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第22回国会衆議院1955/05/13

地方行政委員会 第7号

発言数
20 件
登壇者
4 名
会派数
3
開催日
1955/05/13

会議録

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 これより会議を開きます。  まず昨日に引き続き上山市における職員免職に関する問題について調査を進めることにいたします。  本件につきまして、川島自治庁長官より発言を求められておりますから、これを許します。川島国務大臣。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 町村合併によりまして、町村の規模の適正化が行われますと同時に、その事務機構、職員の構成も適正かつ合理的なものとし、新市町村の健全な運営をはからなければならないことは申すまでもないのでありますが、これが実施の方法につきましては、それぞれ法の定める手続及び趣旨を尊重して行わなければならないことは申し上げるまでもありません。今回の上山市の事件に関連して、町村合併促進法第二十四条と地方公務員法第二十二条との関係につきましては、法律上の解釈については事務当局よりお答え申し上げたところによって御了承いただいたのでありますが、法律の解釈上の問題はともかくとして、町村合併促進法第二十四条の趣旨にかんがみましても、本来新規に採用いたしました職員の試用期間に関する規定であります地方公務員法第二十二条の規定を適用し整理を行いましたことは、必ずしも適当とは言いがたいと考えられます。自治庁といたしましては上山市に対して直接本件に関し具体的な指示、取り消し等をいたすことはできませんが、自治庁といたしましても事態の円満な解決を見ますことを強く期待いたしております。なお御質問の趣旨も十分尊重いたしまして、法の運用において遺憾のないよう、地方公共団体に対し所要の通知をいたし、今後の注意を喚起するの処置を講じたいと考えております。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 北山君。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 自治庁長官が、昨日問題になった上山市事件について、その意義の重大なことを考えて、ただいまのようなお話があったことは、私どもたいへんけっこうだとは思いますが、そのお話の内容について若干確めておきたいのでございます。それは法の解釈、地方公務員法第二十二条の解釈については、昨日の事務当局の説明で了承されたと思う、こういうお話でありますが、その点については必しずもわれわれとしては了承しがたいのであります。この解釈については少くともいろいろな意見があり、あるいは解釈のやり方がありまして、少くとも疑いがある。自治庁の解釈が最終的な解釈ではございませんから、ただ一応自治庁の現在の当局者が解釈されたものにすぎない。おそらくほかの解釈もあり得ると思うのであります。しかも十分ほかの解釈が出てくる理由がある、こういうふうに思いますので、その解釈については、私どもは自治庁の解釈が唯一の解釈だとも思いません。ただ自治庁がそういうふうに考えておるというようなことは認めますけれども、それが正しい解釈だとは私どもは考えておりませんので、その点ははっきりしておきたいのであります。ただこれは一つの解釈にすぎない、しかも言葉の上の解釈であって、結果としては地方公務員法第二十二条の本旨というものとはまるで違ったものになる解釈である。こういう点について、昨日の質疑の中でも話がありましたが、少くとも地方公務員法第二十二条をこのような事件について適用するのは適当でない、そういうふうな規定であるということを大臣はお認めになるかどうか、その点を確かめておきたいのであります。  それからもう一つは最後に法の運用については所要の手続をとる、各地方団体に対して適当な措置をとるというようなお話でありましたが、一体どういうふうな所要な手続をおとりになるのであるか、その点をお伺いしておきたいのであります。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 ただいま北山さんの御意見の通り、地方公務員法第二十二条を適用することは適当でない、かように考えております。  それから先ほど私から申し上げた趣意は、都道府県知事に通牒を発しまして、都道府知事から市町村に徹底するように処置をいたしたい、かように考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 くどいようでありますが、そうしますと、町村合併によって職員の引き継ぎをして、新市町村に前の職員が引き継がれる、こういうような場合には、地方公務員法第二十二条を適用することは適当でないというような内容の通牒を、地方の知事を通じて各市町村にお出しになる、こういう意味でございますか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 お話の通りでございます。