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22回国会衆議院1955/06/01

商工委員会日本経済の総合的施策並びに国土総合開発に関する小委員会 第3号

発言数
35
登壇者
9
会派数
5
開催日
1955/06/01

会議録

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 これより会議を開きます。  本日は国土総合開発計画に関する件、特に全国総合開発計画に関する件、及び特定地域総合開発計画に関する件、離島振興計画に関する件、工業用水、特に愛知用水に関する件についてそれぞれ調査を進めます。順次政府委員より説明を求めます。佐々木計画部長。

佐々木義武総理府事務官(経済審議庁計画部長)

○佐々木政府委員 それでは初めに全国総合開発計画のお話を申し上げまして、それから特定地域の問題に移りたいと思います。  全国総合開発計画の作業に関しましては、この前の議会のときにたしか御説明申し上げたように存じておりますが、あるいは経済安定委員会当時かとも思いますので、ダブるかもわかりませんが、一応簡略に御説明申し上げます。  これは去年の十一月ごろ作成したものでございまして、審議会では御報告を申し上げたのですが、まだ決定という段階までなっておりません。その作り方といたしましては、総人口というものを基礎にいたしまして、これから生産年令人口を出しまして、そしてその中に労働力人口が大体どのくらいいるのか、これはもちろん完全失業者を除いたネットの就業者数でございますが、それを出しまして、そうしてこの就業者が週平均労働時間としてどのくらい働くか、また一人当りの生産量がどうかという点をかけ合せまして、そうして全体の国の総生産というものを見るわけでございます。そうしてその総生産をそれでは需要側にどうわけるか、国民総支出と申しますか、それを考えまして、それには企業の需要と政府の需要と海外需要と家計の需要の四段階に分けまして、それがその総生産から——サービスあるいは生産財、消費財の総生産でございますが、それがどういう部門にどれだけ需要されるかということを想定いたしまして、そうしてその需要がわかりますと、自然消費水準等も出て参りますし、あるいは個人消費支出の内訳と申しますか、飲食費とか衣料費、あるいは光熱費、住宅費等出て参りますので、そういうものを勘案いたしますと、大よその消費、投資、あるいは在庫、輸出等が出て参りますので、そういうものを基礎にしてそれに見合う生産の構造というものを考えてみるわけでございます。そういたしまして生産の構造が出て参りますと、従って雇用というものがどういうふうな比率でどういうところに吸収されるかという点がわかって参りますから、それを基礎にしてさっき申しました全体の就業者というものがどういうふうな部門に吸収されるかというのが最後の締めくくりになって出て参ります。おのずからその間に消費性向あるいは地域の傾向というものをどういうふうに見ればいいかというような問題も最後には出てくるわけでございます。いずれにいたしましても今申し上げますような手順で、このときの作業では昭和四十年を基準にいたしまして、そしてそれに見合う作業を進めたわけでございます。ところが全国総合開発が主たる問題でございますので、どうしても財政投資の方にある程度ウニートを置いた作業にたっておりまして、従いまして輸出の方はあまり大きい伸びを見込んでおらなかったわけでございます。そこにいろいろ問題はあろうかと思いますが、いずれにいたしましてもそういうふうな国民経済全般の姿を一応描いてみまして、その中から長い目で問題を取り上げた場合に、どういう問題があるのかという点を八つばかり指摘して、その中心問題を今後深めたいというので八つばかり問題を取り上げてございます。  その問題点を少しかいつまんでお話申し上げますと、第一点は、食糧増産の問題でありまして、食糧増産の問題に関しましては、主としてここで大きく指摘しておりますのは、食糧増産の経済整理の問題を出してございます。なぜかと申しますと、タイ、ビルマ等南方の米などは品質も違いますけれども、大体トン当り六十ドルから五十ドル程度でございまして、これに比して日本の米は百十五ドルぐらいになっております。非常に生産価格が高いようになっておりますので、今後膨大な生産計画をやる際に価格の問題がどうなるかという点を非常に重要視しております。その他増産の方法と品種的なものもございますが、それは省きます。  第二点は、森林資源の培養と合理的利用の問題を指摘してございます。現在の森林の年間生長量の八千二百万石に比較いたしまして、切る方は大体二億石程度切りますので、今植えております植林は、伐採期に達するのは四十年から五十年という状況でございますから、今のままでいきますと、数字だけのことでございますが、十何年たつとほとんど日本の木がなくなってしまうという数字になるわけです。そういうことになると大へんゆゆしい問題でございますので、何とかしてもう少し早く実るような生長の早い樹種といったようなものを研究し奨励すべきじゃないかという点を指摘したのですが、それと木材利用の合理化の問題、消費の面でございますが、そういう点も指摘してございます。  三番目には、エネルギーの総合対策を書いてございます。水力はこの計算で申しますと、今のテンポでいくと、おそらく十何年で枯渇してしまう。石炭も貧鉱がまじって出てくる。価格もそう安くならぬだろう。石油に関しましてもも今の一千万キロ程度の輸入以上にそれほどふやすことは困難だ。そうした場合に、将来のエネルギー資源を何に求めていったらいいか。これは十年足らずの間に大きく出てくる問題ですので、大いに準備あるいは新資源の開発を心がけなければならぬという点を指摘しておるわけでございます。  