います点は、交付金は毎年度の財政計画を基礎にいたしまして、調整をする調整財源である。ところが交付税は長期にわたって調整をするところの性格を持ったものである、こういうふうに考えております。
○門司委員 性格がきわめてあいまいでありますが、問題は地方の財政に及ぼす影響がきわめて重大でありますので、その辺の性格を私ははっきりしておきたいと思う。今の御答弁だと、調整財源であるというような考え方の方が強いようであります。もとよりこの税の本質は、われわれから考えると、税の体系の上からいえば、これが税という名前をつけたというところに一つの自主性が当然なければなりません。自主性のないものは税であってはならない。それで国から見れば、一応これが自主財源であり、反面調整財源としての考え方もあるというように考えられる。従ってもし政府の答弁がそうであるとするなら、私はもう少し突っ込んで聞いておきたいと思いますが、政府は一体どちらにウエートを置くつもりかということであります。今回出されておりまするこの法案には、今答弁のあったようなことは何にも現われておらない。調整財源のみとしての現われ方しかしておらない。従って自主財源としてみなすことができるところの一部分でもあるならば、当然自主財源としての法案の改正が出なければならないと私は思う。これがちっとも現われておらない。全く調整財源だけの仕組みになっておる。一体どうしてこんなものをこしらえたのか、この点もう一度聞いておきたい。
○後藤政府委員 本質は今申しましたように独立財源であるが、地方税よりも自主性が薄いところの独立財源である、こういうように考えております。ただ機能は調整財源的な機能を、正としてやる、こういう点で機能が調整財源的なものでありますから、その機能の面で不合理な点を直していくというのが交付税法の改正としては出ておるわけであります。従って独立財源的な考え方での改正ではなくて、機能の面の改正を中心にしてある。調整財源的な性格の内容の改正である、こういうふうに考えておるのであります。
○門司委員 これは私は、政府は非常に誤まりだと思う。少くとも平衡交付金が地方交付税に変った経緯について政府は一体どういう考え方を持っておるか、なぜこういうふうにお考えになるのか。ただ調整財源としての考え方が非常に強くて、そうして調整財源であった当時の交付金と全く同じ内容を持つものを、名目だけ変える必要は私はなかったと思う。少くとも交付金が地方財政に対しまする一つの調整財源としてのみの役割を演じておった平衡交付金ではいけない、これを自主財源としての取扱いをするために交付税という名前に変えたわけである。ところが内容は全く同じだということになるとすれば、何で一体名前を変えたのですか。交付税という名前に変えたことについて一つ御答弁願っておきたい。
○後藤政府委員 二つの問題があるのでありまして、交付税自体の性格の問題と、その持つところの機能の問題と二つございます。従って交付金を交付税に直しましたのは、より独立性を強くした地方財源にするという意味でありまして、そういう意味で税に近くなりますから交付税という名前をつけたのであります。ただそのできましたところの交付税をどういうふうに配分して財政調整を行うかという問題になって参りますると、これは交付金の時代とどういうふうに変えていくべきかという問題になってくるわけであります。従ってその場合には、もちろん交付金と変った方法をとっていきたいのでありますけれども、地方財政の現状に激変を与えますると、非常に問題が出て参りまするので、しばらくの間激変を与えないという意味で交付金配付方式を使っておるのであります。その配付方式につきましてわれわれもいろいろ考え方を持っておるのでありますけれども、今ここでやりますると激変を与えまするので、しばらくこれを見送って徐々にそういう方向に持っていきたい、かように考えておるのであります。
○門司委員 それでは政府の地方財政に対する考え方の基本に触れるので、大臣にはっきり聞き、あるいは大蔵大臣に意見を聞かなければ、技術的な問題ではこの問題は解決がつかぬと思います。政務次官からでも政府を代表した答弁ができるならばお答え願いたいと思いますが、一体地方財政というものをどうお考えになっておるか。もしこれが税という名前に変ってきて、そうして公共財源としての独立財源であるという政府のお考えだとするならば、一体地方財政とは何ぞやということであります。地方財政の独立自立性というものは、国がそういう名目で取り上げてこれを配分するという権利を全部握るのが必ずしも独立財源ではないのである。地方自治体の独立財源というのは、個々の公共団体がおのおの自主性を持つということが、私は正しい独立財源のあり方でなければならぬと思う。だから配分の方法も必然的にそういう形が出てこなければ、これを交付税として税金という名前をつけた意味が全く喪失されるのであります。ただ一部分のそのときのいわゆる都合主義の国家財政によって交付金の場合は非常に大きく災いされる。だから交付金で拘束しておけばこれは公共財源になるではないかという考え方はいい、しかしそれだけでこの交付税という名前にされたのではないと思う。もしそうだとするならば、これは交付金のときでもやれるわけです。いわゆる国の交付金は一定の税額の何パーセントにしなければならないという規定を設けておけばそれでいいのである。何もこれを交付税という名前にわざわざしなくてもいいのである。交付税の名前にしたということは、やはり個々の自治体の財源を自主的に打ち出していく、根本的に言うならば、政府の方針ができるだけ調整財源を必要としない、いわゆる不交付団体をたくさんこしらえていく、市町村の自主性を尊重していくという建前が私は交付税に変った最大の原因だと思う。これは交付税にしなければならないという地方制度調査会の記録を読んでごらんなさい。大体そういうことが主の目的でこれは変えられたと思う。政府が中央に権限を握っておって、そうして交付税の率を毎年々々改訂するようなことをやってはならず、できるだけ地方に自主的財源を与えるということは地方の個々の自治体に自主的財源を与えるということであって、私はその点の考え方はおかしいと思う。大体政府の方針はどこにあるのか。個々の自治体の自主性を尊重されるのか、こういう形において自治庁だけが、国から公共財源として取り得る制度でいいとお考えになっておるのかどうか。今の御答弁では制度を変えれば激変するからということでありますが、私は激変しないと思う。その点に対する税の本質についての考え方を、もう一度私は答弁を承わっておきたいと思う。
○後藤政府委員 地方の財源として考えられますものが三つあると私は現在の制度の上では考えております。それば地方税のような自主独立の財源、それから譲与税のような形をとった財源、それからもう一つは交付税の方式をとったものと三つあって、それぞれの特徴があるのであります。おっしゃいますことはおそらく交付税の中で、税の持っておりますような機能を、もう少し出したらどうかというお考えではないかと思うのでありますが、それは交付税の中ではできないのであって、やはりそういう機能は交付税自体の中にはありませんから、そういうお考えでしたらやはりほんとうに自主財源でありますところの税を伸ばしていく、税財源を国から移していくという考え方が筋ではないか、私はかように考えておるのであります。交付税に昨年改正しましたときのいきさつは御存じの通りでありまして、従来のように交付金制度でやりますと、毎年々々財政計画に伴って交付金の額が政治的に動かされて、非常に不安定であるというところから出発して、安定した制度にしようというのが一番大きなねらいであったと思います。従ってその持っておるところの機能につきましては、先ほど申しましたように私どもは以前と同じような機能と考えておるのであります。従って税財源に近い方式をこの中へ入れていくことはむしろおかしいのであって、やはりそういう性格は、国税から地方税に税財源を移すことによって果していくべきではないか。もっと端的に言いますと、税財源が現在足りない場合は、交付税方式よりもたとえばたばこの税を与えていく、たばこの税の率を多くしてなるたけ交付税の額を少くしていく、これが自治団体としての方向ではないか、かように私は考えておるのであります。
