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22回国会衆議院1955/05/28

地方行政委員会 第13号

発言数
38
登壇者
5
会派数
4
開催日
1955/05/28

会議録

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 これより会議を開きます。  地方自治及び地方財政計画に関する件について調査を進めます。  本日御出席の大臣は鳩山内閣総理大臣及び川島国務大臣でございます。なお各大臣とも所用のために本委員会に出席される時間が大体三十分程度でござていますので、発言される委員の方々はできるだけ簡潔に、要点に触れて御質問せられるよう特にお願いをいたします。  そてれでは通告順によりまして順次発言を許します。前尾繁三郎君。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 質問時間が十分に限られておりますので、ごく簡単に二、三の点を御質問申し上げたいと思います。  まず鳩山総理にお尋ねいたしたいのでありますが、今回の地方財政計画くらい不可解なものはないと言わざるを得ないのでありまして、そう言うよりはむしろ地方財政計画の権威を失墜したということを言わざるを得ないと思うのであります。従来のいきさつにつきましては、私部外者でありますからよくはわかりませんが、知事会なんかの話によりますと、最初自治庁は百四十億の赤字を出していた、ところがその調整がつかぬままにその百四十億を何とか国の方でやらなければならぬのだという主張であったように聞いておりますが、その後におきまして何の調整もされずに、そのまま百四十億が地方財政にしわ寄せになって、すべて節約に持っていかれたというように主張しておるのであります。従来のやり方からいいますと、ももろん自治庁と大蔵省の間にいろいろ意見の違いがあり、あらゆる努力をもって話合いをつけて地方財政にしわ寄せにならぬようにという努力がなされておったのでありますが、今回に限りましては何らそういう努力がされておらぬように思うのであります。その点は自治庁長官あるいは大蔵大臣ばかりの責任でなしに、私は総理大臣自身が地方財政の実情をよくお考え願って、そしてただ単に地方財政にしわ寄せをするというような行き方でなしに、もっとめんどうを見ていただく必要があったと思うのでありまして、今回の地方財政計画はだれしも認めておりますように、明らかに地方財政に非常なしわ寄せになっておるのであります。その責任は総理大臣がおとり願わなければならぬというふうに考えておりますが、御所見はいかがでありますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 地方財政が赤字で困っているということはよく承知しておりますが、地方財政に国の財政がしわ寄せを持っていったということは断じてございません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 これは非常に異なことを承わるのでありまして、これは自治庁自身も言っておられるように、百四十億の節約をしなければならぬ。すでにいろいろ節約をさせられた上に、さらに百四十億の節約をやらなければならぬ。ところがその百四十億という数字は私は実行不可能だと思います。全然地方にしわ寄せをしておらぬというお考えで総理大臣がおられるということになりますと、これは大へんなことだと思います。その点についてもう一度御答弁願います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 地方財政が赤字で困っている。赤字の累積したものについては政府においてこれが楽になるように、短期の債務を長期の債務に切りかえるというようなことについては、むしろ国が地方財政を助けていこうという気分でおるのであります。これから地方財政が赤字になる、赤字がまた始まるということについては、別の方法によって赤字が累積しないような、その源を断つようなことを考えねばならぬと考にておるのであります。地方財政の窮乏を国の方で救おうというようには考えておりますけれども、国の方の財政上のしわ寄せを地方財政に持っていったというようには考えておりません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 それは非常な認識の違いだと思いますが、それにしましても現在地方財政計画とその実態とは非常に遊離いたしております。そうしてその大部分は四百数十億に上ると言われております給与費の違い、それにつきましてその実態をきわめて、この秋に是正をしたいというような意向もあるようでありますが、しかしもう今年も半分済んでしまっているのであります。そこで実態と合わそうということになりましても、これは一挙にできるわけではありません。従ってこれはどうしても補正予算を組まなければならぬと思います。大蔵大臣は補正予算はお組みにならぬ御意向のようにも伺っているのでありますが、私は何としてもこれは補正予算を組んでいただかなければ——従来の赤字はもろんのことであります。私は従来の赤字のことを申し上げていろのではなしに、本年度もどうにもいかぬ、こういう事態に立ち至っていると思うのでありますが、補正予算を組むなり、地方財政に対しまして根本的にお考え直しを願うという御意思があるかどうか承わりたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいまは補正予算を組む考えは持っておりません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 補正予算を組まなくては地方財政がどうにもいかぬという事態が私は必ず来ると思います。これはおそらく自治庁の方も認めさるを得ないと思います。ただ単に組まぬというだけのお話で済む問題ではない。少くとも二十九年度の決算から二十八年度の決算を見ますと、非常に現在の計画は遊離いたしております。おそらく千億に近いものが遊離しているのではないかと私は思うのであります。必ず補正予算を組んでもらわなければ、地方団体はどうにもいかぬという実情にあると思います。それについてただいまのような御答弁でただ単に補正予算を組まぬというようなことでありましては、これは重大な問題だと思いますが、総理のお考えはいかん。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいまはそういう補正予算を組む意思はありません、

