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22回国会衆議院1955/05/12

大蔵委員会 第6号

発言数
32
登壇者
7
会派数
3
開催日
1955/05/12

会議録

松原喜之次日本社会党(左)

○松原委員長 これより会議を開きます。  まず、去る九日当委員会に審査を付託されました日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。政府側より提、案理由の説明を聴収いたします。藤枝政務次官。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 ただいま議題となりました日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。  日本輸出入銀行は、昭和三十五年十二月二十八日に設立されて以来、プラント輸出を中心とする輸出入金融を適切に行い、わが国貿易の振興に格段の寄与をいたして参っておりますことは、御承知の通りであります。本年三月末における日本輸出入銀行の融資残福は、二百四十七億円に達しておるのでありますが、なお、東南アジヤを初めとして、海外からのプラント輸出等の引き合いは、現在すでに相当の額に上っているほか、最近のプラント輸出契約の事例を見ますと、その契約条件は、依然として長期化の傾向にあり、従いまして、日本輸出入銀行の融資を必要とする事案は、累増する見通しであります。  昭和三十年度における日本輸出入銀行の融資見込み額といたしましては、年度内融資四百八億円、年度末融資残高見込み五百五億円と推算いたしておりますが、現在の資金量は資本金二百十億円、借入金八十億円、合計二百九十億円でありまして、この資金量をもってしては、当然不足を来たしますので、本年度中に新たに産業投資特別会計から百四十億円、資金運用部から八十億円、合計二百二十億円の資金を供給することといたしたいのであります。この産業投資特別会計からの百四十億円は、同特別会計からの出資金とすることになっておりますので、日本輸出入銀行の資本金を、百四十億円増加して三百五十億円といたしたいのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。  何とぞ御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。

松原喜之次日本社会党(左)

○松原委員長 これにて提案理由の説明は終りました。引き続き本法律案及び農業共済再保険特別会計の歳入不足をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、昭和二十九年の台風及び冷害による被害農家に対して米麦を特別価格で売り渡したことにより食糧管理特別会計に生ずる損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案、漁船再保峡特別会計における給与保険の再保険祖業について生じた損失をうめるためり一般会計からの繰入金に関する法律案、臨時通貨法の一部を改正する法律案、あへん特別会計法案、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、国民金融公庫法の一部を改正する法律案の九法律案を一括議題として質疑を続行いたします。井上良二君。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大蔵大臣は出席はできないのですか。

松原喜之次日本社会党(左)