○門司委員 今の税の本質の問題でありますが、たばこ消費税であるとか、あるいは今ありまする税金の中で、国と地方との関連性を持っておりまするものの中には、譲与税の関係が生じておる。しかし譲与税の性格は、税の本質として地方税であるべきものが徴収その他が困難であるとするならば、一応徴収の方法を便宜的に考えられて、これは地方にとらせることが一つ。それからもう一つは、地方に税金が偏在する形をできるだけ是正していこうとする一つのものの考え方からくるものが、やはり譲与税の形になって現われてくる。これにもいろいろ異論はあります。私は地方の自治体の自主的自律性という考え方から来れば、この譲与税自体についてもいろいろ異論はある。異論はあるが、税自体の異論は別として、考え方としてはそういう形で行われておる税金である。 それからその次に来る交付税の問題は、やはり性格自身が自主財源であります限りにおいては、これを中央が調整財源として全部支配するというものの考え方は、私はどうかと考える。同時に地方の自治体の正しいあり方というものは、少くとも国の経済力に応ずる、一つの自主性がなければ、地方の自治体の完全なる自治運営というものはできないはずである。財源を国に依存し、財源が自分の持っております経済力に何ら関係のない自治体というものは、完全なる自治体じゃないと私は思う。こういう考え方から来れば、当然今度の交付税の中に含まれております要素というものは、所得税であり、法人税であり、酒税であるという一つの税額をきめております限りにおいては、やはりこの税金の性格というものは当然地方の経済力に影響するものでなければならない。ことに今日も地方財政が、一方において政府の行き方が非常に従来誤まっておりました。地方税であるべきものを中央にとって、そうしてこれを全体に分けるという譲与税的の性格のものが考えられてくる。こういう方向は私は誤まりだと思う。少くとも地方財政というものについては極端なでこぼこのあることはどうかと思うが、その自治体のなすべき事業量は異なっておる。それを単一の算定方式によって同じように地方の自治体に配分しようという考え方のところに私は誤まりがあると思うのであります。もとより国の仕事をたくさんやらしておりますので、ある自治体の一定の水準というものは必要である。それに達しないものに対して、国は調整財源としてこれを交付することは当然であります。しかしその前に考えなければならないのは、自主財源の形であると私は思いますので、政府の方針をもう一つ聞いておきたいと思いますことは、こういう形で行なって参りますと、必然的に交付団体がふえるのである。従って政府は地方の自治体の交付団体をふやす方針なのか、不交付団体をふやす方針なのか、一体どっちが方針なんですか。
○後藤政府委員 私どもといたしましては、できるだけ税財源を与えることによって——これは独立税の財源でありますが、独立税をふやすことによりまして不交付団体をふやすという方向に持っていきたい、かように考えております。
○門司委員 それなら政府においてそういう努力がどこかに払われておりますか。それをはっきりしておいて下さい。
○後藤政府委員 そういう努力を私どもはしておるつもりであります。たとえばたばこ消費税というのは一番平均しておりまして、あまり偏在のない税でありますが、できるだけこれを伸ばしていくという方向で考えております。
○門司委員 できるだけ伸ばしておるというが、一体どれだけ伸びておるのか。自主財源として、この税金の徴収あるいは配分その他によって地方の自治体はたばこ税総額が一体どのくらいあるのか、ごくわずかな数字である。今日の地方財政をまかなうことのためにこういうたばこ消費税が一つの財源であるという。これはなるほどわれわれもそういう考え方で、たばこの消費税の増額その他を要求しておる。ところが今度の国会ではこれがどれだけ増額されておるのか。
○後藤政府委員 ことしの国会ではそう伸びておりませんが、来年度におきましては現在百十五分の十五が百分の十七くらいになると考えております。これは本来は交付税的なものをたばこにひっくり返しましてたばこの税として伸ばす、こういうことにいたしておりますので、来年度になりますと、従来よりも大体数%は伸びることになっております。
○門司委員 私はもう少し聞いておきたいと思いますが、地方の自主財源をふやしていくという形で、今日政府が考えておる調整財源は、形はあまりいい形ではありませんが、必ずしも否定するわけではないが、一体自主財源として地方にどのくらいのものを与えればいいのか、どのくらいの自主財源が今日より以上に地方に交付されれば不交付団体がふえてくるのか。私はこのことを一つ聞いておきたいのであります。これははっきりして下さい。政府は今の御答弁のように不交付団体を多くするという方針で、たばこ消費税をふやしていくと言っているが、不交付団体は減っておるのであります。交付団体がだんだんふえているのである。政府のものの考え方と実際は逆に動いておるのであります。だからこの点をもう少し明確にしていただきたい。だから理屈だけこねてこうだああだということでは、現実はどうにも動かすことができないでしょう。赤字団体にしても年々ふえておることはわかっているじゃありませんか。これは私が言うよりも政府の方がよくわかっておるでしょう。赤字がだんだんふえておる。来年から赤字の団体が減りますか。あなたの方にその見通しがついておりますか。ただ理屈だけではだめです。だから政府は一体どれだけ地方に財源を付与すれば赤字団体がふえない見通しを持っておるのか、その点を一つはっきりしておいていただきたい。
○後藤政府委員 不交付団体をふやしていくということと赤字団体がどうなるということは、私は直接は関係がないのではないかと思っております。不交付団体を私どもはふやしたいと思っておりますが、これは与える適当な税財源があるかどうかという問題にかかって参ります。従って、たばこ消費税をどの程度われわれが使えるかという問題が一つ、つまり国の専売益金に入っておりますたばこの税を消費税としてどの程度使えるかという問題にかかってくると思います。従ってここで不交付団体を全団体のたとえば三分の二くらいにするとか申しましても、やはりそれに見合うところの偏在のない税財源がなければならぬのでありますから、それとの見合いで、ちょっとここでどの程度ということは申しかねるのであります。それから来年度赤字が出るか出ないかという問題は、税財源だけの問題ではなくて、これは交付税との問題もございます。これは全体の財政計画を基礎にしたいろいろの問題を含んでおりますので、これを不交付団体にするための税財源と直接にすぐ出てこないのではないか。私はかように考えます。
○門司委員 私はその答弁はおかしいと思うのです。黒字団体が交付団体ではないのであります。黒字の団体は不交付団体で、赤字の多いものが結局交付団体になるだろうと私は思う。赤字はどんなにあっても、あなたの方では交付しないというお考えではないだろう。赤字が出てくるから交付せざるを得なくなってくる。従って交付団体がだんだんふえてくる。これは密接な関係を持っておる。要するにアンバランスだけを埋めるというなら、アンバランスができるから赤字がだんだん出てくるのである。それを政府は、ただ単に地方の自治体が赤字をこしらえるのは、仕事をやり過ぎるとか、いや冗費があるとかいうのであるから、財政上の、いわゆる財政規模の上から見た政府の考え方と実態がそういうところでマッチしておらない。従って赤字と交付団体との関係はないのだ、政府のいう交付税できめる算定の基礎と赤字とは関係がないのだ。赤字のできたのは、この算定の基礎になっている以上のものをむやみに使ったり仕事をするからそういうことになるのであって、たとえば給与の面においても同じであります。一体一人当りどれくらいの給与だということになっておるが、それ以上地方が出しているから赤字になるのだから、交付税と赤字との関係はないのだというようなお考えではないかと思う。