第四番目は、産業立地の適正化の問題でありまして、これは主として工業用水の設備の問題でございます。あとから問題になろうかと思いますけれども、御承知のように非常に工業用水が不足でございまして、従来からの主要都市のみならず、今後の新工業地点と申しますか、そういうところでも非常に工業用水が不足しておりますので、その対策を根本的に考えるべきだという点と、鉱工業地帯の問題でありますが、これは特に港湾地区でございますが、戦後にいろいろ港湾の増築にかかったのですけれども、業半ばにしてなかなか進まぬ地点が相当多いものですから、そういう点を考慮して、総合的にこの問題を解決すべきだという点を四番目の産業立地適正化の点で指摘してございます。  第五番目は、輸送力の増強の問題でございまして、これも陸、海、空三者の競合問題、あるいは陸のみで申し上げましても、トラックと鉄道との調整問題等いろいろございまして、この点はなかなか今のところでは調整がとれておりませんので、そういう点を十分調整すべきだという点をるる例をあげて指摘してございます。  第六番目には、国土保全と災害復旧について問題を提起しております。これはどういうことかと申しますと、少くとも四十年ころには戦前のノミナルな災害の規模まで国土を回復したい。そのためにはどのくらい金をつぎ込めばよろしいかという点を出しまして、これくらいの金であればやりようによっては出来るのじゃなかろうかという点を指摘してございます。  第七番目には、都市問題、住宅問題について触れておりますが、都市問題と申しますれば、たとえば東京都を例にとりますと、毎年東京都は三十五万の人口がふえます。この中でずっと東京に住んでおる人が生み出すのが八万人でございまして、あとの二十七万はよそから入ってきます。その入ってきた人口がどういう形になっているかと申しますと、ほとんど第三次産業的な分野が多く、失業者人口が非常に多くなっておる。いわば消費都市的な部面が非常に強くなっているわけです。しかもそういう膨大な人口が毎年東京にふえていくのに対応して、水道用水、工業用水が足らぬから、今の小河内だけでも足りなくて、しまいには只見の方から持ってきたいという計画でやっておるという状況であります。あるいはいろいろな通信、交通、文化、厚生方面の雑多な要素が加わって参りますが、かりにロンドンに例をとって見ましても、東京都よりは若干人口が多いのでございますが、面積にしますと、大体三分の一くらいの面積に住んでおるわけです。今のように膨大な都市というものがそのままどんどん大きくなっていったら将来どうなるだろうかという点を長い先を見越して考えますと、非常に大きい問題になりますので、そういう点も大いに考えるべきだということを指摘しございます。  第八番目は、新規産業の問題を取り上げております。新規産業の問題には、原子力の問題とか、ガス・タービンの問題とか、ゲルマニウムの問題とかいろいろな新らしい産業を取り上げましてこういうものを大いにやるべきだということを指摘してございます。  以上が全国総合開発計画について去年の秋に策定したものでございまして、これを国土総合開発審議会におかけいたしまして、いろいろ御審議願ったのでありますが、なお問題もあるので、もっと深めていってもらいたいということでございますので、ただいまでは主として資金部会等でこの問題を検討中でございます。今の考えといたしましては、できますればこういうプロバルな問題はあまり深入りしないで、むしろこの中に含まれている地域的な問題とか、あるいは鉄道はどうだとか、土地改良ではどこどこが一番優先的にやるべきだとかいったような施設関係の問題をもう少し詳しく突っ込んでみたらどうだろうという観点で作業を進めております。  以上は全国総合開発の問題でございましたが、もう一つは特定地帯計画の問題でございまして、特定地帯の問題に関しましては、すでに御承知のように十九の地点を全国で指定してございまして、その中で審議会の通り閣議で正式に決定したものは八つの地域がございます。そのほか利根とか木曾、さらに各地域の方は計画が地方から自発的に出すような仕組みになっておりまして、地方から出ております。これを目下特別に水利部会を設けまして、審議中でございます。さらに四、五日前、只見地区あるいは四国の西南部の追加分が出て参りましたので、これも総理大臣の諮問に応じて正式に審議会に持ち込みまして、目下検討中でございます。  そこですでにきまっております八特定地域の事業予算関係がどうなっておるかという点でございますが、今国会へ提出の予算によりますと、まだもちろん決定はしておりませんが、今の提出予算の予算書から見ますと、特定地域の計画に関しましては、関係の事業費の総額は、治山治水事業が四十一億一千万円、道路港湾等が十三億七千五百万円、食糧増産対策費が十七億二千七百万円、鉱害復旧事業費が九億三千六百万円、住宅対策費が三億四百万円、計八十四億五千四百万円余でありましてこれを二十九年度の実績の八十三億二千九百万円に比較いたしますと、約十一億二千五百万円ばかりの増加になっております。御承知のように公共事業費あるいは食糧対策費等、相当今年度は二十九年度に比して全般的に予算がきつい査定になっておりますが、それに比しまして、特定地域地区においては増加するという点は御注目いただきたいと思います。  以上が特定地域の内容でありますが、なお特定地域計画に関しましては、実施の面、特に予算面でございますが、もう少し従来にも増して積極的に推進するという必要があるのではなかろうかというので、いろいろ委員の方たちからも御注文がございますし、その結果もう少しあに予算のみならず、法律の面等で改善の余地があるのではないかというので、目下せっかく検討中でございます。  以上が全国総合開発計画と特定地域計画の概要でございます。