○松原委員長 ただいま予算委員会に出席中で出られないそうであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 大蔵大臣に対します総括的な税制の改正並びに各金融機関の関係法規の一部改正、その他総括的な質問がありますけれども、これはいずれ大蔵大臣が来たときに質問いたすことにいたしまして、大臣への質問は一応留保をいたしておきますが、この際部分的な問題として、政府は本年の税制改正に対する穴埋めといたしまして非常に大きな財源としておりますのは酒税の増徴でありますが、この沼税の増徴の裏づけといたしまして、     〔委員長退席、横路委員長代理着席〕 二十八年度の酒造米を八十二万石でありましたものを、本年は百万石にふやすということにいたしまして、酒税の大増徴をはからんといたしておるのでありますが、この措置の可否についていろいろ問題があります。一方所得税関係において、低額所得者を中心にした減税をやることが、これら勤労国民の生活を安定、向上さす上に絶対に必要であるという国民的な世論の背景に基いて提案されたのでございますが、この減税が生活の上にそれだけの潤いがもたらされるということになる場合は非常にけっこうでございますけれども、直接税において減税をして、片一方間接税の方で増徴をする、このことは、結局差引何ら勤労国民の生活の予算上にゆとりを残すことができないということになっておるのであります。この政治的な解釈につきましては、大蔵大臣から伺うつもりでありますけれども、事務当局としては、かようなことを政府から命令された、だからそういう措置をとった、こういうことで済むかもわかりませんが、現実に事務を担当して責任ある処置をしようといたします場合お考えを願わなければなりませんのは、多分この二十万石は、主として二級酒を作ることになりはせぬかと思うのでありますが、それで大体どのくらいの漕が製造され、その反面に二級漕がそれほど国民から要求されておるかどうかということであります。私どもの方に参っております陳情からうかがいますと、最近政府のデフレの影響が次第に徹底して参りまして、高級酒はもちろんのこと、二級酒、合成酒、しょうちゅう、ビール等に奄るまで非常に売れ行きが悪くなって来ておるということであります。だから、これら大衆酒に対しても税金を下げてもらいたい、こういう陳情が来ておるのであります。政府としましては、需要に応じられるし、またこれだけは完全に消化され得るという根拠を一体どこに置いておられますか、これをまず最初に伺いたいと思います。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺政府委員 昨年度の状況と本三十年度の状況、これを一応対比しながら御説明申し上げまして御了解を得たいと思います。  二十九年度に供給されました酒は、大部分が二十八酒造年度といいますか、一昨年の暮れに米の割当を受けた分でありますが、この分による酒のできました量が二百四十三万石程度と思います。これは割り水などをいたしましたあとの庫出しできる石数というふうになっておりますが、このうち約十六万石は、政府の会計度でいいますと、二十八年度中にすでに出荷されております。これをわれわれ早出しと言っております。従いまして、この二百四十三万石の中で二十九年度に出荷できるものは、これから六万石引いた数字であります。こうした状況から、非常に二級酒の供給不足が生じまして、市場におきまして二級酒がないということで、かなり各方面からいろいろな批判を受けたわけでございます。従いまして、昨年割当てを受けました米のうち約三十一万石をこの方に向けまして、二十九年度に庫出しされました数字は二百五十八万石でございます。予算におきましては二百十二万石見込んでおりまして、現実に二級酒で出荷されましたのは二百五十八万石。今度米の割当てを百万石受けまして、これによりまして供給可能の石数は二百九十六万石、このうち三十一万石は、先ほど申しましたように二十九年度中にすでに早出しされておりますので、これは差し引かなければなりません。同時に、われわれの方で予算で二百八十三万石と積算しておりますのは、毎年こういうふうに一月、二月ごろになりましてある程度早出しが行われますと、この早出し分を約十八万石、本年の三十一万石よりずっと減らしまして十八万石程度見込みまして、一荷八十三万石。市場の消化能力でございますが、いろいろな声がございます。三百万百石くらいは十分消化できるではないかというような声がございますが、われわれの方としましては大体二百八十三万石見込んでございまして、これは供給可能であり、同時に、この程度はそう無理をしないでも消化できる数量ではないか、こういう見込みでもって予算の積算をしております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 主税局としては、低額所得者の減税をするということは、低額所得者が生活が困難であり、生活不安の現状に置かれておるから、できるだけ電税は軽減し角波をしていく、こういう考え方でございましょうか、それに間違いありませんか。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺政府委員 現在税負担が非常に垂いことは御承知の通りでございましてあらゆる方途を講じまして、できるものなら軽減していくべきではないか、かように考えております。従いまして、今回の改正におきましては、低額所得者を中心としました減税を考えまして御提案申し上げた次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 低額所得者の一番重要な生活必需品は何とお考、えになっておりますか。

渡辺喜久造大蔵事務官(主税局長)