もしそうだとするならば、私は非常な誤まりだと思う。私は念のために聞いておきたいと思うが、政府でこの際もし資料があるならばお出しを願いたいのは、法令に基き当然行わなければならない自治体の仕事量がどれだけあるのか、それから国と地方との相関関係において当然行わなければならない地方の自治体の仕事がどれだけあるか、本来の固有事務として市町村あるいは都道府県が行うべき仕事の割合がどのくらいあるか、もしその数字がわかるなら一つお知らせ願っておきたい。私はその赤字の出てくる原因は、そういうところにあるのじゃないかと思う。だからこの三つの段階がはっきりして、地方の自治体にどれだけ無理ができておるか、この数字が大体一つの根底になると思う。あなたの方の資料であるけれども、たとえば昭和二十八年度における中央の職員、いわゆる補助職員あるいは委託職員、それらに対して政府から出る金と、事実上地方の自治体が支払った給与との間に大きな開きがある。こういうものを一体地方の自治体が打ち切っていいのかどうか。あなたの方の計算は、一人当り大体一万円内外の給与しか考えておらないのだから、年に十二、三万円から高いので十四、五万円だと私は思う。ところが実際はそれじゃ許されない。超過勤務手当も要るし、期末手当も要るし、あるいは出張の旅費も要るし、いろいろなものが要る。そういうものを大体政府はどう考えておるか。従って私が今要求いたしました三つの要素が、一体事業別にどのくらいの割合を占めておるか、この点をまず資料で出してもらいたいと思います。これはあなたの方でできますか。
○後藤政府委員 何とかいたしたいと思っております。
○門司委員 私はこの交付税の性格というものから、もう一つ聞いておきたいと思いますが、交付税の性格は、それらの点を十分に考えた上で調整財源というものが必要であります。政府は地方自治体に何も仕事をさせておらない、何も関係がないのだというなら、それは調整財源というものはそうやかましくいわなくても、自治体固有の事業だけを自治体でやるというなら、これは施策上の問題であって大して影響はないと思うが、政府がたくさん仕事をいいつけて、やむを得ざる出費がたくさんある。従って自主財源だけではとうていまかない切れない。幸いにして自主財源でまかなえるところは、国と地方といっても、一つの国の施策を一貫して実行する場合、地方の固有の事務だけやって、国の事務は一切がっさい金をもらってやっていこうという虫のいい考えが、完全な自治体ならばそれはやれるかもしれないが、日本の場合はできるだけそういう虫のいいことは避けるとして、国の仕事であっても、これを自主財源でまかなえる範囲はできるだけ自主財源でまかなっていく。なおかつまかなえないところを調整財源としてこれを出していくという建前が私は望ましい。ところがその建前が今日十分はっきりしておらない。従って交付税の性格は自主財源であるという考え方が持たれる以上は、これは当然地方の個々の自治体の自主財源として配分のできる方法がこの中に織り込まれてこなければ、私は正しい意味の交付税の姿ではないというように考えておりますが、それらの点について一応御答弁願いたい。 〔委員長退席、加賀田委員長代理着席〕
○後藤政府委員 交付税の機能については先ほど申したのでありまして、私どもとしては交付税を分けます場合の基準財政需要額を算定する場合に、おっしゃるような性格を出していきたい。つまり財政審婆を平面的に見ないで、財政需要というものは、たとえば都市になると人口が多くなって参って、その関係で特殊な事務も出てくる。こういうことから財政需要を上げていくとか、それから密度の関係でいろいろの財政需要が変化するとか、いろいろな関係を考慮して財政需要額を見ているのでありますが、その財政需要額の見方が足りないために、いろいろ起ってくる問題は現在あるのであります。この財政需要額をどの程度伸ばしていって実情に合せていくかということが、やはり調整機能の上では重大な問題になるのでありますが、今のところ交付税の額があまり大きくおりませんので、先ほど申しましたように大変動を与えることになりますので、その財政需要の額の伸ばし方を差しひかえているのであります。従ってその辺から、いろいろおっしゃいますような不交付団体あたり、つまり交付団体と不交付団体の境目にある団体、あるいは不交付団体あたりで、財政需要の見方が少い、こういう問題が出てくるのであります。従って、これは交付税の総額自体の問題に、やはりすぐ関連して参るのであります。従って交付税の額をやはりふやすことによって、そういう財政需要の見方をさらに是正していくという方向で行くべきであって、財政需要だけをこの際切り離して伸ばすということになると、やはり穴があきまして、交付税が不足のためにそれだけこない、こういうことになりますので、その辺が非常にむずかしいところであります。方向としてはそういうことによって、現在のいろいろ地方団体によって違っております財政需要額にマッチさせるような方向に持っていくことにいたしたい。そうすれば、おそらく門司先生のお話のような結果になっていくのじゃないか、かように私は考えております。
○門司委員 さらに私は具体的に、この税金が自主財源として与えられなければならなかったもう一つの理由としては、どういうことが考えられておったかということであります。これは地方の自治体の予算と国の予算との関係であります。従来の地方平衡交付金の一つの弊害の中にあったのは、陳情が非常に盛んに行われる。そして平衡交付金の争奪戦が盛んに行われる。これらの弊害をやはり除去する必要があるだろう。できるだけこれを少くする必要があるだろう。そうするには、基本的な問題として政府の都合で分けられるような、かげんされるような交付税であってはならない。まず第一段階として、自主財源としての性格を持つ交付税に直した方がいいであろう。その次の段階は、地方自治体と国との間の弊害を除くためには、一体どうすればいいかということである。これが今日交付税になって参りましても、その配分の内容が交付金と全く同じような形を示しておりますならば、これは今申し上げました地方の陳情政治の形はなくならぬのであります。同時に地方の自治体が非常に大きくたよっておりますこの交付税に対する処置というものが、当初予算においていかんともしがたい。今度の自治法の改正がかりに国会を通るといたしましても、予算の編成期は二月であります。二月ということは法律に書いてある。国の予算のきまるのは、ことしなど七月でなければきまらない。交付税のきまるのはその後にきまるのである。そうすると当初予算では交付税相当額というものは、地方の自治体は全く触れることができない。どれだけもらえるか見当がつかない。一つの大ワクは、昨年度の所得税、法人税あるいは酒税の割合で出てきているから、これはわかっている。しかしその個々の自治体に一体いつ、どれだけ来るのかということが見当がつかない。従って従来の地方の自治体の予算編成に対する弊害というものは除かれておらぬと思う。だから自治庁の考え方があるなら、地方の自治体は上月に予算を組むときに、一体この交付税はどの濃度予算の中に織り込んでおけば間違いがないのか、あるいはこういう制度においてそうした弊害が全く除かれておると自治庁は考えておいでになるか、この点をもう一つ聞いておきたい。
○後藤政府委員 予算編成期に交付税の額がわからないということをよく聞くのでありますが、音通交付税は、大体前年度を基礎にして計算いたしますれば、そう変った数字は出ないのであります。もちろん変動がありました団体は変りますけれども、問題は特別交付税まで含めて考えますと、ここに問題があるのであります。従ってわれわれの方針といたしましては、一定の方式でもって普通交付税だけを一応予算に計上するように、こういう指導をいたしております。特別交付税まで載せますと、その年度間のいろいろな特別財政事情が加わって参りますから、変化するのであります。ところが地方財政におきましては、前年度の特別交付税を加えたものをもって本年度のものとすると、非常に変ってくる、こういう問題が起りますので、普通交付税だけを一定の基礎数字を使って算定すれば、大体できるんじゃないか。県はもちろんそういう方式をやっておりますけれども、市町村につきましても、やはりそういう方式でもって指導をいたしております。従って数年やって参りましたので、そう大きな開きは私はないと考えております。