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 次に離島振興の問題について経済審議庁から説明を求めます。水野調査官。

水野岑総理府事務官(経済審議庁計画部調査官)

○水野説明員 離島振興の現状につきまして御説明申し上げます。離島振興につきましては、御承知かと思いますが、昭和二十八年に設定されました離島振興法という基本法がございまして、同法によりまして離島振興対策実施地域を離島対策審議会の意見を聞いて、内閣総理大臣が指定する。この指定されました地域につきましては、離島振興計画を内閣総理大臣が同審議会の意見を聞いて定める、こういうようなことになっておるのでございます。ただいま離島振興対策実施地域として、内閣総理大臣の指定がありました島は全国で四十一島あるわけでございます。この四十一島のうち、北海道が約五島ございまして。この北海道の五島につきましては、ただいまわれわれの方で対策を鋭意検討中でございますが、残りの三十六島につきましては、離島振興計画がすでに樹立されておる状況になっておるのでございます。この決定を見ました離島振興計画によりますと、事業費の総額が約四百億、うち国費が約二百四十億というような内容になっておるのでございます。これまでの予算状況を申しますと、国費で申し上げるのでございますが、二十八年度に約八億という国費が離島振興のために計上されておるのでございますが、二十九年度におきましては、約十二億一千万円程度予算が計上されておるのでございます。三十年度につきましては、ただいま今国会で御審議を願っております予算が決定いたしませんと、これはいずれも全国一本の各省予算の中で含まれて居り、予算決定したあとで決定するということになっておりますので、まだ全貌がはっきりいたしませんが、この離島振興対策事業の根本ともいうべき漁港、それから電気導入施設、道路、港湾、この四業種につきましては三十年度におきまして、すでに予算案におきまして決定されておるのでございます。これが約四億三千八百万円ということになっております。この四億三千八百万円を二十九年度と比較いたしますと、ほぼ二十九年度並みと申すことができると思うのでございまして、正確に申しますれば、昨年度の約九割八分という状況になっております。従いまして二分程度昨年よりも減少を見たという状況でございますが、内地全体のこれらの四業種の事業の削減状態と比較いたしますと、はるかにこの離島分につきましては影響を受ける割合が少いという状況になっておりまして、離島の特殊性、重要性がある程度は考慮されておるということになっておるのでございます。なおわれわれといたしましては、全体の事業費につきましても、今後予算の決定次第、各省と緊密な連携をとりまして、二十九年度の十二億を下回らないように努力して参りたいと存じておるのでございます。簡単でございますが、これで終ります。

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 次に工業用水の件につきまして奥田第二課長。

奥田享総理府技官(経済審議庁計画部総合開発第二課長)

○奥田説明員 工業用水の点につきまして申し上げます。過去におきまして、調査が全国的なものがほとんどやられていないのが実情でございます。従いましてこれから申し上げますのは、やや古い資料に基いてのお話になるのでございますが、これをあらかじめお含みおき願いたいと思います。  お話申し上げるのは、二十六年に総合開発の基本調査ということで実施いたしました。この調査におきましては、全国を四十七の工業地帯にわけまして、その地帯につきましての水のとり方、それから取水量、過不足量、水質、こういった点につきまして調査をいたしたのでございます。その概要を申しますと、取水方法につきましては、これを昭和十三年ごろについて見ますと、大体地下水によっておっておったものが非常に多かったのでありますが、その後化学工業あるいは金属工業の発展に伴いまして、二十五年になりますと地上水に依存する分が多くなって参ったのであります。二十五年におきまする工業用水の総量は約二十億トン、そのうちの五三%を河川に依存し、二三%くらいを井戸水、九%を上水道、その他一五%ということになっております。  これを地域別に見まして、その過不足を見て参りますと、大ざっぱに申し上げまして西日本は東日本に比べまして窮屈であるということが言えると思うのであります。この四十七をさらに東北、関東に分けまして、そこの中で不足のはなはだしいというように考えられます地方をとってみますと、東北、広島、九州、大阪、こういうような地方の中にあります工業地帯の半数以上が不足しておるということになっておるのであります。工業用木の使用量について見ますと、もちろん化学工業が圧倒的な地位を占めておりまして、約三五%、三割五分というものは化学工業に使われておるのであります。次ぎまして金属工業が二七%、紡績、紙パルプ、機械、こういったような順序になっておるのでありますが、これを生産額との比較でみますと、鉱工業生産のうちで化学工業は約二割の生産額を占めておるのでありますが、これに対しまして、先ほど申し上げましたような三五%というような比率になっております。従いまして、一定の金額を生産いたしますのに、用水が非常に多く必要であるということになるのであります。用水が不足いたしておると考えられます地域を四十七のうちから拾ってみますと、京浜の東部、京浜の中部、神戸、姫路、加古川、尼崎、伊丹、堺、泉州、防府、徳山、下松、呉、広島、福山、尾道、三原、片上、坂出、下関、仙台、塩釜、平、舞鶴こういったような地域になるのであります。しからば全体としてどのくらい不足しておるかという点になるのでありますが、この点につきましては、実態的な調査がないのでありまして、従って確実な数字というわけには参りませんが、大ざっぱに申し上げますと、一日に二百五十万トン程度の水が不足しておるのではなかろうかというようにいわれておるのであります。以上簡単でありますが、国全体の概況につきまして御説明申し上げました。