○渡辺政府委員 まあ何と申しますか、やはりわれわれは、生活の中心は衣食住といいますか、食の問題、衣の問題、住の問題、いろいろな点におきましてそれが充実されて行き、同時にそれが所得の上におきましてできるだけ堅実に確保されていくということを国として考えていくべきものではないか、かように考えております。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 非常に常識的な質問になりますけれども、低額所得者の減税をする一番重要な目的は、低額所得者の生活をできるだけ楽にさしてやろう、こういうことであります。低額所得者の生活費の中で一番多く支出されますものは主食費であります。主食費が一番大きな部分を占めておることは御存じの通りでございます。ところがこの主食を、政府が一カ月のうちで何日一体責任を持っていられますか。現在政府で責任を持っております主食の配給は、一カ月十五日が米であります。あとは責任を持っておりません。その十五日の米の配給のうちで、大都市におります勤労所得者の大部分が、内地米を七日ないし八日分しか配給を受けておりません。七日ないし八日分の内地米しか配給されない現状において生活をいたしておる事実から考えて、これらの人々の生活ができるだけゆとりを持つように、何とか税の方面でも考えようという親心で減税をされる政府が、この主食の増配に必要な米の確保に全力を注がずに、これを酒米の方に持っていくという考え方はどういう考え方ですか。それをひとつ政務次官から御答弁を願いたい。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 主食を確保しなければならぬときに、酒米の方にある程度のものを増加するのは筋が違うじゃないかということでございます。一体酒米にどのくらいの米を回すかということが常に問題になりますることは、御指摘の通りであります。ただ従来考えますると、なるほど二十九年に出ました酒のための酒米、すなわち二十八年産米を主としておりますが、これは申し上げるまでもなく二十八年が非常な凶作でありましたために、酒米もそれにならいまして八十万石程度に落したわけでありますが、その前年の二十七年産米の場合には九十四万石ぐらいいっていたと思います。昨年も御承知のように、なるほど一部凶作の地帯もありましたが、全国的に見れば二十七年の産米と大体同じようなことでありましたので、かたがた百万石の酒米をを使ったということになっておる次第でありまして、従来の例から考えまして、その年の産米とそれから酒米に回す割合というものは、あまりふやしたということにはならないんじゃないかと考えておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 これがかりに五万石であろうと十万石であろうと二十万石でありましょうとも、政府は飯を食わぬでも酒飲んどったらええ、こういう考え方ですか、それなら話がはっきりします。そこをはっきりしてもらいたいと思います。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 配給に回す米をなるべくたくさんにするということは理想でございます。しかしこれは井上さんも十分御承知のように、お酒に対する大衆の要求というものも、全然これは無視するわけにいかない。その辺のかね合いをどの程度で押えるのがいいのかということが問題であろうと思います。政府は単に酒米をふやして税金をたくさんとれは、米の配給はどうでもいいのだという、そうした大それた考え方は全然持っていないのでありまして、むしろ今回ふえましたのも、実は密造酒に米をつかしておる数量も相当莫大になることは、すでに当委員会でも御指摘になっておる点でありまして、そうした面も密造酒の取締りを強化いたしまして、密造でつぶされる米をできるだけ少くいたしましてこれが配給に回る政府の買い入れに回るような処置をとりたいというような意も考えまして、ただいま申し上げましたような数量を酒米に回したような次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 酒の需要が大きい。酒を作ることが、やはり多少でも国民生活に潤いをもたらすという純粋なる考え方で増石をされておるなら、文句を言いません。ところがそうではないのです。片一方直接税において減税をした。その減税の穴埋めに酒の増徴をいたすということは、大蔵大臣の財政演説ではっきり説明がされておるじゃありませんか。これは完全に所得税その他における直接税の減税を、酒税や砂糖消費税の増徴に振り向けておることは明確であります。そうしますというと、片一方所得税を安うしてやらなきゃならぬと言うておりながら、片一方の方には減税をするぞということで軽うしておいて、片一方間接税で増徴していくならば、片一方の方は重くなるから、結局これは差引何にもならぬということに事実上なるじゃありませんか。