○門司委員 私は条文の内枠は、それからくる算定の基礎等についても、非常に問題があると思う。自治庁は介そういう答弁をしておりますが、実際に地方の自治体がそれを当てにして予算を組むから、あとで陳情運動が起るのであります。もし今の自治庁のような答弁であるとするならば、私はあまり陳情運動は起らぬと思う。これは自治庁がただそういうことを言っておるだけであって、地方の自治体が予算を組むときにはっきりしております。これは非常に大きな問題で、地方自治体が予算を組むときにいつも問題になるのであります。一体当局が歳入の中にそういうものを見込んでおる、これが不当であるか不当でないかということは押し問答である、議論になっておる。それを基礎にして予算を組むから、事実上は、はっきりした確定財源でない上に予算が組まれておる。確定財源でない上に予算が組まれていけば、そこには必然的にいろいろな陳情運動が起ってくる。今日の公債政策も同じであります。この二つが陳情運動の最も大きな弊害だと思っております。もしもこれが、総額が一応きまったような形にはなっておるが、しかし内容は前の交付金とちっとも変らないということになれば、当然そういう陳情が起ってくる。今日の地方自治体の陳情運動の弊害は、公債とこの二つにあるのであります。公債も国が大ワクをきめる、本年度の公債は何百億地方に出すという大ワクはきめるけれども、個々の自治体に対しては全くわからない。従って予算を組むときには、地方の自治体に対しては、金がなければ、それを公債費に回すということで、いいかげんな予算を組んでしまう。仕事をするには、地方はどうしても起債をもらわなければならぬということになる。これははっきりした数字があると思うが、昨年度、一昨年度の地方自治体が申請をした起債額、あなた方がほんとうに認可した起債額、同時にそれが実際に金になった金高というものを調べてごらんなさい、どういう数字が出ておるか、もしあなたの方で答弁できなければ、私の方で言っていいが、こういう事態があるのであります。これは地方が今までと同じように、やはり今までの交付金を一応当てにして予算を組むが、しかしその自治体はなかなか取れそうもない。取れそうもないから、理事者はどうしても取らなければ、予算の遂行が困難になってくるから、一生懸命陳情運動をするのである。この弊害をできるだけ小さくしよう、そのためには実財源を与えるということが一つの方法である。そうしてその幅を侠くするということ。それには従来の平衡交付金ではそれを除去することができない。従って大ワクにこれを実財源として与えて、その配分の方法等もできるだけ実財源的な配分の方法にすることがよろしいのであろうということが大体考えられておった、また私はそうでなければならないと考える。何も日本にそういう法律がなかったわけではありませんし、昭和二十四、五年までは現実にあった。今日の交付税に相当するものについては、その中の少くとも四〇%は、地方の実財源として経済能力に応じた配分方法がしてあったはずである。そうして残りの五〇%だけが調整財源として使われていた、一〇%が非常災害というように、今日の交付税の配付の方法と全く同じ方法がとられていた。従って少くとも四〇%だけは実財源として与えておったので、それだけ陳情その他の運動の幅が狭かった。これが今度交付税になった以上は、当然そういう地方の自治体の実財源を涵養するという要素がこの中に織り込まれなければ、単に税の種目を変えただけでは、その効果はきわめて薄い、半減されておるというように私は考えるが、これについて何か考え方がありますか。
○後藤政府委員 門司先生のお話は、おそらく昔の配付税方式をお考えになっておるのではないかと思うのでありますが、配付税方式を現在の制度のもとにおいてやりますると、財源が非常に片寄って参ります。いい団体は非常によくなる、悪い団体は非常に悪くなるという結果になりはしないか、税財源に不均衡があるから、そういうことになりはしないか、今の方式の方がより金を効率的に使う方法ではないか、こういうふうに私は考えておるのであります。もちろん、先ほど申しましたように、その果しておる機能の内容につきましていろいろ問題のあることは、私ども承知いたして、改善いたしていきたいと考えておりますけれども、一挙に配付税方式に引き返して参りますということは、私は前進にはならないのではないかというふうに現在考えておるのであります。 それからもう一つ、予算の編成期が年度以前である関係からいたしまして、いろいろわれわれの考えておりますことが徹底いたしておらないということはあるのであります。これは交付税制度をきめましてから、いろいろな機会に制度としての徹底をいたしておるのでありますけれども、予算の編成時については、毎年やかましく言っておるのであります。ところがこの趣旨はわかりながら、その地方団体のいろいろな情勢から、予算をから財源で組まざるを得ないというようなこともありまして、なかなか末端まで徹底しない、実現ができない、こういうことになったようでございます。しかし私どもが見ておる限りにおいては、陳情はだんだん減っておると考えております。普通交付税については文句を言わない。もちろんやり方自体について、補正の仕方を変えてくれとか、新しい補正を作ってくれとか、いろいろ要求はあります。しかしながらだんだん普通交付税については、理解がついていると思います。ただ問題は特別交付税で、特別交付税は毎年額が変って参りまするので、その特別交付税の配付の額についてはもちろん陳情はございます。それは災害その他特殊な事情のある場合、われわれの方の歳入の見積りが過大である場合等が、年度の半ばになりますると出て参りまするので、それをめぐっての陳情は私どもあることは承知しておりますが、大部分の九十何%の普通交付税については、そう大きな問題は——これはむしろ理論的な問題であって、陳情というほどのものではないのでありまして、そういう問題がございますけれども、個々の団体の陳情というものはそう多くはないように考えております。
○門司委員 大してないと言うけれども、実際はあるから、問題になるのである。さっき申し上げましたように、従来の調整財源だけでいいというなら、何も交付税でも大して差しつかえないのであります。交付税の方で、たとえばこれだけのものを交付しなければならぬという規定を設ければ、配付税という税の性格まで変えなくともいい。税の性格を変えた、いわゆる従来の交付金を税という名前に変えたというのには、それだけの十分な意義がなければならぬと考えている。 それからもう一つ、今あなたの答弁の中にあったから、聞いておきますが、もし配付税方式でいけば非常に大きなでこぼこができるであろうというお話でありますけれども、一体地方財政に対してはどうお考えになっておりますか。個々の自治体が必ずしも同じでなければならないことはない。日本の全国の都道府県を同じレベルに置こうというお考えのようですが、あなたの方はこんなことで自治行政がやっていけるというお考えですか。その点はっきりして下さい。
○後藤政府委員 私ども同じに考えておるわけではありませんが、できるだけ斉一して行政が——国の要求するところの行政が漸次斉一した行政になっておりますので、できるだけ同じような仕事の最小限度の保障をしていきたいと考えておるのであります。もちろん財政力のある団体はそれ以上の仕事をしたらという考えを持っておりますけれども、できるだけ平均化していこうという気持を持っております関係からいたしまして、配付税方式よりも交付税方式の方が進んでおるというふうに私どもは考えておるわけであります。
○門司委員 その考え方にはいろいろ問題が残されると思う。それならばあなた方は、一体どこを頂点にお考えになっているか。教育の制度はどの辺がいいのか。上水、下水の制度はどの辺がいいのか。道路交通は一体どの辺に目安を置いているのか。その辺についてあなたの方の計画を一応お示し願いたい。それに対して政府はどういう財源措置をしているか。一体どの辺にすべての仕事の目安をお置きになろうと考えているのか、それを一応聞いておきたいと思う。