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤精三君。

加藤精三自由党

○加藤(精)小委員 本日は特に経審長官代理で田中政府委員がお見えになっておられますので、私が国土総合開発に関しまして長年の間考えておりましたことについて二、三承わることができれば、大へん仕合せだと思っております。と申しますのは、最近町村合併促進法の異常なる成功によりまして、地方行政が一変いたしつつあることは、御承知の通りでございますが、それに伴いまして道州制ということが目前の問題になってきておりますけれども、その道州制の問題は、かねて内務省の国土開発の一連の思想によりまして進行してきたものがあるだろうと思うのであります。そういう問題と道州制の問題との関連につきましてどういうふうに考えておられるかということが一つでございます。  それから第二番目に、私が国土総合開発の適用の一つだと思っておりますのが離島振興でございます。この離島振興につきましては、私たち地方庁の役人なんかしておりましたときに、どうもかゆいところに手が届かないように、すべてのことがうまくいかない。たとえば済世会の診療所なんかを作るにいたしましても、一つの診療所によってどれだけ多くのまとまった人口に診療を与え得るかという一つの基準がございまして、離島では人口がまとまらぬものだから、国民のうちの最も恵まれない人が、医療を受ける機関であるところの当時の恩賜財団済世会の恩恵にも浴し得ないでいるのであります。離島振興法では、相当多くの人口、二十数万の人口を有する天草というようなところは対象になっているけれども、また一面から見れば、きわめて小さい島でかわいそうなところが社会福祉行政、医療行政等の恩恵に浴し得ないでいるようなわけであります。そういうような点から見まして、単に立法措置ばかりでなしに、そういうような全国的な社会福祉事業とか保健衛生とかいう方面の各種の団体等をも置くようになって、そうして手っとり早くこれらの離島を救って下さることに経済審議庁は諸般の措置を講じておられるかどうか、まずその二つを最初にお伺いしておきたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 本日大臣が参りまして親しく皆様方の御質問にお答えいたすところでございますが、どうしてもからだがあきませんので、私がかわってお答えいたします。  ただいま加藤先生からの御質問の第一点でございますが、加藤先生は地方行政につきましては最も御造詣の深い方であられますので、私から申し上げるまでもなく、道州制の問題が進展いたしまするとともに、国土総合開発という観点から見ます場合に、私は非常に大きな進歩である、かように考えておる次第であります。御案内のごとくに、地方行政区画相互間におきまするいろいろな紛争等につきましては、たとえば水の利用といったような問題におきましても、なかなか紛争が絶えないのでございまするが、より大きな国家的な観点に立ちましてかような問題が論ぜられるというような場合におきましては、これらの国土総合開発、ことに特定地域の電源開発等におきましては、そこに大きな解決の道が開かれるものであろう、かように考えておる次第でございます。  なお御質問の第二点の離島振興でございますが、この離島のいろいろな施設その他の整備の問題が、最近の風潮にありましては、中央集権的な形におきまして、まこと気の毒な状態に陥っておりますことは、今さら申し上げるまでもないのでありまして、ここに離島振興法という特別な立法をせられました御趣意があるところでございます。今回の離島振興に関しましては、経済審議庁設置法の改正等も行われまして、われわれある程度離島振興を担当いたしております審議庁がより強い発言を持つようになりますれば、諸般の問題についてもなお改めらるべきところが出てくるのではないか。ことに現在のような離島振興の予算編成上の建前から申しましても、各省に配分されておりまするものをただ単にいたずらに集めるのでなくて、離島振興というものが国家的に非常に大事だという観点に立ちまして、各省に積極的な折衝もいたすことができるようにしたい、かようにさえ考えておる次第であります。そういう点から申しましても、ただいまお話のごとくにいろいろな各種団体がございまするが、これは大部分実施を担当いたしておりまする各省の所管の団体等でございますが、しかしなが全体を総合的に見、ことに離島を振興しなければならないという一つの考え方に立ちまして、各省に対しましてより積極的にいろいろな意見も申し上げて、総合的にこういうふうな振興方策を実現いたして参りたい、かように考えておる次第でございます。以上お答えいたします。

加藤精三自由党

○加藤(精)小委員 ただいま御答弁を承わりまして大へん心強く感ずるのでございますが、私の根本的な疑問は、この道州制とか府県とか市町村とかいうものは、行政官庁の消費組合みたいなものだということが学者によって古くから言われておるのでございますけれども、電源開発とか総合多目的水道とか、いろいろな問題は多分に産業開発的な方面を含んでの行政がかなり濃厚になって進んでいる。それは国家的な目から見て、行政区画の従来の範囲では解決できないものも相当あるようで、それで総合開発は道州制という制度に最もよくマッチするというように考え方が進展してくるんだろうと思いますが、先ほど離島振興のところでおっしゃったように、国家的立場においてどうしても取り上げて、特別の考慮をめぐらさなければならない国土の地域があるというわけでございます。それに関連して御答弁の間に私考えたのでありますが、奄美大島の総合開発は、中央政府のある省で一本に予算を持って実施している。ただいまの御答弁によりますと、何か経済審議庁では縦割りですべての経費を各省から出さしているようなお話でございます。私非常に不勉強で、総合開発というのはどういうふうにするのかも知らない。商工委員になったばかりですから無理もないのですが、このようであったならばどうも国家性ということを助成等で伸ばすことができないと思う。奄美大島の総合開発の予算を自治庁に一まとめにするときに、私は五つぐらいの委員会の議員連中と談判をして、しんぼう強く話し合いをつければ、これは結局予算管理権を一つの省にまとめてもらえるんですから、今後経済審議庁設置法の一部を改正するというお話があるようでございますけれども、そういう際に思い切って経済審議庁だか企画庁だかに予算をまとめて、能率高くやられたらどうかと思うのです。どうも各府県に配分されますと、その府県にはそれぞれボスというものがおりまして、ことに選挙の前の年度なんかは、いろいろ単独事業や何かをやりたいのを、総合開発にひっかけて仕事をしたりすることが多々ある。僕はその実情をあまりによく知っているので、これは仕事になるまいと思うのです、縦割りで各省に仕事させたら——そういうことは御承知のように、奄美大島の総合開発の予算を自治庁に一まとめにするときに努力すればできることで、ソ連の外交当局のように、粘り強く一つがんばって、経済企画庁で予算を取って総合開発をおやりになる御意思があるかどうか、それを承わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 ただいまの御質問でございますが、奄美大島の例、これは自治庁が一括していたしたいのでございます。また北海道の開発庁といったように、こういうふうに特定のものを重点的にいたしまする政治的な特段の必要性から起ったことであろうと思います。あるいは離島振興、あるいは国土総合開発といったような面におきましてもそういう考え方を持ったらどうかという御意見であると思いますが、この問題につきましては実は非常にむずかしい問題だと存じます。中央の財政並びに地方の財政もございましょうし、またこれを担当いたします縦割りの各種の行政部門がございますが、地域別にこういうふうに取って参りますことは、あるべき姿から見れば一つの特別な政治考慮をもっていたしました異例であると考えるのであります。しかしながら離島振興のような問題あるいはまた国土総合開発のような問題は、国家といたしましても非常に大事だ。だからこういうふうにしたらどうかという御意見につきましては、貴重な御意見といたしまして十分拝聴いたしておく次第であります。非常にむずかしい問題でございまして、ここでただいまはっきりとは申しかねます。しかしながら前に安定本部の時代におきましては、公共事業に関しまする予算策定の一部を持っておったようなこともございますので、御意見に関しましてはさらにわれわれの方といたしましても十分に研究いたしまして、ぜひとも国土の総合開発あるいはまた離島の振興救済につきましては特段の意を払って参りたい、かように考えます。