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 それはどうしても地方財政がいかぬという場合におきましても同様のお考えでありますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 ただいまはそういう考えを持っておりません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 時間がありませんから、水かけ論をやっておりましても、ふたがありませんが、これははなはだ不親切な御答弁だと思います。その御答弁を地方団体の諸君が聞きましたら、おそらくはみんな投げやりの気になるということを私は非常におそれる次第であります。もちろん赤字の原因にはいろいろな面があります。現在の財政計画あるいは地方税制あらゆる問題があると思いますが、地方行政あるいは地方団体の構成というもの自体も十分考えていかなければなりません。よく言われておりますように、現在の首長の公選制というものもかなり赤字の原因の重大なものであるということも認めざるを得ないと思うのでありますが、知事あるいは市町村長の公選制の問題につきまして、総理の御見解をお聞きいたしたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 地方財政が非常に膨張しまして困難を来たしておるということは、みんなが心配しておる事柄でありまして、これをどういうようにして赤字が累積しないようにするかということは、いろいろの方法があるだろうと思います。その一つの方法として、地方長官の官選というようなことを考え出したものと思います。前内閣においてはそういうような方針であったように……。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)それでは吉田前総裁の単なる意見であったかもしれませんが、そういうようなことを聞いたこともありますけれども、目下のところ、政府において地方長官の民選をやめるというようなことは、まだきまっておりません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 場合によっては間接選挙ということも考えられるのですが、それらについて総理の御見解はどうでございますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 一つの考え方と思います。研究を要する問題だと思います。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 赤字の問題ばかりでなしに、御承知のように現在の地方団体の機構というものは、かなりいろいろな矛盾に満もております。ことに市町村の合併が促進されて参りますと、府県に対して今後どういうふうな改正を加えていくか、あるいは道州制をとるかというようなことが重大な問題だと思いますが、それについて総理はお考えになったことがありますか、またどういうお考えを持っておられますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 私はいろいろな人のいろいろな意見を聞きましたが、まだ自分としてはいずれがいいか決心がつきません。