○後藤政府委員 これは交付税の配付の単位費用の算出の問題としてあるわけであります。その場合、現在は都道府県の場合には人口百七十万の団体を想定して、そこで一応標準予算を作って、それを基礎にして単位費用というものを出しておるのであります。市町村の場合は人口十万の団体の予算を一応編成いたしまして、これは過去の実績を基礎にいたしました数字を使って、平均化したものをもって予算の編成をいたしております。従ってその規模の団体の財政の保障をする、こういう建前に立って現在交付税のシステムができております。そういう意味の配分方式をやっておるのであります。水道はどの程度とおっしゃいましても、大体土木事業はどの程度の予算を組んで、どの程度の費用でやっておるか、こういうふうな考え方でありまして、個々の事業につきましてはもちろんこまかくは割っておりません。しかし教育につきましては、大体この程度の学校、たとえば小学校でありますと、一小学校の児童は、五百四十人おりまして、学級は十二学級、教員が十五人いる、こういう学校が幾つあるかということを想定いたしまして、われわれは単位費用を出しておるのであります。それがいいか悪いかという問題になって参りますと、先ほど申しましたように、財政需要額が現実の予算額にどの程度合っているかという問題にもなってくるのであります。これは財政需要額だけを伸ばして参りましても、交付税が足りませんと、財源不足額と交付税の額とが合わないと調整しなければならぬ問題が出て参りますので、そう一挙に上げられない。しかしこの程度で最低限度の保障をしよう、こういう意味で標準予算を作って、それを基礎にいたしまして斉一的な行政ができる保障をしていきたい、かように考えておる次第でございます。
○門司委員 標準予算の問題も問題でありますが、私が聞いておりますのは、各自治体においては、中央の標準予算の制限がどこにとられておるかわかりません。学校に対して今のような御答弁だとするならば、そういうことにするには一体どれだけの必要があるかということ、同時に予算の目安は一応そういうことで立つかもしれない。政府としての、調整財源についてのものの考え方はそれである程度いいかもしれない。しかしこれにウエートが大きく置かれて参りますと、それぞれの市町村の事業内容は違うので、従ってそこに不公平が出てくると思う。これは一面公平のようであって、不公平が出ておると思う。それぞれ事業の内容が違っております。この事業内容の違っております日本の現在の段階においては、少くともある程度の財政のでこぼこはできるのであります。またそれを必要として要求しているのであります。これは一定の水準に各都市の行政のすべて、あるいは府県の事業のすべてが完成されておる場合には、今の自治庁のようなお考えでいいかもしれない。しかし事業内容を非常に異にいたしております。まだそこまで成長しておらない日本の自治体の今日のあり方を、一つの線で規制しようとするのは私は無理があると思う。だから、今お話になったように非常にでこぼこがたくさんあると困るからということでありますが、でこぼこがたくさんあるのを、これをならそうとするから、結局全国の自治体がみんな財源不足を来たすのである。交付団体の数が減らない。逆にふえてくる。赤字の団体もふえてくる。そうして今回のような状態になっておる。従って私は今のものの考え方については、少くとも二十五年まで日本にあった配付税的の性格を持たせるということ、これは昔の四〇%を実財源として与えておったということが多過ぎるというなら減らすことも可能でしょう。方向としては少くとも交付税にかえた以上は、そういう方向をとるべきである。政府は昔の方式に戻る考え方を持っておる政府であることに間違いありませんが、配付税の方式が悪かったとして、そうして平衡交付金に直したのはアメリカさんの一つの仕事でありました。その当時シヤウプが来て、日本の自治団体のあり方を十分に見きわめないで、アメリカと同じようなものの考え方のもとに、ああいう施策を講じたというところに誤まりがあった。これは必ずしも全部ではありませんが、一つの見方の誤まりであったと考える。従ってこの際は少くとも、こういう形になった以上は、実財源として地方にこれを与え、地方の自治体ができるだけ自分の財政で自分の予算を組んでいく、国に頼らないで予算を組んでいくという方法をこの際講ずべきである。そうしてなお不十分な自治体に対しては、国がこれを調整していくという姿がいいのではないか。そういう姿にしませんと、おのおのの自治体というものは、いつまでも最低のレベルに置かれてしまって発展しないのでありまして、成長も望めない。自治体の発展と成長を望んでいくならば、できるだけ実財源を多くして、調整財源を減らしていくという方向が、地方財政計画の上に望ましいのである。従ってこういう税金に直しました以上は、地方の個々の自治体に至るまで、これが実財源として十分に当てになるようなきめ方をするのが正しいと私は考えておりますが、これについてもう一応御答弁を願いたいと思います。
○後藤政府委員 門司先生の最後におっしゃいました、つまり調整財源をなるべく少くして、実財源を多くしていくという方向は、私どももおっしゃいます通りに考えております。ただその与え方をどうしていくかという問題になって参りますと、全国的な斉一行政を国が中心になりまして地方団体にやらしておる。ところが税財源というものは思うようにそう簡単には伸びない。これは国民負担との関係がありまするし、きまった税財源、国、地方を通ずる税財源の範囲におきまして実財源をふやしていくということは、なかなかむずかしい状況にある。しかしそのうちでできるだけ平均的な税、あまり変動のない、偏在のない税を地方団体に与えていくという方向をもって問題を解決し、できるだけ調整財源の方を少くしていこうというのが私どもの方向であろう、かように考えておる次第であります。
○北山委員 交付税についてはいろいろ問題がありますが、まず最初に今年度の交付税率について、自治庁では当初予算編成の際に、現在の百分の二十二ではなくて、もっと高い比率のものを基礎にして要求されたと聞いておりますが、どういうふうな比率でございましたか。
○後藤政府委員 一応二五%ということで要求をいたしております。
○北山委員 そうすると、まず百分の二十五で自治庁の案を作って交渉した、しかしそれが達成されないので二十二にとどまったような結果になったと思うのですが、それはどういう経過で、そういうことになったのですか。
○柴田説明員 その間の経緯を申し上げます。最初私たちの考えましたときは、地方財政が非常に困っておる、そこでこの窮状を打開する方法としてはどうしても赤字の整理をする。赤字の整理をいたしましても、将来の赤字発生の原因を除いていくという方向をとっていかなければならぬ、それを同時にやりたい、そういう気持から経常的な経費につきましても、一応のあるべき基準というものを二十八年度決算を基礎にして推定して、財政計画を立案いたしました。その際に、先ほど来門司先生のお話がございましたが、なるべく独立財源を主とするような方向にしていきたい。かたがた地方制度調査会の答申等もございましたので、たばこ消費税の税率の引き上げである程度財源を求め、それから交付税といたしましてはたしか二五%だったと記憶しておりますが、税率の引き上げをお願いし、それからある部分は地方団体の節約に求めるという方式をとったのであります。ただその後におきまする予算折衝を通じます論争の中心は、それでは給与の単価をどうするかという問題になりまして、このときにあるべき給与というものは単に二十八年度決算からでは出てこないじゃないか。二十八年度決算の中には不必要に高い給与を支払った団体も出てきておるし、また正当なと申しますか、地方公務員法で定められております基準を下回った基準で払っておる地方自治団体の給与費も含まっておるわけです。従ってそれだけを基準にすることはあまり適当ではないという議論があったのですが、たまたま本年の一月に国家公務員、地方公務員を通じまする給与の実態調査を行いまして、その結果がまだ出て参っておりません。それが出て参りますと、地方団体の現在払っておる給与というものが職員構成の比率に応じて果して適正なものであるかどうかということが明らかになるわけでございます。従ってその結果を待って措置したらいいじゃないかということで、この際は特別の改正ということを一応あきらめたのであります。