加藤精三自由党

○加藤(精)小委員 これで最後ですが、ただいま中央財政と地方財政との関係があるからむずかしいじゃないかと思うというお話がありましたが、中央財政と地方財政と分れておって、地方財政がほとんど大蔵省の無理解によって窒息死になっているような状態です。そのように分れているから、なおさら国で、ある省が一本で予算を握っておって、そうして重点的にやっていただくことが必要なんだということが実態なのであります。そういう意味から、先ほどお話があった重要地域の河川の総合開発に関する行政も一本に、予算を握っている省でやりなさるとか、あるいは特定地区とか離島振興法の適用地区とかを——ただ奄美大島が、数が多くなっただけなので、国土の一部に適用する法律としてお考えになっていただいた方が、実際上能率が上って、国土総合開発の適用であるところの特殊事業が伸びるじゃないか、こういうことを考えますので、その点について特定地区と離島振興法とをなお広げたいのです。この二つの点についての予算の統一につきまして御意見を承わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 ただいまお答えをいたしましたように、予算の配分方法に対しまする基本的な考え方を、縦割りにするか横割りにするかというような本質上の問題もございますと思います。しかしながらこれらの離島振興なりあるいは特定地域等は、国家といたしましても非常に重要な施策でございまして、でき得る限りこれらの振興あるいはまた計画の促進をはかって参りたいと存じておりまする気持は全く同様でございます。なお今後国土総合開発なりあるいは離島振興につきましても、大いに促進をして参りたいと存じております次第でございますので、どうぞわれわれの今後の計画なりあるいはまたいろいろなお願いに対しましても、よろしく御協力と促進のほどをあわせてお願い申し上げます。

佐々木良作日本社会党(右)

○佐々木(良)小委員 今の加藤さんの質問に関連してお伺いしたいのですけれども、今言われたことの内容そのままなんですけれども、総合開発計画というものは、今開発計画を立てる段階のみ総合開発というものがあって、計画を実施する面では総合でもなんでもないわけです。現在政府において総合開発ということを考えられているのは、つまり計画立案過程だけをもって考えられているのか、実施過程も含めて考えておられるのか、簡単に御所見を承わりたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 もちろん計画を計画を立てる以上は、政府といたしましては実施をいたしますために立てているのでございまして、ただいま計画部長からも御説明申し上げましたごとくに、国土総合開発計画といたしましては、現在の決定いたしました八地点に対しまして年々相当額の予算をつけております次第でありますが、各省もこの政府の基本的な意図を体しましてその実施に当っているような次第でございます。なお予算等の関係でこれが思うように促進されておりませんことにつきましてはまことに遺憾に存じている次第でありますが、この促進を特に期したいと思います。

佐々木良作日本社会党(右)

○佐々木(良)小委員 実施まで含めて考えておられるということでありますけれども、これは田中さんを今ここで責めてもしようがないが、実際問題として今電源開発を中心に進められている総合開発計画は、計画があるからじゃまになるだけであって、推進には一つも役立っておらぬ。これはどういうふうに責任を持ったらいいのか、一つ調査をお願いいたしたいのですけれども、具体的に只見の問題にしましても天竜の問題にしましても——もっとはっきりしたものは、おそらく特定開発地域であろうと思いますが、西吉野に二つ発電所があります。紀ノ川と熊野川の関係のものは開発計画が進んでいる。電源開発の仕事だけはややこしいいろいろな審議会とかなんとかの決定を経て電源開発会社がやることになった。電源開発会社は水路だけの建設を本気でやっていればもう今ごろはできるのです。ところが建設省の担当になっているダムの方はできぬ、結局水の通らぬ発電所ができる。それがために、今度は大体水も通ることにならぬにかかわらず、現場の発電所を作る仕事を進めた方が悪いといって、お役人の方からしかられている。これは一体どっちに責任があるのか定めてもらいたいと思います。開発計画に基いて仕事している方の開発会社の方は発電所ができている。建設省のダムはまだできない。それがために非常に効率の悪い、水も通らぬ発電所を作ったといって民間は今おしかりをこうむっている。これはどっちが悪いのか、経審長官代理としてのはっきりとした御所見を伺いたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 さようなふうに各省にわたっておりますので、担当の所管に属する計画がいろいろとそごを来たしますので、そこでその点を少くとも調整しなければならぬというような見地から、実は本年度におきましても経審として調整経費を保留しておきたいという要求もいたしたのであります。その点はただいま御指摘になりましたようないろいろな計画の食い違いだとか、あるいはそのために起って参ります不都合を何とか是正したいという気持からでございました。ただいまのようなことはまことに申訳ないのでありますが、しかしながら、実施の責任を持った、あるいは電源開発を担当いたします通産省でありますとか、あるいはダムの建設をいたします建設省、こういうふうなところの両省間のお話合いをぜひとも円滑にしていただかなければなりませんし、なおまたそういうふうな不都合のところを総合調整いたしますのがわれわれの任務でもございますが、さような点につきましては今後十分に戒めて参りたいと存じております。同時にまた今度の設置法の改正も、少くともそういうことがないように経済審議庁といたしましてももっと機能の拡充をして参りたい、そのように考えていたした次第でございます。

佐々木良作日本社会党(右)