前尾繁三郎自由党

○前尾委員 とにかく府県なり市町村の機構に根本的な改革をやらなければならぬという必要性についてはお認めになっておりますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 前尾君と同様な考え方をしております。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に北山愛郎君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私もきわめて簡単に地方財政問題を中心といたしましてお伺いしたいのでありますが、現在の地方財政が最悪の事態になっておるということは、もう総理もお認めになっておることだと信じます。ところが今度の鳩山内閣が、一体地方財政の問題にどの程度の熱意と関心を持っておるかということについて、実は非常に疑わしい点が二、三ある。それはまず第一に、私は総理の施政方針演説をずっと見ましたが、この重大問題である地方財政あるいは地方行政の問題については一言も触れておらないのであります。それはまあいいといたしましても、第一次、第二次の鳩山内閣の組閣に際しまして、当面する地方行、財政の大きな問題を処理すベき自治庁長官の人事について非常に便宜的であった。しろうとを長官にすることは差しつかえないといたしましても、第一次内閣においてせっかく幾らか勉強された西田長官を、第二次においてはすぐさま取りかえてしまって、川島さんが新しく勉強し直すというようなことになってきておる。こういうような地方自治担当の大臣を便宜的に安易にかえてしまうというところに、私はどうも鳩山総理自身が地方財政、行政の問題について、深い関心あるいは熱意をお持ちにならないのではないか、こう思うのでございます。同時に今度の予算編成におきましても、御承知のようにこれが各省のぶんどりということでもってあの予算ができたのでありますが、その際にも、地方財政に対してはほとんど何らの考慮も払われておらない。その結果として、あの問題になっておる地方財政計画が出てきたのだ、こういうような一連の関係を考えますと、総理のお言葉ではございますが、どうも実際上この内閣は地方財政に対する認識が足らないのじゃないかと思われる。このように、昭和二十五年以来地方財政の赤字がだんだんふえてきた、それが昭和二十九年度のしまいには五百五十億くらいになるというような状態になってきたということは、これはやはり前の吉田内閣の責任だと私は思うのですが、鳩山内閣もまた地方財政の問題については同じように、あるいはそれ以上に冷淡ではないか、かような疑いを今申し上げたような事実によって私は感ずるのでございます。率直に申し上げるのですが、それについて総理の御見解なり、あるいはこの地方財政に対する対策についての所信を承わりたいのでございます。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 地方の財政がこういうように赤字が累積したことについては、非常な関心を持っておりまして、地方行政を軽視するというようなことは断じてございません。地方の財政についても心配しておりますから、この累積せられたところの赤字をどういうようにして処置するかということについては、法律を出して、とにかく短期の債務を長期に切りかえるということに着手いたしたのであります。それから根本的に赤字を根絶するというような方法につきましては、幾多のむずかしい問題がありますので、これらについては諸君とよく協議して、そうしてその解決を端からやっていきたいという考えを持っております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 次に、先ほども前尾さんからお話がございましたが、この地方財政問題についての責任の所在といいますか、これについて、実は鳩山内閣の考え方に若干の疑いを持っておる。それは、大蔵大臣の財政方針の中には、今度の地方財政の改善刷新については、地方団体が自分で自主的な努力をしなければならぬ、そして節約をし、収入をふやさなければならぬ、これがまず第一の仕事である、こう言っておる。ところが今年の三月二十五日に総理の名前で国会に出された地方財政の状況報告の中には、赤字の原因としてたくさんの理由をあげております。その原因の中には、たとえば国庫補助金の率が非常に低い、そういうものが累積して赤字の原因になっておるとか、あるいは災害復旧の経費の負担が非常に多いとか、あるいは国が当然払うべき金を地方団体に押しつけておる、こういうようなことが、総理の名前で出された政府の国会に対する報告書の中にははっきりと書いてあるわけであります。従ってこれは明らかに国の責任でなければならぬ。政府自身がそれをお認めになっておるというふうに考えますので、この赤字対策についても、全部とは申しませんが、その主たる責任は国にあるのであるから、その処理についてもまた国が責任を持ってやるのが当然であると考えるのでございます。ところが、今申し上げたように、一萬田大蔵大臣は、これはまず地方団体自身が自分の力で立ち上れ、そうして節約をして収入をふやせというようなことを強調しておられる。そこに政府部内の考え方の大きな違い、不統一があるのかもしれませんが、どうもこの責任の所在という点について不明確でございますから、この際果して鳩山総理はこの財政赤字の原因が報告書にあるように、国に相当責任があるんだ。従って国の責任においてやるというお考えであるかどうか、この点を明確にしていただきたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 地方の財政の窮乏に対して、国が全然責任がないとは申し上げられません。むろん国で支出した方が適当なものを地方でやむを得ず支出してもらっている部分もありましようが、国としてもこういうような財政状態であって、国としての支出をふやすというわけにも参りませんもので、何とかして地方林政の赤字の累積しないようにいろいろなことを考えねばならぬとは思っておりますけれども、どうしたらいいかということについてはいまだ成案がないのであります。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 成案がないと言われますけれども、しかし今度の国会に政府が出そうとしておる再建整備促進特別措置法、これが政府としては一つの方策であるとお考えだろうと思うのです。