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 今大臣の言明があったのでございまして、具体的に発生している上山の問題について善処するということでございますが、単に善処ということは、どういう方法で、どういう工合になさるのか、この問題としましては二十二条の適用は不当である、こういうことでありますので、その精神はやはりその善処方に貫かれなければならない、かように思うわけなんでございます。その点どのようになさるか、お話を願いたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 上山の問題はすでに発生いたしました問題でありまして、自治庁長官といたしましては、法規的にこれを取り消したり、指示をしたりすることはできないのでありますが、全国知事にこういう通牒を発しますから、それに従いまして上山市長が適当に善処してもらうことを期待しておるわけであります。これ以上自治庁長官として立ち入る権限を持っておりませんから、市長の自発的な行動を期待する以外には方法がないわけであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 そのような工合に、全国の最も先がけた法の完全悪用というか、そういうものが出て、それが出てしまったあとはどうにもしようがないということであるとするならば、そのような通牒を全国の都道府県に出されましても、やはりやってしまえば仕方がない、こういうことに相なるのではないかと思うのです。それではせっかくの大臣の言明もあまりにも効力が薄い、こういう工合に思われるのであります。それをせっかく出されたんだから、やはり上山の問題についてももう少し積極的な措置をわれわれは期待せざるを得ないわけです。それこそほんとうにその後に出される通牒の趣旨を完全に生かす道である、かように考えるのであります。それを撤回せよとかいう命令権はないにしましても、自治庁長官としてのなすべき仕事は十分にあるだろう、かように考えるわけでございます。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 自治法の建前が自治庁長官として地方公共団体に対して助言勧告の程度しか認めておりませんで、強い監督権がないものですから、こういう事態が起った場合に、これを積極的に取り消しを命ずるようなことはできない建前になっておるわけであります。あくまでもこういう通牒を発しまして、今後再びこういう事態を繰り返さないように助言勧告をする程度のものでありますから、すでに起りました事件に対して、これを取り消すということはでき得ないのでありますが、私どもとしましては、法の解釈を徹底させまして、市長の善処を促すということには、この通牒が役立つじゃないかという期待をいたしておるわけであります。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 自治庁が強い監督権、命令権など持たないということは私ども知っておりまするし、それでなければ、また旧内務省的なものの復活になることであるから、軽々に強い監督権を与えるということも考えなければならぬと思うのです。しかし単に一般的通牒だけで自治体がそのやったことを反省することをばく然と期待しておるというだけではこの問題の解決に至らない、こういう工合に考えられるわけなんであります。それは一般的勧告のほかに、直接に上山市長に対しまして助言勧告という措置を強くとられることが妥当である、そしてその助言勧告が生かされて初めて今後その一般通牒が力を持ってくるということになるだろうと思うのであります。自治庁長官としては、今最初に発生し、そしてその通牒を出さなければならぬようなことになった契機である上山の問題について特別に取り上げて、直接にそこに助言勧告を強くなされる、こういう措置をなさっていただきたい。そしてその助言勧告が生かされるような方法をぜひとって下さらなければならないのじゃないか、かように思うわけなんであります。そういう御努力を一つお願い申し上げたいのですが、この点いかがでございましようか。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 先ほど申し上げました一般通牒を発すること自体が、助言勧告の一種の形式でありまして、この通牒によって上山市長が善処することを私どもは期待しておるわけでありまして、これ以上自治庁長官として正式にこの問題について関与することはやはり行き過ぎになりはしないか、こう考えるわけであります。その通牒の趣旨に基いて適当に善処を期待しておるのであります。それ以上自治庁長官としてあまり入ることは、自治体に対する干渉のおそれが起るじゃないか、あるいは悪い慣例でも起るじゃないかということも多少心配になりますので、この程度で一応経過を見ようと考えております。