所得税で、かりに御説明のように一万円以下の者がこれこれ減税になった、あるいは二万円以下の者はこれこれ減税になったといってえらい喜ばして置いてその減税になった分で米を買いに行ったときには、米のやみ相場は非常に上って高くなっておる、それで買われぬということになっちゃう。一体あなた方は何をしておるんですか、一体こんなべらぼうな話がありますか。そういう国民をばかにした税制の改正なんてありませんよ。日本は米が不足をして外国から貴重な外貨をかけて輸入しておる現状じゃありませんか。そうするならば、酒米は普通配給しておる米よりも一番いい米じゃありませんか、内地米では最高の米を酒米に使っておる。最高の米を酒米に使って酒を作って、酒に酔わして、そうして片一方じゃ腹の減る国民を作っている。そういうべらぼうな話がありますか。そこでもしこれが十万石であろうが、十五万石でありましょうとも、それは、数量としては全体の配給量をそんなに大きく引き上げる石数じゃございませんがしかしこれは重要な産業に従っておる労務者のあるいは加配米に使うなり、あるいは病院に入院しておる人々に対する食糧としてこれが追加されるなりいたしますならば、どれだけ大きな潤いを与えるかわからぬ。また生産力増強の上にも、社会不安を除去する上にも非常に役立つ政策であります。そういう方面に対する処置を考えずに、ただ二級酒が足らぬ、二級酒の需要が多いから、そこで二級酒をうんと作ればいい、そういう甘い考え方で食糧政策を扱われたらたまったものじゃありません。そうしてまた現実にそういうようなことを多少やりましたところで、そんなに大きな密造酒が減るとは考えませんし、またそれほどその方面が需要が高まりますならば、合成酒をどんどん作ればいい。そういう大衆酒に対してもっと政府が熱意を入れますならば、十分それに肩がわりはでき得るのです。そういうような面に対する処置をちっとも考えずに、ただ費電な米を漕米に二十万石も持っていかれてそれで片一方の減税の穴埋めをする、そういうことでは国民は納得しません。あなた方は現実に勤労者の食生活の現状を弁考えになったことがありますか。主人が会社や工場に出るのに、その持っていく弁当を詰めるのに、家庭の婦人が一体どれだけ難儀しておるか。その事実を考えずに、ただ簡単にこんな措置をとられてはたまったものではない。そういうことに対する政治的責任をお感じになりませんか。単なる減税の割り振りや何やらの関係ではありません。国民の食生活に関する重大な基本問題がここに横たわっていることをお考えになりませんか。そんなことはお気づきになりませんか、その点に対する責任ある御答弁を願います。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 酒米にどの程度回してよろしいかというような点につきましては、先ほどお答え申し上げたような観点からいたしたのであります。それから井上さんの御質問の前提として所得税を減免するために、酒米を無理やりにふやして酒の税金をたくさんとるというような観点からの御立論のようでございますが、突は私どもは、先ほど申しましたように、少くとも今までの一般的な消費者に対する配給量を減らさない、配給量を維持しつつ、しかも酒米にこの程度は回せるということで百万石を決定いたしました。そしてその結果、相当の増収分が見られて参りましたので、これをむしろ所得税の、減税に振り向けるのが妥当でないかというふうに考えて実はこの減税案を作りましたので、減税をするために酒米をふやし、酒の税金を増徴する。いうこととは反対な立場にありますことを、御了承いただきたいと存ずるのであります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 あなたがそういうことを言うなら申し上げますが、それほど現実に酒の配給云々を言われるなら、酒は末端においては一体どういう配給の仕方をしておるのです、配給じゃありません。現実に自由にどこでどうしようと勝手気ままにほったらかしておいて、需要があるからどんどん作ったらいい、それはべらぼうな議論です。片一方では、今米はたった八日分しかもらっていません。これは配給です。その配給に回す米を酒に回して酒を作って、末端では勝手にどこでどうしようとかまわぬ、飲めるだけ飲んでしまえというように野放しにしておるじゃありませんか。配給を云々するならば、少くとも重要産業に従っている人なり、特に回さなければならぬ人に酒を回して、なおかつだぶつくものがある場合には、他にも自由に飲ますという規制を行うべきであって酒の末端の状況は勝手気ままにしておいて、それで、酒の需要が多くなったから米を多く回して、酒を多く作った、そうしたら税金が多く出てきた、そんな理屈がありますか。片一方はやはり減税をして、どうしても穴埋めを考えなければならぬ。その場合に増税をするわけにはいかぬ。片一方では減税をしているから、増税をしたのでは国民の非難を受けるということから、あの手この手の抜け道を考えてやった結果にすぎないことは明らかである。これはあくまで減税の穴埋めとは考えられない。