○佐々木(良)小委員 今度の審議庁の改正案は、たった勧告がふえただけでありまして、総合開発法ができて今のような事態が予見されたときの経済審議庁は今度改正される企画庁よりももっと権力が強かったのです。安本といいましたか何といいましたか忘れましたけれども、この計画が定められたときの審議庁の方が今度改正してでき上ろうとしている企画庁よりももっと強力なものだったわけです。それであってもなおかつできなかった。ですからそれからまた下った今度の企画庁あたりでは今のままでも私はできっこないと思う。できっこないものならじゃまになるだけですから、いっそのことやめてしまったらいい。正直な話、今只見の開発についても、只見開発の非常な重点になっている鉄道をつけるかどうかという問題、これが予定線にも何にもなっておらなければ、道もつけずに簡単に仕事ができるものを、それが予定線になっているから、電源開発に関連してこれに鉄道をつけた方がいいのではないかという純粋論が出る。やろうとすれば、まだ鉄道の方には予算がついておらないのによけいなことをやらなければならぬ。そういったやり方というものは、私はもう病膏肓に入っていると思う。天竜川の開発もそうであります。私は今次官を責めるつもりはありませんが、今のところ計画の立案過程だけで、地方と中央とを通じて行ったり来たり何べんでも会議を持たなければならぬ。手続が非常に煩瑣であるだけに、これは手続を遂行する費用も相当なものです。地方で何べんも会議をやらなければならぬわ、県の計画をきめなければならぬわ、一つの県だけではなくて関係県と協議をしなければならぬわ、それを今度は原案を持ってきて本省の方の農林省か何かでやらなければならぬ。それからまた行ったり来たりしてその計画をきめるだけでも非常に手数と金がかかる。そうしておいてでき上り、あるいはでき上る過程においてはその総合開発地域における仕事はむしろ計画があるためにじゃまになる。私は総合開発ということは非常に言葉はけっこうですけれども、言葉の魔術にとらわれてかえってマイナスにならぬように十分御注意願いたいと思う。  第一には、今計画作成過程から実施の過程まで全然ちぐはぐな電源開発、通産省から見れば、その地域の電源開発については第一に重要な地点であるのに、農林省から見れば十番目か十五番目ぐらい、建設省から見れば七番目ぐらい、そうするとことし着工するのと、七年後に着工するのと十五年ぐらいあとにそれに着工するのと、少し話が大きいけれども、実行のテンポが違う。そのテンポについて調整されるようにしてもらいたい。もしそういうことができぬような中途はんぱな総合開発計画なら捨てた方がよろしいという考えを持っております。  第二番目には、その実施過程のテンポのほかに費用の配分の問題がある。この費用の配分の問題をめぐってきわめて不明朗であります。最初に本気でかかろうとするところに、しわ寄せが全部これにかかってくる。現に最近の総合開発の中で電源開発が一番先行しているために、そこにしわを寄せてきている。しかもそれが官庁でないから——むしろ官庁でも強い官庁が勝って、弱い官庁にけつがいくわけですけれども、それが官庁と民間会社みたいになっているから、ひどいことになりまして、せっかく進行する大きな電源開発でありましても、本来公共事業費で負担すべきものがうんとかぶさってくるものですから電源開発の費用が高くなってくる。その高いものが純粋の電力料金として回収を要求されるということで、まことに矛盾だらけのかっこうが前進しつつあります。今度の企画庁みたいな改革案ではどうせだめですから、あんなものに期待かけずに、やられるのでありましたならばその実施テンポとそれから費用配分の問題につきまして、総理大臣権限か何かですぱっすぱっときめられる態勢を考えられるか、そうでなかったならば私はもう総合開発計画というやつは、今の段階で作業過程をストップさせて、調査だけやっておいて、計画立案と予算をくっつけることは、全部建設省と農林省とそれから通産省にまかして、従来のままの方がいいような気がします。どうか一つ総合開発計画というものについて、根本的なお考えを進められるようにお願いをいたしまして質問を終りたいと思います。

水野岑総理府事務官(経済審議庁計画部調査官)

○水野説明員 ただいま佐々木委員から西吉野のダム建設工事の具体的な例をお引きになりましていろいろお話しがございました。私からその実情につきまして御説明申し上げたいと思います。  西吉野のダム工事につきましては、御承知の今お話しがございましたように、電源開発会社と建設省とが関係しておる工事でありますが、これは多目的なダムでありまして、費用のアロケーションの問題で非常に紛争が起りまして、経済審議庁が中に入りまして、この費用のアロケーションも実は先般きめたのでございます。その結果ただいま御指摘がありましたように、それまでは電源開発会社の工事が進んでおって建設省の工事がおくれておる、こういうことは御指摘の通りでございますが、この経済審議庁が中に入りまして費用のアロケーションをきめて、さっそく大蔵省に連絡いたしまして、三十年度予算におきましては、この建設省のやります猿谷ダムの工事に六億円という巨額の工事費がつくことになりました。大蔵省は従来三億円程度考えておったのでありますが、それを倍にいたしました。従いましてこの猿谷のダムの建設工事は電源開発会社の工事と歩調がとれまして順調に進む、こういうような段階になった次第でございまして、従いまして建設省の工事が今後もいたずらにおくれていって、電源開発会社の工事だけが進むという事態はないというように考えておるのでございます。  それからなおつけ加えさしていただきたいのでございますが、この地域は御承知のように特定地域になっておりますが、この特定地域はただいま和歌山県、奈良県両県でいろいろ御相談になって、特定地域の計画案を作成中でごいます。従いましてまだ経済審議庁に提出になっておりません。従いまして特定地域計画というものが閣議決定になっていない地域でございます。そういう地域でございますが、非常に両者間でもめて参りまして、重要な問題でもありますので経済審議庁が乗り出しまして解決をみたということになっておるのでございます。それから先生から御指摘のありましたように、経済審議庁におきまして重要なこの面につきましては、実施段階にまで立ち至って総合調整をはかる、こういう必要性は私全く同感でございまして、今後十分一つやって参りたいと考えている次第であります。

秋田大助日本民主党

○秋田小委員 今西吉野の問題に限られて実例を引かれて、佐々木君からお話しがあったが、全国的にそういう問題が多いのではないが。その実情をちょっと知りたいと思いますので説明をしていただくことと、その中にも特定地域の閣議決定がなくて調整に困るというようなことも今お話しに出ましたが、閣議決定をさるべきものでおくれておるものがあるのだと思いますが、いつごろまでにそういう予定地については閣議決定がなされる見込みであるか。そういうものもしっかり促進していただきたいと思いますので、その二点を御説明をいただきたいと思います。

水野岑総理府事務官(経済審議庁計画部調査官)