○北山委員 ただいまの折衝の経過というのは、大蔵当局との折衝だと思うのですが、そうすると、給与の是正というものは、まず今回の場合は考えないで出たものが百分の二十二だ、だからその点を今秋に出る実態調査の結果、交付税率をさらに引き上げるという必要が起れば引き上げるということでもって、大蔵当局との折衝は、そのことは先の問題として、とりあえず百分の二十二でおさまったというような経過でございますか。
○柴田説明員 給与の適正化の問題ということは、結局地方財政計画の中に給与を算定いたします場合に、どの程度の水準を求めればいいかということでございます。今まで議論になっておりましたように、昭和二十六年の十月に財政計画上の単価を落したのでありますが、その際に基準となったものは国家公務員の単価であります。その単価というのはただ平均的な単価だけでありまして、学歴とかあるいは年齢構成というものに顧慮が払われていなかった。従ってその実態を明らかにした上で措置をしよう、措置の仕方はおそらくは財源の増強ということと給与の適正化という方向をとるのじゃないかと私たちは考えております。
○北山委員 この問題はまたあとで川島長官がおいでになってからお伺いしますが、次に現在の地方交付税の基準財政需要の算定の中に、地方公共団体が毎年支払う地方債の元利償還、これが本年は五百十億あるわけなんですが、この交付税の算定の際の基準財政需要額として認められておるものはどのくらいですか。
○後藤政府委員 災害関係のものは災害費といたしまして、約九五%くらいは災害関係の元利償還費として算定することになっております。ただ一般公共事業につきましては、そういう公共事業をやることは任意なものでありますから、そういう考え方をしないで、たとえば土木費でありますれば、土木費の中の橋から橋の償却の格好で耐用年数に応ずる償却費の計算で入っております。そういう入れ方をいたしておりまして、たとえば橋の償還年限と、それから単位費用の中に入っております償却という観念、つまり耐用年数を基礎にいたしました償却というものと起債の償還年限とは違っておりますから、その関係で一つ問題がここにございますが、私どもの考え方は毎年償却するという考え方で、償却費の格好で単位費用の中に見ておるわけであります。
○北山委員 私のお伺いしたいのは、要するに今年地方団体が支払うべき元利償還というものは五百十億に上っておる、その中で基準財政需要額としてこの交付金の算定上認められておる金額は幾らか。それは規定によれば災害復旧の、しかも補助のついた災害復旧に伴う起債の元利償還でなければ認められない、その金額は幾らになっておりますか。
○柴田説明員 正確な計算はこれからやるわけでございまして、現在のところわかっておりませんが、一応の試算で出ております数字は府県の災害復旧費は三十九億八千五百万、市町村の災害復旧費は十五億一千万であります。
○北山委員 とにかく五百十億というものを地方団体が現実に地方債の元利償還として払っておるのです。そのうち五十五億しか平衡交付金の算定の際の需要額には認められない、あとの四百何十億というものはいわば自己財源から出せ、こういうふうな趣旨ではどうも不当じゃないか。とにかく地方債というものは地方団体が勝手気ままに借金するのじゃなくて、毎年政府の地方債の計画によって起債が認められるというれっきとした地方財源の一つなんです。それに対する元利償還というものもまたこれは政府としても、その必要性については国の方でも知らないというわけにいかないと思う。従ってこれは当然の需要額なんです。道楽をして使った借金の跡始末じゃない。政府が必要な地方財源として地方債を認めた以上は、その元利償還分はやはり必要な財政需要でなければならぬ。この必要な財政需要が五百億以上もあるのに、そのうちの五十何億しか認めておらない、これは交付税法の建前からして非常に不当ではないか、かように私思うのですが、どうして一体それが入らないのですか。
○後藤政府委員 今災害関係だけ申したのでありますが、公共事業は、先ほど申し上げましたように償却の形で単位費用の中に入っておるのであります。それは計算してみなければはっきりした数が出ないのですが、そちらに相当入っております。ただ問題は、おっしゃいますように災害と同じように公共事業の方の起債額を特別に算定する方式をとって参りますと、いろいろの問題が起ってきます。たとえば交付団体につきましては、一般公共事業に起債をつけておりません。——少ししかつけておらない、ほとんどつけていないといってもいいのであります。従ってそういうところは税でやっておるわけであります。税財源でもって公共事業の負担をやっておるわけであります。そういうところと起債でやっておるところと二つあります。その起債でやっておるところだけを特掲して見るのはどんなものだろうかと思うのであります。災害の場合に公共団体には補助分について起債をつけております。一般公共事業につきましてはそういう起債のつけ方をいたしておりませんから、これだけを特掲して財政需要にあげますと、起債をやらなかったところが損をする、こういう格好になって参ります。つまりやりくりをして、税でもって公共事業の負担をしたところはやらなくて、起債でもって負担をしたところは財政需要に見てもらうという変な格好になって参りますので、先ほど申しましたように、償却の格好でもって入れておく方が合理的である、こういうことにいたしておるのであります。しかし公債費が非常に多くなって参りましたので、おっしゃいますような議論も一方にございます。しかし財政のいいところと申しますか、起債をあまりやらないところの団体は逆なことを申して、そこで見てもらうと、今までわれわれは何をしていたかわからぬじゃないか、こういうことになりまして、この辺が非常にむずかしいところであります。
○北山委員 いかに平衡交付税であっても、やはり局部的なへんぱというものはたくさんあるのです。ざらにある。だからそういうふうな議論をやれば、それは局部的に見れば不公平ばかりです。たとえば財産収入などについても、財産のあるところとないところがある。これなどもひどい不公平でありますが、それなども見ておらないわけですから、そういうことでなく、やはり地方財政全体として見ての必要な財政需要ではなかろうか、それならばやはり総体として財政需要として見るべきではないか。しかもそれは地方団体が勝手にやったのではなくて、政府の地方債計画によって正規の財源としてやはり認められておるのだから……。なるほど税収入でもって支弁するのが原則ではあるけれども、これは地方債を年々一千億も認められておるという建前に立っておるのですから、それに伴う需要というものはやはり当然認めなければならぬ、それが少しのものならいいのですよ。だけれども、四百億以上にもなってくると、これを見てもらえぬということは、交付税というものをなるべく少くしよう、こういう魂胆がどうも政府の中にある、こう私は解釈せざるを得ないのです。地方団体相互の問題ではなくて、国対地方公共団体の問題だと思うのです。国の方ではどうも、これを需要額として見ておらない、そうして交付税をふやさない魂胆である、こう考えなければならぬと思うのですが、どうですか。
○後藤政府委員 交付税を少くするためにそういうことをやっておるのではなくて、より公平な配分をしたいという観点からそういう方式を採用いたしております。しかし公債費が年々ふえて参りますことも事実でありますし、この負担が非常におおいかぶさっておることも事実であります。従って普通交付税の方式は今まで通りにし、特別交付税の配分のときにそういうある一定限度以北の公債費の負担をしておるところについて、やはり何とか考える方法はないものかというのが現在の研究問題であります。それには今度改正案を出しておりますが、そういうことを考えますのには、現在の六%まで落ちると特別交付税の率では足りない、やはり八%くらい持っておらないとそういう計算はできない、こういうふうに考えているのであります。