藤枝泉介日本民主党大蔵政務次官

○藤枝政府委員 先ほどの御立論が、所得税を減免するために無理やりに酒米をふやしたじゃないかという御立論のようでございましたので、実は酒米の配給をいかにきめるかということは、現在の消費者に対する米の配給を維持しつつ、確保しつつ、しかも酒にどの程度回せるかというような観点から酒米を決定いたしました。こういうふうに申し上げたのでございまして従ってその結果相当の増収もあるという点を考慮いたしまして最も減税の必要である低額所得者の減税に充てた。こういうふうに申し上げた次第であります。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この問題は、国の食糧政策並びに税制改正の根本問題に関する問題でありますから、政務次官の御答弁では私どもなかなか納得するところまでいきません。いずれ大蔵大臣でも見えましたら、大蔵大臣に所見をただしておきたいと思います。  この酒造米を増石することに関連をしまして、国税庁長官に伺いたいのですが、御存じのように、戦争前の造酒につきましては、戦争に勝つためということと食糧不足という現実から、これを統制いたしまして、企業を整備して、少数のものに統合されてきた。ところが戦争が済みまして、たしか昭和二十二年か三年ごろから、この企業整備による転廃業者が、戦争も済んで平和になってきたことであるから、また新しい憲法の規定に基きましても、さような強制力を伴う企業統合による独占的な酒造というものは時代錯誤であるという見地から、これら転廃業者から、何とか戦前の基本石数を返してもらい、酒造業を許してもらいたい、こういう運動が全国的に起って参りまして、国税庁におきましてもこの運動の正当性を理解されて、各地の国税局及び税務署管内において、適当にこの問題を——酒造協会といいますか、酒造団体との間で円滑な話し合いをさして、問題を解決するようにというあっせん的な通達をされているということも伺っておりますが、その後この問題はどうなっておりますか。もしまだ話がついておりませんといたしますならば、少くとも今回増石をされますこの機会において、従来の既得権を分けるということは、実際なかなかむずかしい問題がいろいろあろうとも考えますし、従来酒米の割当を受けているものを減らせということは、なかなか困難であろうと思いますので、幸い今度新しく二十万石近くも増石をされるのですから、その増石される分で旧基本石数を復元してもらいたいという、この転廃業によって今日までがまんをしてきましたこれらの業者に、新しく業者間で、組織を作らせまして、それに増石分を分けるようにしますならば、非常に円満に話が解決していくのじゃないかと考えます。そういう点に対してどういうお考えをお持ちになっておりますか、この際伺っておきたいと思います。