○水野説明員 最近そういう各省の問題で非常紛糾をいたしまして、特定地域の問題で非常に困っておるという事例といたしましては、豊川用水の問題、それから北上のダムの問題、そういう問題について経審が中に入りまして、順調に話が進んでおるというようなことになっておるのでございます。  なおこの特定地域の計画につきましては、これは国土総合開発法によりまして、一応関係県が相談をして案を作って、それを中央に持ってくる、中央の方でそれを審査いたしまして、国土総合開発審議会にかけるという段階になっておりますので、県の方から案が一応出て参りませんと、中央においては審議ができないといった法律の建前になっております。従いしまてただいま申しました西吉野の問題になっているのは、案が出て参りませんものですから、それを中央できめるわけに参らぬ。こういうような段階になっております。  ただいま特定地域は御承知のように十九ございます。そのうち二地域がまだ県の方から提出がございません。残った地域につきましては、それぞれ経済審議庁の方に案が提出されておりまして、そのうち八地域はすでに閣議決定として計画がきまっておる、残りの十一地域につきまして、目下案を検討しておる、こういうような段階でありまして、これもできるだけ急いで、こちらの中央の方に県庁の方から案が出ました分につきましては逐次きめていきたい。今年中には相当多数の計画が決定されることになるのではないかと思っております。

佐々木良作日本社会党(右)

○佐々木(良)小委員 今の三県に相談しなければ案が出ないので、閣議決定ができないと言いますが、ほっておいたならばどうせできっこないと思いますし、閣議決定があるのとないから云云というお話しがありましたが、ないのならばなぜ総合開発計画の中の電源開発だけ先にやらせたか、これも係りが違うかもしれませんが、審議庁の電源開発審議会というものでやるわけです。従ってそういう手続がややこくして、まだ未了であるがために云々ということであるならば、同じように手続が未了であるままにその一部を施工させたことに問題がある。だから私はそんな手続はやめた方がよいと言うのです。実施段階にまで入れないような、手続の格好だけで行ったり来たりしなければならぬ。御承知のように熊野川の電源開発は三県の利害が対立しておりますからなかなかいきはせぬ。そういう逃げ口上があるならば最初から手をつけない方がよいので、そうすると根本的な総合開発計画試案と特定地域を選んだり、推薦したりするもとが違ってくる。これは意見になりますから申し上げませんけれども、その辺を含めて一つ十分お考えを願いたいと思います。

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 次に櫻井君。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 大臣が来られませんが、政務次官の答弁を大臣の答弁と解釈してよろしゅうございますね。——私は離島振興法のことにつきまして少し質疑をいたしたいと思うのでございます。  離島振興法の実施状況を見ますと、これが二十八年の七月に成立いたしまして、二十八、二十九年度と実施してきたわけでありますが、その実施の跡を振り返ってみますと、先ほど政府委員からも報告がありましたように、二十八年度は八億九千九百八十五万、これは人口による、国から補助しております事業費の割合にいたしますと、本土の三分の一の実施にしかなっていない、二十九年度は十二億七百万円、本土の事業費から比較いたしますと、わずかに二分の一足らずの施工である。三十年度は先ほどどのお話しの通り二十五億二千九百万円の計画で出発をいたしまして、このうち今明瞭になりましたところの道路、港湾、漁港、電気、この四種の事業について見ますと、要求額が十五億に対して、わずか四億三千万円の実施である。これは三割五分くらいに当りますが、このような過去の実績を持ち、三十年度もこのような形でこれが押し進められようとしておるのでありますが、先ほど政府委員の説明によりますと、いろいろな予算の査定に当って、本土よりも離島の方は削減せられた分が少いのだ、こういうような説明がありましたが、これはもってのほかであります。本土並みの実施ができていない、二十八年度は三分の一、二十九年度は二分の一、本年度もこのような形でおそらく落ちつくのであろうと思いますが、このように本土並みの実施もできないということになれば、離島振興法という特別な法律ができても、これは何ら意味をなさない。こういうことについては先ほどいろいろ各同僚委員からも質問がありましたけれども、経済審議庁はいろいろりっぱな計画を立てられるけれども、その計画の実施に当ってはこれが非常に力がない。これはもう実態なんです。まず私が聞きたいことは、離島振興法第六条に基いて、この計画は総理大臣が作成することになっているはずです。三十年度の計画も、これは鳩山総理みずからが作成された計画であるはずでありますが、これがこのように大きく削られている。そういう理由が一体どこにあるのか、まずその点をはっきりさせていただきたいと思います。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 櫻井委員にお答えいたします。離島振興法の立法趣旨から申しましても、非常に内地と懸隔のある、おくれております諸施設万端につきまして、何とかこれを引き上げたいというのが立法趣旨でございます。さような趣旨に基きまして、強力に推進いたしますために、内閣の方で総理がみずから内閣として行うということになっておりまして、経審がその事務を扱っております。御案内の通りに、昨年度、本年度におきましては、一兆円予算という非常に窮屈なワクでございまして、思うようにいけなかったことは、われわれ一同も非常に遺憾に存じておるところであります。今後もこれらの立法趣旨に基きまして、離島振興につきましては、さらに一そう努力をいたして参りたい、かように考えております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 これは一兆円緊縮予算の建前から減らされた、こういうことでいきますと、これはいつまでたっても予算に制約されたということで、離島の振興はできない。私が言いたいことは、せめて本土並みの率まではこれは当然——税金は同じように払っているわけです。離島の人だからといって税金が安いわけではない。同じように納めておる同じ国民でありながら、そのはね返ってくるものがこういうふうに差別されるということは、これははなはだよろしくないので本土並みのものは実施してもらわなければならないということを私は強く主張するわけです。特に具体的な問題に入って参りますが、第一次、第二次、第三次の指定で、一体どれくらい離島振興法の実施によって効果を得たのであるか。経済審議庁はどういうふうに反省をして、これをつかんでおられるか、これをお聞かせ願いたい。大体のことでよろしいのです。

水野岑総理府事務官(経済審議庁計画部調査官)