ところがその中を見ますと、結局二百億という再建整備の長期債をやらせる。そのうち政府資金はわずかに五十億、百五十億は市中銀行、地方銀行からの公募債、政府はわずかにその利子について本年度においては七千五百万円を補給するにすぎない。要するにこれだけ大きな地方財政の五百億以上の赤字問題の処理に対して、わずかに一般会計の予算においては七千五百万円の利子補給しか考えておられないのであります。私は実に変に思うのは、昨年あの国会で、例の疑獄問題で問題になった外航船舶の建造融資利子補給、これについては年々三十五億の予算を計上しておるわけであります。昨年も三十五億、ことしも約三十五億の利子補給を船会社に対しては出しておるわけであります。ところが地方団体、いわば国から見れば子供の関係にある府県や市町村に対しては、それが膨大な赤字が出ようともわずかに七千五百万しか出さない。それしか金がないとは私は断じて言えないんじゃないかと思うのですが、その点について総理のお考えを承わりたいのであります。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 とにかく船舶の建造については、やはり国家としてもできるだけのことをやるのが、国の発展上必要なことだと思うもんですから、一方にそれだけ出したから、地方の財政にもそれだけ出せと言われても、私にはただちに返事ができないのであります。とにもかくにも地方の財政が赤字が累積しないというような形ができて参りませんと、赤字が累積するからすべてそれを国でもって考えなければならぬということでは、赤字のとまる目途が立たなければ無理だろうと思いますので、ただいまのところ船会社に出すから地方にも年々四十五億ぐらいの利子の補給をしろと言っても、それには賛成はできないのであります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 北山君、時間ですから簡単に。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 しかし私ただいまの言葉、はなはだ不満なわけです。なぜなれば総理は施政方針の中でも、社会保障の充実とかあるいは住宅の政策あるいは失業対策赤るいは国民生活の安定ということを主要な政策として強調しておるのですが、その仕事を実際にやっておるのは国だけでやっておるわけじゃない。政府の機関だけでなくて、実際はその大部分というものは地方の公共団体がその実務をやっておるのです。従ってその大事な国の重要施策を実際に現場においてやる地方団体が赤字で、給料の支払いにも困るというような事態に対しては、どうして一体船会社と同程度、あるいはそれ以上の補給ができないか。私はむしろ政府の重要施策である、今の社会保障その他の施策というものが作文に終ってしまって、実際末端では地方団体がそれができない、こういう結果になると思うのですが、こういう点について重ねてお伺いすると同時に、この際地方財政計画については、先ほど前尾委員からお話しがあったように、これは非常に大きな問題でありまして、実行不可能なのです、せんだってここに参考人として、地方の町村会の代表、市長会の代表を呼んで聞いてみた。ところがどの地方団体の代表者も、一様にこの地方財政計画に不満である。不満であるばかりではなくて、これはただ机上の計画であって、実行は絶対に不可能であるという証言をいたしておるわけであります。事実一昨年の地方財政の規模というものは一兆二百億、昨年は一兆三百億くらいでありましょう。それが九千七百六十一億に詰めるということになりますと、四百五十億ぐらいのものを、この一年で一挙に圧縮しなければならぬ。こんなことがどうしてできるか。私もその町村会の代表の見解に対しては同様に考えるものでございまして、必ずこれは地方団体においては、実際本年度は年度の初めから給料の支払いにすら困っておるのです。それも一つや二つの団体ではない、みなが困る。それでは社会保障、失業対策、あるいは生活保護、そんなものはできやしない。そういう点において、この造船の仕事も大事でございましょう。しかし地方財政は鳩山内閣の重要施策を行うためにも、もっともっと大きな必要性があると思うのでありますから、その点についてもう少しはっきりとしたお考えを聞きたいのであります。今後これについて考える余地があるならは、この際その考え方をお話ししていただきたい。それからなお一つの方策として、これはちょうど今日本銀行が鉄鋼会社に対して金の支払い償還を延期しておる。約百億の金を期限がきておるのに、この元利の支払いというものを猶予しておる。日本銀行という政府機閥が勝手にそういうことができるのです。従って地方団体については、本年政府資金の中で元利償還として支払うべきものが三百七十億ばかりございます。地方団体は本年政府に対してそれだけ元利償還をいたさなければならぬ。過去の借金の元利を返すべき金が三百七十億もあるのです。それを一つ一年くらい繰り延べて延期してもらいたい。ちょうど日本銀行が鉄鋼会社にやっておると同じようなことを、なぜ一体地方財政に対してそれくらいなことができないか、私はそう思うのでありますが、総理はそれについて検討するというお考えはありませんか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 とにかく地方財政の赤字の累積は非常に重大問題ですから、もとよりいろいろな点を検討しなければならないと思います。ただいまのお話しの財政のいろいろな仕事についての分配等については、私よりも大蔵大臣の方が適当かと思いますから、後日大蔵大臣より答弁を求めていただくことに願いまして、この際は大蔵大臣に答弁を譲りたいと思います。私は船会社にどれだけ持っていったから、地方財政にどれだけ持っていったらよいだろうというようなことを即答することはちょっと困難であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 なお大蔵大臣は今補助金等に関する特別委員会に出席しておりますから、できればあとから出席していただくことにいたします。  中井徳次郎君。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 もう時間もございませんから、総理に簡単に一、二点だけお尋ねしておきたいと思います。  