西村力弥日本社会党(左)

○西村(力)委員 私としては大臣のとられておる立場も相当理解できるのですけれども、そもそもそういう通牒を全国的に流さなければならぬようになったそのきっかけがあの上山の問題ですし、また上山市長あてという工合にして出しましても、それは決して命令じゃない、勧告助言という形をとるのですから、これは自治侵犯というようなことにはならない。そうならない限界のぎりぎりにおいて、出す通牒を生かすというためには、ぜひこの上山市に対してそういう処置をとられるのだ、そしてその助言勧告が生かされることを期待する、それが行われてこそ今後の通牒というものが力を持ってくるという工合に考えます。そうしなければ単に漠然と期待するだけでは、今後発生した場合に、それは実際に発生したのだからやむを得ない、こういう工合になりまして、二十二条の適用は不当であるという解釈が全然意味がなくなってくる。せっかくの大臣の御言明でありますけれども、その力というものは非常に薄いものになるのじゃないだろうかというふうに考えられるのであります。何とぞ一つ私が申し上げましたような工合にとりはからっていただきたい。大臣は事務当局の方々の助言によって、いろいろ御答弁のようでございますが、とにかく大臣はただ事務当局的な感覚だけでは、大臣はとても勤まらないのではないかと私は思うのです。それで大臣としてやはり大きく地方自治を伸長するという立場からいいまして、上山という問題を特殊に取り上げて、命令でない助言、勧告を行う、こういう一歩進んだ取扱いをお願いいたしたいのであります。これに対しまして御答弁いただきたいと思います。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 西村さんのお話は、御希望としてよく聞いておきまして、なるべく紛糾の起らないように努力いたしますし、上山の問題につきましても同じような考えでもって処置いたしたいと考えております。

北山愛郎日本社会党(左)

○北山委員 私一つ長官に希望を申し上げておきたいのですが、この事件は昨日参考人を呼んでいろいろ聞いてみますと、高橋市長という人はどうも法律の運用について、いろいろ間違いを起しておるわけなんです。単にこの問題だけでなしに、これに関連して全職員に対して一応解雇の辞令を出して、それから首切りの分を除いてまた復職の辞令を出してみたり、自分に人事権がないのに解雇をしようとしてみたり、また給与規定にない手当を出してみたり、あるいは単純労務者を普通の公務員の扱いをして解雇しようとしてみたり、非常に法律の運用について間違いをしようとしている。ところが御本人が主張しているのは、町村合併によって行政整理をするのだ、それが市民に対する市長の任務であるというような点を非常に強調して、その目的がよければ何でも手段は許されるというような、非常に法律の運営上についても間違ったやり方をしようとした、こういうことがわかったわけなんです。これは単にこの問題になった公務員法の二十二条だけの問題でなしに、それ以外の点についてもそういう点がたくさんあります。そこでこれについてはやはり川島長官のいわゆる激励問題、これも若干は影響があったじゃないかというように思います。また自治庁が行政指導する場合の法の解釈についても、若干そういうふうな事態を引き起すようなあるいは解釈を与えたのではないか、こういうふうな疑いもわれわれ感ずるのであります。従ってこの地方公務員法というのは、御承知のように非常に規定が抽象的でございますが、地方公務員としてはその身分を守る、あるいは給与を、労働条件を守るためには非常に大事な法律です。従って地方公務員法の運営についてのいわば番人というような自治庁においては、その公務員法を正しく運営するという点について、もう少し公務員の立場に立って親切に指導していただきたい。こういう問題もあらかじめ法の解釈上よく気をつけて誤解の起らないように指導されておったならばこのような問題が起きなかったのじゃないか、かように考えますので、こういうふうな上山市長の間違った法律解釈、そうして本来ならば顔をそるかみそりであるべきものを、首切りの道具に使うという間違った法の運営が地方の団体において起らないように、そういう間違った運用が起きないように、一つ今度の通牒の中でもいいし、あるいは別個でもいいですから、十分その点は考慮して今後の行政指導に当っていただいて、いやしくもこういう問題のために町村合併促進が大きな障害に打ち当ることのないように希望いたしておきます。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 それでは本件はこの程度にいたします。     —————————————

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 次に昨十二日本委員会に付託になりました地方道路譲与税法を議題といたします。政府の提案理由の説明を聴取いたします。川島国務大臣。