○水野説明員 ただいま御質問のありました点につきましては、ただいま資料を持ち合せておりませんので後刻御説明いたしたいと思いますが、ただこの機会に申し上げたいと存じます点は、本年度予算におきましても、実は経済審議庁の方で関係各省の方へひんぱんに連絡いたしまして、離島振興のために一つ大いに予算を計上するようにということは、できるだけの努力は実はいたしたのでございまして、たとえば四億三千万円というのが、三十年度四種事業になっておりまして、そのうち道路事業を見ていただきましても、相当な予算が、乏しい予算のうちで離島分としては計上せられておるはずでございます。この数字は時間がないと思いますので申し上げませんが、これには非常な努力を払ってやったつもりでございまして、不十分であることは御指摘の通りでございますが、なお今後とも努力いたしたいと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 少し具体的な点に入って質問いたしたいと思いますが、離島振興法の第九条の政令の公布について、これでどのような準備をしておられるか。たとえば四種事業のほかに、簡易水道であるとか、小田地開墾というようなことがございますが、この土地開墾の補助は、御承知の通り五十町歩以上ということになっておりますが、離島においては五十町歩以上というような開墾地はないわけです。これはずっと基準を下げなければならない。そういうために第九条の政令公布ということもあるかと思うのでありますが、そういう点を具体的に考えておられるかどうか。

水野岑総理府事務官(経済審議庁計画部調査官)

○水野説明員 ただいまの御意見は私どもも全く同感、ごもっともな点でございます。先ほども加藤委員からも御指摘がございましたように、たとえば診療所を例にとりましても、その設置基準も離島の実情に合うようにする、ただいま御指摘のありました土地改良、開墾、そういうようなものにつきましても、補助対象基準を離島の実情に合うように引き下げて、離島がほんとうに恩恵を受けるようにする、これは全く私ども同感でございまして、ただいま私どもの方で案を作成すべく種々検討をいたしておる段階でございまして、できるだけ早い機会に離島審議会にかけまして、関係各省の御協力も得て、そういう補助対象基準を離島の実情に合うように引き下げて実施されるように、ぜひ努力いたしたいと考えているわけであります。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 離島関係の予算が、実施に当りまして非常に各省に分散されている。従ってこれを実施する上に非常にいろいろな困難があるということは、先ほど田中次官の方からも説明がございました。私どもといたしましては、先ほど加藤委員からもありましたように、これはやはり切り離して、たとえば奄美大島あるいは北海道開発のような、ああいう強力なものにして、審議庁で作られた計画がほんとうに実施されるように、そうして本土並みの開発ができるようにやってもらうということが、これが一番効果的にこれを実施できる方法だと思うのであります。しかしそこまでいくのは諸種の事情で困難だということでありますれば、とりあえずの措置といたしましては、各省の中にある——今上っているのが、たとえば農林本省関係を見ましても、漁港施設費というようなものに何年度予算が上って、ただ説明としてその中に離島振興の分を含んでいると書いてあるだけである。こういう予算の組み方でございますから、これが削減されるときに、離島の方がしわ寄せされると考えられるので、せめて独立の項を起して、たとえば農林本省の漁港施設費と別に離島漁港施設費というような項を起して、ここに独立の姿を出していく。農林省あるいは建設省各省にわたってこういう措置がとられないものかどうか。もしそれが可能であるとすれば、当然こういう計画を立てられるところの経済審議庁は、各省にそのことを要望になるなり、あるいはあなた方が中心になってそういう折衝をして下さって、そういうことを実現させてもらいたいと思うが、そういうことが実現可能であるかどうか、それをまた実現させるような努力を払われる覚悟があるかどうか、次官から一つ御答弁願いたい。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 ただいま御質問のございました点は、実は審議会の皆様方といたしましても、また今回の予算編成におきまして、審議庁といたしましても、たびたび要請したところでございましたが、実はそれが実現できなかったので、その点はまことに残念でございますが、その新しい項を起すということに対しましては、われわれもぜひそうしたいものだという希望は絶対に捨てません。なおそれに向って努力したいと思っております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 今の次官の御答弁で、今までそういうことに努力を払ってき、今後も努力を続けていくということでございましたが、この離島振興法の一番の盲点は実にそこにある。今の場合は、独立した機関になって、実施段階までも十分経審が握ってしまうということになれば問題はないのです。今の段階では、そのことがやはりこの離島振興法の実施を容易ならしめる第一歩だと思うのです。そのことを今後努力するということでございますが、私は、特にきょうは大臣に出てもらって、大臣からはっきりした言質をいただきたいと思ったのはその点にある。ことしはやってみたけれどもだめであった、来年もやってみたけれどもだめであった、こういうことでは、いつまでたってもこれは絵にかいたもちにすぎないのであって、ほんとにあなた方が計画を実施するという御熱意があるならば、それは当然やらなければだめなんです。これは強く私は御要望申し上げたいのですが、責任をもってそういうことの解決に当るという御答弁をいただけますかどうか。

田中龍夫自由民主党経済審議政務次官

○田中(龍)政府委員 今後もその点につきましては、ぜひ解決したいと存じております。

櫻井奎夫日本社会党(左)

○櫻井小委員 次官の御決意のほどをお伺いして、安心いたしたわけですが、これは次官だけでなく、経済審議庁の各部課長の方におかれましても、あなた方が立てられるわけだから、ぜひ一つそういう折衝を各省にわたってやってもらいたいと思うのであります。  それから離島振興の計画は、ただ予算の範囲内でできる中でやっていこうというような気持でなく、本土並みの実施をやって、隔絶されたへんぴなところに住んでいる住民の幸福といいますか、あるいは国土の開発という面から、これを大きな国土開発の一環としてこれが必要だという見地から、今後強力にやってもらいたいと思う。以上要望を申し上げまして、私の質問を終ります。

山手滿男日本民主党

○山手小委員長 本日の会議はこの程度にとどめます。次会は追って公報をもってお知らせいたします。これにて散会をいたします。    午後二時五十三分散会

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