平田敬一郎国税庁長官

○平田政府委員 戦時中企業整備を受けまして気の海な目にあわれた方々に対しましては、実は終戦直後たしか二十一年でしたか二十二年でしたか、そのころ一度は復活の機会を認めることにいたしたのでございます。ただその当時は、いかにも米の割当が少くて酒類の生産量が全体として少かったために、地方的にもなかなか円滑にいかぬところもありまして、まあ最後的にはある程度のところでしんぼうしてもらって役所で実は復活を認めるということで参ったのでございます。それでその当時から相当熱心な方々の場合にはある程度解決を見ております。ところが非常に混乱期でありましたために、完全な解決を見ないで最近まできてしまったのでございますが、昨年は、ただいま御議論がありましたように酒造米も若干、若干と私どもは思っておりますが、増加いたしましたので、この機会に、やはりそういう気の毒な方々の救済的な措置を私どもといたしましてもできるだけ講じたいというので、役所といたしましては、業者の間に立ちまして、なるべく円滑に話し合いをつけていくように、気の毒な人の立場を十分与えて、同情ある態度であっせんの労をとるということでいたしたのであります。しかし昨年は少し申し出がおそかったのと、時期の関係もありまして、地方的にうまくいったところもございますが、なおいかないところがだいぶんありますことは御承知の通りでございます。そこで本年度といたしましては、私どもさらにもう少し進みまして、業者間におきまする円滑な話し合いができますように一そう適切な指導をして参りたいと考えておるわけであります。ただ先ほど酒米の議論がございましたが大体戦前は三百万石から四百万石の米を酒に使いまして、清酒で四百万石から五百万くらい実は作っていたのでありますが、だいぶふえたといたしましても百万石程度でございます。アルコールをだいぶ割りまして、お酒では三百万石近くまで作るようになっておりまするが、昔と事情が違うわけでございますし、ことし米の作柄がどうであるか、どれくらい酒米に割り当てていただくか、その辺の問題とも関連いたしますので、私ども慎重に考えまして、なるべく常識的な線でこの問題を解決いたしたい。お互いにあまり理屈で言いにくいことは避けようじゃないか、企業整備は、すべて私ども合法的に、法律的に異存のない方法で実行に移しているわけでございまして、そのこと自体を問題にされるのは困る、ただここまでくればお互いに話し合ってあの当時気の毒な目にあった人にはお互いに一つ助け合おうじゃないか、こういう精神で円滑に話し合いまして、それでともどもにうまくやっていくようにいたしたい。これを基本精神といたしまして、できるだけ円滑に話が進むように指導して参りたいと考えている次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 なおこの酒税につきましては、いろいろ質問もございますけれども、これは後に回しまして、通商局長が見えておりますので、砂糖の問題で質問を一、二点しておきたいと思います。  砂糖も酒の増石と同じように、前年度確かに八十万トン輸入しておりましたものを、本年十五万トンさらに追加輸入いたしまして、九十五万トン年間輸入するということが大体きまり、これによる新しい増徴分も、確かに六十億ほど見積っておりはせぬかと考えます。砂糖消費税を引き上げるということはいろいろな面で問題があることからしまして、政府の方ではこの輸入に当りまして、キューバ糖または台湾糖との値開きを、業者をして不当の利益を得さしめぬということからして、一手に政府で買付輸入する、つまりそういう処置によって市価の安定をはかる、こういうことを目的にした法律案が近く政府の方から提出されるということを伺っておりますが、われわれはその措置がどういう具体案で現われてきますか、まだわかりませんから、想定の上の議論はやめますが、もしさような中間利益を政府が吸い上げて特別会計において処理する、こういうやり方をとられますと、直ちに国際市場価格から考えますならば、わが国民は斤当りで少くとも十五円から二十円くらい高い砂糖を使わなければならぬ結果に実際はなる。その点を私どもは非常に心配をいたしておるわけであります。そこでそれらの問題が、何とかもっと合理的に解決される別な方法はないものかということを、いろいろ検討をいたしておりますが、政府の新しい法案が準備されるのと並行してといいますか、御存じのインドネシアの清算勘定によって、キューバ糖を一万四千トン、CIFの最高トン当り価格大体百ドルをもって輸入することになった。これを、政府の方は一体どういう法律的な、あるいは予算上、会計上の措置によりますか知りませんが、これに六十ドルの。プレミアムをつけて、そして輸入した業者は政府に六十ドルを納入せよ、こういう申し入れの伝達書を出している。もうすでに輸入したものがあるようでございますが、もしこれがそのまま輸入されて参りますと、精糖会社に引き渡され、精糖会社が市販をいたします場合になりますと、おそらく精糖会社へ入ります価格は百八十五ドルから百九十ドルくらいについておりはせぬかと思っております。そうなりますと、これが百ドルの国際価格で入ったといたしますと、これは精糖工賃その他を加えましても斤当り六十三円くらいのものです。斤当り六十三円くらいの砂糖が精糖会社に渡されて、百八十五ドルから百九十ドルになりますと、少くともこれが八、九十円になりはせぬかとわれわれは推定しておる。そうなりますと、ここに二、三十円高い砂糖を一般消費者は使わなければならないということになる。こういうことに実際になる措置を通産当局はやっておるようでございますが、一体これはどういう法律とどういう予算上、会計上の規定に基いてやっておるのでありますか、これをまず通産局長から御説明を願いたい。

板垣修通商産業事務官(通商局長)