○北山委員 次に警察の問題でありますが、昨年来制度がかわりまして、本日をもって五大市の警察も府県警察の方へ移ったわけです。ところが御承知のように、自治体警察当時の警察の財産、これのある部分は有償でもって移すことになったはずです。従ってこれに関する財政需要額というものが度今の五大市についてもやはりあると思うのです。それはどういうふうに措置されておりますか。
○柴田説明員 警察の財産の譲渡につきましては、相互の協議によって有償とするために必要な措置をするという規定が、警察法の附則の十三項にございます。その協議がどういうことになっているかという問題で、実は警察庁の方と私たちの方と相談をいたしておりまして、実態を調べております。協議がまとまったところにつきましては問題はない、協議のまとまらぬところにつきまして問題があるわけであります。協議がまとまったかまとまらぬかということを照会いたしておりますが、まだその結果がまとまっておりません。
○北山委員 その点については実際に有償でやった場合の資料、報告をあとでしていただきたいと思います。 それから、時間がございませんからなお一点だけ……。災害の場合、たとえば今度の東北の水害等災害がそろそろ始まっておるのですが、その際にはこの地方財政計画上どういうことになるか。特別交付税をやるということもございます。それから地方債を認めるということもあります。地方財政計画上及び交付税の建前上、今度の東北の水害のごときにおいて特別交付税が認められるか、あるいは起債のワクというものをどの程度に考えられるか、そういう事務的な措置をどの程度に取り運んでおるか、これを一つお知らせ願いたいと思います。
○後藤政府委員 今回の東北の災害につきましては、まだこまかい調査資料が出ておりません。ただ大まかな結果報告が参っておる段階でございまして、まだ国の方針もはっきりいたしておりませんが、国の予算では本年度たしか五十億の災害予備費があったと思います。その範囲内のものであれば、私どもの方にもやはり起債でもって三十数億のリザーブがございますので、それでやっていけるのではないか。もちろん特別交付税の場合——いろいろな資本的な経費につきましては特別交付税で見るつもりでおります。
○加賀田委員長代理 鈴木君。
○鈴木(直)委員 委員長にお聞きしますと、きょうは午後はおやりにならない、あすもおやりにならない御方針のようですから、簡単ですがお伺いしておきたいと思います。交付税の中で基準財政需要額として算定されている教育費、先生の給与を含めて、教育費全体の額はどれくらいになっておりますか。二十九年度でも三十年度でもよいのですが、お聞きしておきたいと思います。
○柴田説明員 ちょっと計算してみますから……。
○鈴木(直)委員 計算している間他の人にお開きしてみたいと思いますが、義務教育費国庫負担法によって義務教育職員の給与費の実質額の二分の一を国が負担することになっていますが、これは三十年度全額幾らくらいになっているか。義務教育費において実質額の二分の一を国が負担をしておる。その総額は幾らになっておるかわかりませんが、別途に基準財政需要額として、それに見合うところの二分の一の部分というものは非常に少い。従って地方交付税として交付する額が非常に少い。その額を実は知りたいのです。そういうことがおわかりになりますか。それが実際的な赤字になっておると思うのです。いわゆる義務教育費で二分の一を実支出額として国が出しておる。ところが財政需要額として自治庁が計算しておるそれに見合う額、これを計算してみますと、地方交付税の財政需要額として計算しておるものは非常に少い。従ってその部分を地方において実質的に負担していかなければならない。もちろんその上に給与の相当高い部分というものは別として、それだけでも非常に違うというように聞いておるのですが、その実態を知りたいのです。先ほど他の委員からお話があったように、地方債においても五百十億の返還をしなければならないのに、実際において五十億の手当しかしていないという形において、実際の分と交付するものとが非常に食い違いがあるために、いつも問題が起っておりますから、そこの差額を数学的にはっきりしておきたいと思います。先ほど申し上げましたのは、教員全体ですから、高等学校その他も入っておるわけですが、できるならば義務教育費の二分の一に見合う部分というものがわかるならば、それをお聞きしておきたい。どれくらい一体少くなっておるかを知っておきたいと思います。
○柴田説明員 お答えいたします。この数字は試算でございますので、正確な児童数、学級数等の増減状況がわかりません。学級数、学校数等につきましては、大体去年の数字を基礎にして、推計をいたしたのであります。現在の推計では、小学校の基準財政需要額が大体四百七十六億、中学校の基準財政需要額が二百九十三億であります。これが府県の義務教育費の国庫負担額に見合うものであります。従いまして、両方合算いたしますと、基準財政需要額といたしましては、七百六十九億でございます。それで義務教育費国庫負担金は七百二十四億であります。その間の差額が四十五億ございます。基準財政需要額といたしましては、義務教育費国庫負担金の裏づけとそう変っておりません。ただこれは試算でございまして、学級数、学校数等につきまして、なお正確な数字が出て参りますと、姿が変ってきますので、教育費全体の計数については精査をしてみなければわかりません。
○鈴木(直)委員 それはいいです。そうしますと、私の聞いておるのとは反対で、文部省から義務教育費の実支出額の二分の一として交付されているものは、三十年度においては七百二十四億である。しかるに三十年度の自治庁でいわゆる百四十億の赤字があると称せられておる、その計画による基準財政需要額というのは、七百六十九億、結局四十五億というものが、むしろ文部省の二分の一として支出しておる国の負担金の方は少いということになっている。もちろんこの七百六十九億というのは、二分の一ということをみての計算なんでしょうね。
○柴田説明員 義務教育費国庫負担金の計算の中には 恩給が入っておりません。ところが基準財政需要額の中の計算には一定の恩給を入れております。その間の誤差でありまして、大体は昭和二十五年以来義務教育費につきましては、大体義務教育費国庫負担金の裏の大体九五%から九七%程度を基準財政需要額によってみております。
○鈴木(直)委員 私の聞いておるのと実際は非常に違うのが出ておるわけですが、そうしますと、この財政計画の中にはそう食い違いはないんだ、しかしながら実際において実支出額でありますから、府県の義務教育の教員の俸給は国家公務員より高い。その分は非常に多過ぎるのだということであるか。あるいは実支出額の二分の一を国庫負担するのであるが、実支出額ではなくてある程度査定した額を、義務教育費の国庫負担金として配付しておる、こういうことになるのですか。実際に支出しておるその額の二分の一はやっておらないので、その八割くらいしか実はやっていないのだ、従って義務教育費の国庫負担法をまじめに国は実施していないためにそうなっておる、こうなるのか。三百六十億くらい義務教育費において隠れた赤字が出ておるという話を聞いておるが、どこからその赤字が出ておるかをお伺いしておきたい。
○柴田説明員 府県によりましては、おっしゃるような現象があるのであります。総額の計算におきましては、義務教育費の国庫負担金の裏づけの約九五%から九七%程度のものは、ずっと基準財政需要額としてきたのであります。ただ県によりましてはその間に非常に開きがある県がある。たとえば長野県のようなところに参りますと、基準財政需要額でみますと、義務教育費よりかオーバーして金を出しておるところがあります。ちょっと覚えておりませんが、県によりましては、基準財政需要額を下回って給与を支払っておるところもあると思います。