先ほどからの前尾委員、北山委員との問答を拝聴いたしておりますと、ごもっともな点もないわけではございませんけれども、どうも基本的に最近の地方自治体のことについてのお考えが、まだ十分頭の中に入っていらっしゃらぬのじゃないかと私は思うのであります。そこでちょっと申し上げてみたいのですが、鳩山総理が内閣書記官長をやられ、文部大臣をやられておりました大正の末期から昭和の初めにかけて、あの当時においてざえ、毎年の国の財政と地方財政の比率は、大体国の一年間の財政収支を一〇〇といたしますと、地方府県市町村の財政収支の合計は、少いときで一二五、多いときには実に一三五というような数字になっておったんです。ところが最近は御案内の通り一兆の国の予算であり、地方財政も九千七百億というふうなことである。ここに私は地方財政の赤字の最も大きな原因があろうと思うのであります。しかも戦争前の自治体の仕事と、今の自治体の仕事と、量を比べてみますと、最近の方が社会福祉国家だとか、文化国家だとか、国民生活の安定という名のもとにおいて、あらゆる法律がどんどん出ておりまして、それを実施いたしますものは全部府県市町村なんです。仕事は断じて滅っておらぬと思う。ここに現在の地方財政の赤字の大きな根本がもりまして、歴代の保守党内閣がどうもその点について抜本的な対策を講じなかった点に原因があると考えているのでありますが、この点について総理の見解を一つ伺ってみたいと思います。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 赤字の根本がただいま中井君の言うような点にあるかもしれません。赤字の根本については特に検討する必要があると思いますから、よく研究いたしまして善処いたしたいと思います。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 どうぞ真剣に御検討が賜わりたいと思いますが、それに関連しまして、ここ二、三年の国の財政は収支がきちんと合っておる。そうして赤字公債を発行しない、いわゆる健全財政である。こういうことにたっておるのであります。私は一国の国民生活、国民経済に及ぼす影響というものを考えてみました場合に、国の財政と地方財政とは、本質的には財政上何ら相違はない、かように考えておるんです。そういう意味からいって、地方財政には非常に公債その他が多いのでありますが、総理は今全国の府県心町村の地方債がどれくらいになっておりますか、そういう点について御認識がありますか。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 そういう点については、非常に申しわけがありませんが、よく存じません。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 私はこれまでここ二、三年の日本の財政計画というのは、そういう面だけから見ても、全体として相当インチキなものだと思うのであります。実は府県市町村の借金の総計、これは赤字ですよ、赤字公債です、それが四千億に達しておる。これに対する本年度の利払いは、一般の起債、たとえば電車とかパスとかいう公企業を除きました、学校を建てるのにちょっと金がないから借金をしようというふうな一般起債の利子だけで、二百七十億という数字に達しておる。元利を合わせますと、ことしあたりは全国の府県市町村でもって、五百十億という支払いをしなければならぬ。そして国が認めておる起債は、七百七十億であります。いわゆる借金貧乏をしておるということになっておるんです。どうぞ一つこういう点について、おざなりのお考えではなくて、もっと慎重に、今の民主党は新しい線を大いにお出しになって出発されたのでありますから、やっていただかなくては——私どもが申し上げておりますのは、これは府県や市町村の側に立っておるのではございません。国民の側に立って申し上げておるのであります。国民と直結して政治の窓口であります府県や市町村は、全く赤字で萎靡沈滞をしておる。サービス行政というようなものは幾ら東京で太鼓たたいたって、下ではちっとも動いておらぬというのが実情であります。もっと真剣に御判断がいただきたいと思うのであります。これに関連しまして、もうこうなったら何か機構改革でもやらなければならない。先ほどいろいろ御意見がありましたが、私どもはそういう意味において道州制なんということについても考えていったらどうか、実はいろいろ論議はいたしております。そのやり方にはいろいろありますけれども、明治の初期に作りました府県制度が、大方七十年たった今日、交通、通信が発達したのに、ちょっと二十分乗ったら浦和に行けるのに、埼玉県と東京都で別々にやるというふうな、こういう形をそのままにしておいて、おざなりで毎年々々政治を進めていくというようなことは、日本の内政の大きな問題であろうと思うのでありまするが、一つそういった道州制度の問題について抜本的におやりになる意思があるかどうか、一つお伺いをいたしたい。

鳩山一郎日本民主党内閣総理大臣

○鳩山国務大臣 とにかく今日地方の財政が非常に因憊をしておるということについては、みんなが心配しておる問題であります。それを根本的に治療するには、衆知を集めて真剣に考えなくてはたらぬと思います。そういうような事柄については、これからできるだけ勉強いたして参りたいと思っております。

中井徳次郎日本社会党(右)

○中井委員 衆知もけっこうでありまするが、もうわれわれは断行の時期ではないかと考えております。しかしこれをやりますには、私はやはり相当な安定政権でないとできないのではないかと思っておりまするが、この委員会は地方行政について、まじめに過去においてもやって参りましたが、どうぞもう少し認識を深めていただきたい。このことを私は強く総理に要望いたしたいと思います。財政の問題その他については、また大蔵大臣からお聞きをいたします。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 それではこれで総理に対する質疑は、一応打も切ることにいたします。なお本日はこれをもって質疑を終ることにいたします。  次会は公報をもってお知らせすることにいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後一時二十九分散会

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