○板垣政府委員 最初御指摘になりました一般的な方針の問題につきましては、確かに御指摘の通り、将来砂糖というものは、そういう利益金を吸収することなしに、実際輸入した値段で最も安く国民に売り渡すということが、最も理想でございますが、いかにせん、現状におきましては、やはり全体の輸入牧草が限られておる。こういうことになります。そこでこれを野放しにいたしますと、結局国民が利益を受けずして、相当部分がその中間にあります商社なり、あるいはメーカーの方に行ってしまうということでへ非常に問題が残るのではないかということで、やむを得ず、過渡的な措置として、適当なる基準をきめましてその超過利益と認められる部分を、国に当分の間暫定的に吸収するという考え方で進めておるわけでございまして、これに基いて近く法律案の御審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。  それから、次のインドネシアの問題につきましては、まことに御指摘の通りでございますが、その特殊物資輸入等に関します法律案の御審議が、国会の関係上間に合いませんでしたので、その暫定措置として、行政上やむを得ずとられた措置でございます。しかしながらこれに対しましては、別に政府が行政上強制したのではございませんで、十分業者側の自主的な同意を得まして実施をした次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 政府が輸入の為替許可権を握っておって、その割当をいたしますのに当って、あなたの方から、こういう措置をとってくれるならば許すがという話し合いがあったことは事実であります。そうしてまた、そういうことをすることについても、契約書的なものを業者に渡したことも事実です。そういうことが一体法律上妥当とあなたはお考えになるのですか。一体どの法律によってそういうことがやれるのですか。少くとも国民から相当大きな金額を、何ら法律的な根拠なしに取り上げて、そうして取り上げた金は、一体どこのだれが持とうというのですか。どの機関が持って、その金をどこへ処分しようとするのですか。全然そういう法的な根拠も裏づけもなければ、会計上、予算上何ら措置されてないものを、一体一行政官が勝手に民間から金を吸い上げて、そして行政官の手元にその金を持っておるということが許されますか。そういうことを国会は命じた覚えはありません。そういうことは全然規定したとは思いません。そういうことがありますならば、少くともそれは法的な根拠を求めなければならぬ。でないと、私が今指摘しましたように、たとえばトン当り六十ドルという。プレミアムをつけている。一体六十ドルというプレミアムを押えました根拠は、いろいろな国際価格や国内市場価格との関係から、そういう値開きがあると見てなされたことと思いますが、それがもし五十ドルに下げられ、あるいはこれがまた三十ドルに下げられるということになりますと、そこで何十ドルかもうかる。現実にはなかなか市場価格は下らない。国内市場価格がそれだけに下って来ないということになった場合は、それだけもうけられたことになると思うのです。また反対に、引き上げれば引き上げるだけ、業者はえらい目にあうということになる。そういうものを何ら法的な根拠もなく、予算上、会計上規定のないものを、一体どういう根拠によってそれをやられるのですか。

板垣修通商産業事務官(通商局長)

○板垣政府委員 これにつきましては、確かにこれを実施いたします際、法律上非常に問題もあろうと考え、私どもはまことに思い悩んだのでございます。しかし一方、これを放置いたしますれば、ごく特定の数社の貿易業者に、他と非常なつり合いのとれない超過利潤を認めるということになりまして、これは社会上、非常に問題が起るのではないかということで、やむを得ず暫定措置として、行政権の運用として処置をした次第でございます。しかしこれは契約でございませんで、念書という形でやったわけでございます。今の御指摘の保笹も、国家が預かっておるわけではございませんで、各業者が一応預託をしておきまして、将来国会の御審議を経て、特別会計ができますれば、そこに納付させるということになっておる次第でございます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 そうしますと、法的根拠も何もない。ただ行政措置として、そういうことが憂えられるからやった。そうなりますと、業者がもし納めなかった場合はどうなりますか。納めなくてもいいのですか。

板垣修通商産業事務官(通商局長)

○板垣政府委員 もちろん強制権はございませんから、納めない場合は仕方がないと存じます。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 私は、かようなことが常々通産当局において行われているようなうわさを聞きましたから、あなたの方の政策課長ですか、この人にお願いをいたしまして、かようなことは法的根拠を持たなければいかぬから、国会も開かれていることであるしするから、この問題に限る措置だけでもいいから、法的根拠を持つようにおやりになったらどうですかということを、参考のために申し上げておいたのです。ところが自来何らこれに対する法的措置が提案されて参りません。また予算を見ましても、予算的措置も全然出ておりません。従って、これは全く業者と当局との間における不当取引です。そういうことははなはだ困ることでございまして、そういうことをするよりも、逆に百ドルで入るものだったら、徳ドルの価格に国内の精糖費を加算いたしまして、一斤六十三円なら六十三円で売れるような措置を何でお考えくださいませんか。どうして通産省はそんな高い砂糖を売るような措置を講じて、現実に六十三円で売れる砂糖を何ゆえ八十円、九十円で売らなければなりませんか。あなた方はわれわれ国民に対する奉仕者でありますから、国民の生活に大きな重圧を加えるような政策を考えずに、トン当り百ドルで入って来ますならば、斤当り六十五、六円で売られる措置を何でお考えになりませんか。