川島正次郎日本民主党行政管理庁長官・自治庁長官

○川島国務大臣 ただいま議題に供されました地方道路譲与税法案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明いたします。  すでに一昨年におきまして、道路整備費の財源等に関する臨時措置法が制定され、揮発油の大部分を使用して運行される自動車が道路を損傷いたしますことから、揮発油税による収入は道路整備の財源に充てるべきものとなされ、また昨年度におきましては、昭和二十九年度の揮発油譲与税に関する法律が制定され、揮発油税収入の三分の一を都道府県及び五大市に道路に関する費用の財源として付与いたしましたことは、御承知の通りであります。  しかしながら、この揮発油譲与税の制度を恒久の制度といたしますことは、国の道路財源としての揮発油税との間に相当の調整をはかる必要がありましたので、さしあたり、これを昭和二十九年度限りにいたし、爾来昭和三十年度以降の措置について鋭意検討を加えて参ったのであります。  今ここに道路行政の実態を見まするに、自動車の利用度のきわめて多い国道及び都道府県道の維持管理の責任者は、都道府県及び五大市またはその長でありまして、これらの道路の維持管理に要する費用も、原則として都道府県及び五大市の負担となつており、その額は決して少くないのであります。また道路整備五ヵ年計画の実施に伴う費用のみならず、この計画に取り上げられていない一般の都道府道その他の道路の改築、修繕等に関する費用も多額に上っている現状であります。  従いまして、ここに恒久的制度として、地方道路税を創設し、その収入額の総額に相当する額を都道府県及び五大市に対してその区域における国道及び都道府県道の面積を基準として譲与し、その使途については道路に関する費用に充てなければならないものとする地方道路譲与税制度をとることにより国道及び都道府県道の維持、修繕、改築等のための自主的財源を与えるとともに、他面国庫補助金制度に伴いがちな弊害をできるだけ排除いたしたいと考えたのであります。これが今回地方道路譲与税制度を設けようとする趣旨であります。  以下この法律案の具体的内容を簡単に御説明申し上げます。第一は地方道路譲与税の額でありますが、すでに御説明いたしましたように、地方道路税の収入額に相当する額とし、これを都道府県及び五大市に譲与するものといたしております。その額は昭和三十年度は初年度でありますため七十三億円でありますが、平年度におきましては九十四億円となる見込みであります。  第二は譲与の基準でありますが、それぞれの都道府県及び五大市の区域内にある国道及び都道府県道の面積に按分して譲与するものといたしております。  なお、この道路の面積につきましては、各都道府県の道路の実面積とそれに要する経費とは必ずしも正比例しませんので、幅員による道路の種別、自動車一台当りの道路の延長等により、これを補正することができるものといたしておるのであります。  第三は譲与時期でありますが、地方交付税及び入場譲与税の交付または譲与時期との調整をはかりまして八月、十二月及び三月の三回とし、地方道路譲与税が地方道路税の実績に基いて譲与されることにかんがみ、原則として前四ヵ月間に収納した地方道路税の収入額に相当する額を譲与することにいたしております。  第四は地方道路譲与税の使途であります。すでに御説明いたしましたように、地方道路譲与税は、道路に関する費用に充てなければなりませんが、道路に関する費用である限り、特にその範囲を限定するものではありませんので、道路整備五ヵ年計画の対象になっているかどうかにかかわらず、広く道路事業に充てることができるものとしたのであります。  以上、地方道路譲与税法案につき、その提案理由並びにその内容の概略を御説明申し上げたのでありますが、これらのほか地方道路譲与税の会計につきましては一般の歳入歳出と区分して経理する必要がありますので、別途関係法律の改正案を用意いたしております。  何とぞ慎重御審議の上すみやかに本法律案の成立を見ますようお願いいたす次第であります。

大矢省三日本社会党(右)

○大矢委員長 本案に対する質疑は後日に譲りまして、本日はこの程度にいたしたいと思います。  なお次会は、十六日午後一時から理事会を開きまして、一時三十分より委員会を開くことにいたしたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。    午後二時三十三分散会

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