○鈴木(直)委員 そうしますと、文部省で算定しておる義務教育の実支出額というものは、たとえば長野県のように非常に高い場合においても、その実際の支出額の二分の一をやる、あるいは基準財政需要よりずっと下回って緊縮的にやっておる県に対しても、その下回った実支出額の二分の一をやる、こういうやり方で実施しておるものでしょうか。お聞きしておきたい。
○柴田説明員 その通りであります。なお去年は国庫負担金の限度を定める政令がありまして、この政令に、たしか十一、二県がひっかかっております。その県におきましては、義務教育費国庫負担金が頭を切られております。従って大方の県におきましては、おっしゃる通りでありますが、そういう政令該当県につきましては頭を切られておるわけです。ただ本年度からは制限を設けまして、負担金の頭を切るところは交付団体だけであるということになっております。なお義務教育費国庫負担金の額と、基準財政需要額の計算とが非常に一致していないじゃないかというお尋ねに対しましては、義務教育費国庫負担金の中には、当年度支出いたしますのと、過去において支出すべくして支出していないもの、それも含まれております。つまり二十九年度の国庫の補正予算で八億三千万だと思いますが、追加計上されております。その後そういうようなことがずっとあるわけでございまして、本年度の義務教育費国庫負担金の計上額につきましても、一応これでいけるという計算をいたしておるわけでありますが、ただ教職員の任命は地方団体の任意でありますので、従って任意に任命した場合、あるいは義務教育職員につきまして整理を行なったというような場合におきましては、その間に狂いが出てくるわけであります。
○鈴木(直)委員 今まで聞いているところによると、先ほどの説明もありましたが、給与の問題が非常に赤字の解消に関係をしてくる。そこで大蔵省との折衝のときに二五%に交付税率を上げると、その問題も解決するであろうというふうに考えておったけれども、この給与の問題はこの秋ごろに調査が完了して、それによって、あるべき給与であるか、あるいはそういう点も考慮して財政的な措置をするような段階になっておるという、すなわちその給与というものが非常に地方財政に関係して苦労の種になっている、その給与の大部分というものは義務教育費であるというふうに聞いているのです。しかもその全体は四百何十億になるような見込みである。しからばそういう赤字はどこから出たか、こう考えて、今私がお聞きしてみますと、義務教育費でもって国が二分の一を実支出額として出しているその額よりも基準財政需要額の方が上回った計算になっているということである。それならば、四百億程度の赤字というものは給与費で出ないはずです。どこからそういう赤字が出ておるのですか。
○柴田説明員 地方財政計画上給与費の計算の基礎になりました単価は、現実に支払っておる給与費よりは低いわけです。そこで教員も含めまして給与費の基礎になった単価というものは現実と違うわけです。ところが基準財政需要額の計算の場合におきましては、たとえば警察費でありますとか、義務教育費でありますとかいったような、地方団体にとりまして義務性の強い経費につきましては重く見ております。たとえば産業経済費等で、地方団体の裁量といいますか、自由裁量に基くような分野が多い行政につきましては、そのふえた方は比較的に落しております。さような関係で、基準財政需要額につきましては、実際の額に近いような見方をしているわけであります。言いかえますれば、地方財政計画上におきます給与費の計算と、地方交付税の計算をいたします場合の義務教育費の給与費の計算というものは違うわけであります。
○鈴木(直)委員 地方財政計画によるところの給与費に対する基準と、それから交付税を配付するときの地方財政計画の給与費の基準とは違うというお話でありますが、そうしますと、交付税を配付する場合には、一応そういう給与を出して、あるいは土木費についてはどう、警察費についてはどう、こういうふうになると思うのですが、全体を計算しますとどの程度になるのですか。いわゆる地方財政計画のときの基準よりも上回った基準になっておると思うのです。いわゆる地方財政計画の基準のときの合計と、それから交付税を配付する場合の基準財政需要額の合計とでは、全体でどのくらい差額がありますか。いわゆる基準財政需要額というものを、全国市町村で全部加えた場合の合計よりも、相当圧縮した財政計画を立てるということは、どういうわけでそういうことになるのですか。
○柴田説明員 財政計画を立てます場合におきましては、御承知のように、従来からの経緯等もありまして、昭和二十五年の決算を基礎にして、昭和二十六年の十二月に単価を確定する。そうしてそのまま毎年の増員分あるいは昇給財源を見て計算しておるわけであります。ところが実際に今度は地方団体に対しまして、普通交付税を計算いたします場合には、その経費の費目によりまして、総額が十分にある場合は格別でございますが、総額が十分じゃない場合におきましては、地方団体の財政にとってどうしても義務性の強いもの、言いかえますれば弾力性の少い経費につきましては厚く見ていくという方式をとらざるを得ないのであります。そう意味におきまして、従来から警察費とか義務教育費につきましては厚い見方をしてきているわけであります。
○鈴木(直)委員 そこで、実際の地方財政に近い計画というものは、基準財政需要額が近いのか、あるいは財政計画というもので計算したものが近いのか。おそらく基準財政需要額というものが現在あるところの実態であって、財政計画というものはそれよりもずっと下回ったところの、いわゆる架空の計画になっておるじゃないか、そこに問題があるのではないかというふうに思うのですが、どういうふうにお考えですか。
○後藤政府委員 個々の団体によって違いますが、全体的に見ますと、交付団体につきましては、財政計画よりも交付税の基準財政需要額の方がより実態に近い見方をいたしております。
○鈴木(直)委員 そうなりますと、この三十年度の財政計画というものは実態に即しない計画であるということになりますね。
○後藤政府委員 それはかねがね申し上げております通り、二十六年の補正予算のときにあるべき給与費という考え方をとりまして、国家公務員並みに切り下げたわけであります。三百四十八円でございますか、それだけ高いということで、その分だけ落してある、その落したままずっときておりますので低いと思います。しかし低いやつをそのまま交付税に持っていかないで、先ほど財政課長が申しましたように、弾力性の少いものでございますから、交付税の方では警察費とか教育費は高く見ておる、従ってほかの方にしわ寄せしておる、こういうことになっておるのであります。
○鈴木(直)委員 数百億の差額が現実にあるというのは、そのあるべき姿として数年前に国家公務員並みに給与を落して、そして現実に即しないような財政計画を立てたところに原因があると思うのです。その実態調査をやろうとしておるが、しかし現在の見通しとしては、それがどれくらい不足しているという大体の見当でございますか。
○後藤政府委員 昔のままで、二十五年、六年の補正の前から推移いたしたものという考え方でいきますと、たしか現在ではその差額が百七、八十億じゃないかと考えております。
○鈴木(直)委員 自治庁でこの間出しました報告書によると四百何億となっておったと思うのですが、あれは何ですか。
○柴田説明員 この間の報告書は実際に支払った給与と、財政計画上の給与の差額でございます。今部長がお答えいたしましたのは、二十六年のときに単価を改めずに、そのままその後におけるベース・アップを計算し、昇給率を見ていった場合には、そのくらいになる、こういうことであります。
○加賀田委員長代理 他に御質疑がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめておきます。 次会は来たる四日月曜日午前十時より、地方税法の一部を改正する法律案について参考人より意見を聴取することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会