板垣修通商産業事務官(通商局長)

○板垣政府委員 ただいまのような問題になりますと、砂糖行政の方の問題になりますので、通商局だけでは考えられませんが、単に貿易の面だけからいいますと、先ほど言いましたように、現在全体の数量の輸入を制限せざるを得ない事情のもとにおきましては、果して輸入価格にプラスしただけの六十何円ということでは売れないだろう。おそらくその利潤が貿易業者とかメーカーに行ってしまうという点を私どもは心配するのでございます。御指摘の点は、専売制その他の問題にまで立ち入らなければ解決しない問題ではないかと思います。

井上良二日本社会党(右)

○井上委員 この問題は今申し上げました通り、法的根拠のない問題を、通産当局が、ほうっておけば輸入業者あるいは精糖業者が不当に中間でもうけるからということでお考えになったことですけれども、これはいずれにしてもおかしい、ややこしいことですから、もう少し何とか法的根拠を設けるなり、あるいは来るべき提出案文の中に、遡及してこれも一緒にやれる措置を講ずるようなことを考えますか、何かそこに法的根拠を設けるようにしてもらわぬと困ると思いますし、もしそういうことになりましても、六十ドルものプレミアムをつけることは何としてもおかしいじゃないかと私ども思っておりますので、このプレミアムの内容についても、もう少し御検討願わないと、これだけ高い。プレミアムをつけると、結局精糖会社が納めます値が非常に上って来まして、実際私ども国際市場価格を大体トン当り最高で百ドルと押えましても、それが多少口銭を入れても百六十ドルで製糖会社へ入ればいい。今申します通り百八十五ドルから九十ドルで入っておりはせぬかと私でもにらんでおる。そうなると、それにさらに口銭が加わって入っておりますから、えらい高いものになってきております。約倍の価格になりますから、その点に対して、通産当局はもっと行き届いたお世話を願いたい。  それからいま一つこれに関連して伺っておきたい問題がございますが、それは最近新規の輸入外貨割当をやります場合、従来業者割当を、この前の割当においても五千トンでちょん切るということにするとかいう話がありまして、いろいろ話をしました結果、結局五百トンに下げていただいて、いわゆる中小輸入業者といいますか、そういうものの実力が十分についてきて、それらのものがおのおの整理統合されて、十分輸入の業務が円滑にいきますような指導的措置を仰ぐという必要から、一ぺんに五千トンという線をきめずに、五百トンくらいのところで線を引かれた方がいいではないかということで、そういう措置を願ったのであります。ところが今度また五千トンの線を引きまして、それ以下は全部ちょん切ってしまって、一つも割当がもらえないということをやってきておりますが、一体そういう措置をおとりになったんですか。そうしてその措置は暫定措置ですか、それとも今後続けて行くつもりですか。それは中小の輸入業者には重大な打撃でございますので、この点に対しては、もう少し政治的な考慮を加えてやる必要があると考えますが、政治的考慮を加える余地がありますか、この点について御答弁をお願いいたします。

板垣修通商産業事務官(通商局長)

○板垣政府委員 先ほど御指摘がございました、従来行政権でやったものを、今度の法律案提出の際に遡及的に吸収措置をとれということは、まことにごもっともでございますので、この点については検討いたしてみたいと思います。それから吸収率の問題につきましても、検討いたしたいと存じます。それからただいまの外貨割当に際しましての数量の問題でございまするが、過当競争防止のため、やむを得ざる暫定措置といたしまして、過去三カ年の実績が五千トン未満のもの、あるいは過去一年間二千トンのものということでやりたいと存じております。今御指摘になりました、中小輸入業者の利益も同時にあわせ保護するような行政指導は考えていきたいと思っております。

横路節雄日本社会党(左)

○横路委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は明後十四日午前十時より理事会を開き、委員会は午前十時三十分より開会することといたします。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十四分散会

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